JP2011225454A - アルコールの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】第1級アルコールを二量化し、炭素鎖が伸長したアルコールを製造する方法において、単位触媒量当たりの目的化合物の生成量に優れ、且つ、優れた収率で目的化合物を製造することができるアルコールの製造方法を提供する。
【解決手段】本発明のアルコールの製造方法は、第1級アルコールを、イリジウム触媒とパラジウム触媒の併存下、且つ、塩基の存在下、二量体化させ、炭素鎖が伸長したアルコールを得ることを特徴とする。イリジウム触媒とパラジウム触媒は、それぞれ担体に担持した形態で使用することが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、イリジウム触媒及びパラジウム触媒を用いたアルコールの製造法、より詳細には、イリジウム触媒及びパラジウム触媒を用いて第1級アルコールを二量化し、炭素鎖が伸長したアルコールを製造する方法に関する。
イリジウム錯体等の周期表8〜10族元素化合物が水素移動反応に高い触媒活性を示すことが報告され、有機合成化学に利用されている。特許文献1には、第1級アルコールを、周期表8〜10族元素化合物と塩基の存在下、二量化反応させて、炭素鎖が伸長したアルコールを得る方法が開示されている。しかし、この方法では、単位触媒量当たりの目的化合物の生成量が少なく、工業的な見地からは必ずしも充分満足できる方法と言えなかった。
単位触媒量当たりの目的化合物の生成量を改善する方法として、特許文献2には、第1級アルコールを、周期表8〜10族元素化合物、ホスフィン系配位子、及び塩基の存在下、二量化反応させて、炭素鎖が伸長したアルコールを得る方法が開示されている。しかし、この方法でも、未だ満足のできる収率で目的化合物を得ることはできなかった。すなわち、第1級アルコールを二量化し、炭素鎖が伸長したアルコールを製造する方法において、少ない触媒の使用量で、優れた収率で目的化合物を得る方法が見出されていないのが現状である。
特開2007−223947号公報 特開2009−167129号公報
従って、本発明の目的は、第1級アルコールを二量化し、炭素鎖が伸長したアルコールを製造する方法において、単位触媒量当たりの目的化合物の生成量に優れ、且つ、優れた収率で目的化合物を製造することができるアルコールの製造方法を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、触媒としてイリジウム触媒とパラジウム触媒を組み合わせて使用すると、ホスフィン系配位子を使用しなくとも、少ない触媒の使用量で、第1級アルコールを二量化して炭素鎖が伸長したアルコールを優れた収率で得ることができることを見いだした。本発明はこれらの知見に基づいて完成させたものである。
すなわち、本発明は、第1級アルコールを、イリジウム触媒とパラジウム触媒の併存下、且つ、塩基の存在下、二量体化させ、炭素鎖が伸長したアルコールを得ることを特徴とするアルコールの製造方法を提供する。
イリジウム触媒とパラジウム触媒としては、それぞれ担体に担持した形態で使用することが好ましく、活性炭に担持した形態で使用することが好ましい。
第1級アルコールとしては、エタノール、1−プロパノール又は1−ブタノールを使用することが好ましい。
イリジウム触媒の使用量としては、第1級アルコールに対して1.0モル%未満であることが好ましい。
パラジウム触媒の使用量としては、第1級アルコールに対して1.0モル%未満であることが好ましい。
また、塩基としては、アルカリ金属アルコキシドを使用することが好ましく、その使用量としては、第1級アルコールに対して70モル%未満であることが好ましい。
本発明に係るアルコールの製造方法によれば、第1級アルコールから、触媒反応により温和な条件下、優れた収率で目的とする炭素鎖が伸長したアルコールを得ることができる。また、触媒のターンオーバー数が大きく、少量の触媒で多量の目的化合物を得ることができる。
本発明のアルコールの製造方法は、第1級アルコールを、イリジウム触媒とパラジウム触媒の併存下、且つ、塩基の存在下、二量体化させ、炭素鎖が伸長したアルコールを得ることを特徴とする。
[第1級アルコール]
原料として用いる第1級アルコールとしては、脂肪族アルコール、芳香族アルコール、脂環式アルコール、複素環式アルコール等の何れであってもよく、また、1価アルコールのほか、2価アルコール等の多価アルコールであってもよい。第1級アルコールとしては、ヒドロキシル基のβ位の炭素原子に水素原子が1又は2個(特に2個)結合してる化合物が好ましい。第1級アルコールは単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
代表的な第1級アルコールには下記式(1)で表される化合物が含まれる。
R−CH2−CH2−OH (1)
(式中、Rは水素原子又は有機基を示す)
前記有機基としては、本反応を阻害しないような基であればよく、例えば、炭化水素基、複素環式基、置換オキシカルボニル基(アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基、シクロアルキルオキシカルボニル基等)、カルボキシル基、置換又は無置換カルバモイル基、シアノ基、アシル基(アセチル基等の脂肪族アシル基;ベンゾイル基等の芳香族アシル基等)、及びこれらが2以上結合した基等を挙げることができる。前記カルボキシル基等は有機合成の分野で公知乃至慣用の保護基で保護されていてもよく、金属で置換されていてもよい。
前記炭化水素基及び複素環式基には、置換基を有する炭化水素基及び複素環式基も含まれる。前記炭化水素基には、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基及びこれらの結合した基が含まれる。脂肪族炭化水素基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、デシル、ドデシル基等の炭素数1〜20(好ましくは1〜10、さらに好ましくは1〜3)程度のアルキル基;ビニル、アリル、1−ブテニル基等の炭素数2〜20(好ましくは2〜10、さらに好ましくは2〜3)程度のアルケニル基;エチニル、プロピニル基等の炭素数2〜20(好ましくは2〜10、さらに好ましくは2〜3)程度のアルキニル基等を挙げることができる。
脂環式炭化水素基としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロオクチル基等の3〜20員(好ましくは3〜15員、さらに好ましくは5〜8員)程度のシクロアルキル基;シクロペンテニル、シクロへキセニル基等の3〜20員(好ましくは3〜15員、さらに好ましくは5〜8員)程度のシクロアルケニル基;パーヒドロナフタレン−1−イル基、ノルボルニル、アダマンチル、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカン−3−イル基等の橋かけ環式炭化水素基等を挙げることができる。芳香族炭化水素基としては、フェニル、ナフチル基等の炭素数6〜14(好ましくは6〜10)程度の芳香族炭化水素基が挙げられる。
脂肪族炭化水素基と脂環式炭化水素基とが結合した炭化水素基には、シクロペンチルメチル、シクロヘキシルメチル、2−シクロヘキシルエチル基等のシクロアルキル−アルキル基(例えば、C3-20シクロアルキル−C1-4アルキル基等)等が含まれる。また、脂肪族炭化水素基と芳香族炭化水素基とが結合した炭化水素基には、アラルキル基(例えば、C7-18アラルキル基等)、アルキル置換アリール基(例えば、1〜4個程度のC1-4アルキル基が置換したフェニル基又はナフチル基等)等が含まれる。
好ましい炭化水素基には、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、C3-15シクロアルキル基、C6-14芳香族炭化水素基、C3-15シクロアルキル−C1-4アルキル基、C7-14アラルキル基等が含まれる。
上記炭化水素基は、種々の置換基、例えば、ハロゲン原子、オキソ基、ヒドロキシル基、置換オキシ基(例えば、アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、アシルオキシ基等)、カルボキシル基、置換オキシカルボニル基(アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基等)、置換又は無置換カルバモイル基、シアノ基、ニトロ基、アシル基、置換又は無置換アミノ基、スルホ基、複素環式基等を有していてもよい。前記ヒドロキシル基やカルボキシル基は有機合成の分野で慣用の保護基で保護されていてもよい。また、脂環式炭化水素基や芳香族炭化水素基の環には芳香族性又は非芳香属性の複素環が縮合していてもよい。
前記Rにおける有機基としての複素環式基を構成する複素環には、芳香族性複素環及び非芳香族性複素環が含まれる。このような複素環としては、例えば、ヘテロ原子として酸素原子を含む複素環(例えば、フラン、テトラヒドロフラン、オキサゾール、イソオキサゾール、γ−ブチロラクトン環等の5員環、4−オキソ−4H−ピラン、テトラヒドロピラン、モルホリン環等の6員環、ベンゾフラン、イソベンゾフラン、4−オキソ−4H−クロメン、クロマン、イソクロマン環等の縮合環、3−オキサトリシクロ[4.3.1.14,8]ウンデカン−2−オン環、3−オキサトリシクロ[4.2.1.04,8]ノナン−2−オン環等の橋かけ環)、ヘテロ原子としてイオウ原子を含む複素環(例えば、チオフェン、チアゾール、イソチアゾール、チアジアゾール環等の5員環、4−オキソ−4H−チオピラン環等の6員環、ベンゾチオフェン環等の縮合環等)、ヘテロ原子として窒素原子を含む複素環(例えば、ピロール、ピロリジン、ピラゾール、イミダゾール、トリアゾール環等の5員環、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、ピペリジン、ピペラジン環等の6員環、インドール、インドリン、キノリン、アクリジン、ナフチリジン、キナゾリン、プリン環等の縮合環等)等を挙げることができる。上記複素環式基には、前記炭化水素基が有していてもよい置換基のほか、アルキル基(例えば、メチル、エチル基等のC1-4アルキル基等)、シクロアルキル基、アリール基(例えば、フェニル、ナフチル基等)等の置換基を有していてもよい。
原料として用いる第1級アルコールの代表的な例として、エタノール、1−プロパノール、1−ブタノール、1−ペンタノール、1−ヘキサノール、1−ヘプタノール、1−オクタノール、1−ノナノール、1−デカノール、1−ドデカノール等の脂肪族アルコール;2−フェニルエチルアルコール、3−フェニルプロピルアルコール、4−フェニルブチルアルコール等の芳香族アルコール;2−シクロヘキシルエチルアルコール、2−シクロペンチルエチルアルコール、3−シクロヘキシルプロピルアルコール、4−シクロヘキシルブチルアルコール等の脂環式アルコール;2−(ピリジン−2−イル)エチルアルコール、2−(フラン−2−イル)エチルアルコール等の複素環式アルコール;1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等のジオール類等の多価アルコール等を挙げることができる。第1級アルコールとしては、工業的規模での取り扱いが容易な点で、炭素数2〜6の1価の脂肪族アルコールが好ましく、特にエタノール、1−プロパノール、1−ブタノールが好ましい。
[イリジウム触媒]
本発明において使用するイリジウム触媒としては、イリジウム元素を含む広範な無機及び有機化合物が含まれる。無機化合物としては、例えば、金属単体、酸化物、硫化物、水酸化物、ハロゲン化物、硫酸塩、周期表8〜10族元素を含むオキソ酸又はその塩、無機錯体等を挙げることができる。有機化合物としては、例えば、シアン化物、有機酸塩(酢酸塩等)、有機錯体等を挙げることができる。錯体の配位子には公知の配位子が含まれる。イリジウム触媒におけるイリジウム元素の価数は1価又は3価が好ましい。イリジウム触媒は単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
無機のイリジウム触媒としては、例えば、金属イリジウム、酸化イリジウム、硫化イリジウム、水酸化イリジウム、フッ化イリジウム、塩化イリジウム、臭化イリジウム、ヨウ化イリジウム、硫酸イリジウム、イリジウム酸又はその塩(例えば、イリジウム酸カリウム等)、無機イリジウム錯体[例えば、ヘキサアンミンイリジウム(III)塩、クロロペンタアンミンイリジウム(III)塩等]等を挙げることができる。
有機のイリジウム触媒としては、例えば、シアン化イリジウムのほか、有機イリジウム錯体を用いることができる。該有機イリジウム錯体として、例えば、トリス(アセチルアセトナト)イリジウム、ドデカカルボニル四イリジウム(0)、クロロトリカルボニルイリジウム(I)、ジ−μ−クロロテトラキス(シクロオクテン)二イリジウム(I)([IrCl(coe)22)、ジ−μ−クロロテトラキス(エチレン)二イリジウム(I)、ジ−μ−クロロビス(1,5−シクロオクタジエン)二イリジウム(I)([IrCl(cod)]2)、ジ−μ−クロロジクロロビス(1,2,3,4,5−ペンタメチルシクロペンタジエニル)二イリジウム(III)([Cp*IrCl22)、トリクロロトリス(トリエチルホスフィン)イリジウム(III)、ペンタヒドリドビス(トリメチルホスフィン)イリジウム(V)、クロロカルボニルビス(トリフェニルホスフィン)イリジウム(I)、クロロトリス(トリフェニルホスフィン)イリジウム(I)(IrCl(PPh33)、クロロエチレンビス(トリフェニルホスフィン)イリジウム(I)、(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ジカルボニルイリジウム(I)、ビス{1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン}イリジウム(I)塩化物、ペンタメチルシクロペンタジエニルビス(エチレン)イリジウム(I)、カルボニルメチルビス(トリフェニルホスフィン)イリジウム(I)、(1,5−シクロオクタジエン)(ジホスフィン)イリジウム(I)ハロゲン化物、1,5−シクロオクタジエン(1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン)イリジウム(I)ヘキサフルオロリン酸塩、(1,5−シクロオクタジエン)ビス(トリアルキルホスフィン)イリジウム(I)ハロゲン化物、ビス(1,5−シクロオクタジエン)イリジウムテトラフルオロボレート([Ir(cod)2+BF4 -)、(1,5−シクロオクタジエン)(アセトニトリル)イリジウムテトラフルオロボレート等を挙げることができる。
イリジウム触媒は、そのままで又は担体に担持した形態で使用できる。前記担体としては、触媒担持用の慣用の担体、例えば、シリカ、アルミナ、シリカ−アルミナ、ゼオライト、チタニア、マグネシア等の金属酸化物や活性炭等を挙げることができる。
本発明におけるイリジウム触媒としては、なかでも、触媒を効率的、且つ安価に回収することができる点で、担体に担持した形態で使用することが好ましく、特に、反応収率を向上することができる点で、活性炭に担持した形態で使用することが好ましい。
イリジウム触媒の担持に使用される活性炭としては、例えば、比表面積が0.8×103〜2.0×1032/g程度、平均細孔半径が3〜30Å程度であるものが好ましい。活性炭の種類としては、例えば、ピート炭、ヤシガラ炭、ウッド炭等、種々のものを使用することができ、活性炭の形伏としては、特に限定されることがなく、粒伏、破砕状、マカロニ状、ハニカム状、繊維状など種々の形状のものを使用することができる。
上記イリジウム触媒を活性炭等の担体に担持させる方法としては、周知慣用の方法を使用することができ、例えばイリジウム触媒を、適当な溶媒に溶解して触媒液を調製し、該触媒液に活性炭等の担体を浸漬した後、取り出し、乾燥及び/又は焼成等を行う含浸法や沈殿法、イオン交換法等により行うことができる。
担体に担持したイリジウム触媒におけるイリジウム触媒の担持量としては、担体に対して、例えば0.1〜50重量%程度、好ましくは1〜20重量%、特に好ましくは1〜10重量%である。
イリジウム触媒の使用量は、原料の種類等によって適宜選択できるが、例えば、原料として用いる第1級アルコール1モルに対して、例えば1.0モル%未満(たとえば、0.001モル%以上、1.0モル%未満)、好ましくは0.001〜0.1モル%、さらに好ましくは0.005〜0.1モル%程度である。
[パラジウム触媒]
本発明では上記イリジウム触媒と共に、パラジウム触媒を用いる。パラジウム触媒の例としては、上記イリジウム触媒に対応する例を挙げることができる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
本発明におけるパラジウム触媒としては、なかでも、触媒を効率的、且つ安価に回収することができる点で、担体に担持した形態で使用することが好ましく、特に、反応収率を向上することができる点で、活性炭に担持した形態で使用することが好ましい。
パラジウム触媒の担持に使用される活性炭としては特に限定されることがなく、上記イリジウム触媒に使用される活性炭と同様のものを使用することができる。
また、イリジウム触媒、パラジウム触媒について、共に活性炭等の担体に担持させた形態で使用する場合、それぞれ別個に活性炭等の担体に担持させたイリジウム触媒とパラジウム触媒を併用してもよく、イリジウム触媒とパラジウム触媒とを混合して活性炭等の担体に担持させたものを使用してもよい。パラジウム触媒を活性炭等の担体に担持する方法としては、上記イリジウム触媒を活性炭等の担体に担持させる方法と同様の方法を採用することができる。
担体に担持したパラジウム触媒におけるパラジウム触媒の担持量としては、担体に対して、例えば0.1〜50重量%程度、好ましくは1〜20重量%、特に好ましくは1〜10重量%である。
パラジウム触媒の使用量は、原料の種類等によって適宜選択できるが、例えば、原料として用いる第1級アルコール1モルに対して、例えば1.0モル%未満(たとえば、0.001モル%以上、1.0モル%未満)、好ましくは0.001〜0.1モル%、さらに好ましくは0.005〜0.1モル%程度である。
イリジウム触媒とパラジウム触媒との使用量の割合[前者/後者(モル比)]としては、例えば、70/30〜30/70程度、好ましくは60/40〜40/60程度である。パラジウム触媒の使用量が少なくなりすぎると、反応選択率が低下する傾向がある。
[塩基]
本発明では、前記イリジウム触媒、パラジウム触媒と共に塩基を用いる。塩基は、無機塩基、有機塩基等の何れであってもよい。
無機塩基としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム等のアルカリ金属水酸化物;炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム等のアルカリ金属炭酸塩;炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素セシウム等のアルカリ金属炭酸水素塩;水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム等のアルカリ土類金属水酸化物;炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム等のアルカリ土類金属炭酸塩;炭酸セリウム等を挙げることができる。
有機塩基としては、例えば、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムt−ブトキシド等のアルカリ金属アルコキシド;酢酸ナトリウム等のアルカリ金属有機酸塩;トリエチルアミン、ピペリジン、N−メチルピペリジン、ピリジン等のアミン類(第3級アミン等)や含窒素複素環化合物等を挙げることができる。
これらの中でも、特に、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物;カリウムt−ブトキシド等のアルカリ金属アルコキシド等の強塩基が好ましい。
塩基の添加量は、原料の種類や前記イリジウム触媒、パラジウム触媒の種類等によっても異なるが、原料として用いる第1級アルコール1モルに対して、例えば、70モル%未満、好ましくは1.0モル%以上、70モル%未満、特に好ましくは5.0〜50モル%である。
[反応]
第1級アルコールの二量化反応は、溶媒の存在下又は非存在下で行われる。前記溶媒としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素;シクロヘキサン等の脂環式炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素;クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素;ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド等を挙げることができる。これらの溶媒は単独で又は2種以上を混合して用いられる。
なお、反応系に、原料として用いる第1級アルコールに対応するアルデヒド[例えば、式(1)で表されるアルコールを原料とする場合には、下記式(2)
R−CH2−CHO (2)
で表されるアルデヒド]を少量添加してもよい。該アルデヒドの添加により、反応速度が向上する場合がある。
また、反応は重合禁止剤の存在下で行ってもよい。反応温度は、反応原料や触媒の種類等に応じて適宜選択でき、例えば、20〜200℃、好ましくは50〜180℃、さらに好ましくは70〜150℃程度である。反応は常圧で行ってもよく、減圧又は加圧下で行ってもよい。反応の雰囲気は反応を阻害しない限り特に限定されないが、例えば、窒素雰囲気、アルゴン雰囲気等の不活性ガス雰囲気下で反応を行うのが好ましい。なお、少量の酸素の存在は、該酸素が水素受容体として機能して反応速度が速くなる場合があるが、過剰の酸素が系内に存在すると、副反応が進行し、下記式(3)で表されるカルボン酸エステルが生成しやすくなる傾向がある。そのため、反応系の気相部の酸素濃度は、例えば10%以下、好ましくは5%以下、さらに好ましくは1%以下とするのが望ましい。
Figure 2011225454
(式中、Rは前記に同じ)
反応原料や触媒等の添加順序は特に限定されることがなく、また、反応はバッチ式、セミバッチ式、連続式等の何れの方法でも行うことができる。
本発明の方法では、イリジウム触媒とパラジウム触媒を組み合わせて使用する触媒反応により、温和な条件下で、第1級アルコールが二量化して炭素鎖が伸長したアルコールが良好な収率で生成する。例えば、前記式(1)で表される第1級アルコールを原料として用いた場合には、下記式(4)
Figure 2011225454
(式中、Rは前記に同じ)
で表される炭素鎖の伸長したアルコールが生成する。
反応機構は必ずしも明らかではないが、まず第1級アルコールがイリジウム触媒及びパラジウム触媒により酸化脱水素されてアルデヒドとなり(この時、イリジウム触媒及びパラジウム触媒は水素化される)、これがアルドール型の縮合反応を起こしてα,β−不飽和アルデヒドが生成し、この生成物が上記水素化されたイリジウム触媒及びパラジウム触媒により水素添加されて、炭素鎖が伸長したアルコールが生成する(この時、元のイリジウム触媒及びパラジウム触媒が再生する)ものと推測される。原料として2種以上の第1級アルコールを用いた場合には、同種のアルコール同士の二量化反応生成物のほか、異種のアルコール同士が反応した交差反応生成物が生成し得る。
反応終了後、反応生成物は、例えば、濾過、濃縮、蒸留、抽出、晶析、再結晶、カラムクロマトグラフィー等の分離手段や、これらを組み合わせた分離手段により分離精製できる。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
実施例1
反応器に1−ブタノール(337ミリモル)、Ir/活性炭(5%Irカーボン粉末、比表面積:1.4×1032/g、平均細孔半径:10Å、エヌ・イーケムキャット(株)製特注試薬)(0.035ミリモル)、Pd/活性炭(5%Pdカーボン粉末、エヌ・イーケムキャット(株)製試薬)(0.035ミリモル)、カリウムt−ブトキシド(27ミリモル)を加え、窒素雰囲気下、1−ブタノール沸点下で9時間撹拌した。反応後、ガスクロマトグラフィーにより分析した結果、2−エチル−ヘキサノールが21%の収率で得られていた。
実施例2
Ir/活性炭の使用量を0.035ミリモルから0.07ミリモルへ、Pd/活性炭の使用量を0.035ミリモルから0.07ミリモルへ変更した以外は実施例1と同様にした。2−エチル−ヘキサノールが28%の収率で得られた。
実施例3
Ir/活性炭の使用量を0.035ミリモルから0.07ミリモルへ、Pd/活性炭の使用量を0.035ミリモルから0.07ミリモルへ、カリウムt−ブトキシドの使用量を27ミリモルから135ミリモルへ変更した以外は実施例1と同様にした。2−エチル−ヘキサノールが65%の収率で得られた。
比較例1
Ir/活性炭の使用量を0.035ミリモルから0.07ミリモルへ変更し、Pd/活性炭を使用しなかった以外は実施例1と同様にした。2−エチル−ヘキサノールが7%の収率で得られた。
比較例2
Pd/活性炭に代えてRu/活性炭(5%Ruカーボン粉末、エヌ・イーケムキャット(株)製試薬)を0.035ミリモル使用した以外は実施例1と同様にした。2−エチル−ヘキサノールが6%の収率で得られた。

Claims (8)

  1. 第1級アルコールを、イリジウム触媒とパラジウム触媒の併存下、且つ、塩基の存在下、二量体化させ、炭素鎖が伸長したアルコールを得ることを特徴とするアルコールの製造方法。
  2. イリジウム触媒とパラジウム触媒を、それぞれ担体に担持した形態で使用する請求項1に記載のアルコールの製造方法。
  3. イリジウム触媒とパラジウム触媒を、それぞれ活性炭に担持した形態で使用する請求項1に記載のアルコールの製造方法。
  4. 第1級アルコールがエタノール、1−プロパノール又は1−ブタノールである請求項1〜3の何れかの項に記載のアルコールの製造方法。
  5. イリジウム触媒の使用量が、第1級アルコールに対して1.0モル%未満である請求項1〜4の何れかの項に記載のアルコールの製造方法。
  6. パラジウム触媒の使用量が、第1級アルコールに対して1.0モル%未満である請求項1〜5の何れかの項に記載のアルコールの製造方法。
  7. 塩基としてアルカリ金属アルコキシドを使用する請求項1〜6の何れかの項に記載のアルコールの製造方法。
  8. 塩基の使用量が、第1級アルコールに対して70モル%未満である請求項1〜7の何れかの項に記載のアルコールの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN104588003A (zh) * 2014-12-24 2015-05-06 中国科学院青岛生物能源与过程研究所 一种多相金属催化剂及其在由甲醇和乙醇水溶液制备异丁醇中的应用
WO2019193079A1 (en) 2018-04-05 2019-10-10 Alma Mater Studiorum - Universita' Di Bologna Improved process for the transformation of primary aliphatic alcohols into higher aliphatic alcohols

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