JP2011225382A - バラスト道床のコンクリート道床化工法 - Google Patents

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Abstract

【課題】短時間で高いコンクリート強度を得ることができるバラスト道床のコンクリート道床化工法に関する。
【解決手段】セメント、カルシウムアルミネート、セッコウ、窒素ガス発泡物質、水素ガス発泡物質及び減水剤と、凝結調整剤と細骨材とを含有してなる超速硬無収縮モルタル組成物に、水を練混ぜた超速硬無収縮グラウトを道床バラストに注入してなる、コンクリート道床化工法であり、超速硬無収縮モルタル組成物が、セメント、カルシウムアルミネート及びセッコウからなる結合材100部中、セメントが50〜90部、カルシウムアルミネートが5〜25部、セッコウが5〜25部であり、結合材100部に対して、減水剤が0.05〜2部、凝結調節剤が0.1〜2部、窒素ガス発泡物質が0.01〜0.5部、水素ガス発泡物質が0.001〜0.05部、粗粒率が1.2〜2.8の細骨材が50〜150部である前記コンクリート道床化工法、である。
【選択図】なし

Description

本発明は、道床、特に鉄道軌道のバラスト道床をコンクリート道床化する工法に関するもので、特に供用中の鉄道軌道において、主に夜間の終電から始発までの供用停止中の緊急施工に好適に使用され、従来と比べ、短時間で高いコンクリート強度を得ることができるコンクリート道床化工法に関するものである。
従来、鉄道軌道のコンクリート道床に打ち替えは、コンクリート道床を撤去して、バラストを入れバラスト道床とし、分岐交換の後、バラストを撤去してコンクリート道床に打ち戻していた。しかしながら、この方法は、長い工期と徹底した安全管理、コンクリート道床を打ち戻しする際の徐行を必要としていた。
この従来の施工法では、(1)コンクリート打込み時に軌道仮受けが必要であり、列車の徐行が必要となる、(2)列車運行時の軌道仮受け点検が必要であり、安全管理が煩雑となる、(3)仮設道床用のバラストの投入、撤去の作業を行うため工期が長く、工費もかかる、(4)生コンクリートで施工した場合、打込みの都度、養生期間が必要となる、(5)夜間納入のため、生コンクリート出荷日が限定されることがあり、工程に制約を生じる、(6)傾斜のついた部分では、従来の充てんモルタルではダレを生じ、コテ仕上げが難しい、等の課題があり、速硬材と膨張材とを含有してなる超速硬性無収縮グラウトを、バラスト道床に注入してコンクリート道床化する方法が提案されている(特許文献1)。
一方で、カルシウムアルミネート及び無機硫酸塩の急硬成分に、アルミン酸ナトリウム、無機炭酸塩及びカルボン酸塩からなる凝結調整剤を含む混和材と、この混和材を普通ポルトランドセメント等のセメントに配合したセメント組成物が提案されている(特許文献2)。
また、亜硝酸塩を配合したセメント組成物において、水和反応の過程で窒素ガスを発生する物質を含有する発泡剤が提案されている(特許文献3)。さらに、セメント、カルシウムアルミネート、セッコウ、窒素ガス発泡物質、及び凝結調整剤を含有してなる超速硬セメント組成物が、安定した初期膨張性の付与や乾燥状態に置かれた際のひび割れ抵抗性の向上が提案されている(特許文献4)。
特許第3960403号 特許第3912425号 特開2007−001828公報 特開2009−126719公報
特許文献1に示された方法では、圧縮強度の安全率を考慮すると、圧縮強度の更なる向上が求められている。特許文献2の方法では、強アルカリのアルミン酸ナトリウムを用いるため、施工時に作業員の薬傷が懸念される。特許文献3では、発泡物質と急硬材との併用は記載がなく、コンクリート道床への適用やコンクリート強度の増進の効果は示されていない。特許文献4では、発泡物質の併用やコンクリート道床化への有効性について記載がない。
本発明は、道床、特に鉄道軌道のバラスト道床をコンクリート道床に用いる超速硬無収縮グラウトに関し、特に供用中の鉄道軌道において、主に夜間の終電から始発までの供用停止中の緊急施工に好適に使用され、従来と比べ、短時間で高いコンクリート強度を得ることができるバラスト道床のコンクリート道床化工法を提供することを目的とする。
本発明は、(1)セメント、カルシウムアルミネート、セッコウ、窒素ガス発泡物質、水素ガス発泡物質及び減水剤と、凝結調整剤と細骨材とを含有してなる超速硬無収縮モルタル組成物に、水を練混ぜた超速硬無収縮グラウトを道床バラストに注入してなる、コンクリート道床化工法、(2)超速硬無収縮モルタル組成物が、セメント、カルシウムアルミネート及びセッコウからなる結合材100部中、セメントが50〜90部、カルシウムアルミネートが5〜25部、セッコウが5〜25部であり、結合材100部に対して、減水剤が0.05〜2部、凝結調節剤が0.1〜2部、窒素ガス発泡物質が0.01〜0.5部、水素ガス発泡物質が0.001〜0.05部、粗粒率が1.2〜2.8の細骨材が50〜150部である(1)のコンクリート道床化工法、(3)窒素ガス発泡物質が、アゾ化合物、ニトロソ化合物及びヒドラジン誘導体からなる群から選ばれた少なくとも一種である(1)または(2)のコンクリート道床化工法、(4)水素ガス発泡物質がアルミニウム粉末である(1)から(3)のいずれかのコンクリート道床化工法、である。
本発明は、流動性に優れ十分な作業時間を確保した上で、プレパックドコンクリートとして、短時間に高い強度発現性が得られる、コンクリート道床化工法を提供するものである。
以下、本発明を詳細に説明する。
なお、本発明における部や%は特に規定しない限り、質量基準である。
本発明で使用するセメントとしては、普通、早強、超早強、低熱及び中庸熱等の各種ポルトランドセメント、これらポルトランドセメントに、高炉スラグ、フライアッシュ又はシリカを混合した各種混合セメント、また、石灰石粉末等や高炉徐冷スラグ微粉末を混合したフィラーセメント、各種の産業廃棄物を主原料として製造される環境調和型セメント、いわゆる、エコセメント等が挙げられ、これらのうちの一種又は二種以上が使用可能である。本発明では、初期強度発現性や材料分離抵抗性の観点から、普通ポルトランドセメントや早強ポルトランドセメントを選定することが好ましい。
本発明で使用するカルシウムアルミネートは、CaOとAlを主成分とする化合物を総称するものであり、その具体例としては、例えば、CaO・2Al、CaO・Al、12CaO・7Al、11CaO・7Al・CaF及び3CaO・3Al・CaF等と表される結晶性のカルシウムアルミネートや、CaOとAl成分を主成分とする非晶質の化合物が挙げられる。このうち、CaO/Alモル比が0.75〜3の範囲にあるカルシウムアルミネートが好ましく、CaO/Alモル比が1〜2のものがより好ましい。CaO/Alモル比が0.75未満では充分な初期強度発現性が得られない場合があり、逆に、CaO/Alモル比が3を超えると充分な流動性や可使時間が得られない場合がある。
また、カルシウムアルミネートは、非晶質が好ましく、結晶質では充分な強度発現が得られない場合がある。
カルシウムアルミネート(以下、CAという)を得る方法としては、CaO原料とAl原料等をロータリーキルンや電気炉等によって熱処理して得る方法が挙げられる。
CAを製造する際のCaO原料としては、例えば、石灰石や貝殻などの炭酸カルシウム、消石灰等の水酸化カルシウム、あるいは生石灰等の酸化カルシウムを挙げることができる。Al原料としては、例えば、ボーキサイトやアルミ残灰と呼ばれる産業副産物等が挙げられる。
CAを工業的に得る場合、不純物が含まれることがある。その具体例としては、例えば、SiO、Fe、MgO、TiO、MnO、NaO、KO、LiO、S、P及びF等が挙げられるが、これらの不純物の存在は本発明の目的を実質的に阻害しない範囲では特に問題とはならない。具体的には、これらの不純物の合計が10%以下の範囲では特に問題とはならない。
本発明のCAは、化合物として、4CaO・Al・Fe、6CaO・2Al・Fe及び6CaO・Al・2Fe等のカルシウムアルミノフェライト、2CaO・FeやCaO・Fe等のカルシウムフェライト、ゲーレナイト2CaO・Al・SiO2やアノーサイトCaO・Al・2SiOなどのカルシウムアルミノシリケート、メルビナイト3CaO・MgO・2SiO、アケルマナイト2CaO・MgO・2SiO及びモンチセライトCaO・MgO・SiO等のカルシウムマグネシウムシリケート、トライカルシウムシリケート3CaO・SiO、ダイカルシウムシリケート2CaO・SiO、ランキナイト3CaO・2SiO及びワラストナイトCaO・SiO等のカルシウムシリケート、カルシウムチタネートCaO・TiO、遊離石灰、並びにリューサイト(KO、NaO)・Al・SiO等を含む場合があり、本発明ではこれらの結晶質又は非晶質が混在することも可能である。
本発明のCAの粒度は特に限定されるものではないが、通常、ブレーン比表面積値(以下、ブレーン値という)で3,000〜9,000cm/gが好ましく、4,000〜8,000cm/gがより好ましい。3,000cm/g未満では初期強度発現性が充分でない場合があり、9,000cm/gを超えると流動性や可使時間の確保が困難になる場合がある。
本発明では、流動性や可使時間の確保などの観点から、CAの強熱減量が1%以上のものを使用することが好ましく、強熱減量が2%以上のCAを使用することがより好ましい。
強熱減量を1%以上とする方法は特に限定されるものではないが、水分や湿分を供給する方法や炭酸ガスを供給する方法等が挙げられる。
本発明で使用するセッコウとは、無水、半水又は二水の各セッコウを総称するものであり、特に限定されるものではないが、強度発現性の観点から、無水セッコウ又は半水セッコウの使用が好ましく、無水セッコウの使用がより好ましい。
セッコウの粒度は特に限定されるものではないが、寸法安定性や流動性の確保の観点から、通常、ブレーン値で3,000〜9,000cm/gが好ましく、4,000〜8,000cm/gがより好ましい。
本発明の超速硬セメント組成物における、セメント、CA及びセッコウからなる結合材100部中の配合割合は、流動性に優れ、充分な可使時間を確保しつつ短時間で開放可能な強度を発現するため、セメント50〜90部、CA5〜25部及びセッコウ5〜25部が好ましい。
ここで、CAとセッコウの配合割合は、初期強度の発現性が充分でない場合や寸法安定性の観点から、CAとセッコウからなる急硬成分100部中、CA30〜70部でセッコウ70〜30部が好ましく、CA40〜60部でセッコウ60〜40部がより好ましい。
急硬成分の配合割合は、初期強度発現性、材料分離抵抗性、可使時間の確保、寸法安定性の観点から、結合材100部中、10〜50部が好ましく、20〜40部がより好ましい。
本発明で使用する凝結調整剤は、特に限定されるものではない。その具体例としては、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、グルコン酸及びコハク酸等のオキシカルボン酸又はそれらのナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アンモニウム及びアルミニウム等の塩の有機酸、さらに、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム及び炭酸リチウムのアルカリ炭酸塩、炭酸アンモニウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、重炭酸リチウム並びに重炭酸アンモニウム等が挙げられ、これらの一種又は二種以上が使用可能である。
本発明では、充分な可使時間と初期強度発現性の双方を満足する観点から、有機酸とアルカリ炭酸塩の併用が好ましい。
凝結調整剤の使用量は特に限定されるものではないが、可使時間や強度発現性の観点から、通常、結合材100部に対して、0.1〜2部が好ましく、0.3〜1部がより好ましい。
本発明では、無収縮性の確保と、超速硬無収縮グラウトを充填したプレパックドコンクリートの強度を向上する目的で、窒素ガス発泡物質及び水素ガス発泡物質を併用する。
窒素ガス発泡物質としては、アルカリ雰囲気下で窒素ガスを発泡するアゾ化合物、ニトロソ化合物及びヒドラジン誘導体等が挙げられる。なお、この窒素ガス発泡物質は窒素ガスの他にアンモニアガス、二酸化炭素ガス等を発生してもよい。
本発明で使用する水素ガス発泡物質とはアルカリ雰囲気下で水素ガスを発泡するもので、例えば、ステアリン酸で表面処理した燐片状のアルミニウム粉末やアトマイズ製法で製造したアルミニウム粉末等があるが、ステアリン酸で表面処理した燐片状のアルミニウム粉末が発泡のタイミングが早く好ましい。
ガス発泡物質の使用量は、超速硬無収縮グラウトの膨張率や強度、プレパックドコンクリートの強度の観点から、結合材100部に対して、窒素ガス発泡物質は0.01〜0.5部、水素ガス発泡物質は0.001〜0.05部が好ましい。
本発明では減水剤を使用することが可能である。その種類は特に限定されるものでなく、リグニンスルホン酸塩系、ナフタリンスルホン酸塩ホルマリン縮合物系又はメラミンスルホン酸塩ホルマリン縮合物系、ポリカルボン酸系等種々の薬剤が挙げることができ、液体状のもの、粉末状のもの何れも使用可能である。本発明ではこれら減水剤のうちの一種又は二種以上が使用可能である。
減水剤の使用量は特に限定されるものではないが、通常、結合材100部に対して、固形分換算で0.05〜2部が好ましい。0.05部未満では流動性が充分でない場合があり、1部を超えると材料分離を起す場合がある。
本発明では連行した空気を消泡させ、空気連行からくる強度低下を防止する目的で、シリコーン系消泡剤やポリエーテル系、さらには鉱油系の一種または二種以上を使用することが可能である。その形態は減水剤と同様に液体状、粉末状があり、何れも使用可能である。
本発明で使用する細骨材は、発熱量や寸法変化の低減や、耐久性の確保の観点で重要な役割を果たすもので、具体例としては、川砂、山砂及び海砂の他、ケイ砂系細骨材、石灰石系細骨材、高炉水砕スラグ系細骨材及び再生骨材等が挙げられる。
細骨材の粒度は、流動性、道床バラスト内への充填性、強度の観点から、粗粒率(F.M.)で1.2〜2.8が好ましく、1.5〜2.5がより好ましい。
細骨材の使用量は、圧縮強度とモルタルの流動性の観点から、結合100部に対して、50〜150部が好ましい。
さらに、本発明の超速硬無収縮グラウトにポリマーを添加することが可能である。ポリマーを使用することにより、材料分離抵抗性の向上することができる。
ポリマーには、例えば、アクリロニトリル・ブタジエンゴム、スチレン・ブタジエンゴム、クロロプレンゴム及び天然ゴム等のゴムラテックス、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリアクリル酸エステル、酢酸ビニルビニルバーサテート系共重合体及びスチレン・アクリル酸エステル共重合体やアクリロニトリル・アクリル酸エステルに代表されるアクリル酸エステル系共重合体、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂に代表される液状ポリマーのセメント混和用ポリマーディスパージョンや、アクリル酸エステル、酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル、酢酸ビニル−バーサチック酸ビニル、スチレン−アクリル酸エステル又はアクリルエステル−酢酸ビニル−バーサチック酸ビニル等を主成分とするセメント混和用再乳化型粉末樹脂があり、これらのうち1種又は2種以上を使用可能であるが、充填性の観点からスチレン・ブタジエンゴム系のポリマーディスパージョンを用いることが好ましい。
本発明において、各材料の混合方法は特に限定されるものではなく、それぞれの材料を施工時に混合しても良いし、あらかじめ一部を、あるいは全部を混合しておいても差し支えない。
超速硬無収縮グラウトの混練には、一般に使用されている、グラウトミキサ、高速ハンドミキサ、連続練りミキサ等が使用できる。
本発明の超速硬無収縮グラウト組成物と水との比は、気温や水温などの外的要因によっても変動するが、良好な施工性と圧縮強度の観点から水結合材比で35〜45%が好ましい。
本発明の超速硬無収縮モルタル組成物と水とを練混ぜて調製する超速硬無収縮グラウトは、バラスト空隙部に注入してプレパックドコンクリートとして、コンクリート道床化する。バラストはバラスト道床で一般的に用いられているもので、その寸法は一般的には15mm〜70mm程度であり、バラストの空隙率は通常40〜50%である。
以下に実験例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
「実験例1」
セメント70部、CA15部、及びセッコウ15部と、セメント、CA及びセッコウからなる結合材100部に対して、表1に示す窒素ガス発泡物質aと水素ガス発泡物質、凝結調整剤A0.8部、減水剤0.2部を配合してセメント組成物を調製した。さらに、結合材100部に対して、細骨材100部を配合して超速硬無収縮モルタル組成物を調製し、結合材100部に対して、凝結調整剤B0.1部を含む40部の水で混練し超速硬無収縮グラウトを調製した。
調製した超速硬無収縮グラウトを流動性、可使時間、ブリーディング、圧縮強度及び初期膨張率を測定すると共に、バラスト砕石に充填して、プレパックドコンクリートの圧縮強さを測定した。結果を表1に併記する。
<使用材料>
セメント:普通ポルトランドセメント、市販品、ブレーン値3,300cm/g
CA:CaO/Alモル比1.70、強熱減量2.0%、非晶質、ブレーン値5,000cm/g
セッコウ:無水セッコウ、市販品、ブレーン値5,000cm/g
窒素ガス発泡物質a:アゾジカルボンアミド、市販品
窒素ガス発泡物質b:主成分4,4’−オキシビス、市販品
窒素ガス発泡物質c:主成分N,N’−ジニトロソメンタメチレンテトラミン、市販品
水素ガス発泡物質:ステアリン酸で表面処理した燐片状のアルミニウム粉末、市販品
凝結調整剤A:試薬1級のクエン酸25部と試薬1級の炭酸カリウム75部の混合物
凝結調整剤B:試薬1級の酒石酸
減水剤:リグニン系減水剤、市販品
水:水道水
細骨材A:石灰石砕砂1.2mm篩全通品,粗粒率(F.M.)=1.89
バラスト砕石:骨材径19〜63mm、市販品
<測定方法>
グラウトの流動性:JSCE−F541に準じて、J14ロート流下値を測定。
グラウトの可使時間:自記温度記録計により測定し、練上りからモルタルの温度が2℃上昇するまでの時間。
グラウトのブリーディング:JSCE−F522に準じブリーディングを測定、ブリーディングの有無により材料分離抵抗性を評価。
グラウトの圧縮強度:モルタルを型枠に詰めて4cm×4cm×16cmの成形体を作製し、材齢2時間の圧縮強度をJIS R 5201に準じて測定。
グラウトの膨張収縮率:φ5×10cmの型枠に練混ぜたグラウトを型詰し光センサーにて打設直後から材齢2時間までの鉛直方向の長さ変化率を測定。表中の−は収縮側、+は膨張側
プレパックドコンクリートの圧縮強度:JSCE−G522に準じて、φ15×30cmの型枠にバラスト砕石に充填して、グラウトを充填後2時間の圧縮強度を測定。
Figure 2011225382
表1から、本発明では、ブリーディング発生がないグラウトが作製でき、充填後2時間のプレパックドコンクリートの圧縮強度が高いことが分かる。比較例と実施例を比較すると、グラウトの圧縮強度が同程度であるのに対しコンクリート強度は実施例で高くなっており、本願発明の効果によるものと推察される。
「実験例2」
表2に示すセメント、CA及びセッコウを使用し、結合材100部に対して、窒素ガス発泡物質a0.05部と水素ガス発泡物質0.005部を配合してセメント組成物を調製したこと以外は実験例1と同様に行った。結果を表2に併記する。
Figure 2011225382
表2から、本発明では、ブリーディング発生がないグラウトが作製でき、充填後2時間で高いプレパックドコンクリートの圧縮強度が得られることが分かる。
「実験例3」
実験No.1-9において、表3に示す細骨材、水を使用したこと以外は実験例1と同様に行った。結果を表3に併記する。
<使用材料>
細骨材A:石灰石砕砂1.2mm篩全通品,粗粒率(F.M.)=1.53
細骨材B:石灰石砕砂1.2mm篩全通品,粗粒率(F.M.)=1.89
細骨材C:石灰石砕砂5mm篩全通品,粗粒率(F.M.)=2.46
Figure 2011225382
表3から、本発明では、ブリーディング発生がないグラウトが作製でき、高い圧縮強度を示すプレパックドコンクリートが作製できることが分かる。
「実験例4」
実験例1の材料を使用し、セメント70部、CA15部及びセッコウ15部と、セメント、CA及びセッコウからなる結合材100部に対して、表4に示す窒素ガス発泡物質aと水素ガス発泡物質、凝結調整剤A0.8部、減水剤0.2部を配合してセメント組成物を調製した。さらに、結合材100部に対して、細骨材A100部を配合して超速硬無収縮モルタル組成物を調製し、結合材100部に対して、凝結調整剤B0.1部を含む水40部をグラウトミキサで練混ぜ超速硬無収縮グラウトを調製した。
縦5m×横5m×高さ50cmの型枠を作製し、その中にバラスト砕石を投入し全体に敷き詰めバラスト道床のモックアップを作製した。バラスト敷設部分に穴を掘り、スクイズポンプにて超速硬無収縮グラウトを2m/hの吐出速度で、バラストの間隙部に充填して、バラスト道床をコンクリート道床化した。その超速硬無収縮グラウトのJ14漏斗値、可使時間、充填状況、コンクリート道床を打設後1.5時間でコアカッターによりφ15×30cmでコアリングして材齢2時間圧縮強度と、硬化後、型枠を脱型して充填状況を確認した。結果を表4に併記する。
Figure 2011225382
表4から、本発明では、充填後2時間のプレパックドコンクリートの圧縮強度が高く、充填状況が良好であることが分かる。
本発明のコンクリート道床化工法は、流動性に優れ十分な作業時間を確保した上で、短時間に高い強度発現性が得られるので、特に供用中の鉄道軌道において、主に夜間の終電から始発までの供用停止中の緊急施工に好適に適用できる。

Claims (4)

  1. セメント、カルシウムアルミネート、セッコウ、窒素ガス発泡物質、水素ガス発泡物質及び減水剤と、凝結調整剤と細骨材とを含有してなる超速硬無収縮モルタル組成物に、水を練混ぜた超速硬無収縮グラウトを道床バラストに注入してなる、コンクリート道床化工法。
  2. 超速硬無収縮モルタル組成物が、セメント、カルシウムアルミネート及びセッコウからなる結合材100部中、セメントが50〜90部、カルシウムアルミネートが5〜25部、セッコウが5〜25部であり、結合材100部に対して、減水剤が0.05〜2部、凝結調節剤が0.1〜2部、窒素ガス発泡物質が0.01〜0.5部、水素ガス発泡物質が0.001〜0.05部、粗粒率が1.2〜2.8の細骨材が50〜150部であることを特徴とする請求項1に記載のコンクリート道床化工法。
  3. 窒素ガス発泡物質が、アゾ化合物、ニトロソ化合物及びヒドラジン誘導体からなる群から選ばれた少なくとも一種である請求項1または請求項2に記載のコンクリート道床化工法。
  4. 水素ガス発泡物質がアルミニウム粉末である請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のコンクリート道床化工法。
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