JP2011225182A - 空気入りタイヤ及び空気入りタイヤの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ビードエーペックスを改善することで、操縦安定性を損ねることなく駆動性能や制動性能を向上させることができるタイヤを提供する。
【解決手段】ビード部4に、ビードコア5と、該ビードコア5のタイヤ半径方向外面からタイヤ半径方向外側にテーパ状にのびるビードエーペックス8とを具えた空気入りタイヤ1でる。ビードエーペックス8は、ゴム材からなるエーペックス本体9と、該エーペックス本体9内をタイヤ周方向にのびる少なくとも1本の補強コード10とを含む。
【選択図】図1

Description

本発明は、ビードエーペックスを改善することで、操縦安定性を損ねることなく駆動性能や制動性能を向上させた空気入りタイヤに関する。
空気入りタイヤのビード部aには、図12に示されるように、硬質のゴムからなるビードエーペックスゴムbが設けられる。このビードエーペックスゴムbは、ビード部aのタイヤ周方向の剛性を高め、駆動性能や制動性能等を向上させることができる。そして、このような効果は、ビードエーペックスの断面積やビードコアからの高さ大きくすること及びビードエーペックスのゴム弾性率を大きくすることにより、さらに高められる。
しかしながら、このようなビードエーペックスは、ビード部aのタイヤ周方向の剛性だけでなく、縦剛性も高めてしまうため、タイヤの接地性が悪化する傾向がある。この傾向は、スチールベルトのないバイアスタイヤの場合、特に顕著である。また、ビード部aの横剛性も高められ易く、この場合、旋回中でのタイヤの滑り出しが急激になり操縦安定性が悪化するという問題があった。関連する技術としては次のものがある。
特開2002−105249号公報 特開2009−078595号公報
本発明は、以上のような問題点に鑑み案出なされたもので、ゴム材からなるエーペックス本体と、該エーペックス本体内をタイヤ周方向にのびる少なくとも1本の補強コードとを含むビードエーペックスを配設することを基本として、操縦安定性を損ねることなく、駆動性能や制動性能を向上させた空気入りタイヤ及びその製造方法を提供することを主たる目的としている。
本発明のうち請求項1記載の発明は、ビード部に、ビードコアと、該ビードコアのタイヤ半径方向外面からタイヤ半径方向外側にテーパ状にのびるビードエーペックスとを具えた空気入りタイヤであって、前記ビードエーペックスは、ゴム材からなるエーペックス本体と、該エーペックス本体内をタイヤ周方向にのびる少なくとも1本の補強コードとを含むことを特徴とする。
また請求項2記載の発明は、前記補強コードは、線径が0.1〜0.4mmのスチール素線を3〜15本を撚り合わせたスチールコードからなる請求項1記載の空気入りタイヤである。
また請求項3記載の発明は、前記補強コードは、タイヤ周方向に連続する請求項1又は2に記載の空気入りタイヤである。
また請求項4記載の発明は、前記補強コードは、タイヤ周方向に途切れる複数本からなる請求項1又は2に記載の空気入りタイヤである。
また請求項5記載の発明は、前記補強コードは、タイヤ半径方向の同一位置をのびる請求項1乃至4のいずれかに記載の空気入りタイヤである。
また請求項6記載の発明は、前記エーペックス本体は、断面略三角形状をなしかつタイヤ半径方向の内面が前記ビードコアに接続された内側エーペックス本体と、この内側エーペックス本体のタイヤ軸方向の内側面又は外側面に接続される外側エーペックス本体とを含み、前記補強コードは、内側エーペックス本体と外側エーペックス本体との間に配される請求項1乃至5のいずれかに記載の空気入りタイヤである。
また請求項7記載の発明は、前記エーペックス本体と、前記補強コードとを一体に押出す工程を含むことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の空気入りタイヤの製造方法である。
また請求項8記載の発明は、回転する被巻付け体の取付面に、長尺帯状の未加硫のゴムストリップを供給して、タイヤ回転軸芯の周りでその側縁をずらせつつ巻き重ねることにより未加硫の前記内側エーペックス本体を形成する第1工程と、該未加硫の内側エーペックス本体の外側面に前記補強コードを配設する第2工程と、前記補強コードが配設された前記未加硫の内側エーペックス本体の外側に、前記未加硫のゴムストリップを供給して、タイヤ回転軸芯の周りでその側縁をずらせつつ巻き重ねることにより未加硫の前記外側エーペックス本体を形成する第3工程とを含むことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の空気入りタイヤの製造方法である。
本発明の空気入りタイヤは、ビードコアと、ビードエーペックスとを具えた空気入りタイヤであって、前記ビードエーペックスは、ゴム材からなるエーペックス本体と、該エーペックス本体内をタイヤ周方向にのびる少なくとも1本の補強コードとを含む。このような空気入りタイヤは、タイヤ周方向にのびる補強コードが配設されているため、ビードエーペックスのタイヤ周方向の剛性のみを効果的に高め、操縦安定性を損ねることなく駆動性能及び制動性能を向上させる。
また、請求項4記載の発明では、前記補強コードが、タイヤ周方向に途切れる。このような補強コードは、タイヤの製造工程である加硫成形において、ゴム材の変形に応じて移動できる。従って、スムーズな加硫成形が可能になる。さらに、このような空気入りタイヤは、縦方向や横方向からの応力に対し、容易に変形できるため、タイヤの接地性を高く維持できる。従って、駆動性能や制動性能のみならず、サイドグリップ性能も向上できる。
本発明の空気入りタイヤを示す右側断面図である。 そのビード部の部分拡大図である。 図2の部分斜視図である。 本発明の補強コードを表すタイヤの側面図である。 未加硫のゴムストリップを示す断面図である。 本発明の他の実施形態の製造方法で使用される製造装置を表す斜視図である。 内側エーペックス本体を形成する第1工程を説明する斜視図である。 補強コードを内側エーペックス本体に配設する第2工程を説明する斜視図である。 外側エーペックス本体を形成する第3工程を説明する斜視図である。 図9の部分断面図である。 (a)は、本発明の他の実施形態の補強コードを表すタイヤの側面図、(b)は、本発明のさらに他の実施形態の補強コードを表すタイヤの側面図である。 従来の空気入りタイヤのビード部を表す断面図である。
以下、本発明の実施の一形態が図面に基づき説明される。
図1乃至図3に示されるように、本実施形態の空気入りタイヤ(以下、単に「タイヤ」ということがある。)1は、トレッド部2からサイドウォール部3をへてビード部4のビードコア5に至るカーカス6と、このカーカス6のタイヤ半径方向外側かつトレッド部2の内側に配されたブレーカ層7とを含み、本実施形態では、最大外径が300mm以下かつ偏平率が50%以下に形成された四輪レーシングカートに用いられるカート用タイヤが示される。
前記カーカス6は、本実施形態では2枚のカーカスプライ6A、6Bから構成される。各カーカスプライ6A、6Bは、一対のビードコア5、5間をトロイド状に跨る本体部6aと、この本体部6aに連なり前記ビードコア5の廻りをタイヤ軸方向内側から外側に折り返された折返し部6bとを一体に有する。
前記カーカスプライ6A、6Bは、例えば、タイヤ赤道C方向に対して52〜65度の角度で配列されたカーカスコードを具えたバイアス構造をなし、各カーカスコードがプライ間相互で互いに交差するよう重ねられている。カーカスコードとしては、ナイロン、ポリエステル、レーヨン、芳香族ポリアミド等の有機繊維コードが好適に採用される。
また、前記ブレーカ層7は、ブレーカコードをタイヤ赤道C方向に対して、45〜55°の角度で配列した1枚以上、本実施形態では1枚のブレーカプライ7Aからなり、トレッド端Te、Te間をのびることにより、トレッド部2を補強している。なおブレーカコードとしては、前記カーカスコードと同様、ナイロン、ポリエステル、レーヨン等の有機繊維コードが好適であり、また、スチールコードが採用されてもよい。
本明細書において、前記「トレッド端」は、正規リムにリム組みしかつ正規内圧を充填した無負荷である正規状態のタイヤに、正規荷重を付加しかつキャンバー角0度で平面に接地させたときの最もタイヤ軸方向外側の接地端として定められ、このトレッド端Te、Te間のタイヤ軸方向の距離を接地幅TWとする。また、タイヤの各部の寸法等は、特に断りがない場合、前記正規状態での値とする。
また前記「正規リム」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、当該規格がタイヤ毎に定めるリムであり、例えばJATMAであれば"標準リム"、TRAであれば "Design Rim"、或いはETRTOであれば "Measuring Rim"を意味するが、該当する規格がない場合にはメーカが推奨するリムとされる。
また、前記「正規内圧」とは、前記規格がタイヤ毎に定めている空気圧であり、JATMAであれば"最高空気圧"、TRAであれば表 "TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETRTOであれば "INFLATION PRESSURE"を意味するが、該当する規格がない場合にはメーカが推奨する内圧とされる。ただし、前記正規内圧は、タイヤがレーシングカート用の場合には100kPaとし、乗用車用タイヤの場合には180kPaとする。
また、前記「正規荷重」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている荷重であり、JATMAであれば"最大負荷能力"、TRAであれば表 "TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETRTOであれば "LOAD CAPACITY"とする。ただし、前記正規荷重は、タイヤがレーシングカート用の場合には392Nとする。
また、ビード部4には、前記ビードコア5と、該ビードコア5のタイヤ半径方向外面からタイヤ半径方向外側にテーパ状でのびるビードエーペックス8とが設けられる。本実施形態のビード部4では、ビードコア5とビードエーペックス8とが、前記カーカスプライ6A、6Bの本体部6aと折返し部6bとの間に配置され、ビード部の曲げ剛性が高められている。また、必要により、ビード部4には、コード補強層(図示せず)などが配されてもよい。
前記ビードコア5は、本実施形態では、タイヤ子午線断面において矩形状に構成されている。このようなビードコア5は、例えば1本のビードワイヤを多段多列に巻き重ねた所謂シングルワインド構造、又は、複数のビードワイヤを横に並べたテープ状体を複数層に巻回したテープビード構造によって形成される。
また、本発明では、前記ビードエーペックス8は、ゴム材からなるエーペックス本体9と、該エーペックス本体9内をタイヤ周方向にのびる少なくとも1本の補強コード10とを含んで構成される。
このような空気入りタイヤ1は、タイヤ周方向にのびる補強コード10によって、ビードエーペックス8のタイヤ周方向の剛性が効果的に高められる。従って、駆動力や制動力が作用したときのビード部4のタイヤ周方向変形量が小さくなり、駆動性能及び制動性能が大きく向上する。また、補強コード10は、タイヤ周方向にのびるものであるため、ビードエーペックス8の縦剛性及び横剛性を大きくすることが無い。従って、このような空気入りタイヤ1は、乗り心地の悪化を防ぐとともに、走行中の遠心力等に対し、ビード部4をスムーズに変形させるため、トレッド部2の接地性の悪化や旋回中での滑り出しが急激になるおそれも小さく、操縦安定性が高く維持される。
また、図2に示されるように、前記エーペックス本体9は、タイヤ子午線断面において略三角形状をなす内側エーペックス本体11と、この内側エーペックス本体11に接続される外側エーペックス本体12とを含んで構成される。
図2及び3に示されるように、本実施形態の内側エーペックス本体11は、タイヤ半径方向の内面11aが前記ビードコア5(より具体的には、ビードコア5のタイヤ半径方向の外面5b)に接続されている。これにより、前記内側エーペックス本体11は、タイヤ半径方向の内面11aを底面とする三角形状に形成される。
また、本実施形態の内側エーペックス本体11は、タイヤ軸方向の外側にせり出した鈍角θを有する。このような内側エーペックス本体11は、タイヤ軸方向の外側面11cよりも大きい内側面11bを有する。即ち、本実施形態の内側エーペックス本体11は、内側面11bが他の2面(内面11a及び外側面11c)よりも大きい面として形成される。
前記外側エーペックス本体12は、一辺の長さが内側エーペックス本体11よりも大きい面を有した略三角形状をなす。また、外側エーペックス本体12は、内側エーペックス本体11のタイヤ軸方向の内側面11b又は外側面11c(本実施形態では、内側面11b)に接続される。即ち、本実施形態の外側エーペックス本体12は、内側エーペックス本体11の最も大きい面である内側面11bと接続されている。従って、内側エーペックス本体11と外側エーペックス本体12とが十分な接合長さで貼り合わされているため、前記エーペックス本体9は、剛性が高く維持される。
また、前記補強コード10は、本実施形態では、内側エーペックス本体11と外側エーペックス本体12との間、より具体的には境界面間に配される。これにより、前記補強コード10は、エーペックス本体9に確実に固着される。
図2に示されるように、タイヤ子午線断面における前記補強コード10のタイヤ半径方向の配設位置H1及びタイヤ軸方向の配設位置W1は、特に限定されるものではない。しかしながら、ビードエーペックス8のタイヤ半径方向の内側及びタイヤ軸方向の内側に寄りすぎている場合、タイヤ周方向の剛性効果が十分に得られ難く、逆にタイヤ半径方向の外側及びタイヤ軸方向の外側に寄りすぎている場合、ビードエーペックス8からのはみ出しやカーカスコードとの接触によりカーカス6を損傷させるおそれがある。
このような観点より、補強コード10のタイヤ半径方向の配設位置H1は、ビードエーペックスの高さHの好ましくは40%以上、より好ましくは45%以上が望ましく、また好ましくは60%以下、より好ましくは55%以下が望ましい。同様に、補強コード10のタイヤ軸方向の配設位置W1は、補強コード10が配設されたタイヤ半径方向の位置でのビードエーペックス8のタイヤ軸方向幅Wの好ましくは40%以上、より好ましくは45%以上が望ましく、また好ましくは60%以下、より好ましくは55%以下が望ましい。また、とりわけ好ましい補強コード10の配設位置は、ビードエーペックス8の中央(即ち、ビードエーペックスの高さHの50%及び補強コード10が配設されたタイヤ半径方向の位置でのビードエーペックス8のタイヤ軸方向幅Wの50%)である。
また、図4に示されるように、本実施形態の補強コード10は、タイヤ周方向に途切れる複数本(本実施形態では4本)を含む。このため、ビードエーペックス8内には、タイヤ周方向に隣り合う補強コード10、10の間にゴムのみからなる途切れ部10aが4つ形成される。このような途切れ部10aは、タイヤの縦剛性や横剛性を過度に高めることなく、タイヤ周方向の剛性のみをより効果的に高める。従って、本実施形態の空気入りタイヤ1は、タイヤの接地性を高く、また旋回中でのタイヤの滑り出しを穏やかに維持するため、操縦安定性を確保しつつ駆動性能や制動性能を確実に向上できる。
また、図4に示されるように、補強コード10は、タイヤ半径方向の同一位置をのびるのが望ましい。即ち、補強コード10は、不連続の円環状に配置されるのが望ましい。これにより、タイヤ周方向の剛性がバランス良く維持され、タイヤのユニフォミティが向上する。
また、前記補強コード10の本数が大きくなると、各々の補強コード10の長さL1が小さくなり、ひいてはビードエーペックス8のタイヤ周方向の剛性を十分に高めることができない傾向がある。このような観点より、前記補強コード10の本数は、好ましくは1本以上、より好ましくは2本以上が望ましく、また好ましくは10本以下、より好ましくは8本以下が望ましい。また、同様の観点及びタイヤの縦剛性や横剛性を過度に高めない観点より、前記補強コード10の長さL1の総和は、該補強コード10の配設位置におけるタイヤ周長さLA(図4に半径Raの円周長さとして表される)の好ましくは40%以上、より好ましくは50%以上が望ましく、また好ましくは85%以下、より好ましくは70%以下が望ましい。なお、補強コード10がタイヤ周方向の同一位置をのびない場合、前記タイヤ周長さLAは、補強コード10のタイヤ半径方向の最外端と最内端との中間の位置(図示せず)での周長さとする。
とりわけ、各々の補強コード10は、夫々同じ長さL1に形成されるのが望ましい。前記補強コード10の長さL1は、前記タイヤ周長さLAの好ましくは4%以上、より好ましくは5%以上が望ましく、また好ましくは40%以下、より好ましくは35%以下が望ましい。
また、前記補強コード10には、例えばスチールコード又は有機繊維コードが援用できるが、ビードエーペックス8のタイヤ周方向剛性を確実に高めるスチールコードが好適である。とりわけ、前記補強コード10は、線径dが0.1〜0.4mmのスチール素線を3〜15本を撚り合わせたスチールコードが好適である。なお、補強コードのコード径は、0.5〜1.5mmが好適である。
前記スチール素線の線径dが0.1mm未満になると、強度が小さくなり、タイヤ周方向の剛性を向上させにくい。逆に、線径dが0.4mmを超えると、強度が大きくなりすぎ、縦剛性や横剛性を過度に大きくなるおそれがある。
また、前記エーペックス本体9のゴム硬さは、特に限定はされないが例えばJISデュロメータA硬さで好ましくは70度以上、より好ましくは80度以上が望ましく、また好ましくは95度以下、より好ましくは90度以下が望ましい。これにより、ビード部4の曲げ剛性が効果的に高められ、駆動性能や制動性能が向上する。なお、前記内側エーペックス本体11及び外側エーペックス本体12のゴム硬さは、同一でも良いし、異なってもよいが、前記ゴム硬さの範囲にあることが好適である。
次に、このようなビードエーペックス8を有する空気入りタイヤ1の製造方法が説明される。
本実施形態では、図6に示されるように、前記ビードエーペックス8が、前記エーペックス本体9と前記補強コード10とを一体にして押出された押出し工程を含んで構成される。
具体的には、前記押出し工程では、ビードエーペックス8を連続して押出して製造する製造装置26が用いられる。該製造装置26は、例えば、押出し機21と、該押出し機21の吐出口側に接続されたトッピングヘッド22とを含んで構成される。
前記押出し機21は、例えばスクリュー式の連続押出し機であって、前記押出し機21の吐出口側に向かって連続して未加硫のトッピングゴム23を押し出すことができる。
また、前記トッピングヘッド22は、前記押出し機21の吐出口側に連通するゴム流入口23iと、このゴム流入口23iに連なり前記未加硫のトッピングゴム23が流入、充填されるトッピング空間(トッピングヘッドの内部に形成される)と、前記ゴム流入口23i(ゴムの押出し方向)と直交する向きに補強コード10をトッピング空間に内に導く図示されないコード供給部と、前記トッピング空間内で前記補強コード10を被覆した前記トッピングゴム23を本実施形態のビードエーペックス8の断面形状で押し出す口金24を有する成形吐出口25とを含んで構成される。このような製造装置26は、エーペックス本体9と補強コード10とを一体にしたビードエーペックス8を連続して押出すことができる。後は、従来と同様の工程により、他のゴム部材を貼り合わせて未加硫のタイヤが成形され、これを加硫成形して空気入りタイヤ1が製造される。
図7乃至図10には、本発明の他の実施形態が示される。本実施形態の空気入りタイヤの製造方法では、前記内側エーペックス本体11を形成する第1工程と、前記内側エーペックス本体11のタイヤ半径方向の外面に前記補強コード10を配設する第2工程と、前記補強コード10が配設された内側エーペックス本体11の外面に、前記外側エーペックス本体12を形成する第3工程とを含んだ工程で製造される。
[第1工程]
第1工程では、図7に示されるように、回転する被巻付け体15の取付面15aに、長尺帯状の未加硫のゴムストリップ16を供給し、タイヤ回転軸心k1の周りで前記ゴムストリップ16の側縁16aをずらせつつ巻き重ねることにより未加硫の内側エーペックス本体11が形成される。
前記被巻付け体15は、例えば、前記軸心k1周りで回転可能に支持される円盤状の回転基体17と、該回転基体17の前記軸心k1側に設けられかつビードコア5のタイヤ半径方向内面5n2を同心に支持する受面18aを有するコア受け部18とを有する段付き円盤状の回転体19として形成される。そして、前記受面18aにビードコア5が装着された後、このビードコア5のタイヤ半径方向外面5n1を起点とし、前記未加硫のゴムストリップ16が、前記回転基体17の一側面17aである前記取付面15a上で、順次渦巻き状に巻き重ねられる。
ここで、前記未加硫のゴムストリップ16の幅Ws(図5に示す)は、前記ビードコア5のタイヤ半径方向外面5n1の幅W2(図10に示す)よりも大である。これにより、未加硫のゴムストリップ16の少なくとも初回の一周部分は断面L字状に形成され、このL字状の一周部分が核となって、未加硫のゴムストリップ16は、略三角形状に容易にかつ安定して積層される。
また、前記ゴムストリップ16の巻き付けは、図7に示されるように、該ゴムストリップ16の搬送装置であるローラコンベヤ状のアプリケータ20により行われる。これにより、未加硫の内側エーペックス本体11が形成される。
[第2工程]
第2工程では、第1工程の後、図8に示されるように、前記補強コード10が、未加硫の内側エーペックス本体11のタイヤ軸方向の内側面11bの中央の位置であってタイヤ周方向に沿って配設される。
[第3工程]
第3工程では、第2工程の後、図9に示されるように、前記未加硫のゴムストリップ16が、前記補強コード10が配設された前記内側エーペックス本体11の外側(タイヤ軸方向の内側面11b)に配設される。このとき、前記第1工程と同様に、タイヤ回転軸心k1の周りでゴムストリップ16の側縁をずらせつつ巻き重ねることにより未加硫の前記外側エーペックス本体12が形成される。
以上説明したように、本実施形態の製造方法により、エーペックス本体9と補強コード10とを含んだビードエーペックス8が形成される。
また、図11(a)には、本発明の他の実施形態が示される。この実施形態では、各々のビードエーペックス8には、1本のみ補強コード10が設けられる。具体的には、前記補強コード10は、タイヤ周方向に略1周配設されており、その両端部間には、途切れ部10aが設けられている。
また、図11(b)には、本発明のさらに他の実施形態が示される。この実施形態では、前記補強コード10は、タイヤ周方向に連続する環状体からなる。この補強コード10は、例えば、該補強コード10の一部がジグザグ状又は波状に癖付けされることによりタイヤ周方向に伸縮容易な伸縮部10bがタイヤ周方向に等ピッチで隔設されている。本実施形態では、伸縮部10bは4か所設けられている。このようビードエーペックス8は、縦方向や横方向の外力を伸縮部10bで吸収しうるため、容易に変形できる。従って、タイヤの接地性の悪化や旋回中でのタイヤの滑り出しを抑制できるため、操縦安定性を確保しつつ駆動性能や制動性能を向上することができる。
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定されることなく種々の態様に変形して実施しうる。
本発明の効果を確認するために、図1の断面形状を有しかつ表1の仕様に基づいたタイヤサイズ11×7.10−5の4輪レーシングカート用タイヤが試作された。そして、これらについて走行性能テスト及びタイムトライアルが実施された。なお表1に示すパラメータ以外はすべて同一とした。主な共通仕様は次の通りである。
<カーカス>
カーカスプライ数:2枚
カーカスコード材料:ポリエステル
カーカスコード角:30度
<その他>
タイヤ外径:275mm
トレッド幅:150mm
ビードエーペックスの高さH:30mm
ビードエーペックスのゴム硬度:90度
補強コードの素線の材料:スチール
テスト方法は次の通りである。
<走行性能>
試供タイヤが下記の条件のテスト車両(後輪)に装着され、全長1177mのサーキットコースを5周走行させた。この時のテストドライバーの官能により、駆動性能、制動性能及びサイドグリップ性能が5点満点で評価された。数値が大きい程、良好である。
テスト車両:4輪レーシングカート(ビレル製)
エンジン:125ccの2ストローク(イアメ製)
リム:8.0×5
内圧:80kPa
<タイムトライアル>
試供タイヤが上記テスト車両に装着され、テストドライバーにより上記のサーキットコースを1周走行するのに要したタイムを計測した。数値が小さい程、良好である。
テストの結果を表1に示す。
Figure 2011225182
Figure 2011225182
テスト結果、実施例のタイヤでは、駆動及び制動性能や走行時間がともに向上しており、有意な効果が確認された。
1 空気入りタイヤ
4 ビード部
5 ビードコア
8 ビードエーペックス
9 エーペックス本体
10 補強コード
11 内側エーペックス本体
12 外側エーペックス本体
d 線径

Claims (8)

  1. ビード部に、ビードコアと、該ビードコアのタイヤ半径方向外面からタイヤ半径方向外側にテーパ状にのびるビードエーペックスとを具えた空気入りタイヤであって、
    前記ビードエーペックスは、ゴム材からなるエーペックス本体と、該エーペックス本体内をタイヤ周方向にのびる少なくとも1本の補強コードとを含むことを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記補強コードは、線径が0.1〜0.4mmのスチール素線を3〜15本を撚り合わせたスチールコードからなる請求項1記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記補強コードは、タイヤ周方向に連続する請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記補強コードは、タイヤ周方向に途切れる複数本からなる請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記補強コードは、タイヤ半径方向の同一位置をのびる請求項1乃至4のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  6. 前記エーペックス本体は、断面略三角形状をなしかつタイヤ半径方向の内面が前記ビードコアに接続された内側エーペックス本体と、この内側エーペックス本体のタイヤ軸方向の内側面又は外側面に接続される外側エーペックス本体とを含み、
    前記補強コードは、内側エーペックス本体と外側エーペックス本体との間に配される請求項1乃至5のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  7. 前記エーペックス本体と、前記補強コードとを一体に押出す工程を含むことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の空気入りタイヤの製造方法。
  8. 回転する被巻付け体の取付面に、長尺帯状の未加硫のゴムストリップを供給して、
    タイヤ回転軸芯の周りでその側縁をずらせつつ巻き重ねることにより未加硫の前記内側エーペックス本体を形成する第1工程と、
    該未加硫の内側エーペックス本体の外側面に前記補強コードを配設する第2工程と、
    前記補強コードが配設された前記未加硫の内側エーペックス本体の外側に、前記未加硫のゴムストリップを供給して、タイヤ回転軸芯の周りでその側縁をずらせつつ巻き重ねることにより未加硫の前記外側エーペックス本体を形成する第3工程とを含むことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の空気入りタイヤの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017185894A (ja) * 2016-04-05 2017-10-12 住友ゴム工業株式会社 空気入りタイヤ

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