[1 遊技機全体の概要]
実施例1のパチンコ機を、図面に基づき詳細に説明する。なお実施例において「左」又は「右」とは、パチンコ機の表側(前面側)から見たときの「左」又は「右」を示すものとする。まず本実施形態のパチンコ機の基本的構成を簡単に説明する。
実施例1のパチンコ遊技機Pは、図1に示す様に、外枠A、中枠B、遊技盤1、前枠D、上の球受け皿E、下の球受け皿F及び打球発射装置Gを備えている。外枠Aはパチンコ機Pの外郭を構成する縦長方形の枠である。中枠Bは、各種の遊技用構成部材をセットするための縦長方形の枠であって、外枠Aの前面側に開閉可能かつ着脱可能に組み付けられる。遊技盤1は、中枠Bの開口部に取り付けられる。前枠Dは遊技盤1の透視保護窓であって、施錠装置Hの操作によって開閉可能な様に中枠Bの前面側に組み付けられる。上の球受け皿Eは、貸し球や賞球の受け皿で、本実施例においては前枠Dの下部と一体に構成されてる。従って、前枠Dを中枠Bに対して開閉するときに上の球受け皿Eも共に開閉される。下の球受け皿Fは、上の球受け皿Eが一杯になったときに排出される遊技球や打ち損じの遊技球等を受ける受け皿であって、中枠Bの下部に固定されている。打球発射装置Gは、上の球受け皿Eから発射レールに送り込まれた遊技球をハンドル操作に対応する強さで打ち出すための装置であって、中枠Bの右下部に装備される。
中枠Bは、上縁をなす上枠部材B1と、下縁をなし打球発射装置G等が設置された下枠部材B2と、左側縁をなす左枠部材B3と、右側縁をなす右枠部材B4とから構成されて、これら上下左右の枠部材B1〜B4を組み付けた際に、全体が外枠Aの開口に整合する矩形枠状に形成される。そして、上下左右の枠部材B1〜B4を組み付けた際に開口する開口部分が、遊技盤1を設置する遊技盤保持部B5として機能する。ここで、中枠Bは、外枠Aの左上端部及び左下端部に設けられた支軸を介して枢支され、左側端部を中心として中枠Bを回転させることで外枠Aに対して中枠Bを開閉し得るようになっている。
遊技盤1には、図2(B)に示す様に、図柄変動表示装置(液晶表示装置)2を備えたセンター役物3が配置されている。このセンター役物3のすぐ下には始動入賞口11が配置されていて、この始動入賞口11に遊技球が入賞すると液晶表示装置2に表示される図柄が変動を開始する。そのため、液晶表示装置2と始動入賞口11との間は、遊技者が注目する場所となっている。また、遊技盤1には、これら部品の他に、液晶表示装置2を取り巻く様に配置されてセンター役物3を構成する大型装飾部品(センター飾り)12、特別入賞口13、案内車14、アウト口15、左下普通入賞口16、右下普通入賞口17等の各種の部品が取り付けられている。また、遊技盤1には誘導レール18が取り付けられ遊技領域10が形成される。
遊技盤1は、図2(A),(C)に示す様に、前側に遊技領域10が画成されるベニヤ製の板部材21と、板部材21の裏側に取り付けられる合成樹脂製の裏ユニット22とをねじ止め固定して構成されている。裏ユニット22には、液晶表示装置12および可動体を配設させるための箱状部からなる基本土台23が備えられている。また、裏ユニット22の前面側には、図3に示す様に、左普通入賞口用玉通路部31、右普通入賞口用玉通路部32、および始動入賞口用玉通路部33が備えられている。さらに、裏ユニット22の裏面側には、図4に示す様に、左普通入賞口裏基板設置部41、右普通入賞口裏基板設置部42、および始動入賞口裏基板設置部43が備えられている。
また、図5(A)に示す様に、裏ユニット22の基本土台23には、演出用の上部可動体100、左可動体200、右上可動体300、右下可動体400が回動可能のに組み付けられている。これら各可動体100〜400は、図2(B)に示す様に、動作を行う前の待機位置においてはセンター飾り12と一体化している。そして、各可動体100〜400は、図5(A)に矢印で示す様に、待機位置と、液晶表示装置12の中心に向かって回動した動作位置との間を回動動作することにより、液晶表示装置2の画面の前面に出現する可動体演出を実行する。また、右下可動体400は、後述する様に、待機位置及び動作位置の双方において、シャッタ開閉動作をも実行する。以下、右下可動体400をシャッタ付可動体400という。
これら各可動体100〜400の演出動作は、図5(B)に示す様に、右上可動体300に回動動作を実行させるための右上可動体ソレノイド301、上部可動体100に回動動作を実行させるための上部可動体回動モータ101、左可動体200に回動動作を実行させるための左可動体回動モータ201、シャッタ付可動体400に回動動作を実行させるためのシャッタ付可動体回動モータ401、シャッタ付可動体400にシャッタ開閉動作を実行させるためのシャッタ開閉モータ402によって実行される。
また、本実施例では、図5(B)に示す様に、この回動動作やシャッタ開閉動作を精度よく実行するために、上部可動体100の回動動作における原位置を検出する上部可動体モータ原位置スイッチ111、左可動体200の回動動作における原位置を検出する左可動体回動原位置スイッチ211、シャッタ付可動体400の回動動作の原位置を検出するシャッタ付可動体回動モータ原位置スイッチ411、およびシャッタ付可動体400のシャッタ開閉動作の原位置を検出すシャッタ開閉原位置スイッチ421も備えられている。
これら原位置検出スイッチ111,211,411は、基本土台23側に取り付けられた原位置スイッチ基板110,210,410に備えられた透過型フォトセンサと、可動体100,200,400側に備えられた遮蔽板とによって原位置検出を行う構成となっている。一方、シャッタ開閉原位置検出スイッチ412は、シャッタ付可動体400の頭部(シャッタ羽根を備えたリング状枠体の内部)に設置されていて、シャッタ付可動体400が待機位置にあっても動作位置にあってもシャッタ開閉の原位置を検出できる様に構成され、前述の各原位置検出スイッチ111等と同じく透過型フォトセンサと遮蔽板とによって原位置検出を行う構成となっている。なお、右上可動体300は、右上可動体ソレノイド301を駆動源としているので、原位置検出は行っていない。
また、本実施例のパチンコ機Pには、図6,図7に示す様に、LEDを用いた発光演出を行うためのLED基板が備えられている。
まず、センター飾り12の発光演出用LED基板から説明する。図6に示す様に、センター飾り12には、カナタイトル左LED基板501、カナタイトル中LED基板502、サブタイトルLED基板503、右上隅LED基板504、ローマ字タイトル上LED基板505、ローマ字タイトル下LED基板506、左下隅LED基板507が設置されている。これらセンター飾り用のLED基板501〜507は、センター飾り12の裏面側から取り付けられている。センター飾り12のこれらLED基板501〜507が取り付けられた部分は、光透過性を有する合成樹脂を部分的に用いた装飾部品として構成されている。
裏ユニット22には、図7(A)に示す様に、左上可動体裏LED基板511、上部可動体裏LED基板512、右上可動体裏LED基板513、右下可動体裏LED基板514、ステージ裏LED基板515、ワープ通路裏LED基板516が設置されている。これら裏ユニット用のLED基板511〜516は、裏ユニット22の基本土台23の前面側から取り付けられている。そして、裏ユニット22のこれらLED基板511〜516が取り付けられた部分の前面は、光透過性を有する合成樹脂を全体にあるいは部分的に用いた装飾部品でカバーされている。特に、右下可動体内LED基板514の前面カバーは、表面がダイヤカットされていて、発光色によって当該部分が輝く様な印象となる様に構成してある。
なお、裏ユニット22の裏面には、図7(B)に示す様に、遊技盤入出力信号中継端子板51、電源中継基板52、ランプ中継信号基板53、裏ユニットLED中継端子板54も取り付けられている。
可動体100,200,400には、図7(B)に示す様に、左上可動体内LED基板521、上部可動体内LED基板522、右下可動体内LED基板523が設置されている。これら可動体用のLED基板521〜523は、各可動体100,200,400の裏面側から取り付けられている。そして、各可動体100,200,400のこれらLED基板521〜523が取り付けられた部分は、光透過性を有する合成樹脂を全体にあるいは部分的に用いた装飾部品として構成されている。
[2 可動体演出の説明]
次に、各可動体100〜400による可動体演出について説明する。
[2.1 上部可動体の構造および動作]
まず、上部可動体100について説明する。図8,図9に示す様に、上部可動体100は、液晶表示装置2の中心を越えて左可動体200の近くまで振り下ろされる回動動作を実行する。この回動動作において、上部可動体100の装飾体131には、さらに第2装飾体132が備わっており、この第2装飾体132がさらに左方向に回動する。図示の様に、装飾体131として取り付けられたキャラクタが、第2装飾体132として取り付けられた湯飲みを持ち上げる様な動作が実行される。
このとき、図9に示す様に、やかんを擬人化したキャラクタを装飾体とする左可動体200が、第2装飾体132である湯飲みに向かって湯を注ぐ様な動作も合わせて実行される。
上部可動体100は、図2〜図5,図8に示す様に、液晶表示装置2を取り囲むセンター飾り12の背後に位置する裏ユニット22の基本土台23に備えられ、基本土台23と重なる待機位置と、液晶表示装置2の前面に出現する動作位置との間を回動運動する。なお、上部可動体100には、図15等に示す様に、動作位置から待機位置へ向かう方向への付勢力を加えるコイルバネ141,142が備えられていて、待機位置においても当該付勢力を加えられる様に、コイルバネ141,142は若干伸びた状態で取り付けられている。
次に、上部可動体100の構造について説明する。図10に示す様に、上部可動体100は、本体アーム161の左端に回動中心となるリング状端部162を備えると共に、右端に装飾体131を備えている。この装飾体131には、さらに、第2装飾体132が装飾体131に対して回動可能に取り付けられている。前述の様に、上部可動体100は、モータ101によって回動動作され、コイルバネ141,142(図10(B)では上側のコイルバネ141を図示省略している)によって戻り方向の付勢力を受けている。また、第2装飾体132は、待機位置においては、その回動レバーである第2アーム132aの先端の受け部を、第2装飾体待機動作付与部材181の下向き突起によって下方に押されることにより、振り上げられた状態となり、上部可動体100が待機位置から動作位置へと回動すると、内蔵されているコイルバネの作用によって本体アーム161の回動方向と同じ方向に向かって回動する構造となっている。
次に、図11〜図16に基づいて詳細な構造について説明する。上部可動体100は、その回動中心側端部に備えられた扇形ギヤ151を介してモータ101のピニオンギヤ152と噛み合い、回転力を伝達され回動させられる。また、上部可動体100は、その回動中心側端部には円孔163が貫通されたリング状端部162を備え、リング状端部162の円孔163に嵌合する直径の回動支軸によって当該円孔163の中心を回動中心とする様に支持されると共に、リング状端部162の前面及び後面を前側プレート171と後側プレート172で挟み付ける様にして裏ユニット22の基本土台23に回動可能に支持されている。
上部可動体100の回動支軸は、図11〜図14に示す様に、前側プレート171の後面側と後側プレート172の前面側にそれぞれ突設された円柱状ボス171a,172aによって構成されている。これら円柱状ボス171a,172aは、前側プレート171と後側プレート172とでリング状端部162を前後から挟み付ける様に組み立てた時に、先端同士が接触し合わない長さとされている。
また、図13,図14に示す様に、後側プレート172は、その円柱状ボス172aの根元から形成されたリング状のリブ172bで上部可動体100のリング状端部162の表面に当接し、前側プレート171は、その円柱状ボス171aの根元から所定距離離して形成されたリング状のリブ171bでリング状端部162の表面に当接する様に組み立てられている。さらに、前側プレート171及び後側プレート172には、リング状端部162の外径とほぼ同一でやや大きめのリング状のリブであって頂点が断面半円状に丸められた外側リング171c,172cを備えている。
従って、リング状端部162は、前側プレート171および後側プレート172の間に挟み付けられる様に支持されるものの、回動中心孔と回動支軸との接触範囲は、回動中心孔の全長の1/2〜1/3程度に構成された前後の円柱状ボス171a,172aの外面と接触するだけである。なお、各円柱状ボス171a,172aの先端は、外周部が面取りされているので、実際の接触面積は、さらに小さくなる。
また、前後からの挟み付けによる接触範囲も、リング状端部162が背面開放状に構成される結果、背面側においては、回動中心孔の筒体部分の後端面と、後側プレート172のリング状のリブ172bとの接触に留まる。また、前面側についても、前側プレート171のリング状のリブ171bおよび円柱状ボス171aの外面から半径方向に形成された3本の放射方向リブ171eとの接触する範囲だけとなる。従って、前後からの挟み付けによる組み立て構造を採用するものの、当該構造に伴う接触面積は十分に小さなものとなっている。
さらに、上部可動体100の回動中心となるリング状端部162の外周部が前側プレート171及び後側プレート172の外側リング171c,172cと接触し得る構造となっているが、これら外側リング171c,172cも頂点を断面半円形状に丸めてあることから、線接触するだけである。
この様に、本実施例においては、上部可動体100は、回動部においては回動支軸(円柱状ボス171a,172a)、前後の押さえ部材(前側プレート171,後側プレート172)とは、線または細い帯状の接触しかしていない。従って、可動部に大きな接触摩擦や挟み付け応力を加えることなく回動可能な支持構造となっている。
なお、リング状端部162は、PC樹脂(ポリカーボネート樹脂)を用いて射出成形によって製造されており、前側プレート171,後側プレート172は、POM(ポリアセタールポリマー) を用いて射出成形によって製造されている。
また、このリング状端部162の取付部分は、図11,図12に示す様に、前側プレート171および後側プレート172を前後から、PC樹脂製の前カバー部材191および後カバー部材192によって覆われている。なお、符号193の半円形の受け部を有する部品は、リング状端部162の内部に取り付けられる部品であり、符号194は第2装飾体132および第2アーム132aの背面側を覆う様に装飾体131の裏面側に取り付けられる第2装飾体支持部品であって、当該部品194により第2装飾体が回動可能に支持される。加えて、符号195は、部品194の第2アーム支持軸に装着されるスペーサ部材である。
次に、上部可動体100に取り付けられるコイルバネの作用について説明する。図15に示す様に、上部可動体100に対して、動作位置から待機位置へ向かう方向への付勢力を加える様に取り付けられる2本のコイルバネ141,142は、リング状端部162に対して、回動方向の反対側に位置する様に取り付けられている。また、コイルバネ141,142と上部可動体100との連結位置は、回動中心よりも先端側となっている。コイルバネ141,142の他端は裏ユニット22の基本土台23に取り付けられる。また、下側のコイルバネ142は、リング状端部162のリング部分162aと連結され、上側のコイルバネ141は、リング状端部162の外周から外に張り出す様に突設された突設部162bとされている。換言するなら、これらコイルバネ141,142は、待機位置においては、全体として上部可動体100の長さ方向に沿って配置される状態に取り付けられ、リング状端部162の外周部分に対しては、半径方向、円周方向及び前後方向に位置をずらして連結されている。
図15から理解される様に、コイルバネ141,142による回動動作に抗する引っ張り力は、待機位置から動作位置への回動に際しての回動方向の分力は小さくなる。従って、回動動作はスムーズに実行される。その一方、図15(B)に示す様に、動作位置まで回動すると相当程度に伸びる。この結果、モータ101が動作位置から待機位置へ上部可動体100を戻そうとするときには、十分なアシスト力を発揮し得る。
また、第2装飾体132は、図15に示す様に、第2装飾体支持部品194に対して回動支点194aで回動可能な様に支持されると共に、第2アーム132aの図示左端に形成された円弧状長溝132cにピン132dを係合された状態で支持されている。第2アーム132aは、中央から左右に下がる様に緩やかに屈曲した全体形状を呈し、当該屈曲部132eにおいて第2装飾体支持部品194に対して回動可能に支持されている。そして、第2アーム132aの図示右端には、上面側を所定範囲に渡って切り欠いて受け部132fが形成されている。また、第2アーム132aの屈曲部132eと受け部132fの間に、上方に突出する鉤部132gが形成され、コイルバネ132bの一端が連結されている。コイルバネ132bの他端は、装飾体131の内面に連結されている。
また、第2装飾体待機動作付与部材181は、下方に伸びる爪181aを備え、裏ユニット22側に固定されている。この爪181aは、上部可動体100が待機位置にあるときに、第2アーム132aの受け部132fに上方から当接し、第2アーム132aをコイルバネ132bに抗して長孔132dを上方に振り上げる方向に回動させる。これにより、図15(A)に示す様に、第2装飾体132は、上方に振り上げられた位置に回動される。これにより、コイルバネ132bは引き伸ばされて引っ張り方向の力を蓄えた状態となる。
一方、上部可動体100が動作位置に向かって回動されると、図15(B)に示す様に、爪181aと受け部132fは離れることとなり、コイルバネ132bが縮む。これにより、第2アーム132aはアーム本体161の回動方向と同じ方向に回動され、第2装飾体132がセンター飾り12の左側に向かって振り出される様に回動される。
そして、上部可動体100が動作位置から待機位置へと戻されるとき、図15(C)に示す様に、爪181aと受け部132fとが接触した時点から、第2アーム132aが図示右回りに回動され始め、第2装飾体132が待機位置に復帰し終えるまでに振り上げられた状態に戻される。
なお、本体アーム161及び装飾体131は全体に背面開放の枠体状に構成されており、LED基板511を背後から装着することができる様になっている。そして、リング状端部162も背面開放とされており、後側プレート172には、円柱状ボス172aと同心円状外側位置に開口された円弧状の長孔172dが形成されている。この結果、LED基板511のリード線は、リング状端部162の背面開口から後側プレート172の円弧状の長孔172dを介して外部に導出され、裏ユニット22に形成された開口から裏ユニット22の裏面側に導入されている。
なお、本実施例においては、上部可動体100は、液晶表示装置2の上側に沿う位置を待機位置とし、液晶表示装置2の上側の一方の端付近にリング状端部162を支持されると共に、待機位置に振り上げた状態では、本体アーム161の先端の装飾体131が液晶表示装置2の幅方向中央を越える位置に達する長さを有し、待機位置から液晶表示装置2の中心を越える位置まで振り下ろした位置を動作位置とする様に構成されている。
また、図16に示す様に、上部可動体100の回動原位置を検出するための上部可動体回動原位置スイッチ111は、扇形ギヤ151の背面側に突設された遮蔽板111bと、裏ユニット側に取り付けられた上部可動体モータ原位置スイッチ基板110の表面に備えられた透過型フォトセンサ111aとによって構成されている。この上部可動体回動原位置スイッチ111により、上部可動体100が待機位置へ復帰したことを検知している。
[2.2 左可動体の構造および動作]
次に、上部可動体100の回動動作と連動して動作される左可動体200について説明する。左可動体200は、図17に示す様に、その回動中心側端部に備えられた扇形ギヤ221を介してモータ201のピニオンギヤ222と噛み合い、回転力を伝達され回動させる。なお、本実施例では、ピニオンギヤ222として、部分的に扇形に歯を有するものを用いている。これは、左可動体200は軽量で回動角度も小さいことから、ギヤ比を小さくしているためである。なお、左可動体回動原位置スイッチ211は、扇形ギヤ221の背面側に突設された遮蔽板211bと左可動体原位置スイッチ基板210の表面に備えられた透過型フォトセンサ211aによって構成されている。この左可動体回動原位置スイッチ211により、左可動体200が待機位置へ復帰したことを検知している。
[2.3 右可動体の構造および動作]
右可動体300は、図18に示す様に、回動軸302を中心として回動可能となる様に裏ユニット22の基本土台に固定されている。そして、戻しバネ303を備えた右上可動体ソレノイド301をONとすることによって液晶表示装置2の画面前にキャラクタが顔を出す様に回動動作を行い、右上可動体ソレノイド301をOFFとすることによって戻しバネ303の作用でセンター飾り12の裏側にキャラクタが隠れた状態の待機位置へと復帰する動作を実行する構造となっている。
[2.4 シャッタ付可動体の構造および動作]
次に、シャッタ付可動体400について説明する。シャッタ付可動体400は、図19,図20に示す様に、液晶表示装置2の画面前に回動されるだけでなく、さらに、シャッタ羽根を開く動作をも実行する。このシャッタ開閉動作は、待機位置においても実行することができる。
シャッタ付可動体400は、図21,図22に示す様に、可動体本体430と、シャッタ部材460とを備えている。可動体本体430は、図23に示す様に、前側部材430aと後側部材430bとを組み立てて構成される。前側部材430a,後側部材430bは、それぞれスイングアーム部431a,431bと、その先端に備えられるリング状枠体部432a,432bとが、スイングアーム部431a,431bがリング状枠体部432a,432bの外周外側部分から接線方向に伸びる態様となる形状に、PC樹脂による射出成形で一体成形されている。
リング状枠体部432a,432bは、中心に透過孔433a,433bを備えている。そして、6枚のシャッタ羽根441〜446は、リング状枠体部432a,432bの内部で回動可能であって、透過孔431a,431bの中心に向かって伸びる様に取り付けられる。これら6枚のシャッタ羽根441〜446を一斉に回動させることによってリング状枠体部432a,432bの透過孔433a,433bを塞いだ状態と開放した状態とに切り換え動作が可能に構成されている。
リング状枠体部432a,432bの内部には、図24に示す様に、それぞれが中心に円形開口451a〜453aを有する3枚のリング状プレート451〜453が配設される。これら3枚のリング状プレート451〜453の内、前の2枚のリング状プレート451,452は、間にスペースをあけた状態で、リング状枠体部432aにネジ止め固定される。6枚のシャッタ羽根431〜436は、これらリング状枠体部432aに対して一体に固定される前側2枚のリング状プレート451,452の間に位置する様に組み付けられる。
前側リング状プレート451には、5個の外周凹入部451bと1個の円形孔451cが等角度間隔で形成され、中央リング状プレート452には、6個の外周凹入部452bが等角度間隔で形成されている。また、中央のリング状プレート452には、円周方向に長い6個の長孔452cが、円形開口452aを取り巻く様に等角度間隔で形成されている。なお、右下可動体開閉原位置スイッチ421を構成するフォトセンサ421aは、前側リング状プレート451の裏面側に取り付けられている。また、図26に示す様に、シャッタ付可動体回動モータ原位置スイッチ411は、円弧状張出部434側(正確には、図23に示す様に、円弧状ギヤ403の裏側)に取り付けた遮蔽板411bと基板420側に取り付けた透過型フォトセンサ411aとによって構成されている。
後側リング状プレート453には、図21,図22,図24に示す様に、前後のリング状枠体部432a,432bを組み立てて形成される部分(以下、「リング状枠体432」という。)と前後のスイングアーム部431a,432bを組み立てて形成される部分(以下、「スイングアーム431」という。)との連結部分に向かって伸びる張出部453bが一体に形成され、この張出部453bの上側角部分にモータ402からの動力を伝達するリンクバー404の上端部を連結するためのリンクバー挿入孔453cが形成されている。また、半径方向に長い6個の長孔453dが、円形開口453aを取り巻く様に等角度間隔で形成されている。なお、右下可動体開閉原位置スイッチ421を構成する遮蔽板421bは、この後側リング状プレート453の表面側に取り付けられている。この後側リング状プレート453は、円形開口453aを、中央のリング状プレート452の円形開口452bから裏面側に伸びる円筒部452dによって回動可能に支持される様に組み付けられる。
ここで、再び図23に戻って説明する。図示の様に、前側のスイングアーム部431aの中程には、リング状枠体部432aの取付方向と反対側に伸びる円弧状張出部434が形成されている。この円弧状張出部434には、内径側に歯を備えた円弧状ギヤ403が取り付けられる。また、前側のスイングアーム部431aの下端部にはリング状枠体部432aの取り付けられている側に回動支持部435が張り出す様に一体形成されている。この回動支持部435には、回動支軸(図示略)を挿入する筒孔436が形成されている。この回動支持部435の前面側には、POM樹脂製の前カバー部材435aが装着される。
また、前側のスイングアーム部431aの前面側には、クランクアーム405を介してシャッタ開閉用モータ402の回転軸と連結されるリンクバー404が取り付けられる。なお、シャッタ開閉用モータ402は、回動支持部435の裏面側に、回動支持部435の前面側に回転軸を突き出す様にして取り付けられる。リンクバー404は、下端側が前方に、上端側が後方に向かって直角に屈曲された鋼製丸棒で構成されている。そして、リンクバー404は、下端の屈曲部404aをクランクアーム405のリンクバー挿入孔405aに裏側から挿入すると共に、上端の屈曲部404bを後側リング状プレート453の張出部453bに形成されたリンクバー挿入孔435cに前側から挿入する様にして組み付けられる。なお、前側のスイングアーム部431aおよび後側のスイングアーム部431bの上端部分には、リンクバー404の上端の屈曲部404bを後方に逃がすと共にスイングアームに沿って移動可能にするための長孔437a,437bが形成されている。
さらに、前側のリング状枠体部432aの外周部分には、シャッタ羽根441〜446の回動支軸471〜471を挿通するための6個の挿通孔438aが形成されている。シャッタ羽根441〜446の回動支軸471〜476は、これら6個の挿通孔438aを介してリング状枠体部432aの前面へ前端を突出する様に組み付けられる。
6枚のシャッタ羽根441〜446は、図25に示す様に、一つ置きに位置する3枚のシャッタ羽根441〜443が残りの3枚のシャッタ羽根444〜446よりも前側に位置し、閉じた状態において、前側の3枚のシャッタ羽根441〜443の先端同士並びに後側の3枚のシャッタ羽根444〜446の先端同士によって、リング状枠体部432a,432bの透過孔433a,433b(以下、「リング状枠体432の透過孔433」とよぶ。)の中心部を塞ぐことができると共に、前側の3枚のシャッタ羽根441〜443の根元側同士の隙間を後側の3枚のシャッタ羽根444〜446の根元側で塞いだ状態とすることのできる同一形状の羽根として構成されている。
各シャッタ羽根441〜446には、D字孔を備えた軸嵌合部441a〜446aが根元側の外周部に一体に形成されると共に、軸嵌合部441a〜446aの近くの裏面側に突設する様にピン441b〜446bが一体に形成されている。軸嵌合部441a〜446aには、回動支軸471〜476が嵌合される。また、ピン441b〜446bは、中央リング状プレート452の横長の長孔452cを挿通させて、後側リング状プレート453の縦長の長孔453dに挿入される。
回動支軸471〜476は、前端および後端にDカット部を備えた金属性の丸棒で構成されている。シャッタ羽根441〜446の軸嵌合部441a〜446aのD字孔には、後端側のDカット部を差し込んで嵌合させると共に、軸嵌合部441a〜446aの後端から突き出た部分にEリングを嵌合させて抜け止めする。これにより、回動支軸471〜476は、各シャッタ羽根441〜446と一体化される。
また、各回動支軸471〜476の前端側には、円弧状部材481〜486が組み付けられる。これら6個の円弧状部材481〜486には、回動支軸471〜476の前端のDカット部を嵌合させるD字孔を備えた軸嵌合部481a〜486aが根元側の外周部に一体に形成されている。また、回動支軸471〜476を各円弧状部材481〜486に嵌合させる際には、リング状枠体部432aの挿通孔438aに軸受け部材471a〜476aを嵌合して各回動支軸471〜476をリング状枠体部432aに軸支する。
そして、各回動支軸471〜476には、円弧状部材481〜486の軸嵌合部481a〜486aのD字孔から前に飛び出した部分にEリングを嵌合させて抜け止めする。これにより、回動支軸471〜476を介して、各円弧状部材481と各シャッタ羽根441〜446とが一体化される。
このとき、各円弧状部材481〜486は、各シャッタ羽根471〜476が透過孔433a,433bを閉じた状態に回動されたときにリング状枠体432のリング部分に沿って並び、各シャッタ羽根471〜476が透過孔433を開放した状態に回動されたときにリング状枠体432のリング部分から外へ広がる動作を行う様な位置関係としている。
以上の様な機構からなるシャッタ付可動体400は、既に述べた様に一端を遊技盤1の裏ユニット22の基本土台23に回動可能に支持されている。スイングアーム431は、アーム回動用モータ401によって一方に回動されたときに液晶表示装置2に重なる様にリング状枠体432を出現させることのできる長さを有している。また、シャッタ付可動体回動モータ401も、基本土台23側に固定されている。このシャッタ付可動体回動モータ401の回転軸に固定されたピニオンギヤ401a,減速ギヤ401bとシャッタ付可動体400の円弧状ギヤ403が噛み合っている。この結果、図27に示す様に、シャッタ付可動体回動モータ401を駆動すると、ピニオンギヤ401a、減速ギヤ401bおよび円弧状ギヤ403を介して回転力が伝達され、シャッタ付可動体400は、待機位置と動作位置の間で回動動作させられる。
前側のスイングアーム部431aの回動端付近に取り付けられたシャッタ開閉用モータ402の回転軸には、クランクアーム405が連結されている。そして、このクランクアーム405には、リンクバー404が連結され、リンクバー404の上端は、後側リング状プレート453の張出部453bのリンクバー挿入孔453cに連結されている。また、後側リング状プレート453は、リング状枠体部432aにねじ止め固定された中央リング状プレート452の円筒部452dによって回動可能に支持されている。図28,図29に示す様に、シャッタ開閉用モータ402を駆動すると、クランクアーム405が回動し、リンクバー404を前側のスイングアーム部431aに沿って上下方向に移動させ、後側リング状プレート453を回動させる。後側リング状プレート453には、長孔453dを介して各シャッタ羽根461〜466のピン461b〜466bが係合している。この結果、シャッタ開閉用モータ402を駆動することで、シャッタ羽根461〜466を回動支軸471〜476を回動中心として回動させ、リング状枠体432の透過孔433を開閉する。この動作に伴って、円弧状部材481〜486がリング部に沿って並んだ状態と外へ開く状態に回動される。
なお、このシャッタ開閉動作は、シャッタ付可動体400が動作位置にあるときだけでなく、待機位置にあるときにも実行することができる。これは、回動動作とシャッタ開閉動作を別々の駆動源により実行しているからである。
[3 ワープ通路]
実施例のパチンコ機Pは、図30に示す様に、センター飾り12の外側からセンター飾り12内のステージ601へと遊技球を誘導するワープ通路610を備えている。また、ワープ通路610の左上にスルーチャッカ651も備えている。ワープ通路610は、図31〜図34に示す様に、センター飾り12の外側に向かって開口するワープ入口611と、このワープ入口611から進入した遊技球をセンター飾り12の内側へ向かって誘導する入口部誘導路620と、入口部誘導路620に連通して遊技球の進路を奥行き方向に変化させて誘導する奥行き方向誘導路630と、奥行き方向誘導路630と連通して遊技球の進行方向を下方に変化させて誘導する落下誘導路640と、落下誘導路640の下端部内側にステージ601の中央に向かって開口するワープ出口612とを備えた屈曲筒状に構成されている。また、ワープ出口612が開口された落下方向誘導路640の終端部は、ステージ601の中央に向かって湾曲され、ワープ出口612よりも先までステージ601に向かって伸びる延長底壁641とされ、延長底壁641の終端まで前壁延長部642が伸ばされている。
落下方向誘導路640は、図32〜図34に示す様に、断面四角形の角筒状に構成され、前後左右の壁のそれぞれの内壁には、遊技球の進行方向にほぼ直交する方向に伸びる断面三角形状の突条643a,644a,645a,646aが内側に向かって突出形成されている。また、奥行き方向誘導路630の上壁内面には、図35(D)に示す様に、遊技球の進行方向に沿って伸びるリブ631が下方に向かって突出形成されている。
落下方向誘導路640の終端部は、図32〜図34に示す様に、ステージ601の中央に向かって湾曲され、この湾曲部分において、右壁の下端位置を切り欠く様にして、ステージ601の中央に向かって開口するワープ出口612が形成されている。左壁は、このワープ出口612よりもさらにステージ601に向かって伸びる様に湾曲されており、ワープ出口612から先の部分が、前述の延長底壁641を構成している。
図36に示す様に、対面位置関係にある落下方向誘導路640の前壁の突条643aと後壁の突条644aとは、互いに高さ方向にはずれる様に形成されている。同じく、落下方向誘導路640の右壁の突条645aと左壁の突条646aも、互いに高さ方向にはずれる様に形成されている。そして、これら対面位置関係だけでなく、全ての突条643a,644a,645a,646aは、他の壁の突条とは高さ方向に一致しない様に形成されている。
本実施例では、ワープ通路610を構成する入口部誘導路620、奥行き方向誘導路630、及び落下方向誘導路640は、屈曲溝状に一体成形された通路本体部分を組み立てたときに筒状となる様に、入口部誘導路620の後壁、奥行き方向誘導路630の上壁、及び落下方向誘導路640の後壁が別体に構成されている。なお、入口部誘導路620の後壁は、センター飾り12のベース部分の前面がこれを兼ねる構造となっており、奥行き方向誘導路630の上壁及び落下方向誘導路640の後壁は、ステージ601の後壁部分602がこれを兼ねる構造となっている。つまり、ステージ後壁部分602は、図33に示す様に、奥行き方向誘導路630の上壁及び落下方向誘導路640の後壁を構成する様に、左端部分が落下方向誘導路640に沿って上方に伸びる上方延長壁602aとされ、さらにその先に奥行き方向誘導路630に沿って前方へ伸びる前方延長壁602bとされていて、奥行き方向誘導路630及び落下方向誘導路640の溝開口を覆う蓋部材となる様に構成されている。
左右に対面する方向の突条645a,646aは射出成形の型抜き方向に伸びる断面三角形状で通路本体部分と一体成形によって形成されると共に、前壁側の突条643aも断面三角形状で一体成形によって形成され、ステージ後壁602の上方延長部602aの前面に後壁側の突条644aが断面三角形状で一体成形により形成されている。
これら落下方向誘導路640内の前後左右の各面の内壁から突出形成された突条643a,644a,645a,646aの高さは、前後左右において、図36に示す様に、上から見たときの投影面積として遊技球の直径dよりも大きい四角形通路を確保できる高さとされている。
さらに、ワープ出口612は、溝状の通路本体部分の終端部のステージ601側の側壁を切り取った状態に形成され、ステージ後壁602は当該側壁が切り取られた部分の先にも突条644aを備えている。同じく、延長底壁641にもワープ出口612の先にも突条646aを備え、前壁延長部642にも突条643aが備えられている。
まお、ステージ後壁601aの前方延長壁602bには、奥行き方向誘導路630の中心に沿う様にリブ631が一体成形によって突出形成されている。ここで、奥行き方向誘導路630および入口部誘導路620には、いずれもU字状断面の溝となっていて、落下方向誘導路640のみがコ字状断面の溝となっている。そして、リブ631が通路内に突出することとなる奥行き方向誘導路630は、後方に向かって底面が低くなる様な下り傾斜に構成され、リブ631は、その下端が下り傾斜の奥行き方向誘導路の底面とほぼ平行になる様に突出形成されている。
なお、図32,図35に示す様に、本実施例のステージ601は、上段ステージ601a、中段ステージ601b、下段ステージ601cを有し、上段ステージ601aの背面側には上方に向かって伸びる突条601dが備えられている。この突条601dの左端は、ワープ出口612の後壁を構成するステージ後壁602よりも前側に位置する。
[4 入賞口]
本実施例においては、図37,図38に示す様に、左普通入賞口16には、2個の入賞口16a,16bが備えられている。これら2個の左入賞口16a,16bから入賞した遊技球は、図38に示す様に、共通の左遊技球検知スイッチ16sによってカウントされる。このため、左普通入賞口16の背後には、これら2個の左入賞口16a,16bから左遊技球検知スイッチ16sに至る様に合流する玉通路部31が備えられている。
また、右普通入賞口17も、本実施例においては、図39,図40に示す様に、2個の入賞口17a,17bを備え、これら2個の右入賞口17a,17bに入賞した遊技球は、図40に示す様に、共通の右遊技球検知スイッチ17sによってカウントされる。このため、右普通入賞口16の背後には、これら2個の右入賞口17a,17bから右遊技球検知スイッチ17sに至る様に合流する玉通路部32が備えられている。
始動入賞口11は、図41〜図43に示す様に、上入賞口11aと、下入賞口11bとを備えている。下入賞口11bは、いわゆる「電チュー」であって、電チュー用ソレノイド11cによって開閉動作されるチューリップ羽根11d,11dを備え、このチューリップ羽根11d,11dが開いているときにだけ、遊技球を受け入れることが可能となる。上入賞口11aに入賞した遊技球は、図43に示す様に、上始動口遊技球検知スイッチ11s1によってカウントされる。一方、下入賞口11aに入賞した遊技球は、下始動口遊技球検知スイッチ11s2によってカウントされる。このため、始動入賞口用の玉通路部33は、二つの入賞口11a,11bから遊技球検知スイッチ11s1,11s2に至る経路が、合流することのないものとして形成されている。
[5 裏ユニットの構成]
次に、裏ユニット22について説明する。先に述べた様に、PC樹脂製の裏ユニット22は、ベニヤ製の板部材21にねじ止め固定されて遊技盤1を構成している。そして、裏ユニット22の箱状部分である基本土台23には、液晶表示装置2および可動体100〜400が取り付けられる。また、裏ユニット22の前面側には玉通路部31〜33が、裏面側には基板設置部41〜43が設けられている。
本実施例においては、図3に示す様に、左右の普通入賞口16,17に入賞した遊技球のための玉通路部31,32は、前面開放で下部に遊技球排出口31a,32aを有する箱状体からなり、基本土台23の前面側に別体で組み付けられる玉通路部構成部品31b,32bと、板部材21の裏面とによって構成されている。なお、始動入賞口11に入賞した遊技球のための玉通路部33は、始動入賞口11と一体に板部材21側に固定されている。
図44,図45に示す様に、左普通入賞口16の背後に備えられる玉通路部31の玉通路部構成部品31bには、前面側から皿ネジによるねじ止めを行うため、皿ネジの軸を挿入するネジ軸挿入孔31cと、ネジ軸挿入孔31cと連続して形成され、皿ネジの頭が玉通路部構成部品31aの内壁面から飛び出さない様に受け入れるネジ頭受入凹部31dが形成されている。なお、右普通入賞口17の背後の玉通路部32を構成する玉通路構成部品32bも同様の構成を備えている。右普通入賞口17の背後に備えられる玉通路部32の玉通路部構成部品32bにも、同様に、ネジ軸挿入孔32c、ネジ頭受入凹部32dが形成されている。
また、玉通路部構成部品31b,32bには、遊技球排出口の部分の後壁に遊技球検知スイッチ16s,17sを挿入するスイッチ挿入開口31e,32eが形成されると共にスイッチ挿入開口31e,32eの前方に遊技球検知スイッチ16s,17sの前端を係止する係止片31f、32fが一体に備えられている。
また、図46に示す様に、裏ユニット22の裏面側に備えられる基板設置部41〜43は、それぞれに対して設置される基板51〜53の周縁部を前方から当接支持する後端縁41a〜43aを有する背面開放箱状枠体からなる。
左普通入賞口16の背面に位置する左基板設置部41には、各玉通路部31〜33を通過する遊技球の検知信号を中継するための遊技盤入出力信号中継端子板51が設置される。また、右普通入賞口17の背面に位置する左基板設置部42には、主制御基板とサブ統括制御基板との間で信号を中継する電源中継基板52が設置される。そして、始動入賞口11の背面に位置する中央基板設置部43には、LEDの発光や可動体の動作による遊技演出を実行するランプ中継信号基板53が設置される。
これら基板設置部41〜43の内、左基板設置部41と、右基板設置部42は、基本土台23の背面側に別体で組み付けられる基板設置部構成部品として構成されている。そして、これら左右の基板設置部構成部品を構成する箱状枠体の底面には、図47に示す様に、基本土台23のボス部材に皿ネジでねじ止めするためのネジ孔41b,42bが一体に形成されている。なお、図には現れていないが、ネジ孔41b,42bの裏側は、ボス部材の先端と嵌合して位置決め機能を発揮する様にボス嵌合部となっている。
また、左基板設置部41および右基板設置部42を構成する箱状枠体の後端縁41a,42aには、内側へ伸びる爪を備えて箱状枠体の外側へ弾性変形可能な基板係止フック41c,42cと、基板係止フック41c,42cに対して対面する位置の周壁から内側に伸び、後端縁41a,42aに当接させつつ基板を挿入することのできる基板係止片41d,42dとが、一体成形によって形成されている。なお、基本土台23と一体の中央基板設置部43にも、基板係止フック43c、基板係止片43dが備えられている。
さらに、図48に示す様に、基本土台23には、玉通路部構成部品のネジ軸挿入孔31c,32cと重なり、皿ネジをねじ込むことのできる筒孔を有するボス部材23aが後方に向かって伸びる様に一体成形によって形成されている。このボス部材23aの先端には段差部23bが形成され、前述した通り、左基板設置部41、右基板設置部42の底面裏側に形成されたボス嵌合部と嵌合させて位置決めを正しく行うことができる様になっている。
なお、裏ユニット22の基本土台23とは別体に構成されている玉通路部構成部品31a,32aおよび基板設置部構成部品41,42は、基本土台23よりも軟質な合成樹脂で射出成形によって製造されている。具体的には、裏ユニット22の基本土台23はPC樹脂製であり、玉通路部構成部品31b,32bおよび基板設置部構成部品41,42は、ABS樹脂製である。
また、玉通路部構成部品31b,32bのスイッチ挿入開口31e,32eと重なる様に基本土台23側にも開口が形成されると共に、図48に示す様に、当該開口から後方に向かって伸びる筒状のスイッチ固定部23cが一体に形成されている。そして、スイッチ固定部23cの後端には、内側へ伸びる爪を備えて筒の外側へ弾性変形可能なスイッチ係止フック23dが一体成形によって備えられている。
さらに、左右の基板設置部41,42の箱状枠体の枠内に収まる様に、磁気センサ61が取り付けられている。そして、図47に示す様に、箱状枠体の底面に開口41e,42eが形成されて磁気センサ61の後端を箱状枠体内に飛び出させられる様にすると共に、図48に示した様に、ボス部材23aの段差部23bによって左右の基板設置部41,42の底面を基本土台23から所定距離をあけた状態で取り付け得る様にすることで、磁気センサ61の信号線を枠内から枠外へと導出する導出口を形成している。
また、基板設置部41,42の箱状枠体の枠内に、各箱状枠体に設置された基板51,52の前面と遊技盤1の板部材21の裏面との間に収まる様に、磁気センサ61を裏ユニット22に対して着脱可能に取り付けるための筒状のセンサ取付部62が備えられている。
さらに、磁気センサ61は、全体として細長い棒状体として構成され、その後端部の外面に、内側へと入り込む様に段差を設けた凹入段部61aと、外側へと出っ張る様に段差を付けた凸出段部61bとを備え、信号線は、凸出段部側にずれた位置から伸ばされている。センサ取付部62は、凹入段部61aよりも先端側の棒状体を挿入可能なサイズの筒孔を有し、センサ取付部62の後端には、筒の内側に突出する爪を有する板状弾性部材62aが備えられている。この板状弾性部材62aの爪は、センサ取付部62の後端に磁気センサ61の凸出段部61bを押し当てたときに磁気センサ61の凹入段部61aに係合する位置に形成されている。
また、センサ取付部62は、遊技盤1に対して直交して裏ユニット22の裏面側に伸びる様に形成され、その後端に磁気センサ61の凸出段部61bを押し当てたときに当該磁気センサ61の先端が遊技盤1の板部材21の裏面に当接しない長さとされている。なお、図49に示す様に、前述した基板設置部41,42の底面の開口41e,42eは、基板設置部41,42を組み付けたときにセンサ取付部62を、基板設置部41,42の枠内に逃がすことのできる位置になっている。
さらに、基板設置部41,42の箱状枠体を支える様に、裏ユニット22の基本土台23の裏面側に形成された土台部23eは、リブ23fによって補強されている。
また、センサ取付部62は、図50に示す様に、左普通入賞口16用の玉通路部31のおよび右普通入賞口17の玉通路部32の近傍に磁気センサ61の頭部を配置する様に設けられている。この位置は、左普通入賞口16の2個の入賞口16a,16bの間と、右入賞口17の2個の入賞口17a,17bの間になっている。
裏ユニット22の基本土台23の中央に開口された枠の中には、液晶表示装置2が背面側から組み付けられ、さらに、その背面には、主制御基板およびサブ統括制御基板が組み付けられ、図51に示す様に、これら主制御基板およびサブ統括制御基板の背面を覆う様に基板カバー71が装着されて、遊技盤1となる。
[6 演出制御]
次に、演出制御について説明する。実施例のパチンコ機Pは、前述の様に、液晶表示装置2による変動画像やストーリー性のある動画などによる画像演出の外に、可動体演出と、発光演出とを実行するための構成を備えている。これら画像演出、可動体演出、発光演出は、裏ユニット22に設置された主制御基板およびサブ統括制御基板により実行される。
[6.1 可動体演出のための構成]
まず、可動体演出について説明する。可動体演出における制御信号の流れを、図52に示す。図示の様に、主制御基板(プログラム)81から出力された制御信号(変動パターン)は、遊技盤サブ出力信号中継端子板83を経由してサブ統括制御基板82に入力される。ここで、主制御基板81から出力される制御信号(変動パターン)は、始動入賞口11に遊技球が入賞したときに実行される乱数抽選の結果に基づいて主制御基板81にて決定される。今から説明するのは、可動体演出のパターンを指定する制御信号(変動パターン)が入力された場合である。
サブ統括制御基板82は、受信した制御信号(変動パターン)に基づいて、可動体モータ制御信号および可動体ソレノイド駆動信号を生成し、ランプ中継信号基板53へと出力する。ランプ中継信号基板53は、サブ統括制御基板82から受信した信号に基づいて、以下の様に下流側へと信号を送信して、各可動体100〜400による可動体演出を実行させる。
[6.1.1 単独動作による可動体演出]
[6.1.1.1 右上可動体の回動動作]
可動体ソレノイド駆動信号は、ランプ中継信号基板53から裏ユニットLED中継端子板54へと送信されろ。裏ユニットLED中継端子板54は、この可動体ソレノイド駆動信号を、上部可動体裏LED基板512を経由して可動体ソレノイド301へと送信する。これにより、可動体ソレノイド301が駆動され、右上可動体300に回動動作を実行させる。この可動体ソレノイド駆動信号は、可動体ソレノイド301に対して、ON信号を所定時間だけ出力する指令となっている。従って、可動体ソレノイド301は、その後OFFとなり、戻しバネ303によって、右上可動体300は待機位置へと復帰させられる。
[6.1.1.2 上部可動体の回動動作]
上部可動体回動モータ制御信号は、ランプ中継信号基板53から上部可動体回動モータ101へと送信される。これにより、上部可動体回動モータ101が駆動されて上部可動体100が回動動作を実行する。この上部可動体回動モータ制御信号は、上部可動体回動モータ101を、上部可動体100を待機位置から動作位置へと回動させる方向へ所定ステップ数だけ正転させ、その後、逆転させる指令となっている。そして、逆転動作の実行中に、上部可動体回動モータ原位置スイッチ111による原位置検出信号がランプ中継信号基板53を経由してサブ統括制御基板82に入力されると、サブ統括制御基板82は、ランプ中継信号基板53に対して、上部可動体回動モータ101を停止させることを内容とする上部可動体回動モータ制御信号を出力する。これにより、上部可動体回動モータ101が停止され、上部可動体100が待機位置に復帰し終える。
[6.1.1.3 左可動体の回動動作]
左可動体回動モータ制御信号は、ランプ中継信号基板53から左可動体回動モータ201へと送信される。これにより、左可動体回動モータ201が駆動されて左可動体200が回動動作を実行する。この左可動体回動モータ制御信号は、左可動体回動モータ201に対して、所定ステップ数だけ正転した後に逆転する動作を指令するものである。そして、逆転動作中に左可動体回動モータ原位置スイッチ211からの原位置検出信号がランプ中継信号基板53を経由してサブ統括制御基板82に入力されると、サブ統括制御基板82は、ランプ中継信号基板53に対して、左可動体回動モータ201を停止させることを内容とする上部可動体回動モータ制御信号を出力する。これにより、左可動体回動モータ101が停止され、左可動体200が待機位置に復帰し終える。
[6.1.1.4 シャッタ付可動体の回動動作]
シャッタ付可動体回動モータ制御信号は、ランプ中継信号基板53からシャッタ付可動体回動モータ401へと送信される。これにより、シャッタ付可動体回動モータ401が駆動されてシャッタ付可動体400が回動動作を実行する。このシャッタ付可動体回動モータ制御信号は、シャッタ付可動体回動モータ401に対して、所定ステップ数だけ正転した後に逆転する動作を指令するものである。そして、逆転動作中にシャッタ付可動体回動モータ原位置スイッチ411からの原位置検出信号がランプ中継信号基板53を経由してサブ統括制御基板82に入力されると、サブ統括制御基板82は、ランプ中継信号基板53に対して、シャッタ付可動体回動モータ401を停止させることを内容とする上部可動体回動モータ制御信号を出力する。これにより、シャッタ付可動体回動モータ401が停止され、シャッタ付可動体400が待機位置に復帰し終える。
[6.1.1.5 シャッタ付可動体の待機位置でのシャッタ開閉動作]
シャッタ開閉モータ制御信号は、ランプ中継信号基板53からシャッタ開閉モータ402へと送信される。これにより、シャッタ開閉モータ402が駆動されてシャッタ羽根61〜66を開放させる動作を実行する。このシャッタ開閉モータ制御信号は、シャッタ開閉モータ402に対して、所定ステップ数だけ正転した後に逆転する動作を指令するものである。そして、逆転動作中にシャッタ開閉モータ原位置スイッチ421からの原位置検出信号がランプ中継信号基板53を経由してサブ統括制御基板82に入力されると、サブ統括制御基板82は、ランプ中継信号基板53に対して、シャッタ開閉モータ402を停止させることを内容とする上部可動体回動モータ制御信号を出力する。これにより、シャッタ開閉モータ402が停止され、シャッタ羽根61〜66が透過孔433a,433bを閉じた位置へと復帰し終える。
なお、この制御において、シャッタ開閉モータ402を正転、所定時間停止、逆転、停止として、シャッタ開の状態を長くしたり、その時間を長短変更したりする制御内容も選択し得る。また、シャッタ開閉モータ402を所定ステップ正転、所定ステップ逆転、所定ステップ正転、所定ステップ逆転、…、停止、と2回、3回、…と、複数回のシャッタ開閉動作を選択して用意することもでき、この場合も、正転と逆転の間に、所定時間停止を入れた制御を選択肢として用意すれば、さらに多彩な演出を実行することができる。
[6.1.2 連係動作による可動体演出]
また、こうした単純にいずれかのアクチュエータを駆動するだけではなく、主制御基板81からの制御信号(変動パターン)は、複数のアクチュエータを同時に、あるいは、順番に駆動させる演出の実行を指令するパターンとなるケースもある。これにより、可動体100〜400を用いて、より多彩な演出を実行することが可能となっている。
[6.1.2.1 上部可動体と左可動体の連係携動作による可動体演出]
サブ統括制御基板82から、上部可動体回動モータ制御信号と左可動体回動モータ制御信号が、次の様な組み合わせで出力される。この制御信号は、上部可動体回動モータ101を所定ステップ数だけ正転させた後逆転させる信号に対して、予め設定された遅延時間をおいて、左可動体回動モータ201を所定ステップ数だけ正転させて逆転させる内容となっている。これにより、動作位置に回動した上部可動体100に向かって左可動体200が回動し、両者が動作位置から共に待機位置へと復帰する動作が実行される。なお、両モータ101,201の停止は、それぞれの原位置検知信号に基づいて停止信号を出力することによってなされる。
なお、この制御は、次の様にすることもできる。上部可動体回動モータ101を所定ステップ数だけ正転させた後に停止させると共に、左可動体回動モータ201を所定ステップ数だけ正転させ、その後、両モータ101,201を逆転させる。この場合も、両モータ101,201の停止は、それぞれの原位置検知信号に基づいて停止信号を出力することによってなされる。
[6.1.2.2 シャッタ付可動体の動作位置でのシャッタ開閉動作]
サブ統括制御基板82から、シャッタ付可動体回動モータ制御信号とシャッタ開閉モータ制御信号が、次の様な組み合わせで出力される。この制御信号は、シャッタ付可動体回動モータ401を所定ステップ数だけ正転させた後、一旦停止させる。次に、シャッタ開閉モータ402を所定ステップ数だけ正転させて逆転させ、その原位置検知信号に基づいて停止させる。次に、シャッタ付可動体回動モータ401を逆転させる。そして、最後に、シャッタ付可動体回動モータ原位置検知スイッチ411から原位置検知信号が入力されたら、シャッタ付可動体回動モータ401を停止させる。これにより、動作位置に回動して停止したシャッタ付可動体400が、動作位置でシャッタを1回開閉し、再び待機位置へと復帰する動作が実行される。
なお、この制御において、「シャッタ付可動体回動モータ401を所定ステップ数だけ正転させた後、一旦停止させた後で、シャッタ開閉モータ402を所定ステップ正転、所定ステップ逆転、所定ステップ正転、所定ステップ逆転、…、停止、と複数回のシャッタ開閉動作を実行させた後、シャッタ付可動体回動モータ401を逆転させ、原位置検知信号に基づいて停止させる」という制御信号とすることで、動作位置に回動して停止したシャッタ付可動体400が、動作位置でシャッタを複数回開閉し、再び待機位置へと復帰する動作も実行することができる。
さらに、シャッタ開閉モータ402に対する1回のシャッタ開閉動作のための信号を、「所定ステップ正転、所定時間停止、逆転、原位置検知で停止」とすることにより、シャッタが開いた状態の時間をある程度長くすることもできる。加えて、この場合の「所定時間停止」の時間を変化させることで、シャッタ開の時間に長短を与えることもできる。この結果、シャッタ付可動体400による可動体演出が一層多彩なものとなる。
[6.2 発光演出]
発光演出における制御信号の流れを、図53に示す。図示の様に、主制御基板81から出力された制御信号(変動パターン)は、遊技盤サブ出力信号中継端子板83を経由してサブ統括制御基板82に入力される。この例における制御信号(変動パターン)は、LEDによる発光演出のパターンを指定する信号となる。
サブ統括制御基板82は、受信したランプ制御信号に基づいて、点灯信号を生成し、ランプ中継信号基板53へと出力する。ランプ中継信号基板53は、サブ統括制御基板82から受信した点灯信号を、対応するLED基板へと中継し、LEDランプを点灯させる。
[6.3 可動体演出と発光演出との統合演出]
本実施例では、シャッタ付可動体400と右下可動体裏LED基板514とによる可動体演出と発光演出の統合による演出を以下の様にして実行している。
[6.3 可動体演出と発光演出との統合演出]
制御信号の流れを、図54に示す。図示の様に、主制御基板81から出力された制御信号(変動パターン)は、遊技盤サブ出力信号中継端子板83を経由してサブ統括制御基板82に入力される。この制御信号による演出パターンは、シャッタ付可動体400が待機位置においてシャッタを開閉するタイミングに合わせてLEDを発光させるパターンとなる。
サブ統括制御基板82は、受信した制御信号(変動パターン)に基づいて、シャッタ開閉モータ制御信号およびランプ制御信号を生成し、ランプ中継信号基板53へと出力する。ランプ中継信号基板53は、サブ統括制御基板82から受信した信号に基づいて、以下の様に下流側へと信号を送信して、シャッタ付可動体400と右下可動体裏LED基板514とによる統合演出を実行させる。
シャッタ開閉モータ制御信号は、ランプ中継信号基板53からシャッタ開閉モータ402へと送信される。これにより、シャッタ開閉モータ402が駆動されてシャッタ羽根61〜66を開放させる動作を実行する。このシャッタ開閉モータ制御信号は、シャッタ開閉モータ402に対して、所定ステップ数だけ正転した後に一旦停止させ、その後逆転する動作を指令するものである。ランプ制御信号は、ランプ中継信号基板53から右下可動体裏LED基板514へと送信される。この送信タイミングは、シャッタ開閉モータ制御信号における一旦停止の指令と同期させる。これにより、待機位置においてシャッタが開いたときに、透過孔433a,433bの背後においてLEDランプによる発光演出が統合的に実行される。
この統合演出においても、待機位置でのシャッタ開閉動作による可動体演出で説明したのと同じく、シャッタ開閉モータ402の開閉を複数回実行し、シャッタが開く度に右下可動体裏発光基板514に点灯信号を出力したり、場合によっては、点灯信号を出力しないケースを加えたり、さらには、発光色を変化させたりする制御を選択肢として用意し得る。
[6.4 可動体演出と画像演出との統合演出]
本実施例では、シャッタ付可動体400と液晶表示装置2とをタイミングよく連係させた統合演出をも以下の様にして実行している。制御信号の流れを、図55に示す。図示の様に、主制御基板81から出力された制御信号(変動パターン)は、遊技盤サブ出力信号中継端子板83を経由してサブ統括制御基板82に入力される。この制御信号により指定される統合演出パターンは、シャッタ付可動体400を待機位置から動作位置へ回動させた後にシャッタを開閉するタイミングに合わせて液晶表示画面2の最前面のレイヤに重ねる様にして画像を表示し、透過孔433a,433bを通して当該画像を視認可能とすることを内容とする信号であって、始動入賞口11に遊技球が入賞したときに実行される乱数抽選の結果に基づいて主制御基板81にて選択される。
サブ統括制御基板82は、受信した制御信号(変動パターン)に基づいて、シャッタ付可動体回動モータ制御信号、シャッタ開閉モータ制御信号およびランプ画像演出制御信号を生成し、ランプ中継信号基板53へと出力する。ランプ中継信号基板53は、サブ統括制御基板82から受信した信号に基づいて、以下の様に下流側へと信号を送信して、シャッタ付可動体400と液晶表示装置2とによる統合演出を実行させる。
まず、「所定ステップ数正転した後に停止」を内容とするシャッタ付可動体回動モータ制御信号が、シャッタ付可動体回動モータ401に送信される。これにより、シャッタ付可動体400がシャッタ閉の状態で液晶表示装置2の前面に出現した状態となる。次に、画像演出制御信号が液晶表示装置2に送信されると共に、「所定ステップ数正転→一旦停止→逆転」を内容とするシャッタ付可動体回動モータ制御信号が、シャッタ付可動体回動モータ401に送信される。
このとき、画像演出制御信号は、図55に示す様に、液晶表示装置2にスクロール表示されている変動図柄よりも前面のレイヤに表示するキャラクタ図柄の種類と、表示位置とを指定するものである。表示位置は、シャッタ付可動体400の動作位置における透過孔433a,433bの背面位置であって、リング状枠体432の内部に限定されるものとしている。
この結果、図56に示す様に、シャッタ付可動体400が待機位置から動作位置へ移動し、続いてシャッタが開くとキャラクタ図柄がシャッタの枠内に表示される様に、可動体演出と画像演出との統合演出が実行される。
この後、サブ統括制御基板82は、シャッタ開閉モータ原位置検知スイッチ421から原位置検知信号が入力されると、シャッタ開閉モータ402に対して「停止」を内容とするシャッタ開閉モータ制御信号を送信すると共に、「キャラクタ画像の表示終了」を内容とする画像演出制御信号が液晶表示装置2に対して送信され、さらに、「逆転」を内容とするシャッタ付可動体回動モータ制御信号が、シャッタ付可動体回動モータ401に送信される。これにより、液晶表示装置2は、キャラクタ画像が消えて図柄変動による画像演出を続行する状態となり、シャッタ付可動体400が待機位置へ向かって回動される。そして、シャッタ付可動体回動モータ原位置検知スイッチ411から原位置検知信号が入力されると、「停止」を内容とするシャッタ付可動体回動モータ制御信号をシャッタ付可動体回動モータ401に対して送信し、シャッタ付可動体400が待機位置に復帰完了する。
なお、この統合演出制御においても、シャッタ付可動体400を動作位置に回動した後のシャッタ開閉動作を複数回実行させる様に制御指令を送信する選択肢も有しており、画像演出制御信号は、このシャッタ開閉動作の度にキャラクタ画像の内容を変化させたり、あるいは、何回目かのシャッタ開閉動作のときにだけキャラクタ画像を出現させるといったさらに多彩な統合演出をも実行し得る様に統合演出制御としての選択肢を多数備え得る。
[6.5 演出制御におけるパターン決定方法]
主制御基板81は、図57に示す様に、CPU81a、ROM81b、RAM81cを備えたマイクロコンピュータによって構成されている。ROM81bには、パチンコ機Pを制御するための制御プログラム、多数の変動パターンに対応する変動パターン指定コード及び各種の情報(大当り判定値、リーチ判定値等)が記憶されている。RAM81cには、遊技機の動作中に適宜書き換えられる各種の情報(大当り判定用乱数、リーチ判定用乱数、及び変動パターン振分乱数等の各種乱数の値等)が記憶(設定)されるようになっている。そして、メインCPU81aは、大当り判定用乱数等の各種乱数の値を所定の周期毎に順次更新し、更新後の値をRAM81cに設定し、更新前の値を書き換えている。
本実施例では、ROM81bには、図58に示す様に、「P1:通常変動」、「P2:ノーマルリーチはずれ」、「P3:ノーマルリーチ当たり」、「P11:スーパーリーチはずれA」、「P12:スーパーリーチはずれB」、「P21:統合演出付スーパーリーチはずれX」、「P22:統合演出付スーパーリーチはずれY」、「P31:スーパーリーチ当たりA」、「P32:スーパーリーチ当たりB」、「P41:統合演出付スーパーリーチ当たりX」、「P42:統合演出付スーパーリーチ当たりY」と多数の変動パターンが記憶されている。そして、メインCPU81aは、これらの多数の変動パターンの中の一つを選択し、変動パターン指定コードとしてサブ統括制御基板82へと指令する様になっている。この変動パターン指定コードが、図52〜56において主制御基板81からサブ統括制御基板82へと送られる制御信号である。
これらの大分類として管理されている変動パターンのいずれが選ばれるかは、始動入賞口11に入賞する毎に乱数を取得して実施されるメインCPU81aでの抽選処理により決まる。この抽選処理としては、「当たり/はずれ抽選」と、「はずれ」の場合の「リーチ有り/無し抽選」が実施される。従って、CPU81aによる抽選結果は、「大当たり」、「リーチはずれ」、「はずれ」のいずれかになる。
そして、抽選結果が「大当たり」の場合は、P3(ノーマルリーチ当たり)、P31,P32(スーパーリーチ当たり)、P41,P42(統合演出付スーパーリーチ当たり)の中から一つの変動パターンが選択されることになる。
また、抽選結果が「リーチはずれ」の場合は、P2(ノーマルリーチはずれ)、P11,P12(スーパーリーチはずれ)、P21,P22(統合演出付スーパーリーチはずれ)の中から一つの変動パターンが選択されることになる。
さらに、抽選結果が「はずれ」の場合は、「P1:通常変動」の変動パターンが選択されることになる。
この様に、本実施形態では、メインCPU81aは、「大当たり」、「リーチはずれ」及び「はずれ」の三種類の抽選結果に応じて、図58に示した変動パターンの大分類の中からいずれを選択するかが管理されている。
そして、「当たり」に対して選択され得る変動パターンの大分類は、ノーマルリーチ当たり(P3)、スーパーリーチ当たりA(P31)、スーパーリーチ当たりB(P32)、スーパーリーチ当たりX(P41)、スーパーリーチ当たりY(P42)であり、これらの大分類に対して、ノーマルリーチ当たり:スーパーリーチ当たりA,B:スーパーリーチ当たりL,M=1:44:55の割合で選択される様に振分確率が設定されている。同じく、「はずれリーチ」に対して選択され得る変動パターンの大分類についても、一例として、ノーマルリーチはずれ(P2):スーパーリーチはずれA(P11)、スーパーリーチはずれB(P12)、スーパーリーチはずれX(P21)、スーパーリーチはずれY(P22)であり、これらの大分類に対して、ノーマルリーチはずれ:スーパーリーチはずれA,B:スーパーリーチはずれL,M=95:4:1の割合で選択される様に振分確率が設定されている。なお、「はずれ」に対してはP1(通常変動)が100%選択されることになる。
メインCPU81aは、こうして、「当たり/はずれ抽選」、「はずれリーチの有無抽選」及び振分確率に基づいて、多数の変動パターン指定コードの中から1つの変動パターン指定コードを決定し、これに対応する制御信号を変動パターン指定コマンドとしてサブ統括制御基板82に出力する様になっている。
ここで、この大分類の「P1:通常変動」、「P2:ノーマルリーチはずれ」及び「P3:ノーマルリーチ当たり」は、いずれも背景画像として展開される物語とは無関係な図柄組み合わせゲームを図柄変動レイヤに表示すればよい変動パターンである。よって、演出パターン(演出図柄以外の画像による演出)は変動パターン(演出図柄の変動表示による演出)には左右されず、基本的な背景画像(春夏秋冬などデフォルトとしての背景画像が複数の場合は、そのいずれか)のままとなる。
一方、大分類の「P11:スーパーリーチはずれA」、「P12:スーパーリーチはずれB」、「P31:スーパーリーチ当たりA」、「P32:スーパーリーチ当たりB」は、背景画像として展開される物語をストーリーA,Bのいずれかに特定した変動パターンである。よって、ストーリー演出パターンとしての背景画像は、メインCPU81aから指令された変動パターンにより、特定されることになる。
これに対し、大分類の「P21:スーパーリーチはずれX」、「P41:スーパーリーチ当たりX」は、待機位置におけるシャッタ付可動体400のシャッタ開閉による可動体演出と、右下可動体裏LED基板514の発光による発光演出とによる統合演出予告を経てスーパーリーチに発展する変動パターンである。また、「P22:スーパーリーチはずれY」、「P42:スーパーリーチ当たりY」は、シャッタ付可動体400を動作位置に回動させてシャッタ開閉させる可動体演出と、液晶表示装置2にキャラクタ画像を出現させる画像演出とによる統合演出予告を経てスーパーリーチに発展する変動パターンである。なお、統合演出予告後のスーパーリーチ中に背景演出として展開される物語については、ストーリーA,B以外のストーリーL,Mの中から、サブ統括CPU82aによる演算処理で決定することとしている。
そこで、サブ統括制御基板82について説明する。サブ統括制御基板82は、統括CPU82aと、ROM82bと、RAM82cとを備えたマイクロコンピュータによって構成されている。ROM82bには、液晶表示装置、音源、LED、可動体モータ・ソレノイドを、統括的に制御するための制御プログラム、演出パターン決定プログラム及び各種情報(中分類演出パターン選択条件等)などが記憶管理されている。また、RAM82cには、パチンコ機の動作中に適宜書き換えられる各種の情報が記憶(設定)されるようになっている。
サブ統括制御基板82の演出パターン決定プログラムが実行されることにより、主制御基板81からの制御信号がP21,P22,P41,P42であった場合のスーパーリーチ中に展開すべき物語をストーリーL,Mのいずれにすべきかが振り分けられる。
また、サブ統括制御基板82の演出パターン決定プログラムは、主制御基板81からの制御信号がP21,P22,P41,P42であった場合、ストーリーL,Mの振り分けに加えて、統合演出をステップアップ予告付とするか否かについても振り分けている。
この結果、例えば、主制御基板81からP41が指令され、サブ統括制御基板82においてストーリーLに振り分けられたとき、さらに、待機位置での1回開放による統合演出からストーリーLのスーパーリーチに発展して当たりとなる演出パターン(P41−1−1)と、待機位置での複数回開放によるステップアップ予告を含む統合演出からストーリーLのスーパーリーチに発展して当たりとなる演出パターン(P41−1−2)のいずれかが選択される。
この場合、ステップアップ予告なしの演出パターン(P41−1−1)では、シャッターが1回開放するときに統合的に実行される裏ユニット発光色を、白、青、黄、緑、赤、虹の中から選択している。この発光色の相違は、白→青→黄→緑→赤→虹(プレミアム)の順に期待度が高くなる様に設定してある。なお、どの発光色とするかは、乱数と振り分け確率との組み合わせにより、サブ統括制御基板82の演出パターン決定プログラム内の処理によって決定する。
また、ステップアップありの演出パターン(P41−1−2)では、シャッターが開放する度に、白→青→黄→緑→赤→虹(プレミアム)の順に変化させ、期待度を予告する。開放1回目=白、開放2回目=青、…と何回開放するかによって期待度を予告することができる。なお、開放2回目も白として期待度が低いことを表現したり、あるいは、開放2回目に青をジャンプしてより期待度大の色で発光させることも可能である。この場合、何回開放するか、どの色まで変化させるか、ジャンプさせるか等については、乱数と振り分け確率との組み合わせにより、サブ統括制御基板82の演出パターン決定プログラム内の処理によって決定する。
また、例えば、主制御基板81からP42が指令され、サブ統括制御基板82においてストーリーMに振り分けられたとき、さらに、動作位置での1回開放による統合演出からストーリーMのスーパーリーチに発展して当たりとなる演出パターン(P42−2−1)と、動作位置での複数回開放によるステップアップ予告を含む統合演出からストーリーMのスーパーリーチに発展して当たりとなる演出パターン(P42−2−2)のいずれかが選択される。
この場合も、ステップアップ予告なしの演出パターン(P42−2−1)では、動作位置でシャッターが1回開放するときに統合的に実行されるキャラクタ画像演出で表示されるキャラクタを、キャラクタA、キャラクタB、…、プレミアムキャラクタの中から選択している。このキャラクタの相違は、A→B→…プレミアムの順に期待度が高くなる様に設定してある。なお、どのキャラクタとするかは、乱数と振り分け確率との組み合わせにより、サブ統括制御基板82の演出パターン決定プログラム内の処理によって決定する。
また、ステップアップありの演出パターン(P42−2−2)では、シャッターが開放する度に、キャラクタA→キャラクタB→…→プレミアムキャラクタの順に変化させ、期待度を予告する。開放1回目=キャラクタA、開放2回目=キャラクタB、…と何回開放するかによって期待度を予告することができる。なお、開放2回目もキャラクタAとして期待度が低いことを表現したり、あるいは、開放2回目にキャラクタBより期待度大のキャラクタを出現させることも可能である。この場合、何回開放するか、どのキャラクタまで変化させるか、キャラクタをジャンプさせるか等については、乱数と振り分け確率との組み合わせにより、サブ統括制御基板82の演出パターン決定プログラム内の処理によって決定する。
次に、上述の様なステップアップ予告を行う場合のキャラクターの決定方法等について説明する。まず最初に、図59に示す様に、乱数を発生させ(S1)、振り分け確率に基づいて最終的に出現するキャラクターを決定する(S2)。もう一度乱数を発生させ(S3)、何回目の開放でS1で決定されたキャラクターを出現させるかを決定する(S4)。そして、S2で決定したキャラクタのステップアップレベルと、S4で決定した開放回数とを比較し、ステップアップレベルが一致しているか否かを判定する(S5)。ステップアップレベルが一致しているときは(S5:YES)、最終的に出現するキャラクターが何回目の開放で出現するかを基準に、最初の開放から最後の開放までのキャラクターを逆算して決定する(S6)。一方、キャラクタと開放回数とでステップアップレベルが一致していないときは(S5:NO)、開放回数の方が少ないか否かを判定し(S7)、少ない場合は(S7:YES)、ステップアップレベル1のキャラクタとS2で決定したステップアップレベルのキャラクタとの間で重複して出現させるキャラクタを決定する(S8)。逆に、開放回数の方が多い場合は(S7:NO)、ステップアップレベル1のキャラクタとS2で決定したステップアップレベルのキャラクタの一つ前のレベルのキャラクタとの間で間引くべきキャラクタを決定する(S9)。S8では、S2で決定されたキャラクタが重複して出現するパターンも選択し得るが、S9では、S2で決定されたキャラクタは間引かない。
以上の様な演算処理を実行する結果、例えば、6回目の開放でステップアップレベル5(SU5)のキャラクターが出現する場合、(1回目:SU1)→(2回目:SU2)→(3回目:SU3)→(4回目:SU3)→(5回目:SU4)→(6回目:SU5)と、3回目と4回目で同じステップアップレベルのキャラクター(SU3)を出現させてキャラクターのステップアップレベルとシャッタ開放回数とを調整することができる。逆に、3回目の開放でステップアップレベル5(SU5)のキャラクターが出現する場合、(1回目:SU1)→(2回目:SU2)→(3回目:SU5)と、SU3,SU4のレベルのキャラクタを飛ばすこともできる。この様に、単純なステップアップ予告ではなく、キャラクタを重複して出現させたり、間引いて出現させることで、さらに多彩なステップアップ予告が可能となっている。
この様に、本実施例では、図58の小分類(P42−1−2,P42−2−2)自体がワンパターンではなく、図59に示した様な演算処理によってさらに複雑に多彩なパターンへと振り分けられる様になっている。これと同様の処理は、ステップアップ発光演出との統合演出パターン(P41−1−2,P41−2−2)においても図59と同様に最終的な発光色と開放回数とを決定して種々のパターンを生成することができる。これは、はずれ演出のパターン(P21−1−2,P21−2−2,P22−1−2,P22−2−2)においても同様である。
[7 磁気センサによる警報]
また、本実施例のパチンコ機Pにおいては、サブ統括制御基板82により、大入賞口13を挟んで左右の位置に設置された磁気センサ61,61による警報処理をも実行することができる様に構成されている。
この処理における制御信号の流れを、図60に示す。図示の様に、左右の磁気センサ61,61により、磁気を検知すると、検知信号がランプ中継信号基板53を介してサブ統括制御基板82に送信される。サブ統括制御基板82は、この検知信号に基づいて、不正行為の発生した可能性を警報する処理を実行する。
以上説明した様に、本実施例によれば、玉通路部31,32は、裏ユニット22側の基本土台23の前面側に別体で組み付けられる玉通路部構成部品31b,32bと、裏ユニッ22トの前面に取り付けられる板部材21の裏面とによって構成される結果、遊技盤1の入賞口16,17の配置変更に伴う裏ユニット全体としての設計変更が必要になった場合に、基本土台23を共通にして玉通路部構成部品31b,32bのみを変更するといった対応で入賞口の配置変更に伴う玉通路部の経路変更を行うことができる。また、基板設置部41,42についても、基板の組み付け位置や寸法変更等に伴う裏ユニット全体としての変更が必要になった場合に、基本土台23を共通にして基板設置部構成部品41,42のみを変更するといった対応を行うことができる。また、玉通路部構成部品31a,32aを構成する箱状体の上部は、板部材22側に形成される入賞口16a,16b,17a,17bの背後を覆うことができる形状となっている。これにより、板部材21側についての設計変更を自由に実施できる。
また、玉通路部構成部品31b,32bの取付に当たり、開放されている前面側から皿ネジを用いて容易に作業することができる。そして、皿ネジは玉通路部内には突出しないので、玉詰まりを起こすことがなく、また、玉通路部内で撥ねてしまってチャタリングを起こすということもない。
さらに、玉通路部構成部品31b,32bをねじ止めするためのボス部材23aが基本土台23の裏側に伸びる様に形成されていることから、このボス部材23aに中継基板用の基板設置部構成部品41,42を嵌合させて位置決めすることで、中継基板用の基板設置部を容易に適切な位置に設けることができる。これにより、設計変更に伴う位置合わせも自然と達成される。
また、基本土台23を固くて強度の高いポリカーボネート樹脂で成形し、玉通路部構成部品31b,32bおよび基板設置部構成部品41,42を、ポリカーボネート樹脂よりも軟質なABS樹脂で成形している。これにより、基本土台23は、液晶表示装置2および可動体100〜400を配設される部分であるから、その重量によって箱状部がねじれることのないように強度の高い材料を用いることとなる。一方、玉通路部構成部品31b,32bや基板設置部構成部品41,42は、液晶表示装置2等を支える必要がない部分であるから、これらを軟質な合成樹脂とすることで、入賞した遊技球が内壁に衝突したときに撥ねすぎない様になり、チャタリングを生じ難くするのに適した構造となっている。
また、基板設置部構成部品41,42も軟質な合成樹脂としているので、基板の脱着を容易にすることができる。特に、ABS樹脂は、軟質でねじれに対する強度はポリカーボネートよりも劣るものの、遊技球の衝突の様な衝撃に対してはその粘り強さによりポリカーボネートよりも適している。また、基本土台23を共通にして設計変更に対応させて別体とした玉通路部構成部品31b,32bおよび基板設置部構成部品41,42の方が軟質な材料で形成されることにより、別体部品間の製造上の誤差(許容範囲内の公差を含む)があっても、軟質な材料側の変形により、基本土台23に対して王通路部構成部品31b,32bおよび基板設置部構成部品41,42を安定して組み付けることができる。
さらに、遊技球検知スイッチ16s,17sを適切な位置に設置することができるだけでなく、筒状のスイッチ固定部23cは強度の高い基本土台23に一体成形されることで検知スイッチ16s,17sの固定が確実となる。また、検知スイッチ16s,17sは、玉通路部構成部品31b,32bの係止片31f,32fに前端を当接させることにより、玉通路部への設置位置も適切なものとなる。
また、遊技球検知スイッチ16s,17sの後端をスイッチ係止フック23dで押さえる様にしてスナップ操作で容易に脱着することができる。そして、前端は軟質な材料で形成された玉通路部構成部品31b,32b側の係止片31f,32fに当接し、後端はより固い材料で形成されたスイッチ係止フック23dの爪で押圧されることにより、しっかりと挟まれた状態に固定することができる。このとき、スイッチ係止フック23dはポリカーボネート製で固いけれども、スイッチ係止片31f,32fの方がABS樹脂製で変形し易くなっているので、スイッチの着脱作業において係止片31f,32f側に遊技球検知スイッチ16s,17sを押して係止片31f,32fを撓ませながらフック23dの回動操作を行うことができ、着脱作業の操作性がよい。
さらに、基板設置部41,42に基板51,52を設置する際には、基板係止フック41c,42cを外に開く様にしつつ基板51,52を基板係止片41d,42dの下に挿入し、挿入し終わったところで基板係止フック41c,42cを外に開くのをやめれば、容易に装着作業を終えることができる。逆に、取り外す際には、基板係止フック41c,42cを外に開く様に撓ませた状態で基板51,52を基板係止片41d,42dから抜き出す操作により、容易に取り外しをすることもできる。基板設置部構成部品41,42を軟質な材料で形成することにより、この脱着操作がより容易になる。
以上、発明を実施形態として実施例1を説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内における種々の変更が可能である。