JP2011223174A - 撮像装置及びその制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】特定の被写体を追尾し続ける撮影の場合に要求される画角の安定性と、異なる被写体像の大きさを固定して撮影する場合に要求される構図設定の応答性とを両立させること。
【解決手段】撮像装置は、撮像画面内における被写体の部位(例えば顔)を主被写体として検出する。撮影者意思推定部123は、主被写体を別の主被写体に変更しようとする撮影意図を推定する。オートズーム制御部125は、主被写体から別の被写体への変更についての推定結果を受けると主被写体を判定し、レンズ駆動制御部126を介して変倍レンズ駆動部114を駆動し、変更後の主被写体像の大きさを一定に保つようにズーム制御を行う。また、オートズーム制御部125は、主被写体から別の主被写体への変更が行われると撮影者意思推定部123が推定した場合、当該変更が推定されない場合に比べて、ズーム制御の応答性を高める。
【選択図】図1

Description

本発明は、検出対象である被写体像の大きさを一定に保つように撮影レンズの自動ズーム制御を行う、オートズーム機能を備えた撮像装置とその制御方法に関する。
従来、主に固定式の監視カメラ等において、特定の被写体を自動的に追尾し、カメラのパン・チルト制御又はズーム制御を行う技術が広く知られている。一方、デジタルカメラやデジタルビデオカメラのように、一般的に撮影者がカメラ本体を把持した状態で撮影する撮像装置では、特許文献1、特許文献2に開示の方法が提案されている。しかし、これらの発明は、撮影補助のために被写体像が撮影画面からフレームアウトしないように自動的に広角側へズーム制御を行うものであり、検出した被写体像の大きさを一定に保つことにおいて何ら寄与していない。
特開平08−116485号公報 特開2009−033450公報
ところで、撮影者が被写体の特定部位を追尾し続け、被写体像の大きさを一定に保つ制御において、オートズームの対象となる被写体の変更が頻繁に生じないように制御すれば、撮影者の意図しない画角変化の発生を防止できる。しかし実際には、異なる被写体を順次撮影する際に、撮影者が意図的に被写体を切り替えた場合はこの限りでなく、できるだけ素早く最適な画角へ設定したいという要求も存在する。
本発明の目的は、特定の被写体を追尾し続ける撮影の場合に要求される画角の安定性と、異なる被写体像の大きさを固定して撮影する場合に要求される構図設定の応答性とを両立させることにある。
上記課題を解決するために本発明に係る装置は、撮像画面内における被写体の部位を主被写体として検出し、主被写体像の大きさを一定に保つようにズーム制御を行う撮像装置であって、被写体の検出情報に基づいて前記主被写体を別の主被写体に変更しようとする撮影意図の推定手段と、前記推定手段によって前記主被写体から別の主被写体への変更が推定された場合、該主被写体を判定し、変更後の主被写体像の大きさを一定に保つようにズーム制御を行うズーム制御手段を備える。
本発明によれば、撮影者による主被写体の変更意図を捉えて迅速に画角を設定することが可能となる。
本発明の一実施形態を説明するために、ビデオカメラの構成例を示すブロック図である。 図3及び4と併せて本発明の第1実施形態を説明するために、オートズーム制御例を説明するフローチャートである。 撮影者意思推定部の処理例を説明するフローチャートである。 パンニング時のジャイロセンサ出力を例示した模式図である。 本発明の第2実施形態におけるオートズーム制御例を説明するフローチャートである。
[第1実施形態]
図1は、本発明の一実施形態に係るビデオカメラの構成例を示す。なお、本実施形態ではビデオカメラについて説明するが、本発明は、顕微鏡、デジタルスチルカメラ等、他の焦点調節装置に適用可能である。撮像光学系は第1固定レンズ101、変倍レンズ102、絞り103、第2固定レンズ104、フォーカスコンペンセータレンズ(以下、フォーカスレンズという)105を備える。第1固定レンズ101の後方に位置する変倍レンズ102は、光軸方向に移動可能である。第2固定レンズ104の後方のフォーカスレンズ105は、変倍に伴う焦点面の移動を補正する機能とフォーカシング機能を兼ね備える。各可動レンズの移動範囲は予め定められている。
撮像素子106は、CCD(電荷結合素子)センサやCMOS(相補型金属酸化膜半導体)センサにより構成される光電変換部を有し、被写体像を光電変換して撮像画像データを出力する。撮像信号処理回路107は、撮像素子106の出力信号に対し、サンプリング、ゲイン調整、デジタル化を行うCDS/AGC/ADコンバータを備える。カメラ信号処理回路108は撮像信号処理回路107からの出力信号に対して各種の画像処理を施し、画像信号を生成する。表示装置109はカメラ信号処理回路108からの画像信号を受けて画像を表示する。記録装置110は後述する制御部119内の記録制御部124に指示に従って、カメラ信号処理回路108からの画像信号を磁気テープ、光ディスク、半導体メモリ等の記録媒体に記録する。
AF(オートフォーカス)ゲート111は撮像信号処理回路107からの全画素の出力信号のうち、焦点検出に用いる領域の信号のみを焦点信号処理回路112に送出する。焦点信号処理回路112は、AFゲート111を通過した信号から高周波成分や高周波信号から生成した輝度差成分(AFゲート111を通過した信号の輝度レベルの最大値と最小値の差分)等を抽出して焦点信号を生成する。ここで焦点信号は、撮像素子106からの出力信号に基づいて生成される画像の鮮鋭度(コントラスト状態)を表すが、鮮鋭度は撮像光学系の焦点状態によって変化するので、結果的に撮像光学系の焦点状態を表す信号となる。
顔検出処理回路113は、カメラ信号処理回路108からの画像信号に対して顔検出処理を施し、被写体情報を検出する。被写体情報(検出情報)は、撮影画面における人物像の顔の大きさ、位置、顔の確からしさを示す信頼性の情報を含む。顔検出処理回路113は、その検出結果を後述の制御部119内の主顔決定部120に送信する。なお顔検出処理では、例えば画像データで表される各画素の階調色から肌色領域を抽出し、予め用意した顔の輪郭プレートとのマッチング度で顔を検出する方法や、抽出された目、鼻、口等の顔の特徴点からパターン認識を行う方法等が採用される。
変倍レンズ駆動部114は変倍レンズ102を移動させるためのアクチュエータ及びその駆動回路を含む。フォーカスレンズ駆動部115はフォーカスレンズ105を移動させるためのアクチュエータ及びその駆動回路を含む。変倍レンズ駆動部114及びフォーカスレンズ駆動部115は、ステッピングモータ、DCモータ、振動型モータ、ボイスコイルモータ等のアクチュエータを用いて構成され、後述のレンズ駆動制御部126からの制御信号を受信する。
パン・チルト検出部116はジャイロセンサ等を用いて構成され、カメラのパンニング動作及びチルティング動作を検出する。記録状態切替部117は、カメラ信号処理回路108の画像信号を記録装置110に記録するか否かの切り替えを、後述の記録制御部124に指示する。オートズーム設定部118は、オートズーム機能の有効/無効についての設定を、後述のオートズーム制御部125に指示する。
撮像装置の制御を担う制御部119はCPU(中央演算処理装置)を備え、図1には制御部119内のプログラムによって実行される主な制御を機能的なブロック毎に分けて示している。主顔決定部120は、顔検出処理回路113による顔検出結果に基づき、複数の顔が検出された場合に主被写体としての顔(主顔)を決定する。主被写体は撮像画面内にて被写体の特定部位に相当し、以下の説明では当該部位として顔を例にして説明する。主顔決定部120は決定した主顔をAF制御部121、撮影者意思推定部123に通知する。
AF制御部121は、焦点信号処理回路112の出力信号に基づいてフォーカスレンズ105の駆動を制御し、画像信号に係る焦点調節を行う。またAF制御部121は、顔検出機能が有効である場合に、主顔決定部120で選択された主顔領域を含む位置にて焦点検出に用いる領域を追加するように、AFゲート111へ情報を送信する。カメラワーク判定部122は、パン・チルト検出部116の出力に基づいて、パンニング又はチルティングの動作開始から動作終了までの間に撮影者が行う一連のビデオカメラ操作をカメラワークとして判定する。判定結果は撮影者意思推定部123に通知される。
撮影者意思推定部123は撮影者の撮影意図を推定する。該推定部は、主顔決定部120からの主顔及びその他の顔検出結果の履歴情報と、カメラワーク判定部122からの撮影者によるビデオカメラ操作の履歴情報に基づいて、撮影者が意図的に主被写体を切り替えようとしているか否かを推定する。推定結果は後述のオートズーム制御部125に送出される。記録制御部124は、記録状態切替部117からの入力に基づき、記録の開始や停止等を制御するために記録装置110へ画像記録制御命令を出力する。
オートズーム制御部125は、主顔決定部120で決定した主被写体像を一定の大きさに保つために、オートズーム設定部118、撮影者意思推定部123、記録制御部124からの入力に基づき、レンズ駆動制御部126を介して変倍レンズ102を制御する。レンズ駆動制御部126は、オートズーム制御部125の出力に従って変倍レンズ駆動部114を制御するとともに、AF制御部121の出力に従ってフォーカスレンズ駆動部115を制御する。
次に、制御部119内で主にオートズーム制御部125が行うオートズーム制御の概要について、図2のフローチャートを用いて説明する。
S201でオートズーム制御部125はフラグを参照してその値を判定する。該フラグの値は、後述するS205内の処理(撮影者意思推定)が過渡的な状態にあるか否かを示す。フラグ値が推定処理の過渡的状態を示し、フラグが立っていると判定された場合、S204へ進むが、そうでない場合にはS202へ進む。
S202でオートズーム制御部125は、顔検出処理回路113より得られる顔検出結果の情報に基づいて、顔が検出されているか否かを判定する。主被写体としての顔が検出されている場合、S203に進み、顔検出中でない場合、処理を終了する。S203でオートズーム制御部125は、オートズーム設定部118からの情報を受けて、オートズーム機能が有効であるか否かを判定する。オートズーム機能が有効である場合、S204へ進むが、当該機能が無効の場合、処理を終了する。
S204でオートズーム制御部125は、オートズーム機能により最終的に設定すべき顔の大きさを演算し、演算結果のサイズを目標サイズとして設定する。ここで目標サイズとなる顔の大きさは、予め規定された大きさであってもよく、また前記S202で顔検出処理回路113から取得した顔検出結果に基づいて決定される大きさでも構わない。S205で、撮影者意思推定部123は、撮影者が意図的に主被写体を切り替えようとしているか否かを推定する。なお、この処理の詳細については図3を用いて後述する。次のS206でオートズーム制御部125は、前記S205の推定結果をもとに、撮影者が意図的に主被写体を切り替えようとしているか否かを判断する。その結果、意図的な切り替えの意思が推定された場合はS207に進むが、そうでない場合、S208へ進む。
S207でオートズーム制御部125は、現時点で検出されている顔の位置や大きさから、新たに主顔とすべき、変更後の主被写体を改めて判別する。またS208でオートズーム制御部125は、撮影者が現時点の主顔を撮影し続けようとしている可能性が高いため、現時点の主顔を保持する。これは、仮にこのとき複数の顔が検出されていた場合、オートズームの対象となる主顔が頻繁に切り替わってしまうことで画角が不安定化しないように抑制するためである。
S207、S208の後、S209に進み、オートズーム制御部125は、設定した主顔の大きさを示すサイズデータを取得し、これを現時点での主顔サイズのデータとしてメモリに記憶する。S210でオートズーム制御部125は、前記S209で記憶したデータが示す現時点での主顔サイズを、前記S204で設定した目標サイズと比較する。その結果、現時点での主顔サイズの方が目標サイズより大きい場合、S211へ進み、現時点での主顔サイズが目標サイズ以下の場合、S213へ進む。S211でオートズーム制御部125は、変倍レンズ102を現時点より広角側へズーム駆動させることが可能か否か、すなわち現時点でレンズ位置がワイド端であるか否かを判定する。広角側へのズーム駆動が可能な場合、S212へ進むが、該ズーム駆動が不可能な場合、処理を終了する。S212でオートズーム制御部125は、レンズ駆動制御部126を介して変倍レンズ駆動部114を制御し、変倍レンズ102を予め設定した速度で広角側へズーム駆動する。
S213でオートズーム制御部125は、前記S209で記憶した現時点の主顔サイズと前記S204で設定した目標サイズと比較する。現時点の主顔サイズの方が目標サイズより小さい場合、S214へ進み、そうでない場合、すなわち現時点の主顔サイズが目標サイズに一致している場合、処理を終了する。S214でオートズーム制御部125は、変倍レンズ102を現時点より望遠側へズーム駆動させることが可能か否か、すなわち現時点でレンズ位置がテレ端であるか否かを判定する。望遠側へのズーム駆動が可能な場合、S215へ進むが、該ズーム駆動が不可能な場合、処理を終了する。S215でオートズーム制御部125は、レンズ駆動制御部126を介して変倍レンズ駆動部114を制御し、変倍レンズ102を予め設定した速度で望遠側へズーム駆動する。
以上の処理を繰り返してフィードバック制御を行うことにより、最終的には主顔サイズが目標サイズに一致するように画角を調整し、その状態を維持することが可能となる。また、撮影者が被写体の構図を素早く設定できるように制御することが目的であるため、前記S205乃至208の処理は、記録制御部124の出力結果に応じてその有効・無効の設定を切り替えても構わない。例えば本実施形態にて前記S205乃至208の処理を、撮影画像の記録停止状態の場合に有効とし、記録状態の場合に無効としてもよい。
次に、制御部119内で主に撮影者意思推定部123が実行するS205の処理の詳細について、図3のフローチャートを用いて説明する。
S301で主顔決定部120は、主顔及びその他の顔の検出状態を監視し、撮像画面にてどの被写体の顔がどのように移動したかを示す情報を管理する。S302でカメラワーク判定部122は、カメラ本体のパンニング又はチルティングの状態を監視し、撮影者がカメラをどのように動かしたかを示す情報を管理する。また、パン・チルトの動作開始から動作終了までの一連のカメラ操作が検出された場合に、カメラワークが発生したとの判定が下される。
図4はパン・チルト検出部116にジャイロセンサを使用した場合の検出例を模式的に示す。図4(A)はパンニング時のセンサ出力を例示し、図4(B)は安定時のセンサ出力を例示し、横軸は時間を示し、縦軸はセンサ出力を示している。ジャイロセンサの出力は通常、パンニングの方向に応じてゼロを中心に正負の値をとるのが一般的である。ここでは、センサ出力が正方向となるようにパンニングを行った場合を例示している。また、撮影者が実際にビデオカメラを把持している場合、図4の信号に対して手振れの周波数成分が重畳された検出信号となるが、ここでは説明の便宜のため手振れの影響による信号成分は除いている。ジャイロセンサは角速度検出センサであり、パンニング中は出力値が大きくなり、パンニングの終了によってほぼゼロとなる。また、出力値の大きさはパンニングの速度に依存し、カメラを速く移動させる程、出力値も大きくなる。したがって、例えば図4に示すように閾値レベルを設定し、このレベルを下回った場合に、パンニングが終了したと判定することが可能である。
図3のS303ではフラグ値が判定される。その値は、撮影者意思推定の処理が過渡状態であるか否かを表しており、フラグが立っている場合、S307へ進むが、そうでない場合にはS304へ進む。S304で撮影者意思推定部123は、前記S302で監視したビデオカメラのパンニング又はチルティングの状態に基づいて、パンニング又はチルティングが新たに開始されたか否かを判定する。パンニング又はチルティングの開始と判定された場合、撮影者が主被写体を意図的に変化させようとしている可能性があるため、S305へ進む。また、パンニング又はチルティングの開始と判定されない場合、撮影者による主被写体の意図的な変更の可能性が低いため、S315へ進む。
S305で撮影者意思推定部123は、前記S301で監視した顔検出状態に基づき、第1の主被写体像に相当する顔、つまり現時点で主顔と設定されている顔(以下、顔Aとする)のデータをメモリに記憶する。次のS306では、撮影者意思推定中であることを示す前記フラグをセットしてS307に進む。これは、前記S304で新たにパンニング又はチルティングが検出されているので、これより撮影者が意図的に主被写体を変えようとしているか否かを推定する必要のためである。ここでフラグにセットする値は、主被写体が定まらない過渡的な状態であることを示す。
S307で撮影者意思推定部123は、前記S301で監視した顔検出状態に基づき、パンニング又はチルティングが行われている間、前記S305で記憶した顔Aとは異なる顔が新たに検出されたか否かを判定する。判定対象となる顔は、第2の主被写体像に相当する顔(以下、顔Bとする)である。顔Bが検出された場合、撮影者が主被写体を意図的に変えようとしている可能性があるため、S308に進む。また顔Bが検出されない場合、そのような可能性は低いため、S315へ進む。なお、実際にはパンニング又はチルティングの操作が行われる以前より、顔Bが検出されている場合も考えられるが、上記と同様の条件分岐を適用しても構わない。
S308で撮影者意思推定部123は、パンニング又はチルティング動作中のビデオカメラ本体の動きと移動方向、並びに顔A及び顔Bの撮像画面内における動きと移動方向を監視する。これは、前記S301で監視している顔検出結果の状態と、前記S302で監視しているビデオカメラ本体のパンニング又はチルティングの状態に基づいて行われ、監視状況を示すデータは履歴情報として管理される。S309で撮影者意思推定部123は、前記S302で監視したビデオカメラのパンニング又はチルティングの状態に基づき、これまで検出されていたパンニング又はチルティングが終了したか否かを判定する。終了の判定が下された場合、撮影者の意思を最終的に推定するためにS310へ進むが、未終了の場合には、撮影者の意思を推定することができないため、前記フラグを立てた状態でS315へ進む。
S310で撮影者意思推定部123は、前記S301で監視した顔検出状態に基づき、パンニング又はチルティングが終了した時点で撮像画面の中央に最も近い顔が顔Aであるか否かを判別する。画面の中央に最も近い顔が顔Aである場合、撮影者が主被写体を維持しようとしている可能性が高いため、S311へ進む。画面の中央に最も近い顔が顔Aでない場合には、撮影者が主被写体を意図的に変えようとしている可能性が高いため、S312へ進む。
S311で撮影者意思推定部123は、前記S308で監視したパンニング又はチルティング動作中のビデオカメラ本体の動きや移動方向と、顔A及び顔Bの撮像画面内における動きや移動方向を調べる。そして、撮影者が顔Aを撮像画面外へ移動させようとしていたか否かについて判定される。そのような移動が行われたと判定された場合、撮影者が意図的に主被写体を変えようとしていると推定されるため、S312へ進む。そうでない場合には撮影者が主被写体を維持しようとしていると推定されるため、S313へ進む。なお、本例では撮影者が意図的に主被写体を変えようとしていることを、撮影者が顔Aを撮像画面外へ移動させようとしていたことから推定している。これに限らず、例えばパンニング又はチルティング動作中、画面の中央部に位置する顔の割合や、該動作中でのそれぞれの顔の平均位置等を算出し、主被写体を変えようとする撮影者の意図を撮影者意思推定部123が判断してもよい。
S312やS313で撮影者意思推定部123は、前記S306でセットしたフラグをクリアする。この時のフラグ値は、撮影者が意図的に主被写体を変えようとしているか否かの推定処理に関する過渡的な状態が終了したことを示す。S312の後、S314に進み、またS313の後、S315に進む。
S314で撮影者意思推定部123は、撮影者が意図的に主被写体を変えようとしていると推定した後、処理を終了する。一方、S315で撮影者意思推定部123は、撮影者が意図的に主被写体を変えようとはしていないと推定した後、処理を終了する。
第1実施形態によれば、撮影者が意図的に被写体を変えた場合、素早く最適な画角への設定が可能となる。なお前記の例では、パンニング等の検出にジャイロセンサを使用したが、加速度センサ等、各種検出手段を用いて検出を行うこともできる。また一般的にパンニング中は、画面上で流れる撮影画像が処理されるため、AFゲート111を通った全てのAF評価値がほぼ均一となるのに対し、非パンニング時は被写体画像が止まっているため、AF評価値にレベル差が発生する。したがって、このAF評価値のレベル差を利用することでパンニングの状態を検出することも可能であり、この情報を用いた検出方法の採用によって前記検出手段が不要となる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態を説明する。本実施形態に係る撮像装置のシステム構成は図1に示す第1実施形態の場合と同様であり、以下では、各構成部に対して既に使用した符号を用いて、第1実施形態との相違点を説明する。
図5のフローチャートを用いて、制御部119内の主にオートズーム制御部125が行うオートズーム制御の概要について説明する。なおS201乃至206、S209乃至215にステップに示す処理は図2の場合と同じであり、以下、図2と相違するS507、S508を説明する。
S206で、撮影者が意図的に主被写体を切り替えようとしていると判定された場合、S507に進むが、そのような切り替えの意図が判定されなかった場合、S508へ進む。S507でオートズーム制御部125は、オートズーム時の変倍レンズ102の駆動速度を通常より高速に設定する。これは撮影者が新たに主被写体にしようとしている被写体に対して素早く画角を合わせるためである。その後、S209に進む。
一方、S508でオートズーム制御部125は、オートズーム時の変倍レンズ102の駆動速度を通常の値に設定する。その理由は、撮影者が現時点での主被写体を撮影し続けようとしている可能性が高いためである。なお「通常の値」については予め規定した速度値、又はユーザが任意に選択又は設定し得る速度値とすることができる。その後、S209に進む。
本例ではS507とS508にて、変倍レンズ102の駆動速度を変更する制御が行われる。しかし、前記S206の条件分岐に応じてオートズームの応答性を変える効果が得られるのであれば、変倍レンズ102を駆動させるまでの時間を変更する等、他の制御法を採用しても構わない。
第2実施形態によれば、撮影者による意図的な主被写体の変更が推定された場合、撮影者が新たに主被写体にしようとしている被写体に対して素早く画角を合わせるために、オートズームの応答性を高めることができる。
なお、本実施形態において、オートズーム制御部125は、記録装置110が記録状態である場合に比べ、記録停止状態である場合に、変倍レンズ駆動部114の駆動速度を大きくし、又は該駆動部を駆動するまでの時間を短くする。これにより撮像装置にて撮像画像データを記録していない場合にズーム制御の応答性を高めることができる。
[その他の実施形態]
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
102 変倍レンズ
106 撮像素子
110 記録装置
113 顔検出処理回路
114 変倍レンズ駆動部
116 パン・チルト検出部
119 制御部
120 主顔決定部
122 カメラワーク判定部
123 撮影者意思推定部
124 記録制御部
125 オートズーム制御部
126 レンズ駆動制御部

Claims (9)

  1. 撮像画面内における被写体の部位を主被写体として検出し、主被写体像の大きさを一定に保つようにズーム制御を行う撮像装置であって、
    被写体の検出情報に基づいて前記主被写体を別の主被写体に変更しようとする撮影意図の推定手段と、
    前記推定手段によって前記主被写体から別の主被写体への変更が推定された場合、該主被写体を判定し、変更後の主被写体像の大きさを一定に保つようにズーム制御を行うズーム制御手段を備えることを特徴とする撮像装置。
  2. 撮像装置のパンニング又はチルティングを検出する検出手段と、
    前記検出手段の検出結果に基づいてパンニング又はチルティングの動作開始から動作終了までに行われる一連の操作を判定し、判定結果を前記推定手段に出力する判定手段を備えることを特徴とする、請求項1記載の撮像装置。
  3. 前記推定手段は、前記判定手段により前記一連の操作が行われたと判定された場合、前記パンニング又はチルティングの動作が開始した時の第1の主被写体像と、その動作が終了した時の第2の主被写体像を比較し、
    前記第1の主被写体像と前記第2の主被写体像とが異なる場合、主被写体の変更が行われると推定することを特徴とする、請求項2記載の撮像装置。
  4. 前記推定手段は、前記判定手段により前記一連の操作が行われたと判定された場合、前記第1の主被写体像と、パンニング又はチルティングの動作が終了した時に撮影画面の中央部で検出された第2の主被写体像を比較することを特徴とする、請求項3記載の撮像装置。
  5. 前記推定手段は、前記パンニング又はチルティングの動作にて前記第1の主被写体像を撮像画面外へ移動させる際の動きを、前記検出手段からの検出結果に基づいて判定し、主被写体の変更が行われると推定することを特徴とする請求項4記載の撮像装置。
  6. 前記主被写体の撮影画像の記録手段及び該記録手段を制御する記録制御手段をさらに備え、
    前記ズーム制御手段は、前記記録制御手段から前記記録手段が記録停止状態である旨の通知を受けた場合、前記推定手段による推定結果を有効として前記ズーム制御を行い、前記記録手段が記録状態である旨の通知を受けた場合、前記推定手段による推定結果を無効とすることを特徴とする、請求項1から5のいずれか1項記載の撮像装置。
  7. 撮像画面内における被写体の部位を主被写体として検出し、主被写体像の大きさを一定に保つようにズーム制御を行う撮像装置であって、
    被写体の検出情報に基づいて前記主被写体を別の被写体に変更しようとする撮影意図の推定手段と、
    前記推定手段によって前記主被写体から別の被写体への変更が推定された場合、当該被写体への変更が推定されない場合に比べて、ズーム制御の応答性を高めるズーム制御手段を備えることを特徴とする撮像装置。
  8. 前記ズーム制御手段は、レンズ駆動手段の駆動速度を大きくし、又は該レンズ駆動手段を駆動するまでの時間を短くすることによって前記応答性を高めることを特徴とする、請求項7に記載の撮像装置。
  9. 撮像画面内における被写体の部位を主被写体として検出し、主被写体像の大きさを一定に保つようにズーム制御を行う撮像装置の制御方法であって、
    被写体の検出情報に基づいて前記主被写体を別の主被写体に変更しようとする撮影意図を推定するステップと、
    前記主被写体から別の主被写体への変更が推定された場合、該主被写体を判定するステップと、
    変更後の主被写体像の大きさを一定に保つようにズーム制御を行うステップを有することを特徴とする撮像装置の制御方法。
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