JP2011222268A - 固体高分子型燃料電池用膜−電極構造体及びその製造方法 - Google Patents

固体高分子型燃料電池用膜−電極構造体及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2011222268A
JP2011222268A JP2010089666A JP2010089666A JP2011222268A JP 2011222268 A JP2011222268 A JP 2011222268A JP 2010089666 A JP2010089666 A JP 2010089666A JP 2010089666 A JP2010089666 A JP 2010089666A JP 2011222268 A JP2011222268 A JP 2011222268A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
membrane
polymer electrolyte
electrode
transition metal
fuel cell
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2010089666A
Other languages
English (en)
Inventor
Akifumi Takenawa
亮史 竹縄
Akihiro Noda
明宏 野田
Akimasa Daimaru
明正 大丸
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Honda Motor Co Ltd filed Critical Honda Motor Co Ltd
Priority to JP2010089666A priority Critical patent/JP2011222268A/ja
Publication of JP2011222268A publication Critical patent/JP2011222268A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P70/00Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

Landscapes

  • Fuel Cell (AREA)
  • Conductive Materials (AREA)

Abstract

【課題】遷移金属酸化物が高い分散度で分散しており、過酸化水素又は過酸化物ラジカルの攻撃による固体高分子電解質膜の劣化や触媒粒子の溶出を抑制することができる固体高分子型燃料電池用膜−電極構造体及びその製造方法を提供する。
【解決手段】固体高分子型燃料電池用膜−電極構造体は、固体高分子電解質膜1を、触媒粒子と電極電解質とを含む1対の電極触媒層2,2で挟持してなる。プロトン伝導性ポリマーか電極電解質かの少なくとも一方に含まれる親水性基の周辺に偏在する遷移金属酸化物を備える。プロトン伝導性ポリマー又は電極電解質に含まれる親水性基の水素イオンの一部を遷移金属イオンに置換し、置換された遷移金属イオンを、加水分解によってアンモニウムイオンを生成する化合物の水溶液と反応させた後、加熱することにより遷移金属酸化物を生成させる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、固体高分子型燃料電池用膜−電極構造体及びその製造方法に関するものである。
従来、プロトン伝導性ポリマーからなる固体高分子電解質膜を、触媒粒子と電極電解質とを含む1対の電極触媒層で挟持した固体高分子型燃料電池用膜−電極構造体が知られている。前記固体高分子型燃料電池用膜−電極構造体は、さらに前記各電極触媒層の上にガス拡散層を積層すると共に、各ガス拡散層の上にガスの流路となる溝が形成されたセパレータを積層することにより、固体高分子型燃料電池を形成することができる。
前記固体高分子型燃料電池は、一方の電極触媒層を燃料極として前記ガス拡散層を介して、水素、メタノール等の還元性ガスを供給すると共に、他方の電極触媒層を酸素極として空気、酸素等の酸化性ガスを導入する。このようにすると、燃料極側では、前記電極触媒層に含まれる触媒の作用により、前記還元性ガスからプロトン及び電子が生成し、前記プロトンは前記固体高分子電解質膜を介して、前記酸素極側の電極触媒層に移動する。そして、前記プロトンは、前記酸素極側の電極触媒層で、前記電極触媒層に含まれる触媒の作用により、該酸素極に導入される前記酸化性ガス及び電子と反応して水を生成する。従って、前記燃料極と酸素極とを導線により接続することにより、前記燃料極で生成した電子を前記酸素極に送る回路が形成され、電流を取り出すことができる。
ところが、前記固体高分子型燃料電池を前記のようにして運転すると、前記電極触媒層中で反応副生物として過酸化水素が発生し、該過酸化水素又は該過酸化水素から発生する過酸化物ラジカルの攻撃により前記固体高分子電解質膜が劣化しするという問題がある。また、前記過酸化水素又は過酸化物ラジカルの攻撃により、前記電極触媒層に含まれる触媒としての白金又は白金合金が溶出して失われるという問題もある。
前記問題を解決するために、前記固体高分子電解質膜に酸化セリウム等の難溶性セリウム化合物を含有させることが知られている(例えば特許文献1参照)。また、前記電極触媒層に、PtO、CoO又はCoを含有させることが知られている(例えば特許文献2参照)。さらに、触媒金属微粒子を担持した耐食性金属酸化物を導電性担体表面に分散担持させることが知られている(例えば特許文献3参照)。
特開2006−107914号公報 特開2008−147166号公報 特開2004−363056号公報
しかしながら、前記固体高分子電解質膜と、前記電解触媒層を構成する電極電解質とは、いずれも有機物であり、無機物である前記金属酸化物との親和性に乏しく、該金属酸化物を高い分散度で分散させることが難しいという不都合がある。前記金属酸化物は、ナノ粒子化することにより、前記固体高分子電解質膜又は前記電極電解質に対する分散性を改良することができるが、ナノ粒子化された前記金属酸化物は凝集し易くなるという不都合がある。
従って、前記金属酸化物は、前記固体高分子電解質膜又は前記電極電解質に高い分散度で分散させることが難しく、過酸化水素又は過酸化物ラジカルの攻撃により前記固体高分子電解質膜が劣化するという問題を十分に解決することができない。
そこで、本発明は、かかる不都合を解消して、遷移金属酸化物が高い分散度で分散しており、過酸化水素又は過酸化物ラジカルの攻撃による前記固体高分子電解質膜の劣化や前記触媒粒子の溶出を抑制することができる固体高分子型燃料電池用膜−電極構造体及びその製造方法を提供することを目的とする。
かかる目的を達成するために、本発明は、プロトン伝導性ポリマーからなる固体高分子電解質膜を、触媒粒子と電極電解質とを含む1対の電極触媒層で挟持した固体高分子型燃料電池用膜−電極構造体において、該プロトン伝導性ポリマーか該電極電解質かの少なくとも一方に含まれる親水性基の周辺に偏在する遷移金属酸化物粒子を備えることを特徴とする。
前記プロトン伝導性ポリマー及び電極電解質では、親水性基がクラスターを形成しており、水分子に伴われたプロトンが該クラスターを移動することにより、プロトンの伝導が行われる。また、前記電極触媒層で生成した過酸化水素や過酸化物ラジカルもまた、生成水に伴われて前記クラスターを移動する。
そこで、本発明の固体高分子型燃料電池用膜−電極構造体では、前記プロトン伝導性ポリマー又は電極電解質中の親水性基の周辺に偏在する前記遷移金属酸化物粒子を備えることにより、前記過酸化水素や過酸化物ラジカルを効果的に捕捉し、分解することができる。この結果、本発明の固体高分子型燃料電池用膜−電極構造体によれば、前記プロトン伝導性ポリマー又は電極電解質中に、前記遷移金属酸化物を高い分散度で分散させることができ、前記固体高分子電解質膜の劣化や前記触媒粒子の溶出を抑制することができる。
尚、本明細書において、前記遷移金属酸化物粒子が「親水性基の周辺に偏在する」とは、前記親水性基から例えば10nm以下の範囲において、前記遷移金属酸化物粒子の濃度が他の部分よりも高くなっていることを意味する。
本発明の固体高分子型燃料電池用膜−電極構造体は、触媒粒子と電極電解質と溶媒とを混合して触媒ペーストを調製する工程と、プロトン伝導性ポリマーをシート状に加工して固体高分子電解質膜を形成する工程と、該固体高分子電解質膜を、該触媒ペーストにより形成される1対の電極触媒層で挟持して膜−電極構造体を形成する工程とを備える固体高分子型燃料電池用膜−電極構造体の製造方法において、該プロトン伝導性ポリマーか該電極電解質かの少なくとも一方に含まれる親水性基の水素イオンの一部を遷移金属イオンに置換する工程と、該水素イオンと置換された該遷移金属イオンを、加水分解によってアンモニウムイオンを生成する化合物の水溶液と反応させた後、加熱することにより遷移金属酸化物を生成させる工程とを備える固体高分子型燃料電池用膜−電極構造体の製造方法により製造することができる。
本発明の製造方法では、前記プロトン伝導性ポリマーと前記電極電解質との少なくとも一方に含まれる親水性基の水素イオンの一部を遷移金属イオンに置換する工程を行う。前記工程は、例えば、前記プロトン伝導性ポリマー又は前記電極電解質を、遷移金属水溶液に浸漬することにより行うことができる。このようにすると、前記遷移金属水溶液は前記クラスターを移動することとなり、移動の間に前記親水性基の水素イオンの一部を遷移金属イオンに置換することができる。この結果、前記クラスター中に前記遷移金属イオンが配置される。
また、本発明の製造方法では、前記水素イオンの一部を遷移金属イオンに置換する工程に続いて、該水素イオンと置換された該遷移金属イオンを、加水分解によってアンモニウムイオンを生成する化合物の水溶液と反応させる。前記加水分解によってアンモニウムイオンを生成する化合物としては、例えば、尿素またはヘキサメチレンテトラミンを挙げることができる。前記化合物は、加水分解によりアンモニウムイオンを生成し、前記水溶液のpHを上昇させる。この結果、前記遷移金属イオンは、金属水酸化物として前記クラスター中に析出する。
次に、前記遷移金属イオンが金属水酸化物として析出した前記プロトン伝導性ポリマー又は前記電極電解質を加熱することにより、前記金属水酸化物を脱水し、遷移金属酸化物を生成させる。この結果、前記遷移金属酸化物が前記クラスター中に配置されることにより、前記プロトン伝導性ポリマー又は前記電極電解質に高い分散度で分散している固体高分子型燃料電池用膜−電極構造体を得ることができる。
本発明の製造方法において、前記水素イオンの一部を遷移金属イオンに置換する工程と、前記遷移金属酸化物を生成させる工程とは、前記触媒ペーストを調製する工程か、前記固体高分子電解質膜を形成する工程かの少なくとも一方の工程に先立つ時期に行うことができる。
このようにすると、前記触媒ペースト又は前記固体高分子電解質膜の原料の段階で、前記水素イオンの一部が遷移金属イオンに置換されることになる。この場合、前記原料は他の成分を含んでいないので副反応が起こる懸念が無く、前記触媒ペーストの電極電解質又は前記固体高分子電解質膜のプロトン伝導性ポリマー中の親水性基の水素イオンに対してむらなく、速やかにイオン交換を行うことができる。
また、本発明の製造方法において、前記水素イオンの一部を遷移金属イオンに置換する工程と、前記遷移金属酸化物を生成させる工程とは、前記触媒ペーストを調製する工程と前記膜−電極構造体を形成する工程との間か、前記固体高分子電解質膜を形成する工程と前記膜−電極構造体を形成する工程との間かの少なくとも一方の時期に行うようにしてもよい。
この場合には、前記親水性基の周辺に偏在して析出した前記遷移金属酸化物について、その後の工程を経ても偏在した状態を保持することができる。また、前記膜−電極構造体を形成する前であるので、隣接する他の層に遮られることなくイオン交換を行うことができ、前記触媒ペーストの電極電解質又は前記固体高分子電解質膜のプロトン伝導性ポリマー中の親水性基の水素イオンに対してむらなく、速やかにイオン交換を行うことができる。
また、本発明の製造方法において、前記水素イオンの一部を遷移金属イオンに置換する工程と、前記遷移金属酸化物を生成させる工程とは、前記膜−電極構造体を形成する工程の後に行うようにしてもよい。
この場合には、形成された膜−電極構造体を一括してその全体にイオン交換を行うことができ、前記遷移金属酸化物が前記プロトン伝導性ポリマーと前記電極電解質との両方に高い分散度で分散している固体高分子型燃料電池用膜−電極構造体を得ることができる。
本発明の固体高分子型燃料電池用膜−電極構造体の一構成例を示す説明的断面図。 本発明の製造方法における水素イオンの一部を遷移金属イオンに置換する工程と、遷移金属酸化物を生成させる工程とを示す模式図。
次に、添付の図面を参照しながら本発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。
図1に示すように、本実施形態の固体高分子型燃料電池用膜−電極構造体は、プロトン伝導性ポリマーからなる固体高分子電解質膜1を、1対の電極触媒層2,2で挟持した構成を備える。
固体高分子電解質膜1を構成するプロトン伝導性ポリマーとしては、パーフルオロアルキルスルホン酸ポリマー等のフッ素含有樹脂またはスルホン化ポリフェニレン等の炭化水素系樹脂からなる陽イオン交換樹脂を用いることができる。ただし、前記プロトン伝導性ポリマーは、過酸化水素又は過酸化物ラジカルの攻撃に対する耐性に優れている点から、前記パーフルオロアルキルスルホン酸ポリマー等のフッ素含有樹脂であることが好ましい。前記パーフルオロアルキルスルホン酸ポリマーとしては、デュポン社製のナフィオン(登録商標)等を用いることができる。
電極触媒層2は、触媒粒子と電極電解質とを含んでいる。前記触媒粒子は、例えば白金等の触媒が、カーボンブラック等の触媒担体に担持されている。また、前記電極電解質は、イオン伝導性高分子バインダーであり、パーフルオロアルキレンスルホン酸ポリマー等のフッ素含有樹脂を用いることができる。電極触媒層2は、前記触媒粒子が前記電極電解質により一体化されることにより構成されている。
そして、本実施形態の固体高分子型燃料電池用膜−電極構造体は、固体高分子電解質膜1のプロトン伝導性ポリマーか、電極触媒層2の電極電解質かの少なくとも一方に含まれる親水性基の周辺に偏在する遷移金属酸化物粒子を備えている。前記遷移金属酸化物は、前記プロトン伝導性ポリマーと前記電極電解質とのいずれか一方に含まれていてもよく、両方に含まれていてもよい。
前記遷移金属酸化物としては、酸化セリウム、酸化タングステン、酸化ルテニウム、酸化パラジウム、酸化銀、酸化ロジウム、酸化ジルコニウム、酸化イットリウム、二酸化マンガン、酸化モリブデン、二酸化鉛、酸化バナジウム、酸化チタン等を挙げることができる。前記遷移金属酸化物は、無水物であってもよく、水和物であってもよい。また、前記遷移金属酸化物は、前記のいずれか1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
前記遷移金属酸化物は、酸化セリウムの場合には例えば3〜50nmの粒子径を備え、例えば前記プロトン伝導性ポリマー又は前記電極電解質に対し0.5〜10質量%の範囲の濃度で含有される。
本実施形態の固体高分子型燃料電池用膜−電極構造体は、例えば、次の製造方法により製造することができる。
本実施形態の製造方法では、まず、触媒ペーストの原料となる電極電解質を、遷移金属塩の水溶液に浸漬し、該電極電解質中の親水性基の水素イオンの一部を遷移金属イオンに置換する。前記水素イオンの一部を遷移金属イオンに置換する操作を図2(a)に模式的に示す。
図2(a)は、電極電解質3の一部を示す図であり、電極電解質3は例えばRSOH(Rはアルキル基、アルキレン基、アリール基等の有機基である)からなり、R基からなる疎水部4と、−SOH基のクラスターからなる親水部5とを備えている。そこで、図2(a)に示すように、電極電解質3を遷移金属塩、例えばM(NO(Mは4価の遷移金属である)の水溶液に浸漬する。このようにすると、前記水溶液が親水部5を移動する間に、図2(b)に示すように、親水基である−SOH基の水素イオンHが遷移金属イオンM4+にイオン交換される。
前記イオン交換反応は、次式に示す平衡反応として示される。
4R−SO3− + M4+ ⇔ (R−SO3−4+ + 4H
前記平衡反応は、金属イオンM4+が多い場合には、平衡を取るために右に移動し、水素イオンHを放出する。従って、どのような金属イオンであっても、前記イオン交換反応により樹脂中に取り込むことができる。
図2(a)では、前記遷移金属塩が硝酸塩である場合を示しているが、該遷移金属塩は、アンモニウム塩、硫酸塩、塩化物であってもよい。また、前記遷移金属塩水溶液に代えて、遷移金属酸化物イオンを含む水溶液を用いてもよい。前記遷移金属酸化物イオンとしては、硫酸ジルコニル、塩化ジルコニル、硫酸チタニル、塩化チタニル等を挙げることができる。
前記水素イオンの一部を遷移金属イオンに置換したならば、次に、図2(b)に示すように、電極電解質3を尿素水溶液に浸漬する。このようにすると、尿素が加水分解されてアンモニウムイオンを生成するため、前記水溶液のpHが上昇し、遷移金属イオンM4+から遷移金属水酸化物M(OH)が生成する。図2(b)では、尿素水溶液を用いる場合を示しているが、尿素水溶液に代えてヘキサメチレンテトラミン水溶液を用いてもよい。
遷移金属水酸化物M(OH)が生成したならば、次に、電極電解質3を加熱する。このようにすると、遷移金属水酸化物M(OH)が脱水され、図2(c)に示すように、−SOH基のクラスターからなる親水部5に遷移金属酸化物MOが生成する。
前記水素イオンの一部を前記遷移金属イオンに置換し、該遷移金属イオンから前記遷移金属酸化物を生成させる操作において、電極電解質3は触媒ペーストを形成する前の段階であり、触媒粒子や溶媒等の他の成分を含んでいない。そこで、前記操作は、副反応が起こることを懸念することなく行うことができる。また、電極電解質3中の親水性基の水素イオンに対してむらなく、速やかに遷移金属イオンにイオン交換を行うことができ、該遷移金属イオンからむらなく、速やかに遷移金属酸化物を生成させることができる。
次に、生成した遷移金属酸化物MOを含む電極電解質3に、前記触媒粒子及び溶媒と混合して触媒ペーストを調製する。
次に、固体高分子電解質膜1の原料のプロトン伝導性ポリマー溶液をフッ素樹脂フィルム等の基体上にキャストし、乾燥させることにより、固体高分子電解質膜1を形成する。
次に、前記触媒ペーストをポリエチレンテレフタレート脂フィルム等の基体上に塗布して電極触媒層2を形成し、形成された電極触媒層2を固体高分子電解質膜1の表面に熱転写する。又は、固体高分子電解質膜1の表面に前記触媒ペーストを直接塗布して、電極触媒層2を形成してもよい。この結果、図1に示す構成を備える固体高分子型燃料電池用膜−電極構造体を得ることができる。
本実施形態の製造方法では、前記触媒ペーストを調製する前に、該触媒ペーストの原料となる電極電解質3に対して、前記親水基の水素イオンの一部を遷移金属イオンに置換し、該遷移金属イオンから前記遷移金属酸化物を生成させる操作を行っている。しかし、前記操作は、電極電解質3に前記触媒粒子及び溶媒と混合して触媒ペーストを調製した後、固体高分子型燃料電池用膜−電極構造体を形成する前の段階で、電極電解質3に対して行ってもよい。
また、前記親水基の水素イオンの一部を遷移金属イオンに置換し、該遷移金属イオンから前記遷移金属酸化物を生成させる操作は、触媒ペーストの原料となる電極電解質3に代えて、固体高分子電解質膜1の原料となるプロトン伝導性ポリマーに対して行ってもよい。さらに、前記操作は、前記プロトン伝導性ポリマーにより固体高分子電解質膜1を形成した後、固体高分子型燃料電池用膜−電極構造体を形成する前の段階で、該プロトン伝導性ポリマーに対して行ってもよい。
前記操作を前記プロトン伝導性ポリマーに対して行う場合、該操作は図2の説明において、電極電解質3を固体高分子電解質膜1のプロトン伝導性ポリマーと読み替えた操作に相当する。
さらに、前記親水基の水素イオンの一部を遷移金属イオンに置換し、該遷移金属イオンから前記遷移金属酸化物を生成させる操作は、図1に示す固体高分子型燃料電池用膜−電極構造体を形成した後、固体高分子電解質膜1と電極触媒層2とに対して一括して行ってもよい。この場合、前記操作は、図2の説明において、電極電解質3を、電極電解質3及び固体高分子電解質膜1のプロトン伝導性ポリマーと読み替えた操作に相当する。
本実施形態の固体高分子型燃料電池用膜−電極構造体は、電極触媒層2上にガス拡散層(図示せず)を積層し、その上にガスの流路となる溝が形成されたセパレータ(図示せず)をさらに積層することにより、固体高分子型燃料電池を形成することができる。前記固体高分子型燃料電池は、一方の電極触媒層を燃料極として前記ガス拡散層を介して、水素、メタノール等の還元性ガスを供給すると共に、他方の電極触媒層を酸素極として空気、酸素等の酸化性ガスを導入する。このようにすると、燃料極側では、前記電極触媒層に含まれる触媒の作用により、前記還元性ガスからプロトン及び電子が生成し、前記プロトンは前記固体高分子電解質膜を介して、前記酸素極側の電極触媒層に移動する。そして、前記プロトンは、前記酸素極側の電極触媒層で、前記電極触媒層に含まれる触媒の作用により、該酸素極に導入される前記酸化性ガス及び電子と反応して水を生成する。従って、前記燃料極と酸素極とを導線により接続することにより、前記燃料極で生成した電子を前記酸素極に送る回路が形成され、電流を取り出すことができる。
前記固体高分子型燃料電池を前記のようにして運転すると、電極触媒層2中で反応副生物として過酸化水素が発生し、該過酸化水素から過酸化物ラジカルが発生する。前記過酸化水素及び過酸化物ラジカルは、前記生成水に伴われて前記クラスター(図2の親水部5)を移動する。この結果、前記過酸化水素及び過酸化物ラジカルにより、固体高分子電解質膜1を構成するプロトン伝導性ポリマーが劣化したり、電極触媒層2中の触媒が溶出して失われることが懸念される。
しかし、本実施形態の固体高分子型燃料電池用膜−電極構造体は、固体高分子電解質膜1と電極触媒層2との少なくとも一方に含まれる親水基の周辺に偏在する遷移金属酸化物を備えている。そして、前記遷移金属酸化物は、具体的には、前記クラスター(図2の親水部5)に位置している。この結果、前記遷移金属酸化物は、前記生成水に伴われて前記クラスターを移動する前記過酸化水素及び過酸化物ラジカルを効率よく捕捉して分解することができ、前記固体高分子型燃料電池用膜−電極構造体において優れた耐久性を得ることができる。
次に本発明の実施例と比較例とを示す。
本実施例では、まず、乾燥したパーフルオロアルキルスルホン酸樹脂(デュポン社製ナフィオン(登録商標))からなる高分子電解質12gを、0.5ミリモル/リットルの硝酸セリウム(Ce(NO)水溶液500ml中に浸漬し、1時間保持した。この結果、前記高分子電解質中のスルホン基の水素イオンの一部をセリウムイオン(Ce4+)に置換した。
次に、前記高分子電解質を前記水溶液から引き上げ、純水で洗浄後、0.75ミリモル/リットルの尿素水溶液500ml中に浸漬し、80℃の液温下に5時間保持した。この結果、前記セリウムイオン(Ce4+)から水酸化セリウム(Ce(OH))を生成させた。
次に、水酸化セリウム(Ce(OH))を生成させた高分子電解質を遠心分離し、純水で洗浄する操作を3回繰り返した後、該高分子電解質を100℃の温度に5時間保持して乾燥させた。次に、前記高分子電解質を0.5ミリモル/リットルの硫酸200ml中に10分間浸漬した後、純水で洗浄し、水酸化セリウム(Ce(OH))を脱水して酸化セリウム(CeO)を生成させ、酸化セリウム含有高分子電解質を得た。得られた酸化セリウム含有高分子電解質は、全量に対し、2.5質量%の酸化セリウム(CeO)を含んでいた。
次に、本実施例で得られた酸化セリウム含有高分子電解質12gを、水とn−プロパノールとの1:1(質量比)混合液48gに溶解し、20質量%の濃度の電解質溶液とした。次に、前記電解質溶液60gに、60質量%の白金が担持されたカーボン10g、水12g、白金が担持されていないカーボン10gを添加し、ポリテトラフルオロエチレン製のボールミルポットに投入した。そして、ジルコニアボールにより攪拌して、触媒ペーストを調製した。得られた触媒ペーストは、全固形分に対して1質量%の濃度の酸化セリウム(CeO)を含んでいた。
次に、前記触媒ペーストを、剥離剤の付いたポリエチレンテレフタレートフィルムに、白金含量が0.5mg/cmとなるように塗布し、電極触媒層2を形成した。次に、前記電極触媒層2を、パーフルオロアルキルスルホン酸ポリマー(デュポン社製ナフィオン(登録商標))からなる固体高分子電解質膜1に熱転写して一体化し、固体高分子型燃料電池用膜−電極構造体(MEA)を形成した。
次に、本実施形態で得られた固体高分子型燃料電池用膜−電極構造体の電極触媒層2上にガス拡散層(図示せず)を積層し、該ガス拡散層上にガスの流路となる溝が形成されたセパレータ(図示せず)をさらに積層することにより、固体高分子型燃料電池を形成した。
次に、前記固体高分子型燃料電池に対し、95℃、湿度50%でのOCV耐久試験(水素及び空気を反応ガスとした開回路保持耐久試験)を300時間行った。そして、前記耐久試験後の固体高分子電解質膜1の分子量をゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定し、試験前の分子量に対する保持率を算出した。また、前記耐久試験後の電解触媒層2への白金溶出量(電極電解質1gに対する溶出量)をプラズマ質量分析(IPC/MS)により測定した。結果を表1に示す。
本実施例では、固体高分子電解質膜1としてスルホン化ポリエーテルエーテルケトンを用いた以外は、実施例1と全く同一にして、固体高分子型燃料電池用膜−電極構造体(MEA)を形成した。次に、本実施例で得られた固体高分子型燃料電池用膜−電極構造体を用いた以外は、実施例1と全く同一にして、固体高分子型燃料電池を形成した。
次に、前記固体高分子型燃料電池に対し、実施例1と全く同一にして耐久試験を行い、実施例1と全く同一にして該耐久試験後の固体高分子電解質膜1の分子量の試験前の分子量に対する保持率を算出した。また、実施例1と全く同一にして、前記耐久試験後の電解触媒層2への白金溶出量(電極電解質1gに対する溶出量)を測定した。結果を表1に示す。
〔比較例1〕
本比較例では、乾燥したパーフルオロアルキルスルホン酸樹脂(デュポン社製ナフィオン(登録商標))からなる高分子電解質12gを全く処理することなく用いた以外は実施例1と全く同一にして、酸化セリウム(CeO)を含まない触媒ペーストを調製した。
次に、前記酸化セリウム(CeO)を含まない触媒ペーストを用いた以外は、実施例1と全く同一にして、固体高分子型燃料電池用膜−電極構造体(MEA)を形成した。次に、本比較例で得られた固体高分子型燃料電池用膜−電極構造体を用いた以外は、実施例1と全く同一にして、固体高分子型燃料電池を形成した。
次に、前記固体高分子型燃料電池に対し、実施例1と全く同一にして耐久試験を行い、実施例1と全く同一にして該耐久試験後の固体高分子電解質膜1の分子量の試験前の分子量に対する保持率を算出した。また、実施例1と全く同一にして、前記耐久試験後の電解触媒層2への白金溶出量(電極電解質1gに対する溶出量)を測定した。結果を表1に示す。
〔比較例2〕
本比較例では、固体高分子電解質膜1としてスルホン化ポリエーテルエーテルケトンを用いた以外は、比較例1と全く同一にして、固体高分子型燃料電池用膜−電極構造体(MEA)を形成した。次に、本比較例で得られた固体高分子型燃料電池用膜−電極構造体を用いた以外は、実施例1と全く同一にして、固体高分子型燃料電池を形成した。
次に、前記固体高分子型燃料電池に対し、実施例1と全く同一にして耐久試験を行い、実施例1と全く同一にして該耐久試験後の固体高分子電解質膜1の分子量の試験前の分子量に対する保持率を算出した。また、実施例1と全く同一にして、前記耐久試験後の電解触媒層2への白金溶出量(電極電解質1gに対する溶出量)を測定した。結果を表1に示す。
〔比較例3〕
本比較例では、粒子径5nmの酸化セリウム(CeO)のナノ粒子0.3gを、水とn−プロパノールとの1:1(質量比)混合液に溶解し、20質量%の濃度の電解質溶液とした。次に、前記電解質溶液60gに、60質量%の白金が担持されたカーボン10g、水12g、白金が担持されていないカーボン10gを添加し、ポリテトラフルオロエチレン製のボールミルポットに投入した。そして、ジルコニアボールにより攪拌して、触媒ペーストを調製した。得られた触媒ペーストは、全固形分に対して1質量%の濃度の酸化セリウム(CeO)を含んでいた。
次に、前記触媒ペーストを用いた以外は、実施例1と全く同一にして、固体高分子型燃料電池用膜−電極構造体(MEA)を形成した。次に、本比較例で得られた固体高分子型燃料電池用膜−電極構造体を用いた以外は、実施例1と全く同一にして、固体高分子型燃料電池を形成した。
次に、前記固体高分子型燃料電池に対し、実施例1と全く同一にして耐久試験を行い、実施例1と全く同一にして該耐久試験後の固体高分子電解質膜1の分子量の試験前の分子量に対する保持率を算出した。また、実施例1と全く同一にして、前記耐久試験後の電解触媒層2への白金溶出量(電極電解質1gに対する溶出量)を測定した。結果を表1に示す。
〔比較例4〕
本比較例では、固体高分子電解質膜1としてスルホン化ポリエーテルエーテルケトンを用いた以外は、比較例3と全く同一にして、固体高分子型燃料電池用膜−電極構造体(MEA)を形成した。次に、本比較例で得られた固体高分子型燃料電池用膜−電極構造体を用いた以外は、実施例1と全く同一にして、固体高分子型燃料電池を形成した。
次に、前記固体高分子型燃料電池に対し、実施例1と全く同一にして耐久試験を行い、実施例1と全く同一にして該耐久試験後の固体高分子電解質膜1の分子量の試験前の分子量に対する保持率を算出した。また、実施例1と全く同一にして、前記耐久試験後の電解触媒層2への白金溶出量(電極電解質1gに対する溶出量)を測定した。結果を表1に示す。
Figure 2011222268
表1から、実施例1,2の固体高分子型燃料電池は、酸化セリウムを全く含まない比較例1,2の固体高分子型燃料電池に比較して、固体高分子電解質膜1の分子量保持率が高く、電極触媒層2における白金の溶出量が低い。従って、電極触媒層2の電極電解質中に酸化セリウムを生成させることにより、固体高分子電解質膜1の劣化と、電極触媒層2における白金の溶出とを効果的に抑制できることが明らかである。
また、実施例1,2の固体高分子型燃料電池は、単に酸化セリウム粒子を分散させた電極触媒層2を備える比較例3,4の固体高分子型燃料電池に比較しても、固体高分子電解質膜1の分子量保持率が高く、電極触媒層2における白金の溶出量が低い。従って、電極触媒層2の電極電解質中に酸化セリウムを生成させることにより、単に酸化セリウム粒子を分散させた電極触媒層2を備える比較例3,4よりも、固体高分子電解質膜1の劣化と、電極触媒層2における白金の溶出とを効果的に抑制できることが明らかである。
本実施例では、まず、20cm×20cmの大きさの乾燥したパーフルオロアルキルスルホン酸樹脂(デュポン社製ナフィオン(登録商標)、プロトン伝導性ポリマー)からなる高分子電解質膜を、0.5ミリモル/リットルの硝酸セリウム(Ce(NO)水溶液200ml中に浸漬し、30分間保持した。この結果、前記高分子電解質膜中のスルホン基の水素イオンの一部をセリウムイオン(Ce4+)に置換した。
次に、前記高分子電解質膜を前記水溶液から引き上げ、純水で洗浄後、0.75ミリモル/リットルの尿素水溶液200ml中に浸漬し、80℃の液温下に5時間保持した。この結果、前記セリウムイオン(Ce4+)から水酸化セリウム(Ce(OH))を生成させた。
次に、水酸化セリウム(Ce(OH))を生成させた高分子電解質膜を遠心分離し、純水で洗浄する操作を3回繰り返した後、該高分子電解質膜を100℃の温度に5時間保持して乾燥させた。次に、前記高分子電解質膜を0.5ミリモル/リットルの硫酸200ml中に10分間浸漬した後、純水で洗浄し、水酸化セリウム(Ce(OH))を脱水して酸化セリウム(CeO)を生成させ、固体高分子電解質膜1として酸化セリウム含有高分子電解質膜を得た。得られた酸化セリウム含有高分子電解質膜は、全量に対し、1質量%の酸化セリウム(CeO)を含んでいた。
次に、乾燥したパーフルオロアルキルスルホン酸樹脂(デュポン社製ナフィオン(登録商標))からなる高分子電解質12gを全く処理することなく用いた以外は実施例1と全く同一にして、酸化セリウム(CeO)を含まない触媒ペーストを調製した。
次に、前記触媒ペーストを、剥離剤の付いたポリエチレンテレフタレートフィルムに、白金含量が0.5mg/cmとなるように塗布し、電極触媒層2を形成した。次に、前記電極触媒層2を、本実施例で得られた固体高分子電解質膜1(酸化セリウム含有高分子電解質膜)に熱転写して一体化し、固体高分子型燃料電池用膜−電極構造体(MEA)を形成した。次に、本実施例で得られた固体高分子型燃料電池用膜−電極構造体を用いた以外は、実施例1と全く同一にして、固体高分子型燃料電池を形成した。
次に、前記固体高分子型燃料電池に対し、実施例1と全く同一にして耐久試験を行い、実施例1と全く同一にして該耐久試験後の固体高分子電解質膜1の分子量の試験前の分子量に対する保持率を算出した。また、実施例1と全く同一にして、前記耐久試験後の電解触媒層2への白金溶出量(電極電解質1gに対する溶出量)を測定した。結果を表2に示す。
本実施例では、固体高分子電解質膜1において、パーフルオロアルキルスルホン酸ポリマーに代えて、スルホン化ポリエーテルエーテルケトンを用いた以外は、実施例3と全く同一にして、固体高分子型燃料電池用膜−電極構造体(MEA)を形成した。次に、本実施形態で得られた固体高分子型燃料電池用膜−電極構造体を用いた以外は、実施例1と全く同一にして、固体高分子型燃料電池を形成した。
次に、前記固体高分子型燃料電池に対し、実施例1と全く同一にして耐久試験を行い、実施例1と全く同一にして該耐久試験後の固体高分子電解質膜1の分子量の試験前の分子量に対する保持率を算出した。結果を表2に示す。
尚、表2には、比較例1,2の結果を再掲する。
Figure 2011222268
表2から、実施例3,4の固体高分子型燃料電池は、酸化セリウムを全く含まない比較例1,2の固体高分子型燃料電池に比較して、固体高分子電解質膜1の分子量保持率が高い。従って、固体高分子電解質膜1のプロトン伝導性ポリマー中に酸化セリウムを生成させることにより、固体高分子電解質膜1の劣化と、電極触媒層2における白金の溶出とを効果的に抑制できることが明らかである。
尚、実施例1〜4では、固体高分子電解質膜1と電極触媒層2とのいずれか一方に酸化セリウムを含む場合について示しているが、酸化セリウムは固体高分子電解質膜1と電極触媒層2との両方に含まれていてもよい。
1…固体高分子電解質膜、 2…電極触媒層、 3…電極電解質、 4…疎水部、 5…親水部(クラスター)。

Claims (5)

  1. プロトン伝導性ポリマーを含む固体高分子電解質膜を、触媒粒子と電極電解質とを含む1対の電極触媒層で挟持した固体高分子型燃料電池用膜−電極構造体において、
    該プロトン伝導性ポリマーか該電極電解質かの少なくとも一方に含まれる親水性基の周辺に偏在する遷移金属酸化物を備えることを特徴とする固体高分子型燃料電池用膜−電極構造体。
  2. 触媒粒子と電極電解質と溶媒とを混合して触媒ペーストを調製する工程と、
    プロトン伝導性ポリマーをシート状に加工して固体高分子電解質膜を形成する工程と、
    該固体高分子電解質膜を、該触媒ペーストにより形成される1対の電極触媒層で挟持して膜−電極構造体を形成する工程とを備える固体高分子型燃料電池用膜−電極構造体の製造方法において、
    該プロトン伝導性ポリマーか該電極電解質かの少なくとも一方に含まれる親水性基の水素イオンの一部を遷移金属イオンに置換する工程と、
    該水素イオンと置換された該遷移金属イオンを、加水分解によってアンモニウムイオンを生成する化合物の水溶液と反応させた後、加熱することにより遷移金属酸化物を生成させる工程とを備えることを特徴とする固体高分子型燃料電池用膜−電極構造体の製造方法。
  3. 請求項2記載の固体高分子型燃料電池用膜−電極構造体の製造方法において、
    前記水素イオンの一部を遷移金属イオンに置換する工程と、前記遷移金属酸化物を生成させる工程とは、前記触媒ペーストを調製する工程か、前記固体高分子電解質膜を形成する工程かの少なくとも一方の工程に先立つ時期に行うことを特徴とする固体高分子型燃料電池用膜−電極構造体の製造方法。
  4. 請求項2記載の固体高分子型燃料電池用膜−電極構造体の製造方法において、
    前記水素イオンの一部を遷移金属イオンに置換する工程と、前記遷移金属酸化物を生成させる工程とは、前記触媒ペーストを調製する工程と前記膜−電極構造体を形成する工程との間か、前記固体高分子電解質膜を形成する工程と前記膜−電極構造体を形成する工程との間かの少なくとも一方の時期に行うことを特徴とする固体高分子型燃料電池用膜−電極構造体の製造方法。
  5. 請求項2記載の固体高分子型燃料電池用膜−電極構造体の製造方法において、
    前記水素イオンの一部を遷移金属イオンに置換する工程と、前記遷移金属酸化物を生成させる工程とは、前記膜−電極構造体を形成する工程の後に行うことを特徴とする固体高分子型燃料電池用膜−電極構造体の製造方法。
JP2010089666A 2010-04-08 2010-04-08 固体高分子型燃料電池用膜−電極構造体及びその製造方法 Pending JP2011222268A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010089666A JP2011222268A (ja) 2010-04-08 2010-04-08 固体高分子型燃料電池用膜−電極構造体及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010089666A JP2011222268A (ja) 2010-04-08 2010-04-08 固体高分子型燃料電池用膜−電極構造体及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2011222268A true JP2011222268A (ja) 2011-11-04

Family

ID=45039019

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010089666A Pending JP2011222268A (ja) 2010-04-08 2010-04-08 固体高分子型燃料電池用膜−電極構造体及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2011222268A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016081624A (ja) * 2014-10-14 2016-05-16 トヨタ自動車株式会社 燃料電池用電極触媒層の製造方法、および、燃料電池用電極触媒層
JP2021184356A (ja) * 2020-05-22 2021-12-02 トヨタ自動車株式会社 燃料電池用の積層体

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001118591A (ja) * 1999-10-19 2001-04-27 Toyota Central Res & Dev Lab Inc 高耐久性固体高分子電解質
JP2006107914A (ja) * 2004-10-05 2006-04-20 Asahi Glass Co Ltd 固体高分子形燃料電池用電解質膜、その製造方法及び固体高分子形燃料電池用膜電極接合体
JP2007012520A (ja) * 2005-07-01 2007-01-18 Asahi Glass Co Ltd 固体高分子形燃料電池用電解質膜、その製造方法及び固体高分子形燃料電池用膜電極接合体
JP2007095529A (ja) * 2005-09-29 2007-04-12 Asahi Glass Co Ltd 固体高分子形燃料電池用電解質膜及びその製造方法
JP2007188706A (ja) * 2006-01-12 2007-07-26 Asahi Glass Co Ltd 固体高分子形燃料電池用電解質膜および固体高分子形燃料電池用膜電極接合体
JP2008098179A (ja) * 2007-11-01 2008-04-24 Asahi Glass Co Ltd 固体高分子形燃料電池用電解質膜、その製造方法及び固体高分子形燃料電池用膜電極接合体

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001118591A (ja) * 1999-10-19 2001-04-27 Toyota Central Res & Dev Lab Inc 高耐久性固体高分子電解質
JP2006107914A (ja) * 2004-10-05 2006-04-20 Asahi Glass Co Ltd 固体高分子形燃料電池用電解質膜、その製造方法及び固体高分子形燃料電池用膜電極接合体
JP2007012520A (ja) * 2005-07-01 2007-01-18 Asahi Glass Co Ltd 固体高分子形燃料電池用電解質膜、その製造方法及び固体高分子形燃料電池用膜電極接合体
JP2007095529A (ja) * 2005-09-29 2007-04-12 Asahi Glass Co Ltd 固体高分子形燃料電池用電解質膜及びその製造方法
JP2007188706A (ja) * 2006-01-12 2007-07-26 Asahi Glass Co Ltd 固体高分子形燃料電池用電解質膜および固体高分子形燃料電池用膜電極接合体
JP2008098179A (ja) * 2007-11-01 2008-04-24 Asahi Glass Co Ltd 固体高分子形燃料電池用電解質膜、その製造方法及び固体高分子形燃料電池用膜電極接合体

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
JPN6013051181; 高分子先端材料 One Point 7 燃料電池と高分子 初版, 20051110, p.20 *

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016081624A (ja) * 2014-10-14 2016-05-16 トヨタ自動車株式会社 燃料電池用電極触媒層の製造方法、および、燃料電池用電極触媒層
JP2021184356A (ja) * 2020-05-22 2021-12-02 トヨタ自動車株式会社 燃料電池用の積層体
JP7396196B2 (ja) 2020-05-22 2023-12-12 トヨタ自動車株式会社 燃料電池用の積層体

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100647296B1 (ko) 금속 촉매 및 이를 포함한 전극을 채용한 연료전지
Su et al. Self-humidification of a PEM fuel cell using a novel Pt/SiO2/C anode catalyst
US20090291352A1 (en) Electrode material
JP5498643B2 (ja) 燃料電池用高分子電解質膜、その製造方法及びそれを含む燃料電池システム
KR20070106199A (ko) 연료 전지용 세퍼레이터, 이의 제조 방법 및 이를 포함하는연료 전지 시스템
JP2006147563A (ja) 金属触媒とその製造方法,電極の製造方法,および燃料電池
JP2010067509A (ja) 電極触媒
JP4487468B2 (ja) 燃料電池用アノード及び燃料電池
JP5510181B2 (ja) 電極触媒層の製造方法、及び固体高分子形燃料電池
JP2022513631A (ja) 触媒、その製造方法、それを含む電極、それを含む膜-電極アセンブリー、及びそれを含む燃料電池
EP3462527A2 (en) Catalyst layer, fuel cell using same, and method for producing same
KR100668354B1 (ko) 금속 촉매와 이를 포함한 전극의 제조방법
TW201219466A (en) Durable ionomeric polymer for proton exchange membrane and membrane electrode assemblies for electrochemical fuel cell applications
KR20070098136A (ko) 연료 전지용 막-전극 어셈블리 및 이를 포함하는 연료 전지시스템
KR20200129795A (ko) 고내구성 탄소 기반 연료전지용 촉매층의 제조방법 및 그 방법에 따라 제조된 고내구성 탄소 기반 연료전지용 촉매층 및 고내구성 탄소 기반 연료전지용 촉매층을 포함하는 연료전지용 막전극 접합체
KR20160118817A (ko) 연료전지용 촉매, 이의 제조 방법 및 이를 포함하는 연료전지용 막-전극 어셈블리
KR101070015B1 (ko) 고분자 전해질 복합막 제조 방법 및 이를 이용하여 형성한 고분자 전해질 복합막을 포함하는 고분자 전해질 연료전지
JP2011222268A (ja) 固体高分子型燃料電池用膜−電極構造体及びその製造方法
JP2010129397A (ja) 燃料電池用電極
JP2013114901A (ja) 燃料電池用触媒層の製造方法及び燃料電池用触媒層
WO2006064542A1 (ja) 燃料電池用電解質膜とその製造方法、膜/電極接合体および燃料電池
CN114391191A (zh) 具有高耐久性的用于燃料电池的电极、该电极的制造方法和包括该电极的膜-电极组件
JP2006331845A (ja) 固体高分子形燃料電池用触媒粉末およびその製造方法ならびにその触媒粉末を含む固体高分子形燃料電池用電極。
JP2005190887A (ja) 高性能、耐久性を有する触媒層を構築するための表面構造を有する電極触媒およびその製造方法
JP5468996B2 (ja) 固体高分子型燃料電池用膜−電極構造体

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20121128

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130805

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20131015

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20131213

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20140128