JP2011220237A - 内燃機関の排気還流装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】内燃機関の排気還流装置において、新たな遮断弁を設けることなく、低圧EGRガスを吸気通路へ還流させるときの、排気が排気連通路から流入し低圧EGRクーラを迂回して吸気通路へ還流してしまうことを回避する技術を提供する。
【解決手段】機関冷却水を用いた低圧EGRクーラ20と、排気連通路22と、排気連通路22を開閉可能であり、排気連通路22を閉じた状態で排気通路10を流通する排気の量を調節可能であり、排気連通路22を開いた状態では排気通路10を閉じた状態となる排気絞り弁13と、機関冷却水の温度TWHが、内燃機関1の早期暖機が必要か否かの閾値となる所定温度T1よりも低い場合には、排気絞り弁13で排気通路10を閉じるECU23と、を備えた。
【選択図】図1

Description

本発明は、内燃機関の排気還流装置に関する。
タービンよりも下流の排気通路の排気の一部を低圧EGRガスとしてコンプレッサよりも上流の吸気通路に還流させる低圧EGR装置を備えた内燃機関が知られている。この内燃機関において、低圧EGR通路に、機関冷却水を用いて低圧EGRガスを冷却する低圧EGRクーラと、低圧EGRクーラを流通した排気を排気通路へ戻す排気連通路と、を設け、低圧EGR弁を閉じているときに排気通路の排気を、低圧EGR通路に流入させて低圧EGRクーラを流通させ再び排気通路へ戻す技術が開示されている(例えば特許文献1参照)。これにより、低圧EGRクーラで排気の熱を用いて機関冷却水を暖めることで、機関始動時の早期暖機を図っている。
特開2008−121617号公報
しかしながら、特許文献1の技術では、低圧EGRガスを吸気通路へ還流させるときに、排気が排気連通路から流入し低圧EGRクーラを迂回して吸気通路へ還流してしまう場合がある。またこのような場合を回避しようとすると、新たに排気連通路を開閉する遮断弁が必要となってしまい部品点数の増加及びコストアップとなってしまう。
本発明は上記問題点に鑑みたものであり、本発明の目的は、内燃機関の排気還流装置において、新たな遮断弁を設けることなく、低圧EGRガスを吸気通路へ還流させるときの、排気が排気連通路から流入し低圧EGRクーラを迂回して吸気通路へ還流してしまうことを回避する技術を提供することにある。
本発明にあっては、以下の構成を採用する。すなわち、本発明は、
内燃機関の排気通路に配置されたタービン及び内燃機関の吸気通路に配置されたコンプレッサを有するターボチャージャと、
前記タービンよりも下流の前記排気通路から排気の一部を低圧EGRガスとして取り込み前記コンプレッサよりも上流の前記吸気通路へ低圧EGRガスを還流させる低圧EGR通路と、
前記低圧EGR通路に配置され、低圧EGRガスの量を調節する低圧EGR弁と、
前記低圧EGR弁よりも上流の前記低圧EGR通路に配置され、機関冷却水を用いて低圧EGRガスを冷却する低圧EGRクーラと、
前記低圧EGRクーラと前記低圧EGR弁との間の前記低圧EGR通路に一端が接続され、前記低圧EGR通路と前記排気通路との接続部位よりも下流の前記排気通路に他端が接続された排気連通路と、
前記排気連通路の他端と前記排気通路との接続部位に配置され、前記排気連通路を開閉可能であり、前記排気連通路を閉じた状態で前記排気通路を流通する排気の量を調節可能であり、前記排気連通路を開いた状態では前記排気通路を閉じた状態となる排気絞り弁と、
機関冷却水の温度が、内燃機関の早期暖機が必要か否かの閾値となる所定温度よりも低
い場合には、前記排気絞り弁で前記排気通路を閉じる制御手段と、
を備えたことを特徴とする内燃機関の排気還流装置である。
ここで、所定温度とは、機関冷却水の温度がそれよりも低温であると、内燃機関の早期暖機が必要となる温度であり、内燃機関の早期暖機が必要か否かの閾値となる温度である。
本発明によると、機関冷却水の温度が所定温度よりも低い場合に、排気絞り弁で排気通路を閉じる。これにより、排気絞り弁は排気連通路を開き、排気絞り弁よりも上流の排気通路の排気が、低圧EGR通路から排気連通路を流通し排気絞り弁よりも下流の排気通路に戻る経路を形成できる。したがって、この経路で排気を流通させると、排気が低圧EGRクーラを流通するので、低圧EGRクーラで排気の熱を用いて機関冷却水を暖めることができる。よって、内燃機関の早期暖機ができ、早期に排気エミッションを改善できる。また、排気の熱を用いるだけであるので、内燃機関の早期暖機に燃費悪化を伴うこともない。
そして本発明によると、低圧EGRガスを吸気通路へ還流させるときには、排気が排気通路を流通するように排気絞り弁が排気通路を開いているので、排気絞り弁が排気連通路を閉じている。またこのとき排気絞り弁は、排気の量を絞ることもできる。したがって、本発明の排気絞り弁を用いることで、新たな遮断弁を設けることなく、低圧EGRガスを吸気通路へ還流させるときの、排気が排気連通路から流入し低圧EGRクーラを迂回して吸気通路へ還流してしまうことを回避することができる。よって、新たな遮断弁が必要なく、部品点数の増加やコストアップを抑制することができる。
前記制御手段は、機関冷却水の温度が、内燃機関の早期暖機が必要か否かの閾値となる所定温度よりも低い場合には、前記低圧EGR弁を閉じると共に、前記排気絞り弁で前記排気通路を閉じるとよい。
これによると、機関冷却水の温度が所定温度よりも低い場合に、低圧EGR弁を閉じると共に排気絞り弁で排気通路を閉じる。これにより、排気絞り弁は排気連通路を開き、低圧EGR弁が閉じているので、排気絞り弁よりも上流の排気通路の排気が、低圧EGR通路から排気連通路を流通し排気絞り弁よりも下流の排気通路に戻る経路を形成できる。
本発明によると、内燃機関の排気還流装置において、新たな遮断弁を設けることなく、低圧EGRガスを吸気通路へ還流させるときの、排気が排気連通路から流入し低圧EGRクーラを迂回して吸気通路へ還流してしまうことを回避することができる。
本発明の実施例1に係る内燃機関の概略構成を示す図である。 実施例1に係る排気絞り弁を示す図である。 実施例1の他の例に係る排気絞り弁を示す図である。 実施例1に係る早期暖機制御ルーチンを示すフローチャートである。
以下に本発明の具体的な実施例を説明する。
<実施例1>
(内燃機関)
図1は、本発明の実施例1に係る内燃機関の排気還流装置を適用する内燃機関の概略構
成を示す図である。図1に示す内燃機関1は、ピストンと共に燃焼室を形成する気筒2を4つ有する水冷式の4ストロークサイクル・ディーゼルエンジンである。内燃機関1は、車両に搭載されている。各気筒2には、燃料噴射弁3が設けられている。燃料噴射弁3は、燃料タンクからサプライポンプで汲み上げられコモンレールで燃料噴射圧が定められた軽油等の燃料が供給され、燃料を気筒2内へ適宜の量且つ適宜のタイミングで噴射する。
内燃機関1には、吸気通路4が接続されている。内燃機関1に接続された吸気通路4の途中には、排気のエネルギを駆動源として作動するターボチャージャ5のコンプレッサ5aが配置されている。コンプレッサ5aよりも上流の吸気通路4には、エアフローメータ6が配置されている。エアフローメータ6は、吸気通路4内を流通する新気の量を検出する。エアフローメータ6よりも上流の吸気通路4には、エアクリーナ7が配置されている。エアクリーナ7により内燃機関1に吸入される新気中の塵や埃等が除去される。コンプレッサ5aよりも下流の吸気通路4には、吸気と外気とで熱交換を行うインタークーラ8が配置されている。インタークーラ8よりも下流の吸気通路4には、スロットル弁9が配置されている。吸気通路4及びこれに配置された機器が内燃機関1の吸気系を構成している。
一方、内燃機関1には、排気通路10が接続されている。内燃機関1に接続された排気通路10の途中には、ターボチャージャ5のタービン5bが配置されている。タービン5bよりも下流の排気通路10には、酸化触媒11が配置されている。酸化触媒11よりも下流の排気通路10には、DPF12が配置されている。DPF12は、排気通路10内を流通する排気中のPMを捕集する。DPF12には、吸蔵還元型NOx触媒が担持されている。DPF12よりも下流の排気通路10には、排気通路10内を流通する排気の量を調節する排気絞り弁13が設けられている。排気通路10及びこれに配置された機器が内燃機関1の排気系を構成している。
そして内燃機関1には、排気通路10内を流通する排気の一部を高圧で吸気通路4へ還流(再循環)させる高圧EGR装置14が備えられている。高圧EGR装置14によって還流される排気を高圧EGRガスという。高圧EGR装置14は、高圧EGRガスが流通する高圧EGR通路15と、高圧EGR通路15を流通する高圧EGRガスの量を調節する高圧EGR弁16と、を有する。高圧EGR通路15は、タービン5bよりも上流の排気通路10と、スロットル弁9よりも下流の吸気通路4とを接続している。この高圧EGR通路15を通って、排気が高圧EGRガスとして高圧で内燃機関1へ送り込まれる。高圧EGR弁16は、高圧EGR通路15に配置され、高圧EGR通路15の通路断面積を調整することにより、高圧EGR通路15を流れる高圧EGRガスの量を調節する。
一方、内燃機関1には、排気通路10内を流通する排気の一部を低圧で吸気通路4へ還流(再循環)させる低圧EGR装置17が備えられている。低圧EGR装置17によって還流される排気を低圧EGRガスという。低圧EGR装置17は、低圧EGRガスが流通する低圧EGR通路18と、低圧EGR通路18を流通する低圧EGRガスの量を調節する低圧EGR弁19と、低圧EGR通路18を流通する低圧EGRガスの温度を冷却する低圧EGRクーラ20と、を有する。低圧EGR通路18は、DPF12よりも下流の排気通路10と、コンプレッサ5aよりも上流かつエアフローメータ6よりも下流の吸気通路4とを接続している。この低圧EGR通路18を通って、排気が低圧EGRガスとして低圧で内燃機関1へ送り込まれる。低圧EGR弁19は、低圧EGR通路18に配置され、低圧EGR通路18の通路断面積を調整することにより、低圧EGR通路18を流れる低圧EGRガスの量を調節する。低圧EGRクーラ20は、低圧EGR弁19よりも上流の低圧EGR通路18に配置され、低圧EGRクーラ20を通過する低圧EGRガスと、内燃機関1の機関冷却水とで熱交換をして、低圧EGRガスの温度を低下させる。また、低圧EGRクーラ20は、機関冷却水が低圧EGRガスよりも低温の場合には、流入する
低圧EGRガス又は排気によって逆に機関冷却水を暖めることもできる。ここで、機関冷却水の温度は、機関冷却水の流路に配置された冷却水温度センサ21によって検出可能となっている。
低圧EGR装置17には、低圧EGRクーラ20を流通した排気を再び排気通路10に戻す排気連通路22が設けられている。排気連通路22は、低圧EGRクーラ20と低圧EGR弁19との間の低圧EGR通路18の途中に一端が接続され、低圧EGR通路18と排気通路10との接続部位よりも下流の排気通路10であって排気絞り弁13の配置された位置に他端が接続されている。
排気連通路22の他端と排気通路10との接続部位には、排気絞り弁13が配置されている。排気絞り弁13は、図2に示すように、排気連通路22を開閉可能であり、排気連通路22を閉じた状態で排気通路10を流通する排気の量を調節可能であり、排気連通路22を開いた状態では排気通路10を閉じた状態となる。これらの状態を実現するため、排気絞り弁13は、排気連通路22の他端と排気通路10との接続部位に回動軸を有し、排気通路10又は排気連通路22を閉じる弁体部が断面形状「く」の字型に折れ曲がっている。そして断面形状「く」の字型に折れ曲がった折れ部が、排気通路10の上流部方向に向いている。
排気絞り弁13は、図2(a)に示すように、弁体部で排気連通路22を塞ぎ排気連通路22を閉じる。図2(a)の状態では、排気絞り弁13は排気通路10を開いている。また排気絞り弁13は、図2(b)に示すように、弁体部の折れ曲がった折れ部を排気通路10の折り返された部分に近付けるよう回動した場合でも、弁体部で排気連通路22を塞ぎ排気連通路22を閉じている。この図2(b)の状態では、排気絞り弁13は排気通路10の通路断面積を狭めて排気通路10を流通する排気の量を調節することができる。また排気絞り弁13は、図2(c)に示すように、弁体部で排気通路10の上流部を塞ぎ排気通路10を閉じる。図2(c)の状態では、排気絞り弁13は排気連通路22を開いている。
なお、排気絞り弁13は、図3に示すものでもよい。図3に示す排気絞り弁13は、回動通路13aを回動させる回動体に形成され、回動通路13aを排気連通路22につなげるか、排気通路10の上流部につなげるかで状態が変化する。排気通路10の下流部は、回動通路13aが回動しても回動通路13aとつながるようにその領域が大きくなっている。図3に示す排気絞り弁でも、図2に示す排気絞り弁と同様の状態を実現でき、図3(a)〜(c)が図2(a)〜(c)に夫々対応している。
以上述べたように構成された内燃機関1には、内燃機関1を制御するための電子制御ユニット(Electronic Control Unit:以下、ECUという)23が併設されている。EC
U23は、内燃機関1の運転条件や運転者の要求に応じて内燃機関1の運転状態を制御するユニットである。ECU23には、エアフローメータ6、冷却水温度センサ21、クランクポジションセンサ24、アクセルポジションセンサ25等の各種センサが電気配線を介して接続され、これら各種センサの出力信号がECU23に入力されるようになっている。一方、ECU23には、燃料噴射弁3、スロットル弁9、排気絞り弁13、高圧EGR弁16、及び低圧EGR弁19の各アクチュエータが電気配線を介して接続されており、ECU23によりこれらの機器が制御される。ECU23は、クランクポジションセンサ24、アクセルポジションセンサ25等の出力信号を受けて内燃機関1の運転状態を判別し、判別された運転状態に基づいて内燃機関1や上記機器を電気的に制御する。
そして本実施例では、運転状態に応じて低圧EGR弁19を用い低圧EGRガスの量を制御しつつ高圧EGR弁16を用い高圧EGRガスの量を制御する。これにより、内燃機
関1に吸入される吸気に低圧EGRガス及び高圧EGRガスが含まれた状態で内燃機関1を運転させる、いわゆるEGR運転を行い、吸気の酸素濃度を低下させて燃焼温度、燃焼速度を低下させて、燃焼時に発生するNOxを低減させる効果を発揮させている。
ところで、内燃機関1の冷間始動時や低負荷運転時には、内燃機関1の燃焼温度が低く未燃HCが発生し易い状態である。よって、低圧EGRクーラ20で冷却された大量の低圧EGRガス(排気)を還流させることができない。このため、内燃機関1の冷間始動時や低負荷運転時に、低圧EGR弁19を閉じる又は閉じ側に制御して低圧EGRガスの還流を制限している。一方で、内燃機関1の冷間始動時や低負荷運転時には、機関冷却水を暖めることで内燃機関1を早期暖機することが望まれる。
そこで本実施例では、低圧EGRガスとして還流しない、タービン5bよりも下流の排気通路10を流れる排気を無駄にしないために、排気の熱を回収し、この熱によって機関冷却水を暖めるようにした。すなわち、通常時においては機関冷却水を用いて熱交換して低圧EGRガスを冷却する低圧EGRクーラ20を、内燃機関1の冷間始動時や低負荷運転時には高温の排気と低温の機関冷却水とを熱交換して機関冷却水を暖めるようにした。
ここで、低圧EGRクーラ20に排気を流すために、低圧EGR通路18を用いて低圧EGRガスを内燃機関1へ還流させてしまうと、上記と同様に内燃機関1の燃焼温度が低く未燃HCが発生し易くなってしまう。このため、低圧EGRクーラ20を流れた排気を低圧EGR通路18から排気通路10へ戻すよう排気連通路22を設けている。そして、排気絞り弁13で排気通路10を閉じると共に低圧EGR弁19を閉じることで、排気通路10を流れる排気が低圧EGRクーラ20の配置された低圧EGR通路18に流入し、低圧EGRクーラ20を流れた排気が低圧EGR通路18の途中から排気連通路22を流れ、再び排気通路10へ排出される、機関冷却水を暖めるための排気の経路を形成するようにした。
具体的に本実施例では、内燃機関1の冷間始動時や低負荷運転時等の、内燃機関1の暖機に時間がかかる機関冷却水の温度が所定温度T1よりも低い場合には、低圧EGR弁19を閉じると共に、排気絞り弁13で排気通路10を閉じる。
所定温度T1は、機関冷却水の温度がそれよりも低温であると、内燃機関1の早期暖機が必要となる温度であり、内燃機関1の早期暖機が必要か否かの閾値となる温度であり、実験等により予め定められた温度である。
したがって本実施例によると、機関冷却水の温度が所定温度T1よりも低温の場合には、低圧EGR弁19を閉じると共に排気絞り弁13で排気通路10を閉じることで、排気通路10を流れる排気が低圧EGRクーラ20の配置された低圧EGR通路18に流入し、低圧EGRクーラ20を流れた排気が低圧EGR通路18の途中から排気連通路22を流れ、再び排気通路10へ排出される。
このような経路を排気が流れる際に、排気が流れる低圧EGR通路18の途中に低圧EGRクーラ20が備えられているので、低圧EGRクーラ20で排気の熱を用いて機関冷却水を暖めることができる。これにより、機関冷却水を暖めることで内燃機関1を早期暖機することができる。
また、機関冷却水の温度が所定温度T1よりも低温の場合の上記経路を流れる排気は、タービン5bよりも下流の排気通路10から低圧EGR通路18に流れ込むので、十分な過給を維持可能な量の排気がタービン5bを通過する。このため、機関冷却水の温度が所定温度T1よりも低温の場合に上記制御を行っても、内燃機関1は十分な過給を維持して
燃費を損なわない。
さらに、このように流れる排気はDPF12よりも下流の排気通路10から低圧EGR通路18に流れ込むので、排気は酸化触媒11やDPF12を暖め、加えて排気は酸化触媒11やDPF12における触媒の反応熱を持ちさることになる。このため、低圧EGRクーラ20で回収する排気の熱には上記触媒の反応熱も含まれることから、熱量が大きくなり機関冷却水をより一層暖めることで内燃機関1をさらに早期暖機することができる。また、排気は酸化触媒11及びDPF12を通過し、排気に含まれるHCは酸化触媒11及びDPF12で除去されるため、低圧EGRクーラ20に流入する排気が低圧EGRクーラ20を汚染することが抑制できる。
また本実施例では、機関冷却水の温度が所定温度T1よりも低温であって、EGR運転を行う場合には、低圧EGR弁19を閉じると共に排気絞り弁13で排気通路を閉じつつ、高圧EGR弁16を開き側に制御して高圧EGRガスを還流させるとよい。
この構成によると、低圧EGR弁19を閉じることにより低圧EGRガスが還流しなくなった分、高圧EGR弁16を開き側に制御することにより高圧EGRガスの量を増加させてトータルのEGRガス量を確保できる。このため、機関冷却水の温度が所定温度T1よりも低温の場合であってもEGR運転を行うことができ、EGR運転を行うことによるNOx低減効果を得ることができる。また、上記のように高圧EGRガスとしての排気を内燃機関1へより多く還流させることから、内燃機関1に吸入される吸気に含まれる高温の高圧EGRガスが増加する。これによって、内燃機関1に吸入される吸気の温度が上昇し、さらには排気の温度も上昇し、高温の排気が低圧EGRクーラ20に流入することで機関冷却水を暖めることも促進できる。
以上のように内燃機関1の早期暖機ができ、早期に排気エミッションを改善できる。また、排気の熱を用いるだけであるので、内燃機関1の早期暖機に燃費悪化を伴うこともない。
一方で、排気連通路22を設けただけでは、低圧EGRガスを吸気通路4へ還流させるときに、排気が排気連通路22から流入し低圧EGRクーラ20を迂回して吸気通路4へ還流してしまうおそれがある。このような場合を回避するために、新たに排気連通路22を開閉する遮断弁を設けると、部品点数の増加及びコストアップとなってしまう。このため、本実施例では、排気連通路22の他端と排気通路10との接続部位に配置され、排気連通路22を開閉可能であり、排気連通路22を閉じた状態で排気通路10を流通する排気の量を調節可能であり、排気連通路22を開いた状態では排気通路10を閉じた状態となる排気絞り弁13を設けた。
これにより本実施例によると、低圧EGRガスを吸気通路4へ還流させるときには、排気が排気通路10を流通するように排気絞り弁13が排気通路10を開いているので、排気絞り弁13が排気連通路22を閉じている。またこのとき排気絞り弁13は、排気の量を絞ることもできる。したがって、本実施例の排気絞り弁13を用いることで、新たな遮断弁を設けることなく、低圧EGRガスを吸気通路4へ還流させるときの、排気が排気連通路22から流入し低圧EGRクーラ20を迂回して吸気通路4へ還流してしまうことを回避することができる。よって、新たな遮断弁が必要なく、部品点数の増加やコストアップを抑制することができる。
次に、本実施例による早期暖機制御のフローについて説明する。図4は、本実施例に係る早期暖機制御ルーチンを示したフローチャートである。本ルーチンは、所定の時間毎に繰り返し実行される。また、本ルーチンを実行するECU23が、本発明の制御手段に対
応する。
ステップS101では、機関冷却水の温度THWが所定温度T1よりも低温か否かを判別する。機関冷却水の温度THWは、冷却水温度センサ21を用いて検出される。
ステップS101において肯定判定された場合には、ステップS102へ移行する。ステップS101において否定判定された場合には、本ルーチンを一旦終了する。
ステップS102では、低圧EGR弁19を閉じる(全閉に制御する)。なお、本ステップでは、EGR運転を行う場合には、さらに高圧EGR弁16を開き側に制御してもよい。ここで、高圧EGR弁16の開き側への開度増加量は、低圧EGR弁19が閉じて削減される低圧EGRガスの量を補う分の高圧EGRガスの量を増量できるような開度増加量である。
ステップS103では、図2(c)に示すように、排気絞り弁13で排気通路10を閉じる。これにより、排気絞り弁13よりも上流の排気通路10を流れる排気が、低圧EGR通路18に流入して低圧EGRクーラ20を流通し、低圧EGR通路18の途中から排気連通路22を流通して排気絞り弁13よりも下流の排気通路10に流される。本ステップの処理の後本ルーチンを一旦終了する。
以上の本ルーチンを実行することにより、機関冷却水の温度TWHが所定温度T1よりも低温の場合に、低圧EGRクーラ20で内燃機関1から排出される排気の熱を利用して機関冷却水を暖めることができる。
(その他)
本発明に係る内燃機関の排気還流装置は、上述の実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加えてもよい。例えば、排気絞り弁は、図2、図3に示した構成以外のものでもよい。
1:内燃機関、2:気筒、3:燃料噴射弁、4:吸気通路、5:ターボチャージャ、5a:コンプレッサ、5b:タービン、6:エアフローメータ、7:エアクリーナ、8:インタークーラ、9:スロットル弁、10:排気通路、11:酸化触媒、12:DPF、13:排気絞り弁、13a:回動通路、14:高圧EGR装置、15:高圧EGR通路、16:高圧EGR弁、17:低圧EGR装置、18:低圧EGR通路、19:低圧EGR弁、20:低圧EGRクーラ、21:冷却水温度センサ、22:排気連通路、23:ECU、24:クランクポジションセンサ、25:アクセルポジションセンサ

Claims (2)

  1. 内燃機関の排気通路に配置されたタービン及び内燃機関の吸気通路に配置されたコンプレッサを有するターボチャージャと、
    前記タービンよりも下流の前記排気通路から排気の一部を低圧EGRガスとして取り込み前記コンプレッサよりも上流の前記吸気通路へ低圧EGRガスを還流させる低圧EGR通路と、
    前記低圧EGR通路に配置され、低圧EGRガスの量を調節する低圧EGR弁と、
    前記低圧EGR弁よりも上流の前記低圧EGR通路に配置され、機関冷却水を用いて低圧EGRガスを冷却する低圧EGRクーラと、
    前記低圧EGRクーラと前記低圧EGR弁との間の前記低圧EGR通路に一端が接続され、前記低圧EGR通路と前記排気通路との接続部位よりも下流の前記排気通路に他端が接続された排気連通路と、
    前記排気連通路の他端と前記排気通路との接続部位に配置され、前記排気連通路を開閉可能であり、前記排気連通路を閉じた状態で前記排気通路を流通する排気の量を調節可能であり、前記排気連通路を開いた状態では前記排気通路を閉じた状態となる排気絞り弁と、
    機関冷却水の温度が、内燃機関の早期暖機が必要か否かの閾値となる所定温度よりも低い場合には、前記排気絞り弁で前記排気通路を閉じる制御手段と、
    を備えたことを特徴とする内燃機関の排気還流装置。
  2. 前記制御手段は、機関冷却水の温度が、内燃機関の早期暖機が必要か否かの閾値となる所定温度よりも低い場合には、前記低圧EGR弁を閉じると共に、前記排気絞り弁で前記排気通路を閉じることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の排気還流装置。
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