JP2011218591A - 印刷装置、印刷装置の制御方法およびコンピュータープログラム - Google Patents

印刷装置、印刷装置の制御方法およびコンピュータープログラム Download PDF

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Abstract

【課題】印刷時間の増加を抑制しつつ印刷画質を向上させる。
【解決手段】印刷装置は、K個のノズルで構成される有彩色用ノズル列と(n・K)個(nは2以上の整数)のノズルで構成される無彩色用ノズル列と制御部とを備える。制御部は、有彩色を含むカラー領域では、ノズル列の移動方向が往方向と復方向で交互に切り替わるm回(mは2以上n以下の整数)の画像形成動作であってノズル列の移動方向が特定方向であり有彩色用ノズル列と無彩色用ノズル列との両方が用いられる1回の画像形成動作と有彩色用ノズル列のみが用いられる(m−1)回の画像形成動作とにより画像の第1の方向に沿った所定幅の領域を形成し、有彩色を含まないモノクロ領域では、無彩色用ノズル列のみが用いられる1回の画像形成動作により画像の所定幅の領域を形成する。
【選択図】図6

Description

本発明は、インクを吐出して印刷媒体上に画像を形成する印刷に関する。
近年、印刷ヘッドを往復動させる主走査を行いつつ印刷ヘッドに設けられたノズルからインクを吐出して印刷媒体上にインクドットを形成することにより画像を印刷する印刷装置が普及している。このような印刷装置において、無彩色インク(例えば黒インク)を吐出する無彩色用ノズル列と有彩色インク(例えばシアンインク、マゼンタインク、イエローインク)を吐出する有彩色用ノズル列とを用いて印刷画像における有彩色を含むカラー領域を形成すると共に、無彩色用ノズル列のみを用いて印刷画像における有彩色を含まないモノクロ領域を形成する技術が開示されている(例えば特許文献1参照)。
特開2006−231930号公報
上記従来の技術では、印刷画質の向上と印刷処理に要する時間の増加の抑制との両立の点で、向上の余地があった。特に、上記従来の技術では、無彩色インクを用いて形成される印刷媒体の搬送方向(副走査方向)に略平行な線の主走査方向に沿った位置ずれを抑制することによる印刷画質の向上と、印刷処理に要する時間の増加の抑制との両立の点で、向上の余地があった。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、インクを吐出して印刷媒体上に画像を形成する印刷処理を行う際に、印刷処理に要する時間の増加を抑制しつつ印刷画質を向上させることを目的とする。
上記課題の少なくとも一部を解決するために、本発明は、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]印刷装置であって、
第1の方向に沿って並んだ有彩色インクを吐出するK個(Kは2以上の整数)のノズルにより構成される有彩色用ノズル列と、前記第1の方向に沿って並んだ無彩色インクを吐出する(n・K)個(nは2以上の整数)のノズルにより構成される無彩色用ノズル列と、を含み、前記第1の方向に交差する第2の方向に沿って並んで配置された複数のノズル列と、
前記複数のノズル列を印刷媒体に対して前記第2の方向に沿って相対的に往復移動させる移動機構と、
前記印刷媒体を前記複数のノズル列に対して前記第1の方向に沿って相対的に搬送する搬送機構と、
前記移動機構に前記複数のノズル列の往方向および復方向への移動を行わせながら前記複数のノズル列にインクを吐出させる画像形成動作と、前記搬送機構に前記印刷媒体を搬送させる搬送動作と、を繰り返すことにより前記印刷媒体上に画像を形成する制御部を備え、
前記制御部は、前記画像における有彩色を含むカラー領域では、前記複数のノズル列の移動方向が往方向と復方向とで交互に切り替わるm回(mは2以上n以下の整数)の前記画像形成動作であって、前記複数のノズル列の移動方向が往方向と復方向とのいずれか一方である特定方向であり前記有彩色用ノズル列と前記無彩色用ノズル列との両方が用いられる1回の前記画像形成動作と前記有彩色用ノズル列のみが用いられる(m−1)回の前記画像形成動作とを含むm回の前記画像形成動作により前記画像の前記第1の方向に沿った所定幅の領域を形成し、前記画像における有彩色を含まないモノクロ領域では、前記無彩色用ノズル列のみが用いられる1回の前記画像形成動作により前記画像の前記所定幅の領域を形成する、印刷装置。
この印刷装置では、カラー領域において、無彩色用ノズル列が使用される画像形成動作の方向はすべて同一方向となるため、無彩色インクを用いて形成される第1の方向に略平行な罫線の第2の方向に沿った位置ずれの発生を抑制することができ、印刷画質を向上させることができる。また、この印刷装置では、無彩色用ノズル列を構成するノズル数が有彩色用ノズル列を構成するノズル数のn倍とされ、カラー領域において、有彩色用ノズル列と無彩色用ノズル列との両方が用いられる1回の画像形成動作と有彩色用ノズル列のみが用いられる(m−1)回の画像形成動作とにより画像の第1の方向に沿った所定幅の領域が形成されるため、無彩色用ノズル列が使用される画像形成動作の方向をすべて同一方向としつつも印刷処理に要する時間の増加を抑制することができる。従って、この印刷装置では、印刷処理に要する時間の増加を抑制しつつ印刷画質を向上させることができる。
[適用例2]適用例1に記載の印刷装置であって、
前記制御部は、前記m回の画像形成動作の内、前記複数のノズル列の移動方向が前記特定方向である最初の前記画像形成動作を、前記有彩色用ノズル列と前記無彩色用ノズル列との両方が用いられる1回の前記画像形成動作とする、印刷装置。
この印刷装置では、m回の画像形成動作の内、複数のノズル列の移動方向が特定方向である最初の画像形成動作が有彩色用ノズル列と無彩色用ノズル列との両方が用いられる画像形成動作とされるため、比較的印刷媒体上のインク量が少なく印刷媒体のたわみが小さいときに無彩色用ノズル列が使用されることとなり、罫線位置ずれの発生を効果的に抑制することができる。
[適用例3]適用例1または適用例2に記載の印刷装置であって、
前記nの値は偶数である、印刷装置。
この印刷装置では、処理の単純化による高速化を図ることができる。
なお、本発明は、種々の態様で実現することが可能であり、例えば、印刷方法および印刷装置、印刷装置の制御方法および制御装置、印刷システム、これらの方法、装置またはシステムの機能を実現するためのコンピュータープログラム、そのコンピュータープログラムを記録した記録媒体、そのコンピュータープログラムを含み搬送波内に具現化されたデータ信号、等の形態で実現することができる。
本発明の第1実施例における印刷システムの概略構成図である。 第1実施例における制御回路40を中心としたインクジェットプリンター20の構成を示すブロック図である。 第1実施例におけるインクジェットプリンター20の印刷ヘッド28に設けられたノズルの配置を示す説明図である。 第1実施例のインクジェットプリンター20による印刷処理における記録方法の一例を示す説明図である。 第1実施例のインクジェットプリンター20による印刷処理における記録方法の別の例を示す説明図である。 第1実施例のインクジェットプリンター20による印刷処理における記録方法の詳細例を示す説明図である。 第2実施例におけるインクジェットプリンター20の印刷ヘッド28aに設けられたノズルの配置を示す説明図である。 第2実施例のインクジェットプリンター20による印刷処理における記録方法の一例を示す説明図である。 第2実施例のインクジェットプリンター20による印刷処理における記録方法の一例を示す説明図である。 第3実施例のインクジェットプリンター20による印刷処理における記録方法の一例を示す説明図である。 第3実施例のインクジェットプリンター20による印刷処理における記録方法の一例を示す説明図である。 第4実施例のインクジェットプリンター20による印刷処理における記録方法の一例を示す説明図である。
次に、本発明の実施の形態を実施例に基づいて以下の順序で説明する。
A.第1実施例:
A−1.印刷装置の構成:
A−2.記録方法:
B.第2実施例:
C.第3実施例:
D.第4実施例:
E.変形例:
A.第1実施例:
A−1.印刷装置の構成:
図1は、本発明の第1実施例における印刷システムの概略構成図である。第1実施例の印刷システムは、インクジェットプリンター20と、インクジェットプリンター20に印刷信号PSを供給するコンピューター88と、を備えている。インクジェットプリンター20は、コネクター56を介してコンピューター88と接続されている。
インクジェットプリンター20は、キャリッジ30をプラテン26の軸に平行な方向に沿って往復移動させる主走査を行う移動機構と、印刷媒体としての用紙Pを主走査方向と交差する方向(副走査方向)に搬送する副走査を行う搬送機構と、キャリッジ30に搭載された印刷ヘッドユニット60と、インクジェットプリンター20の各部を制御する制御回路40と、を備えている。
用紙Pを搬送する搬送機構は、紙送りモーター22と、紙送りモーター22の回転を図示しない用紙搬送ローラーに伝達するギヤトレイン(図示省略)と、を備える。紙送りモーター22の回転は用紙搬送ローラーに伝達され、用紙搬送ローラーの回転により用紙Pは搬送される。また、キャリッジ30を往復動させる移動機構は、キャリッジモーター24と、プラテン26の軸と平行に架設されキャリッジ30を摺動可能に保持する摺動軸34と、キャリッジモーター24との間に無端の駆動ベルト36を張設するプーリー38と、キャリッジ30の原点位置を検出する位置検出センサ39と、を含んでいる。キャリッジモーター24の回転は駆動ベルト36を介してキャリッジ30に伝達され、これによりキャリッジ30は摺動軸34に沿って往復動する。なお、主走査方向と平行な方向は本発明における第2の方向に相当し、副走査方向と平行な方向は本発明における第1の方向に相当する。
図2は、第1実施例における制御回路40を中心としたインクジェットプリンター20の構成を示すブロック図である。制御回路40は、CPU41と、ROM43と、RAM44と、文字のドットマトリクスを記憶したキャラクタージェネレーター(CG)45と、を備えた算術論理演算回路として構成されている。制御回路40は、さらに、外部のモーター等とのインターフェイスであるI/F専用回路50と、I/F専用回路50に接続されると共に印刷ヘッドユニット60を駆動するヘッド駆動回路52と、紙送りモーター22およびキャリッジモーター24を駆動するモーター駆動回路54と、を備えている。I/F専用回路50は、コネクター56を介してコンピューター88から供給される印刷信号PSを受け取る。なお、CPU41は、ROM42内に格納されたコンピュータープログラムを実行することにより、制御回路40をインクジェットプリンター20の制御を行う制御部として機能させる。
印刷ヘッドユニット60は、印刷ヘッド28を備えている。印刷ヘッド28は、インクを吐出する複数のノズル列(後述)と、各ノズル列を構成する各ノズルに設けられたピエゾ素子を動作させるアクチュエータ回路と、を有している。アクチュエータ回路は、ヘッド駆動回路52の一部であり、ヘッド駆動回路52内の図示しない駆動信号生成回路から与えられた駆動信号をオン/オフ制御する。すなわち、アクチュエータ回路は、コンピューター88から供給された印刷信号PSに従って、各ノズルに関してオン(インクを吐出する)またはオフ(インクを吐出しない)を示すドットデータをラッチし、オンのノズルについてのみ駆動信号をピエゾ素子に印加する。
図3は、第1実施例におけるインクジェットプリンター20の印刷ヘッド28に設けられたノズルの配置を示す説明図である。第1実施例のインクジェットプリンター20は、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の4色のインクを用いて印刷を行う。そのため、印刷ヘッド28には、4つのインク色に対応する複数のノズル列が主走査方向に沿って並んで配置されている。具体的には、印刷ヘッド28には、3つの有彩色インク(シアンインク、イエローインク、マゼンタインク)のそれぞれに関しては、副走査方向に沿って並ぶ152個のノズルで構成された1つのノズル列が配置されており(図3においてそれぞれ「C」,「Y」,「M」と示す)、無彩色インク(ブラックインク)に関しては、副走査方向に沿って並ぶ152個のノズルで構成されたノズル列が2つ配置されている(図3において「K0」および「K1」と示す)。
図3に示すように、各ノズル列のノズルピッチは同一である。副走査方向に沿った位置に関しては、シアン用ノズル列とマゼンタ用ノズル列と一方のブラック用ノズル列(K0)の位置は同じであり、イエロー用ノズル列および他方のブラック用ノズル列(K1)の位置は、シアン用ノズル列とマゼンタ用ノズル列と一方のブラック用ノズル列(K0)の位置からノズルピッチの2分の1分ずれた位置である。なお、2つのブラック用ノズル列は、図3において括弧付きのノズル番号で示すように、いわゆる千鳥配置の304個のノズルで構成される1つのノズル列であると捉えることもできる。このように捉えれば、有彩色用の各ノズル列を構成するノズル数をK個とすると、ブラック用ノズル列を構成するノズル数は(n・K)個(ただしn=2)となる。すなわち、ブラック用ノズル列を構成するノズル数は、有彩色用の各ノズル列を構成するノズル数の2倍となる。また、ブラック用ノズル列のノズルピッチは、有彩色用の各ノズル列のノズルピッチより2倍細かいピッチとなる。
このように、2つのブラック用ノズル列は、千鳥配置の1つのノズル列であると捉えることもできる。また、図3の例では、印刷ヘッド28の有彩色用の各ノズル列において、ノズル列を構成する各ノズルの主走査方向に沿った位置はすべて同じとなっているが(すなわち、直線的な配列となっているが)、有彩色用の各ノズル列をいわゆる千鳥配置のノズル列としてもよい。すなわち、本明細書では、「ノズル列」とは、副走査方向に沿って並んで配置された複数のノズルを意味し、「複数のノズルが副走査方向に沿って並んで配置されている」とは、各ノズルの主走査方向に沿った位置にかかわらず、複数のノズルのそれぞれの副走査方向に沿った位置が互いに異なるように並んで配置されていることを意味する。
印刷ヘッド28を有する印刷ヘッドユニット60は、キャリッジ30に搭載されている。そのため、印刷ヘッド28は、キャリッジモーター24(図1)によって印刷媒体に対して摺動軸34に沿って(主走査方向に沿って)相対的に往復移動される。また、用紙Pは、印刷ヘッド28に対して紙送りモーター22によって紙送り方向(副走査方向)に搬送される。
以上説明した構成を有する本実施例のインクジェットプリンター20は、制御回路40が、移動機構に印刷ヘッドユニット60を搭載したキャリッジ30の往復移動を行わせながら印刷ヘッドユニット60にインクを吐出させる画像形成動作と、搬送機構に用紙Pを搬送させる搬送動作と、を繰り返すことにより、用紙P上に画像を形成する印刷処理を行う。なお、インクジェットプリンター20は、コンピューター88から受け取った印刷信号PSに基づいて、色変換処理やハーフトーン処理を行い、印刷処理における各ノズルのオン/オフを示すドットデータを生成する。これらの処理は、周知のものなので、処理内容の説明は省略する。
A−2.記録方法:
図4は、第1実施例のインクジェットプリンター20による印刷処理における記録方法の一例を示す説明図である。図4には、印刷画像を副走査方向(紙送り方向)に沿って有彩色を含む画像領域であるカラー領域と有彩色を含まない画像領域であるモノクロ領域に分割したときの、各画像領域を形成するための各パスにおいて使用されるノズル列の副走査方向に沿った位置を示している。
ここで、「パス」は、上述した移動機構により、各ノズル列を備える印刷ヘッド28(図3)を主走査方向の往方向または復方向へ移動させる動作を意味する。図4において、パス数に「r」符号が付されたパスは、印刷ヘッド28を復方向へ移動させるパスであり、その他のパスは印刷ヘッド28を往方向へ移動させるパスである。なお、往方向とは、キャリッジ30の移動経路の一端近辺に予め設定されたホームポジションから他端近辺に向かう方向であり、復方向とは、往方向の反対方向である。また、各パスにおいて、「K」符号が付されている場合には「K」符号が付された矩形の副走査方向に沿った位置においてブラック用ノズル列が使用され、「Co」符号が付されている場合には「Co」符号が付された矩形の副走査方向に沿った位置において有彩色用ノズル列が使用される。また、各パスにおいて、「K」符号が付されていない場合にはブラック用ノズル列が使用されず、「Co」符号が付されていない場合には有彩色用ノズル列が使用されない。なお、各パスにおいてブラック用ノズル列または有彩色用ノズル列が使用されるとは、当該パスに対応するドットデータにブラックインクまたは有彩色インクを吐出すべきとするデータが存在する場合に、対応するノズル列から対応する色のインクが吐出されることを意味する。あるパスにおいてブラック用ノズル列または有彩色用ノズル列が使用される場合であっても、当該パスに対応するドットデータにブラックインクまたは有彩色インクを吐出すべきとするデータが存在しない場合には、対応するノズル列から対応する色のインクが吐出されることはない。また、ブラック用ノズル列または有彩色用ノズル列の使用を伴うパスは、上述した画像形成動作に該当する。後述するように、パスをブラック用ノズル列および有彩色用ノズル列の両方の使用を伴わないパス(空パス)とすることも可能である。
図4の例では、印刷画像が、カラー領域、モノクロ領域、カラー領域、モノクロ領域・・・の順に構成されている。そのため、印刷処理では、まずカラー領域の画像形成が行われる。最初のカラー領域では、ブラック用ノズル列と有彩色用ノズル列とが共に使用される往方向の第1パスと、有彩色用ノズル列のみが使用される復方向の第2パスとにより、副走査方向に沿った所定幅(各ノズル列の長さに相当する幅)の画像(以下、「単位バンド」とも呼ぶ)が形成される。なお、以下では、ブラック用ノズル列と有彩色用ノズル列とが共に使用されるパスを「ブラック・有彩色併用パス」とも呼び、有彩色用ノズル列のみが使用されるパスを「有彩色のみパス」とも呼び、ブラック用ノズル列のみが使用されるパスを「ブラックのみパス」とも呼ぶ。続いて、往方向のブラック・有彩色併用パスである第3パスと、復方向の有彩色のみパスである第4パスとにより、第1パスおよび第2パスにより形成された単位バンドに隣接する次の単位バンドが形成される。このように、カラー領域では、往方向および復方向のパスが交互に繰り返されると共に、特定方向(例えば往方向)の1回のブラック・有彩色併用パスと、特定方向の逆方向(例えば復方向)の1回の有彩色のみパスと、の合計2回のパス(画像形成動作)により単位バンドが形成される記録方法が採用される。すなわち、カラー領域では、ブラック用ノズル列が使用されるパスの方向はすべて同一方向(特定方向)となる。なお、後述するように、単位バンドを形成する2回のパス間には、1主走査ライン分の搬送動作(紙送り)が行われる。
また、図4において第5パスおよび第6パスとして示すように、本実施例では、形成すべき単位バンド全体がカラー領域内に位置する場合に加えて、形成すべき単位バンドの一部がカラー領域内に位置し残りの一部がモノクロ領域内に位置するような場合にも、上述したカラー領域における記録方法が採用される。この場合には、有彩色用ノズル列を構成するノズルの内、モノクロ領域内に位置するノズルはマスクされて使用されない。形成すべき単位バンド全体がモノクロ領域内に位置する場合には、以下に示すモノクロ領域における記録方法が採用される。
図4の例における最初のモノクロ領域では、まず、往方向のブラックのみパスである第7パスにより、単位バンドが形成される。次に、復方向のブラックのみパスである第8パスにより、第7パスにより形成された単位バンドに隣接する次の単位バンドが形成される。このように、モノクロ領域では、往方向および復方向のブラックのみパスが交互に繰り返されると共に、1回のブラックのみパス(画像形成動作)により単位バンドが形成される記録方法が採用される。なお、続く第9パスおよび第10パスでは、形成すべき単位バンドの一部がカラー領域内に位置することとなるため、上述したカラー領域における記録方法に則った印刷が行われる。
図5は、第1実施例のインクジェットプリンター20による印刷処理における記録方法の別の例を示す説明図である。図5の例において、第1パスから第7パスまでの記録方法は、図4の例と同じである。図5の例では、往方向の第7パスが終了すると、次の復方向の第8パスで形成すべき単位バンドの一部がカラー領域内に位置することとなる。そのため、上述したカラー領域における記録方法に則っとれば、次の復方向の第8パスは、ブラック・有彩色併用パスとなる。しかし、本実施例では、モノクロ領域におけるカラー領域との境界の直前の単位バンドが、他のカラー領域の形成の際における上述した特定方向(ブラック・有彩色併用パスの方向)と同じ方向のパスにより形成された場合には、当該直前の単位バンドを形成するためのパスの次のパスは、ブラック用ノズル列および有彩色用ノズル列のいずれの使用も伴わない特定方向とは逆対方向の空パスとし、さらに次のパス以降によってカラー領域の形成を行うものとしている。図5の例では、最初のカラー領域における特定方向(すなわち往方向)と同じ方向のパスである第7パスによりモノクロ領域におけるカラー領域との境界の直前の単位バンドが形成されているため、次のパスである第8パスを特定方向とは逆方向(復方向)の空パス(すなわち、ホームポジションHPに移動するパス)とし、続く第9パスを特定方向と同一方向のブラック・有彩色併用パスとしている。このようにすれば、印刷画像中のすべてのカラー領域において、ブラック・有彩色併用パスの方向は同一方向に統一されることとなる。
図6は、第1実施例のインクジェットプリンター20による印刷処理における記録方法の詳細例を示す説明図である。図6には、図4および図5と同様に、印刷画像の各画像領域(カラー領域およびモノクロ領域)を形成するための各パスにおいて使用されるノズル列の副走査方向に沿った位置を示している。図6では、各ノズル列を構成する各ノズルの位置が数字で示されている。なお、シアン用ノズル列(C)およびマゼンタ用ノズル列(M)の副走査方向に沿った位置は同じであるため、図6ではシアン用ノズル列およびマゼンタ用ノズル列の一方のみの位置を示している。また、ノズル位置を示す数字に重ねて×マークが付されているノズルは、当該パスにおいて使用されないノズルを表している。
図6の例では、説明を簡単にするために、有彩色用ノズル列はそれぞれ7個のノズルにより構成され、ブラック用ノズル列は14個のノズルにより構成されている。すなわち、有彩色用の各ノズル列を構成するノズル数をK個とすると、ブラック用ノズル列を構成するノズル数は(n・K)個(ただしn=2)である。また、図6の例では、印刷画像において、第1主走査ライン(第1ラスター)から第39主走査ラインまでの領域はカラー領域であり、第40主走査ラインから第67主走査ラインまでの領域はモノクロ領域であり、第68主走査ライン以降の領域はカラー領域である。
図6に示すように、最初のカラー領域では、第1パスとして往方向のブラック・有彩色併用パスが実行され、1主走査ライン分の微小搬送動作Scが行われた後に、第2パスとして復方向の有彩色のみパスが実行される。第2パスでは、第1パスで形成された有彩色ラスター間に、新たに有彩色ラスターが形成される。そのため、第1パスおよび第2パスにより、最初の単位バンドの形成が完了する。次に、13主走査ライン分の主搬送動作Smが行われ、第3パスとして往方向のブラック・有彩色併用パスが実行され、1主走査ライン分の微小搬送動作Scが行われた後に、第4パスとして復方向の有彩色のみパスが実行され、これら2回のパスにより次の単位バンドの形成が完了する。
また、続く第5パスおよび第6パスでは、形成すべき単位バンドの一部がカラー領域内に位置し残りの一部がモノクロ領域内に位置するため、同様のカラー領域における記録方法により単位バンドの形成が行われる。このとき、有彩色用ノズル列を構成するノズルの内、モノクロ領域内に位置するノズルはマスクされて使用されない。
また、最初のモノクロ領域では、第7パスとして往方向のブラックのみパスが実行される。この1回のパスにより、モノクロ領域の最初の単位バンドの形成が完了する。図6の例では、第7パスの後に13主走査ライン分の主搬送動作Smを行うと、次のパスで形成すべき単位バンドの一部がカラー領域内に位置することとなる。そのため、図6の例は、モノクロ領域におけるカラー領域との境界の直前の単位バンドが、他のカラー領域の形成の際における上述した特定方向(ブラック・有彩色併用パスの方向)と同じ方向のパスにより形成されたこととなる。従って、次のパスである第8パスは、いずれのノズル列の使用も伴わない復方向の空パスとなる。その後、13主走査ライン分の主搬送動作Smが行われた後、第9パス以降によって2つ目のカラー領域の形成が行われる。なお、図6の例では、空パスである第8パスの後に主搬送動作Smが行われているが、第7パスの後に主搬送動作Smが行われ、その後に空パスである第8パスが実行されるものとしてもよい。
以上説明したように、本実施例のインクジェットプリンター20では、有彩色用の各ノズル列を構成するノズル数をK個とすると、ブラック用ノズル列を構成するノズル数は(n・K)個(ただしn=2)である。本実施例のインクジェットプリンター20による印刷処理において、カラー領域では、往方向および復方向のパスが交互に繰り返されると共に、特定方向(例えば往方向)の1回のブラック・有彩色併用パスと特定方向の逆方向(例えば復方向)の1回の有彩色のみパスとの合計2回のパス(画像形成動作)により単位バンドが形成される記録方法が採用される。すなわち、各カラー領域において、ブラック用ノズル列が使用されるパスの方向はすべて同一方向(特定方向)となる。あるカラー領域において、ブラック用ノズル列が使用されるパスの方向が往方向と復方向との両方を含む場合には、ブラックインクを用いて形成される副走査方向に略平行な罫線の主走査方向に沿った位置ずれ(いわゆるBi−dずれ)が発生する恐れがある。本実施例では、各カラー領域において、ブラック用ノズル列が使用されるパスの方向はすべて同一方向に統一されるため、上記罫線の位置ずれの発生を抑制することができ、印刷画質を向上させることができる。なお、本実施例では、ブラック用ノズル列を構成するノズル数を有彩色用の各ノズル列を構成するノズル数の2倍として、カラー領域において単位バンドを1回のブラック・有彩色併用パスと1回の有彩色のみパスとで形成するものとしているため、上述の罫線位置ずれの発生を抑制しつつ印刷速度の低下を抑制することができる。さらに、本実施例において、モノクロ領域では、往方向および復方向のブラックのみパスが交互に繰り返されると共に、1回のブラックのみパスにより単位バンドが形成される記録方法が採用されるため、モノクロ領域における印刷速度も向上させることができる。また、モノクロ領域では、有彩色インクの吐出が行われないため、カラー領域と比較して印刷媒体の単位面積当たりのインク量が相対的に少なく印刷媒体のたわみが小さい。そのため、モノクロ領域では、往方向および復方向のブラックのみパスを併用しても、上述した罫線位置ずれの発生の恐れが少ない。以上のことから、本実施例のインクジェットプリンター20では、印刷処理に要する時間の増加を抑制しつつ印刷画質を向上させることができる。
また、本実施例のインクジェットプリンター20では、モノクロ領域におけるカラー領域との境界の直前の単位バンドが他のカラー領域の形成の際における上述した特定方向(ブラック・有彩色併用パスの方向)と同じ方向のパスにより形成された場合には、当該直前の単位バンドを形成するためのパスの次のパスは、ブラック用ノズル列および有彩色用ノズル列のいずれの使用も伴わない空パスとし、さらに次のパス以降によってカラー領域の形成を行うものとしている。そのため、本実施例では、印刷画像中のすべてのカラー領域において、ブラック・有彩色併用パスの方向は同一方向に統一される。ここで、往方向のブラック・有彩色併用パスと復方向のブラック・有彩色併用パスとでは、印刷媒体上におけるブラックインクドットと有彩色インクドットとの重なり順が逆となる。そのため、印刷画像において、往方向のブラック・有彩色併用パスとで形成された画像領域と復方向のブラック・有彩色併用パスで形成された画像領域とが混在すると、色ムラが発生する恐れがある。本実施例では、印刷画像中のすべてのカラー領域においてブラック・有彩色併用パスの方向は同一方向に統一されるため、色ムラの発生を抑制することができ、印刷画質をさらに向上させることができる。
B.第2実施例:
図7は、第2実施例におけるインクジェットプリンター20の印刷ヘッド28aに設けられたノズルの配置を示す説明図である。第2実施例における印刷ヘッド28aのノズル配置は、ブラックインクに関して、152個のノズルで構成されたノズル列が4つ配置されている点が、図3に示した第1実施例における印刷ヘッド28のノズル配置とは異なっている。すなわち、第2実施例における印刷ヘッド28aには、第1実施例と同様に設けられたブラック用ノズル列K0およびK1に加えて、ブラック用ノズル列K2およびK3が設けられている。
図7に示すように、ブラック用ノズル列K2およびK3のノズルピッチは、ブラック用ノズル列K0およびK1のノズルピッチと同一である。副走査方向に沿った位置に関しては、ブラック用ノズル列K2の位置は、ブラック用ノズル列K0の位置からノズルピッチの4分の1分ずれた位置であり、ブラック用ノズル列K3の位置は、ブラック用ノズル列K1の位置からノズルピッチの4分の1分ずれた位置である。従って、4つのブラック用ノズル列は、K0,K2,K1,K3の順に、ノズルピッチの4分の1分ずつずらして配置されている。なお、4つのブラック用ノズル列は、図7において括弧付きのノズル番号で示すように、608個のノズルで構成される1つのノズル列であると捉えることもできる。このように捉えれば、有彩色用の各ノズル列を構成するノズル数をK個とすると、ブラック用ノズル列を構成するノズル数は(n・K)個(ただしn=4)となる。すなわち、ブラック用ノズル列を構成するノズル数は、有彩色用の各ノズル列を構成するノズル数の4倍となる。また、ブラック用ノズル列のノズルピッチは、有彩色用の各ノズル列のノズルピッチより4倍細かいピッチとなる。
図8および図9は、第2実施例のインクジェットプリンター20による印刷処理における記録方法の一例を示す説明図である。図8および図9には、第1実施例における記録方法を示した図6と同様に、印刷画像の各画像領域(カラー領域およびモノクロ領域)を形成するための各パスにおいて使用されるノズル列の副走査方向に沿った位置を示している。
図8および図9の例では、説明を簡単にするために、有彩色用ノズル列はそれぞれ7個のノズルにより構成され、ブラック用ノズル列は28個のノズルにより構成されている。すなわち、有彩色用の各ノズル列を構成するノズル数をK個とすると、ブラック用ノズル列を構成するノズル数は(n・K)個(ただしn=4)である。また、図8および図9の例では、印刷画像において、第1主走査ライン(第1ラスター)から第38主走査ラインまでの領域はカラー領域であり、第39主走査ラインから第86主走査ラインまでの領域はモノクロ領域であり、第87主走査ライン以降の領域はカラー領域である。
図8に示すように、最初のカラー領域では、第1パスとして往方向のブラック・有彩色併用パスが実行され、1主走査ライン分の微小搬送動作Scが行われた後に、第2パスとして復方向の有彩色のみパスが実行される。さらに、1主走査ライン分の微小搬送動作Scが行われた後に、第3パスとして往方向の有彩色のみパスが実行され、1主走査ライン分の微小搬送動作Scが行われた後に、第4パスとして復方向の有彩色のみパスが実行される。第2パスから第4パスでは、第1パスで形成された有彩色ラスター間に、新たに有彩色ラスターが形成される。第1パスから第4パスまでの4回のパスにより、最初の単位バンドの形成が完了する。
次に、25主走査ライン分の主搬送動作Smが行われ、第5パスとして往方向のブラック・有彩色併用パスが実行され、1主走査ライン分の微小搬送動作Scが行われた後に、第6パスとして復方向の有彩色のみパスが実行され、1主走査ライン分の微小搬送動作Scが行われた後に、第7パスとして往方向の有彩色のみパスが実行され、1主走査ライン分の微小搬送動作Scが行われた後に、第8パスとして復方向の有彩色のみパスが実行される。第5パスから第8パスまでの4回のパスにより、次の単位バンドの形成が完了する。なお、このとき形成される単位バンドは一部がモノクロ領域内に位置しているため、各パスにおいて、モノクロ領域内に位置するノズルはマスクされて使用されない。
このように、カラー領域では、往方向および復方向のパスが交互に繰り返されると共に、特定方向(例えば往方向)の1回のブラック・有彩色併用パスと、往方向または復方向の3回の有彩色のみパスと、の合計4回のパス(画像形成動作)により単位バンドが形成される記録方法が採用される。すなわち、カラー領域では、ブラック用ノズル列が使用されるパスの方向はすべて同一方向(特定方向)となる。なお、本実施例では、カラー領域において単位バンドの形成のために行われる4回のパスの内、最初の特定方向のパスをブラック・有彩色併用パスとしている。例えば、特定方向が往方向である場合に、最初の単位バンドの形成のために行われる第1パスから第4パスの内、2番目の特定方向のパスである第3パスではなく最初の特定方向のパスである第1パスがブラック・有彩色併用パスとなる。
また、最初のモノクロ領域では、第9パス(図9)として往方向のブラックのみパスが実行される。この1回のパスにより、モノクロ領域の最初の単位バンドの形成が完了する。なお、第2実施例においても、モノクロ領域では、往方向および復方向のブラックのみパスが交互に繰り返されると共に、1回のブラックのみパスにより単位バンドが形成される記録方法が採用される。
また、第2実施例においても、モノクロ領域におけるカラー領域との境界の直前の単位バンドが、他のカラー領域の形成の際における上述した特定方向(ブラック・有彩色併用パスの方向)と同じ方向のパスにより形成された場合には、当該直前の単位バンドを形成するためのパスの次のパスは、ブラック用ノズル列および有彩色用ノズル列のいずれの使用も伴わない空パスとし、さらに次のパス以降によってカラー領域の形成を行うものとしている。図9の例では、第9パスの後に25主走査ライン分の主搬送動作Smを行うと、次のパスで形成すべき単位バンドの一部がカラー領域内に位置することとなるため、モノクロ領域におけるカラー領域との境界の直前の単位バンドが、他のカラー領域の形成の際における上述した特定方向(ブラック・有彩色併用パスの方向)と同じ方向のパスにより形成されたこととなる。従って、次のパスである第10パスは、いずれのノズル列の使用も伴わない復方向の空パスとなる。その後、25主走査ライン分の主搬送動作Smが行われた後、第11パス以降によって2つ目のカラー領域の形成が行われる。なお、図9の例では、空パスである第10パスの後に主搬送動作Smが行われているが、第9パスの後に主搬送動作Smが行われ、その後に空パスである第10パスが実行されるものとしてもよい。
以上説明したように、第2実施例のインクジェットプリンター20では、有彩色用の各ノズル列を構成するノズル数をK個とすると、ブラック用ノズル列を構成するノズル数は(n・K)個(ただしn=4)である。第2実施例のインクジェットプリンター20による印刷処理において、カラー領域では、往方向および復方向のパスが交互に繰り返されると共に、特定方向(例えば往方向)の1回のブラック・有彩色併用パスと往方向または復方向の3回の有彩色のみパスとの合計4回のパス(画像形成動作)により単位バンドが形成される記録方法が採用される。すなわち、各カラー領域において、ブラック用ノズル列が使用されるパスの方向はすべて同一方向(特定方向)となる。そのため、第2実施例では、第1実施例と同様に、罫線の位置ずれの発生を抑制することができ、印刷画質を向上させることができる。なお、第2実施例では、ブラック用ノズル列を構成するノズル数を有彩色用の各ノズル列を構成するノズル数の4倍として、カラー領域において単位バンドを1回のブラック・有彩色併用パスと3回の有彩色のみパスとで形成するものとしているため、罫線位置ずれの発生を抑制しつつ印刷速度の低下を抑制することができる。さらに、第2実施例において、モノクロ領域では、往方向および復方向のブラックのみパスが交互に繰り返されると共に、1回のブラックのみパスにより単位バンドが形成される記録方法が採用されるため、単位面積当たりのインク量が相対的に少なく罫線位置ずれの発生の恐れが少ないモノクロ領域において印刷速度を向上させることができる。従って、第2実施例のインクジェットプリンター20でも、第1実施例と同様に、印刷処理に要する時間の増加を抑制しつつ印刷画質を向上させることができる。
また、第2実施例のインクジェットプリンター20でも、モノクロ領域におけるカラー領域との境界の直前の単位バンドが他のカラー領域の形成の際における上述した特定方向と同じ方向のパスにより形成された場合には、当該直前の単位バンドを形成するためのパスの次のパスはブラック用ノズル列および有彩色用ノズル列のいずれの使用も伴わない空パスとし、さらに次のパス以降によってカラー領域の形成を行うものとしているため、印刷画像中のすべてのカラー領域においてブラック・有彩色併用パスの方向は同一方向に統一され、色ムラの発生を抑制することができ、印刷画質をさらに向上させることができる。
また、第2実施例のインクジェットプリンター20では、カラー領域において単位バンドの形成のために行われる4回のパスの内、最初の特定方向(例えば、往方向)のパスをブラック・有彩色併用パスとしている。単位バンドを複数のパスで形成する場合、パスを重ねる毎に、印刷媒体上の単位バンドの領域におけるインク量が多くなるため、単位バンドにおける印刷媒体のたわみが大きくなる。第2実施例では、最初の特定方向のパスをブラック・有彩色併用パスとしているため、比較的印刷媒体のたわみが小さいときにブラック用ノズル列が使用されることとなり、罫線位置ずれの発生を効果的に抑制することができる。
C.第3実施例:
図10および図11は、第3実施例のインクジェットプリンター20による印刷処理における記録方法の一例を示す説明図である。図10および図11には、第1実施例における記録方法を示した図6と同様に、印刷画像の各画像領域(カラー領域およびモノクロ領域)を形成するための各パスにおいて使用されるノズル列の副走査方向に沿った位置を示している。
図10および図11の例では、有彩色用ノズル列はそれぞれ7個のノズルにより構成され、ブラック用ノズル列は28個のノズルにより構成されている。すなわち、有彩色用の各ノズル列を構成するノズル数をK個とすると、ブラック用ノズル列を構成するノズル数は(n・K)個(ただしn=4)である。また、図10および図11の例では、印刷画像において、第1主走査ライン(第1ラスター)から第34主走査ラインまでの領域はカラー領域であり、第35主走査ラインから第86主走査ラインまでの領域はモノクロ領域であり、第87主走査ライン以降の領域はカラー領域である。
図10に示すように、最初のカラー領域では、第1パスとして往方向のブラック・有彩色併用パスが実行され、2主走査ライン分の微小搬送動作Scが行われた後に、第2パスとして復方向の有彩色のみパスが実行される。第2パスでは、第1パスで形成された有彩色ラスター間に、新たに有彩色ラスターが形成される。第1パスおよび第2パスの計2回のパスにより、最初の単位バンドの形成が完了する。なお、このとき形成される単位バンドにおいて、ブラック用ノズル列により形成される主走査ラインの副走査方向に沿った解像度は、有彩色用ノズル列により形成される主走査ラインの副走査方向に沿った解像度の2倍細かい解像度となる。
次に、26主走査ライン分の主搬送動作Smが行われ、第3パスとして往方向のブラック・有彩色併用パスが実行され、2主走査ライン分の微小搬送動作Scが行われた後に、第4パスとして復方向の有彩色のみパスが実行される。第3パスおよび第4パスの計2回のパスにより、次の単位バンドの形成が完了する。なお、このとき形成される単位バンドは一部がモノクロ領域内に位置しているため、各パスにおいて、モノクロ領域内に位置するノズルはマスクされて使用されない。
このように、カラー領域では、往方向および復方向のパスが交互に繰り返されると共に、特定方向(例えば往方向)の1回のブラック・有彩色併用パスと、特定方向の逆方向(例えば復方向)の1回の有彩色のみパスと、の合計2回のパス(画像形成動作)により単位バンドが形成される記録方法が採用される。すなわち、カラー領域では、ブラック用ノズル列が使用されるパスの方向はすべて同一方向(特定方向)となる。
また、最初のモノクロ領域では、第5パス(図11)として往方向のブラックのみパスが実行される。この1回のパスにより、モノクロ領域の最初の単位バンドの形成が完了する。なお、第3実施例においても、モノクロ領域では、往方向および復方向のブラックのみパスが交互に繰り返されると共に、1回のブラックのみパスにより単位バンドが形成される記録方法が採用される。
また、第3実施例においても、モノクロ領域におけるカラー領域との境界の直前の単位バンドが、他のカラー領域の形成の際における上述した特定方向(ブラック・有彩色併用パスの方向)と同じ方向のパスにより形成された場合には、当該直前の単位バンドを形成するためのパスの次のパスは、ブラック用ノズル列および有彩色用ノズル列のいずれの使用も伴わない空パスとし、さらに次のパス以降によってカラー領域の形成を行うものとしている。図11の例では、第5パスの後に26主走査ライン分の主搬送動作Smを行うと、次のパスで形成すべき単位バンドの一部がカラー領域内に位置することとなるため、モノクロ領域におけるカラー領域との境界の直前の単位バンドが、他のカラー領域の形成の際における上述した特定方向(ブラック・有彩色併用パスの方向)と同じ方向のパスにより形成されたこととなる。従って、次のパスである第6パスは、いずれのノズル列の使用も伴わない復方向の空パスとなる。その後、26主走査ライン分の主搬送動作Smが行われた後、第7パス以降によって2つ目のカラー領域の形成が行われる。なお、図11の例では、空パスである第6パスの後に主搬送動作Smが行われているが、第5パスの後に主搬送動作Smが行われ、その後に空パスである第6パスが実行されるものとしてもよい。
以上説明したように、第3実施例のインクジェットプリンター20では、有彩色用の各ノズル列を構成するノズル数をK個とすると、ブラック用ノズル列を構成するノズル数は(n・K)個(ただしn=4)である。第3実施例のインクジェットプリンター20による印刷処理において、カラー領域では、往方向および復方向のパスが交互に繰り返されると共に、特定方向(例えば往方向)の1回のブラック・有彩色併用パスと特定方向の逆方向(例えば復方向)の1回の有彩色のみパスとの合計2回のパス(画像形成動作)により単位バンドが形成される記録方法が採用される。すなわち、各カラー領域において、ブラック用ノズル列が使用されるパスの方向はすべて同一方向(特定方向)となる。そのため、第3実施例では、第1実施例と同様に、罫線の位置ずれの発生を抑制することができ、印刷画質を向上させることができる。なお、第3実施例では、ブラック用ノズル列を構成するノズル数を有彩色用の各ノズル列を構成するノズル数の2倍とし、カラー領域において単位バンドを1回のブラック・有彩色併用パスと1回の有彩色のみパスとで形成するものとし、ブラック用ノズル列により形成される主走査ラインの副走査方向に沿った解像度を有彩色用ノズル列により形成される主走査ラインの副走査方向に沿った解像度の2倍細かい解像度としているため、罫線位置ずれの発生を抑制しつつ印刷速度の低下を抑制することができる。
さらに、第3実施例において、モノクロ領域では、往方向および復方向のブラックのみパスが交互に繰り返されると共に、1回のブラックのみパスにより単位バンドが形成される記録方法が採用されるため、単位面積当たりのインク量が相対的に少なく罫線位置ずれの発生の恐れが少ないモノクロ領域においても印刷速度を向上させることができる。従って、第3実施例のインクジェットプリンター20でも、第1実施例と同様に、印刷処理に要する時間の増加を抑制しつつ印刷画質を向上させることができる。
また、第3実施例のインクジェットプリンター20でも、モノクロ領域におけるカラー領域との境界の直前の単位バンドが他のカラー領域の形成の際における上述した特定方向と同じ方向のパスにより形成された場合には、当該直前の単位バンドを形成するためのパスの次のパスはブラック用ノズル列および有彩色用ノズル列のいずれの使用も伴わない空パスとし、さらに次のパス以降によってカラー領域の形成を行うものとしているため、印刷画像中のすべてのカラー領域においてブラック・有彩色併用パスの方向は同一方向に統一され、色ムラの発生を抑制することができ、印刷画質をさらに向上させることができる。
D.第4実施例:
図12は、第4実施例のインクジェットプリンター20による印刷処理における記録方法の一例を示す説明図である。図12には、第1実施例の記録方法を示す図4と同様に、印刷画像の各画像領域(カラー領域およびモノクロ領域)を形成するための各パスにおいて使用されるノズル列の副走査方向に沿った位置を示している。なお、第4実施例の印刷ヘッド28におけるノズル列配置は図3に示した第1実施例と同じである。すなわち、ブラック用ノズル列を構成するノズル数は、有彩色用の各ノズル列を構成するノズル数の2倍である。
図12の例において、第1パスから第7パスまでの記録方法は、図4の例と同じである。図12の例では、往方向の第7パスが終了すると、次の復方向の第8パスで形成すべき単位バンドの一部がカラー領域内に位置することとなる。そのため、カラー領域における記録方法に則っとれば、次の復方向の第8パスは、ブラック・有彩色併用パスとなる。しかし、第4実施例では、モノクロ領域におけるカラー領域との境界の直前の単位バンドが、他のカラー領域の形成の際における上述した特定方向(ブラック・有彩色併用パスの方向)と同じ方向のパスにより形成された場合には、当該直前の単位バンドを形成するためのパスの次のパスは特定方向とは逆対方向の有彩色のみパスとし、さらに次のパスを特定方向のブラック・有彩色併用パスとするものとしている。図12の例では、最初のカラー領域における特定方向(すなわち往方向)と同じ方向のパスである第7パスによりモノクロ領域におけるカラー領域との境界の直前の単位バンドが形成されているため、次のパスである第8パスを特定方向とは逆方向(復方向)の有彩色のみパスとし、続く第9パスを特定方向と同一方向(往方向)のブラック・有彩色併用パスとしている。なお、カラー領域の以降の単位バンドは、1回の復方向の有彩色のみパスと、それに続く1回の往方向のブラック・有彩色併用パスとにより形成されることとなる。
以上説明したように、第4実施例のインクジェットプリンター20では、有彩色用の各ノズル列を構成するノズル数をK個とすると、ブラック用ノズル列を構成するノズル数は(n・K)個(ただしn=2)である。第4実施例のインクジェットプリンター20による印刷処理において、カラー領域では、往方向および復方向のパスが交互に繰り返されると共に、特定方向(例えば往方向)の1回のブラック・有彩色併用パスと特定方向とは逆方向(例えば復方向)の1回の有彩色のみパスとの合計2回のパス(画像形成動作)により単位バンドが形成される記録方法が採用される。すなわち、各カラー領域において、ブラック用ノズル列が使用されるパスの方向はすべて同一方向(特定方向)となる。そのため、第4実施例では、第1実施例と同様に、罫線の位置ずれの発生を抑制することができ、印刷画質を向上させることができる。
なお、第4実施例では、ブラック用ノズル列を構成するノズル数を有彩色用の各ノズル列を構成するノズル数の2倍として、カラー領域において単位バンドを1回のブラック・有彩色併用パスと1回の有彩色のみパスとで形成するものとしているため、罫線位置ずれの発生を抑制しつつ印刷速度の低下を抑制することができる。さらに、第4実施例において、モノクロ領域では、往方向および復方向のブラックのみパスが交互に繰り返されると共に、1回のブラックのみパスにより単位バンドが形成される記録方法が採用されるため、単位面積当たりのインク量が相対的に少なく罫線位置ずれの発生の恐れが少ないモノクロ領域において印刷速度を向上させることができる。以上のことから、第4実施例のインクジェットプリンター20でも、第1実施例と同様に、印刷処理に要する時間の増加を抑制しつつ印刷画質を向上させることができる。
また、第4実施例のインクジェットプリンター20でも、モノクロ領域におけるカラー領域との境界の直前の単位バンドが他のカラー領域の形成の際における上述した特定方向と同じ方向のパスにより形成された場合には、当該直前の単位バンドを形成するためのパスの次のパスは特定方向とは逆対方向の有彩色用のみパスとし、さらに次のパスを特定方向のブラック・有彩色併用パスとするものとしている。そのため、第4実施例では、印刷画像中のすべてのカラー領域においてブラック・有彩色併用パスの方向が同一方向に統一され、色ムラの発生を抑制することができ、印刷画質をさらに向上させることができる。また、第4実施例では、ブラック用ノズル列および有彩色用ノズル列のいずれの使用も伴わない空パスがないため、印刷処理に要する時間の増加をより効果的に抑制することができる。
E.変形例:
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
E1.変形例1:
上記各実施例では、有彩色用の各ノズル列を構成するノズル数をK個とし、ブラック用ノズル列を構成するノズル数を(n・K)個とすると、nの値は2または4であるが、nの値は2以上の整数であれば2および4以外の任意の値であってよい。nの値に関わらず、カラー領域では、往方向および復方向のパスが交互に繰り返されると共に、特定方向の1回のブラック・有彩色併用パスと往方向または復方向の(m−1)回(mは2以上n以下の整数)の有彩色のみパスとの合計m回のパス(画像形成動作)により単位バンドが形成される記録方法が採用され、モノクロ領域では、1回のブラックのみパスにより単位バンドが形成される記録方法が採用されるとすればよい。
なお、nの値が偶数である場合には、各カラー領域において、各単位バンドを形成するための一連のパスの方向の組み合わせを統一することができる。例えば、nの値が4であり、合計4回のパスにより単位バンドが形成される記録方法が採用される場合には、各単位バンドを形成するための一連のパスの方向の組み合わせは、例えば、往方向、復方向、往方向、復方向の組み合わせに統一することができる。一方、例えば、nの値が3であり、合計3回のパスにより単位バンドが形成される記録方法が採用される場合には、各単位バンドを形成するための一連のパスの方向の組み合わせは、例えば、ある単位バンドについては往方向、復方向、往方向の組み合わせとなり、次の単位バンドについては復方向、往方向、復方向の組み合わせとなるというように、一連のパスの方向の組み合わせを統一することが難しい。各単位バンドを形成するための一連のパスの方向の組み合わせが統一されないと、主走査ライン(ラスター)の抜けをなくすために搬送動作における搬送量の調整が必要となるなど、処理が複雑化する恐れがある。そのため、処理の単純化による高速化の観点から、nの値は偶数であることが好ましい。
また、上記各実施例では、モノクロ領域において、往方向および復方向のブラックのみパスが交互に繰り返される記録方法が採用されるとしているが、モノクロ領域において、往方向および復方向の一方のみのブラックのみパスが繰り返される記録方法が採用されるとしてもよい。このようにすれば、印刷時間の増大の恐れはあるものの、モノクロ領域における罫線の位置ずれの発生を効果的に抑制することができる。
E2.変形例2:
上記各実施例では、カラー領域において単位バンドの形成のために行われる複数回のパスの内、最初の特定方向のパスをブラック・有彩色併用パスとしているが、必ずしもこのようにする必要はない。例えば、図8の例において、最初の単位バンドの形成のために行われる第1パスから第4パスの内、最初の特定方向のパスである第1パスではなく、2番目の特定方向のパスである第3パスがブラック・有彩色併用パスとなるものとしてもよい。すなわち、あるカラー領域においてブラック・有彩色併用パスの方向が統一されている限り、単位バンドの形成のために行われる複数回のパスの内、いずれか1回のパスをブラック・有彩色併用パスとし、残りのパスを有彩色のみパスとすればよい。ただし、パスを重ねる毎に印刷媒体上の単位バンドの領域におけるインク量が多くなって印刷媒体のたわみが大きくなる傾向にあるため、単位バンドの形成のために行われる複数回のパスの内、より先に実行されるパスをブラック・有彩色併用パスとするのが、罫線ずれ発生抑制の点で好ましい。
E3.変形例3:
上記各実施例では、モノクロ領域におけるカラー領域との境界の直前の単位バンドが他のカラー領域の形成の際における上述した特定方向と同じ方向のパスにより形成された場合には、例えば当該直前の単位バンドを形成するためのパスの次のパスはブラック用ノズル列および有彩色用ノズル列のいずれの使用も伴わない特定方向とは逆対方向の空パスとし、さらに次のパス以降によってカラー領域の形成を行うなどして、印刷画像におけるすべてのカラー領域についてブラック・有彩色併用パスの方向を同一方向に統一し、色ムラの発生を抑制して印刷画質をさらに向上させているが、このような場合にも、例えば空パスを実行せず、当該直前の単位バンドを形成するためのパスの次のパスをカラー領域の形成を行うためのパスとしてもよい。このようにしても、印刷画像における個々のカラー領域をみれば、ブラック用ノズル列が使用されるパスの方向はすべて同一方向(特定方向)となるため、罫線ずれの発生を抑制することはできる。
E4.変形例4:
上記各実施例におけるインクジェットプリンター20の構成はあくまで一例であり、インクジェットプリンター20の構成は種々に変形可能である。例えば、上記各実施例では、インクジェットプリンター20は無彩色としてのブラックのインクと有彩色としてのシアン、マゼンタ、イエローのインクとの計4色のインクを用いて印刷を行うプリンターであるとしているが、インクジェットプリンター20は、無彩色インクおよび有彩色インクの両者を含んでいれば、4色以下、あるいは6色以上のインクを用いて印刷を行うプリンターであってもよい。使用されるインク色数に関わらず、インクジェットプリンター20の印刷ヘッド28には各インク色に対応するノズル列が設けられる。
また、上記各実施例では、インクジェットプリンター20はコンピューター88から印刷信号PSを受信して印刷を行うとしているが、必ずしもインクジェットプリンター20はコンピューター88から印刷信号PSを受信して印刷を行う必要はなく、インクジェットプリンター20がコンピューター88の関与なしにインクジェットプリンター20自身が保有するデータに基づき印刷を行うとしてもよい。
また、上記各実施例において、ハードウェアによって実現されていた構成の一部をソフトウェアに置き換えるようにしてもよく、逆に、ソフトウェアによって実現されていた構成の一部をハードウェアに置き換えるようにしてもよい。
また、本発明の機能の一部または全部がソフトウェアで実現される場合には、そのソフトウェア(コンピュータープログラム)は、コンピューター読み取り可能な記録媒体に格納された形で提供することができる。この発明において、「コンピューター読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスクやCD−ROMのような携帯型の記録媒体に限らず、各種のRAMやROM等のコンピューター内の内部記憶装置や、ハードディスク等のコンピューターに固定されている外部記憶装置も含んでいる。
20…インクジェットプリンター
22…紙送りモーター
24…キャリッジモーター
26…プラテン
28…印刷ヘッド
30…キャリッジ
34…摺動軸
36…駆動ベルト
38…プーリー
39…位置検出センサ
40…制御回路
41…CPU
42…ROM
43…ROM
44…RAM
52…ヘッド駆動回路
54…モーター駆動回路
56…コネクター
60…印刷ヘッドユニット
88…コンピューター

Claims (5)

  1. 印刷装置であって、
    第1の方向に沿って並んだ有彩色インクを吐出するK個(Kは2以上の整数)のノズルにより構成される有彩色用ノズル列と、前記第1の方向に沿って並んだ無彩色インクを吐出する(n・K)個(nは2以上の整数)のノズルにより構成される無彩色用ノズル列と、を含み、前記第1の方向に交差する第2の方向に沿って並んで配置された複数のノズル列と、
    前記複数のノズル列を印刷媒体に対して前記第2の方向に沿って相対的に往復移動させる移動機構と、
    前記印刷媒体を前記複数のノズル列に対して前記第1の方向に沿って相対的に搬送する搬送機構と、
    前記移動機構に前記複数のノズル列の往方向および復方向への移動を行わせながら前記複数のノズル列にインクを吐出させる画像形成動作と、前記搬送機構に前記印刷媒体を搬送させる搬送動作と、を繰り返すことにより前記印刷媒体上に画像を形成する制御部を備え、
    前記制御部は、前記画像における有彩色を含むカラー領域では、前記複数のノズル列の移動方向が往方向と復方向とで交互に切り替わるm回(mは2以上n以下の整数)の前記画像形成動作であって、前記複数のノズル列の移動方向が往方向と復方向とのいずれか一方である特定方向であり前記有彩色用ノズル列と前記無彩色用ノズル列との両方が用いられる1回の前記画像形成動作と前記有彩色用ノズル列のみが用いられる(m−1)回の前記画像形成動作とを含むm回の前記画像形成動作により前記画像の前記第1の方向に沿った所定幅の領域を形成し、前記画像における有彩色を含まないモノクロ領域では、前記無彩色用ノズル列のみが用いられる1回の前記画像形成動作により前記画像の前記所定幅の領域を形成する、印刷装置。
  2. 請求項1に記載の印刷装置であって、
    前記制御部は、前記m回の画像形成動作の内、前記複数のノズル列の移動方向が前記特定方向である最初の前記画像形成動作を、前記有彩色用ノズル列と前記無彩色用ノズル列との両方が用いられる1回の前記画像形成動作とする、印刷装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の印刷装置であって、
    前記nの値は偶数である、印刷装置。
  4. 第1の方向に沿って並んだ有彩色インクを吐出するK個(Kは2以上の整数)のノズルにより構成される有彩色用ノズル列と、前記第1の方向に沿って並んだ無彩色インクを吐出する(n・K)個(nは2以上の整数)のノズルにより構成される無彩色用ノズル列と、を含み、前記第1の方向に交差する第2の方向に沿って並んで配置された複数のノズル列と、前記複数のノズル列を印刷媒体に対して前記第2の方向に沿って相対的に往復移動させる移動機構と、前記印刷媒体を前記複数のノズル列に対して前記第1の方向に沿って相対的に搬送する搬送機構と、を備える印刷装置の制御方法であって、
    前記移動機構に前記複数のノズル列の往方向および復方向への移動を行わせながら前記複数のノズル列にインクを吐出させる画像形成動作と、前記搬送機構に前記印刷媒体を搬送させる搬送動作と、を繰り返すことにより前記印刷媒体上に画像を形成する工程を備え、
    前記画像を形成する工程は、前記画像における有彩色を含むカラー領域では、前記複数のノズル列の移動方向が往方向と復方向とで交互に切り替わるm回(mは2以上n以下の整数)の前記画像形成動作であって、前記複数のノズル列の移動方向が往方向と復方向とのいずれか一方である特定方向であり前記有彩色用ノズル列と前記無彩色用ノズル列との両方が用いられる1回の前記画像形成動作と前記有彩色用ノズル列のみが用いられる(m−1)回の前記画像形成動作とを含むm回の前記画像形成動作により前記画像の前記第1の方向に沿った所定幅の領域を形成し、前記画像における有彩色を含まないモノクロ領域では、前記無彩色用ノズル列のみが用いられる1回の前記画像形成動作により前記画像の前記所定幅の領域を形成する工程である、方法。
  5. 第1の方向に沿って並んだ有彩色インクを吐出するK個(Kは2以上の整数)のノズルにより構成される有彩色用ノズル列と、前記第1の方向に沿って並んだ無彩色インクを吐出する(n・K)個(nは2以上の整数)のノズルにより構成される無彩色用ノズル列と、を含み、前記第1の方向に交差する第2の方向に沿って並んで配置された複数のノズル列と、前記複数のノズル列を印刷媒体に対して前記第2の方向に沿って相対的に往復移動させる移動機構と、前記印刷媒体を前記複数のノズル列に対して前記第1の方向に沿って相対的に搬送する搬送機構と、を備える印刷装置の制御用のコンピュータープログラムであって、
    前記移動機構に前記複数のノズル列の往方向および復方向への移動を行わせながら前記複数のノズル列にインクを吐出させる画像形成動作と、前記搬送機構に前記印刷媒体を搬送させる搬送動作と、を繰り返すことにより前記印刷媒体上に画像を形成する制御機能を、前記印刷装置に実現させ、
    前記制御機能は、前記画像における有彩色を含むカラー領域では、前記複数のノズル列の移動方向が往方向と復方向とで交互に切り替わるm回(mは2以上n以下の整数)の前記画像形成動作であって、前記複数のノズル列の移動方向が往方向と復方向とのいずれか一方である特定方向であり前記有彩色用ノズル列と前記無彩色用ノズル列との両方が用いられる1回の前記画像形成動作と前記有彩色用ノズル列のみが用いられる(m−1)回の前記画像形成動作とを含むm回の前記画像形成動作により前記画像の前記第1の方向に沿った所定幅の領域を形成し、前記画像における有彩色を含まないモノクロ領域では、前記無彩色用ノズル列のみが用いられる1回の前記画像形成動作により前記画像の前記所定幅の領域を形成する機能である、コンピュータープログラム。
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