JP2011218400A - 圧縮成形物とその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 高いクッション性を発揮しつつ、製品形状の安定した圧縮成形物を提供する。
【解決手段】 金属線材がメッシュ状に製編された編成物の一次加工物1aを成形型50で圧縮して、成形型50に対応した形状の圧縮成形物を成形する圧縮成形物の製造方法であって、金属線材にバネ用線材を用いるとともに、一次加工物1aにおける圧縮成形時に張力を受ける部分11に外力Fを加えて、この部分11の目合いを張力の受ける方向に広げ、前記形状への成形を阻害する一次加工物1aの復元力を抑制させる。
【選択図】 図4
【解決手段】 金属線材がメッシュ状に製編された編成物の一次加工物1aを成形型50で圧縮して、成形型50に対応した形状の圧縮成形物を成形する圧縮成形物の製造方法であって、金属線材にバネ用線材を用いるとともに、一次加工物1aにおける圧縮成形時に張力を受ける部分11に外力Fを加えて、この部分11の目合いを張力の受ける方向に広げ、前記形状への成形を阻害する一次加工物1aの復元力を抑制させる。
【選択図】 図4
Description
本発明は、金属線材からなる編成物を圧縮して成形した圧縮成形物と、この圧縮成形物の製造方法に関し、特に、金属線材にバネ用線材を用いた圧縮成形物と、この圧縮成形物の製造方法に関する。
金属線材をメッシュ状に製編した編成物を圧縮して成形した圧縮成形物が知られており、この圧縮成形物は、自動車のマフラーのフランジ(接合部)に取り付ける緩衝材や防振材、所定の粒子の捕集する捕集材(例えば、デミスター、フィルター)など、様々な用途に用いられている。
このような圧縮成形物は、図11に示すように、前工程において編成物をロール状に巻いた一次加工物1aを形成するとともに、この一次加工物1aを雄型51と雌型52からなる成形型50内にセットして、これに上下方向から圧縮力Pを加えることで所望する形状に成形される。これにより成形された圧縮成形物1bは、成形型50に対応した形状となり、例えば、図12の(a)に示すようなリング状や、図9の(d)に示すような板状の製品形状に成形される。このような製造方法は、例えば、特許文献1など多数の文献に開示されている。
ところが、編成物を上記のように圧縮成形するだけでは、所望する製品形状が得られないことがある。
編成物は、ステンレス線材をメッシュ状に製編したもので、一般的に、SUS304を材質とするステンレス鋼線で形成されている。
SUS304からなるステンレス鋼線は、優れた耐食性、耐熱性を有するとともに、圧縮成形後の製品形状を保つ適度な剛性を有している。
編成物は、ステンレス線材をメッシュ状に製編したもので、一般的に、SUS304を材質とするステンレス鋼線で形成されている。
SUS304からなるステンレス鋼線は、優れた耐食性、耐熱性を有するとともに、圧縮成形後の製品形状を保つ適度な剛性を有している。
ところで、圧縮成形物を緩衝材として使用する場合には、受ける荷重に応じたクッション性が要求される。このような要求には、一般的に編成物のメッシュ間隔(以下、目合いという)や、圧縮成形物の単位体積当りの重量等の調整により対応することができる。
しかしながら、さらに高いクッション性が要求される緩衝材や防振材では、このような調整では対応しきれず、従来から慣用されていた金属線材であるSUS304をさらに弾性率(曲げ剛性)の高い材料に変更せざるを得ない。
しかしながら、さらに高いクッション性が要求される緩衝材や防振材では、このような調整では対応しきれず、従来から慣用されていた金属線材であるSUS304をさらに弾性率(曲げ剛性)の高い材料に変更せざるを得ない。
ところが、圧縮成形物のクッション性を高めるためにSUS304より弾性率(曲げ剛性)の高い金属線材を用いると、圧縮成形物の形状の安定性を損なうことになる。すなわち、このような弾性率の高い金属線材で製編された編成物は、圧縮成形時の圧縮力に対して反発することから、思うような形状に成形されないので、寸法精度が低下して、安定した形状の製品を得ることができなかった。
例えば、金属線材にSUS304を用いた圧縮成形物1bは、図12の(a)に示す外観形状を有するとともに、図12の(b)に示すA−A断面形状となり、安定した形状の製品が得られるものの、SUS304より弾性率(曲げ剛性)の高い金属線材であるバネ用ステンレス鋼線(材質:SUS304WPB)を用いた圧縮成形物1bは、SUS304と等しい線径であっても、図12の(c)に示すように、すり鉢状に反った断面形状となったり、図12の(d)に示すように、リング中央部がアンコ状に盛り上がる断面形状となり、製品形状が安定しなかった。
これは、バネ用ステンレス鋼線が有する弾性率(曲げ剛性)が高く、元の形状(一次加工物1aの形態)に戻ろうと反発するために起こる現象であり、特に、図11に示すように、一次加工物1aに上下方向からの圧縮力Pが加わると、一次加工物1aの中央部11付近には張力Tが作用して伸長される。これは、成形型50内で上下に圧縮された一次加工物1aが左右方向に逃げるためで(例えば、膨らんだ風船を潰すときと同様な現象)、この状態では、中央部11付近の目合いは一時的に広がるものの、圧縮力Pが除荷されると、この付近の絡み合った線材同士が元の目合いの間隔に戻ろうと反発するために起こる現象と考えられている。すなわち、圧縮力Pが一次加工物1aに均等に加わらないために起こる現象であり、その結果、成形型50に対応した形状への成形が阻害されることになる。
このように、高いクッション性を有する圧縮成形物を成形しようとして、弾性率(曲げ剛性)が高い線材を用いると、安定した製品形状が得られないという問題があった。
このように、高いクッション性を有する圧縮成形物を成形しようとして、弾性率(曲げ剛性)が高い線材を用いると、安定した製品形状が得られないという問題があった。
以上のような問題を解決すべく、本願発明者らは、鋭意研究の結果、編成物を製編する金属線材に高弾性率を有するバネ用線材を用い、高いクッション性を発揮しつつ、製品形状が安定する圧縮成形物と、この圧縮成形物の製造方法を発明するに至ったものである。
すなわち、本発明は、上述したような現状の技術が有する問題を解決するために提案されたものであり、成形型に対応した形状への成形を阻害する編成物の復元力を抑制する抑制部を備えることで、高いクッション性を発揮しつつ、製品形状が安定する圧縮成形物と、この圧縮成形物の製造方法の提供を目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の圧縮成形物は、金属線材をメッシュ状に製編した編成物が所定の成形型で圧縮され、前記成形型に対応した形状に成形される圧縮成形物であって、前記金属線材にバネ用線材を用いるとともに、前記形状への成形を阻害する前記編成物の復元力を抑制する抑制部を備える構成としてある。
また、本発明の圧縮成形物の製造方法は、金属線材がメッシュ状に製編された編成物を所定の成形型で圧縮して、前記成形型に対応した形状の圧縮成形物を成形する圧縮成形物の製造方法であって、前記金属線材にバネ用線材を用いるとともに、前記編成物における圧縮成形時に張力を受ける部分に外力を加えて、この部分の目合いを前記張力の受ける方向に広げ、前記形状への成形を阻害する前記編成物の復元力を抑制させる圧縮成形物の製造方法としてある。
以上、本発明の圧縮成形物と、この圧縮成形物の製造方法によれば、高いクッション性を発揮させつつ、製品形状を安定させることができる。
以下、本発明に係る圧縮成形物とその製造方法の好ましい実施形態について、製品形状としてリング形状を有する緩衝材(防振材)に本発明を適用した場合について説明するが、本発明を適用する製品形状(形態)はこれに限定されるものではない。
[圧縮成形物の製造方法]
まず、本発明に係る圧縮成形物の製造方法について、図1〜図4を参照しつつ説明する。
本実施形態に係る編成物1は、図1の(a)に示すように、バネ用ステンレス鋼線(材質:SUS305WPB)からなるバネ用線材S1を円筒状に丸編したもので、同図の(b)に示すように、メリアス編にて製編されている。また、本実施形態の編成物1は、中央部11から端部12に亘って目合いが均等となるように製編してある。この編成物1は、一本のバネ用線材S1から編み上げたもので、両端部12側に剪断による切り口が形成されず、切り屑が発生しないように製編されている。
まず、本発明に係る圧縮成形物の製造方法について、図1〜図4を参照しつつ説明する。
本実施形態に係る編成物1は、図1の(a)に示すように、バネ用ステンレス鋼線(材質:SUS305WPB)からなるバネ用線材S1を円筒状に丸編したもので、同図の(b)に示すように、メリアス編にて製編されている。また、本実施形態の編成物1は、中央部11から端部12に亘って目合いが均等となるように製編してある。この編成物1は、一本のバネ用線材S1から編み上げたもので、両端部12側に剪断による切り口が形成されず、切り屑が発生しないように製編されている。
次に、編成物1を圧縮成形するにあたり、一次加工物1aを形成する。
一次加工物1aは、円筒状からなる編成物1の内面を外側に露出するように、両端部12から図1(a)中のg方向に、それぞれ順次折り返してロール状に形成したもので、図2に示すように、リング状の形状を有する。この一次加工物1aのA−A断面形状は、図3に示すように、両端部12から折り返した部分がほぼ中央部11で接触するように形成される。
一次加工物1aは、円筒状からなる編成物1の内面を外側に露出するように、両端部12から図1(a)中のg方向に、それぞれ順次折り返してロール状に形成したもので、図2に示すように、リング状の形状を有する。この一次加工物1aのA−A断面形状は、図3に示すように、両端部12から折り返した部分がほぼ中央部11で接触するように形成される。
このような一次加工物1aをそのまま成形型50にセットして圧縮成形すると、前述したように、中央部11付近が圧縮成形時の張力Tに反発することで、成形型50に対応した形状に成形されず、製品形状が安定しないことになる。そこで、本実施形態では、編成物1の状態又は一次加工物1aの状態において、張力Tに反発する部分に相当する中央部11付近に予め外力Fを加え、目合いを広げてある。
具体的には、図2及び図3に示すように、円筒状又はリング状の軸方向に目合いを伸長させる外力Faと円周方向に目合いを伸長させる外力Fbを、特に中央部11に加える。
例えば、一次加工物1aの状態において、リング径を広げるように外力Fbを加えるとともに、編成物1から一次加工物1aを形成する途中で、両端部12を把持して引っ張り中央部11に外力Faを加える。または、編成物1の状態で、円筒状の内径を広げるように外力Fbを加えるとともに、両端部12を把持して引っ張り中央部11に外力Faを加えてもよい。
これにより、圧縮成形時に張力Tの加わる部分である中央部11の目合いの間隔が広がるため、圧縮成形後に中央部11付近において絡み合ったバネ用線材S1同士が元の目合いの間隔に戻ろうと反発する復元力を抑制することができる。
なお、この外力Fは、圧縮成形後の製品形状の安定度に応じて強度調整可能であるとともに、張力Tの加わる位置及び方向に応じて、外力Fを加える部位及び方向も適宜変更可能である。また、この外力Fは、降伏点を超えてこの部分を塑性変形させる強度としてもよい。
例えば、一次加工物1aの状態において、リング径を広げるように外力Fbを加えるとともに、編成物1から一次加工物1aを形成する途中で、両端部12を把持して引っ張り中央部11に外力Faを加える。または、編成物1の状態で、円筒状の内径を広げるように外力Fbを加えるとともに、両端部12を把持して引っ張り中央部11に外力Faを加えてもよい。
これにより、圧縮成形時に張力Tの加わる部分である中央部11の目合いの間隔が広がるため、圧縮成形後に中央部11付近において絡み合ったバネ用線材S1同士が元の目合いの間隔に戻ろうと反発する復元力を抑制することができる。
なお、この外力Fは、圧縮成形後の製品形状の安定度に応じて強度調整可能であるとともに、張力Tの加わる位置及び方向に応じて、外力Fを加える部位及び方向も適宜変更可能である。また、この外力Fは、降伏点を超えてこの部分を塑性変形させる強度としてもよい。
その結果、成形型50にセットされる一次加工物1aは、図4に示すように、外力Fを加える前(図中の破線)はリング内径が小さく雌型52の軸部52a付近に位置するが、外力Fが加えられた一次加工物1aは、雌型52の周縁部52b付近に位置するようにリング内径が広がることになる。そして、このように外力Fが加えられた一次加工物1aに対して圧縮力Pを加えることで、図12の(a)及び(b)に示すように、寸法精度の高い、安定した製品形状を有する圧縮成形物1bが成形される。
以上説明したように、本実施形態に係る圧縮成形物の製造方法によれば、金属線材がメッシュ状に製編された編成物1を成形型50で圧縮して、成形型50に対応した形状の圧縮成形物1bを成形する圧縮成形物の製造方法でありながら、金属線材にバネ用線材S1を用いるとともに、編成物1における圧縮成形時に張力Tを受ける部分である中央部11付近に外力を加えて、この部分の目合いを張力の受ける方向に広げ、製品形状への成形を阻害する編成物1の復元力を抑制させることで、寸法精度の高い、安定した製品形状の圧縮成形物1bを成形することができる。
[抑制部]
次に、製品形状への成形を阻害する編成物の復元力を抑制する抑制部について説明する。以下に示す各実施形態では、編成物の状態又は一次加工物の状態において抑制部を予め設けておくことで、圧縮成形後の復元力を抑制するようになっている。
次に、製品形状への成形を阻害する編成物の復元力を抑制する抑制部について説明する。以下に示す各実施形態では、編成物の状態又は一次加工物の状態において抑制部を予め設けておくことで、圧縮成形後の復元力を抑制するようになっている。
[抑制部の第一実施形態]
本実施形態の編成物1は、抑制部を圧縮成形時に張力Tの加わる部分に設けるとともに、この部分の目合いを、他の部分に比べて広げてある。
具体的には、図5に示すように、編成物1の状態において、圧縮成形時に張力Tの加わる部分である中央部11付近に抑制部を設け、この中央部11付近の目合いを、他の部分である端部12より広げてある。
すなわち、本実施形態の編成物1は、中央部11付近の目合いを端部12に対して粗く製編してある。特に、軸方向と円周方向の目合いを広げて製編してある。
これにより、中央部11が本実施形態に係る抑制部として機能し、中央部11付近の面方向に対する引張り強度が弱められ、圧縮成形後に中央部11付近において絡み合ったバネ用線材S1同士が元の目合いの間隔に戻ろうと反発する復元力が抑制されることになる。
本実施形態の編成物1は、抑制部を圧縮成形時に張力Tの加わる部分に設けるとともに、この部分の目合いを、他の部分に比べて広げてある。
具体的には、図5に示すように、編成物1の状態において、圧縮成形時に張力Tの加わる部分である中央部11付近に抑制部を設け、この中央部11付近の目合いを、他の部分である端部12より広げてある。
すなわち、本実施形態の編成物1は、中央部11付近の目合いを端部12に対して粗く製編してある。特に、軸方向と円周方向の目合いを広げて製編してある。
これにより、中央部11が本実施形態に係る抑制部として機能し、中央部11付近の面方向に対する引張り強度が弱められ、圧縮成形後に中央部11付近において絡み合ったバネ用線材S1同士が元の目合いの間隔に戻ろうと反発する復元力が抑制されることになる。
また、第一実施形態の変形例として、中央部11から端部12に亘って目合いが均等である編成物1を製編するとともに、この編成物1の中央部11付近に外力Fを加え、予め中央部11付近の目合いを広げた(粗くした)抑制部を形成することもできる。また、この外力Fは、この部分を塑性変形(降伏)させる強度とすることもできる。
[抑制部の第二実施形態]
さらに、抑制部の他の変形例として、本実施形態の編成物1は、当該編成物1にバネ用線材S1に比べて弾性率の低い金属線材を混成させて復元力を抑制するように形成してある。
具体的には、本実施形態の編成物1は、圧縮成形時に張力Tの加わる部分である中央部11付近に抑制部を設け、この部分において、バネ用線材S1と、これより弾性率の低いステンレス鋼線(材質SUS304)であるSUS線材S2とを混ぜて編み込んだ混編物として形成されている。
さらに、抑制部の他の変形例として、本実施形態の編成物1は、当該編成物1にバネ用線材S1に比べて弾性率の低い金属線材を混成させて復元力を抑制するように形成してある。
具体的には、本実施形態の編成物1は、圧縮成形時に張力Tの加わる部分である中央部11付近に抑制部を設け、この部分において、バネ用線材S1と、これより弾性率の低いステンレス鋼線(材質SUS304)であるSUS線材S2とを混ぜて編み込んだ混編物として形成されている。
例えば、図6の(a)に示すように、本実施形態の編成物1は、圧縮成形時に張力Tの加わる部分である中央部11付近において、円筒状の軸方向に対して、バネ用線材S1とSUS線材S2とを一段ごとに交互に編み替えて形成してある。
これにより、中央部11が本実施形態に係る抑制部として機能し、中央部11付近の面方向に対する引張り強度がSUS線材S2によって弱められ、圧縮成形後に中央部11付近において絡み合ったバネ用線材S1同士が元の目合いの間隔に戻ろうと反発する復元力が抑制されることになる。
なお、この場合、編成物1の中央部11付近に限らず、編成物1全体が上記のように交互に編み替え形成されてもよい。
また、編み替え形成する段数は、一段ごとに限らず、二段以上ごととすることもできる。
これにより、中央部11が本実施形態に係る抑制部として機能し、中央部11付近の面方向に対する引張り強度がSUS線材S2によって弱められ、圧縮成形後に中央部11付近において絡み合ったバネ用線材S1同士が元の目合いの間隔に戻ろうと反発する復元力が抑制されることになる。
なお、この場合、編成物1の中央部11付近に限らず、編成物1全体が上記のように交互に編み替え形成されてもよい。
また、編み替え形成する段数は、一段ごとに限らず、二段以上ごととすることもできる。
また、図6の(b)に示すように、編成物1の圧縮成形時に張力Tの加わる部分である中央部11付近において、バネ用線材S1とSUS線材S2とを一の線材として一の目合いに同時に編み込む友編みとすることもできる。これによっても、編成物1の中央部11付近の面方向に対する引張り強度をSUS線材S2により弱めることができる。
特に、友編みとすることで、SUS線材S2が有する保形力が均等にバネ用線材S1に作用して復元力を抑制するため、製品形状の安定化が図られる。
なお、この場合においても、編成物1の中央部11付近に限らず、編成物1全体が上記のように友編みされていてもよい。
特に、友編みとすることで、SUS線材S2が有する保形力が均等にバネ用線材S1に作用して復元力を抑制するため、製品形状の安定化が図られる。
なお、この場合においても、編成物1の中央部11付近に限らず、編成物1全体が上記のように友編みされていてもよい。
[抑制部の第三実施形態]
編成物1にバネ用線材S1に比べて弾性率の低い金属線材を混成させて復元力を抑制する抑制部の他の変形例として、本実施形態の一次加工物1aは、バネ用線材S1からなる編成物1を、弾性率の低い金属線材からなる編成物2で被覆するように形成してある。
編成物1にバネ用線材S1に比べて弾性率の低い金属線材を混成させて復元力を抑制する抑制部の他の変形例として、本実施形態の一次加工物1aは、バネ用線材S1からなる編成物1を、弾性率の低い金属線材からなる編成物2で被覆するように形成してある。
具体的には、図7に示すように、ステンレス鋼線(材質:SUS304)からなるSUS線材S2を円筒状に丸編した編成物2を製編するとともに、これが編成物1を被覆するように一次加工物1aを形成する。
例えば、編成物2を編成物1の内側に重ね合わせ、編成物2の内面が外側に露出するように、両端部から図7中のg方向に、それぞれ順次折り返してロール状に形成して、図8に示すような断面形状を有する一次加工物1aを形成する。そして、これを成形型50にセットし、圧縮成形する。
圧縮成形後は、中央部11付近において絡み合ったバネ用線材S1同士が元の目合いの間隔に戻ろうと反発するものの、被覆する編成物2が本実施形態に係る抑制部として機能し、その保形力により反発が抑制され、製品形状が安定する。
例えば、編成物2を編成物1の内側に重ね合わせ、編成物2の内面が外側に露出するように、両端部から図7中のg方向に、それぞれ順次折り返してロール状に形成して、図8に示すような断面形状を有する一次加工物1aを形成する。そして、これを成形型50にセットし、圧縮成形する。
圧縮成形後は、中央部11付近において絡み合ったバネ用線材S1同士が元の目合いの間隔に戻ろうと反発するものの、被覆する編成物2が本実施形態に係る抑制部として機能し、その保形力により反発が抑制され、製品形状が安定する。
以上説明したように、各本実施形態に係る圧縮成形物1bによれば、金属線材をメッシュ状に製編した編成物1が成形型50で圧縮され、成形型50に対応した形状に成形される圧縮成形物1bでありながら、金属線材にバネ用線材S1を用いるとともに、製品形状への成形を阻害する編成物1の復元力を抑制する抑制部を備えることで、圧縮成形後に絡み合ったバネ用線材S1同士が元の目合いの間隔に戻ろうと反発する復元力が抑制され、寸法精度の高い、安定した製品形状を有することになる。
なお、各実施形態は、それぞれ単独で適用することもできるが、相互に組合せることも可能である。
例えば、第一実施形態に係る抑制部と第二実施形態に係る抑制部とを組合せて、目合いを広げた部分を、バネ用線材S1とSUS線材S2とで混編することもできる。また、第二実施形態に係る抑制部と第三実施形態に係る抑制部とを組合せて,バネ用線材S1とSUS線材S2とで混編された編成物1を、SUS線材S2からなる編成物2で被覆することもできる。さらに、第一実施形態に係る抑制部と第三実施形態に係る抑制部とを組合せて、張力を受ける部分の目合いを広げた編成物1を、SUS線材S2からなる編成物2で被覆することもできる。
例えば、第一実施形態に係る抑制部と第二実施形態に係る抑制部とを組合せて、目合いを広げた部分を、バネ用線材S1とSUS線材S2とで混編することもできる。また、第二実施形態に係る抑制部と第三実施形態に係る抑制部とを組合せて,バネ用線材S1とSUS線材S2とで混編された編成物1を、SUS線材S2からなる編成物2で被覆することもできる。さらに、第一実施形態に係る抑制部と第三実施形態に係る抑制部とを組合せて、張力を受ける部分の目合いを広げた編成物1を、SUS線材S2からなる編成物2で被覆することもできる。
以上、本発明の圧縮成形物とその製造方法の好ましい実施形態について説明したが、本発明に係る圧縮成形物とその製造方法は上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることはいうまでもない。
例えば、上述した各実施形態では、製品形状(形態)としてリング形状を有する緩衝材(防振材)に本発明を適用した場合について説明したが、製品形状はこれに限定されず、板状の製品形状を有する緩衝材に本発明を適用することもできる。
具体的には、図9の(a)に示すように、バネ用線材S1を面状に製編した編成物1を形成するとともに、これを同図の(b)に示すように、ロール状に丸めて一次加工物1aを形成する。この一次加工物1aを、図10に示すように、そのまま成形型50にセットして圧縮成形すると、前述したように、圧縮成形時に張力Tを受ける部分が圧縮成形後に復元しようと反発することで、成形型50に対応した形状に成形されず、製品形状が安定しないことになる。
そこで、上述した本発明に係る製造方法又は抑制部を、この編成物1又は一次加工物1aに適用することで、圧縮成形後の復元力を抑制することができる。
そこで、上述した本発明に係る製造方法又は抑制部を、この編成物1又は一次加工物1aに適用することで、圧縮成形後の復元力を抑制することができる。
例えば、図10に示すように、本発明に係る製造方法を適用して、圧縮成形時に張力Tを受ける部分である中央部11(外周のみならず内部における数巻き分も含む)に張力Tを受ける方向に外力Faを加えることで、この部分の目合いを予め伸長させる。また、第一実施形態の抑制部を適用して、図9の(a)に示す編成物1において、中央部11に対応する部分の目合いを予め粗く製編する。また、第二実施形態の抑制部を適用して、この編成物1にバネ用線材S1に比べて弾性率の低い金属線材を混編させてもよい。
さらに、第三実施形態の抑制部を適用して、図9の(c)に示すように、バネ用線材S1からなる編成物1が、これより弾性率の低いSUS線材S2からなる編成物2で被覆される一次加工物1aを形成してもよい。また、各実施形態の抑制部を組合せて適用してもよい。
そして、これらの本発明に係る製造方法、抑制部を適用した一次加工物1aを成形型50にセットして圧縮成形することで、図9の(d)に示すように、寸法精度の高い、安定した製品形状を有する圧縮成形物1b(緩衝材)を成形することができる。
そして、これらの本発明に係る製造方法、抑制部を適用した一次加工物1aを成形型50にセットして圧縮成形することで、図9の(d)に示すように、寸法精度の高い、安定した製品形状を有する圧縮成形物1b(緩衝材)を成形することができる。
また、張力を受ける部分は中央部に限定されない。例えば、前述したリング形状を有する緩衝材(防振材)に係る各実施形態では、リング内側の中央部11を張力の受ける部分としたが、リング外側の中央部も張力を受けるので、この部分に抑制部を設けることもできる。また、中央部に限らず、圧縮成形後に製品形状への成形を阻害する復元力が作用する部分であれば、部位を問わず本発明の抑制部を設けることができる。
さらに、製品形状への成形を阻害する復元力は、圧縮成形時に一次加工物に作用する張力に対する復元力のみならず、圧縮力に対する復元力も含まれる。
また、編成物1の編製方法は、メリアス編に限定されず、平織り、綾織り等でもよい。
さらに、製品形状への成形を阻害する復元力は、圧縮成形時に一次加工物に作用する張力に対する復元力のみならず、圧縮力に対する復元力も含まれる。
また、編成物1の編製方法は、メリアス編に限定されず、平織り、綾織り等でもよい。
本発明は、金属線材からなる編成物が圧縮成形された圧縮成形物に適用可能であり、特に、金属線材にバネ用線材を用いた圧縮成形物に広く利用することができる。
1,2 編成物
1a 一次加工物
1b 圧縮成形物
11 中央部(張力を受ける部分)
12 端部
50 成形型
51 雄型
52 雌型
S1 バネ用線材
S2 SUS線材
T 張力
Fa,Fb 外力
1a 一次加工物
1b 圧縮成形物
11 中央部(張力を受ける部分)
12 端部
50 成形型
51 雄型
52 雌型
S1 バネ用線材
S2 SUS線材
T 張力
Fa,Fb 外力
Claims (9)
- 金属線材をメッシュ状に製編した編成物が所定の成形型で圧縮され、前記成形型に対応した形状に成形される圧縮成形物であって、
前記金属線材にバネ用線材を用いるとともに、前記形状への成形を阻害する前記編成物の復元力を抑制する抑制部を備えることを特徴とする圧縮成形物。 - 前記抑制部は、
前記編成物における圧縮成形時に張力を受ける部分に設けられるとともに、
前記部分以外のその他の部分よりも前記張力の受ける方向に広い目合いを有する請求項1記載の圧縮成形物。 - 前記目合いは、前記張力を受ける方向に予め外力を加えて形成された請求項2記載の圧縮成形物。
- 前記目合いは、製編により形成された請求項2又は3記載の圧縮成形物。
- 前記抑制部は、前記編成物における前記バネ用線材とこのバネ用線材に比べて弾性率の低い金属線材との混成からなる請求項1〜4のいずれか一項に記載の圧縮成形物。
- 前記混成は、前記バネ用線材と前記弾性率の低い金属線材との混編である請求項5記載の圧縮成形物。
- 前記混編は、複数の前記金属線材を一の目合いに同時に編み込む友編みである請求項6記載の圧縮成形物。
- 前記混成は、前記編成物の前記弾性率の低い金属線材で製編した編成物での被覆である請求項5記載の圧縮成形物。
- 金属線材がメッシュ状に製編された編成物を所定の成形型で圧縮して、前記成形型に対応した形状の圧縮成形物を成形する圧縮成形物の製造方法であって、
前記金属線材にバネ用線材を用いるとともに、前記編成物における圧縮成形時に張力を受ける部分に外力を加えて、この部分の目合いを前記張力の受ける方向に広げ、前記形状への成形を阻害する前記編成物の復元力を抑制させる圧縮成形物の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010089576A JP2011218400A (ja) | 2010-04-08 | 2010-04-08 | 圧縮成形物とその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2010089576A JP2011218400A (ja) | 2010-04-08 | 2010-04-08 | 圧縮成形物とその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2011218400A true JP2011218400A (ja) | 2011-11-04 |
Family
ID=45036039
Family Applications (1)
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JP2010089576A Pending JP2011218400A (ja) | 2010-04-08 | 2010-04-08 | 圧縮成形物とその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2011218400A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPWO2016024616A1 (ja) * | 2014-08-12 | 2017-04-27 | 富士フィルター工業株式会社 | 金属製多孔体の製造方法及び金属製多孔体 |
-
2010
- 2010-04-08 JP JP2010089576A patent/JP2011218400A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPWO2016024616A1 (ja) * | 2014-08-12 | 2017-04-27 | 富士フィルター工業株式会社 | 金属製多孔体の製造方法及び金属製多孔体 |
US9968984B2 (en) | 2014-08-12 | 2018-05-15 | Fuji Filter Manufacturing Co., Ltd. | Porous metal body manufacturing method and porous metal body |
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