JP2011217818A - 熱可塑性と形状記憶可能な3次元網体片状材料 - Google Patents

熱可塑性と形状記憶可能な3次元網体片状材料 Download PDF

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Abstract

【課題】 特に可撓性がある3次元通気片状材料に熱可塑性被覆材料を重ね合わせ、加熱することで適宜な形状に変形できると共に、重量が軽い上に通気性がよく固定力がある熱可塑性と形状の記憶が可能な3次元網体片状材料を提供する。
【解決手段】 熱可塑性を持ち合わせ、3次元の織布法(メッシュ・ファブリック)によって構成され、可撓性と通気性を備えた3次元通気片状材料と、この3次元通気片状材料の表面に部分的に或いは全面的に加熱により変形することができるポリマーを被覆することによって、熱可塑性の温度が3次元通気片状材料の温度より低い熱可塑性被覆材料とを有することを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、特に熱可塑性と通気性を持ち合わせ、加熱によって変形することができ、常温になると形状を記憶できる立体的な3次元網片材料に関するものである。
従来の副木は、骨折などの際、患部(例えば:骨折の上腕骨や下腿骨など)を固定するために使用するためのものであり、再び患部を傷つけることがないように保護する医療器具である。従来の副木には材質と形状において様々な種類のものが見られる。例えば、石膏、プラスチックの固定部品、金属または剛性のフレームなどがそれである。
従来の石膏からなる副木は、石膏が全面的に患部をカバーするのが一般的である。しかし、石膏によるカバーは手間が複雑な上、固まるまでに時間がかかるという欠点が有る。さらに、石膏は重量が重く、通気性も悪いことから、患者にしてみれば不快でもあり、また、非常に不便である。特にアレルギー体質の患者にとって、通気性が悪い場合には、皮膚疾患又はアレルギーを起こす危険性もある。
また、他の材質からなる副木には、石膏より重量が軽いが、通気性が悪いという問題が挙げられる。例えば、前述のプラスチックの固定部品がそうである。また、金属フレームは、通気性はよいが、部分的に患部を固定することから、全面的に患部を固定して保護することができず、保護効果が高いとは言えない。
特許文献1に示すように、従来の「骨折治療補助支持フレーム」は、2つの環状部品が患部(例えば:手の前腕骨)の両端に配置され、それらの環状部品の間に間隔を取るようにして、2つの環状部品を連結する固定柱があり、該環状部品と該固定柱によって、患部を固定することができる。しかしながら、従来の骨折治療補助支持フレームは、完全に患部をカバーしないため、全面的な保護効果が高くないという問題があった。
台湾登録実用新案M370394号
従来の副木は、材質によって異なる欠点が挙げられる。例えば、石膏の副木は、重量が重くて通気性が悪い。プラスチックの固定部品からなる副木は、重量が石膏に比べ軽いが、一方で通気性がよくない。金属フレームからなる副木は、通気性はよいが、保護効果が低下するという欠点があった。
そこで、案出されたのが本発明であって、可撓性がある3次元通気片状材料に熱可塑性被覆材料を被覆することにより、適宜な形状に変形できると共に、重量が軽くて通気性がよく、固定力に優れている熱可塑性と形状記憶可能な3次元網体片状材料を提供することを目的としている。
本願の請求項1の発明は、特に熱可塑性と通気性を持ち合わせ、加熱によって変形することができ、常温になると形状を記憶できる立体的な3次元網片材料に関するものであり、熱可塑性を持ち合わせ、3次元の織布法(メッシュ・ファブリック)によって構成され、可撓性と通気性を備えた3次元通気片状材料と、この3次元通気片状材料の表面に部分的に或いは全面的に加熱により変形することができるポリマーを被覆させることによって、熱可塑性の温度が3次元通気片状材料の温度より低い熱可塑性被覆材料とを有することを特徴とする熱可塑性と形状の記憶が可能な3次元網体片状材料、を提供する。
本願の請求項2の発明は、前出の熱可塑性被覆材料が、ポリ乳酸(PLA)、ポリブチルアクリレート(PBA)、ポリブチレンサクシネート(PBS)、及びポリカブロラクトン(PCL)からなる群から選択されることを特徴とする請求項1に記載の熱可塑性と形状記憶可能な3次元網体片状材料、を提供する。
本願の請求項3の発明は、前記3次元通気片状材料が、熱可塑性のプラスチック繊維からなると共に、織布法によって構成される一層3次元網片構造或いは多層3次元網片構造の繊維織布(メッシュ・ファブリック)であり、この一層3次元網片構造が、第一網体と、第二網体と、該第一網体及び該第二網体を連結する複数の繊維を備える連結網体とを有するものであり、さらに、熱可塑性被覆材料が、少なくとも一種類の付加物を含み、それらの付加物は、有機相或いは無機相であり、無機相には、雲母、粘土、酸化ジルコニウム、銀、カーボンブラック、炭酸カルシウム、及びガラス繊維からなる群から選択されることを特徴とする請求項1又は2に記載の熱可塑性と形状記憶可能な3次元網体片状材料、を提供する。
本発明に係る熱可塑性と形状記憶可能な3次元網体片状材料は、上記の課題を解決するものであり、可撓性の3次元通気片状材料に熱可塑性被覆材料を被覆することにより、適宜な形状に変形することができると共に、重量が軽く、通気性がよい上に、固定力に優れている。
以下、添付図面を参照して本発明の好適な実施の形態を詳細に説明する。
図1は本発明に係る熱可塑性と形状記憶可能な3次元網体片状材料を斜めから見た部分図であり、図2は本発明に係る熱可塑性と形状記憶可能な3次元網体片状材料を上から見た図であり、図3は本発明に係る熱可塑性と形状記憶可能な3次元網体片状材料の部分断面図であり、図4は本発明に係る熱可塑性と形状記憶可能な3次元網体片状材料の拡大部分断面図である。図5は本発明に係る熱可塑性と形状記憶可能な3次元網体片状材料の別の実施例の拡大部分断面図であり、図6は本発明に係る熱可塑性と形状記憶可能な3次元網体片状材料から構成される熱可塑性通気副木の使用方法を示す側面図であり、図6Aは図6の拡大部分断面図である。
図1乃至図4に示すように、本発明に係る熱可塑性と形状記憶可能な3次元網体片状材料は、3次元通気片状材料(10)と、熱可塑性被覆材料(20)とを有するものであり、該3次元通気片状材料(10)は、片状を呈し、3次元(3D/three−dimensional)の織布法によって、多種類の纖維から構成され、熱可塑性と可撓性及び、通気性を兼ね備えるものである。前述の3次元の織布法は、TW特許番号198282に示されているので、説明を省略する。
本発明に係る熱可塑性と形状の記憶が可能な3次元網体片状材料は、前述の3次元通気片状材料(10)が熱可塑性のプラスチック繊維(例えば:ポリアミト(PA)、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニール(PVC)、及び液晶ポリマー(LCP)からなる群から選択されるもの)からなり、3次元の織布法によって構成される一層3次元網片構造或いは多層3次元網片構造の繊維織布である。
本発明に係る実施例は、前述の3次元通気片状材料(10)は、一層3次元網片構造の繊維織布であり、表面に通気孔を穿設される第一網体(12)と、表面に通気孔を穿設される第二網体(14)と、第一網体(12)及び第二網体(14)を連結する連結網体(16)とを有するものである。その内、連結網体(16)は、可撓性を有すると共に弾性を持ち、織布法によってそれぞれ第一網体(12)及び第二網体(14)を連結する複数の繊維(161)を備えるものである。複数の繊維(161)は、第一網体(12)と第二網体(14)との間に通気性がよくなるように間隔を開け、可撓性の構造とするものである。さらに、第一網体(12)及び第二網体(14)は、それぞれ表面に通気孔を穿設させるため、優れた通気性を持つという特性もある。
本発明に係る実施例は、3次元通気片状材料(10)が、可撓性と剛性及び形状維持力を備えることから、患部を保護することができる。さらに、前述の3次元通気片状材料(10)の表面に部分的に或いは全面的に前述熱可塑性被覆材料(20)を被覆することから、患部の形状により変形させることができる。また、熱可塑性被覆材料(20)は、加熱により軟化させることができ、同時に、種々な形状に変形できるポリマー(例えば:ポリ乳酸(PLA)、ポリブチルアクリレート(PBA)、ポリブチレンサクシネート(PBS)、ポリカブロラクトン(PCL)、及びその混合物からなる群から選択されるからなるものである。
また、熱可塑性被覆材料(20)は、熱可塑性の温度を調整することと材質の強度と他の機能性(例えば:抗菌機能やカビ対策など)を付けるために、少なくとも一種類の付加物を含むことが好ましい。付加物は、有機相或いは無機相である。また、付加物が無機相である場合には、例えば、雲母、粘土、酸化ジルコニウム、銀、カーボンブラック、炭酸カルシウム、及びガラス繊維からなる群から選択されるのものであり、遠赤外線、抗菌機能、カビ対策などの機能性を補強する無機材料である。
図4及び図5に示すように、前述の熱可塑性被覆材料(20)は、全面的に前記3次元通気片状材料(10)の表面に被覆されることがある。或いは、前記3次元通気片状材料(10)の第一網体(12)及び/或いは第二網体(14)の表面に部分的に被覆されることがある。前記熱可塑性被覆材料(20)の熱可塑性の温度は、前述の3次元通気片状材料(10)の熱可塑性の温度より低いことがある。本発明に係る実施例には、前述の熱可塑性被覆材料(20)を50度から90度まで加熱することにより、熱可塑性被覆材料(20)が軟らかくなって、変形しやすくなるものである。
上記の熱可塑性の温度は、熱可塑性被覆材料(20)を加熱することにより、流動可能になる融解温度であり、或いは、弾力変形(元の形状に戻れない)ではなく軟化状態になる温度である。また、熱可塑性被覆材料(20)と前述の3次元通気片状材料(10)との熱可塑性の温度が違うことは、加熱より前述の熱可塑性被覆材料(20)が軟化して変形する過程において、前記3次元通気片状材料(10)の3次元通気片状の形状を破壊しないように、3次元通気片状の形状を保持することができる。
本発明に係る熱可塑性と形状の記憶が可能な3次元網体片状材料を使用する時に、熱可塑性と形状の記憶が可能な3次元網体片状材料を適宜な形状とサイズに(患部の形状により)裁断する。そして、熱可塑性被覆材料(20)を加熱し軟化させる。熱可塑性と形状の記憶が可能な3次元網体片状材料は、熱可塑性被覆材料(20)の軟化によって、患部の形状により確実に患部を包む。温度が下がる(常温になる)と、熱可塑性被覆材料(20)が凝固して、患部の形状を記憶し、患部を確実に保護することができる。
本発明に係る熱可塑性と形状の記憶が可能な3次元網体片状材料は、通気性がよく、重量が軽い。さらに、加熱すると、熱可塑性被覆材料(20)は変形可能で、温度が下がる(常温になる)と、熱可塑性被覆材料(20)が凝固して剛性及び形状維持力を持つようになり、使用者にとって、非常に便利で使いやすいものである。
図4に示すように、本発明に係る熱可塑性と形状の記憶が可能な3次元網体片状材料の製造方法は、3次元通気片状材料(10)の第一網体(12)と、第二網体(14)と、連結網体(16)との表面に熱可塑性被覆材料(20)を被覆することが必要なので、熱可塑性被覆材料(20)を流動可能な溶融状態まで加熱する、或いは、熱可塑性被覆材料(20)に流動可能な溶融状態まで溶剤を加える手間が必要である。そして、ディップコーティング法(dip coating、3次元通気片状材料(10)が溶融状態の熱可塑性被覆材料(20)に浸して被覆する方法)、或いは、ラミネート法(lamination)によって3次元通気片状材料(10)の第一網体(12)と第二網体(14)及び繊維(161)との表面に熱可塑性被覆材料(20)を被覆する。
補充説明:図4に示すのは、理想的なディップコーティング或いはラミネート状態における断面図である。実際の状況においては、熱可塑性被覆材料(20)が均等に3次元通気片状材料(10)の各部分を被覆することができない可能性もある。また、ディップコーティング法によって、熱可塑性被覆材料(20)が3次元通気片状材料(10)に被覆される厚さを均等に一致させることが難しく、隣接の繊維(161)も互いに付着してしまうことがある。しかし、上記の状況(厚さが均等にできないこと及び隣接の繊維(161)が互いに付着すること)は、本発明に係る熱可塑性と形状の記憶が可能な3次元網体片状材料の通気性、可塑性、記憶可能な機能には影響を及ぼさない。
図4及び図5に示すように、本発明に係る熱可塑性と形状の記憶が可能な3次元網体片状材料は、前述のディップコーティング法によって、熱可塑性被覆材料(20)が3次元通気片状材料(10)の表面に被覆されることがあるので、3次元通気片状材料(10)の剛性と形状維持力が増加する(図4に示す)。或いは、本発明に係る熱可塑性と形状の記憶が可能な3次元網体片状材料の別の実施例は、熱可塑性被覆材料(20)が直接的に3次元通気片状材料(10)の第一網体(12)及び第二網体(14)の表面に結合して(例えば:スプレー法、塗布法、付着法などの手段によって)、3次元通気片状材料(10)の剛性と形状維持力も具備する(図5に示す)。さらに、この他の実施例は、優れた通気性を具備するために、熱可塑性被覆材料(20A)の表面に複数の通気孔(21)を穿設させることがある。
図6及び図6Aに示すように、使用者がもっと便利に使用することができるため、熱可塑性と形状の記憶が可能な3次元網体片状材料を予め患部の形状(例えば:下腿骨、大腿骨、上腕、下腕、指などの形状)に裁断して熱可塑性通気副木(30)を構成する。熱可塑性通気副木(30)は、3次元患部形状網体(31)と、固定部品(32)とを有し、その内、3次元患部形状網体(31)は、患部の形状に熱可塑性と形状の記憶が可能な3次元網体片状材料を裁断する。また、使用時には加熱することにより軟化して完全に患部を包むことができる。よって、熱可塑性通気副木(30)は、サイズの調整、及び裁断を省略できることから、簡単に使用できるものである。
前記固定部品(32)は、部分的に前述の3次元患部形状網体(31)に設置されるものである。例えば、マジックテープ(登録商標)、縛りひも、バックルなどとしてもよい。前述の固定部品(32)は、バックルである時には、一端(片側)が3次元患部形状網体(31)の表面に設置されるベース部分と、もう一方は解放可能でべース部分の他端に掛けられるフックとを備えるものである。使用時に、フックとベース部分の他端とを結合することにより、該3次元患部形状網体(31)が患部を包んで固定して保護することができる。
本発明に係る熱可塑性と形状の記憶が可能な3次元網体片状材料は、医療器具以外の分野にも使用することができる。例えば、中敷きパッド、安全用パッド(ヘルメットのパッド、膝用及び肘用サポーター
のパッド)、包帯などとしても使用することができる。前述のヘルメットの安全パッドとして使用する際には、熱可塑性と形状の記憶が可能な3次元網体片状材料を半円形に作り、ヘルメットの裏面に設置することにより、優れた通気性を持つヘルメット用安全パッドが完成する。前述の膝用サポーターのパッドとして使用する際には、熱可塑性と形状の記憶は可能な3次元網体片状材料を膝の形状に合わせて作り、硬式膝用サポーターの内面に設置することにより、保護効果がある膝用サポーターの安全パッドが完成する。
本発明の熱可塑性と形状の記憶が可能な3次元網体片状材料は上記の構成を有するので、重量が軽くて通気性に優れているという特性があり、医療器具や副木や安全パッドなどの様々な商品を作ることができる為、利用される分野も広がり、潜在生産能力が高いものである。
本発明に係る熱可塑性と形状の記憶が可能な3次元網体片状材料の一部分を斜めから見た図である。 本発明に係る熱可塑性と形状の記憶が可能な3次元網体片状材料を上から見た図である。 本発明に係る熱可塑性と形状の記憶が可能な3次元網体片状材料の部分断面図である。 本発明に係る熱可塑性と形状の記憶が可能な3次元網体片状材料の拡大部分断面図である。 本発明に係る熱可塑性と形状の記憶が可能な3次元網体片状材料の他の実施例の拡大部分断面図である。 本発明に係る熱可塑性と形状の記憶が可能な3次元網体片状材料から構成される熱可塑性通気副木の使用方法を示す側面図である。 図6の拡大部分断面図である。
10 3次元通気片状材料
12 第一網体
14 第二網体
16 連結網体
161 繊維
20A 熱可塑性被覆材料
21 通気孔
30 熱可塑性通気副木
31 3次元患部形状網体
32 固定部品

Claims (3)

  1. 熱可塑性を持ち合わせ、3次元の織布法(メッシュ・ファブリック)によって構成され、可撓性と通気性を備えた3次元通気片状材料と、この3次元通気片状材料の表面に部分的に或いは全面的に加熱により変形することができるポリマーを被覆させることによって、熱可塑性の温度が3次元通気片状材料の温度より低い熱可塑性被覆材料とを有することを特徴とする熱可塑性と形状の記憶が可能な3次元網体片状材料。
  2. 熱可塑性被覆材料は、ポリ乳酸(PLA)、ポリブチルアクリレート(PBA)、ポリブチレンサクシネート(PBS)、及びポリカブロラクトン(PCL)からなる群から選択されることを特徴とする請求項1に記載の熱可塑性と形状の記憶が可能な3次元網体片状材料。
  3. 熱可塑性と形状記憶可能な3次元網体片状材料の中には、3次元通気片状材料が、熱可塑性のプラスチック繊維からなると共に、織布法(メッシュ・ファブリック)によって構成される一層3次元網片構造或いは多層3次元網片構造の繊維織布であり、この一層3次元網片構造が、第一網体と、第二網体と、該第一網体及び該第二網体を連結する複数の繊維を備える連結網体とを有するものであり、さらに、熱可塑性被覆材料が、少なくとも一種類の付加物を含み、それらの付加物は、有機相或いは無機相であり、無機相には、雲母、粘土、酸化ジルコニウム、銀、カーボンブラック、炭酸カルシウム、及びガラス繊維からなる群から選択されることを特徴とする請求項1又は2に記載の熱可塑性と形状の記憶が可能な3次元網体片状材料。
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