JP2011215416A - 配線構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】クラックからの水分侵入に起因する金属配線端面の腐食防止、あるいは金属配線端面の腐食が生じている場合でも該腐食が液晶表示装置を駆動する液晶表示部分を構成するゲート線等の金属配線にまで到達することを防止する技術を提供する。
【解決手段】基板の上に、複数の金属配線が同一平面上に形成され、金属配線の上に絶縁膜が形成された積層構造を有し、切り出し加工により切断端面が露出している第1の金属配線を有する配線構造であって、
第1の金属配線の線幅をX(μm)、
第1の金属配線の長さをY(μm)としたとき、
(1)若しくは(2)、および/または下記(3)の要件を満足することを特徴とする配線構造。
(1)X≦20μm
(2)X>20μmのときは、Y≧10X−160、
(3)第1の金属配線の切断端面から、第1の金属配線に隣接する第2の金属配線までの間において、第1の金属配線は絶縁膜の存在しない領域Zを有する。
【選択図】なし

Description

本発明は、電子装置などに用いられる配線構造に関し、詳細には金属配線の切断端面からの腐食の進行が抑制された配線構造に関するものである。本発明の配線構造は、例えば、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイなどの液晶表示装置;ULSI(超大規模集積回路)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、ダイオード、薄膜トランジスタ、薄膜トランジスタ基板などの電子装置などに好適に用いられる。以下、本発明の配線構造について、液晶表示装置に基づいて説明するが、本発明の配線構造を液晶表示装置に限定する趣旨ではない。
小型の携帯電話から、30インチを超す大型のテレビに至るまで様々な分野に用いられる液晶表示装置は、薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor、以下「TFT」と呼ぶ。)をスイッチング素子とし、画素電極を構成する透明導電膜(酸化物導電膜)と、ゲート線およびソース−ドレイン配線等の配線部と、アモルファス・シリコン(a−Si)や多結晶シリコン(p−Si)などのSi半導体層を備えたTFT基板と、TFT基板に対して所定の間隔をおいて対向して配置され共通電極を備えた対向基板と、TFT基板と対向基板との間に充填された液晶層と、から構成されている。
こうした液晶表示装置は、一般に、基板加工工程、アレイ工程、カラーフィルター工程、セル工程、モジュール工程を経て製造される。基板加工工程では、大判の基板を切断して数枚の基板(マザーパネル)に切り分け、研磨、洗浄等を行い、その後、前面板、背面板の2つの工程に分けられる。アレイ工程では、スパッタリング等による成膜、フォトリソグラフィ等による回路形成等を行って基板上に薄膜トランジスタを形成するとともに、金属配線や絶縁膜等が形成される。この際、液晶表示部分には金属配線がマトリクス状に形成されると共に、液晶表示部分の外側には金属配線が引き出され(引き出し線)、静電気不良発生防止のためのショートリングに接続されたり、あるいは液晶表示部分の電気的検査のための端子などに接続されている。カラーフィルター工程では、カラーフィルター(赤、青、緑)を基板上に着色し、その後、透明電極(ITO)を成膜する。そしてセル工程ではアレイ工程とカラーフィルター工程で作製したそれぞれの基板を組み合わせて、基板の間に液晶物質を注入する。最後にモジュール工程では、バックライトや駆動用電源等の組み付けを行って、液晶表示装置が完成する。
このような液晶表示装置の製造工程のうち、セル工程では金属配線や絶縁膜などが形成されたマザーパネルを切断し、アレイ基板が切り出される。この際、引き出し線も分断されるため、切断端面または面取り加工端面には金属配線が露出する。また切断手段として例えばダイヤモンドカッターやレーザ等が用いられているが、切断時に冷却水を供給しながら切断することが行われている。さらに切断面の曲面加工のために、研磨処理が行なわれている。そのため、切断部分の基板や絶縁膜に微細なクラックが生じていると、該クラックから冷却水が侵入し、引き出し線が腐食するという問題が生じていた。また冷却水を供給しないドライカットであっても、基板の洗浄時に使用する洗浄水がクラックから侵入し、あるいは基板が高湿度下に晒された場合に大気中の水分がクラックから侵入し、上記と同様の問題が生じていた。特に引き出し線の腐食が進行してゲート線やソース線等、液晶表示部分を構成する金属配線にまで到達すると、動作不良等の配線欠陥の原因となり、液晶表示装置の性能が低下することから、対策が求められていた。
このような問題を解決する方法として、基板を切断した後、該切断部分を樹脂等でコーティングする方法が採用されているが、このようなコーティング工程を付加するためには新たな装置等の導入が必要であり、製造コストが増加するという問題があった。またこの方法では、切断時に既にクラックから侵入している水分を除去することができず、金属配線の腐食を十分に防止できなかった。
また特許文献1には、TFT基板のゲート端子、及びドレイン端子を含む内部の表示領域を、基板周辺の静電保護配線や静電保護素子から切り離す際に、表示領域の切断面から配線腐食が進行しないように、ゲート端子電極、及びドレイン端子電極を大気中において耐腐食性を示す材料により形成することが提案されている。
しかし特許文献1の方法では、大気腐食が生じるゲート端子電極及びドレイン端子電極の材料を変更するというものであり、材料設計方針の転換を余儀なくされるという問題がある。
特開2004−354798号公報
本発明は上記の様な事情に着目してなされたものであって、その目的は、従来のように樹脂コーティングの追加や端子電極の材料変更などの負荷を伴うことなく、基板切断などの切出し加工の際に生じるクラックからの水分侵入に起因する金属配線端面の腐食防止、あるいは金属配線端面の腐食が生じている場合でも該腐食が液晶表示装置を駆動する液晶表示部分を構成するゲート線等の金属配線にまで到達することを防止する技術を提供することである。
上記課題を達成できた本発明の配線構造は、基板の上に、複数の金属配線が同一平面上に形成され、前記金属配線の上に絶縁膜が形成された積層構造を有し、切り出し加工により切断端面が露出している第1の金属配線を有する配線構造であって、前記第1の金属配線の線幅をX(μm)、前記第1の金属配線の長さをY(μm)としたとき、下記(1)若しくは(2)、および/または下記(3)の要件を満足することを特徴とする。
(1)X≦20μm
(2)X>20μmのときは、Y≧10X−160、
(3)前記第1の金属配線の切断端面から、前記第1の金属配線に隣接する第2の金属配線までの間において、前記第1の金属配線は絶縁膜の存在しない領域Zを有する。
本発明では、前記領域Zの金属配線方向の長さは、前記絶縁膜の膜厚よりも同等か長いものも、好ましい実施態様である。
本発明によれば、基板を切断した際に生じるクラックからの水分侵入に起因する金属配線端面の腐食防止、あるいはクラックから進入した水分に起因して金属配線端面の腐食が生じている場合でも、該腐食が液晶表示装置を駆動する液晶表示部分を構成する金属配線に到達することを防止できる。したがって、本発明の配線構造は、金属配線端面の腐食による液晶表示装置の動作不良等の配線欠陥を防止できる。
図1はアレイ基板の配線構造を示す概略見取り図である。 図2は本発明の構成(1)を示す概略斜視図である。 図3は本発明の構成(2)を示す概略斜視図である。 図4Aは本発明の構成(3)を示す概略斜視図である。 図4Bは本発明の構成(3)の他の例を示す概略斜視図である。 図5は実施例1の構成を示す概略見取り図(上図)および概略断面図(下図)である。 図6は実施例2の構成を示す概略見取り図(上図)および概略断面図(下図)である。
本発明において、「金属配線」には、配線のみならず配線を加工した電極も含まれ、例えばフォトリソグラフィ等によって一体的に形成された電極、配線、接続端子や、各種検査用の配線など、各種配線、電極、端子も含む趣旨である。
また「第1の金属配線」とは、基板の切断、面取り加工などの切り出し加工によって、基板切断端面おいて露出する金属配線をいう。以下では第1の金属配線として、引き出し線(液晶表示装置を駆動する液晶表示部分を構成する金属配線以外の配線)を例に説明するが、これに限定する趣旨ではない。
また「第2の金属配線」とは、第1の金属配線以外の金属配線をいう。例えばゲート線、ソース線など、液晶表示部分を構成する金属配線、これら金属配線の接続端子や各種電極(例えばゲートドライバー、ソースドライバー、各種接続パッド)が例示される。この「第2の金属配線」は、上述したように電極であっても良く、その場合は、「第1の金属配線の切断端面から第2の金属配線までの長さY」とは、厳密には、「第1の金属配線の切断端面から、電極(第2の金属配線)との接点までの長さY」を意味する。
また本明細書において、「電気的接触」とは、金属配線同士が交差、あるいは異なる機能を有する金属配線等と接続されることによって、通電可能状態にあることをいう。
また、「切り出し加工」とは、パネル形成前またはパネル形成後に通常実施される切り出し処理を意味し、例えば、金属配線と絶縁膜との積層構造を備えたTFT基板を、所定のサイズ(一画面分または数画面分)に切り出したり(スクライブ、分断、割断などと呼ばれる。)、ショートリングに接続した後に切り出したりすることを意味し、「切断端面」とは、これらの切り出し加工によって形成される金属配線端面を意味する。切り出し加工後に形状修正などの目的で面取加工や研磨加工を行ったときは、これらの加工を行った後の端面を「切断端面」と呼ぶ。
「積層構造」とは、基板上に少なくとも金属配線と絶縁膜が積層している構造であればよく、例えば基板上(直上)に絶縁膜等が積層され、その上に金属配線と絶縁膜が順次積層された積層構造でもよく、あるいは基板上に直接金属配線が積層され、その上に絶縁膜等が積層された積層構造でもよい。また絶縁膜の上には任意の材料が積層されていてもよく、例えば絶縁膜の上には、ITO膜などが形成されていてもよい。
以下、切り出し加工により切断されたTFT基板(アレイ基板)の実施形態を、図1を用いて説明する。図1では引き出し線7が切断された例を示しているが、これに限定する趣旨ではない。
図1に例示されるように液晶表示装置の基板1上には、複数のゲート線2とソース線3が直交するように配置され、マトリクスを形成すると共に、各マトリクス内には、画素電極(画素パターン)と、この画素電極を駆動するための薄膜トランジスタ(TFT:スイッチ素子)4がそれぞれ形成され、TFTのゲート電極はゲート線に、ソース電極はソース線に接続されている(これらをまとめて図中4として示す)。そして各ゲートパッド5から各ゲート線2を介してTFT4にアドレス信号が供給され、各ソースパッド6からは各ソース線3を介してTFT4にデータ信号が供給される。またゲートパッド5、ソースパッド6には、それぞれ引き出し線7が接続され、該引き出し線7を利用して電気的特性の検査用の電気が供給できるように構成されている。なお、ゲートパッド5やソースパッド6に接続される引き出し線7は、図示する電気的特性の検査用配線に限定されず、ゲートドライバー、ソースドライバーなどの液晶表示装置を構成する電極、あるいは製造工程における静電気を防止するためのショートリング等へ接続するための配線であってもよい。またゲート線2、ソース線3、引き出し線7などは後記するように所望の金属からなる配線で構成されている(以下、単に「金属配線」ということがある)。
そして製造過程で金属配線上に絶縁膜等、必要な構成を形成した後、基板1を所望の切断ライン8で切断し、アレイ基板1aが切り出される。図示例では切断ライン8で切断すると、引き出し線(金属配線)7が分断されるため、アレイ基板1aの切断端面には引き出し線7の端面が露出することになる。この切断には、ダイヤモンドカッターやレーザ等が用いられるが、切断部分近傍の基板や絶縁膜には切断によってクラックが生じることがある。このクラックが引き出し線7まで到達していると、切断時に使用した冷却水、あるいは基板を洗浄した際に使用した洗浄水などが、クラックから侵入して引き出し線7と接触し、引き出し線7を腐食させる。更に腐食が引き出し線7を伝って進行して液晶表示部分を構成するゲートパッド5やゲート線2等の金属配線にまで到達すると、腐食による金属配線の断線、抵抗増大などが生じる原因となる。特にクラックに侵入した水分は除去が困難であるため、この水分が金属配線の腐食を進行させる原因となる。
本発明者らは、この腐食が配線を構成する金属の粒界を伝って進行する点に着目し、特に、クラックを起点にして進行する金属配線の腐食防止には、腐食の進行路である粒界の数を少なくすれば腐食の進行が抑えられるという観点から検討を重ねた結果、上記(1)および(2)に到達した。
具体的にはまず、金属配線(詳細には、切断端面が露出している第1の金属配線)の線幅Xについて検討した。その結果、線幅Xが細くなる程、腐食の進行が抑えられることが判明し、上記(1)に到達した。
更に第1の金属配線の線幅Xについて詳細に検討したところ、線幅Xによって腐食の進行度合い(腐食が生じた第1の金属配線の長さ)が異なることが判明した。すなわち、線幅Xが上記(1)の上限を外れて20μmより大きくなっても、線幅Xによって腐食の進行度合いが異なることから、腐食が生じる第1の金属配線の長さを超えて、第1の金属配線の切断端面から第2の金属配線との接点まで第1の金属配線の長さYを制御すれば第2の金属配線の腐食が防止でき、腐食防止に有効な長さYは、第1の金属配線の線幅Xとの関係で整理できることを突き止め、上記(2)に到達した。
一方、絶縁膜に生じたクラックを起点にして進行する金属配線切断端面腐食の防止には、第1の金属配線上に、腐食の伝播をストップする領域を設けることが有効であることも判明した。第1の金属配線の上(直上)には絶縁膜が形成されていることから、第1の金属配線に、絶縁膜の存在しない領域Z(絶縁膜除去部分)を設ければ良いことが判明し、上記(3)に到達した。具体的には、領域Zの金属配線方向の長さは、絶縁膜の膜厚よりも同等か長くすれば、上記の端面腐食を抑制できることが判明した。上記(1)または(2)は、第1の金属配線の線幅Xとの関係で導き出されたものであるのに対し、上記(3)は、絶縁膜との関係(詳細には、絶縁膜不存在領域)との関係で導き出されたものである。
本発明で規定する上記(1)〜(3)の要件は、表示装置に用いられる金属材料のなかでも最も腐食し易いAl基合金(純AlまたはAl合金)を用い、且つ、腐食が最も発生し易い環境下で切り出し加工を行ったときの実験結果に基づいて決定されたものである。すなわち、上記(1)〜(3)の要件は、最も苛酷な腐食環境下で実験を行なったときに導き出されたものであるため、本発明は、Al基合金以外の金属配線を用いた配線構造や、上記以外の環境下で切り出し加工を行なったときに得られる切断端面を有する配線構造にも適用可能である。
よって特許文献1のように材料側からのアプローチに依らずに金属配線端面腐食を防止するには、上記(1)〜(3)の構成にすることが有効である。
本発明は、基板の上(直接または絶縁膜を介しても良い)に、金属配線と絶縁膜との積層構造を有する配線構造を有する配線構造であって、切り出し加工により切断端面が露出している第1の金属配線を有する配線構造を対象とするものであり、このような配線構造であれば、上記(1)〜(3)の構成を満足させることによって切断端面の腐食を効果的に防止することができる。本発明で対象とする第1の金属配線は、一般的に配線厚さがおおむね、50nm〜500nm、線幅がおおむね、5μm〜100μm、長さがおおむね100μm以上のものである。また、第1の金属配線上に形成される絶縁膜の膜厚はおおむね、200nm〜700nmであるが、本発明の上記(1)〜(3)の構成によってこれらの値を適宜変更できる。
以下、上記(1)〜(3)の要件について図2〜4を参照にしながら詳述する。図2は本発明の上記(1)を示す概略斜視図である。図3は本発明の上記(2)を示す概略斜視図である。図4A、図4Bは本発明の上記(3)を示す概略斜視図である。
なお、図示例2〜4は図1で示す基板1上の切断ライン8で切り出されたアレイ基板1a切断部分近傍に存在する金属配線(図中では引き出し線7)と、該金属配線を被覆するように形成された絶縁膜9が積層されたアレイ基板1aの一部分を拡大した概略斜視図であるが、本発明はもとより図示例に限定される訳ではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
(1)第1の金属配線の線幅Xが20μm以下
本発明者が切断端面から進行する第1の金属配線の腐食について検討した結果、第1の金属配線の線幅Xを細くすることによって、腐食の進行を著しく抑えることができることがわかった。すなわち、第1の金属配線の腐食は配線を構成する金属の粒界を伝って進行するが、第1の金属配線の線幅Xを細くすると、腐食の進行路である粒界の数が減少するため、腐食の進行が抑えられると考えられる。このような効果を得るには、第1の金属配線幅Xを20μm以下とする必要がある。第1の金属配線の線幅Xを20μm以下とすれば、腐食の進行を抑制できるため、腐食が液晶表示部分を構成する第2の金属配線(例えば図1に示すゲートパッド5やソースパッド6)にまで進行した場合に生じる動作不良等の配線欠陥を生じる恐れがない。第1の金属配線の線幅Xを細くすればするほど、第1の金属配線の腐食の進行が抑制されるため、第1の金属配線の線幅Xの下限については特に限定されないが、第1の金属配線の線幅Xを細くし過ぎると、例えば基板切断前に第1の金属配線から通電して液晶表示部分の電気的検査を行う際に、入力側の電圧が高くなりすぎるなどの障害が生じる恐れがある。このような場合は線幅Xを細くした第1の金属配線を複数本設置し、必要な電圧を確保できるようにすることが好ましい。例えば、第1の金属配線として合計45μmの線幅が必要な場合は、図2に示すように引き出し線7(第1の金属配線)の線幅Xを15μmとした配線を3本設ければよい。これにより第1の金属配線の端面腐食防止と必要な電圧確保の両方を達成できる。このような観点から、第1の金属配線の線幅は20μm以下、好ましくは18μm以下、より好ましくは15μm以下である。またウェットエッチ加工性と電気抵抗の観点から、金属配線の線幅は好ましくは5μm以上である。
なお、第1の金属配線の長さは特に限定されず、通常の基板切断・面取加工でアレイ基板側に残存する引き出し線7の長さ(切断端面から第2の金属配線までの長さ)であれば、液晶表示部分を構成する第2の金属配線に腐食が到達することを抑制できる。もっとも第1の金属配線の線幅を20μm以下とすることによって、第1の金属配線の長さは好ましくは少なくとも50μm以上、より好ましくは少なくとも100μm以上であればよく、このような第1の金属配線の長さがあれば、第2の金属配線に腐食が到達することを抑制できるので、液晶表示部分を構成する配線構造以外の面積を小さくでき、基板を有効活用できる。
(2)Y≧10X−160 (但し、X>20μm)
(式中、Yは第1の金属配線の長さ(μm)、Xは第1の金属配線の線幅(μm))
本発明者が第1の金属配線の線幅Xと第1の金属配線の腐食の進行との関係につて調べた結果、第1の金属配線の腐食は、第1の金属配線の線幅Xによって腐食の進行度合い(腐食が生じた第1の金属配線の長さ)が異なることが分かった。そして第1の金属配線の線幅Xが20μmを超える場合の第1の金属配線の腐食の進行は、10X−160(Xは第1の金属配線の線幅X(μm))で算出される値を超えることがなく、図3に示すように第1の金属配線の切断端面(切断端面側)から該金属配線が第2の金属配線(図示例ではゲートパッド5)と電気的接触をする地点までの第1の金属配線の長さY(μm)を10X−160で算出される値よりも長くすることによって、第1の金属配線の腐食が、該電気的接触地点に到達するのを防ぐことができる。第1の金属配線の長さを少なくとも10X―160とすれば、第2の金属配線に腐食が到達することを抑制できるので、液晶表示部分を構成する配線構造以外の面積を小さくでき、基板を有効活用できる。
第1の金属配線の線幅Xの上限は特に限定されず、通常の特性検査用に形成される金属配線の線幅であれば、上記式から算出される値以上の引き出し線の長さにすることによって、液晶表示部分を構成する金属配線に腐食が到達することを防ぐことができる。第1の金属配線の線幅Xは好ましくは80μm以下、より好ましくは50μm以下である。
(3)第1の金属配線は、絶縁膜の存在しない領域Zを有する。
第1の金属配線上の絶縁膜の一部を除去し、第1の金属配線上に絶縁膜の存在しない領域Zを形成することによっても、クラックに起因する第1の金属配線の腐食の進行を防止できる。
すなわち、クラックに起因する第1の金属配線の腐食の進行は、上記のとおり配線を構成する金属の粒界を伝って進行するが、その際、腐食した金属配線の体積が膨張し、それに伴って絶縁膜と金属配線の間に隙間が形成され、該隙間に水分が侵入して金属配線が腐食すると共に、更に該隙間が伝播することによって腐食進行が増長されるものと考えられる。そこで、第1の金属配線上の絶縁膜の一部を除去し、絶縁膜の存在しない領域Zを形成しておけば、この領域Zによって上記隙間の伝播が防止できるため、該領域Zで金属配線の腐食の進行を防ぐことができる。
絶縁膜の存在しない領域Zは、第1の金属配線上の任意の箇所、すなわち第1の金属配線の切断端面から該金属配線が第2の金属配線と電気的接触をする地点までの間であれば、特に限定されない。例えば図4Aに示すように切断箇所(図1中切断ライン8)に接している部分の絶縁膜であってもよく、あるいは図4Bに示すように第1の金属配線の切断端面から第2の金属配線と電気的接触地点までの中間地点など、第1の金属配線の任意の箇所において該金属配線上の絶縁膜の一部を除去して、絶縁膜の存在しない領域Zを設ければよい。また金属配線上に絶縁膜が存在しない領域Zは1ヶ所に限らず、2箇所以上存在していてもよい。
また図4Aに示すように、切断ライン8に接しているアレイ基板1の絶縁膜を基板の切断に先立って予め除去し、引き出し線7上に絶縁膜の存在しない領域Zを形成しておけば、切断時にダイヤモンドカッターやレーザ等が絶縁膜と直接接触しないため、絶縁膜にクラックが生じるのを防止できるため、上記クラックに起因する腐食を防止できる。この際の絶縁膜の存在しない領域Zの長さは、切断時にカッターやレーザ等が絶縁膜と接触しない程度とすればよい。
絶縁膜の存在しない領域Zの長さ(金属配線の長さ方向)や幅(金属配線幅方向)は特に限定されないが、絶縁膜の存在しない領域Zの形成による上記効果を得る上で好ましいのは、絶縁膜の存在しない領域Zの長さを、除去する絶縁膜の膜厚と同等か長くすることである。なお、ここで絶縁膜の膜厚とは、第1の金属配線上に形成されている絶縁膜の膜厚である(図4Aを参照)。
このように領域Zの長さを絶縁膜の膜厚(膜厚方向の長さ)以上の長さとすることが好ましいのは、領域Zに侵入した水分の除去が容易になるからである。すなわち、図4Bに示すように、引き出し線7の切断端面から第2の金属配線と電気的接触地点までの任意の箇所で、絶縁膜の存在しない領域Zを設けた場合、該除去部分に冷却水や洗浄液等の水分が入り込むことがある。この際に、絶縁膜の膜厚が厚く、絶縁膜の存在しない領域Zの長さが十分でない場合(領域Zの長さよりも絶縁膜の厚み方向の長さの方が長い場合)、領域Zに入り込んだ水分が除去されずに残存し、上記クラックと同様に第1の金属配線の腐食原因となることがある。一方、絶縁膜の存在しない領域Zの長さを、絶縁膜の膜厚以上の長さとすれば、入り込んだ水分は自然に流出するか、あるいは乾燥によって蒸発するなど、容易に除去されるため、領域Zに侵入した水分が第1の金属配線の腐食原因となることはなく、また絶縁膜の存在しない領域Zを超えて金属配線の腐食が進行することはない。
第1の金属配線の上に形成される絶縁膜の膜厚は、要求される特性に応じた膜厚とすればよく、特に限定されないが、好ましくは200nm以上、より好ましくは300nm以上、好ましくは700nm以下、より好ましくは650nm以下である。また絶縁膜の存在しない領域Zの幅は、少なくとも絶縁膜を除去する部分の第1の金属配線の幅Xと同じとすることが好ましい。
また第1の金属配線の長さ、線幅は特に限定されず、上記第1の金属配線上に絶縁膜の存在しない領域が設けられる程度の長さとすればよい。第1の金属配線上に絶縁膜の存在しない領域Zを設ける場合、上記のように領域Zを超えて腐食が進行しないため、第1の金属配線の線幅が20μmを超える幅であっても、上記(2)で算出される値よりも第1の金属配線の長さを短くできる。そのため、液晶表示部分を構成する配線構造以外の面積を小さくでき、基板を有効活用できる。
上記(1)〜(3)の組み合わせについては特に限定されず、例えば(1)と(3)、または(2)と(3)の構成、あるいは(1)〜(3)のいずれかの構成としてもよい。
本発明の配線構造は上記構成を有する構造であれば、腐食防止効果を発現できるため、配線構造の他の構成については特に限定されない。
以下、本発明に係る配線構造の製造方法について、上記説明したアレイ基板の製造方法と共に説明するが、上記配線構造を備えたアレイ基板を製造するにあたっては、下記製造方法に限定されず、アレイ基板の一般的な工程を採用すればよい。
まず大判の基板を所望のサイズの基板(マザーパネル)に切り分け、適宜洗浄等を行う。そして基板に、スパッタリングなどの手法で所望の膜厚の金属配線膜を形成する。
基板の種類としては特に限定されず、公知の材料を用いればよいが、ガラス(無アルカリガラス、アルカリガラスなど)や、シリコンが例示される。これらの中でも安価で大型の基板を作成できるガラス基板が好ましい。
また金属配線となる金属配線膜の種類としては特に限定されず、表示装置に通常用いられる公知の材料を用いればよいが、低電気抵抗の観点から例えば純Al(Alの含有量がおおむね、99at%以上のもの)やAl基合金(合金元素として例えば、Al−Nd、Al−Ni−La、Al−Ni−Cu−La、Al−Ni−Ge−Ndなど)、純Cu(Cuの含有量がおおむね、99%以上のもの)やCu基合金(合金元素として例えばCu−Mn、Cu−Zn、Cu−Ni、Cu−Ca、Cu−Mg、Cu−Alなど)が好ましい。
更に金属配線膜は、複数の金属配線膜を積層させた構造としてもよく、純AlとAl基合金の積層構造や、純CuとCu基合金の積層構造などが例示される。
また金属配線膜の厚さは、必要とされるTFT特性などに応じて適宜調整することができるが、概ね、10nm〜1μmであることが好ましく、より好ましくは30nm〜800nm、更に好ましくは50nm〜600nmである。
このような金属配線膜は、フォトリソグラフィ技術を用いてレジスト膜をパターニングし、レジストをマスクとして金属配線膜をエッチングすることにより、例えば図1に示すようなゲート電極、ゲート線2、ゲートパッド5、引き出し線7などの金属配線とする。この際、引き出し線7の線幅を20μm以下とするか(上記構成(1))、あるいは引き出し線7の線幅Xが20μmを超える場合は、Y≧10X−160(上記構成(2))を満足するように予め設計しておくことが望ましい。なお、引き出し線の線幅を細くする場合は、負荷される電圧などを考慮し、図2に示すように引き出し線7を複数本設けてもよい。
次いで例えばプラズマCVD法等によってゲート絶縁膜(例えば窒化シリコン膜:SiNx)を形成する。続いて、ゲート絶縁膜をパターニングし、チャネル保護膜を形成する。更にその上に、膜厚150nm程度の水素化アモルファスシリコン膜(a-Si:H)と、膜厚50nm程度のPをドーピングしたn+型水素化アモルファスシリコン膜(n+a−Si:H)を成膜する。次いでn+型水素化アモルファスシリコン膜をエッチングしてパターニングすることによって、スイッチング素子(薄膜トランジスタ)を形成する。
そして、スパッタリング法などにより金属配線膜を成膜し、この金属配線膜をウエットエッチング等でパターニングすることにより、図1に示すソース線1と一体のソース電極と、ITO透明導電膜にコンタクトするドレイン電極を形成する。更にチャネル保護膜(SiNx)上のn+型水素化アモルファスシリコン膜(n+a−Si:H)をエッチングにより除去する。
次いでプラズマCVD装置で絶縁膜を成膜する。形成される絶縁膜は特に限定されず、通常用いられるもの、例えば、窒化シリコン、酸化シリコン、酸窒化シリコンなどが挙げられる。ただし、酸化物半導体の特性を有効に発揮させるという観点からすれば、酸性雰囲気下で成膜が可能な酸化シリコンや酸窒化シリコンの使用が好ましい。詳細には、上記絶縁膜は、酸化シリコンのみから構成されている必要は必ずしもなく、酸化物半導体の特性を有効に発揮させる程度の酸素を少なくとも含む絶縁性の膜であればよい。例えば、酸化シリコンの表面のみが窒化されたものや、Siの表面のみが酸化されたものなどを用いてもよい。絶縁膜の厚さは、特に限定されず、要求される特性に応じた厚みとすればよいが、おおむね、200nm以上700nm以下であることが好ましい。
なお、金属配線上の絶縁膜について、図4Aや図4Bに示すように絶縁膜のない領域Zを設けるには(上記構成(3))、所望の箇所でエッチングを行うことが望ましい。この際、ウエットエッチングで行うと絶縁膜と共に金属配線もエッチングされることがあるため、好ましくはドライエッチングを行うことが望ましい。またドライエッチングを行う場合、通常行われているコンタクトホールを形成する装置を利用できるため、新たな装置を設置する必要がない。
最後に例えば150nm程度のITO透明導電膜(例えばアモルファスITO)をスパッタ法により成膜し、ウエットエッチングによるパターニングを行って画素電極5を形成すると、複数の金属配線が同一平面上に形成され、金属配線の上に絶縁膜が形成された積層構造を有する配線構造を備えた基板が得られる。このような基板を所望の切断手段(例えばダイアモンドカッターやレーザ等)で切り出すことによって、アレイ基板が完成する。
なお、このようなアレイ基板を用いて液晶表示装置を形成する場合は、公知の製造方法によればよく、その他の構成についても特に限定されない。液晶表示装置の概略としては、例えば上記アレイ基板と、別途、公知の製造方法で作成され対向基板とを公知の方法で張り合わせると共に、変更調層として機能する公知の材料からなる液晶をこれら張り合わせた基板の間に封入した後、バックライトやドライバICなど液晶表示装置として必要な部品等を取り付けることによって、液晶表示装置とすることができる。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
本実施例では表示装置に用いられる金属材料のなかでも最も腐食し易いAl基合金(純AlまたはAl合金)を用い、且つ、通常の冷却水や洗浄水よりも腐食が発生し易い水酸化ナトリウム水溶液を用いて腐食の進行について調べた。
(実施例1)
本実施例では、上記(1)及び(2)について以下の方法で検討した。
ガラス基板(無アルカリ硝子板:板厚0.7mm:直径4インチサイズ)上に表1に示す組成の金属配線膜(膜厚300nm)を成膜した。
なお、スパッタリング装置として島津製作所製の商品名「HSM−552」を使用し、DCマグネトロンスパッタリング法[背圧:0.27×10−3Pa以下、雰囲気ガス:Ar、Arガス圧:2mTorr、Arガス流量:30sccm、スパッタパワー:DC260W、極間距離:50.4mm、基板温度:25℃(室温)]によって、基板上に表1に示す純Al膜、またはAl合金膜を成膜した(以下、これらをまとめて「Al(合金)膜」ということがある)。
純Al膜の形成には、純Alをスパッタリングターゲットに用いた。また、各種合金成分のAl合金膜の形成には、真空溶解法で作成したスパッタリングターゲットを用いた。
上記のようにして成膜されたAl(合金)膜の組成は、ICP発光分光分析装置(島津製作所製のICP発光分光分析装置「ICP−8000型」)を用い、定量分析して確認した。
次いでフォトリソグラフィ技術を用いてレジスト膜をパターニングし、レジストをマスクとして上記Al(合金)膜(線幅Xは表1に示すように10〜50μmの間で変化させた。)をエッチングすることにより、500本のAl(合金)配線を形成した(各配線の線幅Xは同じである)。
次いでCVD装置にて膜厚300nmの窒化シリコン膜(SiNx)を形成し、試料を作成した。なお、この窒化シリコン膜は、SiH,NHを原料としたプラズマCVDを行うことによって形成した。プラズマCVDの成膜温度は270℃、及び320℃とした。
続いて、試料をダイヤモンドカッターで切断して基板上にAl(合金)配線、及び絶縁膜の積層構造が形成された配線構造とした。この配線構造全体を1質量%の塩化ナトリウム水溶液に60時間浸漬させた後、腐食について評価した。
腐食の評価は、金属配線を光学顕微鏡で観察し金属配線切断端面(浸漬側)からの腐食長さ(腐食進行長さ)を光学顕微鏡で観察し、金属配線の切断端面からの腐食長さ(腐食進行長さ)を測定し(図5)、腐食長さの最も長いAl(合金)配線について、表1にその長さを記載した。なお、腐食した箇所は水酸化Alとなっており、また色は光沢を失った黒色に変色していた。
表1に、No.1〜4の各種金属配線を用い、各金属配線の線幅Xを10〜50μmの範囲で変化させたときにおける金属配線切断端面からの腐食進行長さを示す。
(実施例2)
本実施例では、上記(3)について検討した。
実施例1と同様に、ガラス基板(無アルカリ硝子板:板厚0.7mm:直径4インチサイズ)上に純Alの金属配線膜(膜厚300nm)を成膜した。
次いでフォトリソグラフィ技術を用いてレジスト膜をパターニングし、レジストをマスクとして純Al膜(線幅X80μm)をエッチングすることにより、第1の金属配線を形成した。次いでCVD装置にて表2に示す膜厚の窒化シリコン膜(SiNx)を形成した。続いてフォトリソグラフィ技術、RIE(Reactive Ion Etching)装置を用いて窒化シリコン膜の一部をドライエッチングして図6に示す様に除去し、絶縁膜のない領域Zを形成した。その後、ITO膜を成膜し、リソグラフィー技術を用いてパターニングし、ウエットエッチングにてITO膜パターンを形成し、試料を作製した。
なお、窒化シリコン膜のエッチングによりAl配線が露出している部分(絶縁膜のない領域Z)の長さYは表2に示すように適宜変更した。
続いて、試料をダイヤモンドカッターで切断して基板上に純Al配線及び絶縁膜の積層構造が形成された配線構造を作製した。この配線構造全体を1質量%の塩化ナトリウム水溶液に60時間浸漬させた後、腐食について評価した。結果を表2に示す。
(判定基準)
○:絶縁膜のない領域Zを超えてITO膜側に腐食が進行しなかった。
×:絶縁膜がない領域Zを超えてITO膜側に腐食が進行した。
表1より以下のように考察できる。
金属配線の線幅Xが10μmから50μmへと太くなるにつれ、腐食進行長さも長くなり、この傾向は、金属配線の組成に関わらず見られた。すなわち、金属配線の線幅Xは、金属配線の切断端面からの腐食と密接に関連しており、線幅Xを細くすれば切断端面腐食を防止できることが分かる。また、切断端面腐食を防止するには、金属配線の長さを、腐食進行長さを超えたものとすれば良いことも分かる。
具体的に、まず、金属配線の線幅Xが10〜20μmの場合について考察する。
金属配線の線幅Xを10μmにすると、金属配線の組成にかかわらず腐食は全く生じなかった。すなわち、金属配線の線幅Xを細くすることにより、金属配線の長さにかかわらず切断端面腐食を防止できることが分かる。
次に、金属配線の線幅Xを20μmにすると、長さ17〜20μmの腐食が発生した。しかしながら、金属配線の長さを通常よりも短く設定した場合(例えば50μm)であっても、この程度の腐食であれば、第2の金属配線に腐食が到達して金属配線が脱落することもなく、表示装置に悪影響を及ぼさないと考えられる。
以上の実験結果より、本発明では上記要件(1)を決定した。
次に、金属配線の線幅Xが30〜50μmの場合について考察する。
表1より、金属配線の線幅X=30μmでは長さ124〜130μmの腐食が発生し、線幅X=40μmでは長さ188〜197μmの腐食が発生し、線幅X=50μmでは長さ318〜328μmの腐食が発生した。このように腐食進行長さは金属配線の線幅Xと密接に関連していることが分かる。そして上記(2)を満足するように金属配線の長さYを制御すれば、表1に記載の腐食進行長さを超えるようになるため、たとえ切断端面腐食が進行しても、腐食が進行しない部分が残存するようになり、腐食による悪影響を抑えることができる。
例えば線幅X=30μmの場合、上記式(2)によれば長さY≧140μmとなるが、表1より、いずれの金属配線を用いても腐食進行長さが140μm以下になるため、腐食による悪影響を防止することができる。
同様に線幅X=40μmの場合、上記式(2)によれば長さY≧240μmであり、線幅X=50μmの場合、上記式(2)によれば長さY≧340μmであり、いずれの場合も、表1より、腐食進行長さは上記下限以下になるため、腐食による悪影響を抑えられる。
以上の実験結果より、本発明では上記要件(2)を決定した。
表2より以下のように考察できる。
絶縁膜のない領域Zの長さを絶縁膜の膜厚と同等かそれ以上に長くすると、腐食の進行が抑制できた。一方、絶縁膜のない領域Zの長さを絶縁膜の膜厚よりも短いと、第1の金属配線の腐食は絶縁膜のない領域Zを超えて、第2の金属配線側に進行した。
なお、本実施例では、金属配線上に絶縁膜が存在しない領域Zが1ヶ所ある例を示しているが、これに限定されず、領域Zは、2箇所以上存在していても良い。すなわち、上記(3)に規定する領域Zの長さは合計長さであり、領域Zを2箇所以上有する金属配線を備えた配線構造も、本発明の範囲内に包含される。
1 基板(マザーパネル)
1a アレイ基板
2 ゲート線
3 ソース線
4 TFT
5 ゲートパッド(第2の金属配線)
6 ソースパッド(第2の金属配線)
7 引き出し線(第1の金属配線)
8 切断ライン
9 絶縁膜
Z 絶縁膜のない領域

Claims (2)

  1. 基板の上に、複数の金属配線が同一平面上に形成され、前記金属配線の上に絶縁膜が形成された積層構造を有し、切り出し加工により切断端面が露出している第1の金属配線を有する配線構造であって、
    前記第1の金属配線の線幅をX(μm)、
    前記第1の金属配線の長さをY(μm)としたとき、
    下記(1)若しくは(2)、および/または下記(3)の要件を満足することを特徴とする配線構造。
    (1)X≦20μm
    (2)X>20μmのときは、Y≧10X−160、
    (3)前記第1の金属配線の切断端面から、前記第1の金属配線に隣接する第2の金属配線までの間において、前記第1の金属配線は絶縁膜の存在しない領域Zを有する。
  2. 前記領域Zの金属配線方向の長さは、前記絶縁膜の膜厚よりも同等か長いものである請求項1に記載の配線構造。
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