JP2011215398A - 画像表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】光源及び走査部の起動処理を行う起動モード時において、低速走査素子の消費電力や発熱等を低減することができる光走査型の画像表示装置を提供すること。
【解決手段】起動モード時に、低速走査素子のミラー部301を、有効走査範囲Ya及び無効走査範囲yBを含む範囲で揺動させ、低速走査素子の走査位置が無効走査範囲Yb内にあるときに、光源の出射特性を検出し、かつ高速走査素子のミラー部201を共振状態で所定範囲で揺動させる処理を行う。
【選択図】図7

Description

本発明は、画像表示装置に関し、さらに詳細には、光走査素子を駆動して光源から出射させた画像信号に応じた強度の光束を2次元的に走査して画像を表示する画像表示装置に関する。
従来より、画像信号に応じた強度の光束を、利用者の少なくとも一方の網膜上で走査することにより画像を表示する網膜走査型画像表示装置や、スクリーン上に画像信号に応じた強度の光束を走査して画像を表示するスクリーン走査型画像表示装置などの画像表示装置が知られている。
例えば、下記特許文献1に記載の画像表示装置では、反射面が形成されたミラー部を相対的に高速で揺動可能な光走査素子(以下、高速走査素子という)と、同じく反射面が形成されたミラー部を相対的に低速で揺動可能な光走査素子(以下、低速走査素子という)とにより光束を走査して画像を表示する。すなわち、画像信号に応じた強度で光源から出射された光束を、高速走査素子のミラー部を揺動させて第1方向に走査し、さらに低速走査素子のミラー部を鋸歯波状、三角波状又は台形波状に揺動させて光束を第2方向へ走査して、画像を表示する。なお、第1方向は例えば水平方向であり、第2方向は例えば垂直方向である。
特開2006−276396号公報
上述した走査型の画像表示装置では、画像信号に応じた強度の光束を光源から出射し、この光束を走査部で走査して画像を形成する。そのため、光源から前記光束を出射する前に、予め走査部を動作させておく必要がある。
しかし、高速走査素子が、ミラー部を共振により揺動させる光走査素子である場合、温度や個体差などにより共振周波数などの特性が変動する。そのため、ミラー部を共振により所定の振幅で安定して揺動するまでに時間がかかる。
高速走査素子の揺動状態は、例えば、光源から出射された検査用光束を高速走査素子で走査させ、この走査した検査用光束を光検出器で検出することで行うことができる。このとき、検査用光束が外部に出射されないようにすることが望ましい。そのため、従来の画像表示装置では、低速走査素子の走査位置を無効走査領域に移動させた後に、高速走査素子を駆動し、光源から検査用光束を出射させてその揺動状態を検出するようにしている。
同様に、光源も温度や劣化等によって光源の出射特性(入力する駆動信号のレベルと出射する光束の強度との関係)が変化することから、光源の入出力特性を予め知っておく必要がある。そのため、従来の画像表示装置では、この光源の出射特性を検出するために、高速走査素子の場合と同様に、低速走査素子の走査位置を無効走査範囲内に移動させている。
このように、従来の画像表示装置では、低速走査素子の走査位置を無効走査範囲内に移動させた後、高速走査素子の揺動位置や光源の入出力特性の検出が終了するまで、低速走査素子の走査位置を無効走査範囲内に維持する。
しかしながら、低速走査素子の走査位置が無効走査範囲にあるときには、低速走査素子のミラー部の角度が最も大きいため、低速走査素子の走査位置を無効走査範囲にしようとすると、低速走査素子に供給する電流も大きくしなければならない。従って、光源の出射特性検出処理や高速走査素子の共振揺動処理を行う際に、低速走査素子の走査位置を無効走査範囲内に維持すると、低速走査素子において継続して大きな電力を消費してしまうことになる。例えば、低速走査素子を電磁駆動方式の光走査素子とした場合、最も大電流が流れる位置で長時間維持することになり、図12に示すように、画像信号に応じた強度で光束を走査する際の交流(鋸波形)駆動時と比べて、低速走査素子において継続して大きな電力を消費してしまうだけでなく、電磁駆動方式の光走査素子固有の巻き線コイルにより発生する熱も無視できないものとなる。
そのため、許容損失の小さな低速走査素子では、許容損失の絶対最大定格を超えてしまう場合がある。また、許容損失の絶対最大定格を超えない場合であっても、省電力や発熱等の点で課題があった。
このように、従来の画像表示装置においては、光源及び走査部の起動処理を行う起動モード時において、低速走査素子における消費電力や発熱等に課題があった。
本発明は、上述したような課題に鑑みてなされたものであり、光源及び走査部の起動処理を行う起動モード時において、低速走査素子の消費電力や発熱等を低減することができる光走査型の画像表示装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、画像信号に応じた強度の光束を出射する光源と、反射面を有するミラー部を揺動して前記光源から出射された光束を第1方向に相対的に高速に走査する共振型の高速走査素子と、反射面を有するミラー部を揺動して前記高速走査素子により走査された光束を前記第1方向と略直交する第2方向に相対的に低速に走査する電磁駆動式の低速走査素子とを有する走査部と、前記光源、前記走査部の起動処理を行う起動モードを実行した後に、画像信号に応じた強度の光束を前記光源から出射させ、当該光束を前記高速走査素子及び前記低速走査素子によって走査させて画像を形成する画像表示モードを実行する制御部と、前記高速走査素子及び前記低速走査素子による走査範囲のうち前記画像信号に応じた強度の光束を走査する有効走査範囲外の無効走査範囲で走査された光束を遮光する遮光部と、を備え、前記制御部は、前記起動モード時において、前記低速走査素子のミラー部を、前記有効走査範囲と前記無効走査範囲とを含む範囲で揺動させる第1ステップと、前記低速走査素子の走査位置が前記無効走査範囲にあるときに前記光源から出射させた光束により、前記光源の出射特性を検出する第2ステップと、前記高速走査素子のミラー部の揺動を開始させ、前記低速走査素子の走査位置が前記無効走査範囲にあるときに前記光源から出射させた光束により、前記高速走査素子のミラー部が共振状態かつ所定範囲で揺動するように制御する第3ステップと、を実行することを特徴とする。
また、請求項2に係る発明は、請求項1に記載の画像表示装置において、前記制御部は、前記第1ステップにおいて前記低速走査素子の走査位置が最初に前記無効走査範囲になる前に前記第3ステップでの前記高速走査素子のミラー部の揺動を開始させることを特徴とする。
また、請求項3に係る発明は、請求項2記載の画像表示装置において、前記制御部は、前記第1ステップにおいて前記低速走査素子の走査位置が最初に前記無効走査範囲になったときに、前記光源を制御して、前記第2ステップでの前記光束の出射と前記第3ステップでの前記光束の出射とを開始させることを特徴とする。
また、請求項4に係る発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像表示装置において、前記制御部は、前記起動モード時において、前記第2及び第3ステップの後に、前記高速走査素子のミラー部の揺動に同期させて、前記低速走査素子のミラー部を揺動させる第4ステップを実行することを特徴とする。
また、請求項5に係る発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像表示装置において、前記制御部は、前記起動モード時に、前記低速走査素子のミラー部を正弦波状に揺動させることを特徴とする。
また、請求項6に係る発明は、請求項5に記載の画像表示装置において、前記制御部は、前記正弦波状よりも緩やかに変化する波形状に前記低速走査素子のミラー部の揺動を開始した後に、前記低速走査素子のミラー部を正弦波状に揺動させることを特徴とする。
また、請求項7に係る発明は、請求項1〜6のいずれか1項に記載の画像表示装置において、前記高速走査素子及び前記低速走査素子により前記有効走査範囲で走査された光束を利用者の眼に入射させて、前記利用者の網膜上に画像信号に応じた画像を投影することを特徴とする。
本発明によれば、起動モード時に、低速走査素子のミラー部を、有効走査範囲及び無効走査範囲を含む範囲で揺動させ、低速走査素子の走査位置が無効走査範囲内にあるときに、光源の出射特性を検出し、かつ高速走査素子のミラー部を共振状態で所定範囲で揺動させる処理を行う。そのため、低速走査素子のミラー部を無効走査範囲内に維持したまま、これらの処理を行う場合に比べて低速走査素子の消費電力や発熱等を低減することができる。
本実施形態に係るRSDの外観を示す図である。 本実施形態に係るRSDの電気的構成及び光学的構成を示した説明図である。 高速走査素子の構成を示す図である。 低速走査素子の構成を示す図である。 走査部による光束の走査の状態を示した説明図である。 画像表示装置の起動時の処理の流れを示す図である。 画像表示装置の起動時の処理の流れを示す図である。 図1の低速駆動信号生成器の構成を示す図である。 初期動作用の低速駆動信号の波形の例を示す図である。 初期動作用の低速駆動信号の波形の例を示す図である。 低速走査部のミラー部の共振時の波形の例を示す図である。 従来技術を示す説明図である。
以下に、本発明に好適な実施形態について図面に基づいて説明する。なお、以下の説明では、画像信号に応じた強度の光束を走査部により走査して、利用者の少なくとも一方の網膜に画像を投影し、画像を表示する網膜走査型画像表示装置(以下、RSDという)を例に挙げて説明する。なお、本発明は、RSDに限定されるものではなく、光束を走査して画像を表示する他の画像表示装置に対して適用することができる。
[1.RSDの外観]
図1に示すように、本実施形態に係るRSD1は、頭部に装着して使用するヘッドマウントディスプレイであり、コントロールユニット2、頭部装着具5を有している。コントロールユニット2と頭部装着具5とは伝送ケーブル部4を介して接続されている。伝送ケーブル部4は、コントロールユニット2から出射されたレーザ光を伝送する光ファイバケーブル40(図2参照)を有する。また、この伝送ケーブル部4には、後述の投影部6に備えられる走査部50とコントロールユニット2に備えられる後述の光源20との間で同期をとるための信号(高速駆動信号16及び低速駆動信号17)を伝送する駆動信号伝送用ケーブルも有する。
コントロールユニット2は、外部入力端子7から入力した画像信号Sに応じた強度のレーザ光(以下、画像形成用のレーザ光という)を伝送ケーブル部4へ出射する。
頭部装着具5は、投影部6と、この投影部6を支持する眼鏡型フレーム9とから構成される。投影部6は、伝送ケーブル部4の光ファイバケーブル40を介して伝送されてきたレーザ光を走査部により2次元方向に走査し、利用者の眼へ投射する。これにより、利用者の眼の網膜には、2次元方向に走査された画像が投影され、利用者は画像信号Sに応じた画像を視認する。
また、投影部6には、利用者の眼101と対向する位置にハーフミラー8が設けられている。外光L1はハーフミラー8を透過して利用者の眼101に入射され、投影部6から出射されるレーザ光L2はハーフミラー8で反射して利用者の眼101に入射される。これにより、利用者は外光L1による外景にレーザ光L2による画像を重ねて視認することができる。
このようにRSD1は、画像信号Sに応じた画像と外景とを重ねて利用者の眼101の網膜に結像させるシースルー型RSDである。なお、ここでは、光束の一例として、効率面で有利であるレーザ光を用いているが、光束はレーザ光に限られるものではない。
[2.RSD1の電気的構成及び光学的構成]
次に、RSD1の電気的構成及び光学的構成について、図2を参照して説明する。
コントロールユニット2は、制御部10と、光源20とを有している。
制御部10は、駆動信号供給部11、高速駆動信号生成部12、低速駆動信号生成部13、主制御部14を有している。
駆動信号供給部11は、外部入力端子7から入力された画像信号S(例えば、NTSCコンポジット信号、コンポーネント信号)に基づいて、画像を形成するための要素となる各信号を画素単位で生成する。すなわち、駆動信号供給部11からは、三原色各色の画素単位の画像信号として、R(赤色)駆動信号15r,G(緑色)駆動信号15g,B(青色)駆動信号15bが生成されて出力される。
高速駆動信号生成部12は、高速走査部60の後述する高速走査素子61が共振状態で所定走査範囲で走査可能となるように、高速走査部60で使用される高速駆動信号16を生成して出力する。高速駆動信号生成部12は、高速走査素子61の共振状態や走査範囲を、光検出部90から出力される検出信号に基づいて判定する。そして、高速駆動信号生成部12は、高速駆動信号16の周波数が高速走査素子61の共振周波数となり、高速走査素子61の走査範囲が所定走査範囲となるように、高速駆動信号16の周波数や振幅を調整する。
ここで、高速走査素子61の一例を図3に示す。同図に示すように、高速走査素子61は、金属板で形成されており、表面に反射面201aが形成されたミラー部201は円形を有している。ミラー部201の両側は弾性を有する梁部202,202が連結されて支持されており、梁部202,202は支持部203に連結して支持されている。支持部203には圧電素子204が形成されている。この圧電素子204には、高速駆動信号生成部12から高速駆動信号16により延伸方向と直交する方向(図面視で前後方向)に応力が発生し、これにより、梁部202,202の長手方向を揺動軸Lxとして、ミラー部201が揺動軸Lx回りに揺動する。
低速駆動信号生成部13は、高速駆動信号16の周波数に基づいて、低速走査部70で使用される低速駆動信号17を生成して出力する。この低速駆動信号17は、鋸波形状の信号であるが、三角波状の信号や台形波状の信号であってもよい。後述するように、高速走査部60では光源20から出射するレーザ光を水平方向Xに往復走査しており、高速駆動信号16の1/2周期が水平方向Xへの1走査となって1走査線が形成される。例えば、RSD1において表示する画像の1フレーム当たりの走査線数(レーザ光が走査されない無効走査部分を含む)が1000であるとき、低速駆動信号生成部13は、低速駆動信号17の周期は、高速駆動信号16の周期の500倍の周期である。
ここで、低速走査素子71の一例を図4(a),(b)に示す。図4(a)に示すように、低速走査素子71は、反射面301aが形成された四角形状のミラー部301を有している。このミラー部301は2辺に連結する梁部302a,302bにより支持され、梁部302a,302bは支持部303a,303bの中央部に連結して支持されている。支持部303a,303bの両端部は、基台305に固着された枠部304a,304bに連結されており、ミラー部301は梁部302a,302b及び支持部303a,303bを介して枠体300に揺動可能に支持されている。
ミラー部301の揺動軸Lyに平行な2辺に近接して永久磁石306a,306bが設置されている。図4(b)に示すように、永久磁石306a,306bが形成する磁界の向きは、静止状態のミラー部301の反射面301aに平行で、揺動軸Lyに直交する方向である。また、ミラー部301の反射面301aと反対側の裏面にはコイル307が形成されている。コイル307の電極は2つの梁部302a,302bを介して低速走査駆動回路73に接続される。この構成により、コイル307に電流を流すとコイル307にローレンツ力が働く。揺動軸Lyから紙面下半分のコイル307には例えば紙面表側にローレンツ力が働き、揺動軸Lyから紙面上半分のコイル307には紙面裏側にローレンツ力が働く。これにより、ミラー部301には揺動軸Lyを中心として回転トルクが生ずる。従って、低速走査駆動回路73から出力する駆動信号の電流の大きさを制御することにより、ミラー部301の揺動角を制御することができる。
光源20には、Rレーザドライバ21,Gレーザドライバ22,Bレーザドライバ23が設けられる。Rレーザドライバ21,Gレーザドライバ22,Bレーザドライバ23は、それぞれ駆動信号供給部11から出力されるR駆動信号15r,G駆動信号15g,B駆動信号15bをもとに、Rレーザ24,Gレーザ25,Bレーザ26へそれぞれ駆動電流を供給する。各レーザ24,25,26は、各レーザドライバ21,22,23から供給される駆動電流に応じて強度変調されたレーザ光を出射する。各レーザ24,25,26は、例えば、半導体レーザや高調波発生機構付き固体レーザとして構成することが可能である。なお、半導体レーザを用いる場合は駆動電流を直接変調して、レーザ光の強度変調を行うことができるが、固体レーザを用いる場合は、各レーザそれぞれに外部変調器を備えてレーザ光の強度変調を行う必要がある。
さらに、光源20には、コリメート光学系27,28,29と、このコリメートされたレーザ光を合波するためのダイクロイックミラー30,31,32と、結合光学系33とが設けられている。各レーザ24,25,26から出射したR(赤色)レーザ光Lr,G(緑色)レーザ光Lg、B(青色)レーザ光Lbは、コリメート光学系27,28,29によってそれぞれ平行光化された後に、ダイクロイックミラー30,31,32に入射される。その後、これらのダイクロイックミラー30,31,32により、3原色の各レーザ光Lr,Lg,Lbが波長選択的に反射・透過して結合光学系33に達し、合波されて光ファイバケーブル40へ出射される。このように光ファイバケーブル40へ出射されるレーザ光は、強度変調された各色のレーザ光が合波されたものである。
また、光源20には、Rレーザ24から出射したRレーザ光Lrの強度を検出するR光センサ35、Gレーザ25から出射したGレーザ光Lgの強度を検出するG光センサ36、Bレーザ26から出射したBレーザ光Lbの強度を検出するB光センサ37が設けられている。
投影部6は、光源20と利用者の眼101との間に配置されており、走査部50、第2リレー光学系80、遮光部83を有している。
走査部50は、コリメート光学系51、高速走査部60、第1リレー光学系65、低速走査部70を有している。
コリメート光学系51は、光源20で生成され、光ファイバケーブル40を介して出射されるレーザ光を平行光化する。
高速走査部60及び低速走査部70は、光ファイバケーブル40から入射されたレーザ光を画像として利用者の網膜101bに投影可能な状態にするために、第1方向である水平方向Xと第2方向である垂直方向Yに走査する光学系である。高速走査部60は、コリメート光学系51で平行光化されて入射するレーザ光を水平方向Xに往復走査する。また、低速走査部70は、高速走査部60で水平方向Xに走査され、第1リレー光学系65を介して入射するレーザ光を垂直方向Yに走査する。この垂直方向Yは水平方向Xに略直交する方向である。
高速走査部60は、レーザ光を水平方向Xに相対的に高速に走査するためのミラー部201を有する共振型の高速走査素子61と、高速走査駆動回路63を備えている。高速走査駆動回路63は、高速走査素子61を共振させて高速走査素子61のミラー部201を揺動させる駆動信号を、高速駆動信号16を増幅して生成する。この駆動信号は、高速走査素子61固有の周波数を有する正弦波状波形の信号であり、後述するようにミラー部201を揺動軸Jx回りに正弦波状に揺動させる。
一方、低速走査部70は、レーザ光を垂直方向Yに相対的に低速に走査するためのミラー部301を有する非共振型の低速走査素子71と、低速走査駆動回路73とを備える。低速走査駆動回路73は、低速走査素子71のミラー部301を非共振状態で揺動させる駆動信号を、低速駆動信号17を増幅して生成する。この駆動信号は、鋸波状波形の信号であり、後述するようにミラー部301を揺動軸Jy回りに鋸波状に揺動させる。低速走査部70は、表示すべき画像の1フレームごとに、画像を形成するためのレーザ光を最初の走査線から最後の走査線に向かって垂直方向Yに走査する。
図5には、高速走査部60及び低速走査部70の高速走査素子61,71による最大走査範囲Gと有効走査範囲Zとの関係が示されている。ここで、「最大走査範囲G」とは、光源20から出射させたレーザ光を、高速走査素子61及び低速走査素子71が走査できる最大の範囲を意味する。すなわち、最大走査範囲Gは、図5に示すように、高速走査素子61の走査位置が−X2〜+X2(ミラー部201の角度が−θx2〜+θx2)であり、かつ低速走査素子71の走査位置が−Y2〜+Y2(ミラー部301の角度が−θy2〜+θy2)であるときの走査部50の走査範囲である。また、「有効走査範囲Z」は、画像信号Sに応じた強度のレーザ光を走査部50により走査して利用者の眼101に投射する画像表示モード時において、高速走査素子61及び低速走査素子71がレーザ光を走査する範囲である。すなわち、有効走査範囲Zは、図5に示すように、高速走査素子61の走査位置が−X1〜+X1(ミラー部201の角度が−θx1〜+θx1)であり、かつ低速走査素子71の走査位置が−Y1〜+Y1(ミラー部301の角度が−θy1〜+θy1)であるときの走査部50の走査範囲である。なお、高速走査素子61は高速駆動信号16を入力しない状態のときに、高速走査素子61のミラー部201の角度が平衡位置0となり、低速走査素子71は低速駆動信号17を入力しない状態のときに、低速走査素子71のミラー部301の角度が平衡位置0となる。
最大走査範囲Gのうち、高速走査素子61及び低速走査素子71による走査位置が有効走査範囲Zにあるタイミングで光源20から画像信号Sに応じて強度変調されたレーザ光が出射される。これにより、高速走査素子61及び低速走査素子71によって光源20から出射される画像形成用のレーザ光が有効走査範囲Zで走査される。この走査が1フレームの画像ごとに繰り返される。なお、最大走査範囲Gのうち有効走査範囲Z外の範囲が無効走査範囲Wである。
また、高速走査部60と低速走査部70との間でレーザ光を中継する第1リレー光学系65は、高速走査素子61のミラー部201によって水平方向Xに走査されたレーザ光を低速走査素子71のミラー部301に収束させる。そして、このレーザ光が低速走査素子71のミラー部301によって垂直方向Yに走査される。低速走査素子71によって走査されたレーザ光は、正の屈折力を持つ2つのレンズ81,82が直列配置された第2リレー光学系80を介して、眼101の前方に位置させたハーフミラー8で反射されて利用者の瞳孔101aに入射する。これにより、網膜101b上に画像信号Sに応じた画像が投影され、利用者は瞳孔101aに入射するレーザ光を画像として認識する。また、ハーフミラー8は外光L1を透過して利用者の瞳孔101aに入射させるようにしており、これにより利用者は外光L1に基づく外景にレーザ光L2に基づく画像を重ねた画像を視認することができる。
第2リレー光学系80により形成される像面(以下、中間像面という)位置又はその近傍には、中央部に開口を有する額縁状に形成された遮光部83が設けられている。この遮光部83は、有効走査範囲Z外の無効走査範囲Wで走査された光のレンズ82への入射を遮断する遮光板から構成されており、中間像面において有効走査範囲Zで走査されたレーザ光が形成する像の範囲を通過させるように開口している。この遮光部83によって、後述する無効走査範囲Wで走査部50により走査されたレーザ光がレンズ82へ入射することを防止することができる。なお、中間像面は、網膜101bと像共役の関係にある。
この遮光部83の上縁部には、走査部50の有効走査範囲Z外で走査されるレーザ光を検出する光検出部90が設けられている。この光検出部90は、高速走査素子61の走査位置が走査中心X0からずれた位置+X3にあり、低速走査素子71の走査位置が位置+Y3にあるときに、高速走査素子61及び低速走査素子71により走査されたレーザ光が入射する位置に配置される。低速走査素子71により走査されたレーザ光を受光すると、この光検出部90は、検出信号91を生成して制御部10へ送信する。なお、位置+X3は、水平方向Xにおける有効走査範囲にXaにあり、位置+Y3は、垂直方向Yにおける無効走査範囲Ybにある。
[3.画像表示装置1の駆動開始時の動作]
以上のように構成された画像表示装置1では、光源20及び走査部30の動作が停止している状態から光源20及び走査部30により画像の表示を開始するまでの動作を以下のように行うことで高速にすることができる。以下、図6〜図11を参照してその動作を具体的に説明する。
画像表示装置1の制御部10は、操作部(図示せず)への操作があったときや画像信号Sが入力されたとき、まず、図5及び図6に示すように、低速走査素子71のミラー部301を、角度+θy2〜−θy2で正弦波状に揺動させる(図6のステップS10、図7のタイミングt1参照)。これにより、低速走査素子71による走査範囲を有効走査範囲Yaと無効走査範囲Ybとを含む範囲(走査位置+Y2〜−Y2)とする。また、ミラー部301を正弦波状に揺動させることで、低速駆動信号17において低速走査素子71の固有共振の共振周波数成分を抑圧することができ、検査用レーザ光を精度よく光検出部90に検出させることが可能となる。すなわち、従来のようにミラー部の角度を+θ0(図12参照)に維持する際、低速駆動信号17に低速走査素子71の固有共振の共振周波数成分が含まれないようにミラー部301をゆっくり移動させる必要がある。一方、本実施形態では、ミラー部301を正弦波状に揺動させているため、低速駆動信号17に低速走査素子71の固有共振の共振周波数成分が含まれず固有共振を抑制することができ、起動時間を短縮することが可能となる。つまり、低速走査素子の固有共振が一旦起こると、この固有共振を抑制するのにはかなりの時間がかかり、結果として、起動時間が長くなることになるため、このような固有共振を誘起しないように起動するのが結果として起動時間を短縮することに繋がるのである。
低速駆動信号生成部13は図8に示すように構成されており、低速走査素子71の走査位置を+Y2〜−Y2とするために、次のように動作する。まず、駆動制御部134は、第2記憶部132に記憶した初期動作用の駆動信号のデータを読み出してDA変換器133に入力してアナログ変換することで、初期動作用の低速駆動信号17を生成し出力する。低速走査素子71は、このように低速駆動信号生成部13から入力される低速駆動信号17に基づいてミラー部301を揺動させる。この初期動作用の低速駆動信号17は、図9に示すように、最初の変化は緩やかにすることが望ましい。すなわち、低速駆動信号17を正弦波状よりも緩やかに変化する波形状にして、正弦波状に揺動する速度よりも遅い速度でミラー部301の揺動を開始した後に、ミラー部301を正弦波状に揺動させるように低速走査素子71を駆動する低速駆動信号17を生成して、低速走査部70へ出力する。このようにすることで、低速駆動信号17において低速走査素子71の固有共振の共振周波数成分がより低減されるので、起動時間を短縮することが可能となるとともに、検査用レーザ光を精度よく光検出部90に検出させることが可能となる。
また、制御部10は、低速走査素子71のミラー部301の駆動開始と同時に、高速駆動信号16を高速走査駆動回路63へ出力して高速走査素子61のミラー部201の駆動を開始する(図6のステップS11、図7のタイミングt1参照)。このようにすることで、起動モードの処理時間を短縮することが可能となる。
具体的には、高速駆動信号生成部12は、デフォルトで設定している周波数及び振幅を有する高速駆動信号16を高速走査駆動回路63へ出力し、高速走査駆動回路63により高速駆動信号16を増幅して、圧電素子204に印加する。これにより、高速走査素子61のミラー部201の駆動を開始する。なお、高速駆動信号生成部12において、前回画像を表示したときに、高速走査素子61のミラー部201の駆動に用いた周波数及び振幅の情報を内部の記憶手段に記憶しておき、このように記憶した周波数及び振幅の情報に基づいて高速駆動信号16を生成して出力するようにしてもよい。
次に、制御部10は、光源20を制御して、走査部50の垂直方向Yの走査位置が無効走査範囲Ybにあるとき、検査用レーザ光を出射させる(図6のステップS12、図7のタイミングt2〜t4参照)。ここで、図7に示すように、制御部10は、走査部50の垂直方向Yの走査位置が最初に無効走査範囲Ybになったときから、検査用レーザ光を出射させることで、起動モードの処理時間を短縮することが可能となる。
具体的には、制御部10は、低速走査素子71のミラー部301の角度が+θy1を超え、かつ+θy3を含む所定範囲にあるときに、検査用レーザ光を出射するための駆動信号15r,15g,15bを出力する。これにより、レーザ24,25,26から検査用レーザ光を出射させ、R光センサ35,G光センサ36、B光センサ37で検査用レーザ光を検出させ、また、光検出部90に検査用レーザ光を検出させる。
このように検査用レーザ光を出射させているときに、制御部10は、駆動信号供給部11を制御し、レーザ24,25,26の出射特性を検出する処理を行う(図6のステップS13、図7のタイミングt2〜)。
具体的には、駆動信号供給部11は、検査用レーザ光を出射するための駆動信号15r,15g,15bを出力しているときに、駆動信号供給部11は、各光センサ35,36,37からの検出信号を受信する。そして、駆動信号供給部11は、各光センサ35,36,37から出力される検出信号の振幅レベルに基づいて、各レーザ24,25,26から出射されるレーザ光が、駆動信号15r,15g,15bに基づいて所望の強度で出射されているかを判断する。各レーザ24,25,26から出射されるレーザ光が、所望の強度でなければ、所望の強度になるまで駆動信号15r,15g,15bを変更する。そして、駆動信号供給部11は、各光センサ35,36,37から出力される検出信号の振幅レベルに基づいて、各レーザ24,25,26から出射されるレーザ光が所望の光量となったと判定したときの駆動信号15r,15g,15bの信号レベルを基準レベルとして記憶する。基準レベルは、例えば、画像表示モードの時に、レーザ24,25,26から出射するレーザ光の最大輝度である。このようにすることで、最大輝度の調整が可能となる。
また、制御部10は、高速走査素子61のミラー部201の揺動周波数を高速走査素子61固有の共振周波数へ調整する処理を行う(図6のステップS14、図7のタイミングt2〜t3)。なお、高速走査素子61に入力される駆動信号に対して高速走査素子61のミラー部201の揺動波形の位相が略90度ずれたときに高速走査素子61のミラー部201は共振状態で揺動されていることになる。そこで、制御部10では、かかる特性を利用して、次のように、高速走査素子61のミラー部201の揺動周波数の調整を行っている。
レーザ24,25,26からは所定輝度の検査用レーザ光が出射されており、高速駆動信号生成部12は、出力している高速駆動信号16と光検出部90からの検出信号91の出力タイミングとを比較する。光検出部90は、高速走査素子61のミラー部201が共振状態のときに、検査用レーザ光が入射する位置である水平方向の走査位置+X3に配置されており、高速駆動信号生成部12は、光検出部90から検出信号91が出力されるまで、予め決められた周波数の高速駆動信号16を供給し続ける。その後、検出信号91が出力されるようになると、高速駆動信号生成部12は、高速駆動信号16の波形と高速走査素子61のミラー部201の揺動波形との位相差を検出し、この位相差が略90度となるように高速駆動信号16の周波数を変更していき、この位相差が略90度となったときに、ミラー部201の揺動周波数の調整を終了する。このようにすることで、高速走査素子61のミラー部201の揺動周波数を高速走査素子61固有の共振周波数へ調整する処理を行うようにしている。
このように、RSD1では、高速走査素子61のミラー部201の揺動を開始させ、低速走査素子71の走査位置が無効走査範囲Wの走査位置+Y3にあるときに、高速走査素子61のミラー部201が共振状態かつ所定範囲で揺動するように制御するようにしている。
このようにすることで、従来の画像表示装置の制御に比べて、消費電力や発熱等を低減することが可能となる。すなわち、低速走査素子71のミラー部301を有効走査範囲Zと無効走査範囲Wとを含む範囲で揺動させているため、従来のように低速走査素子の走査位置を継続して無効走査範囲となるように制御することに比べ、消費電力や発熱等を低減することが可能となる。
特に、低速走査素子71の走査位置が最初に無効走査範囲になったときに、ステップS13の処理とステップS14の処理を同時に開始するようにすることで、起動モードの処理時間を短縮することが可能となる。
次に、制御部10は、高速走査素子61のミラー部201の揺動範囲(揺動振幅)を調整する処理を開始する(図6のステップS15、図7のタイミングt3参照)。
具体的には、高速駆動信号生成部12は、駆動信号供給部11が検査用レーザ光を出射するための駆動信号15r,15g,15bを出力しているときに、光検出部90からの検出信号91の出力タイミングに基づき、ミラー部201の揺動範囲を検出する。すなわち、高速駆動信号生成部12は、光検出部90から検出信号91の出力間隔に応じてミラー部201の揺動範囲を判断して、その揺動範囲に応じて高速駆動信号16の振幅を調整する。このように、検出信号91の出力間隔に応じてミラー部201の揺動範囲を判断できるのは、ミラー部201が共振状態で揺動しており、ミラー部201の揺動が正弦波状に行われるからである。なお、ミラー部201の駆動によって生じる梁部202a,202bの変位を検出する圧電素子を設けて、この圧電素子でミラー部201の揺動範囲を検出するようにしてもよい。
このように、制御部10は、高速走査素子61による走査位置が無効走査範囲にあるときに光源20から検査用レーザ光を出射させ、当該レーザ光に対する光検出部90の検出結果に応じて高速走査素子61の揺動状態(揺動周波数や揺動振幅)を検出するようにしており、これにより、高速走査素子61を共振揺動させる共振揺動処理を行っている。また、制御部10は、高速走査素子61による走査位置が無効走査範囲にあるときに光源20から検査用レーザ光を出射させ、当該レーザ光に対して各光センサ35,36,37から出力される検出信号の振幅レベルに基づいて、光源20の出射特性を検出するようにしている。
ステップS15において高速走査素子61のミラー部201の揺動範囲の調整を開始し、ミラー部201の揺動範囲を所定範囲に調整を開始した後、制御部10は、低速走査素子71の駆動信号波形を生成開始する(図6に示すステップS16参照)。
具体的には、駆動制御部134(図8参照)は、ステップS14で高速走査素子61固有の共振周波数に調整した高速走査素子61の揺動周波数に応じたタイミングで第1記憶部130から鋸歯形状波形(ここでは、1周期分)のデータを読み出して、高速走査周波数に応じた鋸波状信号を生成する。この鋸波状信号はフィルタ131に入力されてフィルタリング処理が施される。駆動制御部134は、フィルタリング処理が施された信号を第2記憶部132に低速駆動信号17の基礎波形データとして記憶する。これにより、駆動信号波形の生成処理を終了する。なお、フィルタ131によるフィルタリング処理を行うのは、低速駆動信号17に低速走査素子71固有の共振周波数成分が重畳しており、フィルタリング処理を行わない場合には、この共振周波数成分によりミラー部が共振し、図11に示すように、共振周波数でミラー部201が共振してしまうためである。つまり、このような共振が一旦起きてしまうと、なかなかこの共振は収束せず、起動モードの処理時間が長引いてしまうからである。
次に、制御部10は、高速走査素子61のミラー部201の揺動範囲調整処理(図6に示すステップS15)と、低速走査素子71の駆動信号波形生成処理(図6に示すステップS16)が終了したか否かを判定する(図6に示すステップS17)。
ステップS17の処理において、高速走査素子61のミラー部201の揺動範囲調整処理と低速走査素子71の駆動信号波形生成処理とが共に終了したと判定すると(図6のステップS17:YES、図7のタイミングt4参照)、制御部10は、ステップS16で生成した駆動信号波形の低速駆動信号17を低速走査素子71へ出力して、低速走査素子71のミラー部301を鋸波状に揺動する処理を行う(ステップS18)。
具体的には、駆動制御部134(図8参照)は、高速走査素子61固有の共振周波数に応じたタイミングで第2記憶部132からデータを読み出してDA変換器133に入力してアナログ変換し量子化ノイズなどを取り除いた低速駆動信号17を生成し出力する。この処理を繰り返し行うことによって、周期的な鋸波状駆動信号である低速駆動信号17を生成して低速走査部70へ出力して、低速走査素子71のミラー部301を鋸波状に連続して揺動させる。
このようにすることで、高速走査素子61固有の共振周波数に応じたタイミングで低速駆動信号17を生成することで、高速走査素子61のミラー部201の揺動に同期させて、低速走査素子71のミラー部301を揺動させることができる。このようにすることで、画像信号Sに応じた強度のレーザ光を走査部50により精度よく走査させることが可能となり、表示する画像の品質を向上させることができる。なお、高速走査素子61のミラー部201の揺動範囲調整処理が終了していない場合であっても、低速走査素子71の駆動信号波形生成処理が終了している場合には、ステップS18の処理を実行することができる。
次に、制御部10は、周期的な鋸波状駆動信号である低速駆動信号17を低速走査部70へ出力してから所定期間経過したか否かを判定する(図8のステップS19参照)。この所定期間は、低速走査素子71のミラー部301の揺動が安定するまでの時間であり、低速走査素子71の固有共振によって発生する共振周波数成分の振幅(図11参照)が所定以下になるまでの時間である。このようにすることで、低速走査素子71の駆動が安定していない状態で光源20からレーザ光を出射して投影することを防止することができ、これにより低品質の画像が投影されることを防止できる。
低速走査素子71の固有共振の共振周波数成分は、初期動作用の低速駆動信号17(図7のタイミングt0〜t4)から画像走査用の低速駆動信号17(図7のタイミングt4〜)への切り替わり時に発生する。そこで、低速駆動信号生成部13において、図10に示すように、検査用の低速駆動信号17と画像走査用の低速駆動信号17とを同じ振幅、好ましくは同じ速度(傾斜)で接続するように、初期動作用の低速駆動信号17から画像走査用の低速駆動信号17へ連続させて出力することが望ましい。このようにすることで、初期動作用の低速駆動信号17から画像走査用の低速駆動信号17へ切り替わり時に低速走査素子71の固有共振の共振周波数成分を抑圧することができる。また、この初期動作用の低速駆動信号17の波形は、前記共振周波数成分が十分に低減されたような波形であれば、周波数、波形ともに何でもよいが、簡単且つ確実な効果が期待できるという点などで、その周波数は、後述する画像走査用の低速駆動信号17(図7のタイミングt4〜)の周波数と同程度又はそれ以下の周波数とするのが望ましい。但し、起動モードの処理時間のさらなる短縮化を目指すのであれば、その周波数は前記共振周波数成分が十分に低減される範囲内でできるだけ高い周波数の波形を選択してもよい。
周期的な鋸波状駆動信号である低速駆動信号17を低速走査部70へ出力してから所定期間経過したと判定すると(図6のステップS19:YES、図7のタイミングt5参照)、制御部10は、画像信号に応じたレーザ光(画像形成用レーザ光)を光源20から出射して高速走査素子61及び低速走査素子71により当該レーザ光の2次元走査を開始する(ステップS20)。これにより、利用者の眼101の網膜101bへ2次元走査したレーザ光が投射され、利用者に画像信号Sに応じた画像を視認させるようにしている。
以上のように、本実施形態に係るRSD1では、起動モード時に、低速走査素子のミラー部を、有効走査範囲及び無効走査範囲を含む範囲で揺動させ、低速走査素子の走査位置が無効走査範囲内にあるときに、光源の出射特性を検出し、かつ高速走査素子のミラー部を共振状態で所定範囲で揺動させる処理を行う。そのため、低速走査素子のミラー部を無効走査範囲内に維持したまま、これらの処理を行う場合に比べて低速走査素子の消費電力や発熱等を低減することができる。
以上、本発明の実施の形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の概要の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
例えば、上述の実施形態では、初期動作用の低速駆動信号17を正弦波状に振幅が変化する信号として、低速走査素子71のミラー部301を揺動軸Ly回りに正弦波状に揺動させるようにしたが、初期動作用の低速駆動信号17を台形状や三角波状に振幅が変化する信号としてもよい。なお、低速駆動信号17の振幅を正弦波状に変動させた場合には、低速駆動信号17において低速走査素子71の固有共振の共振周波数成分を含まないので、固有共振を抑制することができ、起動処理の時間を短縮化できるとともに、検査用レーザ光を精度よく光検出部90に検出させることが可能となる。また、この低速駆動信号17は、正弦波状でなくとも、低速走査素子71の固有共振の共振周波数成分が十分に低減された波形であれば何でもよい。たとえば、前記共振周波数より低い周波数成分のみで構成される周期波形であってもよいし、所定の周期波形から前記共振周波数成分を十分に抑圧して形成した波形であってもよい。
なお、本実施例での正弦波状とは、低速走査素子71の固有共振の共振周波数成分が含まれないかまたは十分に低減された周波数であり、通常は前記共振周波数より十分に低い周波数である。
また、オフセット電圧および電流を流すことで、低速走査の走査範囲を走査中心を0°とした−Y2〜+Y2の範囲ではなく、走査中心をα°とした−Y2+α°〜+Y2α°の範囲にすることも可能である。
本発明を、上述してきた実施形態を通して説明したが、本実施形態によれば、以下の効果が期待できる。
(1)画像信号Sに応じた強度の光束を出射する光源20と、反射面201aを有するミラー部201を揺動して光源20から出射されたレーザ光(光束)を水平方向(第1方向)に相対的に高速に走査する共振型の高速走査素子61と反射面301aを有するミラー部301を揺動して高速走査素子61により走査されたレーザ光を水平方向(第1方向)と略直交する垂直方向(第2方向)に相対的に低速に走査する電磁駆動式の低速走査素子71とを有する走査部50と、光源20、走査部50の起動処理を含む起動モードを実行した後に、画像信号Sに応じた強度のレーザ光を光源20から出射させ、当該レーザ光を高速走査素子61及び低速走査素子71によって走査させて画像を形成する画像表示モードを実行する制御部10と、高速走査素子61及び低速走査素子71による走査範囲のうち画像信号Sに応じた強度のレーザ光を走査する有効走査範囲Z外の無効走査範囲Wで走査されたレーザ光を遮光する遮光部83と、を備えている。そして、制御部10は、起動モード時において、低速走査素子71のミラー部301を、有効走査範囲Yaと無効走査範囲Ybとを含む範囲で揺動させる第1ステップ(図6のステップS10)と、低速走査素子71の走査位置が無効走査範囲Ybにあるときに光源20から出射させた検査用レーザ光により、光源20の出射特性を検出する第2ステップ(図6に示すステップS13参照)と、高速走査素子61のミラー部201の揺動を開始させ、低速走査素子71の走査位置が無効走査範囲Ybにあるときに光源20から出射させた光束により、高速走査素子61のミラー部201が共振状態かつ所定範囲で揺動するように制御する第3ステップ(図6のステップS14,S15参照)と、を実行するので、低速走査素子71のミラー部301を無効走査範囲Yb内に維持したまま、これらの処理を行う場合に比べて低速走査素子の消費電力や発熱等を低減することができる。
(2)制御部10は、前記第1ステップにおいて低速走査素子71の走査位置が最初に無効走査範囲Ybになる前に前記第3ステップでの高速走査素子61のミラー部201の揺動を開始させる(図6のステップS11参照)ので、起動モードの処理時間を短縮することが可能となる。
(3)制御部10は、前記第1ステップにおいて低速走査素子71の走査位置が最初に無効走査範囲Ybになったときに、光源20を制御して、光束の出射を開始させる(図6のステップS12参照)ので、起動モードの処理時間を短縮することが可能となる。
(4)制御部10は、起動モード時において、前記第2及び第3ステップの後に、高速走査素子61のミラー部201の揺動に同期させて、低速走査素子71のミラー部301を揺動させる第4ステップ(図6のステップS18参照)を実行するので、画像信号Sに応じた強度のレーザ光を走査部50により精度よく走査させることが可能となり、表示する画像の品質を向上させることができる。
(5)制御部10は、起動モード時に、低速走査素子71のミラー部301を正弦波状に揺動させるので、低速走査素子71の固有共振の共振周波数成分による低速走査素子71の共振を抑制することができ、起動モードの処理時間を短縮することが可能となるとともに、検査用レーザ光を精度よく光検出部90に検出させることが可能となる。
(6)制御部10は、正弦波状よりも緩やかに変化する波形状に低速走査素子71のミラー部301の揺動を開始した後に、低速走査素子71のミラー部301を正弦波状に揺動させるので、低速走査素子71の固有共振の共振周波数成分による低速走査素子71の共振を抑制することができ、起動モードの処理時間を短縮することが可能となるとともに、検査用レーザ光を精度よく光検出部90に検出させることが可能となる。
(7)高速走査素子61及び低速走査素子71により有効走査範囲Zで走査されたレーザ光を利用者の眼101に入射させて、利用者の網膜101b上に画像信号Sに応じた画像を投影するので、低速走査素子71のミラー部301を無効走査範囲Yb内に維持したまま、これらの処理を行う場合に比べて低速走査素子の消費電力や発熱等を低減することができる網膜走査型画像表示装置を提供することができる。
1 RSD(網膜走査型画像表示装置)
10 制御部
20 光源
50 走査部
60 高速走査部
61 高速走査素子
70 低速走査部
71 低速走査素子
90 光検出部
201 高速走査素子のミラー部
301 低速走査素子のミラー部

Claims (7)

  1. 画像信号に応じた強度の光束を出射する光源と、
    反射面を有するミラー部を揺動して前記光源から出射された光束を第1方向に相対的に高速に走査する共振型の高速走査素子と、反射面を有するミラー部を揺動して前記高速走査素子により走査された光束を前記第1方向と略直交する第2方向に相対的に低速に走査する電磁駆動式の低速走査素子とを有する走査部と、
    前記光源、前記走査部の起動処理を行う起動モードを実行した後に、画像信号に応じた強度の光束を前記光源から出射させ、当該光束を前記高速走査素子及び前記低速走査素子によって走査させて画像を形成する画像表示モードを実行する制御部と、
    前記高速走査素子及び前記低速走査素子による走査範囲のうち前記画像信号に応じた強度の光束を走査する有効走査範囲外の無効走査範囲で走査された光束を遮光する遮光部と、を備え、
    前記制御部は、前記起動モード時において、
    前記低速走査素子のミラー部を、前記有効走査範囲と前記無効走査範囲とを含む範囲で揺動させる第1ステップと、
    前記低速走査素子の走査位置が前記無効走査範囲にあるときに前記光源から出射させた光束により、前記光源の出射特性を検出する第2ステップと、
    前記高速走査素子のミラー部の揺動を開始させ、前記低速走査素子の走査位置が前記無効走査範囲にあるときに前記光源から出射させた光束により、前記高速走査素子のミラー部が共振状態かつ所定範囲で揺動するように制御する第3ステップと、
    を実行することを特徴とする画像表示装置。
  2. 前記制御部は、前記第1ステップにおいて前記低速走査素子の走査位置が最初に前記無効走査範囲になる前に前記第3ステップでの前記高速走査素子のミラー部の揺動を開始させることを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。
  3. 前記制御部は、前記第1ステップにおいて前記低速走査素子の走査位置が最初に前記無効走査範囲になったときに、前記光源を制御して、前記第2ステップでの前記光束の出射と前記第3ステップでの前記光束の出射とを開始させる
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像表示装置。
  4. 前記制御部は、前記起動モード時において、
    前記第2及び第3ステップの後に、前記高速走査素子のミラー部の揺動に同期させて、前記低速走査素子のミラー部を揺動させる第4ステップを実行する
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像表示装置。
  5. 前記制御部は、前記起動モード時に、前記低速走査素子のミラー部を正弦波状に揺動させることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像表示装置。
  6. 前記制御部は、前記正弦波よりも緩やかに変化する波形状に前記低速走査素子のミラー部の揺動を開始した後に、前記低速走査素子のミラー部を正弦波状に揺動させることを特徴とする請求項5に記載の画像表示装置。
  7. 前記高速走査素子及び前記低速走査素子により前記有効走査範囲で走査された光束を利用者の眼に入射させて、前記利用者の網膜上に画像信号に応じた画像を投影することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の画像表示装置。
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