JP2012003051A - 走査型画像表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】低速走査素子に共振成分が重畳した場合に、この共振成分の重畳状態を検出することができる走査型画像表示装置を提供すること。
【解決手段】画像信号Sに応じた強度の光束を出射する光源部20と、光束を第1方向に相対的に高速に走査する高速走査素子61と、光束を第1方向と略直交する第2方向に相対的に低速に走査する低速走査素子71とを有し、光源部20から出射された光束を2次元走査する走査部50と、走査部50で走査された光束を被投射対象に投射する投射部82,8とを有し、低速走査素子71により走査された光束が入射する第2光検出部93を低速走査素子71の後段に光束が所定回数以上通過するように有し、第2光検出部93の受光面95を繰り返し通過する光束の各軌跡の第2方向における間隔に基づいて、有効走査範囲における低速走査素子71の走査速度の周期的な変動を検出する構成とした。
【選択図】図2
【解決手段】画像信号Sに応じた強度の光束を出射する光源部20と、光束を第1方向に相対的に高速に走査する高速走査素子61と、光束を第1方向と略直交する第2方向に相対的に低速に走査する低速走査素子71とを有し、光源部20から出射された光束を2次元走査する走査部50と、走査部50で走査された光束を被投射対象に投射する投射部82,8とを有し、低速走査素子71により走査された光束が入射する第2光検出部93を低速走査素子71の後段に光束が所定回数以上通過するように有し、第2光検出部93の受光面95を繰り返し通過する光束の各軌跡の第2方向における間隔に基づいて、有効走査範囲における低速走査素子71の走査速度の周期的な変動を検出する構成とした。
【選択図】図2
Description
本発明は、画像信号に応じた強度の光束を2次元走査して被投射対象に投射することにより画像を表示するようにした走査型画像表示装置に関するものである。
この種の走査型画像表示装置として、光源部から出射された光束を2次元走査する走査部と、この走査部で走査された光束を被投射対象に投射する投射部とを備え、被投射対象であるスクリーンや眼の網膜に画像を形成させるようにしたものが知られている。
上記走査部の構成としては、光束を第1方向に相対的に高速に走査する高速走査素子と、光束を前記第1方向と略直交する第2方向に相対的に低速に走査する低速走査素子とを具備した構成が知られている。
かかる走査素子のうち低速走査素子は、反射ミラーを支持する梁部の捻れ変位により反射ミラーを揺動軸回りに揺動させる構成であり、図17に示すように、反射ミラーの角度が鋸波形状に周期的に変化するように駆動される。そして、同図に示すように、低速走査素子の反射ミラーの揺動角速度が一定となって、第2方向への走査速度が一定となる有効走査範囲において、反射ミラーにより光束を走査するようにしている。
しかし、低速走査素子において、反射ミラーは弾性のある梁部を介して揺動可能に支持されるため、反射ミラー及び梁部で決まる固有の共振モードと、当該共振モードに対応する共振周波数が存在する。したがって、低速走査素子の反射ミラーを駆動する駆動信号の波形に低速走査素子固有の共振周波数の成分が含まれていると、低速走査素子において前記共振周波数の振動である共振が励起される。その結果、図18に示すように、反射ミラーにおける鋸波形状の揺動に共振の成分が重畳し、有効走査範囲において反射ミラーの揺動角速度が周期的に変動してしまい、光束の走査を適切に行なうことができない事態が生じる。
このように、反射ミラーの揺動に共振の成分が重畳されると、図19に示すように、表示される画像に粗密のむらが現れたり、表示される画像の輪郭などが歪んだりしてしまい、表示する画像の品質を低下させる原因となる。
そこで、本出願人は、このような画像品質の劣化を防止するために、低速走査素子を駆動する駆動信号を、ローパスフィルタによるフィルタリング処理を行なって生成することで、共振成分の重畳を抑制する技術を提案している(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、特許文献1では、低速走査素子の構造や個体差により、共振成分の重畳を十分に抑制することができない場合があり、共振の発生自体は許容しつつ画像品質の劣化を防止するといった新たな観点からの考察が必要となる。そのためには、低速走査素子の反射ミラーの揺動への共振成分の重畳状態を検出することが必要となる。
そこで、本発明では、低速走査素子の反射ミラーの揺動に共振成分が重畳しているか否か、重畳していた場合に、この共振成分の重畳状態を検出することができる走査型画像表示装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明では、画像信号に応じた強度の光束を出射する光源部と、光束を第1方向に相対的に高速に走査する高速走査素子と、光束を前記第1方向と略直交する第2方向に相対的に低速に走査する低速走査素子とを有し、前記光源部から出射された光束を2次元走査する走査部と、前記走査部で走査された光束を被投射対象に投射する投射部と、前記低速走査素子により走査された光束が入射する光検出部を前記低速走査素子の後段に前記光束が所定回数以上通過するように有し、前記光検出部の受光面を繰り返し通過する光束の各軌跡の前記第2方向における間隔に基づいて、有効走査範囲における前記低速走査素子の走査速度の周期的な変動を検出する検出部と、を備えたことを特徴とする走査型画像表示装置とした。
また、請求項2に係る発明は、請求項1に記載の走査型画像表示装置において、前記光検出部は、前記受光面を有するフォトダイオードを有し、前記受光面のうち前記光束が実際に入射する受光面は、所定の形状を有し、所定の位置に配置されており、前記検出部は、前記フォトダイオードの出力に基づく信号により、前記低速走査素子の走査速度の周期的な変動を検出することを特徴とした。
また、請求項3に係る本発明は、請求項1〜2のいずれか1項に記載の走査型画像表示装置において、前記光束が実際に入射する受光面は、前記第2方向の位置に応じて前記第1方向の幅を変化させた形状であることを特徴とした。
また、請求項4に係る本発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の走査型画像表示装置において、前記光束が実際に入射する受光面は、前記第2方向の長さを、少なくとも前記低速走査素子の前記変動の周期を検出可能な長さとしたことを特徴とした。
また、請求項5に係る発明は、請求項1に記載の走査型画像表示装置において、前記光検出部は、前記受光面を有する第1フォトダイオードと、第2フォトダイオードとを有し、前記第1フォトダイオードと前記第2フォトダイオードとは、前記第1方向に互いに隣接するように並んで配置され、前記検出部は、前記第1フォトダイオードの出力に基づく第1信号により、前記低速走査素子の走査速度の周期的な変動を検出し、前記第1及び第2フォトダイオードの出力に基づく第2信号により、前記高速走査素子の走査状態を検出することを特徴とした。
また、請求項6に係る発明は、請求項1〜5のいずれか1項に記載の走査型画像表示装置において、前記検出部による検出結果に応じて、前記光源部から出射される光束の強度を補正する制御部を備えたことを特徴とした。
また、請求項7に係る本発明は、請求項1〜6のいずれか1項に記載の走査型画像表示装置において、前記走査部によって走査された光束を、使用者の少なくとも一方の眼に入射して、画像を表示する網膜走査型の画像表示装置であることを特徴とした。
本発明によれば、低速走査素子の反射ミラーの揺動に共振成分の重畳を十分に抑制することができない場合であっても、この共振成分の重畳状態を検出することができるため、検出結果に応じた処理を行うことで、画像品質を向上させることが可能となる。
以下に、本発明に好適な実施形態について図面に基づいて説明する。以下の説明では、画像信号に応じた強度の光束を走査部により走査して、利用者の少なくとも一方の眼に入射して網膜に画像を投影し、画像を表示する網膜走査型画像表示装置(以下、RSDという)を例に挙げて説明する。なお、本発明は、RSDに限定されるものではなく、光束を走査して画像を表示する他の走査型画像表示装置に対して適用することができる。
[1.RSDの外観]
図1に示すように、本実施形態に係るRSD1は、頭部に装着して使用するヘッドマウントディスプレイであり、コントロールユニット2、頭部装着具5を有している。コントロールユニット2と頭部装着具5とは伝送ケーブル部4を介して接続されている。伝送ケーブル部4は、コントロールユニット2から出射されたレーザ光を伝送する光ファイバケーブル40(図2参照)を有する。また、この伝送ケーブル部4には、後述の投影部6に備えられる走査部50とコントロールユニット2に備えられる後述の光源部20との間で同期をとるための信号(高速走査駆動信号16及び低速走査駆動信号17)を伝送する駆動信号伝送用ケーブルも有する。
図1に示すように、本実施形態に係るRSD1は、頭部に装着して使用するヘッドマウントディスプレイであり、コントロールユニット2、頭部装着具5を有している。コントロールユニット2と頭部装着具5とは伝送ケーブル部4を介して接続されている。伝送ケーブル部4は、コントロールユニット2から出射されたレーザ光を伝送する光ファイバケーブル40(図2参照)を有する。また、この伝送ケーブル部4には、後述の投影部6に備えられる走査部50とコントロールユニット2に備えられる後述の光源部20との間で同期をとるための信号(高速走査駆動信号16及び低速走査駆動信号17)を伝送する駆動信号伝送用ケーブルも有する。
コントロールユニット2は、外部入力端子7から入力した画像信号Sに応じた強度のレーザ光(以下、画像形成用のレーザ光という)を伝送ケーブル部4へ出射する。
頭部装着具5は、投影部6と、この投影部6を支持する眼鏡型フレーム9とから構成される。投影部6は、伝送ケーブル部4の光ファイバケーブル40を介して伝送されてきたレーザ光を走査部50により2次元方向に走査し、利用者の眼101へ投射する。これにより、利用者の眼101の網膜には、2次元方向に走査された画像が投影され、利用者は画像信号Sに応じた画像を視認する。
また、投影部6には、利用者の眼101と対向する位置にハーフミラー8が設けられている。外光Lyはハーフミラー8を透過して利用者の眼101に入射され、投影部6から出射されるレーザ光Lxはハーフミラー8で反射して利用者の眼101に入射される。これにより、利用者は外光Lyによる外景にレーザ光Lxによる画像を重ねて視認することができる。
このようにRSD1は、画像信号Sに応じた画像と外景とを重ねて利用者の眼101の網膜に結像させるシースルー型RSDである。なお、ここでは、光束の一例として、効率面で有利であるレーザ光を用いているが、光束はレーザ光に限られるものではない。
[2.RSD1の電気的構成及び光学的構成]
次に、RSD1の電気的構成及び光学的構成について、図2を参照して説明する。
次に、RSD1の電気的構成及び光学的構成について、図2を参照して説明する。
コントロールユニット2は、制御部10と、光源部20とを有している。
制御部10は、駆動信号供給部11、高速走査駆動信号生成部12、低速走査駆動信号生成部13を有している。
駆動信号供給部11は、外部入力端子7から入力された画像信号S(例えば、NTSCコンポジット信号、コンポーネント信号)に基づいて、画像を形成するための要素となる各信号を画素単位で生成する。すなわち、駆動信号供給部11からは、三原色各色の画素単位の画像信号として、R(赤色)駆動信号15r,G(緑色)駆動信号15g,B(青色)駆動信号15bが生成されて出力される。
高速走査駆動信号生成部12は、高速走査部60の光走査素子である後述の高速走査素子61が共振状態で所定走査範囲となるように、高速走査部60で使用される高速走査駆動信号16を生成して出力する。高速走査駆動信号生成部12は、高速走査素子61の共振状態や走査範囲を、第1光検出部90から出力される検出信号に基づいて判定する。そして、高速走査駆動信号生成部12は、高速走査駆動信号16の周波数が高速走査素子61の共振周波数となり、高速走査素子61の走査範囲が所定走査範囲となるように、高速走査駆動信号16の周波数や振幅を調整する。
低速走査駆動信号生成部13は、高速走査駆動信号16の周波数に基づいて、低速走査部70で使用される低速走査駆動信号17を生成して出力する。この低速走査駆動信号17は、鋸波形状の信号であるが、三角波状の信号や台形波状の信号であってもよい。後述するように、高速走査部60では光源部20から出射されるレーザ光を高速走査方向Xに往復走査しており、高速走査駆動信号16の1/2周期が高速走査方向Xへの1走査となって1走査線が形成される。例えば、RSD1において表示する画像の1フレーム当たりの総走査線数(レーザ光が走査されない無効走査部分を含む)が1000であるとき、低速走査駆動信号17の周期は、高速走査駆動信号16の周期の500倍の周期となる。
光源部20には、Rレーザドライバ21,Gレーザドライバ22,Bレーザドライバ23が設けられる。Rレーザドライバ21,Gレーザドライバ22,Bレーザドライバ23は、それぞれ駆動信号供給部11から出力されるR駆動信号15r,G駆動信号15g,B駆動信号15bをもとに、Rレーザ24,Gレーザ25,Bレーザ26へそれぞれ駆動電流を供給する。各レーザ24,25,26は、各レーザドライバ21,22,23から供給される駆動電流に応じて強度変調されたレーザ光を出射する。各レーザ24,25,26は、例えば、半導体レーザや高調波発生機構付き固体レーザとして構成することが可能である。なお、半導体レーザを用いる場合は駆動電流を直接変調して、レーザ光の強度変調を行うことができるが、固体レーザを用いる場合は、各レーザそれぞれに外部変調器を備えてレーザ光の強度変調を行う必要がある。
さらに、光源部20には、コリメート光学系27,28,29と、このコリメートされたレーザ光を合波するためのダイクロイックミラー30,31,32と、結合光学系33とが設けられている。各レーザ24,25,26から出射したR(赤色)レーザ光Lr,G(緑色)レーザ光Lg、B(青色)レーザ光Lbは、コリメート光学系27,28,29によってそれぞれ平行光化された後に、ダイクロイックミラー30,31,32に入射される。その後、これらのダイクロイックミラー30,31,32により、3原色の各レーザ光Lr,Lg,Lbが波長選択的に反射・透過して結合光学系33に達し、合波されて光ファイバケーブル40へ出射される。このように光ファイバケーブル40へ出射されるレーザ光は、強度変調された各色のレーザ光が合波されたものである。
投影部6は、光源部20と利用者の眼101との間に配置されており、走査部50、第2リレー光学系80、遮光部83を有している。
走査部50は、コリメート光学系51、高速走査部60、第1リレー光学系65、低速走査部70を有している。
コリメート光学系51は、光源部20で生成され、光ファイバケーブル40を介して出射されるレーザ光を平行光化する。
高速走査部60及び低速走査部70は、光ファイバケーブル40から入射されたレーザ光を画像として利用者の網膜101bに投影可能な状態にするために、高速走査方向Xと低速走査方向Yとに2次元走査する光学系である。高速走査部60は、コリメート光学系51で平行光化されて入射するレーザ光を高速走査方向Xに往復走査する。また、低速走査部70は、高速走査部60で高速走査方向Xに走査され、第1リレー光学系65を介して入射するレーザ光を低速走査方向Yに走査する。この低速走査方向Yは高速走査方向Xに略直交する方向である。例えば、高速走査方向Xを水平方向、低速走査方向Yを垂直方向とすることができる。
高速走査部60は、レーザ光を高速走査方向Xに相対的に高速に走査するための反射ミラー62を有する共振型の高速走査素子61と、高速走査駆動回路63を備えている。高速走査駆動回路63は、高速走査素子61を共振させて高速走査素子61の反射ミラー62を揺動させる駆動信号を、高速走査駆動信号16を増幅して生成する。この駆動信号は、高速走査素子61固有の共振周波数を有する正弦波状波形等の信号であり、後述するように反射ミラー62を揺動軸Jx回りに正弦波状に揺動させる。
一方、低速走査部70は、レーザ光を低速走査方向Yに相対的に低速に走査するための反射ミラー72を有する非共振型の光走査素子である低速走査素子71と、低速走査駆動回路73とを備える。低速走査素子71は、図示しないが、反射ミラー72が弾性のある梁部を介して支持部に支持されており、梁部の捻れ変位により反射ミラーを揺動軸Jy回りに揺動させることを可能としている。低速走査駆動回路73は、低速走査素子71の反射ミラー72を非共振状態で強制的に揺動軸Jy回りに揺動させる駆動信号を、低速走査駆動信号17を増幅して生成する。この駆動信号は、鋸波状波形の信号であり、反射ミラー72を揺動軸Jy回りに鋸波状に揺動させる。低速走査部70は、表示すべき画像の1フレームごとに、画像を形成する画像形成用のレーザ光を最初の走査線から最後の走査線に向かって低速走査方向Yに走査する。
図3には、高速走査素子61及び低速走査素子71による最大走査範囲Gと有効走査範囲Zとの関係が示されている。ここで、「最大走査範囲G」とは、光源部20から出射させたレーザ光を、高速走査素子61及び低速走査素子71が走査できる最大の範囲を意味する。また、「有効走査範囲Z」は、高速走査素子61及び低速走査素子71が、画像信号Sに応じた強度のレーザ光を走査する範囲である。すなわち、有効走査範囲Zは、図3に示すように、高速走査素子61の走査位置が−X1〜+X1(反射ミラー62の角度が−θx1〜+θx1)であり、且つ低速走査素子71の走査位置が−Y1〜+Y1(反射ミラー72の角度が−θy1〜+θy1)であるときの走査部50の走査範囲である。なお、高速走査素子61は高速走査駆動信号16を入力しない状態のときに、高速走査素子61の反射ミラー62が平衡位置X0となり、低速走査素子71は低速走査駆動信号17を入力しない状態のときに、低速走査素子71の反射ミラー72が平衡位置Y0となる。
最大走査範囲Gのうち、高速走査素子61及び低速走査素子71による走査位置が有効走査範囲Zにあるタイミングで光源部20から画像信号Sに応じて強度変調されたレーザ光が出射される。これにより、高速走査素子61及び低速走査素子71によって光源部20から出射される画像形成用のレーザ光が有効走査範囲Zで走査される。この走査が1フレームの画像ごとに繰り返される。なお、最大走査範囲Gのうち有効走査範囲Z外の範囲が無効走査範囲Wである。
図2に示すように、投影部6には、さらに、高速走査部60と第1リレー光学系65との間に、ハーフミラー92が設けられている。ハーフミラー92は、高速走査部60により高速走査方向Xに走査されたレーザ光を低速走査部70への方向と低速走査部70とは異なる方向とへ分岐する機能を有しており、高速走査方向Xに走査されたレーザ光の一部を反射するとともに、残りを透過させる。高速走査部60の走査位置が高速走査方向Xの所定位置(ここでは、一例として位置X0とする)にあるときに光源部20から出射され、高速走査部60及びハーフミラー92を介してレーザ光が入射される位置に、第1光検出部90が配置される。この第1光検出部90は、ハーフミラー92により反射されたレーザ光を受光すると、検出信号91を生成して制御部10へ送信する。
また、高速走査部60と低速走査部70との間でレーザ光を中継する第1リレー光学系65は、高速走査素子61の反射ミラー62によって高速走査方向Xに走査されたレーザ光を低速走査素子71の反射ミラーに収束させる。そして、このレーザ光が低速走査素子71の反射ミラー72によって低速走査方向Yに走査される。低速走査素子71によって走査されたレーザ光は、正の屈折力を持つ2つのレンズ81,82が直列配置された第2リレー光学系80を介して、眼101の前方に位置させたハーフミラー8で反射されて利用者の瞳孔101aに入射する。これにより、網膜101b上に画像信号Sに応じた画像が投影され、利用者は瞳孔101aに入射するレーザ光を画像として認識する。また、ハーフミラー8は外光Lyを透過して利用者の瞳孔101aに入射させるようにしており、これにより利用者は外光Lyに基づく外景にレーザ光Lxに基づく画像を重ねた画像を視認することができる。
なお、第2リレー光学系80においては、レンズ81によって、それぞれの走査光はその中心線を相互に略平行にされ、かつそれぞれ収束レーザ光に変換される。つまりレンズ81はテレセントリックな光学系となっている。そして、レンズ82によってそれぞれほぼ平行なレーザ光となると共に、これらのレーザ光の各中心線が利用者の瞳孔101aに収束するように変換される。なお、本実施形態においては、レンズ82とハーフミラー8により投射部が構成される。
第2リレー光学系80により形成される像面(以下、中間像面という)位置又はその近傍には、中央部に開口を有する額縁状に形成された遮光部83が設けられている。この遮光部83は、有効走査範囲Z外の無効走査範囲Wで走査された光のレンズ82への入射を遮断する遮光板から構成されており、中間像面において有効走査範囲Zで走査されたレーザ光を通過させる開口を有している。この遮光部83によって、後述する無効走査範囲Wで走査部50により走査されたレーザ光がレンズ82を経て利用者の瞳孔101aへ入射することを防止している。なお、中間像面は、網膜101bと像共役の関係にある。
[3.共振成分の重畳状態の検出]
本実施形態に係るRSD1では、低速走査駆動信号17の周波数成分の中に、低速走査素子71固有の共振周波数成分が含まれており、反射ミラー72の揺動に共振成分が重畳される。そのため、表示される画像に粗密のむらが現れ、その結果、表示する画像の品質を低下させる虞がある。
本実施形態に係るRSD1では、低速走査駆動信号17の周波数成分の中に、低速走査素子71固有の共振周波数成分が含まれており、反射ミラー72の揺動に共振成分が重畳される。そのため、表示される画像に粗密のむらが現れ、その結果、表示する画像の品質を低下させる虞がある。
そこで、RSD1においては、反射ミラー72の揺動に対する共振成分の重畳状態を検出するようにして、その検出結果に応じて、共振に起因する画像品質の低下を効果的に防止するようにしている。
反射ミラー72の揺動に対する共振成分の重畳状態の検出は、低速走査素子71によって走査されたレーザ光が入射する第2光検出部93から出力される検出信号94に基づいて行われる。第2光検出部93は、低速走査素子の後段にある遮光部83を構成する遮光板の遮光面側に設けられる。具体的には、第2光検出部93は、低速走査素子71による低速走査方向Yの走査位置が+Y3〜+Y4(反射ミラー72の角度が+θy3〜+θy4)にあるときに低速走査素子71により走査されたレーザ光が入射する位置に配置される。
第2光検出部93は、図4に示すように、受光面95を有するフォトダイオードPD1と、I/V変換アンプであるAMP1と、コンパレータCOMP1とを有している。AMP1は、参照電圧Vrefよりも低い電圧+Vcを基準電圧としており、フォトダイオードPD1に電流I1が流れると、+Vcを基準として電流I1に応じた電圧を出力する。コンパレータCOMP1は、AMP1の出力が参照電圧Vref以上の電圧となったときに、立ち上がってHighレベルの電圧を出力し、その後AMP1の出力が参照電圧Vrefよりも低くなったときに、立ち下がってLowレベルの電圧を出力する。このコンパレータCOMP1から出力されるHighレベルの電圧が、第2光検出部93から出力される検出信号94となる。
また、第2光検出部93は、図3に示すように、低速走査方向Yの位置に応じて高速走査方向Xの幅を変化させた形状としており、第2光検出部93の受光面95を繰り返し通過するレーザ光の各軌跡の低速走査方向Yの間隔を検出することで、走査線の間隔を検出可能としている。
図5に、第2光検出部93の受光面95を通過するレーザ光の軌跡の一例を示す。同図では、高速走査素子61により各走査線L1〜L14を形成するために高速走査方向Xに走査されて受光面95を通過するレーザ光の軌跡を示している。
低速走査素子71は、上述したように、低速走査方向Yの位置に応じて高速走査方向Xの幅を変化させた形状としているため、各走査線を形成するレーザ光の低速走査方向Yにおける通過位置に応じて第2光検出部93から出力される検出信号94の信号幅が変わる。
例えば、図6に示すように、走査線L3では、信号幅が時間Taとなる検出信号94が第2光検出部93から出力され、走査線L4では、信号幅が時間Tbとなる検出信号94が第2光検出部93から出力される。
このように、第2光検出部93の受光面95を通過するレーザ光の低速走査方向Yの位置に応じて信号幅が異なる検出信号94が第2光検出部93から出力される。そのため、検出信号94の信号幅に応じて低速走査素子71で走査されているレーザ光の低速走査方向Yの位置を検出することが可能となる。
なお、図7に示すように、高速走査方向Xの幅を低速走査方向Yに対してそれぞれ異ならせるように受光面95を形成してもよい。このようにすることで、検出信号94の信号幅によって低速走査素子71によって走査されているレーザ光の低速走査方向Yの位置を容易に検出することが可能となる。
一方、図5に示す受光面95の形状では、低速走査方向Yの異なる位置に対して高速走査方向Xの幅が同じとなる箇所があり、低速走査方向Yに対して高速走査方向Xの幅が小から大となる領域Aとその逆の領域Bとを切り分ける必要がある。すなわち、第2光検出部93から順次出力される検出信号94の信号幅が前回の検出信号94の信号幅よりも小さくなることを検出することで、領域Aから領域Bへのレーザ光の移行を検出する必要がある。しかし、図5に示すように、低速走査方向Yを上下方向とする菱形に受光面95を形成することによって、隣接する走査線間に対する検出信号94の信号幅の変化を大きくすることができ、第2光検出部93の小型化を図りつつも走査線間の間隔の検出が容易となる。
図5に示す受光面95を有する第2光検出部93から出力される検出信号94の信号幅の変化は、反射ミラー72の揺動に共振成分がないときとあるときとで図8に示すように異なる。
すなわち、反射ミラー72の揺動に共振成分が重畳していないときには、隣接する走査線に対応する検出信号94の信号幅の変化は一定である。例えば、走査線L2に対応する検出信号94の信号幅と走査線L3に対応する検出信号94の信号幅との差幅V23は、走査線L3に対応する検出信号94の信号幅と走査線L4に対応する検出信号94の信号幅との差幅V34(=Tb−Ta)と同じである。
一方、反射ミラー72の揺動に共振成分が重畳しているときには、隣接する走査線に対応する検出信号94の信号幅の変化は一定ではない。例えば、走査線L2に対応する検出信号94の信号幅と走査線L3に対応する検出信号94の信号幅の差幅V23’は、走査線L3に対応する検出信号94の信号幅と走査線L4に対応する検出信号94の信号幅との差幅V34’とは異なる。
差幅Vは走査線間隔に対応するものであり、低速走査駆動信号生成部13は、第2光検出部93から連続して出力される検出信号94の信号幅を検出し、時間的に隣接する2つの検出信号94の時間幅の差である差幅Vに基づき、隣接する走査線間の間隔を検出するようにしている。図8に示す例では、差幅V23(=差幅V34)が基準の差幅(以下、基準差幅Vsという)であり、低速走査駆動信号生成部13は隣接する2つの検出信号94の時間幅の差幅Vが基準差幅Vsに対してどのような比率であるかを判定することで、隣接する走査線間の間隔を検出している。
隣接する走査線に対応する検出信号94の信号幅の変化は、共振成分の周期(=1/[低速走査素子71固有の共振周波数])を一周期として、変動する周期性を有している。すなわち、図9に示すように、差幅Vは、基準差幅Vsを中心に変動する。そのため、低速走査駆動信号生成部13では、一周期分の差幅Vの変動を検出することで、有効走査範囲Yaでの低速走査素子71の走査速度の周期的な変動を検出するようにしている。
低速走査駆動信号生成部13において一周期分の差幅Vの変動を検出するために、第2光検出部93における受光面95のY方向の長さは、低速走査素子71における共振による走査速度の変動の周期を検出可能な長さとしている。例えば、低速走査期間Ty(図3参照)を1/60[sec]とする。このとき、低速走査素子71固有の共振周波数としてあり得る最も低い周波数(通常は900Hz前後)を600Hzとすると、低速走査方向Yにおいて、第2光検出部93における受光面95の長さを低速走査素子71の一走査範囲の1/10を超える長さとして、低速走査素子71における共振による走査速度の変動の周期を検出するようにしている。なお、一周期分の差幅Vの検出間隔(回数)も、低速走査素子71固有の共振周波数や2次共振などの周波数も含めてあり得る最も高い周波数を考慮して、所定間隔より短い検出間隔が望ましいが、これは、高速走査の各周期毎に検出できるこのような装置では特に問題とはならない。
このように、第2光検出部93及び低速走査駆動信号生成部13は、第2光検出部の受光面95を繰り返し通過するレーザ光の各軌跡の低速走査方向Yにおける間隔に基づいて、有効走査範囲Yaにおける低速走査素子71の走査速度の周期的な変動を検出する検出部として機能する。
なお、フォトダイオードPD1の受光面95は、菱形(図5)や三角形(図7)をしている必要はなく、低速走査方向Yの位置に応じて高速走査方向Xの幅を変化させた形状であればよい。
また、図10に示すように、フォトダイオードPD1の光検出領域である受光面95上に所望の開口96aを有する遮光マスク96を配置するようにしてもよい。このようにすることで、低速走査素子71で走査されたレーザ光を受光する受光面の形状を容易に形成することができる。
また、図11(a),(b)に示すように、第2光検出部93として、複数のダイオードPD1a〜PD1cを設けるようにしてもよい。この場合、これらのダイオードPD1a〜PD1cの受光面95a〜95cを、低速走査素子71における共振による走査速度の変動の周期を検出可能となるような間隔及び位置で、低速走査方向Y方向に並べるようにする。また、各受光面95a〜95cは、低速走査方向Yの位置に応じて高速走査方向Xの幅を変化させた形状とする。このようにすることで、第2光検出部93の受光面の面積を可及的に小さくすることが可能となる。
なお、検出信号94の信号幅を、この装置の駆動信号供給部11などの制御全般の基準クロックである図示しないシステムクロックでカウントすることで数値化して、各走査線における低速走査方向Yの位置(一周期分の差幅Vに対応するもの)としてもよい。
また、前記周期的な変動が無い場合の理想的な位置(速度)を基準テーブルとして記憶しておき、実際に検出した位置(速度)と差分を取るなどの比較、分析をし、前記周期的な変動成分の周波数(周期)やタイミングを検出するようにしてもよい。
なお、検出信号94の信号幅を、この装置の駆動信号供給部11などの制御全般の基準クロックである図示しないシステムクロックでカウントすることで数値化して、各走査線における低速走査方向Yの位置(一周期分の差幅Vに対応するもの)としてもよい。
また、前記周期的な変動が無い場合の理想的な位置(速度)を基準テーブルとして記憶しておき、実際に検出した位置(速度)と差分を取るなどの比較、分析をし、前記周期的な変動成分の周波数(周期)やタイミングを検出するようにしてもよい。
[4.共振成分の重畳による光量むらの補正]
駆動信号供給部11は、低速走査駆動信号生成部13により検出した低速走査素子71の走査速度の周期的な変動に基づいて、光源部20から出射されるレーザ光の強度を補正するようにしている。
駆動信号供給部11は、低速走査駆動信号生成部13により検出した低速走査素子71の走査速度の周期的な変動に基づいて、光源部20から出射されるレーザ光の強度を補正するようにしている。
共振により低速走査素子71の走査速度の周期的な変動があるときに、全体に亘って光量が均一である画像を表示しようとすると、図19に示すように、走査線の間隔が狭い領域では明るく見え、逆に走査線の間隔が広い領域では暗く見える。なお、図中ではその場合の明暗を強調して示しており、実際は、これほど極端な明暗があらわれることはまずないが、利用者が表示画像の品質劣化として視認できる程度にあらわれることは多い。
そこで、駆動信号供給部11は、走査線の間隔が狭い領域では電圧値が小さくなるように補正した駆動信号15r,15g,15bを出力し、走査線の間隔が広い領域では電圧値が大きくなるように補正した駆動信号15r,15g,15bを出力する。
具体的には、駆動信号供給部11は、図12に示すように、検出した差幅Vが基準差幅Vsよりも大きいときにはその大きさに応じて大きくなる補正値βを乗算することで補正した駆動信号15r,15g,15bを生成して出力する。例えば、差幅Vが1.2×Vs(基準差幅Vsの1.2倍)の場合には、補正値βを1.2として、元々出力しようとしていた駆動信号15r,15g,15bの電圧を1.2倍に上昇させて出力する。
また、検出した差幅Vが基準差幅Vsよりも小さいときにはその大きさに応じて小さくなる補正値βを乗算することで補正した駆動信号15r,15g,15bを生成して出力する。例えば、差幅Vが0.8×Vs(基準差幅Vsの0.8倍)の場合には、補正値βを0.8として、元々出力しようとしていた駆動信号15r,15g,15bの電圧を0.8倍に低減させて出力する。
なお、検出した差幅Vが基準差幅Vsであるときには、補正せずにそのまま駆動信号15r,15g,15bを出力する。
このように、駆動信号供給部11は、低速走査駆動信号生成部13により検出した低速走査素子71の走査速度の周期的な変動に基づいて、駆動信号15r,15g,15bの電圧を補正することで、光源部20から出射されるレーザ光の強度を補正するようにしている。このようにすることで、低速走査素子71の走査速度の周期的な変動がある場合であっても光量むらの発生を抑制して、画像品質の劣化を防止することができる。
なお、上述においては、検出した差幅Vが基準差幅Vsより大きいか小さいかで、駆動信号15r,15g,15bの電圧を上昇させるのか低減させるのかを決定したが、駆動信号15r,15g,15bの電圧の上昇又は低減のいずれか一方の補正を行うようにしてもよい。
[5.共振成分の重畳による光量むらのその他の補正方法]
上述における光量むらの補正方法では、走査速度の周期的な変動に基づいて、光源部20から出射されるレーザ光の強度を補正するようにしているが、低速走査駆動信号17を補正するようにしてもよい。
上述における光量むらの補正方法では、走査速度の周期的な変動に基づいて、光源部20から出射されるレーザ光の強度を補正するようにしているが、低速走査駆動信号17を補正するようにしてもよい。
すなわち、低速走査駆動信号生成部13において、走査速度の周期的な変動に応じた波形U2(以下、補正波形U2という)の信号を生成し、この補正波形U2を鋸波形状の基本波形U1に重畳することで、低速走査駆動信号17を生成するようにする。
補正波形U2は、図13に示すように、走査線の間隔が狭い領域では電圧値がプラスでかつ走査線の間隔に応じた大きさとなり、走査線の間隔が広い領域では電圧値がマイナスでかつ走査線の間隔に応じた大きさとなる波形である。
この補正波形U2は、反射ミラー72の揺動に重畳した共振成分をキャンセルするための駆動信号部分であり、この補正波形U2を基本波形U1に重畳することで、低速走査素子71の走査速度の周期的な変動がある場合であっても光量むらの発生を抑制して、画像品質の劣化を防止することができる。
なお、低速走査駆動信号生成部13において、低速走査素子71の走査速度の周期的な変動を検出しないときには、補正波形U2は生成されず、鋸波形状の基本波形U1となる低速走査駆動信号17が生成されて出力されることになる。
[6.変形例]
上述においては、第1光検出部90から出力された検出信号91に基づいて、高速走査素子61の走査位置が所定の走査位置になるタイミングを検出し、第2光検出部93から出力された検出信号94に基づいて、反射ミラー72の揺動への共振成分の重畳状態を検出している。そのため、上述したRSD1では、2つの光検出部(第1光検出部90と第2光検出部93)が必要となる。
上述においては、第1光検出部90から出力された検出信号91に基づいて、高速走査素子61の走査位置が所定の走査位置になるタイミングを検出し、第2光検出部93から出力された検出信号94に基づいて、反射ミラー72の揺動への共振成分の重畳状態を検出している。そのため、上述したRSD1では、2つの光検出部(第1光検出部90と第2光検出部93)が必要となる。
しかし、第2光検出部93に第1光検出部90の機能を持たせることができれば、光検出部を一箇所に配置することができ、RSD1の小型化を図ることも可能となる。
そこで、フォトダイオードPD1に加え、図14に示すように、フォトダイオードPD1の受光面95上の一部を遮光する遮光マスク96と、フォトダイオードPD2とを設ける。そして、フォトダイオードPD2の受光面97をフォトダイオードPD1の受光面95に隣接させるようにしている。
さらに、図15に示すように、AMP1に加え、I/V変換アンプ(電流電圧変換回路)であるAMP2を設ける。そして、AMP2は、基準電圧を+Vcよりも高い+Vbとしており、フォトダイオードPD2に電流I2が流れると、+Vbを基準として電流I2に応じた電圧を出力する。AMP1,AMP2の出力は、コンパレータCOMP1に入力されて比較され2値化される。このコンパレータCOMP1は、図16に示すように、AMP1の出力V1がAMP2の出力V2よりも高いときにHighレベルの信号を出力し、AMP1の出力V1がAMP2の出力V2以下のときにLowレベルの信号を出力する。
第2光検出部93を以上のように構成することで、フォトダイオードPD2側からフォトダイオードPD1側へレーザ光が走査されて、レーザ光の走査位置が所定位置X0になったときに立ち上がる検出信号94’を出力する。高速走査駆動信号生成部12は、この検出信号94’を入力することにより、走査部50の走査位置が所定位置X0になったタイミングを精度良く検出することができる。
すなわち、高速走査駆動信号生成部12において、高速走査素子61によりレーザ光が高速走査方向Xの所定位置X0となったタイミングを精度良く検出することができ、駆動信号供給部11は、高速走査駆動信号生成部12からこのように検出したタイミングを取得する。そして、駆動信号供給部11は、このように検出したタイミングに基づいて、+X1〜−X1又は−X1〜+X1となるタイミングを判定し、画像信号Sの強度に応じたレーザ光を、有効走査範囲Xaで出射するようにしている。
また、上述と同様に、低速走査駆動信号生成部13は、入力される検出信号94’に基づいて、第2光検出部93の受光面95を繰り返し通過するレーザ光の各軌跡の低速走査方向Yにおける間隔に基づいて、有効走査範囲Yaにおける低速走査素子71の走査速度の周期的な変動を検出する。
以上、本発明の実施形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
本発明を、上述してきた実施形態を通して説明したが、本実施形態のRSD1によれば、以下の効果が期待できる。
(1)画像信号Sに応じた強度の光束を出射する光源部20と、光束を第1方向である高速走査方向Xに相対的に高速に走査する高速走査素子61と、光束を第1方向と略直交する第2方向である低速走査方向Yに相対的に低速に走査する低速走査素子71とを有し、光源部20から出射された光束を2次元走査する走査部50と、走査部50で走査された光束を被投射対象に投射する投射部であるレンズ82及びハーフミラー8と、低速走査素子71により走査された光束が入射する第2光検出部93を低速走査素子71の後段に光束が所定回数以上通過するように有し、第2光検出部93の受光面95を繰り返し通過する光束の各軌跡の低速走査方向Yにおける間隔に基づいて、有効走査範囲Yaにおける低速走査素子71の走査速度の周期的な変動を検出する検出部(第2光検出部93及び低速走査駆動信号生成部13)と、を備えているので、低速走査素子71の反射ミラー72の揺動に共振成分の重畳を十分に抑制することができない場合であっても、この共振成分の重畳状態を検出することができる。そのため、検出結果に応じた処理を行うことで、画像品質を向上させることが可能となる。
(2)第2光検出部93は、受光面95を有するフォトダイオードPD1を有し、受光面95のうち光束が実際に入射する受光面95は、所定の形状を有し、所定の位置に配置されており、検出部は、フォトダイオードPD1の出力に基づく検出信号94により、低速走査素子71の走査速度の周期的な変動を検出するので、一般的なフォトダイオードを用いることで、容易に第2光検出部93を構成することができる。
(3)光束が実際に入射する受光面95は、低速走査方向Yの位置に応じ高速走査方向Xの幅を変化させた形状とすることで、各走査線を形成するレーザ光の低速走査方向Yにおける通過位置に応じて第2光検出部93から出力される検出信号94の信号幅が変わり、この信号幅に基づいて、低速走査素子71で走査されているレーザ光の低速走査方向Yの位置を検出することが可能となる。
(4)光束が実際に入射する受光面95は、低速走査方向Yの長さを、少なくとも低速走査素子71の走査速度の周期的な変動動の周期を検出可能な長さとしたので、一つの受光面95により低速走査素子71の走査速度の変動の周期を検出することができ、光検出部の構成を簡易なものとすることが可能となる。
(5)第2光検出部93は、受光面95を有する第1フォトダイオードPD1と、受光面97を有する第2フォトダイオードPD2とを有し、第1フォトダイオードPD1と第2フォトダイオードPD2とは、高速走査方向Xに互いに隣接するように並んで配置され、検出部は、第1フォトダイオードPD1の出力に基づく検出信号94,94’により、低速走査素子71の走査速度の周期的な変動を検出し、第1及び第2フォトダイオードPD1,PD2の出力に基づく検出信号94’により、高速走査素子61の走査状態を検出するので、2つの光検出部の機能を一つの光検出部により実現することができるため、走査型画像表示装置の小型化を図ることが可能となる。
(6)検出部による検出結果に応じて、光源部20から出射される光束の強度を補正する駆動信号供給部11(制御部)を備えているので、低速走査素子71の走査速度の周期的な変動がある場合であっても光量むらの発生を抑制して、画像品質の劣化を防止することができる。
1 RSD(網膜走査型表示装置)
8 ハーフミラー
11 駆動信号供給部
20 光源部
50 走査部
61 高速走査素子
71 低速走査素子
82 レンズ
93 第2光検出部
94 検出信号
95 受光面
PD1 第1フォトダイオード(フォトダイオード)
PD2 第2フォトダイオード
X 高速走査方向
Y 低速走査方向
8 ハーフミラー
11 駆動信号供給部
20 光源部
50 走査部
61 高速走査素子
71 低速走査素子
82 レンズ
93 第2光検出部
94 検出信号
95 受光面
PD1 第1フォトダイオード(フォトダイオード)
PD2 第2フォトダイオード
X 高速走査方向
Y 低速走査方向
Claims (7)
- 画像信号に応じた強度の光束を出射する光源部と、
光束を第1方向に相対的に高速に走査する高速走査素子と、光束を前記第1方向と略直交する第2方向に相対的に低速に走査する低速走査素子とを有し、前記光源部から出射された光束を2次元走査する走査部と、
前記走査部で走査された光束を被投射対象に投射する投射部と、
前記低速走査素子により走査された光束が入射する光検出部を前記低速走査素子の後段に前記光束が所定回数以上通過するように有し、前記光検出部の受光面を繰り返し通過する光束の各軌跡の前記第2方向における間隔に基づいて、有効走査範囲における前記低速走査素子の走査速度の周期的な変動を検出する検出部と、を備えた
ことを特徴とする走査型画像表示装置。 - 前記光検出部は、前記受光面を有するフォトダイオードを有し、
前記受光面のうち前記光束が実際に入射する受光面は、所定の形状を有し、所定の位置に配置されており、
前記検出部は、前記フォトダイオードの出力に基づく信号により、前記低速走査素子の走査速度の周期的な変動を検出する
ことを特徴とする請求項1に記載の走査型画像表示装置。 - 前記光束が実際に入射する受光面は、前記第2方向の位置に応じて前記第1方向の幅を変化させた形状であることを特徴とする請求項1〜2のいずれか1項に記載の走査型画像表示装置。
- 前記光束が実際に入射する受光面は、前記第2方向の長さを、少なくとも前記低速走査素子の前記変動の周期を検出可能な長さとした
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の走査型画像表示装置。 - 前記光検出部は、前記受光面を有する第1フォトダイオードと、第2フォトダイオードとを有し、前記第1フォトダイオードと前記第2フォトダイオードとは、前記第1方向に互いに隣接するように並んで配置され、
前記検出部は、前記第1フォトダイオードの出力に基づく第1信号により、前記低速走査素子の走査速度の周期的な変動を検出し、前記第1及び第2フォトダイオードの出力に基づく第2信号により、前記高速走査素子の走査状態を検出する
ことを特徴とする請求項1に記載の走査型画像表示装置。 - 前記検出部による検出結果に応じて、前記光源部から出射される光束の強度を補正する制御部を備えた
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の走査型画像表示装置。 - 前記走査部によって走査された光束を、使用者の少なくとも一方の眼に入射して、画像を表示する網膜走査型の画像表示装置である
ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の走査型画像表示装置。
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- 2010-06-17 JP JP2010138167A patent/JP2012003051A/ja not_active Withdrawn
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