JP2011214973A - 二次電池の電流電圧検出装置 - Google Patents

二次電池の電流電圧検出装置 Download PDF

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Abstract

【課題】二次電池の電流と電圧のペアデータの取得タイミングを制御することで、二次電池のSOCや内部抵抗等の二次電池の特性の検出あるいは推定精度を向上させる。
【解決手段】二次電池10は組電池であって、複数の電池ブロック10−1〜10−3を備える。スイッチS1〜S4をオンオフしてフライングキャパシタC1,C2を充電し、その後、スイッチS5,S6をオンして端子電圧を検出する。電流検出部36の電流のサンプリングタイミングを、電圧検出部34の電圧サンプリングタイミングよりも時間的に先行させ、電気2重層における電流が流れた後の電圧変化を検出する。
【選択図】図2

Description

本発明は二次電池の電流電圧検出装置に関し、特に、組電池の電流と電圧の検出タイミングに関する。
電動機により車両駆動力を得ている電気自動車やハイブリッド自動車等の電動車両は、二次電池を搭載し、この二次電池に蓄積された電力により電動機を駆動する。電動車両は、回生制動、すなわち車両制動時に電動機を発電機として機能させ、車両の運動エネルギを電気エネルギに変換することにより制動する機能を備える。変換された電気エネルギは二次電池に戻され、加速を行う時等に再利用される。
二次電池は、過放電あるいは過充電を行うと電池性能を劣化させることになるため、二次電池の充電状態(SOC:State of Charge)を把握して充電あるいは放電を制御する必要がある。例えば、ハイブリッド自動車においては、二次電池が回生電力を受け入れられるように、また要求があれば直ちに電動機に対して電力を供給できるようにするために、その充電状態が満充電状態(SOC=100%)と、全く蓄電されていない状態(SOC=0%)のおよそ中間付近(SOC=50%〜60%)に制御される。従って、二次電池のSOCは高精度に検出することが必要である。
二次電池のSOCは、二次電池に対する充放電電流を測定し、その電流値に所定の充電効率ηを乗算し、その乗算値をある時間間隔にわたって積算することで積算容量を計算し、この積算容量に基づいて推定することができる。この際、二次電池の起電力Veに応じて充電効率ηを補正することでSOCの推定精度を向上させることができるが、二次電池の起電力Veは、所定期間内に二次電池の端子電圧と充放電電流のペアデータを複数個取得して記憶し、これらのペアデータから回帰分析により一次の近似直線(電圧V−電流I近似直線)を求め、近似直線のV切片を無負荷電圧として求める。そして、電流Iを所定時間積算することで積算容量を計算し、所定期間における積算容量の変化量と電池温度に基づいて電池の分極電圧を求め、無負荷電圧から分極電圧を減算することで求めることができる。なお、二次電池の内部抵抗も、上記の一次近似直線の傾きから算出することができる。
下記の特許文献1には、フライングキャパシタ方式の電圧に対するペア電流の取得方法が開示されており、ペア電流の取得タイミングをマルチプレクサのアナログスイッチの実質的なターンオフ時点において電流のサンプリングを行うことが開示されている。
特許第3672183号 特開2008−180692号公報 特開2009−52925号公報
二次電池のSOCの推定や内部抵抗の推定に二次電池の端子電圧と充放電電流のペアデータが必要であり、特許文献1のようにマルチプレクサのアナログスイッチの実質的なターンオフ時点において電流のサンプリングを行うことが考えられる。ところで、固体電極と電解質溶液のように2つの異なる層が接触すると、その界面には正と負の電荷が非常に短い距離で配列した層が形成される(電気2重層)。この電気2重層に電流が流れることで二次電池の電圧は変化するから、二次電池の電流と電圧の取得タイミングが同じタイミングであると、この変化分を考慮しないペアデータとなってしまうことから、二次電池のSOCや内部抵抗の推定に誤差が生じてしまう。
本発明の目的は、二次電池の電流と電圧のペアデータの取得タイミングを制御することで、二次電池のSOCや内部抵抗等の二次電池の特性の検出あるいは推定精度を向上させることにある。
本発明は、二次電池の電流及び電圧を検出する装置であって、前記二次電池に第1スイッチ群を介して接続されるキャパシタと、前記フライングキャパシタに第2スイッチ群を介して接続される電圧検出部と、前記二次電池の電流を検出する電流検出部とを備え、前記電圧検出部は、前記第1スイッチ群がオンされて前記二次電池からの電流により前記キャパシタが充電され、その後、前記第1スイッチ群がオフされて前記第2スイッチ群がオンされ前記キャパシタの端子電圧を検出することにより前記二次電池の電圧を検出するものであり、かつ、前記電流検出部で検出された電流と前記電圧検出部で検出された電圧のサンプリングタイミングを制御して電流データと電圧データを取得する手段であって、前記電流のサンプリングタイミングを前記電圧のサンプリングタイミングよりも時間的に先行させ、取得した電流データと電圧データをペアデータとする取得手段とを備えることを特徴とする。
本発明の1つの実施形態では、前記電流のサンプリングタイミングは、前記第1スイッチ群がオンされた後であって、その後前記第1スイッチ群がオフされる前である。
また、本発明の他の実施形態では、前記二次電池は組電池であって、前記組電池は互いに直列接続された少なくとも第1及び第2電池ブロックから構成され、前記第1スイッチ群は、前記第1電池ブロックの正極と前記キャパシタの一方の端子を接続する第1スイッチと、前記第1電池ブロックの負極及び前記第2電池ブロックの正極と前記キャパシタの他方の端子を接続する第2スイッチと、前記第2電池ブロックの負極と前記キャパシタの前記一方の端子を接続する第3スイッチとを備え、前記第2スイッチ群は、前記キャパシタの前記一方の端子を前記電圧検出部に接続する第4スイッチと、前記キャパシタの前記他方の端子を前記電圧検出部に接続する第5スイッチとを備え、前記第1電池ブロックの電流電圧検出時には前記第1スイッチ及び前記第2スイッチが連動してオンオフされ、前記第2電池ブロックの電流電圧検出時には前記第2スイッチ及び前記第3スイッチが連動してオンオフされる。
本発明によれば、二次電池の電流と電圧のペアデータの取得タイミングを制御することで、二次電池のSOCや内部抵抗等の二次電池の特性の検出あるいは推定精度を向上させることができる。
実施形態の全体構成ブロック図である。 図1における要部回路構成図である。 実施形態の処理フローチャートである。 従来技術の処理フローチャートである。 実施形態のタイミングチャートである。
以下、図面に基づき本発明の実施形態について説明する。
1.基本構成
図1に、本実施形態における二次電池の電流電圧検出装置が搭載される車両の構成ブロック図を示す。なお、図1では搭載車両としてハイブリッド自動車を例示しているが、これに限定されるものではなく、駆動源としてモータを備えた任意の車両に適用できる。
電池制御ユニット(電池ECU)20は、二次電池10から電池電圧、電池温度等の情報を受けて、二次電池10のSOCを所定の制御タイミングで推定し、推定したSOCや電池電圧、電池温度等の情報をハイブリッド制御ユニット(HV−ECU)40に出力する。HV−ECU40は、インバータ50、駆動力分配機構56、エンジン60を制御する。
二次電池10は組電池であり、複数の電池ブロックを直列に接続して構成される。各電池ブロックは、複数の電池モジュールを直列接続して構成され、各電池モジュールはさらに1つまたは複数の単電池(セル)を直列に接続して構成される。二次電池10は、例えばニッケル水素電池である。
二次電池10は、リレー38、インバータ50を介してモータジェネレータ(M/G)52に接続される。モータジェネレータ52は、遊星ギア機構を含む駆動力分配機構56を介してエンジン60と接続される。
温度センサ32は、二次電池10の所定部位に設けられ、二次電池10の所定部位の電池温度を検出する。
電圧検出部34は、電池ブロック毎に設けられ、各電池ブロックの端子電圧を検出する。
電流検出部36は、二次電池10に流れる充放電電流を検出する。
温度センサ32、電圧検出部34、電流検出部36で検出された温度データ、端子電圧データ、電流データは、それぞれ所定のサンプリング周期で電池ECU20に供給される。電池ECU20は、各センサから供給された温度データ、端子電圧データ、電流データに基づいて二次電池10のSOCや内部抵抗を推定する。
電池ECU20におけるSOCの推定方法は公知であるが、以下、簡単に説明する。
電池ECU20は、電圧検出部34からの端子電圧データと、電流検出部36からの電流データをペアデータとし、充電方向と放電方向における電流データの値が所定の範囲内であり、ペアデータ取得中の積算容量の変化量が所定の範囲内である場合に、端子電圧データと電流データのペアデータが有効であると判定する。そして、有効なペアデータから、最小2乗法を用いた統計処理により、1次の電圧−電流近似直線を算出し、電流がゼロのときの電圧値を無負荷電圧として算出する。
また、電池ECU20は、二次電池10の電流データから二次電池10の分極発生成分を算出するとともに、二次電池10の分極減衰成分を算出し、これらを加算することにより二次電池10の分極電圧を算出する。電池ECU20は、二次電池10の電流データから所定期間における積算容量の変化量を算出し、予めメモリに記憶されているルックアップテーブルを参照することでこの積算容量の変化量に対応する分極電圧を求めてもよい。
次に、電池ECU20は、算出した無負荷電圧から、算出した分極電圧を減算することで、二次電池10の起電力を算出する。そして、起電力に基づいて充電効率ηを補正し、補正後の充電効率ηを用いて二次電池10の電流データを所定期間積算することで、二次電池10のSOCを推定する。
2.電流電圧検出装置の構成
図2に、本実施形態における電流電圧検出装置の回路構成図を示す。
二次電池10は組電池であり、図においては、説明の都合上、3つの電池ブロック10−1,10−2,10−3のみを示すが、その数は任意である。電池ブロック10−1,10−2,10−3は互いに直列に接続される。
電池ブロック10−1の正極側には、スイッチS1を介してフライングキャパシタC1の一方の端子に接続され、フライングキャパシタC1の他方の端子はフライングキャパシタC2の一方の端子に接続されて直列接続される。また、電池ブロック10−1の負極側には、スイッチS2を介してフライングキャパシタC2の他方の端子が接続される。
電池ブロック10−2の正極側には、スイッチS2を介してフライングキャパシタC2の他方の端子が接続され、電池ブロック10−2の負極側には、スイッチS3を介してフライングキャパシタC1の一方の端子が接続される。
電池ブロック10−3の正極側には、スイッチS3を介してフライングキャパシタC1の一方の端子が接続され、電池ブロック10−3の負極側には、スイッチS4を介してフライングキャパシタC2の他方の端子が接続される。
また、フライングキャパシタC1の一方の端子は、スイッチS5及び抵抗R1を介して電圧検出部34に接続され、フライングキャパシタC2の他方の端子はスイッチS6及び抵抗R2を介して電圧検出部34に接続される。
二次電池10の各電池ブロック10−1〜10−3とフライングキャパシタC1,C2を接続するスイッチS1〜S4が第1スイッチ群を構成し、フライングキャパシタC1,C2と電圧検出部34を接続するスイッチS5,S6が第2スイッチ群を構成する。第1スイッチ群及び第2スイッチ群ともにアナログスイッチで構成することができる。
電圧検出部34は、各電池ブロック10−1,10−2,10−3の端子電圧を検出して電池ECU20に出力する。すなわち、スイッチS1,S2をオンにし、他のスイッチをオフにすると、電池ブロック10−1のみがフライングキャパシタC1,C2に接続され、フライングキャパシタC1,C2が充電されて電池ブロック10−1の端子電圧がホールドされる。その後、スイッチS1,S2をオフにし、スイッチS5,S6をオンにすると、キャパシタC1,C2が電圧検出部34に接続され、キャパシタC1,C2の端子電圧、すなわち電池ブロック10−1の端子電圧が検出される。次に、スイッチS5,S6をオフにし、スイッチS2,S3をオンにすると、電池ブロック10−2のみがフライングキャパシタC1,C2に接続され、フライングキャパシタC1,C2が充電されて電池ブロック10−2の端子電圧がホールドされる。その後、スイッチS5,S6をオンにし、他のスイッチをオフにすると、キャパシタC1,C2が電圧検出部34に接続され、キャパシタC1,C2の端子電圧、すなわち電池ブロック10−2の端子電圧が検出される。次に、スイッチS5,S6をオフにし、スイッチS3,S4をオンにすると、電池ブロック10−3のみがフライングキャパシタC1,C2に接続され、フライングキャパシタC1,C2が充電され、電池ブロック10−3の端子電圧がホールドされる。その後、スイッチS3,S4をオフにし、スイッチS5,S6をオンにすると、キャパシタC1,C2が電圧検出部34に接続され、キャパシタC1,C2の端子電圧、すなわち電池ブロック10−3の端子電圧が検出される。以上のようにして、スイッチS1〜S4を順次オンオフすることで、電池ブロック10−1,10−2,10−3の端子電圧が順次検出される。
また、電流検出部36は、二次電池10の充放電電流を検出して電池ECU20に出力する。電池ECU20は、電流検出部36からの電流データを所定のタイミングでサンプリングして取得し、既述したように端子電圧データと電流データのペアデータを取得する。
しかしながら、電流データの取得タイミングを端子電圧の取得タイミングと同一とすると、高精度に二次電池10のSOCを推定することができない。その理由は、電気2重層に電流が流れることで二次電池10の電圧は変化するから、二次電池10の電流と電圧の取得タイミングが同じタイミングであると、本来ペアでない電圧データと電流データをペアデータと誤認識してしまうからである。例えば、あるタイミングで電流データを取得したとする。しかしながら、この電流データとペアをなす端子電圧データは、この電流が流れたことに起因して生じた変化後の端子電圧であり、電流が流れたことに起因して生じた端子電圧ではない。そこで、本実施形態では、二次電池10の電気2重層において、電流が流れてから端子電圧が変化するまでの時間を考慮して、電流データの取得タイミングを制御する。すなわち、端子電圧データを取得するに先立って電流データを取得し、電流データを取得して所定時間、つまり電流が流れてから端子電圧が変化するまでの時間だけ経過した後に、その電流データとペアをなすべき端子電圧データを取得する。電流が流れてから端子電圧が変化するまでの時間は二次電池10の種類に応じて変化するが、ニッケル水素電池においては0.03秒程度である。
図3に、本実施形態における二次電池10の端子電圧と充放電電流の検出フローチャートを示す。組電池である二次電池10の特定の電池ブロック、具体的には電池ブロック10−1の端子電圧と電流を検出する場合について説明するが、他の電池ブロックについても同様である。
まず、電池ECU20は、制御信号をスイッチS1,S2に供給してスイッチS1,S2をオンする(S101)。これにより、キャパシタC1,C2に電流が流れ、キャパシタC1,C2が充電される。スイッチS1,S2をオンにした後、電池ECU20は、電流検出部36で検出された電流をサンプリングし、電流データを取得する(S102)。
次に、電池ECU20は、制御信号をスイッチS1,S2に供給してスイッチS1,S2をオフとし(S103)、スイッチS5,S6に制御信号を供給してスイッチS5,S6をオンにする(S104)。これにより、キャパシタC1,C2は電圧検出部34に接続される。電池ECU20は、電圧検出部34で検出された電圧データをサンプリングして取得し(S105)、スイッチS5,S6をオフにする(S106)。電池ECU20は、S102で取得した電流データとS105で取得した電圧データをペアデータとして、電池ブロック10−1のSOCを推定する。
図4に、比較のため、従来技術における端子電圧と充放電電流の検出フローチャートを示す。まず、スイッチS1,S2をオンする(S201)。そして、キャパシタC1,C2を充電した後、スイッチS1,S2をオフにする(S202)。スイッチS1,S2をオフにした後、電流を検出し(S203)、同時にスイッチS5,S6をオンにし(S204)、電圧検出部36で電圧を検出する(S205)。電流、電圧データを取得した後、スイッチS5,S6をオフにする(S206)。
図4の処理では、スイッチS1,S2をオフにした後に電流を検出しており、すなわち電流検出の時点において既にキャパシタC1,C2の充電が終了している。従って、キャパシタC1,C2には電流が流れた後の電圧の変化分が反映されない。これに対し、図3に示す本実施形態では、スイッチS1,S2がオフされる前に電流が検出されるため、電流が流れた後の電圧の変化分がキャパシタC1,C2に蓄積されることとなり、検出される電圧データは電流が流れた後の変化分が反映された電圧データである。
図5に、本実施形態における各スイッチのオンオフタイミングを示す。図5(a)は、スイッチS1,S2のオンオフタイミングである。ある時刻t1でオンとなり、その後、時刻t2でオフとなる。一方、図5(b)は、電流のサンプリングタイミングであり、スイッチS1,S2が時刻t2でオフされる前の時刻t3で電流がサンプリングされる。図5(c)は、スイッチS5,S6のオンオフタイミングであり、時刻t2の後の時刻t4でオンとなり、その後時刻t5でオフとなる。さらに、図5(d)は、電圧のサンプリングタイミングであり、スイッチS5,S6が時刻t4でオンされた後の時刻t6で電圧がサンプリングされる。時刻t3でサンプリングされた電流データと、時刻t6でサンプリングされた電圧データがペアデータである。図5(b)には、比較のため、従来の電流のサンプリングタイミングを破線で示す。従来は、スイッチS1,S2が時刻t2でオフされたと同時若しくはそれより後の時刻t4でサンプリングされる。本実施形態は、図から明らかなように、従来の電流のサンプリングタイミングを時間的に先行させて、スイッチS1,S2をオフするタイミングよりも前に設定するものである。
このように、本実施形態では、電流データと電圧データのペアデータを取得する際に、電流データの取得タイミングを電圧データの取得タイミングより時間的に先行させ、電流が流れることによる電圧の変化分をキャパシタC1,C2の端子電圧に反映させた後に電圧データを取得するようにしたので、正確なペアデータを取得することができ、これにより二次電池10の高精度なSOCあるいは内部抵抗等の推定が可能となる。
なお、本実施形態では、電流データの取得タイミングを電圧データの取得タイミングよりも時間的に先行させているため、スイッチタイミングのばらつきが存在してもSOC等の高精度の推定が可能である効果も奏する。すなわち、従来においては、図5に示すように電流のサンプリングタイミングと電圧のサンプリングタイミングはほとんど同じであるため、スイッチタイミングのばらつきによっては電流のサンプリングタイミングが電圧のサンプリングタイミングよりも時間的に後になってしまう場合もあり得、この場合には本来的にはペアデータでないデータをペアデータとして取り扱うことになり高精度の推定は困難となる。また、既述した特許文献1には、スイッチS1,S2をアナログスイッチで構成し、これらのアナログスイッチの実質的なターンオフ時点を電流のサンプリングタイミングとすることが記載されているが、アナログスイッチのターンオフ時点にばらつきがあるとこれに連動して電流のサンプリングタイミングもばらつくこととなり、電圧のサンプリングタイミングよりも遅れる場合もあり得る。ところが、本実施形態では、電流のサンプリングタイミングを電圧のサンプリングタイミングよりも時間的に先行させているため、このような時間的に逆転する現象が生じる可能性がほとんどなくなり、高精度な推定が担保される。電流のサンプリングタイミングと電圧のサンプリングタイミングの差、すなわち図5におけるΔt=t6−t3は、例えば0.01sec〜0.09secの範囲内の任意の値とすることができ、例えばΔt=0.03secとすることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。
例えば、本実施形態では二次電池10の例としてニッケル水素電池としたが、リチウムイオン電池その他の電池であってもよい。
また、本実施形態では、電圧のサンプリングタイミングと電流のサンプリングタイミングの差Δtを例えば0.03secとしたが、電圧のサンプリングタイミングをスイッチS1,S2のオフタイミング及びスイッチS5,S6のオンタイミングに同期させて設定し、電流のサンプリングタイミングをスイッチS1,S2のオフタイミングよりもΔtだけ時間的に先行させるように制御してもよい。要するに、電気2重層において電流が流れることで電圧が変化するという事実を考慮し、電流が流れたことに起因して生じた変化後の電圧でフライングキャパシタC1,C2を充電し、このときのフライングキャパシタC1,C2の端子電圧を検出すればよく、このようにして検出した電流データと電圧データをペアデータとして処理すればよい。また、本実施形態では互いに直列接続された2つのフライングキャパシタC1,C2を例示しているが、単一のフライングキャパシタであってもよい。さらに、本実施形態ではフライングキャパシタC1,C2を1組だけ設けているが、必要に応じて複数組設けてもよく、各組のフライングキャパシタは1個でも複数個でもよい。複数組のフライングキャパシタを設ける構成は、例えば特許第3672183号に記載されており、二次電池10を構成する電池ブロックの数の半分だけフライングキャパシタの組を設け、2つの電池ブロックで1つのフライングキャパシタの組を共用して電圧を検出する。
10 二次電池、S1〜S4 第1スイッチ群、S5,S6 第2スイッチ群、20 電池ECU、34 電圧検出部、36 電流検出部。

Claims (3)

  1. 二次電池の電流及び電圧を検出する装置であって、
    前記二次電池に第1スイッチ群を介して接続されるキャパシタと、
    前記キャパシタに第2スイッチ群を介して接続される電圧検出部と、
    前記二次電池の電流を検出する電流検出部と、
    を備え、
    前記電圧検出部は、前記第1スイッチ群がオンされて前記二次電池からの電流により前記キャパシタが充電され、その後、前記第1スイッチ群がオフされて前記第2スイッチ群がオンされ前記キャパシタの端子電圧を検出することにより前記二次電池の電圧を検出するものであり、かつ、
    前記電流検出部で検出された電流と前記電圧検出部で検出された電圧のサンプリングタイミングを制御して電流データと電圧データを取得する手段であって、前記電流のサンプリングタイミングを前記電圧のサンプリングタイミングよりも時間的に先行させ、取得した電流データと電圧データをペアデータとする取得手段と、
    を備えることを特徴とする二次電池の電流電圧検出装置。
  2. 請求項1記載の装置において、
    前記電流のサンプリングタイミングは、前記第1スイッチ群がオンされた後であって、その後前記第1スイッチ群がオフされる前であることを特徴とする二次電池の電流電圧検出装置。
  3. 請求項1,2のいずれかに記載の装置において、
    前記二次電池は組電池であって、前記組電池は互いに直列接続された少なくとも第1及び第2電池ブロックから構成され、
    前記第1スイッチ群は、
    前記第1電池ブロックの正極と前記キャパシタの一方の端子を接続する第1スイッチと、
    前記第1電池ブロックの負極及び前記第2電池ブロックの正極と前記キャパシタの他方の端子を接続する第2スイッチと、
    前記第2電池ブロックの負極と前記キャパシタの前記一方の端子を接続する第3スイッチと、
    を備え、
    前記第2スイッチ群は、
    前記キャパシタの前記一方の端子を前記電圧検出部に接続する第4スイッチと、
    前記キャパシタの前記他方の端子を前記電圧検出部に接続する第5スイッチと、
    を備え、
    前記第1電池ブロックの電流電圧検出時には前記第1スイッチ及び前記第2スイッチが連動してオンオフされ、前記第2電池ブロックの電流電圧検出時には前記第2スイッチ及び前記第3スイッチが連動してオンオフされることを特徴とする二次電池の電流電圧検出装置。
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