JP2011214521A - ピストンポンプ - Google Patents

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正俊 袰谷
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Abstract

【課題】部品のコストアップを抑えつつ、耐久性を向上できるピストンポンプを提供する。
【解決手段】有底円筒状のシリンダ10と、シリンダ10内を摺動するピストン30と、シリンダ10およびピストン30に囲まれた圧力室14の吸入路36に設けられる吸入弁手段50と、圧力室14の吐出路19に設けられる吐出弁手段60と、を備えたピストンポンプ1において、シリンダ10は、ピストン30との摺動部を構成する金属製のパイプシリンダ部11と、パイプシリンダ部11の外周を覆う有底円筒状の樹脂シリンダ部12と、を備えて構成されていることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、ピストンポンプに関する。
従来、車両用ブレーキ液圧制御装置に用いられるピストンポンプとしては、例えば、特許文献1に示すように、シリンダが金属製部材を切削して形成されており、耐久性を向上させたものがあった。また、特許文献2に示すように、シリンダを樹脂成形品にて形成し、加工性を高めたピストンポンプがあった。
特開2008−111355号公報 特開平11−257245号公報
特許文献1のピストンポンプでは、金属製部材を切削することでシリンダを形成しているので、製作に多くの手間とコストが発生してしまう問題があった。そこで、切削にかかる手間とコストを低減するために、切削性のよい材質を選択することもできるが、その場合、耐久性を向上させるために切削後に熱処理を施す必要があり、さらにこの熱処理による歪みを除去するための再切削が必要になる場合もあり、結果的に加工にかかる手間のコストの低減が図れないのが現状であった。
また、特許文献2のピストンポンプでは、樹脂成形品にてシリンダを形成しているので、切削加工は必要としないが、ピストンの繰返し摺動に耐えられるだけの耐久性を持たせるのが困難であった。耐久性向上のために、炭素繊維等の特殊な材料を用いると、コストアップを招いてしまう。
このような観点から、本発明は、部品のコストアップを抑えつつ、耐久性を向上できるピストンポンプを提供することを課題とする。
このような課題を解決する請求項1に係る発明は、有底円筒状のシリンダと、該シリンダ内を摺動するピストンと、前記シリンダおよびピストンに囲まれた圧力室の吸入路に設けられる吸入弁手段と、前記圧力室の吐出路に設けられる吐出弁手段と、を備えたピストンポンプにおいて、前記シリンダは、前記ピストンとの摺動部を構成する金属製のパイプシリンダ部と、該パイプシリンダ部の外周を覆う有底円筒状の樹脂シリンダ部と、を備えて構成されていることを特徴とするピストンポンプである。
前記のような構成によれば、樹脂シリンダ部およびパイプシリンダ部がともに切削加工を必要としないので、安価に製造できるとともに、ピストンが摺動する面は金属製のパイプシリンダ部にて構成されるので耐久性を確保できる。
また、本発明では、前記パイプシリンダ部は、前記樹脂シリンダ部にインサート成形にて一体に形成されていることが好ましい。
前記のような構成によれば、組付け時の部品点数は増加しないので、組付け手間の増加を防止できる。
さらに、本発明では、前記パイプシリンダ部は、開口端に外側に広がるフランジ部を備えており、該フランジ部は、前記樹脂シリンダ部に埋没されていることが好ましい。
前記のような構成によれば、パイプシリンダ部をプレス加工にて形成する際に発生するフランジ部を除去することなく有効活用できる。また、パイプシリンダ部と樹脂シリンダ部との接合性を高めることができる。
また、本発明では、前記樹脂シリンダ部に、前記吐出弁手段の吐出弁体が着座する弁座部が形成されていることが好ましい。
前記のような構成によれば、弁座部を別部材で形成する必要がなく、製造手間とコストの低減が図れる。また、弁座部を樹脂にて形成しているので、弁座部を金属で形成する場合よりも吐出弁体との密着性が高い。
さらに、本発明では、前記樹脂シリンダ部の底部の外側面で、ポンプ穴を塞ぐキャップに対向する部分に、作動液を前記吐出路から前記シリンダの外周面に対向する作動液流路に流すための作動液吐出導通溝が形成されていることが好ましい。
前記のような構成によれば、樹脂シリンダ部に作動液吐出導通溝を形成することで、金属からなるキャップに流路を形成しなくて済むので、加工が容易で安価で製造できる。
本発明に係るピストンポンプによれば、部品のコストアップを抑えつつ、耐久性を向上することができる。
本発明の実施形態に係るピストンポンプの基体への装着状態を示した断面図である。 本発明の実施形態に係るピストンポンプのピストンを示した断面図である。 本発明の実施形態に係るピストンポンプのピストンを示した図であって、(a)は大径ピストン部を示した前方斜視図、(b)は大径ピストン部と円柱ピストン部を示した前方斜視図である。 本発明の実施形態に係るピストンポンプのシリンダを示した断面図である。 本発明の実施形態に係るピストンポンプのシリンダを示した後方斜視図である。
以下、本発明を実施するための形態を、添付した図面を参照しつつ詳細に説明する。まず、本実施形態に係るピストンポンプの構成を説明する。
図1に示すように、ピストンポンプ1は、例えば、車両用ブレーキ液圧制御装置に用いられるものであり、基体(ポンプボディ)2に形成されたポンプ穴3に装着されている。基体2は、略直方体を呈するアルミニウム合金製の押出材または鋳造品からなり、その内部には流体である作動液(ブレーキ液)の流路(油路)が形成されている。
なお、本実施形態の説明において、ポンプ穴3の軸方向に見て、ポンプ穴3の奥側(後記するカム収容穴4側)を「前方」とし、ポンプ穴3の手前側(基体2の表面側)を「後方」とする。この「前方」および「後方」は、車両用ブレーキ液圧制御装置の取付方向や車体の方向とは関係ない方向である。
ポンプ穴3は、段付き円筒状の穴であり、基体2の側面からカム収容穴4に貫通するように形成されている。ポンプ穴3は、カム収容穴4の側方両側に一対に形成されており、カム収容穴4を挟んで互いに対向するように開口して形成されている。なお、カム収容穴4は、モータ(図示せず)の出力軸の偏心カム5が回転する部分である。ポンプ穴3は、その中心線がカム収容穴4の中心を通るように形成されている。ポンプ穴3には、吸入流路3aと吐出流路3bとが開口して連通している。吸入流路3aは、リザーバ(図示せず)に連通し、そのリザーバからのブレーキ液をピストンポンプ1に導く。また、吐出流路3bは、電磁弁や圧力センサといった電子機器が装着される穴(孔)に繋がる流路(図示せず)に連通し、その流路にブレーキ液を送り出す開口して連通している。
ピストンポンプ1は、シリンダ10と、ピストン30と、吸入弁手段50と、吐出弁手段60と、キャップ70とを備えて構成されている。
シリンダ10は、図1および図4に示すように、前方に開口する有底円筒状に形成されている。シリンダ10の内部には、ピストン30が摺動可能に収容される。シリンダ10は、パイプシリンダ部11と、樹脂シリンダ部12とを備えて構成されている。パイプシリンダ部11は、有底円筒形状を呈しており、その円筒部分の内周面がピストン30との摺動部を構成する。パイプシリンダ部11は、例えば、焼入鋼等の金属製部材にて形成され、絞り加工等のプレス加工にて成形されている。パイプシリンダ部11は、前側の開口端部(図1および図4の左側端部)に、径方向外側に広がるフランジ部13を備えている。フランジ部13は、パイプシリンダ部11を絞り加工で形成する際に、開口端部に形成される湾曲部分をそのまま残して利用している。パイプシリンダ部11の内部には、圧力室14(図1参照)が形成される。圧力室14は、パイプシリンダ部11と、後記するピストン30の大径ピストン部32とで囲まれて区画されている。
樹脂シリンダ部12は、有底円筒形状を呈しており、パイプシリンダ部11の外周および底部を覆っている。樹脂シリンダ部12の外周面の軸方向中間部には、位置決め部15が形成されている。位置決め部15は、拡径されていて、位置決め部15の前方端がポンプ穴3の段差面3cに当接して係止することで、樹脂シリンダ部12の軸方向の位置決めがなされる。位置決め部15には、ポンプ穴3の内周面との間にOリング16(図1参照)を装着するための溝部15a(図4参照)が形成されている。図1に示すように、樹脂シリンダ部12の外周面の、位置決め部15よりも前方部分は、ポンプ穴3の内周面と隙間をあけて対向するように構成されている。樹脂シリンダ部12の外周面の前端部には、後記するシールストッパー17を保持するための係止凹部18が形成されている。
樹脂シリンダ部12の底部の中央部には、吐出路19を構成するための貫通孔が形成されている。吐出路19は、圧力室14に吸入した作動液をキャップ70側に吐出させるための流路である。吐出路19の周囲の樹脂は、樹脂シリンダ部12の底部の内側表面から前方に向かって突出して形成されている。
パイプシリンダ部11の底部の中央部には、貫通孔20が形成されている。この貫通孔20は、吐出路19よりも大きい径で形成されており、一定距離をあけて吐出路19を囲うように配置されている。貫通孔20の周縁部は、吐出路19の周囲の樹脂に埋没されている。一方、パイプシリンダ部11のフランジ部13は、樹脂シリンダ部12の前端部の内周に位置する樹脂に埋没されている。パイプシリンダ部11は、樹脂シリンダ部12にインサート成形にて一体に形成されており、パイプシリンダ部11のフランジ部13および貫通孔20の周縁部が、樹脂シリンダ部12の樹脂に埋没されている。なお、本実施形態での「一体に形成する」とは、材質の違うもの(パイプシリンダ部11を樹脂シリンダ部12)同士を一体化することを言う。そして、ピストンポンプ1の基体2への組付け時には、ピストンポンプ1が一つの部品となっている。
キャップ70は、図1に示すように、シリンダ10の底部を外側(基体2の側面に開口するポンプ穴3の開口端側)から覆ってポンプ穴3の蓋を構成するものである。キャップ70は、シリンダ10とは別体の有底円筒状の金属製部材からなる。キャップ70の外周面には、ポンプ穴3の内周面に押圧される大径部73が突出して形成されており、キャップ70をポンプ穴3内に挿入し、基体2をかしめることで、キャップ70が基体2に液密に固定される。このとき、大径部73の前方端が、ポンプ穴3の段差面3dに係止されて軸方向の位置決めがなされる。
キャップ70の内側には、樹脂シリンダ部12の底部が挿入される大径凹部71と、この大径凹部71よりも小径の小径凹部72とが形成されている。小径凹部72は、樹脂シリンダ部12の底部と組み合わさって、吐出弁手段60を収容する吐出弁室61を区画形成する。大径凹部71は、その内径が樹脂シリンダ部12の底部の外径よりも大きく形成されている。キャップ70をポンプ穴3に装着すると、大径凹部71の筒部の内周面と、樹脂シリンダ部12の底部の外周面との間に円筒状スペースが区画形成され、この円筒状スペースが作動液の流路74を構成する。キャップ70の前端部の周辺に位置するポンプ穴3の内周面には、吐出流路3bが開口して連通している。流路74は、大径凹部71の前端開口部からポンプ穴3内のスペースに繋がり、吐出流路3bと連通されている。
一方、樹脂シリンダ部12の底部の外側面(キャップ70の底面に対向する後方の面)には、図4および図5に示すように、作動液吐出導通溝21が形成されている。作動液吐出導通溝21は、作動液を吐出路19からシリンダ10の外周面に対向する作動液流路(吐出流路3b)に流すために形成されている。作動液吐出導通溝21は、樹脂シリンダ部12の底部の外面に複数の凸部22を、一定間隔をあけて設けることで、隣り合う凸部22,22の間に形成されている。つまり、隣り合って互いに対向する凸部22,22の側面が、作動液吐出導通溝21の壁面を構成している。作動液吐出導通溝21は、樹脂シリンダ部12の底部の吐出路19から径方向外側に向かって、樹脂シリンダ部12の底部の周縁部まで放射状に延在している。作動液吐出導通溝21は、正面視十字状を呈している。図5に示すように、作動液吐出導通溝21の径方向外側に位置する樹脂シリンダ部12の底部外周には、直線部25が形成されている。
図1に示すように、樹脂シリンダ部12の底部とキャップ70の大径凹部71とが組み合わさると、大径凹部71の底面と樹脂シリンダ部12の作動液吐出導通溝21とで、作動液の流路75が区画形成される。この流路75は、正面視十字状を呈し、その中央部に吐出路19が位置している。流路75の外周には、吐出流路3bに連通する円筒状の流路74が繋がる。つまり、作動液は、吐出路19から、作動液吐出導通溝21を利用して区画された流路75を通過し、さらに流路74を通過する。そして、樹脂シリンダ部12の底部の外周面に対向するポンプ穴3の内周面に開口する作動液流路(吐出流路3b)に流れる。樹脂シリンダ部12の底部外周に、直線部25が形成されていることによって、樹脂シリンダ部12の底部と、キャップ70の大径凹部71とで区画される流路74,75が広くなるので、作動液が樹脂シリンダ部12の外周面の側部に向かって流れやすくなる。
吐出弁手段60は、樹脂シリンダ部12の吐出路19を開閉するものであり、吐出弁室61に収容されている。吐出弁手段60は、吐出路19を塞ぐように配置された球状の吐出弁体62と、吐出弁室61に圧縮状態で配置された吐出弁ばね63とを備えて構成されている。吐出弁体62は、吐出弁ばね63の復元力によって、吐出路19側に付勢されている。
図4および図5に示すように、樹脂シリンダ部12には、吐出弁体62(図1参照)が着座する弁座部23が形成されている。弁座部23は、樹脂シリンダ部12を構成する樹脂の一部にて構成されている。弁座部23は、吐出路19のキャップ70側開口の周縁部を、吐出弁体62の曲率に合わせて曲面成形することで構成されている。
図1に示すように、ピストン30は、モータの偏心カム5の回転運動に伴ってシリンダ10の内空部を往復運動するものである。図1乃至図3に示すように、ピストン30は、円柱ピストン部31と、円柱ピストン部31の一端部を覆う大径ピストン部32と、を備えて構成されている。
円柱ピストン部31は、焼入鋼等の金属製部材にて形成されている。円柱ピストン部31は、円柱形状を呈する金属製芯状ころ部材にて構成されている。円柱ピストン部31の、シリンダ10側の一端部(後端部)は、後記する大径ピストン部32の円筒部33に嵌合されている。円柱ピストン部31の他端部(前端部)は、モータのカム収容穴4内に突出している。なお、円柱ピストン部31の外周面には、ポンプ穴3に当接する環状のシール部材43とブッシュ44とが摺動自在に装着されている。
シール部材43とブッシュ44は、樹脂シリンダ部12の係止凹部18に係止されたシールストッパー17によって、ポンプ穴3の大径部への抜け出しが防止されている。シールストッパー17は、円柱ピストン部31を囲う枠状の部材であり、シール部材43がポンプ穴3の大径部側に移動しようとした際に、シール部材43を前端面で当接して抑えることで、シール部材43とブッシュ44の抜け出しを防止している。シールストッパー17は、円柱ピストン部31を囲繞するように配置される枠体17aと、この枠体17aからシリンダ10側に向かって延出する係止片17bとを備えている。この係止片17bを、樹脂シリンダ部12の係止凹部18に係止することで、シールストッパー17が樹脂シリンダ部12に保持されている。
図1および図2に示すように、大径ピストン部32は、円筒部33と底部34とを備え、有底円筒形状を呈している。大径ピストン部32は、樹脂成形によって形成されている。大径ピストン部32は、前方に向かって開口するように配置される。大径ピストン部32の円筒部33は、円柱ピストン部31の外径よりも僅かに小さい内径を有しており、円柱ピストン部31が軽圧入により嵌合されるようになっている。大径ピストン部32の底部34は、嵌合された円柱ピストン部31の一端(後端)位置より後方部分を示す(図2参照)。
図1乃至図3に示すように、大径ピストン部32の内側には、ピストン30の軸方向に延在する作動液導通溝35が複数列形成されている。作動液導通溝35は、円筒部33の前端から、大径ピストン部32の底部34まで延在しており、底部34に形成された吸入路36に繋がっている。吸入路36は、大径ピストン部32の底部中央の貫通孔にて構成されている。貫通孔は、大径ピストン部32の軸方向に沿って形成されている。作動液導通溝35の前端は、前方に開口しており、円柱ピストン部31の周囲に形成された環状空間41(図1参照)に連通している。作動液導通溝35の底面35a(径方向外側の面)の前端部は、前端に向かって外側に拡径するテーパ状(前端ほど円筒部33が薄くなる)に形成されている。このテーパ部は、環状空間41内の作動液を作動液導通溝35内に引き込みやすくする流入誘導部35bを構成している。
作動液導通溝35の底面35a(径方向外側の面)は、円筒部33では軸方向に略平行に形成されている。作動液導通溝35の底面35aは、底部34では軸方向に沿って後方側に向かうに連れて、径方向内側の吸入路36に近づくように傾斜している。底面35aの傾斜部分は、軸方向に対して略45度の傾斜角度を持って、吸入路36に繋がっている。底面35aの平行部分と傾斜部分との境界部は、曲面状に形成されて、作動液を円滑に流すようになっている。
作動液導通溝35は、大径ピストン部32の円周方向に90度ピッチで四列形成されている。隣り合う作動液導通溝35,35の間に位置する円筒部33の内周面が、円柱ピストン部31の一端部(後端部)が嵌合する嵌合部37を構成している。つまり、嵌合部37が隣り合う作動液導通溝35,35を区画しているとも言える。嵌合部37の前端部は、端部に向かって拡径するテーパ状に形成されており、円柱ピストン部31を挿入する際のガイド部を構成している。嵌合部37は、円柱ピストン部31の一端部を四方向から囲うように把持する。なお、作動液導通溝35および嵌合部37を設ける箇所数は、四つに限定されるものではなく、作動液導通溝35が必要な作動液の流量を確保できるとともに、嵌合部37が円柱ピストン部31を固定可能であれば、箇所数はいくつであってもよい。
大径ピストン部32の底部34において、隣り合う作動液導通溝35,35の間に位置する底面が、円柱ピストン部31の軸方向位置規制部38を構成している。軸方向位置規制部38には、カム収容穴4側から挿入された円柱ピストン部31の一端(後端)がピストン軸方向に当接する。すなわち、軸方向位置規制部38は、円柱ピストン部31の軸方向位置を規制し位置決めを行う。軸方向位置規制部38は、嵌合部37と繋がって、且つ直交して形成され、その径方向中心側には、吸入路36が位置している。本実施形態では、軸方向位置規制部38は、各嵌合部37に繋がって四箇所に設けられているが、これに限定されるものではなく、少なくとも一箇所に設けられていればよい。
円柱ピストン部31を大径ピストン部32に嵌合すると、円柱ピストン部31の外周面と、円筒部33の作動液導通溝35の表面とでスペースが区画される。さらに、円柱ピストン部31の一端面と、底部34の作動液導通溝35とでスペースが区画される。これらスペースが、円筒部33の前端から吸入路36に繋がる作動液導通流路となる。
大径ピストン部32の底部34の外周面には、パイプシリンダ部11の内周面に当接して摺動する摺動部39が形成されている。摺動部39は、後方に向かって拡径する円筒状に形成されて、その端部の外周面がパイプシリンダ部11に適度な圧力で押圧され、シール性を確保しつつパイプシリンダ部11の内周面を摺動する。
図1に示すように、シリンダ10の内側の圧力室14には、戻しばね24が設けられている。戻しばね24は、圧力室14に圧縮状態で配置され、その復元力によりピストン30を前方に押圧する。本実施形態に係る戻しばね24は、パイプシリンダ部11の底面と、大径ピストン部32の底部34の外表面との間に配置されている。大径ピストン部32の底部34の外表面と戻しばね24との間には、後記するリテーナ52の開口部周縁の鍔部が介設されている。すなわち、戻しばね24は、リテーナ52を介してピストン30を押圧している。
吸入弁手段50は、吸入路36を開閉するものであり、圧力室14に収容されている。具体的には、吸入弁手段50は、吸入弁体51と、リテーナ52と、吸入弁ばね53とを備えて構成されている。吸入弁体51は、吸入路36の開口部を塞ぐように配置された球状の弁体である。リテーナ52は、有底円筒形状を呈し、吸入弁体51を覆うように配置されている。吸入弁ばね53は、吸入弁体51とリテーナ52との間に圧縮状態で配置されている。吸入弁体51は、吸入弁ばね53の復元力によって、大径ピストン部32側に付勢されている。なお、リテーナ52は、その開口部が大径ピストン部32の底部34に外嵌されており、かつ、戻しばね24の復元力によって大径ピストン部32に押え付けられている。
大径ピストン部32には、吸入弁体51が着座する弁座部40が形成されている。弁座部40は、大径ピストン部32を構成する樹脂の一部にて構成されている。具体的には、弁座部40は、吸入路36のキャップ70側開口の周縁部を、吸入弁体51の曲率に合わせて曲面成形することで構成されている。弁座部40は、吸入路36を介して作動液導通溝35に繋がって形成されている。
次に本実施形態に係るピストンポンプ1の作用効果を説明する。
本実施形態のピストンポンプ1では、大径ピストン部32の内側に作動液導通溝35がピストン30の軸方向(移動方向)に沿って形成されて、その前端が環状空間41に開口しているので、ピストン30の戻り工程時(圧力室14が広がるとき)には、環状空間41に滞留する作動液に向かって大径ピストン部32が移動することとなる。これによって、環状空間41にあった作動液の一部は、作動液導通溝35の内部に取り込まれ、作動液導通溝35内にあった作動液の一部は、吸入路36から圧力室14へと押し流される。このとき、圧力室14内の圧力が大径ピストン部32内より負圧になるので、吸入弁手段50は、圧力室14側に引っ張られるとともに、大径ピストン部32内の作動液に押されて、開弁する。
ピストン30の圧縮工程時(圧力室14が狭まるとき)には、吸入弁手段50が閉弁して、ピストン30が圧力室14側へと移動するので、作動液導通溝35内の作動液は、円柱ピストン部31および大径ピストン部32とともに圧力室14側へ移動する。このとき、ピストン30が移動した分だけ環状空間41から吸入路36に繋がる空間の容積が増大して負圧になるので、吸入流路3aから環状空間41へと新たな作動液が取り込まれる。以上の工程を順次繰り返すことで、作動液は、吸入流路3aから、環状空間41、作動液導通溝35、吸入路36を通過して、圧力室14へと流される。
要するに、本実施形態によれば、作動液導通溝35がピストン30の軸方向に形成されているため、作動液の流れ方向とピストン30の移動方向が一致する。これによって、作動液は、作動液導通溝35の内側に、流れ方向が変えられることなく直線的に取り込まれるので、吸入抵抗が低減する。これによって、作動液の吸入効率が向上する。さらに、モータの駆動力および戻しばね24の反力によって往復運動するピストン30の移動を、作動液の取込みに利用することができる。特に、戻しばね24の反力によるピストン30の戻り工程時の動作も作動液の取込みに利用することができるので、吸入効率がより一層高くなる。
さらに、作動液導通溝35内に取り込まれた作動液は作動液導通溝35の底面35aに沿って、吸入路36に流される。ここで、底面35aが平行部分から傾斜部分にかけて滑らかな曲面状に形成されているので、作動液が円滑に流される。そして、底面35aの傾斜部分は、略45度の傾斜角度を持って、吸入路36に繋がっているので、吸入路36内においても、圧力室14側に円滑に流される。
また、ピストン30を、金属製の円柱ピストン部31と樹脂成形によって形成された大径ピストン部32とで形成したことで、以下のような作用効果を得られる。モータ(図示せず)の出力軸の偏心カム5が当接する部分では、円柱ピストン部31で強度を保持することができるとともに、偏心カム5との摺動に対する耐久性を向上できる。また、円柱ピストン部31は、調達容易な金属製芯状ころ部材にて構成されているので、安価に調達できる。一方、樹脂製の大径ピストン部32に作動液導通溝35や吸入路36を形成したことで、比較的複雑な形状の大径ピストン部32を、切削加工等を行うことなく容易に成形することができる。したがって、安価に大径ピストン部32を製造でき、コストダウンを図れる。
また、作動液導通溝35は、90度ピッチで四列形成されているので、多くの作動液を取り込むことができ、作動液の吸入効率が向上する。さらに、作動液導通溝35の前端に、流入誘導部35bが形成されているので、環状空間41内の作動液が作動液導通溝35内に円滑に引き込まれることとなり、吸入抵抗がさらに低減され、吸入効率が向上する。
隣り合う作動液導通溝35,35の間に、嵌合部37が複数形成されているので、円柱ピストン部31の径方向の位置決めを容易に行いつつ、円柱ピストン部を大径ピストン部32に容易に固定できる。このとき、大径ピストン部32は樹脂にて形成されているので、軽圧入を容易に行える。さらに、ピストン30の摺動時に、円柱ピストン部31が正規の位置からずれるのを防止できる。また、大径ピストン部32には、円柱ピストン部31が当接する軸方向位置規制部38が形成されているので、円柱ピストン部31を嵌合するときの嵌合終了位置を容易に且つ正確に規制できる。
また、大径ピストン部32の樹脂を利用して、吸入弁体51が着座する弁座部40が形成されているので、弁座部40を別部材で形成する必要がなく、製造手間とコストの低減が図れる。そして、弁座部40を樹脂にて形成しているので、弁座部を金属で形成する場合よりも吸入弁体51との密着性が高く、シール性能が向上する。さらに、弁座部40は、吸入路36を介して作動液導通溝35と繋がって形成されているので、作動液が作動液導通溝35を通過するとそのまま圧力室14内に吸入され、吸入効率をより一層向上できる。
さらに、本実施形態では、シリンダ10を、金属製のパイプシリンダ部11と、樹脂シリンダ部12とを備えて構成したことによって、樹脂シリンダ部およびパイプシリンダ部がともに切削加工を必要としないので、安価に製造できる。ピストン30が摺動する摺動部は金属製のパイプシリンダ部11にて構成されるので耐久性を確保できる。
また、パイプシリンダ部11は、樹脂シリンダ部12にインサート成形にて一体に形成されているので、組付け時の部品点数は増加しない。したがって、組付け手間の増加を防止できる。
パイプシリンダ部11は、フランジ部13を備えており、このフランジ部13が樹脂シリンダ部12に埋没されているので、パイプシリンダ11部と樹脂シリンダ部12との接合性を高めることができる。フランジ部13は、パイプシリンダ部11をプレス加工にて形成する際に不可避的に発生するフランジ部を除去することなく有効活用できる。
さらに、パイプシリンダ部11の底部の貫通孔20の周縁部も樹脂シリンダ部12に埋没されているので、パイプシリンダ11部は、前端と後端の両端で樹脂シリンダ部12に埋設されて固定されることになる。したがって、樹脂シリンダ部12との接合性をより一層高めることができる。
また、樹脂シリンダ部12に、弁座部23を形成したことによって、弁座部23を別部材で形成する必要がなく、製造手間とコストの低減が図れる。また、弁座部23を樹脂にて形成しているので、弁座部23を金属で形成する場合よりも吐出弁体62との密着性が高く、シール性能が向上する。
さらに、樹脂シリンダ部12の底部の外側面に、作動液吐出導通溝21が形成されているので、キャップ70の大径凹部71の表面が平坦な形状のままでも、樹脂シリンダ部12の底部と組み合わさることによって、流路75が形成される。したがって、金属からなるキャップ70に流路を形成するための特殊な加工をしなくて済むので、加工が容易で安価で製造できる。
以上説明したように、本実施形態に係るピストンポンプ1によれば、部品のコストアップを抑えつつ、作動液の吸入効率を向上させることができる。さらに、シリンダ10の摺動部の耐久性を向上することもできる。
以上、本発明を実施するための形態について説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜設計変更が可能である。例えば、前記実施形態では、パイプシリンダ部11は、有底円筒状に形成されているが、これに限定されるものではない。少なくともピストンが摺動する部分に形成された円筒状であってもよい。この場合、前後両端に外側に拡径するフランジ部を形成して、樹脂シリンダ部の円筒部の内周面に埋設させるのが好ましい。このようにすれば、パイプシリンダ部と樹脂シリンダ部との接合性を高めることができる。
1 ピストンポンプ
10 シリンダ
11 パイプシリンダ部
12 樹脂シリンダ部
13 フランジ部
14 圧力室
19 吐出路
21 作動液吐出導通溝
23 弁座部
30 ピストン
31 円柱ピストン部
32 大径ピストン部
35 作動液導通溝
36 吸入路
37 嵌合部
38 軸方向位置規制部
40 弁座部
50 吸入弁手段
51 吸入弁体
60 吐出弁手段
62 吐出弁体

Claims (5)

  1. 有底円筒状のシリンダと、該シリンダ内を摺動するピストンと、前記シリンダおよびピストンに囲まれた圧力室の吸入路に設けられる吸入弁手段と、前記圧力室の吐出路に設けられる吐出弁手段と、を備えたピストンポンプにおいて、
    前記シリンダは、前記ピストンとの摺動部を構成する金属製のパイプシリンダ部と、該パイプシリンダ部の外周を覆う有底円筒状の樹脂シリンダ部と、を備えて構成されている
    ことを特徴とするピストンポンプ。
  2. 前記パイプシリンダ部は、前記樹脂シリンダ部にインサート成形にて一体に形成されている
    ことを特徴とする請求項1に記載のピストンポンプ。
  3. 前記パイプシリンダ部は、開口端に外側に広がるフランジ部を備えており、
    該フランジ部は、前記樹脂シリンダ部に埋没されている
    ことを特徴とする請求項2に記載のピストンポンプ。
  4. 前記樹脂シリンダ部に、前記吐出弁手段の吐出弁体が着座する弁座部が形成されている
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のピストンポンプ。
  5. 前記樹脂シリンダ部の底部の外側面で、ポンプ穴を塞ぐキャップに対向する部分に、作動液を前記吐出路から前記樹脂シリンダ部の底部の外周面に対向する作動液流路に流すための作動液吐出導通溝が形成されている
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のピストンポンプ。
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