JP2011214498A - オイルリリーフバルブ - Google Patents

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Abstract

【課題】簡単な構造で油圧の変動を抑えることが可能なオイルリリーフバルブを提供する。
【解決手段】内燃機関により駆動されるオイルポンプの下流に設けられ、前記オイルポンプにより発生する油圧により制御側シリンダ260内を摺動する制御側ピストン261と、シリンダ側面260Bに設けた制御側リリーフ穴265とを有し、前記オイルポンプの吐出圧が所定値より高圧の時、制御側リリーフ穴265からオイルを逃がして油圧を制限する制御側リリーフバルブ71において、制御側ピストン261の背面のシリンダ端面260Cを閉塞すると共にシリンダ端面260Cに制御側ピストン261の摺動を制限する息継ぎ穴267を設けた。
【選択図】図7

Description

本発明は、オイルを逃がして油圧を制限するオイルリリーフバルブに関する。
従来、内燃機関では、内燃機関内に潤滑油を供給するオイルポンプが設けられ、オイルポンプの出口側に、オイルが高圧になりすぎた場合にオイルを逃がすオイルリリーフバルブが設けられたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開平1−273812号公報
ところで、内燃機関において可変動弁機構やクラッチ機構等を油圧アクチュエータで作動させる構成を用いる場合、油圧の変動を抑えることが要求されるため、油圧の変動を抑えるために高価なバルブ機構や大きなオイルリザーバ等が必要であり、装置の構造が複雑になるという課題があった。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、簡単な構造で油圧の変動を抑えることが可能なオイルリリーフバルブを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、内燃機関(1)により駆動されるオイルポンプ(50)の下流に設けられ、前記オイルポンプ(50)により発生する油圧によりシリンダ(260)内を摺動するピストン(261)と、シリンダ側面(260B)に設けたリリーフ穴(265)とを有し、前記オイルポンプ(50)の吐出圧が所定値より高圧の時、前記リリーフ穴(265)からオイルを逃がして油圧を制限するオイルリリーフバルブにおいて、前記ピストン(261)の背面のシリンダ端面(260C)を閉塞すると共に前記シリンダ端面(260C)に前記ピストン(261)の摺動を制限する息継ぎ穴(267)を設けたことを特徴とする。
この構成によれば、オイルリリーフバルブのシリンダに設けた息継ぎ穴によってピストンの摺動を制限し、オイルリリーフバルブの脈動を抑制できるため、簡単な構造で油圧の変動を抑えることが可能なオイルリリーフバルブを提供することができる。
また、上記構成において、前記オイルリリーフバルブは前記内燃機関(1)と変速機(M)との間に設けられた油圧クラッチ(151a、151b)の制御用油圧回路(68)に制御油を供給するオイルポンプ(50)の下流に設けられても良い。
この場合、オイルリリーフバルブが、油圧クラッチの制御用油圧回路に制御油を供給するオイルポンプの下流に設けられるため、油圧クラッチに供給される制御油の脈動が抑制され、油圧クラッチの制御性を向上させることができる。このため、油圧クラッチによる発進・変速フィーリングを向上できる。
また、前記油圧クラッチ(151a、151b)の制御油は前記内燃機関(1)の潤滑油と共通のオイルが使用され、前記オイルポンプ(50)は、潤滑油供給用の潤滑油用油圧ポンプ(80)と制御油供給用の制御油用油圧ポンプ(70)とを個別に設け、前記オイルリリーフバルブは制御油用油圧ポンプ(70)の下流に設けられている構成としても良い。
この場合、内燃機関の制御油及び潤滑油を共用することができる。
また、前記油圧クラッチ(151a、151b)を接続するための油圧ピストン(57)には前記制御油用油圧ポンプ(70)から制御油が供給され、キャンセラ室(62a、62b)には前記潤滑油用油圧ポンプ(80)からの潤滑油が供給される構成としても良い。
この場合、高圧が必要とされないキャンセラ室用のオイルとして、内燃機関の潤滑油を用いるため、潤滑油の油路をキャンセラ室への油路と共用できる。また、キャンセラ室用に供給される潤滑油が油圧ピストンの制御油に影響しないため、油圧ピストンの動作を安定させることができる。
さらに、前記キャンセラ室(62b)に供給される潤滑油は前記油圧クラッチ(151a、151b)を支持する軸(41)内に設けられ、該軸(41)と同軸に設けた歯車(m1〜m6)に潤滑油を供給する油路(65)から前記キャンセラ室(62b)に潤滑油が供給される構成としても良い。
この場合、高圧が必要とされないキャンセラ室用のオイルとして、油圧クラッチを支持する軸に設けた歯車に供給される潤滑油を用いるため、軸内の油路をキャンセラ室への油路と共用できる。
さらにまた、前記キャンセラ室(62a)に供給される潤滑油は、クランクシャフト(2)のジャーナルベアリング(54a)を潤滑した後の油路(86a)にオリフィス(88)を挿入して油圧を低下した後の潤滑油であっても良い。
この場合、高圧が必要とされないキャンセラ室用のオイルとして、クランクシャフトのジャーナルベアリングを潤滑した後の油路の潤滑油を用いるため、キャンセラ室への油路を共用できる。
また、前記変速機(M)は2つの前記油圧クラッチ(151a、151b)に接続される歯車列(m1〜m6)を2つの前記油圧クラッチ(151a、151b)の切り換えによって変速するツインクラッチ式変速機であっても良い。
この場合、オイルリリーフバルブによって油圧クラッチに供給される制御油の脈動を抑制できるため、油圧クラッチの素早い切り換えが求められるツインクラッチ式変速機の断続の制御性を向上でき、油圧クラッチによる発進・変速フィーリングを向上できる。
また、前記息継ぎ穴の径(G1)は、(穴の径(G1))/(オイルリリーフバルブのピストン径(G2))=0.2以下に設定されても良い。
この場合、息継ぎ穴の径/オイルリリーフバルブのピストン径=0.2以下に設定したため、減衰効果によりピストンの動きを抑制することで油圧の脈動を抑制できる。
本発明に係るオイルリリーフバルブでは、オイルリリーフバルブのシリンダに設けた息継ぎ穴によってピストンの摺動を制限し、オイルリリーフバルブの脈動を抑制できるため、簡単な構造で油圧の変動を抑えることが可能なオイルリリーフバルブを提供することができる。
また、オイルリリーフバルブが、油圧クラッチの制御用油圧回路に設けられるため、油圧クラッチの制御油の脈動が抑制され、油圧クラッチの制御性を向上できる。
また、内燃機関の制御油及び潤滑油を共用することができる。
さらに、キャンセラ室用のオイルとして、内燃機関の潤滑油を用いるため、潤滑油の油路をキャンセラ室への油路と共用できる。また、キャンセラ室用に供給される潤滑油が油圧ピストンの制御油に影響しないため、油圧ピストンの動作を安定させることができる。
さらにまた、キャンセラ室用のオイルとして、油圧クラッチを支持する軸に設けた歯車に供給される潤滑油を用いるため、軸内の油路をキャンセラ室への油路と共用できる。
また、キャンセラ室用のオイルとして、ジャーナルベアリングを潤滑した後の油路の潤滑油を用いるため、キャンセラ室への油路を共用できる。
また、油圧クラッチの素早い切り換えが求められるツインクラッチ式変速機の断続の制御性を向上でき、油圧クラッチによる発進・変速フィーリングを向上できる。
さらに、減衰効果によりピストンの動きを抑制することで油圧の脈動を抑制できる。
本発明の実施の形態に係る自動二輪車を示す側面図である。 内燃機関を示す断面図である。 変速機を示す断面図である。 ツインクラッチの断面図である。 内燃機関の潤滑装置を示す模式図である。 オイルポンプの近傍の断面図である。 制御側リリーフバルブの近傍の断面図である。
以下、図面を参照して本発明の一実施の形態について説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る自動二輪車を示す側面図である。なお、以下の説明中、前後左右及び上下といった方向の記載は車体に対してのものとする。
自動二輪車100の車体フレーム111は、車体前部に位置するヘッドパイプ112と、このヘッドパイプ112から車体中央まで後方に延びる左右一対のメインフレーム114と、メインフレーム114の後端部から下方に延びる左右一対のピボットプレート115と、メインフレーム114の後端部から車体後部まで延びるリヤフレーム(不図示)とを備えている。ヘッドパイプ112には、フロントフォーク116が回動自在に取付けられ、このフロントフォーク116の下端に前輪117が回転自在に支持されている。ヘッドパイプ112の上部には、操舵用ハンドル118が取付けられている。
メインフレーム114の下方には、前後V型4気筒の内燃機関1が配置されている。この内燃機関1は、クランク軸2(クランクシャフト)を左右水平方向に指向させる横置き配置のエンジンであって、OHC型の水冷式で、クランクケース3を備え、このクランクケース3から2気筒ずつ前後に傾いたフロントバンクBfと、リヤバンクBrとがV型に構成され、互いのバンク角が90度よりも小さい狭角V型エンジンである。フロントバンクBfの排気口には、左右一対の排気パイプ119の一端が接続され、排気口から下側に延びた後に、車体後方に向かって引き回され、リヤバンクBrの排気口から延びる左右一対の排気パイプ120に接続されて集合され、一本の排気管(不図示)を介して、内燃機関1の後方に設けられたマフラ(不図示)に連結されている。
内燃機関1の後方には、ピボット軸121が設けられており、このピボット軸121には、リヤフォーク222がピボット軸121を中心に上下方向に揺動自在に取付けられている。リヤフォーク222の後端部には、後輪131が回転自在に支持されている。後輪131と内燃機関1とは、リヤフォーク222内に設けられたドライブシャフト123によって連結されており、内燃機関1からの回転動力がドライブシャフト123を介して後輪131へと伝達される。また、リヤフォーク222と車体フレーム111との間には、リヤフォーク222からの衝撃を吸収するリヤクッション224が掛け渡されている。内燃機関1の後部には、車体を停めるためのスタンド225が設けられている。内燃機関1の左側面の下部には、サイドスタンド226が設けられている。
メインフレーム114の上部には、内燃機関1の上方を覆うようにして燃料タンク241が搭載されている。この燃料タンク241の後方には、シート142が位置し、該シート142は上記リヤフレームに支持されている。シート142の後方には、テールランプ143が配置され、テールランプ143の下方には、後輪131の上方を覆うリヤフェンダ144が配置されている。また、自動二輪車100は、車体を覆う樹脂製の車体カバー150を有し、この車体カバー150は、車体フレーム111の前方から内燃機関1の前部までを連続的に覆うフロントカバー251と、シート142の下方を覆うリヤカバー252とを備えている。フロントカバー251の上部には、左右一対のミラー253が取り付けられている。また、フロントフォーク116には、前輪117の上方を覆うフロントフェンダ146が取付けられている。
図2は、内燃機関1を示す断面図である。なお、図2では、図の上下を内燃機関1の上下、図の左側を内燃機関1の前側、図の右側を内燃機関1の後側として説明する。
フロントバンクBfとリヤバンクBrとの間には側面視でV字状に形成された空間であるVバンク空間Kが形成されている。
クランクケース3は上下割りで構成され、上クランクケース3Uと下クランクケース3Lとを有している。クランク軸2はクランクケース3U,3Lにより挟まれるようにして回転自在に軸支され、上クランクケース3Uには、それぞれ左右に2気筒が配列される前シリンダブロック3fと後シリンダブロック3rとが、側面視でV字をなすように斜め上方に延出されて一体に形成されている。
下クランクケース3Lの下部には、内燃機関1のオイルが貯留されるオイルパン3Gが下方に膨出するように設けられている。内燃機関1内にオイルを循環させるオイルポンプ50は、下クランクケース3L内においてクランク軸2の下方に位置している。前シリンダブロック3fには前シリンダヘッド4fが前方斜め上に重ねられて締結ボルト(不図示)により締結され、前シリンダヘッド4fの上を前シリンダヘッドカバー5fが覆っている。同様に、後シリンダブロック3rには後シリンダヘッド4rが後方斜め上に重ねられて締結ボルト(不図示)により締結され、後シリンダヘッド4rの上を後シリンダヘッドカバー5rが覆っている。
また、オイルパン3Gには、オイルパン3Gに貯留されているオイルの油温を検出して後述するECUに出力する油温計135が設けられている。油温計135は、オイルパン3Gの側壁を貫通するように外側から取り付けられ、油温を検出するセンサ部がオイルパン3G内に臨んでいる。
前シリンダブロック3f及び後シリンダブロック3rには、それぞれシリンダボア3aが形成され、シリンダボア3aにはシリンダボア3a内を往復運動するピストン6が配置されている。各ピストン6は、各ピストン6に共通な1本のクランク軸2に対し、各コンロッド7f,7rを介して連結されている。また、各シリンダブロック3f,3rには、各シリンダブロック3f,3rを冷却する冷却水が流れるウォータージャケット8が、シリンダボア3aを囲うようにそれぞれ設けられている。前シリンダヘッド4f及び後シリンダヘッド4rには、シリンダボア3aの上方に位置する燃焼室20、吸気ポート21及び排気ポート22が設けられている。
各吸気ポート21には、各吸気ポート21に流れる混合気の量を調整するスロットルボディ23がそれぞれ接続されている。また、各シリンダヘッド4f,4rには、各シリンダヘッド4f,4rを冷却する冷却水が流れるウォータージャケット9が、吸気ポート21及び排気ポート22を囲うようにそれぞれ設けられている。また、各シリンダヘッド4f,4rには、一対の吸気バルブ11がバルブスプリング11aによって吸気ポート21を閉鎖する方向(弁閉方向)に付勢されて開閉可能に配置され、一対の排気バルブ12がバルブスプリング12aによって排気ポート22を閉鎖する方向に付勢されて開閉可能に配置されている。これら吸気バルブ11および排気バルブ12は、各シリンダヘッド4f,4rごとに1本ずつ配設されたカムシャフト25で駆動されるユニカム方式の動弁装置10によって開閉駆動される。
動弁装置10は、吸気バルブ11の上方の各シリンダヘッド4f,4rに回転自在に軸支されるカムシャフト25と、カムシャフト25と平行な軸線を有して各シリンダヘッド4f,4rに固定されるロッカシャフト26と、ロッカシャフト26に揺動可能に軸支されるロッカアーム27とを有している。カムシャフト25は、カムシャフト25の外周側に突出した吸気カム30及び排気カム31を有し、クランク軸2の回転に同期して回転させられる。吸気カム30および排気カム31は、中心から外周までの距離(半径)が一定でないカムプロフィールを有し、吸気カム30及び排気カム31が回転した際の半径の変化によって、吸気バルブ11及び排気バルブ12を上下運動させる。また、カムシャフト25と吸気バルブ11との間には、カムシャフト25の下方で各シリンダヘッド4f,4rに摺動可能に嵌合されるバルブリフタ13が設けられている。ロッカシャフト26に軸支されたロッカアーム27の一端には排気カム31に転がり接触するローラ27aが設けられ、他端には排気バルブ12の上端に当接するタペットねじ27bが進退位置を調節可能として螺合されている。そして、カムシャフト25と一体に吸気カム30及び排気カム31が回転されると、吸気カム30がバルブリフタ13を介して吸気バルブ11を押し下げ、排気カム31がロッカアーム27を介して排気バルブ12を押し下げ、吸気カム30及び排気カム31の回転の位相によって定まる所定のタイミングで吸気ポート21及び排気ポート22が開閉される。
クランクケース3内には、クランク軸2とそれぞれ平行に配置されるメイン軸41(油圧クラッチを支持する軸)、カウンタ軸42、及び、出力軸43が設けられている。クランク軸2、メイン軸41、カウンタ軸42は、上クランクケース3Uと下クランクケース3Lとの合わせ面3S上に配置され、カウンタ軸42の前方かつ下方に出力軸43が配置されている。すなわち、メイン軸41及びカウンタ軸42の軸心O1,O2は合わせ面3S上に前後に位置し、出力軸43の軸心O3は、メイン軸41の軸心O1の後方であって、カウンタ軸42の軸心O2の前方かつ下方に位置している。クランク軸2のカムチェーン室(不図示)側の端には、クランク側駆動歯車2Bが固定され、クランク側駆動歯車2Bはメイン軸41のメイン軸側被動歯車41Aと噛み合っている。メイン軸側被動歯車41Aは、後述のように、メイン軸41上にメイン軸41と相対回転自在に設けられ、クラッチ機構(図2においては不図示)に接続されており、このクラッチ機構の作動によってクランク軸2とメイン軸41との間の動力の伝達が断続可能となっている。メイン軸側被動歯車41Aには、オイルポンプ駆動歯車41Bが設けられ、オイルポンプ駆動歯車41Bは、クラッチ機構のオンオフとは無関係にメイン軸側被動歯車41Aと一体に回転し、オイルポンプ50のポンプ軸50Aに固定された被動歯車50Bに駆動チェーン45を介してクランク軸2の回転を伝達し、オイルポンプ50を駆動する。
メイン軸41には、6速分の駆動歯車m1〜m6(歯車、歯車列)が設けられ、カウンタ軸42には6速分の被動歯車n1〜n6が設けられ、各駆動歯車m1〜m6及び被動歯車n1〜n6は、対応する変速段同士で互いに噛み合い、それぞれ各変速段に対応する変速歯車対(歯車の組み合わせ)を構成する。
図3は、変速機Mを示す断面図である。
この変速機Mはツインクラッチ式変速機である。この変速機Mは、内シャフト41m及び外シャフト41nからなる二重構造のメイン軸41と、該メイン軸41と平行に配置されるカウンタ軸42及び出力軸43と、メイン軸41及びカウンタ軸42に跨って配置される上記変速ギヤ群m1〜m6、n1〜n6と、メイン軸41の右端部に同軸配置されるツインクラッチ126と、該ツインクラッチ126に作動用油圧を供給する制御用油圧回路68(図5参照)とを有してなる。メイン軸41、カウンタ軸42、変速ギヤ群m1〜m6、n1〜n6及び出力軸43からなる集合体をトランスミッションとする。
メイン軸41は、左右に延在する内シャフト41mの右側部を外シャフト41n内に相対回転可能に挿通してなる。該内シャフト41mはベアリングを介して外シャフト41nに回転可能に支持される。内外シャフト41m,41nの外周には、変速ギヤ群における6速分の駆動ギヤm1〜m6が振り分けて配置される。一方、カウンタ軸42の外周には、変速ギヤ群における6速分の従動ギヤn1〜n6が配置される。各駆動ギヤm1〜m6及び従動ギヤn1〜n6は、対応する変速段同士で互いに噛み合い、それぞれ各変速段に対応する変速ギヤ対を構成する。各変速ギヤ対は、1速から6速の順に減速比が小さくなる(高速ギヤとなる)。
内シャフト41mの左端部はミッションケース122の左側壁122aに至り、該左側壁122aにボールベアリング173を介して回転可能に支持されている。一方、内シャフト41mの右側部は、ミッションケース122の右側壁122bを貫通してクラッチ収納室125内に臨み、該内シャフト41mの左右中間部が、同じく右側壁122bを貫通する外シャフト41nの左右中間部及びボールベアリング177を介して、ミッションケース122の右側壁122bに回転可能に支持されている。クラッチ収納室125は、ツインクラッチ126を外側から覆うクラッチカバー128により構成されている。
外シャフト41nは内シャフト41mよりも短く、その左端部はミッションケース122の左右中間部で終端する。外シャフト41nにおける右側壁122bよりも左方に位置する部位には、偶数変速段(2、4速、6速)に対応する駆動ギヤm2,m4,m6が支持される。一方、内シャフト41mにおける外シャフト41nの左端部よりも左方に位置する部位には、奇数変速段(1、3、5速)に対応する駆動ギヤm1,m3,m5が支持される。
カウンタ軸42の左右端部は、ミッションケース122の左右側壁122a,122bにベアリング182、186を介して回転可能に支持される。カウンタ軸42の右端部にはギヤ183が連結され、ギヤ183は出力軸43のギヤ185と常時噛み合っている。出力軸43は、ミッションケース122の左右側壁122a,122bにベアリング187,188を介して回転可能に支持される。出力軸43には、トルクダンパ129が配置される。トルクダンパ129は、トルク変動が加わった場合にそれを緩和するものであり、出力軸43に軸方向に移動可能にスプライン結合された円筒部材152を備えている。出力軸43には、ばね受け部材153が固定され、円筒部材152とばね受け部材153との間にコイルばね154が設けられ、円筒部材152がギヤ185側に付勢されている。トルクダンパ129は、円筒部材152、ばね受け部材153及びコイルばね154を備えて構成されている。
出力軸43の左端部には、駆動傘歯車148が一体的に設けられ、駆動傘歯車148は、軸部149の前端に一体に設けられた被動傘歯車149aに噛み合う。軸部149は、車体の前後方向に延びるドライブシャフト123(図1)に連結され、これによって、出力軸43の回転がドライブシャフト123に伝達される。
カウンタ軸42におけるミッションケース122の内側に位置する部位には、変速ギヤ群における各変速段に対応する従動ギヤn1〜n6が、各駆動ギヤm1〜m6と同様の順に支持される。メイン軸41(内シャフト41m)及びカウンタ軸42の内部には、オイルポンプ50からのオイルを供給するシャフト内油路65、172がそれぞれ形成され、該シャフト内油路65、172を介して各変速ギヤ群に適宜オイルが供給される。
メイン軸41の右端部には、ツインクラッチ126が同軸配置されている。ツインクラッチ126は、内燃機関1のクランク軸2と変速機Mのメイン軸41との間に設けられ、クランク軸2とメイン軸41との接続状態を調整する。
このツインクラッチ126は、互いに同軸に隣接配置される油圧式の第1及び第2ディスククラッチ(以下、単にクラッチということがある)151a,151b(油圧クラッチ)を有し、これらクラッチ151a,151bに内外シャフト41m,41nが同軸に連結される。第1ディスククラッチ151aは内シャフト41mに設けられ、第2ディスククラッチ151bは外シャフト41nに設けられている。
クラッチ151a,151bが共有するクラッチアウタ156には、クランク軸2のプライマリドライブギヤ158aに噛み合うプライマリドリブンギヤ158が同軸に設けられ、これらギヤ158,158aを介して、クラッチアウタ156にクランク軸2からの回転駆動力が入力される。クラッチアウタ156に入力された回転動力は、クラッチ151a,151bの断続状態に応じて内外シャフト41m,41nに個別に伝達される。
各クラッチ151a,151bの断続状態は、制御用油圧回路68(図5参照)からの油圧供給の有無により個別に制御される。そして、クラッチ151a,151bの一方を接続状態とすると共に他方を切断状態とし、内外シャフト41m,41nの一方に連結された何れかの変速ギヤ対を用いてトランスミッション内の動力伝達を行うと共に、内外シャフト41m,41nの他方に連結された変速ギヤ対の中から次に用いるものを予め選定し、この状態からクラッチ151a,151bにおいて接続状態のクラッチを切断状態とし、切断状態のクラッチを接続状態とすることで、トランスミッションの動力伝達が予め選定した変速ギヤ対を用いたものに切り替わり、もってトランスミッションのシフトアップ又はシフトダウンがなされる。
トランスミッションは、各変速段に対応する駆動ギヤm1〜m6と従動ギヤn1〜n6とが常に噛み合った常時噛み合い式とされる。各ギヤm1〜m6、n1〜n6は、その支持軸(メイン軸41、カウンタ軸42)に対して一体回転可能な固定ギヤと、支持軸に対して相対回転可能かつ軸方向で移動不能なフリーギヤと、支持軸に対して一体回転可能かつ軸方向で移動可能なスライドギヤとに大別される。具体的には、駆動ギヤm1,m2は固定ギヤとされ、駆動ギヤm3,m4はスライドギヤとされ、駆動ギヤm5、m6はフリーギヤとされている。また、従動ギヤn1〜n4はフリーギヤとされ、従動ギヤn5,n6はスライドギヤとされている。以下、ギヤm3,m4,n5,n6をスライドギヤ、ギヤm5,m6、及び、n1〜n4をフリーギヤという。
スライドギヤm3にはダボD1が設けられ、ダボD1はフリーギヤm5のダボ穴D2に結合可能である。スライドギヤn5には、両側にダボD3,D5が設けられ、一方のダボD3はフリーギヤn1のダボ穴D4に結合可能、他方のダボD5はフリーギヤn3のダボ穴D6に結合可能である。
スライドギヤm4にはダボD7が設けられ、ダボD7はフリーギヤm6のダボ穴D8に結合可能である。スライドギヤn6には、両側にダボD9,D10が設けられ、一方のダボD9はフリーギヤn2のダボ穴D11に結合可能、他方のダボD10はフリーギヤn4のダボ穴D12に結合可能である。
各ダボD1,D3,D5,D7,D9,D10、及び、ダボ穴D2,D4,D6,D8,D11,D12は、対応するスライドギヤ及びフリーギヤ同士が近接した際に互いに相対回転不能に係合し、前記スライドギヤ及びフリーギヤ同士が離間した際に前記係合を解除する。そして、各ドッグを介して各スライドギヤの何れかと対応するフリーギヤとが相対回転不能に係合することで、メイン軸41及びカウンタ軸42間で1速〜6速の何れかの変速ギヤ対を選択的に用いた動力伝達が可能となる。なお、各スライドギヤ及びフリーギヤ間の係合が全て解除された状態では、メイン軸41及びカウンタ軸42間の動力伝達が不能となり、ニュートラル状態となる。
各スライドギヤは、4つのシフトフォーク(不図示)によってスライド操作される。
本実施の形態では、変速機Mの変速動作は、自動二輪車100に設けられた制御部としてのECUにより制御され、例えば自動二輪車100の走行時には、第1及び第2ディスククラッチ151a,151bは、現在のシフトポジションに対応する一方のディスククラッチのみが接続状態となり、他方は切断状態とされる。これにより、内外シャフト41m,41nの一方及び1速〜6速の各変速ギヤ対のいずれかを介しての動力伝達が行われる。シフトチェンジを行う際には、ECUが次のシフトポジションに対応する歯車列を用いての動力伝達が可能な状態を予め作り出すと共に、第1及び第2ディスククラッチ151a,151bの作動を制御する。
具体的には、ECUは、現在のシフトポジション(変速段)が例えば奇数段(又は偶数段)であれば、次のシフトポジションは偶数段(又は奇数段)となるので、偶数段(又は奇数段)の歯車列を用いての動力伝達が可能な状態を予め作り出す。このとき、第1ディスククラッチ151aは接続状態だが、第2ディスククラッチ151b(又は第1ディスククラッチ151a)は切断状態にあり、外シャフト41n及び偶数段(又は奇数段)の歯車列にはクランク軸2の回転動力が伝達されない。その後、ECUがシフトタイミングに達したと判断した際には、第1ディスククラッチ151a(又は第2ディスククラッチ151b)を切断状態にすると共に第2ディスククラッチ151b(又は第1ディスククラッチ151a)を接続状態とすることで、予め選定した次のシフトポジションに対応する歯車列を用いた動力伝達に切り替わる。これにより、実際に変速にかかる時間は第1及び第2ディスククラッチ151a,151bの切り換えにかかる時間のみになるため、変速時のタイムラグや途切れを生じさせない迅速かつスムーズな変速が可能となる。
図4は、ツインクラッチ126の断面図である。
以下、第2ディスククラッチ151bについて詳細に説明する。また、第1ディスククラッチ151aは、第2ディスククラッチ151bと略同一構造で構成され、第2ディスククラッチ151bに対して対称な位置関係で内シャフト41mに設けられており、第1ディスククラッチ151aについての詳細な説明は省略する。
第2ディスククラッチ151bは、外シャフト41nの外周面に固定される円板状のクラッチセンター55と、クラッチセンター55に対向する円板状のクラッチピストンガイド56と、クラッチセンター55とクラッチピストンガイド56との間に設けられる円板状のクラッチピストン57(油圧ピストン)と、クラッチピストン57とクラッチセンター55との間に設けられるキャンセラープレート58と、クラッチセンター55の受圧板部55Aとクラッチピストン57の加圧板部57Aとの間に設けられる駆動摩擦板59及び被動摩擦板60とを備えて構成されている。
第2ディスククラッチ151bは、クラッチピストンガイド56とクラッチピストン57とによって画成された第2側制御油圧室61bを有し、クラッチピストン57は、第2側制御油圧室61bに油圧が供給されることでクラッチセンター55側にスライドする。
また、第2ディスククラッチ151bは、クラッチピストン57とキャンセラープレート58とによって画成された第2側キャンセラ室62b(キャンセラ室)を有し、この第2側キャンセラ室62bには、潤滑油が供給される。第2側キャンセラ室62bには、クラッチピストン57を、第2側制御油圧室61bの油圧に抗してクラッチピストンガイド56側に付勢する戻しばね63が複数設けられている。
クラッチセンター55は、メイン軸41と同軸に軸方向へ延びる円筒部55Bを有し、被動摩擦板60は、円筒部55Bの外周面にスプライン結合されており、クラッチセンター55と一体に回転する。駆動摩擦板59は、クラッチアウタ156の内周面にスプライン結合されており、クラッチアウタ156と一体に回転する。駆動摩擦板59及び被動摩擦板60は、受圧板部55Aと加圧板部57Aとの間に交互に重ねて複数枚配置されており、制御油圧室61に油圧が供給されてクラッチピストン57がクラッチセンター55側にスライドすると、加圧板部57Aによって駆動摩擦板59及び被動摩擦板60が押圧されて密着し、クラッチアウタ156とクラッチセンター55とが一体回転する接続状態となる。
また、第1ディスククラッチ151aは、内シャフト41mの外周面に固定される円板状のクラッチセンター55と、クラッチピストンガイド56と、クラッチピストン57と、キャンセラープレート58と、駆動摩擦板59及び被動摩擦板60と、第1側制御油圧室61aと、第1側キャンセラ室62a(キャンセラ室)と、戻しばね63とを備えて構成されている。
すなわち、ツインクラッチ126では、第1及び第2側制御油圧室61a,61bに油圧が供給されると、第1及び第2ディスククラッチ151a,151bがそれぞれ接続状態とされ、第1及び第2側制御油圧室61a,61bの油圧が解除されると、第1及び第2ディスククラッチ151a,151bが切断状態となる。
また、ツインクラッチ126は、メイン軸41と一体に回転するため、遠心力を受けた第1及び第2側制御油圧室61a,61bの制御油は、クラッチピストン57を第1及び第2側キャンセラ室62a,62b側に移動させるように作用する。一方、遠心力を受けた第1及び第2側キャンセラ室62a,62bの潤滑油は、クラッチピストン57を第1及び第2側制御油圧室61a,61b側に移動させるように作用する。
このように、ツインクラッチ126では、遠心力を受けた第1及び第2側制御油圧室61a,61bの制御油がクラッチピストン57に作用する力を、同じく遠心力を受けた第1及び第2側キャンセラ室62a,62bの潤滑油の力によって相殺できるため、遠心力がツインクラッチ126の動作に影響することを防止できる。また、第1及び第2側キャンセラ室62a,62b内の潤滑油は、遠心力を作用させるために利用されるものであり、高圧である必要が無く、第1及び第2側制御油圧室61a,61bに供給される制御油の油圧よりも低圧で供給される。
図4に示すように、内シャフト41m内には、第2ディスククラッチ151bに対応する部分を内端とした有底のシャフト内油路65(同軸に設けた歯車に潤滑油を供給する油路)が形成されている。シャフト内油路65に供給された潤滑油は、内外シャフト41m,41nを径方向に貫通する複数の油路66を介して、内外シャフト41m,41nと同軸に設けられた各駆動歯車m1〜m6、及び、プライマリドリブンギヤ158等に供給される。
また、内外シャフト41m,41nには、第2側キャンセラ室62bに接続されるキャンセラ油路67が形成されており、有底のシャフト内油路65の潤滑油の一部は、キャンセラ油路67を通って第2側キャンセラ室62bに供給される。
クラッチカバー128の内面と内シャフト41mの端部との間には、互いに独立した第1油室201、第2油室202、及び、第3油室203がそれぞれ形成されている。また、内シャフト41mには、端部から内シャフト41m内を軸方向に延びるクラッチ側シャフト内油路204が形成されており、クラッチ側シャフト内油路204は、筒状の第1仕切り部材205と、第1仕切り部材205の外側を覆う筒状の第2仕切り部材206によって仕切られている。
第1仕切り部材205内の油路は、クラッチ側シャフト内油路204から径方向外側に貫通する油路211、外シャフト41nを径方向外側に貫通する油路212、第2ディスククラッチ151bのクラッチセンター55及びクラッチピストン57を貫通する油路107を介して、第2側制御油圧室61bに繋がっている。
また、第2仕切り部材206内の油路は、クラッチ側シャフト内油路204から径方向外側に貫通する油路213、第1ディスククラッチ151aのクラッチセンター55及びクラッチピストン57を貫通する油路155を介して、第1側制御油圧室61aに繋がっている。
さらに、第3油室203は、第1ディスククラッチ151aのクラッチセンター55を貫通する油路159を介して、第1側キャンセラ室62aに繋がっている。
図5は、内燃機関1の潤滑装置を示す模式図である。図5中に示した複数の矢印は、オイルが流れる方向を示している。
内燃機関1の潤滑装置は、大別して2系統の油圧回路を有し、ツインクラッチ126に制御油を供給する制御用油圧回路68と、クランク軸2の周辺、変速機M、及び、動弁装置10等を潤滑する潤滑用油圧回路69とを有している。
制御用油圧回路68は、オイルパン3Gに貯留されたオイルを吸い出して送出する制御用油圧ポンプ70と、制御用油圧回路68の油圧を制限する制御側リリーフバルブ71(オイルリリーフバルブ)と、制御油を濾過するオイルフィルター72と、第1側制御油圧室61aへの制御油の供給を調節する第1電磁制御弁73aと、第2側制御油圧室61bへの制御油の供給を調節する第2電磁制御弁73bとを備えている。第1及び第2電磁制御弁73a,73bは、上記ECUの制御電流値に基づいて第1及び第2側制御油圧室61a,61bの油圧を変化させるリニアソレノイドバルブである。
制御用油圧回路68は、オイルパン3Gから第1及び第2電磁制御弁73a,73b側に延びる油路74と、油路74から分岐して第1及び第2電磁制御弁73a,73bの入口に接続される分岐油路74a,74bと、第1及び第2電磁制御弁73a,73bの出口と第1及び第2側制御油圧室61a,61bとを接続する制御油供給油路75a,75bとを有している。
制御用油圧ポンプ70は油路74に設けられ、油路74において制御用油圧ポンプ70の下流側には、オイルパン3Gに繋がる制御側バイパス油路76が設けられており、制御側リリーフバルブ71は、制御側バイパス油路76に配置されている。オイルフィルター72は、制御用油圧ポンプ70の下流側に設けられている。
オイルパン3Gから制御用油圧ポンプ70によって送出されたオイルは、油路74を通ってオイルフィルター72を通過し、分岐油路74a,74bを介して第1及び第2電磁制御弁73a,73bにそれぞれ流れ、第1及び第2電磁制御弁73a,73bによって油圧を制御された後、制御油供給油路75a,75bを通って第1及び第2側制御油圧室61a,61bに達する。そして、第1及び第2側制御油圧室61a,61bの油圧に応じて各クラッチピストン57がスライドさせられ、第1及び第2ディスククラッチ151a,151bの接続状態が変更される。
また、制御用油圧ポンプ70によって送出されたオイルの一部は、制御側バイパス油路76の制御側リリーフバルブ71に達し、制御側リリーフバルブ71に作用する油圧が所定値より高い場合、制御側リリーフバルブ71を通過して制御側バイパス油路76を下流側に流れ、オイルパン3Gに戻る。すなわち、制御用油圧ポンプ70の吐出圧が所定値よりも高圧の時、制御側リリーフバルブ71は、オイルをオイルパン3Gに逃がし、制御用油圧回路68の油圧を制限する。制御用油圧ポンプ70の吐出圧が所定値よりも低い場合、制御側リリーフバルブ71は作動せず、オイルパン3G側に流れる制御側バイパス油路76は、閉鎖された状態が維持される。
潤滑用油圧回路69は、オイルパン3Gに貯留されたオイルを吸い出して送出する潤滑用油圧ポンプ80と、潤滑用油圧回路69の油圧を制限する潤滑側リリーフバルブ81と、潤滑油を濾過するオイルフィルター82と、潤滑油を冷却するオイルクーラー83と、潤滑用油圧回路69の油圧を検出する油圧センサ84とを備えている。
潤滑油が供給される潤滑対象としては、変速機側被潤滑部53と、エンジン側被潤滑部54とがある。変速機側被潤滑部53は、メイン軸41及びカウンタ軸42を備え、メイン軸41においては、シャフト内油路65(図4参照)にオイルが供給される。また、エンジン側被潤滑部54は、クランク軸2を軸支する複数のジャーナルベアリング54a、各コンロッド7f,7r、クランク軸2と一体に回転する発電機54b、ピストン6にオイルを噴射するピストンジェット54c、及び、カムシャフト25等により構成されている。
潤滑用油圧回路69は、オイルパン3Gに接続された油路85と、油路85から分岐して変速機側被潤滑部53に接続される分岐油路85bと、油路85から分岐してエンジン側被潤滑部54に接続される分岐油路85aと、変速機側被潤滑部53を第2側キャンセラ室62bに接続するキャンセラ油供給油路86bと、エンジン側被潤滑部54を第1側キャンセラ室62aに接続するキャンセラ油供給油路86a(ジャーナルベアリングを潤滑した後の油路)とを有している。キャンセラ油供給油路86aには、キャンセラ油供給油路86aを絞るオリフィス88が設けられており、オリフィス88を通過して第1側キャンセラ室62aへ流れるオイルの油圧は、油路85を流れるオイルの油圧よりも低下させられている。
潤滑用油圧ポンプ80は油路85に設けられ、油路85において潤滑用油圧ポンプ80の下流側には、オイルパン3Gに繋がる潤滑側バイパス油路87が設けられており、潤滑側リリーフバルブ81は、潤滑側バイパス油路87に配置されている。オイルフィルター82、オイルクーラー83及び油圧センサ84は、潤滑用油圧ポンプ80の下流側に設けられている。
オイルパン3Gから潤滑用油圧ポンプ80よって送出されたオイルは、油路85を通ってオイルフィルター82、オイルクーラー83及び油圧センサ84を通過し、分岐油路85a,85bに流れる。
分岐油路85bに流れたオイルは、変速機側被潤滑部53を潤滑し、その後、キャンセラ油供給油路86bを通って第2側キャンセラ室62bに供給される。詳細には、図4に示したシャフト内油路65及びキャンセラ油路67は、キャンセラ油供給油路86bの一部であり、シャフト内油路65を利用して第2側キャンセラ室62bにオイルが供給される。第2側キャンセラ室62bには高い油圧が必要ないため、シャフト内油路65に供給されるオイルを第2側キャンセラ室62b用のオイルとして用いることができる。
すなわち、各駆動歯車m1〜m6等にオイルを供給するために設けられたシャフト内油路65によって第2側キャンセラ室62bにオイルを供給するため、油路を共用でき、油路の構造を簡単にすることができる。
また、分岐油路85aに流れたオイルは、エンジン側被潤滑部54を潤滑し、その後、キャンセラ油供給油路86a及びオリフィス88を通って第1側キャンセラ室62aに供給される。第1側キャンセラ室62aには高い油圧が必要ないため、エンジン側被潤滑部54に供給されるオイルを第1側キャンセラ室62a用のオイルとして用いることができる。詳細には、図4に示した第3油室203及び油路159はキャンセラ油供給油路86aの一部であり、エンジン側被潤滑部54のジャーナルベアリング54a等を潤滑した後のオイルをキャンセラ油供給油路86aを介して第1側キャンセラ室62aに供給するため、エンジン側被潤滑部54の油路を第1側キャンセラ室62a用の油路と共用でき、油路の構造を簡単にすることができる。
また、キャンセラ油供給油路86aにオリフィス88を設けることで油圧が低下するため、第1側キャンセラ室62aへ必要以上に高い油圧が供給されることを防止できる。
潤滑用油圧ポンプ80によって送出されたオイルの一部は、潤滑側バイパス油路87の潤滑側リリーフバルブ81に達し、潤滑側リリーフバルブ81に作用する油圧が所定値より高い場合、潤滑側リリーフバルブ81を通過して潤滑側バイパス油路87を下流側に流れ、オイルパン3Gに戻る。すなわち、潤滑用油圧ポンプ80の吐出圧が所定値よりも高圧の時、潤滑側リリーフバルブ81は、オイルをオイルパン3Gに逃がし、潤滑用油圧回路69の油圧を制限する。
本実施の形態では、図5に示すように、制御用油圧ポンプ70及び潤滑用油圧ポンプ80は個別に設けられ、同一のオイルパン3Gに貯留されているオイルをそれぞれ送出しており、ツインクラッチ126用の制御油と、変速機側被潤滑部53及びエンジン側被潤滑部54等に供給される潤滑油とで共通のオイルが使用されている。このため、オイルパンを複数設ける必要が無く、構造を簡単にすることができる。
また、制御用油圧回路68が制御用油圧ポンプ70を有し、潤滑用油圧回路69が潤滑用油圧ポンプ80を有し、制御用油圧回路68と潤滑用油圧回路69とが互いに独立した油路となっている。このため、制御用油圧回路68の油圧が潤滑用油圧回路69の油圧の変動等に影響されることを防止でき、クラッチピストン57の動作を安定させることができる。
さらに、油温計135を大量のオイルが貯留されているオイルパン3Gに設けたため、油温を正確に検出できる。これにより、ECUは、正確に検出された油温に基づいて第1及び第2側制御油圧室61a,61bに供給する油圧を制御できるため、ツインクラッチ126を正確にコントロールすることができる。油温計135を、例えば、第1及び第2電磁制御弁73a,73bの近傍の制御油供給油路75a,75bに配置することも考えられるが、この場合、第1及び第2側制御油圧室61a,61bに供給される油量に比べて制御油供給油路75a,75bのオイルの流量が少ないため、正確な油温を検出するこが難しい。
また、図5に示すように、内燃機関1の潤滑装置は、クランク軸2が収容されるクランク室2Cの底部からオイルを吸い出すスカベンジング装置90を備えている。スカベンジング装置90は、スカベンジングポンプ91と、クランク室2Cに接続される油路92とを有している。油路92の出口は変速機M側に設けられ、クランク室2Cから吸い出されたオイルは、変速機Mを潤滑した後、クランクケース3内を落下し、オイルパン3Gに戻る。
図6は、オイルポンプ50の近傍の断面図である。
図6に示すように、オイルポンプ50は、駆動チェーン45(図2参照)を介して回転させられるポンプ軸50A、及び、ポンプ軸50Aを収容するポンプケース94を有し、ポンプ軸50Aには、被動歯車50Bの側から順に、制御用油圧ポンプ70のローター95A、潤滑用油圧ポンプ80のローター95B、及び、スカベンジングポンプ91のローター95Cが設けられている。すなわち、オイルポンプ50はポンプケース94内に、制御用油圧ポンプ70、潤滑用油圧ポンプ80及びスカベンジングポンプ91を備えたオイルポンプである。
ポンプケース94の下部には、制御用油圧ポンプ70及び潤滑用油圧ポンプ80に共通の吸い込み口50Cが設けられている。
潤滑側リリーフバルブ81は、ポンプケース94内において、潤滑用油圧ポンプ80のローター95Bの近傍に設けられており、ポンプケース94内に設けられる潤滑側シリンダ96と、潤滑側シリンダ96内を摺動する潤滑側ピストン97とを有している。
潤滑側シリンダ96は潤滑側バイパス油路87に連通する導入口96Aを軸方向の一端に有し、潤滑側ピストン97は、潤滑側ピストン97内に収容された潤滑側コイルばね98によって導入口96A側に付勢されている。潤滑側シリンダ96は、潤滑側シリンダ96の側面を貫通する潤滑側リリーフ穴99を複数有し、潤滑側リリーフ穴99は、潤滑側リリーフバルブ81よりも下流側の下流側バイパス油路87A(図5参照)に繋がっている。
そして、潤滑側ピストン97の頂部97Aに所定の油圧よりも高い油圧が作用すると、潤滑側ピストン97は潤滑側コイルばね98に抗して摺動し、導入口96Aと潤滑側リリーフ穴99とが連通する。すなわち、潤滑側バイパス油路87に所定の油圧よりも高い油圧が作用した場合、潤滑側ピストン97が押しのけられて導入口96Aと潤滑側リリーフ穴99とが連通し、高圧の潤滑油は下流側バイパス油路87Aを通ってオイルパン3Gに戻り、潤滑用油圧回路69の油圧が低下する。これにより、潤滑用油圧回路69に必要以上の高圧の油圧が作用することが防止される。
図7は、制御側リリーフバルブ71の近傍の断面図である。
図6及び図7に示すように、ポンプケース94において制御用油圧ポンプ70のローター95Aの近傍には、円筒状に形成された制御側リリーフバルブ71を収容するリリーフバルブ収容部254が形成されている。リリーフバルブ収容部254は、有底の略円筒状の空間であり、入口側に設けられて制御側リリーフバルブ71の外周面に当接する保持部255と、制御側リリーフバルブ71を軸方向に受ける底部256と、保持部255と底部256との間において制御側リリーフバルブ71の外周面との間に隙間を形成する隙間部257とを有している。
隙間部257は、制御側リリーフバルブ71よりも下流側の下流側バイパス油路76B(図5参照)の一部である。また、底部256は、クランクケース3内に連通する空気孔256Aを有し、この空気孔256Aは、制御側リリーフバルブ71が底部256に密着して設けられること制御側リリーフバルブ71に接続されている。
ポンプケース94は、リリーフバルブ収容部254を塞ぐ着脱可能な蓋体259を有し、制御側リリーフバルブ71は、リリーフバルブ収容部254に収容された後、蓋体259が固定されることで、リリーフバルブ収容部254に固定される。詳細には、蓋体259には複数のリブ259Aが形成されており、制御側リリーフバルブ71はリブ259Aによって押圧されて軸方向に位置決めされている。蓋体259及びリブ259Aと制御側リリーフバルブ71との間には空間が形成されており、この空間は、制御用油圧ポンプ70と制御側リリーフバルブ71とを繋ぐ上流側バイパス油路76Aとなっている。
制御側リリーフバルブ71は、リリーフバルブ収容部254に収容される円筒状の制御側シリンダ260(シリンダ)と、制御側シリンダ260内を摺動する制御側ピストン261(ピストン)とを有している。
制御側シリンダ260は上流側バイパス油路76Aに連通する導入口260Aを軸方向の一端に有し、導入口260A側には、制御側ピストン261の軸方向の位置を規制する規制ピン263が、制御側シリンダ260の軸方向に直交するように設けられている。
また、制御側シリンダ260の導入口260A側の外周面には、リリーフバルブ収容部254の保持部255との間をシールするオイルシール264が設けられている。さらに、導入口260A側のシリンダ側面260Bには、シリンダ側面260Bを貫通する制御側リリーフ穴265(リリーフ穴)が複数形成されており、制御側リリーフ穴265は、隙間部257を介して下流側バイパス油路76Bに繋がっている。また、制御側リリーフ穴265は、規制ピン263よりも底部256側に位置している。
制御側シリンダ260の軸方向の他端のシリンダ端面260Cは閉塞されており、このシリンダ端面260Cには、シリンダ端面260Cを貫通して空気孔256Aに連通する息継ぎ穴267が形成されている。すなわち、制御側シリンダ260の内部は、息継ぎ穴267及び空気孔256Aを介してクランクケース3内に連通している。息継ぎ穴267は、円筒状の制御側ピストン261と同軸に設けられた円形の穴であり、シリンダ端面260Cの略中央の1箇所に形成されている。
制御側ピストン261は、一端に閉塞された頂部261Aを有するとともに他端に開口を有する円筒状の中空のピストンであり、内部に制御側コイルばね266を収容している。制御側ピストン261は、頂部261Aに内側から当接する制御側コイルばね266によって導入口260A側に常に付勢されており、頂部261Aに当接する規制ピン263によって位置を規制されている。この状態では、頂部261Aが制御側リリーフ穴265よりも導入口260A側に位置しており、導入口260Aは制御側リリーフ穴265に接続されていない。
制御側コイルばね266の付勢力は、頂部261Aに作用する制御油の圧力が制御用油圧ポンプ70の吐出圧の所定値に対応する圧力よりも高圧になった場合に制御側コイルばね266に抗して頂部261Aが制御側リリーフ穴265側に摺動し、導入口260Aを制御側リリーフ穴265に接続するように設定されている。
すなわち、上流側バイパス油路76Aの制御油の圧力が上記所定値よりも高圧になると、制御側ピストン261がシリンダ端面260C側に押しのけられて導入口260Aが制御側リリーフ穴265に連通し、制御油は、制御側リリーフ穴265、隙間部257及び下流側バイパス油路76Bを通ってオイルパン3Gに戻る。これにより、制御用油圧回路68の油圧が低下するため、制御用油圧回路68に必要以上の高圧の油圧が作用することが防止される。
また、制御側リリーフバルブ71によって制御油がオイルパン3Gに戻されて上流側バイパス油路76Aの油圧が低下すると、制御側ピストン261は制御側コイルばね266に押されて上流側バイパス油路76Aの側に戻る。すなわち、制御側ピストン261は、制御用油圧回路68の圧力変動により制御側シリンダ260内で往復運動する。
ここで、オイルポンプ50の制御用油圧ポンプ70は、クランク軸2と同期して駆動されるため、内燃機関1の運転状況によっては頻繁に回転数が変動し、制御用油圧回路68の圧力の変化が大きくなる。これに伴って、制御側ピストン261の往復運動の速さや周期に変化が生じ、制御用油圧回路68内の制御油に多様に変化する脈動が発生することがある。
制御側ピストン261が往復する場合、制御側ピストン261とシリンダ端面260Cとの間のシリンダ内空間Sの容積は変化し、シリンダ内空間Sの空気は、圧縮及び膨張を繰り返すこととなる。本実施の形態では、シリンダ内空間Sがシリンダ端面260Cに設けた息継ぎ穴267を介してクランクケース3内に連通しているため、制御側ピストン261の往復運動に伴って、空気が息継ぎ穴267を通ってシリンダ内空間Sに出入りし、空気が息継ぎ穴267を通る際の抵抗によって制御側ピストン261の往復運動を減衰させることができる。これにより、制御用油圧回路68に生じる脈動を抑制でき、脈動が第1及び第2側制御油圧室61a,61bに脈動が影響することを抑制できるため、ツインクラッチ126の制御性を向上できる。
特に本実施の形態では、息継ぎ穴267の直径を径G1(穴の径)、制御側ピストン261の直径を径G2(オイルリリーフバルブのピストン径)とした場合に、(径G1)/径G2=0.2以下となるように径G1が設定されている。すなわち、息継ぎ穴267の径G1は制御側ピストン261の径G2の20%以下となるように設定されており、空気が息継ぎ穴267を通る際の抵抗が比較的大きくなっているため、減衰効果により制御側ピストン261の動きを抑制でき、油圧の脈動を抑制できる。
また、制御側ピストン261を中空に形成し、シリンダ内空間Sの容積を大きく確保したため、息継ぎ穴267を通る空気の抵抗によって制御側ピストン261の往復運動を安定的に減衰させることができる。
以上説明したように、本発明を適用した実施の形態によれば、制御側シリンダ260における制御側ピストン261の背面側のシリンダ端面260Cに設けた息継ぎ穴267によって制御側ピストン261の摺動を制限し、制御側リリーフバルブ71の脈動を抑制できるため、簡単な構造で油圧の変動を抑えることが可能な制御側リリーフバルブ71を提供することができる。
また、制御側リリーフバルブ71が、第1及び第2ディスククラッチ151a,151bの制御用油圧回路68に制御油を供給する制御用油圧ポンプ70の下流に設けられるため、第1及び第2ディスククラッチ151a,151bに供給される制御油の脈動が抑制され、第1及び第2ディスククラッチ151a,151bの制御性を向上させることができる。このため、第1及び第2ディスククラッチ151a,151bによる発進・変速フィーリングを向上できる。
また、第1及び第2ディスククラッチ151a,151bの制御油は内燃機関1の潤滑油と共通のオイルが使用され、制御用油圧ポンプ70と潤滑用油圧ポンプ80とを個別に設けたため、制御油及び潤滑油を共用できる。
さらに、高圧が必要とされない第1及び第2側キャンセラ室62a,62b用のオイルとして、潤滑用油圧ポンプ80により供給される内燃機関1の潤滑油を用いるため、潤滑油の油路を第1及び第2側キャンセラ室62a,62bへの油路と共用できる。また、第1及び第2側キャンセラ室62a,62b用に供給される潤滑油がクラッチピストン57の制御油に影響しないため、クラッチピストン57の動作を安定させることができる。
さらにまた、高圧が必要とされない第2側キャンセラ室62b用のオイルとして、第1及び第2ディスククラッチ151a,151bを支持するメイン軸41に設けた各駆動歯車m1〜m6等に供給される潤滑油を用いるため、シャフト内油路65を第2側キャンセラ室62bへの油路と共用できる。
また、高圧が必要とされない第1側キャンセラ室62a用のオイルとして、クランク軸2のジャーナルベアリング54aを潤滑した後のキャンセラ油供給油路86aの潤滑油を用いるため、第1側キャンセラ室62aへの油路を共用できる。
また、制御側リリーフバルブ71によって第1及び第2ディスククラッチ151a,151bに供給される制御油の脈動を抑制できるため、第1及び第2ディスククラッチ151a,151bの素早い切り換えが求められるツインクラッチ126の断続の制御性を向上でき、ツインクラッチ126による発進・変速フィーリングを向上できる。
さらに、(径G1)/径G2=0.2以下となるように径G1が設定されているため、減衰効果により制御側ピストン261の動きを抑制でき、油圧の脈動を抑制できる。
なお、上記実施の形態は本発明を適用した一態様を示すものであって、本発明は上記実施の形態に限定されない。
上記実施の形態では、制御側リリーフバルブ71は、ツインクラッチ126の断続を制御する制御用油圧回路68に設けられるものとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、制御側リリーフバルブ71は、油圧によって駆動されるアクチュエータによって吸排気バルブのリフト量等を可変させる可変動弁装置の制御用油圧回路に設けても良い。
また、上記実施の形態では、息継ぎ穴267は円形の穴であり、息継ぎ穴267の径G1は制御側ピストン261の径G2の20%以下であるものとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。息継ぎ穴は、息継ぎ穴の開口面積と制御側ピストン261の断面積との比率が、円形の息継ぎ穴267の径G1が制御側ピストン261の径G2の20%以下である場合の息継ぎ穴267の開口面積と制御側ピストン261の断面積との比率に対応していれば、どのような形状であっても良い。
また、その他の自動二輪車100の細部構成についても任意に変更可能であることは勿論である。
1 内燃機関
2 クランク軸(クランクシャフト)
41 メイン軸(油圧クラッチを支持する軸)
50 オイルポンプ
54a ジャーナルベアリング
57 クラッチピストン(油圧ピストン)
62a 第1側キャンセラ室(キャンセラ室)
62b 第2側キャンセラ室(キャンセラ室)
65 シャフト内油路(同軸に設けた歯車に潤滑油を供給する油路)
68 制御用油圧回路
70 制御用油圧ポンプ
71 制御側リリーフバルブ(オイルリリーフバルブ)
80 潤滑用油圧ポンプ
88 オリフィス
151a 第1ディスククラッチ(油圧クラッチ)
151b 第2ディスククラッチ(油圧クラッチ)
260 制御側シリンダ(シリンダ)
260B シリンダ側面
260C シリンダ端面
261 制御側ピストン(ピストン)
265 制御側リリーフ穴(リリーフ穴)
267 息継ぎ穴
G1 径(穴の径)
G2 径(オイルリリーフバルブのピストン径)
m1〜m6 駆動歯車(歯車、歯車列)
M 変速機(ツインクラッチ式変速機)

Claims (8)

  1. 内燃機関(1)により駆動されるオイルポンプ(50)の下流に設けられ、前記オイルポンプ(50)により発生する油圧によりシリンダ(260)内を摺動するピストン(261)と、シリンダ側面(260B)に設けたリリーフ穴(265)とを有し、前記オイルポンプ(50)の吐出圧が所定値より高圧の時、前記リリーフ穴(265)からオイルを逃がして油圧を制限するオイルリリーフバルブにおいて、
    前記ピストン(261)の背面のシリンダ端面(260C)を閉塞すると共に前記シリンダ端面(260C)に前記ピストン(261)の摺動を制限する息継ぎ穴(267)を設けたことを特徴とするオイルリリーフバルブ。
  2. 前記オイルリリーフバルブは前記内燃機関(1)と変速機(M)との間に設けられた油圧クラッチ(151a、151b)の制御用油圧回路(68)に制御油を供給するオイルポンプ(50)の下流に設けられていることを特徴とする請求項1記載のオイルリリーフバルブ。
  3. 前記油圧クラッチ(151a、151b)の制御油は前記内燃機関(1)の潤滑油と共通のオイルが使用され、前記オイルポンプ(50)は、潤滑油供給用の潤滑油用油圧ポンプ(80)と制御油供給用の制御油用油圧ポンプ(70)とを個別に設け、前記オイルリリーフバルブは制御油用油圧ポンプ(70)の下流に設けられていることを特徴とする請求項2記載のオイルリリーフバルブ。
  4. 前記油圧クラッチ(151a、151b)を接続するための油圧ピストン(57)には前記制御油用油圧ポンプ(70)から制御油が供給され、キャンセラ室(62a、62b)には前記潤滑油用油圧ポンプ(80)からの潤滑油が供給されることを特徴とする請求項3記載のオイルリリーフバルブ。
  5. 前記キャンセラ室(62b)に供給される潤滑油は前記油圧クラッチ(151a、151b)を支持する軸(41)内に設けられ、該軸(41)と同軸に設けた歯車(m1〜m6)に潤滑油を供給する油路(65)から前記キャンセラ室(62b)に潤滑油が供給されることを特徴とする請求項4記載のオイルリリーフバルブ。
  6. 前記キャンセラ室(62a)に供給される潤滑油は、クランクシャフト(2)のジャーナルベアリング(54a)を潤滑した後の油路(86a)にオリフィス(88)を挿入して油圧を低下した後の潤滑油であることを特徴とする請求項4記載のオイルリリーフバルブ。
  7. 前記変速機(M)は2つの前記油圧クラッチ(151a、151b)に接続される歯車列(m1〜m6)を2つの前記油圧クラッチ(151a、151b)の切り換えによって変速するツインクラッチ式変速機であることを特徴とする請求項2から4のいずれかに記載のオイルリリーフバルブ。
  8. 前記息継ぎ穴の径(G1)は、(穴の径(G1))/(オイルリリーフバルブのピストン径(G2))=0.2以下に設定したことを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載のオイルリリーフバルブ。
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