JPH08158841A - オイルポンプ装置 - Google Patents

オイルポンプ装置

Info

Publication number
JPH08158841A
JPH08158841A JP29745194A JP29745194A JPH08158841A JP H08158841 A JPH08158841 A JP H08158841A JP 29745194 A JP29745194 A JP 29745194A JP 29745194 A JP29745194 A JP 29745194A JP H08158841 A JPH08158841 A JP H08158841A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
oil
engine
oil pump
passage
relief valve
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP29745194A
Other languages
English (en)
Inventor
Sadanori Miura
浦 禎 則 三
Kanetake Aoki
木 金 剛 青
Hisashi Miyazaki
崎 壽 宮
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Aisin Corp
Original Assignee
Aisin Seiki Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Aisin Seiki Co Ltd filed Critical Aisin Seiki Co Ltd
Priority to JP29745194A priority Critical patent/JPH08158841A/ja
Publication of JPH08158841A publication Critical patent/JPH08158841A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Lubrication Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 設定圧可変装置及び設定圧可変装置に可変指
令を出すコントローラを用いなくてもエンジン中回転域
において必要量の油をエンジンに圧送することのできる
オイルポンプ装置を提供すること。 【構成】 エンジン0に連動して回転し、エンジンに油
を圧送するオイルポンプ3と、エンジン回転域が第1設
定回転域に達したときにオイルポンプから吐出した油の
一部を逃がす第1リリーフ弁8と、エンジン回転域が第
1設定回転域よりも高い第2設定回転域に達したときに
オイルポンプから吐出した油の一部を逃がす第2リリー
フ弁6とを備えたオイルポンプ装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エンジン低回転域、中
回転域及び高回転域といった各回転域において最適の油
量をエンジンに圧送することのできるオイルポンプ装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】油圧が小さくなりがちなエンジン低回転
域では、オイルポンプから吐出された油を全てエンジン
に圧送し、油圧が大きくなりがちなエンジン高回転域で
は、オイルポンプからの吐出した油の一部を逃がすオイ
ルポンプ装置は、一般的に知られている。具体的に言う
と、これは、エンジンに連動して回転し、エンジンに油
を圧送するオイルポンプと、オイルポンプの吐出圧が設
定圧に達したとき(即ちエンジン回転数が設定回転数に
達したとき)にオイルポンプから吐出した油の一部を逃
がすリリーフ弁とを備えたものである。
【0003】ところが、このものでは、オイルポンプの
吐出圧が前記設定圧未満のエンジン中回転域では、必要
以上の油がエンジンに圧送され、その結果、エンジンの
馬力損失が大きくなって燃費が悪くなるという問題点が
ある。
【0004】そこで、従来、この問題点を解決するため
の技術として、実開昭63−73510号公報に示され
るものが知られている。このものは、吐出圧が設定圧以
上になるとオイルポンプの下流側とオイルパンとを結ぶ
リリーフ通路を開放して吐出油の一部をオイルパンに逃
す弁体と、弁体を閉方向に付勢するスプリングと、スプ
リングのセット位置を移動させてスプリングによる前記
設定圧を可変する設定圧可変装置とを有するものであ
る。ここで、設定圧可変装置は、スプリングの伸縮方向
とは直交する軸心を有する回転可能なピンと、ピンに一
体回転可能に固定され、スプリングのセット位置(一端
の位置)を可変するカムと、リンクを介してピンに連結
されピンを回転させるピン回転機構とを備えるものであ
る。
【0005】このものでは、エンジン低回転域では、リ
リーフ弁によりリリーフ通路が閉塞されるため、エンジ
ンに全吐出量が圧送される。又、エンジン中回転域で
は、設定圧可変装置により比較的低い第1設定圧に設定
できるため、リリーフ弁によりリリーフ通路の一部が開
放し、吐出された油の内の第1所定量がオイルパンに逃
がされる。更に、エンジン高回転域では、設定圧可変装
置により第1設定圧よりも高い第2設定圧に設定できる
ため、リリーフ弁によりリリーフ通路が全開し、吐出さ
れた油の内の第1所定量よりも多い第2所定量がオイル
パンに逃がされる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このもので
は、エンジンの回転領域に合わせて設定圧可変装置によ
りリリーフ弁のスプリングの設定荷重を変えるものであ
るため、可変指令を出すためのコントローラが不可欠に
なり、その分コスト的に不利である。
【0007】又、設定圧可変装置は、ピン、カム、リン
ク及びピン回転機構から構成されているため、構成部品
が多く複雑であり、この点からみてもコスト的に不利で
ある。
【0008】故に、本発明は、設定圧可変装置及び設定
圧可変装置に可変指令を出すコントローラを用いなくて
もエンジン中回転域において必要量の油をエンジンに圧
送することのできるオイルポンプ装置を提供すること
を、その技術的課題とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記技術的課題を解決す
るために請求項1の発明において講じた技術的手段は、
エンジンに連動して回転し、エンジンに油を圧送するオ
イルポンプと、エンジン回転域が第1設定回転域に達し
たときにオイルポンプから吐出した油の一部を逃がす第
1リリーフ弁と、エンジン回転域が第1設定回転域より
も高い第2設定回転域に達したときにオイルポンプから
吐出した油の一部を逃がす第2リリーフ弁とを備えたこ
とである。
【0010】ここで、第1設定回転域はエンジン中回転
域、第2設定回転域はエンジン高回転域を意味するもの
である。
【0011】上記技術的手段において、第1リリーフ弁
の構造を簡単にするために、第1リリーフ弁にチェック
弁を採用すると好ましい。
【0012】ここで、チェック弁に異物が進入して作動
不良を起こすのを回避するために、オイルポンプとエン
ジンとを結ぶ吐出通路の途中に配設されたオイルフィル
タの下流側にチェック弁を配置すると好ましい。
【0013】上記技術的手段において、装置全体の占有
スペースを短縮させるために、オイルポンプを介して油
供給源とエンジンとを結ぶメイン通路と、オイルポンプ
下流側のメイン通路と油供給源、オイルポンプ上流側の
メイン通路及びオイルポンプの吸入ポートの内の少なく
とも何れか1つとを結び第1リリーフ弁を有するリリー
フ通路とを備え、第1リリーフ弁が、オイルポンプの回
転軸又はクランクシャフト内に形成され回転軸の軸心と
直交する軸心をもつシリンダ孔と、シリンダ孔内に摺動
自在に配設され回転軸による遠心力に基づいてリリーフ
通路を開閉する弁体と、弁体を遠心力に抗する方向に付
勢するスプリングとを備えるようにすると好ましい。
【0014】
【作用】上記技術的手段の作用を以下に示す。
【0015】エンジン回転数の増大に伴いオイルポンプ
の吐出圧(吐出量)が上昇するが、エンジン低回転域で
は、オイルポンプから吐出された油の全てがエンジンに
圧送される。又、エンジン中回転域(即ち第1設定回転
域)では、第1リリーフ弁によりオイルポンプから吐出
された油の内の第1所定量が逃される。更に、エンジン
高回転域では、第1及び第2リリーフ弁によりオイルポ
ンプから吐出された油の内の第1所定量よりも多い第2
所定量が逃される。
【0016】このように、上記技術的手段によれば、エ
ンジン中回転域に達すると吐出油の一部を逃す第1リリ
ーフ弁を設けたので、エンジン中回転域に過剰の吐出油
がエンジンに圧送されるのを回避でき、エンジンに必要
量の油を圧送することが可能になる。従って、エンジン
中回転域において、エンジンの馬力損失の増大を回避で
き、その分燃費が向上する。
【0017】又、第1リリーフ弁を新設するだけでエン
ジン中回転域において過剰の吐出油がエンジンに圧送さ
れるのを回避できることから、従来技術のような構成が
複雑な設定圧可変装置及び設定圧可変装置に可変指令を
出すコントローラが不要になり、その分コスト的に有利
になる。
【0018】又、上記技術的手段において、第1リリー
フ弁にチェック弁を採用すると、第1リリーフ弁の構造
を簡単になり、コスト的に一層有利である。又、オイル
フィルタの下流側にチェック弁を配置すると、チェック
弁に異物が進入して作動不良を起こすのを極力回避でき
る。
【0019】ここで、上記技術的手段において、第1リ
リーフ弁をオイルポンプの回転軸内に配設した装置の作
用を以下に示す。尚、クランクシャフトに配置した装置
についての作用は省略する。
【0020】エンジンが回転するに伴いそれに連動して
オイルポンプの回転軸も回転するため、弁体に作用する
遠心力が次第に大きくなっていく。
【0021】ところで、エンジン低回転域では、弁体に
作用する遠心力がスプリングの付勢力よりも小さいの
で、リリーフ通路が閉塞されて吐出油の全てがエンジン
に圧送される。又、エンジン中回転域(即ち第1設定回
転域)では、弁体に作用する遠心力がスプリングの付勢
力よりも大きくなるので、リリーフ通路が開放されて吐
出油の一部がオイルパンに逃される。
【0022】このように、エンジン中回転域に過剰の吐
出油がエンジンに圧送されるのを回避でき、エンジンに
必要量の油を圧送することが可能になる。従って、エン
ジン中回転域において、エンジンの摺動損失の増大を回
避でき、その分燃費が向上する。
【0023】又、第1リリーフ弁をオイルポンプの回転
軸又はクランクシャフト内に配設したので、第1リリー
フ弁の占有スペース分だけ装置全体の占有スペースが短
縮できる。
【0024】
【実施例】以下、本発明の実施例を添付図面に基づいて
説明する。
【0025】図1は、第1及び第2実施例に係るオイル
ポンプ装置の全体構成図である。
【0026】図1に示すように、第1及び第2実施例に
係るオイルポンプ装置10は、油が溜められたオイルパ
ン(油供給源)1と、オイルパン1とエンジン0とを結
ぶメイン通路2と、メイン通路2の途中に配設され、エ
ンジン0に連動して回転し、エンジン0に油を圧送する
オイルポンプ3と、オイルポンプ3下流側のメイン通路
2の途中に配設されたオイルフィルタ4と、オイルポン
プ3及びオイルフィルタ4間のメイン通路(以下第2メ
イン通路と称する)22とオイルパン1とを結ぶ第1リ
リーフ通路5と、第1リリーフ通路5の途中に配設さ
れ、エンジン高回転域に第1リリーフ通路5を開放する
高速用リリーフ弁(第2リリーフ弁)6と、オイルフィ
ルタ4及びエンジン0間のメイン通路(以下第3メイン
通路と称する)23とオイルパン1とを結ぶ第2リリー
フ通路7と、第2リリーフ通路7の途中に配設され、エ
ンジン中回転域に第2リリーフ通路7を開放する中速用
リリーフ弁(第1リリーフ弁)8(又は9)とを備えて
いる。
【0027】オイルフィルタ4は、オイルポンプ3から
吐出された油内の異物を取り除くものである。
【0028】第1リリーフ通路5は、高速用リリーフ弁
6上流側の第1入力通路51と、高速用リリーフ弁6下
流側の第1出力通路52とを有している。第2リリーフ
通路7も、中速用リリーフ弁8上流側の第2入力通路7
1と、中速用リリーフ弁8下流側の第2出力通路72と
を有している。ここでは、第2出力通路72の径は、第
1出力通路52の径よりも小さくなっているが、同等に
しても何ら問題ない。
【0029】尚、両リリーフ通路5,7(即ち両第2出
力通路52,72)は、オイルポンプ3上流側のメイン
通路(以下第1メイン通路と称する)21又はオイルポ
ンプ3の後述する吸入ポートに合流させても良い。
【0030】図2に示すように、オイルポンプ3は、ト
ロコイド型オイルポンプであり、円柱状空間311を有
するボデー31と、ボデー31に軸支された回転軸32
と、円柱状空間311内にて回転軸32の周りに支持さ
れたインナロータ33と、インナロータ33との間で複
数のポンプ室34を形成するようインナロータ33の周
りに配設されたアウタロータ35と、ポンプ室34に油
を吸入するための吸入ポート36と、ポンプ室34から
エンジンに向けて圧縮した油を吐出するための吐出ポー
ト37と、インナロータ33及びアウタロータ35を覆
うカバー38とを備えている。
【0031】ボデー31は、エンジン0のシリンダブロ
ック(図示せず)に固定されている。回転軸32は、エ
ンジン0のクランクシャフト(図示せず)に直結してい
る。
【0032】尚、この回転軸32は、Vベルト等を介し
てクランクシャフトに連結しても良い。インナロータ3
3は、複数の外歯331を有している。アウタロータ3
5は、インナロータ33の外歯331と係合する複数の
内歯351を有しており、この回転中心は、インナロー
タ33の回転中心に対して偏心している。
【0033】ポンプ室34は、吸入ポート36と連通し
インナロータ33の回転方向にいくに従いその容積が次
第に大きくなる吸入ポンプ室群341と、吐出ポート3
7と連通しインナロータ33の回転方向にいくに従いそ
の容積が次第に小さくなる吐出ポンプ室群(図示せず)
と、吸入ポンプ室群341と吐出ポンプ室群との間(即
ち吸入ポート36と吐出ポート37との間)に形成され
吸入及び吐出ポート36,37には連通していない最大
容積ポンプ室(図示せず)とから構成されている。従っ
て、インナロータ33の回転に伴い吸入ポンプ室群34
1が膨張することで吸入ポート36から油が吸入され、
吐出ポンプ室群が圧縮されることで高圧の油が吐出ポー
ト37へ吐出される。
【0034】吸入ポート36は、第1メイン通路21に
連通しており、第1ポンプ室群341の底部に円弧状に
形成されている。吐出ポート37は、第2メイン通路2
2に連通しており、第2ポンプ室群の底部に円弧状に形
成されている。
【0035】上記の如く構成されたトロコイド型オイル
ポンプ3の作用について説明すると、回転軸32の回転
に伴いインナロータ33が回転してアウタロータ35も
インナロータ33の外歯331と係合しながら同一方向
(図2矢印方向)に回転する。すると、ポンプ室34の
容積変化により周知のポンプ作用が行われる。
【0036】尚、ここでは、トロコイド型オイルポンプ
を例にとって説明しているが、本発明はこれに限定され
る必要はなく、例えばベーンポンプ,外接ギヤポンプ,
プランジャポンプ等のオイルポンプを採用しても良い。
【0037】図2に示すように、高速用リリーフ弁(第
2リリーフ弁)6は、オイルポンプ3のボデー31内に
配置されている。尚、高速用リリーフ弁6をボデー31
内に配置しなくても良い。
【0038】図3に示すように、高速用リリーフ弁6
は、ボデー31内に形成された第1入力通路51(図1
にも図示)に開口するようボデー31内に形成されたシ
リンダ孔61と、オイルポンプ3の吐出圧に応じてシリ
ンダ孔61内にて摺動し、エンジン高回転域即ち吐出圧
が後述する第1設定圧よりも高い第2設定圧になったと
きに第1入力通路51を第1出力通路52に連通させる
弁体62と、弁体62を弁座611に着座させる方向に
付勢するスプリング63とを備えている。尚、第1出力
通路52は、シリンダ孔61の半径方向内側に向けて開
口している。
【0039】弁体62は、弁座611に着脱可能になっ
ており、有底円筒状を呈している。
【0040】弁体62には、弁座611と背向する方向
に開口する凹部621が形成されている。スプリング6
3は、弁体62及びシリンダ61右端開口部を塞ぐ栓6
5間に形成されたスプリング室64内に収容されてい
る。具体的に言うと、スプリング63は、弁体62の凹
部621底面及び栓65に当接するリテーナ66間に配
設されている。尚、スプリング室64は、栓65に形成
された通路651を介して大気に連通している。図4を
参照して、第1実施例に係る中速用リリーフ弁8の構成
について説明する。
【0041】中速用リリーフ弁8は、前述したように、
第3メイン通路23及びオイルパン1間を結ぶ第2リリ
ーフ通路7の途中に配設されている。中速用リリーフ弁
8は、チェック弁である。詳細すると、中速用リリーフ
弁8は、エンジン0のシリンダブロック100内に形成
された第2入力通路71(図1にも図示)に開口するよ
うシリンダブロック100内に形成されたシリンダ孔8
1と、オイルポンプ3の吐出圧に応じてシリンダ孔81
内にてその軸方向に移動し、エンジン中回転域即ち吐出
圧が前述した第2設定圧よりも低い第1設定圧になった
ときに第2入力通路71を第2出力通路72に連通させ
るボール(弁体)82と、ボール82を弁座811に着
座させる方向に付勢するスプリング83とを備えてい
る。尚、第2出力通路72は、シリンダ孔81の半径方
向内側に向けて開口している。
【0042】ボール82は、弁座811に着脱可能にな
っている。スプリング83は、ボール82及びシリンダ
孔81間に形成されたスプリング室84内に収容され、
ボール82及びシリンダブロック100間に配設されて
いる。このスプリング83の開弁設定荷重は、前述した
高速用リリーフ弁6のスプリング63の開弁設定荷重よ
りも小さくされている。尚、スプリング室84は、シリ
ンダブロック100に形成された通路812を介して大
気に連通している。
【0043】ここで、図1、図3、図4及び図6を参照
して、上記の如く構成された第1実施例のオイルポンプ
装置10の作用について説明する。
【0044】エンジン低回転域(図6のA,例えばエン
ジン回転数1500rpm未満)では、中速用リリーフ
弁8のボール82が弁座811に,高速用リリーフ弁6
の弁体62が弁座611に夫々着座した状態となり、第
2入力通路71及び第2出力通路72間並びに第1入力
通路51及び第1出力通路52間の連通が遮断されてい
る。その結果、オイルポンプ3の吐出油の全てがエンジ
ン0に圧送される。従って、この区域においては、図6
に示す如く、エンジン回転数に比例してエンジン0への
油供給量が増大する。
【0045】次に、エンジン中回転域(図6のB,例え
ばエンジン回転数1500〜4000rpm)では、オ
イルポンプ3の吐出圧により中速用リリーフ弁8のボー
ル82に作用する力がスプリング83の設定荷重よりも
大きくなるので、ボール82が弁座811から離脱して
スプリング83の付勢力に抗して図4右方向に移動し、
第2入力通路71が第2出力通路72と連通する。その
結果、吐出油の内の第1所定量がオイルパン1に逃され
る。従って、この区域においては、図6の斜線で示され
る過剰の吐出油がエンジン0に圧送されるのを回避でき
る。
【0046】最後に、エンジン高回転域(図6のC,例
えばエンジン回転数4000rpm以上)では、更にオ
イルポンプ3の吐出圧が増大してオイルポンプ3の吐出
圧により高速用リリーフ弁6の弁体62に作用する力が
スプリング63の設定荷重よりも大きくなるので、弁体
62が弁座611から離脱してスプリング63の付勢力
に抗して図3右方向に移動し、第1入力通路51が第1
出力通路52と連通する。その結果、吐出油の内の第1
所定量よりも多い第2所定量がオイルパン1に逃され
る。従って、この区域においても、図6に示す如く、過
剰の吐出油がエンジン0に圧送されるのを回避できる。
【0047】以上示したように、第1実施例では、エン
ジン中回転域に達すると吐出油の一部を逃す中速用リリ
ーフ弁8を設けたので、エンジン中回転域に過剰の吐出
油がエンジンに圧送されるのを回避できる。つまり、エ
ンジン高回転域に達したときに吐出油の一部を逃す高速
用リリーフ弁6のみを設けた従来例に比べて、図9の斜
線で示される過剰の吐出油を逃すことができる。その結
果、エンジンに必要量の油を圧送することが可能にな
り、エンジン中回転域において、エンジンの摺動損失の
増大を回避でき、その分燃費が向上する。
【0048】又、中速用リリーフ弁8を新設するだけで
エンジン中回転域において過剰の吐出油がエンジンに圧
送されるのを回避できることから、従来技術のような構
成が複雑な設定圧可変装置及び設定圧可変装置に可変指
令を出すコントローラが不要になり、その分コスト的に
有利になる。
【0049】又、中速用リリーフ弁8にチェック弁を採
用したので、その構造を簡単になり、コスト的に一層有
利である。
【0050】又、オイルフィルタ4の下流側にチェック
弁8を配置したので、チェック弁8に異物が進入して作
動不良を起こすのを極力回避できる。
【0051】図5を参照して、第2実施例に係る中速用
リリーフ弁9について説明する。
【0052】中速用リリーフ弁9は、オイルポンプ3の
回転軸32内に形成され、回転軸32の軸心と直交する
軸心をもつシリンダ孔91と、シリンダ孔91内にその
軸方向に摺動自在に配設され回転軸32による遠心力に
基づいて第2リリーフ通路7を開閉するスプール弁体
(弁体)92と、スプール弁体92を遠心力に抗する方
向に付勢するスプリング93と、シリンダ孔91内にて
スプール弁体92により形成され、スプリング93を収
容するスプリング室94とを備えている。
【0053】シリンダ孔91は、回転軸32内に形成さ
れた通路95及び回転軸32の周囲を覆うようボデー3
1に形成された第1環状溝96を介して第2リリーフ通
路7の第2入力通路71に結ばれると共に、回転軸32
の周囲を覆うようボデー31に形成された第2環状溝9
7を介して第2リリーフ通路7の第2出力通路72に結
ばれている。
【0054】スプール弁体92は、半径方向外側よりに
位置し、エンジン低回転域(遠心力が小の場合)におい
て通路95を塞ぐ第1外周部921と、半径方向内側に
位置し、エンジン高回転域(遠心力が大の場合)におい
て通路95を塞ぐ第2外周部922と、第1及び第2外
周部921,922間に位置し、エンジン中回転域(遠
心力が中の場合)において通路95を開放する環状溝9
23と、環状溝923及びスプリング室94間を連通さ
せる連通孔924と、スプリング93の受座となる凹部
925とを有している。尚、第2外周部922は設けな
くても良い。
【0055】スプリング93は、スプール弁体92の凹
部925底面及びリテーナ98間に配設され、リテーナ
98の中心部には貫通孔981が形成されている。スプ
リング室94は、貫通孔981及び第2環状溝97を介
して第2出力通路72に連通している。又、スプリング
室94は、連通孔924を介して環状溝923に連通し
ており、スプール弁体92の作用により通路95及び第
1環状溝96を介して第2入力通路71に連通可能にな
っている。
【0056】尚、上記した中速用リリーフ弁9は、クラ
ンクシャフト内に配設しても良い。
【0057】ここで、図1、図3、図5及び図6を参照
して、上記の如く構成された第2実施例のオイルポンプ
装置10の作用について説明する。
【0058】エンジン低回転域(図6のA,例えばエン
ジン回転数1500rpm未満)では、遠心力が小のた
め中速用リリーフ弁9のスプール弁体92が通路95を
塞いでいると共に、オイルポンプ3の吐出圧も小のため
高速用リリーフ弁6の弁体62が弁座611に夫々着座
した状態となり、第2入力通路71及び第2出力通路7
2間並びに第1入力通路51及び第1出力通路52間の
連通が遮断されている。その結果、オイルポンプ3の吐
出油の全てがエンジン0に圧送される。従って、この区
域においては、図6に示す如く、エンジン回転数に比例
してエンジン0への油供給量が増大する。
【0059】次に、エンジン中回転域(図6のB,例え
ばエンジン回転数1500〜4000rpm)では、中
速用リリーフ弁9のスプール弁体92に作用する遠心力
がスプリング93の設定荷重よりも大きくなるため、ス
プール弁体92がスプリング93の付勢力に抗して回転
軸32の半径方向外側に移動し、その結果、環状溝92
3が通路95を開放した状態でスプール弁体92が停止
してその状態で維持される。これにより、第2入力通路
71が第1環状溝96、通路95、環状溝923、連通
孔924、スプリング室94、貫通孔981及び第2環
状溝97を介して第2出力通路72と連通する。その結
果、吐出油の内の第1所定量がオイルパン1に逃され
る。従って、この区域においては、図6の斜線で示され
る過剰の吐出油がエンジン0に圧送されるのを回避でき
る。このとき、吐出圧により高速用リリーフ弁6の弁体
62に作用する力がスプリング63の設定荷重よりも小
さいので、第1リリーフ通路5は閉塞した状態である。
【0060】最後に、エンジン高回転域(図6のC,例
えばエンジン回転数4000rpm以上)では、遠心力
が更に増大するので、スプール弁体92が更に半径方向
外側に向けて移動し、第2外周部922が通路95を塞
いだ状態でスプール弁体92が停止してその状態で維持
される。これにより、第2リリーフ通路7は閉塞され
る。一方、このとき、オイルポンプ3の吐出圧も更に増
大してオイルポンプ3の吐出圧により高速用リリーフ弁
6の弁体62に作用する力がスプリング63の設定荷重
よりも大きくなるので、弁体62が弁座611から離脱
してスプリング63の付勢力に抗して図3右方向に移動
し、第1入力通路51が第1出力通路52と連通する。
その結果、第1リリーフ通路5の第1出力通路52の径
が第2リリーフ通路7の第2出力通路72の径よりも大
きいことから、吐出油の内の第1所定量よりも多い第2
所定量がオイルパン1に逃される。従って、この区域に
おいても、図6に示す如く、過剰の吐出油がエンジン0
に圧送されるのを回避できる。
【0061】第2実施例では、中速用リリーフ弁9をオ
イルポンプ3の回転軸31内に配設したので、その占有
スペース分だけ装置全体の占有スペースが短縮できる。
【0062】尚、上記第1,第2実施例では、2つのリ
リーフ弁6,8(9)を機械的に駆動させる例について
説明したが、本発明ではこれに限定される必要は全くな
く、電磁弁やコントローラ等を採用して電気的に駆動し
ても良い。
【0063】
【発明の効果】請求項1の発明は、以下の如く効果を有
する。
【0064】エンジン中回転域に達すると吐出油の一部
を逃す第1リリーフ弁を設けたので、エンジン中回転域
に過剰の吐出油がエンジンに圧送されるのを回避でき、
エンジンに必要量の油を圧送することが可能になる。従
って、エンジン中回転域において、エンジンの馬力損失
の増大を回避でき、その分燃費が向上する。
【0065】又、第1リリーフ弁を新設するだけでエン
ジン中回転域において過剰の吐出油がエンジンに圧送さ
れるのを回避できることから、従来技術のような構成が
複雑な設定圧可変装置及び設定圧可変装置に可変指令を
出すコントローラが不要になり、その分コスト的に有利
になる。
【0066】請求項2の発明は、請求項1に発明に加え
て、以下の如く効果を有する。
【0067】第1リリーフ弁にチェック弁を採用したの
で、第1リリーフ弁の構造を簡単になり、コスト的に一
層有利である。
【0068】又、オイルフィルタの下流側にチェック弁
を配置したので、チェック弁に異物が進入して作動不良
を起こすのを極力回避できる。
【0069】請求項3の発明は、請求項1に発明に加え
て、以下の如く効果を有する。
【0070】第1リリーフ弁をオイルポンプの回転軸又
はクランクシャフト内に配設したので、第1リリーフ弁
の占有スペース分だけ装置全体の占有スペースが短縮で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1及び第2実施例に係るオイルポン
プ装置の全体構成図である。
【図2】図1におけるオイルポンプ及び高速用リリーフ
弁の平面図である。
【図3】図2におけるA−A断面図である。
【図4】第1実施例の係る中速用リリーフ弁の断面図で
ある。
【図5】第2実施例の係る中速用リリーフ弁の断面図で
ある。
【図6】第1,第2実施例及び従来例におけるエンジン
回転数とエンジンへの油供給量との関係を示すグラフで
ある。
【符号の説明】
0 エンジン 1 オイルパン(油供給源) 2 メイン通路 3 オイルポンプ 4 オイルフィルタ 5 第1リリーフ通路 6 高速用リリーフ弁(第2リリーフ弁) 7 第2リリーフ通路 8,9 中速用リリーフ弁(第1リリーフ弁) 91 シリンダ孔 92 スプール弁体(弁体) 93 スプリング 10 オイルポンプ装置

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンに連動して回転し、エンジンに
    油を圧送するオイルポンプと、 前記エンジン回転域が第1設定回転域に達したときに前
    記オイルポンプから吐出した油の一部を逃がす第1リリ
    ーフ弁と、 前記エンジン回転域が前記第1設定回転域よりも高い第
    2設定回転域に達したときに前記オイルポンプから吐出
    した油の一部を逃がす第2リリーフ弁とを備えたオイル
    ポンプ装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記第1リリーフ弁
    は、チェック弁であり且つ前記オイルポンプとエンジン
    とを結ぶ吐出通路の途中に配設されたオイルフィルタの
    下流側に配置されているオイルポンプ装置。
  3. 【請求項3】 請求項1において、前記オイルポンプを
    介して油供給源とエンジンとを結ぶメイン通路と、前記
    オイルポンプ下流側のメイン通路と前記油供給源、前記
    オイルポンプ上流側のメイン通路及び前記オイルポンプ
    の吸入ポートの内の少なくとも何れか1つとを結び前記
    第1リリーフ弁を有するリリーフ通路とを備え、 前記第1リリーフ弁は、前記オイルポンプの回転軸又は
    クランクシャフト内に形成され、前記回転軸の軸心と直
    交する軸心をもつシリンダ孔と、 前記シリンダ孔内に摺動自在に配設され、前記回転軸に
    よる遠心力に応じて前記リリーフ通路を開閉する弁体
    と、 前記弁体を遠心力に抗する方向に付勢するスプリングと
    を備えているオイルポンプ装置。
JP29745194A 1994-11-30 1994-11-30 オイルポンプ装置 Pending JPH08158841A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29745194A JPH08158841A (ja) 1994-11-30 1994-11-30 オイルポンプ装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29745194A JPH08158841A (ja) 1994-11-30 1994-11-30 オイルポンプ装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08158841A true JPH08158841A (ja) 1996-06-18

Family

ID=17846685

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP29745194A Pending JPH08158841A (ja) 1994-11-30 1994-11-30 オイルポンプ装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08158841A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5998609A (en) * 1996-10-14 1999-12-07 Nippon Shokubai Co., Ltd. Phthalocyanine compounds, process for preparing the same, and optical recording medium made using the same
JP2007138732A (ja) * 2005-11-15 2007-06-07 Honda Motor Co Ltd リリーフ弁
JP2009197583A (ja) * 2008-02-19 2009-09-03 Honda Motor Co Ltd 補機駆動用伝動装置を備える内燃機関
JP2009235992A (ja) * 2008-03-27 2009-10-15 Honda Motor Co Ltd 内燃機関の潤滑構造
JP2011214498A (ja) * 2010-03-31 2011-10-27 Honda Motor Co Ltd オイルリリーフバルブ

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5998609A (en) * 1996-10-14 1999-12-07 Nippon Shokubai Co., Ltd. Phthalocyanine compounds, process for preparing the same, and optical recording medium made using the same
JP2007138732A (ja) * 2005-11-15 2007-06-07 Honda Motor Co Ltd リリーフ弁
JP2009197583A (ja) * 2008-02-19 2009-09-03 Honda Motor Co Ltd 補機駆動用伝動装置を備える内燃機関
JP2009235992A (ja) * 2008-03-27 2009-10-15 Honda Motor Co Ltd 内燃機関の潤滑構造
JP2011214498A (ja) * 2010-03-31 2011-10-27 Honda Motor Co Ltd オイルリリーフバルブ

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2253847B1 (en) Variable capacity lubricant vane pump
KR100618481B1 (ko) 가변 변위 펌프
EP0785361B1 (en) Oil pump apparatus
JPH0219317B2 (ja)
US5026263A (en) Rotary vane pump with valve to control vane biassing
JPH0988854A (ja) スイング圧縮機
KR940021934A (ko) 다중 압축기 단계 및 펌핑 용량 제어 수단을 구비하는 로타리 압축기
JP3743929B2 (ja) 可変容量型ポンプ
JPH05248362A (ja) 可変容量型ベーンポンプ
JPH08158841A (ja) オイルポンプ装置
JPH11280667A (ja) オイルポンプ装置
JP3536388B2 (ja) オイルポンプ装置
JP3371709B2 (ja) オイルポンプ装置
KR100289785B1 (ko) 동력조향시스템용유압펌프
JPH05306686A (ja) 可変容量型ベーンポンプ
JP2003021076A (ja) 可変容量形ポンプ
JP2534146Y2 (ja) ルーツポンプ
WO2022185846A1 (ja) リリーフ弁
JPH0148396B2 (ja)
JPH0810694Y2 (ja) 内燃機関用ルーツポンプ
JPH09287463A (ja) ターボチャージャの過給圧制御装置
JP3938514B2 (ja) 容積型回転ポンプ
JP2579436Y2 (ja) 可変容量型ベーンポンプ
US6755164B2 (en) Variable valve timing apparatus for vehicle engine
JPH07158463A (ja) 可変吐出量エア・モーター・コンプレッサ