JP2011213588A - 高イオン伝導性固体電解質 - Google Patents

高イオン伝導性固体電解質 Download PDF

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Abstract

【課題】 低温での高イオン伝導性と耐還元性を両立しうる固体電解質を提供する。
【解決手段】 組成式:Ce1-x(LnA1-yLnBy)xO2-x/2(式中、LnA及びLnBは互いに異なる希土類元素であって、それぞれSm, Gd, Pr, Nd, Y, Sc, Yb, La, Dy及びHoからなる群より選択され、xは0<x≦0.2を示し、yは0<y≦0.5を示す)で表される複合酸化物。
【選択図】 図13

Description

本発明は、燃料電池や排ガスセンサ等に使用される固体電解質に関する。
燃料電池は、水素および酸素を電気化学的に反応させて電力を得るため、発電に伴って生じる生成物は原理的に水のみである。それ故、地球環境への負荷がほとんどないクリーンな発電システムとして注目されている。
燃料電池は、電解質の種類によって、固体高分子型(PEFC)、リン酸型(PAFC)、溶融炭酸塩型(MCFC)、固体酸化物型(SOFC)等に分類される。このうち、SOFCは、固体の導電性酸化物を電解質として使用する。
前記SOFC、あるいは自動車エンジン用酸素センサ(排ガスセンサ)に使用される固体電解質として、安定化ジルコニア固体電解質(YSZ)又はこれに類する導電性酸化物が知られている。YSZは、信頼性及び耐久性に優れるだけでなく、低コストであることから、固体電解質として多用されている。
しかしながら、YSZはイオン伝導度が低いため、作動温度を1000℃程度とすることで要求出力を確保している。このため、YSZを燃料電池用電解質として使用する場合、構成材料間の固相反応による劣化が生じたり、インターコネクタ等の材料選択が制約される問題点がある。一方、自動車用の排ガスセンサに使用する場合、熱衝撃による破壊や起動時間の長さなどの問題点がある。それ故、低温作動が可能な固体電解質の開発が進められている。
現在までに、固体電解質の材料として、ランタンガレート系酸化物(特許文献1)、安定化ビスマス及び安定化酸化ジルコニウムの混合物(特許文献2)、セリア系複合酸化物(特許文献3〜6)等が開発されている。
セリア(CeO2)は、ジルコニア、酸化ビスマス等と同様、酸化物イオン伝導を示す蛍石型酸化物の一種であり、アクセプターとして作用する価数の小さな陽イオン性元素をドープすると、その結晶構造内部に酸素欠陥(空孔)が生成し、高い酸化物イオン伝導性を示すようになる。例えば特許文献3は、セリアに3価の希土類元素、好ましくはイットリウム(Y)をドープした固体電解質において、さらに1価又は2価の元素を置換固溶させてなる固体電解質について記載している。特許文献4は、セリア結晶構造中に酸素欠陥の秩序構造を作らせないことを目的として、イオン半径の大きいランタン(La)をCeのサイトに置換固溶させた上で、特定の範囲の有効性指標(Effective Index)を満たすように、2価元素であるストロンチウム(Sr)又はバリウム(Ba)を置換固溶させることにより、酸素欠陥サイトの無秩序化を促進した高酸化物イオン伝導性セリア系固体電解質について記載している。特許文献5は、4価のCeサイトに、Ceよりイオン半径の大きい2価又は3価のカチオンを置換固溶することで酸素欠陥を作り出す際に、結晶ひずみの緩衝地帯(マイクロドメイン)を最小化することで酸化物イオン伝導度を高めたセリア系固体電解質について記載している。特許文献6は、燃料電池の作動温度800℃以下、酸素分圧10-30〜10-15 atmにおいて、高い酸化物イオン伝導度と酸化物イオン輸率を有する希土類固溶セリア多結晶体として、イッテルビウム(Yb)、Y、ガドリニウム(Gd)、サマリウム(Sm)、ネオジム(Nd)又はLaを固溶したセリア多結晶体について記載している。
特開2004-339035号公報 特開昭59-18271号公報 特開平09-2873号公報 特開2000-109318号公報 特開2004-87271号公報 特開2004-143023号公報
特許文献3〜5に記載のセリア系複合酸化物のように、アルカリ土類金属元素をドープする場合、曝露される雰囲気によりイオン伝導度の低下に繋がる炭酸塩を生じやすい。このような性質は、固体電解質として使用する場合に構造安定性の面で問題となる。
セリア系複合酸化物は、上記のように4価のCeサイトに3価の希土類元素や2価のアルカリ土類金属元素をドープすることにより酸素欠陥を生じさせている。ここで、例えば酸素欠陥量を増加させる目的で3価元素のドープ量を増加させると、A〜C型希土類構造が形成される。かかる希土類構造は酸化物イオン伝導度の低下原因となり得る。また、燃料電池の燃料極側のような高温還元雰囲気下においては、CeO2中のCe4+は容易にCe3+に還元され、電子伝導性を生じる。すなわち、セリアの還元によって格子酸素が除去され、酸素欠陥が生成するが、それとともに還元によって生じる伝導電子が量論的に導入されることとなる。電子の移動度は酸化物イオンよりも大きいため、酸化物イオン輸率は低下する一方となる。
還元反応がさらに進行して格子酸素が奪われると、結晶格子中で金属イオンが直接隣接するため相互に反発し、結果として結晶格子は膨張することとなる(還元膨張)。還元膨張の発生は、固体電解質の焼結体に微小な亀裂を生じる原因となる。
以上のように、高温還元雰囲気下におけるセリアの還元性は、出力密度の低下及び長期使用における安定性の低下を招き、固体電解質の実用化を妨げる極めて大きな問題点である。それ故本発明は、セリア系複合酸化物を含む固体電解質において、酸化物イオン伝導に寄与する有効かつ易動な酸素欠陥のみを導入することにより、低温での高イオン伝導性と耐還元性を両立しうる固体電解質を提供することを目的とする。
本発明者は、前記課題を解決するための手段を種々検討した結果、セリアに1又は2種類の希土類元素をドープした複合酸化物で固体電解質を形成することにより、例えば400〜600℃の低温条件下においても高いイオン伝導性を発現することができ、結果として耐還元性を向上させることができることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の要旨は以下の通りである。
(1) 組成式:Ce1-x(LnA1-yLnBy)xO2-x/2(式中、LnA及びLnBは互いに異なる希土類元素であって、それぞれSm, Gd, Pr, Nd, Y, Sc, Yb, La, Dy及びHoからなる群より選択され、xは0<x≦0.2を示し、yは0<y≦0.5を示す)で表される複合酸化物。
(2) LnA及びLnBの少なくとも一方がGdよりもイオン半径の大きい元素である、前記(1)の複合酸化物。
(3) LnA及びLnBのいずれもがGdよりもイオン半径の大きい元素である、前記(1)の複合酸化物。
(4) Gdよりもイオン半径の大きい元素がSm、Nd又はLaである、前記(2)又は(3)の複合酸化物。
(5) 焼結体の形態であって、該焼結体の平均粒径が0.2〜5μmであり、かつ焼結密度が理論密度の90〜98%である、前記(1)〜(4)のいずれかの複合酸化物。
(6) 前記(1)〜(5)のいずれかの複合酸化物を含む固体電解質。
(7) 前記(6)の固体電解質を具備する燃料電池。
(8) 焼結体の形態の複合酸化物の製造方法であって、
組成式:Ce1-x(LnA1-yLnBy)xO2-x/2(式中、LnA及びLnBは互いに異なる希土類元素であって、それぞれSm, Gd, Pr, Nd, Y, Sc, Yb, La, Dy及びHoからなる群より選択され、xは0<x≦0.2を示し、yは0<y≦0.5を示す)で表される複合酸化物の粉末を合成する合成工程;
複合酸化物の粉末を成形した後、温度1300〜1600℃で2〜10時間焼結する焼結工程;
を含む、前記製造方法。
本発明により、例えば400〜600℃の低温条件下においても高いイオン伝導性を発現することができ、結果として高い耐還元性を有する固体電解質を得ることが可能となる。
本発明のCe1-x(LnA1-yLnBy)xO2-x/2で表される複合酸化物を含む固体電解質を具備する燃料電池の概略を示す図である。 Ce1-x(Sm0.5Nd0.5)xO2-x/2(x=0.05, 0.10, 0.15, 0.20)で表される複合酸化物の(a)粉末;及び(b)焼結体;のXRDパターンを示す図である。 Ce0.9(Sm0.5Nd0.5)0.1O1.95で表される複合酸化物の焼結体表面の走査型電子顕微鏡(SEM)画像を示す図である。(a)焼結温度1300℃;(b)焼結温度1350℃;(c)焼結温度1400℃;(d)焼結温度1450℃。 (a)焼結温度1400℃;(b)1500℃;又は(c)1600℃;で焼結したCe0.8Sm0.1Nd0.1O1.9焼結体ペレットを、走査型電子顕微鏡を用いて観察したSEM画像、及び(d)1400℃で焼結したペレットの結晶粒内のエネルギー分散型X線分光分析(EDS)スペクトルを示す図である。 Ce1-x(Sm0.5Nd0.5)xO2-x/2(x=0.05, 0.10, 0.15, 0.20)で表される複合酸化物の焼結体について、(a)粒内;(b)粒界;及び(c)粒子全体の導電率と作動温度との関係を示す図である。 Ce1-x(Sm0.5Nd0.5)xO2-x/2で表される複合酸化物の焼結体について、希土類元素のドープ量(x)と粒界における活性化エネルギーとの関係を示す図である。 Ce1-x(Sm0.5Nd0.5)xO2-x/2で表される複合酸化物の焼結体について、希土類元素のドープ量(x)と粒内における活性化エネルギー(■)及び移動エンタルピー(●)との関係を示す図である。 Ce1-x(Sm0.5Nd0.5)xO2-x/2で表される複合酸化物を用いた電気化学評価セルを示す図である。 Ce0.9Sm0.05Nd0.05O1.95で表される複合酸化物を用いた電気化学評価セル(700℃)における電流密度、出力電圧及び出力密度の関係を示す図である。 Ce0.9Sm0.05Nd0.05O1.95で表される複合酸化物を用いた電気化学評価セル(700℃)における導電率の酸素分圧特性を示す図である。 1300℃〜1450℃の範囲で焼結したCe0.9(Sm0.5Nd0.5)0.1O1.95焼結体を含む固体電解質について、(a)粒内;(b)粒界;及び(c)粒子全体の導電率と作動温度との関係を示す図である。 1400℃〜1600℃の範囲で焼結したCe0.8Sm0.1Nd0.1O1.9焼結体を含む固体電解質について、粒子全体の導電率と作動温度との関係を示す図である。 本発明の固体電解質と公知の複合酸化物からなる固体電解質の導電率特性を示す図である。
以下、本発明の好ましい実施形態について詳細に説明する。
1.複合酸化物
本明細書において、「複合酸化物」は、セリア(CeO2)に1又は2種類の希土類元素をドープすることによって形成される化合物を意味する。セリアに希土類元素をドープすると、4価のセリウム(Ce)サイトに3価の希土類元素が置換固溶することで酸素欠陥が形成され、酸化物イオン伝導性を有する複合酸化物の粉末(固溶体)を得ることができる。本発明の複合酸化物は、平均粒径5〜50 nmの粉末であることが好ましい。かかる粒径を有する複合酸化物の粉末を用いることにより、比表面積の大きい粒子を含む固体電解質を作製することが可能となる。
なお、複合酸化物の粒径は、透過型電子顕微鏡(TEM)又は透過型電子顕微鏡(HRTEM)により長軸方向の長さを測定し、10程度の測定値の平均値として算出するか、又はX線回折装置(XRD)により小角散乱測定を行うことによって決定することができる。
本発明の複合酸化物は、所望により焼結することによって、より大きな粒径の焼結体に導くことも出来る。本明細書において、「焼結」は、複合酸化物の粉末を融点以下の温度で加熱することにより結晶を凝集させ、より大きな粒径の多結晶に導く工程を意味し、「焼結体」は、上記の工程によって得られる複合酸化物が凝集した多結晶を意味する。本発明の複合酸化物の焼結体は、平均粒径が0.2〜5μmであることが好ましく、0.2〜1μmであることがより好ましい。また、前記焼結体の焼結密度は、理論密度の90〜98%であることが好ましく、93〜97%であることがより好ましい。上記の物性を有する複合酸化物の焼結体は、以下で詳細に説明する製造方法により作製することができる。本発明の複合酸化物を、上記の物性を有する焼結体の形態で含むことにより、優れた電気化学的特性を有する固体電解質を作製することが可能となる。
なお、焼結体の粒径は、TEM又はHRTEMにより長軸方向の長さを測定し、10程度の測定値の平均値として算出するか、又はXRDにより小角散乱測定を行うことによって決定することができる。
また、焼結体の焼結密度は、例えば、アルキメデス法に基づき算出することができる。一方、焼結体の理論密度は、例えば、XRDにより得られる格子定数に基づき算出することができる。
2.固体電解質
本明細書において、「固体電解質」は、上記で説明した複合酸化物、好ましくは焼結体の形態である複合酸化物を含む、酸化物イオン伝導性を有するセリア及び希土類元素の固溶体を意味する。
本明細書において、「希土類元素」は、スカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)及びランタノイド元素を意味する。組成式:Ce1-x(LnA1-yLnBy)xO2-x/2(式中、LnA及びLnBは互いに異なる希土類元素である)で表される本発明の複合酸化物において、LnA及びLnBは、4価のCeサイトに置換固溶される3価の希土類元素であって、それぞれサマリウム(Sm)、ガドリニウム(Gd)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、イットリウム(Y)、スカンジウム(Sc)、イッテルビウム(Yb)、ランタン(La)、ジスプロシウム(Dy)及びホルミウム(Ho)からなる群より選択されることが好ましい。より好ましくは、LnA及びLnBの少なくとも一方が、例えばSm、Nd又はLaのような、Gdよりもイオン半径の大きい元素であり、特に好ましくは、LnA及びLnBのいずれもが、例えばSm、Nd又はLaのような、Gdよりもイオン半径の大きい元素である。
CeとGdはイオン半径がほぼ等しいため、Gdよりイオン半径の大きい希土類元素をセリアにドープすると、ドープされる希土類元素の種類及び量に依存して、複合酸化物の結晶の格子定数が大きくなる。これにより、酸化物イオンの大きな空間分布と拡散経路を確保することができる。それ故、Gdよりイオン半径の大きい希土類元素をセリアにドープすることにより、酸素欠陥の拡散パスを拡大させるとともに、酸素欠陥サイトを無秩序化させることが可能となる。
上記の組成式において、xが0.05未満の場合、その複合酸化物を含む固体電解質は、内部に形成される酸素欠陥が不十分となり、結果として粒界及び結晶全体(バルク)の導電率が低下することから好ましくない。xが0.2より大きい場合、その複合酸化物を含む固体電解質は、結晶内に酸素欠陥が秩序化した領域が形成されて酸化物イオンの拡散が抑制され、結果として導電率が低下することから好ましくない。加えてこの場合には、複合酸化物の結晶の格子定数が過度に大きくなり、格子が膨張して結晶の機械的強度が低下することから好ましくない。それ故、本発明のセリア系複合酸化物は、xが0<x≦0.2の範囲であることが好ましく、より好ましくは0.05≦x≦0.2の範囲である。
なお、複合酸化物の元素組成は、限定するものではないが、例えば、エネルギー分散型X線分光分析(EDS)スペクトルを測定することにより同定することができる。
本発明の複合酸化物は、酸化物イオンが低い核密度レベルで分布して、隣接する他の酸化物イオンと有効に繋がる結晶構造をとる。これにより、結晶中の酸化物イオンは、Ce、LnA及びLnBで無秩序化された結合軌道のポテンシャルのうち、もっともバランスの取れた位置を取りながら、すなわちCe、LnA及びLnBとの距離をある程度に保ちながら移動することとなる。それ故、上記の好適な希土類元素を含有する複合酸化物の場合、酸化物イオン伝導における活性化エネルギーは、1種類の希土類元素をドープする従来技術の複合酸化物の場合よりも低い値となり、0.63〜0.76 eVとなる。それ故、上記の好適な希土類元素を含有する複合酸化物は、低温域においても従来技術の複合酸化物に比べて高いイオン伝導性を発揮することが可能となる。
セリア系複合酸化物として公知のGdドープセリア(GDC)の場合、粒界の導電率は粒内のGd量に依存して大きく変動するが、粒内の導電率はGd量に対する依存性がかなり低いことが知られている。これに対して、本発明の複合酸化物の場合、結晶全体(バルク)、粒界だけでなく、粒内の導電率についても、ドープされる希土類元素の量(x)に対して極大値を1有する二次相関の関係を示す。
導電率の極大値を示す希土類元素のドープ量(x)は、バルク、粒界又は粒内の導電率に対してそれぞれ別個の値をとりうるが、通常0<x≦0.2の範囲であり、特に0.05≦x≦0.2の範囲である。上記の範囲で好適な希土類元素を含有する場合、その焼結体におけるバルク導電率は、作動温度400〜600℃において10-3〜10-2 S/cmとなる。それ故、かかる複合酸化物を含む固体電解質は、GDC等の公知の材料と同等かそれを上回る特性を有し、低温域においても高いイオン伝導性を発揮することが可能となる。
なお、複合酸化物のバルク、粒界及び粒内の導電率は、例えば、複素インピーダンス法による測定を行い、Cole-Coleプロットにおける等価回路モデルを用いたパラメータフィッティングからそれぞれの抵抗、導電率を算出することができる。
また、上記の範囲で好適な希土類元素を含有する複合酸化物は、作動温度400〜600℃において、例えば酸素分圧10-20 atmのような還元雰囲気下であっても、電子伝導性に対してイオン伝導性が優勢であり、酸化物イオン輸率は0.95を超える値となる。それ故、上記の複合酸化物を含む固体電解質を用いることにより、燃料電池の燃料極側のような還元雰囲気下であっても、還元電子による内部短絡の発生を抑制することが可能となる。
以上のように、上記の構成の複合酸化物を固体電解質に用いることによって、低温作動性に優れた固体電解質材料として知られる安定化ジルコニア(YSZ)、ランタンガレート系複合酸化物や、アルカリ土類金属をドープしたセリア系複合酸化物を上回る、低温域での高導電率及び耐還元性を達成することが可能となる。
本発明のCe1-x(LnA1-yLnBy)xO2-x/2で表される複合酸化物を含む固体電解質は、燃料電池の電解質として好適である。図1に、Ce1-x(LnA1-yLnBy)xO2-x/2で表される複合酸化物を含む固体電解質を具備する燃料電池の概略を示す。但し、本発明の燃料電池は、これに限定されるものではない。
燃料電池101は、上記で説明したCe1-x(LnA1-yLnBy)xO2-x/2で表される複合酸化物を含む固体電解質102を一対の電極(カソード極103及びアノード極104)で挟持するように構成されている。ここで、カソード極103側に空気を、アノード極104側に水素ガス等の燃料を供給することにより、外部回路110に起電力が生じる。かかる燃料電池1は、上記で説明したCe1-x(LnA1-yLnBy)xO2-x/2で表される複合酸化物の優れた特性により、作動温度400〜600℃の低温域においても安定した発電性能を発揮することが可能となる。
3.複合酸化物の製造方法
本発明の複合酸化物は、複合酸化物の粉末を合成する合成工程と、複合酸化物の粉末を焼結する焼結工程を含む製造方法により製造することができる。各工程について、以下に説明する。
3−1.合成工程
セリア及び希土類元素の複合酸化物の粉末は種々の方法により合成できることが知られており、本工程において用いる合成方法も特に限定されるものではない。当業界で慣用される様々な合成方法を採用することができる。例えば、セリウム及びドープされるべき希土類元素の無機塩水溶液(例えば硝酸塩)を、アンモニア水又はアンモニア水とシュウ酸アンモニウムの混合水溶液に滴下して沈殿を生じさせ、この沈殿を焼成して複合酸化物の粉末を得る共沈法や、セリウム及びドープされるべき希土類元素の無機塩水溶液にクエン酸を加えて錯体を形成させ、この錯体を焼成して複合酸化物の粉末を得る錯体重合法(クエン酸法)等の液相法を採用することができる。
上記の方法において、焼成温度は500〜700℃の範囲であることが好ましく、より好ましくは500〜1200℃の範囲である。また、焼成時間は1〜2時間であることが好ましく、より好ましくは2時間である。上記の条件で焼成することにより、比表面積を低下させることなく複合酸化物の粉末を得ることが可能となる。
3−2.焼結工程
本工程は、合成工程において得られる複合酸化物の粉末を焼結することで複合酸化物を凝集させ、より大きな粒径の複合酸化物を得ることを目的とする。本工程は、上記の合成工程で得られた複合酸化物の粉末を適宜成形した後、高温で熱処理することにより実施することができる。
成形処理は、例えば複合酸化物の粉末を高圧プレスする方法、ドクターブレード法等により実施することができる。高圧プレス法の場合、所望により、複合酸化物の粉末にポリビニルブチラール、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリエチレングリコール等の助剤を添加してもよい。この場合において、プレス圧力は200〜300 MPaの範囲であることが好ましい。あるいは、以下で説明する焼結工程の条件下で高圧プレスすることにより、成形と焼結を同時に実施してもよい。
本工程において、焼結温度は1300〜1600℃の範囲であることが好ましく、より好ましくは1350〜1450℃の範囲である。焼結時間は2〜10時間であることが好ましく、より好ましくは5時間である。また、本工程は空気雰囲気下で実施してもよいが、酸素分圧を低下させて焼結の駆動力を向上させるために、水素、水素とヘリウムの混合ガス若しくは窒素ガス雰囲気下又は真空中で実施することが好ましい。
上記の条件で本工程を実施することにより、異常粒を成長させたり内部空孔を残存させることなく、高密度の複合酸化物を得ることが可能となる。
以下、実施例および比較例によって本発明をさらに詳細に説明する。
[複合酸化物の調製]
硝酸セリウム(Ce(NO3)3・6H2O;純度>99.9%)、硝酸サマリウム(Sm(NO3)3・6H2O;純度>99.9%)及び硝酸ネオジム(Nd(NO3)3・6H2O;純度>99.9%)を蒸留水に溶解して溶液を形成させた。異なる組成のセリア−希土類元素の複合酸化物を合成するために、硝酸セリウム、硝酸サマリウム及び硝酸ネオジムの各溶液から、各々の粉末重量に基づいて計算された必要量を分注して混合し、5種類の溶液とした。クエン酸1水和物(C6H8O7・H2O)を、クエン酸:金属硝酸塩のモル比が1.5:1となるように金属硝酸塩の混合溶液に加えた。次いで、この混合液をホットプレート上で加熱した。水を蒸発させながら液温を上昇させて、黄色ゲルを形成させた。黄緑色の粉末を形成することとなるゲル燃焼反応が開始するまで、加熱を継続した。その後、炭素残渣を除去するために、前記粉末を600℃で2時間加熱した。上記の合成ルートにより、Ce1-x(Sm0.5Nd0.5)xO2-x/2(x=0.05, 0.10, 0.15, 0.20)及びCe0.9(SmxNd1-x)0.1O1.95(x=0, 0.5, 1)粉末を合成した。
上記の複合酸化物の粉末を、直径20 mmのペレット状になるように、ハンドプレスを用いて圧力300 MPa(静水圧)でプレスした。ポリビニルブチラールを助剤として用いた。加熱速度5℃/分で1400℃まで昇温した後、同温度で5時間保持することにより、焼結を実施した。焼結後のサンプルは、直径約15 mmにまで収縮した。
[複合酸化物の結晶構造解析]
X線回折(XRD)法を用いて、焼結体の結晶相を検出してその格子定数を計算し、さらに各サンプルの理論密度を予測した。なお、複合酸化物の粉末及び焼結体の密度はアルキメデス法を用いて決定した。また、粒径はTEM又はHRTEMにより長軸方向の長さを測定し、10程度の測定値の平均値として算出するか、又はXRDにより小角散乱測定を行うことによって決定した。
Ce1-x(Sm0.5Nd0.5)xO2-x/2(x=0.05, 0.10, 0.15, 0.20)で表される複合酸化物のa)粉末;及び(b)焼結体;のXRDパターンを図2に、Ce1-x(Sm0.5Nd0.5)xO2-x/2(x=0.05, 0.10, 0.15, 0.20)及びCe0.9(SmxNd1-x)0.1O1.95(x=0, 0.5, 0.1)で表される複合酸化物粉末の粒径及び密度を表1に、それぞれ示す。
Figure 2011213588
表1に示すように、Sm及びNdの添加量が増加するにしたがって、複合酸化物粉末の密度は低下した。これに対し、粒径はほぼ一定の値で推移した。この結果から、Sm及びNdの添加が増加するにしたがって、結晶格子の膨張が発生していると推測される。
Ce0.9(Sm0.5Nd0.5)0.1O1.95で表される複合酸化物の粉末を、1300℃〜1450℃の範囲で焼結した焼結体の相対密度及び粒径を表2に、そのときの焼結体表面の走査型電子顕微鏡(SEM)画像を図3に、それぞれ示す。
Figure 2011213588
表2に示すように、焼結温度が1400℃以下の場合、焼結体の粒径は1μm以下で推移したが、焼結温度が1450℃の場合には、焼結体の粒径は2.43μmに達した。この結果から、1300℃以上で複合酸化物粉末を焼結することにより、好適な粒径の焼結体を得ることができると推測される。
(a)焼結温度1400℃;(b)1500℃;又は(c)1600℃;で焼結したCe0.8Sm0.1Nd0.1O1.9焼結体ペレットを、走査型電子顕微鏡を用いて観察したSEM画像、及び1400℃で焼結したペレットの結晶粒内のエネルギー分散型X線分光分析(EDS)スペクトル(d)を図4に示す。
図4に示すように、1400℃で焼結された焼結体は直径約1μmの粒径を有する粒子を含有した。
[複合酸化物の電気化学的解析]
上記の方法で得られた複合酸化物の焼結体ペレットの両面に、白金ペースト電極を印刷して、電気化学測定用試料とした。得られた試料を用いて複素インピーダンス法による測定を行い、Cole-Coleプロットにおける等価回路モデルを用いたパラメータフィッティングから、各複合酸化物の焼結体における導電率、抵抗、容量成分を算出した。また、各作動温度における導電率の値から活性化エネルギーを算出した。Ce1-x(Sm0.5Nd0.5)xO2-x/2(x=0.05, 0.10, 0.15, 0.20)の焼結体について、(a)粒内;(b)粒界;及び(c)粒子全体(バルク)の導電率と作動温度との関係を図5に、希土類元素のドープ量(x)と粒界における活性化エネルギーとの関係を図6に、希土類元素のドープ量(x)と粒内における活性化エネルギーとの関係を図7に、それぞれ示す。
図5に示すように、粒界及びバルク導電率は、Sm及びNdのドープ量に大きな影響を受けた。すなわち、x=0.05の場合に比べて、x=0.10, 0.15, 0.20の場合には、同一の作動温度でより高い導電率を示し、特にバルク導電率は公知のセリア系複合酸化物であるCe0.8Sm0.2O1.9 (SDC)やCe0.9Gd0.1O1.95 (GDC)とほぼ同等の特性を示した。また、粒界の導電率の結果は、粒界の導電率は粒内のドーパント量により大きく変化するが、粒内の導電率はドーパント濃度依存性が低いという、GDCに関するSteeleの報告によく合致するものである。これに対し、粒内の導電率は、Sm及びNdのドープにより大きな影響を受けた。
また、図6に示すように、Sm及びNdのドープ量(x)と粒界における活性化エネルギーとの関係は、いずれの複合酸化物の焼結体においても極小値を1有する二次相関の関係を示した。本発明のCe1-x(Sm0.5Nd0.5)xO2-x/2で表される複合酸化物の焼結体の場合、0.05≦x≦0.20の範囲では、GDCと比べて低い活性化エネルギーを示し、xが0.18未満の範囲では、SDCと比べても低い活性化エネルギーを示した。これに対し、図7に示すように、本発明のCe1-x(Sm0.5Nd0.5)xO2-x/2で表される複合酸化物の焼結体におけるSm及びNdのドープ量(x)と、粒内における活性化エネルギー(移動エンタルピーと会合エンタルピーの和で表され、図中、■で示す)との関係は単調増加の相関関係を示し、0.1≦x≦0.20の範囲でSDCやGDCと比べて低い活性化エネルギーを示した。
Ce1-x(Sm0.5Nd0.5)xO2-x/2(x=0.10, 0.20)の焼結体について、上記の方法で得られた粒内抵抗、粒界抵抗及び粒界容量成分の値を表3に示す。なお、対照としてGDCの値を併せて示す。
Figure 2011213588
表3に示すように、本発明のCe1-x(Sm0.5Nd0.5)xO2-x/2で表される複合酸化物は、GDCに比べて粒内抵抗及び粒界抵抗のいずれも低い値を示した。加えて、粒内抵抗及び粒界抵抗は、Sm及びNdのドープ量に大きな影響を受け、x=0.1の場合には、x=0.2の場合に比べて粒内抵抗及び粒界抵抗のいずれも非常に低い値を示した。粒内抵抗に関する結果は、上記で述べたSteeleの報告に合致しないものであり、本発明の複合酸化物がGDCより高い導電率を発現する原因の1つと推測される。また、Sm及びNdのドープ量(x)の増加に伴って粒界抵抗が大きく増加したにもかかわらず、粒界容量成分は減少した。この結果は、ドープされたSm及びNdのほとんどが粒内に固溶したことによって、粒界における酸化物イオン移動がさらに容易になるとともに、粒内における酸化物イオンの不均一な分布に起因する電気的偏りが緩和されたことを示唆していると考えられる。
図8に示すように、Ce1-x(Sm0.5Nd0.5)xO2-x/2(x=0.10, 0.20)で表される複合酸化物の焼結体ペレットを固体電解質202とし、LaSrCoFeO3/SNDCをカソード極203、NiO/ScZrO2をアノード極204とする電気化学評価セル201を作製した。かかる電気化学評価セル201において、空気導入管205よりカソード極203に空気、燃料導入管206よりアノード極204にH2-H2O-Ar系ガス(酸素分圧10-3〜10-30 atm)をそれぞれ1 L/minの流量で流して、外部回路210における出力電圧と固体電解質202の導電率を測定した。Ce0.9Sm0.05Nd0.05O1.95で表される複合酸化物を用いた電気化学評価セル(700℃)における、電流密度、出力電圧及び出力密度の関係を図9に、導電率の酸素分圧特性を図10に、それぞれ示す。
図9に示すように、700℃における最大大出力密度は、セル電圧0.57 Vで0.45 W/cm2と優れた発電特性を示した。また、図10に示すように、酸素分圧10-20 atmのような還元雰囲気下であっても高いイオン伝導性を示した。
上記の電気化学評価セルにおける測定結果に基づき、以下の式から酸化物イオン輸率を算出した。
酸化物イオン輸率=Em/Et
上記の式中、Emは起電力の測定値であり、Etは理論起電力である。なお、理論起電力は、ネルンストの式から算出した。その結果、酸化物イオン輸率は、450〜650℃では0.93〜0.97程度であり、イオン伝導性が極めて高いことが明らかとなった。
焼結温度が電気化学的特性に与える影響を調査するため、1300℃〜1450℃の範囲で焼結したCe0.9(Sm0.5Nd0.5)0.1O1.95焼結体を含む固体電解質について、導電率を測定した。(a)粒内;(b)粒界;及び(c)粒子全体(バルク)の導電率と作動温度との関係を図11に示す。また、1400℃〜1600℃の範囲で焼結したCe0.8Sm0.1Nd0.1O1.9焼結体を含む固体電解質について、バルク導電率と作動温度との関係を図12に、バルク導電率及び活性化エネルギーの各値を表4に、それぞれ示す。
図11に示すように、Ce0.9(Sm0.5Nd0.5)0.1O1.95の場合、いずれの焼結温度で焼結した焼結体であっても、粒内、粒界及びバルク導電率と作動温度との関係に顕著な差はなく、ほぼ同様の傾向を示した。
これに対し、図12に示すように、Ce0.8Sm0.1Nd0.1O1.9の場合、焼結温度1400℃及び1500℃で焼結した焼結体は、バルク導電率と作動温度との関係はほぼ同様の傾向を示したが、焼結温度1600℃で焼結した焼結体は、試験を実施した全作動温度範囲(450〜650℃)で導電率が低下した。
Figure 2011213588
上記の結果は表4に示す結果からも明らかである。また、活性化エネルギーについても、焼結温度1600℃で焼結した焼結体は、焼結温度1400℃及び1500℃で焼結した焼結体に比べて顕著に高い値を示した。
本発明の固体電解質と公知の複合酸化物を含む固体電解質の導電率特性の比較を図13に、作動温度500℃における導電率の比較を表5に、それぞれ示す。
Figure 2011213588
図13及び表5に示すように、本発明のCe0.9(Sm0.5Nd0.5)0.1O1.95による固体電解質は、作動温度400〜600℃において、安定化ジルコニア固体電解質(YSZ)やLSGMのような公知の固体電解質を上回り、BCGに匹敵する低温作動性を示した。
本発明のセリア及び希土類元素を含有する複合酸化物を含む固体電解質は、作動温度500℃程度の低温域においても高いイオン伝導性と耐還元性を示す。これにより、500℃程度で作動可能な低温作動性に優れた高出力の燃料電池や排ガスセンサを製造することが可能となる。
101・・・燃料電池
201・・・電気化学評価セル
102, 202・・・固体電解質
103, 203・・・カソード極
104, 204・・・アノード極
205・・・空気導入管
206・・・燃料導入管
207・・・空気排出管
208・・・燃料排出管
209・・・ガスケット
110, 210・・・外部回路

Claims (8)

  1. 組成式:Ce1-x(LnA1-yLnBy)xO2-x/2(式中、LnA及びLnBは互いに異なる希土類元素であって、それぞれSm, Gd, Pr, Nd, Y, Sc, Yb, La, Dy及びHoからなる群より選択され、xは0<x≦0.2を示し、yは0<y≦0.5を示す)で表される複合酸化物。
  2. LnA及びLnBの少なくとも一方がGdよりもイオン半径の大きい元素である、請求項1の複合酸化物。
  3. LnA及びLnBのいずれもがGdよりもイオン半径の大きい元素である、請求項1の複合酸化物。
  4. Gdよりもイオン半径の大きい元素がSm、Nd又はLaである、請求項2又は3の複合酸化物。
  5. 焼結体の形態であって、該焼結体の平均粒径が0.2〜5μmであり、かつ焼結密度が理論密度の90〜98%である、請求項1〜4のいずれか1項の複合酸化物。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項の複合酸化物を含む固体電解質。
  7. 請求項6の固体電解質を具備する燃料電池。
  8. 焼結体の形態の複合酸化物の製造方法であって、
    組成式:Ce1-x(LnA1-yLnBy)xO2-x/2(式中、LnA及びLnBは互いに異なる希土類元素であって、それぞれSm, Gd, Pr, Nd, Y, Sc, Yb, La, Dy及びHoからなる群より選択され、xは0<x≦0.2を示し、yは0<y≦0.5を示す)で表される複合酸化物の粉末を合成する合成工程;
    複合酸化物の粉末を成形した後、温度1300〜1600℃で2〜10時間焼結する焼結工程;
    を含む、前記製造方法。
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