JP2011213103A - 成形機、その成形機を用いたモールドモータの製造方法、およびその製造方法により製造されたモールドモータを備えた電気機器 - Google Patents

成形機、その成形機を用いたモールドモータの製造方法、およびその製造方法により製造されたモールドモータを備えた電気機器 Download PDF

Info

Publication number
JP2011213103A
JP2011213103A JP2011046239A JP2011046239A JP2011213103A JP 2011213103 A JP2011213103 A JP 2011213103A JP 2011046239 A JP2011046239 A JP 2011046239A JP 2011046239 A JP2011046239 A JP 2011046239A JP 2011213103 A JP2011213103 A JP 2011213103A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mold
thermosetting resin
molding machine
sub
motor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2011046239A
Other languages
English (en)
Inventor
Akihiko Watanabe
彰彦 渡辺
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Corp
Original Assignee
Panasonic Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Corp filed Critical Panasonic Corp
Priority to JP2011046239A priority Critical patent/JP2011213103A/ja
Publication of JP2011213103A publication Critical patent/JP2011213103A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Manufacture Of Motors, Generators (AREA)
  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

【課題】従来の成形手法によれば、副金型で形成される製品の一部の外観不具合やボイドの発生が多くなるという課題があり、またベアリングハウジングの寸法精度も悪化し、近年の低振動化・低騒音化には対応し難く、さらなる振動・騒音の低減が強く求められていた。
【解決手段】熱硬化性樹脂を挿入するポットを有し、熱硬化性樹脂を金型の内に加圧充填するために稼動させるプランジャーを有する成形機で、プランジャーの熱硬化性樹脂を加圧する面は複数の面に分割され、分割されたプランジャーの熱硬化性樹脂を加圧する面が、それぞれ加圧機によって制御される。
【選択図】図3

Description

本発明は、特に空調機や給湯器や洗濯機に使用されているモールドモータの製造に使用される熱硬化性樹脂の成形機、モールドモータの製造方法、およびその製造方法により製造されたモールドモータを備えた電気機器に関する。
近年、モータは制振性、形状任意性、信頼性の良さを活かすため、熱硬化性樹脂により固定子全体を成形することが広く採用されている。このようなモータは、固定子全体等が樹脂でモールドされるため、一般的にモールドモータと呼ばれている。モールドモータの形成に関しては、従来、例えば特許文献1に示すように、樹脂成形する成形機が開示されている。
図6(A)および(B)は、モールドモータの製造に使用される従来の成形機の構成を示す図である。図6(A)および(B)の成形機は、熱硬化性樹脂6を成形してモールドモータを形成する。図6(A)および(B)では、熱硬化性樹脂の成形機とその金型を示しており、図6(A)はモールド成形前を示し、図6(B)はモールド成形時を示している。
図6(A)において、熱硬化性樹脂6はポット96に挿入される。金型は、モータの巻線組立体45が設置された上金型91、下金型92、巻線組立体45の内径を保持する金型中芯部95で構成される。このような金型の内へと熱硬化性樹脂6がプランジャー93で加圧される。このとき、プランジャー93先端の副金型94で直接接触・加圧しながら、熱硬化性樹脂6が金型の内に充填される。充填された後に、熱硬化性樹脂6は、金型の熱エネルギーにより硬化し不溶不融の樹脂となり、モールドモータの固定子を形成する。この成形方法は、一般的にトランスファー成形と呼ばれている。
特開2005−178232号公報
しかしながら、上述したような従来の成形機では、熱硬化性樹脂が副金型に直接接触したままで、加圧されながら金型の内に充填され、副金型に直接接触している熱硬化性樹脂に流動が生じなかった。このため、例えば、樹脂中のガスが樹脂と金型との接触面にあらわれると、流動がないためにそのまま残留し、その結果、製品の樹脂表面上のボイドとなりやすかった。このように、従来の成形手法によれば、副金型で形成される製品の一部の外観不具合やボイドの発生が多くなるという課題があった。また、ベアリングハウジングの寸法精度も悪化し、近年の低振動化・低騒音化には対応し難く、さらなる振動・騒音の低減が強く求められている。
本発明はこのような課題を解決するためになされたものであり、モールドモータの成形において、ボイドや外観不具合の発生を抑制した成形機、その成形機を用いたモールドモータの製造方法、およびその製造方法により製造されたモールドモータを備えた電気機器を提供することを目的とする。
本発明の成形機は、熱硬化性樹脂を挿入するポットを有し、熱硬化性樹脂を金型の内に加圧充填するために稼動させるプランジャーを有する成形機である。そして、プランジャーの熱硬化性樹脂を加圧する面は複数の面に分割され、分割されたプランジャーの熱硬化性樹脂を加圧する面が、それぞれ加圧機によって制御される構成である。この構成により、プランジャーの1つ面で熱硬化性樹脂が加圧され、さらに、プランジャーの他の面で熱硬化性樹脂が加圧されるため、プランジャーの他の面での加圧が熱硬化性樹脂に対して攪拌するように作用し、熱硬化性樹脂の流動が生じる。このため、熱硬化性樹脂内で発生した気泡等が消滅しやすくなり、その結果、完成した樹脂表面のボイドや外観不具合等も低減される。
さらに、本発明のモールドモータの製造方法は、上記成形機を用いてモータをモールドする。上記成形機によれば、完成した樹脂表面のボイドや外観不具合等が低減できるため、ボイドや外観不具合等を低減したモールドモータを製造できる。
さらに、ボイドや外観不具合等の低減によって、振動や騒音を低減したモールドモータを提供できる。さらに、本発明の電気機器は、上記製造方法により製造されたモールドモータを備える。上記製造方法により製造されたモールドモータは、ボイドや外観不具合等が低減されているため、振動や騒音を低減した電気機器を提供できる。
本発明の成形機、その成形機を用いたモールドモータの製造方法、およびその製造方法により製造されたモールドモータを備えた電気機器によれば、ランナーを生じず、かつ、外観不具合やボイドの発生を低減でき、かつ、寸法精度を向上することができ、回転子と固定子のギャップ精度も向上できモールドモータが回転中に発生する騒音・振動を低減させることができる。
本発明の実施の形態1における成形機の構成を示す断面図 本発明の実施の形態1における成形機の分解断面図 (A)本実施の形態1における成形工程の工程(a)を示す図(B)本実施の形態1における成形工程の工程(b)を示す図(C)本実施の形態1における成形工程の工程(c)を示す図 本実施の形態1における工程(a)〜(c)を経て形成されたモールドモータの一例を示す構成断面図 本実施の形態2における電気機器の例としての空調機の室内機の構成図 (A)従来のモールドモータの製造に使用される成形機の構成を示す図(B)従来のモールドモータの製造に使用される成形機の構成を示す図
以下本発明を実施するための形態を、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態における成形機の構成を示す断面図である。また図2は、本発明の実施の形態における成形機の分解断面図である。本成形機は、熱硬化性樹脂成形機であり、モータの巻線組立体を金型内に配置し、金型内に熱硬化性樹脂を充填することで、巻線組立体を樹脂で封止したモールドモータの固定子の一部を成すモールド組立部を成形する。本実施の形態では、回転軸を中心として円筒形状を成す一般的なモータを成形する一例を挙げて説明する。このため、以下で説明する金型等は、この円筒形状に合わせた各部の形状を挙げて説明するが、モータの形状に合わせて各部の形状を適宜変更しても
よい。
また、本実施の形態で説明する熱硬化性樹脂は、不飽和ポリエステル樹脂成形材料やエポキシ樹脂成形材料等、硬化することで3次元架橋が行われ不溶不融の硬化物となる樹脂に、無機充填材や補強剤を使用した成形材料のことである。無機充填材としては、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、シリカ、クレー、タルク等である。また、補強剤としては、ガラス繊維、ビニロン繊維等である。
図1に示すように、本成形機は、金型21と、金型21の上部に配置されたポット16と、ポット内に挿入される副金型10と、副金型10上に接続されたプランジャー9と、プランジャー9を上下方向に移動制御する加圧機20とを備えている。
金型21は、本成形機の最下部に配置される下金型12と、下金型12の上部に配置される上金型11とを備えた構成である。下金型12は、上面を開放した空洞部12aを含むカップ形状部を有している。また、下金型12には、空洞部12aの底面の中央部から上方向に突出した金型中芯部15を備えている。一方、上金型11は、下面を開放した空洞部11aを含むカップ形状部を有している。さらに、空洞部11aの上面の中央部には貫通孔が形成されており、この貫通孔内にポット16を設けている。また、ポット16は、中央部をくり貫いて上下を貫通するポット内部16aを有した筒形状を成している。
図1に示すように、下金型12の上に、上金型11を載置することで、金型21の内部に空洞部21aが形成される。また、ポット内部16aはこの空洞部21aへと繋がっている。実際に成形を行う場合、空洞部21aに図2に示すような巻線組立体45が配置され、ポット内部16aには、流動状態の熱硬化性樹脂6が挿入される。
副金型10は、プランジャー9を介して加圧機20に接続されている。一方、副金型10は、ポット16のポット内部16aに挿入される。ポット16の内周側面と副金型10の外周側面とはそれぞれ一致するような大きさに設定されており、副金型10がポット16の内周側面に沿ってスライドするように可動自在に形成されている。
このような構成により、加圧機20が加圧動作を開始すると、加圧機20によってプランジャー9が下方向に延伸する。これによって、プランジャー9の下先端部に接続された副金型10は、ポット16の内周側面に沿って下降する。このようなプランジャー9の稼動により、ポット内部16aに挿入された流動状態の熱硬化性樹脂6が金型21の空洞部21a内に加圧充填される。また、このような操作を行うため、副金型10は、ポット16内の熱硬化性樹脂6に対して加圧する面として機能している。
本実施の形態の成形機は、このような基本構成としており、ゲートのような樹脂注入は必要なく、樹脂を切断するような工程も必要ないため、成形時に材料ロスや廃棄物が生じないランナーレスの成形機を実現している。
さらに、本実施の形態では、副金型10は、副金型本体部10aと副金型天板部10bとで構成されている。副金型本体部10aは、図1に示すように、下面を開放した中空部10cを含むカップ形状を成している。また、副金型本体部10aの天面部には貫通孔が形成されている。そして、中空部10cに副金型天板部10bが配置されている。
さらに、本実施の形態では、プランジャー9は、外側プランジャー9aと内側プランジャー9bとで構成されている。外側プランジャー9aは内側が中空のパイプ形状を成し、この外側プランジャー9a内の中空部に内側プランジャー9bが配置されている。そして、副金型10の副金型本体部10aが外側プランジャー9aの先端部に接続されるととも
に、内側プランジャー9bが副金型本体部10aの貫通孔を貫通し、貫通した内側プランジャー9bの先端部に副金型天板部10bが接続されている。
このようなプランジャー9および副金型10の構成により、副金型本体部10aと副金型天板部10bとがそれぞれ個別に上下移動するように、加圧制御することを可能としている。すなわち、本実施の形態では、加圧機20は、外側プランジャー9aと内側プランジャー9bとをそれぞれ独立に移動制御させることができる。これにより、例えば、副金型本体部10aと副金型天板部10bとを同じ速度で下降させた後、副金型本体部10aを停止させるとともに、副金型天板部10bをさらに下方へと下降させるような操作も可能である。
また、副金型本体部10aの内周側面と副金型天板部10bの外周側面とはそれぞれ大きさが一致するように設定されており、副金型天板部10bが副金型本体部10aの内周側面に沿ってスライドするように形成されている。
本実施の形態の成形機は、このような2段階の加圧制御が可能なように構成されている。すなわち、副金型10は、ポット16内の熱硬化性樹脂6に対して加圧する面として、副金型本体部10aの下面および内部側面による加圧面に加えて、副金型本体部10aとは独立して加圧可能な副金型天板部10bの下面による加圧面を有した構成である。
本実施の形態の成形機は、このように、熱硬化性樹脂6を加圧する面は、2面以上となる複数の面に分割され、分割された加圧する面はそれぞれ加圧機20によって制御されるように構成されている。
実際に成形を行う場合には、次のような手順で金型等の各部が配置される。まず、下金型12の金型中芯部15に、図2に示すような巻線組立体45が配置される。巻線組立体45は、固定子鉄芯5に固定子巻線4を巻回済みの製造中間(半完成品)状態での組立体である。この段階では、固定子鉄芯5の中央部は、回転子が最終的に配置される中空部45aが形成された状態となっている。金型中芯部15がこの中空部45aを貫通するように、巻線組立体45が下金型12に配置される。
次に、下金型12の上に、上金型11を載置することで、空洞部21a内に巻線組立体45が配置されることになる。そして、ポット内部16aには、予備加熱された熱硬化性樹脂6が図2に示すように挿入される。挿入された熱硬化性樹脂6はさらに加熱されて流動状態となり、この流動状態の熱硬化性樹脂6は、金型21と巻線組立体45との間に形成された隙間に流れ込む。さらに、プランジャー9に接続された副金型10による加圧注入によって、この隙間に、流動状態の熱硬化性樹脂6が所望の形状状態となるように加圧充填される。
次に、本実施の形態の成形機によりモールドモータを成形する各工程の詳細について説明する。
図3(A)は本実施の形態における成形工程の工程(a)を示し、図3(B)は本実施の形態における成形工程の工程(b)を示し、図3(C)は本実施の形態における成形工程の工程(c)を示している。図3(A)に示す工程(a)は、本成形工程の前段階を示し、図3(B)に示す工程(b)は、金型21内に熱硬化性樹脂6を加圧・充填している工程を示し、図3(C)に示す工程(c)は、金型21内に熱硬化性樹脂6を加圧・充填し終わる工程を示している。
まず、工程(a)では、図3(A)に示すように、分割されたプランジャー9と分割さ
れた副金型10が機械的に連結され、最終的にモールドモータを形成する形状とは異なった凹状の形態で、巻線組立体45が設置された金型の内に熱硬化性樹脂6を加圧・充填する。
すなわち、上述したようにプランジャー9は外側プランジャー9aと内側プランジャー9bとに分割され、副金型10は副金型本体部10aと副金型天板部10bとに分割されており、外側プランジャー9aが副金型本体部10aに連結され、内側プランジャー9bが副金型天板部10bに連結されている。特に、この工程(a)では図3(A)に示すように、副金型天板部10bは、副金型本体部10aの中空部10cの上部側に配置され、副金型10の下側を開放した下に凹となる凹状の形態としている。
このとき、熱硬化性樹脂6は、安定流動しやすいように30℃〜80℃に予備加熱されており、また、上金型11、下金型12、金型中芯部15および副金型10は、120〜160℃に温調されている。このように、金型21と副金型10との温度は等しくなるように設定しておくことが好ましい。また、巻線組立体45も120〜160℃の状態である。このような状態において、ポット16に熱硬化性樹脂6が挿入される。
次に工程(b)では、図3(B)に示すようにして、金型21内に熱硬化性樹脂6が加圧・充填される。このとき、分割されたプランジャー9と分割された副金型10が機械的に連結された部分は、最終的にモールドモータを形成する形状とは異なった凹状の形態で加圧・充填する。すなわち、加圧機20により、外側プランジャー9aと内側プランジャー9bとがそれぞれ同じ速度で下降するように制御し、所定の位置まで下降すると、両プランジャー9a、9bを停止させる。これにより、副金型本体部10aと副金型天板部10bとは、同じ速度で下降した後、停止する。すなわち、この工程(b)では、工程(a)で示した副金型本体部10aと副金型天板部10bとの配置関係の状態(凹状の形態)で熱硬化性樹脂6を加圧・充填している。
次に工程(c)では、図3(C)に示すように、加圧機20によって内側プランジャー9bのみ下降するように制御する。これにより、副金型本体部10aは静止した状態で、副金型天板部10bのみによって熱硬化性樹脂6がさらに加圧される。これにより、熱硬化性樹脂6の硬化が始まる前に、分割されたプランジャー9と分割された副金型10とが機械的に連結された部分は、最終的にモールドモータを形成する形状となる。
すなわち、本成形機によれば、巻線組立体45の周囲に形成された熱硬化性樹脂6の形状とともに、工程(c)における副金型本体部10aと副金型天板部10bとで形成される中空部10cに充填された熱硬化性樹脂6の形状も最終的にモールドモータを形成する形状となっている。
この後、熱硬化性樹脂6が硬化した後に金型21から取り出し、モールドモータを組み立てる。
図4は、上述のような工程を経て形成されたモールドモータの一例を示す構成断面図である。図4に示すモールドモータは、回転子70と固定子60とを含む構成である。回転子70は、回転軸71を中心として、永久磁石を周囲に備えた回転子コア73が装着されている。回転子70は、上下に配置したベアリング8により回転自在に支承されている。一方、固定子60は、固定子鉄芯5に固定子巻線4を巻回した巻線組立体45と、モータ本体を上述した手法でモールドした熱硬化性樹脂6と、下側に配置したベアリング8を熱硬化性樹脂6に固定するブラケット2とを含む。
このような固定子60は、まず、本実施の形態の成形機により、上述したようにして巻
線組立体45の周囲に熱硬化性樹脂6がモールドされる。
次に、回転軸71が突出する側(上側)のベアリング8が、熱硬化性樹脂6で形成されたベアリングハウジング1に挿入される。本実施の形態では、このように、ベアリングハウジング1も熱硬化性樹脂6で形成されている。すなわち、工程(c)において、図3(C)に示すように、副金型本体部10aおよび副金型天板部10bが金型中芯部15を挟み込むようにして熱硬化性樹脂6を加圧するため、これによって、ベアリングハウジング1の箇所の外郭形状が容易に形成される。
そして、回転子70をモータ本体中心部に挿入し、下側のベアリング8を装着したブラケット2でモータ本体を封じるようにすることで、図4に示すようなモールドモータが形成される。
ところで、上述したように、図6(A)、(B)で説明したような従来の方法では、副金型94に接触している付近の熱硬化性樹脂6には流動が生じず、その部分のみ急激な硬化が開始されたり、樹脂中のガスが表面にあらわれることが原因で外観不良やボイドの発生が多発していた。また、従来の方法では、副金型94に接触している付近の熱硬化性樹脂6には流動が生じず、均一な成形圧力が加わらないためにモールドモータの振動・騒音の原因となるブラケットハウジングの寸法精度が悪化していた。
これに対し、本実施の形態では、まず工程(b)において従来の方法と同様に下に凹状の副金型10で熱硬化性樹脂6を加圧し、さらに、工程(c)において、副金型天板部10bのみによって熱硬化性樹脂6をさらに加圧する。本実施の形態では、このような工程(c)を含むため、工程(b)で副金型10に接触している付近の熱硬化性樹脂6には、工程(c)の副金型天板部10bの移動によって流動が生じることになる。このため、例えば、熱硬化性樹脂6中のガスが、副金型10と熱硬化性樹脂6との接触付近に気泡などとしてあらわれたとしても、副金型天板部10bによる流動でこのような気泡は消滅しやすくなる。
すなわち、本実施の形態では、副金型天板部10bの移動が熱硬化性樹脂6に対して攪拌するように作用するため、気泡等が消滅しやすくなり、その結果、完成した樹脂表面のボイド等も低減される。さらに、副金型天板部10bによる攪拌作用によって、均一な成形圧力も加わりやすくなり、モールドモータの振動・騒音の原因となるブラケットハウジングの寸法精度も十分に確保できることになる。
なお、樹脂表面のボイド等をより効果的に低減するには、次のように構成することが好ましい。すなわち、副金型本体部10aの下面の面積と副金型天板部10bの下面の面積とが等しくなるように構成する。さらに、副金型本体部10aの下面を円環形状とし、副金型天板部10b下面を円形状とする。
この理由として、金型21内に熱硬化性樹脂6を加圧充填する際に、それぞれの面積の差が大きいほど、金型21内を流動する熱硬化性樹脂6を正確に制御できなくなり、加圧充填される熱硬化性樹脂6内の空気が逃げにくくなる。このため、それぞれの面積が近似するほど好ましく、成形品に発生するボイドもより低減できる。また、副金型天板部10bを円形状とすることにより、副金型天板部10b周囲の熱硬化性樹脂6をより均一に攪拌できる。さらには、分割されたそれぞれのプランジャーの面は油圧、バネ、電動機等の加圧機で制御することが好ましい。
表1は、本実施の形態の成形機により成形されたモールドモータと、比較例として図6(A)、(B)に示した従来の成形機により成形されたモールドモータとの比較を示す表
である。
この比較では、各1000台作製したモールドモータの外観不具合とボイドとベアリングハウジングの内径の寸法精度との測定結果を示している。ここで使用した熱硬化性樹脂6は、黒色の不飽和ポリエステル樹脂成形材料である。また、外観不良とは、黒色のむらが発生しているものを外観不具合とした。また、1mm以上の大きさのボイドが発生していた場合、ボイドとした。また、ベアリングハウジングの測定は100台とし、室温での金型寸法がφ20mmの部分を測定した。
表1の結果より、比較例と比較し本発明では外観不具合、ボイドの発生が低減でき、かつ、寸法精度が向上することができ、回転子と固定子のギャップ精度も向上でき、モールドモータが回転中に発生する振動・騒音を低減させることが確認できる。
また、ベアリングハウジング以外でもブラケット等が挿入されるような部分においても本発明を適用することができる。
(実施の形態2)
本発明にかかる電気機器の例として、まず、空調機の室内機の構成を実施の形態2として、詳細に説明する。
図5において、室内機210の筐体211内にはモータ201が搭載されている。そのモータ201の回転軸にはクロスフローファン212が取り付けられている。モータ201は駆動装置213によって駆動される。駆動装置213からの通電により、モータ201が回転し、それに伴いクロスフローファン212が回転する。そのクロスフローファン212の回転により、室内機用熱交換器(図示せず)によって空気調和された空気を室内に送風する。ここで、モータ201は、例えば、上記実施の形態1の成形機を用いて製造したモールドモータが適用できる。
本発明の電気機器は、モールドモータと、そのモールドモータが搭載された筐体とを備え、モールドモータとして上記構成の本発明のモールドモータを採用したものである。
なお、上述の説明では、本発明にかかる電気機器の実施例として、空調機の室内機に搭載されるモールドモータを取り上げたが、その他、空調機の室外機、給湯器や洗濯機などのモータにも適用でき、また、各種情報機器に搭載されるモータや、産業機器に使用されるモータにも適用できる。
以上説明したように、本発明の成形機、その成形機を用いたモールドモータの製造方法、およびその製造方法により製造されたモールドモータを備えた電気機器によれば、ラン
ナーを生じず、かつ、外観不具合やボイドの発生を低減でき、かつ、寸法精度を向上することができ、回転子と固定子のギャップ精度も向上できモールドモータが回転中に発生する騒音・振動を低減させることができる。
本発明によれば、ボイドや外観不具合の発生を抑制した成形機、その成形機を用いたモールドモータの製造方法を提供できるため、空調機、給湯器、洗濯機やその他モータを利用した電気機器に使用されるモールドモータの成形機、その成形機を用いたモールドモータの製造方法に好適である。
6 熱硬化性樹脂
9 プランジャー
10 副金型
10a 副金型本体部
10b 副金型天板部
11 上金型
12 下金型
16 ポット
20 加圧機
45 巻線組立体

Claims (7)

  1. 熱硬化性樹脂を挿入するポットを有し、前記熱硬化性樹脂を金型の内に加圧充填するために稼動させるプランジャーを有する成形機であって、
    前記プランジャーの前記熱硬化性樹脂を加圧する面は、複数の面に分割され、分割されたプランジャーの熱硬化性樹脂を加圧する面が、それぞれ加圧機によって制御されることを特徴とする成形機。
  2. 前記金型は、下金型と、上金型と、可動自在な副金型とを含み、
    前記副金型は、分割された構成を有し、かつ前記プランジャーの制御と連動して可動し、この可動自在な副金型で前記ポット内に挿入された前記熱硬化性樹脂を前記金型の内に加圧充填することを特徴とする請求項1に記載の成形機。
  3. モータの外周をモールドするモールドモータの製造方法であって、
    請求項2に記載の成形機を用いてモールドすることを特徴とするモールドモータの製造方法。
  4. 熱硬化性樹脂を金型の内に加圧充填する際に、
    分割された前記副金型を前記モールドモータの一部を形成する形状とは異なった形状に分割する工程(a)と、
    前記工程(a)の形状のまま、前記熱硬化性樹脂を前記金型の内に加圧充填する工程(b)と、
    成形終了時には前記副金型を前記モールドモータの一部を形成する形状と同一にする工程(c)とを含み、
    段階的に加圧することを特徴とする請求項3に記載のモールドモータの製造方法。
  5. 前記熱硬化性樹脂を前記金型の内に加圧充填する際に、前記工程(a)で、前記副金型の形状を凹状としたことを特徴とする請求項4に記載のモールドモータの製造方法。
  6. 前記熱硬化性樹脂を前記金型の内に加圧充填する際に、前記工程(c)で、前記熱硬化性樹脂の硬化が開始される前に、前記副金型を前記モールドモータの一部を形成する形状と同一にすることを特徴とする請求項5に記載のモールドモータの製造方法。
  7. 請求項3から請求項6のいずれか1項に記載のモールドモータの製造方法で製造されたモールドモータを備えたことを特徴とする電気機器。
JP2011046239A 2010-03-16 2011-03-03 成形機、その成形機を用いたモールドモータの製造方法、およびその製造方法により製造されたモールドモータを備えた電気機器 Pending JP2011213103A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011046239A JP2011213103A (ja) 2010-03-16 2011-03-03 成形機、その成形機を用いたモールドモータの製造方法、およびその製造方法により製造されたモールドモータを備えた電気機器

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010059058 2010-03-16
JP2010059058 2010-03-16
JP2011046239A JP2011213103A (ja) 2010-03-16 2011-03-03 成形機、その成形機を用いたモールドモータの製造方法、およびその製造方法により製造されたモールドモータを備えた電気機器

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2011213103A true JP2011213103A (ja) 2011-10-27

Family

ID=44694798

Family Applications (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010069615A Pending JP2011212841A (ja) 2010-03-16 2010-03-25 成形機、その成形機を用いたモールドモータの製造方法及びその製造方法によるモールドモータ
JP2011046239A Pending JP2011213103A (ja) 2010-03-16 2011-03-03 成形機、その成形機を用いたモールドモータの製造方法、およびその製造方法により製造されたモールドモータを備えた電気機器

Family Applications Before (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010069615A Pending JP2011212841A (ja) 2010-03-16 2010-03-25 成形機、その成形機を用いたモールドモータの製造方法及びその製造方法によるモールドモータ

Country Status (2)

Country Link
JP (2) JP2011212841A (ja)
CN (1) CN102205587A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2019096710A1 (de) * 2017-11-16 2019-05-23 Continental Automotive Gmbh Werkzeug und verfahren zum einpassen eines stators in ein gehäuse

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011212841A (ja) * 2010-03-16 2011-10-27 Panasonic Corp 成形機、その成形機を用いたモールドモータの製造方法及びその製造方法によるモールドモータ
US20170288477A1 (en) * 2014-11-17 2017-10-05 Showa Denko K.K. Unsaturated polyester resin composition and switched reluctance motor

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS55128718U (ja) * 1979-03-06 1980-09-11
JPS601835A (ja) * 1983-06-20 1985-01-08 Toshiba Corp 半導体装置用樹脂封止装置
JPS6162010U (ja) * 1984-09-28 1986-04-26
JPH08330342A (ja) * 1995-05-29 1996-12-13 Toshiba Corp 半導体樹脂封止装置
JPH09216247A (ja) * 1996-02-09 1997-08-19 Apic Yamada Kk 樹脂モールド装置及び樹脂モールド方法
JPH10329182A (ja) * 1997-05-29 1998-12-15 Nec Corp 半導体装置用樹脂封止装置及びその樹脂封止方法
JP2005178232A (ja) * 2003-12-22 2005-07-07 Matsushita Electric Ind Co Ltd 成形機、その成形機を用いたモールドモータの製造方法、及びその製造方法によるモールドモータ
JP2011212841A (ja) * 2010-03-16 2011-10-27 Panasonic Corp 成形機、その成形機を用いたモールドモータの製造方法及びその製造方法によるモールドモータ

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN101600555B (zh) * 2007-01-30 2012-09-05 柯尼卡美能达精密光学株式会社 光学元件成型装置及光学元件成型方法
JP2009126003A (ja) * 2007-11-21 2009-06-11 Bridgestone Corp 気体除去方法、気体除去装置、コアの製造方法、コアの製造装置及び積層支持体
CN101618414B (zh) * 2009-08-06 2011-01-19 华中科技大学 工模具的熔积制造方法

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS55128718U (ja) * 1979-03-06 1980-09-11
JPS601835A (ja) * 1983-06-20 1985-01-08 Toshiba Corp 半導体装置用樹脂封止装置
JPS6162010U (ja) * 1984-09-28 1986-04-26
JPH08330342A (ja) * 1995-05-29 1996-12-13 Toshiba Corp 半導体樹脂封止装置
JPH09216247A (ja) * 1996-02-09 1997-08-19 Apic Yamada Kk 樹脂モールド装置及び樹脂モールド方法
JPH10329182A (ja) * 1997-05-29 1998-12-15 Nec Corp 半導体装置用樹脂封止装置及びその樹脂封止方法
JP2005178232A (ja) * 2003-12-22 2005-07-07 Matsushita Electric Ind Co Ltd 成形機、その成形機を用いたモールドモータの製造方法、及びその製造方法によるモールドモータ
JP2011212841A (ja) * 2010-03-16 2011-10-27 Panasonic Corp 成形機、その成形機を用いたモールドモータの製造方法及びその製造方法によるモールドモータ

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2019096710A1 (de) * 2017-11-16 2019-05-23 Continental Automotive Gmbh Werkzeug und verfahren zum einpassen eines stators in ein gehäuse
US11646648B2 (en) 2017-11-16 2023-05-09 Vitesco Technologies GmbH Tool and method for fitting a stator into a housing

Also Published As

Publication number Publication date
CN102205587A (zh) 2011-10-05
JP2011212841A (ja) 2011-10-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2011213103A (ja) 成形機、その成形機を用いたモールドモータの製造方法、およびその製造方法により製造されたモールドモータを備えた電気機器
US11271458B2 (en) Laminated core manufacturing apparatus capable of heating inner diameter of laminated core
US11239028B2 (en) Heat sealing-type rotational laminated core manufacturing apparatus
JP5633739B2 (ja) 羽根車の成形装置
CN112590245B (zh) 一种大型复合材料缠绕体芯模装置
CN117548632A (zh) 一种多腔真空泵壳体一体化成型工装
CN111976084B (zh) 一种复合型绝缘子制作工艺
JP2020022271A (ja) 鉄心製品の製造方法及び鉄心製品の製造装置
CN102368653A (zh) 一种凸极磁极铁芯与线圈整体热压成型方法
CN115055528A (zh) 一种金属基复合材料制备和成型一体化装置
CN207057581U (zh) 一种轮毂装饰盖重力模具
WO2018230254A1 (ja) クロスフローファンの製造方法、及びクロスフローファンの製造装置
CN205291630U (zh) 大型发电机组高温高压成型定子温度传感器
CN101325073B (zh) 制作双层蓝光盘片的压模方法和设备
CN114552921B (zh) 无刷电机转子组装工艺
CN212312483U (zh) 一种smc复合材料的成型模具
CN217861917U (zh) 一种水泥混凝土预制品模具
CN202462939U (zh) 一种减少磁体断裂的模架结构
JP4387785B2 (ja) 成形機、その成形機を用いたモールドモータの製造方法、及びその製造方法によるモールドモータ
CN108002716B (zh) 透镜管帽制作方法
CN107696404A (zh) 一种带骨架的方向盘模具
CN210764971U (zh) 绝缘子成型模具校准调整装置
WO2022034929A1 (ja) プレス加工機に用いる型枠及び板体製品の製造方法
CN106273377A (zh) 一种汽车空调压缩机油封的生产模具及压铸机
CN206416468U (zh) 注塑机的转模旋转装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20121129

RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20121218

RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20140108

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20140110

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140121

RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20140418

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20140520