<第1の実施の形態>
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の第1の実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図、図2及び図3はパチンコ機10の主要な構成を展開して示す斜視図である。なお、図2では便宜上パチンコ機10の遊技領域内の構成を省略している。
パチンコ機10は、図1に示すように、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に対して前方に回動可能に取り付けられた遊技機本体12とを有する。外枠11は木製の板材などを四辺に連結し構成されるものであって矩形枠状をなしている。パチンコ機10は、外枠11を島設備に取り付け固定することにより、遊技ホールに設置される。
遊技機本体12は、内枠13と、その内枠13の前方に配置される前扉枠14と、内枠13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている。遊技機本体12のうち内枠13が外枠11に対して回動可能に支持されている。詳細には、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として内枠13が前方へ回動可能とされている。
内枠13には、図2に示すように、前扉枠14が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として前方へ回動可能とされている。また、内枠13には、図3に示すように、裏パックユニット15が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として後方へ回動可能とされている。
なお、遊技機本体12には、図3に示すように、その回動先端部に施錠装置16が設けられており、遊技機本体12を外枠11に対して開放不能に施錠状態とする機能を有しているとともに、前扉枠14を内枠13に対して開放不能に施錠状態とする機能を有している。これらの各施錠状態は、パチンコ機10前面にて露出させて設けられたシリンダ錠17に対して解錠キーを用いて解錠操作を行うことにより、それぞれ解除される。
次に、遊技機本体12の前面側の構成について説明する。
内枠13は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす樹脂ベース21を主体に構成されている。樹脂ベース21の中央部には略楕円形状の窓孔23が形成されている。樹脂ベース21には遊技盤24が着脱可能に取り付けられている。遊技盤24は合板よりなり、遊技盤24の前面に形成された遊技領域PEが樹脂ベース21の窓孔23を通じて内枠13の前面側に露出した状態となっている。
ここで、遊技盤24の構成を図4(遊技盤24の正面図)に基づいて説明する。遊技盤24には、ルータ加工が施されることによって前後方向に貫通する大小複数の開口部が形成されている。各開口部には一般入賞口31,可変入賞装置32,上作動口(第1始動入球部又は非優先始動入球部)33,下作動口(第2始動入球部又は優先始動入球部)34,スルーゲート35、可変表示ユニット36、メイン表示部43及び役物用表示部44等がそれぞれ設けられている。
遊技盤24の背面側には、一般入賞口31、可変入賞装置32、上作動口33及び下作動口34のそれぞれに対応させて検知センサ(図示略)が設けられており、一般入賞口31、可変入賞装置32、作動口33,作動口34及びスルーゲート35への入球が発生すると、それが対応する検知センサにより検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球の払い出しが実行される。この場合に、一般入賞口31への入球が発生した場合には10個の遊技球の払出が実行され、可変入賞装置32への入球が発生した場合には15個の遊技球の払出が実行され、上作動口33への入球が発生した場合には3個の遊技球の払出が実行され、下作動口34への入球が発生した場合には4個の遊技球の払出が実行される。
なお、遊技球の払出個数は上記のものに限定されることはない。但し、上作動口33に対する下作動口34の有利性を高める上では、上作動口33に係る払出個数よりも下作動口34に係る払出個数を多く設定することが好ましい。また、各作動口33,34に対する可変入賞装置32の有利性を高める上では、各作動口33,34に係る払出個数よりも可変入賞装置32に係る払出個数を多く設定することが好ましい。
その他に、遊技盤24の最下部にはアウト口37が設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口37を通って遊技領域PEから排出される。また、遊技盤24には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘38が植設されていると共に、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
これら釘38等は遊技盤24に対して一方の端部が固定されており、同固定された部分を基端としてそれら釘38等を折り曲げることで同釘38等の遊技盤24に対する傾きを変更可能となっている。このようにして釘38等の傾きを変更することにより、上記作動口33,34やスルーゲート35等への入球の発生確率を遊技ホールの営業形態等に応じて任意に調整することが可能となっている。
ここで、入球とは、所定の開口部を遊技球が通過することを意味し、開口部を通過した後に遊技領域PEから排出される態様だけでなく、開口部を通過した後に遊技領域PEから排出されない態様も含まれる。但し、以下の説明では、アウト口37への遊技球の入球と明確に区別するために、可変入賞装置32、上作動口33、下作動口34又はスルーゲート35への遊技球の入球を、入賞とも表現する。
上作動口33及び下作動口34は、作動口装置としてユニット化されて遊技盤24に設置されている。上作動口33及び下作動口34は共に上向きに開放されている。また、上作動口33が上方となるようにして両作動口33,34は上下方向、より詳細には鉛直方向に並んでいる。下作動口34には、左右一対の可動片よりなるガイド片としての電動役物34aが設けられている。
電動役物34aの詳細について図5を用いて説明する。図5(a)は電動役物34aが閉鎖状態(非サポート状態又は非ガイド状態)である場合を示し、図5(b)は電動役物34aが開放状態(サポート状態又はガイド状態)である場合を示している。
上作動口33を構成する作動口ケース33aは、手前側に張り出すとともに正面から見て略台形状をなしており、上辺長<下辺長となっている。このとき、作動口ケース33aの上辺長(すなわち上作動口33の左右幅)は、遊技球の直径よりも僅かに大きい長さとされ、下辺長は、電動役物34aが閉鎖状態にある場合において左右の電動役物34a間の距離よりも大きい長さとされている。また、電動役物34aが閉鎖状態にある場合には作動口ケース33aと電動役物34aの上端部との間隔が遊技球の直径よりも僅かに短くなるよう両作動口33,34の設置間隔が調整されている。
上記構成によれば、電動役物34aの閉鎖状態では遊技球が下作動口34に入賞できず、電動役物34aが開放されることで下作動口34への入賞が可能となる。特にこのとき、電動役物34aが閉鎖状態から開放状態に移行する動作途中では、上記のとおり上作動口33の作動口ケース33aが略台形状をなしておりそれが障害となることから、電動役物34aが十分に開放されるまでは下作動口34への遊技球の入賞が不可能となり、電動役物34aのほぼ全開状態でのみ入賞が可能となっている。つまり、上方から落下してきた遊技球は作動口ケース33aの側面に当たって外側に弾かれ、下作動口34に直接入賞することはない。これにより、電動役物34aが極短時間で開放される場合には下作動口34への入賞が極めて困難となり、電動役物34aの開放状態が継続される場合にのみ下作動口34への入賞が容易となる。
ここで、両作動口33,34と釘38との関係について補足説明する。遊技領域PEにおいては複数の釘38が特定方向に並べて配置される等して複数の流下経路が形成されている。上作動口33及び下作動口34は、それら複数の流下経路のうち1つに沿って下作動口34が上作動口33よりも下流側となるように並設されている。言い換えれば、同流下経路に沿って流下した遊技球が両作動口33,34の近傍を通過し得るようにそれら各作動口33,34が配置されている。
これにより、電動役物34aが開放状態となった場合には、作動口装置の上方に向けて流下してきた遊技球は、上作動口33及び下作動口34のいずれにも入賞し得る構成となっている。換言すれば、電動役物34aが開放状態である場合には、後述する発射ハンドル54の操作態様によって、上作動口33への入賞と下作動口34への入賞とを狙い分けることが難しい構成となっている。
なお、上作動口33の作動口ケース33aを上記の如く略台形状とする構成以外にも、上作動口33の作動口ケース33aを上部幅狭、下部幅広の2段構成としたり、上作動口33の左右両側に略ハ字状のガイド片を設けたり、作動口ケース33aの斜め下方に障害釘を植設したりしても良い。
可変入賞装置32は、遊技盤24の背面側へと通じる大入賞口32aを備えているとともに、当該大入賞口32aを開閉する開閉扉32bを備えている。開閉扉32bは、遊技盤24の背面側に設けられたソレノイドなどの駆動部と連結されており、通常は遊技球が入賞できない又は入賞し難い閉鎖状態になっており、内部抽選において開閉実行モード(開閉実行状態)への移行に当選した場合に遊技球が入賞しやすい所定の開放状態に切り換えられるようになっている。
ここで、開閉実行モードとは、大当たり当選となった場合に移行することとなるモードである。当該開閉実行モードについては、後に詳細に説明する。可変入賞装置32の開放態様としては、所定時間(例えば30sec)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、複数ラウンド(例えば15ラウンド)を上限として可変入賞装置32が繰り返し開放される態様がある。
メイン表示部43及び役物用表示部44は、遊技領域PEの下部側の外縁に沿って配設された装飾部材39に設けられている。装飾部材39は、遊技盤24の盤面からパチンコ機10前方に延出している。より具体的には、装飾部材39の前面は、遊技領域PEをパチンコ機10前方から視認可能とするために前扉枠14に設けられた窓パネル62と対向しており、さらに窓パネル62との間の距離は遊技球1個分よりも狭くなっている。これにより、装飾部材39の前面の前方を遊技球が落下していくのが防止されている。
装飾部材39の前面から露出するようにしてメイン表示部43及び役物用表示部44が設けられている。つまり、メイン表示部43及び役物用表示部44は、前扉枠14の窓パネル62を通じてパチンコ機10前方から視認可能となっているとともに、これら両表示部43,44の前方を遊技球が落下していくのが防止されている。
メイン表示部43には、大当たり当選となることで可変入賞装置32が開閉実行モードとなった場合(又は開閉実行モードとなる場合)において、その開閉実行モードにおける可変入賞装置32の大入賞口32aが開放される回数を明示するためのラウンド表示部RSと、上作動口33への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果を明示するための第1結果表示部ASと、下作動口34への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果を明示するための第2結果表示部BSとが設定されている。
ラウンド表示部RSでは、開閉実行モードの開始に際して開放回数の表示が開始され、開閉実行モードの終了に際して当該表示が終了される。
第1結果表示部ASでは、上作動口33への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、上作動口33への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が表示によって明示される。上作動口33への入賞に基づく内部抽選の結果が開閉実行モードへの移行に対応した当選結果であった場合には、第1結果表示部ASにて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、開閉実行モードへ移行する。
第2結果表示部BSでは、下作動口34への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、下作動口34への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が表示によって明示される。下作動口34への入賞に基づく内部抽選の結果が開閉実行モードへの移行に対応した当選結果であった場合には、第2結果表示部BSにて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、開閉実行モードへ移行する。
ここで、いずれかの作動口33,34への入賞に基づいて、対応する結果表示部AS,BSにて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示し上記変動表示が停止されるまでが遊技回の1回に相当する。但し、遊技回の1回は、上記の内容に限定されることはなく、例えば、単一の結果表示部が設けられ、いずれの作動口33,34への入賞が発生したとしてもその単一の結果表示部にて変動表示が行われる構成においては、当該単一の結果表示部にて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示した状態で上記変動表示が停止されるまでを遊技回の1回とする。
役物用表示部44は、スルーゲート35への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果を明示するための表示部である。この場合、役物用表示部44では、スルーゲート35への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、スルーゲート35への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が表示によって明示される。スルーゲート35への入賞に基づく内部抽選の結果が電役開放状態への移行に対応した当選結果であった場合には、役物用表示部44にて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、電役開放状態へ移行する。電役開放状態では、下作動口34に設けられた電動役物34aが所定の態様で開放状態となる。
なお、メイン表示部43及び役物用表示部44は、複数のセグメントを有するセグメント表示装置により構成されているが、これに限定されることはなく、液晶表示装置など他の表示装置を用いてもよい。
可変表示ユニット36には、図柄を変動表示(又は、可変表示若しくは切換表示)する図柄表示装置40が設けられている。また、可変表示ユニット36には、図柄表示装置40を囲むようにしてセンターフレーム42が配設されている。このセンターフレーム42は、その上部がパチンコ機10前方に延出している。これにより、図柄表示装置40の表示画面41の前方を遊技球が落下していくのが防止されており、遊技球の落下により表示画面41の視認性が低下するといった不都合が生じない構成となっている。
図柄表示装置40は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置により表示内容が制御される。図柄表示装置40には、例えば上、中及び下に並べて図柄が表示され、これらの図柄が左右方向にスクロールされるようにして変動表示されるようになっている。この場合、図柄表示装置40における変動表示は、上作動口33又は下作動口34への入賞に基づいて開始される。すなわち、第1結果表示部ASにおいて変動表示が行われる場合には、それに合わせて図柄表示装置40において変動表示が行われるとともに、第2結果表示部BSにおいて変動表示が行われる場合には、それに合わせて図柄表示装置40において変動表示が行われる。そして、例えば、開閉実行モードとして可変入賞装置32の大入賞口32aの開放が15回行われることとなる15ラウンド対応の開閉実行モードに移行する遊技回には、図柄表示装置40では予め設定されている有効ライン上に所定の組み合わせの図柄が停止表示される。
センターフレーム42の前面側における左上部分には、第1結果表示部AS及び図柄表示装置40に対応した第1保留ランプ部45が設けられている。第1保留ランプ部45は左右に並べて複数(詳しくは4つ)配置されており、遊技球が上作動口33に入賞した個数は最大4個まで保留され、第1保留ランプ部45の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。また、センターフレーム42の前面側における右上部分には、第2結果表示部BS及び図柄表示装置40に対応した第2保留ランプ部46が設けられている。それら第2保留ランプ部46は、第1保留ランプ部45と同様に左右に並べて複数(詳しくは4つ)配置されており、遊技球が下作動口34に入賞した個数は最大4個まで保留され、第2保留ランプ部46の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。上述したように、センターフレーム42の上部がパチンコ機10前方に延出していることにより、第1保留ランプ部45及び第2保留ランプ部46の視認性が遊技球の落下により阻害されない構成となっている。
センターフレーム42の下部には、役物用表示部44に対応した第3保留ランプ部47が設けられている。遊技球がスルーゲート35を通過した回数は最大4回まで保留され、第3保留ランプ部47の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。なお、各保留ランプ部45〜47が図柄表示装置40の一部で表示される構成等であってもよい。
遊技盤24には、内レール部51と外レール部52とが取り付けられており、これら内レール部51と外レール部52とにより誘導レールが構成され、遊技球発射機構53から発射された遊技球が遊技領域PEの上部に案内されるようになっている。遊技球発射機構53は、図2に示すように、樹脂ベース21における窓孔23の下方に取り付けられており、前扉枠14に設けられた発射ハンドル54が操作されることにより遊技球の発射動作が行われる。
内枠13の前面側全体を覆うようにして前扉枠14が設けられている。前扉枠14には、図1に示すように、遊技領域PEのほぼ全域を前方から視認することができるようにした窓部61が形成されている。窓部61は、略楕円形状をなし、上述した窓パネル62が嵌め込まれている。窓パネル62は、ガラスによって無色透明に形成されているが、これに限定されることはなく合成樹脂によって無色透明に形成してもよい。
窓部61の周囲には、各種ランプ部等の発光手段が設けられている。当該各種ランプ部の一部として表示ランプ部63が窓部61の上方に設けられている。また、表示ランプ部63の左右両側には、遊技状態に応じた効果音などが出力されるスピーカ部64が設けられている。
前扉枠14における窓部61の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部65と下側膨出部66とが上下に並設されている。上側膨出部65内側には上方に開口した上皿71が設けられており、下側膨出部66内側には同じく上方に開口した下皿72が設けられている。上皿71は、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射機構53側へ導くための機能を有する。また、下皿72は、上皿71内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有する。上皿71及び下皿72には、裏パックユニット15の払出装置96から払い出された遊技球が前扉枠14の背面に設けられた通路形成ユニット73を通じて排出される。
次に、遊技機本体12の背面側の構成について説明する。
図3に示すように、内枠13(具体的には、遊技盤24)の背面には、主制御装置81及び音声ランプ制御装置82が搭載されている。
主制御装置81は、遊技の主たる制御を司る主制御基板と、電源を監視する停電監視基板とを具備しており、これら主制御基板及び停電監視基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス83に収容されて構成されている。基板ボックス83は、略直方体形状のボックスベース(表ケース体)とこのボックスベースの開口部を覆うボックスカバー(裏ケース体)とを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは分離阻止手段(又は、結合手段)としてのボックス結合部85によって分離不能に連結され、これにより基板ボックス83が封印されている。そして、これらボックス結合部85によって分離不能に連結されていることで、基板ボックス83の内部空間の開放に際しては当該基板ボックス83の破壊又は一部の切除を要する構成となっている。ボックス結合部85は、基板ボックス83の長辺部に複数設けられ、そのうち少なくとも一つが用いられて結合処理が行われる。
ボックス結合部85はボックスベースとボックスカバーとを開放不能に結合する構成であれば任意の構成が適用できるが、ボックス結合部85を構成する長孔に係止爪を挿入することでボックスベースとボックスカバーとが開放不能に結合されるようになっている。ボックス結合部85による結合処理は、その結合後の不正な開放を防止し、また万一不正開放が行われてもそのような事態を早期に且つ容易に発見可能とするものであって、一旦開放した後でも再度開放処理を行うこと自体は可能である。すなわち、複数のボックス結合部85のうち、少なくとも一つの長孔に係止爪を挿入することにより結合処理が行われる。そして、収容した主制御基板の不具合発生の際や主制御基板の検査の際など基板ボックス83を開放する場合には、係止爪が挿入されたボックス結合部85と他のボックス結合部85との連結部分やボックス本体との連結部分を切断する。これにより、基板ボックス83のボックスベースとボックスカバーとが分離され、内部の主制御基板を取り出すことができる。その後、再度結合処理する場合は他のボックス結合部85の長孔に係止爪を挿入する。基板ボックス83の開放を行った旨の履歴を当該基板ボックス83に残しておけば、基板ボックス83を見ることで不正な開放が行われた旨が容易に発見できる。
基板ボックス83の一方の短辺部には、その側方に突出するようにして複数の結合片86が設けられている。これら結合片86は、主制御装置81の取付台に形成された複数の被結合片87と1対1で対応しており、結合片86と被結合片87とにより基板ボックス83と取付台との間で結合処理が行われる。
なお、上記基板ボックス83の不正な開放を発見するための痕跡手段として、封印シールをボックスベースとボックスカバーとの境界を跨ぐようにして貼り付ける構成としてもよい。この場合、封印シールをその貼付箇所から剥がした場合には、当該封印シールの接着剤層が基板ボックス83側に残り、その痕跡が残ることとなる。さらには、当該封印シールに所定周波数の呼び出し波に対して識別情報を含む応答波を発信するICタグを設け、封印シールを剥がした場合には、当該ICタグのアンテナが切断されて、上記応答波の発信が不可となる構成としてもよい。
音声ランプ制御装置82は、主制御装置81からの指示に従い音声やランプ表示、及び図示しない表示制御装置の制御を司る音声ランプ制御基板を具備しており、音声ランプ制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス84に収容されて構成されている。
裏パックユニット15は、図3に示すように、裏パック91を備えており、当該裏パック91に対して、払出機構部92及び制御装置集合ユニット93が取り付けられている。なお、裏パック91は透明性を有する合成樹脂により形成されており、主制御装置81や音声ランプ制御装置82などを後方から覆うように、後方に突出し略直方体形状をなす保護カバー部94を有している。
払出機構部92は、保護カバー部94を迂回するようにして配設されており、遊技場の島設備から供給される遊技球が逐次補給されるタンク95と、当該タンク95に貯留された遊技球を払い出すための払出装置96と、を備えている。払出装置96より払い出された遊技球は、当該払出装置96の下流側に設けられた図示しない払出通路を通じて、上皿71又は下皿72に排出される。また、払出機構部92には、例えば交流24ボルトの主電源が供給されるとともに、電源のON操作及びOFF操作を行うための電源スイッチが設けられた裏パック基板が搭載されている。
また、裏パック91には、裏パックユニット15の回動軸側であって上縁側に外部出力端子板99が設けられている。外部出力端子板99には、タンク95などで遊技球が不足した場合に信号出力するための出力端子、所定個数の賞球を払い出す毎に信号出力するための出力端子、所定個数の遊技球を貸し出す毎に信号出力するための出力端子、遊技機本体12の開放時に信号出力するための出力端子、前扉枠14の開放時に信号出力するための出力端子、及び開閉実行モードなどの状態移行に際して(又は、状態に移行している間)信号出力するための出力端子が設けられている。そして、これらの出力端子を通じて、遊技ホール側の管理制御装置に対して枠側の状態に関する信号が出力される。なお、所定個数の遊技球を貸し出す毎に信号出力するための出力端子はいわゆる現金機においては不要である。
制御装置集合ユニット93は、払出制御装置97と電源及び発射制御装置98とを備えている。これら払出制御装置97と電源及び発射制御装置98とは、払出制御装置97がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
払出制御装置97は、払出装置96を制御する払出制御基板が基板ボックス内に収容されて構成されている。この場合、当該払出制御装置97の基板ボックスに対して、主制御装置81の基板ボックス83と同様の不正抑制手段を適用してもよい。
電源及び発射制御装置98は、電源及び発射制御基板が基板ボックス内に収容されて構成されており、当該基板により、各種制御装置等で要する所定の電力が生成されて出力され、さらに遊技者による発射ハンドル54の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる。また、本パチンコ機10は各種データの記憶保持機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。
<電気的構成>
次に、パチンコ機10の電気的構成について、図6のブロック図に基づいて説明する。
主制御装置81に設けられた主制御基板201には、MPU202が搭載されている。MPU202には、当該MPU202により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM203と、そのROM203内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM204と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路、乱数発生器としての各種カウンタ回路などが内蔵された素子である。なお、MPU202が有する機能の一部、例えば、ROM203の機能やRAM204の機能などを別の素子として有する構成としてもよい。
MPU202には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU202の入力側には、主制御装置81に設けられた停電監視基板205、払出制御装置97及び各種検知センサ211a〜211eなどが接続されている。この場合に、停電監視基板205には電源及び発射制御装置98が接続されており、MPU202には停電監視基板205を介して電力が供給される。また、各種検知センサ211a〜211eの一部として、一般入賞口31、可変入賞装置32、上作動口33、下作動口34及びスルーゲート35などといった入賞対応入球部(払出対応入球部)に設けられた複数の検知センサが接続されており、主制御装置81のMPU202において各入球部への入賞判定(入球判定)が行われる。また、MPU202では、上作動口33及び下作動口34への入賞に基づいて大当たり発生抽選を実行するとともに、スルーゲート35への入賞に基づいてサポート発生抽選を実行する。
MPU202の出力側には、停電監視基板205、払出制御装置97及び音声ランプ制御装置82が接続されている。払出制御装置97には、例えば、上記入賞対応入球部への入賞判定結果に基づいて賞球コマンドが出力される。この場合、賞球コマンドの出力に際しては、ROM203のコマンド情報記憶エリア225が参照される。そして、一般入賞口31への入賞を特定した場合には、10個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、可変入賞装置32への入賞を特定した場合には、15個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、上作動口33への入賞を特定した場合には、3個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、下作動口34への入賞を特定した場合には、4個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力される。
また、MPU202の出力側には、可変入賞装置32の開閉扉32bを開閉動作させる可変入賞駆動部32c、下作動口34の電動役物34aを開閉動作させる電動役物駆動部34b、及びメイン表示部43が接続されている。主制御基板201には各種ドライバ回路が設けられており、当該ドライバ回路を通じてMPU202は各種駆動部の駆動制御を実行する。
つまり、開閉実行モードにおいては大入賞口32aが開閉されるように、MPU202において可変入賞駆動部32cの駆動制御が実行される。また、電動役物34aの開放状態当選となった場合には、電動役物34aが開閉されるように、MPU202において電動役物駆動部34bの駆動制御が実行される。また、各遊技回に際しては、MPU202においてメイン表示部43における第1結果表示部AS又は第2結果表示部BSの表示制御が実行されるとともに、可変入賞装置32の開閉実行モードに際してはメイン表示部43におけるラウンド表示部RSの表示制御が実行される。
停電監視基板205は、主制御基板201と電源及び発射制御装置98とを中継し、また電源及び発射制御装置98から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視する。払出制御装置97は、主制御装置81から入力した賞球コマンドに基づいて、払出装置96により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。
電源及び発射制御装置98は、例えば、遊技場等における商用電源(外部電源)に接続されている。そして、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御基板201や払出制御装置97等に対して各々に必要な動作電力を生成するとともに、その生成した動作電力を所定の電力経路を通じて供給する。また、電源及び発射制御装置98は、遊技球発射機構53の発射制御を担うものであり、遊技球発射機構53は所定の発射条件が整っている場合に駆動される。
音声ランプ制御装置82に設けられた音声ランプ制御基板241には、MPU242が搭載されている。MPU242は、当該MPU242により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM243と、そのROM243内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM244と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路などが1チップ化された素子である。なお、MPU242に対してROM243及びRAM244が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。
MPU242には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU242の入力側には主制御装置81が接続されており、同主制御装置81から出力された変動用コマンド,種別コマンド,変動終了コマンドといった遊技回制御用コマンド(遊技回制御用情報)と、オープニングコマンド,エンディングコマンド,高頻度サポートコマンド,低頻度サポートコマンドといった遊技状態用コマンド(遊技状態用情報)と、シフト時コマンド,保留コマンドといった保留表示制御用コマンド(保留表示制御用情報)とを受信する。上記各コマンドは、所定のバイト数の情報として構成されており、当該所定のバイト数の情報として各種情報が含まれている。これら各種コマンドの詳細については、後に説明する。
MPU242の出力側には、既に説明したように、可変表示ユニット36に設けられた各保留ランプ部45〜47及び前扉枠14に設けられた表示ランプ部63やスピーカ部64が接続されているとともに、表示制御装置212が接続されている。この場合に、上記各種コマンドは、情報形態をそのまま維持した状態で表示制御装置212に送信される。
なお、必ずしも音声ランプ制御装置82によって保留ランプ部45〜47の発光制御を行う必要はなく、主制御装置81等の他の制御装置によって同発光制御を行うことも可能である。
表示制御装置212では、音声ランプ制御装置82から入力したコマンドに基づいて、図柄表示装置40の表示制御を実行する。この場合に、音声ランプ制御装置82では、主制御装置81から入力した各種コマンドに基づいて、図柄表示装置40における図柄の変動表示時間及び最終的に停止表示させる図柄の組み合わせの種類を決定するとともに、リーチ発生の有無及びリーチ演出の内容を決定する。
より詳しくは、表示制御装置212は、ROM253及びRAM254が複合的にチップ化された素子であるMPU252やビデオディスプレイプロセッサ(VDP)等が搭載された表示制御基板251を備えている。なお、MPU252に対してROM253及びRAM254が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。
MPU252は、音声ランプ制御装置82を経由して主制御装置81から受信した各種コマンドを解析し又は受信した各種コマンドに基づき所定の演算処理を行ってVDPの制御(具体的にはVDPに対する内部コマンドの生成)を実施する。
ROM253は、MPU252により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、背景画像用のJPEG形式画像データも併せて記憶保持されている。
RAM254は、MPU252による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグ等を一時的に記憶するためのメモリである。これらワークデータやフラグ等はRAM254のコマンド格納エリア261,各種フラグ格納エリア262,保留数カウンタエリア263等に記憶される。
ここで、図柄表示装置40の表示内容について図7に基づいて説明する。図7は図柄表示装置40の表示画面41を示す図である。
図7(a)に示すように、図柄表示装置40の表示画面41には、上段・中段・下段の3つの図柄列Z1,Z2,Z3が設定されている。各図柄列Z1〜Z3は、主図柄と副図柄が所定の順序で配列されて構成されている。詳細には、上図柄列Z1には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の降順に配列されると共に、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。下図柄列Z3には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の昇順に配列されると共に、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、上図柄列Z1と下図柄列Z3は18個の図柄により構成されている。これに対し、中図柄列Z2には、数字の昇順に「1」〜「9」の9種類の主図柄が配列された上で「9」の主図柄と「1」の主図柄との間に「4」の主図柄が付加的に配列され、これら各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、中図柄列Z2に限っては、10個の主図柄が配されて20個の図柄により構成されている。そして、表示画面41では、これら各図柄列Z1〜Z3の図柄が周期性をもって所定の向き(横向き)に循環(スクロール)するように変動表示される。また、図7(b)に示すように、表示画面41は、図柄列毎に3個の図柄が停止表示されるようになっており、結果として3×3の計9個の図柄が停止表示されるようになっている。
また、表示画面41には、5つの有効ライン、すなわち左ラインL1、中ラインL2、右ラインL3、右下がりラインL4、右上がりラインL5が設定されている。そして、上図柄列Z1→下図柄列Z3→中図柄列Z2の順に変動表示が停止し、いずれかの有効ラインに同一の数字が付された図柄の組み合わせが形成された状態で全図柄列Z1〜Z3の変動表示が終了すれば、後述する通常大当たり結果又は15R確変大当たり結果の発生として大当たり動画が表示されるようになっている。
本パチンコ機10では、奇数番号(1,3,5,7,9)が付された主図柄は「特定図柄」に相当し、15R確変大当たり結果が発生する場合には、同一の特定図柄の組み合わせが停止表示される。また、偶数番号(2,4,6,8)が付された主図柄は「非特定図柄」に相当し、通常大当たり結果が発生する場合には、同一の非特定図柄の組み合わせが停止表示される。
また、後述する2R確変大当たり結果となる場合には、異なる数字が付された図柄の組み合わせが形成された状態で全図柄列Z1〜Z3の変動表示が終了し、その後に、明示用動画が表示されるようになっている。
なお、図柄表示装置40における図柄の変動表示の態様は上記のものに限定されることはなく任意であり、図柄列の数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数などは適宜変更可能である。
<各種カウンタについて>
次に、上記の如く構成されたパチンコ機10の動作について説明する。
主制御装置81のMPU202は遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、大当たり発生抽選、メイン表示部43の表示の設定、図柄表示装置40の図柄表示の設定、役物用表示部44の表示の設定などを行うこととしており、具体的には、図8に示すように、大当たり発生の抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、確変大当たり結果や通常大当たり結果等の大当たり種別を判定する際に使用する大当たり種別カウンタC2と、図柄表示装置40が外れ変動する際のリーチ抽選に使用するリーチ乱数カウンタC3と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、メイン表示部43の第1結果表示部AS及び第2結果表示部BS並びに図柄表示装置40における変動表示時間を決定する変動種別カウンタCSとを用いることとしている。さらに、下作動口34の電動役物34aを電役開放状態とするか否かの抽選に使用する電動役物開放カウンタC4を用いることとしている。
各カウンタC1〜C3,CINI,CS,C4は、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは短時間間隔で更新され、その更新値が主制御装置81におけるRAM204の所定領域に設定された抽選カウンタ用バッファ231に適宜格納される。RAM204には、第1結果表示部用保留エリアRaと、第2結果表示部用保留エリアRbと、実行エリアAEと、総保留数記憶領域とよりなる保留球格納エリア232が設けられている。そして、この保留球格納エリア232に、上作動口33又は下作動口34への遊技球の入賞履歴に合わせて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値が時系列的に格納されるようになっている。
各カウンタについて詳しくは、大当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜599の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。特に大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0〜599)。大当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、遊技球が上作動口33又は下作動口34に入賞したタイミングでRAM204の保留球格納エリア232に格納される。より詳しくは、上作動口33に遊技球が入賞したタイミングでRAM204の第1結果表示部用保留エリアRaに格納され、下作動口34に遊技球が入賞したタイミングでRAM204の第2結果表示部用保留エリアRbに格納される。
大当たり当選となる乱数の値は、ROM203における当否情報群記憶手段としての当否テーブル記憶エリア221に当否テーブル(当否情報群)として記憶されている。ここで、当否テーブルの内容について説明する。当否テーブルとしては、低確率モード用の当否テーブル(低確率用当否情報群)と、高確率モード用の当否テーブル(高確率用当否情報群)とが設定されている。つまり、本パチンコ機10は、当否抽選手段における抽選モードとして、低確率モード(低確率対応状態)と高確率モード(高確率対応状態)とが設定されている。
上記抽選に際して低確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、大当たり当選となる乱数の値(すなわち、当選情報)は2個である。一方、上記抽選に際して高確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、大当たり当選となる乱数の値(すなわち、当選情報)は21個である。この場合、低確率モードである状況において大当たり当選となる大当たり乱数カウンタC1の値群は、高確率モードである状況において大当たり当選となる大当たり乱数カウンタC1の値群に含まれている。なお、低確率モードよりも高確率モードの方の当選確率が高くなるのであれば、上記当選となる乱数の数及び値は任意である。
大当たり種別カウンタC2は、0〜29の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。大当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、遊技球が上作動口33又は下作動口34に入賞したタイミングでRAM204の保留球格納エリア232に格納される。より詳しくは、上作動口33に遊技球が入賞したタイミングでRAM204の第1結果表示部用保留エリアRaに格納され、下作動口34に遊技球が入賞したタイミングでRAM204の第2結果表示部用保留エリアRbに格納される。
ここで、本実施の形態では、複数の大当たり結果が設定されている。これら複数の大当たり結果は、(1)開閉実行モードにおける可変入賞装置32の開閉制御の態様、(2)開閉実行モード終了後の当否抽選手段における抽選モード、(3)開閉実行モード終了後の下作動口34の電動役物34aにおけるサポートモード、という3つの条件に差異を設けることにより、複数の大当たり結果が設定されている。
開閉実行モードにおける可変入賞装置32の開閉制御の態様としては、開閉実行モードが開始されてから終了するまでの間における可変入賞装置32への入賞の発生頻度が相対的に高低となるように高頻度入賞モードと低頻度入賞モードとが設定されている。具体的には、高頻度入賞モードでは、開閉実行モードの開始から終了までに、大入賞口32aの開閉が15回(高頻度用回数)行われるとともに、1回の開放は30sec(高頻度時間)が経過するまで又は大入賞口32aへの入賞個数が10個(高頻度個数)となるまで継続される。一方、低頻度入賞モードでは、開閉実行モードの開始から終了までに、大入賞口32aの開閉が2回(低頻度用回数)行われるとともに、1回の開放は0.2sec(低頻度時間)が経過するまで又は大入賞口32aへの入賞個数が6個(低頻度個数)となるまで継続される。
この場合に、本パチンコ機10では、発射ハンドル54が遊技者により操作されている状況では、0.6secに1個の遊技球が遊技領域PEに向けて発射されるように遊技球発射機構53が駆動制御される。これに対して、低頻度入賞モードでは、上記のとおり1回の大入賞口32aの開放時間は0.2secとなっている。つまり、低頻度入賞モードでは、遊技球の発射周期よりも1回の大入賞口32aの開放時間が短くなっている。したがって、低頻度入賞モードにかかる開閉実行モードでは実質的に遊技球の入賞が発生しない。
なお、高頻度入賞モード及び低頻度入賞モードにおける大入賞口32aの開閉回数、1回の開放に対する開放限度時間及び1回の開放に対する開放限度個数は、高頻度入賞モードの方が低頻度入賞モードよりも、開閉実行モードが開始されてから終了するまでの間における可変入賞装置32への入賞の発生頻度が高くなるのであれば、上記の値に限定されることはなく任意である。具体的には、高頻度入賞モードの方が低頻度入賞モードよりも、開閉回数が多い、1回の開放に対する開放限度時間が長い又は1回の開放に対する開放限度個数が多く設定されていればよい。
但し、高頻度入賞モードと低頻度入賞モードとの間での特典の差異を明確にする上では、低頻度入賞モードにかかる開閉実行モードでは、実質的に可変入賞装置32への入賞が発生しない構成とするとよい。例えば、高頻度入賞モードでは、1回の開放について、遊技球の発射周期と開放限度個数との積を、開放限度時間よりも短く設定する一方、低頻度入賞モードでは、1回の開放について、遊技球の発射周期と開放限度個数との積を、開放限度時間よりも長く設定する構成としてもよい。また、遊技球の発射間隔及び1回の大入賞口32aの開放時間が上記のものでなかったとしても、低頻度入賞モードでは、前者よりも後者の方が短くなるように設定することで、実質的に可変入賞装置32への入賞が発生しない構成を容易に実現することができる。
下作動口34の電動役物34aにおけるサポートモードとしては、遊技領域PEに対して同様の態様で遊技球の発射が継続されている状況で比較した場合に、下作動口34の電動役物34aが単位時間当たりに開放状態となる頻度が相対的に高低となるように、低頻度サポートモード(低頻度サポート状態又は低頻度ガイド状態)と高頻度サポートモード(高頻度サポート状態又は高頻度ガイド状態)とが設定されている。
具体的には、低頻度サポートモードと高頻度サポートモードとでは、電動役物開放カウンタC4を用いた電動役物開放抽選における電役開放状態当選となる確率は同一(例えば、共に4/5)となっているが、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、電役開放状態当選となった際に電動役物34aが開放状態となる回数が多く設定されており、さらに1回の開放時間が長く設定されている。この場合、高頻度サポートモードにおいて電役開放状態当選となり電動役物34aの開放状態が複数回発生する場合において、1回の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの閉鎖時間は、1回の開放時間よりも短く設定されている。さらにまた、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で最低限確保される確保時間が短く設定されている。
上記のように高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも下作動口34への入賞が発生する確率が高くなる。換言すれば、低頻度サポートモードでは、下作動口34よりも上作動口33への入賞が発生する確率が高くなるが、高頻度サポートモードでは、上作動口33よりも下作動口34への入賞が発生する確率が高くなる。そして、下作動口34への入賞が発生した場合には、所定個数の遊技球の払出が実行されるため、高頻度サポートモードでは、遊技者は持ち球をあまり減らさないようにしながら遊技を行うことができる。
なお、高頻度サポートモードを低頻度サポートモードよりも単位時間当たりに電役開放状態となる頻度を高くする上での構成は、上記のものに限定されることはなく、例えば電動役物開放抽選における電役開放状態当選となる確率を高くする構成としてもよい。さらには、開放回数を多くする、開放時間を長くする、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で最低限確保される確保時間を短くする(すなわち、役物用表示部44における1回の変動表示時間を短くする)及び当選確率を高くするのうち、いずれか1条件又は任意の組み合わせの条件を適用することで、低頻度サポートモードに対する高頻度サポートモードの有利性を高めてもよい。
大当たり種別カウンタC2に対する遊技結果の振分先は、ROM203における振分情報群記憶手段としての振分テーブル記憶エリア222に振分テーブル(振分情報群)として記憶されている。振分テーブルの内容について図9を用いて説明する。図9に示すように、振分テーブルとしては、図9(a)の第1結果表示部用の振分テーブル(第1振分情報群)と、図9(b)の第2結果表示部用の振分テーブル(第2振分情報群)とが設定されている。
第1結果表示部用の振分テーブルでは、図9(a)に示すように、遊技結果の振分先として、通常大当たり結果(低確率対応特別遊技結果)、2R確変大当たり結果(高確率対応遊技結果又は突然確変状態となる結果)、15R確変大当たり結果(高確率対応特別遊技結果)が設定されている。
通常大当たり結果は、開閉実行モードが高頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが低確率モードとなるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。但し、この高頻度サポートモードは、移行後において遊技回数が終了基準回数(具体的には、100回)に達した場合に低頻度サポートモードに移行する。換言すれば、通常大当たり結果は、通常大当たり状態(低確率対応特別遊技状態)へ遊技状態を移行させる大当たり結果である。
2R確変大当たり結果は、開閉実行モードが低頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが高確率モードとなるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。当該高頻度サポートモードは、当否抽選における抽選結果が大当たり状態当選となり、それによる大当たり状態に移行するまで継続する。換言すれば、2R確変大当たり結果は、2R確変大当たり状態(高確率対応遊技状態)へ遊技状態を移行させる大当たり結果である。
15R確変大当たり結果は、開閉実行モードが高頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが高確率モードとなるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。当該高頻度サポートモードは、当否抽選における抽選結果が大当たり状態当選となり、それによる大当たり状態に移行するまで継続する。換言すれば、15R確変大当たり結果は、15R確変大当たり状態(高確率対応特別遊技状態)へ遊技状態を移行させる大当たり結果である。
なお、上記各遊技状態との関係で通常遊技状態とは、当否抽選モードが低確率モードであり、サポートモードが低頻度サポートモードである状態をいう。
第1結果表示部用の振分テーブルでは、「0〜29」の大当たり種別カウンタC2の値のうち、「0〜9」が通常大当たり結果に対応しており、「10〜17」が2R確変大当たり結果に対応しており、「18〜29」が15R確変大当たり結果に対応している。
上記のように、確変大当たり結果として、2R確変大当たり結果及び15R確変大当たり結果が設定されていることにより、確変大当たり結果の態様が多様化する。すなわち、2種類の確変大当たり結果を比較した場合、遊技者にとっての有利度合いは、開閉実行モードにおいて高頻度入賞モードとなり且つサポートモードでは高頻度サポートモードとなる15R確変大当たり結果が最も高く、開閉実行モードにおいて低頻度入賞モードとなるもののサポートモードでは高頻度サポートモードとなる2R確変大当たり結果よりも高くなる。これにより、遊技の単調化が抑えられ、遊技への注目度を高めることが可能となる。
一方、第2結果表示部用の振分テーブルでは、図9(b)に示すように、遊技結果の振分先として、通常大当たり結果及び15R確変大当たり結果のみが設定されている。そして、「0〜29」の大当たり種別カウンタC2の値のうち、「0〜9」が通常大当たり結果に対応しており、「10〜29」が15R確変大当たり結果に対応している。
上記のように本パチンコ機10では、大当たり当選となった場合の遊技結果の振分態様は、上作動口33への入賞に基づいて大当たり当選となった場合と、下作動口34への入賞に基づいて大当たり当選となった場合とで異なっている。
ここで、第1結果表示部用の振分テーブル及び第2結果表示部用の振分テーブルのいずれであっても、大当たり当選となった場合に確変大当たり結果となる確率は、同一となっている。つまり、第1結果表示部用の振分テーブルでは、2R確変大当たり結果及び15R確変大当たり結果に割り当てられている大当たり種別カウンタC2の値の数は、20個となっている。また、第2結果表示部用の振分テーブルでは、15R確変大当たり結果に割り当てられている大当たり種別カウンタC2の値の数は、20個となっている。したがって、開閉実行モードの終了後に当否抽選モードが高確率モードとなる確率は、上作動口33への入賞に基づいて大当たり当選となった場合と、下作動口34への入賞に基づいて大当たり当選となった場合とで同一となっている(具体的には、2/3)。
但し、下作動口34への入賞に基づいて大当たり当選となり且つ確変大当たり結果が発生する場合、必ず15R確変大当たり結果となるのに対して、上作動口33への入賞に基づいて大当たり当選となり且つ確変大当たり結果となる場合、4/10の確率で2R確変大当たり結果となり、6/10の確率で15R確変大当たり結果となる。つまり、確変大当たり結果のうち遊技者にとって最も有利度合いが高い15R確変大当たり結果の発生確率は、下作動口34への入賞に基づいて大当たり当選となった場合の方が、上作動口33への入賞に基づいて大当たり当選となった場合よりも高くなる。
なお、当否抽選において外れ結果となった場合、開閉実行モードに移行することはなく、さらに当否抽選モード及びサポートモードの変更は発生しない。
リーチ乱数カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。リーチ乱数カウンタC3は定期的に更新され、遊技球が上作動口33又は下作動口34に入賞したタイミングでRAM204の保留球格納エリア232に格納される。より詳しくは、上作動口33に遊技球が入賞したタイミングでRAM204の第1結果表示部用保留エリアRaに格納され、下作動口34に遊技球が入賞したタイミングでRAM204の第2結果表示部用保留エリアRbに格納される。そして、ROM203のリーチ用テーブル記憶エリアに記憶されたリーチ用テーブルに基づいてリーチを発生させるか否かを決定することとしている。但し、開閉実行モードに移行する遊技回においては、MPU202では、リーチ乱数カウンタC3の値に関係なくリーチ発生の決定を行う。なお、リーチ表示の発生に対応したリーチ乱数カウンタC3の数は、各遊技状態において同一となっているが、遊技状態に応じて各々個別に設定されるものであってもよい。例えば、サポートモードが高頻度サポートモードである場合の方が、低頻度サポートモードよりも、リーチ表示の発生に対応したリーチ乱数カウンタC3の数が多く設定された構成としてもよい。
ここで、リーチ表示(リーチ状態)とは、図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)を行うことが可能な図柄表示装置40を備え、可変入賞装置32の開閉実行モードが高頻度入賞モードとなる遊技回では変動表示後の停止表示結果が特別表示結果となる遊技機において、図柄表示装置40における図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)が開始されてから停止表示結果が導出表示される前段階で、前記特別表示結果となり易い変動表示状態であると遊技者に思わせるための表示状態をいう。
換言すれば、図柄表示装置40の表示画面41に表示される複数の図柄列のうち一部の図柄列について図柄を停止表示させることで、高頻度入賞モードの発生に対応した大当たり図柄の組み合わせが成立する可能性があるリーチ図柄の組み合わせを表示し、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態のことである。
より具体的には、図柄の変動表示を終了させる前段階として、図柄表示装置40の表示画面41内の予め設定された有効ライン上に、高頻度入賞モードの発生に対応した大当たり図柄の組み合わせが成立する可能性のあるリーチ図柄の組み合わせを停止表示させることによりリーチラインを形成させ、当該リーチラインが形成されている状況下において最終停止図柄列により図柄の変動表示を行うことである。
図7の表示内容について具体的に説明すると、最初に上段の図柄列Z1において図柄の変動表示が終了され、さらに下段の図柄列Z3において図柄の変動表示が終了された状態において、いずれかの有効ラインL1〜L5に同一の数字が付された主図柄が停止表示されることでリーチラインが形成され、当該リーチラインが形成されている状況化において中段の図柄列Z2において図柄の変動表示が行われることでリーチ表示となる。そして、高頻度入賞モードが発生する場合には、リーチラインを形成している主図柄と同一の数字が付された主図柄がリーチライン上に停止表示されるようにして中段の図柄列Z2における図柄の変動表示が終了される。
また、リーチ表示には、上記のようにリーチ図柄の組み合わせを表示した状態で、残りの図柄列において図柄の変動表示を行うとともに、その背景画面において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものや、リーチ図柄の組み合わせを縮小表示させる又は非表示とした上で、表示画面41の略全体において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものが含まれる。また、リーチ表示が行われている場合又はリーチ表示の前に所定のキャラクタといった所定画像を用いた予告表示を行うか否かの決定を、リーチ乱数カウンタC3やその他のカウンタを用いて行うようにしてもよい。
変動種別カウンタCSは、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCSは、メイン表示部43の第1結果表示部AS及び第2結果表示部BSにおける変動表示時間と、図柄表示装置40における図柄の変動表示時間とをMPU202において決定する上で用いられる。変動種別カウンタCSは、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、第1結果表示部AS又は第2結果表示部BSにおける変動表示の開始時及び図柄表示装置40による図柄の変動開始時における変動パターン決定に際して変動種別カウンタCSのバッファ値が取得される。
電動役物開放カウンタC4は、例えば、0〜249の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。電動役物開放カウンタC4は定期的に更新され、スルーゲート35に遊技球が入賞したタイミングでRAM204の電役保留エリア233に格納される。そして、所定のタイミングにおいて、その格納された電動役物開放カウンタC4の値によって電動役物34aを開放状態に制御するか否かの抽選が行われる。例えば、C4=0〜199であれば、電動役物34aを開放状態に制御し、C4=200〜249であれば、電動役物34aを開放状態に制御しない。
既に説明したように、MPU202では、少なくとも変動種別カウンタCSのバッファ値を用いて、第1結果表示部AS及び第2結果表示部BSにおける変動表示時間が決定されるが、その決定に際してはROM203の変動表示時間テーブル記憶エリア223が用いられる。また、MPU202では、実行エリアAEに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値及び大当たり種別カウンタC2の値を用いて、第1結果表示部AS及び第2結果表示部BSにおける停止結果が決定されるが、その決定に際してはROM203の停止結果テーブル記憶エリア224が用いられる。
<保留球格納エリア232の構成>
次に、保留球格納エリア232の構成を説明する。
第1結果表示部用保留エリアRaは、上作動口33への遊技球の入賞履歴に合わせて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を時系列的に格納するための保留エリアである。また、第2結果表示部用保留エリアRbは、下作動口34への遊技球の入賞履歴に合わせて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を時系列的に格納するための保留エリアである。ここで、第1結果表示部用保留エリアRa及び第2結果表示部用保留エリアRbは、同一の構成となっているため、以下には、両保留エリアRa,Rbのうち第1結果表示部用保留エリアRaの構成について説明する。
第1結果表示部用保留エリアRaは、第1エリア〜第4エリアの4つの記憶エリアと、保留数記憶領域とより構成されている。各記憶エリアは、大当たり乱数カウンタC1の値を格納するためのC1記憶領域と、大当たり種別カウンタC2の値を格納するためのC2記憶領域と、リーチ乱数カウンタC3の値を格納するためのC3記憶領域とより構成されている。この第1エリア〜第4エリアの4つの記憶エリアにより、上作動口33への遊技球の入賞履歴が最大4個まで保留記憶されるようになっている。保留数記憶領域は、記憶エリアの使用数、すなわち上作動口33に遊技球が入賞して保留された個数を記憶するための記憶領域である。
また、保留球格納エリア232には、第1結果表示部用保留エリアRaにおける保留数と第2結果表示部用保留エリアRbにおける保留数との和の数の情報を記憶するための総保留数記憶領域が設けられている。
図8に示す実行エリアAEは、各結果表示部AS,BSの変動表示を開始する際に、第1結果表示部用保留エリアRa又は第2結果表示部用保留エリアRbの記憶エリアに格納された各値を移動させるためのエリアである。
<主制御装置81にて実行される各種処理について>
次に、主制御装置81内のMPU202にて各遊技回での遊技を進行させる上で実行されるタイマ割込み処理及び通常処理を説明する。なお、MPU202では、上記タイマ割込み処理及び通常処理の他に、電源投入に伴い起動されるメイン処理及びNMI端子(ノンマスカブル端子)への停電信号の入力により起動されるNMI割込み処理とが実行されるが、これらの処理については説明を省略する。
<タイマ割込み処理>
先ず、タイマ割込み処理について、図10のフローチャートを参照しながら説明する。本処理はMPU202により定期的に(例えば2msec周期で)起動される。
ステップS101では、各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する。すなわち、主制御装置81に接続されている各種スイッチの状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。
その後、ステップS102では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントすると共に、そのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM204の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS103では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4の更新を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4をそれぞれ1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が最大値に達した際それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM204の該当するバッファ領域に格納する。
その後、ステップS104にて、作動口33,34への入賞に伴う作動口用の入賞処理を実行し、さらにステップS105にて、スルーゲート35への入賞に伴うスルー用の入賞処理を実行する。
スルー用の入賞処理では、先ず遊技球がスルーゲート35に入賞したか否かを判定する。遊技球がスルーゲート35に入賞したと判定した場合には、役物保留記憶数SNが上限値(本実施の形態では4)未満であるか否かを判定する。一方、スルーゲート35に遊技球が入賞したと判定されなかった場合又は役物保留記憶数SNの値が上限値以上と判定された場合には電動役物開放カウンタC4の値を格納することなく、本入賞処理を終了する。
遊技球がスルーゲート35に入賞し且つ役物保留記憶数SN<4である場合には、役物保留記憶数SNを1インクリメントする。そして、電動役物開放カウンタC4の値をRAM204の電役保留エリア233の空き記憶エリアのうち最初のエリアに格納し、本入賞処理を終了する。
なお、スルー用の入賞処理では、第3保留ランプ部47を点灯させるための処理を実行する。第3保留ランプ部47は左側から順次点灯されるようになっており、例えば役物保留記憶数SNが1であれば左端の第3保留ランプ部47が点灯され、役物保留記憶数SNが4であれば全ての第3保留ランプ部47が点灯されるようになっている。
このように、スルー用の入賞処理を実行した後、本タイマ割込み処理を終了する。
ステップS104における作動口用の入賞処理及びステップS105におけるスルー用の入賞処理について以下に説明する。
<作動口用の入賞処理>
先ず、作動口用の入賞処理について図11のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS201では、遊技球が上作動口33に入賞(始動入賞)したか否かを上作動口33に対応した検知センサの検知状態により判定する。遊技球が上作動口33に入賞したと判定すると、ステップS202では、払出制御装置97に遊技球を3個払い出させるための賞球コマンドをセットする。続くステップS203では、上作動口33に遊技球が入賞したことを遊技ホール側の管理制御装置に対して信号出力すべく、外部信号設定処理を行う。ステップS204では、第1結果表示部用保留エリアRaの保留数記憶領域に格納された値を読み出し、当該第1結果表示部用保留エリアRaに保留記憶されている始動保留記憶数RaNをセットする(以下、第1始動保留記憶数RaNともいう)。その後、ステップS205では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を格納する情報取得処理を行い、本入賞処理を終了する。
ステップS201にて遊技球が上作動口33に入賞していないと判定した場合、ステップS206では、遊技球が下作動口34に入賞(始動入賞)したか否かを下作動口34に対応した検知センサの検知状態により判定する。遊技球が下作動口34に入賞したと判定すると、ステップS207にて払出制御装置97に遊技球を4個払い出させるための賞球コマンドをセットする。続くステップS208では、下作動口34に遊技球が入賞したことを遊技ホール側の管理制御装置に対して信号出力すべく、外部信号設定処理を行う。ステップS209では、第2結果表示部用保留エリアRbの保留数記憶領域に格納された値を読み出し、当該第2結果表示部用保留エリアRbに保留記憶されている始動保留記憶数RbNをセットする(以下、第2始動保留記憶数RbNともいう)。その後、ステップS205にて情報取得処理を行い、本入賞処理を終了する。
一方、ステップS201,ステップS206が共にNOの場合、すなわち上作動口33,下作動口34のいずれにも遊技球が入賞しなかった場合には、そのまま本入賞処理を終了する。
なお、上記ステップS202,S207にてセットした賞球コマンドは、後述する通常処理の外部出力処理S501にて払出制御装置97に対して送信される。
ここで、ステップS205の情報取得処理を図12のフローチャートにより詳細に説明する。
先ずステップS301では、上述したステップS204又はステップS209にてセットした始動保留記憶数N(RaN又はRbN)が上限値(本実施の形態では4)未満であるか否かを判定する。始動保留記憶数Nが上限値である場合にはそのまま本情報取得処理を終了し上限値未満である場合には、ステップS302にて対応する結果表示部用保留エリアの始動保留記憶数Nを1インクリメントするとともに、ステップS303にて総保留数記憶領域に格納された値(以下、共通保留数CRNと言う)を1インクリメントする。
続くステップS304では、前記ステップS103にて更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を、対応する結果表示部用保留エリアの空き記憶領域エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち上記ステップS302にて1インクリメントした保留記憶数と対応する記憶エリアに格納する。
つまり、第1始動保留記憶数RaNがセットされている場合には、前記ステップS103にて更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を、第1結果表示部用保留エリアRaの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち上記ステップS302にて1インクリメントした第1始動保留記憶数RaNと対応する記憶エリアに格納する。
また、第2始動保留記憶数RbNがセットされている場合には、前記ステップS103にて更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を、第2結果表示部用保留エリアRbの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち上記ステップS302にて1インクリメントした第2始動保留記憶数RbNと対応する記憶エリアに格納する。
続くステップS305では、上作動口33又は下作動口34への入賞が発生したことをサブ側の制御装置である音声ランプ制御装置82及び表示制御装置212に認識させる保留コマンドの設定処理を実行する。
なお、ステップS305の処理により設定された保留コマンドは、後述する通常処理の外部出力処理(ステップS401)にて音声ランプ制御装置82に送信される。音声ランプ制御装置82では、上作動口33への入賞に基づき送信された保留コマンドを受信した場合には、第1保留ランプ部45を点灯させるための処理を実行する。第1保留ランプ部45は左側から順次点灯されるようになっており、例えば第1始動保留記憶数RaNが1であれば左端の第1保留ランプ部45が点灯され、第1始動保留記憶数RaNが4であれば全ての第1保留ランプ部45が点灯されるようになっている。また、下作動口34への入賞に基づき送信された保留コマンドを受信した場合には、第2保留ランプ部46を点灯させるための処理を実行する。第2保留ランプ部46は左側から順次点灯されるようになっており、例えば第2始動保留記憶数RbNが1であれば左端の第2保留ランプ部46が点灯され、第2始動保留記憶数RbNが4であれば全ての第2保留ランプ部46が点灯されるようになっている。
<通常処理>
次に、通常処理の流れを図13のフローチャートを参照しながら説明する。通常処理は電源投入に伴い起動されるメイン処理が実行された後に開始される処理であり、通常処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、ステップS401〜S407の処理が4msec周期の定期処理として実行され、その残余時間でステップS408,S509のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
通常処理において、ステップS401では、タイマ割込み処理又は前回の通常処理で設定したコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置に送信する。具体的には、賞球コマンドの有無を判定し、賞球コマンドが設定されていればそれを払出制御装置97に対して送信する。また、変動用コマンド、種別コマンド、変動終了コマンド等の演出用コマンドが設定されている場合にはそれを音声ランプ制御装置82に対して送信する。
次に、ステップS402では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSを1インクリメントすると共に、カウンタ値が最大値に達した際にはカウンタ値を0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM204の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS403では、払出制御装置97より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込む。その後、ステップS404では、各遊技回における遊技を制御するための遊技回制御処理を実行する。この遊技回制御処理では、大当たり判定、図柄表示装置40による図柄の変動表示の設定、変動表示を行う側の結果表示部AS,BSの表示制御などを行う。遊技回制御処理の詳細は後述する。
その後、ステップS405では、遊技状態を移行させるための遊技状態移行処理を実行する。詳細は後述するが、この遊技状態移行処理により、遊技状態が開閉実行モード、高確率モード、高頻度サポートモードなどに移行する。
ステップS406では、下作動口34に設けられた電動役物34aを駆動制御するための電役サポート用処理を実行する。この電役サポート用処理では、電動役物34aを開放状態とするか否かの判定、役物用表示部44の表示制御などを行う。電役サポート用処理の詳細は後述する。
続くステップS407では、次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本実施の形態では4msec)が経過したか否かを判定する。そして、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新を繰り返し実行する(ステップS408,S509)。つまり、ステップS408では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントするとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM204の該当するバッファ領域に格納する。また、ステップS409では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSを1インクリメントするとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM204の該当するバッファ領域に格納する。
ここで、ステップS401〜S406の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINIの更新を繰り返し実行することにより、乱数初期値カウンタCINI(すなわち、大当たり乱数カウンタC1の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCSについてもランダムに更新することができる。
<遊技回制御処理>
次に、ステップS404の遊技回制御処理を図14〜図21のフローチャートを参照して説明する。
図14に示す遊技回制御処理では、先ずステップS501にて、開閉実行モード中か否かを判定する。具体的には、RAM204の各種フラグ格納エリア235における開閉実行モードフラグ格納エリア(開閉実行状態情報記憶手段)に開閉実行モードフラグ(開閉実行状態情報)が格納されているか否かを判定する。当該開閉実行モードフラグは、後述する遊技状態移行処理にて遊技状態を開閉実行モードに移行させる場合に格納され、同じく遊技状態移行処理にて開閉実行モードを終了させる場合に消去される。
開閉実行モード中である場合には、ステップS502以降の処理、すなわちステップS503〜ステップS505の遊技回開始用処理及びステップS506〜ステップS509の遊技回進行用処理のいずれも実行することなく、本遊技回制御処理を終了する。つまり、開閉実行モード中である場合には、作動口33,34への入賞が発生しているか否かに関係なく、遊技回が開始されることはない。
開閉実行モード中でない場合には、ステップS502にて、メイン表示部43が変動表示中であるか否かを判定する。具体的には、第1結果表示部AS又は第2結果表示部BSのいずれか一方が変動表示中であるか否かを判定する。なお、この判定は、RAM204の各種フラグ格納エリア235における変動表示中フラグ格納エリア(変動表示中情報記憶手段)に変動表示中フラグ(変動表示中情報)が格納されているか否かを判定することにより行う。変動表示中フラグは、第1結果表示部AS又は第2結果表示部BSのいずれか一方について変動表示を開始させる場合に格納され、その変動表示が終了する場合に消去される。
メイン表示部43が変動表示中でない場合には、ステップS503〜ステップS505の遊技回開始用処理に進む。遊技回開始用処理では、先ずステップS503にて、共通保留数CRNが「0」か否かを判定する。共通保留数CRNが「0」である場合とは、上作動口33及び下作動口34のいずれについても始動保留記憶数が「0」であることを意味する。したがって、そのまま遊技回制御処理を終了する。共通保留数CRNが「0」でない場合には、ステップS504にて第1結果表示部用保留エリアRa又は第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されているデータを変動表示用に設定するためのデータ設定処理を実行し、さらにステップS505にてメイン表示部43における変動表示及び図柄表示装置40における変動表示を開始させるための変動開始処理を実行した後に、本遊技回制御処理を終了する。
ここで、ステップS504のデータ設定処理及びステップS505の変動開始処理について、以下に詳細に説明する。
先ず、データ設定処理について、図15のフローチャートを参照して説明する。
データ設定処理では、先ずステップS601にて、第2結果表示部用保留エリアRbに保留記憶されている第2始動保留記憶数RbNが「0」か否かを判定する。第2始動保留記憶数RbNが「0」である場合にはステップS602〜ステップS607の第1結果表示部用のデータ設定処理を実行し、第2始動保留記憶数RbNが「0」でない場合にはステップS608〜ステップS613の第2結果表示部用のデータ設定処理を実行する。
ここで、データ設定処理が実行される場合とは、既に説明したように、共通保留数CRNが1以上である場合である。この場合に、データ設定処理では、第2始動保留記憶数RbNが「0」であるか否かを判定し、「0」でない場合、すなわち第2結果表示部BSについて変動表示用の保留情報が記憶されている場合には、第1始動保留記憶数RaNが1以上であるか否かに関係なく、第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されているデータを変動表示用として設定するようにした。これにより、第1結果表示部用保留エリアRa及び第2結果表示部用保留エリアRbの両方に保留情報が記憶されている場合には、下作動口34に対応した第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されている保留情報が優先されることとなる。
第1結果表示部用のデータ設定処理では、先ずステップS602にて、第1結果表示部用保留エリアRaの第1始動保留記憶数RaNを1ディクリメントする。続くステップS603では共通保留数CRNを1ディクリメントする。その後、ステップS604では、第1結果表示部用保留エリアRaの第1エリアに格納されたデータを実行エリアAEに移動する。
その後、ステップS605にて第1結果表示部用保留エリアRaの記憶エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1〜第4エリアに格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理であって、第1エリアのデータをクリアすると共に、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
続くステップS606では、RAM204の各種フラグ格納エリア235に設けられた第2結果表示部フラグ格納エリア(第2結果表示部情報記憶手段)に第2結果表示部フラグ(第2結果表示部情報)が記憶されている場合には、それを消去し、記憶されていない場合にはその状態を維持する。第2結果表示部フラグは、今回の変動表示の開始が第1結果表示部AS又は第2結果表示部BSのいずれであるかを特定するための情報である。
続くステップS607では、保留エリアのデータのシフトが行われたことをサブ側の制御装置である音声ランプ制御装置82に認識させるための情報であるシフト時コマンド(シフト発生情報)を設定する。この場合、ROM203のコマンド情報記憶エリア225から、今回のデータのシフトの対象となった保留エリアが、第1結果表示部用保留エリアRaに対応していることの情報、すなわち上作動口33に対応していることの情報を含むシフト時コマンドを選定し、その選定したシフト時コマンドを音声ランプ制御装置82への送信対象のコマンドとして設定する。その後、本データ設定処理を終了する。
ステップS607にて設定されたシフト時コマンドは、通常処理(図13)におけるステップS401にて、音声ランプ制御装置82に送信される。音声ランプ制御装置82では、受信したシフト時コマンドに基づいて、可変表示ユニット36の第1保留ランプ部45における表示を保留個数の減少に対応させて変更するための処理を実行する。
第2結果表示部用のデータ設定処理では、先ずステップS608にて、第2結果表示部用保留エリアRbの第2始動保留記憶数RbNを1ディクリメントする。続くステップS609では共通保留数CRNを1ディクリメントする。その後、ステップS610では、第2結果表示部用保留エリアRbの第1エリアに格納されたデータを実行エリアAEに移動する。
その後、ステップS611にて第2結果表示部用保留エリアRbの記憶エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1〜第4エリアに格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理であって、第1エリアのデータをクリアすると共に、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
続くステップS612では、RAM204の各種フラグ格納エリア235に設けられた第2結果表示部フラグ格納エリア(第2結果表示部情報記憶手段)に第2結果表示部フラグ(第2結果表示部情報)が記憶されていない場合には第2結果表示部フラグを格納し、記憶されている場合にはその状態を維持する。
続くステップS613では、保留エリアのデータのシフトが行われたことをサブ側の制御装置である音声ランプ制御装置82に認識させるための情報であるシフト時コマンド(シフト発生情報)を設定する。この場合、ROM203のコマンド情報記憶エリア225から、今回のデータのシフトの対象となった保留エリアが第2結果表示部用保留エリアRbに対応していることの情報、すなわち下作動口34に対応していることの情報を含むシフト時コマンドを選定し、その選定したシフト時コマンドを音声ランプ制御装置82への送信対象のコマンドとして設定する。その後、本データ設定処理を終了する。
ステップS613にて設定されたシフト時コマンドは、通常処理(図13)におけるステップS401にて、音声ランプ制御装置82に送信される。音声ランプ制御装置82では、受信したシフト時コマンドに基づいて、可変表示ユニット36の第2保留ランプ部46における表示を、保留個数の減少に対応させて変更するための処理を実行する。
次に、変動開始処理について、図16のフローチャートを参照して説明する。
変動開始処理では、先ずステップS701にて、当否抽選モードが高確率モードであるか否かを判定する。具体的には、RAM204の各種フラグ格納エリア235に設けられた高確率モードフラグ格納エリア(高確率状態情報記憶手段)に高確率モードフラグ(高確率状態情報)が格納されているか否かを判定する。高確率モードフラグは、確変大当たり結果の発生に係る開閉実行モードの終了に際して格納され、その後に通常大当たり結果が発生した場合に消去されるフラグである。
高確率モードでない場合には、ステップS702にて低確率モード用の当否テーブルを参照して当否判定を行う。具体的には、実行エリアAEに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値が、低確率モード用の当否テーブルにおいて大当たり当選として設定されている値と一致しているか否かを判定する。一方、高確率モードである場合には、ステップS703にて高確率モード用の当否テーブルを参照して当否判定を行う。具体的には、実行エリアAEに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値が、高確率モード用の当否テーブルにおいて大当たり当選として設定されている値と一致しているか否かを判定する。
ステップS702又はステップS703の処理の後は、ステップS704にて、ステップS702又はステップS703における抽選の結果が大当たり当選であるか否かを判定する。大当たり当選である場合には、ステップS705〜ステップS711において、大当たり当選である場合における遊技結果を設定するための処理及び停止結果を設定するための処理などを実行する。
ステップS705では、RAM204に第2結果表示部フラグが格納されているか否かを判定する。第2結果表示部フラグが格納されていない場合には、ステップS706にて第1結果表示部用の振分テーブル(図9(a)参照)を参照して振分判定を行う。具体的には、実行エリアAEに格納されている大当たり種別カウンタC2の値が、通常大当たり結果の数値範囲、2R確変大当たり結果の数値範囲、15R確変大当たり結果の数値範囲のいずれに含まれているかを判定する。
一方、第2結果表示部フラグが格納されている場合には、ステップS707にて第2結果表示部用の振分テーブル(図9(b)参照)を参照して振分判定を行う。具体的には、実行エリアAEに格納されている大当たり種別カウンタC2の値が、通常大当たり結果の数値範囲、15R確変大当たり結果の数値範囲のいずれに含まれているかを判定する。
ステップS706又はステップS707の処理の後は、ステップS708にて、ステップS706又はステップS707において振り分けた遊技結果が確変大当たり結果であるか否かを判定する。確変大当たり結果である場合には、ステップS709にて、確変大当たり結果が発生することとなる今回の遊技回において第1結果表示部AS又は第2結果表示部BSにいずれの停止結果を表示した状態で変動表示を終了させるかを設定するための確変大当たり用の停止結果設定処理を実行する。
確変大当たり用の停止結果設定処理では、先ずステップS706又はステップS707において振り分けた遊技結果が15R確変大当たり結果であるか否かを判定する。ここで、既に説明したように、第1結果表示部用の振分テーブルには、確変大当たり結果として、2R確変大当たり結果及び15R確変大当たり結果の2種類の遊技結果が設定されているが、第2結果表示部用の振分テーブルには、確変大当たり結果として、15R確変大当たり結果の1種類のみが設定されている。したがって、今回の遊技回が上作動口33への遊技球の入賞に基づくものであり、第1結果表示部用の振分テーブルにおいて遊技結果の振分が行われた遊技回である場合には、否定判定をする場合もあれば、肯定判定をする場合もある。一方、今回の遊技回が下作動口34への遊技球の入賞に基づくものであり、第2結果表示部用の振分テーブルにおいて遊技結果の振分が行われた遊技回である場合には、必ず肯定判定をする。
振り分けた遊技結果が2R確変大当たり結果である場合には、停止結果テーブル記憶エリア224における2R確変用の停止結果テーブルを参照して、実行エリアAEに格納されている大当たり種別カウンタC2の値に対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、そのアドレス情報をRAM204の停止結果アドレス記憶エリアに格納する。その後、RAM204の各種フラグ格納エリア235における2R確変フラグ格納エリア(高確率対応情報記憶手段)に2R確変フラグ(高確率対応情報)を格納した後に、本停止結果設定処理を終了する。
一方、振り分けた遊技結果が15R確変大当たりである場合には、停止結果テーブル記憶エリア224における15R確変用の停止結果テーブルを参照して、実行エリアAEに格納されている大当たり種別カウンタC2の値に対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、そのアドレス情報をRAM204の停止結果アドレス記憶エリアに格納する。その後、RAM204の各種フラグ格納エリア235における15R確変フラグ格納エリア(高確率対応特別情報記憶手段)に15R確変フラグ(高確率対応特別情報)を格納した後に、本停止結果設定処理を終了する。
変動開始処理(図16)の説明に戻り、ステップS709の処理を実行した後は、ステップS713に進む。一方、ステップS706又はステップS707において振り分けた遊技結果が確変大当たり結果でない場合には、ステップS708にて否定判定をし、ステップS710に進む。ステップS710では、停止結果テーブル記憶エリア224における通常大当たり用の停止結果テーブルを参照して、実行エリアAEに格納されている大当たり種別カウンタC2の値に対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、そのアドレス情報をRAM204の停止結果アドレス記憶エリアに格納する。その後、ステップS711にて、RAM204の各種フラグ格納エリア235における通常大当たりフラグ格納エリア(低確率対応特別情報記憶手段)に通常大当たりフラグ(低確率対応特別情報)を格納した後に、本停止結果設定処理を終了する。その後、ステップS713に進む。
また、ステップS702又はステップS703における抽選の結果が大当たり当選でない場合には、ステップS704にて否定判定をし、ステップS712に進む。ステップS712では、外れ結果となる今回の遊技回において第1結果表示部AS又は第2結果表示部BSにいずれの停止結果を表示した状態で変動表示を終了させるかを設定するための外れ時用の停止結果設定処理を実行する。当該外れ時用の停止結果設定処理では、停止結果テーブル記憶エリア224における外れ時用の停止結果テーブルを参照して、実行エリアAEに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値に対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、そのアドレス情報をRAM204の停止結果アドレス記憶エリアに格納する。その後、ステップS713に進む。
ステップS713では、第1結果表示部AS又は第2結果表示部BSにおける今回の遊技回の変動表示時間を設定するための変動表示時間の設定処理を実行する。変動表示時間の設定処理について、図21のフローチャートを参照しながら説明する。
変動表示時間の設定処理では、先ずステップS1001にて、RAM204の抽選カウンタ用バッファ231における変動種別カウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCSの値を取得し、MPU202のレジスタに記憶する。
続くステップS1002では、今回の遊技回において図柄表示装置40にてリーチ表示が発生するか否かを判定する。具体的には、RAM204に、いずれかの確変大当たりフラグ又は通常大当たりフラグが格納されているか否かを判定する。いずれかのフラグが格納されている場合には、リーチ表示の発生として、ステップS1002にて肯定判定をする。また、上記各フラグのいずれもが格納されていない場合であっても、実行エリアAEに格納されているリーチ乱数カウンタC3の値がリーチ発生に対応した値である場合には、リーチ表示の発生として、ステップS1002にて肯定判定をする。なお、リーチ乱数カウンタC3の値を用いたリーチ発生の有無の特定に際しては、ROM203のリーチ判定用テーブル記憶エリアに記憶されているリーチ判定用テーブルを参照する。
ステップS1002にて肯定判定をした場合には、ステップS1003にてROM203の変動表示時間テーブル記憶エリア223に記憶されているリーチ発生用変動表示時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動表示時間情報を取得し、ステップS1004にて、その変動表示時間情報をRAM204の各種カウンタエリア234に設けられた変動表示時間カウンタエリア(変動表示時間計測手段)にセットする。その後、本設定処理を終了する。
一方、ステップS1002にて否定判定をした場合には、ステップS1005にて変動表示時間テーブル記憶エリア223に記憶されているリーチ非発生用変動表示時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動表示時間を取得し、ステップS1006にて、その変動表示時間情報を上記変動表示時間カウンタエリアにセットする。その後、本設定処理を終了する。
なお、リーチ非発生時における変動表示時間情報は、共通保留数CRNの数が多いほど変動表示時間が短くなるように設定されている。但し、これに限定されることはなく、例えば、共通保留数CRNの数に依存しない構成としてもよく、共通保留数CRNの数が少ないほど変動表示時間が短くなるように設定されていてもよい。また、第2始動保留記憶数RbNが「0」である場合には、第1始動保留記憶数RaNの数が多いほど変動表示時間が短くなり、第2始動保留記憶数RbNが「1」以上である場合には、第2始動保留記憶数RbNの数が多いほど変動表示時間が短くなるように設定されていてもよい。また、第2始動保留記憶数RbNが「0」である場合には、第1始動保留記憶数RaNの数が多いほど変動表示時間が短くなり、第2始動保留記憶数RbNが「1」以上である場合には、第2始動保留記憶数RbNの数が多いほど変動表示時間が長くなる又は各保留記憶数RaN,RbNに依存することなく一定となるように設定されていてもよい。
また、サポートモードが高頻度サポートモードである状況においては低頻度サポートモードである状況よりも、保留情報の数が同一である場合で比較して、短い変動表示時間が選択されるようにリーチ非発生用変動表示時間テーブルが設定されているが、これに限定されることはなく、選択される変動表示時間が同一であってもよく、上記の関係とは逆であってもよい。
さらには、リーチ発生時における変動表示時間に対して、上記構成を適用してもよく、大当たり当選時と外れリーチ時とで選択され易い変動表示時間と選択され難い変動表示時間とが異なっている構成としてもよい。また、確変大当たり用の変動表示時間テーブル、通常大当たり用の変動表示時間テーブル、外れリーチ用の変動表示時間テーブル及び完全外れ用の変動表示時間テーブルがそれぞれ個別に設定されている構成としてもよい。
以上のとおり、各遊技回の変動表示時間は、リーチ発生の有無、保留情報の数及び変動種別カウンタの値をパラメータとして決定される。但し、各遊技回の変動表示時間は、他の保留情報の内容、具体的には、他の保留情報に含まれる大当たり判定用の情報、種別判定用の情報及びリーチ判定用の情報をパラメータとすることなく決定される。
変動開始処理(図16)の説明に戻り、ステップS713の後は、ステップS714にて、RAM204に第2結果表示部フラグが格納されているか否かを判定する。第2結果表示部フラグが格納されていない場合には、ステップS715にて、第1変動用コマンドを設定する。第1変動用コマンドには、今回の遊技回が上作動口33への入賞に基づき取得された保留情報に係るものであることを示す情報が含まれているとともに、リーチ発生の有無の情報及び変動表示時間の情報が含まれている。一方、第2結果表示部フラグが格納されている場合には、ステップS716にて、第2変動用コマンドを設定する。第2変動用コマンドには、今回の遊技回が下作動口34への入賞に基づき取得された保留情報に係るものであることを示す情報が含まれているとともに、リーチ発生の有無の情報及び変動表示時間の情報が含まれている。
ステップS715又はステップS716の処理を実行した後は、ステップS717にて種別コマンドを設定する。種別コマンドには、遊技結果の情報が含まれる。つまり、種別コマンドには、遊技結果の情報として、2R確変大当たり結果の情報、15R確変大当たり結果の情報、通常大当たり結果の情報などが含まれる。
ステップS715〜ステップS717にて設定された変動用コマンド及び種別コマンドは、通常処理(図13)におけるステップS401にて、音声ランプ制御装置82に送信される。音声ランプ制御装置82では、受信した変動用コマンド及び種別コマンドに基づいて、その遊技回における演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。また、音声ランプ制御装置82では、その受信した変動用コマンド及び種別コマンドをそのまま表示制御装置212に送信する。表示制御装置212では、変動用コマンド及び種別コマンド等に基づいて、各遊技回に対応した図柄の変動表示が行われるように図柄表示装置40を表示制御する。
その後、ステップS718にて、第1結果表示部AS及び第2結果表示部BSのうち、今回の遊技回に対応した結果表示部において絵柄の変動表示を開始させる。この場合、RAM204に第2結果表示部フラグが格納されていない場合には、今回の遊技回に対応した結果表示部が第1結果表示部ASであると特定し、第2結果表示部フラグが格納されている場合には、今回の遊技回に対応した結果表示部が第2結果表示部BSであると特定する。その後、本変動開始処理を終了する。
遊技回制御処理(図14)の説明に戻り、メイン表示部43が変動表示中である場合には、ステップS506〜ステップS509の遊技回進行用処理を実行する。遊技回進行用処理では、先ずステップS506にて、今回の遊技回の変動表示時間が経過したか否かを判定する。具体的には、RAM204の変動表示時間カウンタエリアに格納されている変動表示時間情報の値が「0」となったか否かを判定する。当該変動表示時間情報の値は、上述したように、変動表示時間の設定処理(図21)においてセットされる。また、このセットされた変動表示時間情報の値は、タイマ割込み処理(図10)が起動される度に、1ディクリメントされる。
変動表示時間が経過していない場合には、ステップS507にて変動表示用処理を実行する。変動表示用処理では、今回の遊技回に係る結果表示部における表示態様を変更する。その後、本遊技回制御処理を終了する。
変動表示時間が経過している場合には、ステップS508にて変動終了処理を実行する。変動終了処理では、上記ステップS709,ステップS710又はステップS712のいずれかの処理にてRAM204に記憶したアドレス情報を特定し、そのアドレス情報に対応した絵柄の態様が今回の遊技回に係る結果表示部にて表示されるように当該結果表示部を表示制御する。
続くステップS509では、変動終了コマンドを設定する。その後、本遊技回制御処理を終了する。ステップS509にて設定された変動終了コマンドは、通常処理(図13)におけるステップS401にて、音声ランプ制御装置82に送信される。音声ランプ制御装置82では、受信した変動終了コマンドに基づいて、その遊技回における演出を終了させる。また、当該変動終了コマンドは、音声ランプ制御装置82から表示制御装置212に送信され、表示制御装置212では当該変動終了コマンドを受信することにより、その遊技回における最終停止図柄の組み合わせを確定表示(最終停止表示)させる。
<遊技状態移行処理>
次に、ステップS405の遊技状態移行処理を図17及び図18のフローチャートを参照して説明する。
図17に示す遊技状態移行処理では、先ずステップS801にて、開閉実行モード中か否かを判定する。開閉実行モード中でない場合にはステップS802に進み、1の遊技回の第1結果表示部AS又は第2結果表示部BSにおける絵柄の変動表示が終了したタイミングか否かを判定する。変動表示が終了したタイミングでない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
変動表示が終了したタイミングである場合には、ステップS803にて、今回の遊技回の遊技結果が開閉実行モードへの移行に対応したものであるか否かを判定する。具体的には、RAM204に、2R確変フラグ、15R確変フラグ又は通常大当たりフラグのいずれかが格納されているか否かを判定する。上記各フラグのいずれもが格納されていない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
上記各フラグのいずれかが格納されている場合には、ステップS804にて、今回の開閉実行モードの種別を報知するためのラウンド表示の開始処理を実行する。当該ラウンド表示の開始処理では、先ず、RAM204の停止結果アドレス記憶エリアに格納されているアドレス情報を確認する。そして、ROM203に記憶されている停止結果データ群の中から、上記アドレス情報に対応した停止結果データを特定するとともに、その特定した停止結果データからラウンド回数の内容を確認する。その後、その確認したラウンド回数の内容を、メイン表示部43におけるラウンド表示部RSに出力する。これにより、ラウンド表示部RSでは上記出力に係るラウンドの情報が表示される。
続くステップS805では、今回の開閉実行モードが高頻度入賞モードであるか否かを判定する。具体的には、RAM204に、15R確変フラグ又は通常大当たりフラグのいずれかが格納されているか否かを判定する。高頻度入賞モードでない場合、すなわち低頻度入賞モードである場合には、ステップS806にて、RAM204の各種カウンタエリア234に設けられた第1ラウンドカウンタエリアRC1に、「2」をセットする。第1ラウンドカウンタエリアRC1は、大入賞口32aが開放された回数をカウントするためのカウンタエリアである。一方、高頻度入賞モードである場合には、ステップS807にて、第1ラウンドカウンタエリアRC1に、「15」をセットする。
ステップS806又はステップS807の処理を実行した後は、ステップS808にてオープニングコマンドを設定する。この設定されたオープニングコマンドは、通常処理(図13)におけるステップS401にて、音声ランプ制御装置82に送信される。このオープニングコマンドには、高頻度入賞モード又は低頻度入賞モードのいずれであるかの情報が含まれる。音声ランプ制御装置82では、受信したオープニングコマンドに基づいて、開閉実行モードに対応した演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。また、当該オープニングコマンドは、音声ランプ制御装置82から表示制御装置212に送信され、表示制御装置212では当該オープニングコマンドを受信することにより、今回の開閉実行モードに対応した表示(例えば、動画表示)が行われるように図柄表示装置40を表示制御する。ステップS809の処理を実行した後に、本遊技状態移行処理を終了する。
一方、開閉実行モード中でない場合には、ステップS801にて肯定判定をし、ステップS809にて大入賞口開閉処理を実行する。大入賞口開閉処理では、大入賞口32aが閉鎖中である場合には、第1ラウンドカウンタエリアRC1が「1」以上であることを条件として、可変入賞駆動部32cを駆動状態とすることで大入賞口32aを開放させる。また、大入賞口32aが開放中である場合には、当該大入賞口32aの開放から開放限度時間が経過していること又は開放限度個数が入賞していることを条件として、可変入賞駆動部32cの駆動状態を停止し、大入賞口32aを閉鎖させる。なお、開放限度時間及び開放限度個数は、既に説明したように、高頻度入賞モードと低頻度入賞モードとで異なっている。
続くステップS810では、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」か否かを判定する。第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」でない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。一方、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」である場合には、ステップS811にてエンディングコマンドを設定する。この設定されたエンディングコマンドは、通常処理(図13)におけるステップS401にて、音声ランプ制御装置82に送信される。音声ランプ制御装置82では、エンディングコマンドを受信することに基づいて、開閉実行モードに対応した演出を終了させる。また、当該エンディングコマンドは、音声ランプ制御装置82から表示制御装置212に送信され、表示制御装置212では当該エンディングコマンドを受信することにより、今回の開閉実行モードに対応した表示を終了させる。
その後、ステップS812では、開閉実行モード終了時の移行処理を実行する。ここで、開閉実行モード終了時の移行処理について、図18のフローチャートを参照して説明する。
先ずステップS901にて、RAM204に、15R確変フラグ又は2R確変フラグが格納されているか否かを判定する。いずれかのフラグが格納されている場合には、ステップS902にて遊技状態を特定するための情報を消去するためのフラグ消去処理を実行する。具体的には、開閉実行モードフラグ、高確率モードフラグ、高頻度サポートフラグが格納されている場合には、それらを消去するとともに、既に格納されていない場合にはその状態を維持する。続くステップS903にて、高確率モードフラグを格納するとともに、ステップS904にて高頻度サポートフラグを格納する。これにより、遊技状態が、当否抽選モードが高確率モードであり且つサポートモードが高頻度サポートモードである遊技状態に移行する。なお、これら高確率モード及び高頻度サポートモードは少なくとも大当たり当選が次回発生するまで維持される。
続くステップS905では、サポートモードが高頻度サポートモードであることをサブ側の制御装置に認識させるための情報である高頻度サポートコマンド(高頻度サポート設定情報)を、音声ランプ制御装置82への送信対象のコマンドとして設定する。その後、本移行処理を終了する。
ステップS901にて、15R確変フラグ及び2R確変フラグの両方が格納されていないと判定した場合には、通常大当たりフラグが格納されていることに基づいて今回の開閉実行モードが行われたことを意味する。この場合、ステップS1206〜ステップS909の処理を実行する。つまり、ステップS906にて、上記フラグ消去処理を実行する。その後、ステップS907にて、高頻度サポートフラグを格納するとともに、ステップS908にて、RAM204の各種カウンタエリア234に設けられた遊技回数カウンタエリアに「100」をセットする。これにより、遊技状態が、当否抽選モードが低確率モードであり且つサポートモードが高頻度サポートモードである遊技状態に移行する。但し、高頻度サポートモードは遊技回が100回継続した場合に終了し、その後、当否抽選モードが低確率モードであり且つサポートモードが低頻度サポートモードである通常遊技状態に移行する。
続くステップS909では、サポートモードが高頻度サポートモードであることをサブ側の制御装置に認識させるための情報である高頻度サポートコマンド(高頻度サポート設定情報)を、音声ランプ制御装置82への送信対象のコマンドとして設定する。その後、本移行処理を終了する。
ちなみに、ステップS905又はステップS909にて設定された高頻度サポートコマンドは、通常処理(図13)におけるステップS401にて、音声ランプ制御装置82に送信される。音声ランプ制御装置82は同高頻度サポートコマンドをそのまま表示制御装置212に送信する。表示制御装置212では、高頻度サポートコマンドを受信することに基づいて、サポートモードが高頻度サポートモードであることを特定し、それに対応した処理を実行する。この高頻度サポートモードに対応した処理については、後に詳細に説明する。
遊技状態移行処理(図17)の説明に戻り、ステップS812の開閉実行モード終了時の移行処理が終了した後は、ステップS813にて、ラウンド表示の終了処理を実行する。当該処理では、メイン表示部43におけるラウンド表示部RSが消灯されるように当該ラウンド表示部RSの表示制御を終了する。
その後、ステップS814にて、開閉実行モードの終了処理を実行した後に、本遊技状態移行処理を終了する。開閉実行モードの終了処理では、2R確変フラグ、15R確変フラグ、通常大当たりフラグが格納されている場合には、それらを消去するとともに、既に格納されていない場合にはその状態を維持する。
<電役サポート用処理>
次に、ステップS406の電役サポート用処理を図19及び図25のフローチャートを参照して説明する。
図19に示すように、電役サポート用処理では先ずステップS1001にて、サポート中であるか否かを判定する。具体的には、RAM204の各種フラグ格納エリア235に設けられたサポート中フラグ格納エリアにサポート中フラグが格納されているか否かを判定する。サポート中フラグは、下作動口34の電動役物34aを開放状態とする場合に格納され、閉鎖状態に復帰される場合に消去されるフラグである。
サポート中フラグが格納されていない場合にはステップS1002に進み、RAM204の各種フラグ格納エリア235に設けられたサポート当選フラグ格納エリアにサポート当選フラグが格納されているか否かを判定する。サポート当選フラグは、電動役物34aを開放状態とするか否かの抽選において開放状態当選となった場合に格納され、サポート中フラグが格納される場合に消去されるフラグである。
サポート当選フラグが格納されていない場合にはステップS1003に進み、RAM204の各種カウンタエリア234に設けられた第2タイマエリアT2の値が「0」か否かを判定する。第2タイマエリアT2の値が「0」でない場合には、そのまま本電役サポート用処理を終了する。
第2タイマエリアT2の値が「0」である場合には、ステップS1004にて、役物用表示部44における絵柄の変動表示の終了タイミングであるか否かを判定する。変動表示の終了タイミングである場合には、ステップS1005にて、外れ表示を設定した後に、本電役サポート用処理を終了する。外れ表示が設定されることにより、外れ表示を停止表示した状態で役物用表示部44における絵柄の変動表示が終了される。
第2タイマエリアT2の値が「0」であって変動表示の終了タイミングでない場合には、ステップS1006にて、役物保留記憶数SNの値が「0」より大きいか否かを判定する。役物保留記憶数SNの値が「0」である場合には、そのまま本電役サポート用処理を終了する。役物保留記憶数SNの値が「0」より大きい場合には、ステップS1007にて開閉実行モード中か否かを判定するとともに、ステップS1008にて高頻度サポートモードであるか否かを判定する。
開閉実行モードではなく且つ高頻度サポートモードである場合には、ステップS1009にて開放抽選を行う。具体的には、役物保留球格納エリアに記憶されている値をシフトし、実行エリアにシフトされた電動役物開放カウンタC4の値が0〜190であった場合に、開放抽選に当選となる。また、開放抽選と同時に第2タイマエリアT2に「750」(すなわち1.5sec)をセットする。なお、第2役物タイマエリアT2はタイマ割込み処理が起動される度に1ディクリメントされる。
続くステップS1010では、ステップS1009の開放抽選の結果がサポート当選であるか否かを判定する。サポート当選でない場合には、ステップS1011の処理を実行することなくステップS1012に進み、サポート当選である場合には、ステップS1011にてサポート当選フラグを格納するとともに、RAM204の各種カウンタエリア234に設けられた第2ラウンドカウンタエリアRC2に「3」をセットした後に、ステップS1012に進む。
ステップS1012では、当否抽選モードが低確率モードであってサポートモードが高頻度サポートモードであるか否かを判定する。ステップS1012にて否定判定をした場合には、そのまま本電役サポート用処理を終了する。ステップS1012にて肯定判定をした場合には、ステップS1013にて遊技回数カウンタエリアが「0」となっているか否かを判定する。遊技回数カウンタは、低確率モードであって高頻度サポートモードである場合に1の遊技回が終了する度に1ディクリメントされる。遊技回数カウンタエリアが「0」でない場合には、そのまま本電役サポート用処理を終了する。遊技回数カウンタエリアが「0」である場合には、ステップS1014にて高頻度サポートフラグを消去する。続くステップS1015では、サポートモードが低頻度サポートモードであることをサブ側の制御装置に認識させるための情報である低頻度サポートコマンド(低頻度サポート設定情報)を、音声ランプ制御装置82への送信対象のコマンドとして設定する。その後、本電役サポート用処理を終了する。
ステップS1015にて設定された低頻度サポートコマンドは、通常処理(図13)におけるステップS401にて、音声ランプ制御装置82に送信される。音声ランプ制御装置82は低頻度サポートコマンドをそのまま表示制御装置212に送信する。表示制御装置212では、低頻度サポートコマンドを受信することに基づいて、サポートモードが低頻度サポートモードであることを特定し、それに対応した処理を実行する。これについては、後に詳細に説明する。
開閉実行モードである場合又は高頻度サポートモードでない場合には、ステップS1016にて開放抽選を行う。具体的には、役物保留球格納エリアに記憶されている値をシフトし、実行エリアにシフトされた電動役物開放カウンタC4の値が0〜190であった場合に、開放抽選に当選となる。また、開放抽選と同時に第2タイマエリアT2に「14750」(すなわち29.5sec)をセットする。
続くステップS1017では、ステップS1016の開放抽選の結果がサポート当選であるか否かを判定する。サポート当選でない場合には、そのまま本電役サポート用処理を終了する。サポート当選である場合には、ステップS1018にてサポート当選フラグを格納するとともに、第2ラウンドカウンタエリアRC2に「1」をセットした後に、本電役サポート用処理を終了する。
サポート当選フラグが格納されている場合には、ステップS1002にて肯定判定をし、ステップS1019に進み、第2タイマエリアT2の値が「0」であるか否かを判定する。第2タイマエリアT2の値が「0」でない場合には、役物用表示部44における絵柄の変動表示中であるため、そのまま本電役サポート用処理を終了する。第2タイマエリアT2の値が「0」である場合には、ステップS1020にて、当たり表示を設定する。これにより、当たり表示を停止表示した状態で役物用表示部44における絵柄の変動表示が終了される。続くステップS1021では、サポート中フラグを格納するとともに、サポート当選フラグを消去した後に、本電役サポート用処理を終了する。
サポート中フラグが格納されている場合には、ステップS1022に進み、電動役物34aを開閉制御するための電役開閉処理を実行した後に、本電役サポート用処理を終了する。ここで、電役開閉制御処理について説明する。
電役開閉制御処理では、先ず電動役物34aが開放中であるか否かを判定する。電動役物34aが開放中であるか否かは、電動役物駆動部34bが駆動状態であるか否かで判定する。電動役物34aが開放されている場合には、第2タイマエリアT2の値が「0」か否かを判定する。
第2タイマエリアT2の値が「0」でない場合には、そのまま本電役開閉処理を終了する。第2タイマエリアT2の値が「0」である場合には、電動役物34aを閉鎖状態に制御する閉鎖処理を行い、第2タイマエリアT2に「250」(すなわち0.5sec)をセットする。その後、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値を1ディクリメントした後に、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が「0」か否かを判定する。第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が「0」でない場合には、そのまま本電役開閉処理を終了し、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が「0」である場合には、サポート中フラグを消去した後に、本電役開閉処理を終了する。
一方、電動役物34aが開放中でない場合には、第2タイマエリアT2が「0」であるか否かを判定する。第2タイマエリアT2が「0」でない場合には、そのまま本電役開閉処理を終了する。第2タイマエリアT2が「0」である場合には、電動役物34aを開放状態に制御する開放処理を実行する。その後、開閉実行モード中か否かを判定するとともに、高頻度サポートモードであるか否かを判定する。開閉実行モードではなく且つ高頻度サポートモードである場合には、第2タイマエリアT2に「800」(すなわち1.6sec)をセットした後に、本電役開閉処理を終了する。一方、開閉実行モードである場合又は高頻度サポートモードでない場合には、第2タイマエリアT2に「100」(すなわち0.2sec)をセットした後に、本電役開閉処理を終了する。
ここで、上述の如く両作動口33,34においては大当たり当選となった場合の遊技結果(通常大当たり結果,2R確変大当たり結果,15R確変大当たり結果)の振分態様に有利不利の差が設けられており、下作動口34への入賞については上作動口33への入賞よりも遊技者にとって有利となっている。本実施の形態においては特に、各作動口33,34への入賞に基づいた上記振分態様に関する本パチンコ機10の仕様(スペック)、詳しくは同振分態様にて有利不利の差が設定されていることに対応した対応情報を報知する報知手段を有することを特徴の1つとしている。以下、再び図3,図4,図6及び図7を参照して報知手段及び当該報知手段に関連する構成について説明する。
<報知手段及びそれに関連する構成>
図4に示すように、図柄表示装置40の表示画面41において上記保留ランプ部45,46寄りとなる部位には、上記対応情報を表示する表示領域DE1,DE2がそれら各保留ランプ部45,46に1対1で対応させて設けられている。より詳しくは、上作動口33用の第1保留ランプ部45の直下に表示領域DE1が配されているとともに下作動口34用の第2保留ランプ部46の直下に表示領域DE2が配されており、第1保留ランプ部45及び第1表示領域DE1の対応付けと、第2保留ランプ部46及び第2表示領域DE2との対応付けとを認識しやすくなっている。
既に説明したように、本実施の形態においては表示画面41にて横方向に各種絵柄が循環表示される構成が採用されており、この循環方向と交差する方向(具体的には縦方向に)表示領域DE1,DE2と絵柄の変動表示領域とが前者が上側、後者が下側となるようにして並設されている(図7参照)。特に、表示領域DE1,DE2と絵柄の変動表示領域との重なり、具体的には対応情報と絵柄との重なりが回避されており、それら対応情報及び絵柄がそれぞれ視認性を担保された状態で共存している。
第1表示領域DE1には、上作動口33における抽選によって確変大当たりに当選した場合の15R確変大当たりと2R確変大当たりとの振分比率(振分確率)が表示される。具体的には、既に説明したように、各作動口33,34への入賞時に通常大当たりに振り分けられる確率は同等に設定されており、通常大当たりの発生確率と確変大当たり発生確率とに差はない。そこで、通常大当たりに関する情報については表示されず、差違が設定されている2R確変大当たり及び15R確変大当たりの振分比率に特化した情報が表示される構成となっている。
第1表示領域DE1における表示態様としては、同第1表示領域DE1の全域を使用して上作動口33における上記振分比率が表示される全域表示モードと、各第1保留ランプ部45a〜45dに1対1で対応させて、同振分比率を個々に表示する個別表示モードとが設定されている。これら各モードの切替条件や表示内容についての詳細な説明は後述する。
第2表示領域DE2には、下作動口34における抽選によって確変大当たりに当選した場合の15R確変大当たりと2R確変大当たりとの振分比率(振分確率)が表示される。具体的には、第1表示領域DE1と同様に、通常大当たりに関する情報については表示されず、差違が設けられている2R確変大当たり及び15R確変大当たりの振分比率に特化した情報が表示される構成となっている。
第2表示領域DE2における表示態様としては、同第2表示領域DE2の全域を使用して下作動口34における上記振分比率が表示される全域表示モードと、各第2保留ランプ部46a〜46dに1対1で対応させて、同振分比率を個々に表示する個別表示モードとが設定されている。これら各モードの切替条件や表示内容についての詳細な説明は後述する。
このように、第1表示領域DE1及び第2表示領域DE2においては上述した対応情報として各作動口33,34に対応した振分比率がそれぞれ表示されることにより、遊技者はそれら各振分比率を比較することでどちらの作動口33,34への入賞が自身にとって有利又は不利であるかを把握することが可能となる。つまり、両表示領域DE1,DE2に表示される両振分比率によって上記対応情報が構成されており、それら表示領域DE1,DE2を見比べることで有利不利の設定を把握可能となる。
なお、各表示領域DE1,DE2においては2R確変大当たり及び15R確変大当たりの振分比率に代えて、2R確変大当たり,15R確変大当たり,15R通常大当たりの振分比率を表示する構成とすることも可能である。
また、本実施の形態においては両表示領域DE1,DE2を用いた対応情報の表示を制限する制限手段として表示制限スイッチ88が上記報知手段と併設されている。
表示制限スイッチ88は、主制御装置81の主制御基板201に対して電気的に接続されている(図6参照)。表示制限スイッチ88は、ON位置とOFF位置とに切替可能となっており、同表示制限スイッチ88の位置に対応した情報が電気信号として主制御基板201に入力される構成となっている。
表示制限スイッチ88がOFF位置に配置されている場合には表示制限が無効化されて上述した対応情報を報知可能となり、表示制限スイッチ88がON位置に配置されている場合には上記表示が制限されて同対応情報を報知不可となる。このように報知手段と併せて表示制限スイッチ88を採用することにより、上記対応情報の報知を遊技ホールの営業形態等に応じて任意に制限可能となっている。このように、定期的に行われる処理にて表示制限スイッチ88の読み込みを行う構成を採用することで、例えば電源投入時にのみ表示制限スイッチ88の読み込みを行う構成と比較して、表示/非表示の切替自由度を好適に向上することができる。
また、表示制限スイッチ88は、主制御装置81の基板ボックス83に取り付けられており、遊技機本体12が外枠11に対して開放されることで同表示制限スイッチ88へのアクセスが許容されることとなる(図3参照)。このため、ホール管理者による表示制限スイッチ88の操作が許容されている一方、遊技者による同表示制限スイッチ88の操作は許容されない構成が実現されている。
ここで、図20〜図21のフローチャートを参照して、各作動口33,34への入賞に基づく抽選に有利不利の差が設定されていることに対応する上記対応情報の表示切替に関しての各種処理について説明する。
先ず、主制御装置81にて実行される信号読み込み処理(ステップS101)にて実行される各種信号読み込み処理のうち表示制限スイッチ88から入力される信号の読み込み処理について説明する。
この信号読み込み処理においては、先ず表示制限スイッチ88からON信号が入力されているか否かを判定する。表示制限スイッチ88からON信号が入力されている場合、すなわち表示制限スイッチ88がON状態である場合には、表示制御装置212における上記対応情報の表示を制限する表示制限コマンドの設定処理を実行した後、本信号読み込み処理を終了する。
一方、表示制限スイッチ88からON信号が入力されていない場合、すなわち表示制限スイッチ88がOFF状態である場合には、上記対応情報の表示制限を解除する制限解除コマンドの設定処理を実行した後、本信号読み込み処理を終了する。
なお、本信号読み込み処理にて設定された表示制限コマンド及び制限解除コマンドは、通常処理におけるステップS401の外部出力処理にて音声ランプ制御装置82を経由して表示制御装置212に出力される。
表示制御装置212のMPU252においては、定期的に実行されるタイマ割込み処理や通常処理等が設定されており、これらタイマ割込み処理及び通常処理によって図柄表示装置40における表示内容等が決定される。タイマ割込み処理においては主制御装置81等から入力される各種コマンドに対応するコマンド対応処理等が実行される。
<表示制御装置212にて実行されるコマンド対応処理>
次に、表示制御装置212のMPU252にて実行されるコマンド対応処理を、図20のフローチャートを参照しながら説明する。ここで、音声ランプ制御装置82を経由して主制御装置81から受信したコマンドは、コマンドを受信した際に起動されるコマンド格納処理により表示制御装置212におけるRAM254のコマンド格納エリア261に格納される。コマンド対応処理は、MPU252において定期的に(例えば、2msec周期)起動され、コマンド格納エリア261に格納されているコマンドに対応した各種制御を実行するための処理である。なお、コマンド格納エリア261は、複数のコマンドを個別に記憶可能であって先に記憶したコマンドから読み出し可能なリングバッファとして構成されており、複数のコマンドを同時期に受信した場合であってもそれら各コマンドに対応した処理を良好に実行できるようになっている。
コマンド対応処理では、先ずステップS1101にて、コマンド格納エリア261に格納されているコマンドであって今回の読み出し対象のコマンドが表示制限コマンドであるか否かを判定する。
ステップS1101にて肯定判定した場合には、ステップS1102に進み、RAM254の各種フラグ格納エリア262に表示制限フラグを格納する。この表示制限フラグは、後述する対応情報表示制御処理にて上記対応情報の表示を制限するためのフラグである。なお、各種フラグ格納エリア262に表示制限フラグが既に格納されている場合には、表示制限フラグ有りの状態が維持されることとなる。
一方、ステップS1101にて否定判定した場合には、ステップS1103に進み、コマンド格納エリア261に格納されているコマンドであって今回の読み出し対象のコマンドが制限解除コマンドであるか否かを判定する。
ステップS1103にて肯定判定した後は、ステップS1104にて表示制限フラグを消去する。なお、各種フラグ格納エリア262に表示制限フラグが格納されていない場合には同表示制限フラグ無しの状態が維持されることとなる。
ステップS1102及びステップS1104の後、又はステップS1103にて否定判定した場合には、ステップS1105に進む。ステップS1105では、コマンド格納エリア261に格納されているコマンドであって今回の読み出し対象のコマンドが高頻度サポートコマンドであるか否かを判定する。
ステップS1105にて肯定判定した場合には、ステップS1106に進み、各種フラグ格納エリア262に高頻度サポートフラグを格納する。この高頻度サポートフラグは、後述する対応情報表示制御処理にて上記対応情報の表示を許可するためのフラグであり、同高頻度サポートフラグが格納されていない場合には同対応情報の表示が制限される。なお、各種フラグ格納エリア262に高頻度サポートフラグが既に格納されている場合には、高頻度サポートフラグ有りの状態が維持されることとなる。
一方、ステップS1105にて否定判定した場合には、ステップS1107に進み、コマンド格納エリア261に格納されているコマンドであって今回の読み出し対象のコマンドが低頻度サポートコマンドであるか否かを判定する。
ステップS1107にて肯定判定した後は、ステップS1108にて高頻度サポートフラグを消去する。なお、各種フラグ格納エリア262に高頻度サポートフラグが格納されていない場合には同高頻度サポートフラグ無しの状態が維持されることとなる。
ステップS1106及びステップS1108の後、又はステップS1107にて否定判定した場合には、ステップS1109に進む。ステップS1109では、コマンド格納エリア261に格納されているコマンドであって今回の読み出し対象のコマンドが保留コマンドであるか否かを判定する。
ステップS1109にて肯定判定した場合には、続くステップS1110にて保留コマンド対応処理を実行する。保留コマンド対応処理では、今回受信した保留コマンドに含まれる保留個数の情報を特定するとともに今回受信した保留コマンドが上作動口33又は下作動口34のいずれの入賞に係るものであるかを特定する。そして、RAM254に設けられた保留数カウンタエリア263における上作動口33に対応した第1保留数カウンタ及び下作動口34に対応した第2保留数カウンタのうち今回受信したコマンドに対応した保留数カウンタに対して、上記特定した保留個数の情報を設定する。詳しくは、各保留数カウンタは0〜4のループカウンタとなっており、上記特定した保留個数の情報に合わせて同カウンタの値が更新する。
ステップS1110に保留コマンド対応処理を実行した後、又はステップS1109にて否定判定した場合には、ステップS1111に進む。ステップS1111では、コマンド格納エリア261に格納されているコマンドであって今回の読み出し対象のコマンドがシフト時コマンドであるか否かを判定する。
ステップS1111にて肯定判定した場合には、続くステップS1112にて、シフト時コマンド対応処理を実行する。シフト時コマンド対応処理では、今回受信したシフト時コマンドに上作動口33及び下作動口34の何れに対応した情報が含まれているか否かを特定する。上作動口33に対応した情報が含まれている場合には、RAM254の保留数カウンタエリア263の第1保留数カウンタの値を1減算する。一方、下作動口34に対応した情報が含まれている場合には、同保留数カウンタエリア263の第2保留数カウンタの値を1減算する。
ステップS1112にてシフト時コマンド対応処理を実行した後、又はステップS1111にて否定判定した場合には、本コマンド対応処理を終了する。
<対応情報表示制御処理>
次に、図21のフローチャートを参照して、表示制御装置212のMPU252にて実行される対応情報表示制御処理について説明する。対応情報表示制御処理は、上記コマンド対応処理と同様に、MPU252において定期的に(例えば、2msec周期)起動され、各種フラグ格納エリア262に格納されているフラグ及び保留数カウンタエリア263に格納されているカウンタ情報に対応して上記対応情報の表示制御を実行するための処理である。
対応情報表示制御処理においては、先ずステップS1201にて各種フラグ格納エリア262に表示制限フラグが格納されているか否かを判定する。ステップS1201にて肯定判定した場合、すなわち表示制限スイッチ88がON状態である場合には、本対応情報表示制御処理をそのまま終了する。
一方、ステップS1201にて否定判定した場合、すなわち制限スイッチがOFF状態である場合には、続くステップS1202に進み、各種フラグ格納エリア262に高頻度サポートフラグが格納されているか否かを判定する。
ステップS1202にて否定判定した場合、すなわち高頻度サポートモード中でない場合には、そのまま本対応情報表示処理を終了する。一方、ステップS1202にて肯定判定した場合、すなわち表示制限フラグ無し且つ高頻度サポートフラグ有りの場合には、ステップS1203に進む。
ステップS1203では、保留数カウンタエリア263における上作動口用の第1保留数カウンタの値を確認することで上作動口33に係る保留情報があるか否かを判定する。具体的には、同カウンタの値が1〜4の何れかであるか否かを判定する。
ステップS1203にて肯定判定した場合には、続くステップS1204にて保留有時の第1表示領域DE1の表示制御処理を実行する。保留有時上作動口用表示制御処理では、上作動口33に係る保留数(第1保留数カウンタの値)に対応させて、第1表示領域DE1において第1保留ランプ部45a〜45dのうち点灯しているものの直下となる部位に、上記対応情報(具体的には上作動口33への入賞に基づく2R確変大当たりと15R確変大当たりとの振分比率)を個々に表示する。
ステップS1203にて否定判定した場合、すなわち上作動口33に係る保留数が0である場合には、ステップS1205にて保留無時の第1表示領域DE1の表示制御処理を実行する。保留無時上作動口用表示制御処理では、第1表示領域DE1の全域を使用して1の上記対応情報(具体的には上作動口33への入賞に基づく2R確変大当たりと15R確変大当たりとの振分比率)を表示する。なお、これら各上作動口用表示制御処理による表示態様についての詳細は後述する。
ステップS1204又はステップS1205にて上作動口用表示制御処理を実行した後は、ステップS1206にて保留数カウンタエリア263における下作動口用の第2保留数カウンタの値を確認することで下作動口34に係る保留情報があるか否かを判定する。具体的には、同カウンタの値が1〜4の何れかであるか否かを判定する。
ステップS1206にて肯定判定をした場合には、続くステップS1207にて保留有時の第2表示領域DE2の表示制御処理を実行する。保留有時下作動口用表示制御処理では、下作動口34に係る保留数(第2保留数カウンタの値)に対応させて、第2表示領域DE2において第2保留ランプ部46a〜46dのうち点灯しているものの直下となる部位に、上記対応情報(具体的には下作動口34への入賞に基づく2R確変大当たりと15R確変大当たりとの振分比率)を個々に表示する。
ステップS1206にて否定判定をした場合、すなわち下作動口34に係る保留数が0である場合には、ステップS1208にて保留無時の第2表示領域DE2の表示制御処理を実行する。保留無時下作動口用表示制御処理では、第2表示領域DE2の全域を使用して1の上記対応情報(具体的には下作動口34への入賞に基づく2R確変大当たりと15R確変大当たりとの振分比率)を表示する。
ステップS1207又はステップS1208にて下作動口用表示制御処理を実行した後は、本対応情報表示制御処理を終了する。
ここで、上作動口用表示制御処理や下作動口用表示制御処理について補足説明する。本実施の形態における表示制御装置212においては、MPU252のROM253に設けられた報知用画像データ格納エリアに、保留数毎に1対1で対応させて設けられた報知用画像データが格納されている。各作動口用表示制御処理においては、報知用画像格納エリアに格納された報知用画像データから当該処理を実行時の保留数に対応する報知用画像データを選択し、同画像データを上記VDPに設けられた表示用バッファに逐次格納する。このように表示用バッファに格納した報知用画像を表示領域DE1,DE2に表示することにより、保留数に応じて対応情報の報知態様を変化させることが可能となっている。なお、表示用バッファに格納された報知用画像は表示実行後に消去される。
各作動口用表示制御処理を行うことなく本対応情報表示制御処理を終了した場合には、具体的にはステップS1201にて肯定判定した場合(表示制限スイッチ88がONである場合)やステップS1202にて否定判定した場合(低頻度サポートモード中である場合)には、報知用画像が表示用バッファに格納されることがなく、表示領域DE1,DE2による報知用画像の表示(対応情報の報知)が回避されることとなる。
ここで、図22及び図23に基づき対応情報制御処理による表示態様の変化を遊技進行に合わせて説明する。図22及び図23は表示画面41及び保留ランプ部45,46を遊技機前方から見た概略図である。なお、以下の説明では、表示制限スイッチ88がOFF状態であり、上記対応情報の表示(報知)が許可されている場合について例示する。
遊技を行う際には、発射ハンドル54を操作して遊技領域PEへ遊技球を発射し、遊技領域PEにおける作動口33,34に向けて遊技球が流下するように同発射ハンドル54の操作量を調整する。
遊技状態として低頻度サポートモードが選択されている場合には、基本的に下作動口34に付随する電動役物34aが閉鎖状態のまま維持されており、仮に遊技球がスルーゲート35を通過したとしてもこの電動役物34aが開放状態となりにくくなっている。このため、上作動口33に比べて下作動口34への入球が発生しにくくなっている。
このように、下作動口34への入球が困難である状態(低頻度サポートモード)では、図柄表示装置40の表示画面41(詳しくは表示領域DE1,DE2)における上記対応情報の表示が制限される。
作動口33,34へ遊技球が入球すると、大当たりの抽選及び大当たり種別の抽選が行われ、その結果大当たりに当選していた場合には特別遊技状態に移行されて可変入賞装置32が開放される。そして、この可変入賞装置32への入球数に応じて遊技球の払い出しが実行されることとなる。
ここで、確変大当たりに当選した場合には、低頻度サポートモードから高頻度サポートモードへ移行され、電動役物34aが開放状態になりやすくなる。これにより、上作動口33に比べて下作動口34への入球が発生しやすくなる。そして、これに併せて上記対応情報の表示制限が解除され、表示画面41の表示領域DE1,DE2に対応情報が表示されることとなる。
表示画面41に表示される対応情報においては、各作動口33,34に対応する保留数に応じてその表示態様が変化する。
図22(a)に示すように、両作動口33,34に対応する保留数が共に「0」である場合には、第1保留ランプ部45及び第2保留ランプ部46が全て消灯され、第1表示領域DE1にはその全域に亘って上作動口33への入賞に基づく両確変大当たりの上記振分確率が表示されるとともに第2表示領域DE2にはその全域に亘って下作動口34への入賞に基づく両確変大当たりの上記振分確率が表示される。具体的には、第1表示領域DE1には「15R確変(60%)/2R確変(40%)」が表示され、第2表示領域DE2には「15R確変(100%)/2R確変(0%)」が表示される。
これにより、上作動口33が下作動口34に比べて有利であることを把握することができる。一度、高頻度サポートモードに移行された後は、低頻度サポートモードに移行(降格)されるまでにできるだけ多く15R確変大当たりに当選することで2R確変大当たりに当選する場合と比較してより多くの遊技球の払い出しが期待できる。
上作動口33に遊技球が入球して、当該上作動口33に対応する保留数が「1」になった場合には、図22(b)に示すように、最も左側に位置する第1保留ランプ部45aが点灯する。これに合わせて第1表示領域DE1の全域に表示されていた情報、すなわち「15R確変(60%)/2R確変(40%)」が第1表示領域DE1を各ランプ部45a〜45dに1対1で対応させて左右に4等分した領域のうち第1保留ランプ部45aに対応する領域(詳しくは第1保留ランプ部45aの直下となる領域Ea1)に縮小して表示され、他の第1保留ランプ部45b〜45dに対応する各領域については同情報の表示が回避される。
一方、下作動口34に遊技球が入球して、当該下作動口34に対応する保留数が「1」になった場合には、図23(c)に示すように、最も左側に位置する第2保留ランプ部46aが点灯する。これに合わせて第2表示領域DE2の全域に表示されていた情報、すなわち「15R確変(100%)/2R確変(0%)」が第2表示領域DE2を各ランプ部46a〜46dに1対1で対応させて左右に4等分した領域のうち第2保留ランプ部46aに対応する領域(詳しくは第2保留ランプ部46aの直下となる領域Ea2)に縮小表示され、第2保留ランプ部46b〜46dに対応する各領域については同情報の表示が回避される。
両作動口33,34に遊技球が入球して、各作動口33,34に対応する保留数が共に「4」になった場合には、図23(d)に示すように、全ての保留ランプ部45a〜45d,46a〜46dが点灯する。これに合わせて各表示領域DE1,DE2の表示態様も以下のように変更される。すなわち、第1表示領域DE1においては同第1表示領域DE1を各第1保留ランプ部45a〜45dに1対1で対応させて左右に4等分した各領域Ea1〜Ed1にそれぞれ「15R確変(60%)/2R確変(40%)」が縮小表示され、第2表示領域DE2においては同第2表示領域DE2を各第2保留ランプ部46a〜46dに1対1で対応させて左右に4等分した領域Ea2〜Ed2にそれぞれ「15R確変(100%)/2R確変(0%)」が縮小表示される。
本実施の形態においては、一定期間遊技が行われなかった場合には表示画面41にデモ画像が表示されることとなる(デモ表示中となる)。高頻度サポートモードに移行された状態においては、デモ表示中や遊技回中に上記表示領域DE1,DE2を用いた対応情報の報知が継続される。
更には、上記リーチ表示中においても同様に表示領域DE1,DE2による対応情報の報知が継続されることとなる。リーチ表示中においては保留球の消化が一時的に停止することとなるが、この期間中に対応情報を報知して下作動口34に向けた遊技球の打ち出しを示唆し、下作動口34への入賞を促すことにより以下の効果が期待できる。つまり、リーチ表示中は演出の行方に注目することに起因して遊技者による遊技球の発射が一時的に停止されてしまうことが想定されるが、対応情報の報知を継続することでリーチ表示中の遊技球の発射を促すことが可能となる。これにより、遊技機の仕様に即した遊技の進行を促し、遊技者が遊技球の打ち出しを停止することで不利益を被ることを抑制することができる。
高頻度サポートモード中に通常大当たりに当選すると、特別遊技状態を経て低頻度サポートモードへ移行されるが、この際、同低頻度サポートモードへの移行に併せて上記対応情報の表示が制限され、各表示領域DE1,DE2に表示されていた振分確率が消えることとなる。
以上詳述した第1の実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
下作動口34への入球に基づいて実行される抽選と上作動口33への入球に基づいて実行される抽選とに有利不利の差を設定することにより遊技態様の多様化が実現されている。このように有利不利の差が遊技機における内部的な抽選によって発生する遊技機においては、各作動口33,34に有利不利の差が設けられているという事実を大当たり結果等の付与された特典に鑑みて把握することが困難になると想定される。この点、このような有利不利の差が設定されていることに対応する対応情報を図柄表示装置40の表示画面41(詳しくは表示領域DE1,DE2)に表示することにより、遊技者は、どちらの作動口33,34への入球が自身にとって有利であるかを容易に把握することが可能となっている。これにより、以下の不都合を好適に回避することができる。
具体的には、上述の如く有利不利が設定されている場合、確かに遊技の多様化を実現することができる。しかしながらその反面、有利不利が設定されている事実を把握して遊技を行った場合と、同事実を把握することなく遊技を行った場合とで遊技者に付与される特典に差が生じ得る。特に、遊技機の仕様等に対する事前調査の有無によって享受できる特典に差が生じ得ることで遊技機の仕様を熟知した熟練者と遊技機の仕様を熟知していない初心者とで有利度合いの差が大きくなり初心者の遊技意欲を減退させてしまうと想定される。更には、このような有利不利の差が存在することによって遊技機に対する取っ付きにくさが強まると想定される。
この点、上記実施の形態に示したように有利不利に関する上記対応情報を報知する報知手段を採用することにより、遊技者の知識や熟練度にかかわらず平等に特典を得られるという安心感を遊技者に与えることができ、遊技の公平性を向上することができる。これにより、上述の如く遊技の多様化を図りつつそれに起因した公平性の低下を好適に抑制することができ、遊技機に対する取っ付きやすさの低下を好適に解消することが可能となっている。
上述した対応情報の報知(表示)を遊技者の注意が向きやすい図柄表示装置40(詳しくはその表示画面41)にて実行する構成としたことにより、同情報を遊技者に対して好適に伝えることができる。特に、表示画面41において上記対応情報に関連のある保留ランプ部45,46よりとなる位置に上記対応情報を表示する構成としたことにより、同対応情報を目につきやすくしている。これにより、対応情報を報知しているにも関わらず、それが見落とされるといった不都合の発生を抑制している。
更には、上記対応情報として2R確変大当たりと15R確変大当たりとの振分比率を個々の保留ランプ部45a〜45d,46a〜46dに1対1で対応させて表示可能としたことにより、各作動口33,34への入賞と上記対応情報との関連性を把握しやすくなっている。これにより、各表示領域DE1,DE2における表示される情報量が膨大になることを抑制しつつ、同情報が作動口33,34への入賞に基づいて行われる抽選に関連するものであることを好適に伝えることができる。故に、表示領域DE1,DE2の拡がりを抑えることが可能となり、同表示領域DE1,DE2を採用して上記各種効果を発揮しつつ、それに起因した表示画面41における図柄の変動表示領域の圧迫を抑制することが可能となっている。
下作動口34への入球が上作動口33への入球よりも遊技者にとって有利である旨が報知されたとしても、下作動口34への入球を狙うようにして遊技を行ったことによる実益が無ければ、報知されている情報への信頼度が低下すると想定される。これは、表示領域DE1,DE2による報知機能が活かされない要因となり得るため好ましくない。
この点、本実施の形態によれば、下作動口34への入球が上作動口33への入球よりも容易となる高頻度サポートモードに移行されている場合に上記対応情報の報知を行い、下作動口34への入球が上作動口33への入球よりも困難となる低頻度サポートモードに移行されている場合に上記対応情報の報知を行わない構成とした。つまり対応情報に基づいて遊技を有利に進行させることができる場合に同対応情報の報知を行う構成とした。これにより、表示領域DE1,DE2に表示される対応情報への遊技者の信頼度を高めることが可能となり、同表示領域DE1,DE2の報知機能を好適に発揮させることができる。
上述の如く表示領域DE1,DE2は図柄表示装置40の表示画面41に図柄の変動表示領域と並設されている。低頻度サポートモード時は、大当たりの発生を示唆する演出が図柄の変動表示等によって行われるため遊技者の注意が変動表示領域に向きやすく、高頻度サポートモード時は遊技者の注意が絵柄のみならず両作動口33,34(特に電動役物34a)に向くことで絵柄の変動表示への注意が低下しやすいと考えられる。そこで、本実施の形態に示したように高頻度サポートモード時に対応情報を表示する構成を採用すれば、表示領域DE1,DE2の採用により図柄の変動表示等による演出機能が低下することを好適に抑制することができる。
また、上述の如く表示領域DE1,DE2による対応情報の表示を有効/無効で切り替える構成を採用した場合には、モード切替によって対応情報が表示されることにより突如として図柄の変動表示領域が縮小されたかのような印象を遊技者に与えることは好ましくない。そこで、図柄の変動表示領域と表示領域DE1,DE2とを、図柄の循環表示方向と交差する方向に並設する構成を採用した。これにより、上述した対応情報の表示によって絵柄の変動表示領域が縮小されたかのような印象を遊技者に与えることを抑制することができる。
遊技ホール等の営業形態によっては下作動口34への入球が上作動口33への入球よりも困難となるように釘調整が行われる可能性がある。例えばスルーゲート35付近の釘38を同スルーゲート35へ向けて遊技球が流下しにくくなるように調整することで電動役物34aの開放状態への切替頻度を低下させるとともに上作動口33付近の釘38を上作動口33への入球が容易となるように調整することでトータルでの作動口33,34への入賞確率の低下を抑えつつ、各作動口33,34への入賞確率を変化させる可能性がある。このような釘調整が行われた結果、純粋に表示領域DE1,DE2による報知内容を踏まえて遊技を進行したとしても下作動口34への入球が発生しにくくなり、表示領域DE1,DE2の存在意義が低下すると想定される。例えば、遊技者によっては報知そのものを不快に感じる可能性も否めない。
そこで、本実施の形態においては、表示領域DE1,DE2における対応情報の報知を表示制限スイッチ88によってをON/OFFに切替可能とした。これにより、遊技ホール等の営業形態に合わせて報知を制限することができ、上記不都合の発生を抑制できる。
<第2の実施の形態>
上記第1の実施の形態においては、下作動口34への入球に基づく抽選が上作動口33への入球に基づく抽選よりも有利であることに対応する対応情報を図柄表示装置40の表示画面41(詳しくは表示領域DE1,DE2)を利用して報知する構成としたが、本実施の形態においては、この対応情報の報知に関する構成(報知手段)が同第1の実施の形態と相違している。より具体的には、上記第1の実施の形態においては電気的構成を用いて対応情報を表示する構成としたが、本実施の形態においては電気的構成以外の構成によって対応情報を表示する構成が採用されている。そこで以下、図24及び図25に基づいて対応情報報知に関する構成について説明する。図24は第2の実施の形態における遊技盤24の正面図、図25は図24の部分拡大図である。
図24に示すように、遊技盤24の遊技領域PEに配された装飾部材39において役物用表示部44と一般入賞口31との間となる部位には上記対応情報を表示する表示部301が設けられている。同表示部301は対応情報が印字されたシール部材302と同シール部材302に対応するシール貼付部303とによって構成されており、このように電気的構成を不採用とすることにより対応情報の報知に関する構成が簡略化されている。
図25(a)に示すように、シール貼付部303は、装飾部材39において窓パネル62(図2参照)と対向している部位に配されており、同窓パネル62とは反対側に凹んでいる。この凹んでいる部分の底部にシール部材302が同シール部材302の印字面302aが遊技機前方を向くようにして張り付けられている。これにより、窓パネル62を通じた印字面302aの視認性が確保されている。
シール部材302の印字面302aには、上記対応情報として「上作動口 15R確変:60% 2R確変:40%、下作動口 15R確変:100% 2R確変:0%」が付与されている。この対応情報に関しては上記第1の実施の形態における対応情報に対して各振分確率がどちらの作動口33,34への入賞に対応しているかが明示されている。
また、装飾部材39には、表示部301を遊技機前方から遮蔽する遮蔽位置と、同表示部301を遮蔽しない非遮蔽位置とに変位可能な遮蔽部材311が設けられている。
遮蔽部材311は、装飾部材39の前面に対向する対向部と同対向部312から装飾部材39側に突出する突出部313とを有しており、同突出部313が装飾部材39に形成された溝部304に係合することにより、同装飾部材39に対して一体化されている。
溝部304は、上記シール貼付部303を挟んだ両側に配されており、それら両溝部304の並設方向と交差する方向(左右方向)に延びている。これら溝部304内を遮蔽部材311の突出部313が摺動することにより、上記遮蔽位置及び非遮蔽位置へのスライド移動が許容されている。
遮蔽部材311は有色不透明な合成樹脂材料を用いて成形されており、図25(b)に示すように、遮蔽部材311が遮蔽位置に配されている場合には対向部312によってシール部材302が覆われることで、印字面302aが視認不能となる。
以上詳述した第2の実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
表示部301による対応情報の表示(報知)/非表示(非報知)の切り替えは、遊技ホールの営業形態等に基づいて行われるため、遊技者によってその切替操作が可能となることは好ましくない。この点、本実施の形態においては表示部301及び遮蔽部材311を窓パネル62(詳しくは窓パネル62と遊技盤24との間)に配置しているため、同窓パネル62等によって表示部301等へのアクセスを妨げることができる。これにより、上述した不都合の発生を好適に回避することができる。
また、対応情報の報知/非報知の切り替えは、遊技ホールの営業形態等に合わせて釘調整を併せて行われやすい。そこで、遮蔽部材311を遊技盤24の前面側に配置したことにより、釘調整時に前扉枠14を開放することで、同遮蔽部材311へのアクセスが許容されるとともに、作業領域を確保することができるため、遊技者等による同遮蔽部材311への不正なアクセスを抑制しつつ、同遮蔽部材311の切替作業を容易化することができる。
遮蔽部材311を変位可能な状態で遊技盤24に対して取り付けることにより、例えば遮蔽状態及び非遮蔽状態の切り替えの都度遮蔽部材311を遊技盤24から取り外す必要がある構成と比較して、上記切替作業の更なる容易化が期待できる。
<第3の実施の形態>
上記第1の実施の形態及び上記第2の実施の形態においては、下作動口34への入球に基づく抽選が上作動口33への入球に基づく抽選よりも有利であることに対応する対応情報を報知する構成とした。詳しくは1の機種に対応する対応情報を報知する構成とした。本実施の形態においては、仕様の異なる複数の機種に対して個々に対応する対応情報等を個別に報知可能な構成を採用している。そこで以下、図26〜図28に基づいて対応情報等の報知に関する構成について説明する。図26〜図28は第3の実施の形態における遊技盤24の部分拡大図である。
本実施の形態においては、第2の実施の形態と同様に、遊技盤24の装飾部材39において役物用表示部44と一般入賞口31との間となる部位に、対応情報等を表示する表示部(詳しくは第1表示部401及び第2表示部411)が設けられている。図26に示すように、第1表示部401及び第2表示部411は、横並びとなるようにして配置されており、それぞれ個別の情報を表示可能となっている。
具体的には、第1表示部401は対応情報等が印字された第1シール部材402と同第1シール部材402に対応する第1シール貼付部403とによって構成されており、第2表示部411についても同様に、対応情報等が印字された第2シール部材412と同第2シール部材412に対応する第2シール貼付部413とによって構成されている。なお、シール貼付部403,407に関しては上記第2の実施の形態におけるシール貼付部303と同様の構成であるため詳細な説明は省略する。
第1シール部材402の印字面402aには、上記対応情報として「低確率:1/300、上作動口 15R通常:50% 15R確変:30% 2R確変:20%、下作動口 15R通常:50% 15R確変:50% 2R確変:0%」が付与されており、第1の実施の形態における対応情報よりもより詳細な遊技機の仕様が示されたものとなっている。つまり、第1の実施の形態においては、各作動口33,34における15R確変大当たりと2R確変大当たりの振分比率を表示していたのに対して、本実施の形態においては、15R通常大当たりの振分を考慮して大当たり時の振分態様を全て表示している。
一方、第2シール部材412の印字面412aには、図27に示すように、上記対応情報として「低確率:1/350、上作動口 15R通常:40% 15R確変:40% 2R確変:20%、下作動口 15R通常:40% 15R確変:60% 2R確変:0%」が付与されており、第1の実施の形態における対応情報よりもより詳細な遊技機の仕様が示されたものとなっている。つまり、第1の実施の形態においては、各作動口33,34における15R確変大当たりと2R確変大当たりの振分比率を表示していたのに対して、本実施の形態においては、15R通常大当たりの振分を考慮して大当たり時の振分態様を全て表示している。
このように第1表示部401及び第2表示部411を併有することにより、遊技盤24の共有化が図られている。具体的には、遊技機に関する大当たり確率等の仕様については主制御装置81(詳しくはMPU202)に記憶されたプログラム又はデータによって定められており、同データ等の異なる2種の主制御装置81A,81Bをそれぞれ別の遊技盤24に搭載することで仕様の異なる2種の遊技機を作成することが可能となっている。仕様の異なる2種の遊技機にそれぞれ固有の表示部を設けることも可能であるが、係る構成を採用した場合には遊技盤24が遊技機毎の専用品となり在庫管理等が煩雑化すると想定される。
そこで、本実施の形態においては各仕様に1対1で対応させて第1表示部401及び第2表示部411を設け、更にそれら各表示部401,411の少なくとも一方を遮蔽部材421によって遮蔽することにより、上記不都合を好適に払拭することを特徴の1つとしている。ここで、図26に基づき遮蔽部材421及びそれに付随する構成について説明する。
遮蔽部材421は、第2の実施の形態における遮蔽部材311と同様に有色不透明な合成樹脂材料を用いて成形されており、表示部401,411の少なくとも一方を遊技機前方から遮蔽する遮蔽位置と、同表示部301を遮蔽しない非遮蔽位置とに変位可能な状態で装飾部材39に取り付けられている。
遮蔽部材421は、装飾部材39の前面に対向する対向部422と同対向部422から装飾部材39側に突出する突出部423とを有しており、同突出部423が装飾部材39に形成された溝部405に係合することにより、同装飾部材39に対して一体化されている。
溝部405は、上記両表示部401,411をそれら表示部401,411の並設方向と直交する方向(詳しくは上下方向)における両側から挟んだ位置に配置されており、それら両表示部401,411の並設方向と同じ方向(左右方向)に延びている。これら溝部405内を突出部423が摺動することにより、同遮蔽部材421が溝部405に沿ってスライド移動することとなる。
遮蔽部材421の対向部422は、両表示部401,411を一度に遮蔽可能な大きさを有している。遮蔽部材421が第1表示部401寄りとなる第1遮蔽位置に配置されている場合には、対向部422の右半分が同第1表示部401に対して前方から重なることで、当該第1表示部401が視認不可となる(図27参照)。言い換えれば、第2表示部411に付与された対応情報が遊技機前方から視認可能となり、当該遊技盤24が第2表示部411にて報知されている仕様である旨を把握することが可能となる。
一方、遮蔽部材421が第2表示部411寄りとなる第2遮蔽位置に配置されている場合には、対向部422の左半部が第2表示部411に対して前方から重なることで当該第2表示部411が視認不可となる(図26参照)。言い換えれば、第1表示部401に付与された対応情報が遊技機前方から視認可能となり、当該遊技盤24が第1表示部401にて報知されている仕様である旨を把握することが可能となる。
また、遮蔽部材421が中央位置、すなわち両表示部401,411に跨る第3遮蔽位置に配置されている場合には、対向部422がそれら両表示部401,411に対して遊技機前方から重なることで同表示部401,411が視認不可となる(図28参照)。第1の実施の形態等に示したように、遊技ホール等の営業形態によっては、遊技機の仕様を表示しないほうがよい場合がある。このような場合には、遮蔽部材421を第3遮蔽位置へ配置することにより、表示部401,411を用いた対応情報の報知がキャンセルされることとなる。
<第4の実施の形態>
上記第1の実施の形態においては、表示制限スイッチ88のON/OFF信号や高頻度サポートモード/低頻度サポートモードの選択に応じて、対応情報の報知を制限する構成としたが、本実施の形態においては、対応情報の報知制限に関する条件が相違している。具体的には、報知制限に関する条件として保留情報等を適用した点が相違している。以下、同相違点について図29のフローチャートに基づいて説明する。
図29に示すように、対応情報表示制御処理では、先ずステップS1301にて開閉実行モード中(ボーナス中)であるか否かを判定する。詳しくは、ステップS1301においては、遊技状態移行処理にてセットされたオープニングコマンド及びエンディングコマンドに基づいて開閉実行モード中であるか否かの判定を実行する。
ステップS1301にて肯定判定をした場合には、そのまま本対応情報制御処理を終了する。これにより、開閉実行モード中の対応情報の表示が制限されることとなる。開閉実行モード中においては、低頻度サポートモードとなることで電動役物34aの開放が行われにくくなり、可変入賞装置32への入球が電動役物34aによって妨げられることが回避される。これにより可変入賞装置32への入球効率の低下が抑制される。また、電動役物34aが開放されにくくなることで作動口33,34における有利不利の差が影響しにくくなり、報知を行ったとしてもその効果は小さいと想定される。
そこで開閉実行モード中における対応情報の報知を制限すれば、以下の効果が期待できる。すなわち、ボーナス中においては既に説明したようにオープニングからエンディングまで大当たりに対応した画像表示が行われる。対応情報の報知を制限することで表示画面41におけるより広い範囲にてボーナス用の画像を表示することが可能となり、実用上好ましい構成を実現することができる。
一方、ステップS1301にて否定判定した場合には、続くステップS1302に進む。ステップS1302においては、リーチ表示中であるか否かを判定する。具体的には、今回の遊技回がリーチ表示に対応したものである場合には、変動表示を開始した後、所定の期間が経過することでリーチ表示へ移行される。この期間の計測についてはリーチ表示移行用のタイマカウンタが利用されるが、本ステップS1302においては同タイマカウンタの値を参照してリーチ表示中であるか否かの判定を行う。
ステップS1302にて肯定判定をした場合、すなわちリーチ表示中である場合には、ステップS1303に進む。ステップS1303では下作動口34に係る保留数が最大(4個)であるか否かを判定する。同ステップS1303にて肯定判定した場合には、リーチ表示中且つ下作動口34に係る保留数が最大であり、本対応情報制御処理を終了する。一方、ステップS1302及びステップS1303の何れか一方にて否定判定した場合には、ステップS1304〜S1309に進む。これらステップS1304〜S1309においては各作動口33,34に係る保留数に応じて対応情報の表示態様を決定し、表示領域DE1,DE2による報知を行う。なお、これらステップS1304〜S1309の各種処理は、上記第1の実施の形態におけるステップS1203〜S1208の各種処理と同様であるため詳細な説明は省略する。
上述の如くステップS1302,S1303にて否定判定した場合には、これら画像表示に関する処理が省略されることとなり、表示領域DE1,DE2による対応情報の報知が制限されることとなる。
リーチ表示中且つ下作動口34に係る保留数が最大である場合には、同リーチ中に下作動口34に入球させたとしても同下作動口34に係る保留数を増すことができない。このため、このような状況下においては、遊技球の打ち出しを一時的に停止したとしてもそれによる不利益は小さいと想定され、対応情報の報知を一時的に制限したとしてもそれによって遊技者に生じる不利益は小さいと考えられる。一方、リーチ表示中においては表示画面41に遊技者の注意が向きやすいため、同リーチ表示中に対応情報の表示を不可とすれば、対応情報が表示される領域(表示領域DE1,DE2)を利用してより広範囲でのリーチ表示による演出が可能となる。これにより実用上好ましい構成を実現することができる。
<第5の実施の形態>
上記第1の実施の形態においては遊技機の仕様に関する情報(具体的には下作動口34への入球に基づく抽選が上作動口33への入球に基づく抽選よりも有利であることに対応する対応情報)を図柄表示装置40の表示画面41(詳しくは表示領域DE1,DE2)を利用して報知する構成とし、上記第2の実施の形態においては、表示部301によって遊技機の仕様に関する情報(具体的には上記対応情報)を報知する構成としたが、本実施の形態においては、この対応情報の報知に関する構成(報知手段)が上記第1の実施の形態及び第2の実施の形態と一部相違している。そこで以下、図30に基づき対応情報の報知に関する構成について説明する。図30は第5の実施の形態における表示部を示す部分拡大図である。なお、本実施の形態における表示部については、基本的に上記第2の実施の形態に示した表示部301と同様の構成を有しているため、共通する構成の説明については省略する。
図30(a)に示すように、表示部301のシール部材302における印字面302bには、上記第2の実施の形態における印字面302aに付与された各種情報に加え、大当たり発生時の15R通常大当たりの振分確率が併記されている。これに併せて、2R確変大当たりの振分確率と15R確変大当たりの振分確率とが、確変大当たりにおける2R確変/15R確変の占める割合から、大当たりにおける2R確変/15R確変の占める割合に変更されている。
表示部301と隣接する位置、詳しくは遮蔽部材311の移動経路上には、遮蔽部材311の位置を検知する検知手段として複数の検知センサが配設されている。より具体的には、遮蔽部材311が上記遮蔽位置に配置されている場合に同遮蔽部材311を検知する遮蔽位置用の検知センサ351(以下便宜上、遮蔽位置用検知センサ351と称する)と、同遮蔽部材311が非遮蔽位置に配置されている場合に同遮蔽部材311を検知する非遮蔽位置用の検知センサ352(以下便宜上、非遮蔽位置用検知センサ352と称する)とが配設されている。
これら各検知センサ351,352には接触式センサ(具体的にはプッシュセンサ)が採用されており、遮蔽位置用検知センサ351については遮蔽位置に待機している遮蔽部材311との接触が担保されるとともに遮蔽位置から外れた位置(例えば非遮蔽位置)に待機している遮蔽部材311との接触が回避されるように配置され、非遮蔽位置用検知センサ352については非遮蔽位置に待機している遮蔽部材311との接触が担保されるとともに非遮蔽位置から外れた位置(例えば遮蔽位置)に待機している遮蔽部材311との接触が回避されるように配置されている。これにより、通常は両検知センサ351,352によって遮蔽部材311が同時に検知されることが回避されている。
なお、検知手段に関しては必ずしも接触式の検知センサを採用する必要はなく、例えば非接触式の検知センサを採用することも可能である。
各検知センサ351,352は、表示制御装置212に対して電気的に接続されており、遮蔽部材311を検知している場合には検知信号としてHIレベル信号を出力し、遮蔽部材311を検知していない場合にはLOWレベル信号を出力するように構成されている。これら検知センサ351,352からの検知情報(検知信号)に基づいて、遮蔽位置及び非遮蔽位置のどちらに遮蔽部材311が存在しているかを同表示制御装置212にて把握可能となっている。
また、遮蔽状態(非表示状態)と非遮蔽状態(表示状態)との切り替えを行う際には、遮蔽部材311が遮蔽位置でもなく非遮蔽位置でもない位置(以下便宜上、中間位置と称する)を経由して移動することとなるが、上記検知センサ351,352についてはこの中間位置に存在している遮蔽部材311については検知しない構成となっている。このため、例えば遮蔽部材311の切替操作が正常に完了していない場合には、両検知センサ351,352からHIレベル信号が出力されない(LOWレベル信号が出力される)ことで、遮蔽部材311が上記中間位置に存在していることを同表示制御装置212にて把握可能となっている。
なお、上述の如く検知センサ351,352からの検知信号に基づいて遮蔽部材311が中間位置に待機していることを間接的に把握するのではなく、例えば中間位置に待機している遮蔽部材311を検知する中間位置用検知センサを別途採用し、同中間位置用検知センサからの検知信号に基づいて遮蔽部材311が中間位置に待機していることを直接的に把握する構成としてもよい。かかる変更を行う場合には、遮蔽位置及び非遮蔽位置に待機している遮蔽部材311を検知しない位置(例えば接触式のセンサの場合には同遮蔽部材311と接触しない位置)に中間位置用検知センサを配置するとよい。
本実施の形態においては、遮蔽部材311の位置に応じて図柄表示装置40の表示画面41における上記対応情報の表示(報知)を有効/無効に切替可能となっている。以下、図31〜図33のフローチャートを参照して、表示制御装置212にて実行される上記対応情報の報知に関連した各種処理について説明する。
表示制御装置212のMPU252により実行される処理には、パチンコ機10の電源立ち上げ時に実行されるメイン処理と、当該メイン処理の後に実行される通常処理とが含まれている。これら各処理のうちメイン処理にて、図柄表示装置40の表示画面41を利用した対応情報の報知を実行するか否かの判定処理(報知可否判定処理)が実行される。
<報知可否判定処理>
図31に示すように、報知可否判定処理においては、先ずステップS1401にて非遮蔽位置用検知センサ352から検知信号(HIレベル信号)を受信しているか否かを判定する。ステップS1401にて肯定判定をした場合には、ステップS1402に進み、遮蔽位置用検知センサ351から検知信号(HIレベル信号)を受信しているか否かを判定する。
ステップS1401にて肯定判定をし且つステップS1402にて否定判定をした場合には、遮蔽部材311が非遮蔽位置に存在しているものとして、ステップS1403に進む。そして、ステップS1403にてRAM254の各種フラグ格納エリア262に対応情報報知用フラグを格納した後、本報知可否判定処理を終了する。
対応情報報知用フラグは、遊技進行に応じて上記対応情報の報知、具体的には大当たり当選時の15R確変大当たり及び2R確変大当たりの振分確率(期待度)の報知を有効とする場合に設定されるフラグであり、当該対応情報報知用フラグが格納されていない場合には上記報知機能が無効となる。
一方、ステップS1401にて肯定判定をし且つステップS1402にて肯定判定をした場合には、検知センサ351,352の故障等に起因した何らかの異常が発生している可能性がある。そこで、かかる判定結果となった場合にはステップS1404に進み、異常報知用処理を実行する。この異常報知用処理においては、検知センサ351,352等に故障等の異常が発生している可能性がある旨の報知を実行すべく、図柄表示装置40の表示画面41に「表示切替用のセンサを確認下さい」等のメッセージを表示する。
なお、本実施の形態においては、両センサ351,352が左右に並べて配置されており、その間隔が遮蔽部材311(詳しくは対向部312)の横幅よりも大きく設定されている。このため、遊技機の仕様に関する情報の表示切替を可能としつつ、操作ミス等に起因した表示ミス等を好適に抑制することが可能となっている。
ステップS1401にて否定判定をした場合には、ステップS1405に進む。ステップS1405では遮蔽位置用検知センサ351から検知信号(HIレベル信号)を受信しているか否かを判定する。ステップS1405にて肯定判定をした場合には、遮蔽部材311が遮蔽位置に存在しているものとして、上記対応情報報知用フラグを格納することなく本報知可否判定処理を終了する。
一方、ステップS1401にて否定判定をし且つステップS1405にて否定判定をした場合には、遮蔽部材311が上記中間位置に待機している可能性や検知センサ351,352に異常が発生している可能性がある。そこで、両ステップS1401,S1405にて否定判定をした場合には、ステップS1404に進み、異常報知処理を実行する。
この異常報知用処理においては、遮蔽部材311が中間位置に待機している可能性がある旨の報知を実行すべく、図柄表示装置40の表示画面41に「表示切替用操作片の位置を確認下さい」等のメッセージを表示する。
ステップS1404にて実行される各種異常報知は、異常発生の原因を解消した後に遊技機を再起動することにより解除される。なお、同異常報知は電源投入時に実行されるため、遊技機の再起動に起因して遊技者が不利益を被るといった不都合の発生は回避されている。
本実施の形態においては、上述の如く表示部301の表示態様に応じて図柄表示装置40の表示画面41における表示態様を変化させる構成となっている。つまり、ホール管理者が営業形態等に基づいて表示部301を遮蔽した場合には、その意図を反映すべく同操作に基づいて表示画面41における対応情報の報知を回避する構成となっている。
ここで、表示部301と表示画面41とを併用して対応情報の報知を行う構成を採用した場合には、表示部301を遮蔽しているにも関わらず対応情報が表示画面41に表示されたり、遮蔽していないにも関わらず対応情報が表示されなかったりすることは好ましくない。そこで、表示制御装置212のMPU252においては上述した通常処理にて、上記異常等が発生していないかを監視する監視処理が実行される構成となっている。以下、図32のフローチャートを参照して異常監視処理について説明する。
<異常監視処理>
異常監視処理においては、先ずステップS1501にて、RAM254の各種フラグ格納エリア262に対応情報報知用フラグが格納されているか否かを判定する。ステップS1501にて肯定判定をした場合、すなわち対応情報の報知が有効となっている場合には、ステップS1502に進み、非遮蔽位置用検知センサ352から検知信号(HIレベル信号)を受信しているか否かを判定する。
ステップS1502にて肯定判定をした場合には、ステップS1503に進み遮蔽位置用検知センサ351から検知信号(HIレベル信号)を受信しているか否かを判定する。ステップS1501にて否定判定し且つステップS1502にて否定判定をした場合には、遮蔽部材311が非遮蔽位置に待機しているとして、すなわち表示部301における報知態様と表示画面41における報知態様とが一致しているとして、そのまま本異常監視処理を終了する。
一方、ステップS1502にて否定判定をした場合、又はステップS1503にて肯定判定をした場合には、遮蔽部材311の位置ずれや検知センサ351,352の故障等に起因して、表示部301における報知態様と表示画面41における報知態様とが一致していない等の異常が発生している可能性がある。そこで、このような判定をした場合にはステップS1504に進み、異常報知用処理を実行して本異常監視処理を終了する。
ステップS1504の異常報知用処理においては、表示画面41に「係員を呼んで下さい」等のメッセージを表示する。これにより、異常が発生している可能性がある旨の把握をホール管理者等に対して促すことができる。
一方、ステップS1501にて否定判定をした場合、すなわち対応情報報知用フラグが格納されていないと判定した場合には、ステップS1505に進む。ステップS1505においては、非遮蔽位置用検知センサ352から検知信号(HIレベル信号)を受信しているか否かを判定する。本来、上記対応情報報知用フラグが格納されていない場合には、遮蔽部材311が遮蔽位置にて待機しているはずであり、当該ステップS1505においては否定判定がなされることとなる。
ステップS1505にて否定判定をした場合には、ステップS1506に進み、遮蔽位置用検知センサ351から検知信号(HIレベル信号)を受信しているか否かを判定する。ステップS1505にて否定判定をし且つステップS1506にて肯定判定をした場合には、遮蔽部材311が遮蔽位置に待機しているものとして、そのまま本異常監視処理を終了する。
一方、ステップS1505にて肯定判定をした場合、又はステップS1506にて否定判定をした場合には、遮蔽部材311の位置ずれや検知センサ351,352の故障等が発生している可能性がある。そこで、このような判定をした場合には、ステップS1504に進み、上記異常報知用処理を実行した後、本異常監視処理を終了する。
ステップS1504にて実行される異常報知は、異常発生の原因が解消されることにより解除される。また、当該異常報知は表示画面41の隅部にて実行され、この異常報知が実行されている間も遊技進行が許容されるこうせいとなっている。なお、異常報知実行中の遊技進行を必ずしも許容する必要はなく、異常報知が実行されている最中は遊技進行を停止させる構成としてもよい。
<対応情報報知処理>
次に、図33のフローチャートを参照して、上記通常処理の一環として実行される対応情報報知処理について説明する。対応情報報知処理においては、図柄表示装置40の表示画面41を利用して対応情報の報知を行うための各種設定処理を行い、同対応情報報知処理にて決定した報知内容を上記VDPに伝えることで、表示画面41における所定箇所にて対応情報を表示する。
対応情報報知処理においては、先ずステップS1601にて今回の変動表示回(遊技回)がリーチ対応演出を行う変動表示回であるか否かを判定する。具体的には、音声ランプ制御装置82から送信された変動用コマンドに基づいて、リーチ対応演出の可否を判定する。
ステップS1601にて肯定判定をした場合にはステップS1602に進み、高頻度サポートモード中であるか否か、すなわち下作動口34への遊技球の入球が容易化されているか否かを判定する。具体的には、主制御装置81から音声ランプ制御装置82を経由して送信される上記高頻度サポートコマンドを受信しているか否かに基づいて高頻度サポートモード中であるか否かを判定する。
ステップS1602にて肯定判定をした場合にはステップS1603に進み、RAM254の各種フラグ格納エリア262に対応情報報知用フラグが格納されているか否かを判定する。ステップS1603にて肯定判定をした場合には、ステップS1604に進む。
ステップS1604では、対応情報報知の開始タイミングであるか否かを判定する。具体的には、今回の変動表示回においてリーチ変動表示に切り替るタイミングであるか否かを判定し、更にはノーマルリーチからスーパーリーチへの昇格タイミングであるか否かを判定する。
ステップS1604にて肯定判定をした場合、すなわちリーチ変動表示に切り替るタイミング又はスーパーリーチへの昇格タイミングである場合には、ステップS1605に進み、今回の変動表示回が上作動口33への入球に基づく変動表示回であるか否かを判定する。具体的には、主制御装置81から音声ランプ制御装置82を経由して表示制御装置212に送信された変動用コマンドが上記第1変動用コマンド(上作動口33への入球に基づく変動用コマンド)であるか否かに基づいて上記判定を行う。
ステップS1605にて肯定判定をした場合にはステップS1606に進み、上作動口33への入球に対応させて上記対応情報の表示を行う。具体的には、リーチ変動表示への切替タイミングである場合には、表示画面41における図柄の変動表示領域の上方(詳しくは第1の実施の形態における表示領域DEに相当する位置)に、今回の遊技回にて大当たりに当選した場合の15R確変/2R確変の振分確率を示すメッセージ、詳しくは「15R確変:40% / 2R確変:20%」を表示し、スーパーリーチへの昇格タイミングである場合には、図柄の変動表示領域の下方に上作動口33への入球が不利であることを示唆するメッセージ、詳しくは「CAUTION!」を表示する。これら各メッセージ(対応情報)については、リーチ変動表示等から予め設定された期間が経過したタイミング(本実施の形態においては今回の遊技回の終了タイミング)にて非表示となるように設定されている。
一方、ステップS1605にて否定判定をした場合にはステップS1607に進み、下作動口34への入球に対応させて上記対応情報の表示を行う。具体的には、リーチ変動表示への切替タイミングである場合には、表示画面41における図柄の変動表示領域の上方(詳しくは第1の実施の形態における表示領域DEに相当する位置)に、今回の遊技回にて大当たりに当選した場合の15R確変/2R確変の振分確率を示すメッセージ、詳しくは「15R確変:60% / 2R確変:0%」を表示し、スーパーリーチへの昇格タイミングである場合には、図柄の変動表示領域の下方に下作動口34への入球が不利であることを示唆するメッセージ、詳しくは「CHANCE!」を表示する。これら各メッセージ(対応情報)については、リーチ変動表示から予め設定された期間が経過したタイミング(本実施の形態においては今回の遊技回の終了タイミング)にて非表示となるように設定されている。
つまり、上記第1の実施の形態等においては、高頻度サポートモードである場合には常時、対応情報が何らかのかたちで表示画面41に表示される構成を採用していたのに対して、本実施の形態においては、リーチ表示が行われる場合に同対応情報を表示する構成を採用している。これにより、対応情報の表示による煩わしさを低減させるとともに、対応情報報知時のインパクトを強め、同対応情報への注目度向上を図っている。
<対応情報の報知態様>
ここで、図34を参照して上作動口33への入球に基づく対応情報の報知態様(表示態様)と、下作動口34への入球に基づく対応情報の報知態様(表示態様)とについて説明する。図34(1)群は上作動口33への入球に基づく図柄の変動表示態様の一例及び対応情報の報知態様を示し、図34(2)群は下作動口34への入球に基づく図柄の変動表示態様の一例及び対応情報の報知態様を示している。
先ず上作動口33への入球に基づく図柄の変動表示態様等について説明する。対応情報報知用フラグが格納され且つ高頻度サポートモードとなっている場合に上作動口33への入球に基づいた遊技回が実行される際には、抽選等に基づいてノーマルリーチに対応する変動表示態様やスーパーリーチに対応する変動表示態様等が選択される。ここでは、スーパーリーチに対応する変動表示態様が選択された場合について例示する。
t1のタイミングにて全ての図柄列の変動表示を開始してから(図34(a1)参照)、予め設定された期間が経過したt2のタイミングにおいては、図34(b1)に示すように上図柄列の変動表示が終了し、主制御装置81からの変動用コマンド及び種別コマンドに基づいて設定された図柄が上記有効ライン上に停止する。停止態様の一例としては、確変大当たり対応の特定図柄(例えば「ジュゴン&7」)と通常大当たり対応の非特定図柄(例えば「アンコウ&6」)とが有効ライン上に停止する。
その後、t3のタイミングにおいては下図柄列の変動表示が終了し、図34(c1)に示すように、有効ライン上に上記各コマンドに基づいて設定された図柄が停止する。具体的には、上図柄列において有効ライン上に停止している各図柄とともに大当たりに対応する図柄の組み合わせを構成する図柄(例えば「ジュゴン&7」及び「アンコウ&6」)を停止表示する。
停止している上図柄及び下図柄については、変動表示領域MEの中央部分を挟んで斜めに対峙しており、この中央部分に中図柄列におけるどの図柄が停止するかによって、外れ,15R通常大当たり,2R確変大当たり,15R確変大当たりの何れかに対応する遊技結果が表示されることとなる。
t3にタイミングにてリーチ変動表示が開始された際には、図柄の変動表示領域の上方には、今回の遊技回にて大当たりに当選した場合の15R確変/2R確変の振分確率を示すメッセージ、詳しくは「15R確変:40% / 2R確変:20%」が表示される。
その後、t4のタイミングにて表示画面261aの中央に所定のキャラクタ(本実施の形態においては女の子の画像)が表示され、ノーマルリーチからスーパーリーチに移行(昇格)すると、図34(d1)に示すように、図柄の変動表示領域の下方に上作動口33への入球が不利であることを示唆するメッセージ、詳しくは「CAUTION!」が表示される。
そして、続くt5のタイミングでは、図34(e1)に示すように、中図柄列の変動表示が終了し、上図柄及び下図柄と大当たり図柄の組み合わせを構成する中図柄が上記有効ライン上に停止する。これにより、遊技者は大当たりに当選した旨を把握することができる。図34(1)群の例においては、中図柄列を構成する特定図柄(カニ&9)が停止することにより、有効ライン上に2R確変大当たりに対応する図柄の組み合わせ(上図柄:ジュゴン&7,中図柄:カニ&9,下図柄:ジュゴン&7)が停止した状態となる。これにより、遊技者は2R確変大当たりに当選した旨を把握することができる。
そして、図柄の変動表示が終了した後のタイミングにて上記対応情報が非表示となる。
次に下作動口34への入球に基づく図柄の変動表示態様等について説明する。対応情報報知用フラグが格納され且つ高頻度サポートモードとなっている場合に下作動口34への入球に基づいた遊技回が実行される際には、抽選等に基づいてノーマルリーチに対応する変動表示態様やスーパーリーチに対応する変動表示態様等が選択される。ここでは、スーパーリーチに対応する変動表示態様が選択された場合について例示する。
t1のタイミングにて全ての図柄列の変動表示を開始してから(図34(a2)参照)、予め設定された期間が経過したt2のタイミングにおいては、図34(b2)に示すように上図柄列の変動表示が終了し、主制御装置81からの変動用コマンド及び種別コマンドに基づいて設定された図柄が上記有効ライン上に停止する。停止態様の一例としては、確変大当たり対応の特定図柄(例えば「ジュゴン&7」)と通常大当たり対応の非特定図柄(例えば「アンコウ&6」)とが有効ライン上に停止する。
その後、t3のタイミングにおいては下図柄列の変動表示が終了し、図34(c2)に示すように、有効ライン上に上記各コマンドに基づいて設定された図柄が停止する。具体的には、上図柄列において有効ライン上に停止している各図柄と大当たりに対応する図柄の組み合わせを構成する図柄(例えば「ジュゴン&7」及び「アンコウ&6」)を停止表示する。
停止している上図柄及び下図柄については、変動表示領域MEの中央部分を挟んで斜めに対峙しており、この中央部分に中図柄列におけるどの図柄が停止するかによって、外れ,15R通常大当たり,2R確変大当たり,15R確変大当たりの何れかに対応する遊技結果が表示されることとなる。
t3にタイミングにてリーチ変動表示が開始された際には、図柄の変動表示領域の上方に、今回の遊技回にて大当たりに当選した場合の15R確変/2R確変の振分確率を示すメッセージ、詳しくは「15R確変:60% / 2R確変:0%」が表示される。
その後、t4のタイミングにて表示画面261aの中央に所定のキャラクタ(本実施の形態においては女の子の画像)が表示され、ノーマルリーチからスーパーリーチに移行(昇格)すると、図34(d2)に示すように、図柄の変動表示領域の下方に下作動口34への入球が有利であることを示唆するメッセージ、詳しくは「CAHNCE!」が表示される。
そして、続くt5のタイミングでは、図34(e1)に示すように、中図柄列の変動表示が終了し、上図柄及び下図柄と大当たり図柄の組み合わせを構成する中図柄が上記有効ライン上に停止する。これにより、遊技者は大当たりに当選した旨を把握することができる。図34(2)群の例においては、中図柄列を構成する特定図柄(ジュゴン&7)が停止することにより、有効ライン上に15R確変大当たりに対応する図柄の組み合わせ(上図柄:ジュゴン&7,中図柄:ジュゴン&7,下図柄:ジュゴン&7)が停止した状態となる。これにより、遊技者は15R確変大当たりに当選した旨を把握することができる。
そして、図柄の変動表示が終了したt5のタイミングにて、すなわちリーチ変動表示が開始されたt3のタイミングから予め設定された期間が経過したt5のタイミングにて、上記対応情報が非表示となる。
以上詳述した第5の実施の形態によれば以下の優れた効果を奏する。
図柄表示装置40の表示画面41にて大当たり等の報知を行う構成においては、遊技者の注目が表示画面41に向きやすい。そこで、表示画面41にて対応情報の報知を行う構成とすれば第1の実施の形態と同様に遊技者に対して対応情報の把握を好適に促すことができる。
しかしながら、表示画面41においては図柄等の変動表示が行われており、上記対応情報を表示する構成を採用することにより、図柄の変動表示領域が圧迫されると、図柄表示装置40における演出機能等が低下しやすくなると懸念される。そこで、本実施の形態に示すように、詳細な対応情報を表示部301にて表示し、同対応情報の一部を表示画面41に表示する構成とすることいより、上記演出機能の低下を抑えつつ、対応情報の報知機能を担保することが可能となっている。
また、表示部301を表示状態と非表示状態とに切替可能とし、同表示部301の表示状態に合わせて表示画面41における対応情報の報知を有効/無効で切り替える構成を採用した。これにより、表示切替作業の煩雑化を抑え、更には表示部301における報知機能と表示画面41における報知機能とがちぐはぐになることを抑制可能となっている。
遮蔽部材311を遮蔽位置と非遮蔽位置とに移動可能に設けた場合には、それら遮蔽位置と非遮蔽位置との中間位置等に遮蔽部材311が留まることで遊技者の混乱を招く可能性がある。この点、本実施の形態においては、検知センサ351,352からの検知情報に基づいて遮蔽部材311の位置が正常であるかを監視する構成を採用している。これにより、上記不都合の発生を抑えている。
図柄表示装置40にて対応情報の報知を行う際の報知タイミングを高頻度サポート中に限定した。下作動口34への入球が事実上ほぼ不可能となっているタイミング(低頻度サポートモード中)にて対応情報を報知する場合には、対応情報に従って下作動口34への入球を狙うことが難しく、上記対応情報の報知によって遊技者に不快感を与える可能性が生じる。故に、高頻度サポート中であることを条件として対応情報の報知を行う構成を採用することにより、上記不都合の発生を好適に抑制することが可能となっている。
対応情報の報知を少なくとも図柄表示装置40にて図柄が変動表示されている期間となるように設定した。図柄の変動表示が行われている際には、遊技者の注目が図柄表示装置40(詳しくは表示画面41)に向きやすいと想定されるため、同図柄表示装置40における対応情報の報知機能を好適に発揮させることができる。
より詳しくは、図柄表示装置40にて対応情報を表示するタイミングをリーチ変動表示の開始タイミング又は同開始タイミングの後となるタイミングとした。リーチ変動表示の結果大当たりの発生期待度が付与されているため、遊技者の注目がリーチ変動表示が行われない場合と比較して高くなりやすい。このリーチ変動表示中に、対応情報を報知する構成とすることにより、対応情報の報知機能を好適に発揮させることができる。
また、対応情報の報知を行うための領域を確保しようとすれば、同対応情報の報知領域によって表示画面41における図柄の変動表示領域が圧迫されやすくなる。これは、図柄表示装置40が本来有している機能を低下させる要因となり得るため好ましくない。この点、本実施の形態によれば、リーチ変動表示となった場合に対応情報を報知する構成とすることにより、上述した変動表示領域の圧迫を抑えることが可能となっている。
<第6の実施の形態>
上記第1の実施の形態及び上記第2の実施の形態においては、下作動口34への入球に基づく抽選が上作動口33への入球に基づく抽選よりも有利であることに対応する対応情報を報知する構成とした。詳しくは1の機種に対応する対応情報を報知する構成とした。本実施の形態においては、上記第3の実施の形態と同様に、仕様の異なる複数の機種に対して個々に対応する対応情報等を個別に報知可能な構成を採用している。更には、上記第3の実施の形態においては、表示部401,411を複数の機種間で共有化することで遊技盤80等の共通化を促進可能な構成を採用したが、本実施の形態においては遊技盤24以外の各種遊技部品(遊技機器)の共有化の更なる促進を図る工夫が施されている。そこで以下、図35に基づいて本実施の形態における対応情報等の報知に関する構成について説明する。図35は第6の実施の形態における遊技盤24の部分拡大図である。
本実施の形態においては、第2の実施の形態と同様に、遊技盤24の装飾部材39において役物用表示部44と一般入賞口31との間となる部位に、対応情報等を表示する表示部(詳しくは第1表示部501A及び第2表示部501B)が設けられている。図35に示すように、第1表示部501A及び第2表示部501Bは、横並びとなるようにして配置されており、それぞれ個別の情報を表示可能となっている。
具体的には、第1表示部501Aは対応情報等が印字された第1シール部材502Aと同第1シール部材502Aに対応する第1シール貼付部503Aとによって構成されており、第2表示部501Bについても同様に、対応情報等が印字された第2シール部材502Bと同第2シール部材502Bに対応する第2シール貼付部503Bとによって構成されている。なお、シール貼付部503A,503Bに関しては上記第2の実施の形態におけるシール貼付部303と同様の構成であるため詳細な説明は省略する。
第1シール部材502Aの印字面502Aaには、図35(a)に示すように、上記対応情報として「低確率:1/300、上作動口 15R通常:50% 15R確変:30% 2R確変:20%、下作動口 15R通常:50% 15R確変:50% 2R確変:0%」が付与されており、第1の実施の形態における対応情報よりもより詳細な遊技機の仕様が示されたものとなっている。つまり、第1の実施の形態においては、各作動口33,34における15R確変大当たりと2R確変大当たりの振分比率を表示していたのに対して、本実施の形態においては、15R通常大当たりの振分を考慮して大当たり時の振分態様を全て表示している。
一方、第2シール部材502Bの印字面502Baには、図35(b)に示すように、上記対応情報として「低確率:1/350、上作動口 15R通常:40% 15R確変:40% 2R確変:20%、下作動口 15R通常:40% 15R確変:60% 2R確変:0%」が付与されており、第1の実施の形態における対応情報よりもより詳細な遊技機の仕様が示されたものとなっている。つまり、第1の実施の形態においては、各作動口33,34における15R確変大当たりと2R確変大当たりの振分比率を表示していたのに対して、本実施の形態においては、15R通常大当たりの振分を考慮して大当たり時の振分態様を全て表示している。
このように第1表示部501A及び第2表示部501Bを併有することにより、遊技盤24の共有化が図られている。具体的には、遊技機に関する大当たり確率等の仕様については主制御装置81(詳しくはMPU202)に記憶されたプログラム又はデータによって定められており、同データ等の異なる2種の主制御装置81A,81Bをそれぞれ別の遊技盤24に搭載することで仕様の異なる2種の遊技機を作成することが可能となっている。仕様の異なる2種の遊技機にそれぞれ固有の表示部を設けることも可能であるが、係る構成を採用した場合には遊技盤24が遊技機毎の専用品となり在庫管理等が煩雑化すると想定される。
そこで、本実施の形態においては各仕様に1対1で対応させて第1表示部501A及び第2表示部501Bを設け、更にそれら各表示部501A,501Bの一方を遮蔽部材511によって遮蔽することにより、上記不都合を好適に払拭することを特徴の1つとしている。ここで、遮蔽部材511及びそれに付随する構成について説明する。
遮蔽部材511は、第2の実施の形態における遮蔽部材311と同様に有色不透明な合成樹脂材料を用いて成形されており、第1表示部501Aを遊技機前方から遮蔽する第1遮蔽位置と、第2表示部501Bを遊技機前方から遮蔽する第2遮蔽位置とに変位可能な状態で装飾部材39に取り付けられている。
遮蔽部材511には、装飾部材39の前面に対向する対向部512と同対向部512から装飾部材39側に突出する突出部513とが形成されており、同突出部513が装飾部材39に形成された溝部504に係合することにより、同装飾部材39に対して一体化されている。遮蔽部材511の変位(両表示部501A,501Bの並設方向へのスライド移動)を可能とするための各種構成については、第2の実施の形態と同様であるため詳細な説明は省略する。
遮蔽部材511の対向部512は、各表示部501A,501Bを個別に遮蔽可能な大きさを有している。遮蔽部材511が第1遮蔽位置に配置されている場合には、対向部512が第1表示部501Aに対して遊技機前方から重なることで第1表示部501Aが遊技機前方から視認不可となるとともに第2表示部501Bとの重なりが回避されることで同第2表示部501Bが遊技機前方に露出した状態となる(図35(b)参照)。つまり、第2表示部501Bに付与された対応情報が遊技機前方から視認可能となり、当該遊技盤24(パチンコ機10)が第2表示部501Bにて報知されている仕様である旨を把握することが可能となる。
一方、遮蔽部材511が第2遮蔽位置に配置されている場合には、対向部502が第2表示部501Bに対して前方から重なることで当該第2表示部501Bが視認不可となるとともに第1表示部501Aとの重なりが回避されることで同第1表示部501Aが遊技機前方に露出した状態となる(図35(a)参照)。つまり、第1表示部501Aに付与された対応情報が遊技機前方から視認可能となり、当該遊技盤24(パチンコ機10)が第1表示部501Aにて報知されている仕様である旨を把握することが可能となる。
表示部501A,501Bと隣接する位置、詳しくは遮蔽部材511の移動経路上には、遮蔽部材511の位置を検知する検知手段として複数の検知センサ551,552が配設されている。より具体的には、遮蔽部材511が上記第1遮蔽位置に配置されている場合に同遮蔽部材511を検知する第1検知センサ551と、同遮蔽部材511が非遮蔽位置に配置されている場合に同遮蔽部材511を検知する第2検知センサ552とが配設されている。
これら各検知センサ551,552には接触式センサ(具体的にはプッシュセンサ)が採用されており、第1検知センサ551については第1遮蔽位置に待機している遮蔽部材511との接触が担保されるとともに第1遮蔽位置から外れた位置(例えばだい2遮蔽位置)に待機している遮蔽部材511との接触が回避されるように配置され、第2検知センサ552については第2遮蔽位置に待機している遮蔽部材511との接触が担保されるとともに第2遮蔽位置から外れた位置(例えば第1遮蔽位置)に待機している遮蔽部材511との接触が回避されるように配置されている。これにより、通常は両検知センサ551,552によって遮蔽部材511が同時に検知されることが回避されている。
なお、検知手段に関しては必ずしも接触式の検知センサを採用する必要はなく、例えば非接触式の検知センサ(フォトセンサ等)を採用することも可能である。
図36のブロック図に示すように、各検知センサ551,552は、音声ランプ制御装置640の音声ランプ制御基板641に対して電気的に接続されており、遮蔽部材511を検知している場合には検知信号としてHIレベル信号を出力し、遮蔽部材511を検知していない場合にはLOWレベル信号を出力するように構成されている。これら検知センサ551,552からの検知情報(検知信号)に基づいて、遮蔽部材511が、遮蔽位置及び非遮蔽位置のどちらに存在しているかを同音声ランプ制御装置640にて把握可能となっている。
また、遮蔽部材511の切替えを行う際には、第1遮蔽位置でもなく第2遮蔽位置でもない位置(以下便宜上、中間位置と称する)を経由することとなるが、上記検知センサ551,552についてはこの中間位置に存在している遮蔽部材511については検知しない構成となっている。このため、例えば遮蔽部材511の切替操作が正常に行われていない場合には、両検知センサ551,552からHIレベル信号が出力されない(LOWレベル信号が出力される)ことで、遮蔽部材511が上記中間位置に存在していることを同音声ランプ制御装置640にて把握可能となっている。
本実施の形態においては、上記第1表示部501A及び第2表示部501Bにて明示されている各仕様での演出態様が差別化されており、同差別化を実現するための各種データ等が音声ランプ制御装置640にまとめて記憶されている。つまり、音声ランプ制御基板641のMPU642(ROM643)には、各仕様に応じて異なる演出態様を実現するための各種データが記憶されている。
ここで、図36のブロック図に基づき、音声ランプ制御装置640の電気的構成について補足説明する。音声ランプ制御装置640のROM643には各種テーブル記憶エリア643aが設けられている。この各種テーブル記憶エリア643aには、主制御装置81から送信された変動用コマンド等の各種コマンドに基づいてリーチ演出の態様を決定するための演出振分テーブル(リーチパターン用テーブル)が記憶されている。
演出振分テーブルは、主制御装置81にて決定された変動表示時間に応じてリーチパターンを決定するための機能を有する。具体的には、変動用コマンドに含まれる変動表示時間情報を参照し、この変動表示時間が第1特定時間(例えば10sec)である場合にはノーマルリーチを選択し、第2特定時間(例えば15sec)である場合にはノーマルリーチの後にスーパーリーチBを行う態様を選択し、第3特定時間(例えば20sec)である場合にはノーマルリーチの後に又はスーパーリーチの後にプレミアムリーチを行う態様が選択される構成となっている。
ここで、スーパーリーチとしては、演出内容の相違するスーパーリーチAとスーパーリーチBとが設定されており、上記変動用コマンドにおける変動表示時間情報に基づいてスーパーリーチが選択された場合には、RAM644の各種カウンタエリア644bに格納されているリーチ種別カウンタの値を参照して、どちらのパターンを実行するかの振分が行われる。
同様に、プレミアムリーチについても、演出内容の相違するプレミアムリーチAとプレミアムリーチBとが設定されており、上記変動用コマンドにおける変動表示時間情報に基づいてプレミアムリーチが選択された場合には、上記種別カウンタの値を参照して、どちらのパターンを実行するかの振分が行われる。演出振分テーブルを参照して、リーチ種別の情報を取得した後は、同リーチ種別の情報をMPU642のレジスタに記憶する。
なお、リーチ種別カウンタは、0〜19の範囲内で更新の都度(音声ランプ制御装置640のMPU642にて定期的に実行されるタイマ割込み処理の都度)1ずつ加算され、最大値(つまり19)に達した後、0に戻る構成となっている。
本実施の形態における音声ランプ制御装置640については、図37に示すように、演出用振分テーブルとして、第1表示部501Aに表示されている仕様用の振分テーブル(図37(a)参照)と、第2表示部501Bに表示されている仕様用の振分テーブル(図37(b)参照)とが個々に記憶されている。以下便宜上、第1表示部501Aに表示されている遊技機の仕様を「第1の仕様」それに対応する振分テーブルを「第1仕様用振分テーブル」、第2表示部501Bに表示されている遊技機の仕様を「第2の仕様」それに対応する振分テーブルを「第2仕様用振分テーブル」とも称する。
これら演出振分テーブルを選択された仕様に応じて使い分けることにより、第1の仕様における演出態様と第2の仕様における演出態様とに差違を生じさせている。本実施の形態においては、第1仕様用振分テーブルにおけるスーパーリーチA及びスーパーリーチBの振分確率と、第2仕様用振分テーブルにおけるスーパーリーチA及びスーパーリーチBの振分確率とが逆となるように設定されており、更には第1の仕様においては各プレミアムリーチの振分確率が同等であるのに対して第2の仕様においてはプレミアムリーチAの振分確率がプレミアムリーチBの振分確率よりも高くなるように設定されている。
ここで、本実施の形態においては図柄表示装置40の表示画面41における演出態様を各仕様に応じて切替可能となっている。詳しくは、表示部501A,501Bの表示態様(遮蔽部材511の位置情報)に基づいて切替可能となっている。以下、図38のフローチャートを参照して、音声ランプ制御装置640のMPU642にて実行される上記演出態様の切り替えに関連した各種処理について説明する。
音声ランプ制御装置640のMPU642により実行される処理には、パチンコ機10の電源立ち上げ時に実行されるメイン処理と、当該メイン処理後に実行される通常処理とが含まれており、これら各処理のうちメイン処理にて、図柄表示装置40の表示画面41における演出態様を第1表示部501Aに表示されている遊技機の仕様及び第2表示部501Bに表示されている遊技機の仕様のどちらに対応させるかを決定する決定処理(参照テーブル決定処理)を実行する。
<参照テーブル決定処理>
図38のフローチャートに示すように、参照テーブル決定処理においては、先ずステップS1701にて第1検知センサ551から検知信号(HIレベル信号)を受信しているか否かを判定する。ステップS1701にて否定判定をした場合には、ステップS1702に進み、第2検知センサ552から検知信号(HIレベル信号)を受信しているか否かを判定する。
ステップS1701にて否定判定をし且つステップS1702にて肯定判定をした場合には、遮蔽部材511が第2蔽位置に存在しているものとして、すなわち第1の仕様が明示され且つ第2の仕様が隠蔽されているとして、ステップS1703に進む。そして、ステップS1703にてRAM644の各種フラグ格納エリア644aに第1仕様用振分テーブル参照フラグを格納した後、本参照テーブル決定処理を終了する。第1仕様用振分テーブル参照フラグは、演出態様を決定する際に参照する対象を第1の仕様に対応する振分テーブルとする場合のフラグである。
ステップS1701にて否定判定をした場合にステップS1702にて否定判定をすることはほぼ無いが、検知センサ551,552が故障した場合や作業ミス等で遮蔽部材511が中間位置に留まったままとなっている場合等には、ステップS1701及びステップS1702の両処理にて否定判定し得る。そこで、ステップS1702にて否定判定をした場合にはステップS1704に進み、異常報知用処理を実行する。
この異常報知用処理においては、遮蔽部材511の切替操作が正常に完了していない可能性や検知センサ551,552等に故障等の異常が発生している可能性がある旨の報知を実行すべく、図柄表示装置40の表示画面41に「表示切替用の操作片の位置及びセンサを確認下さい」等のメッセージを表示する。
ステップS1701にて肯定判定をした場合には、ステップS1705に進む。ステップS1705では第2検知センサ552から検知信号(HIレベル信号)を受信しているか否かを判定する。ステップS1705にて否定判定をした場合には、遮蔽部材511が第1遮蔽位置に存在しているものとして、ステップS1706に進む。そして、ステップS1706にてRAM644の各種フラグ格納エリア644aに第2仕様用振分テーブル参照フラグを格納した後、本参照テーブル決定処理を終了する。第2仕様用振分テーブル参照フラグは、演出態様を決定する際に参照する対象を第2仕様用振分テーブルとする際に使用されるフラグである。
一方、ステップS1701にて肯定判定をした後に、ステップS1705にて肯定判定をした場合には、検知センサ551,552に異常が発生している可能性がある。そこで、当該否定判定をした場合には、ステップS1404に進み、異常報知処理を実行する。
この異常報知用処理においては、検知センサ551,552に異常が発生している可能性がある旨の報知を実行すべく、図柄表示装置40の表示画面41に「センサ及び信号伝達経路を確認下さい」等のメッセージを表示する。
ステップS1704にて実行される各種異常報知は、異常発生の原因を解消した後遊技機を再起動することにより解除される。なお、同異常報知は電源投入時に実行されるため、遊技機の再起動に起因して遊技者が不利益を被るといった不都合の発生は回避されている。
本実施の形態においては、上述の如く採用されている遊技機の仕様(詳しくは表示部501の表示態様)に応じて図柄表示装置40の表示画面41等における演出態様が変更される構成となっている。このため、仮に表示部501にて明示されている遊技機の仕様と演出態様とが食い違うと、遊技者等を困惑させ、遊技機に対する信頼性が低下すると想定される。そこで、音声ランプ制御装置640のMPU642においては上述した通常処理にて、上記異常等が発生していないかを監視する監視処理が実行される構成となっている。この監視処理については、上記第5の実施の形態に示した異常監視処理と同様であるため、詳細な説明は省略する。
<演出態様決定処理>
次に、図38(b)のフローチャートを参照して、音声ランプ制御装置640のMPU642にて上記通常処理の一環として実行される演出決定処理について説明する。
演出態様決定処理においては、先ずステップS1801にて主制御装置81から変動用コマンドを受信しているか否かを判定する。ステップS1801にて否定判定をした場合には、そのまま本演出決定処理を終了する。
一方、ステップS1801にて肯定判定をした場合には、ステップS1802に進む。ステップS1802においては、RAM644の各種フラグ格納エリア644aに第1仕様用振分テーブル参照フラグが格納されているか否かを判定する。ステップS1802にて肯定判定をした場合にはステップS1803に進み、第1仕様対応の演出決定処理を実行した後、本演出決定処理を終了する。
第1仕様対応の演出決定処理においては、先ず上記変動用コマンドに付与された変動期間に関する情報を参照し、今回の遊技回においてリーチ変動表示が実行されるか否かを判定する。リーチ変動表示が実行されると判定した場合には、そのカテゴリ(ノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチ)を決定し、その後、リーチ種別カウンタの値を第1仕様用振分テーブルの数値情報と照らし合わせて、詳細なリーチ演出の種類を決定する。そして、その結果をMPU642のレジスタに記憶するとともに、表示制御装置212に対して当該結果を伝えるためのコマンドをセットする。同コマンドは、音声ランプ制御装置640のMPU642にて実行される通常処理の外部出力処理にて表示制御装置212に出力される。
一方、ステップS1802にて否定判定をした場合にはステップS1804に進み、第2仕様対応の演出決定処理を実行した後、本演出決定処理を終了する。
第2仕様対応の演出決定処理においては、先ず上記変動用コマンドに付与された変動期間に関する情報を参照し、今回の遊技回においてリーチ変動表示が実行されるか否かを判定する。リーチ変動表示が実行されると判定した場合には、そのカテゴリ(ノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチ)を決定し、その後、リーチ種別カウンタの値を第2仕様用振分テーブルの数値情報と照らし合わせて、詳細なリーチ演出の種類を決定する。そして、その結果をMPU642のレジスタに記憶するとともに、表示制御装置212に対して当該結果を伝えるためのコマンドをセットする。同コマンドは、音声ランプ制御装置640のMPU642にて実行される通常処理の外部出力処理にて表示制御装置212に出力される。
以上詳述した第6の実施の形態によれば以下の優れた効果を奏する。
複数の機種間(第1の仕様の遊技機及び第2の仕様の遊技機)にて表示制御装置212や音声ランプ制御装置640の共通化を図ることができる。つまり、各表示部501A,501Bや上記各種制御装置212,640を併有することにより、遊技盤24の共有化が図られている。具体的には、遊技機に関する大当たり確率等の仕様については主制御装置81(詳しくはMPU202)に記憶されたプログラム又はデータによって定められており、同データ等の異なる2種の主制御装置81A,81Bをそれぞれ別の遊技盤24に搭載することで仕様の異なる2種の遊技機を作成することが可能となっている。仕様の異なる2種の遊技機にそれぞれ固有の表示部や音声ランプ制御装置等を設けることも可能であるが、係る構成を採用した場合には遊技盤24が遊技機毎の専用品となり在庫管理等が煩雑化すると想定される。この点、本実施の形態によれば、そのようは不都合の発生を好適に抑制することができる。
表示部501A,501Bの表示態様とパチンコ機10における遊技態様(詳しくは演出態様)とが食い違うことは、遊技者を困惑させる要因となり、ひいてはパチンコ機10の信頼性を低下させると想定される。遊技機の仕様に応じて演出態様を変更する構成においては、作業ミス等によって上記不都合が生じ得る。そこで、本実施の形態に示すように、遮蔽部材511の位置情報に基いて演出態様が決定される構成とすれば、操作系統が複雑となって上記不都合の発生確率が高くなることを好適に抑制することができる。
また、特に遮蔽部材511を前扉枠14を開放することでアクセス可能となる位置に配置しているため、同前扉枠14を開放した状態で球詰まりの解消等の各種作業を行う場合には、ホール管理者等が遮蔽部材511に当たる等して同遮蔽部材511の位置が誤って変更され得る。このような不都合の発生を回避しようとして上記作業がやりにくくなることは好ましくない。この点、本実施の形態においては、遮蔽部材511の位置の変化を監視する構成とすることにより、上記食い違いの発生を抑え、上述した作業性の低下を好適に抑制することが可能となっている。
各仕様に応じて演出用の振分テーブルを設定した。選択される演出の内容自体は、各振分テーブルにて同じとなっており、各演出の選択確率が相違する構成となっている。これにより、各種制御装置212,640の記憶容量の増大を抑えつつ、多様な仕様の実現に貢献することが可能となっている。
<第7の実施の形態>
上記第6の実施の形態においては、表示部の切替操作に基づいて各仕様に対応するように演出態様を切り替える構成としたが、本実施の形態においては、表示部の切替操作に基づく切替の対象が上記第6の実施の形態と相違している。より具体的には、上記第6の実施の形態においては表示態様の切り替えに応じて演出態様を切り替える構成としたが、本実施の形態においては遊技機の仕様そのものを切り替える構成とした。そこで以下、図39を参照し、遊技機の仕様を表示内容に応じて切り替える構成について説明する。図39(a)は第7の実施の形態における表示部およびその周辺を示す遊技盤24の部分拡大図、図39(b)は図39(a)のA−A線部分断面図である。
<表示ユニット600>
図39(a)に示すように、装飾部材39には遊技機前方から視認可能となるようにして表示ユニット600が組み付けられている。表示ユニット600は、装飾部材39に形成された開口部39aに嵌まる本体610を有している。本体610は遊技盤24側(遊技機後方)に開放された略箱状をなしており、その前面部611が上記開口部39aから前方に突出している。この前面部611には、本体610の内外(前後)に貫通する窓部612が左右に3つ並設されており、それら窓部612のうち左側の窓部(以下、「左窓部612L」と称する)及び右側の窓部(以下、「右窓部612R」と称する)の後方には、表示装置620が配設されている(図39(b)参照)。表示装置620は、左窓部612Lを後方から覆う左表示部621Lと、右窓部612Rを後方から覆う右表示部621Rとを有しなり、それら各表示部621L,621Rの各表示画面622L,622Rが窓部612L,612Rを介して遊技機前方へ露出している。
中央の窓部(以下、「中窓部612M」と称する)の後方、詳しくは表示部621(表示装置620)よりも後側には、可動部材630が配されている(図39(b)参照)。可動部材630は、中窓部612Mと対向する平板状の対向部631を有しており、同対向部631の上下両端部が本体610の上壁面部613及び下壁面部614に形成された溝部615に嵌まることで可動部材630が本体610に一体化されている。
溝部615は横方向(左右方向)に延びており、同溝部615内を対向部631が摺動することにより、可動部材630の横方向へのスライド移動が許容される。
可動部材630の対向部631には、中窓部612Mを通じて遊技機前方に突出する突出片632が形成されている。中窓部612Mは左右に延びる横長矩形状をなしており、突出片632は当該中窓部612Mの短手方向に延びる突条をなしている。この突出片632を指等で左右に押すことにより、可動部材630の左右へスライド移動させることができる。このように可動部材630を移動させる際に、突出片632が操作される点に着目すれば、同突出片632を「操作部632」と称することも可能である。
可動部材630を左方にスライド移動させた場合には、対向部631の左側の端部が本体610の左壁面部616に当接することによりそれ以上の左方への移動が阻止されることとなる。また、可動部材630を右方にスライド移動させた場合には、対向部631の右側の端部が本体610の右壁面部617に当接することによりそれ以上の右方への移動が阻止されることとなる。つまり、本体610の左壁面部616及び右壁面部617には可動部材630の左限位置及び右限位置(移動範囲)を規定する機能が付与されている。
本実施の形態における表示ユニット600には、可動部材630を任意の位置に移動させた後の同可動部材630の位置ずれ等を抑えるためのロック機構(図示略)が採用されている。ここで、当該ロック機構について簡単に説明する。
本体610の溝部615には可動部材630の前後方向に移動を許容する幅が設定されており、可動部材630の対向部631には当該可動部材630を後方へ付勢する付勢手段として板バネが取り付けられている。対向部631には可動部材側係合部が形成され、本体610には可動部材630が上記板バネの付勢力により最も後側に定置されている状態にて同可動部材側係合部に係合する本体側係合部が形成されている。これら両係合部が引っ掛かることにより、可動部材630の左右へのスライド移動が規制されている。
可動部材630を左右にスライド移動させる場合には、突出片632を指等で摘んで前記板バネの付勢力に抗して手前側に引っ張ることで可動部材側係合部と本体側係合部との引っ掛かりが解除され、左右へのスライド移動が許容されることとなる。つまり、可動部材630をスライド移動させる際には、同可動部材630を上記付勢力に抗して前方へ移動させるこという準備動作が必要不可欠となる。
ここで、突出片632の先端部分は、窓パネル62と対峙しており、両者の隙間は、上記各係合部の引っ掛かりを解除するのに必要な前後ストロークよりも小さく設定されている。このため、前扉枠14を閉じた状態では、窓パネル62によって可動部材630の前方への移動が妨げられることとなる。言い換えれば、可動部材630の操作は前扉枠14によって妨げられており、可動部材630の配置を変更する場合には、前扉枠14を所定の角度以上に開放させる必要がある。これにより、可動部材630に位置ずれ等が生じることを抑制している。
可動部材630における対向部631の前面には突出片632を境界として右側と左側とにそれぞれ表示面635が形成されている。左側の表示面635Lには「15R確変」が印字されており、右側の表示面635Rには「2R確変」が印字されている。これにより、確変大当たり当選時に15R確変大当たり/2R確変大当たりの振分割合を、中窓部612Mを通じて視認可能となる左表示面635Lと右表示面635Rの割合によって模式的に表している。例えば、図39(a)においては、中窓部612Mを占める左表示面635L及び右表示面635Rの割合が1:1となっており、確変大当たり当選時に15R確変大当たりとなる割合が50%、且つ2R確変大当たりの割合が50%であることを模式的に示している。
上述したように、本実施の形態における可動部材630は左右にスライド移動可能となっており、このような可動部材630の移動により中窓部612Mを通じて視認可能となる左表示面635L及び右表示面635Rの割合が変化する構成となっている。表示ユニット600には、可動部材630の位置を検知するための検知手段として位置検知センサ650が内蔵されている。
図40のブロック図に示すように、位置検知センサ650は主制御装置700の主制御基板701に対して電気的に接続されており、当該位置検知センサ650から可動部材630の位置情報が同主制御装置700に対して出力される構成となっている。これにより、主制御装置700においては、可動部材630の待機位置を把握可能となっている。そして、この位置情報に基づいて上述した左表示面635L及び右表示面635Rの割合を把握可能となっている。
ここで、同図40を参照して、表示内容に応じた遊技機の仕様の変更を実現するための電気的構成について説明する。
主制御装置700のROM703には各種マップ記憶エリア703aが設けられており、当該各種マップ記憶エリア703aには、上記位置検知センサ650からの位置情報に基づいて遊技機の仕様を決定するためのマップが記憶されている。
主制御装置700のRAM704には上記位置検知センサ650からの位置情報を記憶する位置情報格納エリア704aと、各種テーブル格納エリア704bとが設けられており、上記マップを参照して決定された仕様に関する情報は、テーブル情報として同各種テーブル格納エリア704bに格納される。
主制御装置700(主制御基板701の出力側)には、表示ユニット600を構成する表示装置620が電気的に接続されており、同表示装置620における表示内容が主制御装置700によって制御される構成となっている。
次に、本実施の形態における主制御装置700のMPU702にて実行される各種処理について説明する。
<メイン処理>
先ず、電源投入時のリセットに伴い起動されるメイン処理について、図41のフローチャートを用いて説明する。
先ずステップS1901では、電源投入に伴う立ち上げ処理を実行する。続くステップS1902では、MPU702のRAM704へのアクセスを許可する。その後、ステップS1903では、電源・発射制御装置98に設けたRAM消去スイッチがオンされているか否かを判定し、続くステップS1904ではRAM704に電断フラグが格納されているか否かを判定する。また、ステップS1905ではRAM判定値を算出し、続くステップS1906では、そのRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致するか否か、すなわち記憶保持されたデータの有効性を判定する。
RAM消去スイッチが押されていれば、ステップS1907〜S1908の処理に移行する。また、電源遮断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)により記憶保持されたデータの異常が確認された場合も同様にステップS1907〜S1908の処理に移行する。
ステップS1907では、RAM704の使用領域を0にクリアし(初期化し)、ステップS1908ではRAM704の初期化処理を実行する。その後、ステップS1909にてテーブル設定処理を実行し、続くステップS1910にて割込み許可を設定し、通常処理に移行する。
一方、RAM消去スイッチが押されていない場合には、電断フラグが格納されていること、及びRAM判定値が正常であることを条件に、ステップS1911にてRAM704から電断フラグを消去するとともに、ステップS1912にてRAM704に記憶されているRAM判定値を消去する。その後、ステップS1909にてテーブル設定処理を実行し、続くステップS1910にて割込み許可を設定し、通常処理に移行する。これにより、電源遮断前の状態に復帰する。
<テーブル設定処理>
以下、図42のフローチャートを参照して、上記テーブル設定処理について説明する。テーブル設定処理においては先ずステップS2001にて可動部材630の位置情報取得処理を実行する。
その後、ステップS2002に進み、位置情報設定処理を実行する。位置情報設定処理においては、先ずステップS2002にて読み込んだ位置検知センサ650からの検知情報に基づいて可動部材630が、全移動範囲におけるどの位置(左右位置)に存在しているかを算出する。そして、その算出結果(可動部材の位置情報)をRAM704の位置情報格納エリア704aに格納する。
ステップS2002にて格納された位置情報に基づいて、例えばパチンコ機10への電源投入後に可動部材630の位置が電源投入時から変化していないかの監視がなされる。この監視処理についてはMPU702にて通常処理の一環として実行され、具体的には監視処理の実行の都度算出した位置情報と、位置情報格納エリア704aに格納されている位置情報とを比較して両者が同一となっているか否かを判定することにより行われる。この監視処理にて可動部材630の位置が変化していると判定した場合には、遊技進行を一旦停止するための処理を実行するとともに、可動部材630の位置が変化している旨を報知するための処理が実行される。これにより、遊技状態が異常状態へと移行されることとなる。なお、かかる異常状態については、可動部材630を正常な位置へと復帰させることで解除される。
ステップS2002にて位置情報を格納した後は、ステップS2003に進み、振分テーブルの設定処理を実行する。ここで、図43(a)を参照して振分テーブル設定処理について説明する。図43(a)は振分テーブルの設定の流れを説明するための説明図である。
振分テーブル設定処理においては、ステップS2002にて格納された可動部材630の位置情報に基づいて、遊技機前方から中窓部612Mを通じて視認可能となっている15R確変対応の右表示面635Rと、左表示面635Lとの割合を算出する。具体的には各種テーブル格納エリアに格納された位置情報と15R確変の振分比率との関係を示すマップを参照して、可動部材630の配置に応じた15R確変の振分確率を算出する。
既に説明したように、各種大当たりの振分抽選については、大当たり種別カウンタC2の値と振分テーブルが有する数値情報との合致によって決定される。ここで、図43(a)を参照すれば、通常大当たりと確変大当たりとの比率は一定となっているため15R通常大当たりに対応する数値情報は「0」〜「49」で統一されている。一方、15R確変大当たりに対応する数値情報(詳しくは数値情報の数)及び2R確変大当たりに対応する数値情報(詳しくは数値情報の数)は、算出された15R確変大当たりの振分比率によって変化することとなる。
本実施の形態における大当たり種別カウンタC2については、下限値を「0」〜上限値を「99」とし、更新の都度1ずつ加算されるループカウンタとなっている。ここで、2R確変大当たりに対応する数値情報は「50」〜「X」となるように設定されており、15R確変大当たりに対応する数値情報は「X+1」〜「99」となるように設定されている。つまり、Xの値を15R確変の振分確率に応じて変化させることにより、15R確変大当たりに対応する数値情報の数と2R確変大当たりに対応する数値情報の数とを一定の関連性を維持したまま増減させることが可能となっている。
例えば、可動部材630が初期位置(中央位置)に配置されている場合には、15R確変大当たりと2R確変大当たりとの振分確率が同等となる。これに応じて、2R確変大当たりに対応する数値情報の数は「50」〜「74」の25個、15R確変大当たりに対応する数値情報の数は「74」〜「99」の25個となり、このようにして数値情報が確定した振分テーブルがRAM704の各種テーブル格納エリア704bに格納される。
可動部材630が左方にずらして配置された場合には、そのずれ量に比例して、2R確変大当たりに対応する数値情報の数が相対的に増加するとともに、15R確変大当たりに対応する数値情報の数が相対的に減少することとなる。そして、例えば同可動部材630が左限位置に配置された場合には、確変大当たりとなった場合の15R確変大当たりの振分確率が20%、2R確変大当たりの振分確率が80%となる。これに応じて、2R確変大当たりに対応する数値情報の数は「50」〜「89」の40個、15R確変大当たりに対応する数値情報の数は「90」〜「99」の10個となり、このようにして数値情報が確定した振分テーブルがRAM704の各種テーブル格納エリア704bに格納される。
可動部材630が右方にずらして配置された場合には、そのずれ量に比例して、2R確変大当たりに対応する数値情報の数が相対的に減少するとともに、15R確変大当たりに対応する数値情報の数が相対的に増加することとなる。そして、例えば可動部材630が右限位置に配置された場合には、確変大当たりとなった場合の15R確変大当たりの振分確率が80%、2R確変大当たりの振分確率が20%となる。これに応じて、2R確変大当たりに対応する数値情報の数は「50」〜「59」の10個、15R確変大当たりに対応する数値情報の数は「60」〜「99」の40個となり、このようにして数値情報が確定した振分テーブルがRAM704の各種テーブル格納エリア704bに格納される。
ここで、本実施の形態における可動部材630の配置について説明すれば、上述したロック機構を構成する本体側係合部と可動部材側係合部とが、等間隔に複数配列されており、前移動範囲にて30の異なる位置に待機可能となっている。つまり、上記数値情報の数の振分パターンは全部で30通りとなるように設定されている。言い換えれば、15R確変大当たりの振分確率と2R確変大当たりの振分確率とを2%単位で変更可能となっている。但し、振分確率変更時の最小単位は2%に限定されるものではなく、任意に設定してよい。
通常処理へ移行した後に、作動口33,34への入球に基づいて大当たり種別の振り分けを行う際には、RAM704の各種テーブル格納エリア704bに格納された振分テーブルを参照する。
ステップS2003にて振分テーブル設定処理を行った後は、ステップS2004に進み、大当たり確率の算定処理を実行する。ここで、図43(a)を参照して大当たり確率の算定処理について説明する。図43(a)は15R確変の振分率と大当たりの発生確率との関係を示すマップである。
大当たり確率の算定処理においては、ROM703の各種マップ格納エリアに格納されたテーブル設定用のマップと、上記ステップS2003にて算出された15R確変大当たりの振分確率とに基づいて大当たりの当選確率を設定する。具体的には、15R確変大当たりの振分確率と大当たりの発生確率との間にはパチンコ機10における出球率の変化を抑えるようにして関係性が付与されている。簡単に説明すれば、15R確変大当たりの振分確率が上ることで大当たりの発生確率が下がり、15R確変大当たりの振分確率が下がることで大当たりの発生確率が上がることで、何れパターンにおいて出球率に変化が生じないように維持される。
ステップS2003にて15R確変大当たりの振分確率が算定された場合には、同振分確率をテーブル設定用のマップに当てはめることで、大当たりの発生確率を決定する。大当たりの発生確率は、大当たり乱数カウンタC1の乱数に対応する数値情報の数によって規定されているが、上述の如く大当たりの発生確率を決定した後は、その大当たりの発生確率に対応する数値情報の数を定め、更にどの数値情報を大当たりに対応させるか抽選によって選ぶ。このようにして、設定された数値情報を有する当否抽選用テーブルをRAM704の各種テーブル格納エリア704bに格納した後、本当否抽選用テーブル設定処理を終了する。
通常処理へ移行した後に、作動口33,34への入球に基づいて大当たりの当否抽選を行う際には、RAM704の各種テーブル格納エリア704bに格納された当否抽選用テーブルを参照する。
ステップS2005にて当否抽選用テーブルの設定処理を実行した後は、ステップS2006に進む。そして、ステップS2006にて仕様表示処理を実行した後に、本テーブル設定処理を終了する。
ここで、図44を参照しステップS2006にて実行される仕様表示処理について説明する。図44は表示ユニット600における表示態様を説明するための概略図である。
仕様表示処理においては、ステップS2003〜ステップS2005にて決定された、確変大当たり当選時の15R確変大当たりと2R確変大当たりとの振分確率と、大当たりの当選確率とを表示装置620の各表示画面622に表示させる。
具体的には、図44(a)に示すように、可動部材630(詳しくは突出片632)が中窓部612Mの中央に配置されている場合には、中窓部612Mにおける左表示面634Lの占有領域と右表示面634Rの占有領域とが同等となる。つまり、確変大当たり当選時の15R確変大当たりの振分確率と2R確変大当たりの振分確率とがともに50%、すなわち大当たり当選時の15R確変大当たりの振分確率と2R確変大当たりの振分確率とがともに25%となる。そこで、右表示画面622Rにはその仕様を明示すべく「15R確変25%,2R確変25%」と表示される。
また、このように15R確変大当たりと2R確変大当たりとの振分確率が同等である場合に、それに対応させて算定された大当たり確率を明示すべく左側表示画面622Lに「低確率 1/267」と表示される。
図44(b)に示すように、可動部材630(詳しくは突出片632)が左限位置に配置されている場合、すなわち同可動部材630が本体610の左壁面部616に当接している場合には、中窓部612Mにおける左表示面634Lの占有領域が右表示面634Rの占有領域よりも小さくなる。詳しくは、左表示面634Lが中窓部612Mの20%を占め、右表示面634Rが中窓部612Mの80%を占めることとなる。つまり、確変大当たり当選時の15R確変大当たりの振分確率が20%且つ2R確変大当たりの振分確率が80%、すなわち大当たり当選時の15R確変大当たりの振分確率が10%且つ2R確変大当たりの振分確率が40%となる。そこで、右表示画面622Rにはその仕様を明示すべく「15R確変10%,2R確変40%」と表示される。
また、15R確変大当たりと2R確変大当たりとの振分確率が上記関係となっている場合には、それに対応させて算定された大当たり確率を明示すべく左側表示画面622Lに「低確率 1/200」と表示される。
図44(c)に示すように、可動部材630(詳しくは突出片632)が右限位置に配置されている場合、すなわち同可動部材630が本体610の右壁面部617に当接している場合には、中窓部612Mにおける左表示面634Lの占有領域が右表示面634Rの占有領域よりも大きくなる。詳しくは、左表示面634Lが中窓部612Mの80%を占め、右表示面634Rが中窓部612Mの20%を占めることとなる。つまり、確変大当たり当選時の15R確変大当たりの振分確率が80%且つ2R確変大当たりの振分確率が20%、すなわち大当たり当選時の15R確変大当たりの振分確率が40%且つ2R確変大当たりの振分確率が10%となる。そこで、右表示画面622Rにはその仕様を明示すべく「15R確変40%,2R確変10%」と表示される。
また、15R確変大当たりと2R確変大当たりとの振分確率が上記関係となっている場合には、それに対応させて算定された大当たり確率を明示すべく左側表示画面622Lに「低確率 1/400」と表示される。
以上詳述した第7の実施の形態によれば以下の優れた効果を奏する。
遊技ホール等においては、遊技機の設置領域に限りがあり、設置される遊技機の数が必然的に限定される。このため、仕様違いで同一種の遊技機を設置しようとしても、上記設置領域の制約によってそのような対応が困難になる。この点、本実施の形態に示す遊技機においては、設置領域の問題を解消し、遊技の仕様を遊技ホールの営業形態等に応じて変化させることができる。
遊技機の仕様を可動部材630の配置によって視覚的に報知する構成においては、その報知の内容と実際の遊技機の仕様とが食い違うと、遊技者を困惑させ、同遊技機に対する信頼性が低下すると想定される。そこで、本実施の形態においては、可動部材630の位置情報に基づいて遊技機の仕様を決定する構成を採用しており、上記不都合の発生を抑えている。
また、可動部材630については、前扉枠14を開放することによりアクセス可能となる位置に配置している。これにより、表示ユニット600の視認性を担保しつつ、可動部材630に対する不正なアクセスを抑えることが可能となっている。特に、本実施の形態における可動部材630については、前扉枠14を閉じている状態では同前扉枠14の窓パネル62によって移動が妨げられることとなる。これにより、可動部材630の配置が不正に変更することを難しくしている。
しかしながら、前扉枠14の背後に表示ユニット600を配置する構成を採用した場合には、球詰まり等の解消作業時等にホール管理者が可動部材630に当たることで同可動部材630の位置が誤って変更される可能性がある。そこで、可動部材630のロック解除方向を遊技機前方としたことにより、そのような不都合の発生を抑制している。
ホール管理者が遊技機の仕様の変更を行う場合には、電源投入前に可動部材630の配置を変更するとよい。電源投入時の可動部材630の配置に応じて遊技機の仕様が決定され、以降はその仕様に応じて遊技が進行されることとなる。本実施の形態においては特に、電源投入後は通常処理において可動部材630の位置の変更を監視することにより、仮に表示ユニット600に表示されている仕様と、実際に遊技機にて実行されている仕様とが食い違った場合であっても、その事実の早期発見を促し、遊技機の信頼性の低下を抑えることができる。
<その他の実施の形態>
なお、上述した各実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。因みに、以下の別形態の構成を、上記各実施の形態における構成に対して、個別に適用してもよく、相互に組み合わせて適用してもよい。
(1)上記第1の実施の形態及び第4の実施の形態では「制限手段」を構成する表示制限スイッチ88を採用したが、必ずしも同表示制限スイッチ88を採用する必要はなく、これを省略することも可能である。同様に第2の実施の形態では「制限手段」として遮蔽部材311を採用したが、必ずしも遮蔽部材311を採用する必要はなく、これを省略することも可能である。
但しこのような変更を行った場合、対応情報の報知を優先させることで遊技ホールの営業形態に制約が生じたり、報知を行うことで遊技者が不利益を被ったりする可能性が生じる。故に、望ましくは、制限手段を採用することにより対応情報の報知/非報知を切り替えるとよい。
(2)上記第1の実施の形態及び第4の実施の形態では、表示制限スイッチ88の切替操作に基づいて表示制御処理を実行することにより表示領域DE1,DE2を表示/非表示で切り替えることで報知/非報知の切り替えを行う構成としたが、これを以下のように変更することも可能である。すなわち、表示領域DE1,DE2においては上記対応情報を常時表示させるとともに、同表示領域DE1,DE2を遮蔽する遮蔽位置及び遮蔽しない非遮蔽位置に移動可能な遮蔽部材と、同遮蔽部材を駆動させる駆動部とを採用し、表示制限スイッチ88の切替操作に基づいて駆動部を駆動制御することにより遮蔽部材を両位置に移動させることで、報知/非報知の切り替えを行う構成とすることも可能である。但し、このような構成を追加することは、遊技領域PE等における構成の煩雑化を招来する要因となり得る。故に、望ましくは上記第1の実施の形態に示したように、表示領域DE1,DE2にて特定情報を表示したり、表示を不可としたりすることで遊技領域PEにおける構成の煩雑化を抑制するとよい。
(3)上記第1の実施の形態及び第4の実施の形態では、表示制限スイッチ88を主制御装置81に配置したが、表示制限スイッチ88を遊技機におけるどの部分に配置するかは任意である。すなわち、表示制限スイッチ88をどの制御装置に対して電気的に接続するかは任意である。
例えば、表示制御装置212等の他の制御装置に配置してもよいし、遊技盤24や前扉枠14に配置することも可能である。但し、このような配置の変更を行う場合には、内枠13や前扉枠14の背面部分等、施錠装置16による施錠を解除することによりアクセス可能となる位置に配置することで、表示制限スイッチ88に対するアクセスを制限することが可能となる。これにより、遊技者等による表示制限スイッチ88の操作を抑制することができ、実用上好ましい構成が実現できる。
また、表示制限スイッチ88は、必ずしも主制御装置81に対して電気的に接続する必要はなく、例えば音声ランプ制御装置82や表示制御装置212に対して電気的に接続する構成とすることも可能である。
(4)上記第1の実施の形態及び第4の実施の形態では、図柄表示装置40に「報知手段」としての機能を付与する構成としたが、図柄表示装置40とは別の表示装置を設け当該表示装置に「報知手段」としての機能を付与する構成としてもよい。但し、構成の簡略化に鑑みれば、同第1の実施の形態に示したように、図柄表示装置40に報知手段としての機能を付与することが好ましい。
(5)上記第1の実施の形態及び第4の実施の形態では、表示領域DE1,DE2における表示内容(確変大当たり時の振分比率)を比較することにより下作動口34への入賞に基づく抽選が遊技者にとって有利である旨を把握可能とした。表示領域DE1,DE2における表示内容は上記振分比率等の遊技機における仕様を直接的に表現したものに限定されるものではなく、例えば「下作動口の方が有利です!」や「下作動口を狙え!」等の遊技機における仕様を間接的(メッセージとして)表現するものとしてもよい。
(6)上記第1の実施の形態及び第4の実施の形態では、第1表示領域DE1と第2表示領域DE2とを別個独立して設けたが、これら両表示領域DE1,DE2を統合して1の表示領域とすることも可能である。
また、各作動口33,34に対応する保留数に合わせて表示内容を変化させる構成としたが、これに限定されるものではない。保留数に寄らず表示内容が同一となる構成としてもよい。個々の表示領域Ea1〜Ed1,Ea2〜Ed2に対応情報を個別に表示する構成とした場合、対応情報の視認性が低下しやすいと想定される。これを回避すべく、予め視認が容易となる大きさとなるように個々の表示領域Ea1〜Ed1,Ea2〜Ed2を設定すると、表示画面41における表示領域DE1,DE2の占有領域が拡がると想定される。そこで、上述の如く保留数に関係なく、同一の範囲に同一の対応情報が表示される構成とすれば、対応情報の視認性を担保しつつ各表示領域DE1,DE2の拡がりを抑えることができ、実用上好ましい構成を実現することができる。
但し、このような変更を行った場合には、第1表示領域DE1に表示される内容及び第1保留ランプ部45における表示内容(上作動口33への入賞)の関連性と、第2表示領域DE2に表示される内容及び第2保留ランプ部46における表示内容(下作動口34への入賞)の関連性とが希薄になりやすいと想定される。故に、同変更を行う場合には、第1表示領域DE1に上作動口33に対応する情報である旨を表示するとともに、第2表示領域DE2に下作動口34に対応する情報である旨を表示することが好ましい。しかしながら、このように各表示領域DE1,DE2に表示される内容が増大することは、表示領域DE1,DE2の占有領域が拡がる要因となり得る。故に、好ましくは、各保留ランプ部45,46の表示態様と、表示領域DE1,DE2との表示態様とをリンクさせることで、表示内容の増大を抑えつつ、両者の関連性の把握を容易化することが好ましい。
(7)上記第1の実施の形態及び第4の実施の形態では、上作動口33と下作動口34との有利不利の差が、確変大当たりに当選した際の2R確変大当たりと15R確変大当たりとの振分比率によって設定したが、少なくとも両者に有利不利の差が生じるのであれば必ずしも上記振分比率に限定されない。例えば、下作動口34への入球に基づく抽選による大当たり確率が、上作動口33への入球に基づく抽選による大当たり確率よりも高くなるように設定することで、有利不利の設定差を生じさせることも可能である。また、通常大当たりと確変大当たりとの振分比率に設定差を設けることも可能である。
(8)上記第1の実施の形態及び第4の実施の形態では、「第1入球部」としての上作動口33と「第2入球部」としての下作動口34とを有する構成としたが、入球部の数は2つに限定されるものではない。例えば上作動口33及び下作動口34に加え「第3入球部」として中作動口等を設けることも可能である。この場合、各作動口にて入球に基づく抽選に有利不利の差を設定するとよい。このような変更を行う場合には、各作動口にて有利不利が設定されている旨を報知するとよい。
(9)上記第1の実施の形態及び第4の実施の形態では、両作動口33,34を1の流下経路に沿って配置したが、これに限定されるものではなく、各作動口33,34を別々の流下経路に沿って配置することも可能である。例えば、一方の作動口を図柄表示装置40の左側となる領域に配置し、他方の作動口を図柄表示装置40の右側となる領域に配置することも可能である。
(10)上記第1の実施の形態及び第4の実施の形態では、表示領域DE1,DE2に表示される対応情報を保留数に応じて変化させる構成とした。具体的には、保留数に合わせて対応情報を表示(縮小表示)する領域Ea1〜Ed1,Ea2〜Ed2の数を増減させる構成とする構成としたが、これを変更し、保留数に合わせた増減を行わない構成とすることも可能である。例えば、対応情報を保留数に関わらず表示領域DE1,DE2全域を使用して表示する構成としてもよい(図22(a)参照)。つまり、表示領域DE1,DE2から保留数を報知する機能を省略することも可能である。
また、上記第1の実施の形態及び第4の実施の形態においては、保留数毎に報知用画像データを設けたが、これに限定されるものではない。例えば、上作動口33に対応させて1の報知用画像データを設け、同報知用画像データを各領域Ea1〜Ed1に対応させて配置する構成を採用することにより、それら各表示領域Ea1〜Ed1での報知画像データの表示を行ってもよい。これにより、ROM253に記憶される報知用画像データの容量を減縮することができる。
(11)上記第1の実施の形態においては、表示画面41におけるリーチ表示と対応情報表示とに関連性を付与しない構成としたが、これを変更し、リーチ表示と対応情報表示とに関連性を付与する構成とすることも可能である。例えば、対応情報の表示中にリーチ表示(リーチ演出)が行われる場合には、リーチ表示中における対応情報の表示を制限し、リーチ表示が終了した後に対応情報の表示を再開する構成を採用するとよい。
また、対応情報の表示中にリーチ表示(リーチ演出)が行われる場合には、リーチ表示が行われていない状態から、表示領域DE1,DE2が移動又は変形される構成とすることも可能である。例えば、対応情報の表示中にリーチ表示(リーチ演出)が行われる場合には、リーチ表示中における表示領域DE1,DE2を縮小、リーチ表示が終了した後に表示領域DE1,DE2及び対応情報をリーチ前の状態に戻す構成としてもよい。係る変更を行う場合には、表示領域DE1,DE2の縮小に合わせて対応情報を縮小又は簡略化するとよい。
リーチ表示中(演出中)は、リーチ表示中以外と比較して遊技者の注意がその演出の行方に向きやすく、表示画面41に対する注目度が高まりやすいと想定される。そこで、リーチ表示中においては上述の如く対応情報の表示を制限したり、縮小したりすることにより、演出機能を一時的に高めることが可能となる。言い換えれば、表示画面41に対応情報を表示する構成を採用しつつ、それにより遊技機の興趣が低下することを抑制することができる。なお、好ましくはリーチ表示中に対応情報の報知を不可とするのではなく、上述の如く対応情報の表示領域を減縮する等しつつも同対応情報の表示を継続するとよい。
(12)上記第2の実施の形態では、「報知手段」としての表示部301を装飾部材39に配設したが、これに限定されるものではない。例えば表示部301を可変表示ユニット36のセンターフレーム42等他の部品に配設することも可能である。またシール部材302に相当する構成を遊技盤24に対して直接貼り付けることも可能である。
更には、必ずしもシール部材302を有する必要はなく、装飾部材39や遊技盤24の前面等に上記対応情報を直接印字することも可能である。但し、上述した各種変更を行う場合であっても、同報知手段を遊技領域PEに配し、遊技中での視認性を担保することが望ましい。
(13)上記第2の実施の形態では、「制限手段」としての遮蔽部材311を遮蔽位置と遮蔽解除位置とに変位可能な状態で装飾部材39に取り付ける構成としたが、これを以下のように変更することも可能である。制限手段としてカバー用シール部材を採用し、同カバー用シール部材をシール部材302を覆う位置に貼り付けることで、対応情報の報知を制限する構成をしてもよい。この場合、シール部材302を用いた報知を実行する際には、カバー用シール部材を同シール部材302を覆わない非遮蔽位置に貼り付けておく構成とすればよい。
(14)上記第2の実施の形態では、遮蔽部材311をスライド式としたが、同遮蔽部材を回動式とすることも可能である。少なくとも遊技盤24から取り外すことなく遮蔽位置と非遮蔽位置とに移動させることができる構成であれば、報知/非報知の切替操作を簡略することができる。なお、同様の変更を第3の実施の形態における遮蔽部材421に適用することも可能である。
(15)上記第3の実施の形態では、第1表示部401と第2表示部411とを並設したが、必ずしも両者を並設する必要はない。例えば、第1表示部401を左側の装飾部材39に配するとともに、第2表示部411を右側の装飾部材39に配することも可能である。
但し、このような変更を行った場合には、「制限手段」としての遮蔽部材421を変位可能な構成とすることが困難となって同遮蔽部材421を着脱式とする必要が生じ得るだけでなく、両者を共に遮蔽することが困難になり得る。これは、遮蔽部材に関する構成の煩雑化を招来し、報知内容の切替操作を煩雑化する要因となり得るため好ましくない。故に、望ましくは上記第3の実施の形態に示したように、両表示部401,411を並設するとよい。
(16)上記第3の実施の形態では、遮蔽部材421を、第1表示部401を遮蔽する第1遮蔽位置,第2表示部411を遮蔽する第2遮蔽位置,両表示部401,411を遮蔽する第3遮蔽位置の各位置に変位可能な構成を採用したが、少なくとも第1遮蔽位置及び第2遮蔽位置に変位可能であればよく第3遮蔽位置への変位を必須とするものではない。
(17)上記第3の実施の形態では、各表示部401,411に各遊技機の仕様に関する情報として2R確変大当たりと15R確変大当たりとの振分確率(有利不利の差に関する情報)を明示する構成としたが、少なくとも両遊技機における仕様の差が表示されていればよく、作動口間での差違を表示する必要はない。例えば、大当たり確率と通常大当たり及び確変大当たりの振分確率とが機種間で相違するとともに、各作動口33,34への入賞に有利不利の差が設定されていいない構成を採用した場合には、各表示部に各機種に対応した大当たり確率と通常大当たり及び確変大当たりの振分確率とを表示すればよい。
(18)上記第5の実施の形態〜第7の実施の形態では、各制御装置の立ち上げ時の処理(メイン処理)にて、遮蔽部材311,511や可動部材630の位置情報に基く各種設定処理を行い、以降の演出態様の決定処理や大当たり等の抽選処置といった各種処理においてはその設定された情報に基いて通常処理等を行う構成としたが、これを変更し、演出態様の決定処理や大当たり等の抽選処置といった各種処理を実行する都度、遮蔽部材311,511や可動部材630の位置情報を確認し、同位置情報に基いてそれら各種処理を行う構成とすることも可能である。
(19)上記第5の実施の形態では、「検知手段」を構成する検知センサ351,352を表示制御装置212に対して電気的に接続する構成としたが、同検知センサ351,352の接続対象を他の制御装置(例えば主制御装置81や音声ランプ制御装置82等)に変更することも可能である。
但し、対応情報の報知を実行する上で使用される遊技機器が図柄表示装置40である場合には、上記実施の形態に示すように各検知センサ351,352の接続対象を表示制御装置212とし、信号伝達経路を簡略化することが好ましい。
(20)上記第5の実施の形態では、遮蔽部材311が非遮蔽位置に配置されている場合には、高頻度サポートモードとなっている期間中に限って対応情報を報知する構成としたが、これに限定されるものではない。例えば、低頻度サポートモードとなっている期間中においても同様に対応情報を報知する構成としてもよい。但し、実際に有利不利の差が生じやすいのは下作動口34への入球が容易化される高頻度サポートモード中である。故に、上記対応情報の表示については少なくとも高頻度サポートモードとなっている期間中に実行される構成とすることが好ましい。
(21)上記第5の実施の形態では、リーチ変動表示となった場合に対応情報の表示を行う構成としたが、対応情報の表示期間についてはこれに限定されるものではない。例えば、図柄の変動表示が行われている期間中においては上記対応情報を常時表示する構成としてもよい。図柄の変動表示が行われている場合には、遊技者の注意が図柄表示装置40(詳しくは表示画面41)に向きやすいと想定される。故に、図柄の変動表示期間中に上記対応情報を表示する構成とすることにより、対応情報の報知機能を好適に発揮させることができる。
(22)上記第5の実施の形態では、「対応情報」として上作動口33への入球と下作動口34への入球とに有利不利が設定されていることを示す情報を報知する構成としたが、報知対象となる対応情報はこれに限定されるものではない。
例えば、上作動口33及び下作動口34に有利不利の差が設定されていない場合等には、リーチ変動表示となった場合に、大当たり当選時に15R確変大当たりに振り分けられる確率を表示する構成としてもよい。
(23)上記第5の実施の形態では、「対応情報」として今回の遊技回の契機となった入球先に応じて「15R確変※※% / 2R確変※※%」を表示する構成としたが、各作動口33,34への入球に対応させて「上作動口:15R確変※※% / 2R確変※※% 下作動口:15R確変※※% / 2R確変※※%」と表示させてもよい。このような変更を行う場合には、上作動口33への入球に対応する情報と、下作動口34への入球に対応する情報とのうち、今回の遊技回の契機となった入球先に合わせて対応情報の色,大きさ,エフェクト等の少なくともいずれかを変更することにより、各対応情報の差別化を図るとよい。
但し、このように対応情報を全て表示する構成を採用した場合、図柄の変動表示領域が同対応情報の表示によって圧迫されたり見難くなったりすると想定される。これは、図柄表示装置40に付与された図柄の変動表示機能を低下させる要因となり得るため好ましくない。故に、望ましくは遊技回の開始契機となった入球先に応じて対応情報の表示を切り替える構成とするとよい。これにより、対応情報の表示領域の拡がりを好適に抑えることができ、上記図柄の変動表示領域を圧迫するといった不都合を抑制可能となる。
(24)上記第6の実施の形態では、第1の仕様と第2の仕様との切替を行う構成としたが、仕様の数は音声ランプ制御装置640等に第1の仕様,第2の仕様以外の仕様に関する情報を記憶させる構成としてもよい。
(25)上記第6の実施の形態では、検知センサ551,552を音声ランプ制御装置640に対して接続する構成としたが、検知センサ551,552の接続対象を表示制御装置212に変更してもよい。この場合、表示制御装置212から遮蔽部材511の位置情報を音声ランプ制御装置に対して出力する構成とすることが好ましい。
(26)上記第6の実施の形態では、第1の仕様用の振分テーブルにおける演出の発生確率と、第2の仕様用の演出の発生確率とを高低相違させる構成としたが、第1の仕様用の振分テーブルにおいてのみ選択される演出や第2の仕様用の振分テーブルにおいてのみ選択される演出を設定してもよい。
また、遮蔽部材511の位置情報に基づいて変更される表示内容としては、上記リーチ変動表示に限定されるものではなく、表示画面41に表示される背景画像や、表示ランプ部63の発光態様、スピーカ部64から出力される効果音等を変更する構成としてもよい。この場合、音声ランプ制御装置640のMPU642にも各仕様に対応する情報を記憶する構成とするとよい。
更には、第1の仕様と第2の仕様とで開閉実行モードにおける最大ラウンド数が相違する構成においては、開閉実行モード中等に表示される動画として、第1の仕様に対応させて設定された第1動画と第2の仕様に対応させて設定された第2動画とを有し、それら各動画が遮蔽部材511の位置に応じて選択される構成とするとよい。
(27)上記第7の実施の形態では、「表示部」としての表示ユニット600に表示されている確変大当たり当選時の15R確変大当たりと2R確変大当たりとの振分確率の変更を「操作手段」としての可動部材630の操作に基づいて変更可能とし、それら各確変大当たりの振分確率の変更に合わせて大当たりの当選確率を変更する構成としたが、これを以下のように変更してもよい。すなわち、「表示部」としての表示ユニットに表示されている大当たりの当選確率を可動部材の操作に基づいて変更可能とし、同大当たりの当選確率の変更に合わせて確変大当たり当選時の15R確変大当たりと2R確変大当たりとの振分確率を変更する構成としてもよい。例えば、本体610の前面部611に中窓部612Mの縁部に沿うようにして当選確率を概略的に示すメモリ(1/200〜1/400)を印字し、同メモリの範囲にて可動部材630における突出片632の変位を許容する構成を採用するとよい。
但し、このような変更を行う場合であっても、大当たりの発生確率と各確変大当たりの振分確率とを遊技機における損益率が同じになるようにして設定することが好ましい。
(28)上記第7の実施の形態では、表示ユニット600の中窓部612Mにて確変大当たり当選時の15R確変大当たりと2R確変大当たりとの振分確率を表示する構成としたが、これに限定されるものではない。例えば表示ユニットの中窓部にて大当たり当選時の確変大当たりと通常大当たりとの振分確率を表示する構成としてもよい。かかる変更を行う場合には、可動部材630の配置を変更することにより、上記振分確率を変更する構成とし、それに合わせて大当たりの発生確率,15R確変大当たり及び2R確変大当たりの振分確率,賞球数等を変更することにより損益率を一定とすることが望ましい。
(29)上記第7の実施の形態では、大当たりの当選確率を変更することにより、可動部材630の配置によらず遊技機における損益率が一定となるように調整する構成としたが、損益率を一定とする場合には、変更対象を必ずしも大当たりの当選確率とする必要はない。例えば、入球部への入球時に払い出される賞球の数を変更することにより、上記損益率が一定となるように調整する構成としてもよし、開閉実行モード終了後に付与される高頻度サポートモードにおける入球数を変更することにより上記損益率が一定となるように調整する構成としてもよい。
(30)上記第7の実施の形態では、可動部材630を横方向にスライド移動可能に設けたが、これに限定されるものではなく、同可動部材630のスライド方向は任意に設定してよい。
また、可動部材630をスライド式としたが、これを回転式に変更することも可能である。但し、かかる構成を採用した場合には、可動部材が自重によって下限位置等の特定の位置へ向けて付勢された状態となりやすい。かかる状態は上記変形例を採用して可動部材のスライド方向を縦方向とした場合であっても同様に発生し得る。
可動部材が遊技性に影響を与える部材である点に着目すれば、同可動部材の位置を安定化させることが好ましく、可動部材の上下方向への変位を払拭した上記第7の実施の形態は上記安定化を実現する上で効果的である。故に、可動部材の操作態様を変更する場合には同可動部材が少なくとも上下方向へ変位しないようにして当該可動部材の移動方向を設定するとよい。
(31)上記第7の実施の形態では、マップを用いて可動部材630の位置情報に基づく大当たり確率を算定する構成としたが、これを変更し、所定の数式を用いて可動部材630の位置情報に基づく大当たり確率を算定する構成としてもよい。
(32)上記第3の実施の形態等に示したように、第1表示部401及び第2表示部411を設け、更にそれら両表示部401,411を遮蔽部材421によって遮蔽可能な構成においては、遊技機に関する仕様を表示させない場合に各作動口33,34への入球に基づく演出等の態様を共通化することも可能である。
(33)上記各実施の形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも、本発明を適用できる。
また、弾球式でない遊技機、例えば、複数種の図柄が周方向に付された複数のリールを備え、メダルの投入及びスタートレバーの操作によりリールの回転を開始し、ストップスイッチが操作されるか所定時間が経過することでリールが停止した後に、表示窓から視認できる有効ライン上に特定図柄又は特定図柄の組み合わせが成立していた場合にはメダルの払い出し等といった特典を遊技者に付与するスロットマシンにも本発明を適用できる。
更に、外枠に開閉可能に支持された遊技機本体に貯留部及び取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機にも本発明を適用できる。
<上記実施の形態から抽出される発明群について>
以下、上述した各実施の形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記各実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
特徴A1.所定の発射操作に基づいて、遊技領域(遊技領域PE)へ遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構53)と、
前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域を流下する遊技球が入球可能な入球部(作動口33,34)と、
前記入球部に遊技球が入球したことに基づいて、特別情報を取得する情報取得手段(主制御装置81のMPU202における情報取得処理を実行する機能)と、
前記情報取得手段が取得した特別情報を記憶する取得情報記憶手段(保留球格納エリア232)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が、予め定められた付与情報に対応しているか否かの判定を行う付与判定手段(主制御装置81のMPU202における変動開始処理を実行する機能)と、
前記付与判定手段による付与判定の結果が、判定対象の特別情報が前記付与情報に対応している付与対応結果となったことに基づいて遊技者に特典を付与する特典付与手段(主制御装置81のMPU202における遊技状態移行処理を実行する機能)と
を備えている遊技機において、
前記遊技領域には、前記入球部として少なくとも第1入球部(上作動口33)と第2入球部(下作動口34)とが個別に設けられており、
前記取得情報記憶手段は、
前記第1入球部に遊技球が入球した場合に前記情報取得手段が取得した特別情報を記憶する第1取得情報記憶手段(第1結果表示部用保留エリアRa)と、
前記第2入球部に遊技球が入球した場合に前記情報取得手段が取得した特別情報を記憶する第2取得情報記憶手段(第2結果表示部用保留エリアRb)と
を有し、
前記付与判定手段は、前記第1取得情報記憶手段及び前記第2取得情報記憶手段に記憶されている特別情報のそれぞれに対して前記付与判定を行うものであり、
前記第2取得情報記憶手段に記憶された特別情報に対して前記付与判定が行われた場合の方が、前記第1取得情報記憶手段に記憶された特別情報に対して前記付与判定が行われた場合よりも遊技者に有利な構成であり、
前記第2入球部への入球が前記第1入球部への入球よりも遊技者に有利であることに対応する対応情報を報知する報知手段(図柄表示装置40の表示領域DE、表示制御装置212におけるコマンド対応処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴A1に示すように第2入球部への入球が第1入球部への入球よりも遊技者に対して有利に設定されている場合、遊技の多様化を実現することができる反面、以下の不都合が生じ得る。すなわち、上記有利不利が設定されている事実を把握して遊技を行った場合と、同事実を把握することなく遊技を行った場合とで遊技者に付与される特典に差が生じ得る。このような差は遊技機における内部的な抽選等によって発生するため、各入球部に有利不利が設定されているという事実を、付与された特典等に鑑みて把握することが困難になると想定される。
また、遊技機の仕様等に対する事前調査の有無によって享受できる特典に差が生じ得ることで遊技機の仕様等を熟知した熟練者と遊技機の仕様等を熟知していない初心者とで有利不利の差が大きくなり初心者の遊技意欲を減退させてしまうと想定される。更には、このような有利不利の差が存在することによって遊技機に対する取っ付きにくさが強まると想定される。
この点、本特徴によれば、第2入球部への入球が第1入球部への入球よりも遊技者に有利であることに対応する対応情報を報知することにより、遊技者の知識や熟練度にかかわらず平等に特典を得られるという安心感を遊技者に付与することができ、遊技の公平性を担保することができる。これにより、上述の如く遊技の多様化を図りつつ、それに起因した公平性の低下を好適に抑制することができる。
特徴A2.前記第2取得情報記憶手段に特別情報が記憶されている場合には、その記憶されている特別情報よりも早いタイミングで取得された特別情報が前記第1取得情報記憶手段に記憶されていたとしても前記第2取得情報記憶手段に記憶されている特別情報に対して前記付与判定が行われるようにする優先手段(主制御装置81のMPU202におけるデータ設定処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A1に記載の遊技機。
特徴A2によれば、第1入球部への入球に対して第2入球部への入球が優先される。このため、仮に第1入球部への入球が発生していたとしても積極的に第2入球部を狙って同第2入球部へ入球させることにより同第1入球部への入球に基づく付与判定を遅らせることができる。このような構成に特徴A1に示した報知手段を適用することにより、同特徴A1に示した効果に加え、以下の効果が期待できる。すなわち、第2入球部への入球が第1入球部への入球よりも優先されることで第2入球部への入球を促すことが可能となり、遊技機の稼働率向上に貢献することができる。
特徴A3.前記報知手段による報知を許容する許容状態と、同報知手段による報知を制限する制限状態とに切替可能な制限手段(表示制限スイッチ88や表示制御装置212におけるコマンド対応処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A1又は特徴A2に記載の遊技機。
特徴A3によれば、制限手段によって報知/非報知に切替可能とすれば、遊技状況や遊技ホール等の営業形態等に合わせて報知を制限することが可能となり、実用上好ましい構成を実現することができる。
特徴A4.前記報知手段は、遊技機前方から視認可能となるように前記対応情報を表示する表示部(シール部材302)を有し、
前記制限手段は、前記表示部を遊技機前方から遮蔽する遮蔽位置と、同表示部を遮蔽しない非遮蔽位置とに変位可能な遮蔽部材(遮蔽部材311)を有していることを特徴とする特徴A3に記載の遊技機。
特徴A3に示した構成を実現するには、本特徴に示すように対応情報を表示する表示部と遮蔽部材とを併用するとよい。
特徴A5.前記遊技領域は、遊技盤(遊技盤24)の前面側に設けられており、
前記遊技盤の前方に配置され、同遊技盤に対して前記遊技領域を挟んで対向するパネル部(窓パネル62)を有し、
前記表示部は、前記遊技領域において前記パネル部を通じて遊技機前方から視認可能となる位置に配されており、
前記遮蔽部材は、前記遮蔽位置と前記非遮蔽位置とにスライド移動可能な状態で前記遊技盤の前面部に取り付けられていることを特徴とする特徴A4に記載の遊技機。
特徴A4に示したように制限手段を有する構成においては、遊技者が表示部や制限手段(遮蔽部材)にアクセス可能となることは好ましくない。この点、本特徴によれば、表示部及び遮蔽部材をパネル部と遊技盤との間に配することでそれらパネル部等によって同表示部等へのアクセスを妨げることが可能となり、実用上好ましい構成を実現できる。
例えばホール管理者等が各入球部への入球確率の変更等を目的として釘調整等を行う際には、パネル部を遊技盤と対向する位置から移動させる等して釘調整等に必要な作業領域が確保されると想定される。このようにパネル部を移動させることにより遮蔽部材へのアクセスが可能となる。つまり、釘調整に併せて報知/非報知の切替作業を容易に実施できる。
本特徴においては特に、遮蔽部材をスライドさせることで、遮蔽位置と解除位置とに変位させることができるため、遮蔽部材を遊技盤から取り外して遮蔽位置や非遮蔽位置に再取付するといった作業を不要とすることができ、上述した報知/非報知の切替作業の簡素化に貢献することができる。
また、表示部を遊技者の注意が向きやすい遊技領域(遊技盤)に配することにより、報知機能の向上を図ることができる。特に、近年では遊技機固有となる構成を遊技盤に集約し、同遊技盤を入れ替えることにより遊技機の機種変更を可能とする等の遊技機におけるリユース性の向上が図られている。このようなタイプの遊技機においても、遊技盤に表示部及び遮蔽部材を配設することにより、上記リユース性の向上に貢献することができる。
なお、「遊技盤の前面部」は遊技盤の前面部分だけではなく、同遊技盤の前面に配設された各種遊技部品等を含んでいる。
特徴A6.前記報知手段は、前記対応情報を表示する表示装置(図柄表示装置40)を有し、
前記制限手段は、
所定の操作が行われる操作部(表示制限スイッチ88)と、
前記操作部における前記所定の操作に基づいて前記表示装置を制御することにより前記対応情報の表示を制限する表示制御手段(表示制御装置212においてコマンド対応処理を実行する機能)と
を有していることを特徴とする特徴A3に記載の遊技機。
特徴A6に示すように表示装置,操作部,表示制御手段を採用することにより、特徴A3に示した構成を好適に実現することができる。
特徴A7.前記報知手段は、
前記表示部とは別に設けられた表示装置(図柄表示装置40)と、
前記表示装置にて前記対応情報を表示させる対応情報表示手段(表示制御装置212のMPU252においてステップS1606,S1607の処理を実行する機能)と
を有し、
前記制限手段は、
前記遮蔽部材の位置を検知する検知手段(例えば検知センサ351,352)と、
前記検知手段からの検知情報に基づいて前記遮蔽部材が前記遮蔽位置に待機しているか否かを判定する判定手段(表示制御装置212のMPU252においてステップS1401,S1402等の処理を実行する機能)と、
前記判定手段によって前記遮蔽部材が前記遮蔽位置に待機していると判定された場合に、前記対応情報表示手段による前記対応情報の表示を制限する表示制限手段(例えば表示制御装置212のMPU252においてステップS1603の処理を実行する機能)と
を有していることを特徴とする特徴A4又は特徴5に記載の遊技機。
表示部における対応情報の表示と表示装置における対応情報の表示とを併用した場合には、仮に両者の表示態様が相違すると、遊技機における信頼性が低下するため好ましくない。この点、本特徴においては、遮蔽部材の位置を検知手段によって検知し、その検知情報に基づいて絵柄表示装置における対応情報の報知態様が決定されることとなる。故に、ホール管理者等が遮蔽部材の配置を遮蔽位置/非遮蔽位置に切り替えることにより、それに合わせて表示装置における対応情報の表示の可否が切り替えられるため、上記不都合の発生を好適に抑制することができる。
特徴A8.前記表示装置は、絵柄を可変表示する絵柄表示装置であり、
前記付与判定手段による付与判定の結果が前記付与対応結果となっているか否かを報知するようにして前記絵柄の可変表示を行う表示制御手段(表示制御装置212)を備えていることを特徴とする特徴A7に記載の遊技機。
表示装置(絵柄表示装置)によって付与判定結果を報知する構成においては、遊技者の注目が当該表示装置に向きやすいと想定される。そこで、同表示装置にて対応情報を表示する構成を採用することにより、対応情報の報知機能を好適に発揮させることができる。
なお、表示装置については絵柄の可変表示が行われるため、特定情報の表示領域が拡がることは絵柄の可変表示領域を圧迫する要因となり得るため好ましくない。この点、本特徴に示す技術的思想を採用する場合には、例えば表示部においては詳細情報を表示し且つ表示装置においては簡略化した情報を表示する構成を併用すれば、上記不都合の発生を好適に抑えることができる。
特徴A9.前記報知手段は、前記対応情報を表示する表示装置(図柄表示装置40)を有し、
前記表示装置において、複数の絵柄列により絵柄の変動表示を行わせ、絵柄の変動表示を終了させる前段階として一部の絵柄列について絵柄の変動表示を停止させ、予め定められた大当たり絵柄の組み合わせが停止表示される可能性があるリーチ絵柄の組み合わせを表示し、そのリーチ絵柄の組み合わせが表示されている状況下においてリーチ変動表示を行わせることが可能な変動表示用制御手段を備え、
前記第2取得情報記憶手段は、当該第2取得情報記憶手段が取得した前記特別情報を、複数の数として予め定められた規定数を上限として記憶するものであり、
前記制限手段は、前記第2取得情報記憶手段に記憶されている特別情報の数が前記上限に達している場合且つ前記リーチ変動表示が行われている場合に前記制限状態となることを特徴とする特徴A3に記載の遊技機。
リーチ変動表示中であって第2取得情報記憶手段に記憶されている特別情報の数が上限に達している場合には、次の遊技回へ移行されるまでの間(すなわちリーチ変動表示中)に第2入球部への入球が発生したとしても当該入球における遊技進行の有利化に対する寄与度は小さくなると想定される。つまり、このような状況下において対応情報を報知することはそれほど効果的ではない。一方、表示装置にてリーチ変動表示を行っている場合には、遊技者の注意は当該リーチ変動表示に向きやすくなると想定される。そこで、上記状況下においては、対応情報の報知を制限する構成とすれば、表示装置(例えばその表示画面)に対応情報とリーチ変動表示とが併存することを回避し、リーチ変動表示の視認性を向上することができる。
なお例えば、対応情報の表示を制限している場合に、同対応情報が表示され得る領域へリーチ変動表示の表示領域を拡張する構成を採用すれば、表示装置(表示画面)の有効利用に貢献することができる。
特徴A10.前記第1取得情報記憶手段及び前記第2取得情報記憶手段は、それら取得情報記憶手段が個々に取得した前記特別情報を、複数の数として予め定められた規定数を上限として記憶するものであり、
前記報知手段は、
前記対応情報を表示する表示装置(図柄表示装置40)と、
前記各取得情報記憶手段に記憶されている前記特別情報の数に1対1で対応するようにして前記特別情報の表示態様を変更する表示態様変更手段(表示制御装置212のMPU252において対応情報表示制御処理を実行する機能)と
を有していることを特徴とする特徴A1乃至特徴A9のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A10に示すように報知手段に特別情報の数を報知する機能を付与すれば、特別情報の数と対応情報とに関連性を与えることにより、対応情報が各入球部への入球に関するものであることを示唆することができる。これにより、対応情報が各入球部への入球に関するものであることを示す情報を当該対応情報に包含する構成と比較して、対応情報の情報量の増大を抑え、表示装置における対応情報の表示領域の拡がりを抑制することが可能となる。
なお、特徴A6〜特徴A9との組み合わせにおいては、同特徴A6〜特徴A8に示した「表示装置」と、本特徴に示す「表示装置」とを同一のものとすることも可能である。特に特徴A9との組み合わせにおいては、対応情報の表示領域の拡がりを抑えることで、表示装置にて絵柄の表示領域と対応情報の表示領域とを好適に共存させることが可能となる。
特徴A11.前記第1取得情報記憶手段及び前記第2取得情報記憶手段は、それら各情報取得手段が取得した前記特別情報を、複数の数として予め定められた規定数を上限として記憶するものであり、
前記各取得情報記憶手段に記憶されている前記特別情報の数を表示する表示部(保留ランプ部45,46)と、
前記表示部とは別に設けられ、表示画面にて絵柄を変動表示させる表示装置(図柄表示装置40)と
を備え、
前記報知手段は、前記表示画面に前記対応情報を表示させる対応情報表示手段(表示制御装置212のMPU252における対応情報表示制御処理を実行する機能)を有していることを特徴とする特徴A1乃至特徴A9のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A11に示すように、表示画面にて対応情報の表示と絵柄の変動表示とを行う構成においては、対応情報の表示領域を確保することで、絵柄の変動表示領域が圧迫されることは好ましくない。そこで、本特徴に示すように、特別情報の数を表示する表示部を別に設けることにより、対応情報の情報量の増加や表示領域の拡がりを抑えることが可能となり、上述した絵柄の変動表示領域の圧迫を抑制することができる。これにより、表示画面にて対応情報の表示領域と絵柄の変動表示領域と好適に共存させることができる。
なお、「特別情報の数を表示する」は、数字によって「特別情報の数」を表示する場合や、特定情報と同数のランプを点灯等させることで「特別情報の数」を表示する場合を含む。
特徴A12.前記表示部は、前記表示画面と並設されており、
前記対応情報の表示領域は、前記表示画面において前記表示部寄りとなる部位に配されていることを特徴とする特徴A11に記載の遊技機。
特徴A12によれば、表示部によって表示される特別情報の数と、表示画面に表示される対応情報との関連を強めることができ、対応情報が各入球部への入球に関するものであることの示唆に貢献することができる。これにより、特徴A11に示した効果を一層顕著なものとすることができる。
特徴A13.前記報知手段は、前記対応情報を表示する表示装置(図柄表示装置40)を有し、
前記表示装置は、前記表示装置にて前記複数の絵柄列が所定の方向に循環表示されるようにして絵柄を変動表示させるものであり、
前記表示装置には、前記絵柄の変動表示領域と前記対応情報の表示領域とが、前記所定の方向とは異なる方向に並設されていることを特徴とする特徴A1乃至特徴A11のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A13によれば、絵柄の変動表示領域と対応情報の表示領域とを、上記所定の方向とは異なる方向に並設することにより、表示装置中(例えば表示画面中)に絵柄と対応情報とを好適に共存させることができる。
なお、特徴A6等との組み合わせにおいては同特徴A6等に示した「表示装置」と、本特徴に示す「表示装置」とを同一のものとすることも可能である。
特徴A14.前記第2入球部は、第1状態と、同第1状態よりも同第2入球部に遊技球が入球し易い第2状態とに切替可能であり、
前記第2入球部の前記第1状態及び前記第2状態への切り替えを行う切替手段(主制御装置81のMPU202における電役サポート用処理を実行する機能)を備え、
前記切替手段は、前記第2入球部を前記第1状態と前記第2状態とで切り替える切替モードとして、第1切替モード(低頻度サポートモード)と当該第1切替モードよりも前記第2状態になり易い第2切替モード(高頻度サポートモード)とを有しており、
さらに、同切替手段は、前記第1切替モードである場合には前記第2入球部への入球が前記第1入球部への入球よりも困難となるように設定されているとともに前記第2切替モードである場合には前記第2入球部への入球が前記第1入球部への入球より容易となるように設定されており、
前記制限手段は、前記切替手段が前記第1切替モードである場合には前記制限状態となり、前記切替手段が前記第2切替モードである場合に前記許容状態となるように設定されていることを特徴とする特徴A3乃至特徴A9のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A1等に示した報知手段を有する構成によれば、第2入球部への入球が第1入球部への入球よりも遊技者にとって有利である旨が報知されたとしても、第2入球部への入球を狙うようにして遊技を行ったことによる実益が無ければ、報知されている情報への信頼度が低下すると想定される。これは、報知手段の機能が活かされない要因となり得るため好ましくない。
この点、本特徴によれば、切替手段が第1切替モードである場合(すなわち第2入球部への入球が第1入球部への入球よりも困難である場合)には、報知が制限され、同切替手段が第2切替モードである場合(すなわち第2入球部への入球が第1入球部への入球よりも容易である場合)には、報知が実行される。これにより、報知手段に対する遊技者の信頼度を高めることが可能となり、同報知手段の報知機能を好適に発揮させることができる。
特徴A15.前記第2入球部は、第1状態と、同第1状態よりも同第2入球部に遊技球が入球し易い第2状態とに切替可能であり、
前記第2入球部の前記第1状態及び前記第2状態への切り替えを行う第1切替手段(主制御装置81のMPU202における電役サポート用処理を実行する機能)を備え、
前記第1切替手段は、前記第2入球部を前記第1状態と前記第2状態とで切り替える切替モードとして、第1切替モード(低頻度サポートモード)と当該第1切替モードよりも前記第2状態になり易い第2切替モード(高頻度サポートモード)とを有しており、
さらに、同第1切替手段は、前記第1切替モードである場合には前記第2入球部への入球が前記第1入球部への入球よりも困難となるように設定されているとともに前記第2切替モードである場合には前記第2入球部への入球が前記第1入球部への入球より容易となるように設定されており、
遊技球の流入が不可となる閉状態と、遊技球の流入が許容される開状態とに切替可能な可変入球装置(可変入賞装置32)と、
前記可変入球装置を前記閉状態で維持する第3切替モードと同可変入球装置を交互に前記閉状態及び前記開状態とする第4切替モードとに切替制御する第2切替手段と
を有し、
前記第2切替手段は、前記付与判定手段による付与判定の結果が判定対象の特別情報が前記付与情報に対応している付与対応結果となったことに基づいて、前記第4切替モードとなるように設定されており、
前記第1切替手段は、前記第2切替手段が前記第4切替モードである場合に、前記第1切替モードとなるように設定されており、
前記制限手段は、前記第2切替手段が前記第4切替モードである場合には前記制限状態となり、同第2切替手段が前記第3切替モードである場合に前記許容状態となるように設定されていることを特徴とする特徴A3乃至特徴A9のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A1等に示した報知手段を有する構成によれば、第2入球部への入球が第1入球部への入球よりも遊技者にとって有利である旨が報知されたとしても、第2入球部への入球を狙うようにして遊技を行ったことによる実益が無ければ、報知されている情報への信頼度が低下すると想定される。これは、報知手段の機能が活かされない要因となり得るため好ましくない。
この点、本特徴によれば、第1切替手段が第1切替モードである場合(すなわち第2入球部への入球が第1入球部への入球よりも困難である場合)には、報知が制限され、同第1切替手段が第2切替モードである場合(すなわち第2入球部への入球が第1入球部への入球よりも容易である場合)には、報知が実行される。これにより、報知手段に対する遊技者の信頼度を高めることが可能となり、同報知手段の報知機能を好適に発揮させることができる。
また、可変入球装置への入球が許容されている状態では、第2入球部への入球が抑制されることにより、同可変入球装置への遊技球の流入を促進されることとなる。このような遊技状態においては、第1入球部や第2入球部の有利不利の差に関わらず、可変入賞装置を狙って遊技球の打ち出しが行われると想定され、報知手段による対応情報の報知が有益でなくなると想定される。そこで、当該遊技状態においては対応情報の報知を制限することにより、表示画面における対応情報の表示領域を他の目的で使用することができ、実用上好ましい構成を実現できる。
なお、特徴A10乃至特徴A14に対して特徴A3に示した「制限手段」を付与した構成においては、特徴A14や特徴A15に示した技術的特徴を適用することが可能である。
上記特徴A群の各発明は以下の課題に対して適用すると効果的である。
例えばパチンコ遊技機等の遊技機においては、遊技領域に設けられた入球部に遊技球が入球したことを契機として、特別遊技状態等の所定遊技状態に移行させるか否かの抽選が行われる。抽選結果が特別遊技状態(いわゆる大当たり)への移行当選である場合には、例えば遊技領域に設けられた可変入球装置の開閉が実行され、可変入球装置への入球数に応じた遊技球の払出が実行される(例えば特開2004−81853号公報参照)。
このように入球部への入球を契機として抽選を行うタイプの遊技機においては、例えば上記入球部を複数設けるとともにそれら入球部への入球に有利不利の差を設定することにより、遊技の多様化が実現されているものがある。
しかしながら、上述の如く各入球部への入球に有利不利の差が設定されている場合、遊技の多様化を実現することができる反面、以下の不都合が生じ得る。すなわち、上記有利不利が設定されている事実を把握して遊技を行った場合と、同事実を把握することなく遊技を行った場合とで遊技者に付与される特典に差が生じ得る。特に、上述したような内部的な抽選に差が設定されている場合には、その事実を遊技を通じて把握することが困難になると想定され、例えば遊技機の仕様等に対する事前調査の有無によって享受できる特典に差が大きくなると考えられる。遊技機の仕様を熟知した熟練者と同遊技機の仕様を熟知していない初心者とで享受できる上記特典の差が大きくなることは、遊技機の公平性を低下させ、ひいては初心者の遊技意欲を減退させる要因となり得るため好ましくない。
特徴B1.遊技機前方から視認可能となる部位に設けられ、遊技機の仕様に関する特定情報を表示する表示部(シール部材302)と、
前記表示部を遊技機前方から視認不可とする遮蔽状態、及び前記表示部を遮蔽しない非遮蔽状態とに切替可能な切替手段(遮蔽部材311)と
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴B1によれば、遊技機の仕様に関する情報を表示/非表示で切り替えることができる。遊技ホール側の都合等により上記特定情報を明示したくない場合や、上記特定情報を表示することにより遊技者が不利益を被る可能性がある場合には、切替手段によって同特定情報を隠すことができる。特に、表示部を単に遮蔽する手段を設ける場合と比較して、本特徴に示す切替手段を採用すれば各遊技ホール毎の多様な営業形態に対応することが可能となる。
なお、本特徴に示す構成を例えば以下の構成に適用すると効果的である。
すなわち、「所定の発射操作に基づいて、遊技領域へ遊技球を発射する発射手段と、前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域を流下する遊技球が入球可能な入球部と、前記入球部に遊技球が入球したことに基づいて、特別情報を取得する情報取得手段と、前記情報取得手段が取得した特別情報を記憶する取得情報記憶手段と、前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が、予め定められた付与情報に対応しているか否かの判定を行う付与判定手段と、前記付与判定手段による付与判定の結果が、判定対象の特別情報が前記付与情報に対応している付与対応結果となったことに基づいて遊技者に特典を付与する特典付与手段とを備えている遊技機において、前記遊技領域には、前記入球部として少なくとも第1入球部と第2入球部とが個別に設けられており、前記取得情報記憶手段は、前記第1入球部に遊技球が入球した場合に前記情報取得手段が取得した特別情報を記憶する第1取得情報記憶手段と、前記第2入球部に遊技球が入球した場合に前記情報取得手段が取得した特別情報を記憶する第2取得情報記憶手段とを有し、前記付与判定手段は、前記第1取得情報記憶手段及び前記第2取得情報記憶手段に記憶されている特別情報のそれぞれに対して前記付与判定を行うものであるとともに、前記第2取得情報記憶手段に記憶された特別情報に基づく付与判定が前記第1取得情報記憶手段に記憶された特別情報に基づく付与判定よりも遊技者に有利となるように設定されている遊技機」に適用し「前記表示部は前記仕様に関する情報として、前記第2入球部への入球が前記第1入球部への入球よりも遊技者に有利であることに対応する対応情報を表示する」構成とすることで、以下の効果を享受できる。
各入球部に有利不利の差が設定されている遊技機においては、表示部によってそれに対応する情報の表示を行うことで遊技者は有利に設定された第2入球部を狙って遊技球を発射させると想定される。ここで、仮に遊技ホールの営業形態に合わせて釘調整が行われ上記第2入球部への入賞確率が第1入球部への入賞確率よりも低く設定されている場合、遊技者が第2入球部を狙って遊技球を発射し続けることにより、遊技を有利に進めることが困難になり得る。そこで、このような営業形態が採用されている遊技ホールにおいては、切替手段によって表示部を遮蔽することにより、同表示部に表示された内容によって遊技者を困惑させるといった不都合の発生を回避することができる。
特徴B2.遊技盤(遊技盤24)と、
前記遊技盤の前方に配置され、同遊技盤に対して前記遊技領域を挟んで対向する透明パネル(窓パネル62)と
を有し、
前記表示部は、前記遊技盤において前記パネル部と対向している部位に配されているとともに、前記切替手段が前記非遮蔽状態となっている場合には同パネル部を通じて遊技機前方から視認可能となっており、
前記切替手段は、前記遊技盤と前記パネル部との間に配されていることを特徴とする特徴B1に記載の遊技機。
特徴B1に示した切替手段を採用した場合には、遊技ホール側の意向によって表示/非表示が選択されているため、同切替手段が遊技者によって操作可能となることは好ましくない。そこで、本特徴に示すように切替手段を遊技盤とパネル部とのに配設すればパネル部によって同切替手段に対する不要なアクセスを抑制することができる。これにより上記不都合の発生を好適に抑制することができる。また、ホール管理者においては、パネル部を遊技盤と対向している位置から移動させることで、切替手段へのアクセスを容易なものとすることができ上述した不要なアクセスを抑制しつつ、切替手段の操作性の低下を抑えることができる。
なお、遊技盤の前面に遊技領域が形成されている構成においては切替手段を遊技領域外や遊技領域内であって遊技球が到達不可となっている位置に配置することにより、同切替手段に対して遊技球が衝突することを回避するとよい。これにより、切替手段が不意に切り替るといった不都合を好適に抑制することができる。
特徴B3.前記遊技盤の前面には遊技領域が設けられており、
前記遊技盤の前面から突出して設けられ、前記遊技領域に配置されている又は前記遊技領域を区画形成する遊技部品(装飾部材39)を備え、
前記表示部及び前記切替手段は、前記遊技部品において遊技機前方を向いている部位に配されていることを特徴とする特徴B2に記載の遊技機。
特徴B2に示したように表示部を遊技盤に配設する構成を採用した場合、表示部の視認性を担保しつつ同表示部に対する不要なアクセスを抑制することが可能である。しかしながら、表示部や切替手段によって遊技領域が圧迫されることは好ましくない。そこで、本特徴においては、遊技盤の前面から突出して設けられ遊技領域に配される又は遊技領域を区画する遊技部品の遊技機前方を向いている部位にそれら表示部及び切替手段を配することにより、上述した不都合の発生を好適に抑制することが可能となる。
特徴B4.遊技盤(遊技盤24)と、
遊技に関する各種制御を行う制御装置(主制御装置81)と
を有し、
前記制御装置は、個別に設けられた第1制御装置及び第2制御装置の一方によって構成されており、
前記第1制御装置に記憶された遊技機の仕様に関する第1情報と、前記第2制御装置に記憶された遊技機の仕様に関する第2情報とは相違しており、
前記遊技盤において遊技機前方から視認可能となる部位に設けられ、前記第1情報に係る第1特定情報を表示する第1表示部(第1表示部401)と、
前記遊技盤において遊技機前方から視認可能となる部位に設けられ、前記第2情報に係る第2特定情報を表示する第2表示部(第2表示部411)と、
前記第1表示部を遊技機前方から視認不可となるように遮蔽するとともに前記第2表示部を遮蔽しない第1状態、及び前記第2表示部を遊技機前方から視認不可となるように遮蔽するとともに前記第1表示部を遮蔽しない第2状態に切替可能な切替手段(遮蔽部材421)と
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴B4によれば、遊技盤に表示部を設け、同表示部によって遊技機の仕様(例えば大当たり確率や大当たり時の確率変動状態への移行確率等)に関する情報を表示することにより、遊技者等は遊技機の仕様を好適に把握することができる。
また、表示部として第1表示部及び第2表示部を有し、それら両表示部の一方を遮蔽可能とすることにより、異なる機種での遊技盤の共有化を促進することができる。具体的には、制御装置に記憶されている仕様に関する情報(プログラムやデータ等)を変更することにより、例えば見た目が類似するが異なる仕様の複数の遊技機を構成することが可能となり、遊技機のバリエーションを多様化することができる。この場合、上述した遊技機の仕様が異なる2つの遊技機において表示部に各遊技機の仕様をそれぞれ表示させることにより、それら各遊技機にて遊技盤を共通化することが可能となる。つまり、一方の遊技機に対応する第1特定情報を表示させる場合には切替手段によって第1表示部を表示させ(第2表示部を遮蔽し)、他方の遊技機に対応する第2特定情報を表示させる場合には切替手段によって第2表示部を表示させる(第1表示部を遮蔽する)とよい。これにより、遊技機のバリエーションを増やしつつ、それに伴う在庫管理等の管理負担の増大を好適に抑制することができる。
特徴B5.前記切替手段は、前記第1状態及び前記第2状態に加え、前記第1表示部及び前記第2表示部の両方を遊技機前方から視認不可となるように遮蔽する第3状態に切替可能に設けられていることを特徴とする特徴B4に記載の遊技機。
遊技ホール等においては遊技機の仕様に関する情報を必ずしも表示させる必要はなく、同表示を行うか否かは任意である。そこで、本特徴に示すように、切替手段を第3状態に切り替えることにより両表示部を共に遮蔽することが可能であれば、表示態様を遊技ホールの営業形態等に即したものとすることができ、実用上好ましい構成を実現することができる。
特徴B6.前記切替手段は、前記表示部を遮蔽する遮蔽位置と同表示部を遮蔽しない非遮蔽位置とに変位可能に設けられた遮蔽部材であり、
前記切替手段の位置を検知する検知手段(例えば検知センサ351,352)と、
前記検知手段からの検知情報に基づいて前記切替手段が前記遮蔽位置及び前記非遮蔽位置のどちらに待機しているか否かを判定する位置判定手段(表示制御装置212のMPU252においてステップS1401,S1402等の処理を実行する機能)と、
前記表示部とは別に設けられ、表示画面(表示画面41)を有する表示装置(図柄表示装置40)と、
前記位置判定手段により前記切替手段が前記非遮蔽位置に待機していると判定された場合に、前記表示画面に前記特定情報が表示されるように前記表示装置を制御し、前記位置判定手段により前記切替手段が前記遮蔽位置に待機していると判定された場合に、前記表示画面に前記特定情報が表示されないように前記表示装置を制御する情報表示制御手段(例えば表示制御装置212のMPU252においてステップS1603の処理を実行する機能)と
を備えていることを特徴とする特徴B1乃至特徴B3に記載の遊技機。
特徴B6によれば、表示部及び表示装置を特定情報の表示に利用することにより報知機能の向上等の効果が期待できる。しかしながら、このように複数の対象にて特定情報を表示する構成においては、各対象での表示態様に食い違いが生じることは好ましくない。例えば、一方では特定情報の表示が有効となっており、他方では特定情報の表示が無効となっている場合には、遊技者やホール管理者に不利益を与える可能性が生じ得る。
ここで、本特徴においては、切替手段の位置に応じて表示画面における特定情報の表示が有効/無効で切り替ることとなる。つまり、切替手段が遮蔽位置に配置されている場合には表示部及び表示画面での特定情報の表示が無効となり、同切替手段が非遮蔽位置に配置されている場合には表示部及び表示画面での特定情報の表示が有効となる。かかる構成を採用することにより、表示部及び表示画面における特定情報の報知機能を一体的に切り替えることが可能となり、上記不都合の発生を抑えることができる。
特徴B7.前記検知手段は、
前記切替手段が前記遮蔽位置に存在している場合に同切替手段を検知する第1検知手段(第1検知センサ551)と、
前記切替手段が前記非遮蔽位置に存在している場合に同切替手段を検知する第2検知手段(第2検知センサ552)と
を有し、
前記位置判定手段は、前記第1検知手段によって前記切替手段が検知されている場合に同切替手段が前記遮蔽位置に存在していると判定し、前記第2検知手段によって前記切替手段が検知されている場合に同切替手段が前記非遮蔽位置に存在していると判定することを特徴とする特徴B6に記載の遊技機。
特徴B6に示した技術的思想を実現するには、例えば1の検知手段によって遮蔽位置に存在している切替手段を検知し、同検知手段によって切替手段が検知されていない場合には当該切替手段が非遮蔽位置に存在しているとして特定情報の報知の有効/無効を決定したり、1の検知手段によって非遮蔽位置に存在している切替手段を検知し、同検知手段によって切替手段が検知されていない場合には当該切替手段が遮蔽位置に存在しているとして特定情報の報知の有効/無効を決定したりすることが可能である。しかし、このような構成においては、切替手段が誤って遮蔽位置と非遮蔽位置との間となる位置(以下便宜上、中間位置と称する)に配置されると、同切替手段がどの位置に存在しているかを見極めることが困難となり、誤判定が生じると懸念される。
この点、本特徴においては、第1検知手段及び第2検知手段を併用することにより、切替手段が遮蔽位置に存在している場合と、非遮蔽位置に存在している場合とを好適に見極めることができる。これにより、特定情報の報知機能が上手く発揮されないといった不都合を生じにくくすることができる。
特徴B8.前記切替手段は、前記第1表示部を遮蔽するとともに前記第2表示部を遮蔽しない第1位置と、前記第2表示部を遮蔽するとともに前記第1表示部を遮蔽しない第2位置とに変位可能に設けられた遮蔽部材であり、
前記切替手段の位置を検知する検知手段(例えば検知センサ351,352)と、
前記検知手段からの検知情報に基づいて前記切替手段の位置を判定する位置判定手段(表示制御装置212のMPU252においてステップS1401,S1402等の処理を実行する機能)と、
前記表示部とは別に設けられ、表示画面(表示画面41)を有する表示装置(図柄表示装置40)と、
前記位置判定手段により前記切替手段が前記第1位置に待機していると判定された場合に、前記表示画面にて前記第1特定情報が表示され且つ前記第2特定情報が非表示となるように前記表示装置を制御し、前記位置判定手段により前記切替手段が前記第2位置に待機していると判定された場合に、前記表示画面にて前記第2特定情報が表示され且つ前記第1特定情報が非表示となるように前記表示装置を制御する情報表示制御手段(例えば表示制御装置212のMPU252においてステップS1603の処理を実行する機能)と
を備えていることを特徴とする特徴B4又は特徴B5に記載の遊技機。
特徴B8によれば、表示部及び表示装置を特定情報の表示に利用することにより報知機能の向上等の効果が期待できる。しかしながら、このように複数の対象にて特定情報を表示する構成においては、各対象での表示態様に食い違いが生じることは好ましくない。例えば、一方では第1対応情報が表示され、他方では第2対応情報の表示が無効となっている場合には、遊技者等の困惑を招きやすいと懸念される。
ここで、本特徴においては、切替手段が第1位置に配置されている場合には表示部及び表示画面にて第1特定情報が表示され、同切替手段が第2位置に配置されている場合には表示部及び表示画面にて第2特定情報が表示される。かかる構成を採用することにより、表示部及び表示画面における特定情報の報知機能を一体的に切り替えることが可能となり、上記不都合の発生を抑えることができる。
特徴B9.前記検知手段は、
前記切替手段が前記第1位置に存在している場合に同切替手段を検知する第1検知手段(第1検知センサ551)と、
前記切替手段が前記第2位置に存在している場合に同切替手段を検知する第2検知手段(第2検知センサ552)と
を有し、
前記位置判定手段は、前記第1検知手段によって前記切替手段が検知されている場合に同切替手段が前記第1位置に存在していると判定し、前記第2検知手段によって前記切替手段が検知されている場合に同切替手段が前記第2蔽位置に存在していると判定することを特徴とする特徴B8に記載の遊技機。
特徴B8に示した技術的思想を実現するには、例えば1の検知手段によって第1位置に存在している切替手段を検知し、同検知手段によって切替手段が検知されていない場合には当該切替手段が第2位置に存在しているとして各特定情報の表示の有効/無効を決定したり、1の検知手段によって第2位置に存在している切替手段を検知し、同検知手段によって切替手段が検知されていない場合には当該切替手段が第1位置に存在しているとして各特定情報の表示の有効/無効を決定したりすることが可能である。しかし、このような構成においては、切替手段が誤って第1位置と第2位置との間となる位置(以下便宜上、中間位置と称する)に配置されると、同切替手段がどの位置に存在しているかを見極めることが困難となり、誤判定が生じると懸念される。
この点、本特徴においては、第1検知手段及び第2検知手段を併用することにより、切替手段が第1位置に存在している場合と、第2位置に存在している場合とを好適に見極めることができる。これにより、特定情報の報知機能が上手く発揮されないといった不都合を生じにくくすることができる。
特徴B10.前記表示装置は、前記表示画面にて絵柄を可変表示するものであり、
遊技者に対して特典を付与するか否かの判定を行う付与判定手段(主制御装置81のMPU202が有する大当たり等の抽選機能)と、
前記付与判定手段による付与判定の結果が付与対応結果となっているか否かを報知するようにして前記絵柄の表示を行う表示制御手段(表示制御装置212)と
を備えていることを特徴とする特徴B6乃至特徴B9のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴B6等に示すように付与判定の結果が表示装置にて示される構成においては、同表示装置の表示内容によってその後の遊技進行が有利となるか否かを把握することができる。このため、遊技者の注目は表示装置(詳しくは表示画面)に向きやすいと想定される。かかる構成に対して本特徴に示す技術的思想を適用すれば、遊技者の注目が向きやすい箇所にて特定情報の報知を行うことができ、特徴B6等に示した報知機能の更なる向上が期待できる。
特徴B11.前記表示装置にて表示される特定情報は、前記表示部にて表示される特定情報よりも情報量が少なく設定されていることを特徴とする特徴B10に記載の遊技機。
特徴B10に示したように付与判定の結果を表示装置にて表示する構成においては、表示画面における付与判定結果の表示領域が特定情報の表示領域確保のために圧迫され得る。そこで、特徴B6等に示したように表示部及び表示画面を併用する構成においては、各々に異なる報知機能を付与することで、実用上好ましい構成を実現することができる。具体的には、特定情報の表示に特化した表示部においては特定情報の表示内容を細かく設定し、表示画面に表示される特定情報の表示内容を大まかなものとすることで、特定情報の報知機能を担保しつつ絵柄の可変表示領域の圧迫を抑えることができる。
特徴B12.前記表示制御手段による絵柄の可変表示態様には、前記可変表示を停止させる前段階として、前記表示画面内の予め設定された複数の有効ラインのうち、1の有効ライン上に前記特典付与の対象絵柄の組み合わせが成立する可能性のあるリーチ絵柄を停止表示させることによりリーチラインを形成させ、当該リーチラインが形成されている状況下において、最終停止表示領域によりリーチ表示を行わせる態様が含まれており、
前記情報表示制御手段は、前記リーチ表示が行われている場合に、前記特定情報を表示させるものであることを特徴とする特徴B10又は特徴B11に記載の遊技機。
特徴B10等に示したように表示画面にて絵柄を可変表示する構成においては、特定情報を常時表示することで、絵柄による演出・報知の機能が低下すると懸念される。そこで、本特徴に示すように、遊技者の注目度が高まると想定されるリーチ表示期間にて特定情報の表示を行う構成とすれば、上述した各機能の低下を抑え、更には特定情報のインパクトを強めることができる。これにより、表示画面にて特定情報と絵柄とを好適に共存させつつ、特定情報の報知機能を向上させることができる。
特徴B13.前記付与判定手段は、遊技者に有利な特別遊技状態の発生の有無を抽選するものであり、
前記特別遊技状態として、遊技者に対する有利度に差が設けられた第1特別遊技状態と第2特別遊技状態とが設定されており、
前記情報表示制御手段は、前記リーチ表示が行われている場合に、前記特定情報として前記付与判定手段による抽選の当選確率と前記第1特別遊技状態及び前記第2特別遊技状態の振分確率とのうち少なくとも何れかを表示させるものであることを特徴とする特徴B12に記載の遊技機。
特徴B12に示したようにリーチ表示を行う構成においては、同リーチ表示によって当選期待度や振分期待度等の示唆が行われることとなる。そこで、同リーチ表示の実行中に特別遊技状態の発生確率及び振分確率の少なくとも何れかを表示させることにより、リーチ表示中に同リーチ表示に対して関連性の強い情報を報知することができ、特定情報の報知機能を一層好適なものとすることができる。
特徴B14.前記位置判定手段は、電源投入が行われた場合に、前記位置判定を実行するものであり、
前記電源投入後に、前記電源投入時の位置からの前記切替手段の変位を監視する監視手段(表示制御装置212のMPU252における異常監視処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴B6乃至特徴B13のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴B14によれば、電源投入時に切替手段の位置を判定し、その結果によって表示画面における特定情報の表示が決定される。このように表示画面における特定情報の表示の可否を電源投入時に決定することにより、その後に実行される特定情報の表示に関連する各種処理の処理負荷の低減に貢献することができる。
特に切替手段の変位(操作)が許容されている構成においては、表示部と表示画面とで特定情報の表示の可否が食い違うことは遊技機における信頼性の低下を招来すると想定される。そこで、監視手段によって電源投入後の切替部材の変位を監視することにより、仮にそのような不都合が生じた場合であっても、その事実を早期に発見することができ、上記不都合の発生を好適に抑制することが可能となる。
上記特徴B群の各発明は以下の課題に対して適用すると効果的である。
例えばパチンコ遊技機等の遊技機においては、遊技領域に設けられた入球部に遊技球が入球したことを契機として、遊技者に有利な特別遊技状態に移行させるか否かの抽選が行われる。抽選結果が特別遊技状態(いわゆる大当たり)への移行当選である場合には、例えば遊技領域に設けられた可変入球装置の開閉が実行され、例えば可変入球装置への入球数に応じた遊技球の払出が実行される(例えば特開2004−81853号公報参照)。
近年では、遊技機の仕様が多様化する傾向にあるが、遊技機の仕様に関する情報を表示することにより、遊技機の仕様等を熟知した熟練者と同遊技機の仕様等を熟知していない初心者とで享受できる特典の差が大きくなることが抑制されている。
しかしながら、上述した遊技機の仕様に関する情報は常に遊技者にとって有益になるとは限らず、遊技ホールの営業形態等によっては遊技者を困惑させたり遊技者に対して不利益を与えたりする要因となり得る。
例えば、上記入球部を複数設けるとともにそれら入球部への入球に基づく抽選に有利不利の差が設定されているタイプの遊技機においては、遊技機の仕様に関する情報を信頼し有利な設定となっている側の入球部へ遊技球が流入しやすくなるようにして遊技者が遊技を行うと想定される。しかしながら、例えば遊技ホールの営業形態により実質的な有利不利の差が逆になるように釘等の調整が行われている場合には、表示されている情報に従って遊技を行った結果、遊技者が本来享受できる利益を取りこぼす可能性が高くなり得る。つまり、表示されている情報を鵜呑みにした結果、かえって遊技を有利に進めることが難しくなり得る。これは、遊技機の信頼性を低下させる等して遊技者の遊技意欲を減退させる要因となり得るため好ましくない。そして、このような不都合は、遊技機を熟知した遊技者よりも同遊技機を熟知していない初心者に対して生じやすいと想定される。
特徴C1.遊技機前方から視認可能となる部位に設けられ、遊技機の仕様に関する情報を表示する表示部(シール部材302)と、
予め定められた操作に基づいて、前記表示部における見かけ上の遊技機の仕様を変化させる操作部(遮蔽部材511や可動部材630)と、
前記操作部の操作に基づく前記見かけ上の仕様の変化に応じて、遊技機の仕様を切り替える切替手段(音声ランプ制御装置640のMPU642における参照テーブル決定処理を実行する機能や主制御装置700のMPU702におけるテーブル設定処理を実行する機能)と
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴C1によれば、操作部を操作することにより表示部の見かけ上の仕様(表示態様)が変化し、このような見かけ上の仕様の変更に応じて遊技機の仕様が切り替えられることとなる。これにより、遊技機の仕様を多様化しつつ、それに起因して遊技機の仕様が分かりにくくなることを抑制することができる。
また、見かけ上の仕様の変更と実質的な仕様の変更とがともに操作部の操作に関連付けられており、両者に食い違いが生じることを抑制することができる。
なお、「遊技機前方から視認可能となる部位」については、例えば遊技機本体(内枠13)を遊技機前方から覆う扉体(前扉枠14)を備えた遊技機において同扉体を遊技機本体に対して閉じた状態で遊技機前方から視認可能となる部位を含む。
特徴C2.遊技機の仕様に関する第1情報(第1仕様用振分テーブル)及び同第1情報とは異なる第2情報(第2仕様用振分テーブル)とを記憶している記憶手段(音声ランプ制御装置640のROM643における各種テーブル記憶エリア643a)を備え、
前記表示部は、
前記第1情報にかかる第1対応情報を表示する第1表示部(第1表示部501A)と、
前記第2情報にかかる第2対応情報を表示する第2表示部(第2表示部501B)と
を有し、
前記操作部は、前記表示部に併設されており、前記第1表示部を遊技機前方から視認不可となるように遮蔽するとともに前記第2表示部を遮蔽しない第1状態、及び前記第2表示部を遊技機前方から視認不可となるように遮蔽するとともに前記第1表示部を遮蔽しない第2状態に切替可能な遮蔽部材(遮蔽部材511)であり、
前記切替手段は、前記遮蔽部材が第1状態となっている場合には前記第1情報に基づいて遊技の進行を制御するとともに、同遮蔽部材が前記第2状態となっている場合には前記第2情報に基づいて遊技の進行を制御する制御手段であることを特徴とする特徴C1に記載の遊技機。
特徴C2によれば、遮蔽部材(操作部)を移動させることにより、第1表示部を遮蔽する状態と、第2表示部を遮蔽する状態とに切り替ることとなる。第2状態においては第1対応情報が遊技者やホール管理者によって視認可能となり、遊技機の仕様については第1情報に対応したものとなる。一方、第1状態においては、第2対応情報が遊技者やホール管理者によって視認可能となっており、遊技機の仕様は第2情報に対応したものとなる。これにより、特徴C1に示した機能を好適に発揮させることができる。
特に、操作部が表示部とは関係の無い箇所に配設されている場合とはことなり、同操作部によって表示部の遮蔽状態を切り替える構成とすることにより、作業ミス等を低減に貢献することができる。
特徴C3.遊技者に特典を付与する第1特典付与手段及び第2特典付与手段を備え、
前記表示部には、遊技機の仕様として前記第1特典付与手段による特典付与態様に関する情報を表示されており、
前記操作部は、予め設定された範囲で移動可能に設けられており、当該操作部の位置に応じて前記表示部に表示された前記第1特典付与手段による特典付与態様に関する情報を変化させるものであり、
前記切替手段は、遊技機における損益率を一定に維持するようにして、前記操作部の位置に応じた前記第1特典付与手段による特典付与態様の変化に対応させて前記第2特典付与手段による特典付与態様を変化させることを特徴とする特徴C1に記載の遊技機。
特徴C3によれば、各特典付与手段の付与態様を関連性を維持しつつ変化させることにより、遊技機の仕様を好適に態様化することができる。このような仕様の変更によって、遊技機の仕様が遊技者に不利になったり遊技ホールに不利になったりすることは、遊技機における健全性担保の観点から好ましくない。この点、本特徴においては、仕様の変更に際して損益率が一定に維持されるようにして、第1特典付与手段による特典付与の態様と第2特典付与手段による特典付与の態様とが変更されることで、上記不都合の発生を好適に抑制することができる。
特徴C4.前記第1特典付与手段は、特別遊技状態の発生の有無を抽選する抽選機能を有し、
前記特別遊技状態として、遊技者に対する有利度に差が設けられた第1特別遊技状態と第2特別遊技状態とが設定されており、
前記第2特典付与手段は、
更新タイミングとなる度に、予め定められた数値範囲内において数値情報を順次更新する数値情報更新手段(大当たり種別カウンタC2)と、
予め定められた取得条件が成立した場合に、前記数値情報更新手段から前記数値情報を取得する数値情報取得手段と
を有し、
前記数値情報取得手段により取得された数値情報が、予め設定された特定数値情報群のうち前記第1特別遊技状態に対応させて設定された第1数値情報に対応していることに基づいて前記第1特別遊技状態に移行し、前記特定数値情報群のうち前記第2特別遊技状態に対応させて設定された第2数値情報に対応していることに基づいて前記第2特別遊技状態に移行する遊技機であって、
前記切替手段は、前記操作部の位置に応じて前記第1数値情報の範囲と前記第2数値情報の範囲との境界を定める境界設定手段を有し、
前記境界の変更に基づいて前記第1数値情報の範囲及び前記第2数値情報の範囲が変更されることを特徴とする特徴C3に記載の遊技機。
特徴C4によれば、操作部を操作することにより同操作部の位置に応じて第1数値情報の範囲と第2数値情報の範囲とが変更される。例えば、第1数値情報の範囲が拡大されることにより第2数値情報の範囲がその分縮小され、第2数値情報の範囲が拡大されることにより第1数値情報の範囲がその分縮小される。これにより、例えば各仕様に1対1で対応させて上記各数値情報群を予め記憶させておく構成と比較して記憶容量の増大を好適に抑制することができる。
なお、本特徴に示す構成に代えて以下の構成「前記第1特典付与手段は、特別遊技状態の発生の有無を抽選する抽選機能を有し、前記特別遊技状態として、遊技者に対する有利度に差が設けられた第1特別遊技状態と第2特別遊技状態とが設定されており、前記第2特典付与手段は、前記第1特典付与手段による抽選に当選した場合に前記第1特別遊技状態と前記第2特別遊技状態との振分を行う振分機能を有し、前記第2特典付与手段は、前記操作部の位置に応じて前記第1特別遊技状態と前記第2特別遊技状態との振分確率を変更する手段を有し、前記第1特典付与手段は、更新タイミングとなる度に、予め定められた数値範囲内において数値情報を順次更新する数値情報更新手段と、予め定められた取得条件が成立した場合に、前記数値情報更新手段から前記数値情報を取得する数値情報取得手段とを有し、前記数値情報取得手段により取得された数値情報が、予め設定された特定数値情報群のうち前記抽選における当選結果に対応させて設定された当選用数値情報に対応している場合に前記特別遊技状態へ移行を許容し、前記特定数値情報群のうち前記抽選における非当選結果に対応させて設定された非当選用数値情報に対応している場合に前記特別遊技状態への移行を不可とする遊技機であって、前記切替手段は、前記操作部の位置に応じて前記当選用数値情報の範囲と前記非当選用数値情報の範囲との境界を定める境界設定手段を有し、前記境界の変更に基づいて前記第1数値情報の範囲及び前記第2数値情報の範囲が変更されることを特徴とする遊技機」を特徴C3に適用することも可能である。
上記特徴C群の各発明は以下の課題に対して適用すると効果的である。
例えばパチンコ遊技機等の遊技機においては、遊技領域に設けられた入球部に遊技球が入球したことを契機として、特別遊技状態等の所定遊技状態に移行させるか否かの抽選が行われる。抽選結果が特別遊技状態(いわゆる大当たり)への移行当選である場合には、例えば遊技領域に設けられた可変入球装置の開閉が実行され、可変入球装置への入球数に応じた遊技球の払出が実行される。
近年では、遊技機の仕様が多様化する傾向にあるが、遊技ホール等における遊技機の設置可能領域には限りがあるため、そのように多種多様な遊技機を導入することは困難である。特に、中小の遊技ホールにおいてはそのような傾向が顕著になる。
また、遊技機の仕様を多様なものとした場合には、各遊技機の仕様に対する理解度を高めることが困難となり、仮に遊技機の仕様の理解が十分でないまま遊技を行った場合には、遊技者が本来得られるはずの特典を取りこぼす可能性が高まる。特に、内部的な抽選等に差が設定されている場合には、その事実を遊技を通じて把握することが困難になると想定され、例えば遊技機の仕様等に対する事前調査の有無によって享受できる特典に差が大きくなると考えられる。遊技機の仕様を熟知した熟練者と同遊技機の仕様を熟知していない初心者とで享受できる上記特典の差が大きくなることは、遊技機の公平性を低下させ、ひいては初心者の遊技意欲を減退させる要因となり得るため好ましくない。
つまり、遊技機の仕様を多様化し、遊技ホールにおける遊技機選択の幅を拡げることで、遊技ホールの営業形態に即したものとしつつ遊技への門戸を拡げることができるが、その反面、遊技機の仕様がわかりにくくなることで遊技機に対する取っ付きやすさや公平性が損なわれるといった不都合が生じやすくなると想定される。
以下に、以上の各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段(発射ハンドル54)と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構53)と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路(レール部51,52)と、遊技領域内に配置された各遊技部品(釘38等)とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部(一般入賞口31等)を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにした遊技機。
球使用ベルト式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにし、さらに、球受皿を設けてその球受皿から遊技球を取り込む投入処理を行う投入装置と、前記球受皿に遊技球の払出を行う払出装置とを備え、投入装置により遊技球が投入されることにより前記始動用操作手段の操作が有効となるように構成した遊技機。