JP2011209375A - パターン描画装置およびパターン描画方法 - Google Patents

パターン描画装置およびパターン描画方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 描画手段の描画位置と基板との相対位置に基づいて、高精度なパターン描画を実現する技術を提供することを目的とする。
【解決手段】 ベースプレート24の主走査方向の位置情報を検出するための移動位置検出手段70と、主走査方向に移動するベースプレート24が所定の位置を通過したことを検出するための通過検出手段40が配設されている。通過検出手段40で検出される通過位置情報と、通過検出手段40でベースプレート24が特定の位置を通過したことが検出された時に移動位置検出手段70で検出される測定位置情報とから、移動位置検出手段70の検出に係る位置情報の遅れを補正するための補正量を算出し、補正量と測定位置情報とからベースプレート24の修正位置情報を算出し、修正位置情報に基づいて描画手段30の描画タイミングの動作を制御し、高精度にパターンを描画することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体ウエハ、フォトマスク用ガラス基板、液晶表示用ガラス基板、プラズマ表示用ガラス基板、FED(Field Emission Display)用基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板等の基板にパターンを描画する技術に関するもので、特に描画精度を向上させる技術に関する。
従来、基板の製造工程においては、基板の表面に形成された感光材料に制御された光を照射することにより、基板の表面に所定のパターンを描画するパターン描画装置が使用されている。従来のパターン描画装置は、基板を水平姿勢で保持しつつ移動するステージと、基板に光ビームを照射する照射手段とを備えることにより、マスクを使用することなく基板の上面に直接に所定のパターンを描画する構成となっている。
下記特許文献1には、移動するステージの位置を検出するためのレーザ測長器を備えたパターン描画装置が開示されている。このパターン描画装置では、レーザ測長器を用いて基板が保持されたステージの位置を検出することで、基板の位置検出を行うことができる。そして、レーザ測長器から得られる位置情報に基づいて光の照射タイミングを制御することで、基板に所定のパターンを描画することができる。
レーザ測長器を用いた位置検出は、測定時に基板の位置を特定するものであるが、レーザ測長器による検出の場合、レーザ測長器から出射されたレーザ光を対象物で反射させ、反射光と出射光との干渉によって測長を行うものがある。具体的には、光源から出射されたレーザ光を2つ以上の光に分割し、別々の光路を通ったあと再び重ね合わせることで、光路差により発生する干渉縞を捉え、これを解析することで対象物との距離等を求めるものである。
特開2009−237417
ところで、上記レーザ測長器を用いてステージの位置を検出する場合、干渉縞を捉えた後、これを解析しステージとの距離を算出するのに一定の算出時間を要する。そのため、移動するステージを検出する場合、測定時のステージ位置と検出時(すなわち、算出結果が出力された時)の実際のステージ位置とにズレが生じることが知られている。この算出時間にともなう実際のステージ位置とのズレを補正する手段として、あらかじめ、算出時間によって移動するステージの距離を求め、該ズレを補正するための補正値を準備する。そして、描画時には、検出時のステージ位置に該補正値を加えることで、実際のステージ位置を取得する補正技術が考えられる。
しかしながら、このような補正技術では、ステージの移動速度を変更する場合、あらかじめ、ステージの移動速度に応じた補正値を準備しておく必要があり煩雑さがあった。さらに、変更された移動速度に対して補正値が準備されていない場合は、補正値を求める作業が発生し、装置の立ち上げに時間を要するという問題があった。
この発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、描画位置と基板位置との間の位置情報が変化する場合でも位置情報を正確に検出することで、高精度に所定のパターンを描画するためのパターン描画装置を提供することを目的とする。
本発明は、上記目的を達成するため、基板を水平に保持するステージと、ステージに保持された基板に描画する描画手段と、描画手段による描画位置に対してステージと描画手段を相対的に移動させる移動機構と、移動機構により移動するステージまたは描画手段の測定位置情報を検出する移動位置検出手段と、移動機構により移動するステージまたは描画手段の通過を検出する通過検出手段と、通過検出手段で検出される通過検出情報に基づき、通過位置情報を取得し、通過検出手段で検出された時に移動位置検出手段で検出される測定位置情報と通過位置情報とから、測定位置情報を補正するための補正量を算出する補正量演算部と、補正量と測定位置情報とから修正位置情報を算出し、修正位置情報に基づいて動作を制御する制御手段とを備えることを特徴とする。
このように構成された発明では、移動位置検出手段で検出される測定位置情報と、通過検出手段で検出される通過検出情報に基づき取得される通過位置情報とから、移動位置検出手段における位置情報の検出に係る遅れを補正するための補正量を自動的に算出することができる。そして、該補正量を用いて、移動位置検出手段で検出される測定位置情報を補正することで、修正位置情報を算出することができ、該修正位置情報に基づいてパターン描画装置の動作を高精度に制御することができる。また、操作者による補正量算出の作業が不要となり、該作業を行う煩雑さをなくし、速やかな装置立ち上げを行うことができる。
また、装置の調整等によりステージの移動速度が変更されたとしても、補正量演算部により、変更された移動速度に応じた補正量を自動で算出することができる。また、設定されたステージの移動速度と実際に動作するステージの移動速度にズレがあった場合でも、本発明では実際に移動するステージから補正量を自動で算出するため、高精度な補正量を得ることでき、同様に修正位置情報を得ることができるため、パターン描画装置の動作を制御することができる。
また、本願発明に係るパターン描画装置において制御手段は、修正位置情報に基づいて描画位置とステージに保持された基板との相対的な位置を算出し、相対的な位置に基づいて描画手段の描画タイミングの動作を制御することを特徴とする。これにより、描画手段の描画位置と基板との相対的な位置に基づいて、描画手段の描画タイミングの動作を制御することができるため、基板に所定のパターンを高精度に描画することができる。
また、本願発明に係るパターン描画装置において測定位置情報は、移動位置検出手段によって測定された時の移動位置検出手段とステージとの距離であることを特徴とする。これにより、ステージの位置情報を正確に検出することができる。
また、本願発明に係るパターン描画装置において、あらかじめ、通過検出手段によって検出される位置においてステージを静止させた状態で移動位置検出手段により検出したステージと移動位置検出手段との距離を基準位置情報として記憶する記憶手段を有し、補正量演算部は、移動機構により移動するステージの通過を検出した時、記憶手段から基準位置情報を通過検出時の通過位置情報として取得することを特徴とする。これにより、移動位置検出手段における位置情報の検出に係る遅れの影響を受けない通過検出時の通過位置情報を取得することができる。
また、本願発明に係るパターン描画装置において、通過検出手段は、描画位置で描画が行なわれる前であって、かつ、描画位置に対してステージを定速で相対的に移動させる区間内に配設されることを特徴とする。これにより、描画が開始される前に確実にステージの通過を検出することができるとともに、描画時のステージの移動速度に対する移動位置検出手段の位置情報の検出に係る遅れを補正するための補正量を算出することができ、補正量から算出される修正位置情報に基づいて描画手段の描画タイミングの動作を制御することができる。
また、本願発明に係るパターン描画方法において、水平に基板を保持しつつ、描画手段による描画位置に対して相対的に移動するステージの測定時の位置情報を検出する移動位置検出工程と、描画位置に対して相対的に移動する前記ステージの通過を検出する通過検出工程と、通過検出工程で検出される通過検出情報に基づき、通過検出工程で検出される検出時の通過位置情報を取得し、通過検出工程で検出された時に移動位置検出工程で検出される測定位置情報と通過位置情報とから、測定位置情報を補正するための補正量を算出する補正量算出工程と、補正量と移動位置算出工程で検出される測定位置情報とから、修正位置情報を算出するとともに、修正位置情報に基づいて描画手段の描画タイミングの動作を制御し基板に描画する描画工程とを備えることを特徴とする。
このように構成された発明では、移動位置検出工程で検出される測定位置情報と、通過検出工程で検出される通過検出情報に基づき取得される検出時の通過位置情報とから、移動位置検出工程における位置情報の検出に係る遅れを補正するための補正量を自動的に算出することができる。そして、該補正量を用いて、移動位置検出工程で検出される測定位置情報を補正することで、修正位置情報を算出することができ、該修正位置情報に基づいて描画手段の描画タイミングの動作を制御し高精度に基板に所定のパターンを描画することができる。また、オペレータによる補正量算出の作業が不要となり、該作業を行う煩雑さをなくし、速やかな装置立ち上げを行うことができる。
また、装置の調整等によりステージの移動速度が変更されたとしても、変更された移動速度に応じた補正量を自動で算出することができる。また、オペレータが設定したステージの移動速度と実際に動作するステージの移動速度にズレがあった場合でも、本発明では実際に移動するステージから補正量を自動で算出するため、高精度な補正量を得ることでき、同様に修正位置情報を得ることができるため、基板に所定のパターンを高精度に描画することができる。
本発明によれば、移動位置検出手段で検出される測定位置情報と、通過検出手段で検出される通過検出情報に基づき取得される検出時の通過位置情報とから、移動位置検出手段における位置情報の検出に係る遅れを補正するための補正量を自動的に算出することができる。そして、該補正量を用いて、移動位置検出手段で検出される測定位置情報を補正することで、修正位置情報を算出することができ、該修正位置情報に基づいてパターン描画装置の動作を高精度に制御することができる。
また、オペレータによる補正量算出の作業が不要となり、該作業を行う煩雑さをなくし、速やかな装置立ち上げを行うことができる。また、算出された修正位置情報に基づいて描画位置とステージに保持された基板との相対的な位置を算出し、相対的な位置に基づいて描画手段の描画タイミングを制御することができるため、高精度に所定のパターンを描画することができるという優れた効果を奏し得る。
本発明に係るパターン描画装置の一実施例形態を示す正面図である。 本発明に係るパターン描画装置の一実施例形態を示す平面図である。 本発明に係るパターン描画装置でのパターンの描画を示す図である。 本発明に係る空間光変調器を示す拡大図である。 本発明に係る光変調素子の動作を示す拡大図である。 本発明に係るパターン描画装置の各部と制御手段との間の接続構成を示す 本発明に係るパターン描画装置が備える制御手段の構成を示すブロック図である。 本発明に係る移動位置検出手段と通過検出手段の動作を説明するための説明図ある。ブロック図 本発明に係るパターン描画装置が備える制御手段の動作の手順を示すフローチャートである。
図1は本発明に係るパターン描画装置1の構成を示した正面図である。図2は、本発明に係るパターン描画装置1の構成を示した平面図である。
なお、図1および図2において、図示および説明の都合上、Z軸方向が鉛直方向を表し、XY平面が水平面を表すものとして定義するが、それらは位置関係を把握するために便宜上定義するものであって、以下に説明する各方向を限定するものではない。
パターン描画装置1は、液晶表示装置の基板を製造する工程において、ガラス基板(以下、単に基板90と称す)の上面に所定のパターンを描画するための装置として構成される。図1および図2に示すように、パターン描画装置1は主に、基板90を保持するステージ10と、ステージを移動する移動機構20と、基板90に向けて光を照射する描画手段30と、移動機構20や描画手段30等の動作を制御する制御手段50と、ベースプレート24の位置を測定する移動位置検出手段70および通過検出手段40とから構成される。
ステージ10は、平板状の外形を有しており、またステージ10の上面には、図示しない格子状の吸着溝が設けられており、これらの吸着溝の内底部には図示しない複数の吸引孔が分散して形成されている。これらの吸引孔は、真空ポンプ等に接続されており、当該真空ポンプを動作することによって、吸着溝内の雰囲気を排気することができる。これにより、ステージ10の上面に基板90を載置する際には、吸引孔の吸引圧により基板90を水平に保ちつつ、ステージ10の上面に固定的に保持することができる。
移動機構20は、ステージ10を主走査方向(Y軸方向)、副走査方向(X軸方向)および回転方向(Z軸周りの回転方向)に移動させるための機構である。移動機構20は、ステージ10を回転させる回転機構21、ステージ10を回転可能に支持する支持プレート22、支持プレート22を副走査方向に移動させる副走査機構23、副走査機構23を介して支持プレート22を支持するベースプレート24およびベースプレート24を主走査方向に移動させる主走査機構25から構成される。また、ベースプレート24の(+X)方向の側面には、後述する移動位置検出手段70から出射されるレーザ光を反射するためのミラー26が固設されている。
回転機構21は、リニアモータ211と、ステージ10の中央部下面側と支持プレート22との間に回転軸212とを備える。リニアモータ211はステージ10の(−Y軸)方向側(図2中、紙面下側)の端部に取り付けられた図示を省略する移動子と、支持プレート22の上面に敷設された図示を省略する固定子とよりなる。このため、リニアモータ211を動作させると、固定子に沿って移動子がX軸方向に移動し、支持プレート22上の回転軸212を中心としてステージ10が所定の角度の範囲内で回転する。
副走査機構23は、リニアモータ231と、支持プレート22とベースプレート24との間に、副走査方向に伸びる一対のガイド部232とを備える。リニアモータ231は支持プレート22の下面に取り付けられた図示を省略する移動子と、ベースプレート24の上面に敷設された図示を省略する固定子とよりなる。このため、リニアモータ231を動作させると、ベースプレート24上のガイド部232に沿って支持プレート22が副走査方向に移動する。
主走査機構25は、リニアモータ251と、ベースプレート24と基台60との間に、ベースプレート24の一部を案内する主走査方向に伸びる一対のガイド部252とを備える。リニアモータ251は、ベースプレート24の下面に取り付けられた図示を省略する移動子と、パターン描画装置1の基台60上に敷設された図示を省略する固定子とよりなる。このため、リニアモータ251を動作させると、基台60上のガイド部252に沿ってベースプレート24が主走査方向に移動する。
主走査機構25は後述する制御手段50により制御されており、描画手段30から照射される光により基板90の上面に所定のパターンが描画されている間、一定の速度(以降、描画速度とも称す)でベースプレート24を移動させる。また、ベースプレート24が静止状態から描画速度に達するまでは加速しながら移動するように制御手段50に制御される。
描画手段30は、ステージ10上に保持された基板90の上面にパルス光を照射するための機構である。描画手段30は、ステージ10および移動機構20を跨ぐようにして基台60上に架設された門型のフレーム31と、フレーム31上にX軸方向に沿って等間隔に取り付けられた複数の光学ヘッド32とを備えている。なお、本実施例では一例として4個の光学ヘッド32を備えている。
4個の光学ヘッド32は、照明光学系33を介して一つのレーザ発振器34に接続されており、レーザ発振器34には、レーザ発振器34のオンオフ駆動を行うレーザ駆動部35が接続されている。したがって、レーザ駆動部35を動作させると、レーザ発振器34からパルス光が出射され、出射されたパルス光は照明光学系33を介して、各光学ヘッド32の内部に導入される。
各光学ヘッド32は、レーザ発振器34からの光を下方に向けて出射する出射部36、出射部36からの光を反射して空間光変調器37へと導く光学系361、空間光変調器37を介して照射された出射部36からの変調された光を基板90の上面に導く投影光学系38を備える。
4個の光学ヘッド32は副走査方向に沿って等間隔(例えば200mm間隔)で配列されている。ステージ10を主走査方向に移動させつつ、各光学ヘッド32からパルス光を断続的に照射することで、図3に示したように、所定の露光幅D(例えば、50mm幅)を有する複数本のパターンが基板90の上面に描画される。パターン描画装置1は、1回の主走査方向への描画が完了すると、光学ヘッド32の露光幅分ずつ基板90を副走査方向にずらしながら、主走査方向へのパターンの描画を所定回数(例えば4回)繰り返すことにより、基板90の描画領域全面に所定のパターンを形成する。
図4は、空間光変調器37を拡大して示す図である。図4に示すように、空間光変調器37は、出射部36を介して出射されたレーザ発振器34からの光を基板90の上面へと導く回折格子型の複数の光変調素子371を備える。光変調素子371は半導体装置製造技術を利用して製造され、格子の深さを変更することができる回折格子となっている。光変調素子371には複数の可撓リボン371aおよび固定リボン371bが交互に並行に配列形成され、複数の可撓リボン371aは背後の基準面に対して個別に昇降移動可能とされ、複数の固定リボン371bは基準面に対して固定される。回折格子型の光変調素子としては、例えば、GLV(Grating Light Valve:グレーチング・ライト・バルブ)(シリコン・ライト・マシーンズ社の登録商標)が知られている。
図5(a)および図5(b)は、可撓リボン371aおよび固定リボン371bに対して垂直な面における光変調素子371の断面を示す拡大図である。図5(a)に示すように可撓リボン371aおよび固定リボン371bが基準面371cに対して同じ高さに位置する(すなわち、可撓リボン371aが撓まない)場合には、光変調素子371の表面は面一となり、入射光L1の反射光が0次光L2として導出される。一方、図5(b)に示すように可撓リボン371aが固定リボン371bよりも基準面371c側に撓む場合には、可撓リボン371aが回折格子の溝の底面となり、非0次回折光L3が光変調素子371から導出され、0次光L2は消滅する。このように光変調素子371は回折格子を利用した光変調を行う。
図1に示す描画手段30では、レーザ発振器34からの光が照明光学系33を介して出射部36に導入され、出射部36を介して空間光変調器37のライン上に配列された複数の可撓リボン371aおよび固定リボン371b上に照射される。光変調素子371は、隣接する各1本の可撓リボン371aおよび固定リボン371bを1つのリボン対とすると、3つ以上のリボン対が描画されるパターンの1つの画素に対応する。光変調素子371では、各空間光変調器37に接続される図示を省略する空間光変調器制御部からの信号に基づいてパターンの各画素に対応するリボン対の可撓リボン371aがそれぞれ制御され、各画素に対応するリボン対が0次光(正反射光)として導出する状態と、非0次回折光(主として1次回折光((+1)次回折光および(−1)次回折光))として導出する状態との間にて遷移可能とされる。光変調素子371から出射される0次光は投影光学系38へと導かれ、非0次回折光は投影光学系38とは異なる方向へと導かれる。なお、迷光となることを防止するために非0次回折光は図示を省略する遮光部により遮光される。
光変調素子371からの0次光は、投影光学系38を介して基板90の上面へと導かれる。これにより、基板90の上面においてX軸方向(すなわち、副走査方向)に沿っておよそ直線状に並ぶ複数の描画領域のそれぞれに変調された光が照射される。すなわち、光変調素子371の各画素に対応するリボン対は0次光を導出する状態がON状態であり、非0次回折光を導出する状態がOFF状態とされる。
また、投影光学系38には、対物レンズ382を光軸に沿って移動するアクチュエータを有するフォーカス機構381が設けられており、フォーカス機構381により対物レンズ382の上下方向の移動によって、光変調素子371によって変調された光の焦点位置が調整される。焦点位置が調整された光は、基板90の主面に照射される。なお、光変調素子からの非0次回折光が基板90の上面へと導かれ、0次光が遮光部により遮光されてもよい。光変調素子から基板90の上面に導かれたパルス光により、配線パターン等の所定のパターンが描画される。
移動位置検出手段70は、主走査機構25により主走査方向に移動するベースプレート24の位置を検出するための機構である。本実施例では、移動位置検出手段70は、光源701(半導体レーザなど)、リニア干渉系703およびレシーバ705、図示を省略するマイクロコンピュータ等の情報処理回路を備え、対象物の位置を検出する機能を有し、ベースプレート24のY軸方向側に対向して基台60の上側の一側端に配設されている。なお、移動位置検出手段70としては、レーザ光を用いた干渉型測長器や、マイクロ波を用いた位置検出センサなど要求精度、計測環境に応じて好適に用いられる。
移動位置検出手段70では、光源701から出射されたレーザ光が、リニア干渉系703を介して、ベースプレート24の移動位置検出手段70に対向する側に固設されたミラー26に入射する。そして、その反射光がリニア干渉系703にて元のレーザ光と干渉し、干渉光をレシーバ705で連続的に受光する。連続的に受光した干渉光の任意の一点を情報処理回路で解析することで、ベースプレート24と移動位置検出手段70との距離を算出し、ベースプレート24の主走査方向についての測定位置を検出する。そして、後述する制御手段50の補正量演算部55および照射制御部57に、測定時の測定位置情報として出力する。なお、移動位置検出手段70が測定時の任意の一点の測定位置情報を出力する間隔を、任意に設定することができるように構成してもよい。
ステージ10の主走査方向の位置は、主にベースプレート24の主走査方向の移動に依存するため、移動位置検出手段70によって検出されたベースプレート24の位置情報は、ステージ10と基板90との位置関係が不要のため、ステージ10に保持された基板90の主走査方向に関する位置情報に相当する。したがって、ステージ10に保持された基板90の位置情報を得ることができる。なお、測定位置情報とは移動位置検出手段70によって検出される、移動位置検出手段70とベースプレート24との距離を表すものである。
通過検出手段40は、主走査機構25により主走査方向に移動するベースプレート24が特定の位置を通過したことを検出するとともに、制御手段50へ通過を検出したことを通過検出情報として出力するための機構である。本実施例では、レーザ光源41(例えば、半導体レーザや発光ダイオードなど)とレーザ光源41から出射されたレーザ光を受光するための受光部42a、42bとを備え、受光部42a、42bは、ベースプレート24のX軸方向側に2つの受光部42a、42bが配設されている。また、基台60の中央部に配設された受光部42aはパターン描画装置1が往復描画を行う場合のステージ10の往路時に動作するものであり、基台60の一方端側に配設された受光部42bはステージ10の復路時に動作するものである。なお、一方向での描画のみの場合は、受光部42a、あるいは受光部42bのみ備えていればよい。なお、通過検出手段40としては、フォトセンサなどの光電センサを要求精度、計測環境に応じて好適に用いられる。
レーザ光源41は、ベースプレート24上の一側端(ベースプレート24上の+X方向あるいは−X方向であって、主走査方向に移動する際に移動の妨げにならない位置)に固定的に配設されており、ベースプレート24の移動方向に直交する側部方向にレーザ光を出射する。出射されたレーザ光は受光部42a、42bで受光される。なお、受光部42a、42bがベースプレート24上に配設され、レーザ光源41が基台60上に配設されていてもよい。
受光部42a、42bとレーザ光源41は、主走査機構25によりベースプレート24が主走査方向に移動し、ステージ10上に載置された基板90が所定の位置に移動したことを検出できるように配設されている。
具体的には、次に往路動作について説明する。主走査機構25によりベースプレート24が主走査方向に加速しながら移動し、描画速度に達してから描画が開始されるまで定速移動する間にレーザ光源41から出射されたレーザ光を受光部42aで受光できるように配設する。例えば、レーザ光源41をベースプレート24上の一側端に配設し、ベースプレート24を加速させながら移動させ描画速度に達した時のレーザ光源41の出射方向と対向する位置に受光部42aを配設することで、基板90が所定の位置に移動したことを検出できるようにレーザ光源41と受光部42aを配設する。
また、定速移動区間であればステージ10上に載置された基板90に所定のパターンが描画されるより少し前の位置にレーザ光源41を配設し、レーザ光源41と対向する位置に受光部42aを配設するようにしてもよい。すなわち、後述するように通過検出手段40で検出されてから移動位置検出手段70によりベースプレート24の測定位置情報を算出するためには、受光した干渉光を情報処理回路で解析するための時間を要するため、描画が行なわれる位置よりも前の位置であって、情報処理回路で解析された結果が出力された時に描画位置を過ぎない位置に配設することが好ましい。このように受光部42aを配設することで、実質的にベースプレート24の移動速度は描画速度に達しており、基板90の定速移動中の特定の位置を正確に検出することができる。
そして、通過検出手段40は、レーザ光源41から出射されたレーザ光を受光部42aが受光することで基板90の定速移動中の特定の位置を通過したことを検出し、制御手段50へベースプレート24が特定の位置を通過したことを示す通過検出情報を出力する。
また、主走査機構25によって往復移動を行いながら描画を行う場合は、復路動作時における移動方向においてベースプレート24の移動速度が定速移動する区間において、レーザ光源41と対向する位置に受光部42bを配設するようにすればよい。また、復路時においても、情報処理回路での解析に要する時間を考慮しつつ、基板90に所定のパターンが描画される位置よりも前の位置であって、情報処理回路で解析された結果が出力された時に描画位置を過ぎない位置に受光部42bを配設することが好ましい。
図6は、パターン描画装置1の各部と制御手段50との間の接続構成を示すブロック図である。制御手段50は、上述した移動位置検出手段70、通過検出手段40、回転機構21、副走査機構23、主走査機構25、レーザ駆動部35、照明光学系33、投影光学系38と電気的に接続しており、これらの動作を制御することができる。制御手段50は、例えば、CPUやメモリ等を有するコンピュータにより構成され、コンピュータにインストールされたプログラムに従ってコンピュータが動作することにより上記の制御を行う。また、図1に示すように、制御手段50には入力部80が接続されている。操作者は入力部80を介して、描画するパターン情報の入力や、ステージ10の移動速度や基板90上の複数の描画領域の間隔等を設定することができる。
このようなパターン描画装置1において描画処理を行う際には、入力部80より入力されたパターン情報に従い、ステージ10を主走査方向および副走査方向に移動させつつ、各光学ヘッド32からパルス光を照射し、基板90上に配線パターン等の所定のパターンを描画する。
図7は、本発明に係るパターン描画装置1が備える制御手段50の構成を示すブロック図である。パターン描画装置1の制御手段50は、記憶手段51、移動機構制御部53、補正量演算部55、照射制御部57を有する。
記憶手段51は基板90上面に描画するパターン情報であるパターンデータ511および後述する基準位置情報であるステージ位置データ512を格納している。なお、パターンデータ511は、例えばCAD(Computer Aided Design)等により生成されたデータをラスタライズ化した画像情報のデータであり、パルス光を照射すべき基板90の位置情報が画素単位で記録されている。
基準位置情報であるステージ位置データ512は、あらかじめ、基板90の上面に光学ヘッド32により所定のパターンが描画されるのに適した描画速度に達する位置(定速移動中の特定の位置)にベースプレート24を移動させ、静止させた状態、すなわち、通過検出手段40によって検出される位置での移動位置検出手段70により検出される静止状態のベースプレート24の位置情報である。すなわち、基準位置情報とは特定の位置におけるベースプレート24と移動位置検出手段70との距離を表すものである。従って、往復露光を行う場合は、往路ならびに復路において、ステージ位置データ512をあらかじめ取得し、記憶しておく必要がある。
なお、記憶手段51の具体例としては、データを一時的に記憶するRAM、読み取り専用のROM、および磁気ディスク装置等が該当し、可搬性の光磁気ディスクやメモリーカード等の記憶媒体、およびそれらの読み取り装置等であってもよい。
移動機構制御部53は移動機構20の各移動機構の動作を制御する。移動機構制御部53は各移動機構を一定速度で移動させるよう制御するだけでなく、主走査機構25を制御し、ベースプレート24を主走査方向に、所定の位置または所定の速度まで加速させながら移動させることも可能である。
補正量演算部55は、記憶手段51に記憶された基準位置情報と、移動位置検出手段70から出力される測定位置情報とから移動位置検出手段70における位置情報の検出に係る遅れを補正するための補正量を算出する。
照射制御部57は、補正量演算部55で算出された補正量を用いて、移動位置検出手段70から出力される測定位置情報を修正する。また、照射制御部57は、描画用のパターン情報であるパターンデータ511を所定のサイズに分割し、分割データごとに描画タイミング制御信号を生成し描画手段30を制御する。
図8を用いて本発明に係る移動位置検出手段70に係る位置検出の遅れについて具体的に説明する。移動位置検出手段70は移動するベースプレート24にレーザ光を連続的に出射する。該レーザ光が位置Aにおいてベースプレート24で反射し、該反射光と元のレーザ光との干渉光を移動位置検出手段70は連続的に受光する。移動位置検出手段70は連続的に受光した干渉光の任意の一点を情報処理回路で解析することで位置情報を検出する。該位置情報は位置Aにおけるベースプレート24の位置情報であり、これが、移動位置検出手段70による測定位置情報である。
しかし、移動位置検出手段70による測定位置情報の検出には所定の時間を要し検出結果が出力されるとき(検出時)には、ベースプレート24は位置Bに達している。すなわち、測定時と検出時でベースプレート24の位置情報に誤差Eが生じる。該誤差Eが移動位置検出手段70における位置情報の検出に係る遅れである。本発明は、誤差Eを算出することで、移動位置検出手段70における位置情報の検出に係る遅れを補正するものである。
続いて図7、図8を参照しつつ誤差Eの算出について説明する。移動するベースプレート24が通過検出手段40によって位置Bにおいて通過が検出される。通過検出手段40はベースプレート24の通過を検出するとともに、補正量演算部55に通過検出情報を出力する。また、移動位置検出手段70は、ベースプレート24の測定位置情報を検出し補正量演算部55に出力する。
補正量演算部55は通過検出手段40から受信したベースプレート24の通過検出情報に基づき取得する検出時の位置情報(位置B)と、補正量演算部55において、通過検出手段40でベースプレート24が検出された時に移動位置検出手段70から受信したベースプレート24の測定位置情報(位置A)とから、差分値を算出する。この差分値が前述した位置情報の誤差Eとなる。誤差Eが移動位置検出手段70における位置情報の検出に係る遅れを補正するための補正量として用いられる。
ここで、補正量演算部55において、通過検出手段40でベースプレート24が検出された時に移動位置検出手段70で検出される測定位置情報とは、補正量演算部55に移動位置検出手段70から測定位置情報が常時連続的に入力されていれば、通過検出手段40からの検出情報と同じタイミングで入力される移動位置検出手段70からの測定位置情報である。
また、補正量演算部55に移動位置検出手段70から測定位置情報が任意に設定された所定の間隔(例えば、100nsecで)で入力されていれば、補正量演算部55に通過検出手段40から通過検出情報が入力されたタイミングの直前に移動位置検出手段70から補正量演算部55に入力された測定位置情報である。直前に入力された測定位置情報に限られるわけではなく、直後に入力される測定位置情報でも良い。また、直前あるいは直後に入力される測定位置情報であって、通過検出手段40から通過検出情報が入力されたタイミングとの入力における時間的なズレが小さい方の測定位置情報を用いても良い。
また、移動位置検出手段70から測定位置情報が所定の間隔で出力される場合は、移動位置検出手段70の測定位置情報を検出するのに要する時間よりも短く設定されている必要がある。なぜならば、測定位置情報が出力される間隔が長すぎれば、該出力間隔における誤差の影響が大きくなるためである。従って、上述した条件を満たすように設定するとともに、要求される描画精度に基づき、移動位置検出手段70から出力される時間間隔は適宜設定することが好ましい。
補正量演算部55では、通過検出手段40から受信したベースプレート24の通過検出情報に基づき、記憶手段51にあらかじめ記憶されている基準位置情報であるステージ位置データ512を読み出す。前述したようにステージ位置データ512は通過検出手段40で検出される位置Bにベースプレート24を静止させた状態で配置し、移動位置検出手段70を用いて該ベースプレート24の通過位置情報を算出したものである。この際、該ベースプレート24は静止状態であるため、所定の算出時間を要したとしても通過位置情報に誤差Eは生じない。あらかじめ記憶されている基準位置情報を検出時の通過位置情報として用いることで、精度の高い補正量を算出することができる。
引き続き、本発明に係る描画手段30による描画について説明する。描画手段30は照射制御部57により制御されている。照射制御部57は、補正量演算部55で算出された補正量と、移動位置検出手段70が出力するベースプレート24の測定位置情報とを受信し、測定位置情報を補正量によって補正することで、移動位置検出手段70における位置情報の検出に係る遅れが補正された修正位置情報を算出することができる。すなわち、修正位置情報とは移動位置検出手段70によって検出される検出時の実際のベースプレート24位置と移動位置検出手段70との距離をあらわすものである。
照射制御部57は、修正位置情報に基づきベースプレート24上に設けられたステージ10が保持する基板90の位置を特定することができ、描画手段30による描画位置に対する基板90との相対位置を算出することができる。そして、該相対位置に基づいてパルス光を出射する描画タイミング制御信号を生成する。また、照射制御部57は描画用のパターン情報であるパターンデータ511を所定のサイズに分割し、分割データ単位で描画タイミング制御信号とともに描画手段30に送信する。これにより、分割データごとに、修正位置情報に基づき、描画手段30による描画位置に対する基板90との相対位置を算出し、描画タイミング制御信号を生成するため、高精度に所定のパターンを描画することができる。
以上が、パターン描画装置1の構成および機能の説明である。次に、パターン描画装置1の動作について説明する。本動作は、往路における所定のパターンの描画について説明するが、往復露光において異なる点は、使用される通過検出手段40が受光部42a(往路動作用)と受光部42b(復路動作用)で異なる点以外は同様の動作を行うものである。
図9は、パターン描画装置1の動作の流れを示すフローチャートである。まず、あらかじめ主面に感光材料が塗布された基板90が、図示しない搬送ロボット等によりステージ10上に搬入され、ステージ10の上面に載置される。基板90は、ステージ10に形成された図示しない吸引孔によって吸着され、ステージ10の上面に水平姿勢で保持される(ステップS1)。
次に、移動機構制御部53により主走査機構25を動作させて、基板90が載置されたステージ10を主走査方向に移動させる(ステップS2)。具体的には、ステージ10がベースプレート24に載置されており、ベースプレート24を主走査機構25により主走査方向(+Y方向)に移動させることで実現される。また、ベースプレート24が主走査方向に加速しながら移動し、描画速度に達した後、定速移動しながらステージ10に載置された基板90が光学ヘッド32の直下の描画位置に向かって移動する。
移動位置検出手段70は主走査方向に移動するベースプレート24にレーザ光を連続的に出射し、ベースプレート24に固設されたミラー26によって反射した反射光を受光し、出射光と反射光の干渉によって生じる干渉光を解析することでベースプレート24と移動位置検出手段70との距離である測定位置情報を検出する(ステップS3)。すなわち、ベースプレート24との距離を検出することで、ベースプレート24上に設けられたステージ10が保持する基板90との距離を検出することができる。検出された基板90との距離に相当するベースプレート24の測定位置情報は、移動位置検出手段70から制御手段50の補正量演算部55と照射制御部57に連続的に送信される。
次に、定速で主走査方向に移動するベースプレート24が、通過検出手段40により検出される。具体的には、定速で移動する区間であって、各光学ヘッド32から出射されるパルス光によって所定のパターンが描画されるまでの間に、固定的に配設されたレーザ光源41から出射されたレーザ光を受光部42aが受光することによりベースプレート24の通過検出情報を検出する(ステップS4)。そして、通過検出手段40から制御手段50の補正量演算部55に通過検出情報が送られる。
補正量演算部55は、通過検出手段40から出力されるベースプレート24の通過検出情報の受信により、記憶手段51に記憶されているステージ位置データ512を読み出すとともに、ステージ位置データ512と、移動位置検出手段70から連続的に送信されてくる測定位置情報の中で、通過検出情報の受信と同じタイミングで受信した測定位置情報との差分を補正量として算出し(ステップS5)、照射制御部57に送信する。
照射制御部57は、補正量演算部55から送られてきた補正量と、移動位置検出手段70から送られてくるベースプレート24の測定位置情報とから、移動位置検出手段70に係る遅れを補正した修正位置情報を算出し、描画手段30による描画位置に対する基板90の相対位置を算出する(ステップS6)。
また、照射制御部57はパターンデータ511を所定のサイズに分割し、分割データに対応した修正位置情報を算出し、描画手段30による描画位置に対する基板90との相対位置を算出し、描画タイミング制御信号を生成し、描画手段30に描画タイミング制御信号を送信する。この描画タイミング制御信号に基づき各光学ヘッド32は基板90に向けてパルス光を出射し、所定のパターンを描画する(ステップS7)。所定のパターンが描画された後、描画すべき分割データがあるかどうかを判断し(ステップS8)、分割データがある場合は、ステップ6に戻り、再び分割データに対応した修正位置情報を算出し描画タイミング信号を生成する。分割データごとに修正位置情報を算出することで、分割データ単位高精度に描画を行うことができる。ここまでが、ベースプレート24の往路動作において一回主走査方向に移動させた場合の動作である。
続いて、パターンデータ511から、次の露光位置があるかどうかを判断し(ステップ9)、さらに露光を行う場合であって、往路時のみに露光を行う場合は、ベースプレート24を主走査方向(−Y方向)へ移動させるとともに、副走査機構23により支持プレート22を露光幅分だけ副走査方向(+X方向)へ移動させる。また、復路動作においても露光する場合は、副走査機構23により支持プレート22を露光幅分だけ副走査方向(+X方向)へ移動させた後、ベースプレート24を主走査方向(−Y方向)へ復路動作させる。以上の動作の後、基板の位置を検出するステップ3に戻り、ステップ4〜ステップ8を繰り返す。
すべてのパターンデータ511の描画が終了すれば、ステージ10の移動を停止する(ステップS10)。次に、所定のパターンが描画された基板90を図示しない搬送ロボット等によりステージ10から搬出する(ステップS11)。
以上が、パターン描画装置1の動作についての説明である。本実施の形態では、パターン描画装置1が、ベースプレート24の位置情報を検出するための移動位置検出手段70および通過検出手段40を備えることで、移動位置検出手段70における測定位置情報の算出に係る遅れを補正するための補正量を算出することができ、補正量に基づきベースプレート24の実際の位置を得ることで描画手段30から出射されるパルス光の描画タイミングを高精度に制御し、回路パターンなどの所定のパターンを描画することができる。
次に、ステージ10の移動速度が変更される場合について説明する。ステージ10の移動速度はパターン描画装置1の調整等を行う場合に変更することがある。ステージ10の移動速度を変更するには、入力部80を介して変更したい速度を入力する。従来の補正技術では、ステージ10の移動速度に応じた補正値を準備しておく必要があった。しかし、本願発明に係るパターン描画装置1では、移動速度を変更する前にあらかじめ取得しておいた基準位置情報を用いて、自動的に補正量を算出し適切に描画を行うことができる。
すなわち、前述したパターン描画装置1の動作の説明において、ステージ10の移動速度が変更されることによって異なる点は、補正量演算部55で算出される補正量の値のみである。なぜならば、補正量は移動位置検出手段70が測定位置情報を算出するのに要する時間の間に、ステージ10が移動する距離に相当するため、ステージ10の移動速度に依存した値となるからである。例えば、ステージ10の移動速度が早くなれば補正量は大きくなり、移動速度が遅くなれば補正量は小さくなる。従って、ステージ10の移動速度が変更したとしても移動位置検出手段70、通過検出手段40、補正量演算部55等を変更することなく、移動速度の変更に対応した補正量を算出することできる。
具体的には、通過検出手段40から出力されるベースプレート24の通過検出情報の受信により、記憶手段51に移動速度の変更前から記憶されているステージ位置データ512を読み出すとともに、通過検出情報の受信と同じタイミングで受信した移動位置検出手段70から測定位置情報との差分である補正量を算出する。
すなわち、前述したステップS3〜ステップS6を行うことでステージ10の移動速度を変更した場合でも、自動的に補正量を算出することができる。算出された補正量から、照射制御部57は修正位置情報を算出するとともに、修正位置情報から描画手段30による描画位置に対する基板90との相対位置を算出し、描画タイミング制御信号を生成し、描画手段30に描画タイミング制御信号を送信する。この描画タイミング制御信号に基づき各光学ヘッド32は基板90に向けてパルス光を出射し、所定のパターンを描画する。
以上、ステージ10の移動速度が変更された場合でも煩雑な作業を必要とせず、本願発明に係るパターン描画装置1は高精度に所定のパターンを描画することができる。
また、上記実施例では往路動作におけるパターン描画について説明したが、本発明は往復動作で露光する場合においても適用することができる。
<変形例>
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は上記の実施の形態に限られるものではなく様々な変形が可能である。
上記実施の形態では、ベースプレート24の主走査方向についての位置を検出するため、移動位置検出手段70を用いているが、もちろんこれに限られるものではなく、例えば、リニアモータ251またはガイド部252に設けたエンコーダによって、ベースプレート24の位置を算出してもよい。この場合であっても、エンコーダにより算出されたベースプレート24の測定位置情報と、通過検出手段40によって検出されたベースプレート24の通過検出情報から記憶手段51に記憶されているステージ位置データ512とに基づいて、補正量演算部55で補正量を算出し、基板90の描画手段30に対する正確な相対的な位置関係を示すデータを照射制御部57に送信することで、上記実施の形態と同様の効果を得ることができる。
また、上記実施の形態では、基板90に所定のパターンを描画するため光ビームを利用しているが、これに限られるものではなく、例えば電子ビーム、イオンビーム、X線等が用いられてもよい。
また、上記実施の形態では、ステージ10を移動させたが描画手段30を移動するよう構成してもよい。その場合、移動位置検出手段70および通過検出手段40によって移動する描画手段30の位置の検出および通過を検出するようにすれば同様の効果を得ることができる。
さらに、上記実施形態および各変形例で説明した各構成は、相互に矛盾しない限り適宜組み合わせることができる。
本発明は、半導体ウエハ、フォトマスク用ガラス基板、液晶表示用ガラス基板、プラズマ表示用ガラス基板、FED(Field Emission Display)用基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板等の基板に回路パターンなどの所定のパターンを描画するパターン描画装置に適用することができる。
1 パターン描画装置
10 ステージ
20 移動機構
23 副走査機構
24 ベースプレート
25 主走査機構
30 描画手段
32 光学ヘッド
40 通過検出手段
41 レーザ光源
42a、42b 受光部
50 制御手段
51 記憶手段
55 補正量演算部
70 移動位置検出手段
90 基板
511 パターンデータ
512 ステージ位置データ

Claims (6)

  1. 基板を水平に保持するステージと、
    前記ステージに保持された基板に描画する描画手段と、
    前記描画手段による描画位置に対して前記ステージと前記描画手段を相対的に移動させる移動機構と、
    前記移動機構により移動する前記ステージまたは前記描画手段の測定位置情報を検出する移動位置検出手段と、
    前記移動機構により移動する前記ステージまたは前記描画手段の通過を検出する通過検出手段と、
    前記通過検出手段で検出される通過検出情報に基づき、通過位置情報を取得し、前記通過検出手段で検出された時に前記移動位置検出手段で検出される測定位置情報と前記通過位置情報とから、前記測定位置情報を補正するための補正量を算出する補正量演算部と、
    前記補正量と前記測定位置情報とから修正位置情報を算出し、前記修正位置情報に基づいて動作を制御する制御手段と、
    を備えることを特徴とするパターン描画装置。
  2. 請求項1に記載のパターン描画装置であって、
    前記制御手段は、前記修正位置情報に基づいて前記描画位置と前記ステージに保持された前記基板との相対的な位置を算出し、前記相対的な位置に基づいて前記描画手段の描画タイミングの動作を制御することを特徴とするパターン描画装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載のパターン描画装置であって、
    前記測定位置情報は、前記移動位置検出手段によって測定された時の前記移動位置検出手段と前記ステージまたは前記描画手段との距離であることを特徴とするパターン描画装置。
  4. 請求項1ないし請求項3に記載のパターン描画装置であって、
    あらかじめ、前記通過検出手段によって検出される位置において前記ステージまたは前記描画手段を静止させた状態で前記移動位置検出手段により検出した前記ステージまたは前記描画手段と前記移動位置検出手段との距離を基準位置情報として記憶する記憶手段を有し、
    前記補正量演算部は、前記移動機構により移動する前記ステージまたは前記描画手段の通過を検出した時、前記記憶手段から前記基準位置情報を前記通過検出時の通過位置情報として取得することを特徴とするパターン描画装置。
  5. 請求項1ないし請求項4に記載のパターン描画装置であって、
    前記通過検出手段は、前記描画位置で描画が行なわれる前であって、かつ、前記描画位置に対して前記ステージまたは前記描画手段を定速で相対的に移動させる区間内に配設されることを特徴とするパターン描画装置。
  6. 水平に基板を保持しつつ、描画手段による描画位置に対して相対的に移動するステージまたは前記描画手段の測定位置情報を検出する移動位置検出工程と、
    前記描画位置に対して相対的に移動する前記ステージまたは前記描画手段の通過を検出する通過検出工程と、
    前記通過検出工程で検出される通過検出情報に基づき、前記通過検出工程で検出される検出時の通過位置情報を取得し、前記通過検出工程で検出された時に前記移動位置検出工程で検出される測定位置情報と前記通過位置情報とから、前記測定位置情報を補正するための補正量を算出する補正量算出工程と、
    前記補正量と前記測定位置情報とから修正位置情報を算出するとともに、前記修正位置情報に基づいて前記描画手段の描画タイミングの動作を制御し前記基板に描画する描画工程と、
    を備えることを特徴とするパターン描画方法。
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JP2014240790A (ja) * 2013-06-12 2014-12-25 キヤノン株式会社 計測装置、計測方法、および処理装置

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