JP2011208676A - 耐磨耗性部材およびこれを用いた転がり支持装置 - Google Patents

耐磨耗性部材およびこれを用いた転がり支持装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 安価でありながら、潤滑液の供給性能に優れ、摺動特性,汎用性とも高い耐磨耗性部材およびこれを用いた転がり支持装置,メカニカルシールならびにフォーセットバルブを提供する。
【解決手段】 窒化珪素を主成分とする柱状結晶1と、金属元素の酸化物を主成分とする粒界相2とからなるセラミックスを用いた耐磨耗性部材であって、表面が研磨されていて、最大径が11μm以上50μm以下である気孔3が、1.2mm面積当たりに5個以上50
個以下の範囲で表面に開口しており、研磨された表面には第1の柱状結晶1aが存在し、気孔3の内部に第1の柱状結晶1aよりも径の太い第2の柱状結晶1bが互いに交錯するように複数存在している耐磨耗性部材である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、摺動特性、特に転がり特性に優れた耐磨耗性部材およびこれを用いたボールねじ,リニアガイドや、風力発電機,建設機械または鉄鋼圧延機等で利用される転がり軸受け等の転がり支持装置に関するものである。また、雨水,下水,海水,河川水,灌漑用水および自動車冷却水等を供給するポンプ等の軸封に用いられるメカニカルシールリングを備えたメカニカルシールならびに水栓バルブ,湯栓バルブおよび湯水混合栓バルブ等のフォーセットバルブに関するものである。
従来、転がり支持装置に用いられる転動体は、セラミック焼結体からなるものが用いられている。
このようなセラミック焼結体からなる転動体は、通常、セラミック粉末を成形した後、熱間等方加圧法を用いて製造されている。このような製造方法を用いると、転動体の内部にほとんど気孔がなく、高品質、高強度な転動体を得られるものの、その製作コストがきわめて高くなり、転がり支持装置自体も高価になることから、製造コストを低く抑えたセラミックス焼結体からなる転動体が検討されるようになっている。
例えば、特許文献1では、転動体が窒化けい素を主成分とするセラミックスで形成される転がり軸受であって、転動体の表面および内部に、1mm当たりにおいて3μm〜30μmのポア(気孔)の平均分布が100個以上存在する形態に設定されている転がり軸受が
提案されている。
特開2000−9146号公報
しかしながら、特許文献1で提案された転がり軸受けに用いられる転動体は、製造コストを低く抑えられるものの、潤滑液の供給性能については十分考慮されたものではないことから、用途が制限され、十分な汎用性を備えているとは言えなかった。
本発明は、上記課題を解決すべく案出されたものであり、安価でありながら、潤滑液の供給性能に優れ、摺動特性,汎用性とも高い耐磨耗性部材およびこれを用いた転がり支持装置,メカニカルシールならびにフォーセットバルブを提供することを目的とするものである。
本発明の耐磨耗性部材は、窒化珪素を主成分とする柱状結晶と、金属元素の酸化物を主成分とする粒界相とからなるセラミックスを用いた耐磨耗性部材であって、表面が研磨されていて、最大径が11μm以上50μm以下である気孔が、1.2mm面積当たりに5個以
上50個以下の範囲で表面に開口しており、研磨された前記表面には第1の柱状結晶が存在し、前記気孔の内部に前記第1の柱状結晶よりも径の太い第2の柱状結晶が互いに交錯するように複数存在していることを特徴とするものである。
また、本発明の耐磨耗性部材は、上記構成において、前記金属元素の酸化物は、酸化ア
ルミニウム,酸化カルシウム,酸化マグネシウムまたは希土類元素の酸化物の少なくとも1種であることを特徴とするものである。
また、本発明の転がり支持装置は、上記いずれかの構成の本発明の耐磨耗性部材を用いたことを特徴とするものである。
また、本発明のメカニカルシールは、上記いずれかの構成の本発明の耐磨耗性部材からなるメカニカルシールリングを備えたことを特徴とするものである。
また、本発明のフォーセットバルブは、上記いずれかの構成の本発明の耐磨耗性部材を備えたことを特徴とするものである。
本発明の耐磨耗性部材によれば、窒化珪素を主成分とする柱状結晶と、金属元素の酸化物を主成分とする粒界相とからなるセラミックスを用いた耐磨耗性部材であって、表面が研磨されていて、最大径が11μm以上50μm以下である気孔が、1.2mm面積当たりに
5個以上50個以下の範囲で表面に開口しており、研磨された表面には第1の柱状結晶が存在し、気孔の内部に第1の柱状結晶よりも径の太い第2の柱状結晶が互いに交錯するように複数存在していることから、機械的特性および耐磨耗性をほとんど損ねることなく、気孔の内部に保持されている潤滑液を摺動面となる表面に適量供給することができるので、摺動面において液切れが生じにくく、摺動特性を高くすることができる。
また、本発明の耐磨耗性部材によれば、金属元素の酸化物は、酸化アルミニウム,酸化カルシウムおよび酸化マグネシウムまたは希土類元素の酸化物の少なくとも1種であるときには、耐磨耗性部材となるセラミックスの焼結が促進されているので、機械的特性が高くなる。
また、本発明の転がり支持装置によれば、本発明の耐磨耗性部材を用いたことから、摺動特性が高くなるので、信頼性を高くすることができる。
また、本発明のメカニカルシールによれば、本発明の耐磨耗性部材からなるメカニカルシールリングを備えたことから、摺動特性が高くなるので、信頼性を高くすることができる。
また、本発明のフォーセットバルブによれば、本発明の耐磨耗性部材を備えたことから、摺動特性が高くなるので、信頼性を高くすることができる。
本発明の耐磨耗性部材における、(a)は研磨されている表面、(b)は(a)のA部を拡大した表面をそれぞれ示す顕微鏡写真である。 本発明の転がり支持装置の実施の形態の一例である転がり軸受を示す、(a)は断面図であり、(b)は(a)に示す転がり軸受の保持器を示す斜視図である。 本発明の耐磨耗性部材からなるメカニカルシールリングを備えたメカニカルシールの一例を示す、(a)は部分断面図であり、(b)は(a)に示すメカニカルシールリングの斜視図である。 本発明のフォーセットバルブの実施の形態の一例を示す、(a)は流体通路を開いた状態を示す斜視図であり、(b)は流体通路を閉じた状態を示す斜視図である。
以下、本発明に係る実施の形態の例について図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、本発明の耐磨耗性部材における、(a)は研磨されている表面、(b)は(a)のA部を拡大した表面をそれぞれ示す顕微鏡写真である。本発明の耐磨耗性部材は、窒化珪素を主成分とする柱状結晶1と、金属元素の酸化物を主成分とする粒界相2とからなるセラミックスを用いた耐磨耗性部材であって、表面が研磨されていて、最大径が11μm以上50μm以下である気孔3が、1.2mm面積当たりに5個以上50個以下の範囲で表面
に開口しており、研磨された表面には第1の柱状結晶1aが存在している。
なお、柱状結晶1および粒界相2における主成分とは、柱状結晶1,粒界相2をそれぞれ構成する全成分100質量%に対して50質量%以上を占める成分であり、柱状結晶1およ
び粒界相2の各成分については、X線回折法により同定することができる。また、含有量については、エネルギー分散型X線分光法(Energy Dispersive X-ray Spectroscopy)により金属元素の含有量を求めて、X線回折法による同定結果を基に窒化物や酸化物に換算することにより求めることができる。
また、研磨されている表面とは、耐磨耗性部材において摺動特性の求められる面のことであり、この表面に開口した気孔3は潤滑液を保持する機能を有する。最大径が11μm以上50μm以下である気孔3は、耐磨耗性および摺動特性に大きな影響を与え、気孔3が1.2mm面積当たりに5個以上50個以下の範囲で表面に開口することで、耐磨耗性をほと
んど損ねることなく、気孔3の内部に保持されている潤滑液を摺動面となる表面に適量供給することができる。なお、摺動面とは、初期状態はもちろんのこと、摺動を開始してから磨耗して新たに出現した面も含めて摺動面という。
ここで、気孔3の最大径が11μm未満であるか、または1.2mm面積当たり存在する
気孔3が5個未満では、摺動面に適量の潤滑液を供給することができず、摺動特性を長期間に亘って維持することができない。また、気孔3の最大径が50μmを超えるか、または1.2mm面積当たり存在する気孔3が50個を超えるときには、摺動時に気孔3の周囲が
欠けたりするなどの不具合が生じて、摺動特性が早期に低下する。
なお、研磨されている表面における最大径が11μm以上50μm以下である気孔3の個数は、光学顕微鏡を用いて、倍率を100倍として、表面から平均的に観察される部分の面積
が1.2mm(例えば、横方向の長さが1.238mm,縦方向の長さが0.909mm)となるよ
うに範囲を選び、画像解析ソフト「A像くん」(登録商標、旭化成エンジニアリング(株)製)の粒子解析という手法を適用し、この手法の設定条件である粒子の明度,2値化の方法および小図形除去面積をそれぞれ暗,手動,5μmとし、画像の明暗を示す指標であるしきい値を、画像内の各点(各ピクセル)が有する明るさを示すヒストグラムのピーク値の0.88倍に設定して測定すればよい。なお、研磨されている表面における気孔3の最大径とは、この気孔3の開口部の最大長さである。
そして、本発明の耐磨耗性部材は、気孔3の内部に第1の柱状結晶1aよりも径の太い第2の柱状結晶1bが互いに交錯するように複数存在していることが重要である。気孔3の内部に第1の柱状結晶1aよりも径の太い第2の柱状結晶1bが互いに交錯するように複数存在していることによって、気孔3の内部の表面積が大きくなるので、気孔3の内部に保持されている潤滑液は瞬時に流出することなく、徐々に摺動面となる表面に供給されるようになる。その結果、摺動面においては潤滑液の液切れが生じにくく、摺動特性を長期間に亘って維持することができる。
ここで、第1の柱状結晶1aよりも第2の柱状結晶1bの方が、径の太い状態とは、図1(b)に示すように、走査型電子顕微鏡を用いて撮影した、倍率が1500倍の画像において、第1の柱状結晶1aの長手方向の中点における垂直方向の幅をW1、第2の柱状結晶
1bの長手方向の中点における幅をW2とし、サンプル数をそれぞれ5〜10個の間で同数とした場合に、W2の平均値がW1の平均値よりも大きい状態をいい、W2の平均値は、W1の平均値の1.5倍以上であることが好適である。
第1の柱状結晶1aよりも第2の柱状結晶1bの径を太くするには、焼成時の窒素分圧の調整により、気孔3の内部に存在している第2の柱状結晶1b中の第2の柱状結晶1bの粒成長抑制効果を有する金属元素の酸化物を多く揮発させて、第2の柱状結晶1bを粒成長させればよい。なお、このとき焼肌面の表面に突出する柱状結晶についても粒成長することとなるが、耐磨耗性部材とすべく、焼肌面の表面は研磨されるので、焼肌面の表面に突出する柱状結晶は除去される。また、研磨された表面に存在する第1の柱状結晶1aは、隣り合う結晶から拘束されているとともに、第1の柱状結晶1a中の金属元素の酸化物の揮発は少なく、第1の柱状結晶1aの粒成長は抑制されているので、耐磨耗性部材の機械的強度は維持されている。
また、第2の柱状結晶1bが互いに交錯している状態とは、1500倍の倍率で撮影した走査型電子顕微鏡の写真である図1(b)に示すように、第2の柱状結晶1b同士が接触し、しかも第2の柱状結晶1bの互いの軸が任意の角度をなして交差している状態をいう。
また、本発明の耐磨耗性部材では、金属元素の酸化物は、酸化アルミニウム,酸化カルシウム,酸化マグネシウムまたは希土類元素の酸化物の少なくとも1種であることが好適である。この金属元素の酸化物は、粒界相2および柱状結晶1中に存在することとなる。
金属元素の酸化物が、酸化アルミニウム,酸化カルシウムおよび酸化マグネシウムまたは希土類元素の酸化物の少なくとも1種であるときには、耐磨耗性部材となるセラミックスの焼結が促進されることとなるので、機械的特性を高めることができる。
次に、窒化珪素を主成分とする柱状結晶と、金属元素の酸化物を主成分とする粒界相とからなるセラミックスを用いた本発明の耐磨耗性部材の構成の一例を示す。窒化珪素の含有量が81.8質量%以上であり、さらに、酸化カルシウム,酸化アルミニウムおよび希土類元素の酸化物を含み、酸化カルシウム,酸化アルミニウムおよび希土類元素の酸化物の合計100質量%に対して、酸化カルシウムおよび酸化アルミニウムの含有量はそれぞれ0.3質量%以上1.5質量%以下,14.2質量%以上48.8質量%以下であって、残部が希土類元素の
酸化物からなる。このとき、第1の柱状結晶1aの平均結晶粒径が20μm以下(但し、0μmを除く。)であることが好適である。
このように、窒化珪素の含有量と第1の柱状結晶1aの平均結晶粒径とを調整し、さらには、焼結助剤となる金属元素の酸化物の成分および構成比率を調整することによって、第1の柱状結晶1aが異常に粒成長することが少なく、第1の柱状結晶1aの粒径のばらつきが小さくなることと併せて、セラミックスのかさ密度が高くなり剛性が高くなるので、耐磨耗性部材は変形しにくくなる。なお、このセラミックスにおいて、酸化カルシウム,酸化アルミニウム,希土類元素の酸化物および窒化珪素の一部が酸化した酸化珪素が粒界相2を構成することとなるが、酸化カルシウムの含有量が調整されていることから、粒界相2に含まれる酸化カルシウムの含有量は少なく、潤滑液が酸性の液体であっても、酸性の液体に反応しやすい酸化カルシウムが流出する量は抑制されているので、優れた機械的特性を維持することができる。
そして、酸化アルミニウム,酸化カルシウムおよび希土類元素の酸化物の比率は、それぞれの含有量の総和に対する各酸化物の含有量の百分率が該当する。また、第1の柱状結晶1aの平均結晶粒径の測定は、JIS R 1670−2006に準拠し、走査型電子顕微鏡を用い、倍率を例えば2000〜4000倍として、耐磨耗性部材の破断面を撮影した写真から求め
ることができる。
次に、窒化珪素を主成分とする柱状結晶と、金属元素の酸化物を主成分とする粒界相とからなるセラミックスを用いた本発明の耐磨耗性部材の構成の他の例を示す。窒化珪素の含有量が81.8質量%以上であり、さらに、酸化アルミニウム,酸化マグネシウムおよび酸化カルシウムを含み、酸化アルミニウム,酸化マグネシウムおよび酸化カルシウムの合計100質量%に対して、酸化アルミニウムおよび酸化マグネシウムの含有量はそれぞれ12質
量%以上22質量%以下,20質量%以上33質量%以下であって、残部が酸化カルシウムからなる。このとき、第1の柱状結晶1aの平均結晶粒径が20μm以下(但し、0μmを除く。)であることが好適である。
このように、窒化珪素の含有量と第1の柱状結晶1aの平均結晶粒径とを調整し、さらには、焼結助剤となる金属元素の酸化物の成分および構成比率を調整することによって、第1の柱状結晶1aが異常に粒成長することが少なく、第1の柱状結晶1aの粒径のばらつきが小さくなることと併せて、セラミックスのかさ密度が高くなり剛性が高くなるので、耐磨耗性部材は変形しにくくなる。
そして、酸化アルミニウム,酸化マグネシウムおよび酸化カルシウムの比率は、それぞれの含有量の総和に対する各酸化物の含有量の百分率が該当する。また、第1の柱状結晶1aの平均結晶粒径の測定は、JIS R 1670−2006に準拠し、走査型電子顕微鏡を用い、倍率を例えば2000〜4000倍として、耐磨耗性部材の破断面を撮影した写真から求めることができる。
ここで、耐磨耗性部材を構成する成分については、蛍光X線分析法またはICP(Inductively Coupled Plasma)発光分光分析法により含有量を求めればよい。具体的なICP発光分光分析法による含有量の求め方は、まず、前処理として耐磨耗性部材の一部を超硬乳鉢にて粉砕した試料にホウ酸および炭酸ナトリウムを加えて融解する。そして、放冷した後に塩酸溶液にて溶解し、溶解液をフラスコに移して水で標線まで薄めて定容とし、検量線用溶液とともにICP発光分光分析装置で測定することにより、耐磨耗性部材を構成する成分の金属元素の各含有量を求めることができる。
この値を基にSiについては窒化物に、Si以外の成分、例えば、Al,Ca,MgおよびRE(希土類元素)については、それぞれ酸化物に換算することにより、窒化珪素(Si),酸化アルミニウム(Al),酸化カルシウム(CaO),酸化マグネシウム(MgO)および希土類元素の酸化物(RE)の含有量を求めることができる。また、窒化珪素の含有量は、Al,Ca,MgおよびREの各含有量を測定して、それぞれ酸化アルミニウム,酸化カルシウム,酸化マグネシウムおよび希土類元素の酸化物に換算し、100質量%から酸化アルミニウム,酸化カルシウム,酸化マグネシウムおよ
び希土類元素の酸化物の各含有量を引いた値を窒化珪素の含有量としてもよい。
なお、粒界相2に窒化珪素の一部が酸化した酸化珪素が含まれるときには、酸素分析法により酸素分析装置(LECO社製,TC−136型)を用いてセラミックス中のすべての
酸素量を測定し、Al,Ca,Mg,REの各含有量を酸化物に換算したときに必要となった酸素量の合計を差し引き、残りの酸素から酸化珪素(SiO)の含有量を求めればよい。
また、本発明の耐磨耗性部材の構成成分である窒化珪素は、組成式がSi6−ZAl8−Z(z=0.1〜1)で表されるβ−サイアロンであることが好適である。組成
式がSi6−ZAl8−Z(z=0.1〜1)で表されるβ−サイアロンとは、β
−Si内にAl,O,N成分が固溶した結晶から構成されるものであり、固溶量z
の値が上記範囲内であるβ−サイアロンであるときには、異常に成長した第1の柱状結晶1aが少ないため、強度がほとんど低下せず、また、β−Siの結晶対称性がほとんど損なわれていないため、熱伝導率が低下しにくく、摩擦熱の発生に伴う局部的な温度上昇を抑制することができる。特に、固溶量zは0.35以上0.70以下であることがより好適である。
ここで、固溶量zは、次のようにして算出することができる。まず、ASTM E 11−61に記載されている粒度番号が200のメッシュを通過するまで試料を粉砕し、得られた
粉末に粉末X線回折法における回折角の角度補正用サンプルである高純度α−窒化珪素粉末(宇部興産製E−10グレード、アルミニウム含有量は20質量ppm以下)を60質量%添加して乳鉢にて均一になるように混合し、粉末X線回折法により解析範囲2θを33〜37°とし、走査ステップ幅を0.002°として、Cu−Kα線(λ=1.54056Å)にてプロファイル強度を測定する。なお、角度の補正は、角度補正用サンプルより得られるピークの最大値を用いて補正する。
そして、2θ=34.565°付近に現れるα(102)の0.002°毎に得られるピーク強度の上位10点の平均2θと34.565°との差(Δ2θ)、および2θ=35.333°付近に現れるα(210)の0.002°毎に得られるピーク強度の上位10点の平均2θと35.333°との差(Δ2θ)をそれぞれ求め、その差の平均(Δ2θ+Δ2θ)/2を補正Δ2θとする。
次に、2θ=36.055°付近に現れるβ(210)の0.002°毎に得られるピーク強度の上位10点の平均2θを補正Δ2θによって補正した角度を試料のβ(210)のピーク位置(2
θβ)とする。そして、ピーク位置(2θβ),λ=1.54056Å,(hkl)=(210)を以下の数式に代入して格子定数a(Å)を算出する。
sinθβ=λ(h+hk+k)/(3a)+λ/(4c
この数式で、算出した格子定数a(Å)と、K. H. Jack,J. Mater. Sci.,11(1976)1135−1158,Fig. 13に記載された格子定数a(Å)−固溶量zのグラフとから、固溶量
zを求めることができる。
また、粒界相2を構成する成分のセラミックスに対する体積比率は、4体積%以上20体積%以下であることが好適であり、この粒界相2の体積比率は次のようにして求めることができる。粒界相2が、酸化カルシウム,酸化アルミニウム,希土類元素の酸化物および酸化珪素を含むとき、ICP発光分光分析法により、Al,Ca,RE(REは、希土類元素である。)およびSiの各含有量を求め、Al,CaおよびREについてはそれぞれ酸化物に換算することにより、酸化アルミニウム(Al),酸化カルシウム(CaO)および希土類元素の酸化物の含有量を求める。
次に、酸素分析法により酸素分析装置(LECO社製,TC−136型)を用いてセラミ
ックス中のすべての酸素量を測定し、Al,Ca,REの各含有量を酸化物に換算したときに必要となった酸素量の合計を差し引き、残りの酸素から酸化珪素(SiO)の含有量を求める。
セラミックス中の残部をSiとみなし、各比率(質量%)をそれぞれの理論密度(CaO:3.35g/cm,Al:3.98g/cm,Sc:3.86g/cm,Y:5.02g/cm,La:6.51g/cm,Ce:6.20g/cm,Pr11:6.77g/cm,Nd:7.24g/cm,Sm:8.35g
/cm,Eu:7.42g/cm,Gd:7.41g/cm,Tb:7.81g/cm,Dy:8.54g/cm,Ho:8.40g/cm,Er:8.64g/cm,Tm:8.6g/cm,Yb:9.18g/cm,Lu
:9.42g/cm,SiO:2.65g/cm,Si:3.18g/cm)で除
して、粒界相2の体積比率を算出することができる。
ここで、希土類元素の酸化物を構成する希土類元素(RE)は、ランタノイド系元素(La,Ce,Pr,Nd,Pm,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Lu)であることが好適であり、熱伝導率が高いセラミックスとするには、この中でもエルビウム(Er),イッテルビウム(Yb)およびルテチウム(Lu)の少なくとも1種であることが好適である。その理由は、エルビウム(Er),イッテルビウム(Yb)およびルテチウム(Lu)は、周期表第3族元素の中でイオン半径が小さい元素であることから、組成式がSi6−ZAl8−Z(z=0.1〜1)で表されるβ−サイ
アロンを構成する元素であるSi,O,Nとの結合が強いためにフォノンの伝達がよく、熱伝導率を高くすることができるからである。併せて、エルビウム(Er),イッテルビウム(Yb)およびルテチウム(Lu)は、Si,O,Nとの結合が強いために熱エネルギーによる格子振動が小さく、温度変化による体積膨張が小さいので、熱膨張係数を小さくすることができ、耐熱衝撃特性を高くすることができるからである。
また、セラミックスからなる本発明の耐磨耗性部材は、鉄の珪化物を含んでいることが好適である。鉄の珪化物は、熱膨張係数が大きく、明らかではないが柱状結晶1および粒界相2に対して残留応力を発生させていると考えられ、セラミックスの破壊靱性を高くすることができるとともに、高温における破壊の形態である粒界滑りが発生する際に、β−サイアロン粒子の滑りを妨げる楔のような働きをしており、高温における強度および耐熱衝撃性を高くすることができる。さらに、鉄の珪化物は、焼成における液相成分の一つとして作用し、焼結性を向上させることができる。
このように鉄の珪化物は、セラミックスの破壊靱性,高温における強度および耐熱衝撃性に影響を与えるため、鉄の珪化物をFe換算でセラミックスに対して0.02質量%以上3質量%以下含むことが好適である。なお、鉄の珪化物は粉末X線回折法やX線マイクロアナライザー(EPMA)にて測定することによってその形態を確認することができる。また、ICP発光分光分析法により定量することができる。
また、鉄の珪化物は、柱状結晶1内または粒界相2中に粒径が2μm以上50μm以下、望ましくは粒径が2μm以上30μm以下の粒子として点在して、組成式がFeSi,FeSi,FeSiおよびFeSiの少なくともいずれかで表される珪化鉄として存在することが好ましく、特にFeSi(JCPDS#35−0822)であることが好ましい。
また、本発明の耐磨耗性部材では、研磨されている表面における気孔3の面積占有率が1%以下であることが好適である。気孔3の面積占有率が1%以下であるときには、研磨されている表面における、機械的特性の低下や流量の維持に影響を及ぼすおそれのある破壊源が減少するため、機械的特性を長期間にわたって維持することができる。
なお、研磨されている表面における気孔3の面積占有率は、光学顕微鏡を用いて、倍率を200倍にしてCCDカメラで予め表面の画像を取り込み、画像解析装置((株)ニレコ
製LUZEX−FS)により画像内の1視野の測定面積を2.25×10−2mm,測定視野数を20,つまり測定総面積が4.5×10−1mmにおける気孔の面積を求めて測定総面積
における割合を表面における気孔の面積占有率とすればよい。
図2は、本発明の転がり支持装置の実施の形態の一例である転がり軸受を示す、(a)は断面図であり、(b)は(a)に示す転がり軸受の保持器を示す斜視図である。
図2(a)に示す例の転がり軸受10は、互いに対向配置される軌道面11a,12aを備え
た第1部材(外輪)11および第2部材(内輪)12と、両部材11,12の軌道面11a,12a間に転動自在に配設された複数個の転動体13とを備え、転動体13が転動することにより第1部材(外輪)11および第2部材(内輪)12の一方が他方に対して相対移動するように構成されている。
なお、第2部材(内輪)12の軌道面における、転動体13の一方側には、第2部材(内輪)12の軌道面12aから傾斜状にカウンタボア12bが形成されている。このカウンタボア12bは、第1部材(外輪)11および第2部材(内輪)12間への転動体13の取り付けを容易にするためのものである。また、図2(b)に示す保持器14は、形状が環状体であって、その円周方向に等間隔に配設されたポケット14aによって、転動体13を保持するものである。
図2に示す例の本発明の転がり支持装置(転がり軸受)10は、本発明の耐磨耗性部材を用いたことが好適であって、第1部材(外輪)11,第2部材(内輪)12および転動体23の少なくともいずれかが本発明の耐磨耗性部材に該当する。
本発明の転がり支持装置(転がり軸受)10は、本発明の耐磨耗性部材を用いていることから、長期間使用を続けても良好な摺動特性を維持することができるので、部材の交換頻度が少なくて済むため、長期間継続して使うことができる。
特に、軌道面11a,12aは平滑であると、転動体13の寿命を延ばすことができるため、その算術平均高さ(Ra)は0.6μm以下であることが好適である。一方、転動体13の表
面は、その算術平均高さ(Ra)が、0.01μm以下であることが好適である。
各軌道面11a,12aの算術平均高さ(Ra)については、JIS B 0601−2001(ISO 4287−1997)に準拠して触針式の表面粗さ計を用い、例えば測定長さ,カットオフ値,触針先端半径,触針の走査速度をそれぞれ45mm,0.8mm,2μm,0.5mm/秒として求めることができる。
また、保持器14は、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK),ポリアミドイミドアロイ(PAI)または熱可塑性ポリイミド(TPI)を主成分とし、ホウ酸アルミニウムウィスカー,チタン酸カリウムウィスカー,チタン酸バリウムウィスカー,酸化チタンウィスカー,カーボンウィスカー,グラファイトウィスカー,炭化珪素ウィスカー,窒化珪素ウィスカー,酸化アルミニウムウィスカー等の繊維状充填材を含むことが好適である。このような繊維状充填剤を含むことにより、保持器14は、その機械的強度、耐磨耗性および寸法安定性を高くすることができる。
図3(a)は図1に示す本発明の耐磨耗性部材からなるメカニカルシールリングを備えたメカニカルシールの実施の形態の一例を示す部分断面図であり、(b)は(a)に示すメカニカルシールリングの斜視図である。このメカニカルシール20は、環状体である固定部材21aの摺動面21as上で、凸状部を有する環状体である可動部材21bの摺動面21bsを摺動させてシール作用を及ぼすメカニカルシールリング21を用いた装置である。
メカニカルシールリング21は、駆動機構(図示しない)による駆動力を伝達させる回転軸22と、この回転軸22を回転可動に支承するケーシング23との間に取り付けられ、固定部材21aと可動部材21bとの互いの摺動面21as,21bsが回転軸22に対して垂直面を形成するように設置されている。
そして、可動部材21bはパッキング24によって緩衝的に支持され、このパッキング24の可動部材21bと相対する側には回転軸22を巻回するようにコイルスプリング25が設置され
る。このコイルスプリング25の弾発力(予め設定されたコイルスプリング25の力)により、パッキング24を押圧することによって、可動部材21bの摺動面21bsが固定部材21aの摺動面21asに押圧されて摺動するようにしてある。また、コイルスプリング25がパッキング24を押圧する側と相対する側には、カラー26がセットスクリュー27により回転軸22に固定され、コイルスプリング25のストッパーとして設置されている。
一方、可動部材21bの摺動面21bsと摺動面21asとを介して接する固定部材21aは緩衝ゴム27によって支持されており、緩衝ゴム27はこのメカニカルシール20の外枠となるケーシング23の内側に取り付けられて固定部材21aを支持するようにしてある。そして、回転軸22が回転するとカラー26がともに回転し、コイルスプリング25の弾発力によって押圧されるパッキング24と、このパッキング24によって支持されている可動部材21bの摺動面21bsとが押圧されながら回転することによって、固定部材21aの摺動面21asとの間でシール作用が働くようにしてある。このようなメカニカルシール20を流体機器(図示しない)に取り付ける場合には、メカニカルシールリング21に対してカラー26の側の延長上に、流体機器が配置されるように取り付けて用いられる。
このとき流体は、メカニカルシール20のケーシング23で囲まれた内部にまで浸入するが、パッキング24と回転軸22との間に設けられたOリング29によるシール作用と、メカニカルシールリング21の摺動面21as,21bsのシール作用によって、流体がメカニカルシール20より外部に漏洩することを抑制している。なお、このときメカニカルシール20によって密封された流体を、密封流体30と称し、その一部がメカニカルシールリング21の摺動面21as,21bsの間に入り込み潤滑液として作用する。一方、可動部材21bはパッキング24によって緩衝的に支持され、緩衝ゴム28およびパッキング24は回転軸22の回転で発生する振動を吸収する機能も有する。なお、図3に示すメカニカルシール20では、固定部材21aを環状体、可動部材21bを凸状部を有する環状体としたが、これとは逆に固定部材21aを凸状部を有する環状体とし、可動部材21bを環状体とすることもできる。
本発明のメカニカルシール20は、可動部材21bが摺動を開始すると、摺動面21as,21bsで空気の流れによる動圧が先ず発生し、続いて開口部にはその動圧より低い負圧が気孔3内で保持されていた潤滑液に対しはたらき、この開口部上で発生する負圧によって気孔3内に保持されていた潤滑液を瞬時に流出させることなく、摺動面21as,21bsに徐々に供給することができる構成としている。
本発明のメカニカルシール20は、本発明の耐磨耗性部材からなるメカニカルシールリング21を備えていることから、長期間使用を続けても良好な摺動特性を維持することができるので、部材の交換頻度が少なくて済むため、長期間継続して使うことができる。
図4は、本発明のフォーセットバルブの実施の形態の一例を示す、(a)は流体通路を開いた状態を示す斜視図であり、(b)は流体通路を閉じた状態を示す斜視図である。
フォーセットバルブ40は、潤滑液を介して互いの摺動面41a,42aを当接し摺動させる基板状の固定弁体41と回転弁体42とを備えている。固定弁体41は、樹脂ケース(図示しない)に固定され、可動弁体42は樹脂ケースの内部で固定弁体41上で可動するように構成されている。固定弁体41,可動弁体42内にはそれぞれ厚み方向に流体通路41b,42bが形成され、双方の流体通路41b,42bは、摺動面41a,42a上で連結している。また、可動弁体42にはレバー43が固定され、このレバー43を上下方向あるいは回転方向に動かすことにより可動弁体42は可動する。そして、このフォーセットバルブ40では、本発明の耐磨耗性部材を備えており、固定弁体41および可動弁体42のすくなくともいずれかが本発明の耐磨耗性部材を用いている。
そして、図4(a)に示すように、流体通路41b,42bが開いた状態では、白抜き矢印方向から水,湯水等の流体が流体通路41b,42bに順次流れ、フォーセットバルブ40に接続された蛇口(図示しない)から流体が吐出する。このとき、いずれかの摺動面41a,42aに予め塗布されていたシリコングリスとともに摺動面41a,42a間に挿入した流体が潤滑液となって、摺動特性を維持するように作用する。
他方、図4(b)に示すように、レバー43で可動弁体32を上下方向のいずれかに動かすことによって流体通路41b,42b間を閉ざすことができ、蛇口からの流体の吐出を制止することができる。
また、可動弁体42を回転方向に動かすことによって流体通路41b,42bが連結する端面の面積が調整されるので、蛇口から吐出する流体の流量を調整することができる。
本発明のフォーセットバルブ40は、本発明の耐磨耗性部材を用いていることから、長期間使用を続けても良好な摺動特性を維持することができるので、部材の交換頻度が少なくて済むため、長期間継続して使うことができる。
次に、本発明の耐磨耗性部材の製造方法の一例について説明する。
まず、β化率が40%以下であって、組成式がSi6−ZAl8−Zで表される、固溶量zが0.5以下である窒化珪素の粉末と、焼結助剤として酸化カルシウム,酸化ア
ルミニウムおよび希土類元素の酸化物の各粉末とを、バレルミル,回転ミル,振動ミル,ビーズミルまたはアトライター等を用いて湿式混合し、粉砕してスラリーとする。なお、組成式がSi6−ZAl8−Z(z=0.1〜1)で表されるβ−サイアロンであ
る窒化珪素を主成分とする柱状結晶を得るには、固溶量zが0.05以上0.5以下である窒化
珪素の粉末を用いればよい。
ここで、焼結助剤である酸化カルシウム,酸化アルミニウムおよび希土類元素の酸化物の各粉末の合計は、窒化珪素質粉末とこれら焼結助剤の粉末の合計との総和を100質量%
としたときに、3質量%以上18.2質量%以下になるようにすればよく、また各焼結助剤の含有量は、酸化カルシウム,酸化アルミニウムおよび希土類元素の酸化物の合計100質量
%に対して、酸化カルシウムおよび酸化アルミニウムの含有量はそれぞれ0.3質量%以上1.5質量%以下,14.2質量%以上48.8質量%以下であって、残部が希土類元素の酸化物とすればよい。また、窒化珪素の粉末とこれら焼結助剤の粉末の合計に対して、酸化第2鉄の粉末をFe換算で0.02質量%以上3質量%以下添加してもよい。
なお、添加した酸化第2鉄の粉末は、後述する焼成で主相である窒化珪素と反応して、酸素を脱離し、鉄の珪化物を生成する。
また、他の例としては、焼結助剤の含有量を、酸化アルミニウム,酸化マグネシウムおよび酸化カルシウムの合計100質量%に対して、酸化アルミニウムおよび酸化マグネシウ
ムの含有量はそれぞれ12質量%以上22質量%以下,20質量%以上33質量%以下であって、残部が酸化カルシウムとする。
ところで、窒化珪素には、その結晶構造の違いにより、α型およびβ型という2種類の窒化珪素が存在する。α型は低温で、β型は高温で安定であり、1400℃以上でα型からβ型への相転移が不可逆的に起こる。ここで、β化率とは、X線回折法で得られたα(102
)回折線とα(210)回折線との各ピーク強度の和をIα、β(101)回折線とβ(210)
回折線との各ピーク強度の和をIβとしたときに、次の式によって算出される値である。β化率={Iβ/(Iα+Iβ)}×100 (%)
窒化珪素の粉末のβ化率は、窒化珪素を主成分とするセラミックスの強度および破壊靱性値に影響する。β化率が40%以下の窒化珪素の粉末を用いるのは、強度および破壊靱性値をともに高くすることができるからである。β化率が40%を超える窒化珪素の粉末は、焼成工程で粒成長の核となって、粗大で、しかもアスペクト比の小さい結晶となりやすく、強度および破壊靱性値とも低下するおそれがある。そのため、特に、β化率が10%以下の窒化珪素の粉末を用いるのが好ましく、これにより、固溶量zを0.1以上にすることが
できる。
また、固溶量zは、本発明の耐磨耗性部材を形成するセラミックスの熱伝導率に影響し、固溶量zが0.5以下の粉末を用いるのは、焼結後にアスペクト比が5以上の柱状結晶1
が得られ、セラミックスの強度および熱伝導率をともに高くすることができるからである。
窒化珪素の粉末の粉砕で用いるボールは、窒化珪素質,ジルコニア質およびアルミナ質等の各種焼結体からなるボールを用いることができるが、不純物が混入しにくい材質、あるいは同じ材料組成の窒化珪素質焼結体からなるボールが好適である。
なお、窒化珪素の粉末の粉砕は、粒度分布曲線の累積体積の総和を100%としたときの
累積体積が90%となる粒径(D90)が3μm以下となるまで粉砕することが、焼結性の向上および結晶組織の柱状化の点から好ましい。なお、粉砕によって得られる粒度分布は、ボール等の外径,ボール等の量,スラリーの粘度,粉砕時間等で調整することができる。
そして、スラリーの粘度を下げるには分散剤を添加することが好ましく、短時間で粉砕するには、予め累積体積50%となる粒径(D50)が1μm以下の粉末を用いることが好ましい。また、パラフィンワックスやポリビニルアルコール(PVA),ポリエチレングリコール(PEG)等の有機バインダを粉末100質量%に対して1質量%以上10質量%以
下でスラリーに混合することが、成形性のために好ましい。
次に、ASTM E 11−61に記載されている粒度番号が200のメッシュまたはこのメ
ッシュより細かいメッシュの篩いにスラリーを通した後に乾燥させて顆粒を得る。乾燥は、噴霧乾燥機で乾燥させてもよく、他の方法であっても何ら問題ない。
次に、得られた顆粒を、成形型に充填し、一軸加圧法を用いて加圧した後、冷間等方圧加圧法(CIP)を用いて相対密度が45%以上60%以下の所定形状、例えば、球状,平板状または環状の成形体とする。一軸加圧法および冷間等方圧加圧法(CIP)で用いる成形圧力は、それぞれ10〜30MPa,50〜100MPaの範囲であれば、成形体の密度の向上
や顆粒の潰れ性の観点より好適である。得られた成形体は、窒素雰囲気中または真空雰囲気中などで脱脂した方がよい。脱脂温度は添加した有機バインダの種類によって異なるが、900℃以下がよく、特に500℃以上800℃以下とすることが好適である。
次に、一般的な窒化珪素質成形体の焼成に用いる黒鉛抵抗発熱体が設置された焼成炉内に成形体を配置し、焼成する。温度については、室温から300〜1000℃までは真空雰囲気
中にて昇温し、その後、窒素ガスを導入して、窒素分圧を10〜2000kPaに維持する。このとき成形体の開気孔率は40〜55%程度であるため、成形体中には窒素ガスが十分充填される。昇温を続けると、1000〜1400℃付近では上記含有成分が固相反応を経て、液相成分を形成し、約1400℃以上の温度域で、β−サイアロンを析出する。そして、微細な結晶組織を得るには、さらに昇温を続け、焼成温度を1700℃以上1800℃未満として、10〜15時間保持すればよい。そして、気孔3の内部に第1の柱状結晶1aよりも径の太い第2の柱状結晶1bが互いに交錯するように複数存在させるためには、この焼成温度および保持時間
において、第1の柱状結晶1aよりも隣り合う結晶から拘束されにくい第2の柱状結晶1bがより粒成長できるように、窒素分圧をそのまま10〜200kPaに維持して、粒成長の
抑制効果のある第2の柱状結晶1b中の金属元素の酸化物を多く揮発するようにすればよい。
また、成形体の配置方法として、成形体を窒化珪素または炭化珪素を主成分とする粉末中に埋設する方法を用いれば、電気炉において大気中で焼成することができる。このような方法を用いると、成形体をそれら粉末中に埋設したことにより大気中の酸素ガスは遮断され、実質的に焼成雰囲気は窒素雰囲気となる。
そして、得られた焼結体は、その主面に必要に応じて研削を施した後、研磨を施してもよく、例えば、両頭研削盤や平面研削盤等で主面を研削し、平均粒径が3μmのダイヤモンド砥粒を用いてアルミナ製のラップ盤で研磨した後、平均粒径が1μmのダイヤモンド砥粒を用いて錫製のラップ盤で算術平均高さ(Ra)が0.98μm以下となるように研磨してもよい。算術平均高さ(Ra)を0.98μm以下とするのは、シール性を維持するためである。
ここで、算術平均高さ(Ra)は、JIS B 0601:2001(ISO 4287:1997)に準拠して測定すればよく、測定長さおよびカットオフ値をそれぞれ5mmおよび0.8mm
とし、触針式の表面粗さ計を用いて測定する場合であれば、例えば、耐磨耗性部材の表面に、触針先端半径が2μmの触針を当て、触針の走査速度は0.5mm/秒とすればよい。
上述のような製造方法によれば、安価でありながら、潤滑液の供給性能に優れ長期間使用を続けても良好な摺動特性を維持することができる、転がり支持装置,メカニカルシールおよびフォーセットバルブ等に用いられる耐磨耗性部材を得ることができる。
以下、本発明の実施例を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
まず、平均粒径が0.6μmの窒化珪素の粉末と、成分が表1に示す金属元素の酸化物の
各粉末とを用意した。そして、表1に示す含有量のセラミックスとなるように秤量した混合粉末を溶媒である水とともに振動ミルに投入して、振動ミルを用いて72時間粉砕混合し、スラリーを作製した。なお、窒化珪素の粉末は、いずれの試料も組成式Si6−ZAl8−Zにおける固溶量zが0.01である窒化珪素の粉末を用いた。
次に、粉砕混合した粉末に対してポリビニルアルコール(PVA)を5質量%添加し、ASTM E 11−61に記載されている粒度番号が表1に示すメッシュの篩いにスラリーを通して異物を除去し、乾燥して顆粒を得た。そして、この顆粒を成形型に充填し、一軸加圧法を用いて加圧した後、冷間等方圧加圧法(CIP)を用いて相対密度が52.5%の球状の成形体を得た。ここで、一軸加圧法および冷間等方圧加圧法(CIP)で用いる成形圧力は、それぞれ20MPa,75MPaとした。次に、600℃の窒素雰囲気中でポリビニル
アルコール(PVA)を脱脂した後、黒鉛抵抗発熱体が設置された焼成炉内に配置し、窒素分圧を110kPaに維持した状態で、表1に示す窒素分圧,焼成温度および保持時間で
焼成を行ない、球状の焼結体を得た。なお、一部の焼結体については、焼成する前に表1に示す窒素分圧,焼成温度および保持時間で予備焼成を行なった。
そして、得られた焼結体の表面を研磨して、直径が47.63mmの耐磨耗性部材からなる
転動体13の試料No.1〜17を作製した。
ここで、柱状結晶1および粒界相2をそれぞれ構成する成分の金属元素の含有量を、エネルギー分散型X線分光法(Energy Dispersive X-ray Spectroscopy)により求め、それぞれ窒化物,酸化物に換算した。また、柱状結晶1および粒界相2の各主成分は、X線回折法によって同定した。これらの結果を表1に示す。
また、研磨されている表面における最大径が11μm以上50μm以下である気孔の個数は、光学顕微鏡を用いて、倍率を100倍として、前記表面から平均的に観察される部分の面
積が1.2mm(横方向の長さが1.238mm,縦方向の長さが0.909mm)となるように範
囲を選び、画像解析ソフト「A像くん」(登録商標、旭化成エンジニアリング(株)製)の粒子解析という手法を適用し、この手法の設定条件である粒子の明度,2値化の方法および小図形除去面積をそれぞれ暗,手動,5μmとし、画像の明暗を示す指標であるしきい値を、画像内の各点(各ピクセル)が有する明るさを示すヒストグラムのピーク値の0.88倍に設定して測定した。
また、走査型電子顕微鏡を用いた、倍率が1500倍の画像において、第1の柱状結晶1aの長手方向の中点における幅をW1、第2の柱状結晶1bの長手方向の中点における幅をW2とし、サンプル数をいずれも5個とした。そして、このサンプル数各5個の第1の柱状結晶1aの幅W1および第2の柱状結晶1bの幅W2のそれぞれの平均値をM(W1),M(W2)とした。
これらの結果を表2に示す。
また、第2の柱状結晶1bが互いに交錯している状態は、走査型電子顕微鏡を用いて撮影した、倍率が1500倍の画像において観察し、第2の柱状結晶1bの交錯が複数観察された試料には、○を、第2の柱状結晶1bの交錯が観察されなかった試料には、×を表2に示した。
そして、同一試料の転動体13が高炭素クロム軸受鋼材(JIS G 4805-2008に記載
されている種類の記号がSUJ2である。)からなる第1部材(外輪)11および第2部材(内輪)12の軌道面11a,12a間に9個配設された転がり軸受10を作製し、疲労試験を行なった。
ここで、疲労試験の条件は、以下の通りとした。
最大接触面圧:3.2GPa
軸受回転数:3000rpm
潤滑液:タービン油VG68
温度:室温
そして、振動検出装置により回転中の転がり軸受10の振動を監視し、転動体13に破損が発生して転がり軸受10の振動が所定値を超えた時点で疲労試験を中止するとともに、運転開始から中止するまでの転がり軸受10の寿命を、試料No.1を基準値1として相対値を表2に示した。
表2に示すように、本発明の範囲外である試料No.1〜5は、気孔3の内部に第1の柱状結晶1aよりも径の太い第2の柱状結晶1bが互いに交錯していなかったことから、気孔3の内部に保持されている潤滑液は比較的早く表面に供給されて寿命が短いことが分かった。
一方、本発明の試料No.6〜17は、最大径が11μm以上50μm以下である気孔3が、1.2mm面積当たりに5個以上50個以下の範囲で表面に開口しており、研磨された表面
には第1の柱状結晶1aが存在し、気孔3の内部に第1の柱状結晶1aよりも径の太い第2の柱状結晶1bが互いに交錯するように複数存在していることから、気孔3の内部に保持されている潤滑液は徐々に表面に供給されて寿命が長くなっていることが分かった。
また、研磨された表面における気孔3の最大径が11μm未満の試料および1.2mm
積当たりに存在する気孔3が5個未満となる試料をそれぞれ作製し、同じ試験を行なった
ところ、摺動面に適量の潤滑液を供給することができなかったため、本発明の耐磨耗性部材と比べて寿命が短かった。また、研磨された表面における気孔3の最大径が50μmを超える試料および1.2mm面積当たりに存在する気孔3が50個を超える試料をそれぞれ作
製し、同じ試験を行なったところ、気孔3の周囲が欠けて摺動特性が低下したため、本発明の耐磨耗性部材と比べて寿命が短かい結果となった。
また、本発明の耐磨耗性部材を用いてメカニカルシールリング21を作製し、このメカニカルシールリング21を備えたメカニカルシール20を可動したところ、メカニカルシールリング21の変形が少なく、長期間にわたって流量を一定に維持することができて、高い信頼性を得られることが分かった。さらに、本発明の耐磨耗性部材を用いたフォーセットバルブ30についても、長期間使用を続けたところ、良好な摺動特性の維持により問題なく使用することができた。そのため、部材の交換頻度が少なくて済むことが確認された。
1a:第1の柱状結晶
1b:第2の柱状結晶
2:粒界相
3:気孔
10:転がり支持装置(転がり軸受)
20:メカニカルシール
40:フォーセットバルブ

Claims (5)

  1. 窒化珪素を主成分とする柱状結晶と、金属元素の酸化物を主成分とする粒界相とからなるセラミックスを用いた耐磨耗性部材であって、表面が研磨されていて、最大径が11μm以上50μm以下である気孔が、1.2mm面積当たりに5個以上50個以下の範囲で表面に開口しており、研磨された前記表面には第1の柱状結晶が存在し、前記気孔の内部に前記第1の柱状結晶よりも径の太い第2の柱状結晶が互いに交錯するように複数存在していることを特徴とする耐磨耗性部材。
  2. 前記金属元素の酸化物は、酸化アルミニウム,酸化カルシウム,酸化マグネシウムまたは希土類元素の酸化物の少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載の耐磨耗性部材。
  3. 請求項1または請求項2に記載の耐磨耗性部材を用いたことを特徴とする転がり支持装置。
  4. 請求項1または請求項2に記載の耐磨耗性部材からなるメカニカルシールリングを備えたことを特徴とするメカニカルシール。
  5. 請求項1または請求項2に記載の耐磨耗性部材を備えたことを特徴とするフォーセットバルブ。
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