JP2011204877A - 電界効果トランジスタ及びその評価方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】連続動作の際に生じるオン抵抗の増大を抑制した電界効果トランジスタを実現できるようにする。
【解決手段】電界効果トランジスタは、窒化物半導体からなり、τc/τe>exp{−46.5+45.7exp(logx/21.6)+0.2exp(logx/0.27)}の関係を満たす。但し、xはR∞/R0−1であり、R∞はオフ状態において所定の時間保持した後、オン状態へとスイッチした直後のオン抵抗であり、R0はオフ状態の保持時間が所定の時間以内の場合にオフ状態からオン状態へとスイッチした直後のオン抵抗であり、τcはコラプスを引き起こす電子がトラップされる捕獲時定数であり、τeはコラプスを引き起こすトラップされた電子の放出の時定数である。
【選択図】図18

Description

本発明は、電界効果トランジスタ及びその評価方法に関し特に、パワートランジスタ等に適用可能な窒化物電界効果トランジスタに関する。
窒化物半導体はシリコン(Si)又は砒化ガリウム(GaAs)等と比べ、バンドギャップ、絶縁破壊電界及び電子の飽和ドリフト速度のいずれもが大きい。また、(0001)面を主面とする基板上に形成した窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)と窒化ガリウム(GaN)とのヘテロ構造(AlGaN/GaN)では、自発分極及びピエゾ分極によりヘテロ界面に2次元電子ガスが生じる。このため、不純物をドープしなくても1×1013cm-2程度以上のシートキャリア濃度が得られる。この高濃度の2次元電子ガスをキャリアとして用いた高電子移動度トランジスタ(HEMT)が近年注目を集めており、種々のHEMT構造が提案されている。
J. Z. Li, H. X. Jiang, M. A. Khan, Q. Chen、"Two-dimensional electRON gas in AlGaN/GaN heterostructures"、Journal of Vacuum Science and Technology、1997年、B15巻、p.1117−1120 S.C. Binari, W. Kruppa, H.B. Dietrich, G. Kelner, A.E. Wickenden, and J.A. Freitas Jr.、"Fabrication and characterization of GaN FETs"、Solid State Electronics、1997年、41巻、p.1549−1554
しかしながら、GaNのHEMT構造からなるFETを用いてエアコンディショナ又は調光装置等の電力制御を行うと、FETのオン時の抵抗(以下RONと略す)がしばしば増大するという問題が生じる。RONの増大は、電力制御におけるオン時の損失の増大、ひいては電力制御効率の悪化を招くので、その抑制が必要である。RONの増大の原因は、主に2つ考えられる。1つ目の原因は、連続動作時の自己発熱によりデバイス温度が上昇し、それに伴い2次元電子ガスの移動度が減少し、シート抵抗が上昇するためである(例えば、非特許文献1を参照)。
2つ目の原因は、いわゆる電流コラプスである。電流コラプスとは、ソース・ドレイン間、ソース・ゲート間及びドレイン・基板間等にいったん強い電界が加わると、その後のオン時のソース・ドレイン間の電流が減少する現象である。電流コラプスを引き起こすメカニズムについては、以下のような提案がなされている(例えば、非特許文献2を参照。)。まず、デバイスのオフ状態においてソース・ドレイン間、ソース・ゲート間及びドレイン・基板間等にいったん強い電界が加わると、強い電界が加わった箇所において電子がトラップされる。次に、デバイスがオン状態となった際に、オフ状態においてトラップされた電子が開放されるまでの間、トラップされた電子の影響により2次元電子ガス濃度が低下し、デバイスのオン抵抗が増大する。
本発明は、前記の問題を解決し、連続動作の際に生じるオン抵抗の増大を抑制した電界効果トランジスタを実現できるようにすることを目的とする。
前記の目的を達成するため、本発明は電界効果トランジスタを、電子がトラップされる時定数を大きくする構成とする。
具体的に、本発明に係る電界効果トランジスタは、基板の上に形成された半導体層積層体と、半導体層積層体の上に形成されたソース電極、ゲート電極及びドレイン電極とを備え、半導体層積層体は、第1の窒化物半導体層と、第1の窒化物半導体層の上に形成され第1の窒化物半導体層と比べてバンドギャップが大きい第2の窒化物半導体層とを有し、τc/τe>exp{−46.5+45.7exp(logx/21.6)+0.2exp(logx/0.27)}の関係を満たす。但し、xはR∞/R0−1であり、R∞はオフ状態の保持時間が無限大の場合に、オフ状態からオン状態へとスイッチした直後のオン抵抗であり、R0はコラプスによるオン抵抗の増大がない場合のオン抵抗であり、τcはコラプスを引き起こす電子がトラップされる捕獲時定数であり、τeはコラプスを引き起こすトラップされた電子の放出の時定数である。
本発明の電界効果トランジスタは、τc/τeが上記の式を満たすように制御されている。このため、連続トランジスタ動作の際におけるFETのオン抵抗の飽和値が実用上問題ない(1+0.6x)R0以下となるように抑制され、コラプスが生じにくいFETを実現できる。
本発明の電界効果トランジスタにおいて、半導体層積層体は、ルテニウム、鉄、マンガン、コバルト、ニッケル及びオスミウムの少なくとも1つを含む金属含有領域を有し、金属含有領域は、第1の窒化物半導体層と第2の窒化物半導体層との境界から基板方向に0.5μm以上離れた位置に形成されている構成とすればよい。また、ゲート電極と第2の窒化物半導体層との間に形成されたp型の第3の窒化物半導体層と、第2の窒化物半導体層の上に形成された絶縁層とをさらに備え、ゲート電極は、ドレイン電極側において絶縁層の上に庇状に張り出している構成としてもよい。
本発明に係る第1の電界効果トランジスタ評価方法は、電界効果トランジスタのドレイン端子に直列抵抗を接続した測定回路を用い、ソース端子と直列抵抗との間に外部電圧を印加し、電界効果トランジスタをオフ状態からオン状態へスイッチした際における電界効果トランジスタのオン抵抗の過渡応答を複数の温度において測定するステップと、測定したオン抵抗の過渡応答を、引き伸ばされた指数関数によりフィッティングすることにより時定数を定めるステップと、時定数をアレニウスプロットし、その傾きから、電界効果トランジスタがオフ状態である場合に捕獲された電子がオン状態において放出される過程における熱活性化エネルギーを決定するステップとを備えている。
本発明に係る第2の電界効果トランジスタ評価方法は、電界効果トランジスタのドレイン端子に直列抵抗を接続した測定回路を用い、ソース端子と直列抵抗との間に外部電圧を印加し、電界効果トランジスタをオフ状態からオン状態へスイッチした際における電界効果トランジスタのオン抵抗の過渡応答をオフ状態からオン状態へスイッチした直後から連続して測定することにより、第1の時刻における第1のオン抵抗と第2の時刻における第2のオン抵抗との差を求めるステップと、第1のオン抵抗と第2のオン抵抗との差の温度に対するピーク位置からコラプスの起源である深い準位に捕獲された電子の放出過程に係る熱活性化エネルギーを決定するステップとを備えている。
本発明に係る第3の電界効果トランジスタ評価方法は、電界効果トランジスタのドレイン端子に直列抵抗を接続した測定回路を用い、ソース端子と直列抵抗との間に外部電圧を印加し、電界効果トランジスタ装置をオン状態からオフ状態とし、オフ状態を時間tpだけ保持した後オン状態へスイッチした直後の電界効果トランジスタのオン抵抗を、時間tpの関数として求めるステップと、時間tpの関数として求めたオン抵抗を引き延ばされた指数関数によりフィッティングして、時定数τcを求めるステップと、時定数τcをアレニウスプロットし、その傾きからコラプスを引き起こす電子のトラップ過程の時定数及び熱活性化エネルギーを決定するステップとを備えている。
本発明に係る第4の電界効果トランジスタの評価方法は、電界効果トランジスタのドレイン端子に直列抵抗を接続した測定回路を用い、ソース端子と直列抵抗との間に外部電圧Vddを印加し、電界効果トランジスタをオン状態からオフ状態とし、オフ状態を時間tpだけ保持した後オン状態へスイッチした直後の電界効果トランジスタのオン抵抗RON (t=0)を、時間tpの関数として求めるステップと、tp=tp1の場合におけるRON (t=0)と、tp=tp2の場合におけるRON (t=0)との差ΔRON(tp1,tp2)を温度の関数として求めるステップと、ΔRON(tp1,tp2)のアレニウスプロットの傾きからコラプスの起源となる電子トラップの捕獲時定数及び熱活性化エネルギーを決定するステップとを備えている。
本発明の電界効果トランジスタの評価方法において、測定回路は、電界効果トランジスタのソース端子とドレイン端子との間の電圧を制限するクランプ回路を有し、クランプ回路は、電界効果トランジスタと並列に接続されたMOS型トランジスタとMOS型トランジスタと直列に接続された抵抗素子とを有していることが好ましい。
本発明に係る第1の測定回路は、本発明の電界効果トランジスタの評価方法に用いる測定回路を対象とし、電界効果トランジスタと、電界効果トランジスタのドレイン端子と接続された直列抵抗と、電界効果トランジスタのソース端子とドレイン端子との間の電圧を制限するクランプ回路を有し、クランプ回路は、電界効果トランジスタと並列に接続されたMOS型トランジスタとMOS型トランジスタと直列に接続された抵抗素子とを有している。
本発明に係る第2の測定回路は、本発明の電界効果トランジスタの評価方法に用いる測定回路を対象とし、電界効果トランジスタと、電界効果トランジスタのドレイン端子と接続された直列抵抗と、電界効果トランジスタのソース端子とドレイン端子との間の電圧を制限するクランプ回路を有し、クランプ回路は、電界効果トランジスタと並列に接続されたツェナーダイオードを有している。
本発明に係る電界効果トランジスタは、連続動作の際に生じるオン抵抗の増大を抑制できる。
評価に用いた電界効果トランジスタを示す断面図である。 評価に用いた測定回路を示す回路図である。 測定回路により得られる測定波形を示す図である。 評価に用いた測定回路の変形例を示す回路図である。 オン時におけるオン抵抗の緩和過程を調べる測定法の原理を示す図である。 オン抵抗の過渡応答の測定結果を示すグラフである。 コラプスによるオン抵抗の増大がない場合のオン抵抗及びt=0におけるオン抵抗の増大量と温度との関係を示すグラフである。 βeと温度との関係を示すグラフである。 オン時におけるオン抵抗の緩和時定数のアレニウスプロットである。 (a)及び(b)はオフ時間がオン抵抗の及ぼす影響を調べる測定方法の原理を示す図である。 (a)はオフ時間とオン抵抗との関係を示すグラフであり、(b)はオフ時におけるオン抵抗の緩和時定数のアレニウスプロットである。 単位時間当たりに捕獲される電子数を示す図である。 単位ゲート長当たりのリーク電流の温度依存性を示すグラフである。 オフ状態におけるトラップの捕獲プロセスを示す図である。 オン抵抗の飽和値の計算結果を示すグラフである。 連続動作時におけるFETのオン抵抗の飽和値が実用上問題ない範囲となる条件を示すプロットである。 リーク電流とτcとの関係を示すグラフである。 例示の電界効果トランジスタを示す断面図である。 (a)及び(b)は評価用の半導体素子を示す断面図である。 (a)及び(b)は評価用半導体素子におけるリーク電流を示すグラフである。 アンドープGaN層の膜厚と電流コラプスとの関係を示すグラフである。 遷移金属の周期表である。 印加電圧と緩和時間との関係を示すグラフである。 オン抵抗の経時変化の計算結果を示すグラフである。 印加電圧とオン抵抗の飽和値との関係を示すグラフである。 例示の電界効果トランジスタを示す断面図である。 例示の電界効果トランジスタにおけるリーク電流を示すグラフである。
本願発明者らが見出した電界効果トランジスタ(FET)のオン抵抗の増大を低減できる原理について説明する。
まず、FETを連続的にトランジスタ動作させる連続スイッチの際のRONの変化を調べるため、FETを1回だけスイッチする単発スイッチにおけるRONの過渡応答を評価した。連続スイッチにおけるRONの振る舞いは、単発スイッチにおけるRONの振る舞いの繰り返しとして理解できるからである。単発スイッチの評価は、オフ状態からオン状態とした直後からのRONの過渡応答の測定と、オフ時間を変えた場合のRONの過渡応答の変化の測定とに別けて行う。以下に、単発スイッチの評価方法の詳細について説明する。
図1は、評価に用いたFETの断面構成を示している。評価に用いたFETは、HEMTであり基板101の上に順次形成された低温AlNバッファ層102と、半導体層積層体110とを有している。半導体層積層体110は、アンドープGaN層103と、アンドープAlGaN層104とが下側から順次形成されている。半導体層積層体110の上にはソース電極105及びドレイン電極107が形成されている。ソース電極105とドレイン電極107との間には、p−GaN層108を介してゲート電極106が形成されている。p−GaN層108はエネルギーバンドを持ち上げる効果を有するため、図1のFETは、ゲート・ソース間電圧が0Vの場合にソース・ドレイン間に電流が流れない、いわゆるノーマリオフ型のデバイスである。
図2は本評価に用いた測定回路を示している。FET150のドレイン端子に負荷抵抗Rddが直列に接続されており、測定回路全体に外部電圧Vddが印加される。測定回路は、例えばFETに照明装置を直列に接続し、FETのデューティ比を制御して照明装置の照度を制御する場合の電気回路に対応する。FET150のゲート・ソース間電圧VGSを制御して、FET150をオン状態とオフ状態との間でスイッチし、電位VD1の値をオシロスコープを用いて読み取る。RON=Vdd/{(Vdd−VD1)/Rd}という関係が成り立つためVD1からRONを決定できる。
ddが大きい場合には、オシロスコープのリカバリ特性のため、FET150をオフ状態からオン状態にした直後のVD1波形は、図3においての実線で示したようなオーバーシュート波形となる。従って、オシロスコープのリカバリ特性が安定するまでの一定時間、正確なVD1の値を読み取ることができず、RONを正確に決定できない。このため、高いVddを印加した場合には、FETのオフ状態からオン状態へのスイッチ直後のRONの過渡応答の測定は困難である。
この問題を解決するため、本願発明者らは、測定回路にクランプ回路151を付加した。クランプ回路151はMOS型トランジスタ155により、VD2の電位をある閾値電圧Vthにクランプする。このため、VD1≧Vthの場合にはVD2=Vthとなり、VD1<Vthの場合にはVD2≒VD1となる。クランプ回路151を用いることにより、図3において破線で示すように、オシロスコープのリカバリ特性によるオーバーシュートが生じず、オフ状態からオン状態にスイッチした直後の電位の変化を正確に測定できる。閾値電圧Vthは、測定に用いるオシロスコープのリカバリ特性が生じないような電圧にすればよく、すなわち、オシロスコープのフルレンジと一致するように選べばよい。例えば、オシロスコープのフルレンジが10Vの場合には、閾値電圧Vthを10V程度とすればよい。デバイスのオン電圧が小さい場合にはオシロスコープのレンジを小さくして測定することによりオン電圧の測定精度を上げることができる。但し、この場合には閾値電圧Vthもそれに応じて小さくする。MOS型トランジスタ155を用いたクランプ回路151に代えて、図4に示すようなツェナーダイオード156とダイオード157とを組み合わせたクランプ回路152を用いてもよい。VD2とRONの間にはRON=Vdd/{(Vdd−VD2)/Rd}という関係が成り立つため、VD2によりRONを決定できる。
また、FET150を流れる電流IdはId=Vdd/{(Vdd−VD2)/Rd}から求めることができる。また、Idを電流プローブ153を用いて直接に測定してRONを求めてもよい。
クランプ回路の使用により、これまで測定が困難であった高い印加電圧下においても、オフ状態からオン状態へのスイッチ直後のRONが測定可能となる。さらに、得られたRONの過渡応答に基づいて、コラプスを引き起こす深い準位のエネルギー及びその起源に関する知見を得ることができる。これにより、高い印加電圧の下における電子の放出・捕獲過程を解析できる。以下に、その測定手法と解析手法の詳細を述べる。
はじめに、オン時のRONの緩和過程を調べるための測定法(以下、測定Aと略する)について、図5を用いて説明する。RONの緩和はオフ時にトラップされた電子がオン時に開放されることによって起こるので、本測定により、オン時の電子の開放過程に関する知見を得ることができる。
FETをオフ状態(ゲート電圧VGS=VGSOff)として一定時間(tOff)保持したのち、ゲート電圧をVGSOn(V)へとスイッチすることでオン状態とし、その直後からFETのオン抵抗RONの過渡応答RON(t)を測定する。tはFETをオフ状態からオン状態へ遷移した直後からの経過時間を表している。
図6は、図1に示すノーマリオフ型FETにおいて、Vdd=132V、Rd=39.5kΩ、VGSOff=0V、VGSOn=3.5V及びオフ状態で保持する時間tOff=150sとして測定Aを行った際のRON(t)の過渡応答を示している。測定は、室温から120℃までの複数の温度について行った。得られたRON(t)の過渡応答特性は、測定したいずれの温度においても、式(1)に示す「引き伸ばされた指数関数」によりフィッティングした。
Figure 2011204877
時定数τeはFETのオン時におけるRONの緩和時定数であり、コラプスを引き起こすトラップの放出過程の時定数に対応する。なお、式(1)において、R0はコラプスによるオン抵抗の増大がない場合のRONであり、ΔReはt=0におけるRONの増大量であり、βeは指数である。
図7はRON(t)を式(1)によりフィッティングして得たR0及びΔReを温度に対してプロットしている。図8は式(1)によりフィッティングして得たβeを温度に対してプロットしている。図9はτeのアレニウスプロットである。図7に示すように、温度の上昇に伴いR0及びΔReは大きくなる。R0が大きくなるのは、温度の上昇に伴い2次元電子ガスの移動度が上昇し、その結果シート抵抗が上昇するためである。また、図7の右軸に表しているRONの増大率ΔRe/R0はコラプスによるRONの変化率を反映しており、温度の上昇に伴い増大している。図9に示すように温度の上昇に従ってτeは小さくなる。これは温度の上昇に伴い電子トラップが開放される速度が上昇するためである。得られた図9に示すτeのアレニウスプロットを直線近似した近似直線の傾きから、トラップの放出過程の活性化エネルギーΔEeは0.78±0.02eVとなる。
得られた電子トラップの熱活性化エネルギーをもとに、コラプスを引き起こすトラップの起源について考察する。コラプスを引き起こす電子トラップの起源は、表面準位に起因する可能性と、GaN又はAlGaNバルク中のトラップに起因する可能性とがある。表面準位の熱活性化エネルギーは、ドレイン電流の周波数分散の温度依存性から、0.3eV〜0.4eVと報告されており(S. Rumyantsev, M.E. Levinshtein, R. Gaska, M.S. Shur, J.W. Yang, and M.A. Khan, "Low-frequency noise in AlGaN/GaN heterojunction field effect transistors on SiC and sapphire substrates", Journal of Applied Physics, 87, 1849 (2000).、M. Neuburger, I. Daumiller, M. Kunze, J. van Nostrand, and E. Kohn, "Influence of polarization on the properties of GaN based FET structures", Phys. Stat. Sol. (c) 0, 1919 (2003).)、得られたΔEe=0.78eVという値はこの報告値と比べてかなり大きい。従って、FET中の電子トラップが表面準位による電子トラップであるとは考えにくい。GaN又はAlGaN層バルク内に存在する電子トラップのエネルギー準位の報告値は0.7eV〜0.9eVであり(橋詰保、「GaN及びAlGaNの深い電子準位―電気的評価結果を中心として―」、日本結晶成長学会誌2009年10月号)、今回得られた結果と近い。従って、これらバルク中の電子トラップがコラプスに関与していると考えられる。
なお、各測定温度において式(1)によりフィッティングを行い、得られた時定数を用いて活性化エネルギーを算出しているが、DLTS(Deep Level Transient Spectroscopy)と同様に、あらかじめ定めた時間t1及びt2におけるRON(t1)及びRON(t2)の差ΔRON(t1、2)を温度の関数としてプロットし、その温度に対するピーク位置からコラプスの起源である深い準位に捕獲された電子の放出過程に係る熱活性化エネルギーを決定してもよい。両者は基本的には同一の方法とみなすことができる。
次に、オフ時間がRONに及ぼす影響を調べる実験手法(以下、測定Bと略する)について、図10(a)及び(b)を用いて説明する。本測定法Bでは、オフ時間tpを変化させてRONの過渡応答を測定し、オフ状態からオン状態となった直後のRON (t=0)がどのように変化するかを調べる。具体的な実験手法は以下の通りである
まず、FETをオン状態(VGS=VGSOn)として、一定時間(tON)だけ保持する初期化を行う。これにより、直前の測定におけるコラプスによるRON増大の影響を打ち消すことができる。次に、FETをオフ状態として(VGS=VGSOff)、時間tpだけ保持する。この過程において、FETにおいて電子が捕獲される。次に、FETを再びオン状態へとスイッチし(VGS=VGSOn)、その直後からのRONの過渡応答RON(t)を測定する。次に、オフ時間tpを変えて上記の動作を繰り返し行い、オフ状態からオン状態への遷移直後のRON (t=0)をオフ時間tpの関数として求める。これにより、図10(b)に示すような関係が得られる。図10(b)に示すように、tpが長くなるに従ってRON (t=0)は次第に上昇し、やがて飽和する傾向を示す。この測定法Bにより、オフ時間tpを変化させた場合においてオフ状態からオン状態にスイッチした直後のRONの変化を系統的に調べることができる。tpに対するRON (t=0)の増大の時定数から、電子が深い準位に捕獲される過程の時定数τcを決定することができる。また、このτcの熱活性化エネルギーから捕獲過程の熱活性化エネルギーを定められるため、これにより捕獲過程の物理的起源に関する知見を得ることができる。
図11(a)は、Vdd=132V、Rd=39.5kΩ、VGSOff=0V及びVGSOn=3.5Vの条件において測定Bを行い、FETの時刻tが100μsにおけるRON (t=100μs)(tp)をオフ時間tpの関数として表している。FETの温度は室温から120℃まで段階的に変化させた。本来はt=0におけるFETのオン抵抗RON (t=0s)(tp)を測定することが望ましいが、実際には、時刻t=0における測定を行うことは不可能である。このため、測定可能な最も短い時刻t=100μsにおけるオン抵抗RON (t=100μs)(tp)を測定した。
得られたRON (t=100μs)(tp)はオフ時間tpの関数として、次の式(2)により表される「引き伸ばされた指数関数」を用いてフィッティングしている。このフィッティング関数は図11(a)において実線で表されている。
Figure 2011204877
フィッティングに現れる時定数τcは、印加電圧Vddによって、FETにおける電子トラップの捕獲過程の時定数を表している。また、R0cはコラプスによるRONの増大がない場合のRON(従って、R0C=R0)であり、ΔRc,maxはtp=∞の場合に生じるRONの増大量(従って、ΔRc,max=R∞−R0)であり、βcは指数である。いずれの温度においても、tpが大きくなるに従って、RON (t=100μs)(tp)が増大し、飽和している。また、温度T(℃)におけるRON (t=100μs)(tp)の飽和値をR∞(T)と表すと、R∞は温度の上昇と共に大きくなる。また、温度上昇に伴い、RON (t=100μs)(tp)が飽和に達するまでのオフ時間tpは短くなる。これら現象の物理的起源については後述する。
図11(b)は温度を変えて測定Bを行い、式(2)によりフィッティングして得られたτcをアレニウスプロットしている。アレニウスプロットの直線近似により、電子トラップの捕獲の熱活性化エネルギーΔEcは0.73±0.02eVとなる。
なお、測定Bにおいても、tp=tp1の場合におけるRON (t=0)とtp=tp2の場合におけるRON (t=0)との差ΔRON(tp1,tp2)を温度の関数として求め、そのアレニウスプロットの傾きからコラプスの起源となる電子トラップの捕獲時定数と熱活性化エネルギーを決定してもよい。
以上の結果をもとに、FETにおける電子捕獲のメカニズムについて考察する。図12に示すように、単位時間当たりに捕獲される電子数は、式(3)に示すように捕獲断面積と捕獲断面積を横切る電子数の積により表される(小柳光正著、「サブミクロンデバイスII」(電子材料シリーズ)丸善(1988))。
1/τc=cn・n=σcvn=(σJ)/q ・・・ 式(3)
nは捕獲定数、nは伝導帯の電子密度、vは電子速度、σは捕獲断面積、Jはリーク電流、qは素電荷である。この関係から、τc、σ及びJの熱活性化エネルギーをそれぞれΔEc、ΔEσ及びΔEJとすると、ΔEc=ΔEσ+ΔEJと表すことができる。ΔEcはすでに決定しているので、ΔEJを求めることができればΔEJが得られる。
図13は、VDS=132Vで且つVGS=0Vのオフ状態における、単位ゲート長当たりのリーク電流Jの温度依存性を示している。この結果を直線近似することにより、リーク電流の熱活性化エネルギーΔEJは0.56±0.02eVとなる。これにより、ΔEσ=ΔEc−ΔEJ=0.17±0.04eVという結果が得られた。これは、意図的にドープしていないGaNの捕獲断面積の熱活性化エネルギーの報告値とよく一致している(H.M. Chen, V.F. Chen, M.C. lee, and M.S. Feng, "Persistent photoconductivity in n-type GaN", Journal of Applied Physics 82 (1997) 899.)。この結果から、FETにおいてコラプスを引き起こすトラップの起源はGaN又はAlGaN中の電子トラップであることが支持される。
以上の議論をもとに、FETにおける、オフ状態でのトラップの捕獲プロセスは図14のように表すことができる。コラプスを引き起こす電子の放出の熱活性化エネルギーΔEeは0.78eVであり、電子が捕獲されるためには0.17eVのエネルギーバリアを乗り越える必要がある。このようなエネルギー構造を形成しているため、温度の上昇と共に、電子の捕獲がより促進され、コラプスが起こりやすくなると考えられる。つまり、温度の上昇と共に、0.17eVのバリアを超える電子数が増え、いったん電子が捕獲されると0.78eVのポテンシャルを乗り越えることができないため、温度の上昇と共にコラプスが生じやすくなると考えることができる。
以上の考察により、コラプスの起源である電子の捕獲過程は、FETのオフ状態において自由電子の密度の増大又は自由電子の熱速度の上昇が生じることにより、リーク電流が大きくなり、これによりトラップされる電子数が大きくなるというメカニズムによって理解することができる。
上述の測定A及び測定Bはいずれも、FETを単発スイッチした場合の過渡応答を調べる測定手法であるが、実用上はこのような使用法はまれであり、連続スイッチ動作がより一般的である。連続スイッチを行うと、RONは上述の測定法Bにおいてtp=∞の場合のRONであるR∞とtp=0において得られたRONであるR0との間のある値(RON-SAT)において平衡値に達すると考えられる。以下において、平衡値(飽和値)RON-SATをなるべく小さくするための指針について考察する。なお、ここでは、実用上問題とならないレベルとして、x=R∞/R0−1と定義し、RON-SATが(1+0.6x)R0以下となる条件について考察する。この条件は、デバイスを使用する上で望ましい条件である。FETは、温度の上昇に従い、R0が増大する傾向がある。コラプスによりさらにRONが増大するとIGBT等の既存のパワーデバイスに対するオン抵抗RONのメリットが著しく低下する。既存のパワーデバイスに対するRONのメリットを損なわないという観点から、RON-SAT<(1+0.6x)R0を基準とした。FETの場合xは1程度が多いため、RON-SATはR0の1.6倍程度に抑えることができ、これにより既存のパワーデバイスに対するメリットを確保できる。
式(1)及び式(2)に基づいてFETを連続スイッチした場合の飽和オン抵抗RON-SATの計算を行った。計算に用いた条件は以下の通りである。まず、FETに印加するゲート電圧VGSは、単発スイッチの測定において用いた条件を用いる。従って、オフ状態においてVGSOff=0V、オン状態においてVGSOn=3.5V、Vdd=132V及びRd=39.5kΩとしている。連続スイッチ条件として、オン状態とオフ状態とを制御するゲート電圧VGSの1周期の時間twは100μs、オン/オフ比(tON/tOff)は1とする(デューティ比は50%とする)。また、連続動作に伴うFETの過渡的な温度上昇は無視する。従って、連続スイッチ動作開始時にデバイスが、連続動作時に最終的に達する平衡温度TSにすでに達しているとし、連続動作中のFETの温度上昇は無視する。このように仮定しても、平衡温度TSにおけるτe及びτc等を正しく与えることにより、RON-SATは正しく計算できる。また、RONは、FETがオン状態の場合には式(1)に従って変化し、オフ状態においては式(2)に従って変化するとする。連続スイッチ動作時に達するデバイスの平衡温度TSにおいて、コラプスによるオン抵抗の増大効果を含まないRONであるR0を20Ωmm、オフ時間tp=∞の場合におけるRONであるR∞を40Ωmmとする。これらの値は、FETを実際に連続動作させた場合の温度の実測値(80℃)に基づく。なお、以上の条件は、必ずしもFETの温度が80℃でなければならないということではなく、FETの温度によらず、同様の議論が成り立つことは言うまでもない。例えば、連続動作時の平衡温度TSが60℃である場合は、その場合のR0、R∞、τe及びτc等を求めてそれを用いることにより、温度TSが60℃におけるRON-SATを求めることができる。また、同様に、実際の動作におけるVddは200Vである必要は必ずしもなく、FETを使用する際のVddによって得られるR0、R∞、τe及びτc等を求めてそれを用いればよい。
以上の条件下において、FETを連続動作させた場合の飽和RON-SATをτe及びτcを変化させて求め、実用上問題とならない条件としてRONが32Ωmm(80℃においてコラプスがない場合のRONの1.6倍以下)となる条件について検討する。この条件は、x=(R∞/R0)−1=1という式を用いて、RON-SATがR0の(1+0.6x)つまり1.6倍以上にならない条件として設定している。図15は、τe及びτcを変えた場合の、RON-SATの計算値を示している。図15から、RON-SAT<32Ωmmとなる条件は、式(4)のように示される。
τc>0.47τe ・・・ 式(4)
図16は、種々のx及びτc/τeについて、RON-SAT=(1+0.6x)R0となる条件を同様の方法により計算し、プロットしている。プロットは式(5)に示す近似曲線によりフィッティングできる。
τc/τe=exp{−46.5+45.7exp(logx/21.6)+0.2exp(logx/0.27)} ・・・ 式(5)
図16において近似曲線よりも上側の領域は式(6)の条件を満たす。
τc/τe<exp{−46.5+45.7exp(logx/21.6)+0.2exp(logx/0.27)} ・・・ 式(6)
式(6)を満たす領域においては、RON-SAT<(1+0.6x)R0が成り立つ。
式(6)の条件を満たすためのデバイスの設計指針について検討する。コラプスを引き起こす、深い準位にトラップされた電子の放出時定数τeは、GaN及びAlGaN中に内在する深い準位のエネルギー準位に対応している。このため、τeはGaN及びAlGaNの結晶成長条件により決まる定数であり簡単には変えられない。そこで、τeをコントロールする代わりに、τcが大きくなるように設計して、式(4)を満足させる方法を検討する。
式(3)によると、τcを大きくするためには、リーク電流Jを小さくすればよい。図17はVDS=200Vとした場合のリーク電流Idsxとτcとの関係を示している。図17に示すように、リーク電流が小さくなるに従い、τcが大きくなる傾向が認められる。従って、コラプスによるRONの増大を抑制するためには、リーク電流を抑制することによりτcを大きくすることが有効であると考えられる。以下にリーク電流を抑制することによりコラプスを低減したFETについて実施形態を用いて詳細に説明する。
(一実施形態)
図18は、本願発明者らが見出したリーク電流を抑制し、τcを大きくしたFETの一例を示している。図18に示すように基板201の上に低温AlNバッファ層202を介して半導体層積層体210が形成されている。半導体層積層体210は、ルテニウム(Ru)がドープされたGaN(Ru−GaN)からなる金属含有領域212と、アンドープGaN層203と、アンドープAlGaN層204とが下側から順次形成されている。半導体層積層体210の上にはソース電極205及びドレイン電極207が形成されている。ソース電極205とドレイン電極207との間には、p−GaN層208を介してゲート電極206が形成されている。p−GaN層208はバンドを持ち上げる効果を有するため、ゲート・ソース間電圧が0Vの場合には、ソース・ドレイン間に電流が流れない、いわゆるノーマリオフ型のデバイスである。金属含有領域212は、アンドープGaN層203とアンドープAlGaN層204との界面から基板201側に0.5μm以上離れた位置に形成されている。
Ruをドープした金属含有領域212を形成することによるリーク電流の低減効果について説明する。図19(a)及び(b)はRuの導入によるリーク電流の変化を測定するために用いた評価用の半導体素子の構成を示している。図19(a)に示す第1の評価用半導体素子は基板(図示せず)の上に、n−GaN層301とRuをドープしたRu−GaN層302とが順次形成されている。Ru−GaN層302の上には、径が200μmの円形電極305と、円形電極305を囲む内径が300μmのリング状電極306とが形成されている。図19(b)に示す第2の評価用半導体素子は、Ru−GaN層302に代えてRuを添加したRu−超格子(SuperLattice:SL)層303が形成されている。Ru−超格子層303は膜厚が5nmのAlNと膜厚が20nmGaNとが交互にそれぞれ20層積層されている。
図20(a)及び(b)は、それぞれ第1の評価用半導体素子及び第2の評価用半導体素子の電流−電圧特性を示している。図20に示すように、Ruのドープ量rが高い方がリーク電流を低減できた。
Ruドープを行うことによりリーク電流を低減することができるが、Ruをドープする領域については注意する必要がある。Ruは深い準位を形成するため、2次元電子ガス近傍にRuをドーピングすると、デバイスをオフにした際に2次元電子ガスの近傍に電子がトラップされてしまい、電流コラプスが悪化することが予想される。図21は、図18に示すFETのアンドープGaN層203の膜厚と電流コラプスとの関係を示している。図21において縦軸は、オフ状態を経由することによるオン抵抗の増大率である。具体的には、FETをオフ状態(VGS=0V、VDS=200V)で150秒間保った後、オン状態とした100μs後のオン抵抗RONと、コラプスフリーの状態におけるFETのオン抵抗R0との比である。
図21に示すようにアンドープGaN層203の膜厚が0.5μm未満の場合には電流コラプスが悪化した。従って、Ru−GaNである金属含有領域212を、2次元電子ガスから0.5μm以上離れた領域に形成することによりコラプスの増大を抑えることができる。Ru−GaN層に代えてアンドープのGaN層を形成し、トータルのアンドープGaN層の膜厚を3.5μmとしたFETについて、温度が80℃でVddが200Vの場合のτを求めると、τc=0.31sであり、τe=1.37sであった。この場合には、τc>0.47τeの関係が成立しない。また、FETを連続動作した場合の飽和RONは35(Ωmm)であった。一方、Ru−GaN層である金属含有領域212の膜厚を3μmとし、アンドープGaN層203の膜厚を0.5μmとした場合には、τc=2.3sであり、τe=1.4sであった。この場合にはτc>0.47τeが成立する。また、飽和RONは28(Ωmm)となり、飽和RONは、コラプスがない場合のRONの1.6倍以内(32Ωmm)に抑制できた。
なお、金属含有領域に添加する金属としてRuを用いた例を示したが、他の金属を用いてもよい。金属を添加することにより窒化物半導体を絶縁化する場合には、窒化物半導体の禁制帯内に、d電子によって生じるトラップ準位をできるだけ多く形成することが好ましい。トラップ準位が空いている場合は電子が捕獲され、トラップ準位が占有されている場合は正孔が捕獲される。双方のキャリアに対して絶縁性を発揮させるには、占有されたトラップ準位と非占有のトラップ準位とが半々の割合で存在することが望ましい。このため、図22に示す周期表の中央付近の元素を添加した場合に、窒化物半導体を効率よく絶縁化できる可能性がある。なお、図22は3族〜12族の遷移金属を示している。
図22に示す元素のうち、d電子をあまり有していない左側の元素は、原子核の正電荷が比較的小さいため、d電子の準位は真空準位近くに存在する。このため、Ti等の場合には伝導帯の近傍にフェルミ準位が位置する。電子をトラップする準位は、フェルミ準位と伝導帯との間に形成されるため、伝導帯の近傍にフェルミ準位が位置すると、電子トラップする準位を多く形成できない。特にSc及びY等のd電子を1つ持つ3族の遷移金属元素は窒素との結合に全てのd電子が使われてしまう。このため、電子トラップする準位を形成できず、n型に対しては全く絶縁性を示さない。
一方、Zn、Cd及びHg等はd電子が10個であり全て埋まっているため、d準位が価電子帯と結合しており、これらを用いても絶縁化の効果は小さい。また、Cu等はd電子の準位が非常に深くなるため、Ti等とは対照的に、価電子帯の近傍にフェルミ準位を形成する。このため、電子をトラップする準位を増やすことは可能である。しかし、正孔をトラップする準位はフェルミ準位と価電子帯との間に形成される。このため、フェルミ準位と価電子帯とのエネルギー差が小さい場合は、正孔をトラップする準位を十分に得ることができない。超格子層に遷移金属を添加する場合、超格子層は電子及び正孔を生成するため、価電子帯の近傍にフェルミ準位があることはあまり得策ではない。
以上のことから、窒化物半導体の絶縁化に有用な元素は、7族から11族の元素に限定される。このうち、Tcは放射性であり、安定な同位体が存在しない。また、Cu、Rh、Pd、Ir、Pt及びAuは、シクロペンタジエニル基との結合が弱く、有機金属気相成長法(MOCVD法)に適したメタロセン化合物等の有機金属化合物が存在しない。特にAu及びPtのメタロセン化合物は全く知られていない。また、周期表の下段の元素ほど重くなるため、有機金属化合物が存在している場合においても、蒸気圧が非常に低く、成長中に十分な量の元素を供給することが困難である。従って、Fe、Ru、Os、Mn、Co及びNiが有用である。中でも、Fe、Ru及びOsは純度が高いメタロセン化合物を容易に入手でき好ましい。さらに、Ruはダイナミックアクセスラム(DRAM)等のキャパシタ電極として用いられているため、蒸気圧等の諸物性が異なる様々なメタロセン化合物が容易に入手できるという利点がある。
リーク電流を低減する方法として、オフ時にかかる電界分布を制御することによって、強い電界がかかる箇所を小さくすることも有用である。図23はFETの温度が80℃の場合におけるτc及びτeのVdd依存性の例である。FETを連続動作した際の実測値に基づいて、検討温度は80℃としている。図23に示すようにVddが80Vよりも高い場合には、τeは約1.37sなり、ほぼ一定の値を示した。これは、FETがオン状態の場合にソース・ドレイン間にかかる電圧はVddの大きさに依存しないためであると考えられる。一方、τcはVddが大きくなるに従い急激に小さくなる。式(3)に基づいて考えると、Vddが大きくなるに従いリーク電流が大きくなり、電子の捕獲レートが大きくなるためであると考えられる。得られたτcはVddの関数として式(7)によりフィッテングできる。
τc=exp(3.69−0.021Vdd) ・・・ 式(7)
式(7)とτe=1.37sを用いて、Vddを上昇させた場合におけるRONの経時変化を計算した結果を図24及び図25に示す。
図24は連続動作時のRONのVdd依存性を示している。図24(a)に示すようにVddの上昇に伴い、RONがRON-SATに達するのに必要な時間が早くなっている。図25はRON-SATをVddの関数として示している。図25に示すように、Vddが大きくなるに従いRON-SATが大きくなっている。このことから、RON-SATを抑制するためにはVddを下げることが効果的であることがわかる。つまり、Vddを小さくする又は実効的なVddを小さくすることがτcを大きくするのに効果的であることがわかる。
本願発明者らは、以上の知見に基づき、いわゆるフィールドプレート構造を付与したFETにより、実効的なリーク電流を抑制することを試みた。図26はフィールドプレートを有するリーク電流を低減したFETの一例を示している。図26に示すように、基板401の上にバッファ層402を介して半導体層積層体410が形成されている。半導体層積層体410は、順次形成されたアンドープのGaN層403及びアンドープのAlGaN層404を有している。半導体層積層体410の上には、窒化シリコン(SiN)等からなる絶縁膜411が形成されている。絶縁膜411は、半導体層積層体410を露出する複数の開口部を有し、各開口部にそれぞれ、ソース電極405、ドレイン電極407及びp−GaN層408を介してゲート電極406が形成されている。ゲート電極406は、ドレイン電極407側において絶縁膜411の上に庇状に張り出すように形成されている。p−GaN層408は、ゲート電極406の下側部分における厚さを、ゲート電極406の側方の部分における厚さよりも厚くしてもよい。
図27は、図26に示すFETのオフ状態(VGS=0V)におけるId−Vd特性を表している。絶縁膜411の膜厚は100nmとしている。図27に示すように、ゲートフィールドプレートの、庇状に張り出した部分の長さLGFPが1μm以上の場合には、リーク電流が1桁程度小さくなっている。
フィールドプレートがないFETについて、Vddが200Vの場合においてτを求めると、τc=0.4sであり、τe=1.39sとなった。従ってτc>0.47τeの関係は成立していない。FETを連続動作した場合の飽和RONは34(Ωmm)であった。次に、フィールドプレートを形成したFETについてτcを求めると、τc=2.0sであり、τe=1.4sとなった。この場合にはτc>0.47τeが成立し、飽和RONは29.3(Ωmm)となり、飽和RONは、コラプスがない場合のRONの1.6倍以内(32Ωmm)に抑制できた。
本発明に係る電界効果トランジスタは、連続動作の際に生じるオン抵抗の増大を抑制でき、特に電源回路等において用いられるパワートランジスタとして有用である。
101 基板
102 低温AlNバッファ層
103 アンドープGaN層
104 アンドープAlGaN層
105 ソース電極
106 ゲート電極
107 ドレイン電極
108 p−GaN層
110 半導体層積層体
150 FET
151 クランプ回路
152 クランプ回路
153 電流プローブ
155 MOS型トランジスタ
156 ツェナーダイオード
157 ダイオード
201 基板
202 低温AlNバッファ層
203 アンドープGaN層
204 アンドープAlGaN層
205 ソース電極
206 ゲート電極
207 ドレイン電極
208 p−GaN層
210 半導体層積層体
212 金属含有領域
301 n−GaN層
302 Ru−GaN層
303 Ru−超格子層
305 円形電極
306 リング状電極
401 基板
402 バッファ層
403 GaN層
404 AlGaN層
405 ソース電極
406 ゲート電極
407 ドレイン電極
408 p−GaN層
410 半導体層積層体
411 絶縁膜

Claims (10)

  1. 基板の上に形成された半導体層積層体と、
    前記半導体層積層体の上に形成されたソース電極、ゲート電極及びドレイン電極とを備え、
    前記半導体層積層体は、第1の窒化物半導体層と、前記第1の窒化物半導体層の上に形成され前記第1の窒化物半導体層と比べてバンドギャップが大きい第2の窒化物半導体層とを有し、
    以下の関係を満たすことを特徴とする電界効果トランジスタ。
    τc/τe>exp{−46.5+45.7exp(logx/21.6)+0.2exp(logx/0.27)}
    但し、xはR∞/R0−1であり、R∞はオフ状態の保持時間が無限大の場合に、オフ状態からオン状態へとスイッチした直後のオン抵抗であり、R0はコラプスによるオン抵抗の増大がない場合のオン抵抗であり、τcはコラプスを引き起こす電子がトラップされる捕獲の時定数であり、τeはコラプスを引き起こすトラップされた電子の放出の時定数である。
  2. 前記半導体層積層体は、ルテニウム、鉄、マンガン、コバルト、ニッケル及びオスミウムの少なくとも1つを含む金属含有領域を有し、
    前記金属含有領域は、前記第1の窒化物半導体層と前記第2の窒化物半導体層との境界から前記基板方向に0.5μm以上離れた位置に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の電界効果トランジスタ。
  3. 前記ゲート電極と前記第2の窒化物半導体層との間に形成されたp型の第3の窒化物半導体層と、
    前記第2の窒化物半導体層の上に形成された絶縁層とをさらに備え、
    前記ゲート電極は、前記ドレイン電極側において前記絶縁層の上に庇状に張り出していることを特徴とする請求項1に記載の電界効果トランジスタ。
  4. 電界効果トランジスタのドレイン端子に直列抵抗を接続した測定回路を用い、ソース端子と前記直列抵抗との間に外部電圧を印加し、前記電界効果トランジスタをオフ状態からオン状態へスイッチした際における前記電界効果トランジスタのオン抵抗の過渡応答を複数の温度において測定するステップと、
    測定したオン抵抗の過渡応答を、引き伸ばされた指数関数によりフィッティングすることにより時定数を定めるステップと、
    前記時定数をアレニウスプロットし、その傾きから、前記電界効果トランジスタがオフ状態である場合に捕獲された電子がオン状態において放出される過程における熱活性化エネルギーを決定するステップとを備えていることを特徴とする電界効果トランジスタの評価方法。
  5. 電界効果トランジスタのドレイン端子に直列抵抗を接続した測定回路を用い、ソース端子と前記直列抵抗との間に外部電圧を印加し、前記電界効果トランジスタをオフ状態からオン状態へスイッチした際における前記電界効果トランジスタのオン抵抗の過渡応答をオフ状態からオン状態へスイッチした直後から連続して測定することにより、第1の時刻における第1のオン抵抗と第2の時刻における第2のオン抵抗との差を求めるステップと、
    前記第1のオン抵抗と第2のオン抵抗との差の温度に対するピーク位置からコラプスの起源である深い準位に捕獲された電子の放出過程に係る熱活性化エネルギーを決定するステップとを備えていることを特徴とする電界効果トランジスタの評価方法。
  6. 電界効果トランジスタのドレイン端子に直列抵抗を接続した測定回路を用い、ソース端子と前記直列抵抗との間に外部電圧を印加し、電界効果トランジスタ装置をオン状態からオフ状態とし、オフ状態を時間tpだけ保持した後オン状態へスイッチした直後の前記電界効果トランジスタのオン抵抗を、前記時間tpの関数として求めるステップと、
    前記時間tpの関数として求めた前記オン抵抗を引き延ばされた指数関数によりフィッティングして、時定数τcを求めるステップと、
    前記時定数τcをアレニウスプロットし、その傾きからコラプスを引き起こす電子のトラップ過程の時定数及び熱活性化エネルギーを決定するステップとを備えていることを特徴とする電界効果トランジスタの評価方法。
  7. 電界効果トランジスタのドレイン端子に直列抵抗を接続した測定回路を用い、ソース端子と前記直列抵抗との間に外部電圧を印加し、前記電界効果トランジスタをオン状態からオフ状態とし、オフ状態を時間tpだけ保持した後オン状態へスイッチした直後の前記電界効果トランジスタのオン抵抗RON (t=0)を、前記時間tpの関数として求めるステップと、
    p=tp1の場合における前記RON (t=0)と、tp=tp2の場合における前記RON (t=0)との差ΔRON(tp1,tp2)を温度の関数として求めるステップと、
    前記ΔRON(tp1,tp2)のアレニウスプロットの傾きからコラプスの起源となる電子トラップの捕獲時定数及び熱活性化エネルギーを決定するステップとを備えていることを特徴とする電界効果トランジスタの評価方法。
  8. 前記測定回路は、前記電界効果トランジスタのソース端子とドレイン端子との間の電圧を制限するクランプ回路を有し、
    前記クランプ回路は、前記電界効果トランジスタと並列に接続されたMOS型トランジスタと前記MOS型トランジスタと直列に接続された抵抗素子とを有していることを特徴とする請求項4〜7のいずれか1項に記載の電界効果トランジスタの評価方法。
  9. 請求項4〜8のいずれか1項に記載の電界効果トランジスタの評価方法に用いる測定回路であって、
    電界効果トランジスタと、
    前記電界効果トランジスタのドレイン端子と接続された直列抵抗と、
    前記電界効果トランジスタのソース端子とドレイン端子との間の電圧を制限するクランプ回路を有し、
    前記クランプ回路は、前記電界効果トランジスタと並列に接続されたMOS型トランジスタと前記MOS型トランジスタと直列に接続された抵抗素子とを有していることを特徴とする測定回路。
  10. 請求項4〜8のいずれか1項に記載の電界効果トランジスタの評価方法に用いる測定回路であって、
    電界効果トランジスタと、
    前記電界効果トランジスタのドレイン端子と接続された直列抵抗と、
    前記電界効果トランジスタのソース端子とドレイン端子との間の電圧を制限するクランプ回路を有し、
    前記クランプ回路は、前記電界効果トランジスタと並列に接続されたツェナーダイオードを有していることを特徴とする測定回路。
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