JP2011203723A - 撮像レンズおよび撮像システム - Google Patents
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Abstract
【課題】撮像レンズにおいて、この撮像レンズを用いた撮像で得られる原画像データにコントラスト回復処理を施して作成される画像の画質の劣化を抑制しつつ被写界深度を拡大する。
【解決手段】撮像レンズの球面収差が、光軸Z1から離れるにしたがって像面基準位置Zoを間に挟んで物点側からその反対側に変化するように、かつ、条件式(1);0.02<a/f<0.10、および(2);0.02<b/fを満足するようにこの撮像レンズを構成する。その撮像レンズを適用する撮像装置により、撮像で得られた原画像データにコントラスト回復処理を施して画像のボケを補正する。ただし、aは撮像レンズの瞳の中央部を通る光の受ける、像面基準位置Zoから物点側への球面収差の大きさ、bは像面基準位置Zoから物点側への最大球面収差とその反対側への最大球面収差との和、fは撮像レンズの焦点距離である。
【選択図】図2
【解決手段】撮像レンズの球面収差が、光軸Z1から離れるにしたがって像面基準位置Zoを間に挟んで物点側からその反対側に変化するように、かつ、条件式(1);0.02<a/f<0.10、および(2);0.02<b/fを満足するようにこの撮像レンズを構成する。その撮像レンズを適用する撮像装置により、撮像で得られた原画像データにコントラスト回復処理を施して画像のボケを補正する。ただし、aは撮像レンズの瞳の中央部を通る光の受ける、像面基準位置Zoから物点側への球面収差の大きさ、bは像面基準位置Zoから物点側への最大球面収差とその反対側への最大球面収差との和、fは撮像レンズの焦点距離である。
【選択図】図2
Description
本発明は、撮像レンズおよび撮像システムに関し、詳しくは、撮像して得られた原画像データにコントラスト回復処理を施して画像のボケを補正する撮像装置に用いる撮像レンズおよびこの撮像レンズを用いた撮像システムに関するものである。
従来より、被写界深度拡大光学系である撮像レンズを通して、全距離に亘る撮影対象にボケの与えられた光学像を撮像し、それにより得られた原画像にコントラスト回復処理を施して、その原画像のボケをなくす手法、すなわち、その原画像のコントラストを高め、結果として被写界深度の大きいレンズで撮影したボケのない画像を得る手法が知られている。このようなレンズは、EDOF(Extended/Extension of Depth of Field/Focus)レンズと呼ばれている。
このコントラスト回復処理は、被写界深度拡大光学系を通して得られた原画像に対し、この被写界深度拡大光学系のボケ特性の逆特性を持つ復元フィルタを作用させて、近距離から遠距離に亘る広い撮影範囲に配された各被写体のコントラストを高めるように(例えば、明確な輪郭を持つように)補正するものである。
また、被写界深度拡大光学系は、理想的には、撮影距離によらず一定のボケが与えられた被写体の光学像を撮像面上に形成するものである。
より詳しくは、この被写界深度拡大光学系は、様々な撮影位置に配された被写体を表す各点像を、撮影距離によらず一定のボケが与えられた点像(一定の光強度分布を持つ劣化した点像)として撮像面上に形成するものである。一方、コントラスト回復処理は、上記一定の光強度分布を持つ劣化した各点像からなる光学像を撮像して得た画像を、その劣化した点像の復元目標値となる光強度分布を持つ目標点像(例えば、理想的な光強度分布を持つ点像)からなる画像に復元するものである。
この手法によれば、撮像レンズの開口を絞ることなく、すなわち受光光量を減少させることなく、いずれの撮影距離の被写体についても全体的にコントラストの高い画像(被写界深度を拡大してなる画像)を得ることができる(特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4参照)。
なお、コントラスト回復処理としては、例えばフーリエ変換による画像復元処理、エッジ強調処理、ガンマ補正処理、コントラス強調処理等を適用できることが知られている。
しかしながら、撮影対象となる各点(各被写体)を表す光学像を、撮影距離によらず一定の光強度分布を持つ点像として撮像面上に形成するような理想的な被写界深度拡大光学系の実現は現実的には難しい。
しかるに、光学系の球面収差を増大させるほどこの光学系の見かけ上の被写界深度を深くできることが知られているので、単に球面収差を増大させて見かけ上の被写界深度を深くした光学系を被写界深度拡大光学系として用いることも考えられる。
ところが、光学系の球面収差を増大させると、増大させるほど撮像面上に形成される点像の直径が大きくなり、この直径が大きな点像にコントラスト回復処理を施して得られる目標点像は、その点像の直径が大きくなった分だけノイズを多く含むものとなる。そのため、コントラスト回復処理を施して得られた多数の目標点像で構成されるボケ回復画像に含まれるノイズの量も多くなってしまうという問題がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、撮像レンズを用いた撮像で得られる原画像データにコントラスト回復処理を施して作成される画像の画質の劣化を抑制しつつ被写界深度を拡大することができる撮像レンズおよびこの撮像レンズを用いた撮像システムに関するものである。
本発明の撮像レンズは、撮像して得られた原画像データにコントラスト回復処理を施して画像のボケを補正する撮像装置に用いる撮像レンズであって、この撮像レンズの球面収差が、光軸から離れるにしたがって、像面基準位置を間に挟んで物点側からその反対側に変化するものであり、以下の条件式(1);0.02<a/f<0.10、および(2);0.02<b/f、を満足するように構成されたことを特徴とするものである。ここでaは、撮像レンズの瞳の中央部を通る光の受ける、像面基準位置から物点側への球面収差の大きさ(最大球面収差)、bは、像面基準位置から物点側への最大球面収差とその反対側への最大球面収差との和、fは撮像レンズの焦点距離である。すなわち、撮像レンズの瞳の中央部において像面基準位置の前方(物点側)にレンズの焦点距離の1割近くまでの球面収差を有し、さらに光軸から離れた位置においては、像面基準位置の後方にも球面収差を有するもので、通常のレンズでは考えられないほど大きな球面収差を有することを特徴とするものである。そしてこれにより、このレンズにより撮像した原画像データにコントラスト回復処理を施してボケを補正した画像の画質の劣化を抑制しつつ被写界深度を拡大することができるという効果を奏することができる。
コントラスト回復処理は、例えば、フーリエ変換による画像復元処理で、画像のコントラストを強調することによりその画像の鮮鋭度を高める処理である。より具体的には、例えば、50本/mmまでしか解像していなかった画像を、70本/mmまで解像する画像に回復するような処理である。このコントラスト処理には、エッジ強調処理、ガンマ補正処理、またはコントラス強調処理等をも適用することができる。なお、この種の焦点深度拡大光学系を用いた復元処理に関しては、特許文献1乃至3の他に、特許第3275010号に詳細が記載されている。
撮像レンズの瞳の中央部は、像面基準位置よりも物点側にのみ球面収差を持つこの瞳中の領域であって、光軸上の領域をも含む領域である。
前記撮像レンズは、この撮像レンズの瞳半径を1としたときに、条件式(3);0.1<c<1.0、を満足するものとすることが望ましい。ここで、cは球面収差の像面基準位置からのずれ量が0.03×Fa/f以下となる領域(以後、球面収差最小領域ともいう)の光軸直交方向における長さ、Faは撮像レンズの実効Fナンバーである。すなわち光軸と直交する方向つまり光軸からの高さ方向の所定の範囲に亘って、球面収差が小さい領域を有することが望ましい。
さらに、前記撮像レンズは、瞳全体の面積に対する球面収差最小領域の面積の割合が、0.20より大きく、0.75より小さいものとすることが望ましい。
また、前記撮像レンズは、条件式(4);0.02<a/f<0.10、(5);0.02<b/f<0.2、(6);0.1<c<1.0<0.6、の全てを満足するものとすることがさらに望ましい。
前記撮像レンズは、条件式(7);0.30<Yu<0.90、を満足するものとすることが望ましい。ここで、Yuは球面収差最小領域の光軸直交方向における位置すなわち光軸からの高さであり、この条件式(7)はその球面収差最小領域の範囲を表す。
前記撮像レンズは、条件式(8);3<psfφ/Fa<15、を満足するものとすることが望ましい。ただし、psfφは基準点像直径である。
像面基準位置は、この撮像レンズを通して形成される光学像を撮像する撮像素子の1/2ナイキスト空間周波数におけるデフォーカスMTFのピーク位置である。
なお、1/2ナイキスト空間周波数は、この撮像レンズを通して形成される光学像を撮像する撮像素子の画素ピッチの2倍(2画素ピッチ分)を空間周波数の1/2サイクルに対応させたときのその空間周波数である。
例えば、後述する実施例においては、1.4μmピッチのBayer配列センサ(撮像素子)を想定しているため、このセンサの1/2ナイキスト空間周波数Nsω(1/2)は、Nsω(1/2)=1÷2÷1.4μm÷2≒179(本/mm)の演算により求めることができる。
また、撮像して得られた原画像データにコントラスト回復処理を施して画像のボケを補正する撮像装置に用いる撮像レンズは、予め、この撮像レンズに組み合わされる撮像素子の画素ピッチが定められているのが一般的ではあるが、組み合わされる撮像素子の画素ピッチが予め定められていないときには撮像レンズ単体で像面基準位置を規定することもできる。
すなわち、撮像レンズ単体で定められる像面基準位置は、撮像レンズの1/4ナイキスト空間周波数におけるデフォーカスMTFのピーク位置とすることができる。
例えば、撮像レンズの仕様を、Fナンバー;2.8、設計基準波長;587.6nmとすると、撮像レンズの1/4ナイキスト空間周波数Nlω(1/4)は、Nlω(1/4)=1÷2.8÷587.6nm÷4≒152(本/mm)の演算により求めることができる。
このように、センサナイキスト空間周波数は、センサナイキスト空間周波数=1÷2÷画素ピッチ、の式によって求められるものであり、レンズナイキスト空間周波数は、レンズナイキスト空間周波数=1÷Fナンバー÷波長、の式によって求められるものである。
なお、この像面基準位置は、撮像レンズの光軸上において最も解像力を得たい撮影距離の点(物点)から発せられる光線をこの撮像レンズに通したときに、光線と光軸直交平面との交わる領域(点像)の大きさが最も小さくなる、あるいは略最小となるこの光軸直交平面の光軸方向における位置でもある。
基準点像直径(psfφ)は、撮像レンズの光軸上において最も解像力を得たい撮影距離の点(物点)から発せられた光をこの撮像レンズに通したときに像面基準位置に形成される点像の直径である。
なお、光軸直交方向は、光軸と直交する方向、すなわちレンズの半径方向を意味する。また、光軸直交平面は、光軸と直交する平面を意味する。
この撮像レンズは、物体側から順に1枚以上のレンズからなる正のパワーを持つ第1レンズ群と、1枚以上のレンズからなる第2レンズ群とを備え、第2レンズ群の最も像側のレンズが、光軸上において負のパワーを持ち、光軸側から周辺側に向かうにしたがって負のパワーの弱くなる領域を有するものとすることができる。
さらに、この撮像レンズは、物体側から順に正のパワーを持つ第1レンズ、負のパワーを持つ第2レンズ、正のパワーを持つ第3レンズ、負のパワーを持つ第4レンズを配してなるものとすることができる。
第4レンズは、この第4レンズの像面側のレンズ面が非球面形状をなし、かつ、変曲点を有するものとすることができる。
また、この第4レンズは、その像面側のレンズ面が非球面形状をなし、かつ、光軸中心以外の領域に極点を有するものとすることができる。
本発明の撮像システムは、上記撮像レンズと、この撮像レンズを通して形成された光学像を撮像する撮像素子と、この撮像素子による光学像の撮像で得られた原画像データにコントラスト回復処理を施す画像処理手段とを備えた撮像システムであって、この画像処理手段が、コントラスト回復処理としてフーリエ変換を用いた画像復元処理を実施するものであることを特徴とするものである。
本発明の撮像レンズおよびこの撮像レンズを用いて撮像して得られた原画像データにコントラスト回復処理を施して画像のボケを補正する撮像装置によれば、画像の画質の劣化を抑制しつつ被写界深度を拡大することができる。
すなわち、このような球面収差を持つ撮像レンズによれば、撮影距離が遠い遠点(遠距離の被写体)から発せられ、撮像レンズの瞳の中央部を通った光線を像面基準位置の物点側に集光させ、撮像レンズの瞳の外周部を通った光線を像面基準位置の反物点側(物点側とは反対の側)に集光させ、撮像レンズの瞳の中央部と外周部との間の中間部を通った光線を上記物点側の集光位置と反物点側の集光位置との間に集光させることができ、これにより、撮像面を光軸方向に移動させたときにこの撮像面上に形成される光学像のボケが実用上許容できると見なされる移動距離、すなわち焦点深度を拡大させることができる。この拡大された焦点深度を拡大焦点深度という。
なお、上記拡大焦点深度の実用上許容できると見なされる範囲は、コントラスト回復処理を施すことによって実用上支障無く利用可能な画像に回復できるようなボケが生じている範囲である。すなわち、撮像レンズを通して形成された光学像の撮像で得られたボケた原画像を所定以上のコントラスト(例えばMTF特性が0.2である結像光学系を通して形成される光学像と同等のコントラスト)を持つ画像に回復する(鮮鋭度を高める)ことができるようなボケが生じている範囲である。
したがって、撮像面を、近点の拡大焦点深度と遠点の拡大焦点深度の両方に含まれる位置に配置することにより、近点および遠点の光学像(実用上許容できると見なされるボケた光学像)を撮像面上に同時に形成することができ、この撮像面に形成される共にボケている近点の光学像も遠点の光学像も、それらのボケはコントラスト回復処理によって回復される。
すなわち、この撮像レンズによれば、撮像レンズを通して撮像面に形成される点像が近点から遠点に亘る広範囲の撮影対象範囲のいずれに位置する物点を表すものであっても、この撮像面に形成される点像の大きさを実用上許容できる範囲内に抑えることができ、撮像面に形成されるそれらの点像の撮像で得られた原画像データにコントラスト回復処理を施すことにより、そのボケた原画像を、ノイズの混入を抑制しつつコントラストを高めてなる画像(多数の目標点像で構成された画像)に補正することができる。これにより、撮像レンズを用いた撮像で得られる原画像データにコントラスト回復処理を施して作成される画像の画質の劣化を抑制しつつこの撮像レンズの被写界深度を拡大することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。図1は本発明の実施の形態による撮像レンズおよびこの撮像レンズを用いた撮像システムを示す図である。図2は、横軸Zに光軸Z1方向の位置、縦軸Yに光軸直交方向の位置を示すZ-Y座標上に球面収差曲線を示す図である。図3は、横軸に光強度E、縦軸に光軸直交方向(Y方向)の位置を示すE−Y座標上に撮像レンズを通して形成される点像の光強度分布を示す図である。
図1に示す本発明の実施の形態による撮像レンズ100は、いずれの撮影距離に位置する被写体1についてもボケの付与された光学像Qを形成するものであり、このボケの付与された光学像Qを撮像して得られた原画像Goにコントラスト回復処理を施して、この原画像Goのボケを回復させてなるボケ回復画像Gkを得るための光学像形成用の撮像レンズである。
なお、コントラスト回復処理は、撮像レンズ100を通して撮像されたボケの与えられた光学像Qを表す原画像Goのコントラストを回復させることにより、ボケの補正された鮮鋭度の高いボケ回復画像Gkを得るものである。
より具体的には、例えば、50本/mmに対応する表示部分までしか視認できなかった画像を、70本/mmに対応する表示部分まで視認できる画像に補正する処理である。このコントラスト処理には、例えば、フーリエ変換による画像復元処理、エッジ強調処理、ガンマ補正処理、またはコントラス強調処理等を適用することができる。
この撮像レンズ100は、撮像ユニット200に備えられており、この撮像ユニット200の備える撮像素子210の撮像面211上に、ボケの与えられた上記光学像Qを形成するものである。
なお、撮像ユニット200は、上記ボケが与えられた光学像Qを形成する撮像レンズ100と、その光学像Qを撮像する撮像素子210とからなるものである。
さらに、本発明の撮像システム300は、上記ボケを与えた光学像Qを形成する撮像レンズ100とその光学像Qを撮像する撮像素子210とからなる撮像ユニット200と、撮像素子210による撮像で得られた光学像Qを表す原画像Goにコントラスト回復処理を施す画像処理部310と、画像処理部310でコントラスト回復処理を施して得られたボケ回復画像Gkを出力する画像出力部320とを備えている。画像出力部320から出力されたボケ回復画像Gkは表示部410に表示される。
この画像処理部310は、コントラスト回復処理として、フーリエ変換を用いた画像復元処理、エッジ強調処理、ガンマ補正処理、またはコントラス強調処理のうちの1つ、または2つ以上を組み合わせた処理を実施するものである。
撮像レンズ100は、撮像レンズ100の球面収差が、光軸から離れるにしたがって、像面基準位置を間に挟んで物点側(図2中の−Z方向)からその反対側(図2中の+Z方向)に変化するように構成されたものであり、この撮像レンズ100の球面収差を表す球面収差曲線が条件式(1);0.02<a/f<0.10、および条件式(2);0.02<b/f、を満足するように構成したものである。なお、後述する事例2〜16、および事例18がこの条件を満足している。
ここで、aは撮像レンズの瞳の中央部を通る光に関し、像面基準位置Zoを基準としたときの光軸方向物点側への球面収差曲線の最大ずれ量(図2参照)、bは光軸方向における球面収差曲線の最大幅であり(図2参照)、fは撮像レンズ100の焦点距離である。
この撮像レンズの瞳の中央部は、この瞳中の、像面基準位置よりも物点側にのみ球面収差を持つ部分であって、光軸上の領域をも含む部分である。すなわち、この撮像レンズの瞳の中央部は、像面基準位置よりも物点側にのみ球面収差を持つこの瞳中の領域であって、光軸上の領域をも含む連続した領域である。
条件式(1)の下限以下となるように撮像レンズ100を構成した場合には、前方(像面基準位置から物点側)への深度拡大効果が弱まり深度が低下してしまうことがある(図図4Aa、4Abに示すようになる)。
一方、条件式(1)の上限以上となるように撮像レンズ100を構成した場合にa/fの増大に伴い撮像レンズの瞳の中央部を通った光がより物点側に集光するため若干深度は拡大されるが、デメリット(psfφが増大)の方が大きくなってしまうことがある。
なお、b/fは0.3より小さくなるように定めることができる。
像面基準位置Zoは、撮像レンズ100を通して形成される光学像Qのコントラストが最も高くなる位置、あるいはコントラストが略最大となる位置である。
より具体的には、撮像レンズ100の光軸上の近点から遠点に致る全ての点(物点)から発せられた光線を撮像レンズ100に通したときに形成される点像の直径が最も小さくなる位置、あるいは点像の直径が略最小となる位置が像面基準位置Zoである。なお、この像面基準位置Zoに形成される上記点像を基準点像という、この基準点像の直径が基準点像直径(psfφ)である。
すなわち、撮像レンズ100を通して光学像が形成される光軸直交平面を光軸方向に移動させたとき(デフォーカスしたとき)にMTFの値が最も大きくなる光軸方向の位置である。ここでは、この像面基準位置Zoは、撮像面211の配される位置と一致するものとするが、必ずしも像面基準位置Zoを撮像面211の配される位置と一致させる必要はない。
図2に示す球面収差曲線Saは、撮像レンズ100の光軸Z1と撮像素子210の撮像面211(像面基準位置Zo)との交点を原点(0,0)とし、横軸Zに光軸Z1方向の位置、縦軸Yに光線が入射瞳に入る光軸直交方向の高さを示すZ-Y座標上に、入射瞳に入る光線(画角=0)の高さとこの入射瞳を通った光線が光軸と交わる位置との関係を示す図である。
この球面収差曲線Saは、光軸Z1に平行な光線(画角=0の光線)が撮像レンズ100の瞳を通るときの入射高(Y軸方向の位置)とその光線の集光位置(Z軸方向の位置)との関係を、上記入射高に応じて連続的に示す曲線である。
以下に、本願発明に必須の構成ではないが、本願発明における望ましい構成等について説明する。
撮像レンズ100は、この撮像レンズ100の瞳半径を1としたときに、撮像レンズ100の球面収差を表す球面収差曲線Saが条件式(3);0.1<c<1.0、を満足するように構成されたものとすることが望ましい。
ここで、cは像面基準位置Zoを間に挟んで、この像面基準位置Zoに対して光軸方向両側にそれぞれ距離tz(tz=(Fa/f)×0.03))だけ離れた2平面L1、L2(図2参照)の間の領域Arに含まれる球面収差曲線Saの光軸直交方向の長さである。Faは撮像レンズの実効Fナンバーの値である。
なお、後述する事例2〜事例18(ただし、事例17は本発明には含まれない)がこの条件を満足している。
条件式(3)の下限以下となるように撮像レンズ100を構成した場合には、cの低下に伴い深度は拡大されるがデメリット(psfφが増大)の方が大きくなってしまうことがある。
一方、条件式(3)の上限以上(c=1.0)となるように撮像レンズ100を構成した場合には球面収差が略ゼロであるため通常レンズ(深度拡大効果なし)となってしまう(事例1参照)。
なお、球面収差曲線Sa中の領域Arに含まれる領域が球面収差最小領域であり、この球面収差最小領域は、球面収差曲線Sa中の球面収差が一定となる領域、すなわち、球面収差曲線Sa中の領域Arに含まれる領域の光軸直交方向の長さである。
すなわち、この球面収差最小領域は、撮像レンズの瞳に入った光線の集光位置(光軸と交わる位置)が略一致するこの瞳中の領域に対応するものである。
距離tzは、被写体の光学像を諸収差を抑えて撮像面上に結像させる通常の結像光学系において実質的に球面収差の影響がないと考えられる焦点深度±0.03mmの範囲である。
なお、この距離tzは、焦点深度拡大光学系である撮像レンズ100の設計の基となる結像光学系からなる撮像レンズの持つ球面収差がレンズ性能上実質的に問題ないと考えられるこの球面収差の変動範囲と見なすこともできる。
ここで、撮像レンズ100は、例えば、撮像レンズ100の球面収差が、光軸から離れるにしたがって、像面基準位置を間に挟んで物点側からその反対側(反物点側)に変化するように、かつ、その変化の際に距離tz(球面収差の光軸方向への変動による光学像の劣化を実質的に無視することができる距離である光学像非劣化距離)以上反物点側から物点側に戻ることなく変化するように構成されたものとすることができる。
さらに、この撮像レンズ100は、撮像レンズ100の球面収差を表す球面収差曲線Saが、条件式(4);0.02<a/f<0.10、条件式(5);0.02<b/f<0.2、条件式(6);0.1<c<0.6、の全てを満足するように構成されたものとすることが望ましい。なお、後述する事例2〜事例16がこの条件を満足している。
さらに加えて、この撮像レンズ100は、撮像レンズ100の球面収差を表す球面収差曲線Saが、条件式(7);0.30<Yu<0.90、を満足するように構成されたものであることが望ましい。なお、後述する事例3〜事例16および事例18がこの条件を満足している。
ここで、Yuは、像面基準位置Zoを間に挟んで光軸Z方向両側にそれぞれ距離tzだけ離れた2平面L1、L2(図2参照)の間の領域R1に含まれる球面収差曲線Sa中の領域の光軸直交方向(図2中Y方向)の位置(瞳に入る光線の入射高)である。
すなわち、Yuは、球面収差曲線Sa中の球面収差最小領域内の光軸直交方向の位置である。
なお、図2に示すように、Yuの値の最大値Yu(max)とYuの最小値Yu(min)との差が上記値cとなる。また、条件式(7)は、「条件式;0.30<Yu(min)、Yu(max)<0.90」と記載することもできる。
条件式(7)の下限以下となるように撮像レンズ100を構成した場合には、Yuの減少に伴い前方(像面基準位置から物点側)への深度拡大効果が弱まり深度が低下(Yu≒0で図4Aa、4Abのようになる)
一方、条件式(7)の上限以上となるように撮像レンズ100を構成した場合にはYuの増加に伴い後方(像面基準位置から反物点側)への深度拡大効果が弱まるため深度が低下してしまうことがある。
一方、条件式(7)の上限以上となるように撮像レンズ100を構成した場合にはYuの増加に伴い後方(像面基準位置から反物点側)への深度拡大効果が弱まるため深度が低下してしまうことがある。
なお、Yuの影響は瞳を通過する光の量(面積)に依存するため、条件式(7)の上限以上となると極端に深度拡大効果が低下してしまうことがある。
また、この撮像レンズ100は、瞳全体の面積に対する球面収差最小領域の面積の割合が、0.20より大きく、0.75より小さいものとすることが望ましい。すなわち、撮像レンズ100の球面収差を表す球面収差曲線Saが条件式(J);0.20<d/e<0.75を満足するものとすることが望ましい。なお、後述する事例2〜事例16および事例19(ただし、事例19は本発明には含まれない)がこの条件を満足している。
ここで、d=π×(Yu(max))2 − π×(Yu(min))2、e=π×(Yw)2、Ywは、撮像レンズの瞳に入る光線の入射高の最大値(瞳半径)である(図2参照)。
なお、eは瞳半径の面積であり、dは条件式(7)で規定される範囲に対応する瞳中の領域の面積である。
条件式(J)の下限以下となるように撮像レンズ100を構成した場合には、d/eの低下に伴い深度は拡大されるがデメリット(psfφが増大)の方が大きくなってしまうことがある。
一方、条件式(J)の上限以上となるように撮像レンズ100を構成した場合にはd/eの増加に伴い深度が低下してしまう。
また、この撮像レンズ100は、撮像レンズ100の球面収差を表す球面収差曲線Saが条件式(8);3<psfφ/Fa<15を満足するものとすることが望ましい。なお、後述する事例2〜事例17および事例19(ただし、事例17および19は本発明には含まれない)がこの条件を満足している。
条件式(8)の下限以下となるように撮像レンズ100を構成した場合には、psfφの減少に伴い、深度拡大効果が弱まり深度が低下してしまう。
一方、条件式(8)の上限以上となるように撮像レンズ100を構成した場合には、psfφの増加に伴い深度は拡大されるがデメリット(画質劣化)の方が大きくなってしまうことがある。
より具体的には、図3に示すように、像面基準位置Zoと交わる光軸直交平面上に形成される点像(基準点像)Toの光強度分布Koについて、この光強度分布Koのピーク強度Kopに対して光強度が0.004倍となる光強度分布Ko中の最外周位置を結ぶ輪郭によって定められる円の平均直径を基準点像直径(psfφ)とすることができる。
この0.004倍は、ビットマップ形式で出力される画像データが8ビットの階調(256階調)を持つことから定めたものである。すなわち、点像のピーク強度Kopを256階調の最大値に対応する光強度としたときに、この256階調の最小値(ピーク強度Kopの1/256の光強度)に対応する光強度分布Ko中の位置をこの点像の最外周位置として規定するものである。
検出可能な1ビット分の光強度を持つ点像中の領域を、の1/256倍のその1ビット分
また、この撮像レンズ100は、物体側から順に1枚以上のレンズからなる正のパワーを持つ第1レンズ群と、1枚以上のレンズからなる第2レンズ群とを備え、第2レンズ群の最も像側のレンズが、光軸上において負のパワーを持ち、光軸側から周辺側に向かうにしたがって負のパワーの弱くなる領域を有すのものとすることができる。
また、この撮像レンズ100は、物体側から順に1枚以上のレンズからなる正のパワーを持つ第1レンズ群と、1枚以上のレンズからなる第2レンズ群とを備え、第2レンズ群の最も像側のレンズが、光軸上において負のパワーを持ち、光軸側から周辺側に向かうにしたがって負のパワーの弱くなる領域を有すのものとすることができる。
さらに、この撮像レンズ100は、物体側から順に、正のパワーを持つ第1レンズ、負のパワーを持つ第2レンズ、正のパワーを持つ第3レンズ、負のパワーを持つ第4レンズを配してなるものとすることができる。なお、後述する事例1〜事例19(ただし、事例17,19は本発明には含まれない)がこの条件を満足している。
上記第4レンズは、この第4レンズの像面側のレンズ面が非球面形状をなし、かつ、変曲点を有するものとしてもよい。なお、後述する事例1〜事例19(ただし、事例17,19は本発明には含まれない)がこの条件を満足している。
また、第4レンズの像面側のレンズ面が非球面形状をなし、かつ、光軸中心以外の領域に極点を有するものとしてもよい。なお、後述する事例1〜事例19(ただし、事例17,19は本発明には含まれない)がこの条件を満足している。
撮像システム300の画像処理部310によって実行されるコントラスト回復処理は、画像復元処理、エッジ強調処理、ガンマ補正、コントラスト強調処理のうち、2つ以上を組み合わせて実施するものとすることもできる。
なお、画像復元処理、エッジ強調処理、ガンマ補正、コントラスト強調処理は、従来より知られている手法を採用することができる。
次に、本発明の撮像レンズの作用、特にこの撮像レンズの持つ球面収差の作用について説明する。
なお、後述する参照例4および5の撮像レンズは、本発明の撮像レンズであるが、参照例1〜3の撮像レンズは、本発明の撮像レンズには含まれない。
なお、以下の参照例1〜5の撮像レンズに関する説明は、いずれも、各撮像レンズの光軸Z1上から発せられた光線について説明するものである。
<説明1>
図4Aa、4Abは、参照例1の撮像レンズLh1に関する図である。図4Aaは、横軸Zに光軸Z1方向の位置、縦軸Yに光軸直交方向の位置を示すZ-Y座標上に、撮像レンズLh1の球面収差を表す球面収差曲線Sah1を示す図である。図4Abは、この撮像レンズLh1を通った光線の光路と、この撮像レンズLh1の光軸上から発せられた光線を撮像レンズLh1に通すことにより像面基準位置Zoh1に形成される点像の直径である基準点像直径(psfφh1)と、この撮像レンズLh1の拡大焦点深度bh1等を示す図である。
図4Aa、4Abは、参照例1の撮像レンズLh1に関する図である。図4Aaは、横軸Zに光軸Z1方向の位置、縦軸Yに光軸直交方向の位置を示すZ-Y座標上に、撮像レンズLh1の球面収差を表す球面収差曲線Sah1を示す図である。図4Abは、この撮像レンズLh1を通った光線の光路と、この撮像レンズLh1の光軸上から発せられた光線を撮像レンズLh1に通すことにより像面基準位置Zoh1に形成される点像の直径である基準点像直径(psfφh1)と、この撮像レンズLh1の拡大焦点深度bh1等を示す図である。
なお、拡大焦点深度は、この拡大焦点深度の範囲内に撮像面を位置させ、この撮像面上に撮像レンズを通して形成された光学像を撮像し、この撮像によって得られた原画像にコントラスト回復処理を施すことにより、実用上許容できる画像品質を持つボケ回復画像が得られるように定められた深度である。
この拡大焦点深度は、被写体の光学像を諸収差を抑えて撮像面上に結像させる通常の結像光学系における焦点深度に対応するものである。
図4Aa示す球面収差を持たせた参照例1の撮像レンズLh1では、撮像レンズLh1の瞳の中央部を通った光線Kuh1が、球面収差曲線Sah1中の中央部Juh1(光軸側)に示す収差の影響を受けて像面基準位置Zoh1よりも物点側に集光される。また、撮像レンズLh1の瞳の周辺部を通った光線Kih1は、球面収差曲線Sah1中の周辺部Jih1に示す収差の影響を受けて像面基準位置Zoh1の物点側とは反対側(以後、反物点側ともいう)に集光される(図4Ab参照)。
なお、撮像レンズを通った光線が集光する最も物点側の位置から、撮像レンズを通った光線が集光する最も反物点側の位置までの範囲が、拡大焦点深度の範囲と概略一致する。
なお、後述する参考焦点深度は、拡大焦点深度としては認められない範囲を示すものであり、参考までに示される深度である。
このように、撮像レンズLh1を通る光線の位置(入射高)によって各光線の光軸方向における集光位置が異なることにより、この撮像レンズLh1の拡大焦点深度の範囲を拡大させる効果が生じる。
また、基準点像直径(psfφh1)は、基準点像を形成する光線の像面基準位置Zoh1における太さである。また、図4Aaに示す撮像レンズLh1の球面収差曲線Sah1の最大幅Sbh1の値と、図4Abに示す撮像レンズLh1の拡大焦点深度bh1の値とが概略一致する。
なお、像面基準位置は、撮像レンズの光軸上の近点と遠点との間に位置する物点から発せられ撮像レンズを通った各光線が最も密に集まる位置であり、例えば、撮像レンズを通して光軸直交平面上に形成された光学像のMTFの値を測定しつつ、その光軸直交平面を光軸方向(深度方向)に移動させたときに、MTFの値が最大となる位置(コントラストが最大となるMTFピーク位置)として定めることができる。
なお、この像面基準位置は、球面収差曲線の形状(曲線の傾斜角度や、傾斜開始位置等)によって変化する。
なお、以下に説明する図4Ba〜図4Eaは、図4Aaの場合と同様の座標上に球面収差曲線を示すものである。また、以下に説明する図4Bb〜図4Ebは、図4Abの場合と同様に、撮像レンズを通った光線の光路と、この撮像レンズの光軸上から発せられた光線を撮像レンズに通すことにより像面基準位置に形成される点像の直径である基準点像直径(psfφ)と、この撮像レンズの拡大焦点深度や、参考焦点深度等を示すものである。
<説明2>
図4Ba、4Bbは、参照例2の撮像レンズLh2に関する図である。図4Baは撮像レンズLh2の球面収差を表す球面収差曲線を示すものである。図4Baは、この撮像レンズLh2を通った光線の光路、この光線によって形成される点像の基準点像直径(psfφh2)、およびこの撮像レンズLh2の参考焦点深度bh2等を示す図である。
図4Ba、4Bbは、参照例2の撮像レンズLh2に関する図である。図4Baは撮像レンズLh2の球面収差を表す球面収差曲線を示すものである。図4Baは、この撮像レンズLh2を通った光線の光路、この光線によって形成される点像の基準点像直径(psfφh2)、およびこの撮像レンズLh2の参考焦点深度bh2等を示す図である。
この撮像レンズLh2は、説明済みの参照例1の撮像レンズLh1の場合に比して球面収差曲線の最大幅がさらに大きくなるように球面収差を与えたものである。
図4Baに示される球面収差を持たせた撮像レンズLh2においては、説明済みの撮像レンズLh1と同様に、撮像レンズLh2の瞳の中央部を通った光線Kuh2が、球面収差曲線Sah2中の中央部Juh2(光軸側)に示す収差の影響を受けて像面基準位置Zoh2よりも物点側に集光される。また、撮像レンズLh2の瞳の周辺部を通った光線Kih2は、球面収差曲線Sah2中の周辺部Jih2に示す収差の影響を受けて像面基準位置Zoh2の反物点側に集光される(図4Bb参照)。
したがって、このような球面収差を与えた撮像レンズLh2の参考焦点深度bh2は、説明済みの撮像レンズLh1の拡大焦点深度bh1よりも拡大される。
しかしながら、拡大焦点深度の範囲の拡大に伴い基準点像直径(psfφh2)が拡大すると、この撮像レンズLh2を通して形成された原画像にコントラスト回復処理を施すときのデメリットが増大してしまうため、球面収差曲線Sah2の最大幅sbh2の拡大には限度がある。
すなわち、球面収差曲線Sah2の最大幅sbh2を大きくすることにより基準点像直径(psfφh2)が大きくなり、そのような径の大きな多数の点像で構成される光学像を撮像して得られた原画像にコントラスト回復処理を施すと、その処理によって原画像に含まれるノイズが増大されこのボケ回復画像の画質が劣化する。また、基準点像直径(psfφh2)の拡大はアーチファクト(偽解像)の発生にも繋がり、画質を劣化させることもある。
すなわち、基準点像直径(psfφh2)が大きくなると、コントラストを回復させるための処理に使用する(基準点像直径(psfφh2)の範囲内に位置する)原画像中の画素数が増加して演算量が多くなったり、コントラストを回復させるための処理対象とする面積(基準点像直径(psfφh2)の範囲)の増大に伴いその範囲に含まれる信号成分よりもノイズ成分の割合の方が多くなったりするため、原画像にコントラスト回復処理を施して得られるボケ回復画像に含まれるノイズが増大されるなど画質が劣化する。
このことは、上記のように、単に撮像レンズの球面収差を大きくしただけでは、被写界深度の拡大と良好な画質とを両立させてボケ回復画像を得ることが難しいことを示している。
<説明3>
図4Ca、4Cbは、参照例3の撮像レンズLh3に関する図である。図4Caは撮像レンズLh3の球面収差を表す球面収差曲線Sah3を示す図である。図4Cbは、この撮像レンズLh3を通った光線の光路と、この光線によって形成される点像の基準点像直径(psfφh3)と、この撮像レンズLh3の参考焦点深度bh3等を示す図である。
図4Ca、4Cbは、参照例3の撮像レンズLh3に関する図である。図4Caは撮像レンズLh3の球面収差を表す球面収差曲線Sah3を示す図である。図4Cbは、この撮像レンズLh3を通った光線の光路と、この光線によって形成される点像の基準点像直径(psfφh3)と、この撮像レンズLh3の参考焦点深度bh3等を示す図である。
この撮像レンズLh3は、説明済みの撮像レンズLh1や撮像レンズLh2の持つ球面収差とは逆の特性からなる球面収差を持つものである。
すなわち、図4Caに示すように、参照例3の撮像レンズLh3は、この撮像レンズLh3の瞳の中央部を通った光線Kuh3が、球面収差曲線Sah3中の中央部Juh3(光軸側)に示す収差の影響を受けて像面基準位置Zoh3よりも反物点側に集光される。また、撮像レンズLh3の瞳の周辺部を通った光線Kih3は、球面収差曲線Sah3中の周辺部Jih3に示す収差の影響を受けて像面基準位置Zoh3の物点側に集光される(図4Cb参照)。
このような球面収差の付与された撮像レンズLh3は、球面収差曲線Sah3の最大幅sbh3が説明済みの撮像レンズLh2の球面収差曲線Sah2の最大幅sbh2よりも小さい。そのため、撮像レンズLh3の参考焦点深度bh3の範囲は縮小される。しかしながら、このように撮像レンズLh3の参考焦点深度bh3の範囲が縮小されても、撮像レンズLh3の基準点像直径(psfφh3)は、上記撮像レンズLh2の基準点像直径(psfφh2)よりも大きくなる。
したがって、撮像レンズLh3では被写界深度が拡大されず、さらに、基準点像直径(psfφh3)が大きくなるため、撮像レンズLh3を通して取得した原画像にコントラスト回復処理を施して得られたボケ回復画像に含まれるノイズが増大しこのボケ回復画像の画質も劣化する。
<説明4>
図4Da、4Dbは、本発明の撮像レンズである参照例4の撮像レンズLh4に関する図である。図4Daは撮像レンズLh4の球面収差を表す球面収差曲線Sah4を示す図である。図4Dbは、この撮像レンズLh4を通った光線の光路と、この光線によって形成される点像の基準点像直径(psfφh4)と、この撮像レンズLh4の拡大焦点深度bh4等を示す図である。
図4Da、4Dbは、本発明の撮像レンズである参照例4の撮像レンズLh4に関する図である。図4Daは撮像レンズLh4の球面収差を表す球面収差曲線Sah4を示す図である。図4Dbは、この撮像レンズLh4を通った光線の光路と、この光線によって形成される点像の基準点像直径(psfφh4)と、この撮像レンズLh4の拡大焦点深度bh4等を示す図である。
この撮像レンズLh4は、球面収差曲線Sah4の最大幅Sbh4を、説明済みの参照例1の撮像レンズLh1の最大幅Sbh1よりも大きくするとともに、この球面収差曲線Sah4中に、この撮像レンズLh4の瞳を通る光線の入射高が変化してもその光線の集光位置が光軸方向に変化しないようにする部分である球面収差最小領域(後述の中間部Jvh4)を持たせたものである。
図4Daに示すように、参照例4の撮像レンズLh4は、この撮像レンズLh4の瞳の最外周領域である外周部を通った光線Kgh4が、球面収差曲線Sah4中の外周部JGh4に示す収差の影響を受けて像面基準位置Zoh4よりも反物点側に集光される(図4Db参照)。また、撮像レンズLh4の瞳の中央部を通った光線Kwh4は、球面収差曲線Sah4中の中央部Jwh4(最も光軸側)に示す収差の影響を受けて像面基準位置Zoh3よりも物点側に集光される(図4Db参照)。さらに、撮像レンズLh4の瞳の外周部と中央部との間の中間部を通った光線Kvh4は、球面収差曲線Sah4中の中間部Jvh4に示す収差の影響を受けて、上記外周部を通った光線Kgh4の集光位置と中央部を通った光線Kwh4の集光位置との間に集光される(図4Db参照)。
この撮像レンズLh4は、球面収差曲線Sah4の最大幅sbh4が、説明済みの撮像レンズLh1の球面収差曲線Sah1の最大幅sbh1よりも大きい。そのため、撮像レンズLh4の拡大焦点深度bh4の範囲は撮像レンズLh1の場合より拡大される。
ここで、撮像レンズLh4の球面収差曲線Sah4の最大幅Sbh4と、撮像レンズLh4の拡大焦点深度bh4とは略一致する。
さらに、このように撮像レンズLh4の拡大焦点深度bh4の範囲が拡大されても、撮像レンズLh4を通して像面基準位置Zoh4に形成される基準点像直径(psfφh4)の拡大は抑制される。したがって、この撮像レンズLh4の基準点像直径(psfφh4)は、上記撮像レンズLh2の基準点像直径(psfφh2)よりも小さくなる。
これにより、撮像レンズLh4では、基準点像直径(psfφh4)の拡大を抑制しつつ被写界深度を拡大することができる。
すなわち、撮像レンズLh4を通して形成される多数の点像(基準点像直径(psfφh4)を有する点像)からなる光学像を撮像して得られる原画像にコントラスト回復処理を施して得られるボケ回復画像は、近距離から遠距離に亘るいずれの被写体についても所定以上のコントラストを持つ、深度が深く画質の良い画像とすることができる。
<説明5>
図4Ea、4Ebは、本発明の撮像レンズである参照例5の撮像レンズLh5に関する図である。図4Eaは撮像レンズLh5の球面収差を表す球面収差曲線Sah5を示す図である。図4Ebは、この撮像レンズLh5を通った光線の光路と、この光線によって形成される点像の基準点像直径(psfφh5)と、この撮像レンズLh5の拡大焦点深度bh5等を示す図である。
図4Ea、4Ebは、本発明の撮像レンズである参照例5の撮像レンズLh5に関する図である。図4Eaは撮像レンズLh5の球面収差を表す球面収差曲線Sah5を示す図である。図4Ebは、この撮像レンズLh5を通った光線の光路と、この光線によって形成される点像の基準点像直径(psfφh5)と、この撮像レンズLh5の拡大焦点深度bh5等を示す図である。
この撮像レンズLh5は、球面収差曲線Sah5の最大幅bh5を、説明済みの参照例1の撮像レンズLh1の最大幅bh1に比して大きくしたものである。さらに、この撮像レンズLh5は、入射高の増大(図4EaのY軸の値の増加)に伴いその入射高を通る光線の集光位置を光軸方向の反物点側に移動させるような球面収差を持つものである。
図4Eaに示すように、参照例5の撮像レンズLh5は、この撮像レンズLh5の瞳の最外周領域である外周部を通った光線Kgh5が、球面収差曲線Sah5中の外周部Jgh5に示す収差の影響を受けて像面基準位置Zoh5よりも反物点側に集光される(図4Eb参照)。また、撮像レンズLh5の瞳の中央部を通った光線Kwh5は、球面収差曲線Sah5中の中央部Jwh5(最も光軸側)に示す収差の影響を受けて像面基準位置Zoh5よりも物点側に集光される(図4Eb参照)。さらに、撮像レンズLh5の瞳の外周部と中央部との間の中間部を通った光線Kvh5は、球面収差曲線Sah5中の中間部Jvh5に示す収差の影響を受けて、上記外周部を通った光線Kgh5の集光位置と中央部を通った光線Kwh5の集光位置との間に集光される(図4Eb参照)。
したがって、このような球面収差の付与された撮像レンズLh5は、上記参照例4の撮像レンズLh4と同様に、球面収差曲線Sah5の最大幅sbh5が、説明済みの撮像レンズLh1の球面収差曲線Sah1の最大幅sbh1よりも大きくなる。そのため、撮像レンズLh5の拡大焦点深度bh5の範囲は拡大される。
ここでも、撮像レンズLh5の球面収差曲線Sa5の最大幅Sbh5と、撮像レンズLh5の拡大焦点深度bh5とは略一致する。
さらに、撮像レンズLh5の拡大焦点深度bh5の範囲が拡大されても、撮像レンズLh5の基準点像直径(psfφh5)の拡大は抑制される。この、撮像レンズLh5の基準点像直径(psfφh5)は、説明済みの撮像レンズLh2の基準点像直径(psfφh2)よりも小さくなる。したがって、撮像レンズLh5においても、基準点像直径(psfφh5)の拡大を抑制しつつ被写界深度を拡大する効果を得ることができる。
すなわち、撮像レンズLh5を通して形成される多数の点像(基準点像直径(psfφh5)を有する点像)からなる光学像を撮像して得られる原画像にコントラスト回復処理を施して得られるボケ回復画像は、近距離から遠距離に亘るいずれの被写体についても所定以上のコントラストを持つ、深度が深く画質の良い画像とすることができる。
なお、この撮像レンズLh5の球面収差曲線Sah5の最大幅sbh5と、説明済みの撮像レンズLh4の球面収差曲線Sah4の最大幅sbh4とは略等しいので、撮像レンズLh5の拡大焦点深度bh5と撮像レンズLh4の拡大焦点深度bh4とは略等しい。
一方、撮像レンズLh5の基準点像直径(psfφh5)(事例16、図20L,M参照)よりも、説明済みの撮像レンズLh4の基準点像直径(psfφh4)(例えば、事例15、図19L,M参照)の方が小さいので、説明済みの撮像レンズLh4を用いて得られたボケ回復画像は、撮像レンズLh5を用いて得られたボケ回復画像よりもノイズやアーチファクトが少ないより品質の高い画像とすることができる。
この効果は、説明済みの撮像レンズLh4の球面収差曲線Sah5中に、この撮像レンズLh4の瞳に入る光線の入射高が変化してもその光線の集光位置が光軸方向(図中Z方向)に変化しないようにする部分(球面収差最小領域)を持たせたことによるものである。
<説明6>
次に、図4Fを参照して、本発明の撮像レンズによる被写界深度拡大の効果について説明する。
次に、図4Fを参照して、本発明の撮像レンズによる被写界深度拡大の効果について説明する。
図4Fは、近点から発せられた光を撮像レンズに通して集光させた様子と、遠点から発せられた光を撮像レンズに通して集光させた様子とを比較して示す図である。図4F中の上部の図が近点に関する図、図4F中の下部の図が遠点に関する図である。
図4F中の上部に示すように、光軸Z1上の近点Hp1から発せられ、撮像レンズLの瞳の外周部を通った光線Kgp1は、光軸上の位置Zgp1に正確にボケることなく結像される。また、光軸上の近点Hp1から発せられ、撮像レンズLの瞳の中央部を通った光線Kwp1は、光軸上の上記位置Zgp1よりも物点側の位置Zwp1に正確にボケることなく結像される。さらに、光軸上の近点Hp1から発せられ、撮像レンズLの瞳の中間部を通った光線Kvp1は、光軸上の上記位置Zgp1と位置Zwp1との間の位置Zvp1に正確にボケることなく結像される。
すなわち、光軸上の近点Hp1を表す正確な光学像が、光軸上の位置Zgp1から位置Zwp1に亘る全ての位置に形成される。
しかしながら、光軸上の位置Zgp1から位置Zwp1に亘る各位置には、近点Hp1とは異なる位置から発せられて光軸を通った、上記近点Hp1を表す光学像の形成には寄与しないノイズとなる光線等も到達する。したがって、光軸上の位置Zgp1から位置Zwp1に亘る各位置には、近点Hp1を表してはいるがボケた光学像が形成される。
ここで、近点Hp1についての拡大焦点深度は、概略光軸上の位置Zgp1から位置Zwp1の範囲となる。
一方、図4F中の下部に示すように、光軸上の遠点Hp2から発せられ、撮像レンズLの瞳の外周部を通った光線Kgp2は、光軸上の位置Zgp2に正確にボケることなく結像される。また、光軸上の遠点Hp2から発せられ、撮像レンズLの瞳の中央部を通った光線Kwp2は、光軸上の上記位置Zgp2よりも物点側の位置Zwp2に正確にボケることなく結像される。さらに、光軸上の遠点Hp2から発せられ、撮像レンズLの瞳の中間部を通った光線Kvp2は、光軸上の上記位置Zgp2と位置Zwp2との間の位置Zvp2に正確にボケることなく結像される。
すなわち、光軸上の遠点Hp2を表す正確な光学像が、光軸上の位置Zgp2から位置Zwp2に亘る全ての位置に形成される。
しかしながら、光軸上の位置Zgp2から位置Zwp2に亘る各位置には、遠点Hp2とは異なる位置から発せられて光軸を通った、上記遠点Hp2を表す光学像の形成には寄与しないノイズとなる光線等も到達する。したがって、光軸上の位置Zgp2から位置Zwp2に亘る各位置には、遠点Hp2を表してはいるがボケた光学像が形成される。
ここで、遠点Hp2についての拡大焦点深度は、概略光軸上の位置Zgp2から位置Zwp2の範囲となる。
ここで、近点Hp1についての拡大焦点深度である位置Zgp1から位置Zwp1に亘る領域と、遠点Hp2についての拡大焦点深度である位置Zgp2から位置Zwp2に亘る領域とがオーバラップする領域Zover中には、近点Hp1から遠点Hp2に亘る光軸上のいずれの点についてもボケた状態ではあるが実用上許容できる状態の光学像を形成可能となる。
なお、実用上許容できる状態のボケた光学像とは、このボケた光学像に対してコントラスト回復処理を施すことにより実用上支障の無い画像に回復することができる光学像である。
したがって、領域Zoverは、近点Hp1から遠点Hp2亘る光軸上の全ての点についての拡大焦点深度となるので、この領域Zover中に撮像素子の撮像面を配置することにより、近点Hp1から遠点Hp2に亘るいずれの位置に配された被写体についても、撮像レンズLの拡大焦点深度内で撮像することができる。
このような本発明の撮像レンズの作用により、この撮像レンズの被写界深度の拡大とこの撮像レンズを介して得られるボケ回復画像の画質低下の抑制とを両立させることができる。
なお、本発明の撮像レンズを例えば携帯電話のカメラに適用する場合には、撮像面に形成される近点Hp1に位置する被写体の光学像の解像度よりも、この撮像面に形成される遠点Hp2に位置する被写体の光学像の解像度の方を高くするように、上記領域Zover中に配置する撮像面の位置を定めることが望ましい。
すなわち、携帯電話に設けられたカメラで至近距離を撮影する用途は、主に文字の撮影であり、このような文字の撮影で得られる画像に要求されるのは画質ではなく、文字が識別できるかどうかである。したがって、近点Hp1から発せられ撮像面に入射する光線の光束は、遠点Hp2から発せられ撮像面に入射する光線の光束よりある程度太くなってもかまわない。
このような、至近距離の被写体の撮影に対してフレアが許容される(低周波の解像度が要求されない)用途には、上記のような球面収差を持つ本願発明の撮像レンズの使用が特に適している。なお、高周波の解像度はある程度なければ文字が読めない。
<具体的な実施例>
次に、図5(図5A〜5N)〜図23(図23A〜23N)、図24、および表1(表1A〜1B)〜表19(表19A〜19B)、表20A、表20Bを参照し、事例1〜事例19の各撮像レンズについて説明する。
次に、図5(図5A〜5N)〜図23(図23A〜23N)、図24、および表1(表1A〜1B)〜表19(表19A〜19B)、表20A、表20Bを参照し、事例1〜事例19の各撮像レンズについて説明する。
なお、上記表1A〜表20Bについてはこれらの表を最後にまとめて表示する。
事例1の撮像レンズは、収差を極力小さくするように設計した結像光学系からなる撮像レンズであり、光学像にボケを与えることなく撮像面上にその光学像を結像させるものである。
事例2〜事例19の撮像レンズは、被写界深度を拡大するためにボケの付与された光学像を形成するための撮像レンズである。これらの撮像レンズは、ボケの付与された光学像を撮像して得られる原画像にコントラスト回復処理を施して広範囲の撮影距離に亘ってその原画像のコントラストを高めてなるボケ回復画像を得るために用いられるものである。
なお、事例2〜18の撮像レンズは本発明の撮像レンズの条件を満たすものであるが、事例1および事例19の撮像レンズは本発明の撮像レンズの条件を満たすものではない。
なお、事例1の撮像レンズは、事例2〜19の撮像レンズの基になるものである。
図5A〜図5N、および表1A、1Bは、事例1の撮像レンズに関するデータを示すものである。
図6A〜図6N、および表2A、2Bは、事例2の撮像レンズに関するデータを示すものである。
図7A〜図7N、および表3A、3Bは、事例3の撮像レンズに関するデータを示すものである。
図8A〜図8N、および表4A、4Bは、事例4の撮像レンズに関するデータを示すものである。
図9A〜図9N、および表5A、5Bは、事例5の撮像レンズに関するデータを示すものである。
図10A〜図10N、および表6A、6Bは、事例6の撮像レンズに関するデータを示すものである。
図11A〜図11N、および表7A、7Bは、事例7の撮像レンズに関するデータを示すものである。
図12A〜図12N、および表8A、8Bは、事例8の撮像レンズに関するデータを示すものである。
図13A〜図13N、および表9A、9Bは、事例9の撮像レンズに関するデータを示すものである。
図14A〜図14N、および表10A、10Bは、事例10の撮像レンズに関するデータを示すものである。
図15A〜図15N、および表11A、11Bは、事例11の撮像レンズに関するデータを示すものである。
図16A〜図16N、および表12A、12Bは、事例12の撮像レンズに関するデータを示すものである。
図17A〜図17N、および表13A、13Bは、事例13の撮像レンズに関するデータを示すものである。
図18A〜図18N、および表14A、14Bは、事例14の撮像レンズに関するデータを示すものである。
図19A〜図19N、および表15A、15Bは、事例15の撮像レンズに関するデータを示すものである。
図20A〜図20N、および表16A、16Bは、事例16の撮像レンズに関するデータを示すものである。
図21A〜図21N、および表17A、17Bは、事例17の撮像レンズに関するデータを示すものである。
図22A〜図22N、および表18A、18Bは、事例18の撮像レンズに関するデータを示すものである。
図23A〜図23N、および表19A、19Bは、事例19の撮像レンズに関するデータを示すものである。
図24は、事例1〜事例19の撮像レンズそれぞれの基準点像直径(psfφ)と深度(拡大焦点深度、参考焦点深度)とをまとめて示す図である。
表1A、1Bは事例1のレンズ設計上の基本データを示す表である。
表2A、2Bは事例2のレンズ設計上の基本データを示す表である。
表3A、3Bは事例3のレンズ設計上の基本データを示す表である。
表4A、4Bは事例4のレンズ設計上の基本データを示す表である。
表5A、5Bは事例5のレンズ設計上の基本データを示す表である。
表6A、6Bは事例6のレンズ設計上の基本データを示す表である。
表7A、7Bは事例7のレンズ設計上の基本データを示す表である。
表8A、8Bは事例8のレンズ設計上の基本データを示す表である。
表9A、9Bは事例9のレンズ設計上の基本データを示す表である。
表10A、10Bは事例10のレンズ設計上の基本データを示す表である。
表11A、11Bは事例11のレンズ設計上の基本データを示す表である。
表12A、12Bは事例12のレンズ設計上の基本データを示す表である。
表13A、13Bは事例13のレンズ設計上の基本データを示す表である。
表14A、14Bは事例14のレンズ設計上の基本データを示す表である。
表15A、15Bは事例15のレンズ設計上の基本データを示す表である。
表16A、16Bは事例16のレンズ設計上の基本データを示す表である。
表17A、17Bは事例17のレンズ設計上の基本データを示す表である。
表18A、18Bは事例18のレンズ設計上の基本データを示す表である。
表19A、19Bは事例19のレンズ設計上の基本データを示す表である。
表20Aは、事例1〜事例19の撮像レンズそれぞれの球面収差、および各撮像レンズを通して形成される点像に関するデータについてまとめて示す図である。
表20Bは、事例1〜事例19の撮像レンズそれぞれの深度や深度MTFに関するデータについてまとめて示す図である。
<表1A〜表19Aの説明>
表1A〜表19Aに示す事例1〜事例23の撮像レンズのレンズデータにおいて、レンズ等の光学部材の面番号を物体側から像側に向かうに従い順次増加するi番目(i=1、2、3、・・・)の面番号として示す。なお、これらのレンズデータには、開口絞りの面番号(i=1)、平行平面板であるカバーガラスの物体側の面と像側の面の面番号(i=10、11)、および撮像面の面番号(i=12)等も含めて記載している。
表1A〜表19Aに示す事例1〜事例23の撮像レンズのレンズデータにおいて、レンズ等の光学部材の面番号を物体側から像側に向かうに従い順次増加するi番目(i=1、2、3、・・・)の面番号として示す。なお、これらのレンズデータには、開口絞りの面番号(i=1)、平行平面板であるカバーガラスの物体側の面と像側の面の面番号(i=10、11)、および撮像面の面番号(i=12)等も含めて記載している。
表1A、2A、・・・11Aの各表中のRiはi番目の面の近軸曲率半径を示し、Diはi番目の面とi+1番目の面との光軸Z1上の面間隔を示す。なお、レンズデータの符号Riは、図1中のレンズ面を示す符号Riと対応している。
また、表1A、2A、・・・11A中に示す記号Ndjは物体側から像側に向かうに従い順次増加するj番目の光学要素のd線(波長587.6nm)に対する屈折率を示し、νdjはj番目の光学要素のd線に対するアッベ数を示す。
なお、事例1〜事例23の撮像レンズの設計基準波長は546.1nmである。
さらに、表1A〜表19Aの最下部に、事例1〜19の撮像レンズそれぞれの焦点距離およびF値を示す。
なお、近軸曲率半径、面間隔、焦点距離の単位はmmであり、近軸曲率半径は物体側に凸の場合を正、像側に凸の場合を負としている。
<表1B〜表19Bの説明>
表1B〜表19Bに、事例1〜19の各撮像レンズを構成する非球面Riを表す非球面式の各係数K、A3、A4、A5、・・・の値を示す。
表1B〜表19Bに、事例1〜19の各撮像レンズを構成する非球面Riを表す非球面式の各係数K、A3、A4、A5、・・・の値を示す。
なお、各非球面は下記非球面式により定義されるものである。
<図5A〜図23Aの説明>
図5A〜図23Aは、事例1〜事例23の撮像レンズそれぞれの概略構成を示す断面図である。なお、各図中には、3種類の入射高で撮像面へ入射する光線の軌跡等が示されている。
図5A〜図23Aは、事例1〜事例23の撮像レンズそれぞれの概略構成を示す断面図である。なお、各図中には、3種類の入射高で撮像面へ入射する光線の軌跡等が示されている。
また、図中の符号R1、R2、・・・は以下の構成要素を指している。すなわち、R1は開口絞り、R2とR3は第1レンズL1の物体側のレンズ面と像側のレンズ面、R4とR5は第2レンズL2の物体側のレンズ面と像側のレンズ面、R6とR7は第3レンズL3の物体側のレンズ面と像側のレンズ面、R8とR9は第4レンズL4の物体側のレンズ面と像側のレンズ面、R10とR11は第5レンズL5であるカバーガラスの物体側の表面と像側の表面、R12は撮像面を示している。
<図5B〜図23Bの説明>
図5B〜図23Bは、事例1〜19の各撮像レンズの球面収差を示す図である。
図5B〜図23Bは、事例1〜19の各撮像レンズの球面収差を示す図である。
<図5C〜図23Cの説明>
図5C〜図23Cは、事例1〜19の各撮像レンズの設計基準波長(546.1nm)における収差を示すものであり、左側に非点収差、右側に歪曲収差を示す図である。
図5C〜図23Cは、事例1〜19の各撮像レンズの設計基準波長(546.1nm)における収差を示すものであり、左側に非点収差、右側に歪曲収差を示す図である。
<図5D〜図23Dの説明>
図5D〜図23Dは、事例1〜19の各撮像レンズの設計基準波長におけるコマ収差を示す図である。
図5D〜図23Dは、事例1〜19の各撮像レンズの設計基準波長におけるコマ収差を示す図である。
<図5E〜図23Eの説明>
図5E〜図23Eは、事例1〜19の各撮像レンズの設計基準波長におけるスポットダイアグラムを示すものであり、各撮像レンズを通して撮像面上の各位置に形成された(3種類の入射高で撮像面に入射して形成された)各スポットのデフォーカス時の変化を示すものである。ここでは、デフォーカス量として、撮像面を光軸Z1方向に−100μm、−50μm、±0μm、+50μm、+100μm平行移動させたときにこの撮像面に形成されるスポットの形状を示している。
図5E〜図23Eは、事例1〜19の各撮像レンズの設計基準波長におけるスポットダイアグラムを示すものであり、各撮像レンズを通して撮像面上の各位置に形成された(3種類の入射高で撮像面に入射して形成された)各スポットのデフォーカス時の変化を示すものである。ここでは、デフォーカス量として、撮像面を光軸Z1方向に−100μm、−50μm、±0μm、+50μm、+100μm平行移動させたときにこの撮像面に形成されるスポットの形状を示している。
<図5F〜図23Fの説明>
図5F〜図23Fは、事例1〜19の各撮像レンズの設計基準波長における空間周波数MTF特性を示すものであり、各撮像レンズを通り像面に形成された光学像の像高0における空間周波数MTF特性を示す図である。
図5F〜図23Fは、事例1〜19の各撮像レンズの設計基準波長における空間周波数MTF特性を示すものであり、各撮像レンズを通り像面に形成された光学像の像高0における空間周波数MTF特性を示す図である。
<図5G〜図23Gの説明>
図5G〜図23Gは、事例1〜19の各撮像レンズの設計基準波長における深度(デフォーカス)MTF特性を示すものであり、各撮像レンズを通り光軸上(像高0)に形成される光学像について、デフォーカスさせたときの、90本/mmにおける深度(デフォーカス)MTF特性を示す図である。
図5G〜図23Gは、事例1〜19の各撮像レンズの設計基準波長における深度(デフォーカス)MTF特性を示すものであり、各撮像レンズを通り光軸上(像高0)に形成される光学像について、デフォーカスさせたときの、90本/mmにおける深度(デフォーカス)MTF特性を示す図である。
<図5H〜図23Hの説明>
図5H〜図23Hは、事例1〜19の各撮像レンズの設計基準波長における深度(デフォーカス)MTF特性を示すものであり、各撮像レンズを通り光軸上(像高0)に形成される光学像について、デフォーカスさせたときの、179本/mmにおける深度(デフォーカス)MTF特性を示す図である。
図5H〜図23Hは、事例1〜19の各撮像レンズの設計基準波長における深度(デフォーカス)MTF特性を示すものであり、各撮像レンズを通り光軸上(像高0)に形成される光学像について、デフォーカスさせたときの、179本/mmにおける深度(デフォーカス)MTF特性を示す図である。
<図5I〜図23Iの説明>
図5I〜図23Iは、事例1〜19の各撮像レンズの設計基準波長における空間周波数MTF特性を示すものであり、(3種類の入射高で撮像面に入射して形成された)像についての空間周波数MTF特性を示す図である。
図5I〜図23Iは、事例1〜19の各撮像レンズの設計基準波長における空間周波数MTF特性を示すものであり、(3種類の入射高で撮像面に入射して形成された)像についての空間周波数MTF特性を示す図である。
<図5J〜図23Jの説明>
図5J〜図23Jは、事例1〜19の各撮像レンズの設計基準波長における深度(デフォーカス)MTF特性を示すものであり、各撮像レンズを通して撮像面上の各位置に形成された(3種類の入射高で撮像面に入射して形成された)像について、デフォーカスさせたときの、90本/mmにおける深度(デフォーカス)MTF特性を示す図である。
図5J〜図23Jは、事例1〜19の各撮像レンズの設計基準波長における深度(デフォーカス)MTF特性を示すものであり、各撮像レンズを通して撮像面上の各位置に形成された(3種類の入射高で撮像面に入射して形成された)像について、デフォーカスさせたときの、90本/mmにおける深度(デフォーカス)MTF特性を示す図である。
<図5K〜図23Kの説明>
図5K〜図23Kは、事例1〜19の各撮像レンズの設計基準波長における深度(デフォーカス)MTF特性を示すものであり、各撮像レンズを通して撮像面上の各位置に形成された(3種類の入射高で撮像面に入射して形成された)像について、デフォーカスさせたときの、179本/mmにおける深度(デフォーカス)MTF特性を示す図である。
図5K〜図23Kは、事例1〜19の各撮像レンズの設計基準波長における深度(デフォーカス)MTF特性を示すものであり、各撮像レンズを通して撮像面上の各位置に形成された(3種類の入射高で撮像面に入射して形成された)像について、デフォーカスさせたときの、179本/mmにおける深度(デフォーカス)MTF特性を示す図である。
<図5L〜図23Lの説明>
図5L〜図23Lは、事例1〜19の各撮像レンズを通して形成される設計基準波長における点像の強度分布を示す図である。各図の上側に撮像面上に形成された点像の強度分布の全体を示し、各図の下側に上記点像の強度分布を拡大して基準点像直径(psfφ)を示す図である。
図5L〜図23Lは、事例1〜19の各撮像レンズを通して形成される設計基準波長における点像の強度分布を示す図である。各図の上側に撮像面上に形成された点像の強度分布の全体を示し、各図の下側に上記点像の強度分布を拡大して基準点像直径(psfφ)を示す図である。
<図5M〜図23Mの説明>
図5M〜図23Mは、事例1〜19の各撮像レンズの設計基準波長における球面収差曲線を示す図である。瞳に入る入射高が変化しても球面収差が一定となる範囲である球面収差最小領域cを破線で示し、瞳に入る入射高の変化に応じて球面収差が変化する球面収差最小領域cではない範囲を実線で示す図である。
図5M〜図23Mは、事例1〜19の各撮像レンズの設計基準波長における球面収差曲線を示す図である。瞳に入る入射高が変化しても球面収差が一定となる範囲である球面収差最小領域cを破線で示し、瞳に入る入射高の変化に応じて球面収差が変化する球面収差最小領域cではない範囲を実線で示す図である。
<図5N〜図23Nの説明>
図5N〜図23Nは、事例1〜19の各撮像レンズの設計基準波長での、90本/mmにおける深度(デフォーカス)MTF特性と、180本/mmにおける深度(デフォーカス)MTF特性とを比較して示す図である。実線で示す曲線が90本/mmにおける深度(デフォーカス)MTF特性を示し、破線で示す曲線が180本/mmにおける深度(デフォーカス)MTF特性を示している。
図5N〜図23Nは、事例1〜19の各撮像レンズの設計基準波長での、90本/mmにおける深度(デフォーカス)MTF特性と、180本/mmにおける深度(デフォーカス)MTF特性とを比較して示す図である。実線で示す曲線が90本/mmにおける深度(デフォーカス)MTF特性を示し、破線で示す曲線が180本/mmにおける深度(デフォーカス)MTF特性を示している。
なお、各図中に記載の深度は、後述する基準レスポンスの値に対応して定められるものである。例えば、事例1に関する図5Nの90本/mmにおける深度は、MTF値が0.2(基準レスポンスの値20%)となるデフォーカス範囲(90本/mmの深度MTF曲線から求められる)として求めることができる。
また、例えば、事例2に関する図6Nの90本/mmにおける深度は、MTF値が0.171(基準レスポンスの値17.1%)となるデフォーカス範囲(90本/mmの深度MTF曲線から求められる)として求めることができる。
<表20Aの説明>
表20Aは、事例1〜事例19の撮像レンズそれぞれの球面収差、および各撮像レンズを通して形成される点像に関するデータについてまとめて示す図である。
表20Aは、事例1〜事例19の撮像レンズそれぞれの球面収差、および各撮像レンズを通して形成される点像に関するデータについてまとめて示す図である。
表20A中に記載のpsfφ対応画素数は、psfφの値を1画素の大きさ(約1.4μm)で除算して求めた値であり、基準点像直径psfφ内に並ぶ画素数を示している。
表20A中に記載の球面収差最小領域の比面積は、説明済みのd/eの値に対応するものである。
なお、表20中の事例17について、球面収差の欄、および球面収差最小領域の欄のデータは省略する。すなわち、事例17については、瞳への入射高さの増大に対する球面収差の発生方向が他の事例と異なるためデータ化する意味が無くデータの記載は省略する。
表20A中の他の項目については説明済なので、ここでの説明は省略する。
<表20Bの説明>
表20Bは、事例1〜事例19の撮像レンズそれぞれの深度や深度(デフォーカス)MTFに関するデータについてまとめて示す図である。
表20Bは、事例1〜事例19の撮像レンズそれぞれの深度や深度(デフォーカス)MTFに関するデータについてまとめて示す図である。
表20B中に記載のピークレスポンスは、深度MTFの値のピーク値に対応するするものである。
また、表20B中に記載の基準レスポンスは、収差を極力小さくするように設計した結像光学系からなる撮像レンズである事例1の撮像レンズにおけるレスポンスの値0.818と基準レスポンスの値20%とに対応して定められるものである。すなわち、例えば、事例2の撮像レンズのレスポンスは0.702であり、基準レスポンスの値が17.1%であるが、この事例2の基準レスポンスの値は、事例1の各値を用いて以下のように求めることができる。
事例2の基準レスポンスの値(17.1%)=(事例2のレスポンスの値(0.702)/事例1のレスポンスの値(0.818))×事例1の基準レスポンスの値(20%)となる。
また、表20B中に記載の拡大焦点深度は、各空間周波数における撮像レンズの基準レスポンスに対応する焦点深度である。なお、上記基準レスポンスは、撮像レンズを通して得られた原画像を、コントラスト回復処理によってMTFの値を0.2以上に引き上げることができる場合のその原画像のMTFの値である。
表20B中に記載の共通拡大焦点深度は、90本/mmに対応する空間周波数における拡大焦点深度と、179本/mmに対応する空間周波数における拡大焦点深度とがオーバラップする領域である。
また、表20B中に記載の規格化拡大焦点深度は、拡大焦点深度を実効FナンバーFaと焦点距離fとを用いて規格化したものである。また、規格化共通拡大焦点深度は、共通拡大焦点深度を実効FナンバーFaと焦点距離fとを用いて規格化したものである。
表20B中の他の項目については説明済なので、ここでの説明は省略する。
次に、表21について説明する。
表21は、上記事例1〜事例19の各撮像レンズの特性を波面収差で示したZernjke Fringe係数で表現した場合と、通常の多項式で表現した場合とを示すものである。
続いて、図25Aから図25Eについて説明する。
図25Aから図25Eは、いずれも本発明に含まれる球面収差の例を示す図である。
図25Aは、本発明の撮像レンズの球面収差の代表例を示す図である。図25Bは撮像レンズの瞳の中央部を通る光の受ける球面収差が4段や5段に変形している状態を示す図、図25Cは撮像レンズの瞳の中央部を通る光の受ける球面収差が波打って変形している状態を示す図である。図25Dは撮像レンズの瞳の中央部を通る光の受ける球面収差が光軸を含む領域において局部的に極端に変形している様子を示す図、図25Eは撮像レンズの瞳の中央部を通る光の受ける球面収差が光軸から少し外れた領域において局部的に極端に変形している様子を示す図である。
本発明の撮像レンズの瞳の中央部を通る光の受ける球面収差は、図25Aの代表例に示すように光軸Z1から離れるにしたがって単調減少する形状をなすような場合に限らず、図25Bや図25Cに示すように、光軸Z1から離れるにしたがって増減を繰り返す形状をなす場合であってもよい。
また、本発明の撮像レンズの瞳の中央部を通る光の受ける球面収差は、図25Dや図25Eに示すように、全体的には図25Aの代表例に示す球面収差と同等であるが、局部的に極端に変形している場合であってもよい。
すなわち、このような撮像レンズにおける局所的で極端な球面収差の変形がこの撮像レンズの性能に与える影響は極僅かなので、そのような撮像レンズの性能は、代表例に示す球面収差を持つ撮像レンズの性能と同等となる。
特に、そのような局所的で極端な球面収差の変形が光軸から離れた外周部に生じる場合よりも、光軸のより近くに生じる場合の方が、面積で考えるとその影響は非常に小さくなる。
なお、このような極端に変形した球面収差の形状は、非球面形状の表現形式や非球面係数を適宜選択した非球面式によって表すことができるものである。
上記のように、本発明によれば、撮像レンズを用いた撮像で得られる原画像データにコントラスト回復処理を施して作成される画像の画質の劣化を抑制しつつ被写界深度を拡大することができる。
なお、本発明は、上記実施の形態および各実施例に限定されず種々の変形実施が可能である。
100 撮像レンズ
210 撮像素子
211 撮像面
310 画像処理部
Sa 球面収差曲線
Zo 像面基準位置
Z1 光軸
a 像面基準位置Zoから物点側への球面収差の大きさ
b 球面収差の幅
Ar 球面収差最小領域の幅
c 球面収差最小領域の長さ
Yu(max) 球面収差最小領域の上端の光軸からの高さ
Yu(min) 球面収差最小領域の下端の光軸からの高さ
210 撮像素子
211 撮像面
310 画像処理部
Sa 球面収差曲線
Zo 像面基準位置
Z1 光軸
a 像面基準位置Zoから物点側への球面収差の大きさ
b 球面収差の幅
Ar 球面収差最小領域の幅
c 球面収差最小領域の長さ
Yu(max) 球面収差最小領域の上端の光軸からの高さ
Yu(min) 球面収差最小領域の下端の光軸からの高さ
Claims (11)
- 撮像して得られた原画像データにコントラスト回復処理を施して画像のボケを補正する撮像装置に用いる撮像レンズであって、
該撮像レンズの球面収差が、光軸から離れるにしたがって、像面基準位置を間に挟んで物点側からその反対側に変化するものであり、以下の条件式(1)および(2)を満足するように構成されたものであることを特徴とする撮像レンズ。
0.02<a/f<0.10 ・・・(1)
0.02<b/f ・・・(2)
ただし、
a:撮像レンズの瞳の中央部を通る光の受ける、像面基準位置から物点側への球面収差の大きさ
b:像面基準位置から物点側への最大球面収差とその反対側への最大球面収差との和
f:撮像レンズの焦点距離 - 前記撮像レンズの瞳半径を1としたときに、以下の条件式(3)を満足することを特徴とする請求項1記載の撮像レンズ。
0.1<c<1.0 ・・・(3)
ただし、
c:球面収差の像面基準位置からのずれ量が0.03×Fa/f以下となる領域の光軸直交方向における長さ
Fa:撮像レンズの実効Fナンバー - 前記瞳全体の面積に対する前記領域の面積の割合が、0.20より大きく、0.75より小さいことを特徴とする請求項2記載の撮像レンズ。
- 以下の条件式(4)〜(6)の全てを満足するものであることを特徴とする請求項2または3記載の撮像レンズ。
0.02<a/f<0.10 ・・・(4)
0.02<b/f<0.2 ・・・(5)
0.1<c<0.6 ・・・(6) - 以下の条件式(7)を満足するものであることを特徴とする請求項2から4のいずれか1項記載の撮像レンズ。
0.30<Yu<0.90 ・・・(7)
ただし、
Yu:球面収差の像面基準位置からのずれ量が0.03×Fa/f以下となる領域の光軸直交方向における範囲
Fa:撮像レンズの実効Fナンバー - 以下の条件式(8)を満足するものであることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項記載の撮像レンズ。
3<psfφ/Fa<15・・・(8)
psfφ:基準点像直径
Fa:撮像レンズの実効Fナンバー - 前記撮像レンズが、物体側から順に1枚以上のレンズからなる正のパワーを持つ第1レンズ群と、1枚以上のレンズからなる第2レンズ群とを備え、
前記第2レンズ群の最も像側のレンズが、光軸上において負のパワーを持ち、光軸側から周辺側に向かうにしたがって負のパワーの弱くなる領域を有するものであることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項記載の撮像レンズ。 - 前記撮像レンズが、物体側から順に正のパワーを持つ第1レンズ、負のパワーを持つ第2レンズ、正のパワーを持つ第3レンズ、負のパワーを持つ第4レンズを配してなるものであることを特徴とする請求項7記載の撮像レンズ。
- 前記第4レンズは、該第4レンズの像面側のレンズ面が非球面形状をなし、かつ、前記レンズ面が変曲点を有するものであることを特徴とする請求項8記載の撮像レンズ。
- 前記第4レンズは、該第4レンズの像面側のレンズ面が非球面形状をなし、かつ、前記レンズ面が光軸中心以外の領域に極点を有するものであることを特徴とする請求項8記載の撮像レンズ。
- 請求項1から10のいずれか1項記載の撮像レンズと、該撮像レンズを通して形成された光学像を撮像する撮像素子と、該撮像素子による前記光学像の撮像で得られた原画データにコントラスト回復処理を施す画像処理手段とを備えた撮像システムであって、
前記画像処理手段が、前記コントラスト回復処理としてフーリエ変換を用いた画像復元処理を実施するものであることを特徴とする撮像システム。
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