JP2011203047A - 燃料集合体の流量計測方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】沸騰水型原子炉における燃料集合体の内部を流れる冷却水の流量を個別に計測する燃料集合体の流量計測方法を提供する。
【解決手段】冷却水の流れ方向に離間して配列され熱中性子の量を出力として検出する複数の検出素子を有する局部出力領域モニタ(LPRM)を配置し(ステップ200)、複数の燃料集合体の出力が混合した混合出力信号を取得し(ステップ210)、複数の混合出力信号から独立成分分析を用いて、個々の燃料集合体の出力を示す個別出力信号を求め(ステップ220)、個別出力信号から、個々の検出素子が検出したと推定される出力を示す部分出力信号を算出し(ステップ230)、個々の検出素子の部分出力信号同士を比較して(ステップ240)、燃料集合体ごとの冷却水の流速を算出し(ステップ250)、流速から燃料集合体ごとの冷却水の流量を算出する(ステップ260)。
【選択図】図5

Description

本発明は、沸騰水型原子炉における燃料集合体の内部を流れる冷却水(軽水)の流量計測方法に関する。
沸騰水型原子炉(BWR:Boiling Water Reactor)や改良型沸騰水型原子炉(ABWR:Advanced Boiling Water Reactor)では、炉心が原子炉圧力容器に収容され、原子炉圧力容器は原子炉格納容器に収容される。原子炉圧力容器には冷却水(軽水)が供給され、炉心から生じる熱によって高温高圧の蒸気を生じさせて、タービンを回転させる動力に利用する。
上記の炉心内には、十字型の制御棒の周囲に4体の燃料集合体が配置されて、1組のセルを構成している。燃料集合体は長尺(約4m)の直方体であるチャネルボックスの中に、多数の(例えば60本の)燃料棒が収容されている。チャネルボックスは立てて配置され、上下面が開口しており、内部を冷却水が流通する。
また原子炉内には、4つのセルごとに、局部的な出力を検出するための局部出力領域モニタ(LPRM:Local power range monitor)が配置される。LPRMの内部には、チャネルボックスの軸方向に所定の距離を空けて4つの検出素子が設けられている。
制御棒は原子炉を停止させる(未臨界にさせる)際に燃料集合体の間に挿入されるが、通常の運転時は基本的に全引抜の状態とされる。そして運転時の原子炉の出力調整は、原子炉圧力容器内を流れる冷却水の流量によって制御される。核分裂によって熱が発生すると燃料棒の周囲の冷却水(軽水)が水蒸気となるが、蒸気泡(水蒸気の気泡)では中性子が減速しないため、水蒸気が増加するほど熱中性子(速度の遅い中性子)が減少し、核分裂の連鎖反応が減少する。逆に、気泡を水流によって除去すると熱中性子が増加し、核分裂の連鎖反応が増大する。このように冷却水の流量によって出力を調整しているため、冷却水の流量を精度良く計測して監視する必要がある。
従来、冷却水の流量は、炉心の上下間の差圧や再循環ポンプの差圧計測の結果から、炉心全体の流量として算出していた。しかし、近年では沸騰水型原子炉の正確な出力制御を達成するために、炉心全体の流量だけでなく、局所的な冷却水の流量も知りたいという要請がある。
例えば、特許文献1には、中性子検出器(LPRM)が検出した信号から揺らぎ成分を抽出し、その揺らぎ成分から燃料集合体が発する気泡の気泡伝達関数を求め、冷却水の炉心流量を計測する炉心流量計測装置および方法が開示されている。特許文献1によれば、新たな検出器を設けずに流量が計測でき、また、LPRMの信号を用いることで局所的な流量を算出できるとされている。
特開2008−175561号公報
特許文献1の炉心流量計測装置および方法では、明示はされていないものの、LPRMの周囲の燃料集合体からの出力信号を混同して検出し、その出力信号から冷却水の流量を計測している。したがって、局所的な流量として算出し得る最小単位は、LPRMの周囲の燃料集合体4体分の平均的な流量であると考えられる。
しかし、近接する各燃料集合体であっても、内部の冷却水の流量には個体差が生じる可能性がある。そのため、特許文献1の方法によって計測した流量をもとにした原子炉出力の監視および制御は、その精度の向上に限界がある。
本発明は、このような課題に鑑み、沸騰水型原子炉における燃料集合体の内部を流れる冷却水の流量を個別に計測する燃料集合体の流量計測方法を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明にかかる燃料集合体の流量計測方法の代表的な構成は、沸騰水型原子炉における燃料集合体の内部を流れる冷却水の流量を個別に計測する方法であって、複数の燃料集合体の間に、冷却水の流れ方向に離間して配列され複数の燃料集合体から熱中性子の量を出力として検出する複数の検出素子を有する局部出力領域モニタを配置し、検出素子によって複数の燃料集合体の出力が混合した混合出力信号を取得し、複数の混合出力信号から独立成分分析を用いて、個々の燃料集合体の出力を示す個別出力信号を求め、個別出力信号をもとに、個々の燃料集合体から個々の検出素子が検出したと推定される出力を示す部分出力信号を算出し、燃料集合体ごとに個々の検出素子の部分出力信号同士を比較して、燃料集合体ごとの冷却水の流速を算出し、流速から、燃料集合体ごとの冷却水の流量を算出することを特徴とする。なお信号同士の比較は、相互相関法などの既知の手段を用いることができる。
上記構成によれば、局部出力領域モニタ(LPRM)を使用して、その周囲に存在する複数の燃料集合体のそれぞれから、個別の燃料集合体の内部を流れる冷却水の流量を算出することが可能となる。そして、流量の算出過程に独立成分分析を用いることで、個々の燃料集合体の流量を精度よく算出することが可能となる。
上記の部分出力信号同士の比較は、隣接する検出素子間で行うとよい。燃料集合体の内部では、冷却水の流れ方向の下流(上方向)に向かって蒸気泡の存在率が高くなる(蒸気泡が多くなる)。LPRMは、冷却水を通過することで減速した熱中性子の出力を検出している。したがって、蒸気泡の存在率が高い下流では中性子の減速が起こりにくく、そこから取得する出力値は減少すると考えられる。これにより、例えば、最も上流側に位置する検出素子から示される部分出力信号と、最も下流側に位置する検出素子から示される部分出力信号とでは、相関関係が低くなって適切な比較が困難になるおそれがある。そこで、蒸気泡の存在率が最も近い隣接する検出素子間で部分出力信号同士を比較することで、相関関係の高い検出素子同士から流速を精度よく算出することが可能となる。
上記の部分出力信号同士の比較は、冷却水の流れ方向のより下流に位置する検出素子が取得した個別出力信号ほど、時間軸方向に伸張して比較するとよい。燃料集合体の内部では、冷却水の流れ方向の下流に向かって、蒸気泡の存在率が高くなるとともに流速が速くなる傾向にある。したがって、個別出力信号は、下流側に位置する検出素子から取得されるものほど時間軸方向に密集していると考えられる。これにより、上流側の検出素子から示される部分出力信号と、下流側の検出素子から示される部分出力信号とでは、相関関係が失われて適切な比較が困難になるおそれがある。そこで、流速の速い下流側の個別出力信号を時間軸方向に伸張し、そこから部分出力信号を算出することで、比較する部分出力信号同士の相関関係を維持して流速を精度よく算出することが可能となる。
上記課題を解決するために、本発明にかかる燃料集合体の流量計測方法の他の代表的な構成は、局部出力領域モニタの複数の検出素子によって冷却水の流れ方向の異なる位置から複数の燃料集合体の出力が混合した混合出力信号Xを取得し、混合出力信号Xを推定行列A’と個々の燃料集合体の出力を示す個別出力信号の推定値yの積として表し、推定行列A’と個別出力信号の推定値yを独立成分分析を用いて算出し、推定行列A’および個別出力信号の推定値yにより、個々の燃料集合体から個々の検出素子が検出したと推定される出力を示す部分出力信号X’を算出し、燃料集合体ごとに個々の検出素子の部分出力信号X’同士を比較し、比較を利用して、個々の燃料集合体の冷却水の流速を算出し、流速から、個々の燃料集合体の冷却水の流量を算出することを特徴とする。
本発明によれば、沸騰水型原子炉における燃料集合体の内部を流れる冷却水の流量を個別に計測する流量計測方法を提供することができる。
沸騰水型原子炉の構成例を示す図である。 図1の燃料集合体を説明する図である。 図1のLPRMを説明する概略図である。 本実施形態の流量計測方法を実行する流量計測装置の構成を示すブロック図である。 本実施形態の流量計測方法の構成を示すフローチャートである。 検出素子が取得する混合出力信号を説明する図である。 部分出力信号同士の比較を説明する図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値などは、発明の理解を容易とするための例示に過ぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
(沸騰水型原子炉)
図1は沸騰水型原子炉の構成例を示す図であって、図1(a)は沸騰水型原子炉の概略的な構成を説明する図、図1(b)は図1(a)の矢視E図である。
図1(a)に示すように、沸騰水型原子炉(以下、原子炉100と記載する)は、原子炉格納容器102に格納されている。原子炉100は、ウラン等からなる燃料棒114(図2参照)を核分裂させ、大量の熱(熱エネルギー)を発生させる。給水配管104から供給された給水(冷却水)は原子炉100に運ばれ、原子炉100で発生した熱によって約280℃、70気圧程度の高温高圧の蒸気となり蒸気配管106を経由してタービンへと送られる。
図1(b)に示すように、原子炉100内には燃料集合体108が多数配列される。燃料集合体108は4体を一組のセルとして配置されていて、4体の燃料集合体108の中央には、中性子数を調節する制御棒110が配置される。
図2は図1の燃料集合体108を説明する図である。図2に示すように、燃料集合体108の外装を構成するチャネルボックス112は、中空で長尺(4m程度)の略四角柱の形状をしている。チャネルボックス112の内部には、多数本の燃料棒114やウォーターロッド116が収容されている。燃料棒114は円筒であって、その内部にウラン等の核燃料のペレットが一列に収容されている。チャネルボックス112の内部には下方から上方へ向かって冷却水が流れる。燃料棒114に核分裂が生じると、燃料棒114の周囲には蒸気泡118(図6参照)が発生し、チャネルボックス112内を蒸気泡118が上昇する。
再び図1(b)を参照する。図1(b)に示すように、原子炉100内には、4つのセルごとに、局部出力領域モニタ(以下、LPRM120と記載する)が配置される。すなわちLPRM120の周囲には、4体の燃料集合体108(108A〜108D(図3参照))が配置される。
図3は、図1のLPRM120を説明する概略図である。LPRM120は、周囲の複数の燃料集合体108A〜108Dから生じる熱中性子の量を出力として検出する。LPRM120の内部には、冷却水の流れ方向(軸方向)に互いに所定の距離を離間して4個の検出素子122(122A〜122D)が配列されている。検出素子122は、外部から受けた熱中性子の量を電流信号として出力する。
(流量計測方法)
本実施形態による燃料集合体108の流量計測方法について説明する。図4は、本実施形態の流量計測方法を実行する流量計測装置130の構成を示すブロック図であり、図5は本実施形態の流量計測方法の構成を示すフローチャートである。以下、図4を参照しながら、図5のフローチャートについて説明する。
図4に示すように、流量計測装置130は、制御部132を備えている。制御部132は、中央処理装置(CPU)を含む半導体集積回路により流量計測装置130全体の機能を管理および制御する。
図5のステップ200において、複数の燃料集合体108の間にLPRM120を配置する。なお実際には、原子炉100の運転に際してあらかじめ燃料集合体108の間の所定の箇所にLPRM120が設置されている。そして、ステップ210において、LPRM120の複数の検出素子122によって、冷却水の流れ方向の異なる位置から信号を取得する。ここで取得できる信号は、周囲の複数の燃料集合体108の出力が混合したものであり、本実施形態ではこれを混合出力信号と称する。取得された混合出力信号は、信号収集部134に収集される。
図6は、検出素子122が取得する混合出力信号を説明する図である。図6に示すように、混合出力信号の波形には、燃料集合体108の内部に発生する蒸気泡の存在率の変動を示す波形が現れる。詳細には、LPRM120の検出素子122は、冷却水を通過して減速した熱中性子(速度の遅い中性子)を検出するため、蒸気泡118が存在すると中性子の減速が達成できず、熱中性子の出力値が低下する。なお下流側(上方)に行くと蒸気が水滴よりも多くなるため、検出素子122Dあたりでは蒸気泡の存在率というより水滴の存在率と呼んだ方が適切ではあるが、ここでは説明の簡便のために区別せずに説明する。
上述したように、検出素子122は、冷却水の流れ方向の異なる位置に配置されている。そのため、蒸気泡118の存在を示す波形を検出素子122間で比較することで、蒸気泡の移動速度を利用して冷却水の流量を求められる可能性もある。しかし、混合出力信号は、周囲の燃料集合体108からの熱中性子の出力を混合して取得したものであって、相関性が著しく低下してしまうため、正しく算出できないおそれがある。さらに、仮に正しく算出できたとしても、混合出力信号のみから求められる流速はLPRMの周囲の燃料集合体108の平均的な流量であると考えられ、個々の燃料集合体108の流量を計測することはできない。この問題を解決するために、本実施形態の流量計測方法では、独立成分分析を用いている。
図5に示すように、ステップ220において、信号演算部136は、取得された複数の混合出力信号から独立成分分析を用いて、個々の燃料集合体108の出力を示す個別出力信号を求める。個別出力信号は以下に説明する方法で求められる。
所定の時刻tに取得した混合出力信号をx(t)とベクトル表記する。所定の時刻tの個別出力信号をs(t)とベクトル表記する。燃料棒114での中性子の発生から各検出素子122に出力信号が検出されるまでの伝達時間をτとし、蒸気泡118から検出素子122までの経路における減衰係数をaとすると、混合出力信号x(t)と個別出力信号s(t)との関係は、下記の式1として表すことができる。
Figure 2011203047
式1において混合出力信号x(t)は採取した信号、減衰係数aと個別出力信号sは未知の値である。そこで、混合出力信号xを式1と同様に推定行列A’と個別出力信号の推定値yの積として表し、推定行列A’と個別出力信号の推定値yを独立成分分析を用いて算出すれば、部分出力信号x’(推定値)を求めることができる(式6参照)。
本実施形態では、4個の検出素子122を使用し、周囲の燃料集合体108の個別出力信号を求めるため、式1は下記の式2または式3で表すことができる。なお以下の数式の説明においては、4個の検出素子122A〜122Dが取得した混合出力信号X(t)を、それぞれ混合出力信号X(t)〜X(t)とする。また、周囲の4体の燃料集合体108A〜108Dの個々の個別出力信号S(t−τ)をそれぞれS(t−τ)〜S(t−τ)とする。なお、個別出力信号を求める燃料集合体108の数は4体に限る必要はない。例えば、個別出力信号を求める対象を4セル分(燃料集合体計16体)として、より正確な個別出力信号を求めてもよい。
Figure 2011203047
Figure 2011203047
上記の式3から個別出力信号s(t)を求めるためには、下記の式4が考えられる。なお、式4におけるW(τ)は、式3における時間遅れτの行列関数A(τ)の逆行列である。
Figure 2011203047
上記の式4における個別出力信号S(t)を求める(推定する)ために、個別出力信号の推定値をy(t)とし、逆行列W(τ)を推定した推定逆行列をW’(τ)として、式4を下記の式5として表す。
Figure 2011203047
上記の式5から、個別出力信号の推定値y(t)の各成分が互いに独立となるように推定逆行列W’(τ)を求める(推定する)。例えば、推定逆行列W’(τ)は、自然勾配法等を利用した既知の独立成分分析の手法により求めることができる。これにより、個々の燃料集合体108A〜Dの個別出力信号の推定値y(t)を求めることができる。
再び図5を参照する。ステップ230において、信号演算部136は、求めた個別出力信号の推定値y(t)をもとに、個々の燃料集合体108から個々の検出素子122が検出したと推定される出力を示す部分出力信号X’(t)を算出する。
上記の式5の推定逆行列W’(τ)から、行列関数A(τ)を推定した推定行列A’(τ)が求まる。そして、個別出力信号の推定値y(t)および推定行列A’(τ)を用いて、これらと部分出力信号X’(t)との関係を下記の式6として表すことができる。
Figure 2011203047
上記の式6により、個別出力信号の推定値y(t−τ)と推定行列A’(τ)により、部分出力信号X’(t)を算出することができる。例えば燃料集合体108Aから個々の検出素子122A、122B、122C、122Dが取得した部分出力信号X’(t)、X’(t)、X’(t)、X’(t)は、下記の式7により求めることができる。
Figure 2011203047
上記の式7と同様に、下記の式8からは燃料集合体108B、下記の式9からは燃料集合体108C、下記の式10からは燃料集合体108Dから個々の検出素子122A、122B、122C、122Dが取得した部分出力信号X’(t)、X’(t)、X’(t)、X’(t)を求めることが可能である。
Figure 2011203047
Figure 2011203047
Figure 2011203047
ステップ240において、信号比較部138は、燃料集合体108ごとに個々の検出素子122の部分出力信号同士を比較する。部分出力信号同士の比較は、相互相関法等を利用することにより行うことができる。これにより、相関関係にある信号の時間のずれを計測することができる。
部分出力信号同士の比較は、隣接する検出素子122間で行うとよい。例えば、図6に示す燃料集合体108Aについて、検出素子122Aが検出した部分出力信号と、検出素子122Bが検出した部分出力信号とを比較することが好適である。
燃料集合体108の内部では、冷却水の流れ方向の下流に向かって蒸気泡の存在率が高くなる。LPRM120は、冷却水を通過することで減速した熱中性子の出力を検出している。したがって、蒸気泡の存在率が高い下流では中性子の減速が起こりにくく、そこから取得する出力値は減少すると考えられる。これにより、例えば、最も上流側に位置する検出素子122Aから示される部分出力信号と、最も下流側に位置する検出素子122Dから示される部分出力信号とでは、相関関係が低くなって適切な比較が困難になるおそれがある。そこで、蒸気泡の存在率が最も近い隣接する検出素子122間で部分出力信号同士を比較することで、相関関係にある信号の時間のずれを精度よく計測することができる。
図7は、部分出力信号同士の比較を説明する図である。図7に示すように、上記の部分出力信号同士の比較は、冷却水の流れ方向のより下流に位置する検出素子122が取得した個別出力信号ほど、時間軸方向に伸張して比較するとよい。
燃料集合体108の内部では、冷却水の流れ方向の下流に向かって、蒸気泡の存在率が高くなるとともに流速が速くなる傾向にある。したがって、個別出力信号は、下流側に位置する検出素子122から取得されるものほど時間軸方向に密集すると考えられる。例えば、図7に示すように、検出素子122Aが取得した混合出力信号に比べて、検出素子122Dが取得した混合出力信号は波形が密集している。このように、上流側の検出素子122から示される部分出力信号と、下流側の検出素子122から示される部分出力信号とでは、相関関係が失われて適切な流速の算出が困難になるおそれがある。
そこで、流速の遅い下流側の個別出力信号を時間軸方向に伸張する。そこから部分出力信号を算出することで、比較する部分出力信号同士の相関関係を維持して、相関関係にある信号の時間のずれを精度よく計測することができる。
ステップ250において、流速算出部140は、相関関係にある信号の時間のずれと、検出素子122A〜122Dの間隔とから、燃料集合体108ごとの冷却水の流速を算出する。前述の信号比較部138によって相関関係の高い検出素子122同士を比較しているため、流速算出部140は適切な流速を算出することが可能である。
ステップ260において、流量算出部142は、燃料集合体108の流速およびチャネルボックス112の断面積から燃料集合体108ごとの冷却水の流量を算出する。
上記構成によれば、局部出力領域モニタ(LPRM120)を使用して、その周囲に存在する複数の燃料集合体108のそれぞれの内部を流れる冷却水の流量を個別に算出することが可能となる。特に、流量の算出過程に独立成分分析を用いることで、個々の燃料集合体108の流量を精度よく算出することが可能である。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
なお、本実施形態では沸騰水型原子炉を想定して流量計測方法の説明を行った。しかし、改良型沸騰水型原子炉においても、本実施形態の流量計測方法を適用することが可能である。
本発明は、沸騰水型原子炉における燃料集合体の内部を流れる冷却水(軽水)の流量計測方法として利用することができる。
100 …原子炉
102 …原子炉格納容器
104 …給水配管
106 …蒸気配管
108、108A、108B、108C、108D、 …燃料集合体
110 …制御棒
112 …チャネルボックス
114 …燃料棒
116 …ウォーターロッド
120 …LPRM
122、122A、122B、122C、122D …検出素子
130 …流量計測装置
132 …制御部
134 …信号収集部
136 …信号演算部
138 …信号比較部
140 …流速算出部
142 …流量算出部

Claims (4)

  1. 沸騰水型原子炉における燃料集合体の内部を流れる冷却水の流量を個別に計測する方法であって、
    複数の燃料集合体の間に、冷却水の流れ方向に離間して配列され該複数の前記燃料集合体から熱中性子の量を出力として検出する複数の検出素子を有する局部出力領域モニタを配置し、
    前記検出素子によって前記複数の燃料集合体の出力が混合した混合出力信号を取得し、
    複数の前記混合出力信号から独立成分分析を用いて、個々の燃料集合体の出力を示す個別出力信号を求め、
    前記個別出力信号をもとに、個々の前記燃料集合体から個々の前記検出素子が検出したと推定される出力を示す部分出力信号を算出し、
    前記燃料集合体ごとに個々の前記検出素子の前記部分出力信号同士を比較して、前記燃料集合体ごとの冷却水の流速を算出し、
    前記流速から、前記燃料集合体ごとの冷却水の流量を算出することを特徴とする燃料集合体の流量計測方法。
  2. 前記部分出力信号同士の比較は、隣接する検出素子間で行うことを特徴とする請求項1に記載の燃料集合体の流量計測方法。
  3. 前記部分出力信号同士の比較は、前記冷却水の流れ方向のより下流に位置する検出素子が取得した個別出力信号ほど、時間軸方向に伸張して比較することを特徴とする請求項1または2に記載の燃料集合体の流量計測方法。
  4. 局部出力領域モニタの複数の検出素子によって冷却水の流れ方向の異なる位置から複数の燃料集合体の出力が混合した混合出力信号Xを取得し、
    混合出力信号Xを推定行列A’と個々の燃料集合体の出力を示す個別出力信号の推定値yの積として表し、該推定行列A’と該個別出力信号の推定値yを独立成分分析を用いて算出し、
    前記推定行列A’および前記個別出力信号の推定値yにより、個々の前記燃料集合体から個々の前記検出素子が検出したと推定される出力を示す部分出力信号X’を算出し、
    前記燃料集合体ごとに個々の前記検出素子の前記部分出力信号X’同士を比較し、
    前記比較を利用して、前記個々の燃料集合体の冷却水の流速を算出し、
    前記流速から、前記個々の燃料集合体の冷却水の流量を算出することを特徴とする燃料集合体の流量計測方法。
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Citations (4)

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