JP2011202787A - 管継手用リング部材および管継手 - Google Patents
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Abstract
【課題を解決するための手段】
複数を互いに連結させることによって、所望の長さを有し、かつ曲げ方向を限定可能な管継手を形成することのできる短い円筒体1aからなるもので、前記円筒体1aは、口径の小さな挿入部2と口径の大きな受入部3とを有し、挿入部2の先端側の外周面2aと受入部3の内周面3aとが、円筒体の軸心に中心を有する同一径の、球体の球面の同一面部により形成され、受入部3の開口部の内面端部には係合部4を、円筒体1aの外周部のほぼ中央部には、係合部4を係合保持する保持部8をそれぞれ形成して管継手用のリング部材1とする。
【選択図】 図1
Description
したがって、振動などによってその一部が損傷すると、速やかに損傷箇所を修理する必要がある。
しかしながら、その損傷箇所の配管は、上流側および下流側のいずれもが固定状態にあることが多いので、それらの配管を水平管で接続するのには、合成樹脂製のヤリトリ型接合部材(以下、スライド継手という。)が用いられている。
かかるスライド継手として、本出願人は、特許文献1に示される特許第4377621号の発明を提案した。
かかるスライド継手は、不使用時には、前記ゴム輪受口カラーが前記接続用短管上に引込まれている。使用時には、前記一方のゴム輪が既設の排水管上を、前記他方の固定用ゴム輪が、前記接続用短管上をそれぞれスライドするようにしたものである。
また、前記接続用短管の外面に、前記使用時に、前記他方の固定用ゴム輪がシールする部位のみを隆起したシール面が形成されるとともに、前記他方の固定用ゴム輪が前記シール面に乗り上げるまでは、前記接続用短管の外面に接触しないようにして、そのスライド量を大きくしながら、そのスライドをスムーズにしたことを特徴とするものである。
そこで、そのような場合には、特許文献2に示されるような可撓性を有する管を用いた管継手が用いられている。
その一例が、実用新案登録第3005417号公報(特許文献2)に、排水管の可撓性自在継手として提案されている。
すなわち、両側に係合用屈曲辺縁を連続的に備えた、硬質合成樹脂から成る1条のスパイラル状の条体を素材に用いて、その隣り合う各条体部分の一側の係合用屈曲辺縁を他側の係合用屈曲辺縁に連続的に係合して、可撓性管から成る外管を構成し、この外管内に軟質合成樹脂から成る内面を滑らかに形成した内管を、一体的に配設した管継手を用いるというものである。
そのため、その撓みを発生させないためには、可撓性自在継手を下方から支える撓み防止用の支持装置を狭い間隔で多数設けなければならず、可撓性のない塩ビパイプ等の直管に比べて配管作業が煩雑でコストも余分に要するという問題があった。
そのような問題を解決する手段の一例も、特開平08−303652号公報(特許文献3)で提案されている。
その一例としては、たとえば、特開2003−96856号公報(特許文献5)に示される、建物内に設置された各種排水設備と、建物の外周基礎の外側地中に埋設された排水桝の流入側接続部との間に、内面が平滑で可撓性を有する排水枝管が例示される。
1)ヤリトリ型接合部材のヤリトリスライド操作等作業が機械的で、かつ、軽快にでき、その上、施工の品質が確保でき、ひいては施工上の信頼性を得ることができ、しかも、生産費を上げない。
2)ヤリトリ型接合部材としてゴム輪受口カラーを軽快なスライド運動させることが必要としながら、ゴム輪チェックずみで、使用時にはシ−ルを完全にするという、ゴム輪がつぶし代大の固定用に構成しながら、前記スライドが軽快にでき、ヤリトリ型接合部材として好適なものである。
などの優れた作用効果を奏するものである。
したがって、上流側および下流側の配管に段差が有る場合に使用するには、別途接続部材を必要とするもので、そのような場合において使用するには、適したものとは云えないという課題を有している。
しかしながら、それらの構造は、屈曲規制片の構造・利用方法含め未だ簡易なものとは言い得なかった。
特に、配管間の間隔に応じた継手製品を、多種多様に用意しなければならないことに関しては、なんら解決されていなかった。
複数を互いに連結させることによって、所望の長さを有し、かつ屈曲性を有する管継手を形成することのできる短い円筒体からなるものであって、
前記円筒体は、口径の小さな挿入部と口径の大きな受入部とを有し、
前記挿入部の先端側の外周面と受入部の内周面とが、前記円筒体の軸心に中心を有する同一径の、球体の球面の同一面部により形成され、
前記受入部の開口部の内面端部には係合部が、前記円筒体の外周部のほぼ中央部には、前記係合部を係合保持する保持部がそれぞれ形成されていること
を特徴とする管継手用のリング部材である。
請求項1記載の管継手用のリング部材において、
前記受入部の内周面と挿入部の先端側における外周面の形状は、
個々のリング部材を、円筒体の軸心との垂直方向の全方位に滑動自在な状態での嵌合連結を可能とするもので、複数のリング部材を嵌合して得られる管継手に屈曲性を付与するものであること
を特徴とするものである。
請求項1記載の管継手用のリング部材において、
前記円筒体は、
前記球面状の挿入部の後端部と、前記受入部の後部に段差をもって形成される後部端面との間に環状帯を有するもので、当該円筒体に連結される他のリング部材を構成する円筒体の滑動を、当該円筒体に形成された環状帯の中央部の前記保持部を中心として、前記環状帯の範囲に規制し、連結されたリング部材の屈曲方向を規制するよう構成されていること
を特徴とするものである。
請求項1記載の管継手用のリング部材において、
前記受入部の内周面を形成する球面の中心は、
前記受入部の開口端面に形成される係合部の内端縁と円筒体の軸心との交差位置にあるとともに、前記挿入部の先端側における外周面を形成する球面の中心は、前記外周部の後端と前記受入部の後部端面間に形成される環状帯を垂直に2分する平面と円筒体の軸心との交差位置にあること
を特徴とするものである。
請求項1記載の管継手用のリング部材において、
前記挿入部は、
先端側に形成される球面状の外周部の後方に、シールリング用の凹溝が設けられていること
を特徴とするものである。
請求項1記載の可撓管形成用リング部材において、
前記受入部の開口内端面に設けられる係合部は、
リング状の幅狭の凸状体で形成されていること
を特徴とするものである。
請求項1〜6のいずれかに記載の複数のリング部材同士を、一方のリング部材の受入部に他方のリング部材の挿入部を挿入させて、他方のリング部材の外周部に形成された保持部に、前記一方のリング部材の係合部を係合保持させて所望の長さとするとともに、相互に連結させたリング部材同士の屈曲方向を規制するよう構成されていること
を特徴とする管継手である。
したがって、それぞれのリング部材を円筒体の軸心との垂直方向の全方位に滑動自在な状態での嵌合連結を可能するものであって、複数のリング部材を相互に連結して得られる管継手は、一定範囲内において屈曲性を発揮し、直管としても曲管としても使用することができるものである。
特に、管継手とする場合には、構成の簡易なリング部材の結合数によって自由自在に変化させることができるという優れた効果を奏するものである。
なお、この発明は、以下に説明する実施例にのみ限定されるものではなく、発明の要旨を変更しない範囲内において、種々変更を加えることが可能なものである。
また、挿入部2の外周面2aを形成する球面の中心Pを、挿入部2の外周面2aに環状に設けられたシールリング5を装着するための凹溝6の外端縁6aと、前記受入部3の後部端面3cとの間に形成される環状帯7を垂直に2分する平面と、円筒体1aの軸心Xとの交差位置におくことが、嵌合連結したリング部材同士の滑動をより滑らかにするために好ましい。
逆に、挿入部2の外周面2aを形成する球面の直径dが、受入部3の内周面3aを形成する球面の直径dより誤差の範囲で小さくなること、あるいは、嵌合連結したリング部材1A,1B……の滑動をより滑らかにするためにある程度恣意的に小さくすることは、許容される。
すなわち、環状帯7の可変幅を大きくすれば、リング部材1の滑動範囲が大きくなり、可変幅を小さくすれば、リング部材1の滑動範囲が小さくなる。
したがって、このリング部材1を嵌合連結して管継手とした場合の、管継手の曲がり角度をあらかじめ規定することができる。
また、製品としての管継手を、たとえば曲がり角度を15度、30度用とした製品とすることもできる。
その結果、前記保持部8と軸心Xを含む平面における屈曲性は規制されることになる。
なお、前記した各実施例においては、リング部材1に2つの保持部又は係合孔を形成しているが、その数は1ヶ所であってもよいものである。
すなわち、図3に示すように、連結せんとするリング部材1の凹溝6内にシールリング5を装着させたのち、その挿入部2をリング部材1Aの受入部3内に挿入し、リング部材1Aの係合部4をリング部材1の外周部に形成した保持部8と係合させれば、同様の方法でリング部材1Bを相互に連結させて管継手20とするものである。
また、保持部8に係合保持されるリング部材の移動可能な可変幅を前後5°としているが、その角度は5°にのみ限定されるものではない。
さらに、リング部材同士を水密に保持するシールリング5は、挿入部2の後方に凹溝6を形成して設けているが、他の手段であってもよいものである。
たとえば、損傷などで取換えが必要な部位を切除して、配管Aの一方に受入部22を装着する。
ついで、前記切除された部位の長さにほぼ等しい管継手20を、図7に示すように全体を弧状に屈曲させ、管継手20の受入部3側に短い接続管21を装着するとともに、配管Aの管端に受口部22を装着する。
ついで、配管Aに装着した受口部22を一旦後方(矢印方向)に移動させておき、管継手20の受入部3を配管Bと接続させたのち、管継手20を直線状に変形させる。
その後、前記受口部22を、前方(矢印右側方向)に移動させて、前記管継手20の挿入部2に嵌合して接続させることによって、配管AとB間の接続を行うものである。
また、前記リング部材を使用した管継手は、直線状にも、一定の角度で屈曲する曲管としても使用することができるので、上下水道、各種ケーブルの施工に有効な技術として、それらの業界に有効に利用される可能性の高いものである。
2 リング部材の挿入部
2a 挿入部の外周面
3 リング部材の受入部
3a 受入部の内周面
3b 開口端
3c 受入部の後部端面
4 凸状の係合部
5 シールリング
6 凹溝
7 環状帯
8 保持部
20 管継手
A,B 配管
O,P 球面の中心
d 球面の直径
X リング部材の軸心
Claims (7)
- 複数を互いに連結させることによって、所望の長さを有し、かつ屈曲性を有する管継手を形成することのできる短い円筒体からなるものであって、
前記円筒体は、口径の小さな挿入部と口径の大きな受入部とを有し、
前記挿入部の先端側の外周面と受入部の内周面とが、前記円筒体の軸心に中心を有する同一径の、球体の球面の同一面部により形成され、
前記受入部の開口部の内面端部には係合部が、前記円筒体の外周部のほぼ中央部には、前記係合部を係合保持する保持部がそれぞれ形成されていること
を特徴とする管継手用のリング部材。 - 前記受入部の内周面と挿入部の先端側における外周面の形状は、
個々のリング部材を、円筒体の軸心との垂直方向の全方位に滑動自在な状態での嵌合連結を可能とするもので、複数のリング部材を嵌合して得られる管継手に屈曲性を付与するものであること
を特徴とする請求項1記載の管継手用のリング部材。 - 前記円筒体は、
前記球面状の挿入部の後端部と、前記受入部の後部に段差をもって形成される後部端面との間に環状帯を有するもので、当該円筒体に連結される他のリング部材を構成する円筒体の滑動を、当該円筒体に形成された環状帯の中央部の前記保持部を中心として、前記環状帯の範囲に規制し、連結されたリング部材の屈曲方向を規制するよう構成されていること
を特徴とする請求項1記載の管継手用のリング部材。 - 前記受入部の内周面を形成する球面の中心は、
前記受入部の開口端面に形成される係合部の内端縁と円筒体の軸心との交差位置にあるとともに、前記挿入部の先端側における外周面を形成する球面の中心は、前記外周部の後端と前記受入部の後部端面間に形成される環状帯を垂直に2分する平面と円筒体の軸心との交差位置にあること
を特徴とする請求項1記載の管継手用のリング部材。 - 前記挿入部は、
先端側に形成される球面状の外周部の後方に、シールリング用の凹溝が設けられていること
を特徴とする請求項1記載の管継手用のリング部材。 - 前記受入部の開口内端面に設けられる係合部は、
リング状の幅狭の凸状体で形成されていること
を特徴とする請求項1記載の管継手用のリング部材。 - さらに、この発明の請求項7に記載の発明は、
請求項1〜6のいずれかに記載の複数のリング部材同士を、一方のリング部材の受入部に他方のリング部材の挿入部を挿入させて、他方のリング部材の外周部に形成された保持部に、前記一方のリング部材の係合部を係合保持させて所望の長さとするとともに、相互に連結させたリング部材同士の屈曲方向を規制するよう構成されていること
を特徴とする管継手。
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