JP2011202550A - 発熱体付パティキュレートフィルタ及び排ガス浄化排出構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】発熱体付パティキュレートフィルタにおいて、効率的に再生性能を高くできる構造を実現することである。
【解決手段】パティキュレートフィルタ16は、燃料供給による再生時の昇温を補助する機能を有する酸化触媒を含み、入口側に設けられ、酸化触媒が配置された触媒配置部30と、出口側に設けられ、酸化触媒が配置されない触媒非配置部32とを備える。好ましくは、触媒配置部30は、パティキュレートフィルタ16全体において入口から長手方向の20%未満の範囲に設け、触媒非配置部32は、パティキュレートフィルタ16全体において出口から長手方向の80%を超える範囲に設ける。
【選択図】図3

Description

本発明は、燃料供給による再生時の昇温を補助する機能を有する発熱体を含む発熱体付パティキュレートフィルタ及び排ガス浄化排出構造に関する。
内燃機関、例えばディーゼルエンジンから排出される排気ガス中には、炭素質からなるすす等を主成分とする排気微粒子である、パティキュレートや、灰すなわちアッシュ等の燃焼残留物が含まれる。このため、従来から、例えば、ディーゼルエンジンの排ガス排出構造において、ディーゼルパティキュレートフィルタ、すなわちDPFを設けて、パティキュレート及び燃焼残留物を除去することが考えられている。また、DPFの内部に発熱体である、酸化触媒を設けた触媒付DPFを採用し、触媒付DPFの上流側の排気経路に燃料を噴射させ、燃料を、DPFの上流側に配置されたDOC(Diesel Oxidation Catalyst)で酸化させることにより燃焼させ、その燃焼による昇温でDPFに溜まったパティキュレートを酸化させ、すなわち燃焼により除去し、DPFを再生、すなわちDPFの性能を回復させることが考えられている。この場合、DPF内の酸化触媒は、再生時の昇温を補助する機能を有する。なお、本明細書及び特許請求の範囲の全体において、「上流」、「下流」は、それぞれ内燃機関から排出される排ガスの流れについての上流、下流を意味する。
また、特許文献1には、排ガス浄化装置であって、第1酸化触媒が担持された金属製のハニカム構造体を有する第1浄化部と、第1浄化部の下流側に配置され第2酸化触媒が担持されたパティキュレートフィルタを有する第2浄化部とを備える排ガス浄化装置が記載されている。また、パティキュレートフィルタは、上流側が下流側よりも第2酸化触媒の担持量が相対的に多いとしている。これにより、効率よく触媒を活性化させることが可能になり、排ガスを効率よく浄化させることが可能になるとされている。
また、第2酸化触媒の担持量が相対的に多い領域を、パティキュレートフィルタの上流側から、パティキュレートフィルタの軸線方向における長さの20〜80%の領域とすることにより、第2酸化触媒を全体に均一に分散させて担持する場合よりも、排ガスが接触しやすい上流側部分に触媒が配置され、排ガスの圧力損失及び触媒劣化による浄化性能への影響を抑制できるとされている。また、第2酸化触媒の担持量が相対的に多い領域が、パティキュレートフィルタの上流側から、パティキュレートフィルタの軸線方向における長さの20%よりも低くなると、シンタリングによる活性金属の粒子成長が促進され、性能悪化が懸念されるとされている。
また、特許文献1では、従来技術の問題点として、パティキュレートを除去するために排ガス経路に燃料を噴射し、噴射した燃料を酸化触媒により燃焼させ、その際の燃焼熱でパティキュレートを燃焼、除去する場合、燃料を消費する必要があるので、燃費が悪化するという問題があるとされている。
なお、本発明に関連する先行技術文献として特許文献1の他に特許文献2がある。
特開2009−57922号公報 特開2007−313451号公報
触媒付DPFを採用し、上流側の排気経路で燃料を供給し、DPFの上流側に配置されたDOCで燃料を燃焼させ、その燃焼による昇温で、触媒付DPFの再生を行い、DPF内の酸化触媒に再生時の昇温を補助する機能を持たせる構成において、従来から酸化触媒をDPFの内部に全体的に均一にコートする、すなわち担持することが一部で行われている。ただし、このように触媒をDPFに均一にコートする場合には、触媒量に対して再生率、すなわち再生によるパティキュレートを除去できる割合が低くなり、効率が悪い。このような事情から本発明者は、鋭意工夫して、同じ触媒量でも再生時の再生性能をより高くしたり、同じ再生性能をより少ない触媒量で達成することができるDPFを考えるに至った。
これに対して、特許文献1に記載された排ガス浄化装置の場合、第2酸化触媒を担持したパティキュレートフィルタの上流側の排気経路に、再生のために燃料を供給することは行っていない。また、この排ガス浄化装置では、パティキュレートフィルタに上流側で下流側よりも多くの第2酸化触媒を担持するとされているが、下流側でも触媒は担持されている。これはパティキュレートフィルタに、パティキュレートの燃焼のために第2酸化触媒を担持させているのではなく、第2酸化触媒を、炭化水素、一酸化炭素等の排気ガス成分を酸化するために設けていることによる。また、特許文献1では、好ましい構成として、フィルタで、第2酸化触媒を多く担持する領域として、パティキュレートフィルタの軸線方向における長さの20〜80%の領域とし、20%未満の領域を除外している。このような特許文献1の排ガス浄化装置の構成が有する触媒分布は、酸化触媒に再生時の昇温を補助する機能を持たせて、効率的に再生性能を高くする面から最適ではない。
また、特許文献2には、核となる銀粒子、及び、銀粒子の周囲を覆っている平均一次粒径が1〜100nmのセリア微粒子からなる凝集体と、NOx吸収材と、少なくともロジウムを含む1種以上の貴金属とを備えるディーゼル排ガス浄化用構造体が記載されているが、パティキュレートフィルタにコートする場合において、効率的に再生性能を向上させるコート形態を開示するものではない。
本発明の発熱体付パティキュレートフィルタ及び排ガス浄化排出構造は、パティキュレートフィルタにおいて、効率的に再生性能を高くできる構造を実現することを目的とする。
本発明に係る発熱体付パティキュレートフィルタは、燃料供給による再生時の昇温を補助する機能を有する発熱体を含む発熱体付パティキュレートフィルタであって、入口側に設けられ、発熱体が配置された発熱体配置部と、出口側に設けられ、発熱体が配置されない発熱体非配置部とを備えることを特徴とする発熱体付パティキュレートフィルタである。
また、本発明に係る発熱体付パティキュレートフィルタにおいて、好ましくは、発熱体配置部は、フィルタ全体において入口から長手方向の20%未満の範囲(より好ましくは、5%以上20%未満の範囲)に設けられ、発熱体非配置部は、フィルタ全体において出口から長手方向の80%を超える範囲に設けられている。
また、本発明に係る発熱体付パティキュレートフィルタにおいて、好ましくは、発熱体は酸化触媒である。ここで、酸化触媒には、例えば、アルミナ等の金属酸化物からなる担体に、Pt、Pd等の貴金属を担持した触媒を使用することができる。
また、本発明に係る発熱体付パティキュレートフィルタにおいて、好ましくは、発熱体は、核となる銀粒子、及び、銀粒子の周囲を覆っている平均一次粒径が1〜100nmのセリア微粒子からなる凝集体からなる触媒を使用することもできる。
また、本発明に係る排ガス浄化排出構造は、内燃機関の排ガス経路に設けられ、燃料供給部により燃料が供給される被燃料供給部と、排ガス経路の被燃料供給部のガス下流側に設けられた、本発明に係る発熱体付パティキュレートフィルタとを備えることを特徴とする排ガス浄化排出構造である。
本発明に係る発熱体付パティキュレートフィルタ及び排ガス浄化排出構造によれば、パティキュレートフィルタにおいて、全体の触媒量を多くすることなく再生性能をより高くできる。また、同じ再生性能を実現するために必要な全体の触媒量をより少なくすることもできる。このため、効率的に再生性能を高くできるパティキュレートフィルタを実現できる。
本発明の実施の形態の排ガス浄化排出構造の構成図である。 本発明の実施の形態の発熱体付パティキュレートフィルタの構成を示す略斜視図である。 図2のパティキュレートフィルタの略断面図である。 本実施の形態の効果を確認するためのシミュレーションに用いた第1解析モデル及び第2解析モデルを示す図である。 第1解析モデルについての、フィルタでの発熱体割合と再生率との関係を示すグラフである。 第2解析モデルについての、フィルタでの発熱体割合と再生率との関係を示すグラフである。 第1解析モデルについての、フィルタでの発熱体割合と再生率変化率との関係を示すグラフである。 第2解析モデルについての、フィルタでの発熱体割合と再生率変化率との関係を示すグラフである。 第1解析モデルについての、フィルタでの発熱体割合と平均温度増分との関係を示すグラフである。 第2解析モデルについての、フィルタでの発熱体割合と平均温度増分との関係を示すグラフである。
以下において、図面を用いて本発明に係る実施の形態につき詳細に説明する。図1は、本発明の実施の形態のパティキュレートフィルタを含む排ガス浄化排出構造の全体構成を示している。
図1に示すように、本実施の形態の排ガス浄化排出構造は、内燃機関であるディーゼルエンジン(以下、単にエンジンという。)10に接続され、エンジン10の燃焼室で燃料が燃焼されることにより生じる排ガスを外部に排出するために使用する。排ガス浄化排出構造は、エンジン10の排気マニホールド(図示せず)に排気管を含む排ガス経路12を接続しており、排ガス経路12により、排ガス浄化装置14と、発熱体である酸化触媒を有するパティキュレートフィルタ(以下、単にDPFという。)16とを、上流側から下流側に順に接続している。また、排ガス経路12において、排気マニホールドと排ガス浄化装置14との間に、被燃料供給部18を設けている。被燃料供給部18は、燃料供給部20により燃料が供給され、排ガス経路12を流れる排ガスに燃料が混合されて、下流側に送られる。
排ガス浄化装置14は、DOCと呼ばれる酸化触媒担持構造であり、上流側及び下流側の端部を塞がないハニカム構造に酸化触媒を含む触媒を担持させている。排ガス浄化装置14は、排ガス中のNOxや炭化水素(HC)等を浄化する機能を有する。
排ガス浄化装置14を通過した排ガスは、DPF16に送られる。DPF16は、エンジン10の排ガス中に含まれる排気微粒子であり、粒子状物質であるパティキュレート(Particulate matter)及びアッシュ等の燃焼残留物を捕集し、パティキュレートを酸化、すなわち燃焼により除去するために使用する。図2に示すように、DPF16は、ハニカム型であり、複数のセル壁である隔壁22により互いに仕切られた複数の流路24,26を有するハニカム状に形成されており、複数の流路24,26は上流側流路群である流路24及び下流側流路群である流路26の、2の流路群に区分されている。上流側の流路24は、下流側(図2の右側)が栓(plug)28により塞がれており、下流側の流路26は、上流側(図2の左側)が栓28により塞がれている。複数の流路24,26により断面がチェッカーボード状であるハニカムが形成されている。上流側の流路24の一部は下流側の流路26によって囲まれており、下流側の流路26の一部は上流側の流路24に囲まれている。DPF16は、隔壁22で排気ガスを通過可能とするが、栓28では排ガスを通過不能とする。なお、DPF16はこのような構成に限定するものではない。
図2の矢印α方向に流れる排気ガスは、上流側の流路24の開口からDPF16内に送られ、隔壁22に設けられた細孔を通じて、下流側の流路26に送られ、下流側の流路24の開口から外側に排出される。排ガス中に含まれるパティキュレートは、隔壁22を通過しにくいので、DPF16内で捕集される。このため、DPF16を通過する排ガスを浄化することが可能となる。
また、DPF16にパティキュレートが過度に溜まると圧力損失が高くなり、性能悪化の原因となる。このため、DPF16では、燃料供給部20(図1)により定期的に排ガス経路12(図1)に燃料を供給する。燃料は排ガス中に混合され、排ガス浄化装置14に送られ、排ガス浄化装置14中で酸化、すなわち燃焼するため、排ガスが昇温し、昇温した排ガスがDPF16に送られる。また、DPF16には未燃焼の燃料が送られる。このためDPF16の基材に直接または担体を介して酸化触媒を担持させることにより、DPF16で燃料を酸化させて、排ガスをさらに昇温することができる。排ガスが昇温し、例えば600度以上になると、DPF16内に溜まったパティキュレートを燃焼させ、除去することが可能となる。このため、本実施の形態のDPF16は、ハニカム状等の基材に発熱体である酸化触媒を担持させている。すなわち、DPF16は、燃料供給部20による燃料の供給により、パティキュレートを燃焼、除去する再生が行われ、DPF16は、燃料供給による再生時の昇温を補助する機能を有する酸化触媒を含む。なお、基材の材質は限定されないが、例えば、コージェライト、炭化ケイ素、ムライト等のセラミックスからなる基材等を使用できる。
また、酸化触媒は、例えばアルミナ等の金属酸化物からなる担体に、Pt、Pd等の貴金属を担持した触媒である。また、酸化触媒として、上記の特許文献2に記載された、核となる銀粒子、及び、銀粒子の周囲を覆っている平均一次粒径が1〜100nmのセリア微粒子からなる凝集体を使用することもできる。銀粒子は、銀を単独で用いたものでもよいが、銀と銀以外の金属との2種以上の金属からなる合金を用いることもできる。さらに、銀粒子は、一部が酸化物を形成していてもよく、他の元素との化合物を形成していてもよい。銀粒子の一部が酸化物や化合物を形成している場合、銀の含有率が0.3質量%以上であることが好ましい。なお、銀粒子及びセリア微粒子そのものは一次粒子であり、前者が後者により覆われてなる二次粒子を凝集体とする。
このような銀粒子は、酸素遊離材として機能する。このような銀粒子によって、効率的にパティキュレート等を酸化する反応系に酸素原子を取り込むことが可能になる。また、銀粒子は含酸素物質捕捉材として機能することもある。また、セリア微粒子は、還元剤としても作用するもので、銀粒子により生成された酸素活性種を移動することが可能なものであり、酸素活性移動材として機能する。受け取られた酸素活性種はセリア微粒子を移動して、吸着されているパティキュレートに到達することが可能になる。
また、上記凝集体においては、セリア微粒子における酸素活性種の移動度を高めるとともにセリア粒子の粗大化をより有効に防止するために、La、Nd等のCe以外の希土類元素や、Zr、Y、Al及びSiからなる群から選択される少なくとも一種の添加成分をさらに含有していることがより好ましい。
また、凝集体の平均粒径は特に限定されないが、0.05〜0.5μmであることが好ましく、0.07〜0.2μmであることがより好ましい。平均粒径が上記下限未満では含酸素物質と銀粒子との接触が阻害される傾向になり、他方、上記上限を超えるとセリア微粒子とパティキュレート等との接触が阻害される傾向にある。
また、このような凝集体は、分散性が高いことが好ましく、全凝集体のうちの60容量%以上のものが上記平均粒径±50%の範囲内の粒径を有していることが好ましい。凝集体の形状は限定されないが、球状であることが好ましい。
また、本実施の形態では、図3に示すように、DPF16は、入口側(図3の右側)に設けられ、酸化触媒が隔壁22に配置されたゾーンコート部である触媒配置部30と、出口側(図3の左側)に設けられ、酸化触媒が配置されない触媒非配置部32とを備える。図3では、触媒配置部30を斜格子で表している。すなわち、DPF16は、上流側である入口端(図3の左端)から長手方向である軸線方向(図3の左右方向)に関する全長Laに対する隔壁22の50%以下の領域(図3の矢印β範囲)に触媒配置部30を設け、触媒配置部30に酸化触媒をほぼ均一に配置している。また、触媒配置部30よりも下流側部分を、酸化触媒を設けない触媒非配置部32としている。すなわち、DPF16では、上流側の触媒配置部30のみに酸化触媒を集中配置している。触媒配置部30を設ける全体中の割合は各隔壁22で互いに同じとする。
また、好ましくは、DPF16の入口端から軸線方向に関する全長に対する隔壁22の20%未満の領域に触媒配置部30を設ける。この場合、触媒非配置部32は、DPF16の出口端(図3の右端)から軸線方向に関する全長に対する隔壁22の80%を超える領域に設ける。さらに好ましくは、DPF16の入口端から軸線方向に関する全長に対する隔壁22の5%以上で、20%未満の領域に触媒配置部30を設ける。
さらに好ましくは、DPF16の入口端から軸線方向に関する全長に対する隔壁22の20%未満の特定領域(より好ましくは5%以上、20%未満の特定領域)に触媒配置部30を設けるとともに、酸化触媒として、上記の、核となる銀粒子、及び、銀粒子の周囲を覆っている平均一次粒径が1〜100nmのセリア微粒子からなる凝集体を用いる。
このような本実施の形態のDPF16及びDPF16を含む排ガス浄化排出構造によれば、DPF16において、全体の触媒量を多くすることなく再生性能をより高くできる。すなわち、酸化触媒をDPF16の上流側に集中的に配置するので、酸化触媒による燃料の酸化促進により発生した熱が排ガスの流れに伴って下流側に伝達され、上流側で発生した熱を効率的に利用することが可能になる。このため、本実施の形態と異なり、DPF16の軸線方向全長に関する全体に対し酸化触媒を均一に配置した場合と比べて、同一の触媒量でDPF16の再生性能を向上できる。
また、酸化触媒をDPF16の上流側に集中的に配置するので、上流側で発生した熱を効率的に利用することが可能になり、同じ再生性能を実現するためにDPF16に必要な全体の触媒量をより少なくすることもできる。この場合、DPF16でのより少ない発熱量で同等の昇温が可能となる。このため、効率的に再生性能を高くできるDPF16を実現できる。
また、触媒配置部30を、DPF16全体において入口から長手方向の隔壁22の20%未満の範囲に設けるとともに、触媒非配置部32を、DPF16全体において出口から長手方向の80%を超える範囲に設けた場合には、上流側で発生した熱をより効率的に利用することが可能となり、より効率的に再生性能をできるDPF16を実現できる。
また、DPF16の入口端から軸線方向に関する全長に対する隔壁22の20%未満の特定領域(より好ましくは5%以上、20%未満の特定領域)に触媒配置部30を設けるとともに、酸化触媒として、上記の、核となる銀粒子、及び、銀粒子の周囲を覆っている平均一次粒径が1〜100nmのセリア微粒子からなる凝集体を用いる構成を採用した場合には、DPF16でのシンタリングによる性能悪化をより有効に防止しつつ、効率的に再生性能を高くできるDPF16を実現できる。すなわち、酸化触媒を上記特定領域に集中的に設ける場合、他の構成を工夫しない場合には、酸化触媒のシンタリングによる性能悪化が生じる可能性がある。例えば、上記の特許文献1では、酸化触媒の担持量が相対的に多い領域が、パティキュレートフィルタの上流側から、パティキュレートフィルタの軸線方向における長さの20%よりも低くなると、シンタリングによる活性金属の粒子成長が促進され、性能悪化が懸念されるとされている。これに対して、本実施の形態で、上記の特定領域に触媒配置部30を設けるとともに、この触媒配置部30に設ける触媒を上記の凝集体とする構成を採用した場合には、シンタリングによる悪影響を有効に回避することができる。
また、上記の特定領域に触媒配置部30を設けるとともに、酸化触媒として、アルミナ等の金属酸化物からなる担体に、Pt、Pd等の貴金属を担持した触媒を用いる構成を採用した場合も、DPF16でのシンタリングによる性能悪化をより有効に防止しつつ、効率的に再生性能を高くできるDPF16を実現できる。
次に、本発明の効果を確認するために行ったシミュレーションの結果を説明する。なお、以下の説明では、発熱体である酸化触媒が存在している触媒配置部30の隔壁22の入口からの長さの、DPF16全長に対する割合を「発熱体割合」と定義して説明する。また、DPF16の「再生率」は、再生前のDPF16の重量に対する、再生でパティキュレートが燃焼して除去された後のDPF16の重量の割合を意味するものとして定義する。
シミュレーションでは、図4に示す第1解析モデル34及び第2解析モデル36を用いて行った。第1解析モデル34は、外形d1が直径16cmで、長さL1が15cmの円柱形状で、1平方インチ(=6.45cm2)当たりのセルピッチ、すなわち1平方インチの断面積当たりの流路数を300とし、隔壁22(図2、図3)の厚さを12ミリインチ(=30.5×10-3cm)としたDPF16で、発熱体割合を異ならせて作成した解析モデルとした。ここで、発熱体割合は、10.0%、17.0%、24.5%、54.0%、75.5%、100%とし、それぞれの発熱体割合の解析モデルを、それぞれ本発明に属する実施例1−1、1−2、1−3、本発明から外れた比較例1−1、1−2、1−3とした。また、いずれの解析モデルの場合も全体の触媒量は同じとしている。そして、これらの解析モデルに対し、CD−adapco社製の熱流体解析ソフトウェアSTAR−CDによるDPF16の再生解析のシミュレーションを行った。表1は、第1解析モデル34での解析条件及び再生解析により得られた再生率を表している。なお、表1及び後述する表2中、「局所発熱量」とは、DPF16の触媒配置部30における単位体積あたりの発熱量を表す。なお、DPF16の触媒非配置部32における「局所発熱量」はゼロである。
Figure 2011202550
また、第2解析モデル36は、外形d2が直径16cmで、長さL2が15cmの円柱形状で、1平方インチ(=6.45cm2)当たりのセルピッチを300とし、隔壁22(図2、図3)の厚さを12ミリインチ(=30.5×10-3cm)としたDPF16で、発熱体割合を異ならせて作成した解析モデルとした。ここでも、発熱体割合は、10.0%、17.0%、24.5%、54.0%、75.5%、100%とし、それぞれの発熱体割合の解析モデルを、それぞれ本発明に属する実施例2−1、2−2、2−3、本発明から外れた比較例2−1、2−2、2−3とした。また、いずれの解析モデルの場合も全体の触媒量は同じとしている。そして、これらの解析モデルに対し、上記と同様に、CD−adapco社製の熱流体解析ソフトウェアSTAR−CDによるDPF16の再生解析のシミュレーションを行った。表2は、第2解析モデル36での解析条件及び再生解析により得られた再生率を表している。
Figure 2011202550
図5は、第1解析モデル34についての、DPF16での発熱体割合と再生率との関係を示すグラフであり、図6は、第2解析モデル36についての、DPF16での発熱体割合と再生率との関係を示すグラフである。図5、図6は、それぞれ表1、表2で表した発熱体割合及び再生率をグラフ化している。表1、表2、図5、図6から明らかなように、DPF16全体での総発熱量を一定にした場合、すなわち全体の触媒量を同一にした場合で、発熱体割合、すなわち触媒の入口からの隔壁22への配置長さの全長に対する割合を異ならせた場合、発熱体割合を減少させた実施例で、比較例よりも再生率を向上できることが分かる。
また、図7は、第1解析モデル34についての、DPF16での発熱体割合と再生率変化率との関係を示すグラフであり、図8は、第1解析モデル34についての、DPF16での発熱体割合と再生率変化率との関係を示すグラフである。図7、図8に示す関係は、それぞれ上記の図5、図6に示す関係から求めている。「再生率変化率」は、発熱体割合の微小増大分に対し再生率がどれだけ減少したかの程度を表している。すなわち、図5、図6の再生率の曲線を発熱体割合に関して微分して(−1)を乗じたものを、「再生率変化率」として、図7、図8に発熱体割合に対してプロットしている。図7、図8から明らかなように、発熱体割合が20%以上で、再生率は急激に減少していることが分かる。ただし、実施例1−1,1−2,2−1,2−2に対応する、発熱体割合の20%未満でも、発熱体割合が減少するほど再生率は徐々に上昇しており、再生率をより向上できることが分かる。
このような結果から、発熱体割合を50%以下とする本実施の形態の場合には、DPF16での全体の触媒量を多くすることなく再生性能をより高くできることを確認できた。また、このような効果が得られる理由は、発熱体割合を小さくするほど、全体の触媒量が同じでもDPF16の内部の温度をより上昇させることができるためである。
次に、このことを確認するために行ったシミュレーション結果を説明する。このシミュレーションでは、上記の第1解析モデル34及び第2解析モデル36を用いて、それぞれでの内部の同じ中央位置における、実施例及び比較例の発熱体割合での平均温度増分を解析するシミュレーションを行った。図9は、第1解析モデル34についての、DPF16での発熱体割合と平均温度増分との関係を示すグラフであり、図10は、第2解析モデル36についての、DPF16での発熱体割合と平均温度増分との関係を示すグラフである。ここで、「平均温度増分」とは、DPF16の再生途次のある時刻において、各実施例及び各比較例の平均温度の、発熱体割合を100%とした、すなわち触媒をDPF16全体に均一配置した構成の平均温度に対する上昇分を表す。シミュレーションでは、各モデルに対応する構成を用いた実験において、DPF16の入口温度や、流量等を計測し、これを入力データとしてシミュレーションを行った。
図9、図10の結果から明らかなように、第1解析モデル34、第2解析モデル36いずれの場合も、発熱体割合が減少するほど平均温度増分が増大している。これは、触媒が上流側に集中的に配置されるほど上流側での酸化反応がより促進され、燃料の酸化による発熱がより効率的に下流側に伝達され、DPF16の平均温度を上昇できるためである。このシミュレーション結果により、本実施の形態で、DPF16での全体の触媒量を多くすることなく再生性能をより高くできる理由を確認できた。
10 ディーゼルエンジン、12 排ガス経路、14 排ガス浄化装置、16 パティキュレートフィルタ(DPF)、18 被燃料供給部、20 燃料供給部、22 隔壁、24,26 流路、28 栓、30 触媒配置部、32 触媒非配置部、34 第1解析モデル、36 第2解析モデル。

Claims (6)

  1. 燃料供給による再生時の昇温を補助する機能を有する発熱体を含む発熱体付パティキュレートフィルタであって、
    入口側に設けられ、発熱体が配置された発熱体配置部と、出口側に設けられ、発熱体が配置されない発熱体非配置部とを備えることを特徴とする発熱体付パティキュレートフィルタ。
  2. 請求項1に記載の発熱体付パティキュレートフィルタにおいて、
    発熱体配置部は、フィルタ全体において入口から長手方向の20%未満の範囲に設けられ、
    発熱体非配置部は、フィルタ全体において出口から長手方向の80%を超える範囲に設けられていることを特徴とする発熱体付パティキュレートフィルタ。
  3. 請求項1に記載の発熱体付パティキュレートフィルタにおいて、
    発熱体は酸化触媒であることを特徴とする発熱体付パティキュレートフィルタ。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか1に記載の発熱体付パティキュレートフィルタにおいて、
    発熱体は、金属酸化物からなる担体に貴金属を担持した酸化触媒であることを特徴とする発熱体付パティキュレートフィルタ。
  5. 請求項1から請求項3のいずれか1に記載の発熱体付パティキュレートフィルタにおいて、
    発熱体は、核となる銀粒子、及び、銀粒子の周囲を覆っている平均一次粒径が1〜100nmのセリア微粒子からなる凝集体からなる酸化触媒であることを特徴とする発熱体付パティキュレートフィルタ。
  6. 内燃機関の排ガス経路に設けられ、燃料供給部により燃料が供給される被燃料供給部と、
    排ガス経路の被燃料供給部のガス下流側に設けられた、請求項1から請求項5のいずれか1に記載の発熱体付パティキュレートフィルタとを備えることを特徴とする排ガス浄化排出構造。
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