JP2011201776A - ヘテロシクリデン−n−(3,4−ジヒドロ−2(1h)−キナゾリノン−5−イル)アセトアミド誘導体 - Google Patents

ヘテロシクリデン−n−(3,4−ジヒドロ−2(1h)−キナゾリノン−5−イル)アセトアミド誘導体 Download PDF

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Abstract

【課題】TRPV1受容体の機能を調節する化合物、TRPV1受容体拮抗剤、疼痛を含むTRPV1受容体が関与する疾患の予防及び/または治療剤の提供。
【解決手段】発痛のメカニズムに関する研究の中で、唐辛子の主な辛味成分であるカプサイシン(8−メチル−N−バニリル−6−ノナンアミド)の受容体(TRPV1受容体)が注目されている。新規受容体拮抗剤であるところの、式(I)
Figure 2011201776

で表される化合物、その塩、その溶媒和物、これらを有効成分とする医薬組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、医薬、とりわけTransient Receptor Potential Vanilloid Type I 受容体(以下、「TRPV1受容体」と記する)の機能を調節する化合物、とりわけ、ヘテロシクリデン骨格を有するN−(3,4−ジヒドロ−2(1H)−キナゾリノン−5−イル)アセトアミド誘導体、該誘導体を有効成分として含有するTRPV1受容体拮抗剤、あるいは疼痛を含むTRPV1受容体が関与している疾患の予防または治療剤に関する。
発痛のメカニズムに関する研究の中で、唐辛子の主な辛味成分であるカプサイシン(8−メチル−N−バニリル−6−ノナンアミド)の受容体(TRPV1受容体)が1997年にクローニングされた(Caterina MJ, Schumacher MA, Tominaga M Rosen TA, Levine JD, Julius D.:Nature、389巻:816−824頁、1997年)。TRPV1受容体はカプサイシンを認識する受容体であり、痛覚に関与する一次感覚ニューロンやC線維神経末端を含む求心性感覚線維に多く発現しており、この後、多くのTRPファミリーがクローニングされた。
TRPファミリーは構造として類似しており、6回膜貫通ドメインを持ち、N末端側とC末端側が細胞内に存在する。TRPV1受容体は、カプサイシン刺激、または酸(pH6.0以下)、あるいは熱(43℃以上)に反応してカルシウムイオン、ナトリウムイオンなどのカチオンを細胞内に流入させる。したがって発現部位、およびカプサイシンの作用から、TRPV1受容体の神経興奮への大きな寄与が想定された。更にTRPV1受容体の生体への寄与は多くの既報の情報から明らかにされてきており、特にTRPV1受容体を欠失したマウス(TRPV1ノックアウトマウス)は、神経因性疼痛による熱感受性亢進が認められないこと、Complete Freund's Adjuvant(CFA)惹起炎症性疼痛モデルで浮腫が抑制されていること(Szabo A, Helyes Z, Sandor K, Bite A, Pinter E, Nemeth J, Banvolgyi A, Bolcskei K, Elekes K, Szolcsanyi J.:Journal of Pharmacology And Experimental Therapeutics、314巻:111−119頁、2005年)、あるいは既報のTRPV1受容体作動薬による脱感作作用が神経因性疼痛モデルや炎症性疼痛モデルで鎮痛効果を示すことなどからTRPV1受容体の疼痛への関与が示唆されている(Rashid MH, Inoue M, Kondo S, Kawashima T, Bakoshi S, Ueda H:Journal of
Pharmacology And Experimental Therapeutics、304巻:940−948頁、2003年)。
カプサイシンの塗布は一過性の激しい疼痛を惹起するが、その後、脱感作を誘導して鎮痛効果を及ぼし、この特性に基づいてカプサイシンクリームを始めとして多くのTRPV1受容体作動薬が鎮痛薬として開発中である(Saper JR, Klapper J, Mathew NT, Rapoport A, Phillips SB, Bernstein JE,Archives of Neurology,59巻:990−994頁、2002年)。
最近、ストレプトゾトシンを投与して誘発された糖尿病性疼痛モデルラットの後根神経
節細胞はカプサイシン刺激による脱分極が亢進している、すなわちTRPV1受容体の感受性が亢進していることが報告されており、糖尿病性疼痛に対するTRPV1受容体の関与が示唆されている(Hong S,Wiley JW:The Journal of
Biological Chemistry、280巻:618−627頁、2005年)。また、TRPV1受容体作動薬であるカプサイシンの脱感作作用が膀胱機能改善に有望との報告があり、排尿への寄与も示唆されている(武田正之、荒木勇雄、日本薬理学雑誌、121巻、325−330頁、2003年)。更に、カプサイシン刺激による気管支の収縮やこの作用に対するTRPV1受容体拮抗薬の阻害効果などの報告もあり、呼吸器への関与も示唆されるなど、TRPV1受容体が様々な疾患に関与していることが明らかにされてきている。これらの情報からTRPV1受容体の機能を調節する、いわゆるTRPV1受容体調節剤の有用性が期待されている。
TRPV1調節剤のうちTRPV1受容体を刺激して脱感作を誘導する作動薬及び拮抗薬はともに様々な疾患に対する有用性が期待されているが、このうち作動薬は一過性の激しい刺激による発痛を惹起することなどから、このような刺激による興奮を誘発しないTRPV1受容体拮抗薬が注目されている。現在、TRPV1受容体拮抗作用を有する化合物は、鎮痛薬、尿失禁治療薬、呼吸器疾患治療薬等幅広い有用性が期待されている。
「痛みは、組織の実質的あるいは潜在的な傷害に基づいて起こる不快な感覚的・情動的体験、また、このような表現を使って述べられる感覚・情動体験も含まれる」と、定義されている。痛みは、大きく3つに分類されて1.侵害受容性疼痛、2.神経因性疼痛、3.心因性疼痛に分類される。
侵害受容性疼痛とは、機械刺激、温度刺激、化学的刺激によって引き起こされる生理的な痛みであり、一般的にいう急性痛のことである。このような痛みは危険から身を守るための不快な感覚体験に基づいた生体センサーとしての役割を果たしている。しかしながら、リウマチなどの痛みは確かに急性疼痛と思われていたが、発症からの期間が長くなり、炎症が慢性化することにより、慢性疼痛となる。
組織損傷後や炎症時には熱刺激や機械刺激に対する痛覚過敏が生じる。熱刺激や機械刺激に対する痛覚過敏の説明として疼痛誘発物質、疼痛誘発刺激に対する受容体の感作が報告されており、炎症局所に出現する炎症性メディエーターやpH低下による痛み受容体の感作、炎症局所の温度上昇によるブラジキニンやヒスタミンに対する反応性の増大、更に神経成長因子(NGF)による感作などが挙げられる(参照文献:痛み -基礎・診断・治療- 花岡一雄[編集] 朝倉書店 2004年)。具体的な疾患としては、慢性関節リウマチ、変形性膝関節症などの疾患が代表的な例として挙げられる。慢性リウマチ性関節炎や変形性膝関節症によって引き起こされる疼痛を含む炎症性疼痛に対して、長い間、非ステロイド性消炎鎮痛薬(NSAIDs)が使用されてきたが、消化器障害、腎障害による副作用があり使用が制限されていた。更に近年、NSAIDsの副作用を軽減させるために開発されたシクロオキシゲナーゼ2選択的阻害剤(COX2阻害剤)は心不全が起きる副作用が懸念されて、社会的問題に発展している。従って、経口投与でより高い有効性を示し、副作用の少ない炎症性疼痛治療剤が求められている。
術後疼痛は、基本的には組織損傷に伴う炎症性疼痛であり、それに神経損傷に由来する神経原生の疼痛の要素も加味される。術後痛は、大きく体性痛と内臓痛に分けられ、体性痛は更に浅部痛と深部痛に分けられる。これらのうち強い術後痛を放置しておくと神経感作が生じて触る、圧すなど非侵害性刺激に対しても痛みを感じる(アロディニア)。このような痛みが発生した場合には、神経ブロック療法や、NSAIDsや抗てんかん薬やオピオイド作動薬などの薬物投与によりコントロールできない難治な症例も多く、また、使用される各薬物は、例えば、NSAIDsであれば消化器障害・腎障害による副作用;抗癲癇薬において、カルバマゼピン、フェニトインであれば、ふらつき、発疹、消化器症状、心毒性等、ガバペンチンであれば、傾眠やめまい等の副作用;オピオイド作動薬であれば、便秘などのそれぞれ副作用を伴うため、より高い有効性を示して副作用の少ない術後疼痛治療剤が求められている。
神経因性疼痛は、末梢から中枢への神経伝達系のどこかの部分の一次的損傷によって惹起されるか、機能異常によって引き起こされる痛みである(図説最新麻酔科学シリーズ4、痛みの臨床 第1章、檀健二郎、1998年、メジカルビュー社)。
神経因性疼痛を引き起こす原因となる神経の傷害は、代表的には、末梢神経、神経叢または神経周囲軟組織への外傷または傷害等であるが、中枢性の体性感覚経路(脊髄、脳幹、視床または皮質レベルでの上行体性感覚経路など)への傷害によっても起こる。例えば、神経変性疾患、骨変性疾患、代謝異常疾患、癌、感染、炎症、外科的手術後、外傷、放射線治療、抗癌剤による治療等いずれによっても発生し得る。しかし、その病態生理学、あるいは、特に発症の分子的メカニズムが完全に明らかにされているわけではない。
神経因性疼痛を特徴づける皮膚の反応異常として、例えばアロディニアが知られている。アロディニアとは正常なヒトでは痛みと感じない刺激で痛みを感じる状態である。アロディニアでは触刺激により痛みが引き起こされる、すなわち、感覚反応の質的な転換がある点、及び、その閾値自体が低下している点がアロディニアの基本的な特性と考えられている。神経因性疼痛の代表であるヘルペス後神経痛では、87%の患者にアロディニアが確認されている。そして、ヘルペス後神経痛の痛みの強さは、アロディニアの度合に比例しているとされている。患者の自由を著しく縛る症状としてアロディニアがヘルペス後神経痛の治療対象として注目されている。
ヘルペスは、一度感染したヘルペスウィルスが神経で再活性化して発症する疾患でヘルペス患者の70%が強い疼痛を感じる。この疼痛は疾患の治癒と共に消失するが、10%前後の患者は治癒後も痛みが長年にわたって残存していわゆるヘルペス後神経痛に悩まされている。発症機序は、ヘルペスウィルスの再増殖が神経節から起きており、この際に発生した神経傷害がシナプスの再編成を促して神経因性疼痛であるアロディニアを起こしていると言われている。臨床現場では高齢者ほどヘルペス後神経痛を発症しやすく、70%以上は60歳以上の症例である。治療薬として抗痙攣薬、非ステロイド性抗炎症薬、ステロイドなどが使用されているが完全な治療法はない(参照文献:痛み -基礎・診断・治療- 花岡一雄[編集] 朝倉書店 2004年)。
糖尿病性疼痛には高血糖を急速に是正したときに発症する急性疼痛と、脱髄、神経再生などの要因で発症する慢性疼痛に大きく分かれる。この糖尿病性疼痛のうち、慢性疼痛は糖尿病による血流の低下により後根神経節の炎症が生じ、引き続き生じる神経線維の再生により、神経の自然発火や易興奮性が起きる神経因性疼痛である。治療法としては非ステロイド性抗炎症薬、抗うつ剤、カプサイシンクリームなどが使用されているが単一薬剤で全ての糖尿病性疼痛を治癒できる完全な糖尿病性疼痛治療薬はない(参照文献:医薬のあゆみ 第211巻・第5号 2004年、特集「痛みシグナルの制御機構と最新治療エビデンス」)。
神経因性疼痛において、慢性的な疼痛症状を訴え、疼痛そのものが日常生活に支障をきたしているような患者に対して鎮痛療法を行うことは、直接、生活(生命)の質(Quality of Life)を改善することにつながる。しかし、神経因性疼痛にはモルヒネを代表とする中枢性鎮痛薬、非ステロイド性消炎鎮痛薬やステロイドは無効であるとされており、実際の薬物療法では、アミトリプチリンなどの抗うつ薬の処方や、ガバペンチン、プレガバリン、カルバマゼピン、フェニトインなどの抗癲癇薬、メキシレチンなどの抗不整脈薬が転用、処方されている。ところが、これらの薬物には、副作用として、アミトリプチリンには口渇、眠気、鎮静、便秘、排尿困難などが、カルバマゼピン、フェニトインにはふらつき、発疹、消化器症状、心毒性などが、ガバペンチンには傾眠やめまいが、メキシレチンにはめまいや消化器症状などが知られている。特異的な神経因性疼痛治療薬ではないこれらの薬物は、薬効と副作用の乖離が悪く、治療の満足度は低い。従って、経口投与でより高い有効性を示し、副作用の少ない神経因性疼痛治療剤が求められている。
近年、TRPV1受容体拮抗作用を有する化合物の研究が進められている。アミド結合を有する複素環化合物として、例えば、国際公開第03/049702号パンフレット(特許文献1)、国際公開第04/056774号パンフレット(特許文献2)、国際公開第04/069792号パンフレット(特許文献3)、国際公開第04/100865号パンフレット(特許文献4)、国際公開第04/110986号パンフレット(特許文献5)、国際公開第05/016922号パンフレット(特許文献6)、国際公開第05/030766号パンフレット(特許文献7)、国際公開第05/040121号パンフレット(特許文献8)、国際公開第05/046683号パンフレット(特許文献9)、国際公開第05/070885号パンフレット(特許文献10)、国際公開第05/095329号パンフレット(特許文献11)、国際公開第06/006741号パンフレット(特許文献12)、国際公開第06/038871号パンフレット(特許文献13)、国際公開第06/058338号(特許文献14)などが知られている。しかしながら、これらの特許文献には、TRPV1阻害剤と体温変化との関係を、解決すべき課題として取り扱ったものはない。また、これらの特許文献にはヘテロシクリデン−N−(アリール)アセトアミド誘導体の開示はない。
ヘテロシクリデン骨格を有する化合物を開示した従来技術として、国際公開第94/26692号パンフレット(特許文献15)、国際公開第95/06035号パンフレット(特許文献16)、国際公開第98/39325号パンフレット(特許文献17)、国際公開第03/042181号パンフレット(特許文献18)、特開2001−213870号公報(特許文献19)、国際公開第06/064075号パンフレット(特許文献20)、国際公開第07/010383号パンフレット(特許文献21)、ジャーナル・オブ・ヘテロサイクリック・ケミストリー(Journal of Heterocyclic Chemistry),第22巻、第6号、1511−18頁、1985年(非特許文献1)、テトラへドロン・レターズ(Tetrahedron Letters),第42巻,第18号、3227−3230頁、2001年(非特許文献2)、ケミカル・ファーマシューティカル・ブリチン(Chemical & Pharmaceutical Bulletin),第47巻,3号,329−339頁、1999年(非特許文献3)が挙げられる。
特許文献15には、筋弛緩剤として、1(2H)−ベンゾピラン−4−イリデン骨格あるいは1,2,3,4−テトラヒドロ−4−キノリデン骨格を有し、アセトアミド構造のN原子に水素原子、アルキル基、あるいはシクロアルキル基が結合した構造を有する化合物が開示されているが、N原子に置換アリール基あるいはヘテロアリール基等が結合した化合物の開示はない。また、特許文献16〜18には、アルギニンバソプレシン拮抗薬もしくはオキシトシン拮抗薬として、4,4−ジフルオロ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1(1H)−ベンゾジアゼピン骨格を有し、該骨格の1位のN原子にアリールの結合したアリールカルボニル基が結合した特定の構造の化合物が開示されている。
特許文献19には、静電写真トナー用の新規電荷制御剤として、2−(1,2−ベンゾイソチアゾール−3(2H)−イリデン 1,1−ジオキシド)アセトアミド誘導体としてアセトアミドのN原子に置換フェニル基を有する特定の化合物が開示されている。
特許文献20には、カルパイン阻害剤として、2,3−ジヒドロ−1−オキソ−1H−イソキノリン−4−イリデンのアミド誘導体として、3位にsec−ブチル基を有する特定の構造の化合物が開示されている。
特許文献21には、TRPV1受容体拮抗剤として新規なヘテロシクリデンアセトアミド誘導体が開示されている。しかし、本特許文献には、ヘテロシクリデンアセトアミド誘導体と体温変化との関わりについては一切開示が無い。
非特許文献1には、オキシインドール誘導体の合成に関する報告において、2−(1,2−ジヒドロ−2−オキソ−3H−インドール−3−イリデン)−N,N−ジメチル−ア
セトアミドが開示されているが、N原子に置換アリール基あるいはヘテロアリール基等は結合していない。
非特許文献2には、N−methyl−D−aspartate(NMDA)アンタゴニストとして、(1,2,3,4−テトラヒドロ−2−オキソ−5H−1,4,−ベンゾジアゼピン−5−イリデン)アセトアミド誘導体としてアセトアミドのN原子にフェニル基が結合した特定の構造の化合物が開示されている。
非特許文献3には、非ペプチド性アルギニンバソプレシン拮抗薬として、(2,3,4,5−テトラヒドロ−1(1H)−ベンゾジアゼピン−5−イリデン)アセトアミド誘導体としてアセトアミドのN原子に2−ピリジルメチル基が結合し、当該ベンゾジアゼピン骨格には置換基を有さない特定の構造の化合物が開示されている。
特許文献15〜20及び非特許文献1〜3に開示のヘテロシクリデン骨格を有する化合物には、TRPV1受容体の拮抗作用については開示も示唆もない。
尚、参考までに述べると、本発明者らは、先に下記式(A)で表されるTRPV1受容体調節剤についても出願している(PCT/JP2008/051471(特許文献22))。
Figure 2011201776
TPRV1受容体拮抗剤の投与により体温上昇を来すことが報告されている(ジャーナル・オブ・メディシナル・ケミストリー(Journal of Medicinal Chemistry)、第48巻、第6号、1857−72頁、2005年(非特許文献4)、ジャーナル・オブ・ニューロサイエンス(Journal of Neuroscience)、第27巻、第13号、3366−74頁、2007年(非特許文献5))。また、最近では、ラットにおいて体温上昇を来さないTRPV1調節剤の例が報告されつつある(ジャーナル・オブ・ファーマコロジカル・アンド・エクスペリメンタル・セラペウティクス(Journal of Pharmacology and Experimental Therapeutics)、第326巻、第1号、218−29頁、2008年(非特許文献6))。しかし、本発明のようなシクリデン骨格を有する化合物についての示唆はない。)。
医薬品開発においては、目的とする薬理活性のみでなく、吸収、分布、代謝、排泄等の各種の面で厳しいクライテリアを満たすことが要求される。例えば、薬物相互作用、脱感受性ないし耐性、経口投与時の消化管吸収、小腸内への移行速度、吸収速度と初回通過効果、臓器バリアー、蛋白結合、薬物代謝酵素の誘導、排泄経路や体内クリアランス、適用方法(適用部位、方法、目的)等において種々の検討課題が要求され、これらを満たすものはなかなか見出されない。
TRPV1受容体拮抗薬についてもこれらの医薬品開発上の総合的課題は常にあり、いまだ上市されるには至っていない。より具体的には、TRPV1受容体拮抗作用を有する化合物についても、例えば、代謝安定性が低く経口投与が困難であること、不整脈を起こ
す危険性があるhERG(human ether-a-go-go related gene)チャネルの阻害活性を示すこと、あるいは薬物動態が良好ではないなど、有用性や安全性の課題がある。また臨床試験の段階でわかってくる課題もある。例えば、TRPV1受容体拮抗剤の投与に伴う体温変化の少ないことも挙げられるが、この課題を解決する化合物の可能性を示唆する従来技術としては、僅かに非特許文献6において、特定構造の化合物についての考察があるが、化学構造に関する一般的な示唆はない。そしてこれらの問題を可能な限り多く解決し、且つ活性の高い化合物が求められているのである。
この課題を解決する化合物への誘導方法を開示する従来技術は見出されない。
これらの問題を解決し、且つ活性の高い化合物が求められているのである。
加えて、先述した現在神経因性疼痛を含めた疼痛の治療に使用されている従来の薬物より、前出のような副作用の少ない化合物が求められているのである。
国際公開第03/049702号パンフレット 国際公開第04/056774号パンフレット 国際公開第04/069792号パンフレット 国際公開第04/100865号パンフレット 国際公開第04/110986号パンフレット 国際公開第05/016922号パンフレット 国際公開第05/030766号パンフレット 国際公開第05/040121号パンフレット 国際公開第05/046683号パンフレット 国際公開第05/070885号パンフレット 国際公開第05/095329号パンフレット 国際公開第06/006741号パンフレット 国際公開第06/038871号パンフレット 国際公開第06/058338号パンフレット 国際公開第94/26692号パンフレット 国際公開第95/06035号パンフレット 国際公開第98/39325号パンフレット 国際公開第03/042181号パンフレット 特開2001−213870号公報 国際公開第06/064075号公報 国際公開第07/010383号公報 PCT出願番号:PCT/JP2008/051471 ジャーナル・オブ・ヘテロサイクリック・ケミストリー(Journal of Heterocyclic Chemistry),第22巻、第6号、1511−18頁、1985年 テトラへドロン・レターズ(Tetrahedron Letters),第42巻,第18号、3227−3230頁、2001年 ケミカル・ファーマシューティカル・ブリチン(Chemical& Pharmaceutical Bulletin),第47巻,第3号,329−339頁、1999年 ジャーナル・オブ・メディシナル・ケミストリー(Journal of Medicinal Chemistry)、第48巻、第6号、1857−2頁、2005年 ジャーナル・オブ・ニューロサイエンス(Journal of Neuroscience)、第27巻、第13号、3366−74頁、2007年 ジャーナル・オブ・ファーマコロジカル・アンド・エクスペリメンタル・セラペウティクス(Journal of Pharmacology and Experimental Therapeutics)、第326巻、第1号、218−29頁、2008年
かかる状況下において、経口投与が可能であり、安全性が高く、有効性に優れたTRPV1受容体調節剤、とりわけ、TRPV1受容体拮抗剤、あるいはTRPV1受容体が関与する疾患の予防または治療剤(とりわけ疼痛の予防または治療剤)が求められている。特に、前述のような従来技術における問題点、より具体的に言えば、アミトリプチリンの副作用である口渇、眠気、鎮静、便秘、排尿困難など、カルバマゼピン、フェニトインの副作用である発疹、消化器症状、心毒性など、ガバペンチンの副作用である傾眠やめまいなど、メキシレチンの副作用であるめまいや消化器症状など、非ステロイド性消炎鎮痛薬の副作用である消化器障害など、あるいはCOX2阻害剤の副作用である心不全などの副作用の問題点、あるいは、hERG電流の抑制作用の低減;代謝安定性や吸収性の向上、経口投与可能性、薬物動態や溶解性の改善、体温上昇を来さないなどの取組むべき課題がある。そして、これらの課題の少なくとも1つ以上を克服し、ヒトを含む哺乳動物に対して経口投与可能な薬剤、とりわけ体温変化の少ない臨床上使い勝手の良い、TRPV1受容体が関与する疾患の予防または治療剤(とりわけ疼痛の予防または治療剤)が望まれている。
本発明は、TRPV1受容体の機能を調節する作用を有する化合物、とりわけ式(I)で表されるヘテロシクリデン−N−(3,4−ジヒドロ−2(1H)−キナゾリノン−5−イル)アセトアミド誘導体またはそれらの製薬学的に許容される塩またはそれらの溶媒和物、該誘導体を有効成分として含有するTRPV1受容体調節剤、とりわけ、TRPV1受容体拮抗剤、あるいは疼痛の予防または治療剤、とりわけ神経因性疼痛の予防または治療剤、線維筋痛症の予防または治療剤、炎症性疼痛の予防または治療剤よりなるものである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく、安全性が高く、有効性に優れたTRPV1受容体の機能を調節する作用を有する化合物を得るべく、鋭意研究を重ねてきた結果、式(I)で表されるヘテロシクリデン−N−(3,4−ジヒドロ−2(1H)−キナゾリノン−5−イル)アセトアミド誘導体またはそれらの製薬学的に許容される塩またはそれらの溶媒和物が、優れたTRPV1受容体の機能を調節する作用を有し、且つこの化合物群は、代謝安定性が高く、優れた経口吸収性をもつこと、溶解性が良好であること、あるいは体温上昇を来さない(とりわけ、体温変化の少ない)ことなど少なくとも一つ以上の特徴を有することを見出した。当該化合物を有効成分として含有する医薬組成物は、経口投与可能な疼痛の予防または治療剤、とりわけ神経因性疼痛の予防または治療剤、線維筋痛症の予防または治療剤、炎症性疼痛の予防または治療剤として期待される。
本発明は、以下の態様に示される式(I)で表されるヘテロシクリデン−N−(3,4−ジヒドロ−2(1H)−キナゾリノン−5−イル)アセトアミド誘導体またはその塩、それらを有効成分とする医薬組成物、並びに該誘導体またはその塩の医薬用途である。
以下本発明の各態様について説明する。なお、本発明化合物に関する説明において、例えば「C16」とは、特に断らない限り、鎖状の基については「構成炭素数1ないし6の直鎖または分枝鎖」を意味する。また、環状の基についてはその「環の構成炭素員数」を意味する。
本発明の式(I)で表される化合物の分子量は特には限定されないが、分子量700以
下であることが好ましい。より好ましくは、分子量550以下である。かかる分子量の限定は、近年のドラッグデザインにおいて、化合物の構造を特定する際、薬理学的な特徴のある基本骨格に加え、他の大きな限定要因として日常的に用いられる。
[本発明の態様]
[1] 本発明の態様1
本発明の第1の態様は、下記式(I)
Figure 2011201776
(式中、mは0または1の整数を表し、R1 はC1アルキル基を表し、R2 及びR
は、各々独立に、水素原子または水酸基もしくはC1アルコキシ基で置換されていてもよいC1アルキル基を表すか、R2 及びRは各々が結合している炭素原子と一緒に4〜6員のシクロ環を形成していてもよく、当該シクロ環は酸素原子が1つ含まれていてもよく、Z は、メチレン基、エチレン基または−NH−を表す。但し、以下の化合物、(E)−2−(2,2−ジエチル−7−トリフルオロメチルクロマン−4−イリデン)−N−(3,4−ジヒドロ−1−メチル−2(1H)−キナゾリノン−5−イル)アセトアミド;(E)−2−(7−トリフルオロメチル−スピロ[クロマン−2,1’−シクロブタン]−4−イリデン)−N−(3,4−ジヒドロ−1−メチル−2(1H)−キナゾリノン−5−イル)アセトアミド;(E)−2−(2,2−ビス(メトキシメチル)−7−トリフルオロメチル−クロマン−4−イリデン)−N−(3,4−ジヒドロ−1−メチル−2(1H)−キナゾリノン−5−イル)アセトアミド;(E)−2−(7−トリフルオロメチル−スピロ[クロマン−2,4’−テトラヒドロピラン]−4−イリデン)−N−(3,4−ジヒドロ−1−メチル−2(1H)−キナゾリノン−5−イル)アセトアミド;(E)−2−(7−トリフルオロメチル−スピロ[クロマン−2,1’−シクロブタン]−4−イリデン)−N−(3,4−ジヒドロ−1−エチル−2(1H)−キナゾリノン−5−イル)アセトアミド;である場合を除く)で表される化合物、またはその塩またはそれらの溶媒和物である。
以下に、上記態様[1]の上記式(I)中の各基について具体的に説明する。以下の説明において、「C16」は炭素原子数1〜6であることを示し、例えば、C16アルキル基は炭素原子数1ないし6のアルキル基であることを示す。
[1−1]式(I)で表される化合物においては、R1 はC1アルキル基を表し、メチル基またはエチル基が挙げられる。
[1−2]式(I)で表される化合物においては、R2 及びRは、各々、水素原子または水酸基もしくはC1アルコキシ基で置換されていてもよいC1アルキル基を表すか、R2 及びRは各々が結合している炭素原子と一緒に4〜6員のシクロ環を形成していてもよく、当該シクロ環は酸素原子が1つ含まれていてもよい。
ここで、C1アルコキシ基としては、メトキシ基またはエトキシ基が挙げられる。C1アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等が挙げられる。
「R2 及びRは各々が結合している炭素原子と一緒に4〜6員のシクロ環を形成
していてもよく、当該シクロ環は酸素原子が1つ含まれていてもよい」とは、具体的には、例えば、例えば、シクロブタン環、シクロペンタン環、シクロへキサン環、オキセタン環、テトラヒドロフラン環、テトラヒドロピラン環等が挙げられる。
[1−2−a]より好ましくは、R2 及びRは、各々独立に、水素原子または水酸基もしくはC1アルコキシ基で置換されていてもよいC1アルキル基であり、具体的には、水素原子、メチル基、エチル基、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、メトキシメチル基、メトキシエチル基、エトキシメチル基、エトキシエチル基が挙げられる。また、「R2 及びRは各々が結合している炭素原子と一緒に4〜6員のシクロ環を形成していてもよく、当該シクロ環は酸素原子が1つ含まれていてもよい」場合では、例えば、シクロブタン環、オキセタン環、テトラヒドロピラン環等がより好ましい。
[1−2−b]更に好ましくは、R2 及びRは、同一であり、水素原子またはC1アルコキシ基で置換されていてもよいC1アルキル基であり、具体的には、水素原子、メチル基、エチル基、メトキシメチル基、メトキシエチル基、エトキシメチル基、エトキシエチル基が挙げられる。また、「R2 及びRは各々が結合している炭素原子と一緒に4〜6員のシクロ環を形成していてもよく、当該シクロ環は酸素原子が1つ含まれていてもよい」場合では、例えば、シクロブタン環、テトラヒドロピラン環等が更に好ましい。
[1−2−c]R2 及びRは、同一であり、水素原子、メチル基、エチル基、メトキシメチル基、メトキシエチル基が特に好ましい。また、R2 及びRは各々が結合している炭素原子と一緒に4〜6員のシクロ環を形成し、当該シクロ環は酸素原子が1つ含まれていてもよい場合が特に好ましく、例えば、テトラヒドロピラン環が挙げられる。
[1−3]式(I)で表される化合物においては、Z は、メチレン基、エチレン基または−NH−である。
[1−3−a]好ましくは、Z は、メチレン基、エチレン基または−NH−である。
[1−3−b]mが0である場合には、Z は、メチレン基、エチレン基または−NH−であることが好ましい。また、mが1である場合には、Z は、メチレン基であることが好ましい。
[1−4]態様[1]の式(I)の化合物において、より好ましい化合物例として式(I−a)から式(I−h)の化合物が挙げられる。
Figure 2011201776
[1−5]また、好ましい化合物として、以下のものが例示される。
(E)−2−(3,4−ジヒドロ−8−トリフルオロメチル−1−ベンゾオキセピン−5(2H)−イリデン)−N−(3,4−ジヒドロ−1−メチル−2(1H)−キナゾリノン−5−イル)アセトアミドの合成(実施例1);
(E)−2−(3,4−ジヒドロ−8−トリフルオロメチル−2−ベンゾオキセピン−5(1H)−イリデン)−N−(3,4−ジヒドロ−1−メチル−2(1H)−キナゾリノン−5−イル)アセトアミド(実施例2);
(E)−2−(7−トリフルオロメチルクロマン−4−イリデン)−N−(3,4−ジヒドロ−1−メチル−2(1H)−キナゾリノン−5−イル)アセトアミド(実施例3);(E)−2−(2,2−ジメチル−7−トリフルオロメチルクロマン−4−イリデン)−N−(3,4−ジヒドロ−1−メチル−2(1H)−キナゾリノン−5−イル)アセトアミド(実施例4);
(E)−2−(3,4−ジヒドロ−8−トリフルオロメチル−1−ベンゾオキセピン−5(2H)−イリデン)−N−(3,4−ジヒドロ−1−エチル−2(1H)−キナゾリノン−5−イル)アセトアミド(実施例5);
(E)−2−(3,4−ジヒドロ−8−トリフルオロメチル−2−ベンゾオキセピン−5(1H)−イリデン)−N−(3,4−ジヒドロ−1−エチル−2(1H)−キナゾリノン−5−イル)アセトアミド(実施例6);
(E)−2−(7−トリフルオロメチルクロマン−4−イリデン)−N−(3,4−ジヒドロ−1−エチル−2(1H)−キナゾリノン−5−イル)アセトアミド(実施例7);(E)−2−(2,2−ジメチル−7−トリフルオロメチルクロマン−4−イリデン)−N−(3,4−ジヒドロ−1−エチル−2(1H)−キナゾリノン−5−イル)アセトアミド(実施例8);
(E)−2−(2,2−ジエチル−7−トリフルオロメチルクロマン−4−イリデン)−N−(3,4−ジヒドロ−1−エチル−2(1H)−キナゾリノン−5−イル)アセトアミド(実施例9);
(E)−2−(2,2−ビス(メトキシメチル)−7−トリフルオロメチルクロマン−4−イリデン)−N−(3,4−ジヒドロ−1−エチル−2(1H)−キナゾリノン−5−イル)アセトアミド(実施例10);
(E)−2−(7−トリフルオロメチル−スピロ[クロマン−2,4’−テトラヒドロピラン]−4−イリデン)−N−(3,4−ジヒドロ−1−エチル−2(1H)−キナゾリノン−5−イル)アセトアミド(実施例11);
(Z)−2−(2,3−ジヒドロ−2,2−ジメチル−7−トリフルオロメチル−4H−1,3−ベンゾオキサジン−4−イリデン)−N−(3,4−ジヒドロ−1−メチル−2(1H)−キナゾリノン−5−イル)アセトアミド(実施例12)。
[2] 本発明の第2の態様は、前記式(I)で表される化合物、または製薬学的に許容されるその塩またはそれらの溶媒和物を有効成分として含有することを特徴とする、医薬組成物である。
より詳細には、以下の態様が好ましい。
[2−1]
本発明の第2−1の態様は、前記式(I−a)、前記式(I−b)、前記式(I−c)、前記式(I−d)、前記式(I−e)、前記式(I−f)、前記式(I−g)または前記式(I−h)で表される化合物、または製薬学的に許容されるその塩またはそれらの溶媒和物の少なくとも1つを有効成分として含有することを特徴とする、医薬組成物である。
[3] 本発明の第3の態様は、前記式(I)で表される化合物、または製薬学的に許容されるその塩またはそれらの溶媒和物を有効成分として含有することを特徴とする、TRPV1受容体拮抗剤である。
より詳細には、以下の態様が好ましい。
[3−1]
本発明の第3−1の態様は、前記式(I−a)、前記式(I−b)、前記式(I−c)、前記式(I−d)、前記式(I−e)、前記式(I−f)、前記式(I−g)または前記式(I−h)で表される化合物、または製薬学的に許容されるその塩またはそれらの溶媒和物の少なくとも1つを有効成分として含有することを特徴とする、TRPV1受容体拮抗剤である。
本明細書中、とりわけ本発明の第3の態様において、「TRPV1受容体拮抗剤」とは、「TRPV1受容体調節剤」の一態様である。「TRPV1受容体調節剤」とは、TRPV1受容体の機能を調節する化合物を含有する剤を意味し、より具体的には、TRPV1受容体の活性化を抑制する化合物を含む剤である。該化合物には、TRPV1受容体と結合して、内在性のリガンドに拮抗することによりTRPV1受容体活性化を抑制する化合物(TRPV1受容体拮抗剤)、及びTRPV1受容体を持続的に活性化し、当該受容体が存在する神経を脱感作することにより、その後の該受容体の活性化を抑制する化合物(TRPV1受容体作動剤)がある。従って、TRPV1調節剤とはTRPV1受容体拮抗剤およびTRPV1受容体作動剤の総称である。拮抗剤にはニュートラル拮抗剤および逆作動剤が含まれ、作動剤には完全作動剤および部分作動剤が含まれる。部分作動剤は条件により拮抗剤としての作用を示す。本発明のTRPV1受容体調節剤として好ましくは、TRPV1受容体拮抗剤である。本発明のTRPV1受容体拮抗剤には、ニュートラル拮抗剤、逆作動剤および部分作動剤が含まれる。本発明のTRPV1拮抗剤は、以下の各種の疾患に対して有望な予防、あるいは治療効果を示すことが期待され、具体的には、急性疼痛、慢性疼痛、神経因性疼痛、線維筋痛症、ヘルペス後神経痛、三叉神経痛、腰痛、脊髄損傷後疼痛、下肢痛、カウザルギー、糖尿病性神経痛、浮腫、火傷、捻挫、骨折などによる痛み、手術後疼痛、肩関節周囲炎、変形性関節症、関節炎、リウマチ性関節炎痛、炎症性疼痛、癌性疼痛、偏頭痛、頭痛、歯痛、神経痛、筋肉痛、痛覚過敏、狭心症や月経による疼痛、神経障害、神経損傷、神経変性、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、喘息、気道過敏、喘鳴、咳、鼻炎、目などの粘膜の炎症、神経性皮膚疾患、乾癬や湿疹などの炎症性皮膚疾患、浮腫、アレルギー疾患、胃十二指腸潰瘍、潰瘍性大腸炎、過敏性大腸、クローン病、尿失禁、切迫性尿失禁、過活動性膀胱、膀胱炎、腎炎、膵炎、ブドウ膜炎、内臓
障害、虚血、卒中、失調症、肥満、敗血症、そう痒症、糖尿病の治療などが挙げられる。特に限定すると神経因性疼痛、線維筋痛症、炎症性疼痛、尿失禁に対して有望な治療効果が期待できる。
[4] 本発明の第4の態様は、前記式(I)で表される化合物、または製薬学的に許容されるその塩またはそれらの溶媒和物の少なくとも1つを有効成分として含有することを特徴とする、疼痛の予防及び/または治療剤である。
より詳細には、以下の態様が好ましい。
[4−1]
本発明の第4−1の態様は、前記式(I−a)、前記式(I−b)、前記式(I−c)、前記式(I−d)、前記式(I−e)、前記式(I−f)、前記式(I−g)または前記式(I−h)で表される化合物、または製薬学的に許容されるその塩またはそれらの溶媒和物の少なくとも1つを有効成分として含有することを特徴とする、疼痛の予防及び/または治療剤である。
[5] 本発明の第5の態様は、前記式(I)で表される化合物、または製薬学的に許容されるその塩またはそれらの溶媒和物の少なくとも1つを有効成分として含有することを特徴とする、神経因性疼痛の予防及び/または治療剤である。
より詳細には、以下の態様が好ましい。
[5−1]
本発明の第5−1の態様は、前記式(I−a)、前記式(I−b)、前記式(I−c)、前記式(I−d)、前記式(I−e)、前記式(I−f)、前記式(I−g)または前記式(I−h)で表される化合物、または製薬学的に許容されるその塩またはそれらの溶媒和物の少なくとも1つを有効成分として含有することを特徴とする、神経因性疼痛の予防及び/または治療剤である。
[6] 本発明の第6の態様は、前記式(I)で表される化合物、または製薬学的に許容されるその塩またはそれらの溶媒和物の少なくとも1つを有効成分として含有することを特徴とする、炎症性疼痛の予防及び/または治療剤である。
より詳細には、以下の態様が好ましい。
[6−1]
本発明の第6−1の態様は、前記式(I−a)、前記式(I−b)、前記式(I−c)、前記式(I−d)、前記式(I−e)、前記式(I−f)、前記式(I−g)または前記式(I−h)で表される化合物、または製薬学的に許容されるその塩またはそれらの溶媒和物の少なくとも1つを有効成分として含有することを特徴とする、炎症性疼痛の予防及び/または治療剤である。
第2ないし第6の態様、並びにそれらの好ましい態様において、前記式(I−a)、前記式(I−b)、前記式(I−c)、前記式(I−d)、前記式(I−e)、前記式(I−f)、前記式(I−g)または前記式(I−h)で表される化合物において、好ましい置換基またはそれらの組み合わせは、第1の態様に記載されている。
上記本発明の[1]〜[6]のそれぞれに記載の各態様において、TRPV1受容体拮抗活性(例えば、後述する実験例(1)−(b):FDSS−6000を用いたCa流入の測定)であれば、IC50値で、1μM以下、好ましくは100nM以下、より好ましくは30nM以下である化合物を用いることが好ましい。
前記本発明の態様において、「治療剤」とは疾患もしくは症状の治療だけでなく、疾患もしくは症状の改善も含むものとする。
以上の全ての態様において、「化合物」の文言を用いるとき、「その製薬学的に許容される塩」についても言及するものとする。また、本発明化合物は不斉炭素を有する場合があり、本発明化合物には、幾何異性体、互変異性体、光学異性体などの各種の立体異性体の混合物や単離されたものが含まれる。かかる立体異性体の単離、精製は、優先晶出やカ
ラムクロマトグラフィーを用いた光学分割あるいは不斉合成を通じて当業者が通常の技術により為し得ることができる。
本発明の式(I)、式(I−a)、式(I−b)、式(I−c)、式(I−d)、式(I−e)、式(I−f)、式(I−g)または式(I−h)の化合物は、酸付加塩を形成する場合がある。また、置換基の種類によっては塩基との塩を形成する場合もある。かかる塩としては、製薬学的に許容しうる塩であれば特に限定されないが、具体的には、塩酸、臭化水素酸、よう化水素酸、硫酸、硝酸、りん酸等の鉱酸類;ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、エナント酸、カプリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、乳酸、ソルビン酸、マンデル酸等の脂肪族モノカルボン酸、安息香酸、サリチル酸等の芳香族モノカルボン酸、しゅう酸、マロン酸、こはく酸、フマル酸、マレイン酸、りんご酸、酒石酸等の脂肪族ジカルボン酸、くえん酸等の脂肪族トリカルボン酸などの有機カルボン酸類;メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸等の脂肪族スルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等の芳香族スルホン酸などの有機スルホン酸類;アスパラギン酸、グルタミン酸等の酸性アミノ酸類等との酸付加塩、及びナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム等のアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属等の金属との塩、メチルアミン、エチルアミン、エタノールアミン、ピリジン、リシン、アルギニン、オルニチン等の有機塩基との塩や、アンモニウム塩等が挙げられる。
これらの塩は常法,例えば、当量の本発明化合物と所望の酸あるいは塩基等を含む溶液を混合し、所望の塩をろ取するか溶媒を留去して集めることにより得ることができる。また、本発明化合物またはその塩は、水、エタノール、グリセロールなどの溶媒と溶媒和物を形成しうる。
更に本発明は、本発明の式(I)、式(I−a)、式(I−b)、式(I−c)、式(I−d)、式(I−e)、式(I−f)、式(I−g)または式(I−h)で表される化合物の水和物、製薬学的に許容可能な各種溶媒和物や結晶多形のもの等も含まれる。尚、当然ながら本発明は、後述実施例に記載された化合物に限定されるものではなく、本発明の式(I)、式(I−a)、式(I−b)、式(I−c)、式(I−d)、式(I−e)、式(I−f)、式(I−g)または式(I−h)で示される化合物または製薬学的に許容される塩の全てを包含するものである。
[本発明化合物の製造方法]
本発明に用いられる式(I)、式(I−a)、式(I−b)、式(I−c)、式(I−d)、式(I−e)、式(I−f)、式(I−g)または式(I−h)で表される化合物ならびに関連化合物は、以下に示される製造法により得ることができる。以下、各反応工程について説明する。
本発明化合物である式(I)で表される化合物およびその塩は、市販化合物または市販化合物から文献公知の方法等により容易に製造することが可能であり、以下に示す製造方法に従い製造することができる。
また、本発明は以下に説明する製造方法に、何ら限定されるものではない。
以下、製造法を詳細に説明する。 以下の説明中の式(I)、式(I−h)、式(V)、式(V−a)、式(V−b)、式(V−c)、式(VI)で表される化合物中のZ、R1、R2、R3、mは、特に断らない限り、式(I)に記載された先の定義と同一である。Rはアルキル基、Rは水素もしくはアルキル基、MはLi、Na、K、Zn等の金属、X、Yはハロゲン等の脱離性置換基を示し、Meはメチル基を示す。
式(I)で示される化合物は、式(V)で示されるカルボン酸と式(VI)で表されるアミンとの縮合反応で得られる。
(反応式A)
Figure 2011201776
式(V)の化合物、および式(VI)の化合物を用い、文献公知の方法、例えば(実験化学講座 第4版 22 有機合成IV 酸・アミノ酸・ペプチド、191−309頁、1992年、丸善)等に記載された方法に準じて、1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、1−エチル−3−(3’−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(WSC・HCl)、ベンゾトリアゾール−1−イロキシトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェイト(BOP試薬)、ビス(2−オキソ−3−オキサゾリジニル)ホスフィニッククロリド(BOP−Cl)、2−クロロ−1,3−ジメチルイミダゾリニウムヘキサフルオロホスフェイト(CIP)、4−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムクロリド(DMTMM)等の縮合剤の存在下、ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン系溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、トルエン、ベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド等の極性溶媒、メタノール、エタノール、2−プロパノール等のアルコール系溶媒等の反応に関与しない溶媒中、トリエチルアミン、ピリジン等の塩基の存在下または非存在下、0℃から溶媒が還流する温度で反応させることにより、式(I)の化合物を製造することができる。また、式(V)の化合物を酸クロライドに変換した場合(実験化学講座 第4版 22 有機合成IV 酸・アミノ酸・ペプチド、144−146頁、1992年、丸善)等に記載された方法に準じて、トリエチルアミン、ピリジン等の塩基の存在下、ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン系溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、トルエン、ベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド等の極性溶媒等の反応に関与しない溶媒中、0℃から溶媒が還流する温度で反応させることにより、式(I)の化合物を同様に製造することができる。
また特に、前記式(I)において、m=0、Z=NHの場合、式(I−h)で表される化合物は転移反応(反応式B)で得られる。
(反応式B)
Figure 2011201776
<工程1>
式(VII)の化合物を用い、(反応式A)に準じる方法により、式(VIII)の化合物を製造することができる。<工程2>
式(VIII)の化合物および式(IX)の化合物を用い、ジメチル基、ジエチル基、シクロアルキル基などのジアルキル基を、文献公知の方法、例えばグリーン(Greene)らのプロテクティブ・グループス・イン・オルガニック・シンセシス(Protective Groups in Organic Synthesis)、(米国)、第3版、1999年、等の成書に記載の方法によりR2、R基を導入し、式(X)の化合物を製造することができる。
<工程3>
式(X)の化合物を用い、文献公知の方法、例えば ブルテン・ソサエティー・ケミストリー・ベルギー(Bull.Soc.Chim.Belg.)、87、229、1978年に記載された方法に準じて、ローソン試薬(2,4−ビス(4−メトキシフェニル)−1,3,2,4−ジチアジホスフェタン−2,4−ジスルフィド)存在下、トルエン、ベンゼン、キシレン、1,2−ジメトキシエタン、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、ヘキサメチルホスホリックトリアミド等の反応に不活性な溶媒、もしくはこれらの混合溶媒を用いて、0℃から溶媒が還流する温度で反応させることにより、式(XI)の化合物を製造することができる。<工程4>
式(XI)の化合物および式(XII)の化合物を用い、文献公知の方法、例えばシンレット(Synlett)、No.11、1117−1118頁、1996年などに記載された方法に準じて、トリエチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、N,N−ジメチルアミノピリジン等の塩基存在下、アセトニトリル、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、ベンゼン、トルエン、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム等の反応に不活性な溶媒、もしくはこれらの混合溶媒を用いて、室温から溶媒が還流する温度で反応を行い、式(XIII)の化合物を製造することができる。
<工程5>
式(XIII)の化合物を用い、文献公知の方法、例えばシンレット(Synlett)、No.11、1117−1118頁、1996年などに記載された方法に準じて、トリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン等のホスフィン系試薬、トリメチルホスファイト、トリエチルホスファイト、トリプロピルホスファイト、トリブチルホスファイト等のホスファイト系試薬、トリエチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、N
,N−ジメチルアミノピリジン等の塩基存在下、室温から溶媒が還流する温度で反応を行い、式(I−h)の化合物を製造することができる。
上記反応式中の式(V)の化合物は以下の(製造法A)〜(製造法C)、式(VI)の化合物は以下の(製造法D)〜(製造法E)によって製造することができる。

(製造法A)
<前記式(V)において、m=0、R=R=H、Z=CHCHもしくは、m=1、R=R=H、Z=CHの場合>
Figure 2011201776
<工程1>
式(A−I)の化合物、および式(A−II)の化合物を用い、文献公知の方法、例えばジャーナル・オブ・メディシナル・ケミストリー(Journal of Medicinal Chemistry)、31(1)、230−243、1988年に記載された方法に準じて、水素化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の塩基存在下、メタノール、エタノール、アセトン、N,N−ジメチルホルムアミド、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、水等の反応に不活性な溶媒、もしくはこれらの混合溶媒を用いて、室温から溶媒が還流する温度で反応を行い、式(A−III)の化合物を製造することができる。
<工程2>
式(A−III)の化合物を用い、文献公知の方法、例えばシンレット(Synlett)、No.6、848−850頁、2001年等に記載された方法に準じて、酢酸パラジウム(II)、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム、トリスジベンジリデンアセトンジパラジウム等のパラジウム触媒、および炭酸銀などの存在下、アセトニトリル、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、ベンゼン、トルエン、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド等の反応に不活性な溶媒、もしくはこれらの混合溶媒を用いて、室温から溶媒が還流する温度で反応を行い、式(A−IV)の化合物を製造することができる。
<工程3><R=メチル、エチル等のアルキル基の場合>
式(A−IV)の化合物を用い、文献公知の方法、例えば(実験化学講座 第4版 2
2 有機合成IV 酸・アミノ酸・ペプチド、1−43頁、1992年、丸善)などに記載された方法に準じて、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の塩基存在下、水およびメタノール、エタノール、2−プロパノール、N,N−ジメチルホルムアミド、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン等の反応に不活性な溶媒、もしくはこれらの混合溶媒を用いて、0℃から溶媒が還流する温度で反応を行い、式(V−a)の化合物を製造することができる。
<R=tert−ブチル基の場合>
式(A−IV)の化合物を用い、文献公知の方法、例えばグリーン(Greene)らのプロテクティブ・グループス・イン・オルガニック・シンセシス(Protective Groups in Organic Synthesis)、(米国)、第3版、1999年、等の成書に記載の方法により、蟻酸、塩酸、硫酸、p−トルエンスルホン酸のような酸試薬の存在下、メタノール、エタノールのようなアルコール系溶媒、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン(THF)、1,2−ジメトキシエタンのようなエーテル系溶媒、水など反応に関与しない溶媒、もしくはこれらの混合溶媒を用いて、0℃から溶媒が還流する温度で反応を行い、式(V−a)の化合物を製造することができる。
また中間体である(A−III)を以下の方法に従いを製造することができる。
<工程4>
式(A−I)の化合物、および式(A−V)の化合物を用い、(製造法A)<工程1>と同様の方法により、式(A−VI)の化合物を製造することができる。
<工程5>
式(A−VI)の化合物、および式(A−VII)の化合物を用い、文献公知の方法、例えばテトラへドロン(Tetrahedron)、60(13)、3017−3035頁、2004年等に記載された方法に準じて、ベンジリデンビストリシクロヘキシルホスフィンルテニウムジクロリド、トリシクロヘキシルホスフィン−1,3−ビス−2,4,6−トリメチルフェニル−4,5−ジヒドロイミダゾール−2−イリデンベンジリデンルテニウムジクロリド、ルテニウム−1,3−ビス−2,4,6−トリメチルフェニル−2−イミダゾリジニルイリデンジクロロ−2−1−メチルエトキシフェニルメチレン等のルテニウム触媒存在下、ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン系溶媒、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒等の反応に不活性な溶媒、もしくはこれらの混合溶媒を用いて、室温から溶媒が還流する温度で反応を行い、式(A−III)の化合物を製造することができる。
<工程6>
式(A−I)の化合物、および式(A−VIII)の化合物を用い、(製造法A)<工程1>と同様の方法により、式(A−IX)の化合物を製造することができる。
<工程7>
式(A−IX)の化合物を用い、文献公知の方法、例えば (実験化学講座 第4版 26 有機合成VIII 不斉合成・還元・糖・標識化合物、159−266頁、1992年、丸善)等に記載された方法に準じて、水素化ジイソブチルアルミニウム(DIBAH)、水素化トリエトキシアルミニウムリチウム、水素化ビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウム、ラネーニッケル(Raney−Ni)−蟻酸等の還元剤と、ジエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、ベンゼン、トルエン等の反応に不活性な溶媒、もしくはこれらの混合溶媒を用いて、−78℃から溶媒が還流する温度で反応を行い、式(A−X)の化合物を製造することができる。
<工程8>
式(A−X)の化合物を用い、文献公知の方法、例えば (実験化学講座 第4版 19、有機合成I、炭化水素・ハロゲン化合物、53−298頁、1992年、丸善)等に
記載された方法に準じて、エトキシカルボニルメチルトリフェニルホスホニウムクロリド、エトキシカルボニルメチルトリフェニルホスホニウムブロミド、トリフェニルホスホラニリデンエチルアセテート、ビス−2,2,2−トリフルオロエトキシホスフィニルアセテート、ジオルトトリルホスホノエチルアセテート、ジメチルホスホノエチルアセテート、ジエチルホスホノエチルアセテート、1−トリメチルシリルエチルアセテート等のウィッティヒ試薬、ホーナー・エモンズ試薬ならびに水素化ナトリウム、ブチルリチウム、ピペラジン、モルホリン、トリエチルアミン、リチウムジイソプロピルアミド、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド、ソジウムビス(トリメチルシリル)アミド、ポタシウムビス(トリメチルシリル)アミド、ホスファゼンベース−P4−tert−ブチル等の塩基存在下、メタノール、エタノールなどのアルコール系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミドなどの極性溶媒、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒等の反応に不活性な溶媒、もしくはこれらの混合溶媒を用いて、−78℃から溶媒が還流する温度で反応を行い、式(A−III)の化合物を製造することができる。
(製造法B)<前記式(V)において、m=0、Z=CH、R=R=Hの場合>
Figure 2011201776
<工程1><R=Hの場合>
式(B−I)の化合物、および式(B−II)の化合物を用い、文献公知の方法、例えばジャーナル・オブ・メディシナル・ケミストリー(Journal of Medicinal Chemistry)、31(1)、230−243、1988年に記載された方法に準じて、水素化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の塩基存在下、メタノール、エタノール、アセトン、N,N−ジメチルホルムアミド、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、水等の反応に不活性な溶媒、もしくはこれらの混合溶媒を用いて、室温から溶媒が還流する温度で反応を行い、式(B−IV)の化合物を製造することができる。また、式(B−I)の化合物、および式(B−III)の化合物を用い、文献公知の方法、例えば日本公開第00/08016号パンフレット、360−361に記載の方法に準じて、水素化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の塩基存在下、メタノール、エタノール、アセトン、N,N−ジメチルホルムアミド、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、水等の反応に不活性な溶媒、もしくはこれらの混合溶媒を用いて、室温から溶媒が還流する温度で反応を行い、式(B−IV)の化合物を製造することができる。
<工程1><R=アルキル基(例えば、メチル、エチル等)の場合>
上記<R=Hの場合>と同様に反応を行うことで得られるエステルを、文献公知の方法、例えば(実験化学講座 第4版 22 有機合成IV 酸・アミノ酸・ペプチド、1−43頁、1992年、丸善)などに記載された方法に準じて、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の塩基存在下、水およびメタノール、エタノール、2−プロパノール、N,N−ジメチルホルムアミド、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン等の反応に不活性な溶媒、もしくはこれらの混合溶媒を用いて、0℃から溶媒が還流する温度で反応を行い、式(B−IV)の化合物を製造することができる。
<工程2>
式(B−IV)の化合物を用い、文献公知の方法、例えばジャーナル・オブ・メディシナル・ケミストリー(Journal of Medicinal Chemistry)、31(1)、230−243、1988年に記載された方法に準じて、ポリリン酸(PPA)、ポリリン酸エチルエステル(PPE)、五酸化二リン(P)、イートンズ試薬(メタンスルホン酸と五酸化二リンの混合物)等の環化脱水試薬中、あるいはそれらの存在下、ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン系溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、トルエン、ベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒等の反応に関与しない溶媒中、0℃から溶媒が還流する温度で反応させることにより、式(B−V)の化合物を製造することができる。また、三塩化アルミニウム、四塩化スズ等のルイス酸存在下、ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン系溶媒等の反応に関与しない溶媒中、0℃から溶媒が還流する温度で反応させることにより、式(B−V)の化合物を同様に製造することができる。
<工程3>
式(B−V)の化合物を用い、文献公知の方法、例えば (実験化学講座 第4版 19、有機合成I、炭化水素・ハロゲン化合物、53−298頁、1992年、丸善)等に記載された方法に準じて、エトキシカルボニルメチルトリフェニルホスホニウムクロリド、エトキシカルボニルメチルトリフェニルホスホニウムブロミド、トリフェニルホスホラニリデンエチルアセテート、ビス−2,2,2−トリフルオロエトキシホスフィニルアセテート、ジオルトトリルホスホノエチルアセテート、ジメチルホスホノエチルアセテート、ジエチルホスホノエチルアセテート、1−トリメチルシリルエチルアセテート等のウィッティヒ試薬、ホーナー・エモンズ試薬ならびに水素化ナトリウム、ブチルリチウム、ピペラジン、モルホリン、トリエチルアミン、リチウムジイソプロピルアミド、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド、ソジウムビス(トリメチルシリル)アミド、ポタシウムビス(トリメチルシリル)アミド、ホスファゼンベース−P4−tert−ブチル等の塩基存在下、メタノール、エタノールなどのアルコール系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミドなどの極性溶媒、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒等の反応に不活性な溶媒、もしくはこれらの混合溶媒を用いて、−78℃から溶媒が還流する温度で反応を行い、式(B−VI)の化合物を製造することができる。
<工程4>
式(B−VI)の化合物を用い、(製造法A)<工程3>と同様の方法で反応を行い、式(V−b)の化合物を製造することができる。
<工程5>
式(B−V)の化合物を用い、文献公知の方法、例えば、シンセティック・コミュニケーションズ(Synthetic Communications)、35(3)、379−387、2005年に記載された方法に準じて、リチウムジイソプロピルアミドと酢酸エステル類から調製したアルキルリチウム試薬(式(B−VII))との反応、あるいは、亜鉛存在下、ブロモ酢酸エチル、ブロモ酢酸−tert−ブチルなどのα−ハロ酢酸
エステルから調製したリフォマトスキー試薬(式(B−VII))との反応、あるいはトリメチルシリル酢酸エチル等のシリル酢酸エステルとホスファゼンベース−P4−tert−ブチルなどの塩基存在下の反応を、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒等の反応に不活性な溶媒、もしくはこれらの混合溶媒を用いて、−78℃から溶媒が還流する温度で反応を行うことで、式(B−VIII)の化合物を製造することができる。
<工程6>
式(B−VIII)の化合物を用い、文献公知の方法、(例えば、実験化学講座 第4版 19、有機合成I、炭化水素、194−236頁、1992年、丸善)等に記載された方法に準じて、硫酸水素カリウム、濃硫酸等の無機酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸等の有機酸、塩化チオニル、オキシ塩化リン等の脱水剤存在下、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒等の反応に不活性な溶媒、もしくはこれらの混合溶媒を用いて、−78℃から溶媒が還流する温度で反応を行い、式(B−VI)の化合物を製造することができる。
<工程7>
式(B−VIII)の化合物を用い、(製造法A)<工程3>と同様の方法で反応を行い、式(B−IX)の化合物を製造することができる。
<工程8>
式(B−IX)の化合物を用い、(製造法B)<工程6>と同様の方法で反応を行い、式(V−b)の化合物を製造することができる。
(製造法C)<前記式(V)において、m=0、Z=CHの場合>
Figure 2011201776
<工程1>
式(C−I)の化合物を用い、文献公知の方法、例えばジャーナル・オブ・メディシナル・ケミストリー(Journal of Medicinal Chemistry)、46(13)、2683−2696、2003年に記載された方法に準じて、メチルリチウム(MeLi)の存在下、ジエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン等の反応に不活性な溶媒、もしくはこれらの混合溶媒を用いて、−78℃から溶媒が還流する温度で反応させることにより、式(C−II)の化
合物を製造することができる。
<工程2>
式(C−II)の化合物、および式(C−III)の化合物を用い、文献公知の方法、例えばジャーナル・オブ・ヘテロサイクリック・ケミストリー(Journal of Heterocyclic Chemistry)、32、1393−1395、1995年に記載された方法に準じて、ピロリジン、ピペラジン、モルホリン、トリエチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン等の塩基存在下、メタノール、エタノール、2−プロパノール等のアルコール系溶媒等の反応に関与しない溶媒中、もしくはこれらの混合溶媒を用いて、0℃から溶媒が還流する温度で反応させることにより、式(C−IV)の化合物を製造することができる。式中R2、Rは、各々Cの直鎖もしくは分枝鎖のアルキル基であり、当該アルキル基は、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、Cのアルキル基、Cのアルコキシル基、もしくは、Cのアルキル基で1ないし2個置換されていても良いアミノ基から任意に選ばれる基で1ないし5個置換されていても良く、或いは、R2、Rが各々の結合している炭素原子と一緒にCのシクロ環基を形成していてもよく、当該シクロ環基は、その環内の炭素原子1個が、酸素原子もしくは窒素原子<当該窒素原子は、ハロゲン原子、−OH、−OCH、−OCFのいずれかで1−3個置換されていてもよいCの直鎖または分枝鎖のアルキル基で置換されていても良い>で置き換えられていても良い。
<工程3>
式(C−IV)の化合物を用い、(製造法B)<工程5>と同様の方法により、式(C−V)の化合物を製造することができる。
<工程4>
式(C−V)の化合物を用い、(製造法A)<工程3>と同様の方法により、式(C−VI)の化合物を製造することができる。
<工程5>
式(C−VI)の化合物を用い、(製造法B)<工程6>と同様の方法により、式(V−c)の化合物を製造することができる。
<工程6>
式(C−V)の化合物を用い、(製造法B)<工程6>と同様の方法により、式(C−VII)の化合物を製造することができる。<工程7>
式(C−VII)の化合物を用い、(製造法A)<工程3>と同様の方法により、式(V−c)の化合物を製造することができる。
(製造法D)
Figure 2011201776
<工程1>
式(D−I)の化合物を用い、文献公知の方法、例えばジャーナル・オブ・メディシナル・ケミストリー(Journal of Medicinal Chemistry)、24(6)、742−748、1981年に記載された方法に準じて、アルキルアミン(RNH)存在下、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、1,4−ジオキサン等のエーテル系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド等反応に不活性な極性溶媒、もしくはこれらの混合溶媒を用いて、0℃から溶媒が還流する温度で反応を行い、式(D−II)の化合物を製造することができる。
<工程2>
式(D−II)の化合物を用い、文献公知の方法、例えばジャーナル・オブ・メディシナル・ケミストリー(Journal of Medicinal Chemistry)、28(10)、1387−1393、1985年に記載された方法に準じて、トリフルオロ酢酸および水素化ホウ素ナトリウム存在下、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、1,4−ジオキサン等のエーテル系溶媒を用いて、0℃から溶媒が還流する温度で反応を行い、式(D−III)の化合物を製造することができる。
<工程3>
式(D−III)の化合物を用い、文献公知の方法、例えばジャーナル・オブ・メディシナル・ケミストリー(Journal of Medicinal Chemistry)、25(6)、735−742、1982年に記載された方法に準じて、尿素、1,1’−カルボニルビス−1H−イミダゾール、トリホスゲン等のカルボニル化試薬存在下、水素化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、トリエチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン等の塩基および、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、1,4−ジオキサン等のエーテル系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミドの極性溶媒等反応に不活性な溶媒、もしくはこれらの混合溶媒を用いて、0℃から溶媒が還流する温度で反応を行い、式(D−IV)の化合物を製造することができる。
<工程4>
式(D−IV)の化合物を用い、文献公知の方法、例えば (実験化学講座 第4版 26 有機合成VIII 不斉合成・還元・糖・標識化合物、159−266頁、1992年、丸善)等に記載された方法に準じて、パラジウム−炭素(Pd−C)、ラネーニッケル(Raney−Ni)、ジクロロトリストリフェニルホスフィンルテニウム等の触媒存在下、水素ガス雰囲気下にて、メタノール、エタノール、2−プロパノール等のアルコール系溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、1,4−ジオキサン等のエーテル系溶媒、酢酸エチル、酢酸メチル等の極性溶媒など反応に関与しない溶媒、もしくはこれらの混合溶媒を用いて、0℃から溶媒が還流する温度で反応を行い、式(VI)の化合物を製造することができる。別法として、鉄(Fe)、スズ(Sn)存在下、濃塩酸もしくは酢酸中、0℃から溶媒が還流する温度で反応を行い、式(VI)の化合物を製造することもできる。また、塩化ニッケル(NiCl)、塩化スズ(SnCl)等のルイス酸および水素化ホウ素ナトリウム存在下、メタノール、エタノール、2−プロパノール等のアルコール系溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、1,4−ジオキサン等のエーテル系溶媒など反応に関与しない溶媒、もしくはこれらの混合溶媒を用いて、0℃から溶媒が還流する温度で反応を行い、式(VI)の化合物を製造することもできる。
(製造法E)
Figure 2011201776
<工程1>
式(D−I)の化合物を用い、文献公知の方法、例えばジャーナル・オブ・メディシナル・ケミストリー(Journal of Medicinal Chemistry)、33(1)、434−444、1995年に記載された方法に準じて、鉄(Fe)および塩酸の存在下、メタノール、エタノール、2−プロパノール等のアルコール系溶媒、1,2−ジメトキシエタン、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン等の反応に不活性な溶媒、もしくはこれらの混合溶媒を用いて、室温から溶媒が還流する温度で反応させることにより、式(E−I)の化合物を製造することができる。
<工程2>
式(E−I)の化合物を用い、(製造法D)<工程2>と同様の方法により、式(E−II)の化合物を製造することができる。
<工程3>
式(E−II)の化合物の化合物を用い、文献公知の方法、例えばテトラへドロン・レターズ(Tetrahedron Letters)、36、6373−6374頁、1995年に記載された方法に準じて、たとえば、2−ニトロベンゼンスルホニルクロリド、4−ニトロベンゼンスルホニルクロリド等のノシル試薬(式(E−III))、および炭酸カリウム等の塩基試薬の存在下、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、塩化メチレン等のハロゲン系溶媒等の反応に不活性な溶媒、もしくはこれらの混合溶媒を用いて、0℃から溶媒が還流する温度で反応を行い、式(E−IV)の化合物を製造することができる。<工程4>
式(E−IV)の化合物およびベラトリルアルコール(DMB−OH)等のベンジルアルコール類を用い、文献公知の方法、例えばテトラへドロン・レターズ(Tetrahedron Letters)、36、6373−6374頁、1995年に記載された方法に準じて、たとえば、アゾジカルボン酸ジエチル(DEAD)およびトリフェニルホスフィン等の試薬の存在下、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、塩化メチレン等のハロゲン系溶媒等の反応に不活性な溶媒、もしくはこれらの混合溶媒を用いて、0℃から溶媒が還流する温度で反応を行い、式(E−V)の化合物を製造することができる。
<工程5>
式(E−V)の化合物を用い、文献公知の方法、例えばテトラへドロン・レターズ(Tetrahedron Letters)、36、6373−6374頁、1995年に記載された方法に準じて、たとえば、ベンゼンチオール、チオグリコール酸等の試薬、および水酸化リチウム一水和物、炭酸カリウム等の塩基試薬存在下、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、塩化メチレン等のハロゲン系溶媒等の反応に不活性な溶媒、もしくはこれらの混合溶媒を用いて、0℃から溶媒が還流する温度で反応を行い、式(E−VI)の化合物を製造することができる。
<工程6>
式(E−VI)の化合物を用い、(製造法D)<工程3>と同様の方法により、式(E−VII)の化合物を製造することができる。
<工程7>
式(E−VII)の化合物、および式(E−VIII)の化合物を用い、文献公知の方法、例えば(実験化学講座 第4版 20 有機合成II アルコール・アミン、280−372頁、1992年、丸善)等に記載された方法に準じて、水素化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の塩基存在下、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、1,4−ジオキサン等のエーテル系溶媒、ベンゼン、トルエン等の炭化水素系溶媒、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド等極性溶媒、もしくはこれらの混合溶媒を用いて、室温から溶媒が還流する温度で反応を行い、式(E−IX)の化合物を製造することができる。
<工程8>
式(E−IX)の化合物を用い、文献公知の方法、例えばザ・ジャーナル・オブ・オルガニック・ケミストリー(The Journal of Organic Chemistry)、62(16)、5428−5431、1997年に記載された方法に準じて、アニソール存在下もしくは非存在下、トリフルオロ酢酸、硫酸などの強酸溶媒を用いて、0℃から溶媒が還流する温度で反応を行い、式(E−X)の化合物を製造することができる。
<工程9>
式(E−X)の化合物を用い、(製造法D)<工程4>と同様の方法により、式(VI)の化合物を製造することができる。
上記の各製造法により合成した各化合物に置換基として水酸基、アミノ基、カルボキシル基等の反応性基がある場合には、各製造工程においてこれらの基を適宜保護し、適当な段階で当該保護基を除去することで製造できる。こうした保護基の導入・除去の方法は、保護される基あるいは保護基のタイプにより適宜行われるが、例えばグリーン(Greene)らのプロテクティブ・グループス・イン・オルガニック・シンセシス(Protective Groups in Organic Synthesis)、(米国)、第3版、1999年、等の成書に記載の方法により行うことができる。
[本発明化合物を含有する併用剤]
本発明化合物は、他の薬物と併用することも可能である。
例えば、鎮痛薬としては、アセトアミノフェン、アスピリンやモルヒネを代表とするオピオイド作動薬、またはガバペンチンの他、プレガバリン、デュロキセチン、或いはアミトリプチリンなどの抗うつ薬;カルバマゼピン、フェニトインなどの抗癲癇薬;メキシレチンなどの抗不整脈薬等の神経因性疼痛に転用し、処方されているものやジクロフェナク、インドメタシン、イブプロフェン、ナプロキセンを代表とするNSAIDs、セレブレックスを代表とするCOX−2阻害薬などの抗炎症薬、NR2Bアンタゴニスト、ブラジキニンアンタゴニスト、抗片頭痛剤が挙げられる。好ましくは、モルヒネ、ガバペンチン
またはプレガバリン、ジクロフェナク、セレブレックスである。
他の薬物と併用して用いるだけではなく、他の治療法と合わせて治療を行うことも可能である。具体的には針治療、レーザー治療、神経ブロックなどが挙げられる。
疼痛以外のTRPV1が関与する疾患には、それぞれの領域で使用されている薬物との併用が可能である。例えば慢性リウマチ性関節炎などでは一般的に使用されているNSAIDs、DMARDsや抗TNFα抗体、可溶性TNFα受容体、ステロイド、免疫抑制剤などとの併用が可能である。また、COPDやアレルギー疾患ではβ2受容体作用薬やステロイドなどの一般的な治療薬との併用が可能である。また更に過活動性膀胱や尿失禁では、抗コリン薬との併用が可能である。
上記疾患に対して既存薬と併用することにより、既存薬の投薬量を下げることが可能であり、既存薬の副作用を軽減することが可能となる。もちろん、当該薬物を用いた併用方法は、上記疾患に限定されるものではなく、且つ併用される薬物は上記に例示した化合物に限定されない。
本発明化合物と併用される薬物とを組み合わせて使用する場合は、別々の製剤であっても、合剤であっても良い。また、別々の製剤においては、両者を同時に服用することも、時間をずらして投与することも可能である。
[本発明の予防・治療剤の製剤化]
本発明の医薬は、医薬組成物の形態で投与される。
本発明の医薬組成物は、本発明の式(I)、式(I−a)、式(I−b)、式(I−c)、式(I−d)、式(I−e)、式(I−f)、式(I−g)または式(I−h)で表される化合物の少なくとも一つ以上を含んでいればよく、医薬上許容される添加剤と組み合わせてつくられる。より詳細には、賦形剤(例;乳糖、白糖、マンニット、結晶セルロース、ケイ酸、トウモロコシデンプン、バレイショデンプン)、結合剤(例;セルロース類(ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC))、結晶セルロース、糖類(乳糖、マンニット、白糖、ソルビトール、エリスリトール、キシリトール、)、デンプン類(トウモロコシデンプン、バレイショデンプン)、α化デンプン、デキストリン、ポリビニルピロリドン(PVP)、マクロゴール、ポリビニルアルコール(PVA))、滑沢剤(例;ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タルク、カルボキシメチルセルロース)、崩壊剤(例;デンプン類(トウモロコシデンプン、バレイショデンプン)、カルボキシメチルスターチナトリウム、カルメロース、カルメロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、クロスポピドン)、被膜剤(例;セルロース類(ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、アミノアルキルメタクリレートコポリマーE、メタクリル酸コポリマーLD)、可塑剤(例;クエン酸トリエチル、マクロゴール)、隠蔽剤(例;酸化チタン)、着色剤、香味剤、防腐剤(例;塩化ベンザルコニウム、パラオキシ安息香酸エステル)、等張化剤(例;グリセリン、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、マンニトール、ブドウ糖)、pH調節剤(例;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、塩酸、硫酸、リン酸緩衝液などの緩衝液)、安定化剤(例;糖、糖アルコール、キサンタンガム)、分散剤、酸化防止剤(例;アスコルビン酸、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、没食子酸プロピル、dl−α−トコフェロール)、緩衝剤、保存剤(例;パラベン、ベンジルアルコール、塩化ベンザルコニウム)、芳香剤(例;バニリン、l−メントール、ローズ油)、溶解補助剤(例;ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリソルベート80、ポリエチレングリコール、リン脂質コレステロール、トリエタノールアミン)、吸収促進剤(例;グリコール酸ナトリウム、エデト酸ナトリウム、カプリン酸ナトリウム、アシルカルニチン類、リモネン)、ゲル化剤、懸濁化剤、または乳化剤、一般的に用いられる適当な添加剤または溶媒の類を、本発明の化合物と適宜組み合わせて種々の剤形とすることが出来る。
種々の剤形とは、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、丸剤、エアゾール剤、吸入剤、軟
膏剤、貼付剤、坐剤、注射剤、トローチ剤、液剤、酒精剤、懸濁剤、エキス剤、エリキシル剤等があげられる。また、経口、皮下投与、筋肉内投与、鼻腔内投与、経皮投与、静脈内投与、動脈内投与、神経周囲投与、硬膜外投与、硬膜下腔内投与、脳室内投与、直腸内投与、吸入等により患者に投与し得る。
本発明化合物の投与量は、通常成人1日当たり0.005mg〜3.0g、好ましくは0.05mg〜2.5g、より好ましくは0.1mg〜1.5gであるが、症状あるいは投与経路に応じて適宜増減できる。
全量を1回あるいは2−6回に分割して経口または非経口投与することや、点滴静注等、連続投与することも可能である。
[薬理実験例]
以下に実験例を挙げて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらによって何ら限定されるものではない。
(1)ヒトおよびラットTRPV1形質転換CHO細胞株におけるカプサイシン誘発性Ca流入の測定
(a)ヒトおよびラットTRPV1形質転換CHO細胞株の樹立
ヒトおよびラットバニロイド受容体1(hTRPV1, rTRPV1)cDNAをヒト脳およびラット後根神経節からクローニングした。クローニングしたTRPV1 cDNAをpCAGGSベクターに組み入れ、これをCHO−K1細胞株に遺伝子導入して、形質転換を行った。限界希釈により得られたクローンをカプサイシンで刺激し、Ca濃度増加を指標として高応答のクローンを選択した。選択されたクローンを実験に使用した。
(b)FDSS−6000を用いたCa流入の測定
ヒトまたはラットTRPV1形質転換CHO細胞を96ウェルプレート(黒壁、透明底
/ Greiner社製)に1ウェルあたり4万細胞の密度で播種した。1晩、37℃、5%CO2条件下で培養した後、2.5 mmol/L プロベネシドを添加したFLIPR Calcium 3 assay kit (Molecular Devices社製)のloading solutionを各ウェルに培地と同量添加し、細胞を37℃で60分間、培養した。カプサイシン (10 nmol/L) 刺激後3分間、FDSS−6000 (λex:480 nm,λem:540 nm,浜松ホトニクス)を用いて細胞内Ca濃度の変化を測定した。本発明の化合物処置群および媒体群のそれぞれで細胞内Ca濃度増加率の積分値を算出した後、カプサイシンにより誘発される細胞内Ca濃度増加を50%抑制する本発明の化合物の濃度(IC50)を算出し、この値を指標として試験化合物の阻害効果を比較した。尚、ヒトTRPV1におけるIC50値が、100nmol/L未満の場合をAとして表1に示した。本発明の化合物は、上記の方法によりIC50値を測定すると、少なくとも1μmol/L以下の強度を示すものである。
Figure 2011201776
(2)CFA誘発ラット炎症性疼痛モデルに対する化合物の効果
CFA誘発ラット炎症性疼痛モデルは一般的な方法、例えばPomonis JD等の法で作成する(The Journal of Pharmacology and E
xperimental Therapeutics,306巻:387−393)。具体的には、ラット足裏に100%CFA 50μLを投与して炎症を惹起する。
本発明の化合物をCFA投与2日後、あるいは1週間後にラットに経口投与することにより疼痛閾値の低下が抑制されて、すなわち炎症性疼痛治療薬としての有効性が証明される。
(3)神経因性疼痛モデルラットに対する化合物の効果
本発明の化合物をChungモデルラット、Seltzerモデルラット、STZ誘発糖尿病性疼痛モデルラットのいずれかに経口投与することにより、疼痛閾値の低下が抑制されて、すなわち神経因性疼痛治療薬としての有効性が証明される。
(4)マウスPQライジングに対する化合物の効果
マウスPQ(Phenyl-p-quinone)ライジングはMustafa AA等の方法で作製する(General Pharmacology,23巻:1177−1182)。具体的には、マウス腹腔内に生理食塩水で希釈したPhenyl-p-quinoneを投与した後に、マウスが体を伸ばす、よじる、丸める等の行動を示した回数を一定時間記録する。
本発明の化合物をPhenyl-p-quinone投与前にマウスに投与することにより、Phenyl-p-quinone投与後の伸ばす、よじる、丸める等の行動を示した回数が減少して有効性が示される。
(5)安全性試験
本発明の化合物を30mg/Kgの用量でラットに単回で経口投与し、死亡例は認められず、目立った行動異常も観察されないことにより、本発明化合物の安全性が示される。
(6)パッチクランプ法によるhERG阻害試験
hERG(human ether−a−go−go related gene)チャネルに対する作用を全自動パッチクランプシステム(PatchXpress 7000A;モレキュラーデバイス)を用いて測定する。細胞のhERG IKr電流を確認するため、膜電位を−80mVに保持して定期的に脱分極パルスを加える。発生した電流が安定した後、灌流液に被験物質を添加する。被験物質のhERGチャネルに対する作用は、−50mV、0.2秒間および20mV、5秒間の脱分極パルスに続く−50mV、5秒間の再分極パルスによって誘導されるテール電流の変化によって確認する。刺激は12秒に1回の頻度で行った。測定は室温で行う。hERGチャネル阻害率は、被験物質適用前の最大テール電流に対する適用5分後のテール電流の減少率(抑制率)として算出する。
この抑制率を算出することにより、薬物によるQT延長とそれに続く致死的な副作用(心室頻拍や突然死など)を誘発する可能性が示される。
(7)ファーマコキネティクス
例えば、5から6週齢の雄性SDラットを用いて、本発明の化合物を経口単回投与した後の血漿中濃度推移を検討することにより、バイオアベイラビリティは良好であり、投与量にほぼ比例して、最高血漿中濃度(Cmax)及びAUCはいずれも増加し線形性を保つ特性を有していることが証明される。また、ヒト薬物代謝酵素に対する阻害作用を測定することにより、それに対する影響が証明される。さらに、ヒト、サル、イヌ及びラットの肝ミクロソームを用いて、代謝を受けにくいか否かが証明され、肝代謝による初回通過効果を受けにくいか否かが証明される。
(8)直腸温に対する影響
試験化合物を1mg/Kgの用量でラットに単回尾静脈内投与して、15分後、30分後、60分後における直腸温度を測定し、その間の直腸温を観察し、その結果を表1Aに示した。
試験化合物を10mg/Kgの用量でラットに単回経口投与して、30分後、60分後、120分後における直腸温度を測定し、その間の直腸温を観察し、その結果を表2に示
した。
また、当該直腸温に対する影響は、ラット以外に適宜様々な動物を用いて観察することが可能である。例えば、げっ歯目(例えば、ハムスター、マウス、モルモット等)、食虫目(例えば、スンクス等)、重歯目(例えば、ウサギ等)、食肉目(例えば、イヌ、フェレット、ミンク、ネコ等)、奇蹄目(例えば、ウマ等)、偶蹄目(例えば、ブタ、ウシ、ヤギ、ヒツジ等)、霊長目(例えば、種々のサル、チンパンジー等)が挙げられる。また、ヒトでの体温への影響を観察することも可能である。
化合物A:4−(3−トリフルオロメチルピリジン−2−イル)−N−(5−トリ
フルオロメチルピリジン−2−イル)−1−ピペラジンカルボキサミド
化合物B:(E)−3−(4−t−ブチルフェニル)−N−(2,3−ジヒドロベン
ゾ[b][1,4]ジオキシン−6−イル)アクリルアミド
化合物C:N−(4−「6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−
4−イルオキシ]−ベンゾチアゾール−2−イル」アセトアミド (*)
(*):NEUROSCIENCE 2007
Program#/Poster# : 400.9/OO22
Title:The capsaicin receptor TRPV1: Is it a pain transducer or a regulator of body temperature ?
Location: San Diego Convention Center: Halls B-H
Presentation Start/End Time :Monday, Nov 05, 2007, 8:00 AM - 9:00 AM
Authors : N. R. GAVVA;

化合物D : WO2007/010383号公報に記載の実施例68の化合物/(E)−2−(8−トリフルオロメチル−3,4−ジヒドロベンゾ[b]オキセピン−5(2H)−イリデン)− N−(3−ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−5−イル)アセトアミド
Figure 2011201776
各測定時点で試験化合物投与群と媒体投与群の平均値の差を計算し,差の絶対値の最大値から,ラット直腸温変化を以下のように3段階に分類した。
−: 最大値が摂氏0.5度未満
+: 最大値が摂氏0.5度以上1度未満
++:最大値が摂氏1度以上
以上の結果より、本発明の化合物は、TRPV1受容体に拮抗作用を有することが示された。また、in vivoの炎症性疼痛モデル、神経因性疼痛モデルでの鎮痛効果を示し、安全性試験において何ら異常が認められず、本発明の低い毒性が示される。
更に、本発明の好ましい化合物は、代謝安定性が高く、薬物動態も良好である。また、溶解性に優れ、薬効発現の用量で体温上昇を来さない(とりわけ、体温変化が少ない)。
従って、本発明の化合物は、TRPV1受容体調節剤、とりわけTRPV1受容体拮抗剤として、疼痛の予防または治療剤、とりわけ炎症性疼痛、線維筋痛症もしくは神経因性疼痛の予防または治療剤として期待される。
本発明化合物は、これら各種の疾患に対して有望な予防、あるいは治療効果を示すことが期待される。具体的には、急性疼痛、慢性疼痛、神経因性疼痛、線維筋痛症、ヘルペス後神経痛、三叉神経痛、腰痛、脊髄損傷後疼痛、下肢痛、カウザルギー、糖尿病性神経痛、浮腫、火傷、捻挫、骨折などによる痛み、手術後疼痛、肩関節周囲炎、変形性関節症、関節炎、リウマチ性関節炎痛、炎症性疼痛、癌性疼痛、偏頭痛、頭痛、歯痛、神経痛、筋肉痛、痛覚過敏、狭心症や月経による疼痛、神経障害、神経損傷、神経変性、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、喘息、気道過敏、喘鳴、咳、鼻炎、目などの粘膜の炎症、神経性皮膚疾患、乾癬や湿疹などの炎症性皮膚疾患、浮腫、アレルギー疾患、胃十二指腸潰瘍、潰瘍性大腸炎、過敏性大腸、クローン病、尿失禁、切迫性尿失禁、過活動性膀胱、膀胱炎、腎炎、膵炎、ブドウ膜炎、内臓障害、虚血、卒中、失調症、肥満、敗血症、そう痒症、糖尿病の治療のために使用できる。神経因性疼痛、線維筋痛症、炎症性疼痛、尿失禁に対して有望な治療効果が期待できる。
[製剤例]
以下に、本発明の医薬組成物の例を挙げる。製剤例1 錠剤
実施例1の化合物 100g
乳糖 137g
結晶セルロース 30g
ヒドロキシプロピルセルロース 15g
カルボキシメチルスターチナトリウム 15g
ステアリン酸マグネシウム 3g
上記成分を秤量した後,均一に混合する。この混合物を打錠して重量150mgの錠剤とする。
製剤例2 フィルムコーティング
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 9g
マクロゴール6000 1g
酸化チタン 2g
上記成分を秤量した後,ヒドロキシプロピルメチルセルロース、マクロゴール6000を水に溶解、酸化チタンを分散させる。この液を、製剤例1の錠剤300gにフィルムコーティングし、フィルムコート錠を得る。
製剤例3 カプセル剤
実施例3の化合物 50g
乳糖 435g
ステアリン酸マグネシウム 15g
上記成分を秤量した後、均一に混合する。混合物をカプセル封入器にて適当なハードカプセルに重量300mgずつ充填し、カプセル剤とする。
製剤例4 カプセル剤
実施例6の化合物 100g
乳糖 63g
トウモロコシデンプン 25g
ヒドロキシプロピルセルロース 10g
タルク 2g
上記成分を秤量した後、実施例6の化合物、乳糖、トウモロコシデンプンを均一に混合し、ヒドロキシプロピルセルロースの水溶液を加え、湿式造粒法により顆粒を製造する。この顆粒にタルクを均一に混合し,適当なハードカプセルに重量200mgずつ充填し,プ
セル剤とする。
製剤例5 散剤
実施例10の化合物 200g
乳糖 790g
ステアリン酸マグネシウム 10g
上記成分をそれぞれ秤量した後、均一に混合し、20%散剤とする。製剤例6 顆粒剤、細粒剤
実施例11の化合物 100g
乳糖 200g
結晶セルロース 100g
部分α化デンプン 50g
ヒドロキシプロピルセルロース 50g
上記成分を秤量した後、実施例11の化合物、乳糖、結晶セルロース,部分α化デンプンを加えて均一に混合し、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)の水溶液を加え、湿式造粒法により顆粒又は細粒を製造する。この顆粒又は細粒を乾燥し、顆粒剤又は細粒剤とする。
製剤例7 クリーム剤
実施例1の化合物 0.5g
酢酸dl−α−トコフェロール 0.1g
グリチルレチン酸ステアリル 0.05g
ステアリン酸 3g
高級アルコール 1g
スクワラン 10g
ミリスチン酸オクチルドデシル 3g
トリメチルグリシン 7g
防腐剤 適量
けん化剤 適量
上記成分を秤量した後、実施例1の化合物を混和して溶解する。精製水を適量加えて50gにして、クリーム製剤とする。
次に、本発明をさらに詳細に説明するために実施例をあげるが、本発明はこれに限定されるものではない。 核磁気共鳴スペクトル(NMR)の測定には、ジェオールJNM−EX270(JEOL JNM−EX270)FT−NMR(日本電子(株)製)、ジェオールJNM−ECX300(JEOL JNM−ECX300)FT−NMR(日本電子(株)製)、ジェオールJNM−ECX400(JEOL JNM−ECX400)FT−NMR(日本電子(株)製)を用いた。LC MassはWaters FractionLynx MSシステム(Waters製)を用い、カラムにはWaters製、SunFireカラム(4.6mm×5cm、5μm)を、移動相にはアセトニトリル、0.05%酢酸水溶液を用いて、アセトニトリル:0.05%酢酸水溶液=1:9(0分)〜9:1(5分)〜9:1(6分)のグラジエント条件を用いて分析した。マイクロウエーブ反応装置は、Discover S−class マイクロ波合成装置(SEM(株)製)を用いた。
(参考例1)(E)−2−(3,4−ジヒドロ−8−トリフルオロメチル−1−ベンゾオキセピン−5(2H)−イリデン)酢酸の合成
<工程1>2−ヨード−5−トリフルオロメチルフェノールの合成
水素化ナトリウム(7.1g)のトルエン(300.0mL)の懸濁液に、氷冷下、3−トリフルオロメチルフェノール(16.6g)のトルエン(200.0mL)溶液を滴
下した。同温で30分間撹拌後、ヨウ素(26.0g)を加えた。室温で12時間撹拌後、3規定塩酸水溶液を加えpH=2とした。酢酸エチルで抽出し、水、飽和食塩水で順次洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去して、標記粗化合物(30.8g)を淡黄色オイルとして得た。
<工程2>3−(3−シアノプロピルオキシ)−4−ヨードトリフルオロメチルベンゼンの合成
(参考例1)<工程1>で得られた化合物(60.0g)のアセトン(250.0mL)溶液に、炭酸カリウム(31.7g)、4−ブロモブチロニトリル(31.5g)、ヨウ化カリウム(3.5g)加え、4時間加熱還流をした。放冷後、不溶物を濾別後、アセトン洗浄した。濾液と洗液を濃縮し、水を加え、酢酸エチルで抽出し、水、飽和食塩水で順次洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去して、標記粗化合物(72.4g)を淡黄色オイルとして得た。
<工程3>3−(5−エトキシカルボニル−4−ペンテン)オキシ−4−ヨードトリフルオロメチルベンゼンの合成
(参考例1)<工程2>で得られた化合物(100.0g)のトルエン(600.0mL)溶液に、−78℃にて水素化ジイソブチルアルミニウム(トルエン溶液、341.0mL)を滴下し、同温で30分、室温で1時間攪拌した。0.5規定硫酸水溶液(1.4L)を加え、ヘキサンで抽出し、水、飽和食塩水で順次洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去して、中間体(アルデヒド)を淡黄色液体として得た。得られたアルデヒドのテトラヒドロフラン (1.0L)溶液に、ジエチルホスホノ酢酸エチル (25.8g)を加え、氷冷下、水酸化カリウム(7.9g)のテトラヒドロフラン(200.0mL)懸濁液を加え、室温にて8時間攪拌した。水を加え、ヘキサンで抽出し、水、飽和食塩水で順次洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去して、標記化合物(111.6g)を淡黄色オイルとして得た。
<工程4>(E)−2−(3,4−ジヒドロ−8−トリフルオロメチル−1−ベンゾオキセピン−5(2H)−イリデン)酢酸エチルの合成
(参考例1)<工程3>で得られた化合物(48.4g)のテトラヒドロフラン(500.0mL)溶液に、酢酸パラジウム(2.8g)、トリフェニルホスフィン(5.9g)、炭酸銀(31.2g)を加え、窒素気流下、15時間加熱還流をした。反応溶液をセライト濾過した後、水を加え、酢酸エチルで抽出し、水、飽和食塩水で順次洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去して、標記化合物(15.7g)を白色固体として得た。
<工程5>(E)−2−(3,4−ジヒドロ−8−トリフルオロメチル−1−ベンゾオキセピン−5(2H)−イリデン)酢酸の合成
(参考例1)<工程4>で得られた化合物(10.2g)のメタノール(56.0mL)溶液に2規定水酸化ナトリウム水溶液(28.0mL)を加え、2時間加熱還流した。溶媒を減圧下留去後、反応液を1規定塩酸水溶液で中和し、得られた固体を濾取し、n−ヘキサンで洗浄し、標記化合物(8.2g)を白色固体として得た。
(参考例2)(E)−2−(3,4−ジヒドロ−8−トリフルオロメチル−2−ベンゾオキセピン−5(1H)−イリデン)酢酸の合成
<工程1>tert−ブチル−4−トリフルオロメチルフェニルカルバメートの合成
4−トリフルオロメチルアニリン(10.0mL)のテトラヒドロフラン(50.0mL)溶液にジ−tert−ブチルジカルバメート(30.0mL)を加えた後、10時間加熱還流した。減圧下溶媒を留去して得られた残渣を、水で固化させた後ヘキサンで洗浄することで、標記化合物(18.7g)を無色結晶として得た。
<工程2>2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−5−トリフルオロメチル安息香酸の合成
(参考例2)<工程1>で得られた化合物(18.5g)のテトラヒドロフラン(19
0.0mL)溶液に、−78℃にてテトラメチルエチレンジアミン(32mL)、n−ブチルリチウム(131.0mL)を加えた。−30℃に昇温し同温で5時間撹拌した後、再度−78℃とし、ドライアイス(32.0g)を加えた。室温まで昇温し12時間撹拌した。1規定塩酸水溶液で中和し、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液;n−ヘキサン:メタノール=100:0〜90:10)で精製し、標記化合物(18.7g)を白色固体として得た。
<工程3>5−トリフルオロメチルアンスラニル酸の合成 (参考例2)<工程2>で得られた化合物(26.0g)のエタノール(230.0mL)溶液に、1規定塩酸水溶液(60mL)を加え、3時間加熱還流した。1規定水酸化ナトリウム水溶液で中和し、酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去し、標記化合物(13.2g)を黄色結晶として得た。
<工程4>2−ヨード−5−トリフルオロメチル安息香酸の合成 (参考例2)<工程3>で得られた化合物(13.0g)の濃塩酸(15.0mL)、水(80.0mL)の懸濁液に水(12.0mL)に溶解した次亜塩素酸ナトリウム(5.3g)を氷冷下滴下した。同温で30分間撹拌後、水(30.0mL)、濃硫酸(5.0mL)に溶解したヨウ化カリウム(21.0g)水溶液に加え、100℃で2時間撹拌した。酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和亜硫酸ナトリウム水溶液、飽和食塩水で順次洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去し、標記化合物(19.1g)を黄色結晶として得た。
<工程5>2−ヨード−5−トリフルオロメチルフェニルメタノールの合成
(参考例2)<工程4>で得られた化合物(17.2g)のテトラヒドロフラン(50.0mL)溶液にボラン−テトラヒドロフラン溶液(120.0mL)を氷冷下加えた後、室温で3時間撹拌した。水(200.0mL)を加え、減圧下溶媒を留去して得られた残渣を酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去し、標記化合物(16.0g)を黄色結晶として得た。
<工程6>2−ブロモメチル−1−ヨード−4−トリフルオロメチルベンゼンの合成
(参考例2)<工程5>で得られた化合物(16.0g)のジエチルエーテル(130.0mL)溶液に三臭化リン(5.0mL)を氷冷下加えた後、室温で12時間撹拌した。水(200.0mL)を加え、ジエチルエーテルで抽出し、有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で順次洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去し、標記化合物(16.0g)を黄色結晶として得た。
<工程7>2−(3−ブテニルオキシ)メチル−1−ヨード−4−トリフルオロメチルベンゼンの合成
3−ブテン−1−オール(5.2mL)のテトラヒドロフラン(200.0mL)溶液に水素化ナトリウム(2.3g)を氷冷下加えた後、同温で30分間撹拌した。(参考例2)<工程6>で得られた化合物(14.8g)とn−テトラブチルアンモニウムアイオダイド(1.5g)を加え、室温で12時間撹拌した。水を加え、酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液;n−ヘキサン:酢酸エチル=100:0〜95:5)で精製し、標記化合物(13.9g)を黄色オイルとして得た。
<工程8>2−[4−[(1,1−ジメチルエチルオキシ)カルボニル]−3−ブテンオキシ]メチル−1−ヨード−4−トリフルオロメチルベンゼンの合成
(参考例2)<工程7>で得られた化合物(12.8g)とtert−ブチルアクリレート(52.7mL)のジクロロメタン(180.0mL)溶液に、トリシクロヘキシルホスフィン−1,3−ビス−2,4,6−トリメチルフェニル−4,5−ジヒドロイミダゾール−2−イリデンベンジリデンルテニウムジクロリド(Grubbs試薬第2世代)(1.5g)を加え、40℃で、4時間撹拌した。減圧下溶媒を留去して得られた残渣を
シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液;n−ヘキサン:酢酸エチル=100:0〜98:2)で精製し、標記化合物(11.9g)を淡黄色オイルとして得た。
<工程9>(E)−2−(3,4−ジヒドロ−8−トリフルオロメチル−2−ベンゾオキセピン−5(1H)−イリデン)酢酸−tert−ブチルエステルの合成
(参考例1)<工程4>と同様の方法で、(参考例2)<工程8>で得られた化合物(11.8g)と、酢酸パラジウム(1.7g)、トリフェニルホスフィン(4.1g)、炭酸銀(7.1g)から、標記化合物(7.6g)を黄色オイルとして得た。
<工程10>(E)−2−(3,4−ジヒドロ−8−トリフルオロメチル−2−ベンゾオキセピン−5(1H)−イリデン)酢酸の合成
(参考例2)<工程9>で得られた化合物(7.5g)を蟻酸(100.0mL)に溶解し、2時間撹拌した。反応溶液に水(300.0mL)を加え、沈殿物を濾過後、減圧乾燥することで標記化合物(5.5g)を無色結晶として得た。
(参考例3)(E)−2−(7−トリフルオロメチルクロマン−4−イリデン)酢酸の合成
<工程1−A>3−(3−トリフルオロメチルフェノキシ)プロピオン酸の合成
3−トリフルオロメチルフェノール(25.0g)の2規定水酸化ナトリウム水溶液(120.0mL)に3−クロロプロピオン酸(25.0g)を滴下した。5規定水酸化ナトリウム水溶液にてpH=10以上を保ちながら、1時間加熱還流を行った。室温まで冷却後、反応溶液をジエチルエーテルにて洗浄した。1規定塩酸水溶液を用いて酸性とし、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で順次洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去して得られた残渣にn−ヘキサンを加えて結晶化させ、標記化合物(6.1g)を無色結晶として得た。
<工程1−B>3−(3−トリフルオロメチルフェノキシ)プロピオン酸の合成
3−トリフルオロメチルフェノール(2.0g)のN,N−ジメチルホルムアミド(20.0mL)溶液に、水素化ナトリウム(0.6g)を加え、室温で1時間撹拌した。β−プロピオラクトン(1.0mL)を加え、室温で2.5時間撹拌した。水を加え、2規定塩酸水溶液を用いてpH=2とし、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で順次洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去して得られた残渣にn−ヘキサンを加えて結晶化させ、標記化合物(2.2g)を無色結晶として得た。
<工程2>7−トリフルオロメチルクロマン−4−オンの合成 メタンスルホン酸(18.0g)に五酸化二リン(2.0g)を少しずつ加え、室温で2.5時間攪拌した。外温70〜80℃で、(参考例3)<工程1−A、B>で得られた化合物(2.0g)を10分かけて加えた。同温で30分攪拌後、放冷し、氷水(100.0mL)に注いだ。酢酸エチルで抽出し、合わせた有機層を水、飽和重曹水、水、飽和食塩水で順次洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液;n−ヘキサン:酢酸エチル=95:5)で精製し、標記化合物(1.7g)を黄色固体として得た。
<工程3>2−(4−ヒドロキシ−7−トリフルオロメチルクロマン−4−イル)酢酸エチルの合成
亜鉛(0.3g)をテトラヒドロフラン(4.0mL)に懸濁し、外温70℃で、(参考例3)<工程2>で得られた化合物(0.5g)、ブロモ酢酸エチル(0.6g)のトルエン(8.0mL)溶液を滴下した。30分間加熱還流し、亜鉛(0.3g)、ブロモ酢酸エチル(0.6g)を加えた。30分間加熱還流し、放冷後、反応液に1規定塩酸水溶液を加えた。分液した後、水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせ、飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮し、標記化合物(0.7g)を茶色オイルとして得た。
<工程4>2−(4−ヒドロキシ−7−トリフルオロメチルクロマン−4−イル)酢酸の合成
(参考例1)<工程5>と同様の方法で、(参考例3)<工程3>で得られた化合物(0.7g)から、標記化合物(0.6g)を濃橙色アモルファスとして得た。
<工程5>(E)−2−(7−トリフルオロメチルクロマン−4−イリデン)酢酸の合成
(参考例3)<工程4>で得られた化合物(120.0mg)をトルエン(1.0mL)に懸濁し、濃硫酸(1滴)を加え、室温で30分間攪拌した。水を加え、酢酸エチルで抽出後、有機層を合わせ、飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。ジエチルエーテル/n−ヘキサンでトリチュレート後、濾取し、標記化合物(22.0mg)を淡黄色粉末として得た。
(参考例4)(E)−2−(2,2−ジメチル−7−トリフルオロメチルクロマン−4−イリデン)酢酸の合成
<工程1>2−ヒドロキシ−4−トリフルオロメチルアセトフェノンの合成
4−トリフルオロメチルサリチル酸(80.0g)のテトラヒドロフラン(780.0mL)溶液にメチルリチウム(1.6Mジエチルエーテル溶液、800.0mL)を氷冷下加え、室温で1.5時間撹拌した。反応溶液を氷水に注ぎ込んだ。氷冷下、濃塩酸(135.0mL)を加えた。酢酸エチルで抽出し、水、飽和食塩水で順次洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去することで、標記化合物(68.0g)を淡黄色オイルとして得た。
<工程2>2,2−ジメチル−7−トリフルオロメチルクロマン−4−オンの合成
(参考例4)<工程1>で得られた化合物(50.0g)のメタノール(900.0mL)溶液に、アセトン(28.8mL)、ピロリジン(32.7mL)を加え、室温で12時間撹拌した。減圧下溶媒を留去して得られた残渣に、10%クエン酸水溶液(420.0mL)、水(420.0mL)を加え、酢酸エチルで抽出し、水、飽和食塩水で順次洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去することで、標記粗化合物(50.4g)を茶色オイルとして得た。
<工程3>2−(4−ヒドロキシ−2,2−ジメチル−7−トリフルオロメチルクロマン−4−イル)酢酸エチルの合成
N,N−ジイソプロピルアミン(45mL)のテトラヒドロフラン(600.0mL)溶液にn−ブチルリチウム(1.6M n−ヘキサン溶液)(200.0mL)を外温−78℃で30分かけて滴下した。同温で30分間撹拌した後、酢酸エチル(31.5mL)を滴下し、さらに30分間撹拌した。さらに、(参考例4)<工程2>で得られた化合物(40.0g)のテトラヒドロフラン(200.0mL)溶液を20分かけて滴下し、−78℃で1.5時間撹拌した。反応溶液を水(1.0L)に注いだ後、酢酸エチルで抽出した。飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下溶媒を留去して、標記粗化合物(49.0g)を橙色オイルとして得た。
<工程4>(E)−2−(2,2−ジメチル−7−トリフルオロメチルクロマン−4−イリデン)酢酸エチルの合成
(参考例4)<工程3>で得られた化合物(90.0g)のジクロロメタン(1.4L)溶液に、トリフルオロ酢酸(101.0mL)を0℃で滴下した。室温で12時間攪拌した。反応液に水を加え、ジクロロメタンで抽出した。飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液;n−ヘキサン:酢酸エチル=100:0〜99:1〜50:50)で精製し、標記化合物(46.5g)を淡黄色オイルとして得た。
<工程5>(E)−2−(2,2−ジメチル−7−トリフルオロメチルクロマン−4−イリデン)酢酸の合成
(参考例4)<工程4>で得られた化合物(46.2g)のエタノール(590.0mL)溶液に、1規定水酸化ナトリウム水溶液(293.0mL)を加えた。室温で5時間攪拌した。反応液を濃縮後、得られた残渣に1規定塩酸水溶液を加え、pH=1とした後
、酢酸エチルで抽出した。飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去して得られた残渣をn−ヘキサンより再結晶することで、標記化合物(22.1g)を無色結晶として得た。
(参考例5)(E)−2−(2,2−ジエチル−7−トリフルオロメチルクロマン−4−イリデン)酢酸の合成
<工程1>2,2−ジエチル−7−トリフルオロメチルクロマン−4−オンの合成
(参考例4)<工程1>で得られた化合物(44.5g)と、3−ペンタノン(36.6mL)から、(参考例4)<工程2>と同様の方法にて、標記化合物(25.7g)を白色固体として得た。
<工程2>2−(2,2−ジエチル−4−ヒドロキシ−7−トリフルオロメチルクロマン−4−イル)酢酸エチルの合成
(参考例5)<工程1>で得られた化合物(29.2g)から、(参考例4)<工程3>と同様の方法にて、標記粗化合物(36.3g)を白色固体として得た。
<工程3>2−(2,2−ジエチル−4−ヒドロキシ−7−トリフルオロメチルクロマン−4−イル)酢酸の合成
(参考例5)<工程2>で得られた化合物(36.0g)から、(参考例4)<工程5>と同様の方法にて、標記化合物(31.1g)を淡黄色オイルとして得た。
<工程4>(E)−2−(2,2−ジエチル−7−トリフルオロメチルクロマン−4−イリデン)酢酸の合成
(参考例5)<工程3>で得られた化合物(31.1g)から、(参考例4)<工程4>と同様の方法にて、標記化合物(9.1g)を白色固体として得た。
(参考例6)(E)−2−(2,2−ビス(メトキシメチル)−7−トリフルオロメチルクロマン−4−イリデン)酢酸の合成<工程1>2,2−ビス(メトキシメチル)−7−トリフルオロメチルクロマン−4−オンの合成
(参考例4)<工程1>で得られた化合物(15.7g)と、1,3−ジメトキシアセトン(10.0g)から、(参考例4)<工程2>と同様の方法にて、標記化合物(24.2g)を黒色オイルとして得た。
<工程2>2−(2,2−ビス(メトキシメチル)−4−ヒドロキシ−7−トリフルオロメチルクロマン−4−イル)酢酸エチルの合成
(参考例6)<工程1>で得られた化合物(23.4g)から、(参考例4)<工程3>と同様の方法にて、標記粗化合物(27.5g)を黒色オイルとして得た。
<工程3>2−(2,2−ビス(メトキシメチル)−4−ヒドロキシ−7−トリフルオロメチルクロマン−4−イル)酢酸の合成
(参考例6)<工程2>で得られた化合物(27.5g)から、(参考例4)<工程5>と同様の方法にて、標記化合物(30.0g)を黒色固体として得た。
<工程4>(E)−2−(2,2−ビス(メトキシメチル)−7−トリフルオロメチルクロマン−4−イリデン)酢酸の合成
(参考例6)<工程3>で得られた化合物(25.5g)から、(参考例4)<工程4>と同様の方法にて、標記化合物(7.0g)を白色固体として得た。
(参考例7)(E)−2−(7−トリフルオロメチル−スピロ[クロマン−2,4’−テトラヒドロピラン]−4−イリデン)酢酸の合成
<工程1>7−トリフルオロメチル−スピロ(クロマン−2,4’−テトラヒドロピラン)−4(3H)−オンの合成
(参考例4)<工程1>で得られた化合物(15.0g)と、テトラヒドロ−4−ピラン−4−オン(8.1g)から、(参考例4)<工程2>と同様の方法にて、標記化合物(20.0g)を黒色オイルとして得た。
<工程2>2−(4−ヒドロキシ−7−トリフルオロメチル−スピロ[クロマン−2,4
’−テトラヒドロピラン]−4−イル)酢酸エチルの合成
(参考例7)<工程1>で得られた化合物(12.0g)から、(参考例4)<工程3>と同様の方法にて、標記粗化合物(16.1g)を赤色オイルとして得た。
<工程3>2−(4−ヒドロキシ−7−トリフルオロメチル−スピロ[クロマン−2,4’−テトラヒドロピラン]−4−イル)酢酸の合成
(参考例7)<工程2>で得られた化合物(16.0g)から、(参考例4)<工程5>と同様の方法にて、標記化合物(13.4g)を赤色固体として得た。
<工程4>(E)−2−(7−トリフルオロメチル−スピロ[クロマン−2,4’−テトラヒドロピラン]−4−イリデン)酢酸の合成
(参考例7)<工程3>で得られた化合物(13.4g)から、(参考例4)<工程4>と同様の方法にて、標記化合物(5.5g)を白色固体として得た。
(参考例8)5−アミノ−3,4−ジヒドロ−1−メチル−2(1H)−キナゾリノンの合成
<工程1>2−メチルアミノ−6−ニトロベンゾニトリル の合成 2,6−ジニトロベンゾニトリル(Alfa Aesar社)(10.8g)のN,N−ジメチルホルムアミド(50.0mL)溶液にメチルアミン(40%水溶液)(17.4mL)を加え、50℃で40分間攪拌した。反応溶液を氷水へ注ぎ、析出物を濾取し、水、n−ヘキサンで順次洗浄した後、減圧下乾燥させることで、標記化合物(9.4g)を茶褐色固体として得た。
<工程2>2−メチルアミノ−6−ニトロベンジルアミン の合成
水素化ホウ素ナトリウム(10.0g)のテトラヒドロフラン(100.0mL)懸濁液にトリフルオロ酢酸(20.0mL)を0℃で滴下した。この溶液に、(参考例8)<工程1>で得られた化合物(9.4g)のテトラヒドロフラン(100.0mL)懸濁液を、20分間かけて滴下し、室温で3時間攪拌した。反応液を濃縮後、得られた残渣に水を加え、ジクロロメタンにて洗浄した。水層を1規定水酸化ナトリウム水溶液でアルカリ性とし、ジクロロメタンで抽出し、2規定水酸化ナトリウム水溶液、1規定水酸化ナトリウム水溶液、飽和食塩水で順次洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去して、標記粗化合物(6.5g)を茶褐色オイルとして得た。
<工程3>3,4−ジヒドロ−1−メチル−5−ニトロ−2(1H)−キナゾリノンの合成
(参考例8)<工程2>で得られた粗化合物(6.5g)のジクロロメタン(160.0mL)溶液に、ピリジン(8.7mL)、1,1’−カルボニルビス−1H−イミダゾール(11.6g)を加え室温で24時間攪拌した。反応液を濃縮後、得られた残渣をジエチルエーテルで洗浄した後、減圧下乾燥させることで、標記化合物(4.6g)を黄土色固体として得た。
<工程4>5−アミノ−3,4−ジヒドロ−1−メチル−2(1H)−キナゾリノンの合成
(参考例8)<工程3>で得られた化合物(4.6g)のテトラヒドロフラン(500.0mL)溶液に、塩化スズ(II)二水和物(29.8g)を加え、7.5時間加熱還流した。放冷後、反応液に2規定水酸化ナトリウム水溶液を加え、pH=10とした後、セライト濾過をした。濾液を酢酸エチルで抽出し、1規定水酸化ナトリウム水溶液、飽和食塩水で順次洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液;酢酸エチル:メタノール=100:0〜70:30)で精製し、標記化合物(1.8g)を淡黄色固体として得た。
(参考例9)5−アミノ−3,4−ジヒドロ−1−メチル−2(1H)−キナゾリノンの合成(別法)
<工程1>2−アミノ−6−ニトロベンゾニトリルの合成
2,6−ジニトロベンゾニトリル(25.8g)のメタノール(450.0mL)、1,4−ジオキサン(280.0mL)溶液に、加熱還流下にて塩酸(100.0mL)、鉄(22.0g)を順次加え、同温で1.5時間攪拌した。室温で、2規定塩酸水溶液を加えた後セライト濾過し、濾液を酢酸エチルで抽出し、有機層を水、飽和食塩水で順次洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去して、標記粗化合物(10.4g)を黄色固体として得た。
<工程2>2−アミノ−6−ニトロベンジルアミンの合成
水素化ホウ素ナトリウム(10.9g)のテトラヒドロフラン(70.0mL)懸濁液に、氷冷で、トリフルオロ酢酸(22.0mL)、(参考例9)<工程1>で得られた化合物(9.4g)のテトラヒドロフラン(140.0mL)溶液を順次加え、室温で12時間攪拌した。1規定水酸化ナトリウム水溶液(1.0L)に反応液を注ぎ、酢酸エチル(500.0mL)を加え1.5時間攪拌した。酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去して、標記粗化合物(9.2g)を暗紫色固体として得た。
<工程3>N−(2−アミノ−6−ニトロベンジル)−2−ニトロベンゼンスルホンアミドの合成
(参考例9)<工程2>で得られた化合物(0.5g)のジクロロメタン(50.0mL)溶液に、氷冷下、2−ニトロベンゼンスルホニルクロリド(0.7g)、トリエチルアミン(0.6mL)を順次加え、室温で3時間攪拌した。反応液に飽和重曹水を加え、ジクロロメタンで抽出し、水、飽和食塩水で順次洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去して得られた残渣をn−ヘキサン/ジエチルエーテルで固化させ、標記粗化合物(0.8g)を黄色固体として得た。
<工程4>N−(2−アミノ−6−ニトロベンジル)−N−(3,4−ジメトキシベンジル)−2−ニトロベンゼンスルホンアミドの合成
(参考例9)<工程3>で得られた化合物(2.0g)、ベラトリルアルコール(1.43g)のテトラヒドロフラン(100.0mL)溶液に、氷冷下で、トリフェニルホスフィン(3.0g)、アゾジカルボン酸ジエチル(40%トルエン溶液)(5.3mL)を順次加え、室温で12時間攪拌した。減圧下溶媒を留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液;n−ヘキサン溶液:酢酸エチル=100:0〜50:50)で精製し、標記化合物(2.6g)を黄色固体として得た。
<工程5>2−アミノ−N−(3,4−ジメトキシベンジル)−6−ニトロベンジルアミンの合成
(参考例9)<工程4>で得られた化合物(1.0g)のN,N−ジメチルホルムアミド(6.0mL)溶液に、水酸化リチウム一水和物(0.4g)、チオグリコール酸(0.3mL)を順次加え、室温で1時間攪拌した。反応液に1規定水酸化ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出し、1規定水酸化ナトリウム水溶液、水、飽和食塩水で順次洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去して標記粗化合物(0.7g)を黄色固体として得た。
<工程6>3−(3,4−ジメトキシベンジル)−3,4−ジヒドロ−5−ニトロ−2(1H)−キナゾリノンの合成
(参考例9)<工程5>で得られた化合物(1.0g)の1,2−ジクロロエタン(30.0mL)溶液に、トリエチルアミン(1.3mL)、1,1’−カルボニルビス−1H−イミダゾール(1.0g)を加え、3時間加熱還流した。放冷後、析出した固体を濾取し、ジクロロメタンで洗浄した後、減圧乾燥し、標記化合物(0.6g)を淡赤色固体として得た。
<工程7>5−アミノ−3,4−ジヒドロ−1−メチル−2(1H)−キナゾリノンの合成
(参考例9)<工程6>で得られた化合物(0.3g)のN,N−ジメチルホルムアミ
ド(8.0mL)溶液に炭酸カリウム(0.8g)、ヨウ化メチル(0.4mL)を加え、40℃で6時間攪拌した。水を加え、酢酸エチルで抽出し、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去した。得られた残渣にトリフルオロ酢酸(4.0mL)を加え、室温で4.5時間攪拌した。1規定水酸化ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出し、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去した。得られた残渣をメタノール(8.0mL)に溶解し、10%パラジウム−炭素(Pd−C)(30.0mg)を加え、水素雰囲気下、室温で1時間攪拌した。10%パラジウム−炭素(Pd−C)をセライト濾過後、溶媒を減圧下留去して得られた残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液;ジクロロメタン:メタノール=90:10)で精製し、標記化合物(60.0mg)を淡黄色固体として得た。
(参考例10)5−アミノ−3,4−ジヒドロ−1−エチル−2(1H)−キナゾリノンの合成
(参考例8)に準じる方法で、2,6−ジニトロベンゾニトリル(13.0g)より標記化合物(2.7g)を茶色固体として得た。
(参考例11)5−アミノ−3,4−ジヒドロ−1−エチル−2(1H)−キナゾリノンの合成(別法)
(参考例9)<工程7>に準じる方法で、(参考例9)<工程6>で得られた化合物(0.3g)より、標記粗化合物(16.8mg)を茶色固体として得た。
(実施例1)(E)−2−(3,4−ジヒドロ−8−トリフルオロメチル−1−ベンゾオキセピン−5(2H)−イリデン)−N−(3,4−ジヒドロ−1−メチル−2(1H)−キナゾリノン−5−イル)アセトアミドの合成
(参考例1)<工程5>で得られたカルボン酸(75.0mg)のジクロロメタン(3.0mL)溶液に二塩化オキサリル(50.0μL)、N,N−ジメチルホルムアミド(1滴)を加え、室温で30分間攪拌した。溶媒を減圧下留去後、ジクロロメタン(3.0mL)に溶解し、(参考例8)<工程4>で得られたアミン(40.0mg)、ピリジン(0.1mL)溶液に氷冷下滴下し、室温で2時間攪拌した。反応液を1規定塩酸水溶液で中和し、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去して得られた残渣に、ジクロロメタンを加え固化し、標記化合物(62.0mg)を白色固体として得た。
(参考例1)<工程5>、(参考例2)<工程10>、(参考例3)<工程5>、(参考例4)<工程5>、(参考例5)<工程4>、(参考例6)<工程4>、(参考例7)<工程4>で得られたカルボン酸、および(参考例8)<工程4>、(参考例10)で得られたアミンより、(実施例1)と同様の方法で下記化合物を得た。
(実施例2)(E)−2−(3,4−ジヒドロ−8−トリフルオロメチル−2−ベンゾオキセピン−5(1H)−イリデン)−N−(3,4−ジヒドロ−1−メチル−2(1H)−キナゾリノン−5−イル)アセトアミド
(実施例3)(E)−2−(7−トリフルオロメチルクロマン−4−イリデン)−N−(3,4−ジヒドロ−1−メチル−2(1H)−キナゾリノン−5−イル)アセトアミド
(実施例4)(E)−2−(2,2−ジメチル−7−トリフルオロメチルクロマン−4−イリデン)−N−(3,4−ジヒドロ−1−メチル−2(1H)−キナゾリノン−5−イル)アセトアミド
(実施例5)(E)−2−(3,4−ジヒドロ−8−トリフルオロメチル−1−ベンゾオキセピン−5(2H)−イリデン)−N−(3,4−ジヒドロ−1−エチル−2(1H)−キナゾリノン−5−イル)アセトアミド
(実施例6)(E)−2−(3,4−ジヒドロ−8−トリフルオロメチル−2−ベンゾオ
キセピン−5(1H)−イリデン)−N−(3,4−ジヒドロ−1−エチル−2(1H)−キナゾリノン−5−イル)アセトアミド
(実施例7)(E)−2−(7−トリフルオロメチルクロマン−4−イリデン)−N−(3,4−ジヒドロ−1−エチル−2(1H)−キナゾリノン−5−イル)アセトアミド
(実施例8)(E)−2−(2,2−ジメチル−7−トリフルオロメチルクロマン−4−イリデン)−N−(3,4−ジヒドロ−1−エチル−2(1H)−キナゾリノン−5−イル)アセトアミド
(実施例9)(E)−2−(2,2−ジエチル−7−トリフルオロメチルクロマン−4−イリデン)−N−(3,4−ジヒドロ−1−エチル−2(1H)−キナゾリノン−5−イル)アセトアミド
(実施例10)(E)−2−(2,2−ビス(メトキシメチル)−7−トリフルオロメチルクロマン−4−イリデン)−N−(3,4−ジヒドロ−1−エチル−2(1H)−キナゾリノン−5−イル)アセトアミド
(実施例11)(E)−2−(7−トリフルオロメチル−スピロ[クロマン−2,4’−テトラヒドロピラン]−4−イリデン)−N−(3,4−ジヒドロ−1−エチル−2(1H)−キナゾリノン−5−イル)アセトアミド
(実施例12)
(Z)−2−(2,3−ジヒドロ−2,2−ジメチル−7−トリフルオロメチル−4H−1,3−ベンゾオキサジン−4−イリデン)−N−(3,4−ジヒドロ−1−メチル−2(1H)−キナゾリノン−5−イル)アセトアミドの合成
<工程1>2−ヒドロキシ−4−トリフルオロメチルベンズアミドの合成
4−トリフルオロメチルサリチル酸(5.0g)のトルエン(50.0mL)溶液に塩化チオニル(2.7mL)、N,N−ジメチルホルムアミド(0.1mL)を加え、30分間加熱還流をした。反応溶液を放冷後、氷冷下、アンモニア水(50.0mL)に滴下し、同温で10分間撹拌した。濃塩酸でpH=3にした後、酢酸エチルで抽出し、水、飽和食塩水で順次洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液;n−ヘキサン:酢酸エチル=100:0〜50:50)で精製し、標記化合物(1.8g)を肌色結晶として得た。
<工程2>2,3−ジヒドロ−2,2−ジメチル−7−トリフルオロメチル−4H−1,3−ベンゾオキサジン−4−オンの合成
実施例12<工程1>で得られた化合物(1.8g)のクロロホルム(20.0mL)溶液に、2,2−ジメトキシプロパン(4.3mL)、濃硫酸(0.4mL)を加え、8時間加熱還流した。反応溶液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で中和後、酢酸エチルで抽出し、水、飽和食塩水で順次洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液;n−ヘキサン:酢酸エチル=100:0〜50:50)で精製し、標記化合物(1.1g)を淡黄色結晶として得た。
<工程3>2,3−ジヒドロ−2,2−ジメチル−7−トリフルオロメチル−4H−1,3−ベンゾオキサジン−4−チオンの合成
実施例12<工程2>で得られた化合物(1.1g)のトルエン(58.0mL)溶液に、ローソン試薬(1.2g)を加え、1時間加熱還流した。反応溶液を放冷後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液;n−ヘキサン:酢酸エチル=90:10〜88:12)で精製し、標記化合物(1.4g)を黄色結晶として得た。
<工程4>2−ブロモ−N−(3,4−ジヒドロ−1−メチル−2(1H)−キナゾリノン−5−イル)アセトアミドの合成
(参考例8)<工程4>で得られたアミン(0.2g)とブロモ酢酸(0.2g)のメタノール(5.0mL)溶液に、4−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムクロリド(DMTMM)(0.4g)を加え、室
温で14時間攪拌した。反応液に水を加え、析出物を濾取し、水で洗浄後、エタノール共沸した。得られた残渣をジエチルエーテルで懸濁した後、濾取し、標記化合物(0.3g)を淡桃色固体として得た。
<工程5>2−(2,3−ジヒドロ−2,2−ジメチル−7−トリフルオロメチル−4H−1,3−ベンゾオキサジン−4−イルチオ)−N−(3,4−ジヒドロ−1−メチル−2(1H)−キナゾリノン−5−イル)アセトアミドの合成
実施例12<工程3>で得られた化合物(0.3g)と実施例12<工程4>で得られた化合物(0.3g)の1,4−ジオキサン(15.0mL)懸濁液に、トリエチルアミン(0.4mL)を加え、1時間加熱還流した。反応溶液に水を加え、析出物を濾取し、水で洗浄後、エタノール共沸した。得られた残渣をジエチルエーテルで懸濁した後、濾取し、標記化合物(0.4g)を白色固体として得た。
<工程6>(Z)−2−(2,3−ジヒドロ−2,2−ジメチル−7−トリフルオロメチル−4H−1,3−ベンゾオキサジン−4−イリデン)−N−(3,4−ジヒドロ−1−メチル−2(1H)−キナゾリノン−5−イル)アセトアミドの合成
実施例12<工程5>で得られた化合物(0.3g)のクロロベンゼン(1.2mL)懸濁液に、トリフェニルホスフィン(0.6g)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(1.2mL)を加え、マイクロウエーブ反応装置を用いて180℃で1時間加熱封管した。反応溶液に水を加え、酢酸エチルで抽出し、水、飽和食塩水で順次洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液;n−ヘキサン:酢酸エチル=90:10〜0:100)および薄層分取クロマトグラフィー(展開溶媒;n−ヘキサン:酢酸エチル=1:2)で精製し、標記化合物(7.1mg)を淡黄色固体として得た。
上記の(実施例1)から(実施例12)で合成した化合物の構造を[化合物一覧表 1]、(参考例1)から(参考例10)で合成した中間体の構造を[化合物一覧表 2]
に示す。また、(実施例1)から(実施例12)のIC50値を表1に示し、LC Massデータを表3に示す。実施例および参考例のNMRデータを表4及び表5に示す。表3、表4中の無印、*、**印は、(400MHz:無印、300MHz:*印、270MHz:**印)を示す。
[化合物一覧表 1]
Figure 2011201776
[化合物一覧表 2]
Figure 2011201776
Figure 2011201776
Figure 2011201776
Figure 2011201776

Claims (4)

  1. 下記式(I)
    Figure 2011201776
    (式中、mは0または1の整数を表し、R1 はC1アルキル基を表し、R2 及びR
    は、各々独立に、水素原子または水酸基もしくはC1アルコキシ基で置換されていてもよいC1アルキル基を表すか、R2 及びRは各々が結合している炭素原子と一緒に4〜6員のシクロ環を形成していてもよく、当該シクロ環は酸素原子が1つ含まれていてもよく、Z は、メチレン基、エチレン基または−NH−を表す。但し、以下の化合物、
    (E)−2−(2,2−ジエチル−7−トリフルオロメチルクロマン−4−イリデン)−N−(3,4−ジヒドロ−1−メチル−2(1H)−キナゾリノン−5−イル)アセトアミド;(E)−2−(7−トリフルオロメチル−スピロ[クロマン−2,1’−シクロブタン]−4−イリデン)−N−(3,4−ジヒドロ−1−メチル−2(1H)−キナゾリノン−5−イル)アセトアミド;(E)−2−(2,2−ビス(メトキシメチル)−7−トリフルオロメチルクロマン−4−イリデン)−N−(3,4−ジヒドロ−1−メチル−2(1H)−キナゾリノン−5−イル)アセトアミド;(E)−2−(7−トリフルオロメチル−スピロ[クロマン−2,4’−テトラヒドロピラン]−4−イリデン)−N−(3,4−ジヒドロ−1−メチル−2(1H)−キナゾリノン−5−イル)アセトアミド;(E)−2−(7−トリフルオロメチル−スピロ[クロマン−2,1’−シクロブタン]−4−イリデン)−N−(3,4−ジヒドロ−1−エチル−2(1H)−キナゾリノン−5−イル)アセトアミド;である場合を除く)で表される化合物、またはその塩またはそれらの溶媒和物。
  2. (E)−2−(3,4−ジヒドロ−8−トリフルオロメチル−1−ベンゾオキセピン−5(2H)−イリデン)−N−(3,4−ジヒドロ−1−メチル−2(1H)−キナゾリノン−5−イル)アセトアミド;
    (E)−2−(3,4−ジヒドロ−8−トリフルオロメチル−2−ベンゾオキセピン−5(1H)−イリデン)−N−(3,4−ジヒドロ−1−メチル−2(1H)−キナゾリノン−5−イル)アセトアミド;
    (E)−2−(7−トリフルオロメチルクロマン−4−イリデン)−N−(3,4−ジヒドロ−1−メチル−2(1H)−キナゾリノン−5−イル)アセトアミド;
    (E)−2−(2,2−ジメチル−7−トリフルオロメチルクロマン−4−イリデン)−N−(3,4−ジヒドロ−1−メチル−2(1H)−キナゾリノン−5−イル)アセトアミド;
    (E)−2−(3,4−ジヒドロ−8−トリフルオロメチル−1−ベンゾオキセピン−5(2H)−イリデン)−N−(3,4−ジヒドロ−1−エチル−2(1H)−キナゾリノン−5−イル)アセトアミド;
    (E)−2−(3,4−ジヒドロ−8−トリフルオロメチル−2−ベンゾオキセピン−5(1H)−イリデン)−N−(3,4−ジヒドロ−1−エチル−2(1H)−キナゾリノ
    ン−5−イル)アセトアミド;
    (E)−2−(7−トリフルオロメチルクロマン−4−イリデン)−N−(3,4−ジヒドロ−1−エチル−2(1H)−キナゾリノン−5−イル)アセトアミド;
    (E)−2−(2,2−ジメチル−7−トリフルオロメチルクロマン−4−イリデン)−N−(3,4−ジヒドロ−1−エチル−2(1H)−キナゾリノン−5−イル)アセトアミド;
    (E)−2−(2,2−ジエチル−7−トリフルオロメチルクロマン−4−イリデン)−N−(3,4−ジヒドロ−1−エチル−2(1H)−キナゾリノン−5−イル)アセトアミド;
    (E)−2−(2,2−ビス(メトキシメチル)−7−トリフルオロメチルクロマン−4−イリデン)−N−(3,4−ジヒドロ−1−エチル−2(1H)−キナゾリノン−5−イル)アセトアミド;
    (E)−2−(7−トリフルオロメチル−スピロ[クロマン−2,4’−テトラヒドロピラン]−4−イリデン)−N−(3,4−ジヒドロ−1−エチル−2(1H)−キナゾリノン−5−イル)アセトアミド、及び
    (Z)−2−(2,3−ジヒドロ−2,2−ジメチル−7−トリフルオロメチル−4H−1,3−ベンゾオキサジン−4−イリデン)−N−(3,4−ジヒドロ−1−メチル−2(1H)−キナゾリノン−5−イル)アセトアミド
    から選ばれる請求項1に記載の化合物、またはその塩またはそれらの溶媒和物。
  3. 請求項1に記載の式(I)で表される化合物、または製薬学的に許容されるその塩またはそれらの溶媒和物の少なくともひとつを有効成分として含有することを特徴とする、医薬組成物。
  4. 請求項1に記載の式(I)で表される化合物、または製薬学的に許容されるその塩またはそれらの溶媒和物の少なくともひとつを有効成分として含有することを特徴とする、TRPV1(Transient Receptor Potential Vanilloid Type I)受容体拮抗剤。
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