JP2011201633A - 線通し装置、水中航走体、線通し方法、及び、水中物体回収方法 - Google Patents

線通し装置、水中航走体、線通し方法、及び、水中物体回収方法 Download PDF

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Abstract

【課題】水中等の人が直接作業をし難い場所において、容易、且つ、確実に、物体の貫通孔に、案内索等の線状体を通すことができる、線通し装置、水中航走体、線通し方法、及び、この線通し方法を用いて水中等の人が直接作業をし難い場所に在る物体を容易に回収することができる水中物体回収方法を提供する。
【解決手段】線状体40の一端側を保持する移動体30を一時的に保持する引渡部10と、該引渡部10から前記移動体30を受取って保持する受取部20とを有し、前記引渡部10と前記受取部20の間に前記貫通孔52を有する部材51が挿入された時に、前記引渡部10、前記受取部20、前記移動体30の内の少なくとも一つを移動させて、前記移動体30を前記貫通孔52に挿通させて前記引渡部10から前記受取部20に引き渡すことで、前記移動体30に一端側を保持された前記線状体40を前記貫通孔52に挿通する。
【選択図】図1

Description

本発明は、水中等の人が直接作業をし難い場所において、容易、且つ、確実に、物体の貫通孔に、案内索等の線状体を通すことができる、線通し装置、水中航走体、線通し方法、及び、この線通し方法を用いて水中物体を容易に回収することができる水中物体回収方法に関する。
従来技術において、水中にある構造物、遺失物、設置物等の水中物体や放射能汚染区域、化学物質汚染区域、火災区域、地雷原等、人が直接作業するのが困難な場所や雰囲気にある物体に対しては、ロボットに設けたマニュピュレータを使用して作業している。
例えば、水中物体の引き上げ等においては、水中物体にワイヤロープを掛けて、作業船上のクレーンやウィンチで引き上げることが行われる。この場合、水深が浅い場所では、ダイバーによる作業でワイヤロープを掛けることができるが、水深が深くなるとダイバーが潜水できなくなり、また、水上から作業しようとすると大がかりな装置や設備が必要となるため、水中ロボットによる作業を行う必要が生じる。
このような水中ロボットに作業に関連して、無人潜水機に着脱可能なロープ収納筒に収納し、ロープ収納筒に後端側を固定したロープの先端側に碇金物を取り付けて、この碇金物をマニュピュレータで水中物体に係止してから、無人潜水機を浮上させて作業船上に回収し、ロープ収納筒からロープを引き出しながら、この無人潜水機に装着されたロープ収納筒毎、ロープを作業船上に引き上げて、このロープを作業船上のウィンチにより引き上げることで、ロープの先端側の碇金物を介して接続された水中物体を作業船上に回収する水中物体の回収方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
また、作業船から、先端に嵌合器を連結したリールワイヤを巻き込んだリールに重錘を連結して、このリールを作業船から主ワイヤで吊り下げて海底に下ろしてから、潜水船のマニュピュレータで、嵌合器を把握してリールからリールワイヤを繰り出しながら、嵌合器を移動して海底ケーブルに嵌合させて、その後、主ワイヤを作業船上に巻き上げてリールを作業船上に引き上げ、次いで、リールワイヤを巻き上げることにより、嵌合器と共に海底ケーブルを作業船上に引き上げる海底ケーブル引上げ方法が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
特開昭62−218298号公報 特開昭64−8809号公報
本発明は、上述の状況を鑑みてなされたものであり、その目的は、水中等の人が直接作業をし難い場所において、容易、且つ、確実に、物体の貫通孔に、案内索等の線状体を通すことができる、線通し装置、水中航走体、線通し方法、及び、この線通し方法を用いて水中等の人が直接作業をし難い場所に在る物体を容易に回収することができる水中物体回収方法を提供することにある。
上記の目的を達成するための本発明の線通し装置は、貫通孔に線状体を挿通させるための線通し装置において、前記線状体の一端側を保持する移動体と、該移動体を一時的に保持する引渡部と、該引渡部から前記移動体を受取って保持する受取部とを有し、前記引渡部と前記受取部の間に前記貫通孔を有する部材が挿入された時に、前記引渡部、前記受取部、前記移動体の内の少なくとも一つを移動させて、前記移動体を前記貫通孔に挿通させて前記引渡部から前記受取部に引き渡すことで、前記移動体に一端側を保持された前記線状体を前記貫通孔に挿通するように構成される。
この構成によれば、柔軟性のあり操作し難い線状体だけを取り扱って貫通孔に挿通するのではなく、線状体の一端側を保持する移動体を貫通孔に挿通するので、容易かつ確実に線状体を貫通孔に挿通することができる。また、引渡部、受取部、移動体の内の少なくとも一つを移動させて、移動体を貫通孔に挿通させて引渡部から受取部に引き渡す機構は、非常に単純な構造で構成することができるので、線通し装置を小型、軽量化することができ、小型水中ロボット等に搭載できるようになる。
この移動体の移動に関しては、移動体を保持した状態で引渡部を移動させて、線通し装置に固定した受取部に引渡する構成、逆に、受取部を移動させて、線通し装置に固定した引渡部が保持した移動体を受け取る構成、線通し装置に固定した引渡部と同じく線通し装置に固定された受取部の間を移動体のみを移動させる構成、引渡部と受取部の両方を移動させて移動体の引渡しを行う構成等がある。
また、移動体の移動に関しては、引渡部と貫通孔と移動体と受取部を同一直線上に配置して、引渡部と移動体と受取部の少なくとも一つを直線的に移動させる構成、引渡部と貫通孔と移動体と受取部を同一円弧上に配置して、回転運動により、引渡部と移動体と受取部の少なくとも一つをこの円弧上を移動させる構成とすると、構成が比較的単純となる。
上記の線通し装置において、前記受取部を移動させずに、前記引渡部の一部又は全部を直線移動可能に形成すると、線状体及び移動体に加わる力は、線状体が貫通孔を挿通した後の方が大きくなるので、即ち、移動体が引渡部に在るときよりも、移動体が受取部に在るときの方が大きくなるので、移動体を移動させるための移動機構を持つ引渡部に係る力を小さくすることができ、より小型化できる。
また、直線移動とすることにより、1台のテレビカメラを見て操作して遠近感が把握し難い小型水中ロボットにおいても、テレビカメラの画面に平行な方向に直線移動させることができるようになり、アイボルト等の貫通孔に入るように移動体の中心を合わるのが容易となり、より容易、かつ、より確実に移動体を貫通孔に挿通できるようになる。また、直線運動とすると、貫通孔の周囲に藻等の障害物があってもこれらの障害物に移動体が絡み難くなるので、そのまま突っ込んで挿通させることができるようになる。
この直線運動は、クランク機構、シリンダ等を用いたり、直線状の案内に沿わせて、移動体等をばね力、圧縮空気力、火薬による爆発力等を用いて移動させたりすることにより、比較的単純な装置で容易に実施できる。従って、線通し装置の構造が単純化し、小型化、軽量化ができ、装置の信頼性も向上させることができる。
上記の線通し装置において、前記引渡部、前記受取部、又は、線通し装置の本体の少なくとも一つに、前記貫通孔を有する部材と一時的に係合する係合部を設けると、線通し作業の前に貫通孔を有する部材と係合部で一時的に係合できるので、小型水中ロボットのように作業中の姿勢が不安定になり易い機体に装備した場合であっても、貫通孔に対する移動体の相対位置を適切に維持することができるようになり、作業性がより向上する。
上記の線通し装置において、前記移動体を受け取った後に前記受取部に係止する方法には、移動体が受取部に当接した状態で係合させたり、移動体を受取部の正面や側面に保持したりする方法もあるが、前記受取部を前記移動体を収納する収納室を備えて形成し、前記移動体が前記収納室に収納された時に、前記移動体を前記収納室に係止する係止部を設けた構成にすると、堅固に移動体を受取部に固定保持することができ、移動体に保持された線状体に大きな力が作用しても移動体が受取部から分離するのを防止できるので、より確実に線状体を作業船などに引き上げることができるようになる。
また、上記の目的を達成するための本発明の水中航走体は、上記の線通し装置のいずれかを備えて構成される。この構成により、小型水中ロボット等の水中航走体で、テトラポット等の水中物体のアイボルト等の貫通孔を有する部材の貫通孔に、ガイドロープ等の線状体を挿通するときに、容易、且つ、確実に、線状体を貫通孔に挿通することができる。
また、上記の目的を達成するための本発明の線通し方法は、貫通孔に線状体を挿通させるための線通し方法において、前記線状体の一端側を保持する移動体を、一時的に引渡部に保持させて、前記引渡部と前記受取部の間に前記貫通孔を有する部材が挿入された時に、前記移動体、前記引渡部、又は、前記引渡部から前記移動体を受取って保持する受取部の内の少なくとも一つを移動させて、前記移動体を前記貫通孔に挿通させて前記引渡部から前記受取部に引き渡すことで、前記移動体に一端側を保持された前記線状体を前記貫通孔に挿通することを特徴とする方法である。この方法によれば、容易、且つ、確実に、物体の貫通孔に、案内索等の線状体を通すことができる。
また、上記の目的を達成するための本発明の水中物体回収方法は、上記の線通し方法を用いて、水中にある前記貫通孔を有する部材の前記貫通孔に、主索を接続した前記線状体を挿通し、この挿通した前記線状体を手繰ることにより、前記主索を前記貫通孔に挿通し、前記主索によって、前記貫通孔を有する部材を持つ水中物体を回収することを特徴とする方法である。この水中物体回収方法によれば、水中に在る物体を容易に回収することができる。
本発明の線通し装置、水中航走体、線通し方法によれば、水中等の人が直接作業をし難い場所において、比較的簡単な機構及び操作で、容易、且つ、確実に、物体の貫通孔に案内索等の線状体を通すことができる。
また、本発明の水中物体回収方法によれば、本発明の線通し方法を用いて、水中等の人が直接作業をし難い場所に在る物体を容易に回収することができる。
本発明に係る線通し装置の構成を示した断面を含む斜視図である。 移動体の構成を示す断面を含む斜視図である。 線通しの第1ステップを示す図である。 線通しの第2ステップを示す図である。 線通しの第3ステップを示す図である。 線通しの第4ステップを示す図である。 線通しの第5ステップを示す図である。 線通しの第6ステップを示す図である。 水中物体の回収の第1ステップを示す図である。 水中物体の回収の第2ステップを示す図である。 水中物体の回収の第3ステップを示す図である。 水中物体の回収の第4ステップを示す図である。
以下、図面を参照して本発明に係る線通し装置、水中航走体、線通し方法、及び、水中物体回収方法について説明する。
なお、ここでは、水中ロボット(水中航走体)で、ガイドロープ(線状体)をテトラポット(水中物体)のアイボルトの貫通孔に通して、このテトラポットを回収することを例にして説明するが、本発明は、この例に限定されず、線通し装置、及び、線通し方法は、貫通孔を有する物体が、水中に限らず、放射能汚染区域、化学物質汚染区域、火災区域、地雷原等の、人が直接作業するのが困難な場所に在る場合や、物体又は物体周囲が、人が直接作業するのが困難な雰囲気にある場合等にも適用することができる。
また、水中航走体、及び、水中物体回収方法においても、水中ロボットにおける作業に限定されず、比較的大きな無人水中ロボットの作業においても、また、深海調査船等の有人水中航走体における作業においても適用できる。なお、図面は説明のための図であり、必ずしも実機で用いる線通し装置や水中航走体の寸法比で作図したものではない。
最初に図1〜図8を参照しながら、本発明に係る実施の形態の線通し装置について説明する。図1〜図8に示すように、この線通し装置2は、引渡部10と、受取部20と、ガイドロープ40の一端側を係止する移動体30とを有して構成される。そして、図9〜図12に例示するような水中ロボット(水中航走体)1に装備される。
引渡部10は、支柱11と支柱22によって受取部20と対向する位置に固定されており、移動体30を受取部20に移動させる移動機構を有して構成される。この移動機構は、シリンダ状のボックス構造体12とその内部の圧力室13に一端側が配置されているピストン14を有して構成される。また、ピストン14の他端側には移動体30が着脱可能に配置される。圧力室13には圧力配管15が接続され、この圧力配管15経由で、空気圧、水圧又は油圧を加えることで、ピストン14をX方向に直線移動させる。
なお、水深が深くなると外部の水圧が大きくなり、空気圧や油圧では非常に大きな圧力が必要になる。この場合に、外部と圧力室13との間に差圧が生じさえすれば、ピストン14は移動するので、外部の水をポンプで加圧して圧力室13に供給することで、ピストン14を容易に直線移動させることができる。
移動体30を移動後まで保持し、移動して引渡部20に移動体30を預けた状態で保持状態を解除する機構は、固定ピンの抜き出す機構や、固定フックの解除等の機構を用いる周知技術で容易に実施できる。
例えば、この移動体30の着脱可能な設置方法としては、ピストン14の先端側に磁石を張り付けて、磁力によって移動体30を接着しておく方法等を取ることできる。この磁石による方法でも、移動体30を引渡部10内に収容しておくことで、線通し装置2を移動している最中に移動体30に加わる力を少なくでき、移動体30に外力が作用する移動距離は貫通孔の孔方向の距離に近く、比較的短い距離であり、しかも、貫通孔52の中で外力の作用が小さいので十分であると考えられる。
なお、貫通孔52を移動体が通過する際に大きな力を受けそうな場合には、貫通孔52の径よりも移動体30の大きさは小さく形成できるので、移動体30を収容した部分も、貫通孔52を挿通して受取部20に当接するまでピストン14と一緒に移動可能に構成し、当接後はピストン14と移動体30を移動して、移動体30のみを受取部20に保持させ、その後は、ピストン14と共に移動体30を収容していた部分も戻るように構成すればよい。
また、この移動体30の直線移動は、例示しているシリンダとピストンの方式に限らず、クランク機構を用いてもよい。また、直線状の案内に沿わせて、移動体等をバネによる付勢力、空気圧、火薬などの爆発力等を用いて移動させたり、射出したりすることにより、比較的単純な装置で比較的容易に実施できる。
なお、移動機構は、移動体30を引渡部10から受取部20に貫通孔52を挿通させて移動でき、移動後は貫通孔52を有する部材51から線通し装置2を離脱できればよいので、必ずしも直線移動に限定する必要はない。しかし、直線移動にすると、線通し装置の構造を単純化し易いので、小型化、軽量化ができ、装置の信頼性も向上させることができる。また、直線運動であるため、藻等の障害物があっても絡み難く、そのまま突っ込んで通すことができるようになる。
更に、移動体30の移動経路を直線とすると、1台のテレビカメラを見て操作するので遠近感がつかみ難い水中ロボットにおいても、テレビカメラに対して平行な方向に、特に水平方向に直線移動させて貫通孔52に挿通させるようにすると、アイボルト等の貫通孔の径に対して移動体の中心を容易に合わせることができるようになる。その結果、より容易、かつ、より確実に移動体30を貫通孔52に挿通できる。
更に、引渡部の移動体30が配置される側には、移動体30の着装時及び移動体30の移動時にガイドロープ40の邪魔をしないように、ガイドロープ40を案内する貫通溝16が設けられる。この貫通溝16の部分をガイドロープ40の一端側が挿通することにより、ガイドロープ40は引渡部10に引っかかることなく、円滑に移動体30の移動と共に受取部20側に移動できる。
受取部20は、支柱11と支柱21によって引渡部10の対向位置に固定されている。この受取部20は、移動体30を引渡部10から受け取って内部に収納する収納室22と移動体30を係止する係止部を備えて形成される。
この係止部は、移動体30が通過する収納口23側に回動可能に設けられた係止ピン24と移動体30側の係合孔31で構成される。この係止ピン24は図の上側(Z方向の上側)を支点にして回動可能に構成され、移動体30が収納室22に押し込まれる時に、この係止ピン24は移動体30の先端で押し込まれて回動して収納室22の上側の溝に入り、更に、移動体30の収納室22に入り、移動体30の係止孔31に係止ピン24の先端側が入ると移動体30の移動に伴って回動して係止孔31に入り、係止孔31を貫通して、係止ピン24の先端側が収納口23に当接して、移動体30が収納室22から離脱するのを防止する。
この移動体30を受け取った後に受取部20に係止する係止部の構成や係止方法には、上記の係止ピン24と係止孔31の構成の他にも、移動体30が受取部20に当接した状態で係止させたり、移動体30を受取部20の外側面に保持したりすることもできるが、この構成にすると、堅固に移動体30を受取部20に固定保持することができ、移動体30に保持されたガイドロープ40に力が作用しても移動体30を分離せずに済むので、より確実にガイドロープ40を作業船などに引っ張ってくることができるようになる。
移動体30は、ガイドロープ40の一端側を保持して、引渡部10から受取部20に移動する際に、アイボルト51の貫通孔52を挿通して、ガイドロープ40をこの貫通孔52に通す役割を果たす。この移動体30は係止ピン24に係止する係止孔31を中央に有して構成され、後部にガイドロープ40を固定するための通し穴32と固定具(図示しない)を備えて形成される。ガイドロープ40の固定は結着、圧着、接着、溶接等の周知の方法で固定する。この移動体30は移動時に貫通孔52に藻等の障害物が絡み着いて挿通できるように、細長い形状や周囲に凹凸が少ない形状にするのが好ましい。
また、貫通孔52を有するアイボルト51に接近する部分に対して、案内と保護を兼ねる第1ガイド部材17と第2ガイド部材用25を引渡部10と受取部20にそれぞれ設ける。これにより、貫通孔52を移動体30の移動経路に誘導し易くする。図1、図3〜図7では、X方向のガイド部材しか図示していないが、アイボルト51に接近する方向によもよるが、Y方向に関してもガイド部材を設けることが好ましい。
更に、引渡部10、受取部20、線通し装置2の本体の少なくとも一つに、貫通孔52と係合する係合部を設ける。図1〜図8の構成では、受取部20に柔軟性と弾力性があって撓ることができる係合ピン26を設けて、所定の範囲を超える力でアイボルト51が引渡部10と受取部20の間に入ってくるときは撓って入るのを許容し、小さい力の場合には撓りが少なくなって、アイボルト51と受取部20を係合して大きく離間しないように相対距離を保つように構成している。移動体30の移動後は、線通し装置2を水中ロボット2の推力を用いて離脱するので、所定の範囲を超える力が作用してアイボルト51が引渡部10と受取部20の間から出ていくことができる。
なお、図示しないが、受取部20に出入可能な係合部材を設けて、貫通孔52が所定の範囲内に入ったら、係合部材を突出させて貫通孔52の内部に挿入することにより、アイボルト51と受取部20を係合して大きく離間しないように相対距離を保ち、移動体30の移動が終了したら、係合部材を引っ込めるように構成してもよい。更には、アイボルト51を把持するような把持機能を持たせて係合部を構成してもよい。
この係合部を設ける構成により、線通し作業の前に貫通孔52を有するアイボルト51と係合ピン26で一時的に係合できるので、小型水中ロボットのように作業中の姿勢が不安定になり易い機体に装備した場合であっても、貫通孔52に対する移動体30の相対位置を適切に維持することができるようになり、作業性がより向上する。
そして、上記の構成の線通し装置2によれば、柔軟性のあるガイドロープ40だけを貫通孔52に挿通するのではなく、ガイドロープ40の一端側を保持する移動体30を貫通孔52に挿通するので、容易かつ確実にガイドロープ40を貫通孔52に挿通することができる。また、引渡部10、受取部20、移動体30の内の少なくとも一つを移動させて、移動体30を貫通孔52に挿通させて引渡部10から受取部20に引き渡す構成は、非常に単純な構成で作ることができるので、線通し装置2を小型、軽量化することができる。
また、本発明に係る水中ロボット(水中航走体)1は、図9〜図12に示すように、上記の構成の線通し装置2を備えて構成される。この水中ロボット1のその他の構造は周知技術の構造を採用できるので、ここでは説明をしない。
次に、本発明に係る線通し方法について、ガイドロープ(線状体)40をテトラポット(水中物体)50のアイボルト(貫通孔を有する部材)51の貫通孔52に挿通する場合を例にして説明する。
この線通し方法では、図1に示すように、ガイドロープ40の一端側を保持する移動体30を、一時的に引渡部10に保持させる。この状態で、水中ロボット1を操作して、図3に示すように、アイボルト51に接近する。次に、移動の矢印方向(Z方向)に移動させて、図4に示すような、引渡部10と受取部20の間にアイボルト51が挿入され、貫通孔52が移動体30の移動経路に入るようにする。
この貫通孔52が移動体30の移動経路に入ったことをテレビカメラの画像などで確認したならば、移動機構を作動させて、移動体30、引渡部10、又は、引渡部10から移動体30を受取る受取部20の内の少なくとも一つを移動させて、移動体30を貫通孔52に挿通させて引渡部10から受取部30に引き渡す。これにより、移動体30に一端側を保持されたガイドロープ40を貫通孔52に挿通する。図1から図8の構成では、図5及び図6に示すように、引渡部10のピストン14と共に移動体30を移動させている。
その後、図7に示すように、線通し装置2をアイボルト51から離すときに、邪魔にならないように、圧力室13の圧力を下げて、外圧又は図示しないバネの付勢力によりピストン14を引き込む。ピストン14を引き込んだ後は、図8に示すように、アイボルト51から、線通し装置2を引き離す。これにより、アイボルト51にガイドロープ40を挿通することができる。
次に、本発明に係る水中物体回収方法について、水中ロボット(水中航走体)を用いて水底に置かれたテトラポット(水中物体)50を回収する方法を例にして説明する。
この水中物体回収方法では、図9に示すように、水中ロボット1の前側に備えた線通し装置2の移動体30に、道糸となるガイドロープ40の一端側を保持させて、この状態で、水中ロボット2を沈降させて、テトラポット50に接近させる。なお、ガイドロープ40の他端側は主索に接続され、この主索は図示しない海上の作業船や陸上の作業設備のウィンチ等に巻き取られている。
次に、図10に示すように、水中ロボット1を操作して、アイボルト51に線通し装置2を接近させる。その後、図10で、上記の図1、図2〜図8に示す線通し方法を行い、ガイドロープ40をアイボルト51の貫通孔52に挿通する。挿通後は、図11に示すように、線通し装置2をアイボルト51から引き離し、更に、図12に示すように、水中ロボット1を浮上させて、作業船や陸上に引き上げる。この引き上げと共に、ガイドロープ40の一端側を引き上げる。
このガイドロープ40の一端側を更に手繰り寄せることにより、ガイドロープ40の他端側に接続したワイヤロープ等の主索を貫通孔52に挿通させ、さらに、作業船や陸上に引き上げる。主索を引き上げたら、テトラポット50は、丈夫な主索で作業船や陸上と繋がっているので、この主索を巻き上げてテトラポット50を吊り上げ、回収する。
この水中物体回収方法によれば、道糸となるガイドロープ40は、テトラポット50を吊り上げる主索よりも細く、軽いものであるので、ガイドロープ40に作用する潮流力等の影響が主索に比べて著しくなり、水中ロボット2への影響も小さくすることができ、水中ロボット2の推進装置の出力を小さくでき、水中ロボット2を小型化、低コスト化できる。
また、水中物体50にガイドロープ40とそれに続く主索が挿通可能な貫通孔52がある場合には、水中ロボット2に備えた線通し装置2の移動体30を貫通孔52に挿通させるという非常に簡単な作業により、水中物体50を懸吊できる強度を有するワイヤロープで、作業船や陸上の巻上機を使用して吊り上げて、回収することが容易できることになる。
本発明に線通し装置及び線通し方法は、比較的簡単な機構及び操作で、容易、且つ、確実に、物体の貫通孔に、案内索等の線状体を通すことができるという効果を奏することができるので、水中に限らず、放射能汚染区域、化学物質汚染区域、火災区域、地雷原等の、人が直接作業するのが困難な場所や雰囲気にある物体の貫通孔に対して、線通しする場合に利用することができる。
また、水中航走体、及び、水中物体回収方法においても、水中等の人が直接作業をし難い場所に在る物体を容易に回収することができるので、小型水中ロボットにおける作業のみならず、比較的大きな無人水中ロボットの作業においても、また、深海調査船等の有人水中航走体における作業においても利用することができる。
1 水中ロボット
2 線通し装置
10 引渡部
14 ピストン
17 第1ガイド用部材
20 受取部
22 収納室
24 係止ピン(係止部)
25 第2ガイド用部材
26 係合ピン(係合部)
30 移動体
31 係止孔
40 ガイドロープ(線状体)
50 テトラポット(水中物体)
51 アイボルト(貫通孔を有する部材)
52 貫通孔

Claims (7)

  1. 貫通孔に線状体を挿通させるための線通し装置において、前記線状体の一端側を保持する移動体と、該移動体を一時的に保持する引渡部と、該引渡部から前記移動体を受取って保持する受取部とを有し、前記引渡部と前記受取部の間に前記貫通孔を有する部材が挿入された時に、前記引渡部、前記受取部、前記移動体の内の少なくとも一つを移動させて、前記移動体を前記貫通孔に挿通させて前記引渡部から前記受取部に引き渡すことで、前記移動体に一端側を保持された前記線状体を前記貫通孔に挿通するように構成したことを特徴とする線通し装置。
  2. 前記受取部を移動させずに、前記引渡部の一部又は全部を直線移動可能に形成したことを特徴とする請求項1記載の線通し装置。
  3. 前記引渡部、前記受取部、又は、線通し装置の本体の少なくとも一つに、前記貫通孔を有する部材と一時的に係合する係合部を設けたことを特徴とする請求項1、又は、2記載の線通し装置。
  4. 前記移動体を収納する収納室を備えて前記受取部を形成し、前記移動体が前記収納室に収納された時に、前記移動体を前記収納室に係止する係止部を設けたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の線通し装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の線通し装置を備えたことを特徴とする水中航走体。
  6. 貫通孔に線状体を挿通させるための線通し方法において、前記線状体の一端側を保持する移動体を、一時的に引渡部に保持させて、前記引渡部と前記受取部の間に前記貫通孔を有する部材が挿入された時に、前記移動体、前記引渡部、又は、該引渡部から前記移動体を受取って保持する受取部の内の少なくとも一つを移動させて、前記移動体を前記貫通孔に挿通させて前記引渡部から前記受取部に引き渡すことで、前記移動体に一端側を保持された前記線状体を前記貫通孔に挿通することを特徴とする線通し方法。
  7. 請求項6の線通し方法を用いて、水中にある前記貫通孔を有する部材の前記貫通孔に、主索を接続した前記線状体を挿通し、この挿通した前記線状体を手繰ることにより、前記主索を前記貫通孔に挿通し、前記主索によって、前記貫通孔を有する部材を持つ水中物体を回収することを特徴とする水中物体回収方法。
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