JP2011201041A - 電気絶縁用二軸配向ポリエステルフィルム、それからなるフィルムコンデンサーおよび電気絶縁用二軸配向ポリエステルフィルムの製造方法 - Google Patents

電気絶縁用二軸配向ポリエステルフィルム、それからなるフィルムコンデンサーおよび電気絶縁用二軸配向ポリエステルフィルムの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】優れた絶縁破壊電圧特性を有しており、しかもそのばらつきの小さい、電気絶縁用に好適な二軸配向ポリエステルフィルムおよびそれからなるフィルムコンデンサー、ならびにかかる電気絶縁用二軸配向ポリエステルフィルムを得る簡便な製造方法を提供する。
【解決手段】ポリエステルを主たる成分とするフィルムであって、該フィルムの重量を基準として10ppm以上50000ppm以下のフェノール系安定剤を含み、該フィルムの厚み方向の屈折率nzが1.505を超え、測定数50におけるフィルムの絶縁破壊電圧の平均値が450V/μm以上、かつその標準偏差が20V/μm以下である電気絶縁用二軸配向ポリエステルフィルムによって得られる。
【選択図】なし

Description

本発明は電気絶縁用に好適な電気絶縁用二軸配向ポリエステルフィルム、それからなるフィルムコンデンサーおよび電気絶縁用二軸配向ポリエステルフィルムの製造方法に関するものであり、さらに詳しくは、優れた絶縁破壊電圧特性を有しており、しかもそのばらつきの小さい電気絶縁用に好適な電気絶縁用二軸配向ポリエステルフィルム、それからなるフィルムコンデンサーおよび電気絶縁用二軸配向ポリエステルフィルムの製造方法に関するものである。
従来、結晶性熱可塑性樹脂を用いた電気絶縁用フィルムとして、例えばポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエステル、ポリフェニレンスルフィド系のフィルムが知られており、フィルムコンデンサー用フィルム、モーター絶縁用フィルムなどとして用いられている。フィルムコンデンサーは、上述の結晶性熱可塑性樹脂フィルムとアルミニウム箔等の金属薄膜とを重ね合わせ、巻回または積層する方法により製造されている。またモータ絶縁用フィルムは、例えばモーターのコイルとステーターとの絶縁を行うウエッジ材やスロット材として用いられている。
近年、電気あるいは電子回路の小型化の要求に伴い、これらフィルムコンデンサーやモーターについても小型化や実装化が進んでおり、より高い絶縁破壊電圧特性が要求されるようになってきた。また自動車用途において、運転室内での使用のみならず、エンジンルーム内にまで使用範囲が拡大しており、同様により高い絶縁破壊電圧特性が要求されている。
自動車エンジンルーム内で使用可能な耐熱性、耐湿性、電気特性に優れたコンデンサー用ポリエステルフィルムとして、例えば特許文献1には極限粘度や結晶化度が特定範囲にあるポリエチレン−2,6−ナフタレートフィルムを用いることが開示されている。また誘電特性や耐電圧特性に優れたコンデンサー用フィルムとして、特許文献2においてフェノール系安定剤が多量に添加された熱可塑性樹脂フィルムが提案されている。また、特許文献3において、電気絶縁用ポリエステルフィルムとしてチタン化合物とラジカル補足型安定剤1000〜50000ppmを含有し、ポリエステルと化学的に結合しているラジカル補足剤の割合が200ppmを超えないフィルムが提案されており、特許文献3によれば、高温でも高い耐電圧を有し、かつ長期熱処理後も耐電圧特性を維持できることが記載されている。
しかしながら、よりフィルムの薄肉化が求められる中で、しかもより高い絶縁破壊電圧特性が求められるに従い、絶縁破壊電圧のばらつきが大きくなることが問題視されるようになってきている。絶縁破壊電圧のばらつきが大きい場合は最も絶縁破壊電圧の低い部分から破壊が生じるため、絶縁破壊電圧の平均が高くても必ずしも高性能であるとはいえないことから、より簡便な手法で絶縁破壊電圧のばらつきを小さくすることが望まれているのが現状である。
特開2000−173855号公報 特開2005−289065号公報 WO2008/149869号パンフレット
本発明の目的は、優れた絶縁破壊電圧特性を有しており、しかもそのばらつきの小さい、電気絶縁用に好適な二軸配向ポリエステルフィルムおよびそれからなるフィルムコンデンサー、ならびにかかる電気絶縁用二軸配向ポリエステルフィルムを得る簡便な製造方法を提供することにある。
本発明者は上記課題を解決するため鋭意検討した結果、フェノール系安定剤が多量に添加されたポリエステルフィルムは安定剤を含まないフィルムに較べると絶縁破壊電圧特性が大きく向上する効果が得られるものの絶縁破壊電圧のばらつきが大きく、ばらつきを小さくする検討を行ったところ、静電印加方式として従来のワイヤピンニング法に代えてエッジピンニング法を用いることにより、フィルム延伸倍率を高くしてもフィルム厚み方向の屈折率を高く維持することができ、しかも延伸によりフィルムの均一性を高めることができるため、絶縁破壊電圧が高まるとともに絶縁破壊電圧のばらつきが小さくなることを見出し、本発明を完成するに至ったものである。
すなわち本発明は、ポリエステルを主たる成分とするフィルムであって、該フィルムの重量を基準として10ppm以上50000ppm以下のフェノール系安定剤を含み、該フィルムの厚み方向の屈折率nzが1.505を超え、測定数50におけるフィルムの絶縁破壊電圧の平均値が450V/μm以上、かつその標準偏差が20V/μm以下である電気絶縁用二軸配向ポリエステルフィルムによって達成される。
また本発明の電気絶縁用二軸配向ポリエステルフィルムは、好ましい態様として、ポリエステルがポリエチレンナフタレンジカルボキシレートであること、ポリエステルの触媒がチタン化合物であること、フィルム厚みが0.2μm以上5μm以下であること、不活性粒子をフィルム重量を基準として0.0001重量%以上5重量%以下の範囲で含有してなること、フィルムコンデンサー用であること、該ポリエステルフィルムの少なくとも片面に金属層が積層されること、の少なくともいずれか1つを具備するものも包含する。
また、本発明の電気絶縁用二軸配向ポリエステルフィルムを用いてなるフィルムコンデンサーも本発明に包含される。
さらに本発明は、ポリエステルを主たる成分とするフィルムの製造方法であって、該フィルムの重量を基準として10ppm以上50000ppm以下の範囲のフェノール系安定剤を含むポリエステル組成物をダイから溶融押出後、冷却ロールに密着させて溶融状態から冷却固化させる静電印加方式としてエッジピンニング法を用い、延伸時の延伸倍率が3.0倍を超える範囲である電気絶縁用二軸配向ポリエステルフィルムの製造方法も包含するものである。
本発明によれば、本発明の電気絶縁用二軸配向ポリエステルフィルムはフィルム中に多量のフェノール系安定剤を含み、さらにフィルム厚み方向の屈折率が1.505を越える範囲でフィルム均一性に優れるため、高い絶縁破壊電圧特性を有しながらそのばらつきが小さい特徴を有しており、フィルムコンデンサーなどの電気絶縁用フィルムとして好適に使用することができる。
以下、本発明を詳しく説明する。
<ポリエステルフィルム>
本発明のポリエステルフィルムは、ポリエステルを主たる成分とするフィルムであり、該フィルムの重量を基準として10ppm以上50000ppm以下のフェノール系安定剤を含み、該フィルムの厚み方向の屈折率nzが1.505を超え、測定数50におけるフィルムの絶縁破壊電圧の平均値が450V/μm以上、かつその標準偏差が20V/μm以下である。
(ポリエステル)
本発明におけるポリエステルは、ジオールとジカルボン酸またはその誘導体との重縮合によって得られるポリマーであり、ジカルボン酸として、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、アジピン酸およびセバシン酸が挙げられる。またジオールとしては、例えばエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,6−ヘキサンジオールが挙げられる。これらのジカルボン酸とジオールから得られるポリエステルの中でもポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレンジカルボキシレートが好ましく、特に高温での耐電圧特性の観点から、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートが特に好ましい。
かかるポリエステルは、ホモポリマーでも共重合体、2種以上のポリエステルとの混合体のいずれであってもかまわない。共重合体または混合体における他の成分は、ポリエステルの繰返し単位のモル数を基準として20モル%以下であることが好ましく、より好ましくは10モル%以下、さらに好ましくは5モル%以下である。共重合成分としては、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ポリアルキレングリコール等のジオール成分、アジピン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸等のジカルボン酸成分が挙げられる。
本発明のポリエステルフィルムはポリエステルを主たる成分とする。ここで、「主たる成分」とは、フィルム重量を基準として50重量%以上であり、好ましくは60重量%以上、より好ましくは70重量%以上、さらに好ましくは80重量%以上、特に好ましくは90重量%以上である。
ポリエステルの製造方法として、従来公知の方法、例えばジカルボン酸とジオール、および必要に応じて共重合成分をエステル化反応させ、次いで得られる反応生成物を重縮合反応させてポリエステルとする方法で製造することができる。また、これらの原料モノマーの誘導体をエステル交換反応させ、次いで得られる反応生成物を重縮合反応させてポリエステルとする方法で製造してもよい。
本発明のポリエステルは、ポリエステル製造時の触媒としてチタン化合物を使用することが好ましく、本発明のフェノール系安定剤との相乗効果により耐電圧特性が一層向上する。
チタン化合物はポリエステルに可溶なチタン化合物であることが好ましい。ここでポリエステルに可溶なチタン化合物とは、有機チタン化合物を意味し、具体的にはテトラエチルチタネート、テトラプロピルチタネート、テトラブチルチタネート、テトラフェニルチタネートまたはこれらの部分加水分解物、蓚酸チタニルアンモニウム、蓚酸チタニルカリウムおよびチタントリスアセチルアセトネートで例示される化合物、ならびに前記のチタン化合物と無水トリメリット酸等の芳香族多価カルボン酸またはその無水物とを反応させた生成物を挙げることができる。これらの中でも、テトラブチルチタネートおよびトリメリット酸チタンが好ましい。トリメリット酸チタンは、無水トリメリット酸とテトラブチルチタネートとを反応せしめて得られる化合物である。
かかるチタン化合物は、エステル交換法では、エステル交換反応開始前に添加しても、エステル交換反応中、エステル交換反応終了後、重縮合反応の直前に添加しても構わない。またエステル化法では、エステル化反応終了後に添加しても、重縮合反応の直前に添加しても構わない。
またポリエステルに含まれるチタン化合物の含有量は、ポリエステルの重量を基準として、チタン元素換算で5〜20ppmの範囲が好ましく、さらに好ましくは7〜18ppm、特に好ましくは8〜17ppmである。チタン化合物量が下限に満たないと、ポリエステル製造時の生産が遅延することがある。一方上限を超えると得られたポリエステルの耐熱安定性が悪くなり、またチタン化合物の析出物によって耐電圧特性が低下することがある。
ポリエステルの重合触媒として一般的に用いられているアンチモン化合物は、析出物を形成しやすく、また使用する触媒量も多いことから、アンチモン化合物由来の析出物が耐電圧特性を低下させる要因となることがある。一方、チタン化合物を用いた場合、重合反応を維持できる範囲で触媒量を微量にすることが可能となり、耐電圧特性を阻害する要因となる析出物を少なくできるため、フィルムとした時に優れた耐電圧特性が発現することができる。またチタン化合物としてポリエステルに可溶なチタン化合物を用いることで、さらに析出物が少なくなり、耐電圧特性がより向上することがある。
そのため、触媒としてチタン化合物以外の触媒化合物、例えばアンチモン化合物、ゲルマニウム化合物等をチタン化合物と併用しても構わないが、併用する場合はチタン化合物以外の触媒化合物の使用量は少ない方が好ましい。チタン化合物以外の触媒化合物の使用量が多い場合、触媒由来の析出物が発生しやすくなり、結果としてフィルムの耐電圧特性が下がることがある。なお析出物による耐電圧特性低下のメカニズムは、発生した析出物が電解集中を起こすためと考えられる。チタン化合物以外の触媒を併用する時には、その含有量をポリエステルの重量を基準として、5ppm以下、特には実質的に含有しないことが好ましい。
ポリエステルの固有粘度は、ο−クロロフェノール中、35℃において、0.40dl/g以上であることが好ましく、0.40〜0.80dl/gであることがさらに好ましい。固有粘度が0.40dl/g未満ではフィルム製膜時に切断が多発したり、成形加工後の製品の強度が不足することがある。一方固有粘度が0.80dl/gを超える場合は重合時の生産性が低下することがある。
(フェノール系安定剤)
本発明のポリエステルフィルムは、フィルム中にフェノール系安定剤を含有しており、その含有量は、フィルムの重量を基準として10ppm以上50000ppm以下である。かかる範囲内でフェノール系安定剤をフィルム中に含有することにより、ポリエステルフィルムの絶縁破壊電圧特性が大幅に向上する。
フェノール系安定剤として、ヒンダードフェノール類が挙げられ、中でも高分子量型のヒドロキシフェニルプロピオネート、ヒドロキシベンジルベンゼン、アルキレンビスアミド型のヒンダードフェノールが好ましく例示される。
高分子量型のヒドロキシフェニルプロピオネートとして、ペンタエリスリチル−テトラキス[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、トリエチレングリコール-ビス[3-(3-t-ブチル-5-メチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネートが例示される。
また高分子量型のヒドロキシベンジルベンゼンとして、1,3,5-トリメチル-2,4,6-トリス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)ベンゼンなどが例示される。
また、アルキレンビスアミド型のヒンダードフェノールとして、炭素数2〜10のアルキレン鎖を有することが好ましく、特にヘキサメチレンビスアミド型のヒンダードフェノールが一般に入手しやすい。また、アミド結合を介してヒンダードフェノールを両末端に有しており、具体的なヒンダードフェノール化合物として、N,N’−ヘキサン−1,6−ジイルビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオンアミド]が例示される。
これらのヒンダードフェノールの中でも、ペンタエリスリチル−テトラキス[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、N,N’−ヘキサン−1,6−ジイルビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオンアミド]が特に好ましく、N,N’−ヘキサン−1,6−ジイルビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオンアミド]が最も好ましい。
また、アルキレンビスアミド型のヒンダードフェノールの蒸気圧は20℃で1×10E−10Pa以下であることが好ましく、さらに好ましくは1×10E−11Pa以下、特に好ましくは5×10E−12Pa以下である。かかる蒸気圧特性のフェノールを用いることにより、フィルム製膜工程やマスターペレット作成工程において、安定剤の昇華量を抑えることができ、工程内の排気工程の汚染、ダイ汚れ、フィルム表面析出などを防ぐことができる。
これらの化合物は単独で用いるだけでなく、2種以上を併用してもよい。
フェノール系安定剤の含有量は、より好ましくは100ppm以上45000ppm以下、さらに好ましくは1000ppm以上40000ppm以下、特に好ましくは1000ppm以上20000ppm以下である。フェノール系安定剤の含有量が下限値に満たない場合は、絶縁破壊電圧特性が十分に向上しない。一方、フェノール系安定剤の含有量が上限値を超える場合、増量に見合う絶縁破壊電圧特性の向上が期待できない他、ダイ汚れや昇華物のフィルム表面析出が生じることがある。
(不活性粒子)
本発明のポリエステルフィルムは、製膜時の巻き取り性を付与するために不活性粒子を含有することができる。不活性粒子としては、例えば炭酸カルシウム、シリカ、タルク、クレーなどの無機粒子、シリコーン、アクリル、スチレンなどの熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂のいずれかからなる有機粒子、硫酸バリウム、酸化チタンなどの顔料を少なくとも1種を用いることができる。
これらの不活性粒子の中でも、特にシリコーン樹脂粒子、ポリアクリル樹脂粒子、ポリスチレン樹脂粒子、アクリル−スチレン共重合体樹脂粒子が好ましく例示され、特にシリコーン樹脂粒子が好ましい。さらに、これら粒子の中でも球状架橋高分子樹脂粒子であることが好ましい。球状架橋高分子樹脂粒子は粒径分布がシャープであることが好ましく、粒径のばらつきが小さいことにより、フィルム表面の大突起の高さが均一となり、絶縁欠陥が減少して絶縁破壊電圧特性をより向上させることができる。
かかる不活性粒子は、発明の効果を損なわない範囲で用いることができるが、例えば平均粒径が0.001〜5μmの不活性粒子をフィルム重量を基準として0.0001重量%以上5重量%以下の範囲で含有することができ、さらに0.05重量%以上1重量%以下であることがより好ましい。不活性粒子の平均粒径は0.01〜3μmであることがより好ましい。
さらに、これら不活性粒子は、発明の効果を損なわない範囲で、平均粒径の異なる粒子を2種類以上用いてもよい。
(その他成分)
本発明のフィルムは、さらに他の成分を含んでいてもよい。
例えば、ポリエステル以外の樹脂をさらに含有することができ、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂が挙げられる。特にポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂がフィルムの誘電率特性の点で好ましい。他の樹脂をさらに含有する場合は、フィルムの重量を基準として50重量%未満の範囲であることがポリエステルフィルムの耐熱性維持の点で好ましく、より好ましくは40重量%未満、さらに好ましくは30重量%未満、特に好ましくは20重量%未満である。
ポリオレフィン系樹脂として、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリメチルペンテン系樹脂が例示され、ホモポリマー、コポリマーのいずれであってもよい。
また、ポリスチレン系樹脂として、ポリスチレン、ポリメチルスチレン、ポリジメチルスチレン、ポリブチルスチレン、ポリフェニルスチレンが例示され、特に立体化学構造がシンジオタクチック構造を有するポリスチレン系樹脂がポリステルフィルムの耐熱性維持の点で好ましい。
本発明のフィルムには、さらにイオウ系安定剤、リン系安定剤からなる群から選ばれる少なくとも1種を少量添加してもよい。これらの安定剤をフェノール系安定剤と併用することによって、絶縁破壊電圧特性をさらに高めることができる。
かかるイオウ系安定剤として、チオエーテル系化合物が例示され、具体的にはテトラエステル型高分子量のチオエーテル化合物などが挙げられる。
またリン系安定剤として、ホスホン酸、ホスフェート系化合物、ホスファイト系化合物などが挙げられるが、これらの中でも各種のホスファイト系化合物を用いることができる。
これらのイオウ系安定剤、リン系安定剤は、フェノール系安定剤と併用した場合、絶縁破壊電圧特性をさらに高めることができる一方、多量に添加しても添加量に伴う相乗効果が発現しないことから、できるだけ少量の範囲で添加することが好ましい。これらの安定剤の含有量は、フィルム重量を基準として1〜10000ppmであることが好ましく、さらに好ましくは5〜5000ppmである。該安定剤の含有量が下限に満たない場合は絶縁破壊電圧特性の相乗効果が十分に発現しないことがある。一方、該安定剤を含有量の上限を超えて添加しても添加量に伴う相乗効果が発現しないばかりか、結晶性熱可塑性樹脂の耐熱性などを低下させることがある。
<フィルム特性>
(フィルム厚み方向の屈折率nz)
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは、フィルムの厚み方向の屈折率nzが1.505を超えることを特徴の1つとしている。本発明において、絶縁破壊電圧の平均を高くしつつ同時にそのばらつきを小さくするためには、前述のフェノール系安定剤を必須成分としてフィルム中に含み、かつ厚み方向の屈折率特性がかかる範囲にあることが必要である。また、静電印加方式としてエッジピンニング法を用いることによりフィルム厚み方向の屈折率が高くなり、絶縁破壊電圧の平均を高くすることができ、さらに3.0倍を超える範囲で延伸を行うことにより、絶縁破壊電圧のばらつきを小さくすることができる。
フィルム厚み方向の屈折率を高くすることにより絶縁破壊電圧が高まる理由は明らかではないが、厚み方向の強度が高くなるため、外部電荷による厚み方向の力学的破壊が生じにくくなるものと推察される。
フィルムの厚み方向の屈折率nzは1.508以上であることがさらに好ましく、1.510以上であることが特に好ましい。フィルムの厚み方向の屈折率nzは、かかる範囲内でより高い方が好ましいが、ポリエステルの特性上その上限は1.550以下に制限され、さらには1.520以下、特に1.515以下の範囲である。フィルムの厚み方向の屈折率nzをより高くするためには、エッジピンニング法を用いるだけでなく、さらに延伸を極力抑えることになり、絶縁破壊電圧の平均を高くすることができてもそのばらつきが大きくなることがある。
(絶縁破壊電圧)
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムの絶縁破壊電圧は、測定数50の平均値で450V/μm以上であり、より好ましくは470V/μm以上、さらに好ましくは480V/μm以上、特に好ましくは500V/μm以上である。
本発明では、かかる絶縁破壊電圧の平均値を求めるにあたり、測定に用いる1サンプルのサイズを10cm×10cmとし、フィルム縦方向8個×フィルム横方向8個の計64個のサンプルについてそれぞれ測定を実施し、得られた64個の測定値のうち、大きい方から7データと小さい方から7データを減じた50個の平均値を求めたものである。
また、絶縁破壊電圧はJIS規格C2151に記載の平板電極法に準拠して、東京精電株式会社製、装置名ITS−6003を用い、直流電流、0.1kV/secの昇圧条件、25℃の室温で測定した値である。
絶縁破壊電圧の平均値が下限値に満たない場合、例えば電気自動車やハイブリッド自動車など、より高い耐電圧特性が求められている電気絶縁材料に使用したときの電気特性が十分でないことがある。一方、25℃における絶縁破壊電圧の平均値は、より高い方がこれらの電気絶縁材料として用いたときの信頼性が高くなり好ましいが、その上限値は樹脂材料の性質上制限され、通常は700V/μm以下である。
また、かかる測定方法によって得られる測定数50の絶縁破壊電圧のばらつきについて、その標準偏差は20V/μm以下であり、より好ましくは18V/μm以下、さらに好ましくは16V/μm以下、特に好ましくは15V/μm以下である。
本発明の電気絶縁用二軸配向ポリエステルフィルムは、絶縁破壊電圧の平均値が高いにもかかわらず、その標準偏差が非常に小さいことが特徴であり、フィルムコンデンサーなどの電気絶縁部材として用いた場合の部材の信頼性を高めることができる。すなわち、絶縁破壊電圧のばらつきが小さくなるほど、絶縁破壊電圧の最小値の低下が抑制され、絶縁破壊電圧の平均も高くなる。一方、絶縁破壊電圧のばらつきが20V/μmを越える場合、最も低い部分より破壊されるため、絶縁破壊電圧の平均が高くても必ずしも高性能であるとはいえない。具体的には、測定数50における絶縁破壊電圧の最小値は430V/μmを越えることが好ましく、450V/μmであることがさらに好ましい。
本発明の屈折率特性および絶縁破壊電圧特性を有するポリエステルフィルムを得るにあたり、厚み方向の屈折率特性だけであれば、組成物をダイから溶融押出後、冷却ロールに密着させて溶融状態から冷却固化させる静電印加方式として、従来のワイヤピンニング法を用いてもその後の延伸倍率を低くすれば、該屈折率特性を得ることは可能である。
しかしながら、従来のワイヤピンニング法では、3.0倍以下の低延伸倍率でなければ1.505を超える厚み方向屈折率を得ることができないため、フィルムが均一化され難く、高耐電圧領域では絶縁破壊電圧のばらつきが大きくなる。それに対し、フェノール系安定剤を必須成分としてフィルム中に含み、制電印加方式としてエッジピンニング法を用いることにより、フィルムの延伸倍率を高くしてもフィルム厚み方向の屈折率を高く維持したままの状態でフィルム均一性を高めることができ、絶縁破壊電圧の標準偏差を小さくすることができるものである。
<フィルム厚み>
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは、フィルム厚みが0.2μm以上5μm以下であることが好ましい。フィルム厚みが薄くなるほど、絶縁破壊電圧を高くした場合にばらつきが大きくなりやすかったところ、本発明の特性のフィルムによって、フィルムの暑さを薄くしても、高耐電圧特性で、かつばらつきの抑制効果が高くなる。
<その他の層>
本発明の電気絶縁用二軸配向ポリエステルフィルムは、必要に応じてさらに他の層を設けても良い。さらに他の層を設ける場合、ポリエステル層を積層してもよく、他の樹脂層を積層してもよい。
(塗布層)
またその他の層として、塗布層をフィルムの片面または両面に設けてもよい。該塗布層はワックス、シリコーン化合物、フッ素化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種を塗布層の重量を基準として1〜50重量%含有してなることが好ましい。塗布層がこれら化合物の少なくとも1種を含有することにより、塗布層を介して積層した金属層との接着力が弱まり、フィルムの欠陥部に絶縁破壊が生じて短絡状態となったときに短絡電流によりその付近の金属層が容易に飛散し、従来よりもさらに優れた自己回復性(セルフヒーリング性)を得ることができる。一方、塗布層がこれら化合物を含んでいない場合、塗布層が十分な剥離性を備えていないため、金属層との接着力を弱めることができず、フィルムの欠陥部に絶縁破壊が生じて短絡状態となったときに短絡電流によりその付近の金属層が容易に飛散することができず、十分な自己回復性を示すことができないことがある。
(ワックス)
ワックスとして、ポリオレフィン系ワックス、エステル系ワックスなどが挙げられ、その他、カルナバワックス、キャンデリラワックス、ライスワックス等の天然ワックスも例示される。ポリオレフィン系ワックスの一例として、ポリエチレン系ワックス、ポリプロピレン系ワックスが挙げられる。また、エステル系ワックスとして、例えば炭素数8個以上の脂肪族モノカルボン酸および多価アルコールからなるエステル系ワックスが挙げられ、具体的にはソルビタントリステアレート、ペンタエリスリットトリペヘネート、グリセリントリパルミテート、ポリオキシエチレンジステアレートが例示される。かかるワックスの中でも、ポリオレフィン系ワックスを用いることがより高い自己回復性が得られる点で好ましい。また塗布層中での良好な分散性の観点で、ワックスはエマルジョンの状態で用いられることが好ましい。
(シリコーン化合物)
シリコーン化合物としては反応性基を有するシリコーン化合物を用いることが好ましい。反応性基を含有しないシリコーンを用いた場合には塗布層が欠落することがあり、ポリエステルフィルムが短絡状態となったときに、その部分の金属層がポリエステルフィルムから容易に飛散することができず、十分な自己回復性を示すことができないことがある。
この反応性基を有するシリコーン化合物としては、ケイ素原子に直接結合した反応性基を有し、アミノ基を含む有機基、エポキシ基を含む有機基、カルボン酸基を含む有機基、シラノール基もしくは加水分解によりシラノール基を生成する有機基、(メタ)アクリレートで表わされる有機基から選ばれる反応性基を1種以上含有するものを用いることが好ましい。例えば、このシリコーンの有する反応基は、アミノ基を含む有機基としては、3−アミノプロピル基、3−アミノ−2−メチル−プロピル基、2−アミノエチル基といった1級アミノアルキル基、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピル基、N−(2−アミノエチル)−2−アミノエチル基といった1級および2級アミノ基を有する有機基を例示することができる。
エポキシ基を含む有機基としては、γ−グリシドキシプロピル基、β−グリシドキシエチル基、γ−グリシドキシ−β−メチル−プロピル基といったグリシドキシアルキル基、2−グリシドキシカルボニル−エチル基、2−グリシドキシカルボニル−プロピル基といったグリシドキシカルボニルアルキル基を例示することができる。
加水分解によりシラノール基を生成する有機基としては、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基、2−エチルヘキシロキシ基といったアルコキシ基、β−メトキシエトキシ基、β−エトキシエトキシ基、ブトキシ−β−エトキシ基といったアルコキシ−β−エトキシ基、アセトキシ基、プロポキシ基等のアシロキシ基、メチルアミノ基、エチルアミノ基、ブチルアミノ基といったN−アルキルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基といったN,N−ジアルキルアミノ基、イミダゾール基、ピロール基といった窒素を含有する複素環基を例示することができる。
シリコーン化合物は、種類の異なる反応性基を有するシリコーン化合物の混合体でもよい。かかるシリコーン化合物は分子量が1000〜500000であることが好ましい。1000未満であると塗膜凝集力が低下して塗布層の欠落が生じやすいことがあり、500000を超えると粘性が高くなりハンドリングしにくいことがある。
(フッ素化合物)
フッ素化合物として、フルオロエチレン系モノマーを用いた重合体、フッ化アルキル(メタ)アクリレート系モノマーを用いた重合体などが挙げられる。フルオロエチレン系モノマーを用いた(共)重合体として、テトラフルオロエチレン、トリフルオロエチレン、ジフルオロエチレン、モノフルオロエチレン、ジフルオロジクロロエチレン等の(共)重合体が挙げられる。
(含有量)
ワックス、シリコーン化合物、フッ素化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の含有量は、塗布層の重量を基準として1〜50重量%であることが好ましい。またこれら化合物の含有量は、さらに好ましくは10〜50重量%である。含有量が下限値に満たない場合、離型層を介したポリエステルフィルムと金属層との接着力が高く、フィルムの欠陥部に絶縁破壊が生じて短絡状態となったときに短絡電流によってその付近の金属層が容易に飛散できず、十分な自己回復性が得られないことがある。一方、該含有量が上限値を超える場合、塗布層の離型性が高すぎて金属層が剥離しやすく、巻回などの加工時に容易に金属層が脱離してしまい、不良品が生じることがある。
(その他の添加剤)
塗布層は、その他、界面活性剤、架橋剤、滑剤などを含んでいてもよい。
界面活性剤は、ポリエステルフィルムへの水性塗液の濡れ性を高めたり、塗液の安定性を向上させる目的で使用され、例えば、ポリオキシエチレン−脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、脂肪酸金属石鹸、アルキル硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩等のアニオン型、ノニオン型界面活性剤を挙げることができる。界面活性剤は、塗布層の重量を基準として1〜60重量%含まれていることが好ましい。
また、架橋剤を添加することにより、塗布層の凝集力を向上させることができ好ましい。架橋剤として、エポキシ化合物、オキサゾリン化合物、メラミン化合物、イソシアネート化合物を例示することができ、その他のカップリング剤を用いることもできる。架橋剤の添加量は、塗布層の重量を基準として5〜30重量%であることが好ましい。
塗布層の厚みは、乾燥後の厚みとして、好ましくは0.005〜0.5μm、さらに好ましくは0.005〜0.2μmである。塗布層の厚みが下限値に満たない場合は自己回復性が十分に発現しないことがある。また塗布層の厚みが上限値を超える程度に厚くしても、さらなる自己回復性が得られないことがある。
(金属層)
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは、ポリエステルフィルムの少なくとも片面に金属層が積層されていてもよい。金属層の材質については、特に制限はないが、例えばアルミニウム、亜鉛、ニッケル、クロム、錫、銅およびこれらの合金が挙げられる。さらにこれらの金属層は若干量酸化されていてもよい。また、金属層を簡便に形成できるため、金属層は蒸着法により形成された蒸着型金属層であることが好ましい。
また、金属層を積層するにあたり、本発明の塗布層の面上にさらに金属層を設けることにより、ポリエステルフィルムと金属層とが適度な接着力を有し、フィルムコンデンサー製造において巻回などの加工を施す場合には金属層の剥離がなく、一方、フィルムの欠陥部に絶縁破壊が生じて短絡状態となったときに短絡電流により金属層が容易に飛散し、従来よりもさらに優れた自己回復性を示すことができる。また、金属層を本発明の二軸配向フィルムの両面に設ける場合、例えば両面蒸着のように両面同時に金属層を設ける方法を用いることにより、少ない工程数で金属層を設けることができる。
<フェノール系安定剤の添加方法>
本発明のフェノール系安定剤の添加方法は、樹脂の重合時に添加する方法、フィルム製膜工程やマスターペレット作成工程で添加する方法のいずれの方法でもよい。
以下に1)マスターペレット作成工程における添加方法、2)フィルム製膜工程における添加方法、について詳述する。
1)のマスターペレット作成工程における添加方法として、二軸混練機を用いて、重合した樹脂チップとフェノール系安定剤とを予め溶融混練し、マスターペレットを作成する方法が挙げられる。かかる方法として、固体状の樹脂に所定量のフェノール系安定剤を添加し、これらを混合してから二軸混練機で溶融混練する方法、樹脂を溶融させてから所定量のフェノール系安定剤を添加して二軸混練機で溶融混練する方法などが挙げられる。この場合、フェノール系安定剤は直接添加してもよく、予めマスターポリマーを作成してから添加してもよい。得られたマスターペレットは、さらに2)のフィルム製膜工程において樹脂チップと所望の割合でブレンドして用いることができる。マスターポリマー中のフェノール系安定剤濃度は0.5〜10重量%であることが好ましい。安定剤の濃度が下限値に満たない場合、マスターポリマーの配合量が増え効率的でないことがある。一方、該濃度が上限値を超える範囲でマスターポリマーを製造するのは製造上難しいことがある。
2)のフィルム製膜工程における添加方法とは、重合した樹脂チップとフェノール系安定剤の粉体とを予めブレンドして、フィルム製膜のために用いる押出機中の原料投入口に添加し、該押出機中で溶融混練する方法である。この場合、フェノール系安定剤は1)の方法と同様に、直接添加してもよく、また1)の方法で予め作成したマスターポリマーを添加してもよい。
<フィルム製膜方法>
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムを得る方法を以下に具体的に述べる。具体的には、前述のフェノール系安定剤の添加方法によってフェノール系安定剤をポリエステルに添加しつつ、該ポリエステル組成物を押出機に供給して、ダイ(Tダイ)から溶融押出し、シート状に成形する。
Tダイより押し出されたシート状成形物を冷却ロールに密着させるにあたり、本発明において静電印加の方式として、エッジピンニング法を用いることが必要である。具体的には、ダイより押し出されたシート状成形物の両端部に針状エッジピニング装置を用いる静電印加の方式を用いる方式が挙げられる。また、針状エッジピニング装置に代えて、エアーノズル、エアーチャンバーなどの方式、吸引チャンバーの方式を用いてもよい。さらに、針状エッジピニング装置を用いる静電印加の方式の補助的な役割で、エアーノズル、エアーチャンバーなどの方式、吸引チャンバーの方式を組み合わせて使用してもよい。
かかる方法を用いてシート状成形物を表面温度40〜90℃に調整した冷却ロールに密着させ、溶融状態から冷却固化することで、未延伸フィルムを得る。かかる方法を用いることにより、本発明のフィルム厚み方向の屈折率、絶縁破壊電圧の平均値、および絶縁破壊電圧のばらつき特性を満たすフィルムを得ることができる。
続いて、この未延伸フィルムを例えばロール加熱または赤外線加熱によって加熱した後、縦方向に延伸して縦延伸フィルムを得る。かかる縦延伸は2個以上のロールの周速差を利用して行うのが好ましい。縦延伸温度は樹脂のガラス転移点(Tg)より高い温度、更にはTgより20〜40℃高い温度とするのが好ましい。縦延伸倍率は3.0倍を越える範囲で行い、好ましくは3.0倍を超え5.0倍以下、更に好ましくは3.0倍を越え4.5倍以下である。縦延伸倍率が下限に満たない場合、フィルム均一性を高めることができず、絶縁破壊電圧のばらつきが大きくなる。また縦延伸倍率が上限を超える場合、製膜中に破断が発生しやすくなる。
得られた縦延伸フィルムは、続いて横延伸を行い、その後必要に応じて熱固定、熱弛緩の処理を順次施して二軸配向フィルムとするが、かかる処理はフィルムを走行させながら行う。横延伸処理は樹脂のガラス転移点(Tg)より20℃以上高い温度から始め、樹脂の融点(Tm)より(120〜30)℃低い温度まで昇温しながら行う。また横延伸最高温度は、好ましくはTmより(100〜40)℃低い温度である。横延伸開始温度が低すぎるとフィルムに破れが生じやすい。また横延伸最高温度が低すぎる場合は、得られたフィルムの熱収縮率が大きくなり、また幅方向の物性の均一性が低下しやすい。
横延伸過程の昇温は連続的でも段階的(逐次的)でもよいが、通常は段階的に昇温する。例えば、ステンターの横延伸ゾーンをフィルム走行方向に沿って複数に分け、各ゾーンごとに所定温度の加熱媒体を流すことで昇温する。
横延伸倍率は3.0倍を越える範囲で行い、好ましくは3.0倍を超え5.0倍以下、更に好ましくは3.0倍を超え4.5倍以下である。横延伸倍率が下限に満たない場合、フィルム均一性を高めることができず、絶縁破壊電圧のばらつきが大きくなる。また横延伸倍率が上限を超える場合、製膜中に破断が発生しやすくなる。
二軸延伸されたフィルムは、その後、必要に応じて熱固定処理が施される。その際、熱固定処理温度は(Tm−100℃)以上、さらには(Tm−70)℃〜(Tm−40)℃の範囲で行うことが好ましい。また、ポリエチレンナフタレンジカルボキシレートフィルムの場合、200℃〜260℃の温度範囲で行うことが好ましい。熱固定処理を施すことにより、得られたフィルムの高温条件下での寸法安定性を高めることができる。また、かかる温度範囲において、より高温で熱固定処理を行うことにより、絶縁破壊電圧特性がさらに向上することがある。
また本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは、さらにオフライン工程においてアニール処理を施しても構わない。例えばポリエチレンナフタレンジカルボキシレートフィルムの場合、150〜220℃で1〜60秒間熱処理した後、50〜80℃の温度雰囲気下で徐冷する方法が挙げられる。かかるアニール処理を行うことにより、さらに高温条件下での寸法安定性を高めることができる。
塗布層をさらに設ける場合、フィルム延伸工程において塗布する方法が挙げられる。この場合、塗布液は水性塗布液の形態で使用されることが好ましい。水性塗布液の固形分濃度は、通常20重量%以下、好ましくは1〜10重量%である。ここで本発明における水性とは、水溶液、水分散液あるいは乳化液等の状態のものを包含する。
水性塗布液のフィルムへの塗布は、任意の段階で実施することができるが、フィルムの製造過程で実施するのが好ましく、さらには配向結晶化が完了する前のフィルムに塗布するのが好ましい。ここで結晶配向が完了する前のフィルムとは、未延伸フィルム、未延伸フィルムを縦方向または横方向の何れか一方に配向した一軸配向フィルム、さらには縦方向および横方向の二方向に低倍率延伸配向したもの(最終的に縦方向また横方向に再延伸して配向結晶化を完了させる前の二軸延伸フィルム)等を含むものである。なかでも、未延伸フィルムまたは一方向に配向した一軸延伸フィルムに塗布層用の水性塗液を塗布し、そのまま縦延伸および/または横延伸と熱固定とを施すのが好ましい。
水性塗液をフィルムに塗布する際には、塗布性を向上させるための予備処理としてフィルム表面にコロナ表面処理、火炎処理、プラズマ処理等の物理処理を施すか、あるいは組成物と共にこれと化学的に不活性な界面活性剤を併用してもよい。
塗布方法としては、公知の任意の塗工法が適用できる。例えばロールコート法、グラビアコート法、ロールブラッシュ法、スプレーコート法、エアーナイフコート法、含浸法、カーテンコート法等を単独または組合せて用いることができる。
また、本発明の塗布層は、フィルム二軸延伸工程後に別工程で付与されたものであってもよい。
<用途>
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは優れた絶縁破壊電圧特性を有することから、電気絶縁用フィルムとして好適に使用することができ、具体的には、フィルムコンデンサー、ウエッジ材やスロット材などのモーター絶縁部材、フレキシブルプリント回路基板、フラットケーブルなどの電気絶縁用途のベースフィルムとして用いることができる。
これらの電気絶縁用途のうち、例えばフィルムコンデンサーは、本発明の二軸配向フィルムの片面または両面に金属層を積層した積層フィルムを巻回または積層することによって得られる。
また、フレキシブルプリント回路基板は、本発明の二軸配向フィルムの少なくとも片面に銅箔または導電ペーストからなる金属層を積層させ、金属層に微細な回路パターンを形成することによって得られる。
またウエッジ材やスロット材などのモーター絶縁部材は、本発明の二軸配向フィルムをRのついたポンチを用いて変形加工を行うことによって得られる。
かかる電気絶縁用途の中でも、薄肉フィルムにおいて高耐電圧下でも絶縁破壊電圧のばらつきを小さくできる効果を奏するため、絶縁用フィルムの薄肉化が求められるフィルムコンデンサーの絶縁フィルムとして特に好適に用いられる。
以下、実施例により本発明を詳述するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、各特性値は以下の方法で測定した。また、実施例中の部および%は、特に断らない限り、それぞれ重量%および重量%を意味する。
(1)フェノール系安定剤の含有量
得られたフィルムサンプル20mgを重トリフルオロ酢酸:重クロロホルム=1:1の混合溶媒に溶解し、600Mの1H−NMR装置を用いて積算回数256回で測定して、フェノール系安定剤の含有量を求めた。
なお、測定に際し、アルキレンビスアミド型のヒンダードフェノールにあたる、N,N’−ヘキサン−1,6−ジイルビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオンアミド](「Irganox(登録商標)1098」)の場合は、tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルとアミド結合との間の炭化水素鎖に起因する水素に起因するピーク強度を測定した。かかるNMR測定結果をもとに、安定剤が樹脂と反応している場合はもとの安定剤に換算した含有量を求めた。また、ポリマーと未反応な安定剤と、ポリマーと反応した安定剤とが混在し、同じ炭化水素鎖に着目しても複数のピーク位置が検出される場合は、それらの合計値より含有量を求めた。
その他のフェノール系安定剤についても同様に、着目する水素に起因するピーク強度を測定し、樹脂との反応状態を確認しながら、フィルムに含まれるフェノール系安定剤の合計値より含有量を求めた。
(2)フィルム厚み方向の屈折率nz
Metricon社製のレーザー屈折率を用い、プリズムカプラ(633nm)波長で測定する。プリズムに密着させたサンプルにレーザー光をプリズムを通じて入射し、プリズムを回転させてサンプルへの入射角を変える。サンプル表面で反射した光を測定し、光量の入射角依存をモニターし臨界角に相当する厚み方向の屈折率を求める。
(3)絶縁破壊電圧
得られた二軸配向フィルムを用い、JIS規格C2151に記載のDC試験のうち平板電極法に準拠して、東京精電株式会社製ITS−6003を用いて、直流電流、0.1kV/secの昇圧速度で測定し、破壊時の電圧を絶縁破壊電圧として測定した。
測定に用いる1サンプルのサイズを10cm×10cmとし、フィルム縦方向8個×フィルム横方向8個の計64個のサンプルについてそれぞれ測定を実施した。n=64の測定値のうち、大きい方から7データと小さい方から7データを減じ、n=50で平均値を求めて絶縁破壊電圧とした。なお測定は25℃の室温で実施した。
また、得られた50個の絶縁破壊電圧値をもとに、標準偏差を算出した。また、得られた50個の絶縁破壊電圧値の中で最も絶縁破壊電圧の低い値を最小値とした。
<チタン触媒PENポリマーの作成方法>
P1; 2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチルエステル(以下、NDCと称することがある。)100部、エチレングリコール(以下、EGと称することがある。)60部およびチタン化合物(トリメリット酸チタンをチタン元素量が15mmol%となるように添加)をSUS製容器に仕込み、140℃から240℃に昇温しながらエステル交換反応させた後、反応混合物を重合反応器に移し、295℃まで昇温し、30Pa以下の高真空下にて重縮合反応させ、固有粘度0.6dl/gのポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートを得た。
<フェノール系安定剤含有PENポリマーの作成方法>
P2; 2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチルエステル100部、エチレングリコール60部、チタン化合物(トリメリット酸チタンをチタン元素量が15mmol%となるように添加)にフェノール系安定剤として「Irganox(登録商標)1098」(N,N’−ヘキサン−1,6−ジイルビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオンアミド])(融点156〜161℃、蒸気圧1.3×10E-12Pa(20℃))を用い、フェノール系安定剤の含有量が組成物重量を基準として2重量%(20000ppm)となるようにSUS製容器に仕込み、140℃から240℃に昇温しながらエステル交換反応させた後、反応混合物を重合反応器に移し、295℃まで昇温し、30Pa以下の高真空下にて重縮合反応させ、固有粘度0.6dl/gのポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートを得た。
[実施例1]
P1とP2のポリマーを50重量%:50重量%でブレンドし、ブレンドしたポリマーを180℃で6時間乾燥後、300℃に加熱された押出機に供給し、290℃のダイスよりシート状に成形した。押し出されたシートの両端部に針状エッジピニング装置を用いて静電印加方式(印加電圧:直流3kV)にて梨地冷却ロールに密着させて冷却固化した未延伸フィルムを140℃に加熱したロール群に導き、長手方向(縦方向)に3.6倍で延伸した後、60℃のロール群で冷却した。
続いて、縦延伸したフィルムの両端をクリップで保持しながらテンターに導き、横延伸最高温度が150℃に加熱された雰囲気中で長手方向に垂直な方向(横方向)に4.0倍で延伸した。その後テンター内で235℃で5秒間熱固定を行い、さらに200℃で1%熱弛緩を行った後、均一に除冷して室温まで冷却し、3μm厚みの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの特性を表1に示す。フィルム中のフェノール系安定剤量は1.00重量%(10000ppm)であった。
[実施例2]
熱固定温度を245℃に変更した以外は実施例1と同様にして、二軸配向フィルムを得た。得られたフィルムの特性を表1に示す。
[実施例3]
P1とP2のポリマーを75重量%:25重量%でブレンドし、フェノール系安定剤の添加量を1.0重量%から0.5重量%に変更した以外は実施例2と同様にして、二軸配向ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの特性を表1に示す。
[比較例1]
実施例1と同じポリマーを用い、静電印加方式をピンニングワイヤー(SUS304(0.1mmφ))に変更し、未延伸フィルムを得た以外は実施例1と同様の操作を行い、3μm厚みの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの特性を表1に示す。
[比較例2]
P1のみをポリマーとして用いた以外は実施例1と同様の操作を行い、3μm厚みの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの特性を表1に示す。
[比較例3]
実施例1と同じポリマーを用い、静電印加方式をピンニングワイヤー(SUS304(0.1mmφ))に変更し、縦延伸倍率を3.0倍、横延伸倍率を3.0倍に変更し、熱固定温度を230℃に変更した以外は実施例1と同様の操作を行い、3μm厚みの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの特性を表1に示す。
[比較例4]
縦延伸倍率を2.9倍、横延伸倍率を2,9倍に変更した以外は実施例1と同様の操作を行い、3μm厚みの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの特性を表1に示す。
Figure 2011201041
本発明によれば、本発明の電気絶縁用二軸配向ポリエステルフィルムはフィルム中に多量のフェノール系安定剤を含み、さらにフィルム厚み方向の屈折率が1.505を越える範囲でフィルム均一性に優れるため、高い絶縁破壊電圧特性を有しながらそのばらつきが小さい特徴を有しており、フィルムコンデンサーなどの電気絶縁用フィルムとして好適に使用することができる。

Claims (9)

  1. ポリエステルを主たる成分とするフィルムであって、該フィルムの重量を基準として10ppm以上50000ppm以下のフェノール系安定剤を含み、該フィルムの厚み方向の屈折率nzが1.505を超え、測定数50におけるフィルムの絶縁破壊電圧の平均値が450V/μm以上、かつその標準偏差が20V/μm以下であることを特徴とする電気絶縁用二軸配向ポリエステルフィルム。
  2. ポリエステルがポリエチレンナフタレンジカルボキシレートである請求項1に記載の電気絶縁用二軸配向ポリエステルフィルム。
  3. ポリエステルの触媒がチタン化合物である請求項1または2に記載の電気絶縁用二軸配向ポリエステルフィルム。
  4. フィルム厚みが0.2μm以上5μm以下である請求項1〜3のいずれかに記載の電気絶縁用二軸配向ポリエステルフィルム。
  5. 不活性粒子をフィルム重量を基準として0.0001重量%以上5重量%以下の範囲で含有してなる請求項1〜4のいずれかに記載の電気絶縁用二軸配向ポリエステルフィルム。
  6. フィルムコンデンサー用である請求項1〜5のいずれかに記載の電気絶縁用二軸配向ポリエステルフィルム。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の電気絶縁用二軸配向フィルムの少なくとも片面に金属層が積層された電気絶縁用二軸配向ポリエステルフィルム。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の電気絶縁用二軸配向ポリエステルフィルムを用いてなるフィルムコンデンサー。
  9. ポリエステルを主たる成分とするフィルムの製造方法であって、該フィルムの重量を基準として10ppm以上50000ppm以下の範囲のフェノール系安定剤を含むポリエステル組成物をダイから溶融押出後、冷却ロールに密着させて溶融状態から冷却固化させる静電印加方式としてエッジピンニング法を用い、延伸時の延伸倍率が3.0倍を超える範囲であることを特徴とする電気絶縁用二軸配向ポリエステルフィルムの製造方法。
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