JP2011199454A - 振動体および振動デバイス - Google Patents

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隆 山崎
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Abstract

【課題】不要な振動モードを低減し、効率的に駆動することができる振動体および振動デ
バイスを提供すること。
【解決手段】振動体2は、基部27と、基部27からY軸方向に延出するとともに、Y軸
方向に直交するX軸方向に並んで設けられた2つの振動腕28、29と、各振動腕28、
29上に設けられ、通電により振動腕28、29を励振させる励振電極221、222、
223、224、231、232、233、234とを有し、励振電極221、222、
231、232には、部分的に、その厚さ方向に貫通する微細な複数の孔が形成され、こ
れにより、振動腕28、29の振動特性が調整されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、振動体および振動デバイスに関するものである。
水晶発振器等の振動デバイスとしては、複数の振動腕を備える音叉型の振動体を備える
ものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
例えば、特許文献1に記載の振動体は、基部と、この基部から互いに平行となるように
延出する2つの振動腕と、各振動腕上に設けられた1対の励振電極および1対の側面励振
電極とを有する。このような振動体においては、基部および各振動腕が水晶で構成されて
おり、1対の励振電極と1対の側面励振電極との間に電界が印加されることにより、各振
動腕を振動させる。
このような振動体による発振信号は、所望の基本波の周波数の信号成分を多く含むが、
その成分の他に、高調波の周波数の信号成分も含んでいる。振動体の高調波(高次振動モ
ード)のCI値(クリスタルインピーダンス)を基本波(基本振動モード)のCI値で割
った値、すなわちCI値比が小さいと、ノイズ成分である高調波の信号成分が大きくなり
、機器に異常が生じるおそれがある。
そこで、特許文献1に記載の振動体では、励振電極の長さを振動腕の約半分程度にする
ことにより、CI値比を高めている。
しかしながら、励振電極の長さを振動腕の約半分程度にすると、基本波のCI値が大き
くなってしまう。そのため、特許文献1に記載の振動体では、効率的に駆動することがで
きないと言う問題があった。
特開2002−280870号公報
本発明の目的は、不要な振動モードを低減し、効率的に駆動することができる振動体お
よび振動デバイスを提供することにある。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の
形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]
本発明の振動体は、基部と、
前記基部から第1の方向に延出するとともに、該第1の方向に直交する第2の方向に並
んで設けられた複数の振動腕と、
前記各振動腕上に設けられ、通電により前記振動腕を励振させる1対の励振電極とを有
し、
前記1対の励振電極のうちの少なくとも一方の励振電極には、部分的に、その厚さ方向
に貫通する複数の孔が形成されていることを特徴とする。
これにより、振動腕上における励振電極の第1の方向(振動腕の延出方向)での長さを
長くしつつ、1対の励振電極間に生じる電界(振動腕に印加される電界)のうち不要な振
動モードに寄与する電界の密度を小さくして、振動腕の振動特性を調整することができる

このようなことから、本発明の振動体は、不要な振動モードを低減し、効率的に駆動す
ることができる。
[適用例2]
本発明の振動体では、前記複数の孔は、前記少なくとも一方の励振電極において前記第
1の方向に偏在して形成されていることが好ましい。
これにより、高調波(高次振動モード)のCI値と、基本波(基本振動モード)のCI
値との比率を変化させて、振動腕の振動特性を調整することができる。
[適用例3]
本発明の振動体では、前記複数の孔は、前記励振電極の、前記振動腕の前記第1の方向
での中央部に偏在していることが好ましい。
これにより、基本波のCI値を低減するとともに、高調波のCI値を高めて、CI値比
(高調波CI値/基本波CI値)を高めることができる。
[適用例4]
本発明の振動体では、前記励振電極の単位面積当たりに前記孔が占める面積の割合は、
前記振動腕の前記第1の方向での前記中央部から先端側に向けて漸次減少していることが
好ましい。
これにより、振動腕の励振を円滑かつ効率的なものとしつつ、高調波のCI値を高めて
、CI値比(高調波CI値/基本波CI値)を高めることができる。
[適用例5]
本発明の振動体では、前記励振電極の単位面積当たりに前記孔が占める面積の割合は、
前記振動腕の前記第1の方向での中央部から基端側に向けて漸次減少していることが好ま
しい。
これにより、振動腕の励振を円滑かつ効率的なものとしつつ、高調波のCI値を高めて
、CI値比(高調波CI値/基本波CI値)を高めることができる。
[適用例6]
本発明の振動体では、前記振動腕の前記第1の方向における長さをL1とし、前記振動
腕上における前記励振電極の同方向での長さをL2としたときに、0.5<L2/L1<
1の関係を満たすことが好ましい。
これにより、基本波のCI値を低減して、振動腕の励振を効率的なものとすることがで
きる。
[適用例7]
本発明の振動体は、基部と、
前記基部から第1の方向に延出するとともに、該第1の方向に直交する第2の方向に並
んで設けられた複数の振動腕と、
前記各振動腕上に設けられ、通電により伸縮して前記振動腕を振動させる圧電体素子と
を有し、
前記圧電体素子は、前記振動腕上に設けられた第1の電極層と、該第1の電極層上に設
けられた圧電体層と、該圧電体層上に設けられた第2の電極層とを備え、
前記第1の電極層、前記圧電体層および前記第2の電極層のうちの少なくとも1つの層
には、部分的に、その厚さ方向に貫通する複数の孔が形成されていることを特徴とする。
これにより、振動腕上における圧電体素子の第1の方向での長さを長くしつつ、第1の
電極層と第2の電極層との間に生じる電界(圧電体層に印加される電界)のうち不要な振
動モードに寄与する電界の密度を小さくして、振動腕の振動特性を調整することができる

このようなことから、本発明の振動体は、不要な振動モードを低減し、効率的に駆動す
ることができる。
[適用例8]
本発明の振動体では、前記振動腕は、3つ以上であり、前記圧電素子の伸縮により、前
記第1の方向および前記第2の方向に直交する第3の方向に、隣り合う2つの前記振動腕
が互いに反対方向に屈曲振動されることが好ましい。
これにより、振動漏れを防止しつつ、3つ以上の振動腕を第3の方向に屈曲振動させる
ことができる。
[適用例9]
本発明の振動体では、前記各孔は、平面視にて円形をなしていることが好ましい。
これにより、振動腕を所望の振動特性に比較的簡単に調整することができる。
[適用例10]
本発明の振動体では、前記複数の孔の平均径は、0.01〜100μmであることが好
ましい。
これにより、複数の孔の形成を比較的な容易なものとしつつ、振動腕を所望の振動特性
に調整することができる。
[適用例11]
本発明の振動体では、前記各孔は、平面視にてスリット状をなしていることが好ましい

これにより、振動腕を所望の振動特性に比較的簡単に調整することができる。
[適用例12]
本発明の振動体では、前記スリット状の各孔は、前記第2の方向に延在していることが
好ましい。
これにより、振動腕を所望の振動特性に比較的簡単に調整することができる。
[適用例13]
本発明の振動体では、前記スリット状の孔の幅は、0.01〜100μmであることが
好ましい。
これにより、複数の孔の形成を比較的な容易なものとしつつ、振動腕を所望の振動特性
に調整することができる。
[適用例14]
本発明の振動デバイスは、本発明の振動体と、
前記振動体を収納するパッケージとを有することを特徴とする。
これにより、本発明の振動デバイスは、不要な振動モードを低減し、効率的に駆動する
ことができる。
本発明の第1実施形態に係る振動デバイスを示す断面図である。 図1に示す振動デバイスに備えられた振動体を示す上面図である。 図2中のA−A線断面図である。 (a)は、図2に示す振動体の振動腕の延出方向(Y軸方向)での位置と、その振動腕の基本振動モードの変位量および歪みとの関係を示すグラフ、(b)は、図2に示す振動体の振動腕の延出方向(Y軸方向)での位置と、その振動腕の高次振動モードの変位量および歪みとの関係を示すグラフである。 図2に示す振動体における振動腕の延出方向(Y軸方向)での位置と、その振動腕上の単位面積当たりに励振電極が占める面積の割合との関係を示すグラフである。 本発明の第2実施形態に係る振動デバイスに備えられた振動体を示す上面図である。 図6に示す振動体の側面図である。 本発明の第3実施形態に係る振動デバイスに備えられた振動体を示す上面図である。 図8に示す振動体の側面図である。 本発明の第4実施形態に係る振動デバイスに備えられた振動体を示す下面図である。 図10中のA−A線断面図である。 図10において振動体に備えられた各第2の電極層の図示を省略した図である。 図10において振動体に備えられた各第2の電極層および各圧電体層の図示を省略した図である。 図10に示す振動体の動作を説明するための斜視図である。
以下、本発明の振動体および振動デバイスを添付図面に示す実施形態に基づいて詳細に
説明する。
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係る振動デバイスを示す断面図、図2は、図1に示す
振動デバイスに備えられた振動体を示す上面図、図3は、図2中のA−A線断面図、図4
(a)は、図2に示す振動体の振動腕の延出方向(Y軸方向)での位置と、その振動腕の
基本振動モードの変位量および歪みとの関係を示すグラフ、図4(b)は、図2に示す振
動体の振動腕の延出方向(Y軸方向)での位置と、その振動腕の高次振動モードの変位量
および歪みとの関係を示すグラフ、図5は、図2に示す振動体における振動腕の延出方向
(Y軸方向)での位置と、その振動腕上の単位面積当たりに励振電極が占める面積の割合
との関係を示すグラフである。
なお、各図1〜3では、説明の便宜上、互いに直交する3つの軸として、X軸、Y軸お
よびZ軸を図示している。また、以下では、X軸に平行な方向(第2の方向)を「X軸方
向」、Y軸に平行な方向(第1の方向)をY軸方向、Z軸に平行な方向(第3の方向)を
Z軸方向と言う。また、以下の説明では、説明の便宜上、図1中の上側を「上」、下側を
「下」、右側を「右」、左側を「左」と言う。
図1に示す振動デバイス1は、振動体2と、この振動体2を収納するパッケージ3とを
有する。
以下、振動デバイス1を構成する各部を順次詳細に説明する。
(振動体)
まず、振動体2について説明する。
振動体2は、図2に示すような音叉型の振動体である。この振動体2は、振動基板21
と、この振動基板21上に設けられた励振電極群22、23および接続電極41、42と
を有している。
振動基板21は、基部27と、2つ(1対)の振動腕28、29とを有している。
振動基板21は、圧電体材料で構成されている。
例えば、かかる圧電体材料としては、水晶、タンタル酸リチウム、ニオブ酸リチウム、
ホウ酸リチウム、チタン酸バリウム等が挙げられる。特に、振動基板21を構成する圧電
体材料としては水晶が好ましい。水晶で振動基板21を構成すると、振動基板21の振動
特性を優れたものとすることができる。また、エッチングにより高い寸法精度で振動基板
21を形成することができる。
このような振動基板21において、基部27は、平面視にて、X軸方向に平行な1対の
辺と、Y軸方向に平行な1対の辺とで構成された四角状をなしている。なお、基部27の
平面視形状は、これに限定されるものではない。
そして、基部27のX軸方向に平行な1つの辺には、2つの振動腕28、29が接続さ
れている。
振動腕28、29は、基部27のX軸方向での両端部に接続されている。
2つの振動腕28、29は、互いに平行となるように基部27からそれぞれ延出して設
けられている。言い換えると、2つの振動腕28、29は、基部27からそれぞれY軸方
向に延出するとともに、X軸方向に並んで設けられている。
この振動腕28、29は、それぞれ、長手形状をなし、その基部27側の端部(基端部
)が固定端となり、基部27と反対側の端部(先端部)が自由端となる。
また、振動腕28、29は、互いに同じ幅となるように形成されている。これにより、
振動腕28、29を互いに反対方向に(逆相で)振動させたとき、振動漏れを少なくする
ことができる。
また、各振動腕28、29は、長手方向での全域に亘って幅が一定となっている。なお
、必要に応じて、振動腕28、29の各先端部には、基端部よりも横断面積が大きい質量
部(ハンマーヘッド)を設けてもよい。この場合、振動体2をより小型なものとしたり、
振動腕28、29の振動の周波数をより低めたりすることができる。
また、各振動腕28、29の横断面は、四角形をなしている。なお、各振動腕28、2
9の横断面形状は、四角形に限定されず、例えば、各振動腕28、29の上面および下面
にY軸方向に沿った溝を形成することにより、H字状をなしていてもよい。
図3に示すように、このような振動腕28上には、励振電極群22が設けられ、また、
振動腕29上には、励振電極群23が設けられている。
励振電極群22は、通電により振動腕28を屈曲振動(励振)させる機能を有する。ま
た、励振電極群23は、通電により振動腕29を屈曲振動(励振)させる機能を有する。
このような励振電極群22は、前述した振動腕28の上面上に設けられた励振電極22
1と、振動腕28の下面上に設けられた励振電極222と、振動腕28の一方の側面上に
設けられた励振電極223と、振動腕28の他方の側面上に設けられた励振電極224と
で構成されている。
励振電極221、222、223、224は、それぞれ、振動腕28の基端付近から先
端部付近まで延在している。また、励振電極221、222、223、224のX軸方向
での幅が、それぞれ、Y軸方向での全域に亘って一定となっている。
特に、図2に示すように、励振電極221には、その厚さ方向に貫通する微細な複数の
孔2211が形成されている。また、図示しないが、励振電極222にも、同様に、その
厚さ方向に貫通する微細な複数の孔が形成されている。このような複数の孔を励振電極2
21、222にそれぞれ形成することにより、振動腕28の振動特性が調整されている。
なお、振動腕28の振動特性の調整については、後に詳述する。
同様に、励振電極群23は、前述した振動腕29の上面上に設けられた励振電極231
と、振動腕29の下面上に設けられた励振電極232と、振動腕29の一方の側面上に設
けられた励振電極233と、振動腕29の他方の側面上に設けられた励振電極234とで
構成されている。
励振電極231、232、233、234は、それぞれ、振動腕29の基端付近から先
端部付近まで延在している。また、励振電極231、232、233、234のX軸方向
での幅が、それぞれ、Y軸方向での全域に亘って一定となっている。
特に、図2に示すように、励振電極231には、その厚さ方向に貫通する微細な複数の
孔2311が形成されている。また、図示しないが、励振電極232にも、同様に、その
厚さ方向に貫通する微細な複数の孔が形成されている。このような複数の孔を励振電極2
31、232にそれぞれ形成することにより、振動腕29の振動特性が調整されている。
このような励振電極221、222、233、234は、図示しない配線を介して接続
電極41に電気的に接続されている。また、励振電極223、224、231、232は
、図示しない配線を介して接続電極42に電気的に接続されている。
このような構成の振動体2においては、接続電極41と接続電極42との間に電圧を印
加すると、励振電極221、222、233、234と、励振電極223、224、23
1、232が逆極性となるようにして、振動腕28、29にそれぞれX軸方向成分を含む
方向の電圧が印加される。そして、圧電材料の逆圧電効果により、ある一定の周波数(共
鳴周波数)で各振動腕28、29を屈曲振動させることができる。このとき、振動腕28
、29は、互いに反対方向に屈曲振動される。
また、各振動腕28、29が屈曲振動すると、接続電極41、42間には、圧電材料の
圧電効果により、ある一定の周波数で電圧が発生する。これらの性質を利用して、振動体
2は、共鳴周波数で振動する電気信号を発生させることができる。
このような励振電極群22、23、接続電極41、42および配線(図示せず)は、そ
れぞれ、アルミニウム、アルミニウム合金、銀、銀合金、クロム、クロム合金、金、金ク
ロム積層膜等の導電性に優れた金属材料により形成することができる。
また、これらの電極等の形成方法としては、スパッタリング法、真空蒸着法等の物理成
膜法、CVD等の化学蒸着法、インクジェット法等の各種塗布法等が挙げられる。
ここで、振動腕28の振動特性の調整について詳述する。なお、以下では、振動腕28
の振動特性の調整について代表的に説明するが、振動腕29の振動特性の調整についても
同様である。
前述したように、励振電極221には、その厚さ方向に貫通する微細な複数の孔221
1が形成されている。また、図示しないが、励振電極222にも、同様に、その厚さ方向
に貫通する微細な複数の孔が形成されている。
特に、励振電極221には、部分的に、その厚さ方向に貫通する微細な複数の孔221
1が形成されている。また、この複数の孔2211に対応するようにして(複数の孔22
11と同様に)、励振電極222には、部分的に、その厚さ方向に貫通する微細な複数の
孔(図示せず)が形成されている。
これにより、振動腕28上における各励振電極221、222、223、224のY軸
方向(振動腕28の延出方向)での長さを長くしつつ、励振電極221と励振電極223
、224との間および励振電極222と励振電極223、224との間にそれぞれ生じる
電界(振動腕28に印加される電界)のうち不要な振動モードに寄与する電界の密度を小
さくして、振動腕28の振動特性を調整することができる。
このようなことから、振動体2は、不要な振動モードを低減し、効率的に駆動すること
ができる。
また、本実施形態では、励振電極223、224には、複数の孔2211のような複数
の孔は形成されていない。すなわち、励振電極223、224は、その輪郭の内側がパタ
ーンニングされておらず、密な層として構成されている。これにより、振動体2の製造を
容易なものとすることができる。
以下、励振電極221、222に形成された複数の孔と振動腕28の振動特性との関係
を詳述する。なお、以下では、励振電極221について代表的に説明するが、励振電極2
22についても同様である。
より具体的に説明すると、前述したように構成された振動体2の振動腕28は、所望の
基本振動モード(基本波)の周波数で励振されるが、この基本振動モードの他に、基本振
動モードとは異なる高次振動モードの周波数でも励振されてしまう。
図4(a)に示すように、振動腕28の基本振動モードの変位量(中立線の変位量)は
、振動腕28の基端側から先端側に向けて増加する。また、振動腕28基本振動モードの
変位に伴って生じる歪みは、振動腕28の基端側から先端側に向けて減少する。なお、図
4において、縦軸は、振動腕の変位量、電荷および歪みの相対値を示している。
一方、図4(b)に示すように、振動腕28の高次振動モードの変位量(中立線の変位
量)は、振動腕28の基端側から先端側に向けて、中央部付近まで増加した後に、先端部
付近まで減少し、その後増加する。また、振動腕28の高次振動モードの変位に伴って生
じる歪みは、振動腕28の基端側から先端側に向けて、中央部付近まで増加した後に、減
少する。
このようなことから、振動腕28のY軸方向での中央部では、基本振動モードの励振は
それほど大きくないが、高次振動モードの励振が大きいことがわかる。また、高次振動モ
ードの励振は、振動腕28のY軸方向での端部よりも中央部で大きい。
そこで、複数の孔2211は、振動腕28の延出方向における励振電極221の途中に
偏在している(部分的に形成されている)。より具体的には、複数の孔2211は、励振
電極221の、振動腕28の延出方向(Y軸方向)での中央部に対応する部分に偏在して
いる(部分的に形成されている)。
複数の孔2211を振動腕28の延出方向における励振電極221の途中に偏在させる
ことにより、高調波(高次振動モード)のCI値と、基本波のCI値との比率を変化させ
て、振動腕28の振動特性を調整することができる。
特に、複数の孔2211を励振電極221の、振動腕28の延出方向(Y軸方向)での
中央部に対応する部分に偏在させることにより、励振電極221のY軸方向での長さL2
を長くしても、振動腕28の高次振動モードの励振を大幅に抑えて、振動体2の高次振動
モードのCI値を高めることができる。すなわち、基本波のCI値を低減するとともに、
高調波のCI値を高めて、CI値比(高調波CI値/基本波CI値)を高めることができ
る。
また、振動腕28の延出方向(Y軸方向)における長さをL1とし、振動腕28上にお
ける励振電極221の同方向での長さをL2としたときに、0.5<L2/L1<1の関
係を満たす。これにより、基本波のCI値を低減して、振動腕28の励振を効率的なもの
とすることができる。また、このような観点からは、特に、長さL1およびL2は、0.
6<L2/L1<0.9の関係を満たすのが好ましく、0.7<L2/L1<0.8の関
係を満たすのがより好ましい。
これに対し、かかるL2/L1が前記下限値未満であると、振動腕28の形状、幅、長
さ等によっては、基本波のCI値を十分に低減することが難しい。一方、かかるL2/L
1が前記上限値を超えると、振動腕28の形状、幅、長さ等によっては、高調波のCI値
を高めることが難しい。
また、励振電極221の単位面積当たりに孔2211が占める面積の割合(以下、「孔
存在割合」とも言う)は、振動腕28の延出方向(Y軸方向)での中央部から先端側およ
び基端側に向けてそれぞれ漸次減少している。言い換えると、図5に示すように、励振電
極221をY軸方向での単位長さ毎に分割した各領域内において電極が占める面積の割合
(以下、「電極存在割合」とも言う)は、振動腕28の延出方向(Y軸方向)での中央部
から先端側および基端側に向けてそれぞれ漸次増加している。これにより、振動腕28の
励振を円滑かつ効率的なものとしつつ、高調波のCI値を高めて、CI値比(高調波CI
値/基本波CI値)を高めることができる。
また、かかる孔存在割合が、前述した図4(b)に示す高次振動モードで生じる歪みの
大きさに応じて増減していると、高次振動モードの励振をより確実に低減することができ
る。
また、かかる孔存在割合が、図4(b)に示す高次振動モードで生じる歪みの大きさと
、図4(a)に示す基本振動モードで生じる歪みの大きさとの差分に応じて増減している
と、基本振動モードの励振を高めつつ、高次振動モードの励振を効果的に低減することが
できる。
また、各孔2211は、平面視にて円形をなしている。これにより、振動腕28を所望
の振動特性に比較的簡単に調整することができる。なお、各孔2211は、円形に近い略
円形の形状でもよい。
また、本実施形態では、複数の孔2211は、互いに同じ平面視形状および面積となる
ように形成されている。そのため、孔2211同士の間隔をY軸方向での位置に応じて変
化させることにより、前述したような孔存在割合(電極存在割合)を実現している。
なお、複数の孔2211を互いに異なる平面視形状および面積となるように形成しても
よい。この場合、孔2211同士の間隔を一定としても、各孔2211の平面視形状およ
び面積をY軸方向での位置に応じて変化させることにより、前述したような孔存在割合(
電極存在割合)を実現することができる。
また、複数の孔2211の平均径は、0.01〜100μmであるのが好ましく、0.
1〜10μmであるのがより好ましい。これにより、複数の孔2211の形成を比較的な
容易なものとしつつ、振動腕28を所望の振動特性に調整することができる。
これに対し、かかる平均径が前記下限値未満であると、励振電極221の構成材料や厚
さ等によっては、複数の孔2211の形成が難しくなる場合がある。一方、かかる平均径
が前記上限値を超えると、所望の領域における孔2211の面積占有率を高めることが難
しくなる。また、励振電極221が形成される範囲や位置等によっては、振動腕28の振
動特性に悪影響を及ぼす場合がある。
また、励振電極221を平面視したときに励振電極221全体に対して複数の孔221
1が占める面積の割合(面積占有率)は、求める振動腕28の振動特性に応じて決定され
るものであるが、0.1〜0.5であるのが好ましく、0.1〜0.4であるのがより好
ましい。言い換えると、励振電極221を平面視したときに励振電極221の輪郭で囲ま
れた領域内に電極が占める面積の割合は、それぞれ、0.5〜0.9であるのが好ましく
、0.6〜0.9であるのがより好ましい。これにより、前記電極が占める面積の割合が
小さくなった場合に発生し易くなる励振電極221の断線等の導通不良を防止しつつ、振
動腕28を所望の振動特性に調整することができる。
(パッケージ)
次に、振動体2を収容・固定するパッケージ3について説明する。
パッケージ3は、図1に示すように、板状のベース基板31と、枠状の枠部材32と、
板状の蓋部材33とを有している。ベース基板31、枠部材32および蓋部材33は、下
側から上側へこの順で積層されており、ベース基板31と枠部材32とは、後述のセラミ
ック材料等で形成されており、互いに一体に焼成されることで接合されている。そして、
枠部材32と蓋部材33は、接着剤あるいはろう材等により接合されている。そして、パ
ッケージ3は、ベース基板31、枠部材32および蓋部材33で画成された内部空間37
に、振動体2を収納している。なお、パッケージ3内には、振動体2の他、振動体2を駆
動する電子部品等を収納することもできる。
ベース基板31の構成材料としては、絶縁性(非導電性)を有しているものが好ましく
、例えば、各種ガラス、酸化物セラミックス、窒化物セラミックス、炭化物系セラミック
ス等の各種セラミックス材料、ポリイミド等の各種樹脂材料などを用いることができる。
また、枠部材32および蓋部材33の構成材料としては、例えば、ベース基板31と同
様の構成材料、Al、Cuのような各種金属材料、各種ガラス材料等を用いることができ
る。特に、蓋部材33の構成材料として、ガラス材料等の光透過性を有するものを用いた
場合、振動体2に予め金属被覆部(図示せず)を形成しておくと、振動体2をパッケージ
3内に収容した後であっても、蓋部材33を介して前記金属被覆部にレーザーを照射し、
前記金属被覆部を除去して振動体2の質量を減少させることにより(質量削減方式により
)、振動体2の周波数調整を行うことができる。
また、ベース基板31の上面には、一対のマウント電極35a、35bが内部空間37
に露出するように形成されている。このマウント電極35a、35bの上には、それぞれ
、導電性粒子を含有するエポキシ系、ポリイミド系、シリコーン系等の導電性接着剤36
a、36bが塗布されて(盛られて)おり、さらに、この導電性接着剤36a、36b上
に、前述した振動体2が載置されている。これにより、振動体2(基部27)がマウント
電極35a、35b(ベース基板31)に確実に固定される。
なお、この固定は、導電性接着剤36aが振動体2の接続電極42に接触するとともに
、導電性接着剤36bが振動体2の接続電極41に接触するように、振動体2を導電性接
着剤36a、36b上に載置して行う。これにより、導電性接着剤36a、36bを介し
て、振動体2がベース基板31に固定されるとともに、接続電極42とマウント電極35
aが導電性接着剤36aを介して電気的に接続されるとともに、接続電極41とマウント
電極35bが導電性接着剤36bを介して電気的に接続される。
また、ベース基板31の下面には、4つの外部端子34a、34b、34c、34dが
設けられている。
これら4つの外部端子34a〜34dのうち、外部端子34a、34bは、それぞれ、
ベース基板31に形成されたビアホールに設けられた導体ポスト(図示せず)を介してマ
ウント電極35a、35bに電気的に接続されたホット端子である。また、他の2つの外
部端子34c、34dは、それぞれ、パッケージ3を実装用基板に実装するときに、接合
強度を高めたり、パッケージ3と実装用基板との間の距離を均一化するためのダミー端子
である。
このようなマウント電極35a、35bおよび外部端子34a〜34dは、それぞれ、
例えば、タングステンおよびニッケルメッキの下地層に、金メッキを施すことで形成する
ことができる。
なお、マウント電極35a、35bと接続電極41、42とを例えばワイヤーボンディ
ング技術により形成された金属ワイヤー(ボンディングワイヤー)を介して電気的に接続
してもよい。この場合、導電性接着剤36a、36bに代えて、導電性を有しない接着剤
を介して、振動体2をベース基板31に対して固定することができる。また、パッケージ
3内部に電子部品を収納した場合、ベース基板31の下面には、必要に応じて、電子部品
の特性検査や、電子部品内の各種情報(例えば、振動デバイスの温度補償情報)の書き換
え(調整)を行うための書込端子が形成されていてもよい。
以上説明したような第1実施形態によれば、励振電極221、222の長手方向(Y軸
方向)での途中にそれぞれその厚さ方向に貫通する微細な複数の孔が形成されているので
、振動腕28上における各励振電極221、222、223、224のY軸方向(振動腕
28の延出方向)での長さを長くしつつ、励振電極221と励振電極223、224との
間および励振電極222と励振電極223、224との間にそれぞれ生じる電界(振動腕
28に印加される電界)のうち不要な振動モードに寄与する電界の密度を小さくして、振
動腕28の振動特性を調整することができる。
このようなことから、振動体2は、不要な振動モードを低減し、効率的に駆動すること
ができる。
<第2実施形態>
次に、本発明の振動デバイスの第2実施形態について説明する。
図6は、本発明の第2実施形態に係る振動デバイスに備えられた振動体を示す上面図、
図7は、図6に示す振動体の側面図である。
以下、第2実施形態の振動デバイスについて、前述した実施形態との相違点を中心に説
明し、同様の事項については、その説明を省略する。
第2実施形態の振動デバイスは、各振動腕の各側面上に設けられた励振電極にも微細な
複数の孔を形成した以外は、第1実施形態とほぼ同様である。なお、図6、7では、前述
した実施形態と同様の構成には、同一符号を付してある。
本実施形態の振動デバイスの振動体2Aは、図6に示すように、振動基板21上に設け
られた励振電極群22A、23Aを有している。
励振電極群22Aは、振動腕28上に設けられ、また、励振電極群23Aは、振動腕2
9上に設けられている。
このような励振電極群22Aは、前述した振動腕28の上面上に設けられた励振電極2
21と、振動腕28の下面上に設けられた励振電極222と、振動腕28の一方の側面上
に設けられた励振電極223Aと、振動腕28の他方の側面上に設けられた励振電極22
4Aとで構成されている。
また、励振電極群23Aは、前述した振動腕29の上面上に設けられた励振電極231
と、振動腕29の下面上に設けられた励振電極232と、振動腕29の一方の側面上に設
けられた励振電極233Aと、振動腕29の他方の側面上に設けられた励振電極234A
とで構成されている。
以下、励振電極群23Aについて詳述する。なお、励振電極群22Aについては、励振
電極群22と同様であるので、その説明を省略する。
図7に示すように、励振電極234Aには、その厚さ方向に貫通する微細な複数の孔2
341が形成されている。また、図示しないが、励振電極233Aにも、同様に、その厚
さ方向に貫通する微細な複数の孔が形成されている。
また、図6に示すように、前述した第1実施形態と同様、励振電極231には、その厚
さ方向に貫通する微細な複数の孔2311が形成されている。また、図示しないが、励振
電極232にも、同様に、その厚さ方向に貫通する微細な複数の孔が形成されている。
このような複数の孔を励振電極231、232、233A、234Aにそれぞれ形成す
ることにより、振動腕29の振動特性が調整されている。
本実施形態では、前述したような複数の孔が極性が異なる対となる励振電極(励振電極
231と励振電極233、234、および、励振電極232と励振電極233、234)
の双方に形成されているので、対となる励振電極のいずれかの励振電極のみに複数の孔を
形成する場合に比し、1つの励振電極当たりの複数の孔の数や面積を減らすことができる
。そのため、各励振電極231、232、233、234の断線等の導通不良を防止しつ
つ、振動腕29の振動特性の調整を行うことができる。なお、このような効果を顕著なも
のとするためには、一方の励振電極(励振電極231、232)の孔と他方の励振電極(
励振電極233、234)の孔とがY軸方向においてできるだけ重ならないようにするの
が好ましい。
以上説明したような第2実施形態によれば、前述した第1の実施形態と同様の効果を奏
することができる。
<第3実施形態>
次に、本発明の振動デバイスの第3実施形態について説明する。
図8は、本発明の第3実施形態に係る振動デバイスに備えられた振動体を示す上面図、
図9は、図8に示す振動体の側面図である。
以下、第3実施形態の振動デバイスについて、前述した実施形態との相違点を中心に説
明し、同様の事項については、その説明を省略する。
第3実施形態の振動デバイスは、各振動腕の上面および下面に設けられた励振電極の複
数の孔の形成を省略するとともに、各振動腕の各側面上に設けられた励振電極にも微細な
複数の孔を形成した以外は、第1実施形態とほぼ同様である。すなわち、第3実施形態の
振動デバイスは、各振動腕の上面および下面に設けられた励振電極の複数の孔の形成を省
略した以外は、第2実施形態とほぼ同様である。なお、図8、9では、前述した実施形態
と同様の構成には、同一符号を付してある。
本実施形態の振動デバイスの振動体2Bは、図8に示すように、振動基板21上に設け
られた励振電極群22B、23Bを有している。
励振電極群22Bは、振動腕28上に設けられ、また、励振電極群23Bは、振動腕2
9上に設けられている。
このような励振電極群22Bは、前述した振動腕28の上面上に設けられた励振電極2
21Bと、振動腕28の下面上に設けられた励振電極222Bと、振動腕28の一方の側
面上に設けられた励振電極223Aと、振動腕28の他方の側面上に設けられた励振電極
224Aとで構成されている。
また、励振電極群23Bは、前述した振動腕29の上面上に設けられた励振電極231
Bと、振動腕29の下面上に設けられた励振電極232Bと、振動腕29の一方の側面上
に設けられた励振電極233Aと、振動腕29の他方の側面上に設けられた励振電極23
4Aとで構成されている。
以下、励振電極群23Bについて詳述する。なお、励振電極群22Bについては、励振
電極群22Bと同様であるので、その説明を省略する。
図9に示すように、前述した第2実施形態と同様、励振電極234Aには、その厚さ方
向に貫通する微細な複数の孔2341が形成されている。また、図示しないが、励振電極
233にも、同様に、その厚さ方向に貫通する微細な複数の孔が形成されている。
また、図8に示すように、励振電極221、222には、前述した複数の孔2341の
ような複数の孔2211は形成されていない。すなわち、励振電極221、222は、そ
の輪郭の内側がパターンニングされておらず、密な層として構成されている。
このような複数の孔を励振電極233A、234Aにそれぞれ形成することにより、振
動腕29の振動特性が調整されている。
なお、本実施形態では、励振電極233A、234Aの孔存在割合は、前述した第1実
施形態の励振電極221、222の孔存在割合と同様にするのが好ましい。
以上説明したような第3実施形態によれば、前述した第1の実施形態と同様の効果を奏
することができる。
<第4実施形態>
次に、本発明の振動デバイスの第4実施形態について説明する。
図10は、本発明の第4実施形態に係る振動デバイスに備えられた振動体を示す下面図
、図11は、図10中のA−A線断面図、図12は、図10において振動体に備えられた
各第2の電極層の図示を省略した図、図13は、図10において振動体に備えられた各第
2の電極層および各圧電体層の図示を省略した図、図14は、図10に示す振動体の動作
を説明するための斜視図である。
以下、第4実施形態の振動デバイスについて、前述した実施形態との相違点を中心に説
明し、同様の事項については、その説明を省略する。
第4実施形態の振動デバイスは、振動腕の数が異なるとともに、各振動腕を圧電体素子
により振動させる構成において、圧電体素子の第1の電極層および第2の電極層にそれぞ
れ微細な複数の孔を形成した以外は、第1実施形態とほぼ同様である。
本実施形態の振動デバイスの振動体2Cは、図10に示すような3脚音叉型の振動体で
ある。この振動体2Cは、振動基板21Cと、この振動基板21C上に設けられた圧電体
素子22C、23C、24Cとを有している。
振動基板21Cは、基部27Cと、3つの振動腕28C、29C、30Cとを有してい
る。
振動基板21Cの構成材料としては、所望の振動特性を発揮することができるものであ
れば、特に限定されず、各種圧電体材料および各種非圧電体材料を用いることができる。
例えば、かかる圧電体材料としては、水晶、タンタル酸リチウム、ニオブ酸リチウム、
ホウ酸リチウム、チタン酸バリウム等が挙げられる。特に、振動基板21Cを構成する圧
電体材料としては水晶が好ましい。水晶で振動基板21Cを構成すると、振動基板21C
の振動特性を優れたものとすることができる。また、エッチングにより高い寸法精度で振
動基板21Cを形成することができる。
また、かかる非圧電体材料としては、例えば、シリコン、石英等が挙げられる。特に、
振動基板21Cを構成する非圧電体材料としてはシリコンが好ましい。シリコンで振動基
板21Cを構成すると、振動基板21Cの振動特性を優れたものとすることができる。ま
た、エッチングにより高い寸法精度で振動基板21Cを形成することができる。
このような振動基板21Cにおいて、基部27Cは、平面視にて、X軸方向に平行な1
対の辺と、Y軸方向に平行な1対の辺とで構成された四角状をなしている。なお、基部2
7Cの平面視形状は、これに限定されるものではない。
そして、基部27CのX軸方向に平行な1つの辺には、3つの振動腕28C、29C、
30Cが接続されている。
振動腕28C、29Cは、基部27CのX軸方向での両端部に接続され、振動腕30C
は、基部27のX軸方向での中央部に接続されている。
3つの振動腕28C、29C、30Cは、基部27CからそれぞれY軸方向に延出する
とともに、X軸方向に並んで設けられている。
この振動腕28C、29C、30Cは、それぞれ、長手形状をなし、その基部27C側
の端部(基端部)が固定端となり、基部27Cと反対側の端部(先端部)が自由端となる

また、振動腕28C、29Cは、互いに同じ幅となるように形成され、振動腕30Cは
、振動腕28C、29Cの幅の2倍の幅となるように形成されている。これにより、振動
腕28C、29CをZ軸方向に屈曲振動させるとともに、振動腕30Cを振動腕28C、
29Cと反対方向に(逆相で)Z軸方向に屈曲振動させたとき、振動漏れを少なくするこ
とができる。
また、各振動腕28C、29C、30Cは、長手方向での全域に亘って幅が一定となっ
ている。なお、必要に応じて、振動腕28C、29C、30Cの各先端部には、基端部よ
りも横断面積が大きい質量部(ハンマーヘッド)を設けてもよい。この場合、振動体2C
をより小型なものとしたり、振動腕28C、29C、30Cの屈曲振動の周波数をより低
めたりすることができる。
図11に示すように、このような振動腕28C上には、圧電体素子22Cが設けられ、
また、振動腕29C上には、圧電体素子23Cが設けられ、さらに、振動腕30C上には
、圧電体素子24Cが設けられている。
圧電体素子22Cは、通電により伸縮して振動腕28CをZ軸方向に屈曲振動させる機
能を有する。また、圧電体素子23Cは、通電により伸縮して振動腕29CをZ軸方向に
屈曲振動させる機能を有する。また、圧電体素子24Cは、通電により伸縮して振動腕3
0CをZ軸方向に屈曲振動させる機能を有する。
このような圧電体素子22Cは、図11に示すように、振動腕28C上に、第1の電極
層221C、圧電体層(圧電薄膜)222C、第2の電極層223Cがこの順で積層され
て構成されている。
図10に示すように、第2の電極層223Cには、その厚さ方向に貫通する微細な複数
の孔2231Cが形成されている。また、図13に示すように、第1の電極層221Cに
は、その厚さ方向に貫通する微細な複数の孔2211Cが形成されている。このような複
数の孔を第1の電極層221Cおよび第2の電極層223Cにそれぞれ形成することによ
り、振動腕28Cの振動特性が調整されている。なお、振動腕28Cの振動特性の調整に
ついては、後に詳述する。
このような圧電体素子22Cにおいては、第1の電極層221Cと第2の電極層223
Cとの間に電圧を印加すると、圧電体層222CにZ軸方向の電界が生じる。この電界に
より、圧電体層222Cは、Y軸方向に伸張または収縮し、振動腕28CをZ軸方向に屈
曲振動させる。
同様に、圧電体素子23Cは、振動腕29C上に、第1の電極層231C、圧電体層(
圧電薄膜)232C、第2の電極層233Cがこの順で積層されて構成されている。また
、圧電体素子24Cは、振動腕30C上に、第1の電極層241C、圧電体層(圧電薄膜
)242C、第2の電極層243Cがこの順で積層されて構成されている。
図10に示すように、第2の電極層233Cには、その厚さ方向に貫通する微細な複数
の孔2331Cが形成されている。また、図13に示すように、第1の電極層231Cに
は、その厚さ方向に貫通する微細な複数の孔2311Cが形成されている。このような複
数の孔を第1の電極層231Cおよび第2の電極層233Cにそれぞれ形成することによ
り、振動腕29Cの振動特性が調整されている。
また、図10に示すように、第2の電極層243Cには、その厚さ方向に貫通する微細
な複数の孔2431Cが形成されている。また、図13に示すように、第1の電極層24
1Cには、その厚さ方向に貫通する微細な複数の孔2411Cが形成されている。このよ
うな複数の孔を第1の電極層241Cおよび第2の電極層243Cにそれぞれ形成するこ
とにより、振動腕30Cの振動特性が調整されている。
このような圧電体素子23Cにおいては、第1の電極層231Cと第2の電極層233
Cとの間に電圧が印加されると、圧電体層232Cは、Y軸方向に伸張または収縮し、振
動腕29CをZ軸方向に屈曲振動させる。また、第1の電極層241Cと第2の電極層2
43Cとの間に電圧が印加されると、圧電体層242Cは、Y軸方向に伸張または収縮し
、振動腕30CをZ軸方向に屈曲振動させる。
また、図10、12、13に示すように、前述した第1の電極層221C、231Cお
よび第2の電極層243Cは、基部27Cの下面に設けられた接続電極41Cに電気的に
接続されている。また、第1の電極層241Cおよび第2の電極層223C、233Cは
、基部27Cの下面に設けられた接続電極42Cに電気的に接続されている。ここで、第
1の電極層241Cは、図12に示す導体部(導体ポスト)251を介して、接続電極4
1Cに電気的に接続されている。また、第1の電極層221C、231Cは、図12に示
す導体部(導体ポスト)252を介して接続電極42Cに電気的に接続されている。
このような第1の電極層221C、231C、241C、第2の電極層223C、23
3C、243C、接続電極41C、42Cおよび導体部251、252は、それぞれ、ア
ルミニウム、アルミニウム合金、銀、銀合金、クロム、クロム合金、金、金クロム積層膜
等の導電性に優れた金属材料により形成することができる。
また、これらの電極等の形成方法としては、スパッタリング法、真空蒸着法等の物理成
膜法、CVD等の化学蒸着法、インクジェット法等の各種塗布法等が挙げられる。また、
これらの電極等の形成に際しては、フォトリソグラフィ法を用いるのが好ましい。
圧電体層222C、232C、242Cの構成材料(圧電体材料)としては、それぞれ
、例えば、水晶、タンタル酸リチウム、ニオブ酸リチウム、ホウ酸リチウム、チタン酸バ
リウム等が挙げられる。
また、これらの圧電体層の形成方法としては、スパッタリング法、真空蒸着法等の物理
成膜法、CVD等の化学蒸着法、インクジェット法等の各種塗布法等が挙げられる。
このような構成の振動体2Cにおいては、接続電極41Cと接続電極42Cとの間に電
圧が印加されると、第1の電極層221C、231Cおよび第2の電極層243Cと、第
1の電極層241Cおよび第2の電極層223C、233Cとが逆極性となるようにして
、前述した圧電体層222C、232C、242CにそれぞれZ軸方向の電圧が印加され
る。これにより、圧電体材料の逆圧電効果により、ある一定の周波数(共鳴周波数)で各
振動腕28C、29C、30Cを屈曲振動させることができる。
このとき、図14に示すように、振動腕28C、29Cは、互いに同方向に屈曲振動し
、振動腕30Cは、振動腕28C、29Cとは反対方向に屈曲振動する。これにより、振
動漏れを防止しつつ、3つの振動腕28C、29C、30CをZ軸方向に屈曲振動させる
ことができる。
また、各振動腕28C、29C、30Cが屈曲振動すると、接続電極41C、42C間
には、圧電体材料の圧電効果により、ある一定の周波数で電圧が発生する。これらの性質
を利用して、振動体2Cは、共鳴周波数で振動する電気信号を発生させることができる。
なお、本実施形態では、圧電体層222C、232C、242Cの圧電体材料の分極方
向または結晶軸の方向が互いに同方向である場合を例に説明したが、これに限定されず、
例えば、圧電体層242Cの分極方向または結晶軸の方向を圧電体層222C、232C
と逆方向とし、第1の電極層221C、231C、241C同士(第2の電極層223C
、233C、243C同士)が同極性となるように電圧を印加してもよい。
ここで、振動腕28Cの振動特性の調整について詳述する。なお、振動腕29C、30
Cの振動特性の調整については、振動腕28Cの振動特性の調整と同様であるので、その
説明を省略する。
前述したように、圧電体素子22Cでは、第1の電極層221Cにその厚さ方向に貫通
する微細な複数の孔2211Cが形成されているとともに、第2の電極層223Cにその
厚さ方向に貫通する微細な複数の孔2231Cが形成されている。
特に、第1の電極層221Cには、部分的に、その厚さ方向に貫通する微細な複数の孔
2211Cが形成されている。また、第2の電極層223Cには、部分的に、その厚さ方
向に貫通する微細な複数の孔2231Cが形成されている。
これにより、振動腕28C上における圧電体素子22CのY軸方向での長さL2を長く
しても、第1の電極層221Cと第2の電極層223Cとの間に生じる電界(圧電体層2
22Cに印加される電界)のうち不要な振動モードに寄与する電界の密度を小さくして、
振動腕28Cの振動特性を調整することができる。
このようなことから、振動体2Cは、不要な振動モードを低減し、効率的に駆動するこ
とができる。
そこで、複数の孔2211C、2231Cは、それぞれ、振動腕28Cの延出方向にお
ける第1の電極層221Cまたは第2の電極層223Cの途中に偏在している(部分的に
形成されている)。
これにより、前述した実施形態の振動腕28と同様、高調波(高次振動モード)のCI
値と、基本波のCI値との比率を変化させて、振動腕28Cの振動特性を調整することが
できる。
また、複数の孔2211C、2231Cは、それぞれ、第1の電極層221Cまたは第
2の電極層223Cの、振動腕28Cの延出方向(Y軸方向)での中央部に対応する部分
に偏在している(部分的に形成されている)。
これにより、圧電体素子22CのY軸方向での長さL2を長くしても、振動腕28Cの
高次振動モードの励振を大幅に抑えて、振動体2Cの高次振動モードのCI値を高めるこ
とができる。すなわち、前述した実施形態の振動腕28と同様、基本波のCI値を低減す
るとともに、高調波のCI値を高めて、CI値比(高調波CI値/基本波CI値)を高め
ることができる。
また、振動腕28Cの延出方向(Y軸方向)における長さをL1とし、振動腕28C上
における圧電体素子22Cの同方向での長さをL2としたときに、0.5<L2/L1<
1の関係を満たす。これにより、前述した実施形態の振動腕28と同様、基本波のCI値
を低減して、振動腕28Cの励振を効率的なものとすることができる。また、前述した実
施形態の振動腕28と同様、このような観点からは、特に、長さL1およびL2は、0.
6<L2/L1<0.9の関係を満たすのが好ましく、0.7<L2/L1<0.8の関
係を満たすのがより好ましい。
また、第1の電極層221Cの単位面積当たりに孔2211Cが占める面積の割合(孔
存在割合)、および、第2の電極層223Cの単位面積当たりに孔2231Cが占める面
積の割合(孔存在割合)は、それぞれ、振動腕28Cの延出方向(Y軸方向)での中央部
から先端側および基端側に向けてそれぞれ漸次減少している。これにより、前述した実施
形態の振動腕28と同様、振動腕28Cの励振を円滑かつ効率的なものとしつつ、高調波
のCI値を高めて、CI値比(高調波CI値/基本波CI値)を高めることができる。
また、本実施形態では、前述したような複数の孔が第1の電極層221Cおよび第2の
電極層223Cの双方に形成されているので、第1の電極層221Cまたは第2の電極層
223Cのいずれかの電極層のみに複数の孔を形成する場合に比し、1つの電極層当たり
の複数の孔の数や面積を減らすことができる。そのため、第1の電極層221Cおよび第
2の電極層223Cの機械的強度の低下を防止しつつ、振動腕28Cの振動特性の調整を
行うことができる。なお、このような効果を顕著なものとするためには、平面視にて孔2
211Cと孔2231Cとができるだけ重ならないようにするのが好ましい。
また、第1の電極層221Cおよび第2の電極層223Cはそれぞれ比較的薄いので、
複数の孔2211C、2231Cの形成が比較的簡単かつ高精度に行える。また、第1の
電極層221Cに複数の孔2211Cを設けても、第1の電極層221Cに孔2211C
の有無により生じる段差は極めて小さく、圧電体層222Cの形成に悪影響を及ぼすこと
もない。また、第2の電極層223Cは第1の電極層221Cおよび圧電体層222Cよ
りも後に形成されるので、第2の電極層223Cに複数の孔2231Cを設けても、第1
の電極層221Cおよび圧電体層222Cの形成に悪影響を及ぼすこともない。
また、本実施形態では、圧電体層222Cには、複数の孔2211C、2231Cのよ
うな複数の孔は形成されていない。すなわち、圧電体層222Cは、その輪郭の内側がパ
ターンニングされておらず、密な層として構成されている。これにより、圧電体層222
Cの表面を平坦にすることができ、その結果、第2の電極層223Cを均一に形成するこ
とができる。また、第1の電極層221Cと第2の電極層223Cとの間に距離を均一化
することができる。
なお、複数の孔2211C、2231Cのような複数の孔を圧電体層222Cに形成し
ても、振動腕28Cの振動特性の調整を行うことは可能である。
また、各孔2211C、2231Cは、平面視にてスリット状をなしている。このよう
な平面視形状をなす孔2211C、2231Cは、簡単に高精度な寸法および位置で形成
することができ、また、圧電体素子22Cに与える悪影響も少なくすることができる。特
に、各孔2211C、2231Cの幅、間隔(ピッチ)、長さ等を変更することにより、
振動腕28Cの振動特性を調整することができる。そのため、振動腕28Cを所望の振動
特性に比較的簡単に調整することができる。
また、スリット状の各孔2211C、2231Cは、振動腕28Cの延在方向(Y軸方
向)に直交する幅方向(X軸方向)に延在している。そのため、複数の孔2211C、2
231Cの形成が振動腕28Cの振動特性に悪影響を及ぼすのを防止することができる。
これにより、振動腕28Cを所望の振動特性に比較的簡単に調整することができる。なお
、スリット状の各孔2211C、2231Cは、Y軸方向に延在するように形成してもよ
い。
また、本実施形態では、複数の孔2211C、2231Cは、互いに同じ長さおよび幅
となるように形成されている。そのため、孔2211C同士の間隔および孔2231C同
士の間隔をそれぞれY軸方向での位置に応じて変化させることにより、前述したような孔
存在割合を実現している。
なお、複数の孔2211C、2231Cを互いに異なる長さおよび幅となるように形成
してもよい。この場合、孔2211C同士の間隔および孔2231C同士の間隔を一定と
しても、各孔2211C、2231Cの長さおよび幅をY軸方向での位置に応じて変化さ
せることにより、前述したような孔存在割合を実現することができる。
また、スリット状の孔2211C、2231Cの幅は、それぞれ、0.01〜100μ
mであるのが好ましく、0.1〜10μmであるのがより好ましい。これにより、複数の
孔2211C、2231Cの形成を比較的な容易なものとしつつ、振動腕28Cを所望の
振動特性に調整することができる。
以上説明したような第4実施形態によれば、前述した第1の実施形態と同様の効果を奏
することができる。
以上説明したような各実施形態の振動デバイスは、各種の電子機器に適用することがで
き、得られる電子機器は、信頼性の高いものとなる。
本発明の振動デバイスを備える電子機器としては、特に限定されないが、例えば、パー
ソナルコンピュータ(モバイル型パーソナルコンピュータ)、携帯電話機、ディジタルス
チルカメラ、インクジェット式吐出装置(例えばインクジェットプリンタ)、ラップトッ
プ型パーソナルコンピュータ、テレビ、ビデオカメラ、ビデオテープレコーダ、カーナビ
ゲーション装置、ページャ、電子手帳(通信機能付も含む)、電子辞書、電卓、電子ゲー
ム機器、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、防犯用テレビモニタ、電
子双眼鏡、POS端末、医療機器(例えば電子体温計、血圧計、血糖計、心電図計測装置
、超音波診断装置、電子内視鏡)、魚群探知機、各種測定機器、計器類(例えば、車両、
航空機、船舶の計器類)、フライトシミュレータ等が挙げられる。
以上、本発明の振動体および振動デバイスを、図示の実施形態に基づいて説明したが、
本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成
のものに置換することができる。また、本発明に、他の任意の構成物が付加されていても
よい。また、本発明は、前記各実施形態のうちの、任意の2以上の構成(特徴)を組み合
わせたものであってもよい。
例えば、前述した実施形態では、振動体が2つまたは3つの振動腕を有する場合を例に
説明したが、振動腕の数は、1つまたは4つ以上であってもよい。
また、前述した第4実施形態では、圧電体素子の第1の電極層および第2の電極層の双
方に微細な複数の孔を形成した場合を例に説明したが、第1の電極層または第2の電極層
のいずれかの電極層のみに微細な複数の孔を形成しても、振動腕の振動特性を調整するこ
とができる。
また、本発明の振動デバイスは、水晶発振器(SPXO)、電圧制御水晶発振器(VC
XO)、温度補償水晶発振器(TCXO)、恒温槽付水晶発振器(OCXO)等の圧電発
振器の他、ジャイロセンサー等に適用される。
1‥‥振動デバイス 2‥‥振動体 2A‥‥振動体 2B‥‥振動体 2C‥‥振動体
3‥‥パッケージ 21‥‥振動基板 21C‥‥振動基板 22‥‥励振電極群 2
2A‥‥励振電極群 22B‥‥励振電極群 22C‥‥圧電体素子 23‥‥励振電極
群 23A‥‥励振電極群 23B‥‥励振電極群 23C‥‥圧電体素子 24C‥‥
圧電体素子 27‥‥基部 27C‥‥基部 28‥‥振動腕 28C‥‥振動腕 29
‥‥振動腕 29C‥‥振動腕 30C‥‥振動腕 31‥‥ベース基板 32‥‥枠部
材 33‥‥蓋部材 34a‥‥外部端子 34b‥‥外部端子 34c‥‥外部端子
34d‥‥外部端子 35a‥‥マウント電極 35b‥‥マウント電極 36a‥‥導
電性接着剤 36b‥‥導電性接着剤 37‥‥内部空間 41‥‥接続電極 41C‥
‥接続電極 42‥‥接続電極 42C‥‥接続電極 221‥‥励振電極 221B‥
‥励振電極 221C‥‥第1の電極層 222‥‥励振電極 222B‥‥励振電極
222C‥‥圧電体層 223‥‥励振電極 223A‥‥励振電極 223C‥‥第2
の電極層 224‥‥励振電極 224A‥‥励振電極 231‥‥励振電極 231B
‥‥励振電極 231C‥‥第1の電極層 232‥‥励振電極 232B‥‥励振電極
232C‥‥圧電体層 233‥‥励振電極 233A‥‥励振電極 233C‥‥第
2の電極層 234‥‥励振電極 234A‥‥励振電極 241C‥‥第1の電極層
242C‥‥圧電体層 243C‥‥第2の電極層 251‥‥導体部 252‥‥導体
部 2211‥‥孔 2211C‥‥孔 2231C‥‥孔 2311‥‥孔 2311
C‥‥孔 2331C‥‥孔 2341‥‥孔 2411C‥‥孔 2431C‥‥孔

Claims (14)

  1. 基部と、
    前記基部から第1の方向に延出するとともに、該第1の方向に直交する第2の方向に並
    んで設けられた複数の振動腕と、
    前記各振動腕上に設けられ、通電により前記振動腕を励振させる1対の励振電極とを有
    し、
    前記1対の励振電極のうちの少なくとも一方の励振電極には、部分的に、その厚さ方向
    に貫通する複数の孔が形成されていることを特徴とする振動体。
  2. 前記複数の孔は、前記少なくとも一方の励振電極において前記第1の方向に偏在して形
    成されている請求項1に記載の振動体。
  3. 前記複数の孔は、前記励振電極の、前記振動腕の前記第1の方向での中央部に偏在して
    いる請求項2に記載の振動体。
  4. 前記励振電極の単位面積当たりに前記孔が占める面積の割合は、前記振動腕の前記第1
    の方向での前記中央部から先端側に向けて漸次減少している請求項3に記載の振動体。
  5. 前記励振電極の単位面積当たりに前記孔が占める面積の割合は、前記振動腕の前記第1
    の方向での中央部から基端側に向けて漸次減少している請求項3または4に記載の振動体
  6. 前記振動腕の前記第1の方向における長さをL1とし、前記振動腕上における前記励振
    電極の同方向での長さをL2としたときに、0.5<L2/L1<1の関係を満たす請求
    項1ないし5のいずれかに記載の振動体。
  7. 基部と、
    前記基部から第1の方向に延出するとともに、該第1の方向に直交する第2の方向に並
    んで設けられた複数の振動腕と、
    前記各振動腕上に設けられ、通電により伸縮して前記振動腕を振動させる圧電体素子と
    を有し、
    前記圧電体素子は、前記振動腕上に設けられた第1の電極層と、該第1の電極層上に設
    けられた圧電体層と、該圧電体層上に設けられた第2の電極層とを備え、
    前記第1の電極層、前記圧電体層および前記第2の電極層のうちの少なくとも1つの層
    には、部分的に、その厚さ方向に貫通する複数の孔が形成されていることを特徴とする振
    動体。
  8. 前記振動腕は、3つ以上であり、前記圧電素子の伸縮により、前記第1の方向および前
    記第2の方向に直交する第3の方向に、隣り合う2つの前記振動腕が互いに反対方向に屈
    曲振動される請求項7に記載の振動体。
  9. 前記各孔は、平面視にて円形をなしている請求項1ないし8のいずれかに記載の振動体
  10. 前記複数の孔の平均径は、0.01〜100μmである請求項9に記載の振動体。
  11. 前記各孔は、平面視にてスリット状をなしている請求項1ないし8のいずれかに記載の
    振動体。
  12. 前記スリット状の各孔は、前記第2の方向に延在している請求項11に記載の振動体。
  13. 前記スリット状の孔の幅は、0.01〜100μmである請求項11または12に記載
    の振動体。
  14. 請求項1ないし13のいずれかに記載の振動体と、
    前記振動体を収納するパッケージとを有することを特徴とする振動デバイス。
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