JP2011199113A - 解析装置及び半導体装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明の課題は、複数段の電源スイッチを段階的にオンすることによって内部回路に電源供給する半導体装置において、電源供給開始から起動可能となるまでの復帰時間を短縮することを目的とする。
【解決手段】 上記課題は、複数段の電源スイッチを段階的にオンすることによって内部回路に電源供給する電源供給回路を解析する解析装置であって、前段までの電源スイッチをオン状態とし、オンすることによって発生する許容ノイズ量を超えない最大電源ノイズ量となる電源スイッチサイズを次段の電源スイッチとして決定する電源スイッチサイズ決定手段と、前記次段の電源スイッチサイズによる電源ノイズが前記オンされてから収束判定量以下となるまでの時間をオン時間間隔として決定するオン時間間隔決定手段とにより達成される。
【選択図】 図7

Description

本発明は、電源遮断機能(Power Gating)を搭載した半導体装置の設計に関する。
近年、低消費電力化の要求が強くなり、内部に電源遮断機能(電源スイッチ)を搭載するLSI(Large Scale Integration)が採用されるケースが増加してきている。LSIの回路ブロック毎の使用有無に応じて、使用していない回路は積極的に電源遮断することによって、更なる低消費電力化しようという技術である。特に待機時の電力削減要求の厳しい通信用の携帯機器では必須の技術となっている。
この電源スイッチを搭載する問題とし電源ノイズの問題が挙げられる。これは電源遮断していた内部回路を再び使用する必要が出てきた時に電源スイッチオンする必要があるが、オンする瞬間に内部回路の安定化容量等を充電するための突入電流(rush current)が流れる。この電流によって電源ノイズ(ΔV)が誘起され、この電源ノイズΔVによってLSIが誤動作する危険性がある。
電源遮断したい内部回路毎に1つの電源スイッチで制御しようとした場合、電源スイッチに使用するトランジスタのサイズ(即ち、供給できる電流)を十分に小さくしておけば、スイッチオン時の突入電流を抑制できるので、電源ノイズΔVは小さく抑制できるが、回路の消費電流(例えば、リーク電流)を賄えきれずに回路が十分に充電されない。また、電源スイッチのトランジスタを回路の消費電流を賄うのに十分なサイズにすると、今度はスイッチオン時の突入電流が大きくなり、電源ノイズΔVが抑制できない。ゆえに、更に電源スイッチのトランジスタのサイズを大きくする等して電源スイッチのトランジスタのゲート駆動する信号の波形を鈍らせ、急に電源スイッチがオン状態にならないようにして突入電流を小さくし、電源ノイズΔVを抑制する必要があった。
しかしながら、この信号aの波形を鈍らせる仕組みとして、上記した(1)電源スイッチのトランジスタサイズを必要以上に大きくして電源スイッチのトランジスタのゲート容量を大きくする、(2)設計容量を電源スイッチのトランジスタのゲート信号に大量に付加する、(3)電源スイッチのトランジスタのゲート信号を駆動するバッファの駆動力を下げる、といった手法があるもののデメリットが大きい。まず、(1)及び(2)は大量にチップ内の面積を占有するため製造コストが上昇する要因となる。(3)は製造バラツキ等の観点からバッファ動作しなくなるチップが多発することによる製造歩留まりを下げることから、やはり製造コストが上昇する要因となる。また、電源遮断したい回路規模が大きくなってくると、この傾向は更に顕著になる。
このような電源ノイズの問題に対して、電源スイッチをオン状態にする瞬間の突入電流によって発生する電源ノイズを抑制するために、電源スイッチを複数のスイッチに分割して、各々の電源スイッチのスイッチングのタイミング遅延を小さくする方式、電源スイッチを複数の小さいスイッチに分割しておき、各スイッチをオンするタイミングに遅延を持たせて突入電流を抑制する方式などが提案されている。(例えば、特許文献1、非特許文献1を参照)。
特開2008−34667号公報 特開2003−289245号公報 特開2003−520083号公報
P.Royannez, et al., "90nmLow Leakage SOC Design Techniques for Wireless Applications," ISSCC Dig. Tech. Paper, pp. 138-140, Feb. 2005
上述した電源スイッチを複数のスイッチに分割した従来技術において、特許文献1では、各電源スイッチのサイズを後段に行くほど指数関数的に大きくし、電源スイッチをオンにする間隔を後段に行くほど小さくした技術である。しかしながら、一般に、スイッチサイズとパワーゲーティングされる回路の電位VDDVとは単純な指数関数的な関係になく、よって、単純に指数的にスイッチサイズを増加させた場合、電位VDDVの変化を大きくしてしまうスイッチが存在し、電圧変化によって電源ノイズ量が大きくなると言った問題がある。
また、非特許文献1では、電源スイッチを1つのスイッチがオンしても突入電流によって電源ノイズΔVが基準を超えないような小さい同じサイズのスイッチを複数個並べておき、1つのスイッチがオンした時の突入電流が十分に収まった所を見計らうためのタイミング遅延ΔTを付加して次のスイッチをオンさせ、同じタイミング遅延ΔTで順次オンすることにより電源ノイズΔVを許容範囲内とし、最終的には回路の消費電流を供給するのに必要なスイッチサイズ分を全てオンさせるという方式である。
しかし、このような方式では、スイッチオン時の電源ノイズΔVやタイミング遅延ΔTの無駄が多いため電源オフ状態からオン状態へ復帰する起動時間が長くなってしまうという問題があった。
開示の技術は、複数段の電源スイッチを段階的にオンすることによって内部回路に電源供給する電源供給回路を解析する解析装置であって、前段までの電源スイッチをオン状態とし、オンすることによって発生する許容ノイズ量を超えない最大電源ノイズ量となる電源スイッチサイズを次段の電源スイッチとして決定する電源スイッチサイズ決定手段と、前記次段の電源スイッチサイズによる電源ノイズが前記オンされてから収束判定量以下となるまでの時間をオン時間間隔として決定するオン時間間隔決定手段とを有するように構成される。
開示の技術では、LSI上の電源スイッチをオン(導通)する瞬間の突入電流による電源電位変動による電源ノイズを許容範囲内とすることができ、パワーゲーティングを大規模回路の動作に影響を与えることなく行うことができる。
LSIの電源遮断制御に係る領域のレイアウト図を示す図である。 電源遮断機能を有するLSIの回路構成例を示す図である。 電圧変化の例を示す図である。 段階的駆動電圧制御における電圧変化と、電圧変化が安定するまでの時間の関係を説明するための図である。 段階的駆動電圧制御に係る回路設計を解析する解析装置を説明するための図である。 段階的PSW解析部での処理で用いられるシミュレーション回路モデルの例を示す図である。 段階的PSW解析部による基本設計フローを説明するためのフローチャート図である。 電源ノイズの時間変化を示すグラフ図である。 必要な電源スイッチのサイズと時間間隔について説明するための図である。 最小ノイズ量を考慮して次段の許容ノイズ量を設定する方法を説明する図である。 解析装置のハードウェア構成を示す図である。 最小ノイズ量を考慮した設計フローを説明するための図である。 最小ノイズ量の調整によって復帰時間を短縮するようにした設計フローを説明するための図である。 遅延回路を決定するための機能構成例を示す図である。 電源遮断回路のネットリストの例を示す図である。 電源遮断回路の例を示す図である。 電源ノイズと復帰時間との関係を示す図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。先ず、内部に電源遮断機能を有するLSIにおける、内部回路の使用の有無に応じて電源供給を行うための電源スイッチのオン又はオフによって発生する電源ノイズについて考察する。
図1は、LSIの電源遮断制御に係る領域のレイアウト図を示す図である。図1に示すLSI2は、例えば、電源遮断制御するPMU(Power Management Unit)が配置される領域、内部回路A、B、...Fが配置される領域A、B、...Fを有する。LSI2では、PMUの領域には常時電源がオンされており、例えば、内部回路Aが動作する際には、PMUの制御によって領域Aが電源オン状態となる。一方で、内部回路B、...Fが使用されない(動作しない)場合は、電源オフ状態に制御され、各内部回路B、...Fは機能を停止し、停止時の状態を保持する。また、全内部回路A、B、...Fが動作する際には、全ての領域が電源オン状態に制御される。
図2は、電源遮断機能を有するLSIの回路構成例を示す図である。図2において、LSI2は、電源遮断制御するPMU3と、内部回路A、B、...と、内部回路A、B、...各々に対応する電源スイッチ(PSW:Power SWitch)4a、4b、...と、内部回路A、B、...各々に対応する電源オン/オフによる電圧変動時の出力レベルを安定化させるための安定化容量CA、CB、...とを有する。
LSI2は、夫々電源電圧VDD及びVSSを外部から印加されることにより電源供給される。PMU3は、電源電圧VDD及びVSSにより常時電源オン状態とされ、ゲート信号ga、gb、...を用いてPSW(Power SWitch)4a、4b、...をオン/オフすることによって、内部回路A、B、...に対して電源遮断制御を行う。図1中、電圧VDDAが内部回路Aに供給され、電圧VDDBが内部回路Bに供給される。
例えば、図1に例示されるように、スリープ状態の内部回路Aを起動させるために、PSW4aをオフからオンにすると突入電流となって安定化容量CAへと流れるのみならず、電位VDDVAの急激な変化が電源ノイズとなってPMU3及び他内部回路B、...へと伝播する。
図3は、電圧変化の例を示す図である。図3において、ゲート信号gaがPMU3によってオフからオンされると、電位VDDVAが内部回路Aが動作可能な電圧値となるまで上昇する一方で、図2に示す電圧V(VDD−VSS)は、電圧変化ΔVにより急激に降下した後、電圧Vへと上昇する。この電圧変化ΔVによる変動部分3pがPMU3及び他の内部回路B等の誤動作を引き起こす。
電源遮断制御において、この電圧変化ΔVを誤動作とならない所定電圧変化以下に制御するために、複数の電源スイッチを段階的にオンにして、全ての電源スイッチがオンとなったときに、内部回路に印加される電位VDDVが電源電圧VDDに達するように制御する段階的駆動電圧制御が考えられるが、電源スイッチを段階的にオンした場合の電圧変化ΔVと、電圧変化ΔVが安定するまでの時間について、図4を用いて検証する。電源スイッチを段階的にオフする場合も同様に検証される。
図4は、段階的駆動電圧制御における電圧変化と、電圧変化が安定するまでの時間の関係を説明するための図である。図4(A)では、同一サイズの電源スイッチを段階的に1つずつオンした状態を例示している。電源スイッチの抵抗を抵抗Rで表し、同一抵抗Rの並列接続によるRC回路図で、同一サイズの電源スイッチのオン状態を簡潔に示す。
1つ目をオンした状態では、時間定数τ=RCで表される。次に、2つ目をオンした状態では、時間定数τ=RC/2で表される。更に、3つ目をオンした状態では、時間定数τ=RC/3で表される。このように、オンされる電源スイッチが増えるに従って時間定数は小さくなる。
図4(B)では、図4(A)に示すように、段階的に電源スイッチをオンした場合に、内部回路の電位VDDVが段階的に上昇する状態と、許容ノイズ量ΔV_target以下で変動する電圧Vの電圧変化ΔVの状態とを例示している。
複数の電源スイッチを段階的にオンすることにより、内部回路の電位VDDVは段階的に電源電圧VDDに達する。従って、各段の電源スイッチにかかる電圧4vは、内部回路の電位VDDVと電源電圧VDDとの差分で表され、段階的に減少して行く。
一方、電圧変化ΔVは、後段になるにつれ電位VDDVが上昇し、電源スイッチにかかる電圧4vが減少することにより、電源ノイズの最大値の減少部分4wが大きくなることが分かる。言い換えると、電源ノイズとして発生したとしても許容できる減少部分4wを、後段になるにつれ無駄にしていると考えられる。
また、図4(A)に示すように、後段になるにつれ時間定数τが小さくなることから、電圧変化ΔVによる電源ノイズが発生している時間4tが短い時間で落ち着いてくる様子が分かる。つまり、段階的な電源スイッチのオン間隔を一定間隔ΔTで一律に制御した場合、電源ノイズが落ち着いた後の時間が無駄に消費されてしまう。
発明者等は、(I)段階的に電源ノイズの最大値の減少4wが大きくなること、また、(II)段階的に電圧変化ΔVによる電源ノイズが短い時間で落ち着いてくることに着目し、(I)に対して段階毎に電源スイッチのサイズ(つまり、電流量)を決定し、また、(II)に対して段階毎にオンする時間間隔(つまり、遅延時間)を設けるようにした仕組みを見出した。
図5は、段階的駆動電圧制御に係る回路設計を解析する解析装置を説明するための図である。図5に例示される解析装置100は、CPUによって制御されるコンピュータ装置であり、段階的に電源スイッチをオン/オフするための各電源スイッチのサイズと、前段の電源スイッチがオンされてから自身がオンされるまでの各電源スイッチの時間間隔とを解析する段階的PSW解析部70を有する。
図5において、段階的PSW解析部70は、必要な電源スイッチのサイズの合計を示すPSW_totalと、許容ノイズ量を示すΔV_targetとを含む入力データ5を記憶領域から入力し、図6及び図7を用いて説明される基本設計フローに基づいて電源遮断回路モデル70mを決定し、電源スイッチ(PWS)の段数(個数)を示すm値と、m個の電源スイッチの各電流量を示す各PWSサイズと、電源スイッチをオンするタイミングに基づく前段のオンから次段のオンまでの遅延時間を示すPSWオン時間間隔とを含む出力データ6を記憶領域に出力する。各PWSサイズと、PSWオン時間間隔とは、設計パラメータとして扱われる。
電源遮断回路モデル70mは、パワーゲーティング(電源遮断)によって消費電力化を行うと共に電源供給をする観点において、複数段の電源スイッチを段階的にオンすることによって内部回路に電源供給する電源供給回路をシミュレーション用にモデル化したものとも言える。
電源遮断回路モデル70mでは、入力された必要な電源スイッチのサイズの合計(PSW_total)を満たすように電源スイッチの個数(m値)が決定され、また、許容ノイズ量(ΔV_target)を満たすように各電源スイッチのサイズ(PWSサイズ)が決定されている。
また、電圧変化ΔVによって電源ノイズが発生している時間4t(図4(B))に相当する遅延時間となるようにPSWオン時間間隔が決定されている。PSWオン時間間隔の総和が復帰時間となる。
段階的PSW解析部70での処理について図6及び図7で説明する。図6は、段階的PSW解析部での処理で用いられるシミュレーション回路モデルの例を示す図である。図6において、段階的PSW解析部70での処理で用いられるシミュレーション回路モデル72mは、パワーゲーティングされる内部回路7aをオン/オフするための複数の電源スイッチはPSW_AとPSW_Bの2つで表される電源ノイズ解析モデルである。
シミュレーション回路モデル72mでは、電源電圧VDDは外部からLSIに供給される電力を、コンデンサCloadは安定化容量を、抵抗Rleakはリーク電力をシミュレーションしている。また、シミュレーション回路モデル72mでは、PSW駆動バッファ7bを介して供給される電源をオンする制御信号によって、電源スイッチPSW_AとPSW_Bがオンされることをシミュレーションする。しかし、電源スイッチPSW_Aは常時ON状態でシミュレーションされる。
段階的PSW解析部70での処理において、電源スイッチPSW_Aは、前段部の全ての電源スイッチを表し、かつ、常にON状態とした上で、次段の電源スイッチPSW_Bをオンした際に発生する電源ノイズ(電圧変化ΔV)をシミュレーションする。許容ノイズ量(ΔV_target)を最大量としてぎりぎり満たす電源スイッチのサイズ(PWSサイズ)と電源ノイズが発生している時間4tから遅延時間(PSWオン時間間隔)とを決定する。
このようにして決定した次段の電源スイッチPSW_Bのサイズ(PWSサイズ)と遅延時間(PSWオン時間間隔)とを、前段の全ての電源スイッチPSW_Aに加算して、新たにPSW_Bを次段の電源スイッチとして、必要な電源スイッチのサイズの合計(PSW_total)を満たすまで上述した同様の処理を繰り返す。
図6に示すシミュレーション回路モデル72mを用いた段階的PSW解析部による処理を図7で説明する。図7は、段階的PSW解析部による基本設計フローを説明するためのフローチャート図である。
図7において、段階的PSW解析部70は、必要な電源スイッチのサイズの合計(PSW_total)と許容ノイズ量(ΔV_target)とを入力して所定記憶領域に設定し(ステップS11)、段数Nに1を設定し、PSW_Aサイズにゼロを設定して初期設定を行う(ステップS12)。
そして、段階的PSW解析部70は、電源スイッチPSW_Bをオンした時に発生する電源ノイズの最大値(ΔVmax)と、電源ノイズΔVが落ち着くまでの時間ΔTとをシミュレーションで求める(ステップS13)。
段階的PSW解析部70は、シミュレーションで求めた電源ノイズの最大値(ΔVmax)が許容ノイズ量(ΔV_target)以下であるか否かを判断する(ステップS14)。電源ノイズの最大値(ΔVmax)が許容ノイズ量(ΔV_target)以下である場合、段階的PSW解析部70は、電源スイッチPSW_Bのサイズを所定サイズ(ΔPSW_B)増加させて(ステップS14−5)、ステップS13へと戻り、上述した同様の処理を繰り返す。
一方、ステップS14で、電源ノイズの最大値(ΔVmax)が許容ノイズ量(ΔV_target)より大であると判断した場合、段階的PSW解析部70は、N段目の電源スイッチ(PSW)のサイズ(PSWn)をPSW_BサイズからステップS14−5の増加分ΔPSW_Bを減算したサイズとし、N段目のN+1段目の電源スイッチ(PSW)のオン時間間隔(ΔTn)を決定する(ステップS15)。PSW_Bサイズは、ノイズ制約を満足する中で最大のサイズとなる。
そして、段階的PSW解析部70は、PSW_AサイズとPSW_Bサイズとの合算値が、必要な電源スイッチのサイズの合計(PSW_total)より大であるか否かを判断する(ステップS16)。ここで、PSW_AサイズとPSW_Bサイズとの合算値とは、並列接続した場合(図4(A))の電流量の合算を意味する。
合算値が必要な電源スイッチのサイズの合計(PSW_total)以下である場合、段階的PSW解析部70は、段数Nを1増加させ、前段までの合算を示すPSW_Aサイズとして、現在のPSW_AサイズとPSW_Bサイズとの合算値を設定して(ステップS16−5)、ステップS13へ戻り、上述した同様の処理を繰り返す。
一方、合算値が必要な電源スイッチのサイズの合計(PSW_total)より大である場合、段階的PSW解析部70は、上述した処理にて得られた、段数Nと、各電源スイッチサイズと、各電源スイッチのオン時間間隔とを出力データ6として記憶領域に出力した後、この処理を終了する。
図8は、電源ノイズの時間変化を示すグラフ図である。図8において、縦軸に電源ノイズ[mV]を示し、横軸に時間[μs]を示し、電源スイッチPSW_Bがオンされた際の電源ノイズの変化を、前段までの合算を示すPSW_Aを考慮せずにシミュレーションした場合(PSW_A無8a)と、前段までの合算を示すPSW_Aを考慮している図6及び図7で説明した処理によるシミュレーションの場合(PSW_A有8b)とを比較して示している。PSW_A無8aは、例えば、固定サイズの電源スイッチを段階的にオンする場合のシミュレーションで得られる電源ノイズを示している。
図4(B)で説明したように、後段になるほど、電源スイッチPSW_Aのオン電流によってVDDVが上昇して電源スイッチの電圧減少を表現でき、その状態から電源スイッチPSW_Bをオンするので、電源ノイズの最大値ΔVmaxを正しく算出できる。従って、PSW_A有8bでは、PSW_A無8aのシミュレーションによる電源ノイズの最大値と比べて、減少分81の差がでる。
また、後段になるほど、PSW_AサイズとPSW_Bサイズとを合算した全電流量が大きくなる(抵抗値が小さくなる)ことによって、時間定数τ=RCの減少を表現できるため、次の電源スイッチをオンするまでの時間間隔ΔTを正しく算出できる。従って、PSW_A有8bでは、PSW_A無8aのシミュレーションによる時間間隔ΔTと比べて、短縮時間分82の差がでる。
図9は、必要な電源スイッチのサイズと時間間隔について説明するための図である。図9(A)では、次の電源スイッチPSW_Bのサイズと時間間隔ΔTについて説明する。縦軸に電源ノイズを電圧変化ΔVで示し、横軸に時間を示している。電源ノイズ波形91は、PSW_Bのサイズが許容ノイズ量ΔV_targetを超えた場合の波形例を示している。段階的PSW解析部70は、この許容ノイズ量ΔV_targetを超えない中でも最大の電源ノイズ波形92となる電源スイッチのサイズを決定する。
最小ノイズ量ΔVminは、電源ノイズが落ち着いたとみなすための、つまり、電源ノイズが収束したと判定するための収束判定量であり、電圧変化ΔVが、最小ノイズ量ΔVmin以下になると、電源ノイズ量が収束判定量以下となったと判断できる値である。最大の電源ノイズ波形92となる電源スイッチがオンされてから最小ノイズ量ΔVmin以下となる時間で次の電源スイッチをオンするオン時間間隔ΔT93として決定する。最大の電源ノイズ波形92と時間間隔ΔTとは対応付けられる。
図9(B)では、オンする総PSWサイズとVDDV到達点との関係97を示している。縦軸に内部回路の電位VDDV[V]を示し、横軸に総PSWサイズ[μm]を示している。関係97において、内部回路が起動するための電位VDDVの目標到達値96に達した総PSWサイズが必要な電源スイッチのサイズの合計(PSW_total)となる。
次に、電源ノイズが落ち着いたとみなす最小ノイズ量ΔVminの必要性について図10で説明する。図10は、最小ノイズ量を考慮して次段の許容ノイズ量を設定する方法を説明する図である。図10(A)では、n−1番目の電源スイッチが発生させる電源ノイズ波形10aを示している。電源ノイズ波形10aが最小ノイズ量ΔVmin以下に落ち着いてきた時間T1で次のn番目の電源スイッチがオンされる。
図10(B)では、n番目の電源スイッチが発生させる電源ノイズ波形10bを示している。電源ノイズ波形10bの最大値は、n−1番目の電源スイッチが発生させた電源ノイズ10aの時間T1を決定した最小ノイズ量ΔVminとなる残りの波形と電源ノイズ波形10bとを合計することによって決まる。従って、n−1番目の電源スイッチに対する許容ノイズ量(ΔV_target)よりも最小ノイズ量ΔVminだけ低い値をn番目の電源スイッチに対する許容ノイズ量(ΔV_target2)とする。
従って、図10(A)に示す電源ノイズ波形10aと図10(B)に示す電源ノイズ波形10bとが重畳した図10(C)に示す電源ノイズ波形10cように、最小ノイズ量ΔVminを考慮して次段の許容ノイズ量(ΔV_target)を調整して、電源スイッチのサイズを決定することによって、段階的に複数の電源スイッチを連続してオンするシミュレーションを実行しても、全体として許容ノイズ量(ΔV_target2)を超えることがない。
また、上述では、最小ノイズ量ΔVminを全ての段階で固定値として説明したが、各段で起動時間を短縮するために最小ノイズ量ΔVminを調整するようにしてもよい。
解析装置100は、図11に示すようなハードウェア構成を有する。図11は、解析装置のハードウェア構成を示す図である。図11において、解析装置100は、コンピュータによって制御される端末であって、CPU(Central Processing Unit)11と、メモリユニット12と、表示ユニット13と、出力ユニット14と、入力ユニット15と、通信ユニット16と、記憶装置17と、ドライバ18とを有し、システムバスBに接続される。
CPU11は、メモリユニット12に格納されたプログラムに従って解析装置100を制御する。メモリユニット12には、RAM(Random Access Memory)及びROM(Read-Only Memory)等が用いられ、CPU11にて実行されるプログラム、CPU11での処理に必要なデータ、CPU11での処理にて得られたデータ等を格納する。また、メモリユニット12の一部の領域が、CPU11での処理に利用されるワークエリアとして割り付けられている。
表示ユニット13は、CPU11の制御のもとに必要な各種情報を表示する。出力ユニット14は、プリンタ等を有し、ユーザからの指示に応じて各種情報を出力するために用いられる。入力ユニット15は、マウス、キーボード等を有し、ユーザが解析装置100が処理を行なうための必要な各種情報を入力するために用いられる。通信ユニット16は、例えばインターネット、LAN(Local Area Network)等に接続し、外部装置との間の通信制御をするための装置である。記憶装置17には、例えば、ハードディスクユニットが用いられ、各種処理を実行するプログラム等のデータを格納する。
解析装置100よって行われる処理を実現するプログラムは、例えば、CD−ROM(Compact Disc Read-Only Memory)等の記憶媒体19によって解析装置100に提供される。即ち、プログラムが保存された記憶媒体19がドライバ18にセットされると、ドライバ18が記憶媒体19からプログラムを読み出し、その読み出されたプログラムがシステムバスBを介して記憶装置17にインストールされる。そして、プログラムが起動されると、記憶装置17にインストールされたプログラムに従ってCPU11がその処理を開始する。尚、プログラムを格納する媒体としてCD−ROMに限定するものではなく、コンピュータが読み取り可能な媒体であればよい。本実施例に係る処理を実現するプログラムは、通信ユニット16によってネットワークを介してダウンロードし、記憶装置17にインストールするようにしても良い。また、USB対応の解析装置100であれば、USB接続可能な外部記憶装置からインストールするようにしても良い。更に、SDカード等のフラッシュメモリ対応の解析装置100であれば、そのようなメモリカードからインストールするようにしても良い。
解析装置100の段階的PSW解析部70にて、図9で説明した最小ノイズ量ΔVminを考慮した設計フローについて図12で説明する。図12は、最小ノイズ量を考慮した設計フローを説明するための図である。図12において、段階的PSW解析部70は、入力データ5−1をユーザから取得し処理に必要なパラメータを設定する(ステップS21)。
ユーザは、入力データ5−1として、少なくとも許容ノイズ量ΔV_targetと、必要な電源スイッチのサイズの合計を示すPSW_totalとを段階的PSW解析部70へ入力する。また、ユーザによって、電源ノイズが落ち着き収束したと判定する最小ノイズ量ΔVminと、シミュレーションによる電源スイッチの所定増分サイズΔPSWとを、オプションとして入力可能としてもよい。最小ノイズ量ΔVminと、所定増分サイズΔPSWのいずれか一方又は両方が入力されなかった場合、段階的PSW解析部70は、電圧変化ΔVと、電源スイッチのサイズ合計PSW_totalとから自動計算する。
段階的PSW解析部70は、段数Nに1を設定し、電源スイッチPSW_Aにゼロを設定し(ステップS22)、所定増分サイズΔPSWを次段の電源スイッチPSW_Bのサイズとして設定する(ステップS23)。
そして、段階的PSW解析部70は、電源スイッチPSW_Bをオンした時に発生する電源ノイズの最大値(ΔVmax)と、電源ノイズΔVが最小ノイズ量ΔVmin以下となるまでの時間ΔTとを、シミュレーション回路モデル72m(図6)を用いたシミュレーションで求める(ステップS24)。
段階的PSW解析部70は、シミュレーションの実行結果が判定条件(*1)を満たすか否かを判断する(ステップS25)。判定条件(*1)は、
A=0の時、ΔVmax > ΔV_target を満たすか否か、
A≠0の時、ΔV_target2=ΔV_target−ΔVminとし、
ΔVmax > ΔV_target2 を満たすか否か、
である。
段階的PSW解析部70は、シミュレーションの実行結果がこの判定条件(*1)を満たさないと判断した場合、PSW_AサイズとPSW_Bサイズの合計が電源スイッチのサイズ合計PSW_totalより大きいか否かを判断する(ステップS25−2)。PSW_AサイズとPSW_Bサイズの合計がサイズ合計PSW_total以下である場合、段階的PSW解析部70は、PSW_Bサイズに所定増分サイズΔPSWを加算してステップS24へと戻り、上述した同様の処理を繰り返す。
一方、PSW_AサイズとPSW_Bサイズの合計が電源スイッチのサイズ合計PSW_totalより大きいと判断した場合、段階的PSW解析部70は、ステップS27へと進む。
ステップS25にて、シミュレーションの実行結果が判定条件(*1)を満たすと判断した場合、段階的PSW解析部70は、PSW_Bサイズから所定増分サイズΔPSWを減算した値をPSW_Bサイズとする(ステップS26)。
その後、段階的PSW解析部70は、N段目のPSWnにPSW_Bサイズを設定し、N段目のオン時間間隔ΔTnに時間ΔTを設定して、N段目のシミュレーションの実行結果を記憶領域に保存する(ステップS27)。
そして、段階的PSW解析部70は、PSW_AサイズとPSW_Bサイズの合計が電源スイッチのサイズ合計PSW_totalより大きいか否かを判断する(ステップS28)。PSW_AサイズとPSW_Bサイズの合計がサイズ合計PSW_total以下である場合、段階的PSW解析部70は、段数Nを1増加させ、前段までの合算を示すPSW_Aサイズとして、現在のPSW_AサイズとPSW_Bサイズとの合算値を設定して(ステップS28−2)、ステップS23へ戻り、上述した同様の処理を繰り返す。
一方、合算値が必要な電源スイッチのサイズの合計(PSW_total)より大である場合、段階的PSW解析部70は、上述した処理にて得られた、段数Nと、各電源スイッチサイズ(PSWn)と、各電源スイッチのオン時間間隔(ΔTn)とを出力データ6−1として記憶領域に出力した後、この処理を終了する。
次に、最小ノイズ量Δminを調整して、内部回路をオンしてから供給される電圧VDDVが起動可能な電位となるまでの復帰時間を短縮するようにした処理について図13で説明する。図13は、最小ノイズ量の調整によって復帰時間を短縮するようにした設計フローを説明するための図である。図13において、段階的PSW解析部70は、入力データ5−2をユーザから取得し処理に必要なパラメータを設定する(ステップS31)。
ユーザは、入力データ5−1として、少なくとも許容ノイズ量ΔV_targetと、必要な電源スイッチのサイズの合計を示すPSW_totalとを段階的PSW解析部70へ入力する。また、ユーザによって、電源ノイズが落ち着き収束したと判定する最小ノイズ量ΔVminの所定増分量Δdivと、シミュレーションによる電源スイッチの所定増分サイズΔPSWとを、オプションとして入力可能としてもよい。最小ノイズ量ΔVminの所定増分量Δdivと、所定増分サイズΔPSWのいずれか一方又は両方が入力されなかった場合、段階的PSW解析部70は、電圧変化ΔVと、電源スイッチのサイズ合計PSW_totalとから自動計算する。
段階的PSW解析部70は、段数Nに1を設定し、電源スイッチPSW_Aにゼロを設定し(ステップS32)、所定増分サイズΔPSWを次段の電源スイッチPSW_Bのサイズとして設定する(ステップS33)。
そして、段階的PSW解析部70は、電源スイッチPSW_Bをオンした時に発生する電源ノイズの最大値(ΔVmax)と、電源ノイズΔVが最小ノイズ量ΔVmin以下となるまでの時間ΔTとを、シミュレーション回路モデル72m(図6)を用いたシミュレーションで求める(ステップS34)。
段階的PSW解析部70は、シミュレーションの実行結果が判定条件(*1a)を満たすか否かを判断する(ステップS35)。判定条件(*1a)は、
A=0の時、ΔVmax > ΔV_target を満たすか否か、
A≠0の時、ΔV_target2=ΔV_target−ΔVminとし、
ΔVmax > ΔV_target2 を満たすか否か、
である。
段階的PSW解析部70は、シミュレーションの実行結果がこの判定条件(*1a)を満たさないと判断した場合、PSW_AサイズとPSW_Bサイズの合計が電源スイッチのサイズ合計PSW_totalより大きいか否かを判断する(ステップS35−2)。PSW_AサイズとPSW_Bサイズの合計がサイズ合計PSW_total以下である場合、段階的PSW解析部70は、PSW_Bサイズに所定増分サイズΔPSWを加算してステップS34へと戻り、上述した同様の処理を繰り返す。
一方、PSW_AサイズとPSW_Bサイズの合計が電源スイッチのサイズ合計PSW_totalより大きいと判断した場合、段階的PSW解析部70は、ステップS37へと進む。
ステップS35にて、シミュレーションの実行結果が判定条件(*1)を満たすと判断した場合、段階的PSW解析部70は、PSW_Bサイズから所定増分サイズΔPSWを減算した値をPSW_Bサイズとする(ステップS36)。
その後、段階的PSW解析部70は、最小ノイズ量ΔVminを有するN段目のPSWn(ΔVmin)にPSW_Bサイズを設定し、最小ノイズ量ΔVminを有するN段目のオン時間間隔ΔTn(ΔVmin)に時間ΔTを設定して、N段目のシミュレーションの実行結果を記憶領域に保存する(ステップS37)。
そして、段階的PSW解析部70は、PSW_AサイズとPSW_Bサイズの合計が電源スイッチのサイズ合計PSW_totalより大きいか否かを判断する(ステップS38)。PSW_AサイズとPSW_Bサイズの合計がサイズ合計PSW_total以下である場合、段階的PSW解析部70は、段数Nを1増加させ、前段までの合算を示すPSW_Aサイズとして、現在のPSW_AサイズとPSW_Bサイズとの合算値を設定して(ステップS28−2)、ステップS23へ戻り、上述した同様の処理を繰り返す。
一方、合算値が必要な電源スイッチのサイズの合計(PSW_total)より大である場合、段階的PSW解析部70は、判定条件(*2a)を満たすか否かを判断する(ステップS39)。判定条件(*2a)は、
ΔVmin + ΔV_div < (1/2) * ΔV_target2
を満たすか否か、である。
判定条件(*2a)を満たす場合、段階的PSW解析部70は、最小ノイズ量ΔVminに所定増加分ΔV_divを加算して(ステップS39−2)、ステップS32へと戻り、上述した同様の処理を最初の段から再度実行する。
一方、判定条件(*2a)を満たさない場合、PSW解析部70は、オン時間間隔ΔTn(ΔVmin)を最小とする最小ノイズ量ΔVminを算出する処理(*3a)を行う(ステップS40)。
処理(*3a)では、PSW解析部70は、最小ノイズ量ΔVminを有するn段目のオン時間間隔ΔTn(ΔVmin)(n=1、2、3、・・・、m)の合計となるTsum(ΔVmin)が最小となる最小ノイズ量ΔVminを算出する。算出した合計のTsum(ΔVmin)が最小となる最小ノイズ量ΔVminとした場合の各段の電源スイッチPSWn(ΔVmin)を各段の電源スイッチサイズPSWn(n=1、2、3、・・・、m)とし、また、その最小ノイズ量ΔVminとした場合のオン時間間隔ΔTn(ΔVmin)を各段のオン時間間隔ΔTn(n=1、2、3、・・・、m)として記憶領域に出力し、この処理を終了する。
上述した段階的PSW解析部70による段毎の電源スイッチのサイズPSWn及び段毎のオン時間間隔ΔTnの算出結果に基づいて、遅延回路の構成を決定し、電源遮断回路に係るネットリストを出力するための機能構成例について図14で説明する。
図14は、遅延回路を決定するための機能構成例を示す図である。図14において、解析装置100において、ユーザによって入力された入力データ5−1又は5−2を用いた段階的PSW解析部70による処理が実行され、出力データ6−1又は6−2が記憶領域に出力される(図12又は図13)。
解析装置100は、段階的PSW解析部70による処理の終了に応じて、又は、ユーザによる操作に応じて、遅延回路決定部76を起動させて、遅延回路の構成を決定し、電源遮断回路に係るネットリストを出力する。
遅延回路決定部76では、物理ライブラリ14pを用いて、段毎の電源スイッチの個数及び遅延回路の個数を決定する。
物理ライブラリ14pは、電源スイッチ用にサイズWμmの(例えば、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)等)の物理データで表される電源スイッチ回路PSWlimと、段毎の遅延回路用に1個でTsecの遅延時間を実現する回路の物理データで表される遅延回路Dlimとを有する。物理ライブラリ14pにおいて、例えば、電源スイッチ回路PSWlimは電源スイッチ1個のサイズWを100μmで示し、遅延回路Dlimは回路1個の遅延時間Tを100psecで示している。
遅延回路決定部76は、物理ライブラリ14pを参照して電源スイッチ1個のサイズWμmを取得し、記憶領域から段毎の電源スイッチのサイズPSWnを読み出して、取得したサイズWμmで除算することによって、個数M_nを算出する(n=1、2、3、・・・、m)。
また、遅延回路決定部76は、物理ライブラリ14pを参照して遅延回路1個の遅延時間Tpsecを取得し、記憶領域から段毎のオン時間間隔ΔTnを読み出して、取得した遅延時間Tpsecで除算することによって、個数L_nを算出する(n=1、2、3、・・・、m)。
そして、遅延回路決定部76は、全ての段について個数M_n及び個数L_n算出すると、段毎に、電源スイッチ回路PSWlimの個数M_nと、遅延回路Dlimの個数L_nとを、回路構成データ14rとして記憶領域に出力する。
出力された回路構成データ14rは、更に、段毎に接続情報を与えることによって、電源遮断回路のネットリスト51として記憶領域に出力される。接続情報では、段毎に個数M_nの電源スイッチ回路PSWlimが並列に接続されること、段毎に個数L_nの遅延回路Dlimが直列に接続されることが示される。
電源ノイズを解析する解析装置100は、上述したように、段階的PSW解析部70と遅延回路決定部76とを有する構成とすることによって、例えば、図15に示すような電源遮断回路のネットリストを生成する。図15は、電源遮断回路のネットリストの例を示す図である。
図15に示すネットリスト51では、1段目として、個数L_1の遅延回路Dlimが直列に接続された1段目の遅延回路構成D1と、個数M_1の電源スイッチ回路PSWlimが並列に接続された1段目のPSW回路構成P1とを示す。2段目として、個数L_2の遅延回路Dlimが直列に接続された2段目の遅延回路構成D2と、個数M_2の電源スイッチ回路PSWlimが並列に接続された2段目のPSW回路構成P2とを示す。3段目以降n段目まで同様に、3段目の遅延回路構成D3及びPSW回路構成P3、・・・n段目の遅延回路構成Dn及びPSW回路構成Pnとが示される。
このような電源遮断回路のネットリスト51によって表される電源遮断回路の一例として、図16に示す。図16は、電源遮断回路の例を示す図である。図16に示す電源遮断回路78は、段毎において許容ノイズ量ΔV_target以下で最大のノイズ量となるように、段々と電源スイッチのサイズを大きくすると共に、段毎において電源スイッチをオンしてから電源ノイズが収束したと判定される最小ノイズ量ΔVmin以下となった時間がオン時間間隔ΔTとなるように、段々と遅延時間を短くした構成となっている。
この構成では、図17に示すように、PSWサイズを後段につれて大きくすることにより、電源スイッチPSWの段数を少なくすることができ、更に、オン時間間隔ΔTnを後段につれて短くすることにより、内部回路への電源供給の開始(初段の電源スイッチをオンして)から最後の電源スイッチをオンした後に内部回路の起動に十分な電圧に到達するまでの復帰時間を大幅に短縮することができる。
図13による最小ノイズ量ΔVminを調節した設計フローを適応した場合では、電源スイッチPSWのサイズは、例えば、初段が大きく、2段目が小さく設計される場合もある。このような構成においても、電源スイッチPSWの段数を少なくし、復帰時間を短縮することができる。
以上の説明に関し、更に以下の項を開示する。
(付記1)
複数段の電源スイッチを段階的にオンすることによって内部回路に電源供給する電源供給回路を解析する解析装置であって、
前段までの電源スイッチをオン状態とし、オンすることによって発生する許容ノイズ量を超えない最大電源ノイズ量となる電源スイッチサイズを次段の電源スイッチとして決定する電源スイッチサイズ決定手段と、
前記次段の電源スイッチサイズによる電源ノイズが前記オンされてから収束判定量以下となるまでの時間をオン時間間隔として決定するオン時間間隔決定手段とを有する解析装置。
(付記2)
前記電源スイッチサイズは、前記電源スイッチの電流量を示し、
前記複数段ある電源スイッチサイズの合計値は、電源供給される内部回路の消費電流の供給サイズであることを特徴とする付記1記載の解析装置。
(付記3)
各段の電源スイッチサイズの合計値が前記内部回路の消費電流の供給サイズに達すると、電源スイッチの段数を決定する段数決定手段を更に有することを特徴とする付記2記載の解析装置。
(付記4)
前記電源スイッチサイズ決定手段は、前段までに決定した電源スイッチサイズの合計値を反映した第一電源スイッチと、次段の電源スイッチサイズを解析するための第二電源スイッチとを含む電源ノイズ解析モデルを用いて、前記オンすることによって発生する電源ノイズをシミュレーションすることを特徴とする付記3記載の解析装置。
(付記5)
1段目の電源スイッチサイズ及び2段目の電源スイッチに関し、
前記電源スイッチサイズ決定手段は、前記第一電源スイッチのサイズをゼロに設定し、オンする時の最大電源ノイズ量が、前記許容ノイズ量を超えない第二電源スイッチの最大サイズを1段目の電源スイッチサイズに設定し、
前記オン時間間隔決定手段は、電源ノイズ量が前記収束判定量以下の値になるまでの時間を2段目の電源スイッチとのオン時間間隔とすることを特徴とする付記4記載の解析装置。
(付記6)
2段目以降のn段目の電源スイッチサイズ及び(n+1)段目の電源スイッチに関し、
前記電源スイッチサイズ決定手段は、前記許容ノイズ量から前記収束判定量を差し引いた値を超えない最大電源ノイズ量となる電源スイッチサイズをn段目の電源スイッチサイズとし、
前記オン時間間隔決定手段は、前記最大電源ノイズ量が前記収束判定量以下の値になるまでの時間を(n+1)段目の電源スイッチとのオン時間間隔とすることを特徴とする付記1乃至5記載の解析装置。
(付記7)
前記収束判定量は、それより前段の電源スイッチオンによる電源ノイズ量が、ほぼ無視できるレベルに落ちている所であることを特徴とする付記1乃至5記載の解析装置。
(付記8)
前記電源スイッチサイズ決定手段は、前記収束判定量を変更しながら各段の電源スイッチサイズを決定し、
前記オン時間間隔決定手段は、変更した前記収束判定量に基づいて、各段のオン時間間隔の総和が最小値になる時の各段のオン時間間隔を選択して決定することを特徴とする付記1乃至6のいずれか一項記載の解析装置。
(付記9)
コンピュータが複数段の電源スイッチを段階的にオンすることによって内部回路に電源供給する電源供給回路を解析する解析方法であって、該コンピュータが、
前段までの電源スイッチをオン状態とし、オンすることによって発生する許容ノイズ量を超えない最大電源ノイズ量となる電源スイッチサイズを次段の電源スイッチとして決定する電源スイッチサイズ決定手順と、
前記次段の電源スイッチサイズによる電源ノイズが前記オンされてから収束判定量以下となるまでの時間をオン時間間隔として決定するオン時間間隔決定手順とを実行する解析方法。
(付記10)
内部回路に段階的に電源供給する際に、各段の電源スイッチが順次オンされる際に発生し重畳した電源ノイズの最大量が許容ノイズ量を超えない電源スイッチサイズとした複数段の電源スイッチと、
前記複数段の電源スイッチを1段ずつ遅延させてオンするために、各段の電源スイッチのオン時間間隔を設定した遅延手段と、
を有する半導体装置。
本発明は、具体的に開示された実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形や変更が可能である。
2 LSI
3 PMU
5、5−1、5−2 入力データ
6、6−1、6−2 出力データ
7a 内部回路
7b PSW駆動バッファ
10a、10b、10c 電源ノイズ波形
11 CPU
12 メモリユニット
13 表示ユニット
14 出力ユニット
15 入力ユニット
16 通信ユニット
17 記憶装置
18 ドライバ
19 記憶媒体
51 ネットリスト
70 段階的PSW解析部
70m 電源遮断回路モデル
91 電源ノイズ波形
92 最大の電源ノイズ波形
93 オン時間間隔ΔT
95 PSW_total
96 目標到達値
100 解析装置

Claims (5)

  1. 複数段の電源スイッチを段階的にオンすることによって内部回路に電源供給する電源供給回路を解析する解析装置であって、
    前段までの電源スイッチをオン状態とし、オンすることによって発生する許容ノイズ量を超えない最大電源ノイズ量となる電源スイッチサイズを次段の電源スイッチとして決定する電源スイッチサイズ決定手段と、
    前記次段の電源スイッチサイズによる電源ノイズが前記オンされてから収束判定量以下となるまでの時間をオン時間間隔として決定するオン時間間隔決定手段とを有する解析装置。
  2. 前記電源スイッチサイズは、前記電源スイッチの電流量を示し、
    前記複数段ある電源スイッチサイズの合計値は、電源供給される内部回路の消費電流の供給サイズであることを特徴とする請求項1記載の解析装置。
  3. 各段の電源スイッチサイズの合計値が前記内部回路の消費電流の供給サイズに達すると、電源スイッチの段数を決定する段数決定手段を更に有することを特徴とする請求項2記載の解析装置。
  4. 前記電源スイッチサイズ決定手段は、前段までに決定した電源スイッチサイズの合計値を反映した第一電源スイッチと、次段の電源スイッチサイズを解析するための第二電源スイッチとを含む電源ノイズ解析モデルを用いて、前記オンすることによって発生する電源ノイズをシミュレーションすることを特徴とする請求項3に記載の解析装置。
  5. 内部回路に段階的に電源供給する際に、各段の電源スイッチが順次オンされる際に発生し重畳した電源ノイズの最大量が許容ノイズ量を超えない電源スイッチサイズとした複数段の電源スイッチと、
    前記複数段の電源スイッチを1段ずつ遅延させてオンするために、各段の電源スイッチのオン時間間隔を設定した遅延手段と、
    を有する半導体装置。
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