JP2011198871A - 誘導機器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】環状のコア体11と、コア体11に対して接続され、コア体11を外部構造体としてのケース体33に固定する固定部材としての板バネ26とを備えた誘導機器としてのリアクトル10であって、コア体11は、第1ブロックコアとしてのU字型ブロックコア12、13と、該U字型ブロックコア12、13とギャップを設けて配置される第2ブロックコアとしてのI字型ブロックコア14〜17とを有し、板バネ26は、ケース体33に接続可能な平面部27と、コア体11にモールド部34を介して接続され、平面部27の延在する第1方向31に対して平行となるように平面部27に立設されたリブ部28、29とを有し、ブロックコアの配列方向35と、リブ部28、29の幅方向とが平行となるように接続されている。
【選択図】 図4
Description
また、平面部の延在する方向と、ブロックコアの配列方向とが平行となっているので、従来技術と比較して、誘導機器の周囲におけるデッドスペースを小さくすることが可能である。
以下、第1の実施形態に係るリアクトル10の固定構造を図1〜図4に基づいて説明する。
図1及び図2に示すように、誘導機器としてのリアクトル10の固定構造は、環状のコア体11と、コア体11に対して巻回して形成されたコイル24、25とで構成されたリアクトル10を固定部材としての複数の板バネ26(26A、26B、26C、26D)を介在させて外部構造体としてのケース体33に固定する構造を有している。リアクトル10とケース体33とは、直接接触していない。
U字型ブロックコア12、13は、U字型に湾曲した形状を有し、断面矩形の同一形状をしている。I字型ブロックコア14、15、16、17は、直線状に延びる形状を有し、断面矩形の同一形状をしている。
U字型ブロックコア12とI字型ブロックコア14との間のギャップには、スペーサ18が配置されている。I字型ブロックコア14とI字型ブロックコア15との間のギャップには、スペーサ19が配置されている。I字型ブロックコア15とU字型ブロックコア13との間のギャップには、スペーサ20が配置されている。
スペーサ18、19、20、21、22、23としては、非磁性で耐熱性を有する材料を使用している。
互いに隣り合って配列された複数のブロックコアは、図2に矢印で示す方向に並んで配置されており、この矢印で示す方向をブロックコアの配列方向35とする。
コイル24及びコイル25は、互いに並列配置され、一方の端部で互いに連結されると共に、他方の端部で前方に突出する引出し部24A及び引出し部25Aをそれぞれ備えている。引出し部24A及び引出し部25Aは、図示しない電気回路と接続されている。平角線としてはエナメル等により絶縁処理された銅線を使用している。
板バネ26は、平板から形成され、リブ部28、29は平面部27を直角に折り曲げた形状を有し、平面部27とリブ部28、29とは平面部27の延在方向に沿って平行に延びるように線状に接続されている。リブ部28、29は平面部27の幅方向両端部より互いに対向して平行に立設されている。平面部27の延在方向を第1方向31とし、第1方向31に直角でリブ部28、29が並設された方向を第2方向32とすると、リブ部28、29は、幅方向が第1方向31に対して平行となるように立設されている。
板バネ26は、弾性を有する金属材料から形成されており、プレスによる打ち抜き及びリブ部28、29の曲げ加工により容易に成形できる。
板バネ26は、図1及び図4に示すように、一つのリアクトル10に対して同一形状を有する4つの板バネ26A、26B、26C、26Dからなる。なお、総称して用いる場合には板バネ26とし、個別に用いる場合には、板バネ26A、26B、26C、26Dとする。
板バネ26A、26B、26C、26Dは、コア体11の四隅にそれぞれ設置されており、リブ部28、29がコア体11に対して接続され、平面部27が挿通孔30に挿通されたボルト36を介してケース体33に接続可能に設けられている。
モールド部34は、PPS(Polyphenylene Sulfide)等の高耐熱樹脂で形成されている。
板バネ26A、26B、26C、26Dは、第1方向31がブロックコアの配列方向35と平行となるように、リブ部28、29が形成された端部をコア体11側に向け挿通孔30が形成された端部を外側に向けて、それぞれ配置されている。
板バネ26A、26B、26C、26Dは、リブ部28、29を介してモールド部34にそれぞれ支持されている。
また、図1に示すように、板バネ26A、26B、26C、26Dは、平面部27がコア体11の上下方向の高さ距離のほぼ中間位置に位置するようにモールド部34にそれぞれ支持されている。
ベース部33B上に板バネ26A、26B、26C、26Dの平面部27を載置させ、凹み部33Aにリアクトル10の下部を配置して、挿通孔30にボルト36をそれぞれ挿通させて、ベース部33Bに形成された図示しないネジ孔に螺合させることにより、リアクトル10はケース体33に固定されている。なお、リアクトル10とケース体33とは直接接触しておらず、板バネ26A、26B、26C、26Dを介して接続されている。
引出し部24A、25Aと接続された電気回路を介してコイル24、25に直流電流が流れると、図2に示すように、I字型ブロックコア14、15、16、17及びU字型ブロックコア12、13によって構成される環状のコア体11内に磁束が発生し、磁束は図2に矢印で示すようにコア体11内部の閉磁路を通る。(左回り方向)
(1)板バネ26は、平面部27と平面部27の端部に形成されたリブ部28、29とを有し、リブ部28、29は、対向配置されると共に幅方向が第1方向31に対して平行となるように平面部27と接続されて立設されている。そして、板バネ26A、26B、26C、26Dは、第1方向31がブロックコアの配列方向35と平行となるように配置されているので、板バネ26A、26B、26C、26Dの剛性が高くなる方向と、コア体11で生じる振動の振幅が最も大きくなる振動方向とが一致する。よって、板バネ26A、26B、26C、26Dの剛性が向上していることにより板バネの固有振動周波数を高く設定することができるため、コア体11で生じた板バネの固有振動周波数よりも低い周波数の振動を板バネ26A、26B、26C、26Dによって減衰させ、ケース体33への振動の伝達を抑制することができる。従って、リアクトル10の振動方向におけるNV性能を改善することが可能である。
(2)リブ部28、29は平面部27の幅方向両端部より対向して2箇所に立設されているので、最も振動の大きいブロックコアの配列方向35に対して一層高い剛性を維持することが可能である。
(3)板バネ26A、26B、26C、26Dは、第2方向32がブロックコアの配列方向35と直交するように配置されているので、板バネ26A、26B、26C、26Dの剛性が低くなる方向と、コア体11で生じる振動の振幅が最も小さくなる方向とが一致する。従って、コア体11で振動が生じても、第2方向32に伝達される振動成分は小さいことにより、板バネ26A、26B、26C、26Dの変形は小さく、ケース体33への振動の伝達は小さくて済む。
(4)板バネ26A、26B、26C、26Dは、モールド部34に支持されているので、コア体11からケース体33に伝達される振動をモールド部34によって減衰させることができる。
(5)板バネ26A、26B、26C、26Dにおける平面部27の延在する第1方向31と、ブロックコアの配列方向35とが平行となっているので、斜めに配置された従来技術と比較して、リアクトル10の周囲におけるデッドスペース(特に、コア体11の長辺側の側部周辺のスペース)を小さくすることが可能である。
次に、第2の実施形態に係るリアクトル40の固定構造を図5及び図6に基づいて説明する。
この実施形態は、第1の実施形態における板バネ26の形状を変更したものであり、その他の構成は共通である。
従って、ここでは説明の便宜上、先の説明で用いた符号を一部共通して用い、共通する構成についてはその説明を省略し、変更した個所のみ説明を行う。
板バネ41は、平板から形成され、リブ部43は平面部42を直角に折り曲げた形状を有し、平面部42とリブ部43とは平面部42の延在方向に沿って平行に延びるように線状に接続されている。平面部42の延在方向を第1方向45とし、第1方向45に直角な方向を第2方向46とすると、リブ部43は、幅方向が第1方向45に対して平行となるように立設されている。
なお、板バネ41は、第1の実施形態における板バネ26に対してリブ部を2箇所から1箇所に変更したものであり、その他の構造は同等である。
板バネ41は、図6に示すように、一つのリアクトルに対して同一形状を有する4つの板バネ41A、41B、41C、41Dからなる。なお、総称して用いる場合には板バネ41とし、個別に用いる場合には、板バネ41A、41B、41C、41Dとする。
板バネ41A、41B、41C、41Dは、第1方向45がブロックコアの配列方向35と平行となるように、リブ部43が形成された端部をコア体11側に向け挿通孔44が形成された端部を外側に向けて、それぞれ配置されている。
板バネ41A、41B、41C、41Dは、リブ部43を介してモールド部34にそれぞれ支持されている。
その他の作用効果については、第1の実施形態における(3)〜(5)の作用効果と同等であり説明を省略する。
○ 第1及び第2の実施形態では、板バネに平面部の延在する第1方向と平行にリブ部を立設するとして説明したが、図7に示すように、平面部52の延在する第1方向57と平行にリブ部53、54を立設すると共に、平面部52の延在する第1方向57と垂直方向(第2方向58)に延びる幅を有する別のリブ部55を設けても良い。この場合には、第1方向57の剛性アップに加えて、第2方向58の剛性アップを図ることが可能となり、振動に対する設計の許容幅を拡大できる。
○ また、図7(b)に二点鎖線で示すように、リブ部53、54に、第1方向57に傾斜するテーパ53A、54Aを設けても良い。この場合には、板バネ51に加わる第1方向57の外力に対して引っ張り方向の剛性を向上させるとこができ、より高い固有振動周波数を得ることができる。
○ 図7において、リブ部53、54、55の高さ距離をhとし、リブ部53、54の幅距離をm、リブ部55の幅距離をnとすれば、高さ距離h又は幅距離m、nをそれぞれ変更することにより、板バネ51における第1方向57又は第2方向58の剛性を調整可能である。
○ 第1及び第2の実施形態では、コア体と板バネとは、モールド部を介して間接的に接続されているとして説明したが、モールド部を介さずにコア体に板バネを直接接続させても良い。
○ 第1及び第2の実施形態では、コア体11は、第1ブロックコアに相当するU字型ブロックコア12、13と、第2ブロックコアに相当するI字型ブロックコア14〜17とを有するとして説明したが、コア体の形状はこれに限定されない。即ち、第1ブロックコアが一方のU字型ブロックコア12で、第2ブロックコアが他方のU字型ブロックコア13としても良い。この場合、U字型ブロックコア12、13間に、ギャップが設けられる。また、U字型ブロックコア12、13間に配列されるI字型ブロックコア14〜17の数を変更しても良い。
○ 第1及び第2の実施形態では、リアクトルとして説明したが、トランスに適用しても良い。
11 コア体
12、13 U字型ブロックコア
14〜17 I字型ブロックコア
18〜23 スペーサ
24、25 コイル
26、41 板バネ(総称)
26A〜26D、41A〜41D 板バネ
27、42 平面部
28、29、43 リブ部
30、44 挿通孔
31、45 第1方向
32、46 第2方向
33 ケース体
34 モールド部
35 ブロックコアの配列方向
Claims (5)
- 環状のコア体と、前記コア体に対して直接又は間接的に接続され、前記コア体を外部構造体に固定する固定部材とを備えた誘導機器であって、
前記コア体は、第1ブロックコアと、該第1ブロックコアとギャップを設けて配列される第2ブロックコアとを有し、
前記固定部材は、前記外部構造体に接続可能な平面部と、前記コア体に直接または間接的に接続されるリブ部とを有し、前記平面部は前記第1ブロックコアと前記第2ブロックコアの配列方向に対して平行方向に延在するものであり、前記リブ部は前記平面部より立設されて前記平面部の延在する方向と平行方向に延びる幅を有することを特徴とする誘導機器。 - 前記平面部と前記リブ部とは前記平面部の延在方向に沿って平行に延びるように線状に接続されていることを特徴とする請求項1に記載の誘導機器。
- 前記リブ部は、前記平面部の幅方向両端部より対向して複数立設されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の誘導機器。
- 前記リブ部は、更に前記平面部の端部より立設されて前記平面部の延在する方向と垂直方向に延びる幅を有する別のリブ部を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の誘導機器。
- 前記リブ部は、前記コア体を一体的に樹脂モールドするモールド部に支持され、前記平面部には、前記外部構造体に固定するボルトの挿通孔が形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の誘導機器。
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