JP2011198785A - 裏面電極および太陽電池ならびに製造方法および製造装置 - Google Patents

裏面電極および太陽電池ならびに製造方法および製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】太陽電池の裏面電極に一様な凹凸構造を容易に形成する。
【解決手段】 本発明のある態様においては、基板9に形成される第1金属層1と、ナノ粒子などの微粒子3と、その微粒子3を覆う第2金属層2とを備える太陽電池用裏面電極10が提供される。第2金属層2は第1金属層1と導通してその面2Fが凹凸構造を有する。微粒子3は好ましくは、原料溶液が供給されるスプレーノズル110と第1金属層1との間に印加された電圧の作用によって、噴霧されて原料溶液の液滴としてまたはその液滴に含めて放たれて第1金属層1の面の上に到達した微粒子とされる。マスク5により微粒子3を選択的に配置すると凹凸構造の寸法・形状・配列が制御され好ましい。
【選択図】 図1

Description

本発明は、裏面電極および太陽電池ならびにその製造方法および製造装置に関する。さらに詳細には、本発明は、凹凸構造を有する導電性反射面が形成された太陽電池の裏面電極およびその裏面電極を備える太陽電池ならびにそれらの製造方法および製造装置に関する。
近年、太陽光発電のための主要な電気・電子部品装置(デバイス)として、太陽電池が広く用いられている。太陽電池には単結晶及び多結晶シリコンが用いられている。しかし、シリコンウエハー等の太陽電池の原料素材は、製造するための環境負荷が高いばかりか供給量が不足すると価格の高騰を招いているのが実情である。このため、低い環境負荷を実現するとともに省資源で製造することが可能な薄膜太陽電池が注目されている。このような薄膜太陽電池には、非晶質(アモルファス)、微結晶(マイクロクリスタル)、多結晶といった種々の結晶性を有する薄膜の光電変換層すなわち発電層を用いるものが知られている。これらの薄膜太陽電池に用いられる発電層は、その光電変換量が主として膜厚によって制限されるという特質を有している。しかし、発電層の膜厚を増大させることにより光電変換効率を高めようとすると、環境負荷が低い利点が失われ、また、製造工程の処理時間を増大させてしまう。このため、薄膜太陽電池において発電層の膜厚を増すことなく光電変換効率を高めることが求められている。
このような要求の下、太陽電池には導電性光反射膜が広く用いられている。この導電性光反射膜は、光の入射側からみて発電層の背面(裏面)に位置する電極を光反射率の高い金属層とすることにより、電極膜と光反射膜との役割を兼務させるものである。以下、基板または発電層から見て光が入射される側を「前面側」といい、その逆側を「裏面側」という。この導電性光反射膜を発電層から見て裏面側に配置し裏面電極とすることにより、発電に寄与しなかった光を再度発電層に戻すことが可能となって発電効率の向上を望むことができる。
さらなる発電効率の向上のための手法も検討されている。特に、光の利用効率を一層高めるために、裏面電極の反射面となる面(前面側の界面または境界面)にテクスチャーまたは凹凸構造を形成することが検討されている。そのような凹凸構造が形成されると、裏面電極への入射光は散乱反射または拡散反射される。すると、裏面電極の前面側の面に入射した光のうち、太陽電池から出射してしまう反射光の成分を減少させながら光電変換層に有効に戻すことが可能となる。その結果、拡散反射された光の多くが薄膜太陽電池内に閉じ込められて再び光電変換に寄与するため、薄膜太陽電池全体の光電変換量が増大される。このような閉じ込め効果を獲得するための裏面電極への凹凸形成手法に関し、数多くの手法が提案されている(例えば、特許文献1:特開2000−58892号公報、および、特許文献2:特開2004−335991号公報参照)。
このような従来の薄膜太陽電池に対して近年はそれ以外の付加価値も求められている。とりわけ、施工の簡便さ(施工性)や軽量性が実用面の付加価値をさらに付与する要素として重視されてきている。このような施工性・軽量性を同時に実現することを目的として、従来多用されてきたガラス基板に代えて、プラスチックフィルムまたは金属箔等のフレキシブル(可撓性)基板を用いるフレキシブル太陽電池の研究が進められている(例えば、特許文献3:特開2000−307139号公報)。ここで、可撓性基板を採用する薄膜太陽電池においては、長尺形状または帯状に形成された基板を利用することが可能となる。すると、ロール・ツー・ロール法やステッピングロール法による製造が可能となるため、大量生産にも適するものとなる。このように可撓性基板を薄膜太陽電池において採用すると、長尺形状または帯状に形成された基板を用いることと相まって、施工性および軽量性のみならず、高い量産性をも視野に入れることが可能となる。
特開2000−58892号公報 特開2004−335991号公報 特開2000−307139号公報 特開2009−164644号公報 特開2008−288568号公報 特開2009−197325号公報
しかしながら、可撓性基板を利用してロール・ツー・ロール法やステッピングロール法によって薄膜太陽電池の大量生産を行う場合には特有の技術的課題が生じてしまう。それは、生産される薄膜太陽電池に、信頼性・安定性の面からの悪影響がしばしば生じてしまうことである。その課題の一つとして、従来の凹凸構造の形成方法では、裏面電極にモルフォロジーや反射率が異なる箇所が生じてしまい、裏面電極に形成される凹凸構造を一様に作製しにくいことが挙げられる。薄膜太陽電池を製造する際に裏面電極の凹凸構造の形状の制御性が不十分である場合には、良好な光閉じ込め効果が安定して得られない。凹凸構造が急峻になり過ぎた場合には、甚だしくは、太陽電池として動作する半導体層(光電変換層)等に電気的なリークが生じることもある。そのような課題に対して成膜中に混合ガスを用いる方法が提案されている(特許文献4:特開2009−164644号公報)。
また、電極となる金属層を大面積の基板に形成する手法も提案されている。特に、液体または薬液を利用して行われる湿式法の電極形成方法が数多く報告されている(例えば、特許文献5:特開2008−288568号公報、および、特許文献6:特開2009−197325号公報)。しかし、上述の湿式法による電極形成手法は、薄膜太陽電池に求められる裏面電極の形成手法とは言い難い。というのは、これらの湿式法には、金属を焼結させる処理が含まれており、電極を形成するために好ましくない高温下での長時間の焼成処理が必要となるためである。特にプラスチック基板を用いた薄膜太陽電池や大面積薄膜太陽電池においては、このような焼成処理を要する電極形成手法を採用することは適切ではない。
可撓性基板に形成した薄膜太陽電池などの大面積のサブストレート型の太陽電池のための裏面電極の形成法において、十分に制御性のよい簡易な凹凸構造の形成法、すなわち、一様性な凹凸構造を形成することができる簡易な手法は知られていない。本発明は、上述の課題の少なくともいくつかを解決することを課題とする。
本出願の発明者は、薄膜太陽電池において光閉じ込め効果を達成するための裏面電極の形成手法を鋭意検討した。その結果、発明者は、従来の裏面電極の形成手法の問題点の一つに、凹凸構造の形状を決定する技術要素と裏面電極の形成の技術要素とが渾然となって切り分けられていないことがあると考えた。微細な構造である凹凸構造を形成するために採用される条件は、裏面電極の最表面の特性または膜質が反射率やモルフォロジーを通して最終的な太陽電池の特性に影響する。それにもかかわらず、従来の裏面電極の形成手法においては、凹凸構造の形状を決定する技術要素と裏面電極を形成するための技術要素とが密接に影響を及ぼしあっている。特に大面積の太陽電池においては、裏面電極の形成が大面積での処理となる以上、微細な凹凸構造を形成する処理を同時に行おうとすると面内均一性等の困難が避けられない。このため、本出願の発明者は、凹凸構造の形状を決定する技術要素と裏面電極を形成するための技術要素とを適切に切り分けること、あるいは、裏面電極を光反射性かつ光導電性の膜として形成する構造または処理と、凹凸構造を決定するような構造または処理とを別々のものとすることが肝要であると考えた。
次に、発明者はそのような凹凸構造を決定するような構造または処理として適切なものがどのようなものであるかについてさらに検討を重ねた。その結果、これまでにない新たな構成として、金属層の形成の際に例えばナノ粒子などの微細な構造を持つ物体(以下、微粒子という)を配置することが有用であることを見出した。すなわち、微粒子は、その個別の粒子はそれ自体が微細であったり微細な構造を有したりしている。そのため、その微粒子を適切に選択すれば、凹凸構造の形状を決定するためにその微粒子を利用することが可能となる。しかも、そのような微粒子を金属層により覆うことによって、微粒子の粒状性をその金属層の凹凸構造に反映させつつ、その金属層を光反射性の電極としても機能させることができる。こうして形成した裏面電極には、光閉じ込め効果をもたらす凹凸構造を形成しうるばかりか、その微粒子の種類や配置を適宜制御すれば、凹凸構造を十分に制御して形成することが可能となる。しかも、微粒子を配置する処理は、それ自体が大がかりなものにはならず、また、適用される面積にも制限は生じにくい。つまり、このような裏面電極は大面積の太陽電池のための裏面電極としても適するものとなる。本発明は以上のような考えに基づいて創出された。
すなわち、本発明のある態様においては、電気絶縁性を有する基板の一方の面の上に形成される第1金属層と、前記第1金属層の面の上に配置されている複数の微粒子と、前記複数の微粒子の少なくともいくつかを覆って形成され、凹凸構造を有する導電性反射面をなす第2金属層とを備える太陽電池用裏面電極が提供される。この態様の太陽電池用裏面電極においては、好ましくは、前記複数の微粒子は、前記基板の前記一方の面に向かう空間に噴射口が配置され原料溶液が供給されるスプレーノズルと前記第1金属層との間に印加された電圧の作用によって、前記噴射口から噴霧される前記原料溶液の液滴としてまたは該液滴に含めて前記空間に放たれ、前記第1金属層の面の上に到着するものである。
また、本発明のある態様においては、太陽電池も提供される。すなわち、本発明のある態様においては、上述の太陽電池用裏面電極を用いる薄膜太陽電池であって、nip接合構造を単数あるいは複数有する半導体層と、透明導電性材料を含む前面透明電極層とをさらに備え、前記太陽電池用裏面電極の導電性反射面の上に直接または他の層を介して、前記半導体層と前記前面透明電極層とが該導電性反射面の側からこの順に形成される薄膜太陽電池が提供される。
加えて、本発明のある態様においては、裏面電極の製造方法も提供される。すなわち、本発明のある態様においては、電気絶縁性を有する基板の一方の面の上に形成されている第1金属層の面の上に複数の微粒子を配置する工程と、前記複数の微粒子の少なくともいくつかを覆い、凹凸構造を有する導電性反射面をなす第2金属層を形成する第2金属層形成工程とを含む太陽電池用裏面電極の製造方法が提供される。本態様の製造方法において、好ましくは、前記複数の微粒子を配置する工程は微粒子の散布工程を含むものであり、該散布工程は、前記第1金属層に対する電気的導通を確保する工程と、前記基板の前記一方の面に向かう空間に噴射口が配置されたスプレーノズルに原料溶液を供給する工程と、前記第1金属層と前記スプレーノズルとの間に電圧を印加する工程とを含み、前記スプレーノズルの前記噴射口から噴霧される前記原料溶液の液滴としてまたは該液滴に含めて前記複数の微粒子が前記空間に放たれ、放たれた前記複数の微粒子が前記第1金属層の面の上に到着する工程である。
加えて、本発明のある態様においては、太陽電池の製造方法も提供される。すなわち、本発明のある態様においては、上述の態様の製造方法によって製造された太陽電池用裏面電極を用いて薄膜太陽電池を製造する方法であって、前記太陽電池用裏面電極の前記導電性反射面の上に直接または他の層を介して、nip接合構造を単数あるいは複数有する半導体層を形成する工程と、透明導電性材料を含む前面透明電極層を形成する工程とをさらに含み、前記半導体層を形成する工程と前記前面透明電極層を形成する工程とがこの順に実行される薄膜太陽電池の製造方法が提供される。
そして、本発明のある態様においては、裏面電極の製造装置も提供される。すなわち、本発明においては、電気絶縁性を有する基板の一方の面の上に形成された第1金属層に接触させるための接触電極と、該第1金属層に向かう空間に噴射口が配置され、原料溶液が供給されるスプレーノズルと、前記接触電極と前記スプレーノズルとのいずれかまたは両方に接続されており、前記接触電極に接続している前記第1金属層と前記スプレーノズルとの間に電圧を印加するための電圧印加手段とを備え、前記スプレーノズルの前記噴射口から前記原料溶液を噴霧し、前記原料溶液の液滴としてまたは該液滴に含めて前記空間に放たれた複数の微粒子を前記第1金属層の面の上に到着させる太陽電池用裏面電極の製造装置が提供される。
上述の本発明の各態様において、微粒子とは微細な構造を持つ物体をいう。典型的には、微粒子は、複数または多数が集まると全体として不定形の粉末または粉粒体などとして認識されるような微細な固体または固形物であって、個別の粒子の大きさや形状が視認できない程度に小さなものを一般に指している。本発明の各態様にとって好ましい微粒子の例を挙げるなら、ナノレベルからサブミクロンレベルの範囲すなわち約1nm以上約1μm以下の範囲のいずれかの粒子径または粒径を有するような形態の粒子を含む。このうち特に好ましいのは、ナノレベル(1nm以上100nm以下)のいずれかの粒径の粒子、つまり、いわゆるナノ粒子である。より詳細には、本発明の各態様において用いられる微粒子の粒径の下限値は、好ましくは1nmであり、さらに好ましくは10nmとされる。また、本発明の各態様において用いられる粒子の粒径の上限値は、好ましくは1μmであり、さらに好ましくは100nmとされる。なお、微粒子の粒径は、動的光散乱法、レーザー回折法等の種々の測定法によって決定される。何らかの測定法によって測定される粒径分布から定まる値によって粒径を決定することもできる。その例としては平均粒径が挙げられる。
本発明の各態様において用いられる微粒子の形状には特段限定はない。例えば、概略の形状が球となる個別にみても不定形の粒子や、立方体や直方体、柱状、板状などの各種の結晶の形状を示す粒子に加え、ファイバー、ワイア、ウィスカ、ネイル、フレーク、櫛歯、ロッド、テトラピラミッドなどの形状を備える粒子を用いることができる。典型的には、その微粒子自体の凹凸構造、径、幅などの粒子の形状または構造を特徴付けるサイズ(特徴サイズ)が、好ましくは1nm〜100nm程度となるような任意の形状の微粒子が本発明の各態様の微粒子として採用される。
また、本発明の各態様の微粒子は必ずしも単一の材質からなるものである必要はない。例えば、散布されるまでの液体中での分散安定性を確保するために表面に何らかの表面改質が施されている粒子などを用いることができる。また、何らかの修飾物質と複合化されているような粒子や、マイクロカプセルに封入されているような粒子を採用することができる。さらには、多孔性の粒子も本発明の各態様に用いることができる。
上述の原料溶液は、適当な条件下にて噴霧されると最終的に微粒子が生成されるような液体を一般に規定している。原料溶液は、例えば、微粒子を保持する媒質(分散媒)に微粒子を分散させた液体や、それ以外にも、例えば何らかの気体と反応して固化する液体(微粒子のプリカーサーとなる液体)や、冷却されると固化する液体を用いることもできる。また、雰囲気と化学反応して微粒子が形成されるような液体を本発明の各態様の原料溶液として採用することも可能である。分散液の場合には、例えば、懸濁液(スラリー)または乳濁液(エマルジョン)といった種々の性状を呈する場合もある。
スプレーノズルは、例えば、導管とその出口としての噴出口を有し、電圧の印加が可能な任意のスプレーノズルを用いることができる。例えば、引き延ばしたガラス管やステンレス管のキャピラリーを形成する導管および噴射口とすることが好ましい。このような噴射口では電界集中の作用によって、そこに供給されている原料溶液が噴霧される。なお、本発明の各態様においては、電圧または電界の作用のみによって噴霧が行われるもの以外にも、例えば主として印加された電圧によって微粒子が噴霧されるが、例えば原料溶液をスプレーノズルに供給するために補助的にガスを用いるようにして動作するものも含まれる。このようなガスとしては、例えば窒素ガスやアルゴンガスなどの不活性ガスを用いることが好ましい。
さらには微粒子自体の生成方法も、いわゆるトップダウン(ブレークダウン)法による形成方法も、ボトムアップ(ビルドアップ)法による形成方法も採用することが可能である。すなわち、トップダウン法としては、超音速ジェット流を用いる方法、微細な粉砕媒体を用いた液中粉砕法等を採用することができる。また、ボトムアップ法としては気相法や液相法を用いることができる。その気相法としては、プラズマCVD法、静電噴霧CVD法、イオン化CVD法を用いることができる。また、液相法としては、反応速度を制御する核生成法などを用いることができる。特に本発明の各態様において、微粒子の生成は、予め微粒子を製造して原料溶液に混合されるもののほか、原料溶液の液滴が噴霧されて基板の第1金属電極に到達するまでの間に形成されるような態様も採用することができる。
上述のスプレーノズルを用いる各態様においては、開口を設けた電気絶縁体のマスクを用いて微粒子が配置されることも好ましい態様である。
本発明のいくつかの態様によれば、太陽電池において光閉じ込めを実現する凹凸構造を形成された裏面電極を効率よく製造することが可能となる。すなわち、製造時の環境負荷の低減が実現され、また、種々の付加価値を与えうる薄膜太陽電池が高性能化され、そのために多大なコストを要するものとはなりにくい。
本発明のある実施形態において形成される凹凸構造を有する裏面電極の構成を示す断面模式図である。 本発明のある実施形態において行われる裏面電極の製造工程を示すフローチャートである。 凹凸構造を形成するために用いる裏面電極製造装置の構成を示す概略構成図である。 基板の金属層に配置された微粒子の詳細な様子を示す断面模式図である。 本発明のある実施形態に用いられるマスクの構成例を示す模式平面図(図5(a))と、当該マスクを利用して微粒子の付着位置を制御して作製される裏面電極の構成を示す断面模式図であり、図5(b)は作製途中のもの、図5(c)は裏面電極完成後の状態である。 本発明のある実施形態に用いられるマスクの他の構成例を示す模式平面図である。 本発明のある実施形態において作製される太陽電池セルの構成を示す断面模式図である。 本発明のある実施形態において用いられる裏面電極形成装置の概略構成図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。以下の説明に際し特に言及がない限り、全図にわたり共通する部分または要素には共通する参照符号が付されている。また、図中、各実施形態の要素のそれぞれは、必ずしも互いの縮尺比を保って示されてはいない。
<第1実施形態>
本発明の第1の実施形態として太陽電池用裏面電極の形成処理を説明する。図1は、本実施形態において形成される凹凸構造を有する裏面電極10の構成を示す断面模式図である。また、図2は、本実施形態において行われる裏面電極の製造工程を示すフローチャートである。加えて、図3は、凹凸構造を形成するために用いる裏面電極製造装置100の構成を示す概略構成図である。
図1には、本実施形態において作製される裏面電極10が断面模式図として示されている。この裏面電極10は基板9の一方の面に形成されるいくつかの導電性の層または膜を有している。この基板9としては各種の材質の基板が採用される。例えば、電気絶縁性を有するような材質の基板は、一般にこの基板9の候補となる。その具体例を挙げれば、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、ポリアミド、ポリイミドアミド、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、および各種の液晶ポリマーを用いることができる。ここで、基板9は、基板全体として電気絶縁性を示すものであれば任意である。このため、上に例示したもの以外にも例えば、ステンレス箔上に何らかの絶縁膜をコーティングして絶縁表面を形成したものを基板9として採用することもできる。この基板9は、その形状も特に限定されるものではない。したがって以下において、例示のため、基板9としてフィルム状の帯状のポリイミド基板を採用して説明する。なお、このような基板は可撓性(フレキシブル)の基板の代表例である。
裏面電極10の構造をより詳細にみると、裏面電極10は、基板9の一方の面の上に形成される第1金属層1と、第2金属層2とを備えている。また、裏面電極10は、第2金属層2によって、第1金属層1の面の上に配置される複数の微粒子3の少なくともいくつかを覆うように構成されている。第2金属層2の両方の面のうち図1の紙面において上方に向く面2Fは、第2金属層2の下方の第1金属層側に微粒子3が配置されている高い部分2hと、微粒子3の無い低い部分2bと、その間をつなぐスロープの部分2sとを有するような凹凸構造をなす導電性の光反射面である。このような凹凸構造を有する裏面電極10の面2Fが導電性反射面として活用されるため、裏面電極10は、発電に寄与する光を拡散反射させて光閉じ込め効果を発揮することができる。
以上のような導電性かつ光反射性の凹凸構造を面2Fに形成するために、本実施形態においては図2に示す裏面電極の製造工程(S102〜S114)が実行される。この裏面電極の製造工程においては、主として微粒子散布装置100が用いられる。なお、この図2には、太陽電池を製造するための後の工程(S116〜S120)についても記載している。また、図3においては、第1金属層1が形成されている基板9の面を上方に描いていており、基板9やそこに形成される各層の厚みは描いていない。
[裏面電極の製造工程(概要)]
まず、基板9を対象に第1金属層形成処理S102が施されることにより、第1金属層1が形成される。任意選択として、第1金属層1が予め形成されているような基板を用いることも本実施形態に含まれる。この第1金属層1が予め形成されている基板を用いる場合には、第1金属層形成処理S102は実行されない。
その第1金属層1に対しては接触電極を接触させる(S104)。なお、図2において接触を確保する段階として工程S104が記載されているが、この接触は、後の電圧を印加する工程S108を終えるまで維持される。微粒子散布装置100のスプレーノズル110(図3)には、微粒子を形成するための原料溶液(図示しない)が供給される(S106)。そして、接触電極を通じて第1金属層1とスプレーノズル110との間には電圧が印加される(S108)。この電圧が印加されると、スプレーノズル110の噴射口110Aから、原料溶液が噴霧されて原料溶液に含まれる微粒子3が放たれる。しかも、その電圧によって帯電するため、微粒子3は第1金属層1の面の上に到着するまで静電力によって飛行してゆく。微粒子を配置する一連の処理(S104〜S110)の詳細については別途後述する。
微粒子3が第1金属電極1に配置された後、第2金属層2が形成される(S112)。この第2金属層2は、複数の微粒子3の少なくともいくつかを覆うように形成される。このため、複数の微粒子3は、それらのうちの少なくともいくつかが第1金属層1と第2金属層2とによって挟まれる位置に配置される。ここで、第2金属層2は、第1金属層1に対して電気的に導通するように形成することも本実施形態に含まれる。この電気的な導通は典型的には、第2金属層2と第1金属層1とが接することよって実現される。それ以外にも、例えば複数ある微粒子3のうちのいく分かの粒子が導電性を有していれば、たとえ第2金属層2と第1金属層1とが直接接していない場合であっても、第1金属層1と第2金属層2とを電気的に導通した状態とすることができる。以上のような工程によって、面2Fが、高い部分2h、低い部分2b、およびスロープの部分2sを備える導電性反射面として形成される。すなわち、面2Fの導電性反射面が凹凸構造を有することになる。
なお、上述の第1金属層1および第2金属層2に用いられる金属材料は、金(Au)、白金(Pt)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、および亜鉛(Zn)などの単体材料、もしくはこれらを主成分とした合金材料を用いることができる。また、第1金属層1および第2金属層2の形成方法には、スパッタリング、蒸着法またはこれらの組み合わせによるいずれかの手法を用いることが好ましい。
さらに、面2Fの上には、透明導電性材料による裏面透明導電層4が形成される(S114)。この裏面透明導電層4は、後に太陽電池の一部となって裏面電極10が利用される際に、光電変換層(半導体層)よりも裏面側すなわち光の入射側とは反対側に位置する透明導電体の層である。この裏面透明導電層4は、第2金属層2の何らかの構成元素や成分が光電変換層の内部に拡散してゆき太陽電池としての性能や長期間の動作安定性を損なう現象を未然に防止するために設けられる。この裏面透明導電層4を構成する透明導電性材料は、例えば、透明導電性酸化物を採用することができる。裏面透明導電層4の材料としての具体例を挙げれば、ITO(スズをドープした酸化インジウム)、IZO(In−ZnO、登録商標)、AZO(アルミニウムをドープした酸化亜鉛)などを用いることができる。裏面透明導電層4を形成する処理には、スパッタリング、蒸着法またはこれらの組み合わせによるいずれかの手法を用いることが好ましい。
[エレクトロスプレー法による微粒子の形成(S104〜S110)]
次に、微粒子を配置する一連の処理(S104〜S110)についてその詳細を説明する。ここに説明する電圧を利用して微粒子を配置する処理をエレクトロスプレー法と呼び、また、単に散布処理または散布工程とも呼ぶ。このエレクトロスプレー法は、図3に示す微粒子散布装置100を用いて行われる。微粒子散布装置100には、第1金属層形成処理S102を形成するための機構は図示されていない。
微粒子散布装置100は大別して、散布処理部130と乾燥処理部140とに分かれている。このうち散布処理部130は、第1金属層1が形成されている基板9を処理対象としており、複数の微粒子3が散布されて第1金属層1に配置される。乾燥処理部140においてはその後に乾燥処理が行われる。
微粒子散布装置100の散布処理部130は、第1金属層1との接触をとるために接触電極を備えている。この接触電極として用いられるのは、図3の紙面において、散布処理部130において基板9の上方の位置に装備される導電性のローラー112である。この導電性のローラー112は、基板9からみて図3の下方に設置されたローラー111とともに基板9をくわえる(ニップする)または把持するようになっている。つまり、接触電極へ接触させる工程S104においては、基板9に形成されている第1金属層1との電気的な導通を確保するために基板9の第1金属層1に対してローラー112がその周面を当接させている。
これらのローラー111、112の具体例としては、プレスロールまたはガイドロールとよぶロールまたはローラーを挙げることができる。ここで、プレスロールとは、基板の幅方向を全幅に差し渡すように延びていて、基板の全幅をくわえるようになっているものをいう。このようなプレスロールは適宜作製することができる。プレスロールの典型例は、基板をニップする両ローラーのうち、一方が回転自在にされ、他方には回転力が付与されるようなローラーである。また、ガイドロールとは、基板の幅方向端部のみを把持するロールまたはローラーである。プレスロールおよびガイドロールのいずれを採用する場合であっても、接触電極として機能するのは第1金属層1に周面が当接されるローラー112であり、ローラー111は電極として機能しない。このため、例えば、ローラー112は周面に金属面を露出させているのに対し、ローラー111は例えば周面が絶縁体の面となっていてもよい。
また、上述のローラー111、112は、プレスロールまたはガイドロールのいずれであっても、基板9が静止される際には基板9の保持を担うとともに、基板9が搬送される際には基板9の搬送を担うように動作する。つまり、上述のローラー111、112は可撓性基板を適切に平面状態に維持するために必要に応じて回転力により駆動され、または、回転トルクが印加されて基板9に張力を付与するようにされている。こうして、ローラー111、112は、基板9を静止させた際には、基板9を保持する保持手段として利用される一方、基板9を長手方向に搬送するための搬送手段としても機能する。
散布処理部130は、微粒子を散布するためのスプレーノズル110を備えている。スプレーノズル110が配置されるのは第1金属層1に臨む位置である。より詳細には、スプレーノズル110は、スプレーノズル110のうちの少なくとも噴射口110Aが第1金属層1に向かう空間50に位置することとなるような向きおよび位置に固定される。この空間50は、基板9の基板面が仕切っている二つの半空間のうちの一方であり、第1電極1が形成された側の基板9の面に向かう半空間である。空間50は、図3において基板9の上方に記載されている。なお、図3の紙面においては、この空間50が基板9の上方に記載されているが、これは、そこに配置されるスプレーノズル10が、基板9からみて鉛直上向きに配置されることを限定するものではない。基板9の配置は、第1金属層1の面が鉛直下向きに配置されていても、また、その面が鉛直方向に平行になるように配置されていても、より一般には、基板9の面の法線が鉛直線と任意の角度をなしているように微粒子散布装置100が構成されていても微粒子3を配置する動作に支障はない。
スプレーノズル110には、微粒子3の原料となる薬液が供給される(S106)。なお、このスプレーノズル110への実際の原料溶液の供給は、図2に示したタイミング以外のタイミングにおいても実行することができる。例えば、スプレーノズル110による噴霧の動作を安定させるために原料溶液が常時供給されていることが好ましいような場合には、その動作の準備段階から薬液が供給されている。このような動作の具体的細部は、スプレーノズル110のタイプにも依存して適宜に決定される。さらに、スプレーノズル110は、それ自体の方式や数やその配列といった具体的な構成が限定されるものではない。例えば図3においては、説明の便宜のためスプレーノズル110を単数のみ用いた説明としているが、基板の大きさや処理量、微粒子の配置の均一性や効率等の観点からその数や配置は適宜に決定される。
そして、その時点において基板9に形成されている第1金属層1とスプレーノズル110との間に電圧が印加される(S108)。この電圧によって、スプレーノズル110の噴射口110Aから薬液が噴霧され、液滴となって空間50に放たれて、最終的に基板9の第1金属電極層1に微粒子3が配置される。なお、このエレクトロスプレー法の一連の処理(S104、S106、およびS108)の各処理は、必ずしもこの順序にて行う必要はない。その順序に関わりなく、これらの3つの処理が行われた状態になるとエレクトロスプレー法が実行される。このエレクトロスプレー法における詳細な噴霧・放出・配置のメカニズムについては必ずしも詳細は明らかではない。本実施形態の技術的意義を説明する目的の下、以下に本願発明者の推測するメカニズムを説明する。
原料溶液は、噴出されると、空間50を満たす気体と混ざってエアロゾルの噴流となる。そのエアロゾルは、微細に見ると、初期には原料溶液の個々の液滴(ドロプレット)となっていると想像される。そしてスプレーノズル110に与えられた電圧にしたがって各ドロプレットには電荷がチャージされている。ここで、原料溶液には微粒子を保持する分散媒(水など)に例えばナノ粒子が分散されているとする。この場合には、多数のドロプレットが空間50に広がってゆくと同時に、そのようなドロプレットの原料溶液に含まれる分散媒が噴霧されたドロプレットから蒸発または揮発してゆく。そのため、空間に放たれたドロプレットは多数の微粒子3が雰囲気に混じったエアロゾルとなる。
ここで、依然としてこの微粒子3が電荷を保持していること、しかも、各微粒子3の電荷が同一の極性であることに留意されたい。このため、空間50中の個々の微粒子3は、クーロン反発力(斥力)によって互いに反発し合う。そうすると、分散媒としての液体が液滴から微粒子3のみとなる揮発の段階と、その後の段階も含めて、微粒子3は互いに凝集していても孤立して空間中に散ってゆく。上述の現象は、実際には異なる順序にて起きている可能性もある。例えば、分散媒が蒸発する前に斥力によって個々の微粒子が孤立していて、その後に分散媒が揮発するのかもしれない。また、これらの現象は同時進行する可能性もある。具体的な条件(例えば雰囲気中の分散媒の蒸気圧や温度)によってこれらの順序やタイミングが制御されている可能性もある。なお、上述の説明は、空間50は、例えば常圧にされており、例えば清浄にされた大気または窒素などのガスに満たされていることを仮定したものである。
以上のような分散媒を用いる場合以外にも、原料溶液を用いて微粒子を生成することも可能である。そのような場合には、例えば、原料溶液が雰囲気と化学反応して微粒子となったり、また、原料溶液の温度が融点以下となって微粒子となるものも含まれる。いずれにしても、原料溶液は、最終的に噴霧等によって微細化されると微粒子を生成するようなものから適宜選択される。そして、分散媒を用いない場合には、各ドロプレットが微粒子をなす。このときも、上述と同様に電圧が印加され、噴霧が行われることによってエアロゾルの噴流となり、空間に放たれ、そして第1金属1に到着する。
以上の説明は、微細かつ高速移動する対象物の静電現象である性質上、推測を含むものである。しかし、分散媒を用いる場合もそうでない場合にも、微粒子3を第1金属層1に配置するためにいくつかの現象が利用される。すなわち、原料溶液が供給されるスプレーノズル110と第1金属層1との間に電圧が印加されること、微粒子3は、スプレーノズル110の噴射口110Aから噴霧される原料溶液の液滴としてまたは液滴に含めて空間に放たれること、そして、微粒子3は第1金属層1の面の上に到着することが利用されている。
また、微粒子3が空間50を飛行していって第1金属層1に達する際にも、静電現象が役に立っている可能性が高いと本願の発明者は推測している。この第1金属層1にはスプレーノズル110からみて逆の電位が与えられているため、その空間50のエアロゾル中の微粒子3は、第1金属層1にクーロン引力によって引き寄せられて飛行している可能性が高い。
こうして、第1金属層1の図1における上面には、時間の経過とともに到着する微粒子3が堆積してゆく。単位時間当たりの微粒子3の散布量が少ない場合や堆積時間が短い場合には、第1金属層1の面において複数の微粒子3が散在した状態、すなわち、ほとんどの微粒子3は互いに孤立した状態になって配置され、凝集する微粒子が少なくなる。なお、散在した状態は、典型的には、静電気力によって第1金属層1の面において均一性が高くなるように分散されている状態である。これに加え、微粒子の近接配置による凝集がみられる場合であっても、その凝集が、純粋に統計的にランダムに配置された結果生じているといえる場合には、本実施形態における散在した状態に含まれる。
図4に、基板の金属層に配置された微粒子の詳細な様子を示す断面模式図を示す。図4(a)には、散在している微粒子3の詳細な様子が示されている。この図は、基板9の一方の面に形成されている第1金属層1の上に微粒子3が配置された様子を基板9の断面方向からみた図である。第1金属層1に配置された微粒子3は、互いに重なったり凝集したりすることはほとんどなく、その粒子もほとんどが孤立した状態の粒子となって第1金属層1の面の上に配置される。このような複数の微粒子3が散在する配置は、例えば、微粒子3が配置された第1金属層1の面を細かく区切って単位面積当たりの微粒子3のカウント数の統計をとることにより、例えば数学的にランダムな配置の場合の分布よりもばらつきの少ない分布として確認することができる。
逆に、単位時間当たりの微粒子3の散布量が多い場合や堆積時間が長い場合には、より多量の微粒子が第1金属層1に到着する。その場合には、第1金属層1の面において複数の微粒子3が粒径以上の厚みの層をなす状態が得られる。図4(b)は、この状態を示している。なお、図4(b)は、図4(a)と同様に描かれた前述の状態の模式図である。このように、微粒子3の詳細な様子は、図4(a)とは異なり、微粒子3が複数個積み重なることもある。この場合であっても、クーロン力によって均一されながら到着する微粒子3は、高い一様性を面内にて保っている。この微粒子3も、後に第2金属層2によって覆うことによって凹凸構造が形成される限りは本実施形態の一つとなる。
散布処理部130には、エレクトロスプレー法を実行するためにスプレーノズル110と第1金属層1に電気的に接続している接触電極となるローラー112の少なくとも一方に接続される直流電源114(電圧印加手段)が備えられる。直流電源114は、スプレーノズル110と第1金属層1との間に、1.0kV〜20kV程度の直流電圧を印加する。この直流電源114は、出力動作を実行するか停止するかを適宜制御することができるように適当な制御を受けるか、または図示したように出力ラインにスイッチ116を備えている。また、出力電圧の電圧値の大きさを適宜調整することができる。直流電源114によって第1金属層1とスプレーノズル110との間に電圧が印加されると、スプレーノズル110の噴射口から空間に向けて原料溶液が噴霧される。したがって、微粒子の散布処理は、例えばこの出力電圧を出力しない状態から出力電圧を出力し始めることによって開始し、その出力を継続する間継続する。なお、原料溶液はキャピラリー背面からの圧力によって押し出されて、電圧の印加によって噴霧(散布)される。原料溶液がキャピラリー背面からの圧力によって押し出されても電圧の印加が行われない場合には、原料溶液はノズル先端に液滴となって溜まり、空間に対しては噴霧(散布)されない。
本実施形態において利用される微粒子3は、様々な材質・粒径・形状のものを採用することができる。すなわち、微粒子3のための材質は、金属や酸化物を用いることができる。また、その電気特性も、導電性材料のみならず絶縁材料も用いることができる。微粒子3を構成する材料の具体例を挙げれば、金、銀、白金、銅からなる群から選択される一の金属元素を含む金属微粒子とすることができる。また、別例として、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化アルミニウムからなる群から選択される一の酸化物組成物を含む酸化物ナノ粒を採用することも望ましい。加えて、例えば、ボリスチレン粒子などの樹脂の粒子を微粒子3として用いることもできる。粒径としては、好ましくは、10nm以上、1000nm(1.0μm)以下の平均粒径の微粒子が望ましい。さらに粒子の形状も、典型例として球形として説明してきたが、それ以外にも種々の形状とすることができる。
これらの材質・粒径・形状を選択する際には種々の要因が考慮される。その要因としては以下のものが挙げられる。まず、最終的な太陽電池において光閉じ込め効果を獲得したい光の波長が考慮される。一般に、長い波長に対する光閉じ込め効果を期待する場合には大きな粒径の微粒子が用いられ、逆に、短い波長に対する光閉じ込め効果を期待する場合には小さな粒径の微粒子が用いられる。第2金属層2の性質や膜厚も考慮される。第2金属層2が被覆性の良い金属層(ステップカバレッジの良い金属層)であるときには、凹凸構造が平滑化されることがあるため、比較的大きな粒径の微粒子が選択される。また、第2金属層2の膜厚が厚い場合にも、平滑化の作用が強く働くため、膜厚が薄い場合に比して粒径の大きな微粒子が選択される。もちろん、可能な限り一様に配置されるかどうかについても十分に考慮される。さらには、第1金属層1や第2金属層2との組み合わせについても調査されて決定される。これらの金属層の材質との組み合わせによっては、散布直後に微粒子3に十分な付着力が得られない場合もあるからである。さらには、微粒子3の散布量が少ない場合と多い場合との間でも別々の条件が適する場合がある。以上のように、材質・粒径・形状を選択する際には、製造上の観点、性能上の観点など種々の観点からの要因が考慮される。
また、散布される微粒子は必ずしも一種類の微粒子に限定される必要はない。例えば波長の異なる光に対する拡散反射性を得るために複数の粒径の微粒子を散布することも採用される。また、絶縁粒子に導電粒子を追加することによって粒子を多量に散布しても第1金属層1と第2金属層2との導通を確保すること、第1金属層1と第2金属層2との付着力に優れた粒子を一定量散布すること、といった変形も本実施形態の範囲内にて実施される。
また、以上のような微粒子3は、典型的には、上述の原料溶液として分散媒に分散された状態によってスプレーノズル110に供給される。この原料溶液は、微粒子3が液体に分散された任意の状態のものである。そして分散媒は本実施形態において特段限定されるものではないが、上述の水のほか、例えばエタノール、IPA(イソプロピルアルコール)などを用いることができる。これらの分散媒の選択に際しては、微粒子の分散性に優れること、容易に蒸発されまた後に太陽電池の性能に悪影響を与える物質を含まないことなど種々の要因が勘案される。
上述のエレクトロスプレー法による微粒子の散布は、原則として、常温および常圧の条件において実施される。ここで、常温とは、積極的に加熱も冷却も行わない成り行きの温度、製造装置の可動範囲として想定される温度のいずれかの温度(例えば20℃以上25℃以下)等である。また、常圧とは、例えば製造を行う状態での大気圧、1気圧、あるいは、積極的に排気も加圧も行わない気圧を含む。なお、積極的に雰囲気の条件を制御して行うエレクトロスプレー法による微粒子の散布も、本実施形態には含まれる。その例としては、温度を、成り行きではないものの熱による特段の影響が起こらない温度に均一化するように加熱したり冷却すること、圧力を一定となるように制御することが挙げられる。また、真空容器の内部においた内部容器の内部を、外側の真空容器の気圧よりも高い気圧にしておいて、その内部容器を用いること等もその例として挙げられる。
なお、エレクトロスプレー法の原理上は、スプレーノズル110が配置される空間は、必ずしも気密に保たれる必要はない。ただし、その空間は、処理の再現性を高めるために好ましくは制御された環境にされる。こうして、分散媒の蒸発速度の再現性を高めることによって散布される微粒子の配置の均一性の乱れが防止され、さらに、作製される裏面電極の汚染を防止するようにして微粒子が散布される。
スプレーノズル110は、電圧の印加が行えるような導電性部分を少なくとも有するアセンブリとして実現される。例えば、噴出口110Aおよび導管110Cをなすガラス製のキャピラリーによって形成され、そのキャピラリーを金属のホルダーによって保持する構造のアセンブリとしてスプレーノズル110を作製することができる。
以上のようにして微粒子3が第1金属層1に配置されると、基板9は乾燥処理部140によって乾燥処理される(S110)。なお、本出願の発明者は、微粒子3が第1金属層1に到着する時点において、原料溶液における分散媒はあらかた蒸発または揮発してしまっていると推測している。したがって、この乾燥処理は、その後に分散媒が残留することによる悪影響の抑止を確実にするために、念のため実行される工程である。この乾燥処理S110は、基板を十分な温度に到達させる処理であり、図3のヒーター84Aおよび84Bによる加熱によって実施される。その際の基板9の温度は、一例としては、100℃以上200℃以下とする。以上のようにして基板9の上には微粒子3が配置される。
微粒子3が配置されると、その基板9に対して、上述のように第2金属層2が形成され(S112)、続いて裏面透明導電層4が形成される(S114)。こうして図1に示した裏面電極10が完成する。このような裏面電極10の面2Fに形成される凹凸構造は、微粒子3を配置したことにより生じる構造である。特に、エレクトロスプレー法によって配置される微粒子は、高い一様性をもって配置される。この配置の一様性は、面2Fの凹凸構造の一様性に反映されるため、形成される凹凸構造もまた、高い一様性を備えることとなる。
以上に説明したように、裏面電極10またはそれを用いる太陽電池を大量生産する際において、製造される裏面電極の品質を一定させ、そのような裏面電極を採用する太陽電池の信頼性および性能の安定性を確保することが可能となる。ひいては、例えば太陽電池の製造歩留まりを高めることができる。
<第1実施形態:変形例>
次に、マスクを用いることによって微粒子を選択的に配置する変形例の構成について説明する。図5は、本発明のある実施形態に用いられるマスクの構成を示す模式平面図(図5(a))と、当該マスクを利用して微粒子の付着位置を制御して作製される裏面電極の構成を示す断面模式図(図5(b)、(c))である。これらの断面模式図のうち、図5(b)は作製途中のものであり、図5(c)は裏面電極完成後の状態である。エレクトロスプレー法においては、上述のように第1金属層1とスプレーノズル110との間に電圧を印加して第1金属層1微粒子3が配置される。この際、適当な電気絶縁体の膜または板によって第1金属層1の一部を覆うと、その覆われた部分には微粒子は付着しない。そして、この電気絶縁体の膜に適当な開口を設けると、その粒子が通過可能な開口の位置の第1金属層1上の領域のみに微粒子が付着する。この性質を利用して、マスクを用いた付着位置の制御を行って裏面電極12(図5)を作製することができる。
本変形例の処理においては、所望のパターンの開口を設けた電気絶縁体の膜(マスク5
が利用される。それ以外の処理や微粒子散布装置100の構成は第1実施形態と同様にしてエレクトロスプレー法による微粒子の散布処理が行われる。図3においてマスク5が配置される位置は、基板9の第1金属層1に向かう空間の第1金属層1の上方である。マスク5として利用する電気絶縁体の膜または板の材質は特段限定されないが、例えば、ガラス、プラスチック、マイカなど、高い絶縁性の膜または板が好ましい。マスク5に設ける開口5Aは、基体の膜が完全に除去されている部分であり、マスク5の両面をつなぐ通路となっている。
マスク5を配置するのは、電圧を印加して微粒子を散布する工程S108(図2)の時点まで、つまり、微粒子の散布が実際に開始される時点までである。そしてマスク5の配置は、第1金属層1を形成した基板9に合わせて決定される。その際、第1金属層1の面とマスク5の基板側の面とは、互いに接触させて配置するか、または所定の空隙(プロキシミティギャップD、図5(b))をもって離間させて配置する。この配置を実現するために、微粒子散布装置100の散布処理部130には、マスクを保持するマスクホルダーが備えられる(図示しない)。
マスク5の開口5Aは、例えば、図5(a)に記載した構成のマスクでは、縦横同一のピッチでグリッド状に繰りかえす並びに配列されている。その個々の開口5Aは、配列のピッチより小さい直径の円形の周縁を有している。このマスク5を用いて配置された微粒子3は、マスクの開口5Aの位置に対応して第1金属層1の制御された領域に配置される(図5(b))。つまり、第1金属層1の上には、マスク5の開口5Aに対応する領域にのみ微粒子3が付着し、それ以外のマスク5の絶縁性の膜によって遮蔽される領域には、微粒子3は付着していない。その後に、図2の第2金属層2を形成する処理S112と同様の工程によって第2金属層22を形成すると、裏面電極12の断面構成は図5(c)のようになる。
マスクを用いる場合の微粒子の散布量は、種々の観点から決定されるべき条件である。微粒子の散布量は、マスクを用いない場合とは別の設定を採用することもある。例えば、マスクを用いない場合に比べて微粒子3の散布量を増加させて、マスク5の開口5Aに対応する領域において微粒子3が積層されて微粒子層32をなすようにされる。このように微粒子3の散布量が増加され、かつ配置される領域がマスク5によって制限されると、それによって作製される裏面電極12においては、第1金属層1に微粒子層32が配置されていない部分の第2金属層22は、図5(c)における下面が第1金属層1に接しており面22Fは平滑になる。これに対して、第1金属層1に微粒子3が配置されている部分の第2金属22は、図5(c)の下面は微粒子層32の個々の微粒子3に接している一方、上の面にはそれに伴って微粒子層32の厚み分だけ高い位置に第2金属22の面22Fが形成される。微粒子層32の厚みに応じて、微粒子層32のある高い部分22hと、微粒子層32のない低い部分22bと、その間をつなぐスロープの部分22sとの形状が決まる。なお高い部分22hは、微粒子層32の個々の微粒子3の形状を反映する凸部が形成されている。
図5(c)に示したような微粒子3が微粒子層32をなすように配置された場合の裏面電極12の構成では、面22Fの高い部分22hと低い部分22bとの高さの差は個々の微粒子3の粒径ではなく微粒子層32の厚みで定まる。さらに、スロープの部分22sの傾斜は、開口5Aの形状と、微粒子層32のパターン境界部分の傾斜とによって決まる。このような性質を考慮して微粒子3の散布条件は決定され、典型的には、微粒子層32の厚みが微粒子3の粒径以上、おおむね1μm以下の厚みになるように決定される。また、マスク5を第1金属層1から離間させるプロキシミティギャップD(図5(b))が大きくなると、配置される粒子のパターン境界がなだらかになって、スロープの部分22sの傾斜が緩慢になる。
以上のようにマスク5を利用して形成された裏面電極12は、第2金属層22の面22Fに意図的に凹凸構造を形成する点において、また、その他の点において種々の技術的意義を有する。まず、凹凸構造については、第2金属層22の面22Fの凹凸構造はマスク5の開口パターンを反映させたものとなる。また、第2金属層22の面22Fの高い部分22hと低い部分22bとの高さの差は、マスクを用いることにより比較的大きくすることができる。というのは、一つには、マスクを用いない場合には、微粒子3が粒子であることに起因する凹凸構造による高さの差が実現するのに対して、マスクを用いると微粒子層32全体の高さの差が反映されるためであり、また一つには、微粒子層32の厚みは微粒子3の散布量によって調整が可能となるからである。さらには、マスクを用いる場合にはプロキシミティギャップDによってスロープの部分22sの傾斜も調整することができる。このように、マスクを採用すると凹凸構造の形状に対する調整可能な要因が格段に増えるため、金属層22の面22Fによる拡散反射性の調整幅つまり調整の自由度が飛躍的に大きくなる。
加えて、凹凸構造とは直接関係ない事項に関してもマスク5を利用することによる技術的意義は大きい。端的には、マスク5を利用すると、第1金属層1と第2金属層22との間に直接接している部分を意図的に設けることが可能となり、その副次的効果として、微粒子の材質についての選択肢が広がる。一例として、微粒子3の材質が第1金属層1と第2金属層22との間の付着力を低下させるような材質であると想定する。当然、微粒子3が微粒子層32をなすほどの散布量で配置されると第2金属層22が剥離しかねない。ところがマスクを用いると、少なくとも一部は第1金属層1と接しているため、第2金属層22は第1金属層1に対する付着力を維持しやすくなる。さらに、電気的な面を見ても類似の効果がある。マスクを用いることによって第1金属層1と接する部分を設けることによって、例えば微粒3が絶縁性であって、しかも微粒子層32をなすほど配置されているとしても、第2金属層22と第1金属層1との間の導通が微粒子層32の無い部分によって確保されるため、第1金属層1と第2金属層2との両方が各領域において電気伝導に寄与することとなり電極としての動作の信頼性を高めることが可能となる。
また、マスクの開口の寸法、配列、および形状を決定するための要因としては、上述の凹凸構造および電気的な効果が勘案される。それ以外にも、基板が可撓性である場合には、曲げに対する影響その他の要因も考慮される。以上の要因を勘案して決定される開口の典型的な寸法は、その直径が、散布する微粒子の粒径を下限とし、上限を100μmとする範囲の値から選択される。また、配列は、図5(a)に示した正方格子のグリッド状のほか、三角格子など種々の配列とすることができる。また、開口の形状は、図に示した円に限定されるものではなく、他の形状も採用される。その例として、図6には、別の形状の開口を有するマスク52も示している。このマスク52には、図6において上下に列をなし、互いに同一の方向(左右方向)に延びる、矩形の周縁のスリット形状の開口52Aが4列設けられていて、列毎に、半ピッチだけ開口と遮蔽のパターンがずらされた配列(スタガー配列)となった開口のパターンが形成されている。このようなスリット状の開口に応じて形成される凹凸構造を採用する裏面電極においては、拡散反射特性を方位によって変更することができる。このような拡散反射特性の変更によって、太陽電池の光閉じ込め効果が光の入射方向に依存して表れるようになるため、例えば、実際に光の入射方向が予測できるような設置環境においては、方位の依存性のない場合に比べて実質的な発電効率の改善を図ることが可能となる。特に、フレキシブルな薄膜太陽電池を曲率を有する面に設置する際には、拡散反射特性を方位に応じて変更する構成が有効となる。
以上の第1実施形態変形例として説明したように、本実施形態の裏面電極12においては、開口5Aが設けられた電気絶縁体のマスク5を用いて、複数の微粒子が第1金属層1の上に配置され、その開口5Aの形状に応じた第1金属層の上の位置に選択的に配置されている。これにより、本実施形態の変形例においては、第2金属層22の下地として微粒子3を配置する領域の寸法、配列、および形状を、マスク5に形成される開口5Aの寸法、配列、および形状のみならず、プロキシミティギャップDおよび微粒子自体の散布量によっても制御することが可能となる。その結果、裏面電極12の第2金属層22の面22Fには、微粒子が配置された領域の凹凸構造の形成された高い部分22hと、微粒子が配置されていない領域の部分22bと、そして、凹凸領域と平滑領域の中間に位置するスロープの部分22sとを制御しながら形成することが可能となる。高い部分22hには、個々の微粒子を反映する凹凸構造も形成することができる。
<第2実施形態>
次に、第1実施形態として説明した裏面電極10(図1)を利用して太陽電池セルを製造する場合の第2実施形態について説明する。図7は、第2実施形態として説明する太陽電池セル14の構成を示す断面模式図である。また、裏面電極が完成した後の処理については図2に示した残りの工程を用いて説明する。形成された裏面電極10には、さらに、平行平板型プラズマCVD法によって半導体層形成処理(図2、S116)が行われて半導体層6が形成される。ここでは、その半導体層6によって微結晶(マイクロクリスタル)シリコン(μc−Si)の単接合型の光電変換層を形成するため、透明導電層4の側から順に、n型シリコン層、i型μc−Si層、およびp型シリコン層を積層する構造を採用することができる。なお、第1実施形態の裏面電極10を適用する太陽電池である第2実施形態の半導体層6としては、μc−Siの単接合の構造とするばかりではなく、その結晶性はアモルファスシリコン(a−Si)を採用することができ、また、多接合の構造とすることもできる。これらの層は、まず、モノシラン(SiH)ガス、水素(H)ガス、およびホスフィン(PH)ガスの混合ガスを用いて、n層を成膜する。次に、SiHガス、およびHガスの混合ガスを用いてi層を成膜する。さらに、SiHガス、Hガス、およびジボラン(B)ガスの混合ガスを用いてp層を成膜する。このような層構成の半導体層を形成するために高周波プラズマCVD装置が用いられる。なお、半導体層6の形成には、平行平板電極を用いる容量結合型プラズマCVD法による成膜処理のみならず、他の任意の手法の成膜処理に対しても適用することができる。この成膜処理には、表面波プラズマCVD成膜装置やECRプラズマCVD成膜装置、触媒プラズマCVD成膜装置、ICPプラズマCVD成膜装置等の各種のプラズマCVD法を採用することができる。
さらに、前面透明導電層形成処理S118(図2)を実行して、このように形成した半導体層6の上に前面透明導電層7が形成される。本実施例ではスパッタリング法によりITOを前面透明導電層7として成膜する。前面透明導電層7の構成材料としては、他に、IZO、TiO、ZnO、SnO、In、Ga、IGO、IGZOなどの透明導電性酸化物を用いることができる。さらにこの前面透明導電層7の成膜法はスパッタリング法には限定されず、例えば、真空蒸着法、ミストCVD法、スプレー蒸着法、印刷法、塗布法、めっき法などの任意の形成手法を用いることが可能である。
最後に、集電極層形成処理S120(図2)において、メタルマスクを用いて電子ビーム蒸着法によりTi/Ag電極が集電極層8として形成される。集電極層8の成膜方法は電子ビーム蒸着法に限らず、スパッタリング法や真空蒸着法、スプレー蒸着法、印刷法、めっき法などの手法も本実施形態として用いることができる。以上のようにして、裏面電極10を採用する太陽電池セル14が作製される。
<第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態として、裏面電極を製造するために採用される裏面電極形成装置200の構成について説明する。この裏面電極形成装置200は、微粒子散布装置100(図3)を、第1金属層1、第2金属層2、および裏面透明電極4を形成する各成膜処理部と組み合わせて構成する装置である。なお、処理の流れは、図2に示した第1実施形態の処理のS114までと変わるところはない。また、形成される裏面電極の構成は図1の裏面電極10である。既述の内容から明らかなように、軽微な変更によってマスクを用いる裏面電極12の作製に裏面電極形成装置200を用いることが可能となる。
裏面電極形成装置200の構成を説明するにあたり、微粒子3が配置された直後の基板の状況について追加して説明する。図4(a)のように微粒子3が配置された直後の基板においては、微粒子3が基板9の第1金属層1の面に配置されている。そして、上述のように、必要に応じて乾燥処理S110が施されている。この段階では、第2金属層2は未だ形成されていない。このような状態でも、微粒子3は、第1金属層1から離脱または脱落しにくい場合がある。そのような状態が得られる条件については必ずしも定かではない。しかし実際には微粒子3が離脱しにくい性質を有する場合が少なくない。例えば、乾燥処理S110を終えて微粒子が散布された状態の基板を用いてその直後に第2金属層形成処理(S112)を行う場合と、微粒子3を配置させ乾燥処理S110を終えて特段の定着処理を行なうことなく基板9をロール状に巻取ってしまい、そのロール状の基板9を再び巻出してから第2金属層形成処理(S112)を再開する場合との間に、微粒子3の位置、量、分散の状況、および不良につながるダストの影響、ならびにこれらが影響を与えかねない最終的な太陽電池の性能や歩留まりには、実質的に差が無いことが多い。
この性質は、エレクトロスプレー法が原則として常圧において実行されることを考慮すれば、裏面電極の形成処理全体に大きな実用性をもたらすものである。その理由は以下のとおりである。第1金属層1、第2金属層2、および裏面透明電極10を形成する成膜処理(図2におけるS102、S112、およびS114)は、典型的には蒸着やスパッタリングを用いる。これらの処理は、通例は真空槽または減圧槽に基板9を配置して施される。これに対し、エレクトロスプレー法の一連の処理(S104、S106、およびS108)は、通常は常圧にて実施される。ここで、もし、微粒子3が容易に脱落する等の理由によってエレクトロスプレー法の直後に第2金属層形成処理S112の実行が必要であるとすれば、常圧の条件によってエレクトロスプレー法の処理をしつつ、その処理後の基板を直ちに真空槽に送って処理する必要が生じてしまう。この際には、処理条件の圧力差を克服しつつ、処理間の間隔を短くすることが求められる。しかし、上述したように、実際にはその時点で微粒子3は単に第1金属層1の上に位置しているだけであるにも関わらず、ロール状に基板を巻取る程度では、微粒子3が失われるような特段の不具合は生じない。このため、エレクトロスプレー法は、その直後に真空または減圧を用いる処理を行わず、帯状の基板9の1ロール分をまとめて処理してしまうことが可能となる。したがって、上述の微粒子3が離脱しにくい性質は実用上の観点からは大きな利点となる。典型的には、図3に示した微粒子散布装置100を用いて微粒子を配置した基板を一旦ロール状に巻取って保管し、その後の処理を実行することが可能となる。
それ以外にも、この利点は本実施形態の処理にも生かすことができる。本実施形態として説明する処理の範囲は、図2の第1金属層形成処理S102から裏面透明導電層形成処理S114までの処理である。また、この処理に用いる裏面電極形成装置200の概略構成図を図8に示す。裏面電極形成装置200は、大別すると、第1金属層形成部120、散布処理部130、乾燥処理部140、第2金属層形成部150、および裏面透明導電層形成部160に分かれている。このうち、散布処理部130と乾燥処理部140は、図3に示された構成のものである。
第1金属層形成部120について説明すると、基板9の通路において、図8の紙面の上方にスパッタリングターゲット92が配置され、下方には基板ヒーター82が配置される。同様に、第2金属層形成部150では基板9の上方にスパッタリングターゲット96が配置され、下方には基板ヒーター86が配置される。裏面透明導電層形成部160についても、上方にスパッタリングターゲット98が配置され、下方に基板ヒーター88が配置される。第1金属層形成部120、散布処理部130、乾燥処理部140、第2金属層形成部150、および裏面透明導電層形成部160それぞれには、各処理が他の処理に影響しないようにするために、空間を仕切る分離壁120S、130S、140S、150S、および160Sが設けられている。そして、これらは装置室250に収納されている。
次に、裏面電極形成装置200を用いて裏面電極を形成する処理(図2のS102〜S114)を行う際の装置の動作について説明する。まず、基板9は、帯状の基板とする。この基板9は、最初は巻出し部220にロール状にして準備される。このロール状の基板9を巻出しながら、第1金属層形成部120にて第1金属層1が形成される(図2、第1金属層形成処理S102)。第1金属層1が形成された基板9は、他の成膜部、すなわち、散布処理部130、乾燥処理部140、第2金属層形成部150、および裏面透明導電層形成部160を素通りさせて巻き取り部240に巻取られる。第1金属層1の成膜処理は、装置室250内を真空引きまたは減圧して行われる。
その後、一旦巻取ったロール状の基板9を、巻出し部220に再び搭載して、今度はエレクトロスプレー法による微粒子の散布を行う一連の処理(S104、S106、およびS108)ならびに乾燥処理S110を行う。この際には、装置室250が常圧に保たれながら前述の処理が行われる。第1金属層1の上への微粒子3の散布を終えた後に、その基板9は巻き取り部240に巻取られる。
最後に、第2金属層形成部150と裏面透明導電層形成部160とを用いて、第2金属層2と裏面透明電極5とが形成される。このためには、基板を巻出し部220に再び搭載し、装置室250を真空引きまたは減圧させてから処理が行われる。処理後の基板は巻き取り部240に巻取られる。
以上のような裏面電極形成装置200による処理の流れを採用すれば、例えば第1金属層形成部120による第1金属層1の形成処理S102(図2)、散布処理部130によるエレクトロスプレー法による微粒子の散布処理(S104〜S108)、乾燥処理部140による乾燥処理S110、第2金属層形成部150による第2金属層2の形成処理S112、および裏面透明導電層形成部160による裏面透明電極の形成処理S114が、各処理の段階では連続的に、すなわち、ロール・ツー・ロール法によって処理することが可能となる。このような処理によって裏面電極を形成する場合の全体の処理効率を高めることができる。
なお、ロール・ツー・ロール法よって上述の処理を実行するため、散布処理部130は、直流電源114(電圧印加手段)を動作させてスプレーノズル110の噴射口から原料溶液を噴霧しながら、基板9を長手方向に搬送するための搬送手段を備えている。この搬送手段としては、ローラー111、112(プレスロールまたはガイドロール)を用いることができる。このローラー111、112は、エレクトロスプレー法による微粒子3の散布処理の際、直流電源114を動作させてスプレーノズル110の噴射口から原料溶液を噴霧するための接触電極としても用いられる。
ロール・ツー・ロール法の処理において実行されるエレクトロスプレー法による微粒子3の散布処理は、基板9が帯状の可撓性基板である場合に、基板9を長手方向に搬送しながら実行されている。そして、エレクトロスプレー法による微粒子3の形成処理においては、電圧印加手段を動作させてスプレーノズルの噴射口から原料溶液を噴霧しながら、基板9を長手方向に搬送することによって実現される。
なお、基板9の流れをすべて図面上の左から右に移動させるように統一した説明としたために、各処理の説明において、基板9を図面上の左の巻出し部220から巻出し、処理後の基板を右の巻き取り部240に巻取っているが、このような配置は適宜変更することができる。例えば、最初は、装置室250を真空引きまたは減圧させてから、第1金属層形成部120第1金属層1が形成される際には図面上の左から右に基板9を搬送しながら処理を行う。次に、右の巻き取り部240に巻取った基板をそのまま用いて、常圧の条件に変更しながら、今度は基板9を右から左に搬送しながらエレクトロスプレー法による微粒子の散布処理と乾燥処理を行う。なお、その場合には、散布処理部130および乾燥処理部140の位置が反転される(図示しない)。そして、最後に、装置室250を真空引きまたは減圧させてから、再び基板9を左から右に移動させながら、第2金属層形成部150と裏面透明導電層形成部160を用いて、第2金属層2と裏面透明電極4とが形成される。このように処理すると、基板9のロールを移動させる回数を削減することが可能となる。
なお、上述のマスクを用いる場合にロール・ツー・ロール法を採用するためには、マスクを基板とともに移動させることも有用である。
<第3実施形態:変形例1>
次に、エレクトロスプレー法による微粒子を散布する処理をステッピングロール法によって処理する変形例について説明する。なお、ステッピングロール法は、帯状の基板を長手方向に並ぶ同一形状の多数の領域(コマ)に区切って毎の処理を行う手法であり、基板を静止させておく処理モードと、次のコマを処理対象にするために基板を長手方向に搬送する搬送モードとを交互に設けて基板の各コマに処理を順次施す手法である。各コマに着目すると、図2の裏面透明導電層形成処理S114までの処理が順を追って行われる。
この処理において利用される裏面電極形成装置210の概略構成は、ほぼ図8に示した裏面電極形成装置200と同様である。したがって、図8に基づいて裏面電極形成装置210の動作を説明する。この裏面電極形成装置210において、帯状の基板9には、ロール状にして巻出し部220に準備される。このロール状の基板9は、図8のように配列された第1金属層形成部120、散布処理部130、乾燥処理部140、第2金属層形成部150、および裏面透明導電層形成部160の間を通して裏面電極形成装置210にロードされる。
まず、処理モードにおける裏面電極形成装置210の動作について説明する。この処理モードにおいては、第1金属層形成部120にて第1金属層1が形成される。その際、散布処理部130においてはエレクトロスプレー法による微粒子3の散布が行われ、乾燥処理部140においては乾燥が行われ、第2金属層形成部150においては第2金属層2が形成され、そして、裏面透明導電層形成部160において裏面透明電極4が形成される。散布処理部130には、ローラー111、112(プレスロールまたはガイドロール)が用いられる。このうちのローラー112は、エレクトロスプレー法による微粒子3の散布の際、直流電源114(電圧印加手段)を動作させてスプレーノズル110の噴射口110Aから原料溶液を噴霧するための接触電極として用いられ、また、基板9を静止させて保持する保持手段としても用いられる。
処理モードにおける各処理は可能な限り一斉に行われるが、必要な時間が必ずしも同一とはならないため、各処理は完全に同時に処理が行われていないこともありうる。これらの第1金属層形成部120、散布処理部130、乾燥処理部140、第2金属層形成部150、および裏面透明導電層形成部160は、基板に並ぶ別々のコマを処理対象にしている。この際、第1金属層形成部120、乾燥処理部140、第2金属層形成部150、および裏面透明導電層形成部160における処理は真空引きされた状態にて実行されるのに対し、エレクトロスプレー法による微粒子の形成が行われる散布処理部130における処理は真空引きが行われない。このため、装置室250は減圧され、分離壁130Sは高い気密構造とされて内部が常圧となるように窒素が送られている。他の分離壁120S、140S、150S、および160Sは、他の処理部とのクロスコンタミネーションを防止する程度の気密構造となっている。なお、乾燥処理部140は真空引きを必須とはしないが、ここでは、真空引きすることとして説明する。
次に、搬送モードの動作について説明する。搬送モードでは、コマを進めるために基板を長手方向に搬送する。この搬送送り量(距離)はコマを少なくとも一つ進めるのに必要な距離である。ここで、エレクトロスプレー法による微粒子の形成は原則として常圧において実行される。そのため、搬送モードに移行する直前には、散布処理部130のみが常圧であり、他の第1金属層形成部120、乾燥処理部140、第2金属層形成部150、および裏面透明導電層形成部160は減圧されている。この圧力差を緩和するために、搬送モードの開始時に、これらの処理部の圧力を少なくともある程度そろえる必要がある。このためには、主として、第1金属層形成部120、乾燥処理部140、第2金属層形成部150、および裏面透明導電層形成部160を常圧としてから搬送する手法と、散布処理部130を減圧してから搬送する手法とがある。このどちらを採用するかは、種々の観点から決定される。例えば、排気すべき容積、排気ポンプ(真空ポンプ)の能力、常圧にされる領域内部の気流を安定させるために要する時間、等が考慮される。当然ながら、圧力はどちらか一方に他方を一致させる必要はなく、第1金属層形成部120、散布処理部130、乾燥処理部140、第2金属層形成部150、および裏面透明導電層形成部160の各部の圧力が搬送に支障が出ない程度にそろってさえいればよい。
以上のような処理モードと搬送モードとを繰りかえして実行することによって、基板の各コマには順次、図2の裏面透明導電層形成処理S114までの処理が実現される。各コマを見ると、第1金属層形成部120による第1金属層1の形成処理、散布処理部130によるエレクトロスプレー法による微粒子の散布処理、乾燥処理部140による乾燥処理、第2金属層形成部150による第2金属層2の形成処理、そして裏面透明導電層形成部160による裏面透明電極4の形成処理が行われる。このようにして、エレクトロスプレー法による粒子の散布処理をステッピングロール法による他の成膜処理と組み合わせることにより、裏面電極を形成する処理全体の処理効率を高めることができる。
以上のような処理において実行されるエレクトロスプレー法による微粒子の散布処理は、基板が帯状の可撓性基板である場合に、基板を静止させながら散布工程が実行されており、また、基板を長手方向に搬送する搬送工程も実行される。その際、第1金属層形成工程および第2金属層形成工程のうちの少なくともいずれかの工程と、散布工程とが、いずれも基板を静止させながら基板の別々の領域に実行され、それらが繰りかえし実行される。帯状の基板の各コマを見ると、第1金属層形成工程と、散布工程と、第2金属層形成工程とがこの順に施されることとなる。
<その他の実施形態>
以上に述べた各実施形態の他に、本発明は種々変更された実施形態によって実施される。例えば、上に述べた各実施形態は基板が可撓性のものとしていた。本発明においては、裏面電極に形成する凹凸構造を微粒子を用いて作製することによって制御性を高めて低コストで作製するものである。このため、例えばガラス基板を用いてサブストレート型太陽電池を作製するような実施形態としても本発明は実施される。
さらには、上述の説明において基板が帯状の場合を取り上げて説明した。しかし、本発明はこのような形状の基板のみに限定して適用されるものではない。例えば、いわゆる枚葉式の基板を対象とする場合であっても、裏面電極に形成する凹凸構造を微粒子を用いて作製すれば高い制御性をもって低コストで裏面電極を作製することができる。
以上、本発明のいくつかの実施形態を具体的に説明した。上述の各実施形態は、発明を説明するために記載されたものであり、本出願の発明の範囲は、特許請求の範囲の記載に基づいて定められるべきものである。また、各実施形態の他の組合せを含む本発明の範囲内に存在する変形例もまた、特許請求の範囲に含まれるものである。
本発明は、形状が制御された凹凸構造を簡易に得ることにより、薄膜太陽電池に用いる凹凸構造を有する導電性反射面が形成された裏面電極、その裏面電極を用いて製造される太陽電池ならびにそれらの製造方法および製造装置の作製により、これらを用いる電力機器または電気機器の普及または高性能化に大きく貢献する。
10、12 裏面電極
1 第1金属層
2 第2金属層
2F、22F 面
2h、2s、2b 高い部分、低い部分、およびスロープの部分
200、210 裏面電極形成装置
220 巻出し部
240 巻き取り部
250 装置室
3 微粒子
32 微粒子層
4 裏面透明導電層
50 空間
4 透明導電層
5、52 絶縁性マスク
6 巻出しロール
7 巻取りロール
9 基板
10 スプレーノズル
11 プレスロールまたはガイドロール
12 ガイドロール
14 太陽電池セル
100 微粒子散布装置
110 スプレーノズル
111、112 ローラー
114 直流電源
116 スイッチ
120 第1金属層形成部
130 散布処理部
140 乾燥処理部
150 第2金属層形成部
160 裏面透明導電層形成部
120S、130S、140S、150S、160S 分離壁
82、84A、84B、86、88 ヒーター
92、96、98 ターゲット

Claims (33)

  1. 電気絶縁性を有する基板の一方の面の上に形成される第1金属層と、
    前記第1金属層の面の上に配置されている複数の微粒子と、
    前記複数の微粒子の少なくともいくつかを覆って形成され、凹凸構造を有する導電性反射面をなす第2金属層と
    を備える太陽電池用裏面電極。
  2. 前記複数の微粒子は、前記基板の前記一方の面に向かう空間に噴射口が配置され原料溶液が供給されるスプレーノズルと前記第1金属層との間に印加された電圧の作用によって、前記噴射口から噴霧される前記原料溶液の液滴としてまたは該液滴に含めて前記空間に放たれ、前記第1金属層の面の上に到着するものである
    請求項1に記載の太陽電池用裏面電極。
  3. 前記複数の微粒子が、開口が設けられた電気絶縁体のマスクを用いて前記第1金属層の上に配置され、前記第1金属層の上の該開口の形状に応じた位置に選択的に配置されている
    請求項2に記載の太陽電池用裏面電極。
  4. 前記マスクに設けられている前記開口が繰りかえす並びにされていて、
    前記複数の微粒子が選択的に配置される領域が繰りかえし並べられている
    請求項3に記載の太陽電池用裏面電極。
  5. 前記複数の微粒子が前記第1金属層の上に散在している
    請求項1または請求項2に記載の太陽電池用裏面電極。
  6. 前記第1金属層が、金、白金、アルミニウム、銀、および亜鉛からなる群から選択される一の単体金属、または該単体金属を含む合金からなる金属層である
    請求項1または請求項2に記載の太陽電池用裏面電極。
  7. 前記第2金属層の前記導電性反射面の上に形成された透明導電性材料を含む裏面透明導電層をさらに備える
    請求項1または請求項2に記載の太陽電池用裏面電極。
  8. 前記微粒子が、金、銀、白金、および銅からなる群から選択される一の金属元素を含む金属微粒子である
    請求項1または請求項2に記載の太陽電池用裏面電極。
  9. 前記微粒子が、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、および酸化アルミニウムからなる群から選択される一の酸化物組成物を含む酸化物微粒子である
    請求項1または請求項2に記載の太陽電池用裏面電極。
  10. 請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載の太陽電池用裏面電極を用いる薄膜太陽電池であって、
    nip接合構造を単数あるいは複数有する半導体層と、
    透明導電性材料を含む前面透明電極層と
    をさらに備え、
    前記太陽電池用裏面電極の導電性反射面の上に直接または他の層を介して、前記半導体層と前記前面透明電極層とが該導電性反射面の側からこの順に形成される
    薄膜太陽電池。
  11. 電気絶縁性を有する基板の一方の面の上に形成されている第1金属層の面の上に複数の微粒子を配置する工程と、
    前記複数の微粒子の少なくともいくつかを覆い、凹凸構造を有する導電性反射面をなす第2金属層を形成する第2金属層形成工程と
    を含む
    太陽電池用裏面電極の製造方法。
  12. 前記複数の微粒子を配置する工程は微粒子の散布工程を含むものであり、
    該散布工程は、
    前記第1金属層に対する電気的導通を確保する工程と、
    前記基板の前記一方の面に向かう空間に噴射口が配置されたスプレーノズルに原料溶液を供給する工程と、
    前記第1金属層と前記スプレーノズルとの間に電圧を印加する工程と
    を含み、前記スプレーノズルの前記噴射口から噴霧される前記原料溶液の液滴としてまたは該液滴に含めて前記複数の微粒子が前記空間に放たれ、放たれた前記複数の微粒子が前記第1金属層の面の上に到着する工程である
    請求項11に記載の太陽電池用裏面電極の製造方法。
  13. 開口が設けられた電気絶縁体のマスクを前記空間にまたは前記第1金属層の上に配置しながら前記散布工程が実行される
    請求項12に記載の太陽電池用裏面電極の製造方法。
  14. 前記マスクに設けられている前記開口が繰りかえす並びにされている
    請求項13に記載の太陽電池用裏面電極の製造方法。
  15. 前記基板が帯状の可撓性基板であり、
    該基板を長手方向に搬送しながら前記散布工程が実行される
    請求項12または請求項13に記載の太陽電池用裏面電極の製造方法。
  16. 前記基板が帯状の可撓性基板であり、
    該基板を静止させながら前記散布工程が実行され、
    該基板を長手方向に搬送する搬送工程をさらに含む
    請求項12または請求項13に記載の太陽電池用裏面電極の製造方法。
  17. 前記基板の前記一方の面の上に第1金属層を形成する第1金属層形成工程をさらに含み、
    該第1金属層形成工程および前記第2金属層形成工程のうちの少なくともいずれかの工程と前記散布工程とを、前記基板を静止させながら、該基板の別々の領域に実行する処理工程と、
    前記搬送工程と
    を繰りかえし実行することにより、前記帯状の可撓性基板に、前記第1金属層形成工程と、前記散布工程と、前記第2金属層形成工程とがこの順に施される
    請求項16に記載の太陽電池用裏面電極の製造方法。
  18. 前記第2金属層形成工程より後に、透明導電性材料を含む裏面透明導電層を前記第2金属層の面の上に形成する裏面透明導電層形成工程をさらに含む
    請求項11または請求項12に記載の太陽電池用裏面電極の製造方法。
  19. 前記電気的導通を確保する工程が、前記第1金属層に接触されるプレスロールまたはガイドロールを接触電極として機能させる工程である
    請求項12に記載の太陽電池用裏面電極の製造方法。
  20. 前記散布工程より後に乾燥工程が実行される
    請求項12に記載の太陽電池用裏面電極の製造方法。
  21. 前記乾燥工程が、基板を100℃以上200℃以下に到達させる加熱工程を含む工程である
    請求項20に記載の太陽電池用裏面電極の製造方法。
  22. 請求項11乃至請求項21のいずれか1項に記載の製造方法によって製造された太陽電池用裏面電極を用いて薄膜太陽電池を製造する方法であって、
    前記太陽電池用裏面電極の前記導電性反射面の上に直接または他の層を介して、nip接合構造を単数あるいは複数有する半導体層を形成する工程と、
    透明導電性材料を含む前面透明電極層を形成する工程と
    をさらに含み、
    前記半導体層を形成する工程と前記前面透明電極層を形成する工程とがこの順に実行される
    薄膜太陽電池の製造方法。
  23. 電気絶縁性を有する基板の一方の面の上に形成された第1金属層に接触させるための接触電極と、
    該第1金属層に向かう空間に噴射口が配置され、原料溶液が供給されるスプレーノズルと、
    前記接触電極と前記スプレーノズルとのいずれかまたは両方に接続されており、前記接触電極に接続している前記第1金属層と前記スプレーノズルとの間に電圧を印加するための電圧印加手段と
    を備え、前記スプレーノズルの前記噴射口から前記原料溶液を噴霧し、前記原料溶液の液滴としてまたは該液滴に含めて前記空間に放たれた複数の微粒子を前記第1金属層の面の上に到着させる
    太陽電池用裏面電極の製造装置。
  24. 前記複数の微粒子の少なくともいくつかを覆い、前記第1金属層と導通し凹凸構造を有する導電性反射面を形成する第2金属層を形成する第2金属層形成部
    をさらに備える
    請求項23に記載の太陽電池用裏面電極の製造装置。
  25. 開口が設けられた電気絶縁体のマスクを前記空間または前記第1金属層の上にさらに備える
    請求項23に記載の太陽電池用裏面電極の製造装置。
  26. 前記マスクに設けられる前記開口が繰りかえす並びにされている
    請求項25に記載の太陽電池用裏面電極の製造装置。
  27. 前記基板が帯状の可撓性基板であり、
    前記電圧印加手段を動作させて前記スプレーノズルの前記噴射口から前記原料溶液を噴霧しながら、該基板を長手方向に搬送するための搬送手段をさらに備える
    請求項23に記載の太陽電池用裏面電極の製造装置。
  28. 前記基板が帯状の可撓性基板であり、
    前記電圧印加手段を動作させて前記スプレーノズルの前記噴射口から前記原料溶液を噴霧しながら、前記基板を静止させて保持する保持手段と、
    該基板を長手方向に搬送する搬送手段と
    をさらに備える
    請求項23に記載の太陽電池用裏面電極の製造装置。
  29. 前記基板の前記一方の面の上に第1金属層を形成する第1金属層形成部と、
    基板を搬送する搬送手段と
    をさらに備え、
    該第1金属層形成部および前記第2金属層形成部のうちの少なくともいずれかの成膜部と前記電圧印加手段とを、前記基板を静止させながら、該基板の別々の領域を対象にして動作させる処理動作と、
    搬送動作と
    を繰りかえし実行することにより、前記帯状の可撓性基板に、前記第1金属層と、前記複数の微粒子と、前記第2金属層とをこの順に形成する
    請求項28に記載の太陽電池用裏面電極の製造装置。
  30. 透明導電性材料を含む裏面透明導電層を前記第2金属層の面の上に形成する裏面透明導電層形成部をさらに含む
    請求項23に記載の太陽電池用裏面電極の製造装置。
  31. 前記接触電極が、前記第1金属層に接触されるプレスロールまたはガイドロールである
    請求項23に記載の太陽電池用裏面電極の製造装置。
  32. プレスロールまたはガイドロールである前記接触電極が、該基板を長手方向に搬送するための搬送手段、または、前記基板を静止させて保持する保持手段として用いられる
    請求項31に記載の太陽電池用裏面電極の製造装置。
  33. 前記複数の微粒子が配置された基板を乾燥するための乾燥部をさらに備える
    請求項23に記載の太陽電池用裏面電極の製造装置。
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