JP2011196372A - 圧縮機 - Google Patents

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Abstract

【課題】油膜を形成するための十分な潤滑油の供給をし、スラスト軸受での摩擦損失を低減すること。
【解決手段】駆動部と、圧縮機構部と、駆動部による回転を圧縮機構部に伝達する回転軸33と、回転軸33における軸心の延在方向に働く荷重を受けるスラスト軸受442と、を備える圧縮機において、スラスト軸受442は、回転軸33に設けられたスラスト面442aと固定の軸受面442bとが軸心の延在方向で対面する滑軸受を構成し、スラスト面442aを、回転軸33の軸心に対して偏心して設けると共に、周縁の一部を回転軸33の外周の一部に一致して設け、かつ凹部442cを形成する。
【選択図】図4

Description

本発明は、圧縮機に関する。
従来、例えば、特許文献1に記載の圧縮機は、圧縮機構部と、圧縮機構部を駆動する回転軸と、回転軸を回転駆動する電動機と、回転軸の軸方向に作用する荷重を支持するスラスト軸受とを備え、スラスト軸受の回転軸側の摺動面に油膜圧力発生機構を備えている。そして、油膜圧力発生機構は、傾斜した平面や、回転軸の外周から中心に向かって断面積が減少する複数の油溝で構成されている。これにより、スラスト軸受の軸受隙間に潤滑油が供給されるので、回転軸および電動機の回転子の荷重を支えるスラスト軸受において、スラスト軸受での直接接触による摩擦などの表面損傷を起こすことなく摺動損失を低減させようとしている。
特開2003−184774号公報
しかし、上述した特許文献1に記載の圧縮機は、スラスト軸受の回転軸側の摺動面が、回転軸と同一中心の円形とされて回転軸の全周囲で非回転軸側に常に対面している。このため、例えば、上述した特許文献1に記載の圧縮機における潤滑油供給管のように、潤滑油を十分に供給する機構を設けなければ、油溝による効果を得ることが難しい。しかしながら、潤滑油供給管を設けるには加工の困難さを伴う。
本発明は上述した課題を解決するものであり、油膜を形成するための十分な潤滑油の供給をし、スラスト軸受での摩擦損失を低減することのできる圧縮機を提供することを目的とする。
上述の目的を達成するために、本発明の圧縮機は、駆動部と、圧縮機構部と、前記駆動部による回転を前記圧縮機構部に伝達する回転軸と、前記回転軸における軸心の延在方向に働く荷重を受けるスラスト軸受と、を備える圧縮機において、前記スラスト軸受は、回転軸に設けられたスラスト面と固定の軸受面とが前記軸心の延在方向で対面する滑軸受を構成し、前記スラスト面は、前記回転軸の軸心に対して偏心して設けられていると共に、周縁の一部を前記回転軸の外周の一部に一致して設けられており、前記スラスト面および前記軸受面の少なくとも他方から離隔する部分を有することを特徴とする。
この圧縮機によれば、離隔する部分によるくさび効果によりスラスト面と軸受面との間に圧力負荷能力が発生して潤滑油による油膜が形成される。すなわち、潤滑油の油膜圧により、回転軸の軸心の延在方向に掛かる荷重を支えつつ、スラスト面と軸受面との間で境界潤滑により相互に滑りを生じる。この結果、スラスト軸受での摩擦損失を低減できる。しかも、スラスト軸受は、スラスト面が、回転軸の軸心に対して偏心して設けられ、その周縁の一部を回転軸の外周の一部に一致して設けられていることから、くさび効果を得るための十分な潤滑油を供給することができる。また、回転軸と軸受面に十分な油膜が形成されることから回転軸と軸受面の接触が回避され回転軸と軸受面との接触を低減することができる。
また、本発明の圧縮機では、前記離隔する部分は、前記スラスト面および前記軸受面の少なくとも一方に凹部状に形成されていてもよい。
また、本発明の圧縮機では、前記離隔する部分は、前記スラスト面に設けられ、前記回転軸の回転方向に向けて前記軸受面から漸次離隔しつつ、前記回転軸の外周の一部に一致する部分まで至り形成されていることを特徴とする。
この圧縮機によれば、離隔する部分の構成により、スラスト軸受での摩擦損失を低減できる効果を顕著に得ることができる。
また、本発明の圧縮機では、前記離隔する部分は、前記スラスト面に設けられ、前記回転軸の軸心の放射方向に延在して形成されていることを特徴とする。
この圧縮機によれば、離隔する部分の構成により、スラスト軸受での摩擦損失を低減できる効果を顕著に得ることができる。
また、本発明の圧縮機では、前記離隔する部分は、螺旋状に形成されていることを特徴とする。
この圧縮機によれば、離隔する部分の構成により、スラスト軸受での摩擦損失を低減できる効果を顕著に得ることができる。
また、本発明の圧縮機では、前記離隔する部分は、前記スラスト面に設けられ、前記回転軸の回転方向に向けて前記軸受面から離隔する段部を有し、前記回転軸の外周の一部に一致する部分まで至り形成されていることを特徴とする。
この圧縮機によれば、離隔する部分の構成により、スラスト軸受での摩擦損失を低減できる効果を顕著に得ることができる。
また、本発明の圧縮機では、前記離隔する部分は、前記スラスト面との境となる前記回転軸寄りの入隅部分に円弧部が形成されていることを特徴とする。
この圧縮機によれば、離隔する部分を切削加工する場合に、エンドミルなどの工具によって容易に凹部の入隅部分を加工することができる。しかも、円弧部によって入隅部分が角をなさないことから、当該入隅部分に塵などが溜まることがない。
また、本発明の圧縮機では、前記離隔する部分は、前記段部から連続して外周縁に沿う壁部が形成されていることを特徴とする。
この圧縮機によれば、くさび効果を得る段部に積極的に潤滑油が溜まるので、圧力負荷能力を発生させる効果を顕著に得ることができる。
また、本発明の圧縮機では、前記離隔する部分は、前記回転軸の外周に沿う溝部が形成されていることを特徴とする。
この圧縮機によれば、潤滑油をより回転軸寄りに供給することができ、回転軸の回転をより円滑にすることができる。
また、本発明の圧縮機では、前記離隔する部分は、前記軸受面に設けられ、前記回転軸が挿入される穴に連通して形成されていることを特徴とする。
この圧縮機によれば、離隔する部分の構成により、スラスト軸受での摩擦損失を低減できる効果を顕著に得ることができる。
また、本発明の圧縮機では、前記離隔する部分は、前記スラスト面および前記軸受面の油流入側に形成されていることを特徴とする。
この圧縮機によれば、潤滑油をより確保し易くできる。
また、本発明の圧縮機では、筐体内に、低段側圧縮機構部と高段側圧縮機構部とが設けられ、前記低段側圧縮機構部で圧縮された中間圧冷媒ガスを前記高段側圧縮機構部に吸入して2段圧縮する多段圧縮機を構成し、前記高段側圧縮機構部で圧縮された高圧冷媒ガスの一部を前記スラスト軸受のスラスト面と軸受面との間に供給する高圧ガス供給部を備えることを特徴とする。
この圧縮機によれば、スラスト面と軸受面との間に供給された高圧冷媒ガスによって、スラスト面と軸受面との間に、回転軸の軸心の延在方向に掛かる荷重を支え得る圧力が得られる。この結果、スラスト軸受での摩擦損失をさらに低減できる。
本発明によれば、油膜を形成するための十分な潤滑油の供給をし、スラスト軸受での摩擦損失を低減できる。
図1は、本発明に係る圧縮機の概略断面図である。 図2は、図1に示す圧縮機のスラスト軸受の概略断面図である。 図3は、本発明の実施の形態1に係る圧縮機におけるスラスト軸受であって図2におけるA−A断面図である。 図4は、図3に示すスラスト軸受の斜視図である。 図5は、本発明の実施の形態2に係る圧縮機におけるスラスト軸受であって図2におけるA−A断面図である。 図6は、図5に示すスラスト軸受の斜視図である。 図7は、本発明の実施の形態2に係る圧縮機におけるスラスト軸受の他の例の斜視図である。 図8は、本発明の実施の形態3に係る圧縮機におけるスラスト軸受であって図2におけるA−A断面図である。 図9は、図8に示すスラスト軸受の斜視図である。 図10は、本発明の実施の形態3に係る圧縮機におけるスラスト軸受の凹部の範囲を示す図であって図2におけるA−A断面図である。 図11は、本発明の実施の形態3に係る圧縮機におけるスラスト軸受の他の例であって図2におけるA−A断面図である。 図12は、本発明の実施の形態3に係る圧縮機におけるスラスト軸受の他の例であって図2におけるA−A断面図である。 図13は、本発明の実施の形態3に係る圧縮機におけるスラスト軸受の他の例であって図2におけるA−A断面図である。 図14は、本発明の実施の形態4に係る圧縮機におけるスラスト軸受であって図2におけるB−B断面図である。 図15は、図14に示すスラスト軸受であって図14に示すC−C断面図である。 図16は、本発明の実施の形態4に係る圧縮機におけるスラスト軸受の他の例であって図2におけるB−B断面図である。 図17は、本発明の実施の形態5に係る圧縮機の概略図である。
以下に、本発明に係る実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施の形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
[実施の形態1]
本実施の形態の圧縮機1は、例えば、空気調和機に適用される。空気調和機としては、図には明示しないが、室外に配置される室外ユニットと、室内に配置される室内ユニットとを含み構成され、室外ユニットおよび室内ユニットの間に冷媒を循環させて室内および室外にて熱交換を行うことにより、室内の冷房、暖房、または冷暖房を行う。かかる空気調和機において、圧縮機1は、室外ユニットに配置され、冷媒を吸入・圧縮して室外ユニットまたは室内ユニットの外部要素に供給する。
圧縮機1は、図1に示すように、筐体2と、駆動部3と、圧縮機構部4と、アキュムレータ5を含み構成されている。
筐体2は、上下が密閉された略円筒形状をなし、その内部に駆動部3、圧縮機構部4などが収容されている。筐体2は、その円筒を垂直に立てて配置されており、その頂部に吐出管21が設けられている。また、筐体2の底部は、油溜22として構成されており、この油溜22には圧縮機構部4に供給される潤滑油Lが溜められている。
駆動部3は、スロットモータであり、固定子31、回転子32、および回転軸33を含み構成されている。固定子31は、筐体2の内壁面に固定されている。回転子32は、固定子31に対して回転可能に設けられている。回転軸33は、回転子32に取り付けられ、自身の軸心Sを上下方向に延在する態様で設けられている。また、回転軸33は、その下端部が圧縮機構部4に接続されている。このような駆動部3は、図示しない配線を介して筐体2の外部から電源が供給される。
圧縮機構部4は、筐体2内にて駆動部3の下方に配置されている。この圧縮機構部4は、本実施の形態では、例えば、2気筒のロータリ圧縮機構により構成され、第一圧縮部41と第二圧縮部42とが上下多段に構成されている。図1および図2に示すように、各圧縮部41,42は、ロータ411,421および圧縮室412,422からなり、回転軸33の回転の軸心Sに沿って並べて配置されている。各圧縮部41,42の間には、仕切板43が設けられている。仕切板43は、各圧縮部41,42を仕切るもので、各圧縮室412,422の壁の一部を構成している。また、仕切板43には、回転軸33を挿通する挿通穴431が形成されている。
また圧縮機構部4は、図1および図2に示すように、圧縮部41の上側に設けられた上部軸受441と、圧縮部42の下側に設けられた下部軸受442とにより回転軸33を回転可能に支持している。また、各ロータ411,421は、回転軸33の各圧縮部41,42に対応する位置に設けられた各クランク331,332に取り付けられている。すなわち、この圧縮機構部4は、駆動部3に電源が供給されて回転軸33が回転することで、各クランク331,332により各ロータ411,421が圧縮室412,422内を偏心回転し、各圧縮室412,422内の流体を圧縮する。
また、第一圧縮部41は、圧縮した流体を吐出する吐出口(図示せず)がその上側に配置されている。第二圧縮部42は、圧縮した流体を吐出する吐出口(図示せず)がその下側に配置されている。そして、各吐出口から吐出された流体は、密閉された筐体2内を上昇し、筐体2の頂部の吐出管21より筐体2の外部に吐出される。
なお、回転軸33は、その下端が筐体2の油溜22に至って設けられている。回転軸33の内部には、下端から圧縮機構部4に対応する部分に至り油供給通路333が設けられている。油供給通路333は、回転軸33の軸心Sに沿って設けられていると共に、第一圧縮部41に対応するクランク331に貫通する油供給分岐通路333aと、第二圧縮部42に対応するクランク332に貫通する油供給分岐通路333bと、上部軸受441の位置で開口する油供給分岐通路333cと、下部軸受442の位置で開口する油供給分岐通路333dとを有している。すなわち、回転軸33の下端から油供給通路333を介して潤滑油Lが圧縮機構部4に供給される。なお、図には明示しないが、油供給通路333は、後述する下部軸受442の凹部442c,442d,442e,442f,442g,442hに通じる油供給分岐通路を有していてもよい。これにより、下部軸受442に直接潤滑油Lが供給される。
アキュムレータ5は、筐体2の外部に配置され、容器51、第一吸入管52、および第二吸入管53を含み構成されている。容器51は、上下が密閉された略円筒形状をなし、その頂部に流入管511が設けられている。第一吸入管52は、圧縮機構部4の第一圧縮部41に流体を供給するための配管であり、その一端が第一圧縮部41の圧縮室412に接続されている。第二吸入管53は、圧縮機構部4の第二圧縮部42に流体を供給するための配管であり、その一端が第二圧縮部42の圧縮室422に接続されている。また、各吸入管52,53は、その他端が開放しており、容器51の底部から容器51の内部に位置されている。
この圧縮機1では、外部要素(図示せず)を経た冷媒ガス(流体)がアキュムレータ5の容器51内に供給される。この冷媒ガスは、各吸入管52,53を介して各圧縮部41,42に供給される。そして、駆動部3により各圧縮部41,42が駆動されることで冷媒ガスが圧縮される。圧縮された冷媒ガスは、吐出管21から筐体2の外部に吐出され、外部要素(図示せず)に供給される。
ここで、各圧縮部41,42の各圧縮室412,422内には、油供給通路333により潤滑油Lが供給される。したがって、各圧縮部41,42に供給された潤滑油Lの一部は、各圧縮部41,42により圧縮された冷媒ガスに含まれた状態で外部要素に供給される。アキュムレータ5は、液体である潤滑油Lを気体である冷媒ガスから分離する、すなわち気液分離するもので、気液分離した冷媒ガスを圧縮室412,422に供給する一方、気液分離した潤滑油Lを容器51の底部に溜める。また、アキュムレータ5は、各吸入管52,53において、容器51の底部で潤滑油Lが溜められる位置に油戻孔521,531が形成されており、容器51の底部に溜まった潤滑油Lを各圧縮部41,42に戻すように構成されている。なお、容器51の底部には、潤滑油Lと共に気液分離された液冷媒も溜められる。
上述した圧縮機1に係り、回転軸33を回転可能に支持する下部軸受442について図を参照して説明する。図2に示すように、下部軸受442は、回転軸33および回転子32の自重により、軸心Sの延在方向(スラスト方向)に掛かる荷重を支えるスラスト軸受を構成している。この下部軸受442は、回転軸33に設けられたスラスト面442aと固定の軸受面442bとが軸心Sの延在方向で対面する滑軸受を構成している。
また、下部軸受442は、図3および図4に示すように、スラスト面442aが、回転軸33の軸心Sに対して偏心して設けられ、その周縁の一部を回転軸33の外周の一部に一致して設けられている。このような下部軸受442は、スラスト面442aおよび軸受面442bの少なくとも一方に、スラスト面442aと軸受面442bとの少なくとも他方から離隔する部分としての凹部442cが形成されている。
具体的に、本実施の形態における凹部442cは、図3および図4に示すように、スラスト面442a側に設けられている。また、凹部442cは、回転軸33の回転方向Rに向けて軸受面442b(図2参照)から漸次離隔しており、回転軸33の外周の一部に一致する部分まで至って形成されている。
この凹部442cは、図4に示すように、軸受面442bに対してスラスト面442aよりも離隔していることから(最大で隙間Ha)、回転軸33の回転に伴い、軸受面442bとの間に潤滑油Lが保持される。そして、さらなる回転軸33の回転に伴い、軸受面442bとの隙間が漸次狭くなり、くさび効果によりスラスト面442aと軸受面442bとの間に潤滑油Lが供給され圧力負荷能力が発生することで油膜が形成される。
このため、下部軸受442は、潤滑油Lの油膜圧により、回転軸33および回転子32の自重による軸心Sの延在方向(スラスト方向)に掛かる荷重を支えつつ、スラスト面442aと軸受面442bとの間で境界潤滑により相互に滑りを生じる。この結果、スラスト軸受としての下部軸受442での摩擦損失を低減することが可能になる。また、圧縮された流体が圧縮室412,422から排出される際には、圧縮室412,422の内外での圧力差により軸心Sに沿う軸方向に回転軸33が振動することになる。この問題に対し、回転軸33を下方に押し付けることにより振動を抑制しようとすると、スラスト面442aと軸受面442bとが接近するように押されるため、潤滑油L切れが懸念される。この点、本実施の形態の圧縮機1は、油膜圧によって回転軸33を押し上げることにより、振動を抑制しつつ、当該振動による異音を抑えると共に、潤滑油L切れを回避することが可能である。
しかも、下部軸受442は、スラスト面442aが、回転軸33の軸心Sに対して偏心して設けられ、その周縁の一部を回転軸33の外周の一部に一致して設けられていることから、スラスト面442aの回転半径が大きく回転の周速を速くできるので、油膜の付加容量が大きくなり、くさび効果を得るための十分な潤滑油Lを供給することができる。また、回転軸33と軸受面442bに十分な油膜が形成されることから回転軸33と軸受面442bの接触が回避され回転軸33と軸受面442bとの接触を低減することができる。
また、凹部442cは、油供給通路333からスラスト面442aと軸受面442bとの間に潤滑油が供給される油流入側において形成されていることが好ましい。このように構成すれば、潤滑油をより確保し易くできる。
なお、上述した圧縮機1は、圧縮機構部4が2気筒のロータリ圧縮機構により構成された例を示したが、これに限らない。例えば、1気筒としたロータリ圧縮機構(図17参照)や、図には明示しないが2気筒を超える多気筒のロータリ圧縮機構により構成されていてもよい。
[実施の形態2]
本実施の形態について、図面を参照して説明する。図5は、実施の形態2に係る圧縮機におけるスラスト軸受であって図2におけるA−A断面図であり、図6は、図5に示すスラスト軸受の斜視図である。なお、以下に説明する実施の形態2では、実施の形態1に対し、スラスト軸受としての下部軸受442の構成が異なる。したがって、以下の説明において、上述した実施の形態1と同等の構成には同一の符号を付してその説明を省略する。
下部軸受442は、図5および図6に示すように、スラスト面442aが、回転軸33の軸心Sに対して偏心して設けられ、その周縁の一部を回転軸33の外周の一部に一致して設けられている。このような下部軸受442は、スラスト面442aおよび軸受面442bの少なくとも一方に、スラスト面442aと軸受面442bとの少なくとも他方から離隔する部分としての凹部442dが形成されている。
具体的に、本実施の形態における凹部442dは、図5および図6に示すように、スラスト面442a側に設けられている。また、凹部442dは、回転軸33の軸心Sの放射方向に複数延在して形成されている。なお、本実施の形態において、凹部442dの数は5個であるが限定はなく、少なくとも1個設けられていればよい。
この凹部442dは、図6に示すように、軸受面442bに対してスラスト面442aよりも離隔していることから、回転軸33の回転に伴い、軸受面442bとの間に潤滑油Lが保持される。そして、さらなる回転軸33の回転に伴い、軸受面442bとの隙間が凹部442dの段差で狭くなり、くさび効果によりスラスト面442aと軸受面442bとの間に潤滑油Lが供給され圧力負荷能力が発生することで油膜が形成される。
このため、下部軸受442は、潤滑油Lの油膜圧により、回転軸33および回転子32の自重による軸心Sの延在方向(スラスト方向)に掛かる荷重を支えつつ、スラスト面442aと軸受面442bとの間で境界潤滑により相互に滑りを生じる。この結果、スラスト軸受としての下部軸受442での摩擦損失を低減することが可能になる。また、圧縮された流体が圧縮室412,422から排出される際には、圧縮室412,422の内外での圧力差により軸心Sに沿う軸方向に回転軸33が振動することになる。この問題に対し、回転軸33を下方に押し付けることにより振動を抑制しようとすると、スラスト面442aと軸受面442bとが接近するように押されるため、潤滑油L切れが懸念される。この点、本実施の形態の圧縮機1は、油膜圧によって回転軸33を押し上げることにより、振動を抑制しつつ、当該振動による異音を抑えると共に、潤滑油L切れを回避することが可能である。
しかも、下部軸受442は、スラスト面442aが、回転軸33の軸心Sに対して偏心して設けられ、その周縁の一部を回転軸33の外周の一部に一致して設けられていることから、スラスト面442aの回転半径が大きく回転の周速を速くできるので、油膜の付加容量が大きくなり、くさび効果を得るための十分な潤滑油Lを供給することができる。また、回転軸33と軸受面442bに十分な油膜が形成されることから回転軸33と軸受面442bの接触が回避され回転軸33と軸受面442bとの接触を低減することができる。
ところで、図7は、実施の形態2に係る圧縮機におけるスラスト軸受の他の例の斜視図である。図7に示す凹部442eは、その底部が回転軸33の回転方向Rに向けて軸受面442b(図2参照)から漸次離隔して形成されている。これにより、凹部442eは、回転軸33の回転に伴い、軸受面442bとの隙間が漸次狭くなり、くさび効果によりスラスト面442aと軸受面442bとの間に潤滑油Lが供給され圧力負荷能力が発生することで油膜が形成される。この結果、上述した凹部442dと同様の効果が得られる。
また、図には明示しないが、凹部442d,442eは、放射方向に延在しつつ回転軸33の回転方向Rに向けて湾曲した螺旋形状に形成されていてもよい。このように構成することにより、潤滑油を凹部442d,442eに掻き込むようになるため、潤滑油をより確保し易くできる。
また、凹部442d,442eは、油供給通路333からスラスト面442aと軸受面442bとの間に潤滑油が供給される油流入側において形成されていることが好ましい。このように構成すれば、潤滑油をより確保し易くできる。
[実施の形態3]
本実施の形態について、図面を参照して説明する。図8は、本実施の形態3に係る圧縮機におけるスラスト軸受であって図2におけるA−A断面図であり、図9は、図8に示すスラスト軸受の斜視図である。なお、以下に説明する実施の形態3では、実施の形態1に対し、スラスト軸受としての下部軸受442の構成が異なる。したがって、以下の説明において、上述した実施の形態1と同等の構成には同一の符号を付してその説明を省略する。
下部軸受442は、図8および図9に示すように、スラスト面442aが、回転軸33の軸心Sに対して偏心して設けられ、その周縁の一部を回転軸33の外周の一部に一致して設けられている。このような下部軸受442は、スラスト面442aおよび軸受面442bの少なくとも一方に、スラスト面442aと軸受面442bとの少なくとも他方から離隔する部分としての凹部442hが形成されている。
具体的に、本実施の形態における凹部442hは、図8および図9に示すように、スラスト面442a側に設けられている。また、凹部442hは、回転軸33の回転方向Rに向けて軸受面442b(図2参照)から離隔する段部442iを有しており、回転軸33の外周の一部に一致する部分まで至って形成されている。
この凹部442hは、図9に示すように、軸受面442bに対してスラスト面442aよりも離隔していることから、回転軸33の回転に伴い、軸受面442bとの間に潤滑油Lが保持される。そして、さらなる回転軸33の回転に伴い、軸受面442bとの隙間が段部442iで狭くなり、くさび効果によりスラスト面442aと軸受面442bとの間に潤滑油Lが供給され圧力負荷能力が発生することで油膜が形成される。
このため、下部軸受442は、潤滑油Lの油膜圧により、回転軸33および回転子32の自重による軸心Sの延在方向(スラスト方向)に掛かる荷重を支えつつ、スラスト面442aと軸受面442bとの間で境界潤滑により相互に滑りを生じる。この結果、スラスト軸受としての下部軸受442での摩擦損失を低減することが可能になる。また、圧縮された流体が圧縮室412,422から排出される際には、圧縮室412,422の内外での圧力差により軸心Sに沿う軸方向に回転軸33が振動することになる。この問題に対し、回転軸33を下方に押し付けることにより振動を抑制しようとすると、スラスト面442aと軸受面442bとが接近するように押されるため、潤滑油L切れが懸念される。この点、本実施の形態の圧縮機1は、油膜圧によって回転軸33を押し上げることにより、振動を抑制しつつ、当該振動による異音を抑えると共に、潤滑油L切れを回避することが可能である。
しかも、下部軸受442は、スラスト面442aが、回転軸33の軸心Sに対して偏心して設けられ、その周縁の一部を回転軸33の外周の一部に一致して設けられていることから、スラスト面442aの回転半径が大きく回転の周速を速くできるので、油膜の付加容量が大きくなり、くさび効果を得るための十分な潤滑油Lを供給することができる。また、回転軸33と軸受面442bに十分な油膜が形成されることから回転軸33と軸受面442bの接触が回避され回転軸33と軸受面442bとの接触を低減することができる。
なお、上記段部442iの回転軸33周りの位置、すなわち凹部442hの範囲は、以下のように規定する。図10に示すように、スラスト面442aの周縁の一部を回転軸33の外周の一部に一致した部分を基準Pとし、この基準Pから回転軸33の軸心Sを中心として回転方向Rと反対方向に168°(α)以上258°(β)以下の範囲に段部442iを配置することが好ましい。スラスト面442aの面積が大きいと、低回転時に軸受け面442bとの接触面積が増してしまい、面圧が増加する傾向となる。このため、段部442iの位置を、基準Pから回転軸33の回転方向Rと反対方向に168°(α)以上258°(β)以下の範囲に配置する。具体的に、スラスト面442aと軸受面442bとの間の距離hoと、凹部442hの底面と軸受面442bとの間の距離hiと、の関係hi/hoが1.87である。また、回転軸33の軸心Sを中心としたスラスト面442aの回転方向Rに沿う延在長さBoと、回転軸33の軸心Sを中心とした凹部442hの回転方向Rに沿う延在長さBiと、の関係Bi/Boが2.588である。また、回転軸33の軸心Sを中心としたスラスト面442aおよび凹部442hの回転方向Rに沿う延在長さB(=Bo+Bi)と、Biと、の関係Bi/Bが0.718である。これらの関係により、スラスト面442aに適度な揚力が付与される。そして、これらの関係となりうる段部442iの位置が、基準Pから回転軸33の回転方向Rと反対方向に258°(β)の位置であって、当該位置から90°減じた範囲である基準Pから168°(α)以上の位置でスラスト面442aに適度の揚力が付与される。この結果、基準Pから回転軸33の軸心Sを中心として回転方向Rと反対方向に168°(α)以上258°(β)以下の範囲に段部442iを配置することによって、くさび効果によりスラスト面442aと軸受面442bとの間に潤滑油Lを供給して圧力負荷能力を発生させる効果を顕著に得ることができる。これは、上述した実施の形態1の凹部442cの範囲も同様であり、上記の範囲でスラスト面442aから漸次離間する部分を配置することが好ましい。
ところで、図11は、実施の形態3に係る圧縮機におけるスラスト軸受の他の例であって図2におけるA−A断面図である。図11に示す凹部442hは、スラスト面442aとの境となる回転軸33寄りの入隅部分の円弧部442jが形成されている。これにより、凹部442hを切削加工する場合に、エンドミルなどの工具によって容易に凹部442hの入隅部分を加工することが可能である。しかも、円弧部442jによって入隅部分が角をなさないことから、当該入隅部分に塵などが溜まることがない。
図12は、本発明の実施の形態3に係る圧縮機におけるスラスト軸受の他の例であって図2におけるA−A断面図である。図12に示す凹部442hは、段部442iから連続して外周縁に沿う壁部442kが形成されている。また、壁部442kは、外周縁に沿う長さが凹部442hの途中までとされている。これにより、くさび効果を得る段部442iにて外側への潤滑油Lの洩れを抑え、積極的に潤滑油Lを溜めることができるので、圧力負荷能力を発生させる効果を顕著に得ることが可能である。この壁部442kは、上述した円弧部442jと共に形成してもよい。
また、壁部442kは、スラスト面442aから突出しない範囲で、スラスト面442aと面一で連なって形成されていても、スラスト面442aよりも低く形成されていてもよく、スラスト面442aに高さがより近いほど段部442iに潤滑油Lが溜まることになるので、潤滑油Lを溜める量に応じて適宜壁部442kの高さを設定すればよい。
なお、壁部442kは、上述した実施の形態1の凹部442cにおいて、スラスト面442aから漸次離間する段差部分から連続して外周縁に沿うように設けてもよく、同様の効果を得ることが可能である。
図13は、本発明の実施の形態3に係る圧縮機におけるスラスト軸受の他の例であって図2におけるA−A断面図である。図13に示す凹部442hは、回転軸33の外周に沿う溝部442mが形成されている。これにより、潤滑油Lをより回転軸33寄りに供給することができ、回転軸の回転をより円滑にすることが可能になる。この溝部442mは、上述した円弧部442jや壁部442kと共に形成してもよい。
また、凹部442hは、油供給通路333からスラスト面442aと軸受面442bとの間に潤滑油が供給される油流入側において形成されていることが好ましい。このように構成すれば、潤滑油をより確保し易くできる。
[実施の形態4]
本実施の形態について、図面を参照して説明する。図14は、実施の形態4に係る圧縮機におけるスラスト軸受であって図2におけるB−B断面図であり、図15は、図14に示すスラスト軸受であって図14に示すC−C断面図である。なお、以下に説明する実施の形態4では、実施の形態1に対し、スラスト軸受としての下部軸受442の構成が異なる。したがって、以下の説明において、上述した実施の形態1と同等の構成には同一の符号を付してその説明を省略する。
下部軸受442は、図14に示すように、スラスト面442aが、回転軸33の軸心Sに対して偏心して設けられ、その周縁の一部を回転軸33の外周の一部に一致して設けられている。このような下部軸受442は、スラスト面442aおよび軸受面442bの少なくとも一方に、スラスト面442aと軸受面442bとの少なくとも他方から離隔する部分としての凹部442fが形成されている。
具体的に、本実施の形態における凹部442fは、図14および図15に示すように、軸受面442b側に設けられている。また、凹部442fは、回転軸33が挿入される穴4421に連通して形成されている。さらに、凹部442fは、回転軸33の軸心Sの放射方向に延在し、かつ軸心Sの周りに等間隔で複数設けられている。なお、本実施の形態において、凹部442fの数は4個であるが限定はなく、少なくとも1個設けられていればよい。
この凹部442fは、図15に示すように、スラスト面442aに対して軸受面442bよりも離隔していることから、回転軸33の回転に伴い、スラスト面442aとの間に潤滑油Lが保持される。そして、さらなる回転軸33の回転に伴い、スラスト面442aとの隙間が凹部442fの段差で狭くなり、くさび効果によりスラスト面442aと軸受面442bとの間に潤滑油Lが供給され圧力負荷能力が発生することで油膜が形成される。
このため、下部軸受442は、潤滑油Lの油膜圧により、回転軸33および回転子32の自重による軸心Sの延在方向(スラスト方向)に掛かる荷重を支えつつ、スラスト面442aと軸受面442bとの間で境界潤滑により相互に滑りを生じる。この結果、スラスト軸受としての下部軸受442での摩擦損失を低減することが可能になる。また、圧縮された流体が圧縮室412,422から排出される際には、圧縮室412,422の内外での圧力差により軸心Sに沿う軸方向に回転軸33が振動することになる。この問題に対し、回転軸33を下方に押し付けることにより振動を抑制しようとすると、スラスト面442aと軸受面442bとが接近するように押されるため、潤滑油L切れが懸念される。この点、本実施の形態の圧縮機1は、油膜圧によって回転軸33を押し上げることにより、振動を抑制しつつ、当該振動による異音を抑えると共に、潤滑油L切れを回避することが可能である。
しかも、下部軸受442は、スラスト面442aが、回転軸33の軸心Sに対して偏心して設けられ、その周縁の一部を回転軸33の外周の一部に一致して設けられていることから、スラスト面442aの回転半径が大きく回転の周速を速くできるので、油膜の付加容量が大きくなり、くさび効果を得るための十分な潤滑油Lを供給することができる。また、回転軸33と軸受面442bに十分な油膜が形成されることから回転軸33と軸受面442bの接触が回避され回転軸33と軸受面442bとの接触を低減することができる。
ところで、図16は、実施の形態4に係る圧縮機におけるスラスト軸受の他の例であって図2におけるB−B断面図である。図16に示す凹部442gは、その底部が回転軸33の回転方向Rに向けて軸受面442b(図2参照)から漸次狭く形成されている。これにより、凹部442gは、回転軸33の回転に伴い、スラスト面442aとの隙間が漸次狭くなり、くさび効果によりスラスト面442aと軸受面442bとの間に潤滑油Lが供給され圧力負荷能力が発生することで油膜が形成される。この結果、上述した凹部442fと同様の効果が得られる。
なお、上述した実施の形態4の凹部442f、442gは、その構成のみで効果が得られるが、上述した実施の形態1の凹部442cや、実施の形態2の凹部442d,442eや、実施の形態3の凹部442hと共に設けられていてもよく、相乗した効果が得られる。
[実施の形態5]
本実施の形態について、図面を参照して説明する。図17は、実施の形態5に係る圧縮機の概略図である。なお、以下に説明する実施の形態5では、実施の形態1に対し、圧縮機構部が低段側圧縮機構部6と高段側圧縮機構部7とで構成されていることが異なる。したがって、以下の説明において、上述した実施の形態1と同等の構成には同一の符号を付してその説明を省略する。
低段側圧縮機構部6は、図17に示すように、1気筒としたロータリ圧縮機構により構成されている。すなわち、低段側圧縮機構部6は、上述した実施の形態1における第一圧縮部41により構成されている。この圧縮部41は、ロータ411および圧縮室412からなる。また、低段側圧縮機構部6は、圧縮部41の上側に設けられた上部軸受441と、圧縮部41の下側に設けられた下部軸受442とにより回転軸33を回転可能に支持している。また、ロータ411は、回転軸33の圧縮部41に対応する位置に設けられたクランク331に取り付けられている。すなわち、この低段側圧縮機構部6は、駆動部3に電源が供給されて回転軸33が回転することで、クランク331によりロータ411が圧縮室412内を偏心回転し、圧縮室412内の流体を圧縮する。
また、低段側圧縮機構部6が1気筒であることから、アキュムレータ5は、容器51および第一吸入管52で構成される。
なお、低段側圧縮機構部6は、1気筒のロータリ圧縮機構により構成された例を示したが、これに限らない、例えば、2気筒としたロータリ圧縮機構(図1参照)や、図には明示しないが2気筒を超える多気筒のロータリ圧縮機構により構成されていてもよい。
高段側圧縮機構部7は、固定スクロール71と、旋回スクロール72とを備えるスクロール圧縮機構により構成されている。
固定スクロール71は、筐体2に固定のフレーム73に固定されている。固定スクロール71の背面(図17における上面)には、吐出弁711が設けられている。吐出弁711は、固定スクロール71の背面側に密閉して形成された吐出チャンバ74内に配置されている。この吐出チャンバ74には、吐出管21が接続されている。
旋回スクロール72は、固定スクロール71と相互に位相をずらして噛み合わされて一対の圧縮室75を形成する。固定スクロール71および旋回スクロール72の外周には、圧縮室75に通じる吸入口751が形成されている。また、回転軸33の端部には、クランクピン76が設けられている。クランクピン76は、旋回スクロール72の軸心Sに偏心した位置に取り付けられたガイドブッシュ77に挿通されている。また、旋回スクロール72は、自転を阻止されつつ公転旋回される態様でオルダムリング78を介してフレーム73に取り付けられている。また、フレーム73には、回転軸33を回転可能に支持する軸受79が取り付けられている。
この圧縮機10では、外部要素(図示せず)を経た冷媒ガス(流体)がアキュムレータ5の容器51内に供給される。この冷媒ガスは、吸入管52を介して低段側圧縮機構部6の圧縮部41に供給される。そして、駆動部3により圧縮部41が駆動されることで冷媒ガスが中間圧まで圧縮される。圧縮された中間圧冷媒ガスは、高段側圧縮機構部7のフレーム73に設けられた連通孔731を経て吸入口751から一対の圧縮室75に供給される。一対の圧縮室75は、駆動部3により旋回スクロール72が公転旋回駆動されることにより、容積が減少されつつ中心側へと移動され、合流して1つの圧縮室75とされる。この間、中間圧冷媒ガスは、中間圧から高圧(吐出圧力)まで圧縮され、固定スクロール71の中心部から吐出弁711を経て吐出チャンバ74内に吐出される。この高圧冷媒ガスは、吐出管21から筐体2の外部に吐出され、外部要素(図示せず)に供給される。
本実施の形態の圧縮機10は、高段側圧縮機構部7で圧縮された高圧冷媒ガスの一部を、低段側圧縮機構部6の下部軸受(スラスト軸受)442のスラスト面442aと軸受面442bとの間に供給する高圧ガス供給部8を備えている。高圧ガス供給部8は、吐出管21(または吐出チャンバ74)から、下部軸受442のスラスト面442aと軸受面442bとの間に至る毛管(キャピラリ)として構成されている。
そして、高圧ガス供給部8により下部軸受442のスラスト面442aと軸受面442bとの間に供給された高圧冷媒ガスによって、スラスト面442aと軸受面442bとの間に、回転軸33および回転子32の自重による軸心Sの延在方向(スラスト方向)に掛かる荷重を支え得る圧力が得られる。この結果、スラスト軸受としての下部軸受442での摩擦損失を低減することが可能になる。
しかも、本実施の形態の圧縮機10では、上述した実施の形態1〜実施の形態4の下部軸受442の構造が適用される。この結果、くさび効果により圧力負荷能力が発生して油膜が形成されやすくなりスラスト軸受での摩擦損失を低減することが可能になる。
以上のように、本発明に係る圧縮機は、油膜を形成するための十分な潤滑油の供給をし、スラスト軸受での摩擦損失を低減することに適している。
1,10 圧縮機
2 筐体
21 吐出管
22 油溜
3 駆動部
31 固定子
32 回転子
33 回転軸
331,332 クランク
333 油供給通路
333a 油供給分岐通路
333b 油供給分岐通路
333c 油供給分岐通路
333d 油供給分岐通路
4 圧縮機構部
41,42 圧縮部
411,421 ロータ
412,422 圧縮室
43 仕切板
441 上部軸受
442 下部軸受(スラスト軸受)
442a スラスト面
442b 軸受面
442c,442d,442e,442f,442g,442h 凹部
442i 段部
442j 円弧部
442k 壁部
442m 溝部
4421 穴
6 低段側圧縮機構部
7 高段側圧縮機構部
71 固定スクロール
711 吐出弁
72 旋回スクロール
73 フレーム
731 連通孔
74 吐出チャンバ
75 圧縮室
751 吸入口
76 クランクピン
77 ガイドブッシュ
78 オルダムリング
79 軸受
8 高圧ガス供給部
Ha 隙間
L 潤滑油
R 回転方向
S 軸心

Claims (12)

  1. 駆動部と、圧縮機構部と、前記駆動部による回転を前記圧縮機構部に伝達する回転軸と、前記回転軸における軸心の延在方向に働く荷重を受けるスラスト軸受と、を備える圧縮機において、
    前記スラスト軸受は、回転軸に設けられたスラスト面と固定の軸受面とが前記軸心の延在方向で対面する滑軸受を構成し、前記スラスト面は、前記回転軸の軸心に対して偏心して設けられていると共に、周縁の一部を前記回転軸の外周の一部に一致して設けられており、前記スラスト面および前記軸受面の少なくとも他方から離隔する部分を有することを特徴とする圧縮機。
  2. 前記離隔する部分は、前記スラスト面および前記軸受面の少なくとも一方に凹部状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の圧縮機。
  3. 前記離隔する部分は、前記スラスト面に設けられ、前記回転軸の回転方向に向けて前記軸受面から漸次離隔しつつ、前記回転軸の外周の一部に一致する部分まで至り形成されていることを特徴とする請求項1に記載の圧縮機。
  4. 前記離隔する部分は、前記スラスト面に設けられ、前記回転軸の軸心の放射方向に延在して形成されていることを特徴とする請求項1に記載の圧縮機。
  5. 前記離隔する部分は、螺旋状に形成されていることを特徴とする請求項4に記載の圧縮機。
  6. 前記離隔する部分は、前記スラスト面に設けられ、前記回転軸の回転方向に向けて前記軸受面から離隔する段部を有し、前記回転軸の外周の一部に一致する部分まで至り形成されていることを特徴とする請求項1に記載の圧縮機。
  7. 前記離隔する部分は、前記スラスト面との境となる前記回転軸寄りの入隅部分に円弧部が形成されていることを特徴とする請求項6に記載の圧縮機。
  8. 前記離隔する部分は、前記段部から連続して外周縁に沿う壁部が形成されていることを特徴とする請求項3、6、7のいずれか一つに記載の圧縮機。
  9. 前記離隔する部分は、前記回転軸の外周に沿う溝部が形成されていることを特徴とする請求項3、6〜8のいずれか一つに記載の圧縮機。
  10. 前記離隔する部分は、前記軸受面に設けられ、前記回転軸が挿入される穴に連通して形成されていることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一つに記載の圧縮機。
  11. 前記離隔する部分は、前記スラスト面および前記軸受面の油流入側に形成されていることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一つに記載の圧縮機。
  12. 筐体内に、低段側圧縮機構部と高段側圧縮機構部とが設けられ、前記低段側圧縮機構部で圧縮された中間圧冷媒ガスを前記高段側圧縮機構部に吸入して2段圧縮する多段圧縮機を構成し、前記高段側圧縮機構部で圧縮された高圧冷媒ガスの一部を前記スラスト軸受のスラスト面と軸受面との間に供給する高圧ガス供給部を備えることを特徴とする請求項1〜11のいずれか一つに記載の圧縮機。
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