JP2011195867A - 機能性フィルムの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】長尺な基板を長手方向に搬送しつつ成膜を行う機能性フィルムの製造において、搬送ローラ等に付着したパーティクル等の異物に起因する特性劣化を防止して、高品位な製品を安定して製造可能にする。
【解決手段】長尺で、かつ、基板よりも短いクリーニングシートを、基板の表面に接触して積層して、この積層体を基板の搬送経路を搬送し、クリーニングシートの後端部が所定位置を通過した後に、成膜を開始することにより、前記課題を解決する。
【選択図】図1

Description

本発明は、ガスバリアフィルムや、ガスバリア性を要求される太陽電池用のバックシートなどの製造に最適な機能性フィルムの製造方法に関する。
液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどの表示装置、太陽電池のバックシート、食品、衣料品、電子部品等の包装に用いられる包装材料に、ガスバリアフィルム(水蒸気バリアフィルム)が利用されている。
ガスバリアフィルムは、一例として、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリエチレンナフタレート(PEN)等の樹脂フィルムの表面に、酸化ケイ素、酸窒化ケイ素、窒化ケイ素、酸化アルミニウムなどのガスバリア性を発現する膜(ガスバリア膜)を形成してなるものである。
このようなガスバリア膜は、一般的に、真空蒸着、プラズマCVD、スパッタリングなどの気相成膜法によって、基板の表面に形成(成膜)される。
また、生産性の高い製造方法として、長尺な基板をロール状に巻回した基板ロールから基板を引き出して、長手方向に搬送しつつ成膜を行い、成膜を終了した基板を、再度、ロール状に巻回する、いわゆるロール・ツー・ロール(Roll to Roll)による成膜方法が知られている。
ところで、ガスバリアフィルムの製造においては、ガスバリア膜を形成される基板の表面が清浄であることが重要である。
基板の表面に塵や埃などの異物が付着した状態でガスバリア膜の形成を行うと、これらの異物の上に形成されるガスバリア膜に、浮きやクラック、蒸着不良等が生じて、甚だしい場合には、部分的にガスバリア膜が剥離してしまう。
このようなクラックや剥離などを有するガスバリアフィルムは、クラック等から水分が透過してしまい、十分なガスバリア性を得ることができない。
そのため、成膜に供される基板の表面を清浄に保った状態でガスバリア膜の形成を行う必要がある。しかしながら、ロール・ツー・ロールを利用して、気相成膜法、特に蒸着によってガスバリア膜を成膜する場合には、基板表面を完全に清浄な状態に保つのが、困難である。
周知のように、蒸着は蒸発源の中に成膜材料を充填して、減圧下で成膜材料を加熱/蒸発することにより、基板の表面に成膜材料を堆積して、成膜を行う技術である。
ここで、成膜材料蒸気は、基板以外の方向にも進行する。真空槽(真空チャンバ)内の様々な場所に、膜が付着/堆積する。
当然のことであるが、成膜前には真空チャンバ内の清掃を行う。しかしながら、成膜系内に堆積した膜を、全て、除去することは、非常に困難である。
そのため、新規な基板を装填する際などや、真空チャンバを排気する際などに、取り切れなかった膜がパーティクルとなって真空チャンバ内に舞い上がって、基板を搬送する搬送ローラ等の表面に付着して、此処から基板の表面に付着してしまう。
その結果、基板の表面いパーティクル等の異物が付着した状態で、成膜が行われてしまい、このパーティクル付着部分で、ガスバリア膜のクラックや剥離が生じてしまい、ガスバリア性低下の大きな要因となっている。
本発明の目的は、前記従来技術の問題点を解決することにあり、基板の表面にガスバリア膜を形成するガスバリアフィルムの製造など、ロール・ツー・ロールを利用して、蒸着によって成膜を行う機能性フィルムの製造において、真空槽中に残存するパーティクルなどの異物が基板の成膜面に付着することを防止することができ、異物に起因するガスバリア性の低下など、異物に起因する機能性フィルム性能低下を好適に抑制することができる機能性フィルムの製造方法を提供することにある。
前記目的を達成するために、本発明の機能性フィルムの製造方法は、長尺な基板を長手方向に搬送しつつ前記基板の表面に成膜を行う機能性フィルムの製造方法であって、長尺で、かつ、前記基板よりも短いクリーニングシートを、前記基板の成膜面に接触して積層し、この積層体を基板の搬送経路に搬送して、前記基板とクリーニングシートとを別々に巻取り、クリーニングシートの後端が所定位置を通過した後に、前記基板への成膜を開始することを特徴とする機能性フィルムの製造方法を提供する。
このような本発明の機能性フィルムの製造方法において、前記基板を巻回してなる基板ロールと、前記クリーニングシートを巻回してなるクリーニングロールとを用い、前記基板ロールから基板を、前記クリーニングロールからクリーニングシートを、それぞれ送り出して積層するのが好ましい。
また、前記クリーニングシートが多孔質材であるのが好ましく、この際において、前記多孔質材の平均孔径が20μm以下であるのが好ましい。また、前記クリーニングシートが帯電性を有するのが好ましく、また、前記クリーニングシートを搬送している際には、前記クリーニングシートが接触する搬送ローラの周速と、クリーニングシートの搬送速度とに、速度差をつけるのが好ましく、また、前記クリーニングシートが粘着性を有するのが好ましい。
また、前記基板への成膜を蒸着によって行うのが好ましく、また、前記機能性フィルムがガスバリアフィルムであるのが好ましく、また、前記機能性フィルムが、太陽電池用のバックシートであるのが好ましく、さらに、円筒状のドラムに巻き掛けて搬送しつつ、前記基板への成膜を行うのが好ましい。
このような本発明の機能性フィルムの製造方法によれば、新規な基板ロールを装填した際や、真空槽内を排気した際に、真空槽内に付着した成膜材料のパーティクル等の異物が舞い上がって、基板の表面(成膜面)に接触する搬送ローラ等に付着しても、まず、基板表面に接触して基板と積層されるクリーニングシートが、この搬送ローラに接触して、パーティクル等の異物を除去し、その後、基板の表面が接触する。
従って、パーティクル等の異物が基板表面に付着することを防止して、表面を清浄な状態に保ったまま、成膜を行うことができる。そのため、例えば、本発明をガスバリアフィルムの製造や、ガスバリア性を要求される太陽電池のバックシートの製造に利用することにより、基板表面の異物に起因するガスバリア性の低下等が無い、目的とする性能を好適に発現する機能性フィルムを製造できる。
また、本発明の製造方法では、搬送ローラ等の清掃を終了したクリーニングシートと、成膜済みの基板とを、別々のロールに巻き取る。すなわち、パーティクル等が付着したクリーニングシートを巻き込むことなく、成膜済みの基板をロール状に巻き取る。
そのため、本発明の製造方法によれば、クリーニングシートの凹凸や、クリーニングシートに付着したパーティクル等の異物による凹凸が、基板や成膜した膜に悪影響を与えることを防止でき、高品質な機能性フィルムを安定して製造することができる。
本発明の機能性フィルムの製造方法を実施する成膜装置を概念的に示す図である。
以下、本発明の機能性フィルムの製造方法について、添付の図面に示される好適実施例を基に、詳細に説明する。
図1に、本発明の機能性フィルムの製造方法の一例を実施する成膜装置の一例を概念的に示す。
図1に示す成膜装置10は、長尺な基板(ベースフィルム)Zの表面に、真空蒸着によって成膜を行って機能性フィルムを製造するものである。成膜装置10は、例えば、ポリエチレンテレフタレートの表面に酸化ケイ素膜を形成して、ガスバリアフィルムや、ガスバリア性を有する太陽電池のバックシートなどを製造する。
なお、本発明において、基板Zには、特に限定はなく、真空蒸着による成膜が可能であれば、各種の長尺なシート状物が利用可能である。
具体的には、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリアクリロニトリル、ポリイミド、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリビニルフッ化物(PVF)などのプラスチック(樹脂)フィルムが、基板Zとして、好適に利用可能である。
また、基板Zは、このようなプラスチックフィルム等を基材として、その上に、保護層、接着層、光反射層、遮光層、平坦化層、緩衝層、応力緩和層等の、各種の機能を得るための層(膜)が形成されている、長尺なシート状物であってもよい。
このような基板Zに成膜を行う成膜装置10は、真空チャンバ12と、成膜ドラム14と、蒸発源16と、基板回転軸18と、クリーニングシート回転軸20、基板巻取り軸24と、クリーニングシート巻取り軸26と、真空排気手段28と、搬送ローラ30(30a〜30f)とを有して構成される。
長尺な基板Zは、ロール状に巻回されて、基板ロール32として、基板回転軸18に装填される。すなわち、この成膜装置10は、基板ロール32から基板Zを送り出し、長手方向に搬送しつつ成膜を行って、成膜済みの基板Zを、再度、基板巻取り軸24にロール状に巻き取る、いわゆる、ロール・ツー・ロール(Roll to Roll 以下、RtoRともいう)による成膜を行なう装置である。
なお、成膜装置10には、図示した構成要素以外にも、各種のセンサや搬送ガイドなど、RtoRによって真空蒸着を行う装置に配置される各種の部材を有してもよいのは、もちろんである。
また、基板ロール32が装填される位置、および、基板巻取り軸24(すなわち、成膜済みの基板ロール)が配置される位置は、蒸発源16や成膜ドラム14が配置される成膜空間とは別の空間(別室)としてもよい。この際には、この別の空間の圧力が、成膜空間の圧力に影響を及ぼさないように、各空間に、真空排気手段を設けるのが好ましい。
図示例の成膜装置10は、クリーニングシート回転軸20およびクリーニングシート巻取り軸26を有し、両軸でクリーニングシートCLの送り出しおよび巻取りを行う以外は、基本的に、長尺な基板にRtoRによって真空蒸着で成膜を行う成膜装置と同様のものである。
従って、蒸発源16には、特に限定はなく、公知の真空蒸着用の蒸発源(ルツボ)が、全て、利用可能である。また、成膜材料の加熱方法にも限定はなく、抵抗加熱、電子線加熱、誘導加熱等、真空蒸着で利用されている公知の成膜材料の加熱手段が、全て、利用可能である。
なお、蒸発源16の上には、蒸発源16からの成膜材料蒸気を遮蔽する、移動可能なシャッタが配置される。
さらに、真空排気手段28にも、特に限定はなく、ターボポンプ、メカニカルブースターポンプ、ドライポンプ、ロータリーポンプなどの真空ポンプ、さらには、クライオコイルなどの補助手段、到達真空度や排気量の調整手段等を利用する、真空成膜装置に用いられている公知の真空排気手段が、各種、利用可能である。この点に関しては、基板ロール32等を成膜空間とは別室に配置した場合でも、同様である。
前述のように、長尺な基板Zは、ロール状に巻回されて基板ロール32として、基板回転軸18(アンワインダ)に装填される。
基板Zは、基板ロール32から引き出されて、搬送ローラ30a〜30cによって所定の経路を案内され、さらに、搬送ローラ30dによって案内されて成膜ドラム14の所定領域に巻き掛けられる。
基板Zは、円筒状の成膜ドラム14の周面に巻き掛けられて、搬送されることによって、所定の位置に保持され、かつ、長手方向に搬送されつつ、蒸発源16から蒸発した成膜材料蒸気によって、成膜される。なお、成膜ドラム14は、加熱手段や冷却手段を内蔵して、成膜中の基板温度の調整手段を兼ねてもよい。
なお、本発明の製造方法で形成(成膜)する膜には、特に限定はなく、酸化ケイ素や酸化アルミニウム等のガスバリア膜、ダイヤモンドライクカーボン硬質膜、透明導電膜、反射防止膜、反射膜、電磁シールド膜等、蒸着によって成膜可能な物が、全て利用可能である。
ここで、後に詳述するが、本発明の製造方法によれば、真空チャンバ12を排気する際等に舞い上がって、搬送ローラ30等に付着した成膜材料のパーティクル等の異物が、基板Zの表面(成膜面)に付着することを、好適に防止することができる。すなわち、パーティクルが基板Zの表面に付着することの不都合を、大幅に低減できる。
そのため、本発明は、基板Zに付着した異物に起因する特性劣化が大きな機能性フィルムの製造には、好適に利用可能であり、例えば、ガスバリアフィルム、ガスバリア性を要求される太陽電池のバックシート等の製造には、好適に利用可能である。
従って、基板Zに形成する膜としては、真空蒸着で成膜可能なガスバリア性を有する膜(ガスバリア膜)が、好適に例示される。具体的には、酸化ケイ素、酸窒化ケイ素、窒化ケイ素、酸化アルミニウム等が好適に例示される。
真空蒸着による成膜をされた基板Zは、搬送ローラ30eおよび30fによって所定の経路を案内され、基板巻取り軸24(ワインダ)にロール状に巻回され、成膜済みの基板ロールとして、次工程等に供給される。
本発明の製造方法を実施する成膜装置10は、真空チャンバ12内に、クリーニングシート回転軸20およびクリーニングシート巻取り軸26を有する。両軸は、長尺なクリーニングシートCLを送り出し、また、巻き取るものである。
クリーニングシートCLは、搬送ローラ30等に付着したパーティクル等の異物を除去して、搬送ローラ30等の表面を清浄化する物で、基板Zよりも短い、長尺なシート状物である。
長尺なクリーニングシートCLは、基板Zと同様に、ロール状に巻回されたクリーニングロール34として、基板回転軸18とは別の、クリーニングシート回転軸20(以下、シート回転軸20とする)に装填される。
クリーニングシートCLは、このクリーニングロール34から送り出されて、搬送ローラ30aで、基板Zの表面(成膜面)に接触して基板Zと積層されて、基板Zと同じ搬送経路を搬送され、搬送ローラ30fで、基板Zと離間され、基板Zは前述のように基板巻取り軸24に巻回され、クリーニングシートCLは、基板巻取り軸24とは別の、クリーニングシート巻取り軸26(以下、シート巻取り軸26とする)に巻回される。
本発明の製造方法において、クリーニングシートには、特に限定はなく、例えば、真空蒸着装置において成膜系内等の清掃に使用されるクリーニングシート、クリーンルーム壁面の清掃に用いられるクリーニングシートなど、各種利用可能である。
一例として、これらのクリーニングシートと、前述のPETやPEN等のプラスチックフィルムとを積層/貼着してなるクリーニングシートCLが、好適に例示される。クリーニングシートとしては、一例として、KBセーレン社製のザウィーナなどの超極細繊維からなる不織布、テクノス社製のテクノスワイパーなどのポリエステル素材からなる不織布、原田産業社製のウルトラソルブワイパーなどのポリウレタン素材からなる不織布などの、合成繊維で製造された低発塵性の不織布が、好適に例示される。
また、発泡体など、不織布以外の多孔質材も利用可能である。
クリーニングシートに多孔質材を用いる場合には、平均孔径が20μm以下の物を用いるのが好ましい。このような構成を有することにより、よりクリーニングシートCLのクリーニング性能を向上でき、好ましい。
また、不織布ではなく、テフロン製のシートやアクリル樹脂製のシート等の帯電性シートや、低粘着材を塗布した粘着性シートをプラスチックフィルムと積層/貼着してなるシート、プラスチックフィルムに低粘着材を塗布したシートなどの粘着性シート等のクリーニングシートCLも、好適に利用可能である。
なお、不織布、帯電性シート、および、粘着性シート等は、十分な機械的強度が確保できるものであれば、プラスチックフィルムと積層/貼着せずに、単体でクリーニングシートCLとして利用してもよい。
さらに、前述のようなプラスチックフィルムの表面に、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトール(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートなど、エチレン性不飽和結合を2個以上有し、光の照射によって付加重合するするモノマーやオリゴマーからなる粘着層を形成してなるクリーニングシートCLも、好適に利用可能である。
この粘着層は、0.02〜0.5N/25mmの粘着力を有するのが好ましい。
クリーニングシートCLの長さにも、特に限定はなく、基板Zよりも短ければよく、基板Zの搬送長、クリーニングシートCLの性能、搬送ローラの数、搬送ローラの幅、搬送ローラの径等に応じて、搬送ローラ20等の十分な清掃が可能な長さを、適宜、設定すればよい。
ここで、本発明者らの検討によれば、十分に搬送ローラ30等の清掃を行うことができる、成膜に供する基板Zの長さを好適に確保できる等の点で、クリーニングシートCLの長さは、少なくとも、各ローラの全周が最低1回は清掃され、かつ、挿通および巻取りのためのリード部を有する長さとするのが好ましい。なお、巻取りのためのリード部は、必ずしもクリーニングシートではなくても良い。
なお、後述するが、本発明では、基板Zと積層したクリーニングシートCLの後端が、所定の位置まで搬送された後に、基板Zへの成膜を開始する。
従って、基板Zの長さは、クリーニングシートCLと積層されていない後端側領域を有し、その長さが、目的とする生産量や生産性、生産効率等を、十分に確保できる長さとするのが好ましい。
また、クリーニングシートの幅(長手方向(搬送方向)と直交する方向のサイズ)にも、特に限定はないが、基板Zへのパーティクル等の異物の付着を、より確実に防止するためには、基板Zの幅よりも、大きな幅を有するのが好ましい。
以下、成膜装置10の作用の一例を説明することにより、本発明の機能性フィルム製造方法について、詳細に説明する。
前述のように、基板Zは、基板ロール32として基板回転軸18に装填される。他方、クリーニングシートCLは、クリーニングロール34として、シート回転軸20に装填される。
また、蒸発源16には、基板Zに成膜する膜の成膜材料が充填される。
両者が装填されると、基板ロール32から基板Zが、クリーニングロール34からクリーニングシートCLが、それぞれ引き出され、搬送ローラ30aにおいて、基板Zの表面にクリーニングシートCLが接触した状態で、先端を(略)一致して両者が積層される。なお、クリーニングシートCLに表裏(清掃面と非清掃面)が有る場合には、クリーニングシートの裏面(非清掃面)が基板Zに接触するように、両者が積層される。
基板ZとクリーニングシートCLとの積層体は、搬送ローラ30a〜30cによって案内され、さらに、搬送ローラ30dによって案内され、成膜ドラム14の所定領域に巻き掛けられる。
成膜ドラム14の所定領域に巻き掛けられた基板ZとクリーニングシートCLとの積層体は、さらに、搬送ローラ30eによって所定の経路を案内され、搬送ローラ30fに至る。
搬送ローラ30fにおいて、基板ZとクリーニングシートCLとは離間され、前述のように、基板Zは基板巻取り軸24に巻回され、クリーニングシートCLは、基板巻取り軸24とは別のシート巻取り軸26に巻回される。
このようにして、基板ZとクリーニングシートCLとを積層して、基板Zを、基板回転軸18から基板巻取り軸24に至る所定の搬送経路で挿通し、クリーニングシートCLを、シート回転軸20からシート巻取り軸26に至る所定の搬送経路で挿通したら、真空チャンバ12を閉塞して、真空排気手段28によって真空チャンバ内の排気を開始する。
また、蒸発源16に充填した成膜材料の加熱を開始する。この状態では、シャッタ(図示省略)は、蒸発源16の上に位置して、成膜材料蒸気を遮蔽している。
真空チャンバ12内が成膜に対応する所定の圧力で安定し、かつ、蒸発源16に充填した成膜材料の温度が成膜に対応する所定の圧力で安定したら、基板回転軸18から基板巻取り軸24に向かう基板Zの搬送、および、シート回転軸20からシート巻取り軸26クリーニングシートCLの搬送を開始する。両者の搬送速度は、同じ速度である。
すなわち、基板ZとクリーニングシートCLとの積層体の搬送を開始する。
ここで、クリーニングシートCLは、基板Zの表面(成膜面)に接触して、基板Zと積層されている。
従って、基板Zの表面が接触する搬送ローラ30a,30c,30d,30eおよび30fは、基板Zとの接触に先立ち、クリーニングシートCLに接触して、付着した成膜材料のパーティクル等の異物を除去され、表面を清浄化される。
好ましくは、この基板ZとクリーニングシートCLとの積層体の搬送時には、成膜ドラム14よりも上流でクリーニングシートCLに接触する搬送ローラ30a,30c,および30dは、周速を、積層体の搬送速度と異なる速度とする。より好ましくは、クリーニングシートCLに接触する搬送ローラ30a,30c,30d、,30eおよび30fの全ての周速を、積層体の搬送速度と異なる速度とする。
このような構成とすることにより、クリーニングシートCLと、クリーニングシートCLに接触する搬送ローラ30とを摺接させて、搬送ローラ30のクリーニング効果を、より、向上することができる。
この速度差には、限定はなく、若干でもクリーニングシートCLと搬送ローラ30とが摺接すれば、クリーニング効果を向上できる。なお、この速度差は、クリーニングシートCLや基板Zに悪影響を与えない速度以下とする必要があるのは、当然である。
また、搬送ローラ30の周速(回転速度)の調整は、公知の方法によればよい。
前述のように、クリーニングシートCLは、基板Zよりも短い。従って、基板ZとクリーニングシートCLとの積層体の搬送を続けると、先に、クリーニングロール34のクリーニングシートCLが無くなる。
成膜装置10においては、クリーニングシートCLの後端が所定の位置を通過した後に、蒸発源16からの成膜材料蒸気を遮蔽しているシャッタを開放し、基板Zへの成膜を開始する。なお、成膜材料の加熱温度や成膜圧力等の成膜条件は、形成する膜等に応じて、適宜、設定すればよいのは、通常の真空蒸着と同様である。
なお、成膜を開始する、クリーニングシートCL後端が通過する所定位置には、特に限定はなく、基板ZやクリーニングシートCLの搬送経路等に応じて、適宜、設定すればよい。
一例として、(クリーニングシートCLの)後端が成膜領域を通過した後、後端がシート巻取り軸26に至った後、後端が最後に基板Zの表面が接触する搬送ローラ30fを通過した後、後端が成膜領域の直下流の搬送ローラ30eを通過した後、等が例示される。特に、クリーニングシートCLが、シート巻取り軸26に巻き取られた後が好ましい。
成膜を開始したら、前述のように、基板Zは、基板ロール32〜成膜ドラム14〜基板巻取り軸24に至る,所定の搬送経路を搬送されつつ、成膜ドラム14によって所定位置に位置されて蒸発源16からの成膜材料蒸気によってガスバリア膜等の所定の膜を成膜され、基板巻取り軸24によって、ロール状に巻回される。
他方、後端が所定位置を通過したクリーニングシートCLも、同様に所定の経路を搬送されて、搬送ローラ30fで基板Zと剥離され、基板巻取り軸24とは異なるシート巻取り軸26に巻回される。
以上の説明より明らかなように、本発明の機能性フィルムの製造方法によれば、真空チャンバ12内を排気した際に、内壁面等に付着したパーティクルが舞い上がって、搬送ローラ30等に付着しても、まず、基板Z表面に接触して積層されるクリーニングシートCLが、搬送ローラ30に接触してパーティクル等の異物を除去し、その後、基板Zの表面が、搬送ローラ30に接触する。すなわち、本発明によれば、真空チャンバ12を真空にした後に、搬送ローラ30等の清掃を行うことができる。
従って、パーティクル等の異物が基板Zの表面に付着することを防止して、表面を清浄な状態に保ったまま、成膜を行うことができる。そのため、例えば、本発明をガスバリアフィルムの製造や、ガスバリア性を要求される太陽電池のバックシートの製造に利用することにより、基板Z表面の異物に起因するガスバリア性の低下等が無い、目的とするガスバリア性能を好適に発現する機能性フィルムを製造できる。特に、真空チャンバ内壁面のパーティクルが多くなってしまう真空蒸着では、その効果は大きい。
なお、真空チャンバ内を真空状態とした後に、基板Zへの成膜に先立って、基板Zの表面が接触する搬送ローラを清掃する手段としては、いわゆるカセットテープやビデオテープのクリーニングテープのように、基板の先端部にクリーニングシートを設け、クリーニングシートが通過した後に、基板を通過させる方法も有る。
しかしながら、この方法をRtoRの真空蒸着装置(成膜装置)に利用すると、パーティクル等の異物が付着したクリーニングシートを内側に巻き込んだ状態で、成膜済みの基板が巻回される結果となる。そのため、基板や成膜された膜に、異物による凹凸や、クリーニングシートの凹凸が転写されてしまい、表面清浄が悪化してしまう。
これに対して、本発明の製造方法は、搬送ローラ30の清掃を終了したクリーニングシートCLと、成膜済みの基板Zとを、別々の軸に巻き取る。そのため、本発明によれば、クリーニングシートCLの凹凸や、クリーニングシートCLに付着した異物が、基板Zや、形成した膜に悪影響を与えることがなく、高品質な機能性フィルムを安定して製造することができる。
図1に示す成膜装置は、蒸発源を1つのみ用いる一元の真空蒸着を行うものであるが、本発明は、これに限定はされず、複数の成膜材料を異なる蒸発源に充填して蒸着を行う、二元や三元等の多元の蒸着にも、好適に利用可能である。
また、基板Zへの成膜は、成膜ドラム14に巻き掛けて行うのにも、限定はされず、例えば、搬送ローラ対等によって、直線的に基板を搬送しつつ、蒸着による成膜を行うものであってもよい。ただ、成膜位置における基板の安定性等の点で、図示例のような成膜ドラム14を用いる成膜を行うのが好ましい。
以上、本発明の機能性フィルムの製造方法について詳細に説明したが、本発明は、上記実施例に限定はされず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変更を行なってもよいのは、もちろんである。
例えば、以上の例は、本発明の効果が最も好適に発現される好ましい例として、本発明を真空蒸着による機能性フィルムの製造に利用した例であるが、本発明は、これに限定はされず、基板を巻き取る巻取り式の成膜装置であれば、プラズマCVD装置、スパッタリング装置など、公知の気相成膜を行う装置に、各種、利用可能である。
液晶ディスプレイ等の各種のディスプレイに利用されるガスバリアフィルム、太陽電池のバックシート等の製造に、好適に利用可能である。
10 成膜装置
12 真空チャンバ
14 成膜ドラム
16 蒸発源
18 基板回転軸
20 (クリーニング)シート回転軸
24 基板巻取り軸
26 (クリーニング)シート巻取り軸
28 真空排気手段
30(30a〜30f) 搬送ローラ
32 基板ロール
34 クリーニングロール

Claims (11)

  1. 長尺な基板を長手方向に搬送しつつ、前記基板の表面に成膜を行う機能性フィルムの製造方法であって、
    長尺で、かつ、前記基板よりも短いクリーニングシートを、前記基板の成膜面に接触して積層し、この積層体を基板の搬送経路に搬送して、前記基板とクリーニングシートとを別々に巻取り、クリーニングシートの後端が所定位置を通過した後に、前記基板への成膜を開始することを特徴とする機能性フィルムの製造方法。
  2. 前記基板を巻回してなる基板ロールと、前記クリーニングシートを巻回してなるクリーニングロールとを用い、前記基板ロールから基板を、前記クリーニングロールからクリーニングシートを、それぞれ送り出して積層する請求項1に記載の機能性フィルムの製造方法。
  3. 前記クリーニングシートが多孔質材である請求項1または2に記載の機能性フィルムの製造方法。
  4. 前記多孔質材の平均孔径が20μm以下である請求項3に記載の機能性フィルムの製造方法。
  5. 前記クリーニングシートが帯電性を有する請求項1〜4のいずれかに記載の機能性フィルムの製造方法。
  6. 前記クリーニングシートを搬送している際には、前記クリーニングシートが接触する搬送ローラの周速と、クリーニングシートの搬送速度とに、速度差をつける請求項1〜5のいずれかに記載の機能性フィルムの製造方法。
  7. 前記クリーニングシートが粘着性を有する請求項1〜5のいずれかに記載の機能性フィルムの製造方法。
  8. 前記基板への成膜を蒸着によって行う請求項1〜7のいずれかに記載の機能性フィルムの製造方法。
  9. 前記機能性フィルムがガスバリアフィルムである請求項1〜8のいずれかに記載の機能性フィルムの製造方法。
  10. 前記機能性フィルムが、太陽電池用のバックシートである請求項1〜9のいずれかに記載の機能性フィルムの製造方法。
  11. 円筒状のドラムに巻き掛けて搬送しつつ、前記基板への成膜を行う請求項1〜10のいずれかに記載の機能性フィルムの製造方法。
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