JP2011194253A - 遊技機 - Google Patents

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JP2011194253A
JP2011194253A JP2011126521A JP2011126521A JP2011194253A JP 2011194253 A JP2011194253 A JP 2011194253A JP 2011126521 A JP2011126521 A JP 2011126521A JP 2011126521 A JP2011126521 A JP 2011126521A JP 2011194253 A JP2011194253 A JP 2011194253A
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誠 番野
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Abstract

【課題】1の識別情報列の動的表示における遊技性を向上することができる遊技機を提供
すること。
【解決手段】1の変動表示を、各図柄列42a〜42cを遊技者な視認困難な高速変動と
、遊技者に視認可能な低速変動とで構成する。また、待機されている変動表示において大
当たりが発生し得る場合に、その大当たりを発生し得る変動表示より先に実行される変動
表示においてチャンス目を現出させる。よって、各図柄列42a〜42cを遊技者に視認
可能な速度で変動している間、遊技者に、チャンス目で停止するか否か、即ち、以降の変
動表示において大当たりが発生し易い表示結果で停止するか否かという遊技性を付与する

とができる。
【選択図】図28

Description

本発明は、パチンコ機やスロットマシンに代表される遊技機に関するものである。
近年、パチンコ機等の遊技機においては、液晶表示装置等の表示装置に様々な画像を表
示して遊技の興趣向上を図っている。一般的には、表示装置で変動表示ゲームを行い、例
えば、表示装置の有効表示領域に縦又は横に3個、或いは3×3の升目に9個の図柄等を
表示し、始動条件の成立に基づいて、所定の配列で構成された図柄列等をスクロールさせ
、そのスクロールが停止した際に(所定の停止位置において)、停止図柄が予め定められ
た組み合わせとなっている場合に大当たりを発生させるものである。
また、例えば、3列の図柄列で変動表示を実行するパチンコ機では、成立した始動条件
に応じて、大当たりの組み合わせの停止図柄を表示する前に、大当たりの停止図柄が現出
可能である組み合わせ、所謂、リーチ表示を現出させるように構成されている。即ち、1
の図柄列が変動している状態であると共に、残りの2列の図柄列の変動が停留表示されて
それぞれの図柄列において同一の図柄が予め定められた表示領域に停留表示されるように
構成されている。更に、成立した始動条件に応じて、変動表示の実行中に図柄列の変動と
は異なる演出、例えば、特定のキャラクタ図柄を現出させる演出等を実行するように構成
されている。このように、キャラクタ図柄や、或いは、リーチ表示を現出することにより
、実行中の変動表示において遊技者に大当たりを予見させ、遊技性の向上を図っている。
特開平07−039629号公報
しかしながら、リーチ表示は、少なくとも2以上の図柄列によって形成されているため
、1の図柄列のみが停留表示されても興趣が得られず、キャラクタ図柄の現出や、2の図
柄列の変動が停留表示されるまで遊技者は興趣を得ることができなかった。即ち、1の図
柄列の変動に対して遊技者に興趣を付与することができないといった問題点があった。ま
た、1の変動表示において、2の図柄列が停留表示された場合に、リーチ表示を形成しな
い表示結果が現出すると、遊技者は残りの図柄列の変動表示が停留表示する前に該変動表
示において大当たりが付与されないことを予見してしまうため、ハズレの変動表示では、
2の図柄列が停止した時点で遊技者の興趣が薄れてしまうといった問題点があった。
本発明は、上述したいずれかの問題点を解決するためになされたものであり、1の識別
情報列の動的表示における遊技性を向上することができる遊技機を提供することを目的と
している。
この目的を達成するために請求項1記載の遊技機は、複数の識別情報等で構成された識
別情報列を複数表示する表示手段と、その表示手段に現出される識別情報を記憶する情報
記憶手段と、その情報記憶手段に記憶される前記識別情報を用いた少なくとも2以上の動
的パターンを記憶するパターン記憶手段と、始動条件の成立を検出する検出手段と、その
検出手段によって前記始動条件の成立が検出された場合に遊技者にとって有利な遊技価値
の付与抽選を行う抽選手段と、その抽選手段による抽選結果に基づいて前記パターン記憶
手段に記憶される前記動的表示の動的パターンを選定するパターン選定手段と、そのパタ
ーン選定手段によって選定された前記動的パターンに応じて前記表示手段において複数の
前記識別情報列をそれぞれ動的表示させる動的実行手段と、前記抽選手段によって遊技価
値を付与する抽選結果が導出された場合に前記表示手段に所定の前記識別情報の組み合わ
せである特別遊技示唆情報を現出させると共に遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生
させる遊技価値付与手段とを備えており、前記特別遊技状態を付与する抽選結果が導出さ
れていると共に、所定条件が成立しているか否かを判別する特定条件判別手段を備え、前
記動的実行手段は、1の前記動的表示において、前記識別情報列を遊技者に視認困難な速
度で動的表示させてから、その後、該識別情報列を遊技者に視認可能な速度でそれぞれ動
的表示させてから該識別情報列の動的表示を停留表示する段階動的手段と、前記特定条件
判別手段によって、前記特別遊技状態を付与する抽選結果が導出されていると共に前記所
定条件が成立していると判別された場合に、前記特別遊技示唆情報を前記表示手段に表示
する前に、該特別遊技示唆情報とは異なる前記識別情報によって形成される特定停止態様
を、前記表示手段のいずれか1又は複数の前記識別情報列に現出させる特定停止態様現出
手段とを備えている。なお、所定条件とは、例えば、所定のカウンタの値を判別し、該カ
ウンタ値が所定値であるか否か等が例示される。
請求項1記載の遊技機によれば、段階動的手段によって、1の動的表示は、識別情報列
を遊技者に視認困難な速度で動的表示させてから、その後、識別情報列を遊技者に視認可
能な速度で動的表示させてから停留表示するように構成されている。また、特定条件判別
手段によって特別遊技状態を付与する抽選結果が導出されていると共に所定条件が成立し
ていると判別された場合に、特定停止態様現出手段によって、特別遊技状態の発生を示唆
する特別遊技示唆情報を表示手段に表示する前に、該特別遊技示唆情報とは異なる識別情
報で形成される特定停止態様を、1又は複数の識別情報列に現出させるように構成されて
いる。従って、段階動的手段によって1の識別情報列が遊技者に視認可能な速度で動的表
示されている間、遊技者に、特定停止態様で停止するか否か、即ち、特別遊技状態が発生
し易い停止態様で停止するか否かという遊技性を付与することができる。更に、いずれか
1の識別情報列の停留態様のみにおいても特定停止態様を現出することができるので、喩
え特別遊技状態の付与が予見できる識別情報列の組み合わせ(例えば、リーチ表示)が現
出しない場合でも、各識別情報列の動的表示において特定停止態様が現出するか否かとい
う期待感を遊技者に付与することができる。よって、1の識別情報列における遊技性を向
上することで、遊技性を向上させることができるという効果がある。
一実施の形態におけるパチンコ機の正面図である。 外枠に対して内枠と前面枠セットとを開放した状態を示す斜視図である。 パチンコ機から前面枠セットを取り外した状態を示した正面図である。 遊技盤の構成を示す正面図である。 前面枠セットの背面図である。 パチンコ機の背面図である。 パチンコ機の背面構成を主要部品毎に分解して示した分解斜視図である。 パチンコ機裏面における第1制御基板ユニット、第2制御基板ユニット及び裏パックユニットの配置を示す模式図である。 内枠及び遊技盤の構成を示す背面図である。 内枠を後方より見た斜視図である。 遊技盤を後方より見た斜視図である。 支持金具の斜視図である。 第1制御基板ユニットの構成を示す正面図である。 第1制御基板ユニットの斜視図である。 第1制御基板ユニットの分解斜視図である。 第1制御基板ユニットを裏面から見た分解斜視図である。 第2制御基板ユニットの正面図である。 第2制御基板ユニットの斜視図である。 第2制御基板ユニットの分解斜視図である。 パチンコ機の背面から見た裏パックユニットの背面図を示した図である。 裏パックユニットの分解斜視図を示した図である。 タンクレールの構成を示した図である。 パチンコ機の電気的構成を示したブロック図である。 各種カウンタの概要を示した図である。 変動パターンコマンドを示した表(図)である。 大物図柄表示装置を模式的に表した図である。 大物図柄表示装置に表示される各図柄列をそれぞれ模式的に示した図である。 大物図柄表示装置に表示される代表的なチャンス目をそれぞれ模式的に示した図である。 大物図柄表示装置で実行される変動表示開始時に実行される波乗り報知演出を模式的に示した図である。 大物図柄表示装置で実行される変動表示において現出するステップアップ予告をそれぞれ模式的に示した図である。 大物図柄表示装置で実行されるノーマルリーチ及びノーマルロングリーチの変動パターンを模式的に示した図である。 大物図柄表示装置で実行される星空スーパーリーチの変動パターンを模式的に示した図である。 大物図柄表示装置で実行される噴水リーチの変動パターンを模式的に示した図である。 大物図柄表示装置で実行されるいきなり噴水スーパーリーチの変動パターンを模式的に示した図である。 主制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示したフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される通常処理を示したフローチャートである。 図36の通常処理の中で実行される外れ図柄カウンタの更新処理を示したフローチャートである。 図36の通常処理の中で実行される特別図柄変動処理を示したフローチャートである。 図38の特別図柄変動処理の中で実行される変動開始処理を示したフローチャートである。 タイマ割込処理を示したフローチャートである。 図40のタイマ割込処理の中で実行される始動入賞処理を示したフローチャートである。 NMI割込処理を示したフローチャートである。 表示用制御装置で実行されるコマンド受信処理を示したフローチャートである。 払出制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示したフローチャートである。 払出制御装置内のMPUにより実行される払出制御処理を示したフローチャートである。 払出制御装置内のMPUにより実行される賞球制御処理を示したフローチャートである。 払出制御装置内のMPUにより実行される貸球制御処理を示したフローチャートである。
以下、パチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)の一実施形態を、図面に基
づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図であり、図2は、後述する外枠1
1に対して内枠12と前面枠セット14とを開放した状態を示す斜視図である。
図1及び図2に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する
外枠11を備えており、この外枠11の一側部に内枠12が開閉可能に支持されている。
外枠11は、木製の板材により全体として矩形状に構成され、小ネジ等の離脱可能な締結
具により各板材が組み付けられている。よって、釘やリベットを使って各板材を組み付け
ていた従来構造と比べて、構成部材の再利用が容易にされている。本実施の形態では、外
枠11の上下方向の外寸は809mm(内寸771mm)、左右方向の外寸は518mm
(内寸480mm)となっている。なお、外枠11を樹脂やアルミニウム等の軽金属によ
り構成するようにしてもよい。
内枠12は合成樹脂、具体的にはABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)
樹脂により構成されている。ABS樹脂は、材料コストが安価で、メッキ等ののりが良く
装飾性に優れ、耐衝撃性が大きいので、内枠12の構成材料として好適である。内枠12
の開閉軸線は、パチンコ機10の正面からみて遊技球発射ハンドル18の設置箇所の反対
側に上下に延設されており、この開閉軸線を軸心にして内枠12が前方側に開放できるよ
うにされている。開閉軸線は遊技球発射ハンドル18の反体側に設けられているので、内
枠12を大きく開放することができる。通常パチンコホールでは、パチンコ機10は互い
に隣接して配設されるので、開閉軸線を遊技球発射ハンドル18側に設けると、内枠12
と共に開放される遊技球発射ハンドル18が隣のパチンコ機10に当接して開放量が減少
してしまうからである。
内枠12には、その最下部に下皿ユニット13が取り付けられると共に、下皿ユニット
13を除く範囲で内枠12を覆うようにして前面枠セット14が取り付けられている。下
皿ユニット13は、内枠12に対してネジ等の締結具により固定されている。また、前面
枠セット14は、内枠12に対して開閉可能に取り付けられており、内枠12と同様、パ
チンコ機10の正面からみて左側に上下に延びる開閉軸線を軸心にして前方側に開放でき
るようになっている。この内枠12の外周には、前面側へ突設された外周壁が形成されて
おり、その外周壁の内側に前面枠セット14が配設される。即ち、内枠12に前面枠セッ
ト14を取り付けた状態では、前面枠セット14の側面外周は、内枠12の外周壁により
囲繞されるので、内枠12と前面枠セット14との間への針金等の挿入を困難なものにし
て、不正行為を抑制することができる。
内枠12の上部には、円柱状に突出した押しボタン型の開閉スイッチ25が設けられて
いる。この開閉スイッチ25は、前面枠セット14の開閉状態を検出するためのスイッチ
である。前面枠セット14が内枠12に対して閉じられている場合には開閉スイッチ25
が押圧状態となり、逆に、前面枠セット14が内枠12に対して開放されている場合には
開閉スイッチ25は非押圧の突出状態となって、前面枠セット14の開閉状態を検出する
。また、内枠12の左上部(図2参照)には、配線孔26が穿設されている。配線孔26
は、前面枠セット14の配線を内枠12を通過させて遊技盤30の裏面に配線するための
孔である。配線孔26の角部にはRが形成されており、配線孔26内に配線される各コー
ドが、角部で損傷しないようにされている。なお、図4に示す通り、遊技盤30の左上部
にも配線孔26に対応して、配線孔37が穿設されている。
図3は、パチンコ機10から前面枠セット14を取り外した状態を示した正面図である
。図3では、便宜上、遊技盤30面上の遊技領域内の構成を空白で示している。図3に示
すように、下皿ユニット13には、ほぼ中央部に球受皿としての下皿15が設けられ、排
出口16から排出された遊技球が下皿15内に貯留可能に構成されている。下皿ユニット
13は、内枠12と同様に、難燃性のABS樹脂により形成されている。必ずしも、この
下皿15のすべてをABS樹脂で形成することは必要でないが、少なくとも下皿15の表
面部分、即ち下皿15の表面層と下皿15奥方の前面パネルとをABS樹脂で形成するこ
とが好ましい。下皿15には、火のついた煙草が放置される危険があるので、少なくとも
その表面部分を難燃性のABS樹脂で形成することにより、パチンコ機10の損傷や火災
の発生を抑止できるからである。なお、前面パネルには、スピーカからの音を出力するた
めのスピーカ孔24が穿設されている。
下皿15の正面下方部には、下皿15に貯留された遊技球を下方へ排出する際に操作す
るための球抜きレバー17が設けられている。この球抜きレバー17は、常時、右方向に
付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿15の底面
に形成された底面口が開口して、その底面口から遊技球が自然落下して排出される。かか
る球抜きレバー17の操作は、通常、下皿15の下方に、下皿15から排出された遊技球
を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。また、下皿15
の右方には、遊技球発射ハンドル18が下皿ユニット13から手前側へ突出した状態で配
設されると共に、下皿15の左方には灰皿が片持状に取着されている。灰皿は下皿15に
回転可能に取着された軸と共に手前方向及び奥方向へ回転可能にされている。このように
、下皿15の一側に遊技球発射ハンドル18を、他側に灰皿を配設することにより、下皿
ユニット13の左右の美的バランスを保ってパチンコ機10の装飾性を向上させている。
一方、図1に示すように、下皿15の上方における前面枠セット14には、球受皿とし
ての上皿19が一体的に設けられている。ここで、上皿19は、遊技球を一旦貯留し、一
列に整列させながら遊技球発射装置へ導出するためのものである。従来のパチンコ機では
前面枠セットの下方において内枠に対し開閉可能な前飾り枠が設けられ、該前飾り枠に上
皿が設けられていたが、本実施の形態では前飾り枠が省略され、前面枠セット14に対し
直接的に上皿19が設けられている。これは、本実施の形態の前面枠セット14は、従来
のパチンコ機より大きく形成した遊技領域を外部から視認できるようにするために略楕円
形状に大きく欠成された窓部101を備えているので、前面枠セット14の強度を少しで
も向上させるべく、該前面枠セット14に上皿19を一体化して形成しているのである。
この上皿19も下皿15と同様に、少なくとも表面層が難燃性のABS樹脂にて形成され
ている。なお、遊技領域が、従来のパチンコ機に比べて如何に大きく形成されているかに
ついては後述する。
また、図3において、内枠12は、外形が矩形状の樹脂ベース20を主体に構成されて
おり、樹脂ベース20の中央部には略円形状の窓孔21が形成されている。この樹脂ベー
ス20の後側には、遊技盤30が内枠12に対して着脱可能に装着されている。遊技盤3
0は四角形状の合板より構成され、その周縁部が樹脂ベース20(内枠12)の裏側に当
接した状態で取着されている。従って、遊技盤30の前面部の略中央部分が樹脂ベース2
0の窓孔21を通じて内枠12の前面側に露出した状態となっている。なお、遊技盤30
の上下方向の長さは476mm、左右方向の長さは452mmとなっている(従来と同等
サイズ)。即ち、遊技盤30を、従来のパチンコ機と同等サイズで形成しつつ、遊技領域
を、従来のパチンコ機より大きく形成しているのである。
次に、図4を参照して遊技盤30の構成を説明する。本実施の形態の遊技盤30は、葉
っぱや木、虫等をモチーフにデザインされており、一般入賞口31、可変入賞装置32、
大物口(始動口)33、小物門34、可変表示装置ユニット35、回転体38、可変大入
賞口39等がルータ加工によって形成された貫通穴に配設され、遊技盤30の前面側から
木ネジ等により取付けられている。周知の通り前記一般入賞口31、可変入賞装置32、
大物口33、回転体39の入賞口、可変大入賞口39に遊技球が入球し、後述する検出ス
イッチから所定の出力がなされると、上皿19(または下皿15)へ所定数の賞品球が払
い出される。その他に、遊技盤30にはアウト口36が設けられており、各種入賞装置等
に入球しなかった遊技球はこのアウト口36を通って図示しない球排出路へと案内される
。遊技盤30には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設され
ているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
可変表示装置ユニット35には、小物門34の遊技球の通過をトリガとして普通図柄を
変動表示する小物図柄表示装置41と、大物口33への遊技球の入賞をトリガとして特別
図柄を変動表示する図柄表示装置としての大物図柄表示装置42とが設けられている。小
物図柄表示装置41は、普通図柄用の表示部43と保留ランプ44とを有し、遊技球が小
物門34を通過する毎に、表示部43において表示図柄(普通図柄)が変動し、その変動
表示が所定図柄で停止した場合に大物口33が所定時間だけ作動状態となる(開放される
)よう構成されている。遊技球の小物門34の通過回数は最大4回まで保留され、その保
留回数が保留ランプ44に点灯表示される。なお、普通図柄の変動表示は、本実施の形態
のように、表示部43において複数のランプの点灯を切り換えることにより行うものの他
、大物図柄表示装置42(液晶表示装置)の一部を使用して行うようにしても良い。同様
に、保留ランプ44の点灯についても、大物図柄表示装置42の一部で行うようにしても
良い。また、本実施の形態では、小物門34を設けて、大物口33へ遊技球が入球する確
率を可変的にするように構成されているが、該小物門34を配設せずに、大物口33への
入球率を一定にするように構成しても良い。
大物図柄表示装置42は液晶表示装置により構成されており、後述する表示制御装置4
5によって表示内容が制御される。大物図柄表示装置42には、例えば左、中及び右の3
つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄によって構成され、これらの図柄が図柄
列毎に縦スクロールして大物図柄表示装置42に可変表示されるようになっている。なお
、本実施の形態では、大物図柄表示装置42は8インチサイズの大型の液晶ディスプレイ
で構成され、可変表示装置ユニット35には、この大物図柄表示装置42を囲むようにし
て、センターフレーム47が配設されている。
可変入賞装置32は、通常時は、遊技球が入賞できないか又は入賞し難い閉状態になっ
ており、大物図柄表示装置42において特定の図柄が停留表示された際に、所定時間の間
(例えば、10秒間)遊技球が入賞しやすい開状態にするように作動する。また、この可
変入賞装置32は、開状態時において、その中央部分に1の遊技球を貯留可能な特定領域
入賞部(図示せず)を備えている。詳しくは、大物口33に遊技球が入賞すると、大物図
柄表示装置42で図柄が変動表示され、その停止後の確定図柄が予め設定した特定の図柄
の組合せとなったことを必要条件に特別遊技状態が発生する。特別遊技状態が発生すると
、可変入賞装置32が、遊技球が入賞しやすい状態(大当たり状態)、即ち所定の開状態
となるよう構成されている。具体的には、所定時間の経過するまで可変入賞装置32を開
状態とし、その開状態中に特定領域入賞部に配設された特定領域スイッチ222(図9に
おいて後述)で遊技球が検出された場合に、可変大入賞口39の開放遊技である大当たり
の権利が発生し、所定の速度で回転駆動されている回転体38の入賞口へ遊技球が所定個
数入球するまでの間、該回転体38の入賞口への入賞に伴って、可変大入賞口39が開放
されるように構成されている。この可変大入賞口39は、所定時間又は所定個数の入賞を
1ラウンドとして、回転体38の入賞口へ遊技球が入賞する毎に可変大入賞口39が開放
される。なお、回転体38の入賞口へ所定個数の遊技球が入球した場合に、大当たり遊技
が終了するように構成されている。
遊技球が大物口33を通過した回数は最大4回まで保留され、その保留回数が保留ラン
プ46にて点灯表示されるようになっている。この保留ランプ46は、最大保留数分の4
つ設けられ、大物図柄表示装置42の上方にバランス良く配設されている。なお、保留ラ
ンプ46を削除して、その点灯を、大物図柄表示装置42の一部で行うようにしても良い
また、遊技盤30には、遊技球発射装置から発射された遊技球を遊技盤30上部へ案内
するためのレールユニット50が取り付けられており、遊技球発射ハンドル18の回動操
作に伴い発射された遊技球はレールユニット50を通じて遊技領域に案内される。レール
ユニット50はリング状をなす樹脂成型品にて構成されており、内外二重に一体形成され
た内レール部51と外レール取付部52とを有する。内レール部51は上方の約1/4ほ
どを除いて略円環状に形成されると共に、外レール取付部52は、その一部(主に左側部
)が内レール部51に向かい合うようにして形成されている。これら内レール部51と外
レール取付部52とにより誘導レールが構成され、この内レール部51と外レール取付部
52とが所定間隔を隔てて並行する部分(向かって左側の部分)により球案内通路が形成
されている。なお、球案内通路は、遊技盤30との当接面を有した溝状、即ち手前側を開
放した溝状に形成されている。
内レール部51の先端部分(図4の左上部)には戻り球防止部材53が取着されている
。これにより、一旦、内レール部51及び外レール取付部52間の球案内通路から遊技盤
30の上部へと案内された遊技球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止
される。また、外レール取付部52には、遊技球の最大飛翔部分に対応する位置(図4の
右上部:外レール取付部52の先端部に相当する部位)に返しゴム54が取着されている
。従って、所定以上の勢いで発射された遊技球は、返しゴム54に当たって、勢いが減衰
されて跳ね返される。外レール取付部52の内側面には、遊技球の飛翔をより滑らかなも
のとするべく、長尺状のステンレス製の金属帯としての摺動プレート55が取着されてい
る。
また、レールユニット50の外周部には、外方へ張り出した円弧状のフランジ56が形
成されている。フランジ56は、遊技盤30に対する取付面を構成する。レールユニット
50が遊技盤30に取り付けられる際には、遊技盤30上にフランジ56が当接され、そ
の状態で、当該フランジ56に形成された複数の透孔にネジ等が挿通されて遊技盤30に
対するレールユニット50の締結がなされる。更に、本実施の形態では、正面から見てレ
ールユニット50の上下左右の各端部は略直線状に(平坦に)形成されている。つまり、
レールユニット50の上下左右の各端部においてはフランジ56が切り落とされ、パチン
コ機10における有限の領域にてレール径の拡張、即ち遊技盤30上の遊技領域の拡張が
図られるようになっている。
内レール部51及び外レール取付部52間の球案内通路の入口には、その球案内通路の
一部を閉鎖するようにして凸部57が形成されている。この凸部57は、内レール部51
からレールユニット50下端部にかけて略鉛直方向に設けられ、遊技領域まで至らず球案
内通路内を逆流してくるファール球をファール球通路63(図3参照)へ導くためのもの
である。なお、遊技盤30の右下隅部及び左下隅部は、証紙等のシールやプレートを貼着
するための貼着スペースK1,K2が設けられており、この貼着スペースK1,K2を確
保するために、フランジ56に切欠58,59が形成されている。このように、遊技盤3
0自体に証紙等の貼着スペースK1,K2を設けているので、証紙を遊技盤30に直接貼
付することにより、その証紙により遊技盤30を一義的に特定することができる。即ち、
遊技盤の不正な交換を容易に発見することができる。
従来のパチンコ機では、レールは遊技盤に直接打ち込まれていた。しかし、上述するよ
うに本実施の形態のパチンコ機10では、レールユニット50は、フランジ56にネジ等
が挿通されて遊技盤30に締結されている。即ち、本実施の形態では、遊技盤30を、従
来のパチンコ機と同等サイズで形成しつつ、遊技領域を、従来のパチンコ機より大きく形
成しているので、レールを遊技盤に直接打ち込むことができないので、レールユニット5
0をフランジ56と共に樹脂で一体成形し、このフランジ56をネジ止め等して遊技盤3
0に締結している。かかる構成を採用した本実施の形態によれば、廃棄時にレールユニッ
ト50を遊技盤30から容易に取り外すことができるので、樹脂成形されるレールユニッ
ト50を容易にリサイクルすることができる。なお、遊技球の発射を安定して行わせるた
めに、遊技球の発射側のレールユニット50は、より多くのネジにより他のレールユニッ
ト50の部分に増してしっかりと固定されている。このレールユニット50を構成する樹
脂材料としては、摩擦抵抗の小さいフッ素入りのポリカーボネートが好適である。
次に、遊技領域について説明する。遊技領域は、レールユニット50の内周部に略円形
状に区画形成されており、特に本実施の形態では、遊技盤30の盤面上に区画される遊技
領域が従来よりもはるかに大きく構成されている。本実施の形態では、外レール取付部5
2の最上部地点から遊技盤30下部までの間の距離は445mm(従来品よりも58mm
長い)、外レール取付部52の極左位置から内レール部51の極右位置までの間の距離は
435mm(従来品よりも50mm長い)となっている。また、内レール部51の極左位
置から内レール部51の極右位置までの間の距離は418mmとなっている。
本実施の形態では、遊技領域を、パチンコ機10の正面から見て、内レール部51及び
外レール取付部52によって囲まれる領域のうち、内レール部51及び外レール取付部5
2の並行部分である誘導レールの領域を除いた領域としている。従って、遊技領域と言っ
た場合には誘導レール部分は含まないため、遊技領域の向かって左側限界位置は外レール
取付部52によってではなく内レール部51によって特定される。同様に、遊技領域の向
かって右側限界位置は内レール部51によって特定される。また、遊技領域の下側限界位
置は遊技盤30の下端位置によって特定される。また、遊技領域の上側限界位置は外レー
ル取付部52によって特定される。従って、本実施の形態では、遊技領域の幅(左右方向
の最大幅)は、418mmであり、遊技領域の高さ(上下方向の最大幅)は、445mm
である。
ここで、遊技領域の幅は、少なくとも380mm以上あることが望ましい。より好まし
くは390mm以上、400mm以上、410mm以上、420mm以上、430mm以
上、440mm以上、450mm以上、更に460mm以上であることが望ましい。もち
ろん、470mm以上であってもよい。即ち、遊技領域の幅は、遊技領域拡大という観点
からは大きい程好ましい。また、遊技領域の高さは、少なくとも400mm以上あること
が望ましい。より好ましくは410mm以上、420mm以上、430mm以上、440
mm以上、450mm以上、更には460mm以上であることがより望ましい。もちろん
、470mm以上、480mm以上、490mm以上としてもよい。即ち、遊技領域の高
さは、遊技領域拡大という観点からは大きい程好ましい。なお、上記幅及び高さの組合せ
については、上記数値を任意に組み合わせたものとしてもよい。
本実施の形態では、遊技盤30面に対する遊技領域の面積の比率は約70%と、従来に
比べ格段に面積比が大きいものとなっている。なお、遊技盤30面に対する遊技領域の面
積比は、従来では50%程度に過ぎなかったことから、遊技盤30を共通とした前提にお
いてはかなり遊技領域を拡大しているといえる。尚、パチンコ機10の外形は遊技場への
設置の都合上製造者間でほぼ統一されており、遊技盤30の大きさも同様とせざるを得な
い状況下において、上記のように遊技盤30面に対する遊技領域の面積の比率を約20%
も高めたことは、遊技領域拡大の観点で非常に有意義である。ここで、前記比率は、少な
くとも60%以上であることが望ましい。更に好ましくは65%以上であり、より好まし
くは70%以上である。また、本実施形態の場合を越えて75%以上であれば、一層望ま
しい。更には、80%以上であってもよい。
また、パチンコ機10全体の正面側の面積に対する遊技領域の面積の比率は約40%と
、従来に比べ格段に面積比が大きいものとなっている。なお、パチンコ機10全体の正面
側の面積に対する遊技領域の面積比は、35パーセント以上であるのが望ましい。もちろ
ん、40パーセント以上としてもよいし、45パーセント以上、又は50パーセント以上
としてもよい。
なお、可変表示装置ユニット35の両側に位置する小物門34は、該小物門34を通過
した遊技球が遊技領域の中央へ寄せられる案内機構を有している。これにより、遊技領域
が左右方向に拡張された構成でも、遊技球を遊技領域中央の大物口33や可変入賞装置3
2の方へと案内することができ、ひいては、遊技領域が拡張されることにより遊技球が入
賞し難くなることによる興趣の低下を抑制することができる。更には、遊技領域が左右方
向に拡張されているので、風車、小物門34、複数の釘(遊技球を中央に誘導するための
誘導釘)、他の役物を種々配設することができ、可変表示装置ユニット35の左右両側の
遊技領域での遊技球の挙動を一層面白くすることができる。また、遊技領域が上下方向に
も拡張されているので、更に風車、小物門34、複数の釘、他の役物を種々配設すること
ができ、遊技領域での上下方向の遊技球の挙動をより一層面白くすることができる。
図3に戻って説明する。前記樹脂ベース20において、窓孔21の下方(遊技盤30の
下方)には、遊技球発射装置より発射された直後の遊技球を案内するための発射レール6
1が取り付けられている。発射レール61は、その後方の金属板62を介して樹脂ベース
20に取付固定されており、所定の発射角度(打ち出し角度)にて直線的に延びるよう構
成されている。従って、遊技球発射ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球は、
まずは発射レール61に沿って斜め上方に打ち出され、その後、前述した通りレールユニ
ット50の球案内通路を通じて遊技領域に案内される。
本パチンコ機10の場合、遊技領域が従来よりも大幅に拡張されることは既に述べたが
、かかる構成下では、誘導レールの曲率を小さくせざるを得ないので、打出球を安定化さ
せるための工夫を要する。そこで本実施の形態では、遊技球の発射位置を低くすると共に
発射レール61の傾斜角度(発射角度)を既存のものよりも幾分大きくし(即ち発射レー
ル61を立ち上げるようにし)、更に発射レール61の長さを既存のものよりも長くして
十分な長さの球誘導距離を確保している。これにより、遊技球発射装置から発射された遊
技球をより安定した状態で誘導レールに案内できるようにしている。この場合、特に、発
射レール61を、遊技球発射装置の発射位置から遊技領域の中央位置(アウト口36)を
越える位置まで延びるよう形成している。
また、発射レール61とレールユニット50(誘導レール)との間には所定間隔の隙間
が形成され、この隙間より下方にファール球通路63が形成されている。従って、仮に、
遊技球発射装置から発射された遊技球が戻り球防止部材53まで至らずファール球として
誘導レール内を逆戻りする場合には、そのファール球がファール球通路63を介して下皿
15へ排出される。本実施の形態の場合、発射レール61の長さは約240mm、発射レ
ール61の先端部の隙間の長さ(発射レール61の延長線上の長さ)は約40mmである
ファール球が誘導レール内を逆流してくる際、その多くは外レール取付部52に沿って
流れ、外レール取付部52の下端部に到達した時点で下方に落下するが、一部のファール
球は誘導レール内で暴れ、内レール部51側へ跳ね上がるものもある。跳ね上がったファ
ール球は、球案内通路入口の前記凸部57に当たり、ファール球通路63に誘導される。
これにより、ファール球の全てがファール球通路63に確実に案内される。よって、ファ
ール球と次に発射される遊技球との干渉を抑制することができる。
なお、詳しい図面の開示は省略するが、遊技球発射装置には、前面枠セット14側の球
出口(上皿19の最下流部より通じる球出口)から遊技球が1つずつ供給される。この際
、本実施の形態では遊技球の発射位置を低くしたため、前面枠セット14側の球出口から
前記発射位置への落差が大きくなるが、発射レール61の基端部付近にはその右側と手前
側とにそれぞれガイド部材65,66を設置したので、前面枠セット14側の球出口から
供給される遊技球は常に所定の発射位置にセットされ、安定した発射動作を実現できる。
また、遊技球発射装置には打球槌が設けられ、軸部を中心とする打球槌の回動に伴い遊
技球が発射される。この打球槌に関しては軽量化が望まれているので、アルミニウム等の
軽金属への材料変更や軸部寸法の縮小化により打球槌の軽量化を図る一方で、十分な発射
力を確保すべく、打球槌のヘッド部(軸部と反対側の端部)に重り部を設けている。これ
により、十分でかつ安定した遊技球の発射が実現できる。打球槌の重り部を上方に突出し
て設けることにより、打球槌を容易に摘んだりひっかけたりすることができ、槌先の打球
強さの調整等がし易くなる。
排出口67は上皿19に通じており、この排出口67を介して遊技球が上皿19に排出
される(払い出される)。排出口67には開閉式のシャッタ68が取り付けられており、
前面枠セット14を開放した状態(図3の状態)ではバネ等の付勢力によりシャッタ68
が排出口67を閉鎖するように構成されている。また、前面枠セット14を閉鎖した状態
では、当該前面枠セット14の裏面に設けられた球通路樋69(図2参照)によりシャッ
タ68が押し開けられるように構成されている。従って、前飾り枠が省略され前面枠セッ
ト14に対して上皿19が直接設けられる構成とした本パチンコ機10において、前面枠
セット14の開放に際し払出通路内等の遊技球がこぼれ落ちてしまうといった不都合が防
止できるようになっている。
図3に示すように、樹脂ベース20には、窓孔21の右下部に略四角形状の小窓71が
設けられている。従って、遊技盤30の右下隅部の貼着スペースK1に張られたシール等
は、この小窓71を通じて視認できるようになっている。また、この小窓71からシール
等を貼り付けることも可能となっている。
図3における内枠12の左端部には、前面枠セット14の支持機構として、支持金具8
1,82が取り付けられている。上側の支持金具81には図の手前側に切欠を有する支持
孔83が設けられ、下側の支持金具82には鉛直方向に突出した突起軸84が設けられて
いる。また、前面枠セット14の図5の右端部(パチンコ機10正面から見ると左端部)
には、内枠12の支持機構として、支持金具151,152が取り付けられている。従っ
て、内枠12側の支持金具81,82(図3参照)に対して前面枠セット14側の支持金
具151,152を組み付けることで、内枠12に対して前面枠セット14を開閉可能に
装着することができる。更に、支持金具81の支持孔83は切欠を有し、且つ図5に図示
する通り支持金具151の下端部は細く形成されているので、支持金具151を支持孔8
3から完全に抜かなくても、支持金具151の細い部分を支持孔83の切欠に通すことに
よって前面枠セット14を内枠12(パチンコ機10)から容易に取り外すことができる
次に、図1及び図5を参照して、前面枠セット14について説明する。図5は、前面枠
セット14の背面図である。前面枠セット14には、遊技領域のほとんどを外部から視認
することができるよう略楕円形状の窓部101が形成されている。詳しくは、窓部101
は、その左右側の略中央部が、上下側に比べて比較的緩やかに湾曲した形状となっている
。この窓部101の略中央部を直線状に形成してもよい。本実施の形態において、窓部1
01の上端(外レール取付部52の最上部、遊技領域の上端)と、前面枠セット14の上
端との間の距離(いわゆる上部フレーム部分の上下幅)は61mmとなっており、85m
m〜95mm程度上部フレーム幅がある従来技術に比べて著しく短くなっている。これに
より、遊技領域の上部領域が確保されやすくなるとともに、大型の可変表示装置ユニット
35を比較的上方に配置することができる。なお、前面枠セット14の上端との間の距離
は80mm以下であることが望ましく、より望ましくは70mm以下であり、更に望まし
くは60mm以下である。もちろん、所定の強度が確保できるのであれば、50mm以下
であっても差し支えない。
また、パチンコ機10の正面から見て窓部101の左端と前面枠セット14の左端との
間の最短距離(いわゆる左側部フレーム部分の左右幅:図5では右側に示されている)、
即ち開閉軸線側のフレーム幅は、前面枠セット14自体の強度及び支持強度を高めるため
に比較的大きく設定されている。この場合、図1及び図3を相互に比較すると明らかなよ
うに、前面枠セット14が閉じられた状態において、外レール取付部52の左端部はもち
ろん、内レール部51の左端部も前記左側部フレーム部分によって覆い隠される。つまり
、誘導レールの少なくとも一部が、パチンコ機10の正面からみて前面枠セット14の左
側部フレーム部分と重複し覆い隠される。このように遊技球が一時的に視認困難となった
としても、それは、遊技球が遊技領域に案内される通過点に過ぎず、遊技者が主として遊
技を楽しむ遊技領域において遊技球が視認困難となるわけではない。そのため、実際の遊
技に際しては何ら支障が生じない。また、このような支障が生じない一方で、前面枠セッ
ト14の十分な強度及び支持強度が確保可能となっている。ちなみに、パチンコ機10の
正面から見て外レール取付部52の左端位置と外枠11の左端位置との左右方向の距離は
21mm、遊技領域の右端位置(内レール部51の右端位置)と外枠11の右端位置との
左右方向の距離は44mmとなっている。
加えて、前面枠セット14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発
光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊
技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の
演出効果を高める役割を果たす。例えば、窓部101の周縁には、LED等の発光手段を
内蔵した環状電飾部102が左右対称に設けられ、該環状電飾部102の中央であってパ
チンコ機10の最上部には、同じくLED等の発光手段を内蔵した中央電飾部103が設
けられている。本パチンコ機10では、中央電飾部103が大当たりランプとして機能し
、大当たり時に点灯や点滅を行って、大当たり中であることを報知する。更に、上皿19
周りにも、同じくLED等の発光手段を内蔵した上皿電飾部104が設けられている。そ
の他、中央電飾部103の左右側方には、賞球払出し中に点灯する賞球ランプ105と所
定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ106とが設けられている。
また、環状電飾部102の下端部に隣接するようにして、内枠12表面や遊技盤30表
面等の一部を視認できるよう透明樹脂が取り付けられた小窓107が設けられている。環
状電飾部102が手前に凸に形成されているのに対し、小窓107は平らに形成されてい
る。前述した通り、小窓107の背面には、証紙等のシールやプレートを貼着するための
貼着スペースK1,K2が設けられているので、そこに貼着されたシール等の内容を、ス
キャナなどの読み取り装置によって光学的に読み取り可能とするために平らにされている
のである。また、小窓107部分を平らに形成することによって、2台のパチンコ機10
間に配設される球貸機(図示せず)の貸し球レールがパチンコ機10から遊技者側へ出っ
張らないようにして、球貸機を配設することができる。
窓部101の下方には貸球操作部120が配設されている。貸球操作部120には、球
貸しボタン121と、返却ボタン122と、度数表示部123とが設けられている。パチ
ンコ機10の側方に配置されたカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣や
カード等を投入した状態で貸球操作部120が操作されると、その操作に応じて遊技球の
貸出が行われる。球貸しボタン121は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づ
いて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて
貸出球が上皿19に供給される。返却ボタン122は、カードユニットに挿入されたカー
ド等の返却を求める際に操作される。度数表示部123はカード等の残額情報を表示する
ものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿に遊技球が直接貸し
出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部120が不要となる。故に、貸球操
作部120の設置部分に、飾りシール等が付されるようになっている。これにより、カー
ドユニットを用いたパチンコ機と現金機との貸球操作部の共通化を図ることができる。
図5に示すように、前面枠セット14の裏側には、窓部101を囲むようにして金属製
の各種補強部材が設けられている。詳しくは、前面枠セット14の裏側にあって窓部10
1の上下左右の外側にはそれぞれ補強板131,132,133,134が取り付けられ
ている。これら補強板131〜134は相互に接触して連結されているが、図5の左側及
び上側の補強板132,133の連結部には直接の接触を避けるための樹脂パーツ135
が介在されている。この樹脂パーツ135により、金属製の補強板131〜134が前面
枠セット14にて環状にループ接続されるのを防いでいる。金属製の補強板131〜13
4が環状にループ接続されていると、遊技球の発射動作に伴う電磁ノイズが遊技盤30の
前面に配設された前面枠セット14の周囲をループし、遊技盤30に悪影響を及ぼして、
パチンコ機10の誤動作を誘発するが、本実施の形態のパチンコ機10では、樹脂パーツ
135により、金属製の補強板131〜134の環状接続を回避しているので、かかるノ
イズの悪影響を抑制することができる。なお、金属製の補強板131〜134の一部に樹
脂パーツ135を使用することによる強度の低下は、その樹脂パーツ135にリブを設け
たり、樹脂パーツ135の厚さを増して、補っている。
図5の右側の補強板131には、その中間位置にフック状をなす係合爪131aが設け
られており、この係合爪131aは、前面枠セット14を閉じた状態で内枠12の孔部1
2a(図3参照)に係合されるように構成されている。この構成により、上皿19を含む
形態で前面枠セット14が構成され、その上下の軸支位置が延長されたとしても、中間位
置における前面枠セット14の浮き上がりを防止することができる。それ故、前面枠セッ
ト14を浮かしての不正行為等を抑制することができる。
また、下側の補強板134には、前記発射レール61(図3参照)に対向する位置に樹
脂製のレール側壁部材136が設けられている。このレール側壁部材136は、前面枠セ
ット14を閉じた際に発射レール61の側壁となって、発射レール61から遊技球がこぼ
れ落ちないように機能している。
上述した補強板131〜134はガラス支持用の金枠としての機能も兼ね備えており、
これら補強板131〜134の一部が後方に折り返されてガラス保持溝が形成されている
。このガラス保持溝は前後に2列形成されており、矩形状をなす前後一対のガラス137
が各ガラス保持溝にて保持される。これにより、2枚のガラス137が前後に所定間隔を
隔てて取着される。
前述の通り本実施の形態のパチンコ機10では遊技領域の拡張を図っていることから、
前面枠セット14を閉じた状態にあっては、内レール部51及び外レール取付部52によ
り構成された誘導レールの一部が前面枠セット14により覆い隠される構成となっている
。それ故、当該誘導レールでは手前側の開放部がガラス137で覆えない部分ができてし
まう。かかる場合、例えば、遊技球発射装置より発射された遊技球が戻り球防止部材53
まで至らず戻ってくると、当該遊技球が誘導レール外にこぼれたり(飛び出したり)、外
レール取付部52とガラス137との間に挟まってしまうおそれがある。そこで本実施の
形態では、前面枠セット14に、誘導レールの手前側開放部を被覆するためのレールカバ
ー140を取り付けている。
レールカバー140は略円弧状をなす略平板体であって、透明な樹脂により形成されて
いる。レールカバー140は、その円弧形状が前記誘導レールの形状に対応しており、窓
部101の周縁部に沿って、誘導レールの基端部から先端部近傍までの区間を覆うように
前面枠セット14の裏側に取着されている。特にレールカバー140の内径側の寸法・形
状は内レール部51のそれにほぼ一致する。レールカバー140が取着された状態では、
その表面側がガラス137に当接した状態となる。前面枠セット14が閉じられた状態に
おいては、レールカバー140の裏面が誘導レールのほぼ全域を覆うこととなる。これに
より、誘導レールのほとんどの区間において遊技球のガラス137への衝突を防止できる
。従って、ガラス137への接触による破損等の悪影響を抑制することができる。
また、レールカバー140の右端部(即ち、レールカバー140を前面枠セット14に
取着した図5の状態で右端となる部位)には、誘導レールがガラス137の側縁部からは
み出した部分を被覆するための被覆部141が設けられている。これにより、遊技球が誘
導レール外にこぼれたり(飛び出したり)、外レール取付部52とガラス137との間に
挟まってしまうといった不具合の発生を防止することができる。
更に、レールカバー140には、その内側縁に沿って円弧状に延び且つ図5の手前側に
突出した突条142が形成されている。突条142は、前面枠セット14が閉じられた場
合には、誘導レール内に入り込んだ状態で内レール部51にほぼ一体的に重なり合うよう
構成されている。従って、例えば前面枠セット14と内枠12との隙間から針金等を侵入
させて不正行為を行おうとしても、誘導レールの内側にある遊技領域にまで針金等を侵入
させることが非常に困難となる。結果として、針金等を利用して行われる不正行為を防止
することができる。なお、突条142をより広い範囲で、例えばレールカバー140の内
側縁の全域に沿って形成する構成としても良い。かかる構成によれば、より広い範囲で針
金等を侵入させ難くなり、針金等を利用して行われる不正行為をより確実に防止すること
ができる。
次に、図6から図11を参照して、パチンコ機10の背面の構成を詳しく説明する。図
6はパチンコ機10の背面図であり、図7はパチンコ機10の背面構成を主要部品毎に分
解して示した分解斜視図である。図8は、パチンコ機10裏面における第1制御基板ユニ
ット201、第2制御基板ユニット202及び裏パックユニット203の配置を示す模式
図であり、図9は、内枠12及び遊技盤30の構成を示す背面図である。図10は、内枠
12を後方より見た斜視図であり、図11は、遊技盤30を後方より見た斜視図である。
先ずはじめに、パチンコ機10の背面構成について全体の概要を説明する。パチンコ機
10の背面(実際には内枠12及び遊技盤30の背面)には、各種制御基板が上下左右に
並べられるようにして又は前後に重ねられるようにして配置されており、更に、遊技球を
供給するための遊技球供給装置(払出機構)や樹脂製の保護カバー等が取り付けられてい
る。本実施の形態では、各種制御基板を2つの取付台に分けて搭載して2つの制御基板ユ
ニットを構成し、それら制御基板ユニットを個別に内枠12又は遊技盤30の裏面に装着
するようにしている。この場合、主基板と音声ランプ制御基板とを一方の取付台に搭載し
てユニット化すると共に、払出制御基板、発射制御基板及び電源基板を他方の取付台に搭
載してユニット化している。ここでは便宜上、前者のユニットを「第1制御基板ユニット
201」と称し、後者のユニットを「第2制御基板ユニット202」と称する。また、払
出機構及び保護カバーも1ユニットとして一体化されており、一般に樹脂部分を裏パック
と称することもあるため、ここではそのユニットを「裏パックユニット203」と称する
。各ユニット201〜203の詳細な構成について後述する。
第1制御基板ユニット201、第2制御基板ユニット202及び裏パックユニット20
3は、ユニット単位で何ら工具等を用いずに着脱できるよう構成されており、更にこれに
加え、一部に支軸部を設けて内枠12又は遊技盤30の裏面に対して開閉できる構成とな
っている。これは、各ユニット201〜203やその他構成が前後に重ねて配置されても
、隠れた構成等を容易に確認することを可能とするための工夫でもある。
実際には、図8の概略図に示すように、各ユニット201〜203が配置され、取り付
けられている。なお、図8において、略L字状をなす第1制御基板ユニット201はパチ
ンコ機10のほぼ中央に配置され、その下方に第2制御基板ユニット202が配置されて
いる。また、第1制御基板ユニット201に一部重なる領域に、裏パックユニット203
が配置されている。
第1制御基板ユニット201には、パチンコ機10の背面から見て左端部に支軸部M1
が設けられ、その支軸部M1の軸線Aを中心に当該第1制御基板ユニット201が開閉可
能となっている。また、第1制御基板ユニット201には、その右端部(即ち支軸部と反
対側、更に言えば開放端側)にナイラッチ等よりなる締結部M2が設けられると共に上端
部に係止爪部M3が設けられており、これら締結部M2及び係止爪部M3によって第1制
御基板ユニット201がパチンコ機10の本体に対して固定保持される。
また、第2制御基板ユニット202には、パチンコ機10の背面から見て右端部に支軸
部M4が設けられ、その支軸部M4の軸線Bを中心に当該第2制御基板ユニット202が
開閉可能となっている。また、第2制御基板ユニット202には、その左端部(即ち支軸
部と反対側、更に言えば開放端側)にナイラッチ等よりなる締結部M5が設けられており
、この締結部M5によって第2制御基板ユニット202がパチンコ機10の本体に対して
固定保持される。
更に、裏パックユニット203には、パチンコ機10の背面から見て右端部に支軸部M
6が設けられ、その支軸部M6による軸線Cを中心に当該裏パックユニット203が開閉
可能となっている。また、裏パックユニット203には、その左端部(即ち支軸部と反対
側、更に言えば開放端側)にナイラッチ等よりなる締結部M7が設けられると共に上端部
及び下端部にそれぞれ回動式の係止部M8,M9が設けられており、これら締結部M7及
び係止部M8,M9によって裏パックユニット203がパチンコ機10の本体に対して固
定保持される。
各ユニット201〜203の展開方向は同一でなく、第1制御基板ユニット201は、
パチンコ機10の背面から見て左開きになるのに対し、第2制御基板ユニット202及び
裏パックユニット203は、同右開きになるよう構成されている。
一方、図9は、内枠12に遊技盤30を組み付けた状態を示す背面図である。また、図
10は、内枠12を後方より見た斜視図であり、図11は、遊技盤30を後方より見た斜
視図である。ここでは図9〜図11を用いて、内枠12及び遊技盤30の裏面構成を説明
する。
遊技盤30は、樹脂ベース20に囲まれた四角枠状の設置領域に設置され、内枠12に
設けられた複数(本実施の形態では4カ所)の係止固定具211,212によって脱落し
ないように固定されている。係止固定具211,212は手動で回動でき、固定位置(ロ
ック位置)と固定解除位置(アンロック位置)とを切り替え可能に構成されている。図9
は、係止固定具211,212がロック位置にある状態を示している。遊技盤30の左右
3カ所の係止固定具211は、金属片を折り曲げ形成したL型の金具で構成され、遊技盤
30を固定した状態では内枠12の外方へ張り出さないよう構成されている。なお、遊技
盤30の下部1カ所の係止固定具212は樹脂製のI型の留め具で構成される。
遊技盤30の中央には、可変表示装置ユニット35が配置されている。可変表示装置ユ
ニット35においては、センターフレーム47(図4参照)を背後から覆う樹脂製(例え
ばABS製)のフレームカバー213が後方に突出して設けられており、そのフレームカ
バー213の後端に、液晶表示装置たる大物図柄表示装置42と表示制御装置45とが前
後に重ねられた状態で着脱可能に取り付けられている。フレームカバー213内には、セ
ンターフレーム47に内蔵されたLED等を駆動するためのLED制御基板などが配設さ
れている。
また、遊技盤30の裏面には、可変表示装置ユニット35を取り囲むようにして裏枠セ
ット215が取り付けられている。この裏枠セット215は、遊技盤30の裏面に張り付
くようにして設けられる薄型の樹脂成型品(例えばABS製)であって、各種入賞口に入
賞した遊技球を回収するための遊技球回収機構が形成されている。詳しくは、裏枠セット
215の下方には、前述した一般入賞口31、可変入賞装置32、大物口33(それぞれ
図4参照)の遊技盤開口部に対応し、且つ下流側で1カ所に集合する回収通路216が形
成されている。また、遊技盤30の下方には、樹脂製(例えばポリカーボネート樹脂製)
の排出通路盤217が取り付けられており、該排出通路盤217には、排出球をパチンコ
機10の外部へ案内するための排出通路218が形成されている。従って、図9に仮想線
で例示するように、一般入賞口31等に入賞した遊技球は何れも裏枠セット215の回収
通路216を介して集合し、更に排出通路盤217の排出通路218を介してパチンコ機
10外部に排出される。なお、アウト口36(図3参照)も同様に排出通路218に通じ
ており、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球も排出通路218を介してパチンコ機1
0の外部に排出される。
上記構成では、遊技盤30の下端面を境界にして、上方に裏枠セット215(回収通路
216)が、下方に排出通路盤217(排出通路218)が設けられており、排出通路盤
217が遊技盤30に対して前後方向に重複(オーバーラップ)せずに設けられている。
従って、遊技盤30を内枠12から取り外す際において、排出通路盤217が遊技盤30
の取り外しの妨げになるといった不都合が生じることもない。
なお、排出通路盤217は、パチンコ機10前面の上皿19の丁度裏側辺りに設けられ
ているので、上皿19に至る球排出口(図2の球通路樋69)より針金等を差し込み、更
にその針金等を内枠12と排出通路盤217との隙間を通じて遊技領域側に侵入させると
いった不正行為が考えられる。そこで本パチンコ機10では、排出通路盤217の上皿1
9の丁度裏側辺りに、内枠12にほぼ一体的に重なり合うようにしてパチンコ機10の前
方に延びるプレート219が設けられている。従って、内枠12と排出通路盤217との
隙間から針金等を侵入させようとしてもそれがプレート219にて阻害され、遊技領域に
まで針金等を侵入させることが非常に困難となる。その結果、針金等を利用して可変入賞
装置32を強制的に開放する等の不正行為を防止することができる。
また、遊技盤30の裏面には、各種入賞口などへの遊技球の通過を検出するための入賞
感知機構などが設けられている。具体的には、遊技盤30表側の一般入賞口31に対応す
る位置には入賞口スイッチ221が設けられ、可変入賞装置32には、特定領域スイッチ
222が設けられている。特定領域スイッチ222は、大当たり状態で可変入賞装置32
に入賞した遊技球が特定領域(大当たり状態継続を判定するための領域)に入ったことを
判定するスイッチである。また、大物口33に対応する位置には作動口スイッチ224が
設けられ、小物門34に対応する位置にはゲートスイッチ225が設けられている。更に
、回転体38の入賞口に対応する位置には大入賞口開放スイッチ251が設けられ、可変
大入賞口39に対応する位置には大入賞口カウントスイッチ252が設けられている。
入賞口スイッチ221及びゲートスイッチ225は、図示しない電気配線を通じて盤面
中継基板226に接続され、更にこの盤面中継基板226が後述する主基板(主制御装置
261)に接続されている。また、特定領域スイッチ222、大入賞口開放スイッチ25
1及び大入賞口カウントスイッチ252は大入賞口中継基板227に接続され、更にこの
大入賞口中継基板227がやはり主基板に接続されている。これに対し、作動口スイッチ
224は中継基板を介さずに直接主制御装置261に接続されている。
その他図示は省略するが、可変入賞装置32には、該可変入賞装置32を開状態にして
特定領域スイッチ222で遊技球を検出可能にするための開閉ソレノイドが設けられ、大
物口33には、大物口電動役物を開放するための大物口ソレノイドが設けられている。ま
た、可変大入賞口39にも、大入賞口電動役物を開放するための大入賞口ソレノイドが設
けられている。また、回転体38は、該回転体39を所定速度で回転させるためのステッ
ピングモータが設けられている。なお、図9において、パチンコ機10の裏面左下方部に
は打球槌等を備えるセットハンドル228が配設され、その右横には発射モータ229が
配設されている。
上記入賞感知機構にて各々検出された検出結果は、後述する主基板に取り込まれ、該主
基板よりその都度の入賞状況に応じた払出指令(遊技球の払出個数)が払出制御基板に送
信される。そして、該払出制御基板の出力により所定数の遊技球の払出が実施される。か
かる場合、各種入賞口に入賞した遊技球を入賞球処理装置に一旦集め、その入賞球処理装
置で入賞球の存在を1つずつ順番に確認した上で払出を行う従来方式(いわゆる証拠球方
式)とは異なり、本実施の形態のパチンコ機10では、各種入賞口毎に遊技球の入賞を電
気的に感知して払出が直ちに行われる(即ち、本パチンコ機10では入賞球処理装置を廃
止している)。故に、払い出す遊技球が多量にあっても、その払出をいち早く実施するこ
とが可能となる。
裏枠セット215には、第1制御基板ユニット201を取り付けるための取付機構が設
けられている。具体的には、この取付機構として、遊技盤30の裏面から見て左下隅部に
は上下方向に延びる支持金具231が設けられ、この支持金具231には同一軸線上に上
下一対の支持孔231aが形成されている。その他、遊技盤30の右下部には上下一対の
被締結孔(ナイラッチ孔)232が設けられ、同左上部には係止爪片233が設けられて
いる。
内枠12の裏面には、第2制御基板ユニット202や裏パックユニット203を取り付
けるための取付機構が設けられている。具体的には、内枠12の右端部には、図12に示
す長尺状の支持金具235が取り付けられている。図12に示すように、支持金具235
は長尺板状の金具本体236を有し、その金具本体236より起立させるようにして、下
方2カ所に第2制御基板ユニット202用の支持孔部237が形成されると共に、上方2
カ所に裏パックユニット203用の支持孔部238が形成されている。それら支持孔部2
37,238にはそれぞれ同軸の支持孔が形成されている。その他、第2制御基板ユニッ
ト202用の取付機構として、内枠12には、遊技盤設置領域よりも下方左端部に上下一
対の被締結孔(ナイラッチ孔)239が設けられている。また、裏パックユニット203
用の取付機構として、内枠12には、遊技盤設置領域の左端部に上下一対の被締結孔(ナ
イラッチ孔)240が設けられている。但し、第2制御基板ユニット202用の支持金具
と裏パックユニット203用の支持金具とを各々個別の部材で設けることも可能である。
符号241,242,243は、遊技盤30との間に裏パックユニット203を挟み込ん
で支持するための回動式の固定具である。
その他、内枠12の背面構成において、遊技盤30の右下部には、後述する払出機構よ
り払い出される遊技球を上皿19、下皿15、又は排出通路218の何れかに振り分ける
ための遊技球分配部245が設けられている。即ち、遊技球分配部245の開口部245
aは上皿19に通じ、開口部245bは下皿15に通じ、開口部245cは排出通路21
8に通じる構成となっている。また、内枠12の下端部には、下皿15に設置されたスピ
ーカの背後を囲むための樹脂製のスピーカボックス246が取り付けられており、このス
ピーカボックス246により低音域の音質改善が図られている。
次に、図13〜図16を参照して、第1制御基板ユニット201を説明する。図13は
第1制御基板ユニット201の正面図であり、図14は同ユニット201の斜視図であり
、図15は同ユニット201の分解斜視図であり、図16は同ユニット201を裏面から
見た分解斜視図である。
第1制御基板ユニット201は略L字状をなす取付台251を有し、この取付台251
に主制御装置261と音声ランプ制御装置262とが搭載されている。ここで、主制御装
置261は、主たる制御を司るCPU、遊技プログラムを記憶したROM、遊技の進行に
応じた必要なデータを記憶するRAM、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に
用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生
回路等を含む主基板を具備しており、この主基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス
263(被包手段)に収容されて構成されている。なお、基板ボックス263は、略直方
体形状のボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えてい
る。これらボックスベースとボックスカバーとは封印ユニット264(封印手段)によっ
て開封不能に連結され、これにより基板ボックス263が封印されている。
封印ユニット264はボックスベースとボックスカバーとを開封不能に連結する構成で
あれば任意の構成が適用できるが、ここでは図14等に示すように、5つの封印部材が連
結された構成となっており、この封印部材の長孔に係止爪を挿入することでボックスベー
スとボックスカバーとが開封不能に連結される。封印ユニット264による封印処理は、
その封印後の不正な開封を防止し、また万一不正開封が行われてもそのような事態を早期
に且つ容易に発見可能とするものであって、一旦開封した後でも再度開封・封印処理を行
うこと自体は可能である。即ち、封印ユニット264を構成する5つの封印部材のうち、
少なくとも一つの封印部材の長孔に係止爪を挿入することにより封印処理が行われる。そ
して、収容した主基板の不具合などにより基板ボックス263を開封する場合には、係止
爪が挿入された封印部材と他の封印部材との連結を切断する。その後、再度封印処理する
場合は他の封印部材の長孔に係止爪を挿入する。基板ボックス263の開封を行った旨の
履歴を当該基板ボックス263に残しておけば、基板ボックス263を見ることで不正な
開封が行われた旨が容易に発見できる。
また、音声ランプ制御装置262は、例えば主制御装置261又は表示制御装置45か
らの指示に従い音声やランプ表示の制御を司るCPUや、その他ROM、RAM、各種ポ
ート等を含む音声ランプ制御基板を具備しており、この音声ランプ制御基板が透明樹脂材
料等よりなる基板ボックス265に収容されて構成されている。音声ランプ制御装置26
2上には電源中継基板266が搭載されており、後述する電源基板より供給される電源が
この電源中継基板266を介して表示制御装置45及び音声ランプ制御装置262に出力
される。
取付台251は、有色(例えば緑、青等)の樹脂材料(例えばポリカーボネート樹脂製
)にて成形され、その表面に平坦状をなす2つの基板搭載面252,253が設けられて
いる。これら基板搭載面252,253は直交する向きに延び、前後方向に段差をもって
形成されている。但し、取付台251は無色透明又は半透明の樹脂成型品であっても良い
一方の基板搭載面252上には、主制御装置261が横長の向きに配置されると共に、
他方の基板搭載面253上には、音声ランプ制御装置262(音声ランプ制御基板)が縦
長の向きに配置される。特に、主制御装置261は、パチンコ機10裏面から見て手前側
に配置され、音声ランプ制御装置262はその奥側に配置される。この場合、基板搭載面
252,253が前後方向に段差をもって形成されているので、これら基板搭載面252
,253に主制御装置261及び音声ランプ制御装置262を搭載した状態において各制
御装置261,262はその一部を前後に重ねて配置されるようになる。つまり、図14
等にも見られるように、主制御装置261はその一部(本実施の形態では1/3程度)が
浮いた状態で配置されるようになる。故に、主制御装置261に重なる領域まで音声ラン
プ制御装置262を拡張することが可能となり、当該制御基板の大型化にも良好に対処で
きると共に、各制御装置を効率良く設置できる。また、第1制御基板ユニット201を遊
技盤30に装着した状態では、基板搭載面252の後方にスペースが確保され、可変入賞
装置32やその電気配線等が無理なく設置できるようになっている。
図15及び図16に示すように、主基板用の基板搭載面252には、左右2カ所に横長
形状の貫通孔254が形成されている。これに対応して、主制御装置261の基板ボック
ス263には、その裏面の左右2カ所に回動式の固定具267が設けられている。主制御
装置261を基板搭載面252に搭載する際には、基板搭載面252の貫通孔254に固
定具267が通され、その状態で固定具267が回動されて主制御装置261がロックさ
れる。従って、上述の通り主制御装置261はその一部が浮いた状態で配置されるとして
も、当該主制御装置261の脱落等の不都合を回避できる。また、主制御装置261は第
1制御基板ユニット201(基板搭載面252)の裏面側から固定具267をロック解除
しなければ、取り外しできないため、基板取り外し等の不正行為に対して抑止効果が期待
できる。主基板用の基板搭載面252にはその裏面に格子状のリブ255が設けられてい
る。
取付台251には、図14等の左端面に上下一対の支軸256が設けられており、この
支軸256を図9等に示す支持金具231に取り付けることで、第1制御基板ユニット2
01が遊技盤30に対して開閉可能に支持される。また、取付台251には、右端部に締
結具として上下一対のナイラッチ257が設けられると共に上端部に長孔258が設けら
れており、ナイラッチ257を図9等に示す被締結孔232にはめ込むと共に、長孔25
8に図9等に示す係止爪片233を係止させることで、第1制御基板ユニット201が遊
技盤30に固定される。なお、支持金具231及び支軸256が前記図8の支軸部M1に
、被締結孔232及びナイラッチ257が締結部M2に、係止爪片233及び長孔258
が係止爪部M3に、それぞれ相当する。
次に、図17〜図19を参照して、第2制御基板ユニット202を説明する。図17は
第2制御基板ユニット202の正面図であり、図18は同ユニット202の斜視図であり
、図19は同ユニット202の分解斜視図である。
第2制御基板ユニット202は横長形状をなす取付台301を有し、この取付台301
に払出制御装置311、発射制御装置312、電源装置313及びカードユニット接続基
板314が搭載されている。払出制御装置311、発射制御装置312及び電源装置31
3は周知の通り制御の中枢をなすCPUや、その他ROM、RAM、各種ポート等を含む
制御基板を具備しており、払出制御装置311の払出制御基板により、賞品球や貸出球の
払出が制御される。また、発射制御装置312の発射制御基板により、遊技者による遊技
球発射ハンドル18の操作に従い発射モータ229の制御が行われ、電源装置313の電
源基板により、各種制御装置等で要する所定の電源電圧が生成され出力される。カードユ
ニット接続基板314は、パチンコ機10の前面の貸球操作部120及び図示しないカー
ドユニットに電気的に接続され、遊技者による球貸し操作の指令を取り込んでそれを払出
制御装置311に出力するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等か
ら上皿に遊技球が直接貸し出される現金機では、カードユニット接続基板314は不要で
ある。
上記払出制御装置311、発射制御装置312、電源装置313及びカードユニット接
続基板314は、透明樹脂材料等よりなる基板ボックス315,316,317,318
にそれぞれ収容されて構成されている。特に、払出制御装置311では、前述した主制御
装置261と同様、基板ボックス315(被包手段)を構成するボックスベースとボック
スカバーとが封印ユニット319(封印手段)によって開封不能に連結され、これにより
基板ボックス315が封印されている。
払出制御装置311には状態復帰スイッチ321が設けられている。例えば、払出モー
タ358a部の球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ321が押下
されると、払出モータ358aが正逆回転され、球詰まりの解消(正常状態への復帰)が
図られるようになっている。
また、電源装置313にはRAM消去スイッチ323が設けられている。本パチンコ機
10はバックアップ機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し
、停電からの復帰(復電)の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。従って
、通常手順で(例えばホールの営業終了時に)電源遮断すると電源遮断前の状態が記憶保
持されるので、電源投入時に初期状態に戻したい場合には、RAM消去スイッチ323を
押しながら電源を投入することとしている。
取付台301は例えば無色透明な樹脂成型品よりなり、その表面に平坦状をなす基板搭
載面302が設けられている。この場合、発射制御装置312、電源装置313及びカー
ドユニット接続基板314は取付台301の基板搭載面302に横並びの状態で直接搭載
され、電源装置313の基板ボックス317上に払出制御装置311が搭載されている。
また、取付台301には、図17等の右端部に上下一対の支軸305が設けられており
、この支軸305を図9等に示す支持孔部237に上方から挿通させることで、第2制御
基板ユニット202が内枠12に対して開閉可能に支持される。また、取付台301には
、左端部に締結具として上下一対のナイラッチ306が設けられており、ナイラッチ30
6を図9等に示す被締結孔239にはめ込むことで、第2制御基板ユニット202が内枠
12に開閉不能に固定されるようになる。なお、支持孔部237及び支軸305が前記図
8の支軸部M4に、被締結孔239及びナイラッチ306が締結部M5に、それぞれ相当
する。
次に、図20及び図21を参照して、裏パックユニット203の構成を説明する。裏パ
ックユニット203は、樹脂成形された裏パック351と遊技球の払出機構部352とを
一体化したものであり、図20はパチンコ機10の背面から見た裏パックユニット203
の背面図を示しており、図21はその分解斜視図を示している。
裏パック351は例えばABS樹脂により一体成型されており、略平坦状のベース部3
53と、パチンコ機10後方に突出し横長の略直方体形状をなす保護カバー部354とを
有する。保護カバー部354は左右側面及び上面が閉鎖され且つ下面のみが開放された形
状をなし、少なくとも可変表示装置ユニット35を囲むのに十分な大きさを有する(但し
本実施の形態では、前述の音声ランプ制御装置262も合わせて囲む構成となっている)
。保護カバー部354の背面には多数の通気孔354aが設けられている。この通気孔3
54aは各々が長孔状をなし、それぞれの通気孔354aが比較的近い位置で隣り合うよ
う設けられている。従って、隣り合う通気孔354a間にある樹脂部分を切断することに
より、裏パック351の背面を容易に開口させることができる。つまり、通気孔354a
間の樹脂部分を切断してその内部の表示制御装置45等を露出させることで、所定の検定
等を容易に実施することができる。
また、ベース部353には、保護カバー部354を迂回するようにして払出機構部35
2が配設されている。即ち、裏パック351の最上部には上方に開口したタンク355が
設けられており、このタンク355には遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次
補給される。タンク355の下方には、例えば横方向2列(2条)の球通路を有し下流側
に向けて緩やかに傾斜するタンクレール356が連結され、更にタンクレール356の下
流側には縦向きにケースレール357が連結されている。払出装置358はケースレール
357の最下流部に設けられ、払出モータ358a等の所定の電気的構成により必要個数
の遊技球の払出が適宜行われる。そして、払出装置358より払い出された遊技球は図2
1に示す払出通路359等を通じて前記上皿19に供給される。
タンクレール356には、当該タンクレール356に振動を付加するためのバイブレー
タ360が取り付けられている。従って、仮にタンクレール356付近で球詰まりが生じ
た際には、バイブレータ360を駆動することによって球詰まりを解消できるようになっ
ている。このバイブレータ360は、ユニット化されているので、タンクレール356へ
容易に取り付けることができる。
図22を参照してタンクレール356の構成ついて詳述すると、タンクレール356は
上方に開口した長尺樋状をなすレール本体361を有し、レール本体361の始端部には
球面状の球受部362が設けられている。この球受部362により、タンク355から落
下してきた遊技球が円滑にレール本体361内に取り込まれる。また、レール本体361
には長手方向に延びる仕切壁363が設けられており、この仕切壁363により遊技球が
二手に分流されるようになっている。仕切壁363により仕切られた2条の球通路は遊技
球の直径よりも僅かに幅広となっている。仕切壁363により仕切られた各球通路の底面
には、1筋又は2筋の突条364が設けられると共に、その突条364の側方に開口部3
65が設けられている。
また、レール本体361には、その下流側半分程度の天井部分を覆うようにして整流板
367が配設されている。この整流板367は、下流側になるほどタンクレール356内
の球通路高さを制限するよう弓なりに反った形状をしており、更にその下面には長手方向
に延びる凸部368が形成されている。これにより、タンクレール356内を流れる各遊
技球は最終的には上下に積み重なることなく下流側に流出する。従って、タンクレール3
56に多量の遊技球群が流れ込んできても、遊技球の噛み込みが防止され、タンクレール
356内における球詰まりが解消される。なお、レール本体361は、黒色の導電性ポリ
カーボネート樹脂により成形されるのに対し、整流板367は透明のポリカーボネート樹
脂により成形されている。整流板367は着脱可能に設けられており、当該整流板367
を取り外すことによりタンクレール356内のメンテナンスが容易に実施できるようにな
っている。
図20及び図21に戻って説明する。払出機構部352には、払出制御装置311から
払出装置358への払出指令の信号を中継する払出中継基板381が設置されると共に、
外部より主電源を取り込むための電源スイッチ基板382が設置されている。電源スイッ
チ基板382には、電圧変換器を介して例えば交流24Vの主電源が供給され、電源スイ
ッチ382aの切替操作により電源ON又は電源OFFとされるようになっている。
タンク355から払出通路359に至るまでの払出機構部352は何れも導電性を有す
る樹脂材料(例えば導電性ポリカーボネート樹脂)にて成形され、その一部にてアースさ
れている。これにより、遊技球の帯電によるノイズの発生が抑制されるようになっている
また、裏パック351には、図20等の右端部に上下一対の支軸385が設けられてお
り、この支軸385を図9等に示す支持孔部238に上方から挿通させることで、裏パッ
クユニット203が内枠12に対して開閉可能に支持される。また、裏パック351には
、左端部に締結具として上下一対のナイラッチ386が設けられると共に、上端部に係止
孔387が設けられており、ナイラッチ386を図9等に示す被締結孔240にはめ込む
と共に、係止孔387に図9等に示す固定具242を係止させることで、裏パックユニッ
ト203が内枠12に開閉不能に固定されるようになる。固定具242及び係止孔387
の部分にナイラッチを使用しないのは、図20における係止孔387の左隣に遊技球を貯
留するタンク355が設けられるので、この部分を強固に固定するためである。固定具2
42の固定時には、図9等に示す固定具241,243によっても裏パックユニット20
3が内枠12に固定される。なお、支持孔部238及び支軸385が前記図8の支軸部M
6に、被締結孔240及びナイラッチ386が締結部M7に、固定具242及び係止孔3
87が係止部M8に、それぞれ相当する。また、固定具243が係止部M9に相当する。
次に、図23を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。主制御装
置261には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU501が搭載されている
。MPU501には、該MPU501により実行される各種の制御プログラムや固定値デ
ータを記憶したROM502と、そのROM502内に記憶される制御プログラムの実行
に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM503と、そのほ
か、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。
主制御装置261のROM502は、本実施のパチンコ機10の制御に必要な制御プロ
グラムやテーブル等の固定値データを記憶しているメモリであり、表示用制御装置45に
様々な変動表示を実行させる変動パターン指定コマンドを記憶した変動パターン指定コマ
ンドテーブル(図27参照)も、このROM502に記憶されている。なお、本実施の形
態のパチンコ機10における変動表示の内容については後述する。
RAM503は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置313からバック
アップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM
503には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリやエリアの他に、バックア
ップエリア503aが設けられている。
バックアップエリア503aは、停電などの発生により電源が遮断された場合において
、電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタ、I/
O等の値を記憶しておくためのエリアであり、電源投入時(停電解消による電源投入を含
む。以下同様)には、バックアップエリア503aの情報に基づいてパチンコ機10の状
態が電源遮断前の状態に復帰される。バックアップエリア503aへの書き込みはNMI
割込処理(図40参照)によって電源遮断時に実行され、バックアップエリア503aに
書き込まれた各値の復帰は電源投入時のメイン処理(図33参照)において実行される。
なお、MPU501のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による
電源遮断時に、停電監視回路542からの停電信号SG1が入力されるように構成されて
おり、その停電信号SG1がMPU501へ入力されると、停電時処理としてのNMI割
込処理が即座に実行される。
主制御装置261のMPU501には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバス
ライン504を介して入出力ポート505が接続されている。入出力ポート505には、
後述するRAM消去スイッチ回路543、払出制御装置311、表示制御装置45や、そ
の他図示しないスイッチ群などが接続されている。
払出制御装置311は、払出モータ358aにより賞球や貸し球の払出制御を行うもの
である。演算装置であるMPU511は、そのMPU511により実行される制御プログ
ラムや固定値データ等を記憶したROM512と、ワークメモリ等として使用されるRA
M513とを備えている。
払出制御装置311のRAM513は、主制御装置261のRAM503と同様に、パ
チンコ機10の電源の遮断後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給され
てデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM513には、各種のデ
ータ等を一時的に記憶するためのメモリやエリアの他に、バックアップエリア513aが
設けられている。
バックアップエリア513aは、停電などの発生により電源が遮断された場合において
、電源遮断時のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくためのエ
リアであり、電源投入時には、このバックアップエリア513aの情報に基づいてパチン
コ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。バックアップエリア513aへの書き
込みはNMI割込処理によって電源遮断時に実行され、バックアップエリア513aに書
き込まれた各値の復帰は電源投入時のメイン処理において実行される。なお、主制御装置
261のMPU501と同様、MPU511のNMI端子にも、停電等の発生による電源
遮断時に停電監視回路542から停電信号SG1が入力されるように構成されており、そ
の停電信号SG1がMPU511へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理が
即座に実行される。
払出制御装置311のMPU511には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバ
スライン514を介して入出力ポート515が接続されている。入出力ポート515には
、RAM消去スイッチ回路543、主制御装置261、発射制御装置312、払出モータ
358aなどがそれぞれ接続されている。
発射制御装置312は、発射モータ229による遊技球の発射を許可又は禁止するもの
であり、発射モータ229は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的に
は、払出制御装置311から発射許可信号が出力されていること、遊技者が遊技球発射ハ
ンドル18に触れていることをセンサ信号により検出していること、発射を停止させるた
めの発射停止スイッチが操作されていないことを条件に、発射モータ229が駆動され、
遊技球発射ハンドル18の操作量に応じた強さで遊技球が発射される。
表示制御装置45は、小物図柄表示装置41における小物図柄(普通図柄)の変動表示
と、大物図柄表示装置42における大物図柄(特別図柄)の変動表示とを制御するもので
ある。表示制御装置45は、MPU521と、ROM(プログラムROM)522と、ワ
ークRAM523と、ビデオRAM524と、キャラクタROM525と、画像コントロ
ーラ526と、入力ポート527と、2つの出力ポート528,529と、バスライン5
30,531とを備えている。入力ポート527の入力側には主制御装置261の出力側
が接続され、入力ポート527の出力側には、MPU521、ROM522、ワークRA
M523、画像コントローラ526が接続されると共にバスライン530を介して出力ポ
ート528が接続されている。出力ポート528の出力側には小物図柄表示装置41や、
音声ランプ制御装置262が接続されている。また、画像コントローラ526にはバスラ
イン531を介して出力ポート529が接続されており、その出力ポート529の出力側
には大物図柄表示装置42が接続されている。
表示制御装置45のMPU521は、主制御装置261から送信される図柄表示コマン
ドに基づいて小物図柄表示装置41及び大物図柄表示装置42の表示を制御する。ROM
522は、MPU521により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶す
るためのメモリであり、ワークRAM523は、MPU521による各種プログラムの実
行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するためのメモリである。
表示用制御装置45のROM522は、本実施のパチンコ機10の制御に必要な制御プ
ログラムやテーブル等の固定値データを記憶しているメモリであり、主制御装置261か
ら受信した変動パターン指定コマンドに応じて大物図柄表示装置42で実行される変動表
示のパターンを記憶した変動パターン指定コマンドテーブル(図27参照)も、このRO
M522に記憶されている。なお、本実施の形態のパチンコ機10における変動表示の内
容については後述する。
ビデオRAM524は、大物図柄表示装置42に表示される表示データを記憶するため
のメモリであり、ビデオRAM524の内容を書き替えることにより、大物図柄表示装置
42の表示内容が変更される。キャラクタROM525は、大物図柄表示装置42に表示
される図柄などのキャラクタデータを記憶するためのメモリである。画像コントローラ5
26は、MPU521、ビデオRAM524、出力ポート529のそれぞれのタイミング
を調整してデータの読み書きに介在すると共に、ビデオRAM524に記憶される表示デ
ータを、キャラクタROM525から所定のタイミングで読み出して大物図柄表示装置4
2に表示させるものである。
電源装置313は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部541と、停
電等による電源遮断を監視する停電監視回路542と、RAM消去スイッチ323を有す
るRAM消去スイッチ回路543とを備えている。電源部541は、図示しない電源経路
を通じて、主制御装置261や払出制御装置311等に対して各々に必要な動作電圧を供
給する。その概要としては、電源部541は、外部より供給される交流24ボルトの電圧
を取り込み、各種スイッチやモータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の
5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボ
ルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を主制御装置261や払出制御装置3
11等に対して供給する。なお、発射制御装置312に対しては、払出制御装置311を
介して動作電圧(12ボルト及び5ボルトの電圧)が供給される。
停電監視回路542は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置261のMPU
501及び払出制御装置311のMPU511の各NMI端子へ停電信号SG1を出力す
るための回路である。停電監視回路542は、電源部541から出力される最大電圧であ
る直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(
電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置261及び払出制御装置31
1へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置261及び払出制御装置31
1は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部541は、直流安
定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充
分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように
構成されている。よって、主制御装置261及び払出制御装置311は、NMI割込処理
を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去スイッチ323が押下された場合に、主
制御装置261及び払出制御装置311へ、バックアップデータをクリアするためのRA
M消去信号SG2を出力する回路である。主制御装置261及び払出制御装置311は、
パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、それぞれのバ
ックアップエリア503a,513aのデータをクリアする。
次に、上記の如く構成されたパチンコ機10の動作について説明する。本実施の形態で
は、主制御装置261内のMPU501は、遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、大当
たり抽選や大物図柄表示装置42の図柄表示の設定などを行うこととしており、具体的に
は、図24に示すように、大当たりの抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、大物
図柄表示装置42の大当たり図柄の選択に使用する大当たり図柄カウンタC2と、大物図
柄表示装置42が外れ変動する際のリーチ抽選に使用するリーチ乱数カウンタC3と、大
当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、大物図
柄表示装置42の変動パターン選択に使用する変動種別カウンタCS1,CS2と、左列
、中列及び右列の各外れ図柄の設定に使用する左・中・右の各外れ図柄カウンタCL,C
M,CRとを用いることとしている。また、小物図柄表示装置41の抽選には小物図柄乱
数カウンタC4が用いられる。
このうち、カウンタC1〜C3,CINI,CS1,CS2は、その更新の都度前回値
に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。また、外れ図
柄カウンタCL,CM,CRは、MPU501内のRレジスタ(リフレッシュレジスタ)
を用いてレジスタ値が加算され、結果的に数値がランダムに変化する構成となっている。
各カウンタは短時間間隔で更新され、その更新値がRAM503の所定領域に設定された
カウンタ用バッファに適宜格納される。RAM503には、1つの実行エリアと4つの保
留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる保留球格納エリアが設けられており、これ
らの各エリアには、大物口33への遊技球の入賞タイミングに合わせて、大当たり乱数カ
ウンタC1、大当たり図柄カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値がそれぞれ格
納される。
各カウンタについて詳しくは、大当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜676の範囲
内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり676)に達した後0に戻る構成となっている
。特に大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCIN
Iの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値
カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同一範囲で更新されるループカウンタ
として構成され(値=0〜676)、タイマ割込毎に1回更新されると共に通常処理の残
余時間内で繰り返し更新される。大当たり乱数カウンタC1は定期的に(本実施の形態で
はタイマ割込毎に1回)更新され、遊技球が大物口33に入賞したタイミングでRAM5
03の保留球格納エリアに格納される。大当たりとなる乱数の値の数は、低確率時と高確
率時とで2種類設定されており、低確率時に大当たりとなる乱数の値の数は2で、その値
は「337,673」であり、高確率時に大当たりとなる乱数の値の数は10で、その値
は「67,131,199,269,337,401,463,523,601,661
」である。なお、高確率時とは、大物図柄の組合せが予め定められた確率変動図柄の組合
せによって大当たりになり付加価値としてその後の大当たり確率がアップした状態、いわ
ゆる確変の時をいい、通常時(低確率時)とはそのような確変状態でない時をいう。
大当たり図柄カウンタC2は、大当たりの際、大物図柄表示装置42の変動停止時の図
柄を決定するものであり、本実施の形態では、大物図柄表示装置42において有効ライン
が5ラインであり、特定図柄(主図柄)が10通り設定されているので、50個(0〜4
9)のカウンタ値が用意されている。即ち、大当たり図柄カウンタC2は、0〜49の範
囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり49)に達した後0に戻る構成となっている
。大当たり図柄カウンタC2は定期的に(本実施の形態ではタイマ割込毎に1回)更新さ
れ、遊技球が大物口33に入賞したタイミングでRAM503の保留球格納エリアに格納
される。
リーチ乱数カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値
(つまり238)に達した後0に戻る構成となっている。本実施の形態では、リーチ乱数
カウンタC3によって、リーチ発生した後最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけず
れて停止する「前後外れリーチ」と、同じくリーチ発生した後最終停止図柄がリーチ図柄
の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」と、リーチ発生しない「完全外れ」とを抽
選することとしている。例えば、リーチ乱数カウンタC3=0,1は前後外れリーチに該
当し、リーチ乱数カウンタC3=2〜21は前後外れ以外リーチに該当し、リーチ乱数カ
ウンタC3=22〜238は完全外れに該当する。なお、リーチの抽選は、大物図柄表示
装置42の抽選確率の状態や変動開始時の作動保留球数等に応じて各々個別に設定される
ものであっても良い。リーチ乱数カウンタC3は定期的に(本実施の形態ではタイマ割込
毎に1回)更新され、遊技球が大物口33に入賞したタイミングでRAM503の保留球
格納エリアに格納される。
2つの変動種別カウンタCS1,CS2のうち、一方の変動種別カウンタCS1は、例
えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に
戻る構成となっており、他方の変動種別カウンタCS2は、例えば0〜240の範囲内で
順に1ずつ加算され、最大値(つまり240)に達した後0に戻る構成となっている。以
下の説明では、CS1を「第1変動種別カウンタ」、CS2を「第2変動種別カウンタ」
ともいう。
第1変動種別カウンタCS1によって、いわゆるノーマルリーチ、スーパーリーチ等、
大物図柄のリーチ種別やその他大まかな図柄変動態様が決定され、第2変動種別カウンタ
CS2によって、リーチ発生後に最終停止図柄(本実施の形態では中図柄)が停止するま
での経過時間(言い換えれば、変動図柄数)などより細かな図柄変動態様が決定される。
従って、これらの変動種別カウンタCS1,CS2を組み合わせることで、変動パターン
の多種多様化を容易に実現できる。また、第1変動種別カウンタCS1だけで図柄変動態
様を決定したり、第1変動種別カウンタCS1と停止図柄との組み合わせで同じく図柄変
動態様を決定したりすることも可能である。変動種別カウンタCS1,CS2は、後述す
る通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返
し更新される。そして、大物図柄表示装置42による大物図柄の変動開始時における変動
パターン決定に際して変動種別カウンタCS1,CS2のバッファ値が取得される。
左・中・右の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRは、大当たり抽選が外れとなった時
に左列大物図柄、中列大物図柄、右列大物図柄の外れ停止図柄を決定するためのものであ
り、各列では主図柄及び副図柄の合わせて20の大物図柄の何れかが表示されることから
、各々に20個(0〜19)のカウンタ値が用意されている。外れ図柄カウンタCLによ
り左図柄列の上・中・下段の各図柄が決定され、外れ図柄カウンタCMにより中図柄列の
上・中・下段の各図柄が決定され、外れ図柄カウンタCRにより右図柄列の上・中・下段
の各図柄が決定される。
本実施の形態では、MPU501に内蔵のRレジスタの数値を用いることにより各カウ
ンタCL,CM,CRの値をランダムに更新する。即ち、各外れ図柄カウンタCL,CM
,CRの更新時には、前回値にRレジスタの下位3ビットの値が加算され、その加算結果
が最大値を超えた場合に20減算されて今回値が決定される。各外れ図柄カウンタCL,
CM,CRは更新時期が重ならないようにして通常処理内で更新され、それら外れ図柄カ
ウンタCL,CM,CRの組み合わせが、RAM503の前後外れリーチ図柄バッファ、
前後外れ以外リーチ図柄バッファ及び完全外れ図柄バッファの何れかに格納される。そし
て、大物図柄の変動開始時における変動パターン決定に際し、リーチ乱数カウンタC3の
値に応じて前後外れリーチ図柄バッファ、前後外れ以外リーチ図柄バッファ及び完全外れ
図柄バッファの何れかのバッファ値が取得される。
なお、各カウンタの大きさや範囲は一例にすぎず任意に変更できる。但し、不規則性を
重視すれば、大当たり乱数カウンタC1、リーチ乱数カウンタC3、変動種別カウンタC
S1,CS2の大きさは何れも異なる素数とし、いかなる場合にも同期しない数値として
おくのが望ましい。
小物図柄乱数カウンタC4は、例えば0〜250の範囲内で順に1ずつ加算され、最大
値(つまり250)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。小物図柄
乱数カウンタC4は定期的に(本実施の形態ではタイマ割込毎に1回)更新され、遊技球
が左右何れかの小物門(スルーゲート)34を通過したことが検知された時に取得される
。当選することとなる乱数の値の数は149あり、その範囲は「5〜153」である。
ここで、図26及び図27を参照して、大物図柄表示装置42の表示内容について説明
する。図26は、大物図柄表示装置42を模式的に表した拡大図であり、図27は、大物
図柄表示装置42で実行される変動表示に使用される各図柄列42a〜42cを模式的に
表した図である。大物図柄表示装置42には、左・中・右の3つの図柄列42a〜42c
が表示される。各図柄列42a〜42cは、例えば「1」〜「5」の数字を各々付した特
別図柄と「7」の数字をアレンジした2種類の数値図柄と真実の口をモチーフにした顔図
柄とからなる主図柄と、例えば紋章をモチーフとした図柄からなる副図柄とにより構成さ
れ、これら各主図柄及び副図柄が所定位置に配置されることで各図柄列42a〜42cを
それぞれ構成している。
図27を参照して説明すると、各図柄列42a〜42cでは、それぞれ異なる配列で主
図柄及び副図柄が配列されている。具体的に説明すると、左図柄列42aでは、上から順
に、副図柄、第1数値図柄、第2数値図柄、第1数値図柄、副図柄、副図柄、第2数値図
柄、「1」の数字を付した特別図柄、「2」の数字を付した特別図柄、副図柄、「1」の
数字を付した特別図柄、副図柄、副図柄、「2」の数字を付した特別図柄、「3」の数字
を付した特別図柄、副図柄、副図柄、「4」の数字を付した特別図柄、「3」の数字を付
した特別図柄、「4」の数字を付した特別図柄、副図柄、「5」の数字を付した特別図柄
、副図柄、「5」の数字を付した特別図柄の、計24個の図柄が順に配列されている。ま
た、中図柄列42bでは、上から順に、顔図柄、副図柄、副図柄、「5」の数字を付した
特別図柄、副図柄、副図柄、「4」の数字を付した特別図柄、副図柄、副図柄、「3」の
数字を付した特別図柄、副図柄、副図柄、「2」の数字を付した特別図柄、副図柄、副図
柄、「1」の数字を付した特別図柄、副図柄、副図柄、第2数値図柄、副図柄、副図柄、
第1数値図柄、副図柄、副図柄の、計24個の図柄が順に配列されている。更に、右図柄
列42cでは、上から順に、副図柄、副図柄、第1数値図柄、「5」の数字を付した特別
図柄、副図柄、副図柄、「5」の数字を付した特別図柄、副図柄、「4」の数字を付した
特別図柄、副図柄、副図柄、「4」の数字を付した特別図柄、「3」の数字を付した特別
図柄、副図柄、副図柄、「3」の数字を付した特別図柄、「2」の数字を付した特別図柄
、副図柄、副図柄、「1」の数字を付した特別図柄、副図柄、「2」の数字を付した特別
図柄、「1」の数字を付した特別図柄、第2数値図柄、副図柄、副図柄、第2数値図柄、
第1数値図柄の、計28個の図柄が順に配列されている。
大物図柄表示装置42には、各図柄列42a〜42c毎に上・中・下の3段に大物図柄
が表示される。従って、大物図柄表示装置42には、3段×3列の計9個の大物図柄が表
示される。また、大物図柄表示装置42には、5つの有効ライン、即ち上ラインL1、中
ラインL2、下ラインL3、右上がりラインL4、左上がりラインL5が設定されている
。そして、左図柄列42a→右図柄列42c→中図柄列42bの順に変動表示が停止し、
その停止時にいずれかの有効ライン上に大当たり図柄の組合せ(本実施の形態では、同一
の主図柄の組合せ又は顔図柄を含む同一の主図柄の組み合わせ)で揃えば大当たりとして
、大当たり動画が表示される。
また、本実施の形態のパチンコ機10では、中図柄列Z2にのみ主図柄の一つである顔
図柄が一つ設けられて構成されている。本実施の形態では、変動表示において同一の主図
柄の組み合わせが表示された場合に、所定時間の経過するまで可変入賞装置32を開状態
とし、その開状態中に特定領域入賞部に配設された特定領域スイッチ222で遊技球が検
出された場合に、可変大入賞口39の開放遊技である大当たりの権利が発生し、所定の速
度で回転駆動されている回転体38の入賞口へ遊技球が16個数入球するまでの間、該回
転体38の入賞口への入賞に伴って、可変大入賞口39が開放されるように構成されてい
る。また、変動表示において同一の主図柄の組み合わせが停留表示された場合には、可変
大入賞口39が16回開放し終えた後の遊技状態を大当たりがし易い確率変動状態にする
(即ち、確変大当たりが発生する)ように構成されている。
一方、変動表示において左・右図柄列42a,42cに同一の主図柄と、中図柄列42
bに顔図柄である主図柄との組み合わせが表示された場合に、所定時間の経過するまで可
変入賞装置32を開状態とし、その開状態中に特定領域入賞部に配設された特定領域スイ
ッチ222で遊技球が検出された場合に、可変大入賞口39の開放遊技である大当たりの
権利が発生し、所定の速度で回転駆動されている回転体38の入賞口へ遊技球が1つ入球
した際に、可変大入賞口39が開放されるように構成されている。また、変動表示におい
て顔図柄を含む大当たりの組み合わせが停留表示された場合には、可変大入賞口39が1
回開放し終えた後の遊技状態を通常遊技である通常遊技状態にする(即ち、通常大当たり
が発生する)ように構成されている。
ここで、図25及び図28から図34を参照して、本実施の形態のパチンコ機10で行
われる変動表示の変動パターンについて説明する。図25は、大物図柄表示装置42で実
行される変動表示の変動パターンを示した変動パターンテーブルである。この変動パター
ンテーブルは、主制御装置261のROM502と、表示制御装置45のROM522と
に記憶されていいる。本実施の形態のパチンコ機10では、変動表示を実行する場合に、
主制御装置261から表示用制御装置45へ変動パターンコマンドを送信し、変動パター
ンコマンドを受信した表示用制御装置45は、受信した変動パターンコマンドに基づいて
、変動表示を開始すると共に、該変動表示の開始から終了までの一連の変動パターンを実
行するように構成されている。変動パターンコマンドは、2バイトで構成されており、1
バイト目のコマンドデータは、変動表示の通常モードを示す「C0H」(図25参照)、
又は、短縮モードを示す「C1H」(図示せず)とされており、各モードでそれぞれ11
6種類づつ、合計232種類の変動パターンが用意されている。なお、通常、大物口33
に遊技球が入球した場合には通常モードを示す変動パターンコマンドが選択されるように
構成されているが、待機中の変動表示が2つ以上(又は3つ)ある状態において大物口3
3に遊技球が入球した場合、又は、確率変動状態において大物口33に遊技球が入球した
場合に、次回に表示用制御装置45へ送信する変動パターンコマンドを、短縮モードを示
す変動パターンコマンドに変更するように構成されている。このように構成することによ
って、変動表示の待機回数を上限値に到達し難くすることができるので、大物口33に遊
技球が入球した数に応じた変動表示を実行することができる。
本実施の形態のパチンコ機10において、通常の変動表示は左側・中央・右側の各表示
領域において各図柄列42a〜42cの配列に基づいて各図柄が縦スクロールすることに
より行われる。ここで、各表示領域における縦スクロールがすべて停止した際に、有効ラ
インL1〜L5上に同一図柄、或いは、顔図柄を含む同一の主図柄が揃った表示状態とな
れば、所定の遊技価値が付与される大当たり状態となるように構成されている。このため
、3つの内2つの表示領域の縦スクロールが停止した際に、有効ラインL1〜L5上に同
一図柄が2つ揃っていれば、大当たりを示唆する表示状態、即ち、リーチ状態となる。本
実施の形態のパチンコ機10では、変動表示の変動パターンとして、ハズレ変動(通常変
動)と、ノーマルリーチと、ノーマルリーチから発展するノーマルロングリーチと、ノー
マルロングリーチから発展する星空スーパーリーチと、ノーマルロングリーチから発展す
る噴水スーパーリーチと、いきなり噴水スーパーリーチとが用意されている。
なお、星空スーパーリーチ、噴水リーチ及びいきなり噴水リーチは、大当たりの発生確
率が高いスーパーリーチに分類される。本実施の形態のパチンコ機10では、大物口33
への遊技球の入球に基づく抽選によって大当たりを付与する抽選結果が導出された場合に
は、スーパーリーチを選択し易いように構成する一方、大物口33への遊技球の入球の基
づく抽選によって大当たりを付与しない抽選結果が導出された場合にはハズレ又はノーマ
ルリーチを選択し易いように構成されている。また、通常大当たり(即ち、顔図柄を含ん
だ大当たり)は、スーパーリーチでは発生しないように構成されている。このように構成
することによって、例えば、変動表示の実行時にスーパーリーチが現出した場合に、通常
大当たりより遊技価値が高い確変大当たり発生の期待感を向上させることができるので、
抑揚のある遊技を実現することができる。
ここで、図28を参照して、本実施の形態のパチンコ機10の特徴部分でもあるチャン
ス目について説明する。本実施の形態のパチンコ機10では、連続演出が実行可能に構成
されている。即ち、例えば、複数の変動表示が待機されている状況において、最後に待機
された変動表示で大当たりが発生する場合や、ハズレの変動表示の一部において、大当た
りが発生し得る変動表示の前に待機されていた変動表示において大当たりが期待できる演
出(例えば、期待度の高いリーチ表示)を実行可能に構成されている。このように構成す
ることによって、複数の変動表示に渡る長期間において遊技者の期待感を向上させること
で、遊技性の向上を図ることができる。また、本実施の形態では、遊技者に予め特定の図
柄(即ち、チャンス目)で停止した場合に大当たりの期待感が持てることを示唆しておき
、連続演出を行う際に、連続演出中の変動表示を特定の図柄(チャンス目)で停止させ易
くすることで、遊技者の期待感を向上させるように構成されている。
図28は、7つの代表的なチャンス目を模式的に表した図である。まず、図28(a)
を参照して第1のチャンス目について説明すると、左図柄列42aにおいて、上段に第1
数値図柄、中段に第2数値図柄、下段に第1数値図柄が停止図柄として表示されればチャ
ンス目となる。なお、左図柄列42aにおいて上記第1のチャンス目が出現した場合には
、中・右図柄列42b,42cに表示される停止図柄はいずれの図柄でも良いので、「A
NY」と表示している。本実施の形態のパチンコ機10では、大物図柄表示装置42にお
いて1の図柄列に対して3の図柄を表示可能としており、この第1のチャンス目のように
、大物図柄表示装置42のいずれかの図柄列42a〜42cの表示可能領域のすべてにお
いて特定の主図柄(例えば、第1数値図柄及び第2数値図柄)が現出すれば大当たりの期
待が持てるチャンス目とすることで、各図柄列42a〜42c毎のそれぞれにおける変動
において新たな遊技性を付与することができる。
図28(b)を参照して第2のチャンス目について説明すると、いずれかのラインL1
〜L5上に、第1数値図柄、第2数値図柄、又は、「2」の数字を付した特別図柄がいず
れの組み合わせでも停止図柄として表示されればチャンス目となる。第1のチャンス目の
ように、1のいずれかの図柄列42a〜42cの表示可能領域のすべてにおいて特定の図
柄が停止すればチャンス目とすると共に、いずれかのラインL1〜L5上に第1のチャン
ス目を構成する図柄が一直線上に停止した場合に第2のチャンス目とすることによって、
第1のチャンス目と第2のチャンス目とを関連付けることができ、遊技者に遊技性を理解
させ易くすることができる。
図28(c)を参照して第3のチャンス目について説明すると、左図柄列42aにおい
て、上段に第2数値図柄、中段に「1」の数字を付した特別図柄、下段に「2」の数字を
付した特別図柄が表示されると共に、更に、右図柄列42cにおいて、上段又は下段に第
1数値図柄、第2数値図柄、又は、「2」の数字を付した特別図柄のいずれかが停止図柄
として表示されればチャンス目となる。なお、中図柄列42bにおいて上記第3のチャン
ス目が出現した場合には、中図柄列42bに表示される停止図柄はいずれの図柄でも良い
ので、「ANY」と表示している。
図28(d)を参照して第4のチャンス目について説明すると、右図柄列42cにおい
て、上段に「2」の数字を付した特別図柄、中段に「1」の数字を付した特別図柄、下段
に第2数値図柄が停止図柄として表示されればチャンス目となる。なお、右図柄列42c
において上記第4のチャンス目が出現した場合には、左・中図柄列42a,42bに表示
される停止図柄はいずれの図柄でも良いので、「ANY」と表示している。本実施の形態
では、図28(b)に示される第2のチャンス目と、図28(d)に示される第4のチャ
ンス目が現出した場合には、1の変動表示において、2のチャンス目を現出させつつ、3
のリーチ表示(所謂、トリプルリーチ)を現出させることができるので、遊技者にその変
動表示における3のリーチ表示による大当たりへの期待感と、2のチャンス目が現出した
ことによって以降に実行される変動表示に対する期待感とを同時に付与することができる
ので、遊技性を向上させることができる。
図28(e)を参照して第5のチャンス目について説明すると、左図柄列42aにおい
て、上段に「4」の数字を付した特別図柄、中段に「3」の数字を付した特別図柄、下段
に「4」の数字を付した特別図柄が表示されると共に、中図柄列42bにおいて、上・下
段に副図柄、中段に「3」の数字を付した特別図柄が停止図柄として表示されればチャン
ス目となる。なお、左・中図柄列42a,42bにおいて上記第5のチャンス目が出現し
た場合には、右図柄列42cに表示される停止図柄はいずれの図柄でも良いので、「AN
Y」と表示している。
図28(f)を参照して第6のチャンス目について説明すると、左図柄列42aにおい
て、上段に「4」の数字を付した特別図柄、中段に「3」の数字を付した特別図柄、下段
に「4」の数字を付した特別図柄が表示されると共に、中図柄列42bにおいて、上・下
段に副図柄、中段に「4」の数字を付した特別図柄が停止図柄として表示されればチャン
ス目となる。なお、左・中図柄列42a,42bにおいて上記第6のチャンス目が出現し
た場合には、右図柄列42cに表示される停止図柄はいずれの図柄でも良いので、「AN
Y」と表示している。
図28(g)を参照して第7のチャンス目について説明すると、左図柄列42aにおい
て、上段に「5」の数字を付した特別図柄、中段に副図柄、下段に「5」の数字を付した
特別図柄が表示されると共に、中図柄列42bにおいて、上・下段に副図柄、中段に「5
」の数字を付した特別図柄が停止図柄として表示されればチャンス目となる。なお、左・
中図柄列42a,42bにおいて上記第7のチャンス目が出現した場合には、右図柄列4
2cに表示される停止図柄はいずれの図柄でも良いので、「ANY」と表示している。
従来、遊技機の一種として、複数の図柄(識別情報の一種)が所定間隔おきにリールに
付されて構成された複数の図柄列を可変表示した後に、遊技者の操作に起因して前記可変
表示をそれぞれ停止させて停止図柄を表示する表示装置を備えたスロットマシン等が知ら
れている。この種の遊技機では、表示装置の有効ライン上に特定の大当たり図柄が停止す
ると、ビックボーナスゲームやレギュラーボーナスゲームといった遊技者にとって有利な
ゲームが発生するものが多い。
また、スロットマシンでは、いわゆるリーチ目と称される、ビックボーナスゲームやレ
ギュラーボーナスゲームの発動が持ち越されている状態にのみ停止表示される停止図柄態
様が設けられている。遊技者は、停止図柄がリーチ目で表示された場合に、ビックボーナ
スゲームやレギュラーボーナスゲームが内部当選していることを察知することができるよ
うになっている。該リーチ目には、様々な停止態様が用意されており、例えば、3のリー
ルの停止態様によって構成されるリーチ目もあれば、1のリールの停止態様のみによって
構成されるリーチ目も存在している。
しかしながら、スロットマシンでは、可変表示されるリールが高速で視認困難であると
共に、その可変表示されているリールは遊技者の操作に起因して同期又は略同期して停止
するように構成されている。このため、例えば、1のリールの停止態様のみによってリー
チ目を構成するスロットマシンでは、遊技者がその停止態様を狙って操作をした場合に、
遊技者が興趣を得るタイミングは、高速に可変表示しているリールが遊技者の操作と同期
して停止するまでの遊技者に認識困難な短い期間しかなく、長い期間において興趣を与え
ることが困難であるといった問題点があった。
そこで、本実施の形態のパチンコ機10では、1の変動表示を、各図柄列42a〜42
cを遊技者な視認困難な速度で変動させてから、その後、各図柄列42a〜42cを遊技
者に視認可能な速度でそれぞれ変動させて停止(停留)表示させるように構成する。更に
、遊技者に視認可能な速度でそれぞれ変動される各図柄列42a〜42cの変動パターン
は、複数種類、例えば、1秒、1.1秒、1.2秒の変動パターンが用意され、各図柄列
42a〜42cが低速で変動している場合には、各図柄列42a〜42cの各図柄は略0
.1秒で大物図柄表示装置42の表示可能領域の1/3(1コマ)変動するように構成さ
れている。また、待機されている変動表示において大当たりが発生し得る場合に、その大
当たりを発生し得る変動表示より先に実行される変動表示においてチャンス目を現出させ
るように構成されている。このように構成することによって、各図柄列42a〜42cを
遊技者に視認可能な速度で変動している間、遊技者に、チャンス目で停止するか否か、即
ち、以降の変動表示において大当たりが発生し易い表示結果で停止するか否かという遊技
性を付与することができるので、長期間の間、遊技者に興趣を付与することができる。
また、図28(a)や図28(d)のように、1の図柄列の停止態様でチャンス目を構
成するようにすることで、1の図柄列が遊技者に視認可能な速度で変動している状態から
停止(停留)表示されるまでの間、その図柄列の変動がチャンス目で停止するか否かとい
う遊技性を遊技者に付与することができるので、1の図柄列における変動表示の遊技性を
向上させることができる。
更に、本実施の形態のパチンコ機10では、待機中の変動表示が存在しない場合に実行
されている変動表示の停止態様において、チャンス目を現出し難くするように構成されて
いる。また、待機中の変動表示があると共に、該待機中の変動表示において大当たりの抽
選結果又はハズレの変動表示の一部の抽選結果が導出されていた場合には、チャンス目を
現出させ易くするように構成されている。具体的には、変動表示を実行する際に、待機中
の変動表示が存在するか否かを確認し、待機中の変動表示が存在しない場合には実行する
変動表示の停止態様にチャンス目を選定し難くする。一方、待機中の変動表示が存在する
と共に、該待機中の変動表示において大当たりの抽選結果又はハズレの変動表示の一部の
抽選結果が導出されている場合には、実行する変動表示の停止態様にチャンス目を選定し
易くする。このように、待機中の変動表示があると共に、該待機中の変動表示において大
当たりの抽選結果又はハズレの変動表示の一部の抽選結果が導出されていた場合に、チャ
ンス目を現出し易くすることによって、変動表示において大当たりの期待度が高いチャン
ス目を現出させることで、待機中の変動表示に対する興趣を向上させることができる。ま
た、各図柄列42a〜42c毎のそれぞれの変動表示が停留表示される毎に、チャンス目
が現出しているか否かという遊技性を付与することができるので、1の図柄列42a〜4
2cの変動表示の遊技性を向上することができる。
ここで、図29を参照して、大物図柄表示装置42で実行される変動表示においてチャ
ンス目が出現した場合における波乗り報知演出について説明する。本実施の形態のパチン
コ機10では、変動表示においてチャンス目が出現した場合に、次回の変動表示の開始時
に、前回の変動表示でチャンス目が出現したことを遊技者に示唆する波乗り報知演出が実
行されるように構成されている。
図29(a)〜図29(d)を参照して波乗り報知演出について具体的に説明する。図
29(a)において、1の変動表示が停止した状態を示している。この状態では、各図柄
列の変動が停止していると共に、左図柄列42aにおいて、上段に第1数値図柄、中段に
第2数値図柄、下段に第1数値図柄が停止図柄として表示されており、また、中図柄列4
2bにおいて、上段に副図柄、中段に第1数値図柄が停止図柄として表示されており、更
に、右図柄列42cにおいて、上段に「5」の数字を付した特別図柄、中段に副図柄、下
段に「4」の数字を付した特別図柄が停止図柄として表示されている。即ち、図28(a
)において上記した第1のチャンス目が現出している状態である。図29(b)及び図2
9(c)は、図29(a)の状態から、待機されていた次の変動表示が開始されていると
共に、画面下側から水しぶき図柄と女の子キャラクタ絵柄が画面上方側へ表示されて、そ
の水しぶき図柄の上を女の子キャラクタ絵柄が左から右へ滑り出している状態を示してい
る。この状態では、各図柄列42a〜42cは高速変動されており、遊技者から視認困難
な状態となっている。図29(d)は、図29(c)の状態から、水しぶき図柄と女の子
キャラクタ絵柄とが消えて、各図柄列42a〜42cにおいて高速変動が続行している状
態を示している。
上記説明したように、本実施の形態のパチンコ機10では、変動表示においてチャンス
目が現出した場合には、次回に実行される変動表示の開始時に、前回の変動表示の停止図
柄がチャンス目であったことを遊技者に示唆する波乗り報知演出が実行されるように構成
されている。このように構成することによって、喩えチャンス目を見逃した(認識してい
ない)遊技者に、波乗り報知演出を見ることで前回の変動表示でチャンス目が現出したこ
とを示唆することができると共に、実行中の変動表示において大当たりの期待感を増幅さ
せることができるので、複数の変動表示が実行されている期間において大当たりへの期待
感を維持することができるので、遊技性を向上することができる。
次に、図30を参照して、本実施の形態のパチンコ機10の特徴部分でもあるステップ
アップ予告について説明する。本実施の形態では、変動表示の開始時に、該変動表示にお
いて大当たりの付与する確率を示唆する予告表示機能が搭載されている。ステップアップ
予告には、通常に表示されている背景を利用して表示しており、通常時に背景において表
示されている2の女神像のそれぞれの水瓶から流れ出ている水が止まる水止め予告と、そ
の水止め予告から発展して2の女神像がそれぞれ画面正面を向く振り向き予告と、その振
り向き予告から発展して2の女神像の間に虹がかかる虹予告と、その虹予告から発展して
2の女神像の後ろ側に表示された池の中を魚群が泳ぐ魚群予告と、その魚群予告から発展
して2の女神像がそれぞれ黄金色になる黄金予告との5種類のステップアップ予告が用意
されている。現出するステップアップ予告に応じて大当たりの信頼度が決められており、
通常より水止め予告、水止め予告より振り向き予告、振り向き予告より虹予告、虹予告よ
り魚群予告、魚群予告より黄金予告が現出した方が大当たりを期待できる仕様となってい
る。
図30(a)は、通常時におけるステップアップ予告なしの状態の変動表示の背景を示
している。この状態では、背景の2の女神像の水瓶から水が流れ出ていると共に、その後
ろ側の池には何も現出していない状態を示している。なお、図30(a)から図30(f
)において、各図柄列42a〜42cは高速変動されており、遊技者から視認困難な状態
となっている。
図30(b)は、水止め予告が現出している状態を示している。図30(b)は、図3
0(a)の状態、即ち、背景の2の女神像のそれぞれの水瓶から水が流れ出ている状態か
ら、背景の2の女神像のそれぞれの水瓶から流れ出る水が止まっている状態を示している
。この水止め予告が現出した場合には、その変動表示においていずれかのリーチ表示が現
出し易いように構成されている。
図30(c)は、振り向き予告が現出している状態を示している。図30(c)は、図
30(b)の状態、即ち、背景において2の女神像が互いに向き合っている状態から、背
景の2の女神像がそれぞれ画面正面を向いている状態を示している。この振り向き予告が
現出した場合には、その変動表示においていずれかのリーチ表示が現出するように構成さ
れている。即ち、リーチ表示が現出する変動表示においてのみ、この振り向き予告が現出
するように構成されている。
図30(d)は、虹予告が現出している状態を示している。図30(d)は、図30(
c)の状態、即ち、背景において2の女神像がそれぞれ画面正面を向いている状態から、
背景の2の女神像の間に虹が架かった状態を示している。この虹予告が現出した場合には
、その変動表示において、ノーマルリーチ又はノーマルロングリーチにおける通常大当た
りか確変大当たりのいずれか、或いは、いずれかのスーパーリーチが現出するように構成
されている。即ち、通常大当たりか確変大当たりのいずれか、又は、いずれかのスーパー
リーチが現出する変動表示においてのみ、この虹予告が現出するように構成されている。
図30(e)は、魚群予告が現出している状態を示している。図30(e)は、図30
(d)の状態、即ち、背景において2の女神像の間に虹が架かっている状態から、背景の
2の女神像の後ろ側に表示されている池の中を様々な色合い魚の群れ泳いでいる状態を示
している。この魚群予告が現出した場合には、その変動表示において通常大当たりか確変
大当たりのいずれかが発生するように構成されている。即ち、通常大当たり又は確変大当
たりが現出する変動表示においてのみ、この魚群予告が現出するように構成されている。
図30(f)は、黄金予告が現出している状態を示している。図30(f)は、図30
(e)の状態、即ち、背景において2の女神像の後ろ側に表示されている池を魚群が泳い
でいる状態から、該魚群が姿を消して背景の2の女神像がそれぞれ黄金色に変わった状態
を示している。この黄金予告が現出した場合には、その変動表示において確変大当たりが
発生するように構成されている。即ち、確変大当たりが発生する変動表示においてのみ、
この黄金予告が現出するように構成されている。
このように構成することで、ステップアップ予告を用いる共に、そのステップアップ予
告が発展すればするほど、遊技者の大当たりへの期待度を高めることができるので、変動
表示が実行されている様々なタイミングにおいて遊技者の期待感を煽ることができ、遊技
性を向上させることができる。
次に、図31から図34を参照して、各リーチ表示について説明する。図31は、ノー
マルリーチ又はノーマルロングリーチが実行されている様を模式的に表した図である。図
31(a)では、1の変動表示が終了して停止している状態を示している。この状態では
、左図柄列42aにおいて、上段に「2」の数字を付した特別図柄、中段に「3」の数字
を付した特別図柄、下段に副図柄がそれぞれ停留表示(又は、停止表示)されている。ま
た、中図柄列42bにおいて、上段に副図柄、中段に「1」の数字を付した特別図柄、下
段に副図柄がそれぞれ停留表示されている。更に、右図柄列42cにおいて、上段に「5
」の数字を付した特別図柄、中段に副図柄、下段に「4」の数字を付した特別図柄がそれ
ぞれ停留表示されている。よって、この変動表示の停止態様はリーチ表示やチャンス目す
ら発生しないハズレ表示であったことを示している。
図31(b)は、図31(a)の状態から、次の変動表示が開始された状態を示してい
る。この状態では、各図柄列42a〜42cでは高速変動が行われているため、遊技者か
ら視認困難な状態となっている。
図31(c)は、図31(b)の状態から、左図柄列42aの変動が停留表示されてい
ると共に、右図柄列42cの変動が停留表示される直前の状態を示している。この状態で
は、左図柄列42aにおいて、上段に副図柄、中段に「2」の数字を付した特別図柄、下
段に「3」の数字を付した特別図柄が停留表示されている。また、右図柄列42cでは、
上段に副図柄、中段に「2」の数字を付した特別図柄、下段に「1」の数字を付した特別
図柄が停留表示される直前である。右図柄列42cの変動が停留表示された場合には、中
ラインL2(図26参照)において「2」の数字を付した特別図柄が並んでいるので、リ
ーチ表示が発生することを示している。この状態では、遊技者にリーチ表示が発生したこ
とを認識させ易くするために、スピーカ24等から音声で「リーチ」という音を発生する
ように構成されている。なお、中図柄列42bは、高速変動されており、遊技者から視認
困難な状態となっている。
図31(d)では、図31(c)の状態から、右図柄列42cの変動が停留表示される
と共に、中図柄列42bの変動が高速変動から低速変動に切り替わっている状態を示して
いる。この状態では、左図柄列42aにおいて、上段に副図柄、中段に「2」の数字を付
した特別図柄、下段に「3」の数字を付した特別図柄が停留表示されていると共に、右図
柄列42cにおいて、上段に副図柄、中段に「2」の数字を付した特別図柄、下段に「1
」の数字を付した特別図柄が停留表示されている。また、中図柄列42bは、低速のスク
ロール表示が実行されており、上段上方側に副図柄、上段と中段との間に「2」の数字を
付した特別図柄、中段と下段との間に副図柄、下段下方側に副図柄が低速でスクロール表
示されている。本実施の形態のパチンコ機10では、ノーマルリーチ又はノーマルロング
リーチの発生時に、中図柄列42bのスクロール表示において、左・右図柄列42a,4
2cでリーチ表示を形成している図柄と同一の図柄が中図柄列42bの表示領域をスクロ
ール表示する際に、前後2図柄(2コマ)付近から該スクロール表示を低速に切り替えて
実行するように構成されている。このようにリーチ表示を実行することで、大当たり対象
図柄を長い間大物図柄表示装置42に表示すると共に、大当たり対象図柄をゆっくり変動
させることで、高速変動時からいきなり大当たりとなるパチンコ機に比べて、今にも停留
するかもしれないと遊技者に示唆させて大当たりに対する期待感を長い間継続させること
ができるので、遊技性を向上させることができる。また、大当たりが発生しない部分、即
ち、リーチ表示を形成している図柄とは異なる図柄のスクロール表示を高速に行うことで
、変動表示にかかる時間を削減することができるので、無駄なスクロール表示を省略する
ことで効率の良い変動表示を実行することができる。
なお、図31(d)から図31(f)では、左図柄列42a及び右図柄列42cにおい
て、リーチ表示を形成していない図柄、即ち、左図柄列42aの上・下段と右図柄列42
cの上・下段とに表示されている図柄は、通常の表示形態よりやや薄目の表示形態で停留
表示されている。このように、リーチ表示を形成し得ない図柄を認識し難くすることで、
逆にリーチ表示を形成する図柄を認識し易くすることができる。また、本実施の形態では
、中図柄列42bにおいて大当たり対象図柄が大当たり対象ライン(図31(d)では中
ラインL2)付近を通過する際に、左図柄列42a及び右図柄列42cでリーチ表示を形
成する図柄と、中図柄列42bをスクロール表示する大当たり対象図柄との表示態様を変
化(例えば、キラキラと点滅表示)させることで、より一層大当たり対象ライン及び大当
たり対象図柄を強調して遊技者に認識させることができる。
図31(e)は、図31(d)の状態から、中図柄列42bの変動が再び高速変動を開
始してノーマルリーチからノーマルロングリーチに発展した状態を示している。この状態
では、左図柄列42aにおいて、上段に副図柄、中段に「2」の数字を付した特別図柄、
下段に「3」の数字を付した特別図柄が停留表示されていると共に、右図柄列42cにお
いて、上段に副図柄、中段に「2」の数字を付した特別図柄、下段に「1」の数字を付し
た特別図柄が停留表示されている。なお、ノーマルリーチでは、図31(d)の状態で中
図柄列42bの変動が停止して、全図柄が停止表示される。また、左図柄列42aの上・
下段と右図柄列42cの上・下段とに表示されている図柄は、通常の表示形態よりやや薄
目の表示形態で停留表示されている。
図31(f)では、図31(e)の状態から、図31(d)のように中図柄列42bの
変動が高速変動から低速変動に切り替わっている状態を示している。この状態では、左図
柄列42aにおいて、上段に副図柄、中段に「2」の数字を付した特別図柄、下段に「3
」の数字を付した特別図柄が停留表示されていると共に、右図柄列42cにおいて、上段
に副図柄、中段に「2」の数字を付した特別図柄、下段に「1」の数字を付した特別図柄
が停留表示されている。また、中図柄列42bは、低速のスクロール表示が実行されてお
り、上段上方側に副図柄、上段と中段との間に「2」の数字を付した特別図柄、中段と下
段との間に副図柄、下段下方側に副図柄が低速でスクロール表示されている。なお、本実
施の形態のパチンコ機10では、図31(e)及び図31(f)の演出を複数回(例えば
、2回又は3回等)繰り返し実行するノーマルロングスペシャルリーチが設けられている
。本実施の形態では、ノーマルロングスペシャルリーチにおいて、繰り返し実行される回
数が多ければ多い程、遊技者に大当たりの抽選結果が導出されていることを示唆するため
に、大当たりの抽選結果が導出がされている場合に繰り返し実行される回数が多いノーマ
ルロングスペシャルリーチが選定され易いように構成されている。
図31(g)では、図31(d)又は図31(f)の状態から、各図柄列42a〜42
cの変動又は停留表示が停止されている状態であり、ハズレの変動表示の表示結果が現出
している状態である。この状態では、左図柄列42aにおいて、上段に副図柄、中段に「
2」の数字を付した特別図柄、下段に「3」の数字を付した特別図柄が停止表示されてい
ると共に、右図柄列42cにおいて、上段に副図柄、中段に「2」の数字を付した特別図
柄、下段に「1」の数字を付した特別図柄が停止表示されており、また、中図柄列42b
において、上段に顔図柄、中・下段に副図柄が停止表示されている。この状態では、大当
たりが発生し得なかったことを遊技者に示唆している。
図31(h)では、図31(d)又は図31(f)の状態から、各図柄列42a〜42
cの変動又は停留表示が停止されている状態であり、通常大当たりの変動表示の表示結果
が現出している状態である。この状態では、左図柄列42aにおいて、上段に副図柄、中
段に「2」の数字を付した特別図柄、下段に「3」の数字を付した特別図柄が停止表示さ
れていると共に、右図柄列42cにおいて、上段に副図柄、中段に「2」の数字を付した
特別図柄、下段に「1」の数字を付した特別図柄が停止表示されており、また、中図柄列
42bにおいて、上段に副図柄、中段に顔図柄、下段に副図柄が停止表示されている。こ
の状態では、中ラインL2上において通常大当たりが発生したことを遊技者に示唆してい
る。
なお、本実施の形態では、図示していないが、通常大当たり(顔図柄を含む大当たり)
が発生した場合には、通常大当たりから確変大当たり(ライン上に同一図柄が3つ並ぶ大
当たり)が発生する再抽選機能が搭載されている。具体的には、リーチ表示を形成してい
るライン上に顔図柄が一旦停止表示された後、その顔図柄の口に相当する部分が広がって
リーチ表示を形成する図柄と同一の図柄が見え隠れする演出が実行される。リーチ表示を
形成する図柄が顔図柄の口の中から出てくれば確変大当たりを遊技者に付与するように構
成されている一方、リーチ表示を形成する図柄が顔図柄の口の中に隠れてしまった場合に
は通常大当たりを遊技者に付与するように構成されている。また、通常大当たり(顔図柄
を含む大当たり)は、ノーマルリーチ又はノーマルロングリーチでのみ発生するように構
成されており、後述するスーパーリーチのいずれかが発生した場合には通常大当たりが発
生しないように構成されている。
次に、図32を参照して、星空スーパーリーチの変動パターンについて説明する。図3
2は、星空スーパーリーチが実行されている様を模式的に表した図である。星空スーパー
リーチは、ノーマルリーチを経てノーマルロングリーチから発展する演出であり、大物図
柄表示装置42の背景が夜空に変わり、その夜空に表示される星座キャラクタ絵柄に女の
子キャラクタ絵柄がお願いをする演出が実行される。
図32(a)は、左図柄列42aの変動が停留表示されていると共に、右図柄列42c
の変動が停留表示される直前の状態を示している。この状態では、左図柄列42aにおい
て、上段に副図柄、中段に「2」の数字を付した特別図柄、下段に「3」の数字を付した
特別図柄が停留表示されている。また、右図柄列42cでは、上段に副図柄、中段に「2
」の数字を付した特別図柄、下段に「1」の数字を付した特別図柄が停留表示される直前
である。右図柄列42cの変動が停留表示された場合には、中ラインL2(図26参照)
において「2」の数字を付した特別図柄が並んでいるので、リーチ表示が発生することを
示している。この状態では、遊技者にリーチ表示が発生したことを認識させ易くするため
に、スピーカ24等から音声で「リーチ」という音を発生するように構成されている。な
お、リーチ表示が発生したことを示す音は、通常、女の子の声で「リーチ」と音が出力さ
れるが、通常とは異なる音、例えば、巻き舌で発生したような声で「リーチ」と音が出力
された場合には、該変動表示において必ずスーパーリーチが発生するように構成されてい
る。通常とは異なる音で遊技者にリーチ表示の発生を示唆することにより、遊技者に違和
感を与えつつ、スーパーリーチの発生を認識させて大当たりが付与され易いことを示唆す
ることができる。また、中図柄列42bは、高速変動されており、遊技者から視認困難な
状態となっている。
図32(b)では、図32(a)の状態から、右図柄列42cの変動が停留表示される
と共に、中図柄列42bの変動が高速変動から低速変動に切り替わっている状態を示して
いる。この状態では、左図柄列42aにおいて、上段に副図柄、中段に「2」の数字を付
した特別図柄、下段に「3」の数字を付した特別図柄が停留表示されていると共に、右図
柄列42cにおいて、上段に副図柄、中段に「2」の数字を付した特別図柄、下段に「1
」の数字を付した特別図柄が停留表示されている。また、中図柄列42bは、低速のスク
ロール表示が実行されており、上段上方側に副図柄、上段と中段との間に「2」の数字を
付した特別図柄、中段と下段との間に副図柄、下段下方側に副図柄が低速でスクロール表
示されている。なお、図32(b)から図32(d)では、左図柄列42a及び右図柄列
42cにおいて、リーチ表示を形成していない図柄、即ち、左図柄列42aの上・下段と
右図柄列42cの上・下段とに表示されている図柄は、通常の表示形態よりやや薄目の表
示形態で停留表示されている。
図32(c)では、図32(b)の状態から、中図柄列42bが再び高速変動を開始す
ると共に、大物図柄表示装置42の背景が夜空に変わって該夜空にいずれかの星座が表示
され、更に、画面右から女の子キャラクタ絵柄が登場した状態を示している。この状態で
は、ノーマルロングリーチから星空スーパーリーチに発展したことを示している。なお、
星空スーパーリーチに発展した際に、女の子の声で「〜座さん、お願い」と背景に表示さ
れている星座キャラクタ絵柄に応じた音声が出力されるように構成されている。また、本
実施の形態のパチンコ機10では、背景に表示されている星座キャラクタ絵柄と女の子の
声で「〜座さん、お願い」と出力された音とが対応していない場合、即ち、女の子の声で
お願いした星座と背景に表示された星座とが異なる場合には、その変動表示において大当
たりが確定するように構成されている。このように、様々なタイミングで大当たりが発生
することを示唆することができるので、遊技性を向上することができる。
図32(d)では、図32(c)の状態から、中図柄列42bが低速変動を開始すると
共に、その低速変動する図柄が1図柄ずつ螺旋上に回転しながら図柄がスクロールしてい
く状態を示している。この状態では、女の子キャラクタ絵柄が目を閉じて星座キャラクタ
絵柄にお願いしているかのような演出が実行されている。
図32(e)では、図32(d)の状態から、各図柄列42a〜42cの変動又は停留
表示が停止されている状態であり、ハズレの変動表示の表示結果が現出している状態であ
る。この状態では、左図柄列42aにおいて、上段に副図柄、中段に「2」の数字を付し
た特別図柄、下段に「3」の数字を付した特別図柄が停止表示されていると共に、右図柄
列42cにおいて、上段に副図柄、中段に「2」の数字を付した特別図柄、下段に「1」
の数字を付した特別図柄が停止表示されており、また、中図柄列42bにおいて、上段に
「2」の数字を付した特別図柄、中・下段に副図柄が停止表示されている。この状態では
、大当たりが発生し得なかったことを遊技者に示唆しており、女の子キャラクタ絵柄が悲
しんでいるかのような演出が実行される。
図32(f)では、図32(d)の状態から、各図柄列42a〜42cの変動又は停留
表示が停止されている状態であり、大当たりの変動表示の表示結果が現出している状態で
ある。この状態では、左図柄列42aにおいて、上段に副図柄、中段に「2」の数字を付
した特別図柄、下段に「3」の数字を付した特別図柄が停止表示されていると共に、右図
柄列42cにおいて、上段に副図柄、中段に「2」の数字を付した特別図柄、下段に「1
」の数字を付した特別図柄が停止表示されており、また、中図柄列42bにおいて、上段
に副図柄、中段に「2」の数字を付した特別図柄、下段に副図柄が停止表示されている。
この状態では、大当たりが発生したことを遊技者に示唆しており、女の子キャラクタ絵柄
が喜んでいるかのような演出が実行される。
次に、図33を参照して、噴水スーパーリーチの変動パターンについて説明する。図3
3は、噴水スーパーリーチが実行されている様を模式的に表した図である。噴水スーパー
リーチは、ノーマルリーチを経てノーマルロングリーチから発展する演出であり、大物図
柄表示装置42画面全体が水しぶき図柄で覆われた後、中図柄列42bにおいて噴水の水
しぶき図柄がまるで大当たり図柄を画面下から上に押し上げるかのような演出が実行され
る。また、同時に、噴水の水しぶき図柄がまるで大当たり図柄を押し上げるかのような演
出が実行されている際に、水しぶき図柄と同時に現出した女の子キャラクタ絵柄が画面右
下に移動し、更に、女の子キャラクタ絵柄が噴水の水しぶき図柄の勢いを助長させるかの
ような演出が実行される。
図33(a)は、左図柄列42aの変動が停留表示されていると共に、右図柄列42c
の変動が停留表示される直前の状態を示している。この状態では、左図柄列42aにおい
て、上段に副図柄、中段に「2」の数字を付した特別図柄、下段に「3」の数字を付した
特別図柄が停留表示されている。また、右図柄列42cでは、上段に副図柄、中段に「2
」の数字を付した特別図柄、下段に「1」の数字を付した特別図柄が停留表示される直前
である。右図柄列42cの変動が停留表示された場合には、中ラインL2(図26参照)
において「2」の数字を付した特別図柄が並んでいるので、リーチ表示が発生することを
示している。なお、中図柄列42bは、高速変動されており、遊技者から視認困難な状態
となっている。
図33(b)では、図33(a)の状態から、右図柄列42cの変動が停留表示される
と共に、中図柄列42bの変動が高速変動から低速変動に切り替わっている状態を示して
いる。この状態では、左図柄列42aにおいて、上段に副図柄、中段に「2」の数字を付
した特別図柄、下段に「3」の数字を付した特別図柄が停留表示されていると共に、右図
柄列42cにおいて、上段に副図柄、中段に「2」の数字を付した特別図柄、下段に「1
」の数字を付した特別図柄が停留表示されている。また、中図柄列42bは、低速のスク
ロール表示が実行されており、上段上方側に副図柄、上段と中段との間に「2」の数字を
付した特別図柄、中段と下段との間に副図柄、下段下方側に副図柄が低速でスクロール表
示されている。なお、図33(b)から図33(f)では、左図柄列42a及び右図柄列
42cにおいて、リーチ表示を形成していない図柄、即ち、左図柄列42aの上・下段と
右図柄列42cの上・下段とに表示されている図柄は、通常の表示形態よりやや薄目の表
示形態で停留表示されている。
図33(c)では、図33(b)の状態から、大物図柄表示装置42の画面下側から水
しぶき図柄が現出すると共に、その水しぶき図柄と共に女の子キャラクタ絵柄が現出し、
噴水スーパーリーチに発展した状態を示している。図33(d)では、図33(c)の状
態から、大物図柄表示装置42の画面全体が水しぶき図柄に覆われると共に、該水しぶき
図柄と共に現出した女の子キャラクタ絵柄が画面右下に立っている状態を示している。
図33(e)では、図33(d)の状態から、中図柄列42bにのみ水しぶき図柄が表
示されている状態を示している。この状態では、左図柄列42aにおいて、上段に副図柄
、中段に「2」の数字を付した特別図柄、下段に「3」の数字を付した特別図柄が停留表
示されていると共に、右図柄列42cにおいて、上段に副図柄、中段に「2」の数字を付
した特別図柄、下段に「1」の数字を付した特別図柄が停留表示されている。また、中図
柄列42bでは、水しぶき図柄によって図柄が視認困難な状態となっている。
図33(f)では、図33(e)の状態から、中図柄列42bの水しぶき図柄が一旦画
面下側に移動し、まるで大当たり対象図柄をじわじわと押し上げるかのような演出が実行
されている状態を示している。この状態では、画面右下に表示されていた女の子キャラク
タ絵柄が噴水の水しぶき図柄の勢いを助長させるかのような演出が実行されている。
図33(g)では、図33(f)の状態から、各図柄列42a〜42cの変動又は停留
表示が停止されている状態であり、ハズレの変動表示の表示結果が現出している状態であ
る。この状態では、左図柄列42aにおいて、上段に副図柄、中段に「2」の数字を付し
た特別図柄、下段に「3」の数字を付した特別図柄が停止表示されていると共に、右図柄
列42cにおいて、上段に副図柄、中段に「2」の数字を付した特別図柄、下段に「1」
の数字を付した特別図柄が停止表示されており、また、中図柄列42bにおいて、上段に
「2」の数字を付した特別図柄、中・下段に副図柄が停止表示されている。この状態では
、大当たりが発生し得なかったことを遊技者に示唆しており、画面右下に表示された女の
子キャラクタ絵柄がしゃがみ込んで悲しんでいるかのような演出が実行される。
図33(h)では、図33(f)の状態から、各図柄列42a〜42cの変動又は停留
表示が停止されている状態であり、大当たりの変動表示の表示結果が現出している状態で
ある。この状態では、左図柄列42aにおいて、上段に副図柄、中段に「2」の数字を付
した特別図柄、下段に「3」の数字を付した特別図柄が停止表示されていると共に、右図
柄列42cにおいて、上段に副図柄、中段に「2」の数字を付した特別図柄、下段に「1
」の数字を付した特別図柄が停止表示されており、また、中図柄列42bにおいて、上段
に副図柄、中段に「2」の数字を付した特別図柄、下段に副図柄が停止表示されている。
この状態では、大当たりが発生したことを遊技者に示唆しており、女の子キャラクタ絵柄
が万歳をして喜んでいるかのような演出が実行される。
図34は、いきなり噴水スーパーリーチが実行されている様を模式的に表した図である
。いきなり噴水スーパーリーチは、ノーマルリーチ及びノーマルロングリーチを介さず発
展する演出であり、各図柄列42a〜42cの変動表示が高速変動を実行されている最中
に大物図柄表示装置42画面全体が水しぶき図柄で覆われた後、左・右図柄列42a,4
2cの変動表示がリーチ表示を形成する表示結果で停留表示し、その後、中図柄列42b
において噴水の水しぶき図柄がまるで大当たり図柄を画面下から上に押し上げるかのよう
な演出が実行される。以降の演出は、噴水スーパーリーチと同様であり、噴水の水しぶき
図柄がまるで大当たり図柄を押し上げるかのような演出が実行されている際に、水しぶき
図柄と同時に現出した女の子キャラクタ絵柄が画面右下に移動し、更に、女の子キャラク
タ絵柄が噴水の水しぶき図柄の勢いを助長させるかのような演出が実行される。
図31から図34において説明した各スーパーリーチにはすべり演出と戻り演出とが用
意されている。すべり演出とは、スクロール方向に対して大当たり対象ラインの手前で一
旦停止した大当たり対象図柄が、再び動いて大当たり対象ライン上に停止する演出である
。また、戻り演出とは、スクロール方向に対して大当たり対象ラインを越えて一旦停止し
た大当たり対象図柄が、再び動いて大当たり対象ライン上に停止する演出である。なお、
ノーマルリーチ及びノーマルロングリーチにはすべり演出又は戻り演出が現出(発生)し
ないように構成されている。
次に、図35から図42のフローチャートを参照して、主制御装置261内のMPU5
01により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU501の処理としては大別し
て、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施の形態では2ミリ秒(以
下「ms」で表す)周期で)起動されるタイマ割込処理と、NMI端子(ノンマスカブル
端子)への停電信号SG1の入力により起動されるNMI割込処理とがあり、説明の便宜
上、はじめにタイマ割込処理とNMI割込処理とを説明し、その後メイン処理を説明する
図40は、タイマ割込処理を示したフローチャートである。タイマ割込処理は、主制御
装置261のMPU501により例えば2ms毎に実行される。タイマ割込処理では、ま
ず各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する(S601)。即ち、主制御装置261に
接続されている各種スイッチ(但し、RAM消去スイッチ323を除く)の状態を読み込
むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。次に、
乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する(S602)。具体的には、乱数初期値カ
ウンタCINIを1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施の形態では676
)に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM
503の該当するバッファ領域に格納する。
更に、大当たり乱数カウンタC1、大当たり図柄カウンタC2及びリーチ乱数カウンタ
C3の更新を実行する(S603)。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり
図柄カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3をそれぞれ1加算すると共に、それらのカ
ウンタ値が最大値(本実施の形態ではそれぞれ、676,49,238)に達した際それ
ぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C3の更新値を、RAM503の該当す
るバッファ領域に格納する。その後は、大物口33への入賞に伴う始動入賞処理を実行す
る(S604)。
図41のフローチャートを参照して、この始動入賞処理を説明する。まず、遊技球が大
物口33に入賞(始動入賞)したか否かを作動口スイッチ224の検出情報により判別す
る(S701)。遊技球が大物口33に入賞したと判別されると(S701:Yes)、
大物図柄表示装置42の作動保留球数Nが上限値(本実施の形態では4)未満であるか否
かを判別する(S702)。大物口33への入賞があり、且つ作動保留球数N<4であれ
ば(S702:Yes)、作動保留球数Nを1加算し(S703)、更に、前記ステップ
S603で更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり図柄カウンタC2及びリーチ乱
数カウンタC3の各値を、RAM503の保留球格納エリアの保留エリアのうち最初のエ
リアに格納する(S704)。一方、大物口33への入賞がないか(S701:No)、
或いは、大物口33への入賞があっても作動保留球数N<4でなければ(S702:No
)、S703及びS704の各処理をスキップして、始動入賞処理を終了する。始動入賞
処理の終了後は、MPU501は本タイマ割込処理を一旦終了する。
なお、遊技球が大物口33に入賞(始動入賞)した場合、それに伴い大物図柄表示装置
42による大物図柄の変動表示が開始されることとなるが、始動入賞後、大物図柄が変動
し図柄停止に至るまでには所定時間(例えば5秒)が経過していなければならないという
制約がある。そこで、上記始動入賞処理では、始動入賞が確認された場合、各カウンタ値
の格納処理(S704)の後に、始動入賞後の経過時間を計るためのタイマをセットする
。具体的には、上記始動入賞処理は2ms周期で実行されるため、例えば5秒の経過時間
を計測するにはタイマに数値「2500」をセットし、始動入賞処理の都度、タイマ値を
1ずつ減算する。このタイマ値は、その時々の各カウンタC1〜C3の値と共に、RAM
503の保留球格納エリアに格納され管理される。そして、後述する大物図柄の変動パタ
ーン設定に際しては、上記タイマ値が参照され、残り時間に応じて(所定時間経過後に図
柄変動が停止されるよう)変動パターンが設定される。
図42は、NMI割込処理を示したフローチャートである。NMI割込処理は、停電の
発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に、主制御装置261のMPU501により実
行される。このNMI割込処理により、電源遮断時の主制御装置261の状態がRAM5
03のバックアップエリア503aに記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機
10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路542から主制御装置261
内のMPU501のNMI端子に出力され、MPU501は実行中の制御を中断してNM
I割込処理を開始する。図42のNMI割込処理のプログラムは、主制御装置261のR
OM502に記憶されている。停電信号SG1が出力された後所定時間は、主制御装置2
61の処理が実行可能となるように電源部541から電源供給がなされており、この所定
時間内にNMI割込処理が実行される。
NMI割込処理では、まず、使用レジスタをRAM503のバックアップエリア503
aに退避し(S801)、スタックポインタの値を同バックアップエリア503aに記憶
する(S802)。更に、電源遮断の発生情報をバックアップエリア503aに設定し(
S803)、電源が遮断されたことを示す電源遮断通知コマンドを他の制御装置に対して
送信する(S804)。RAM判定値を算出し、バックアップエリア503aに保存する
(S805)。RAM判定値は、例えば、RAM503の作業領域アドレスにおけるチェ
ックサム値である。その後は、RAM503のアクセスを禁止して(S806)、電源が
完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。
なお、上記のNMI割込処理は、払出制御装置311でも同様に実行され、かかるNM
I割込処理により、停電の発生等による電源遮断時の払出制御装置311の状態がRAM
513のバックアップエリア513aに記憶される。停電信号SG1が出力された後所定
時間は、払出制御装置311の処理が実行可能となるように電源部541から電源供給が
なされるのも同様である。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断される
と、停電信号SG1が停電監視回路542から払出制御装置311内のMPU511のN
MI端子に出力され、MPU511は実行中の制御を中断して図42のNMI割込処理を
開始する。その内容はステップS804の電源遮断通知コマンドの送信を行なわない点を
除き上記説明と同様である。
図35は、主制御装置261内のMPU501により実行されるメイン処理を示したフ
ローチャートである。このメイン処理は電源投入時のリセットにより起動される。メイン
処理では、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S101)。具体的には、ス
タックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、サブ側の制御装置(音声ラン
プ制御装置262、払出制御装置311等)が動作可能な状態になるのを待つために、ウ
ェイト処理(例えば1秒程度)を実行する。払出制御装置311に対して払出許可コマン
ドを送信した後(S102)、RAM503のアクセスを許可する(S103)。
その後は、電源装置313に設けたRAM消去スイッチ323がオンされているか否か
を判別し(S104)、オンされていれば(S104:Yes)、バックアップデータを
クリア(消去)するべく、処理をS114へ移行する。一方、RAM消去スイッチ323
がオンされていなければ(S104:No)、更にRAM503のバックアップエリア5
03aに電源遮断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S105)、記憶されて
いなければ(S105:No)、バックアップデータは記憶されていないので、この場合
にも、処理をS114へ移行する。バックアップエリア503aに電源遮断の発生情報が
記憶されていれば(S105:Yes)、RAM判定値を算出し(S106)、算出した
RAM判定値が正常でなければ(S107:No)、即ち算出したRAM判定値が電源遮
断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されて
いるので、かかる場合にも処理をS114へ移行する。なお、前述した通り、RAM判定
値は、例えばRAM503の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRA
M判定値に代えて、RAM503の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存
されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時
にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ323を押しながら電源が投入
される。従って、RAM消去スイッチ323が押されていれば、RAMの初期化処理(S
114〜S116)に移行する。また、電源遮断の発生情報が設定されていない場合や、
RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様に
RAM503の初期化処理(S114〜S116)に移行する。即ち、S114からのR
AMの初期化処理では、RAM503の使用領域を0にクリアし(S114)、RAM5
03の初期値を設定する(S115)。その後、割込みを許可して(S116)、後述す
る通常処理に移行する。
一方、RAM消去スイッチ323がオンされておらず(S104:No)、電源遮断の
発生情報が記憶されており(S105:Yes)、更にRAM判定値(チェックサム値等
)が正常であれば(S107:Yes)、処理をS108へ移行して復電時の処理(電源
遮断復旧時の処理)を実行する。即ち、復電時の処理では、電源遮断時のスタックポイン
タを復帰させ(S108)、電源遮断の発生情報をクリアする(S109)。次に、サブ
側の制御装置を電源遮断時の遊技状態に復帰させるための復電時のコマンドを送信し(S
110)、使用レジスタをRAM503のバックアップエリア503aから復帰させる(
S111)。更に、電源断前に割込みが許可状態にあったか否かを確認し(S112)、
割込みが許可状態であれば(S112:Yes)、割込みを許可し(S113)、一方、
電源断時に割込みが禁止状態にあれば(S112:No)、割込みを禁止したまま、処理
を電源遮断前の番地へ戻す。
次に、図36のフローチャートを参照して通常処理を説明する。この通常処理では遊技
の主要な処理が実行される。その概要として、4ms周期の定期処理としてS201〜S
207の各処理が実行され、その残余時間でS209,S210のカウンタ更新処理が実
行される構成となっている。
通常処理においては、まず、前回の処理で更新されたコマンド等の出力データをサブ側
の各制御装置に送信する(S201)。具体的には、入賞検知情報の有無を判別し、入賞
検知情報があれば払出制御装置311に対して獲得遊技球数に対応する賞球払出コマンド
を送信する。また、大物図柄表示装置42による大物図柄の変動表示に際して停止図柄コ
マンド、変動パターンコマンド、確定コマンド等を表示制御装置45に送信する。なお、
大物図柄の変動開始後において、変動パターンコマンド→左図柄列の停止図柄コマンド→
中図柄列の停止図柄コマンド→右図柄列の停止図柄コマンドの順で通常処理の都度1つず
つ(即ち、4ms毎に1つずつ)コマンドが送信され、変動時間終了のタイミングで確定
コマンドが送信されるようになっている。
次に、変動種別カウンタCS1,CS2の各値を更新する(S202)。具体的には、
変動種別カウンタCS1,CS2を1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本
実施の形態では198,240)に達した際それぞれ0にクリアする。そして、変動種別
カウンタCS1,CS2の更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。
更に、外れ図柄カウンタ更新処理により、左図柄列、中図柄列及び右図柄列の各外れ図柄
カウンタCL,CM,CRの更新を実行する(S203)。
ここで、図37を参照して、外れ図柄カウンタ更新処理を説明する。まず、左図柄列の
外れ図柄カウンタCLの更新時期か否かを判別し(S301)、更新時期であれば(S3
01:Yes)、左図柄列の外れ図柄カウンタCLを更新する(S303)。次に、左図
柄列の更新時期でなければ(S301:No)、中図柄列の外れ図柄カウンタCMの更新
時期か否かを判別し(S302)、更新時期であれば(S302:Yes)、中図柄列の
外れ図柄カウンタCMを更新する(S304)。更に中図柄列の更新時期でなければ(S
302:No)、右図柄列の更新時期なので、右図柄列の外れ図柄カウンタCRを更新す
る(S305)。
上記S303〜S305の各処理における外れ図柄カウンタCL,CM,CRの更新で
は、前回のカウンタ値にRレジスタの下位3ビットの値を加算すると共にその加算結果が
最大値を超えた場合に20を減算し、その演算結果を外れ図柄カウンタCL,CM,CR
の今回値とする。上記CL,CM,CRの更新処理によれば、左図柄列、中図柄列及び右
図柄列の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRが1回の通常処理で1つずつ順に更新され
るので、各カウンタ値の更新時期が重なることはない。これにより、通常処理を3回実行
する毎に外れ図柄カウンタCL,CM,CRの1セット分が更新される。
その後、上記更新した外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組み合わせが大当たり図柄
の組み合わせになっているか否かを判別し(S306)、大当たり図柄の組み合わせであ
れば(S306:Yes)、そのまま本処理を終了する。大当たり図柄の組み合わせでな
ければ(S306:No)、リーチ図柄の組み合わせになっているか否かを判別し(S3
07)、リーチ図柄の組み合わせであれば(S307:Yes)、更にそれが前後外れリ
ーチであるか否かを判別する(S308)。前後外れリーチの組み合わせであれば(S3
08:Yes)、その時の外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組み合わせをRAM50
3の前後外れリーチ図柄バッファに格納する(S309)。外れ図柄カウンタCL,CM
,CRが前後外れ以外リーチの組み合わせであれば(S308:No)、その時の外れ図
柄カウンタCL,CM,CRの組み合わせをRAM503の前後外れ以外リーチ図柄バッ
ファに格納する(S310)。外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組み合わせが大当た
り図柄の組み合わせでなく(S306:No)、且つリーチ図柄の組み合わせでもなけれ
ば(S307:No)、外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組み合わせは外れ図柄の組
み合わせになっているので、かかる場合には、その外れ図柄カウンタCL,CM,CRの
組み合わせをRAM503の完全外れ図柄バッファに格納する(S311)。
外れ図柄カウンタCL,CM,CRの更新処理(S203)の終了後は、図36の通常
処理へ戻って、払出制御装置311より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み
(S204)、大物図柄表示装置42による大物図柄の変動表示を行うための特別図柄変
動処理を実行する(S205)。この特別図柄変動処理により、大当たり判定や大物図柄
の変動パターンの設定などが行われる。なお、特別図柄変動処理の詳細は後述する。
特別図柄変動処理の終了後は、大物図柄表示装置42において同一の図柄が停留表示さ
れた場合における可変入賞装置32の開放処理や、回転体38の入賞口への入球に伴う可
変大入賞口39の開放処理を行う開放遊技処理を実行する(S206)。即ち、大物図柄
の変動表示の表示結果に応じて可変入賞装置32を所定時間開放し、その開状態中に特定
領域入賞部に配設された特定領域スイッチ222で遊技球が検出された場合に、可変大入
賞口39の開放遊技である大当たりの権利が発生し、所定の速度で回転駆動されている回
転体38の入賞口へ遊技球が所定個数入球するまでの間、該回転体38の入賞口への入賞
に伴って、可変大入賞口39が開放されるように構成されている。この可変大入賞口39
は、所定時間又は所定個数の入賞を1ラウンドとして、回転体38の入賞口へ遊技球が入
賞する毎に可変大入賞口39の開放が繰り返し実行される。なお、回転体38の入賞口へ
所定個数の遊技球が入球した場合に、大当たり遊技が終了するように構成されている。
次に、小物図柄表示装置41による小物図柄(例えば「○」又は「×」の普通図柄)の
表示制御を実行する(S207)。簡単に説明すると、遊技球が小物門(スルーゲート)
34を通過したことを条件に、その都度の小物図柄乱数カウンタC4の値が取得されると
共に小物図柄表示装置41の表示部43にて小物図柄の変動表示が実施される。そして、
小物図柄乱数カウンタC4の値により小物図柄の抽選が実施され、小物図柄の当たり状態
になると、大物口33に付随する電動役物が所定時間開放される。なお説明は省略したが
、小物図柄乱数カウンタC4も、大当たり乱数カウンタC1、大当たり図柄カウンタC2
及びリーチ乱数カウンタC3と同様に、図40に示すタイマ割込処理により更新される。
その後は、次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、即ち前回の通常処理の開始
から所定時間(本実施の形態では4ms)が経過したか否かを判別し(S208)、既に
所定時間が経過していれば(S208:Yes)、処理をS201へ移行し、前述したS
201以降の各処理を繰り返し実行する。なお、小物門34を設けない場合には、該小物
図柄制御処理を実行せずに、S206の処理の実行後にS208の処理へ移行するように
構成する。
一方、前回の通常処理の開始から未だ所定時間が経過していなければ(S208:No
)、所定時間に至るまでの、即ち次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内
において、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCS1,CS2の更新を繰
り返し実行する(S209,S210)。まず、乱数初期値カウンタCINIの更新を実
行する(S209)。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1加算すると共に、そ
のカウンタ値が最大値(本実施の形態では676)に達した際0にクリアする。そして、
乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納す
る。次に、変動種別カウンタCS1,CS2の更新を実行する(S210)。具体的には
、変動種別カウンタCS1,CS2を1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(
本実施の形態では198,240)に達した際それぞれ0にクリアする。そして、変動種
別カウンタCS1,CS2の更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する
ここで、S201〜S207の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、
次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かか
る残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINIの更新を繰り返し実行することにより
、乱数初期値カウンタCINI(即ち、大当たり乱数カウンタC1の初期値)をランダム
に更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1,CS2についてもランダムに更
新することができる。
次に、図38及び図39のフローチャートを参照して、特別図柄変動処理(S205)
を説明する。特別図柄変動処理では、まず、今現在大当たり中であるか否かを判別する(
S401)。大当たり中としては、大当たりの際に大物図柄表示装置42で表示される大
当たり遊技の最中と大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判別の結果、大
当たり中であれば(S401:Yes)、そのまま本処理を終了する。
大当たり中でなければ(S401:No)、大物図柄表示装置42による大物図柄の変
動表示中であるか否かを判別し(S402)、大物図柄の変動表示中でなければ(S40
2:No)、大物図柄表示装置42の作動保留球数Nが0よりも大きいか否かを判別する
(S403)。作動保留球数Nが0であれば(S403:No)、そのまま本処理を終了
する。作動保留球数N>0であれば(S403:Yes)、作動保留球数Nを1減算し(
S404)、保留球格納エリアに格納されたデータをシフト処理する(S405)。この
データシフト処理は、保留球格納エリアの保留第1〜第4エリアに格納されているデータ
を実行エリア側に順にシフトさせる処理であって、保留第1エリア→実行エリア、保留第
2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第
3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。データシフト処理の後は、
大物図柄の変動開始処理を実行する(S406)。なお、変動開始処理については後述す
る。
S402の処理において、大物図柄の変動表示中である場合には(S402:Yes)
、変動時間が経過したか否かを判別する(S407)。大物図柄の変動時間はその大物図
柄の変動パターンに応じて決められており、この変動時間が経過するまで、S408の処
理の実行をスキップする(S407:No)。一方、大物図柄の変動時間が経過すれば(
S407:Yes)、停止図柄の確定のために設定されている確定コマンドを設定して(
S408)、本処理を終了する。
次に、図39のフローチャートを参照して、変動開始処理を説明する。変動開始処理(
S406)では、まず、保留球格納エリアの実行エリアに格納されている大当たり乱数カ
ウンタC1の値に基づいて大当たりか否かを判別する(S501)。大当たりか否かは大
当たり乱数カウンタ値とその時々のモードとの関係に基づいて判別される。前述した通り
通常の低確率時には大当たり乱数カウンタC1の数値0〜676のうち「337,673
」が当たり値であり、高確率時には「67,131,199,269,337,401,
463,523,601,661」が当たり値である。
大当たりであると判別された場合(S501:Yes)、保留球格納エリアの実行エリ
アに格納されている大当たり図柄カウンタC2の値に対応する図柄を、即ち大当たり図柄
を図示しないテーブル(大当たり図柄カウンタC2の値と図柄との対応関係を表すテーブ
ル)に基づいて求め、その図柄を停止図柄コマンドに設定する(S502)。このとき、
大当たり図柄カウンタC2の数値0〜49は、全5つの有効ライン上における50通りの
大当たり図柄の何れかに対応しており、停止図柄コマンドには50通りの大当たり図柄の
何れかが設定される。これらの大当たり図柄のうち、予め定められた特定図柄(確変図柄
)で揃った場合には以後確変状態に移行するが、予め定められていない特定図柄(非確変
図柄)で揃った場合には確変状態に移行しない。
次に、大当たり図柄で停止するまでの大物図柄の変動パターンを決定し、当該変動パタ
ーンを変動パターンコマンドに設定する(S503)。このとき、RAM503のカウン
タ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1,CS2の値を確認し、第1変動
種別カウンタCS1の値に基づいてノーマルリーチ、スーパーリーチ等のリーチ種別やそ
の他大まかな図柄変動態様を決定すると共に、第2変動種別カウンタCS2の値に基づい
てリーチ発生後に最終停止図柄(本実施の形態では中図柄)が停止するまでの経過時間(
言い換えれば、変動図柄数)などより細かな図柄変動態様を決定する。なお、第1変動種
別カウンタCS1の数値とリーチパターンとの関係、第2変動種別カウンタCS2の数値
と停止図柄時間との関係は、それぞれにテーブル等により予め規定されている。但し、上
記変動パターンは、第2変動種別カウンタCS2の値を使わずに第1変動種別カウンタC
S1の値だけを用いて設定することも可能であり、第1変動種別カウンタCS1の値だけ
でパターン設定するか又は両変動種別カウンタCS1,CS2の両値でパターン設定する
かは、その都度の第1変動種別カウンタCS1の値や遊技条件などに応じて適宜決められ
る。これは、後述する前後外れリーチ表示、前後外れ以外リーチ表示、完全外れ表示を行
なう場合における変動パターンの設定でも同様である。
S501の処理で大当たりではないと判別された場合には(S501:No)、保留球
格納エリアの実行エリアに格納されているリーチ乱数カウンタC3の値に基づいてリーチ
発生か否かを判別し(S504)、リーチ発生の場合には(S504:Yes)、リーチ
発生の場合(S504:Yes)、RAM503の前後外れリーチ図柄バッファに格納さ
れている左・中・右の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRの各値を停止図柄コマンドに
設定する(S505)。また、リーチ表示のための変動パターンを決定し、当該変動パタ
ーンを変動パターンコマンドに設定する(S506)。このとき、S503の処理と同様
に、RAM503のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1,CS
2の値を確認し、第1変動種別カウンタCS1の値に基づいてノーマルリーチ、スーパー
リーチ等のリーチ種別やその他大まかな図柄変動態様を決定すると共に、第2変動種別カ
ウンタCS2の値に基づいてリーチ発生後に最終停止図柄(本実施の形態では中図柄)が
停止するまでの経過時間(言い換えれば、変動図柄数)などより細かな図柄変動態様を決
定する。
大当たりでなくリーチでもない場合には(S501:No,S504:No)、RAM
503の完全外れ図柄バッファに格納されている左・中・右の各外れ図柄カウンタCL,
CM,CRの各値を停止図柄コマンドに設定する(S507)。また、完全外れ表示のた
めの変動パターンを決定し、当該変動パターンを変動パターンコマンドに設定する(S5
08)。このとき、RAM503のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウン
タCS1,CS2の値に基づいて変動パターンが決定されるのはS503の処理と同様で
ある。上記の通り大当たり時、リーチ発生時、リーチ非発生時のいずれかで図柄停止コマ
ンド及び変動パターンコマンドの設定が完了すると、本処理を終了する。
次に、図43を参照して、表示用制御装置45により行われるコマンド受信処理につい
て説明する。図43は、表示用制御装置45のコマンド受信処理を示したフローチャート
である。このコマンド受信処理は、表示用制御装置45において主制御装置261からコ
マンドを受信した場合に実行される割込処理であり、この処理によって主制御装置261
から送信されたコマンドに予め対応付けられた処理が表示用制御装置45で行われる。
コマンド受信処理では、まず、受信したコマンドを確認し(S841)、そのコマンド
が変動パターンコマンドであれば(S841:変動パターンコマンド)、変動パターンコ
マンドを表示用制御装置45のRAM523の演出実行エリアに書き込み(S842)、
音声ランプ制御装置262へランプコマンドを送信し(S843)、演出実行エリアに書
き込まれた変動パターンコマンドに基づいて大物図柄表示装置42において変動表示を実
行して(S844)、このコマンド受信処理を終了する。
S841の処理において受信したコマンドが停止図柄コマンドであれば(S841:停
止図柄コマンド)、停止図柄のデータを演出実行エリアに書き込み(S845)、このコ
マンド受信処理を終了する。受信したコマンドが確定コマンドであれば(S841:確定
コマンド)、大物図柄表示装置42で実行された変動表示を確定停止させ(S846)、
コマンド受信処理を終了する。また、S841の処理において受信したコマンドが、変動
パターンコマンド、停止図柄コマンド及び確定コマンドのいずれでもなければ(S841
:他のコマンド)、受信したコマンドに応じた各処理を実行して(S847)、このコマ
ンド受信処理を終了する。
次に、図44を参照して、払出制御装置311内のMPU511により実行される払出
制御について説明する。図44は、払出制御装置311のメイン処理を示したフローチャ
ートであり、このメイン処理は電源投入時のリセットにより起動される。
まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S901)。具体的には、スタックポ
インタに予め決められた所定値を設定すると共に、割込みモードを設定する。次に、主制
御装置261から送信される払出許可コマンドの受信を待機する(S902:No)。そ
して、払出許可コマンドを受信すると(S902:Yes)、RAMアクセスを許可する
と共に(S903)、外部割込ベクタの設定を行う(S904)。
その後は、MPU511内のRAM513に関してデータバックアップの処理を実行す
る。具体的には、電源装置313に設けたRAM消去スイッチ323が押されているか否
かを判別し(S905)、オンされていれば(S905:Yes)、バックアップデータ
をクリア(消去)するべく、処理をS915へ移行する。一方、RAM消去スイッチ32
3がオンされていなければ(S905:No)、更にRAM513のバックアップエリア
513aに電源遮断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S906)、記憶され
ていなければ(S906:No)、バックアップデータは記憶されていないので、この場
合にも、処理をS915へ移行する。バックアップエリア513aに電源遮断の発生情報
が記憶されていれば(S906:Yes)、RAM判定値を算出し(S907)、算出し
たRAM判定値が正常でなければ(S908:No)、即ち算出したRAM判定値が電源
遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊され
ているので、かかる場合にも処理をS915へ移行する。なお、前述した通り、RAM判
定値は、例えばRAM513の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このR
AM判定値に代えて、RAM513の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保
存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
S915からのRAMの初期化処理では、RAM513の使用領域を0にクリアし(S
915)、RAM513の初期値を設定する(S916)。その後、MPU511周辺デ
バイスの初期設定を行うと共に(S917)、割込みを許可して(S918)、後述する
払出制御処理に移行する。
一方、RAM消去スイッチ323が押されておらず(S905:No)、電源遮断の発
生情報が設定されており(S906:Yes)、且つRAM判定値(チェックサム値等)
が正常であれば(S908:Yes)、復電時の処理(電源遮断復旧時の処理)を実行す
る。即ち、電源遮断時のスタックポインタを復帰させ(S909)、電源遮断の発生情報
をクリアする(S910)。また、MPU511周辺デバイスの初期設定を行い(S91
1)、使用レジスタをRAM513のバックアップエリア513aから復帰させる(S9
12)。更に、電源断前に割込みが許可状態にあったか否かを確認し(S913)、割込
みが許可状態であれば(S913:Yes)、割込みを許可し(S914)、一方、電源
断時に割込みが禁止状態にあれば(S913:No)、割込みを禁止したまま、処理を電
源遮断前の番地へ戻す。
次に、図45のフローチャートを参照して、払出制御処理を説明する。この払出制御処
理は、払出制御装置311のメイン処理に続いて実行される。払出制御処理では、まず、
主制御装置261からのコマンドを取得し、賞球の総賞球個数を記憶する(S1001)
。発射制御装置312に対して発射許可の設定を行い(S1002)、状態復帰スイッチ
321をチェックした結果、状態復帰動作開始と判定した場合に状態復帰動作を実行する
(S1003)。
その後、下皿15の状態の変化に応じて下皿満タン状態又は下皿満タン解除状態の設定
を実行する(S1004)。即ち、下皿満タンスイッチの検出信号により下皿15の満タ
ン状態を判別し、下皿満タンになった時に、下皿満タン状態の設定を実行し、下皿満タン
でなくなった時に、下皿満タン解除状態の設定を実行する。また、タンク球の状態の変化
に応じてタンク球無し状態又はタンク球無し解除状態の設定を実行する(S1005)。
即ち、タンク球無しスイッチの検出信号によりタンク球無し状態を判別し、タンク球無し
になった時に、タンク球無し状態の設定を実行し、タンク球無しでなくなった時に、タン
ク球無し解除状態の設定を実行する。その後、報知する状態の有無を判別し、報知する状
態が有る場合には払出制御装置311に設けた7セグメントLEDにより報知する(S1
006)。
次に、S1007〜S1009の各処理により、賞球払出の処理を実行する。即ち、賞
球の払出不可状態でなく且つS1001の処理で記憶した総賞球個数が0でなければ(S
1007:No,S1008:No)、図46に示す賞球制御処理を開始する(S100
9)。一方、賞球の払出不可状態(S1007:Yes)または総賞球個数が0であれば
(S1008:Yes)、貸球払出の処理に移行する。なお、賞球制御処理は後述する。
S1010〜S1012の貸球払出の処理では、貸球の払出不可状態でなく且つカード
ユニットからの貸球払出要求を受信していれば(S1010:No,S1011:Yes
)、図47に示す貸球制御処理を開始する。一方、貸球の払出不可状態(S1010:Y
es)または貸球払出要求を受信していなければ(S1011:No)、後続の球抜き処
理を実行する(S1013)。なお、貸球制御処理は後述する。
球抜き処理(S1013)では、状態復帰スイッチ321をチェックして球抜き不可状
態でないこと、及び球抜き動作開始でないことを条件に、払出モータ358aを駆動させ
球抜き処理を実行する。続いて、球詰まり状態であることを条件にバイブレータ360の
制御(バイブモータ制御)を実行する(S1014)。その後は、本払出制御処理の先頭
に戻り、以降は前述した処理を繰り返す。
図46に示す賞球制御処理を説明する。賞球制御処理では、まず、払出モータ358a
を正方向回転駆動させて賞球の払出を実行する(S1101)。払出モータ358aの回
転が正常であるかを払出回転センサの検出結果により判別し(S1102)、正常でなけ
れば(S1102:No)、払出モータ358aを駆動させてリトライ処理を実行すると
共に払出モータ358aの停止処理を実行し(S1103)、その後、図45の払出制御
処理に戻る。
また、払出モータ358aの回転が正常であれば(S1102:Yes)、遊技球のカ
ウントが正常に行われているか否かを払出カウントスイッチの検出結果により判別する(
S1104)。遊技球のカウントが正常でなければ(S1104:No)、払出モータ3
58aを駆動させてリトライ処理を実行すると共に払出モータ358aの停止処理を実行
し(S1105)、その後、図45の払出制御処理に戻る。
更に、遊技球のカウントが正常であれば(S1104:Yes)、払出カウントスイッ
チによる遊技球のカウント数が総賞球個数に達して払出が完了したか否かを判別し(S1
106)、払出が完了していれば(S1106:Yes)、払出モータ358aの停止処
理を実行し(S1107)、その後、図45の払出制御処理に戻る。一方、払出が完了し
ていなければ(S1106:No)、そのまま、図45の払出制御処理に戻る。
図47に示す貸球制御処理を説明する。貸球制御処理では、まず、払出モータ358a
を逆方向回転駆動させて貸球の払出を実行する(S1201)。払出モータ358aの回
転が正常であるかを払出回転センサの検出結果により判別し(S1202)、正常でなけ
れば(S1202:No)、払出モータ358aを駆動させてリトライ処理を実行すると
共に払出モータ358aの停止処理を実行し(S1203)、その後、図45の払出制御
処理に戻る。
また、払出モータ358aの回転が正常であれば(S1202:Yes)、遊技球のカ
ウントが正常に行われているか否かを払出カウントスイッチの検出結果により判別する(
S1204)。遊技球のカウントが正常でなければ(S1204:No)、払出モータ3
58aを駆動させてリトライ処理を実行すると共に払出モータ358aの停止処理を実行
し(S1205)、その後、図45の払出制御処理に戻る。
更に、遊技球のカウントが正常であれば(S1204:Yes)、払出カウントスイッ
チによる遊技球のカウント数が所定の貸球個数(25個)に達して払出が完了したか否か
を判別し(S1206)、払出が完了していれば(S1206:Yes)、払出モータ3
58aの停止処理を実行し(S1207)、その後、図45の払出制御処理に戻る。一方
、払出が完了していなければ(S1206:No)、そのまま、図45の払出制御処理に
戻る。
以上説明したように、本実施の形態のパチンコ機10では、1の変動表示を、各図柄列
42a〜42cを遊技者な視認困難な速度で変動させてから、その後、各図柄列42a〜
42cを遊技者に視認可能な速度でそれぞれ変動させて停止(停留)表示させるように構
成する。また、待機されている変動表示において大当たりが発生し得る場合に、その大当
たりを発生し得る変動表示より先に実行される変動表示においてチャンス目を現出させる
ように構成されている。このように構成することによって、各図柄列42a〜42cを遊
技者に視認可能な速度で変動している間、遊技者に、チャンス目で停止するか否か、即ち
、以降の変動表示において大当たりが発生し易い表示結果で停止するか否かという遊技性
を付与することができるので、長期間の間、遊技者に興趣を付与することができる。
また、図28(a)や図28(d)のように、1の図柄列の停止態様でチャンス目を構
成するようにすることで、1の図柄列が遊技者に視認可能な速度で変動している状態から
停止(停留)表示されるまでの間、その図柄列の変動がチャンス目で停止するか否かとい
う遊技性を遊技者に付与することができるので、1の図柄列毎の変動に新たな遊技性を付
与することができるので、1の図柄列毎の変動表示の遊技性を向上させることができる。
更に、本実施の形態のパチンコ機10では、待機中の変動表示が存在しない場合に実行
されている変動表示の停止態様において、チャンス目を現出し難くするように構成されて
いる。また、待機中の変動表示があると共に、該待機中の変動表示において大当たりの抽
選結果又はハズレの変動表示の一部の抽選結果が導出されていた場合には、チャンス目を
現出させ易くするように構成されている。具体的には、変動表示を実行する際に、待機中
の変動表示が存在するか否かを確認し、待機中の変動表示が存在しない場合には実行する
変動表示の停止態様にチャンス目を選定し難くする。一方、待機中の変動表示が存在する
と共に、該待機中の変動表示において大当たりの抽選結果又はハズレの変動表示の一部の
抽選結果が導出されている場合には、実行する変動表示の停止態様にチャンス目を選定し
易くする。このように、待機中の変動表示があると共に、該待機中の変動表示において大
当たりの抽選結果又はハズレの変動表示の一部の抽選結果が導出されていた場合に、チャ
ンス目を現出し易くすることによって、変動表示において大当たりの期待度が高いチャン
ス目を現出させることで、待機中の変動表示に対する興趣を向上させることができる。ま
た、各図柄列42a〜42c毎のそれぞれの変動表示が停留表示される毎に、チャンス目
が現出しているか否かという遊技性を付与することができるので、1の図柄列42a〜4
2cの変動表示の遊技性を向上することができる。
以上、実施の形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定さ
れるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であること
は容易に推察できるものである。
例えば、本実施の形態のパチンコ機10では、主制御装置261によって変動表示の変
動パターンを決定すると共にその変動パターンに応じた変動パターンコマンドを表示制御
装置45へ送信し、表示制御装置45は受信した変動パターンコマンドに応じた変動パタ
ーンで大物図柄表示装置42で変動表示を実行していた。これに代えて、主制御装置26
1は、大当たりの当否のみを表示制御装置45へ送信し、表示制御装置45は主制御装置
261から受信した大当たりの当否を参酌しつつ、カウンタ等によって各種の変動パター
ンを実行するように構成しても良い。
また、本実施の形態のパチンコ機10では、待機中の変動表示の抽選結果に応じて、1
の変動表示でチャンス目を現出させて次回に実行される変動表示の大当たりへの期待度を
遊技者に示唆するように構成されていた。これに代えて、大当たりの抽選結果が導出され
ている1の変動表示において、まず各図柄列においてチャンス目の停止態様で変動を停止
させたかのように演出してから、再び各図柄列の変動を開始して、その1の変動表示内で
大当たりの停止態様を現出させる1変動2段階演出を実行するように構成しても良い。こ
のように構成することによって、変動表示が待機されていない場合でも、2段階演出が実
行されるかもしれないという期待感を遊技者に付与することができ、遊技性を向上するこ
とができる。
本発明を上記実施の形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施しても良い。例えば、
一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生する
まで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と
称される)として実施しても良い。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に
球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機として実施しても良
い。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機
とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で
操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより
図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念とし
ては、「複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する可変表示手段
を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して図柄の変動が開始され、
停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過する
ことにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄が特定図柄であることを必要
条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた
スロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げら
れる。
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄
からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する可変表示手段を備えており、球打
出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)
に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始さ
れ、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図
柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条
件として遊技者に有利な大当たり状態が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の
球が払い出されるものである。
以下に本発明の遊技機及び変形例を示す。複数の識別情報等で構成された識別情報列を
複数表示する表示手段と、その表示手段に現出される識別情報を記憶する情報記憶手段と
、その情報記憶手段に記憶される前記識別情報を用いた少なくとも2以上の動的パターン
を記憶するパターン記憶手段と、始動条件の成立を検出する検出手段と、その検出手段に
よって前記始動条件の成立が検出された場合に遊技者にとって有利な遊技価値の付与抽選
を行う抽選手段と、その抽選手段による抽選結果に基づいて前記パターン記憶手段に記憶
される前記動的表示の動的パターンを選定するパターン選定手段と、そのパターン選定手
段によって選定された前記動的パターンに応じて前記表示手段において複数の前記識別情
報列をそれぞれ動的表示させる動的実行手段と、前記抽選手段によって遊技価値を付与す
る抽選結果が導出された場合に前記表示手段に所定の前記識別情報の組み合わせである特
別遊技示唆情報を現出させると共に遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生させる遊技
価値付与手段とを備えた遊技機において、前記特別遊技状態を付与する抽選結果が導出さ
れていると共に、所定条件が成立しているか否かを判別する特定条件判別手段を備え、前
記動的実行手段は、1の前記動的表示において、前記識別情報列を遊技者に視認困難な速
度で動的表示させてから、その後、該識別情報列を遊技者に視認可能な速度でそれぞれ動
的表示させてから該識別情報列の動的表示を停留表示する段階動的手段と、前記特定条件
判別手段によって、前記特別遊技状態を付与する抽選結果が導出されていると共に前記所
定条件が成立していると判別された場合に、前記特別遊技示唆情報を前記表示手段に表示
する前に、該特別遊技示唆情報とは異なる前記識別情報によって形成される特定停止態様
を、前記表示手段のいずれか1又は複数の前記識別情報列に現出させる特定停止態様現出
手段とを備えていることを特徴とする遊技機1。
遊技機1において、前記表示手段は、1の識別情報列に対して所定個数の識別情報を表
示可能な有効表示領域を備え、前記段階動的手段は、前記識別情報列をそれぞれ遊技者に
視認可能な速度で動的表示すると共に、遊技者に視認可能な速度になってから少なくとも
前記所定個数分動的表示するように構成されていることを特徴とする遊技機2。識別情報
列をそれぞれ遊技者に視認可能な速度で動的表示する場合に、遊技者に視認可能な速度に
なってから少なくとも表示手段の有効表示領域で表示可能な所定個数分動的表示するよう
に構成されている。即ち、遊技者に視認可能な速度で動的表示する識別情報列は、少なく
とも有効表示領域分の識別情報数(コマ数)動的表示するように構成されている。よって
、識別情報列が遊技者に視認可能な速度で動的表示している間、遊技者にいずれの停留態
様で停留するか否かという遊技性を付与することができる。
遊技機1又は2において、前記段階動的手段は、複数種類設けられたいずれか1の動的
パターンで前記識別情報列を視認可能な速度でそれぞれ動的表示させるように構成されて
いることを特徴とする遊技機3。識別情報列を遊技者に視認可能な速度で動的表示する場
合に、複数種類設けられたいずれか1の動的パターンで動的表示することにより、停留表
示される識別情報を遊技者に予見させ難くすることができるので、遊技者にいずれの停留
態様で停留するか否かという遊技性を付与することができる。
遊技機1から3のいずれかにおいて、前記動的実行手段によって前記表示手段において
前記動的表示が実行されている場合に、前記検出手段によって始動条件の成立が検出され
たとき該始動条件の成立に基づく抽選結果情報を少なくとも2以上記憶可能な待機情報記
憶手段を備え、前記特定条件判別手段は、前記待機情報記憶手段に前記特別遊技状態を発
生し得る抽選結果情報が記憶されているか否かを判別する待機情報判別手段を有し、前記
特定停止態様現出手段は、前記待機情報判別手段によって前記待機情報記憶手段に前記特
別遊技状態を発生し得る抽選結果情報が記憶されていると判別された場合に、前記特別遊
技状態を発生し得る抽選結果情報による動的表示より先に実行される動的表示において、
前記特定停止態様を現出させるように構成されていることを特徴とする遊技機4。待機情
報判別手段によって、待機情報記憶手段に特別遊技状態を発生し得る抽選結果情報が記憶
されていると判別された場合に、特別遊技状態を発生し得る抽選結果情報より先に実行さ
れる動的表示の停止態様において、特定停止態様を現出させるように構成されている。従
って、複数の動的表示に跨って遊技者に興趣を付与することができるので、遊技性を向上
することができる。
遊技機4において、前記特定停止態様現出手段は、前記待機情報記憶手段に抽選結果情
報が記憶されていない場合に、前記特定停止態様を現出し難くすることを特徴とする遊技
機5。待機情報記憶手段に抽選結果情報が記憶されていない場合、即ち、待機中の動的表
示が存在しない場合に、実行中の動的表示で特定停止態様を現出させたとしても、待機さ
れた動的表示が存在しないので、該特定停止態様を現出する行為自体が無意味になるばか
りか、遊技者を興醒めさせてしまう。そこで、待機情報記憶手段に抽選結果情報が記憶さ
れていない場合に、特定停止態様を現出し難くすることにより、無意味な演出を抑制し、
遊技者を興醒めさせてしまうことを防止することができる。
遊技機2から5のいずれかにおいて、前記特定停止態様現出手段は、1の前記識別情報
列において、前記有効表示領域に前記所定個数の特定の識別情報が表示される特定停止態
様を現出可能に構成されていることを特徴とする遊技機6。1の識別情報列において、所
定個数の識別情報を表示可能な有効表示領域に、所定個数の特定の識別情報が現出すれば
特定停止態様とすることで、遊技者に所定個数の識別情報のそれぞれに応じた特別遊技状
態への期待感を付与することができると共に、特定停止態様の現出により特別遊技状態へ
の期待感を付与することができるので、遊技者に2の期待感を同時に付与することで遊技
性を向上することができる。
遊技機6において、前記特定停止態様現出手段は、前記表示手段において前記特別遊技
示唆情報を表示する有効ラインに、前記特定の識別情報が表示される特定停止態様を現出
可能に構成されていることを特徴とする遊技機7。各識別情報列がそれぞれ停留表示され
る場合に、特別遊技示唆情報を構成し得る停留態様が現出するかという遊技性と、特定示
唆情報を構成する停留態様が現出するかという遊技性とを同時に付与することができるの
で、遊技性を向上することができる。また、喩え1の識別情報列において特定の識別情報
によって形成される特定停止態様が現出しなかった場合でも、他の識別情報列において有
効ライン上に特定の識別情報が停止することにより特定停止態様とすることができるので
、各識別情報列の動的表示における遊技性を向上することができる。
遊技機1から7のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴と
する遊技機8。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操
作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に
配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示装置にお
いて動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また
、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定
入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(
景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げ
られる。
遊技機1から7のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴と
する遊技機9。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる
識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作
手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作
手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別
情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要
条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた
遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
遊技機1から7のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンと
を融合させたものであることを特徴とする遊技機10。中でも、融合させた遊技機の基本
構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定
表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識
別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、
或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確
定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を
発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識
別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際して
は多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
10 パチンコ機(遊技機)
33 大物口(検出手段の一部、動的実行手段の一部)
39 可変大入賞口(遊技価値付与手段の一部)
42 大物図柄表示装置(表示手段)
42a 左図柄列(識別情報列の一部)
42b 中図柄列(識別情報列の一部)
42c 右図柄列(識別情報列の一部)
502 ROM(パターン記憶手段の一部)
525 キャラクタROM(情報記憶手段の一部)
C1 大当たり乱数カウンタ(抽選手段の一部)
C3 リーチ乱数カウンタ(パターン選定手段の一部)

Claims (1)

  1. 複数の識別情報等で構成された識別情報列を複数表示する表示手段と、その表示手段に
    現出される識別情報を記憶する情報記憶手段と、その情報記憶手段に記憶される前記識別
    情報を用いた少なくとも2以上の動的パターンを記憶するパターン記憶手段と、始動条件
    の成立を検出する検出手段と、その検出手段によって前記始動条件の成立が検出された場
    合に遊技者にとって有利な遊技価値の付与抽選を行う抽選手段と、その抽選手段による抽
    選結果に基づいて前記パターン記憶手段に記憶される前記動的表示の動的パターンを選定
    するパターン選定手段と、そのパターン選定手段によって選定された前記動的パターンに
    応じて前記表示手段において複数の前記識別情報列をそれぞれ動的表示させる動的実行手
    段と、前記抽選手段によって遊技価値を付与する抽選結果が導出された場合に前記表示手
    段に所定の前記識別情報の組み合わせである特別遊技示唆情報を現出させると共に遊技者
    にとって有利な特別遊技状態を発生させる遊技価値付与手段とを備えた遊技機において、
    前記特別遊技状態を付与する抽選結果が導出されていると共に、所定条件が成立してい
    るか否かを判別する特定条件判別手段を備え、
    前記動的実行手段は、1の前記動的表示において、前記識別情報列を遊技者に視認困難
    な速度で動的表示させてから、その後、該識別情報列を遊技者に視認可能な速度でそれぞ
    れ動的表示させてから該識別情報列の動的表示を停留表示する段階動的手段と、
    前記特定条件判別手段によって、前記特別遊技状態を付与する抽選結果が導出されてい
    ると共に前記所定条件が成立していると判別された場合に、前記特別遊技示唆情報を前記
    表示手段に表示する前に、該特別遊技示唆情報とは異なる前記識別情報によって形成され
    る特定停止態様を、前記表示手段のいずれか1又は複数の前記識別情報列に現出させる特
    定停止態様現出手段とを備えていることを特徴とする遊技機。
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