JP2011192978A - 電波吸収体 - Google Patents

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Abstract

【課題】広帯域の電磁波吸収特性を維持しつつ、透光性乃至は採光性、あるいは通気性を確保する。
【解決手段】電波吸収体1は、電波入射面側で電波の吸収層としての板状の樹脂成形体10とその裏面側の反射板20とが積層された構造を有する。樹脂成形体10を形成する樹脂材11の内部には磁性粉12が充填され、その充填密度は電波入射面から反射層側に向けて連続的に増大している。反射板20は、空気の流通性及び光の透過性の少なくとも一方を有する、厚さ方向の連通構造体を有する。電波の吸収層は、反射層の上面の一部に厚さ方向に抜かれた少なくとも1つの窓部3を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、広帯域の入射電磁波を吸収することで電磁遮蔽を行う電波吸収体に関する。
近年、無線LAN(Local Area Network)等、無線通信による情報伝送技術がオフィス、工場、倉庫等において利用されている。このようなオフィス等においては、外部からの電磁波を遮蔽して電波妨害、干渉、あるいは盗聴等を防止するために、導体板を用いた電磁波の遮蔽材を壁、天井、あるいは床に敷設することにより電磁遮蔽が行われている。しかし、導体板は電磁波を反射するものであるため、遮蔽材として導体板のみを用いた場合には、屋内の電気機器から生じた不要輻射等の電磁波や無線機器から送信された無線信号は、ほとんど減衰しないまま導体板により反射を繰り返してしまい、電磁波干渉等の障害を生じる可能性が高い。
かかる電磁波干渉等の障害を回避するために、反射導体による遮蔽材に代えて損失磁性体や損失誘電体を用いた電波吸収体を遮蔽材として用いる方法が知られている。電波吸収体における電波の吸収は、電波吸収体の電気長(吸収体の物理的な厚さにその誘電率と透磁率の積の平方根をかけたもの)を吸収対象の電波の波長の1/4にすることで行われるが、吸収可能な周波数帯域が狭いという問題がある。
そこで、特許文献1には、樹脂中に磁性粉をその密度が電波の進行方向に沿って連続的に増加する様に分散させた磁性粉/樹脂複合体を有する電波吸収体が提案されている。この電波吸収体は、広帯域の周波数に対する吸収特性を有し、厚さも薄いという特徴を有する。
ところで、特許文献2には、音波を吸収するための板状の音波吸収部の上面に千鳥格子状になるようにサイコロ状の電波吸収部が配置された電波音波吸収体が記載されている。特許文献2の電波音波吸収体は、ETCやAHSに一般的に用いられる5.8GHz帯の電波を効率的に吸収させる(特許文献2の段落番号0039)ためのもので、電波吸収部の直ぐ下面に電波反射層が設けられている(特許文献2の段落番号0035)。
特開2009−188322号公報 特開2006−328859号公報
ところで、特許文献1に記載の広帯域電波吸収体は、電波反射層であるアルミニウム箔上に電波吸収層をなす磁性粉/樹脂複合体が積層されたもので、磁性粉/樹脂複合体は、エポキシ樹脂内に球状ケイ素鋼磁性粉が分散されて形成されたものである。かかる広帯域電波吸収体は不透明材であるアルミニウム箔を使用しているため、この広帯域電波吸収体で仕切り壁を構成した場合、仕切り壁の向こう側の空間の状況等を観察することはできない。仕切り壁の向こう側の空間の状態を確認する必要があるなどの場合、仕切りのない箇所まで迂回して観察しなければならないという煩雑さがある。あるいは、広帯域電波吸収体で仕切り壁を構成して空間を仕切るような場合、仕切り壁のこちら側と向こう側との通気性が損なわれる可能性がある。
なお、特許文献2に記載の電波音波吸収体は、特定波長の電波を吸収する設計寸法によって平面視で千鳥格子状に電波吸収部が抜かれた構造を有するものであるが、電波吸収部が抜かれている箇所には、音波吸収部が露出している。さらに、音波吸収部の下面には直接あるいは空気層を介して金属板である電波音波反射体を設けて干渉による生じる電波の減衰を図っている。従って、電波音波吸収体の上面と下面との間に透光性や通気性を確保することは考慮されていない。
本発明は上記に鑑みてなされたもので、板状の広帯域電波吸収体の面上の一部に厚さ方向の両面側を連通する連通部を形成して、透光性乃至は採光性、あるいは通気性を確保し得る広帯域の電波吸収体を提供することを目的とするものである。
本発明は、電波入射面側となる吸収層とその裏面側の反射層とが積層され、かつ前記吸収層を形成する樹脂材の内部に充填された磁性粉の充填密度が前記電波入射面から前記反射層側に向けて連続的に増大してなる、所定の板状の形状を有する電波吸収体において、
前記吸収層は、前記反射層の上面の一部に厚さ方向に抜かれた少なくとも1つの窓部を有し、前記反射層は、少なくとも前記窓部と対面する領域に、空気の流通性及び光の透過性の少なくとも一方を有する、厚さ方向の構造体を有することを特徴とするものである。
本発明に係る電波吸収体によれば、反射層の上面の一部に厚さ方向に抜かれた少なくとも1つの窓部が形成される。そして、反射層は、少なくとも窓部と対面する領域に、すなわち、窓部と対面する領域のみ、あるいは窓部及び樹脂材の部分と対面する、つまり吸収層の全面について、厚さ方向に連通する構造体を有する。この構造体を介して電波吸収体の両側の空間の間で光の透過性(透光性乃至は採光性)、あるいは通気性(以下、まとめて連通性という。)が確保される。この場合であっても、広帯域の電磁波を吸収する特性は、磁性粉の充填密度が均一な場合に比して、所与のレベル例えば実用レベルとしてほぼ−10dB以上に維持される。また、吸収層の一部に窓部を設けることで、この窓部での空気部分と樹脂材とで合成された見掛けの誘電率が空気の誘電率により近い値となることで、電磁波が効率良く内部に進入し、吸収がより効率化される。
なお、連通性が可視光における透光性乃至は採光性である場合、電波吸収体によって仕切られた一方から他方の空間に対して透光が行われ、また、作業者をして他方側の空間をそのまま視認乃至は観察することが可能となる。また、連通性が通気性である場合、連通部を介して仕切られた両空間の、空気や所定のガス等の流体が行き来可能となるので、両空間の雰囲気環境をそのままで同じにすることが可能となる。なお、広帯域とは、吸収対象乃至は吸収目標の周波数範囲をいい、例えば1〜10GHzを含む。帯域特性は、使用する反射層及び吸収層の材質、厚み寸法、磁性体の充填密度やその勾配、及び窓部の数、形状、平面視での面積等を考慮して適宜に設計可能である。従って、汎用性が高い。また、ID情報を埋め込んだタグと電波等による近距離無線通信によって管理システム側と情報の書き込みや読み取りを行う固体識別技術である2.5GHzを使用するRF−ID(Radio Frequency Identification)について、隣接するリーダ、ライダー間での電磁波干渉を抑制することが可能となる。
請求項2記載の発明は、請求項1に記載の電波吸収体において、前記構造体は、導電性を有する透明材の透明導電性材からなり、前記吸収層及び前記窓部に対向配置されたものであることを特徴とする。この構成によれば、構造体が透明であるため、電波吸収体を介して両方側から互いに他方側の様子を観察することが可能となる。また、透光性を有することで、一方側の明るさに応じた明るさが他方側でも確保可能となる。さらに、反射層は吸収層及び窓部に対向した一体物として構成したものが採用可能となる。例えば、吸収層の裏面側に一体物である反射層を貼付等する構造とすることが可能となり、構造が簡易で、かつ製造が容易となる。
請求項3記載の発明は、請求項2に記載の電波吸収体において、前記透明導電性材は、透明な導電性薄膜と透明な薄膜支持体から構成されていることを特徴とする。この構成によれば、ITO(酸化インジウムスズ)やZnO(酸化亜鉛)のような透明性を持つ導電性薄膜を透明な薄膜支持体で支持することで作製可能となる。また、透明な導電性薄膜と透明な薄膜支持体とを適宜選択する等により、高い透明性を得ることも可能となる。逆に適用箇所に応じた透明性を得ることが可能となる。
請求項4記載の発明は、請求項1に記載の電波吸収体において、前記構造体は、吸収対象となる電磁波の最短波長未満のサイズのメッシュを有する導電性繊維を用いた繊維導電性材からなり、前記吸収層及び前記窓部に対向配置されたものであることを特徴とする。この構成によれば、メッシュサイズによって吸収対象となる電磁波を効率的に反射することが可能となる。また、構造体がメッシュ状であるため、電波吸収体を介して通気性が確保される。さらに、反射層は吸収層及び窓部に対向した一体物として構成したものが採用可能となる。例えば、吸収層の裏面側に一体物である反射層を貼付等する構造とすることが可能となり、構造が簡易で、かつ製造が容易となる。
請求項5記載の発明は、請求項2〜4のいずれかに記載の電波吸収体において、前記吸収層は、板状のブロックが前記反射層上の一部に複数個敷設されて構成されてなり、かつ前記窓部は、互いに隣接する前記ブロック間の間隙であって、前記反射層が露出してなる領域に構成されていることを特徴とする。この構成によれば、ブロックの配置の仕方で、任意の形状の窓部が形成可能となるので、所望する電波吸収特性の電波吸収体を比較的容易に作製することが可能となる。
請求項6記載の発明は、請求項2〜4のいずれかに記載の電波吸収体において、前記吸収層は、板状のブロックが前記反射層上の一部に複数個敷設されて構成されてなり、かつ前記窓部は、前記ブロックに設けられていることを特徴とする。この構成によれば、窓部は各ブロックに、例えば切り抜き加工を施す等によって形成され、所望する電波吸収特性の電波吸収体を比較的容易に作製することが可能となる。
請求項7記載の発明は、請求項5又は6に記載の電波吸収体において、前記窓部は、互いに隣接する前記ブロック間の間隙であって前記反射層が露出してなる領域、及び前記ブロックに設けられていることを特徴とする。この構成によれば、また、互いに隣接する前記ブロック間の間隙及びブロックに設けた孔を窓部とすることで、ブロックの配置を変更(広狭)することなく、適宜な窓部が形成可能となる。
請求項8記載の発明は、請求項6又は7に記載の電波吸収体において、前記ブロックに設けられた窓部の形状は、円形であることを特徴とする。この構成によれば、窓部の直径によって電波吸収特性の調整が容易可能となる。また、窓部の加工作業が容易となる。
請求項9記載の発明は、請求項1〜8のいずれかに記載の電波吸収体において、前記窓部は、層方向裏面側に先窄まりとなるテーパを有することを特徴とする。この構成によれば、吸収層のおもて面側で空気部分の体積が増大することで、筒形状のものと比べておもて面での反射がさらに抑制され、電波吸収特性が向上する。なお、テーパは、窓部が筒形状(円形や矩形状等)乃至はスリット状である場合のいずれにも形成可能である。
本発明によれば、広帯域の電磁波吸収特性を維持しつつ、電波吸収体で仕切られた両空間の間に所望の連通性、すなわち透光性乃至は採光性あるいは通気性を確保することができる。
本発明に係る電波吸収体の構造の一実施形態を示す構成図で、(a)は吸収層を構成する樹脂成形体の斜視図、(b)は樹脂成形体内の磁性粉の密度勾配を説明するための層方向の断面図、(c)は反射層に相当する反射板の分解図である。 (a)〜(c)は210mm角の反射板上に、図1の樹脂成形体の配列ピッチを調整してそれぞれ異なる幅のスリット(窓)を形成した状態の平面図、(d)はスリット方向を照射電波の磁界成分の方向に対して垂直に配置した際のそれぞれの反射損失の測定結果を示す図である。 (a)は図2(c)に示すブロック配列7×5(スリット幅15mm)であってスリット方向を照射電波の磁界成分の方向に対して垂直に配置した状態の図、(b)は反射板として酸化インジウム(ITO)コーティングガラス板を用いた場合、アルミニウム板を用いた場合、及び金属メッシュを用いた場合の各反射損失を測定した図である。 (a)〜(c)は210mm角の反射体上に、図1の樹脂成形体の配列ピッチを調整してそれぞれ異なる幅のスリット(窓)を形成した状態の図、(d)はスリット方向を照射電波の磁界成分の方向に対して平行に配置した際のそれぞれの反射損失を測定した図である。 (a)は図2(c)に示すブロック配列7×5(スリット幅15mm)であってスリット方向を照射電波の磁界成分の方向に対して垂直に配置した状態の図、(b)は樹脂成形体が密度勾配を有する場合と有しない場合における反射損失の測定結果図である。 (a)は図4(c)に示すブロック配列7×5(スリット幅15mm)であってスリット方向を照射電波の磁界成分の方向に対して平行に配置した状態の図、(b)は樹脂成形体が密度勾配を有する場合と有しない場合における反射損失の測定結果図である。 (a)、(b)はスリット方向を照射電波の磁界成分の方向に対して垂直又は平行に配置し、かつスリット幅を不均一にした樹脂成形体の図、(c)は(a)、(b)の反射損失の測定結果図である。 (a)〜(c)は210mm角の反射体上に、30mm角、60mm角、90mm角の窓を設けた状態の図、(d)はそれらの反射損失の測定結果図である。 (a)は密度勾配を設けない30mm角の窓を設けた状態の図、(b)は反射損失特性に関する理論計算の結果と実測値とを示す図である。 (a)、(b)は中央に円形の窓部が、正方形の窓部が設けられた場合の図、(c)はそれらの反射損失の測定結果図である。 (a)、(b)は150mm角の吸収体に対し、24mm径の孔を4×4の16個開けた場合における、孔の径が層方向に均一な場合と、裏面方向に先窄まりのテーパ状(円孔の場合には円錐)の図、(c)はそれらの反射損失の測定結果図である。 30mm角の樹脂成形体に種々の径サイズの孔を開けた場合の反射損失を説明するための図で、(a)はある径サイズの孔が開けられた樹脂成形体の一例を示す図、(b)は各径サイズでの反射損失の測定結果図である。 (a)は、図1で示した樹脂成形体に対して、孔あけ加工したものと孔あけ加工無しのものとを、反射体20上に交互に配列した場合の図で、(b)は孔の径が9mm、15mm、20mm、24mmの場合の各反射損失を示す図である。 (a)は、7×7の49個の樹脂成形体10のうちからクロス形状に樹脂成形体10を抜き出して窓を形成した場合の図、(b)は、クロス形状及び30mm角の樹脂成形体10を4個だけ抜き出して窓を形成した場合の図、(c)は、各吸収特性を示した図である。 (a)は、図14(b)で示したクロス形状及び30mm角の孔あけ加工を設けた場合と同じ空気の体積率を有する、万字型の窓の場合の図、(b)はその吸収特性を示した図である。 (A)は、図14(a)より短いクロス形状で、かつ一辺を共有して孔あけ加工を縦横の4箇所に2個ずつ施した窓形状の図、(b)は、上記短いクロスを互いに30mmずつ離反して形成した窓形状の図、(c)は、各電波吸収特性を示した図である。 (a)(b)は、1×2個からなる樹脂成形体10の長方形を6個抜き出し、かつ長方形の長尺に対して照射電波の磁界方向が垂直または平行になるように配置した窓の図、(c)は、各電波吸収特性を示した図である。 (a)(b)は、長方形のアスペクト比が1:5で、かつ3個の長方形を互いに並行に形成した窓の図、(c)は各電波吸収特性を示した図である。 電波吸収特性の測定結果を比較するための図で、損失材料がある場合、損実材料が無い場合、及び樹脂成形体に磁性体の密度勾配が無い場合である。 複数のブロックとの関係で形成される窓部の概念図で、(a)はブロックが正方形で、窓部が互いに隣接するブロック間の間隙に設けられた形態を示し、(b)はブロックが正方形で、窓部が互いに隣接するブロック間の間隙及びブロック自体に孔として設けられた形態を示し、(c)はブロックが正六角形で、窓部が互いに隣接するブロック間の間隙に設けられた形態を示し、(d)はブロックが正六角形で、窓部が互いに隣接するブロック間の間隙及びブロック自体に孔として設けられた形態を示す図である。 (a)は30mm角のブロックで一辺が20mmの正方形の窓部を形成した態様の図、(b)は同10mmの正方形の窓部を形成した態様の図、(c)は(a)(b)を含む各サイズの正方形の窓部に対する吸収特性を示した図である。 (a)、(b)は、200mm角の吸収体に対し、10mm径の孔を10×10の100個開けた場合における、孔の径が層方向に均一な(円筒の)樹脂成形体10dの場合と、裏面方向に先窄まりであって、おもて面で20mm径の円錐形状(テーパ状)を有する樹脂成形体10d’の場合の各平面図(上側)及び孔の箇所で縦断した側断面図(下側)、(c)は、図2と同様な測定方法(但し、自由空間法により、0.8GHz〜18GHzの周波数帯での反射損失(電波吸収性能)の測定)によって得られた、それらの反射損失の測定結果図である。 (a)は、30mm角の樹脂成形体10を縦横に2.5mmのスリット(窓部3)を設けて25個(縦横に5×5)並べた状態、(b)は、(a)の30mm角の各樹脂成形体10を、その4つの下辺から頂部に向けて所定角度、例えば60°の傾斜をつけて切削(側面加工を施)してピラミット状の樹脂成形体10eに形成した状態(四角錐台形)の各平面図(下側)及び側面図(上側)、(c)は、図22と同様な測定方法によって得られた、それらの反射損失の測定結果図である。
図1は、本発明に係る電波吸収体の構造の一実施形態を示す構成図で、(a)は吸収層を構成する樹脂成形体の斜視図、(b)は樹脂成形体内の磁性粉の密度勾配を説明するための層方向の断面図、(c)は反射層に相当する反射板の分解図である。
図1において、電波吸収体1は、電波入射方向Rx側から、樹脂成形体10と反射板20とが積層された構造を有する。樹脂形成体10は、樹脂材11及びその内部に混合された磁性粉12を有する。樹脂材11としては、ポリエチレン、エポキシ樹脂、スチレン樹脂等の石油系合成樹脂や、シリコンゴム等のゴムが採用可能である。樹脂材11は、比誘電率が空気より高いがインピーダンスの整合にはそれほど影響を与えない程度のものが採用され、この樹脂材11により磁性粉12の透磁率の希釈を行っている。従って、内部伝播電波に対する電気長を、前述のように等価的に短くすることが可能となり、その分、樹脂成形体10の厚みを薄くすることができる。
磁性粉12は、後述するように密度勾配を得るために所要サイズ、例えば数μm〜数十μm径の粉体(含む微小粒体)であることが好ましい。磁性粉12は、吸収対象とする電波がGHz帯、主に1GHz〜30GHzの場合には、高透磁率の磁性粉やパーマロイ粉、センダスト粉等の高透磁率合金が好ましく、さらには導電性の金属粉が好ましく、特にはスーパーマロイが好ましい。本実施形態では、樹脂材11としてエポキシ樹脂を採用し、磁性粉12として鉄カルボニル錯体の熱分解により得られる球状鉄磁性粉(和光純薬工業社製、平均粒径6μm)を採用している。
次に、樹脂成形体10の製造方法の一例について説明する。磁性粉12を48.0gだけ秤量し、これに樹脂材11であるエポキシ樹脂の主剤21.3gと硬化剤を所要量、例えば10.6gだけ添加し、略均一になるまで混合(混練)した。次いで、これをテフロン(登録商標)製の鋳型4個に均等に流し込み、各鋳型を所要の回転速度、例えば4000rpmで所要時間、例えば60分間、遠心処理を行った。なお、樹脂は、回転中心に対して円弧乃至は弦となる形状を有し、径方向に所要厚を有するものが好ましい。また、磁性分12の粒径が平均粒径に比してある程度ばらついていることで、粒径の大きい方がより遠心力が作用して径外方向により移動することになる。この結果、径方向に密度分布が生じる。(円弧形状の場合は平面に戻して)引き続き、120℃で1時間、加熱することで樹脂を硬化させた。
次いで、所要の厚み、ここでは約8.5mmを有し、弦方向と回転軸方向を縦横にした所定サイズの樹脂成形体10を得た。これにより、肉厚方向に磁性粉密度が連続的に密度勾配を持つ樹脂成形体10が製造された。このようにして、図1(a)に示すような縦横に所定寸法、ここでは30mm角、厚さ約8.5mmの板状の樹脂成形体10が1ブロックとして作製された。この操作を繰り返すことで複数の30mm角を有する樹脂成型体10が所要の複数ブロックだけ作製できた。なお、磁性粉密度が厚み方向に連続的な勾配を有するとは、透磁率が勾配を有するということと等価である。
図1(b)に示すように、樹脂成形体10は、遠心力処理によって内部の磁性粉12がより良好な密度勾配分布となっている。すなわち、遠心力によって、樹脂材11内に混合された磁性粉12がその回転中心から外径の方に(樹脂の粘性抵抗に抗して)移動することで、回転中心から外径に向けて(図1(b)では上側から下側に向けて)磁性粉12の密度分布がほぼ連続的に増大するものとなる。この密度勾配の方向は、図1(a)(b)の厚み方向(図中、上下方向)に相当する。従って、図1(b)に示すように、電波入射方向Rxに沿って透磁率が連続的に増大するように分布する。
図1(c)において、反射板20は、導電性を有し、かつ透明性を有する材料、ここでは酸化インジウムITO(Indium Tin Oxide)の導電膜21(導電性薄膜)と、導電膜21がコーティングあるいは貼付される透明板材、例えばガラス板22(薄膜支持体)とを有する。反射板20は、所定サイズ、例えば210mm角であり、面抵抗は好ましくは数十Ω以下、例えば20Ω以下であり、また可視光透過度は好ましくは50%以上、ここでは70%以上のものを用いている。導電膜21の厚みは所与の厚みが採用可能であり、ここでは略100nm〜略300nmが採用され、ガラス板22の厚みは例えば強度面から約1mm〜数mmが採用されている。ガラス板に代えてプラスチック等の硬質透明樹脂材を透明板として採用してもよい。
以下、図1に示す樹脂成形体10のブロックを適用した、あるいは別形状のブロック、さらにはブロックに代えて一体構造を有する吸収層を用いて、本発明に係る電波吸収体の各実施例について説明する。
(実施例1)
図2(a)は、反射板20の上面(電波入射方向Rx側の面。以下、表(おもて)面という)に上述の30mm角の樹脂成形体10を49個(縦横に7×7)並べた(スリットなしの)状態の平面図である。図2(d)は、SchwarzbeckMess ‐ Electronik社製のホーンアンテナBBHA9120DとAgilent社製のベクトルネットワークアナライザE8363Aを用いて、自由空間法により、1.5GHz〜18GHzの周波数帯での反射損失(電波吸収性能)を測定した結果を示す図である。なお、測定にはタイムドメインゲーティング法を採用し、この方法におけるゲートスパンは500ピコ秒である。反射損失(dB)は、吸収層10がなく反射板20のみからの反射電波電力を基準として求めた相対的な損失を示している。従って、例えば、−10dBとは反射電波電力が相対的に90%抑制されたことを意味する。
図2(a)は、「スリットなし」であるため、図1に示す樹脂成形体10そのものであり、図2(d)はその電波吸収性能である。図2(d)に示すように、概ね7.5GHz以上で90%の電波吸収性能を表す−10dB以下の良好な反射損失を示した。反射損失が良好であった理由は、密度勾配化により樹脂成形体10の表(おもて)面での不要な反射が抑えられたこと、磁界が最大となる反射板20の表(おもて)面近傍に高密度に磁性粉を配置したことによるものと考えられる。
次に、図2(b)(c)に示すように、前述の7×7の配列に代えて、7×6及び7×5の配列パターンを有する電波吸収体1の電波吸収特性を評価した。なお、測定は、スリット(図中、網掛け部分は樹脂成形体10が配置されている箇所を表し、無色部分は樹脂成形体10が配置されていない箇所(窓部3)を表す。以下、同じ。)の向きとホーンアンテナから放射される電波中の磁界成分の方向とが直交する(垂直な)ようにして行った。スリット、すなわち窓部3は、ブロックである樹脂成形体10の互いに隣接する樹脂成形体10の間に形成される間隙(反射板20が露出している領域)に形成される。両配列パターンにおいて、窓部3の低誘電率である空気とのハイブリッド化(合成)により見掛けの透磁率、誘電率が変化することで、図2(a)に比べて、電波吸収特性の向上が見られた。すなわち、図2(b)の7×6の配列パターンの構成では、図2(a)に比べて多少の改善が認められ、図2(c)の7×5の配列パターンの構成では、図2(a)に比べてかなりの改善が認められた。図2(b)では、窓部3のスリット幅が6mmで、樹脂成形体10のおもて面部分の樹脂と窓部3の空気との合成(ハイブリッド化)の見掛けの比誘電率が、図2(a)に比して多少1に近づき、図2(c)では、窓部3のスリット幅が15mmで、前記見掛けの比誘電率がより1に近づいたため、電波の進入が促進され吸収量が増大された結果、電波吸収能がさらに改善されたものと思われる。窓部3のスリット幅を見かけの比誘電率が値1に近づくように設定することで、電波吸収性能が改善されるものと思われる。なお、スリットは、長孔をいい、主に直線(この場合、長方形に包含される)をいい、曲線も含めてもよい。
また、図3において、図3(a)は、図2(c)に示す7×5の配列パターンの電波吸収体であって、実施例としての酸化インジウムがコーティングされたガラス板22と、比較例としてのアルミニウム金属板を反射板として使用した際の電波吸収特性の違いを評価した図である。図3(b)に示すように、実施例と比較例とで大きな違いは認められない。従って、酸化インジウムの導電膜21及びガラス板22の光学特性を活かした透光性能を有する反射板20を有する電波吸収体を得ることができる。
さらに、図3(b)には、対象となる周波数帯の電波に対して反射板20として機能する、導電性を有するメッシュ材、例えば実施例としての、略板状形状をなす銅からなる金属メッシュ板(ニラコ社製CU−118040、線径0.22mm、40メッシュ)を採用した場合の反射損失特性も示している。反射板20として、この金属メッシュ板を採用した場合の電波吸収性能も、アルミニウム金属板を採用した場合と大きな違いは認められない。従って、銅等の導電性を有する金属メッシュ材の通気性を活かした反射板20を有する電波吸収体を得ることができる。この場合、空気や所要の気体の透過性(換気、通気性能)を確保することが可能となる。なお、メッシュサイズは、前記値40の他、対象周波数帯によって、すなわち当該対象周波数の波長(詳細には、対象周波数帯の内、最も短い波長)より、少なくとも狭い所与のメッシュサイズが採用可能であり、好ましくは対象周波数の波長より充分小さい、例えば略1桁小さい、さらにより好ましくは経験値としての略1/30〜1/36程度であり、金属材料も、導電性が確保されれば、特に種類は問わない。また、所与のメッシュサイズを有する透明材からなる繊維の表面に酸化インジウムITOを塗布した態様でもよい。この場合、透光性と通気性の双方が実現可能となる。
図4(a)〜(c)は、反射板20のおもて面に、図1に示す樹脂成形体10を、7×7、7×6、7×5の各配列パターンで配列した状態の図である。図4(d)は、それらの反射損失を測定した図である。なお、測定は、スリットの向きと照射電波の磁界成分の方向とが平行になるようにして行った。図2の場合と同様に、図4(a)の構成に比べて、樹脂と空気とのハイブリッド化による吸収能の向上が認められた。ただし、電波の磁界成分と配列スリットの向きとの違いにより電磁波の閉じ込め形態が変化することで、図2とは吸収特性は多少異なったものと思われる。また、図2(c)と図4(c)とを比べると、電磁波の閉じ込め形態の差から、図2(c)の方の反射損失が大きくなっているものと思われる。なお、ここに、電磁波の閉じ込め形態とは、電磁波入射方向Rxから樹脂成形体10内に進入した電磁波が反射板20で反射した後、樹脂成形体10内で多重反射して吸収(熱エネルギーに変換)される現象である。
図5、図6は、上記の7×5の配列パターンにおいて、磁性体の密度勾配を設けた樹脂成形体で構成した場合と、比較例としての磁性体の密度勾配を設けない樹脂成形体で構成した場合とでの電波吸収性の測定を行った図である。図5は、電波の磁界方向とスリットの向きとが直交する場合、図6は、電波の磁界方向とスリットの向きとが平行な場合である。直交、平行のいずれの場合についても、−10dB以下の吸収を示す帯域は密度勾配を設けた方が充分に広いことが認められる。また、密度勾配を設けた方が高い反射損失を示すことが認められる。
また、図5、図6ではスリット幅を15mmと均一にした場合であるが、図7に示すように、7×5の配列パターンにより形成される4列の窓部3のスリット幅を広い方から順に、22.5mm、17.5mm、12.5mm、7.5mmと変化させた際の吸収特性についても評価した。
図7は、スリット幅が順に異なる場合の反射損失への変化を示す図で、図7(a)はスリットの方向と電磁波の磁界成分の方向とが直交する場合、図7(b)はスリットの方向と電磁波の磁界成分の方向とが平行な場合、図7(c)は各反射損失の測定結果を示す。スリット(窓部3)のうち、狭い側の幅12.5mmと7.5mmのスリットを設けることに対応して、10GHzに対応する波長より短い波長域で反射損失が増加することが判かる。また、電波の閉じ込めによる共振は、通常電波長の半分(n/2:n=1、2、3、4、5・・・)の大きさを有する空間で起こることが知られており、幅が12.5mmと7.5mmのスリットでは、それぞれ12GHz、20GHzの電波が対応するが、12GHzについては効果を確認できた。なお、20GHzについては測定レンジの限界のため、明瞭な効果は確認できなかった。
(実施例2)
実施例2は、実施例1におけるスリット型の窓部3とは異なり、等方的な電磁波の閉じ込めが期待される四角型の抜きパターンの窓を用いた電波吸収体に関するものである。
図8は、四角型の抜きパターンの窓を用いた電波吸収体を説明する図である。図8(a)は、30mm角の樹脂成形体10と空気とを同寸法で交互に配列した場合(30mm角の窓部)、図8(b)は、30mm角の樹脂成形体10を7×7配列パターンから所定個、例えば4個(2×2)を所定の複数箇所、ここでは縁を残して縦横に対称となる4箇所で抜き出した場合(60mm角の窓部3)、図8(c)は、30mm角の樹脂成形体10を7×7配列パターンから所定個、例えば9個(3×3)を所定箇所、ここでは中心の1箇所で抜き出した場合(90mm角の窓部3)である。図8(d)は各反射損失の測定結果を示す図である。
各空間サイズからの半波長で電波の共振が起こるとすると、その周波数は30mm角で5GHz、60mm角で2.5GHz、90mm角で1.7GHzとなる。図8(d)において、共振効果による電波特性の改善も若干は認められるものの、各配列パターンでは、樹脂材11や磁性粉12と空気とのハイブリッド化による見掛けの誘電率、透磁率の変化が吸収特性に大きく影響しているものと認められる。
上記の現象をより詳細に検討するために、磁性粉充填率60%、厚さ約8mmであって磁性粉の密度勾配を設けていない30mm角の樹脂成形体を比較例として多数作製し、反射損失の比較を行なった。作製した比較例である各樹脂成形体から外径7.00mm、内径3.04mmの円筒状のサンプルを削り出し、これを同軸サンプルフォルダーに挿入し、前述のベクトルネットワークアナライザーを用いてSパラメーター法により誘電率及び透磁率の測定を行った。理論的には空気と材料とのハイブリッドの場合、見掛けの誘電率、見掛けの透磁率はそれぞれの体積率により重み付けされることから、上記で求めた樹脂成形体の誘電率、透磁率と空気の誘電率(約1)、透磁率(約1)の値から、反射損失量を電磁気モデルに従って計算した。併せて、図9(a)に示すように、上述と同じく210mm角の反射板20に、密度勾配を有する樹脂成形体10と空気とを交互に配置し、自由空間による反射損失量の測定も行った。
図9(b)は、上述のモデル計算の結果及び上記測定結果を示す図である。それぞれの吸収ピークは概ね同じ位置(略12GHz)に表れたが、吸収量には大幅な違いが見られた。このことは、空気とのハイブリッド化による見掛けの誘電率、見掛けの透磁率の変化以外に、理論的な電波共振による吸収ピークは示さないものの、密度勾配に起因する異種界面の形成による電波の閉じ込めも吸収特性に影響しているものと思われる。ただし、電波共振のために空気の体積率を高くした場合、吸収層における樹脂成形体の体積率の減少、すなわち、損失成分そのものが減少することで吸収特性が劣化する傾向が認められた。
(実施例3)
実施例1,2ではスリット型、四角型の抜き出しによる窓を設けた場合における電波吸収特性を検討したが、ここでは抜き出し形状(窓部3の形状)の影響を検討した。
実施例3に使用される樹脂成形体は以下のようにして作製される。まず、BASF社製のカルボニル鉄粉(CM粉、平均粒径7μm)1380gを秤量し、これに、ポリエチレン樹脂ビーズ920gを添加し、均一になるまで混合した。次いで、混合物を180℃に加熱した遠心成形器(特注品、ドラム径300mm、奥行き200mm)に流し込み、2000rpmで60分間成形処理した。得られた遠心成形品について、たわみ等が無い個所から150mm角のサンプルを3個抜き出した。抜き出しは、厚み方向に密度勾配を持たせるようにした。
図10は、作製された150mm角のサンプル(樹脂成形体)から形成された加工品の構成を示すもので、図10(a)は中央に円形の孔あけ加工が施された窓部3を有するもの、図10(b)は中央に正方形の孔あけ加工が施された窓部3を有するもの、図10(c)は各反射損失を測定した結果の図面である。なお、樹脂成形体10aの円孔の窓部3は直径96mmで、樹脂成形体10bの正方形孔の窓部3の一辺85mmで、両窓部3の面積、すなわち空気部分の体積はほぼ同一である。これらを150mm角の酸化インジウムをコーティングしたガラス板20に載せ、前述と同様の方法で自由空間法により電波吸収特性を評価した。両者とも空気とのハイブリッド化および電磁波の閉じ込め効果により、5GHz〜12GHzの帯域で、−10dB以下の良好な反射損失を示した。すなわち、正方形の窓部3は、等方的な形状である円孔の窓部3と比べ、電波吸収特性に大きな違いがなく、製造が容易な円孔の窓部3の場合と同様、同等の効果が得られることが判った。また、樹脂成形体10a、10bに磁性粉の濃度勾配を形成していることで、波長よりも大きな窓部3であっても、好適な電波吸収特性が得られていることが判る。
図11(a)は、抜き出した3個の内の残りの1個の150mm角のサンプル(樹脂成形体10c)について、縦横に4×4の16個の各24mm径の孔あけ加工が施された状態(円筒抜きの窓部3)の図である。図11(b)は、孔あけ面積が図11(a)の場合と一致するように24mmの孔あけ加工が施された円孔を、孔あけ工具、例えばシャーシリーマーを用いて、さらに層方向(縦断面)に円錐台形状に切削加工を施した(円錐台形抜きの窓部3′)樹脂成形体10c′である。この例では、樹脂成形体10c′のおもて面側の内径が32mmまで拡径されている。
図11(c)は、図11(a)(b)の電波吸収体についての電波吸収特性の測定結果を示す図である。図11(c)に示すように、図11(a)の電波吸収体においては、96mm径の穴1個の場合(図10(a))とは異なり、6GHz付近に24mm径の孔に起因した電波共振による吸収ピークが確認された。また、図11(b)の電波吸収体においては、空気部分の体積が増大したことで、その電波吸収特性は、樹脂成形体10c′のおもて面での反射がさらに抑制されたことで6GHzから9GHzにおける吸収特性が向上した。また、これに加えて、窓部3′の円錐台形状を活かした斜め方向からの透光性能が向上した。なお、円錐形状は、厚み方向全長でなくてもよく、おもて面側から途中まででもよい。また、円孔以外の場合は、裏面側が先窄まりとなるテーパ形状であってもよい。
(実施例4)
図12は、図1で示した30mm角の樹脂成形体10に形成する孔径のサイズを変えた場合の図、及びその電波吸収特性を測定した結果の図である。図12(a)は樹脂成形体10に所要径の孔(窓部3)が形成され、反射体20上に7×7の49個載置された状態の図である。図12(b)は孔の径が9mm、15mm、20mm、24mmの場合の各反射損失を示す図である。図12(b)に示すように、孔径が異なっても電波吸収特性に大きな違いが認められず、ここでも、理論的な径のサイズに対応する電波共振現象が認められなかった。一方、適度な孔径、ここでは15mmから20mmの場合、良好な電波吸収特性が得られることがわかった。また、孔径24mmのサンプルでは吸収特性の急激な劣化が認められた。これは空気の体積率が30%から50%の間に吸収特性を劣化させる閾値があるように思われ、従って空気の体積率は30%以下であることが好ましい。
図13(a)は、図1で示した樹脂成形体に対して、孔あけ加工されて窓部3を有する樹脂成形体101と孔あけ加工無しの樹脂成形体102とを、反射体20上に交互に配列した場合の図で、図13(b)は孔の径が9mm、15mm、20mm、24mmの場合の各反射損失を示す図である。図13(b)に示すように、適度な孔径、ここでは20mmや24mmの場合、良好な電波吸収特性が得られることがわかった。これは、空気とのハイブリッド化による効果が大きいものと思われる。
(実施例5)
図14は、図1で示した30mm角の樹脂成形体10について、種々の配列パターンでの電波吸収特性を評価した図である。
図14(a)は、7×7の49個の樹脂成形体10のうちからクロス形状に樹脂成形体10を抜き出して窓部3を形成した場合の図、図14(b)は、クロス形状及び30mm角の樹脂成形体10を4個だけ抜き出して窓部3を形成した場合の図、図14(c)は、各吸収特性を示した図である。なお、抜き出し体積は実施例2の90mm角(3×3の樹脂成形体の抜き出し、図8(c)参照)の場合と同じであるが、図14(c)に示すように、吸収特性は異なる結果が得られたことから、窓部3のパターンの違いにより吸収特性の調整が可能であることがわかる。また、図14(b)の場合、図14(a)に比べて共振周波数に対応する6GHz近傍の吸収特性の改善が認められた。電波吸収特性が劣化する空気体積率の閾値以下において、例えばフラクタル形状の窓部を採用すれば、その形状によって、吸収域がより広帯域となる特性を得ることができると思われる。
図15(a)は、図14(b)で示したクロス形状及び30mm角の孔あけ加工を設けた場合と同じ空気の体積率を有する、万字型の窓の場合の図、図15(b)はその電波吸収特性を示した図である。図14(b)との窓部3の形状の違いにより吸収特性が多少異なることがわかる。
図16は、図14(a)より短いクロス(井形)形状で、かつ一辺を共有して孔あけ加工を縦横の4箇所に2個ずつ施した窓形状の図、図16(b)は、上記短いクロスを互いに30mmずつ離反して形成した窓形状の図、図16(c)は、各電波吸収特性を示した図である。ここで窓部3の空気体積率は、実施例2の60mm角(2×2の樹脂成形体の4箇所抜き出し、図8(b)参照)の場合と同一であるが、吸収特性は異なる結果となった。これと上記の図14の結果とを併せると、空気の体積率だけでなく、パターン形状、すなわち電波共振が吸収特性に影響していることがわかる。また、クロス形状の窓部3の抜き出しパターンとしてもクロスの一辺を共有する場合と共有しない場合とで吸収特性は異なるものとなり、この電波吸収体では、図16(b)について広帯域での良好な吸収特性が得られることがわかった。
図17は、図1で示した樹脂成形体10を7×7個配列した中から長方形型に抜いた窓を有する実施例の図、及びその電波吸収特性の評価を示す図である。図17(a)(b)は、1×2個からなる樹脂成形体10の長方形の窓部3を6個抜き出し、かつ長方形の長尺に対して照射電波の磁界方向が垂直または平行になるように配置した窓の図、図17(c)は、各電波吸収特性を示した図である。図17(a)(b)に示すように、抜き取られた長方形の窓部3のアスペクト比は1:2と小さいために、配向方向に対する電波吸収能の依存は低いものであった。そこで、異なるアスペクト比の窓で同様の実験を行った。
図18(a)(b)は、長方形のアスペクト比が1:5で、かつ3個の長方形を互いに並行に形成した窓部3の図、図18(c)は各電波吸収特性を示した図である。照射電磁波の磁界成分の向きに対する異方性に由来する吸収特性の違いが見られた。好ましくは、磁界成分に対して直交する場合の方が電波吸収性能が高く、かつ広帯域となっている。実施例1の図4にも見られたとおり、スリット形状系での電波吸収特性の調整では、磁界に対して平行にスリットを配列した場合に、低周波側での吸収特性が改善されていることが判る。また、長尺のスリットの場合、長尺方向が磁界方向と直交するスリットと、平行となるスリットとを併用する混合タイプも採用可能である。
(実施例6)
磁性粉12の密度を電波入射面では低く、反射板20の近傍で高くした樹脂成形体10では、実施例1からも明らかなように、電波入射面では磁性粉12のキャパシタ成分に由来する誘電率を下げ、空気に対するインピーダンスマッチングを改善することで、不要な電波の反射を抑制し、電波を内部に進入させやすい効果が得られる。樹脂成形体10の内部に進入した電波は、反射板20の近傍の磁界最大の面に磁気的な損失成分を有する磁性粉12を高密度で配置していることで、電磁波は効率良く熱エネルギーに変換されて吸収される。
電磁気的モデルによると、誘電率、透磁率、樹脂成形体10の厚さを可変パラメータとし、入射インピーダンスを決めるtanh関数を含む計算式において、誘電率もしくは透磁率の損失成分、すなわち虚数成分の値を大きくすることで、tanh関数に特有の振動特性が緩和され、広帯域での電波吸収が可能である。
[数1]
Zin=Zo√μr/εr・tanh(j・2πd/λ・√μr・εr)
なお、数1において、Zinは入射面インピーダンス、Zは空気の特性インピーダンス(約377Ω)、μは複素比透磁率、εは複素比誘電率、dは吸収層の厚さである。
そこで、実施例1で作製した樹脂成形体10から、外径7.00mm、内径3.04mmの円筒状のサンプルを削り出し、以下の実験を行った。
反射板20の近傍での損失成分を増加させる材料として、上記と同じく和光純薬工業社製のカルボニル鉄粉を用いて、磁性粉量が95重量%で、外径7.00mm、内径3.04mm、厚さ2mmの円筒状サンプルを損失材料として作製した。そして、ネットワークアナライザのSHORT−OPEN−LOAD−THROUGH校正に用いられるショート端子を反射板の代わりとして使用し、同軸サンプルフォルダーに電波入射面から、図1で示した密度勾配を有する樹脂成形体10、上記円筒状サンプルである損失材料及びショート端子の順に接続し、1ポートSHORT−OPEN−LOAD校正後に電波吸収特性を評価した。
図19は、上記の電波吸収特性の測定結果を比較するための図で、損失材料がある場合、損失材料が無い場合、及び樹脂成形体に磁性体の密度勾配が無い場合である。損失材料がある場合は、損失材料がない場合に比べて1GHzから7GHz周辺の吸収特性が大幅に改善されていることが判る。また、磁性粉密度に勾配を設けない場合には損失材料がある場合ほどの効果が得られないことから、磁性粉密度に勾配を設けた方が、損失材料による吸収域の広帯域化に有効であることが確認された。
(実施例7)
図20は、複数のブロックとの関係で形成される窓部の概念図である。図20(a)(b)はブロックが正方形の場合であり、図20(c)(d)はブロックが正六角形の場合である。図20(a)では互いに隣接するブロック10間の間隙が窓部3とされている。図20(b)では互いに隣接するブロック10′間の間隙及びブロック10′自体に形成された孔が窓部3とされている。図20(c)では、互いに隣接するブロック103間の間隙が窓部3とされている。図20(d)では互いに隣接するブロック103′間の間隙及びブロック103′自体に形成された孔が窓部とされている。すなわち、図20(b)(d)のように、孔が形成されたブロック10′、103′を採用すると、ブロック10′103′間の間隙と合わせて、すなわち、ブロックの配置を変更することなく窓部3を形成することが容易となる。なお、ブロック10′、103′に形成される孔の形状は円形、四角形、六角形等特に問わないが、製造容易さからは、円形が好ましい。
(実施例8)
図21は、樹脂成形体10の間隙を調整することで形成される種々のサイズの正方形の窓部を示し、(a)は一辺20mmの窓部、(b)は一辺10mmの窓部を示している。図21(c)は、一辺20mm及び10mmを含む吸収特性を示している。図21(c)に示すように、一辺10〜30mmの窓部を複数設けた態様では、広い帯域で−10dB以下が確保できている。
(実施例9)
図22(a)、(b)は、200mm角の吸収体に対し、10mm径の孔を10×10の100個開けた場合における、孔の径が層方向に均一な(円筒の)樹脂成形体10dの場合と、裏面方向に先窄まりであって、おもて面で20mm径の円錐形状(テーパ状)を有する樹脂成形体10d′の場合の各平面図(上側)及び孔の箇所で縦断した側断面図(下側)、図22(c)は、図2と同様な測定方法(但し、自由空間法により、0.8GHz〜18GHzの周波数帯での反射損失(電波吸収性能)の測定)によって得られた、それらの反射損失の測定結果図である。図22(b)に示される窓部3′は、おもて面での径が20mmで、裏面での径が10mmであり、そのテーパ角は33°である。また、体積空隙率は、(b)で45%である。なお、反射層として酸化インジウムコーティングしたガラス板を用いている。測定に際しては、200mm角の吸収体と同サイズを有する酸化インジウムコーティングしたガラス反射板からの反射電波電力を基準として反射損失を求めた。
樹脂成形体10dは、例えば、以下のようにして作製されている。BASF社製のカルボニル鉄粉(CM粉、平均粒径7μm)1380gを秤量し、これに、ポリエチレン樹脂ビーズ920gを添加し均一になるまで混合した。混合物を180℃に加熱した遠心成形器(特注品、ドラム径300mm、奥行き200mm)に流し込み、2000rpmで60分間成形処理した。得られた遠心成形品について、たわみ等が無い個所から200mm角のサンプルを1個抜き出した。得られた200mm角のサンプルに対し、図22(a)に示すように円筒形の穴あけ加工を行った。これを200mm角の酸化インジウムコーティングしたガラス板に載せた。
図22(c)は、図22(a)(b)の電波吸収体についての電波吸収特性の測定結果及び、窓部3のない樹脂成形体の電波吸収特性の測定結果を示す図である。図22(c)に示すように、4〜5GHz付近に10mm径の孔に起因した電波共振による吸収ピークが確認された。窓部3がない場合及び図22(a)の場合では、電波吸収特性においてさほど差が見られない。一方、図22(b)の電波吸収体においては、樹脂成形体10d′のおもて面での反射がさらに抑制されたことで6GHz〜18GHzにおける広域で吸収特性が向上した。また、空気部分の体積空隙率も45%辺りであり、50%より小さいことから、電波吸収特性の大幅な低下はない。さらに、図22(b)では、テーパによって表面側の空気部分の体積が増大され、円筒型に比べて、表面インピーダンスが緩やかに変化することで、吸収体からの不要反射が抑制され、その結果、効率良く電波を吸収体内部に侵入させ熱エネルギーに変換可能となる。また、本実施例においてもテーパーにより、視野角の増大に繋がるだけでなく、吸収体の重量は約半分程度まで低減可能となる。
(実施例10)
図23(a)は、30mm角の樹脂成形体10を縦横に2.5mmのスリット(窓部3)を設けて25個(縦横に5×5)並べた状態、図23(b)は、図23(a)の30mm角の各樹脂成形体10を、その4つの下辺から頂部に向けて所定角度、例えば60°の傾斜をつけて切削(側面加工を施)してピラミット状の樹脂成形体10eに形成した状態(四角錐台形)の各平面図(下側)及び側面図(上側)である。図23(c)は、図22と同様な測定方法によって得られた、それらの反射損失の測定結果図である。図23(b)に示される窓部3eは、縦方向及び横方向のそれぞれについて、両側からの60°の下り傾斜面(テーパ)を有し、その下端で隙間2.5mmを有するものとなる。なお、測定に際しては、樹脂成形体10,10eの配置サイズである160mm角と同面積を有する酸化インジウムコーティングしたガラス反射板からの反射電波電力を基準として反射損失を求めた。
樹脂成形体10は、例えば、以下のようにして作製されている。鉄カルボニル錯体の熱分解により得られる球状鉄磁性粉(和光純薬、平均粒径6μm)48.0gを秤量し、これに、エポキシ樹脂の主剤21.3gと硬化剤10.6gを添加し均一になるまで混合した。これを、テフロン(登録商標)製の鋳型4個に均等に流し込み、鋳型ごと4000rpmで60分間、遠心処理を行った。引き続き、120℃で1時間、加熱することで樹脂を硬化させることで、磁性粉密度に濃度勾配を設けた30mm角、厚さ約8.5mmの成形体を作製した。この操作を繰り返すことで多数の30mm角磁性樹脂成形体を得た。
図23(c)に示すように、図23(a)の吸収体では、磁性粉密度に勾配を設けた樹脂成形体は概ね7.5GHz以上で90%の電波吸収能を表す−10dB以下の良好な反射損失を示した。また、図23(b)の吸収体は、図23(a)に比して、広範囲で良好な特性が得られている。これは、側面加工により、表面での不要反射が抑制されたこと(すなわち、入射インピーダンスの空気との整合が改善されたこと)と、連続的にインピーダンスが変化することで効率良く電波を吸収体内部に侵入させ、熱エネルギーに変換可能としたことによる。
以上説明してきたように、磁性粉の濃度勾配を有する樹脂成形体の窓部にテーパを形成した場合、テーパのない筒状の窓部の場合に比して、電波吸収特性が向上していることがわかる。これは、入射インピーダンスの空気との整合が改善されたことによるものである。テーパ角度が大きくなると、空気との整合が向上する一方、空隙率が上昇して電波吸収特性は低下する。電波吸収特性が良好となるテーパ角度は、吸収層の材質、形状、厚み寸法、磁性体の充填密度やその勾配、及び窓部の数や空隙率等の各要素を考慮して適宜設定されればよい。
なお、本発明は、以下の態様が採用可能である。
(1)本実施形態では磁性体の密度勾配を遠心力を利用して実現しているが、これに代えて、大きさの異なる、あるいは比重の異なる磁性粉を樹脂と混合し、略均一に混合された状態で厚み方向を上下に向け、重力を利用して重い磁性粉ほどより下方に落下するようにして、下方側ほど磁性粉密度を連続的に増大させる方法を採用してもよい。あるいは、透磁率の異なる種類の磁性粉を磁力を利用して厚み方向に移動させることで密度勾配を得るようにしてもよい。また、遠心力を利用する場合でも、粒径の異なる少なくとも2種類以上の磁性粉を積極的に混ぜて使用する態様でもよい。
(2)本実施形態では、透明な導電膜として酸化インジウムITOを採用したが、これに代えて、酸化亜鉛系や酸化スズ系の透明導電性材も採用可能である。また、膜材に限定されず所要の厚みを有する材料でもよい。
(3)本実施形態では、ブロックの形状を正方形としたが、これに限定されず、他の種々の形状が採用可能である。例えば正六角形をなすハニカム構造でもよい。
(4)上述の実施形態では、一体の反射板20を敷設した態様で説明したが、本発明はこれに限定されず、例えば、樹脂成形体10の下面にアルミ箔等の金属材を敷設し、窓部3に臨む領域にITO等の透明導電性材、あるいは金属導電性材を設ける態様としてもよい。ITOを窓部に臨む領域に限定することで、電波吸収材の廉価が図れる。
1 電波吸収体
10,10′10a、10b、10c、10c′,10d,10d′,10e,101,102,103 樹脂成形体
11 樹脂材(吸収層)
12 磁性体(吸収層)
20 反射板(反射層、構造体)
21 導電膜(反射層、構造体、導電性薄膜)
22 ガラス板(構造体、薄膜支持体)
3,3c′,3e 窓部

Claims (9)

  1. 電波入射面側となる吸収層とその裏面側の反射層とが積層され、かつ前記吸収層を形成する樹脂材の内部に充填された磁性粉の充填密度が前記電波入射面から前記反射層側に向けて連続的に増大してなる、所定の板状の形状を有する電波吸収体において、前記吸収層は、前記反射層の上面の一部に厚さ方向に抜かれた少なくとも1つの窓部を有し、前記反射層は、少なくとも前記窓部と対面する領域に、空気の流通性及び光の透過性の少なくとも一方を有する、厚さ方向の構造体を有することを特徴とする電波吸収体。
  2. 前記構造体は、導電性を有する透明材の透明導電性材からなり、前記吸収層及び前記窓部に対向配置されたものであることを特徴とする請求項1記載の電波吸収体。
  3. 前記透明導電性材は、透明な導電性薄膜と透明な薄膜支持体から構成されていることを特徴とする請求項2記載の電波吸収体。
  4. 前記構造体は、吸収対象となる電磁波の最短波長未満のサイズのメッシュを有する導電性繊維を用いた繊維導電性材からなり、前記吸収層及び前記窓部に対向配置されたものであることを特徴とする請求項1記載の電波吸収体。
  5. 前記吸収層は、板状のブロックが前記反射層上の一部に複数個敷設されて構成されてなり、かつ前記窓部は、互いに隣接する前記ブロック間の間隙であって、前記反射層が露出してなる領域に構成されていることを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の電波吸収体。
  6. 前記吸収層は、板状のブロックが前記反射層上の一部に複数個敷設されて構成されてなり、かつ前記窓部は、前記ブロックに設けられていることを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の電波吸収体。
  7. 前記窓部は、互いに隣接する前記ブロック間の間隙であって前記反射層が露出してなる領域、及び前記ブロックに設けられていることを特徴とする請求項5又は6に記載の電波吸収体。
  8. 前記ブロックに設けられた窓部の形状は、円形であることを特徴とする請求項6又は7に記載の電波吸収体。
  9. 前記窓部は、層方向裏面側に先窄まりとなるテーパを有することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の電波吸収体。
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