JP2009188322A - 電波吸収体とその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】広帯域の周波数の電波に対して吸収特性が優れ、必要な厚さが小さくてすみ、入射角の変化に対する許容性も高く、製造が容易かつ安価な電波吸収体を提供する。
【解決手段】樹脂中に磁性粉を、磁性粉の充填密度が電波の進行方向に沿って連続的に増加する様にして分散させた磁性粉/樹脂複合体を有している電波吸収体。比誘電率が5以下の樹脂中に磁性粉を、磁性粉の充填密度が電波の進行方向に沿って連続的に増加する様にして分散させ、さらに電波の入射面のインピーダンスが300Ω〜377Ωである磁性粉/樹脂複合体を有している電波吸収体。磁性粉/樹脂複合体の電波の入射面に低誘電率材料からなる層を有している電波吸収体。
【選択図】図1

Description

本発明は広帯域用の電波吸収体とその製造方法に関し、特に電波吸収体に配合されている磁性粉の充填密度が電波の進行方向に傾斜して増大する電波吸収体とその製造方法に関する。
近年、携帯電話、カーナビ、衛星放送等の電波を使用する機器が広く利用されるようになってきており、それに伴ってテレビジョンやレーダにおける偽像、電子機器の誤作動等を防止するために電波を吸収する工業用の材料(以下、「電波吸収体」と記す)の開発が進んでいる。
従来の電波吸収体における電波を吸収する原理は、電波吸収体の電気長(吸収体の物理的な厚さにその誘電率と透磁率の積の平方根をかけたもの)を電波の波長の1/4にし、これにより表面への入射波と背面からの反射波を干渉させて消去するものである。
ただし、この場合には、干渉により吸収される電波の波長は電波吸収体の電気長の4倍ないしその近傍の値に限定されることとなり、電波吸収体の吸収可能な周波数帯域は非常に狭くなる。
吸収帯域を広くするために、誘電率、透磁率が異なる、即ち電気長が異なる材料を積層化し、各層の界面で反射(多重反射)を行わせる積層型電波吸収体に関する技術が提案されている(非特許文献1)。そしてこの際、このような積層型電波吸収体においてはそのままでは空気との材料定数が大きく相違するため電波吸収体の表面(入射面)で電波を大きく反射させることとなるため、それを防止するために電波の入射方向から電波吸収体の内部に進むに従って各吸収体層の材料定数(誘電率、透磁率等)を段階的に大きくすることが望ましいとされている。
また、電波吸収体を電波が入射してくる方向を尖端とする楔が多数平面的に配列された形状(以下、「楔形」という)とし、電波吸収体と空気からなる電波吸収箇所の内部に進むに従ってその箇所の材料定数が傾斜的に大きくなる様にし、これにより広帯域での電波吸収を行う技術も提案されている(非特許文献2)。
また、導電性カーボンを表面に付着させた繊維を結合させてロックと言われるシート状に成形し、その際シートの内部に行くほど嵩密度を大きくして材料定数を傾斜的に大きくし、広帯域での電波吸収を行う技術も提案されている(特許文献1)。
なお、導電性カーボンに換えてフェライト(酸化鉄を主原料とする非導電性の磁気性セラミックス)を使用し、繊維に換えてガラスを使用し、さらに多層化した構造の電波吸収体も開発されている(特許文献2)。
東北化工株式会社、"製品情報欄の電波暗室用電波吸収体、平板積層型電波吸収体"、[online]、[2008年2月6日検索]、インターネット<URL:http://www1k.mesh.ne.jp/tci/kasei/denpa/anshitsu/uf.html> 東北化工株式会社、"製品情報欄の電波暗室用電波吸収体、ピラミッド型電波吸収体"、[online]、[2008年2月6日検索]、インターネット<URL:http://www1k.mesh.ne.jp/tci/kasei/denpa/anshitsu/up.html> 特開2004−179459号公報 特開2000−353893号公報
しかしながら、最初に説明した単に電気長を電波の波長の1/4にしただけの電波吸収体は、吸収できる電波の周波数帯域が非常に狭いだけでなく、電波の入射角が変化すればその進行方向の電気長も変化するため入射角の依存性も大きくなる。
また、電気長が異なる材料を積層化した積層型電波吸収体は、多層化するほど吸収できる周波数帯域は広くなるが、積層型電波吸収体全体として必要な厚さが増大し、製造も困難であり、コストアップにもなる。
また、楔形の電波吸収体は、製造が困難であるだけでなく、材料定数の傾斜を空気(比透磁率、比誘電率は共にほぼ1)による希釈により行う(内部に進むほど空気の占める体積が少なくなる)ため、必然的に電波吸収体が厚くなり、また電波吸収体を収納するスペースの厚さが増大する。例えば、3GHz以上の電波に対して−30dB(デシベル)以下の反射損失を得ようとすれば、100mm以上の厚さが必要である。
また、ロックと言われる電波吸収体も、楔形の電波吸収体と同様に空気による希釈を利用するため、楔形の電波吸収体ほどではないにしても電波吸収体が厚くなる。即ち、3GHz以上の電波に対して−30dB以下の反射損失を得ようとすれば、40mmの厚さが必要である。
また、フェライトとガラスを用いた多層化された電波吸収体は、低誘電率の中空シラスバルーンを使用するため厚くなるだけでなく、フェライトのマトリックスとして密度が大きいガラスを使用しているため、全体の密度も大きくなり、この面からも必然的に重くなる。
以上のため、広帯域の周波数の電波に対して吸収特性が優れ、必要な厚さが小さくてすみ、入射角の変化に対する許容性も高く、製造が容易かつ安価な電波吸収体の開発が望まれていた。
本発明は、上記の課題を解決することを目的としてなされたものであり、樹脂中に磁性粉をその密度が電波の進行方向に沿って連続的に増加する様にして分散させた磁性粉/樹脂複合体を有する電波吸収体としたものである。以下、各請求項の発明を説明する。
請求項1に記載の発明は、
樹脂中に磁性粉を、前記磁性粉の充填密度が電波の進行方向に沿って連続的に増加する様にして分散させた磁性粉/樹脂複合体を有していることを特徴とする電波吸収体である。
以下、本請求項の発明の電波吸収体の作用発揮の原理について、数式を用いて理論的に説明する。
従来の楔形状の電波吸収体や嵩密度を擬似的に連続変化させた電波吸収体では、誘電率、透磁率の希釈を比誘電率の小さな空気(比誘電率:約1)で行っているが、下記の数式1に示すように、インピーダンスを整合させるためには特性インピーダンス(数式2)の項を空気の特性インピーダンスに近づける必要があり、このため比誘電率と比透磁率の比を1に近づける必要がある。そのため、例えば誘電材料を用いた電波吸収体では高誘電率の材料を用いることができず、電気長(数式3)が小さくなる。そのため、電波吸収体は自ずと電気長が長くなり、ひいては厚いものとなる。
Figure 2009188322
Figure 2009188322
Figure 2009188322
なお、数式(1)において、Zinは入射面インピーダンスである。Zは空気の特性インピーダンス、おおよそ377Ω、である。μは複素比透磁率である。εは複素比誘電率である。dは電波吸収体の厚さである。RLは、反射損失である。
また、従来の電波吸収体においては、磁性材料を用いた場合には透磁率が増加するため、インピーダンスのマッチングは前者よりも良好になるものの、傾斜化の手法として空気による希釈、即ち楔状の形状を用いたりするので電気長を稼ぐことができない。その結果、電波吸収体は厚くなる。
一方、本発明の電波吸収体は磁性材料を用い、さらに従来の楔形やシート状の電波吸収体と異なり、比誘電率は空気より大きいがインピーダンスの整合にはそれほど影響を与えない程度の誘電率を持つ有機樹脂により磁性材料の、すなわち透磁率の、希釈を行っているため、電気長さを大きくすることが可能となり、その結果電波吸収体を薄くすることができる。
さらに、本発明の電波吸収体では、磁性粉は磁界成分が最大となる背面側の近傍で最大の密度を示し、電界最大となる電波吸収体表面では低誘電率の樹脂の濃度が高まっているため、あたかも、低誘電率、高透磁率の材料となることで、特性インピーダンスの項において、誘電率と透磁率の比が1に近づく。この結果、インピーダンスの整合が容易となり、無限積層化による多重反射の効果と相まって広帯域での電波の吸収が可能となる。
以上の理論を踏まえた上で、本請求項の発明の構成について説明する。
本請求項の発明においては、電波吸収体の磁性粉/樹脂複合体内における磁性粉が、その充填密度(以下、煩雑化を避けるため、原則として「密度」と記す)が電波の進行方向に沿って連続的に増加する様にして分散されており、完全に連続的な濃度分布となっているため、波長の如何にかかわらず電波は磁性粉の密度が低いあるいは0の入射面からインピーダンスの不整合による大きな反射をすることなく磁性粉/樹脂複合体内に侵入し、さらに小さな反射を繰り返す多重反射により吸収されていくこととなる。
その結果、波長の如何にかかわらず電波を多重反射して吸収することとなるため、広帯域の電波に対して吸収効率が良好となり、薄い電波吸収体であるのにもかかわらず、広帯域の波長の電波を効率よく吸収する電波吸収体となる。
さらに入射角の変化に対する許容性も向上する。また、薄いため材料費も少なくてすみ、この面からも製造コストが低下する。
なお、磁性粉/樹脂複合体内の磁性粉の分布は、電波の入射する側の表面(入射面)が0であってもよく、その反対側は100%磁性粉(樹脂がない)であっても良い。
さらに、磁性粉密度が100%の場合においては、入射面と反対側の表面(背面)には、アルミ箔等の電波の反射板が配置(付加、付着)されていても良い。
また、「磁性粉」は、対象とする電波がGHzの場合には、特に1から30GHzの場合には、高透磁率の導電性磁性粉が好ましく、特に金属粉が好ましく、スーパーマロイがさらに好ましい。
さらに、「樹脂」とは、ポリエチレン、エポキシ樹脂、スチレン樹脂等の石油系合成樹脂に限定されず、シリコンゴム等のゴムをも含み、さらに樹脂中への磁性体の分散性を改善したり、製造時の樹脂の流動性を高めたりするための補助剤、例えば界面活性剤等が含有されていてもよい。即ち、低誘電率でマトリックスに適する樹脂であっても粘性(流動性)が高いため磁性粉の分散等の面から使用に難がある樹脂であっても、非イオン性、カチオン性、アニオン性等の分散剤を用いて粘性を低下させることが可能となる。
また、分散剤を用いれば、磁性粉相互が接触する確率が低下するため、低誘電率化に寄与し、結果として特性インピーダンスが増加するため、入射面インピーダンスとのマッチングが良好となる点で好ましい。特に、分散度の効果を高めるためには静電的にニュートラルな非イオン性の界面活性剤を用いることが好ましい。なお、分散させる手段としては、工業的にはミキサーによる撹拌等が考えられる。
なお、強度の面からは、エポキシ樹脂が好ましい。
また、製造の面からは加熱硬化型の樹脂が好ましいが、製造時の磁性体の酸化を防止するという面からは、硬化温度は200℃以下であるものが好ましく、特に150℃以下であることが好ましい。
請求項2に記載の発明は、
比誘電率が5以下の樹脂中に磁性粉を、前記磁性粉の充填密度が電波の進行方向に沿って連続的に増加する様にして分散させ、さらに電波の入射面のインピーダンスが300Ω〜377Ωである磁性粉/樹脂複合体を有していることを特徴とする電波吸収体である。
本請求項の発明においては、樹脂の比誘電率が5以下であるため、インピーダンスの整合に及ぼす悪影響が小さくなり、また電波の入射面のインピーダンスが300Ω〜377Ωと空気と同じあるいは空気に近いため、表面での電波の反射も少なく、この結果優れた電波吸収体となる。
なお、樹脂の比誘電率は、電気長を大きくするためには2以上であることが好ましい。
請求項3に記載の発明は、前記の電波吸収体であって、
前記磁性粉/樹脂複合体の電波の入射面に低誘電率材料からなる層を有していることを特徴とする電波吸収体である。
本請求項の発明においては、磁性粉/樹脂複合体の電波の入射面に低誘電率材料からなる層を有しているため、入射面での電波の反射が少なくなり、この結果優れた電波吸収体となる。
ここに、「誘電率」とはウレタン樹脂(樹脂そのものの誘電率は7程度)と空気あるいはフロンガスからなる発泡ポリウレタンのような複合材料の場合には見かけ上の誘電率を指し、ここでいう「低誘電率」とは比誘電率が1から2までを指す。低誘電率材料からなる層として発泡ポリウレタン層を採用すれば、誘電率の関係から空気の特性インピーダンスと類似するため、入射面での電波の反射が防止され、さらに密度が小さく軽量であるため、重量の増加防止の面からも好ましい。
請求項4に記載の発明は、前記の電波吸収体であって、
前記樹脂は、エポキシ樹脂またはゴムのいずれかであることを特徴とする電波吸収体である。
本請求項の発明においては、磁性粉/樹脂複合体の磁性体を分散させるマトリックス樹脂としてエポキシ樹脂またはゴムのいずれかを使用しているため、インピーダンスのマッチング、電気長等のみならず、製造、強度、コスト等の面からも優れた電波吸収体となる。
請求項5に記載の発明は、前記の電波吸収体であって、
前記磁性粉/樹脂複合体は、積層構造であることを特徴とする電波吸収体である。
本請求項の発明においては、磁性粉/樹脂複合体を積層構造としているため、磁性粉の分散あるいは密度の勾配、傾斜に柔軟性、多様性を持たせることが容易となり、電波吸収体の厚さを薄くできるだけでなく、種々の波長、用途に適合した電波吸収体を提供することが可能となる。
請求項6に記載の発明は、前記の電波吸収体であって、
前記磁性粉は、形状若しくは材質の少なくとも一方が複数の種類の磁性粉であることを特徴とする電波吸収体である。
本請求項の発明においては、磁性粉の形状若しくは材質の少なくとも一方が複数の種類であるため、適切な特性の磁性粉を組合せることにより、磁性粉/樹脂複合体中での磁性粉の分散性が良好となり、あるいは種々の分散の態様を有する磁性粉/樹脂複合体を製造することが可能となり、電波の吸収性に優れ、また種々の用途に応じ特殊な特性を有する電波吸収体を提供することが可能となる
なお、磁性粉の分散性を改善する手段として、磁性粉の粒度分布を調節し、粒子径の大小による樹脂中での沈降速度の相違を利用する等他の手段を併用しても良い。
請求項7に記載の発明は、請求項1から請求項6のいずれかに記載の電波吸収体の製造方法であって、
前記磁性粉/樹脂複合体中の樹脂中に磁性粉を、前記磁性粉の充填密度が電波の進行方向に沿って連続的に増加する様にして分散させる手段として遠心力を用いることを特徴とする電波吸収体の製造方法である。
本請求項の発明においては、磁性粉/樹脂複合体中の樹脂中に磁性粉を、その充填密度が電波の進行方向に沿って連続的に増加する様にして分散させる手段として、粘液状の樹脂内に磁性粉を分散させた両者の混合流体に遠心力を用いるため製造が容易となる。
その他、以下の様な手段も採ることが可能である。
磁性粉として、パーマロイ粉、センダスト粉等の高透磁率合金を用いた電波吸収体を製造する。これにより、透磁率が高いため電波の吸収性が良くなる傾向を示し、ひいては電波吸収体の厚さを薄くすることが可能となる。また、反磁界効果の影響を受け難い扁平やロッド状の磁性粉を採用して透磁率を高める、MHz帯域の電波を吸収するために、この周波数領域において高い透磁率を有するフェライト系の材料を使用する等の手段を採用することも可能である。
また、樹脂として硬化性のゴムを用いた電波吸収体とする。
また、磁性粉として扁平状のパーマロイ粉と球状のカルボニル粉を併用して磁性粉/樹脂複合体を作製する。この場合には、両方の磁性粉の樹脂中での分散性が相違するため、磁性粉の粒度分布が大きくなり、反射板近傍での充填密度も増加し、優れた電波の吸収特性を示すこととなる。
本発明においては、樹脂中に磁性粉を、前記磁性粉の充填密度が電波の進行方向に沿って連続的に増加する様にして分散させた磁性粉/樹脂複合体を有する電波吸収体としているため、広帯域の周波数の電波に対して吸収特性が優れ、必要な厚さが小さくてすみ、入射角の変化に対する許容性も高く、製造が容易かつ安価な電波吸収体を提供することが可能となる。
以下、本発明の実施の形態につき図を用いて説明する。なお、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではない。本発明と同一及び均等の範囲内において、以下の実施の形態に対して種々の変更を加えることが可能である。
(実施例1)
実施例1の形態は、磁性粉として球状ケイ素鋼磁性粉を使用するものである。
市販の球状ケイ素鋼磁性粉0.5gを秤量し、これに、同じく市販のエポキシ樹脂主剤0.34gと硬化剤0.16gを添加し、メノウ乳鉢で均一になるまで混合した。この磁性粉と樹脂の混合流体(ただし、粘性は高い)を金型に全量流し込み、金型ごと4000rpmで10分間、遠心処理を行った。加速度は、おおよそ3000G程度である。ただし、この際の加速度は、磁性粉の粒度や配合率、樹脂の種類(主剤と硬化剤の配合率やメーカによって、多少の相違があり得る)や加速度を加える温度における樹脂の粘度(夏季と冬季で多少相違する)等に応じて好ましい値が多少変化するため、加速度を変えた試験を3、4度行って適切な値とすることが好ましい。
引き続き、120℃で1時間加熱して樹脂を硬化させ、マトリックスとしての硬化したエポキシ樹脂内に磁性粉が分散した磁性粉/樹脂複合体を得た。なおここに、加熱温度を120℃としたのは、磁性粉の酸化を防止するためである。また、比較例1として、磁性粉の密度勾配を設けない点以外は同じ条件の試料も作製した。
さらに、密度勾配を設けた磁性粉/樹脂複合体については、磁性粉の充填密度の高い側の背面に、濃度勾配を設けない磁性粉/樹脂複合体については、いずれかの面に反射板としてアルミニウム箔を貼り付けて、実施例1と比較例1の電波吸収体を完成させた。
図1に、実施例1の電波吸収体の、電波の進行方向に沿って切断した断面を概念的に示す。図1において、矢印は電波の入射する方向を示し、10は粒子径が小さい球状ケイ素鋼磁性粉であり、11は粒子径が大きい球状ケイ素鋼磁性粉であり、20は加熱で硬化したエポキシ樹脂であり、30はアルミニウム箔であり、50は磁性粉/樹脂複合体である。また、点線で示す縦軸は電界強度を示し、破線で示す縦軸は磁界強度を示し、91はこの電波吸収体の磁性粉/樹脂複合体中の電波の入射方向各部における電界強度を示す点線であり、92は同じく磁界強度を示す破線である。また、磁性粉/樹脂複合体の厚さは10mmである。
図1に示す様に、この電波吸収体の磁性粉/樹脂複合体50内においては、遠心力により良好な密度分布が得られていることが判る。即ち、内部側(電波の進行方向)ほど球状ケイ素鋼磁性粉10、11が密に分布しており、さらに粒子径が大きい球状ケイ素鋼磁性粉11は粒子径が小さい球状ケイ素鋼磁性粉10よりその傾向が大であることが判る。このため、磁性粉/樹脂複合体50は内部側ほど密度が、そして磁性粉の(充填)密度が大きくなる。なお、磁界強度と電界強度の分布については、後で説明する。
次に、実施例1と比較例1の電波吸収体の性能試験の結果について、両方の結果を比較しつつ説明する。これら2種の電波吸収体に電波を入射させ、電波吸収体から反射された電波(反射波)のエネルギーを入射波のエネルギーと比較することで、反射損失量を測定した。測定結果を図2に示す。図2において、実線は実施例1の電波吸収体(密度勾配あり)の測定結果であり、点線は比較例1の電波吸収体(密度勾配なし)の測定結果である。
図2に示す様に、密度勾配を設けた実施例1の電波吸収体では、比較例1の電波吸収体に比べて18GHz以下のほぼ全領域において反射損失量(dB)が増加し、即ち電波の吸収率が増加しており、特に10GHz以上の電波に対して吸収特性がいっそう良好となることが確認された。電波吸収体内の多重反射が良好になされるからと思われる。
さらに、実施例1の電波吸収体においては、反射損失量が周波数の増加に従い大きくなる特異な現象が認められるが、これは電界が最大となる電波吸収体表面には低誘電率の材料が配され、磁界が最大となるアルミニウム箔30面では磁性を有する球状ケイ素鋼磁性粉10、11の分布が大きくなり透磁率が高められるため、電波吸収体の入射面インピーダンスの空気の特性インピーダンスに対する整合が容易になったからと思われる。
(実施例2)
実施例2は、実施例1の電波吸収体の電波の入射面側に発泡ウレタン層を形成したものである。
実施例2の電波吸収体では、実施例1の電波吸収体の(磁性粉/樹脂複合体50の)電波の入射面側に空気の誘電率に近い発泡ウレタン層を配置し、実施例1の電波吸収体に比較して電波が入射する表面の入射インピーダンスを空気の特性インピーダンスに一層近づけて、その分表面からの電波の反射を低減させることを図っている。
図3に、実施例2の電波吸収体の測定結果を、実施例1の電波吸収体の測定値と比較しつつ示す。図3において、点線は実施例1の電波吸収体(勾配化試料:密度勾配あり)の測定結果であり、実線は実施例2の電波吸収体(勾配化試料+発泡ウレタン)の測定結果である。
図3より判る様に、実施例2の電波吸収体は、実施例1の電波吸収体の磁性粉/樹脂複合体50の電波の入射面側に発泡ウレタン層を配置しているため、電波吸収ラインのベースが実施例1の電波吸収体に比較してさらに低下している。特に、10GHz以上の周波数の電波については、実施例1の電波吸収体に比較して、−20dB以下の良好な反射損失特性を示している。この様に改善された理由は、電波吸収体の磁性粉/樹脂複合体中における電波の共振モードは、図1に示すように電波の入射面(電波吸収体の空気に面する側)で電界が最大となるため、誘電率が空気に近い発泡性のウレタン樹脂を前面に導入することで、誘電率の効率的な低下が起こることによるものと思われる。
(実施例3)
実施例3は、磁性粉としてカルボニル鉄粉(真球状の直径0.3μm〜10μmの粒度分布を有する鉄粉)を使用し、さらにその分散剤をも使用するものである。カルボニル鉄粉は、種々の物が市販されているが、和光純薬工業社製のカルボニル鉄粉(D50:〜3マイクロメートル)を使用した。このカルボニル鉄粉0.4gを秤量し、実施例1に用いたのと同じエポキシ樹脂主剤0.26gと硬化剤0.13gを添加し、メノウ乳鉢で均一になるまで混合し、さらに得られた磁性粉/樹脂の混合流体を全量金型に流し込んで金型ごと4000rpmで10分間、遠心処理を行った。その後、120℃で1時間の加熱を行って樹脂を硬化させた。
なお、磁性粉/樹脂複合体の厚さは7mmである。なお、実施例3においても先の実施例1と同様に、比較例3として密度勾配を設けない試料を作製した。
実施例3の電波吸収体においては、硬化した樹脂内における磁性粉の分布の勾配の形成が肉眼でも容易に観察された。
次に、電波の入射方向に直交する面方向に、硬化した樹脂層をその厚さが1mmとなるように切断して試料を作成し、各試料の重量(密度)を、即ち各試料内部の磁性粉の分布が変化する様子を測定した。図4に、その測定結果を示す。
使用した樹脂の密度は約1.2g/cm3であり、鉄の密度が約7.9g/cm3である。このため、磁性粉/樹脂複合体内においては、電波吸収体の電波の入射する面近くでは磁性粉がほとんど存在せず、逆の面ではほとんど樹脂が存在せず、さらに両面の中間では磁性粉と樹脂の比率がほぼ直線状に変化している、即ち磁性粉の密度(分布)が適切に勾配化されていることが判る。
次に、実施例3と比較例3の電波吸収体の性能試験の結果について、図5を参照しつつ両方(密度勾配化あり、密度勾配化なし)の測定結果を比較しつつ説明する。図5において、実線は実施例3の電波吸収体(密度勾配化あり)の測定結果であり、点線は比較例3の電波吸収体(密度勾配化なし)の測定結果である。実施例1と同じく、実施例3の電波吸収体は比較例3の電波吸収体に比べて周波数の増加に伴い反射損失量が大きくなる傾向を有し、さらに広帯域な波長の電波を吸収することが認められる。
なお、実施例3においては、磁性粉と樹脂とを混合する際に、磁性粉の樹脂内での分散性を高めるため、非イオン性の界面活性剤であるポリエチレン(10)オクチルフェニルエーテル(和光純薬工業社製)を磁性粉に対して1重量%添加した。その結果、混合後の磁性粉と樹脂からなる混合流体の粘性は無添加である実施例1の混合流体に比べて減少し、金型への充填が容易となっただけでなく、加熱で硬化した磁性粉/樹脂複合体内での磁性粉の分散性が向上して誘電率が減少するため、最終的に得られた電波吸収体の更なる電波吸収のベースラインの低下が見られた。
なお、実施例3の電波吸収体は、実施例1の電波吸収体と比較したとき電波の吸収域は高周波数側へシフトしているが、これは磁性体/樹脂複合体の厚さが薄いことによる。即ち、本発明の電波吸収体においても、従来技術の電波吸収体と同じく、その磁性粉/樹脂複合体の厚さを変化させることにより対応する吸収域を調整することも可能であることが判った。
(実施例4)
実施例4は、連続的に磁性粉の(充填)密度を変化させることの効果を確認することに関する。
カルボニル鉄粉0.45gを秤量し、これに、エポキシ樹脂主剤0.2gと硬化剤0.1gを添加し、メノウ乳鉢で均一になるまで混合し、さらに得られた磁性粉と樹脂の混合流体を金型に流し込み、金型ごと回転速度4000rpmで30分間の遠心処理を行った。その後、120℃で1時間の加熱を行って樹脂を硬化させた。なお、得られた磁性粉/樹脂複合体の厚さは約7mmである。
磁性粉/樹脂複合体内で磁性体の分布(濃度)が3段階的に変化した比較例4を作製するため、この磁性粉/樹脂複合体の金型内における上部、中部、下部の部分を切り出し、それらの平均密度を、アルキメデス法により測定した。
次いで、磁性粉/樹脂複合体内での磁性粉の分布が一様であり、かつ充填密度が相違する3種の磁性粉/樹脂複合体を作製した。その上で、これら3種の磁性粉/樹脂複合体を適切な厚さに切断して(スライスして)磁性粉/樹脂複合体スライス片を作製し、さらに作製した磁性粉/樹脂複合体スライス片を入射面側から密度の小さい順に積層させて(張り合わせて)、全体として前記の内部の磁性粉の分布が連続的に変化している磁性粉/樹脂複合体の平均密度と同じ平均密度かつ厚さの磁性粉/樹脂複合体を作製した。なお、これら3種の磁性粉/樹脂複合体のスライス片の磁性粉の重量%は、密度が高いものから順に80重量%、30重量%、20重量%である。
図6に、磁性粉/樹脂複合体内での磁性粉の分布が連続的に変化する電波吸収体と、3段階で変化する電波吸収体の電波の吸収特性を測定した結果を比較しつつ示す。図6において、実線は磁性粉/樹脂複合体内での磁性粉の分布が連続的に変化する電波吸収体の測定結果であり、点線は3段階に変化する比較例4の測定結果である。
比較例4の電波吸収体においては、電波の入射面側から、順に磁性粉の分布が大きくなる(充填密度が大きくなる)順に磁性粉/樹脂複合体のスライス片を積層化し、全体としては厚さや磁性体の密度は同じであるにもかかわらず、実施例1から実施例3の電波吸収体に見られる特徴が見られなかった。即ち、比較例4の電波吸収体においては、周波数の増加と共に電波吸収能が増加していくことがなく、さらに20GHzを超えた点で電波吸収能の低下が認められることが判る。
さらに、磁性粉の充填率が0重量%、10重量%、20重量%、30重量%、40重量%、50重量%、60重量%、70重量%、80重量%、90重量%であり、かつその内部で磁性粉が均一に分散した磁性粉/樹脂複合体を作製し、さらにスライスし、その上で作製したこれらの磁性粉/樹脂複合体のスライス片を密度の少ないものから高いもの順に積層化して種々の電波吸収体を作製し、それらの電波の吸収特性を測定した。しかし、磁性粉/樹脂複合体の内部において磁性粉の分布(密度)が勾配化した(連続的に変化した)本発明の電波吸収体に特有の現象は認められなかった。
以上より、本発明の電波吸収体においては、磁性粉/樹脂複合体の内部で連続的に磁性粉の密度を増加させたため、入射した電波の無限に近い多重反射が生じ、その結果単純な積層化では得られない広帯域な電波吸収特性が得られることが判る。
(実施例5)
実施例5は、実施例4の磁性粉充填率で磁性粉の使用量を多くした上で、発泡ウレタン層の有無による相違を比較したものである。
カルボニル鉄粉0.6gを秤量し、これに、エポキシ樹脂主剤0.26gと硬化剤0.13gを添加し、均一になるまでメノウ乳鉢で混合した。この磁性粉と樹脂の混合流体を金型に流し込み、金型ごと回転速度4000rpmで20分間の遠心処理を行った。その後、加熱して樹脂を硬化させ、厚さ10mmの磁性粉/樹脂複合体を得た。
次に、この厚さが約10mmの磁性粉/樹脂複合体の電波の入射面側に厚さ2mmの発泡ウレタンの層を積層した付与した磁性粉/樹脂複合体も作製した。次に、厚さ10mmの磁性粉/樹脂複合体を使用した電波吸収体と、厚さ2mmの発泡ウレタンの層を付加(積層)した磁性粉/樹脂複合体を使用した電波吸収体を作製し、両方の電波の吸収特性を測定した。
測定結果を図7に示す。図7において、実線は発泡ウレタンの層が付加された電波吸収体の測定値であり、点線は付加されていない電波吸収体の測定値である。
実施例1と実施例2の電波吸収体に比較して磁性粉の密度が大かつ勾配が急ではあるが、何れの電波吸収体においても実施例1と実施例2の電波吸収体と同様に周波数の増加に伴って電波の吸収能力が増加する現象が認められる。
また、実施例2と同様に、発泡ウレタンの層が付加された電波吸収体は付加されていない電波吸収体に比較して電波を吸収するベースラインが低下し、吸収能力が向上しているのが認められる。その理由は、実施例2と同じ、即ち特性インピーダンスの項における誘電率と透磁率の比が1に近づくことで、空気の特性インピーダンスに対するマッチングが良好になるからである。
実施例5の電波吸収体においては、実施例1と実施例2に比べて、電波吸収体の磁性粉/樹脂複合体の厚さを増加させ、さらに樹脂の配合率(使用量)を低減させたため電気長の増加が効率良くなされており、その結果次世代の通信規格として期待されるUWB(3.1から10.6GHzまでの電波をデータ通信に一括して広帯域に使用)で使用される帯域幅の電波を、10mm程度と薄いにもかかわらず90%吸収することが可能な電波吸収体が得られることとなる。
(実施例6)
実施例6は、電波吸収体の磁性粉/樹脂複合体を積層構造としたものである。
図8に、実施例6の電波吸収体を、電波の進行方向に沿って切断した断面を概念的に示す。図8において、21は第1の磁性粉/樹脂複合体スライス片層であり、22は第2の磁性粉/樹脂複合体スライス片層であり、23は第3の磁性粉/樹脂複合体スライス片層であり、40は発泡ウレタン層であり、71と72は前記各層の境界面であり、81は磁性粉/樹脂複合体の電波の進行方向における密度分布を示す線であり、縦軸は密度を示す。
図8に示す様に、この電波吸収体は磁性粉/樹脂複合体が3層構造となっているが、その内部の密度分布は連続しており、さらに密度分布を示す線81は各磁性粉/樹脂複合体スライス片層21、22、23内で勾配(傾斜)が順に小さくなっている。
実施例6の電波吸収体の磁性粉/樹脂複合体50の製造は、発泡ウレタン層40と各磁性粉/樹脂複合体スライス片層21、22、23を個別に製造して積層することにより行った。
実施例6の電波吸収体も、前記各実施例の電波吸収体と同様に優れた電波の吸収特性を示した。
また、各磁性粉/樹脂複合体スライス片層21、22、23間の境界面71、72に多少の空気が存在しても性能に悪影響がなかった。
本発明の実施例1の電波吸収体の電波の進行方向に沿って切断した断面を、概念的に示す図である。 本発明の実施例1と比較例1の電波吸収体の性能試験の結果を示す図である。 本発明の実施例2の電波吸収体と実施例1の電波吸収体の性能試験の結果を示す図である。 本発明の実施例3の電波吸収体において、電波の進行方向に沿って磁性粉/樹脂複合体の密度が、即ち内部の磁性粉の分布(充填密度)が、増加する様子を示す図である。 本発明の実施例3と比較例3の電波吸収体の性能試験の結果を示す図である。 磁性粉/樹脂複合体内での磁性粉の分布が連続的に変化する電波吸収体と、3段階で変化する電波吸収体の電波の吸収特性を比較しつつ示す図である。 本発明の実施例5における発泡ウレタン層を付加した電波吸収体と、発泡ウレタン層を付加していない電波吸収体の電波の吸収特性を比較しつつ示す図である。 本発明の実施例6の電波吸収体の、電波の進行方向に直交する断面を概念的に示す図である。
符号の説明
10 粒子径が小さい球状ケイ素鋼磁性粉
11 粒子径が大きい球状ケイ素鋼磁性粉
20 硬化したエポキシ樹脂
21 第1の磁性粉/樹脂複合体スライス片層
22 第2の磁性粉/樹脂複合体スライス片層
23 第3の磁性粉/樹脂複合体スライス片層
30 アルミニウム箔
40 発泡ウレタン層
50 磁性粉/樹脂複合体
71、72 境界面
81 密度分布を示す線
91 電界強度を示す点線
92 磁界強度を示す破線

Claims (7)

  1. 樹脂中に磁性粉を、前記磁性粉の充填密度が電波の進行方向に沿って連続的に増加する様にして分散させた磁性粉/樹脂複合体を有していることを特徴とする電波吸収体。
  2. 比誘電率が5以下の樹脂中に磁性粉を、前記磁性粉の充填密度が電波の進行方向に沿って連続的に増加する様にして分散させ、さらに電波の入射面のインピーダンスが300Ω〜377Ωである磁性粉/樹脂複合体を有していることを特徴とする電波吸収体。
  3. 前記磁性粉/樹脂複合体の電波の入射面に低誘電率材料からなる層を有していることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電波吸収体。
  4. 前記樹脂は、エポキシ樹脂またはゴムのいずれかであることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の電波吸収体。
  5. 前記磁性粉/樹脂複合体は、積層構造であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の電波吸収体。
  6. 前記磁性粉は、形状若しくは材質の少なくとも一方が複数の種類の磁性粉であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の電波吸収体。
  7. 請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の電波吸収体の製造方法であって、
    前記磁性粉/樹脂複合体中の樹脂中に磁性粉を、前記磁性粉の充填密度が電波の進行方向に沿って連続的に増加する様にして分散させる手段として遠心力を用いることを特徴とする電波吸収体の製造方法。
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