JP2011192889A - カウンタマス装置およびステージ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ステージの重力方向の駆動に伴う振動が外部に伝達されるのを抑制することが可能なカウンタマス装置を提供する。
【解決手段】このカウンタマス装置100は、ステージ取付部11にバネ部材2を介して懸架されたカウンタマス部3と、アクチュエータ固定部12に設置され、カウンタマス部3に重力方向の推力を付与する磁気浮上ユニット6と、カウンタマス部3に設けられたステージ駆動部5と、ステージ駆動部5により重力方向に駆動されるステージ部4と、ステージ駆動部5によりステージ部4を重力方向に駆動する際の推力の反力に起因してカウンタマス部3が重力方向に移動する時に発生するバネ部材2の復元力を相殺する方向の推力を、磁気浮上ユニット6に発生させるように制御する制御部7とを備えている。
【選択図】図1
【解決手段】このカウンタマス装置100は、ステージ取付部11にバネ部材2を介して懸架されたカウンタマス部3と、アクチュエータ固定部12に設置され、カウンタマス部3に重力方向の推力を付与する磁気浮上ユニット6と、カウンタマス部3に設けられたステージ駆動部5と、ステージ駆動部5により重力方向に駆動されるステージ部4と、ステージ駆動部5によりステージ部4を重力方向に駆動する際の推力の反力に起因してカウンタマス部3が重力方向に移動する時に発生するバネ部材2の復元力を相殺する方向の推力を、磁気浮上ユニット6に発生させるように制御する制御部7とを備えている。
【選択図】図1
Description
本発明は、カウンタマス装置およびステージ装置に関し、特に、ステージの駆動に伴う振動を抑制するカウンタマス装置およびステージ装置に関する。
従来、ステージの駆動に伴う振動を抑制するカウンタマス装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
上記特許文献1には、レチクルステージ定盤上にエアベアリングを介して非接触で支持されたカウンタマス本体と、カウンタマス本体に設けられたリニアモータと、リニアモータにより水平方向に駆動されるレチクルステージとを備えたレチクルステージ装置(カウンタマス装置)が開示されている。このレチクルステージ装置では、カウンタマス本体をエアベアリングにより水平方向に移動可能に支持することによって、リニアモータがレチクルステージを水平方向に駆動させる際の推力の反力によりレチクルステージの駆動方向とは反対方向にカウンタマス本体が移動される。これにより、レチクルステージの水平方向の駆動による反力がカウンタマス本体により相殺されるので、カウンタマス本体からレチクルステージ定盤に反力が伝達されるのが抑制される。その結果、レチクルステージの水平方向の駆動に伴う反力に起因してレチクルステージ定盤が振動するのを抑制することが可能となる。
また、従来では、重力方向の重量をキャンセル(補償)する手段としてカウンタマス(カウンタウェイト)を用いるZ軸型ステージも知られている(たとえば、特許文献2参照)。
上記特許文献2によるZ軸型ステージでは、Z軸ステージとZ軸ステージの搭載物とを含むステージ全体の重さにバランスするカウンタマスを用いることにより、Z軸ステージの自重をキャンセル(補償)している。すなわち、Z軸ステージおよびカウンタマスをそれぞれ連結部材の一方端および他方端に接続するとともに、滑車に連結部材を巻回した状態でZ軸ステージを連結部材の一方端から下方に吊り下げる一方、連結部材の他方端から下方に吊り下げたカウンタマスによりZ軸ステージの自重をキャンセルしている。これにより、Z軸ステージを駆動するアクチュエータを小さくすることが可能となる。
しかしながら、上記特許文献1のレチクルステージ装置では、レチクルステージの水平方向の駆動に伴う振動がレチクルステージ定盤に伝達されるのを抑制可能である一方、レチクルステージの重力方向の駆動に伴う振動がレチクルステージ定盤に伝達されるのを抑制することはできないという問題点がある。
また、上記特許文献2のZ軸型ステージでは、カウンタマスを用いることによりZ軸ステージ全体の重量をキャンセルしてZ軸ステージを駆動するアクチュエータを小さくすることが可能である一方、Z軸ステージの重力方向の駆動時にZ軸ステージを駆動するアクチュエータが発生した反力は滑車を支持している部材を通じて床面に伝達されるので、床面が振動してしまうという問題点がある。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、ステージの重力方向の駆動に伴う振動が外部に伝達されるのを抑制することが可能なカウンタマス装置およびステージ装置を提供することである。
上記目的を達成するために、この発明の第1の局面におけるカウンタマス装置は、ステージ取付部に弾性部材を介して懸架された第1ステージと、アクチュエータ固定部に設置され、第1ステージに重力方向の推力を付与する第1アクチュエータと、第1ステージに設けられた第2アクチュエータと、第2アクチュエータにより重力方向に駆動される第2ステージと、第2アクチュエータにより第2ステージを重力方向に駆動する際の推力の反力に起因して第1ステージが重力方向に移動する時に発生する弾性部材の復元力を相殺する方向の推力を、第1アクチュエータに発生させるように制御する制御部とを備えている。
この発明の第1の局面によるカウンタマス装置では、上記のように、第1ステージに重力方向の推力を付与する第1アクチュエータを設けるとともに、第2アクチュエータにより第2ステージを重力方向に駆動する際の推力の反力によって第1ステージが重力方向に移動する時に発生する弾性部材の復元力を相殺する方向の推力を第1アクチュエータに発生させるように制御する制御部を設けることによって、第2ステージの重力方向の駆動に伴って第1ステージが移動する時に発生する弾性部材の復元力が第1アクチュエータにより発生する推力により相殺されるので、弾性部材の復元力により生じる振動がステージ取付部に伝達されるのを抑制することができる。これにより、第2ステージの重力方向の駆動に伴う振動がステージ取付部を介して外部に伝達されるのを抑制することができる。その結果、第2ステージの重力方向の駆動に伴う振動が外部(床面)に伝達されることに起因する装置全体の振動を抑制することができる。
上記第1の局面によるカウンタマス装置において、好ましくは、弾性部材はバネ部材であり、制御部は、第1ステージが重力方向に移動する時に発生するバネ部材の復元力に対応するバネ部材の張力の変化分を相殺する方向の推力を第1アクチュエータに発生させるように構成されている。このように構成すれば、第1ステージを簡易な構成のバネ部材により懸架することができるとともに、バネ部材の復元力に対応するバネ部材の張力の変化分を第1アクチュエータにより発生する推力により相殺することができるので、バネ部材の復元力により生じる振動がステージ取付部に伝達されるのを抑制することができる。これにより、第1ステージを簡易な構成のバネ部材により懸架しながら、第2ステージの重力方向の駆動に伴う振動がステージ取付部を介して外部に伝達されるのを抑制することができる。
この場合、好ましくは、バネ部材の変位量を測定する測定手段をさらに備え、制御部は、測定手段により測定されたバネ部材の変位量とバネ部材のバネ定数とに基づいてバネ部材の復元力を算出し、算出したバネ部材の復元力を相殺する方向の推力を第1アクチュエータに発生させるように構成されている。このように構成すれば、制御部により、バネ部材の変位量とバネ部材のバネ定数とに基づいてバネ部材の復元力を容易に算出することができるので、算出したバネ部材の復元力を相殺する方向の推力を第1アクチュエータに発生させてバネ部材の復元力を容易に相殺することができる。これにより、第2ステージの重力方向の駆動に伴う振動がステージ取付部を介して外部に伝達されるのを容易に抑制することができる。
上記測定手段を備えた構成において、好ましくは、測定手段は、バネ部材の変位量に対応する第1ステージの変位量を測定する変位センサを含み、制御部は、変位センサにより測定された第1ステージの変位量と、バネ部材のバネ定数とに基づいてバネ部材の復元力を算出し、算出したバネ部材の復元力を相殺する方向の推力を第1アクチュエータに発生させるように構成されている。このように構成すれば、変位センサにより第1ステージの変位量を測定してバネ部材の変位量を容易に得ることができるので、制御部により、バネ部材の変位量とバネ部材のバネ定数とに基づいてバネ部材の復元力をより容易に算出することができる。
上記弾性部材がバネ部材である構成において、好ましくは、バネ部材は引張りコイルバネである。このように構成すれば、第1ステージの重量により引張りコイルバネに第1ステージを懸架する鉛直上方向への張力が発生するので、第2ステージの重力方向の駆動に伴って第1ステージが移動する際に、鉛直上方向への張力の変化分を相殺する方向の推力を第1アクチュエータに発生させて引張りコイルバネの復元力を相殺することができる。
上記第1の局面によるカウンタマス装置において、好ましくは、制御部は、弾性部材の復元力と逆方向で略同じ大きさの推力を第1アクチュエータに発生させるように構成されている。このように構成すれば、第1アクチュエータにより弾性部材の復元力が略完全に相殺されるので、弾性部材の復元力により生じる振動がステージ取付部に伝達されるのを有効に防止することができる。これにより、第2ステージの重力方向の駆動に伴う振動が外部に伝達されるのをより有効に抑制することができる。
上記第1の局面によるカウンタマス装置において、好ましくは、アクチュエータ固定部およびステージ取付部は、一体的に形成されているとともに、鉛直方向に所定の間隔を隔てて配置されている。このように構成すれば、アクチュエータ固定部およびステージ取付部を一体的に形成して剛性を高めることができるので、ステージ取付部に取り付けられた弾性部材から伝達される力によってステージ取付部が変位してしまうのを抑制することができる。これにより、第1ステージに設けられた第2アクチュエータによって第2ステージを重力方向に精度よく駆動させることができる。また、アクチュエータ固定部およびステージ取付部を一体的に形成して鉛直方向に所定の間隔を隔てて配置することによって、弾性部材からステージ取付部に加わる力の変化分とアクチュエータ固定部に加わる第1アクチュエータの反力とが常に相殺されるので、アクチュエータ固定部とステージ取付部とを一体化した部材を介して外部に第1アクチュエータの反力が伝わるのを抑制することができる。これにより、第2ステージの重力方向の駆動のみならず第1アクチュエータの駆動に伴う振動がアクチュエータ固定部およびステージ取付部を一体化した部材を介して外部に伝達されるのをより抑制することができる。また、アクチュエータ固定部およびステージ取付部を一体的に形成してカウンタマス装置の構造を簡素化することができる。
この場合、好ましくは、アクチュエータ固定部は、ステージ取付部の下方で、かつ、ステージ取付部に対して鉛直方向に所定の間隔を隔てて対向する位置に配置されている。このように構成すれば、アクチュエータ固定部およびステージ取付部の間で、弾性部材および第1アクチュエータを同一の鉛直線上に配置することができるので、弾性部材からステージ取付部に加わる力の変化分とアクチュエータ固定部に加わる第1アクチュエータの反力とを同一の鉛直線上で相殺することができ、その結果、ステージ取付部とアクチュエータ固定部とを一体化した部材にねじれなどが発生するのを抑制することができる。
上記第1の局面によるカウンタマス装置において、好ましくは、制御部は、第1アクチュエータを用いて定期的に第1ステージの重力方向の位置を補正するように構成されている。このように構成すれば、外乱により第1ステージの重力方向の位置がずれる場合でも、弾性部材の復元力を相殺する第1アクチュエータを用いて第1ステージの位置を補正することができるので、位置補正用のアクチュエータを別途設けることなく、所望の位置に第1アクチュエータを配置させることができる。
この発明の第2の局面におけるステージ装置は、ステージ取付部に弾性部材を介して懸架されたカウンタマス部と、アクチュエータ固定部に設置され、カウンタマス部に重力方向の推力を付与する第1アクチュエータと、カウンタマス部に設けられた第2アクチュエータと、第2アクチュエータにより重力方向に駆動され、試料を保持する試料保持テーブルと、第2アクチュエータにより試料保持テーブルを重力方向に駆動する際の推力の反力に起因してカウンタマス部が重力方向に移動する時に発生する弾性部材の復元力を相殺する方向の推力を、第1アクチュエータに発生させるように制御する制御部とを備えている。
この発明の第2の局面によるステージ装置では、上記のように、カウンタマス部に重力方向の推力を付与する第1アクチュエータを設けるとともに、第2アクチュエータにより試料保持テーブルを重力方向に駆動する際の推力の反力によってカウンタマス部が重力方向に移動する時に発生する弾性部材の復元力を相殺する方向の推力を第1アクチュエータに発生させるように制御する制御部を設けることによって、試料保持テーブルの重力方向の駆動に伴ってカウンタマス部が移動する時に発生する弾性部材の復元力が第1アクチュエータにより発生する推力により相殺されるので、弾性部材の復元力により生じる振動がステージ取付部に伝達されるのを抑制することができる。これにより、試料保持テーブルの重力方向の駆動に伴う振動がステージ取付部を介して外部に伝達されるのを抑制することができる。その結果、試料保持テーブルの重力方向の駆動に伴う振動が外部(床面)に伝達されることに起因する装置全体の振動を抑制することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
図1を参照して、本発明の第1実施形態によるカウンタマス装置100の構成について説明する。
図1を参照して、本発明の第1実施形態によるカウンタマス装置100の構成について説明する。
本発明の第1実施形態によるカウンタマス装置100は、図1に示すように、水平方向に見て略C字形状を有する固定台1と、固定台1にバネ部材2を介して懸架された枠形状のカウンタマス部3と、カウンタマス部3の内部に配置されたステージ部4とを備えている。なお、バネ部材2は、本発明の「弾性部材」の一例であり、カウンタマス部3は、本発明の「第1ステージ」の一例である。また、ステージ部4は、本発明の「第2ステージ」の一例である。
固定台1は、上部に設けられたステージ取付部11と、下部に設けられたアクチュエータ固定部12と、ステージ取付部11およびアクチュエータ固定部12を連結する連結部13とを含んでいる。また、ステージ取付部11、アクチュエータ固定部12および連結部13は、一体的に形成されており、固定台1は高い剛性を有している。また、この固定台1は、金属(たとえば、ステンレス鋼)により形成されている。また、ステージ取付部11は、連結部13の上端部から水平方向(X方向の一方側)に延びるように形成されている。また、アクチュエータ固定部12は、連結部13の下端部からステージ取付部11と同じ水平方向(X方向の一方側)に延びるように形成されている。また、アクチュエータ固定部12は、ステージ取付部11に対して鉛直方向(Z方向)に所定の間隔を隔てて対向するように配置されている。また、アクチュエータ固定部12は、水平に形成された床面110(外部)に下面が当接するように設置されている。また、連結部13は、鉛直方向(Z方向)に延びるように形成されている。
バネ部材2の上端部2aは、固定台1のステージ取付部11の下面のバネ取付部11aに取り付けられている。また、バネ部材2の下端部2bには、カウンタマス部3が取り付けられている。また、バネ部材2は、引張りコイルバネである。すなわち、バネ部材2は、下端部2bに取り付けられたカウンタマス部3に対する重力に抗して、鉛直上方向への張力によりカウンタマス部3を懸架するように構成されている。
カウンタマス部3は、矩形形状の外形を有するとともに、内側に矩形形状の開口部31を有している。また、カウンタマス部3は、上面にバネ部材2の下端部2bが取り付けられており、固定台1のステージ取付部11に吊り下げられている。また、カウンタマス部3は、バネ部材2の鉛直上方向(Z1方向)への張力とカウンタマス部3の重量とが釣り合う位置で静止している。第1実施形態では、この釣り合い位置に位置するカウンタマス部3の中心部3aを通る水平方向の直線を重力方向(Z方向)における基準線とする。また、カウンタマス部3の開口部31のX方向の両側面(外側面)には、それぞれ、ステージ部4を重力方向(鉛直方向、Z方向)に駆動するための一対のステージ駆動部5の各々を構成するステージ駆動固定子51が取り付けられている。なお、一対のステージ駆動部5は、ボイスコイルモータである。また、ステージ駆動部5は、本発明の「第2アクチュエータ」の一例である。
ステージ部4は、カウンタマス部3の開口部31の内側に配置されている。また、ステージ部4は、矩形形状に形成されている。また、ステージ部4のX方向の両側面には、一対のステージ駆動部5の各々を構成するステージ駆動可動子52が取り付けられている。また、各ステージ駆動可動子52は、対応するステージ駆動固定子51に水平方向に対向するように配置されている。また、ステージ部4は、一対のステージ駆動部5により、カウンタマス部3の開口部31内でカウンタマス部3に非接触状態で支持されている。また、ステージ部4の中心部4aは、重力方向(Z方向)における基準線上に配置されている。
また、カウンタマス装置100は、カウンタマス部3の下方に設けられた磁気浮上ユニット6をさらに備えている。磁気浮上ユニット6は、ボイスコイルモータからなり、カウンタマス部3を重力方向(鉛直方向)に駆動する機能を有している。また、磁気浮上ユニット6は、アクチュエータ固定部12の上面上に設置された浮上ユニット固定子61と、カウンタマス部3の下面に取り付けられた浮上ユニット可動子62とにより構成されている。浮上ユニット固定子61および浮上ユニット可動子62は、互いに鉛直方向に対向するように配置されている。また、浮上ユニット固定子61はコイルからなり、浮上ユニット可動子62は永久磁石からなる。また、磁気浮上ユニット6は、バネ部材2と同一の鉛直線C(図1参照)上に配置されている。さらに、浮上ユニット固定子61の水平方向の中心は、バネ部材2の上端部2aが取り付けられるステージ取付部11のバネ取付部11aを通る鉛直線C(図1参照)上に配置されている。より詳細には、非駆動状態(初期状態)において、バネ取付部11aを通る鉛直線C上には、カウンタマス部3の中心部3a、ステージ部4の中心部4aおよび磁気浮上ユニット6の重力方向の推力の中心が位置するように構成されている。なお、磁気浮上ユニット6は、本発明の「第1アクチュエータ」の一例である。
また、磁気浮上ユニット6の浮上ユニット固定子61には、浮上ユニット固定子61に流れる電流を調整する制御部7が電気的に接続されている。また、制御部7には、カウンタマス部3の上方に配置され、カウンタマス部3の重力方向の変位量を測定するギャップセンサ8が電気的に接続されている。カウンタマス部3の重力方向の変位量はバネ部材2の変位量に対応しているため、ギャップセンサ8は間接的にバネ部材2の変位量を測定している。また、ギャップセンサ8は、固定台1の連結部13に固定的に取り付けられ、カウンタマス部3の上面に対向するように配置されている。なお、ギャップセンサ8は、本発明の「測定手段」および「変位センサ」の一例である。また、制御部7は、浮上ユニット固定子61に流れる電流を調整することによって、磁気浮上ユニット6がカウンタマス部3に対して付与する重力方向の推力を調整するように構成されている。
ここで、第1実施形態では、制御部7は、後述するように、ステージ部4の重力方向への駆動の反力に起因してカウンタマス部3が重力方向に移動する際に、バネ部材2に発生する復元力を相殺する推力を磁気浮上ユニット6に発生させるように構成されている。すなわち、制御部7は、ギャップセンサ8により測定されたバネ部材2の変位量(x)とバネ部材2のバネ定数(k)とに基づいてバネ部材2の復元力(F=kx)を算出するように構成されている。そして、制御部7は、算出したバネ部材2の復元力を相殺する推力を磁気浮上ユニット6に発生させる。この際、磁気浮上ユニット6に発生させる推力は、バネ部材2の復元力と同じ大きさで、かつ、復元力と逆方向になるように調整される。
また、制御部7は、磁気浮上ユニット6を用いてカウンタマス部3の重力方向の位置を補正するように構成されている。具体的には、ステージ部4の重力方向への駆動の反力に起因してカウンタマス部3が重力方向に移動する際に、カウンタマス部3に接続される図示しないケーブルなどの影響(たとえば、ケーブルから加わる外力)により、カウンタマス部3が所望の位置に移動されずに位置ずれしてしまう場合がある。このため、制御部7は、磁気浮上ユニット6の推力を調整してカウンタマス部3を所望の位置まで移動する位置補正を行うように構成されている。また、制御部7は、上記したカウンタマス部3の重力方向の位置補正を、磁気浮上ユニット6を用いて定期的に(たとえば、制御部7による制御周期と同じ約0.1sec間隔(周期)で)行うように構成されている。また、ステージ部4の駆動時に限らず、カウンタマス部3に対してケーブルなどから外力が加えられる場合があり、このような場合にも、その外力を相殺するように磁気浮上ユニット6に推力を発生させて定期的に位置補正を行うように構成されている。なお、カウンタマス部3に対してケーブルなどから常時所定の大きさの外力が加えられている場合には、その所定の大きさの外力を相殺する推力を磁気浮上ユニット6に常時発生させるようにしてもよい。これにより、ケーブルなどの影響によりカウンタマス部3の位置がずれてしまうのを抑制可能である。
次に、図2〜図4を参照して、第1実施形態によるカウンタマス装置100のステージ部4を重力方向に駆動する際の動作について説明する。ここでは、カウンタマス部3の中心部3aおよびステージ部4の中心部4aが重力方向(Z方向)における基準線上に位置する状態(図2に示す状態)を初期状態として説明する。また、図2〜図4には、各状態における、ステージ取付部11に作用する力およびカウンタマス部3に作用する力の状態を図示している。
まず、初期状態において、カウンタマス部3には、図2に示すように、重力による鉛直下方向の力(重量)と、重力による力(重量)の大きさと同じ大きさのバネ部材2による鉛直上方向の力(張力)とが作用している。これにより、カウンタマス部3は、重力方向において釣り合い状態(静止状態)にある。また、ステージ取付部11には、カウンタマス部3に作用する鉛直上方向の力(張力)と同じ大きさで逆方向(鉛直下方向)の力(バネ部材2の張力)が作用している。
そして、図3に示すように、初期状態から一対のステージ駆動部5によりステージ部4を鉛直下方向(Z2方向)に駆動(移動)させると、ステージ部4の鉛直下方向(Z2方向)への駆動(移動)に伴って2つのステージ駆動固定子51に鉛直上方向(Z1方向)の反力が発生する。これにより、カウンタマス部3が鉛直上方向(Z1方向)に移動され、カウンタマス部3の移動量分だけバネ部材2が縮む(バネ部材2の伸び量が小さくなる)。その結果、バネ部材2の張力が小さくなる。
この際、カウンタマス部3には、初期状態と同じ大きさの重力による鉛直下方向の力(重量)と、初期状態の張力よりも小さいバネ部材2による鉛直上方向の力(張力)とが作用している。すなわち、初期状態に対して、重力による鉛直下方向の力(重量)の大きさは変化しない一方、バネ部材2による鉛直上方向の力(張力)はバネ部材2が縮んだ分小さくなる。また、ステージ取付部11のバネ取付部11aに作用するバネ部材2による鉛直下方向の張力も、カウンタマス部3に作用するバネ部材2の張力と同様に、バネ部材2が縮んだ分小さくなる。このとき、カウンタマス部3は、重力方向において不釣り合い状態となり、バネ部材2には、カウンタマス部3を釣り合い状態に戻そうとするZ2方向(鉛直下方向)の復元力が発生する。
ここで、第1実施形態では、図4に示すように、制御部7により、カウンタマス部3に作用するバネ部材2による張力の変化分(復元力)を補うように磁気浮上ユニット6に重力方向(鉛直方向)の推力を発生させる。すなわち、制御部7は、カウンタマス部3を釣り合い状態に戻すバネ部材2のZ2方向(鉛直下方向)の復元力を相殺するように磁気浮上ユニット6にZ1方向(鉛直上方向)の推力を発生させる。より詳細には、制御部7は、ギャップセンサ8により測定されるバネ部材2の変位量(x)とバネ部材2のバネ定数(k)とに基づいてバネ部材2の復元力(F=kx)(初期状態(釣り合い状態)からの張力の変化分)を算出し、このZ2方向の復元力を相殺するように磁気浮上ユニット6にZ1方向の推力を発生させる。
このとき、カウンタマス部3には、重力による初期状態と同じ所定の大きさの鉛直下方向の力(重量)と、バネ部材2が縮んだ分小さくなった鉛直上方向の力(張力)とに加えて、バネ部材2の復元力(初期状態(釣り合い状態)からの張力の変化分)と同じ大きさの磁気浮上ユニット6による鉛直上方向(Z1方向)の推力が作用する。これにより、カウンタマス部3は、移動後の位置において釣り合い状態(静止状態)となる。すなわち、磁気浮上ユニット6による推力により、バネ部材2の復元力が完全に相殺されてカウンタマス部3は移動後の位置で静止する。なお、ステージ取付部11のバネ取付部11aには、バネ部材2が縮んだ分小さくなった鉛直下方向の力(張力)が作用している。
また、磁気浮上ユニット6により発生する鉛直上方向(Z1方向)の推力に起因してアクチュエータ固定部12には鉛直下方向(Z2方向)の反力が作用する。この反力の大きさは、磁気浮上ユニット6による鉛直上方向(Z1方向)の推力の大きさと同じであり、バネ部材2の張力の変化分と同じである。これにより、高剛性に構成した固定台1において、ステージ取付部11のバネ取付部11aに作用するバネ部材2の張力の変化分(鉛直上方向の力)とアクチュエータ固定部12に作用する鉛直下方向(Z2方向)の反力とが鉛直線C上で相殺される。したがって、床面110には、磁気浮上ユニット6による鉛直上方向(Z1方向)の推力に伴う鉛直下方向(Z2方向)の反力は伝達されない。すなわち、床面110に作用する力は、初期状態の場合から変化しない。上記の構成により、ステージ部4を重力方向(Z方向)に駆動した場合でも、床面110(外部)に伝達される力を変動させないようにすることが可能である。なお、ステージ駆動部5により、ステージ部4を鉛直上方向(Z1方向)に駆動させる場合は、バネ部材2による復元力および磁気浮上ユニット6に発生させる推力の方向が上述の場合とは逆になる。すなわち、バネ部材2にはカウンタマス部3を釣り合い状態に戻そうとするZ1方向(鉛直上方向)の復元力が発生するので、そのZ1方向の復元力を相殺するように磁気浮上ユニット6にZ2方向(鉛直下方向)の推力を発生させる。
第1実施形態では、上記のように、カウンタマス部3に重力方向の推力を付与する磁気浮上ユニット6を設けるとともに、ステージ駆動部5によりステージ部4を重力方向に駆動する際の推力の反力によってカウンタマス部3が重力方向に移動する時に発生するバネ部材2の復元力を相殺する方向の推力を磁気浮上ユニット6に発生させるように制御する制御部7を設けることによって、ステージ部4の重力方向の駆動に伴ってカウンタマス部3が移動する時に発生するバネ部材2の復元力が磁気浮上ユニット6により発生する推力により相殺されるので、バネ部材2の復元力により生じる振動がステージ取付部11に伝達されるのを抑制することができる。これにより、ステージ部4の重力方向の駆動に伴う振動がステージ取付部11を介して床面110(外部)に伝達されるのを抑制することができる。その結果、ステージ部4の重力方向の駆動に伴う振動が床面110(外部)に伝達されることに起因する装置全体の振動を抑制することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、制御部7により、カウンタマス部3が重力方向に移動する時に発生するバネ部材2の復元力に対応するバネ部材2の張力の変化分を相殺する方向の推力を磁気浮上ユニット6に発生させることによって、バネ部材2の復元力により生じる振動がステージ取付部11に伝達されるのを抑制することができる。これにより、カウンタマス部3を簡易な構成のバネ部材2により懸架しながら、ステージ部4の重力方向の駆動に伴う振動がステージ取付部11を介して床面110(外部)に伝達されるのを抑制することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、バネ部材2の変位量を測定するギャップセンサ8を設け、制御部7により、ギャップセンサ8により測定されたバネ部材2の変位量(x)とバネ部材2のバネ定数(k)とに基づいてバネ部材2の復元力(F=kx)を算出し、算出したバネ部材2の復元力を相殺する方向の推力を磁気浮上ユニット6に発生させることによって、制御部7により、バネ部材2の変位量(x)とバネ部材2のバネ定数(k)とに基づいてバネ部材2の復元力(F=kx)を容易に算出することができるので、算出したバネ部材2の復元力を相殺する方向の推力を磁気浮上ユニット6に発生させてバネ部材2の復元力を容易に相殺することができる。これにより、ステージ部4の重力方向の駆動に伴う振動がステージ取付部11を介して床面110(外部)に伝達されるのを容易に抑制することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、制御部7により、バネ部材2の復元力と逆方向で同じ大きさの推力を磁気浮上ユニット6に発生させることによって、磁気浮上ユニット6によりバネ部材2の復元力が略完全に相殺されるので、バネ部材2の復元力により生じる振動がステージ取付部11に伝達されるのを有効に防止することができる。これにより、ステージ部4の重力方向の駆動に伴う振動が床面110(外部)に伝達されるのをより有効に抑制することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、アクチュエータ固定部12およびステージ取付部11を、一体的に形成するとともに、鉛直方向に所定の間隔を隔てて配置することによって、アクチュエータ固定部12およびステージ取付部11を一体的に形成して剛性を高めることができるので、ステージ取付部11のバネ取付部11aに取り付けられたバネ部材2から伝達される力によってステージ取付部11が変位してしまうのを抑制することができる。これにより、カウンタマス部3に設けられたステージ駆動部5によってステージ部4を重力方向に精度よく駆動させることができる。また、アクチュエータ固定部12およびステージ取付部11を一体的に形成して鉛直方向に所定の間隔を隔てて配置することによって、バネ部材2からステージ取付部11に加わる張力の変化分とアクチュエータ固定部12に加わる磁気浮上ユニット6の反力とが常に相殺されるので、アクチュエータ固定部12とステージ取付部11とが一体化された固定台1を介して床面110(外部)に磁気浮上ユニット6の反力が伝わるのを抑制することができる。これにより、ステージ部4の重力方向の駆動のみならず磁気浮上ユニット6の駆動に伴う振動がアクチュエータ固定部12およびステージ取付部11が一体化された固定台1を介して床面110(外部)に伝達されるのをより抑制することができる。また、アクチュエータ固定部12およびステージ取付部11を一体的に形成してカウンタマス装置100の構造を簡素化することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、アクチュエータ固定部12を、ステージ取付部11の下方で、かつ、ステージ取付部11に対して鉛直方向に所定の間隔を隔てて対向する位置に配置することによって、アクチュエータ固定部12およびステージ取付部11の間で、バネ部材2および磁気浮上ユニット6を同一の鉛直線C上に配置することができるので、バネ部材2からステージ取付部11に加わる張力の変化分とアクチュエータ固定部12に加わる磁気浮上ユニット6の反力とを同一の鉛直線C上で相殺することができる。その結果、ステージ取付部11とアクチュエータ固定部12とが一体化された固定台1にねじれなどが発生するのを抑制することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、磁気浮上ユニット6を用いて定期的にカウンタマス部3の重力方向の位置を補正することによって、外乱(ケーブルなどの影響)によりカウンタマス部3の重力方向の位置がずれる場合でも、バネ部材2の復元力を相殺する磁気浮上ユニット6を用いてカウンタマス部3の位置を補正することができるので、位置補正用のアクチュエータを別途設けることなく、所望の位置に磁気浮上ユニット6を配置させることができる。
(第2実施形態)
次に、図5および図6を参照して、第2実施形態について説明する。この第2実施形態では、上記第1実施形態のカウンタマス装置100と同様の構成のカウンタマス装置100aをステージ装置200に適用した場合について説明する。なお、第2実施形態では、上記第1実施形態と同じ構成については同じ符号を付してその説明を省略する。
次に、図5および図6を参照して、第2実施形態について説明する。この第2実施形態では、上記第1実施形態のカウンタマス装置100と同様の構成のカウンタマス装置100aをステージ装置200に適用した場合について説明する。なお、第2実施形態では、上記第1実施形態と同じ構成については同じ符号を付してその説明を省略する。
本発明の第2実施形態によるステージ装置200は、半導体基板に回路パターンを現像する露光装置に用いられるものであり、回路パターンに対応するパターンが設けられたマスク300を保持可能に構成されている。また、ステージ装置200は、図5および図6に示すように、ステージ装置200の四隅に配置された4つのカウンタマス装置100aと、4つのカウンタマス装置100aの各々を支持する4つのエアベアリング装置210とを備えている。なお、マスク300は、本発明の「試料」の一例である。
図5に示すように、4つのカウンタマス装置100aの各々に設けられたバネ部材2(4箇所)により、1つのカウンタマス部203が懸架されている。カウンタマス部203は、水平に配置された底面部203aと、底面部203aから鉛直上方向に延びるように形成された側面部203bと、側面部203bの上端部を連結するように設けられた上面部203cとを含んでいる。上面部203cの上面は、図5および図6に示すように、X方向の両側で面取りされており、Y方向に延びる傾斜面203dが形成されている。また、カウンタマス部203の中央部には、図5に示すように、底面部203a、側面部203bおよび上面部203cにより取り囲まれた鉛直上方向(Z1方向)に突出する凸形状のテーブル配置空間203eが形成されている。また、カウンタマス部203は、4つのバネ部材2の鉛直上方向(Z1方向)への張力とカウンタマス部203の重量とが釣り合う位置で静止している。
また、カウンタマス部203のテーブル配置空間203eには、マスク300を保持するテーブル204が設けられている。また、テーブル204は、図6に示すように、平面的に見て、矩形形状を有している。また、テーブル204は、カウンタマス部203のテーブル配置空間203e内でカウンタマス部203に非接触状態で配置されている。また、テーブル204は、静電チャックにより下面にマスク300を保持している。なお、テーブル204は、本発明の「試料保持テーブル」の一例である。
また、カウンタマス部203のテーブル配置空間203eには、テーブル204をX方向およびZ方向に動作させるボイスコイルモータからなるXZアクチュエータ205と、テーブル204をY方向に駆動する図示しないYリニアモータとが設置されている。XZアクチュエータ205は、Y方向に延びる2本のアクチュエータ固定子205aと、テーブル204の上面上の四隅に設置された4つのアクチュエータ可動子205bとにより構成されている。2本のアクチュエータ固定子205aは、それぞれ、X1方向に配置された2つのアクチュエータ可動子205bおよびX2方向に配置された2つのアクチュエータ可動子205bに対して重力方向(鉛直方向)に対向するようにカウンタマス部203のテーブル配置空間203eの上側面に取り付けられている。また、XZアクチュエータ205は、4つのアクチュエータ可動子205bにおける推力を調整して、X方向、Z方向、X軸回り方向(θx)、Y軸回り方向(θy)およびZ軸回り方向(θz)にテーブル204を動作することが可能に構成されている。これにより、XZアクチュエータ205およびYリニアモータ(図示せず)を駆動して、テーブル204を、X方向、Y方向、Z方向、X軸回り方向(θx)、Y軸回り方向(θy)およびZ軸回り方向(θz)の6自由度で動作可能である。なお、XZアクチュエータ205は、本発明の「第2アクチュエータ」の一例である。
また、4つのカウンタマス装置100aの4つのバネ部材2の下方には、4つの磁気浮上ユニット6が設置されている。各浮上ユニット固定子61は、対応する固定台1のアクチュエータ固定部12の上面上に設置されている。また、各浮上ユニット可動子62は、対応する浮上ユニット固定子61に対して鉛直方向に対向するように、カウンタマス部203の底面部203aの下面に取り付けられている。また、各磁気浮上ユニット6は、対応するバネ部材2と同一の鉛直線C上に配置されている。さらに、各浮上ユニット固定子61の水平方向の中心は、対応するバネ部材2の上端部2aが取り付けられるステージ取付部11のバネ取付部11aを通る鉛直線C上に配置されている。より詳細には、バネ取付部11aを通る鉛直線C上には、磁気浮上ユニット6の重力方向の推力の中心が位置するように構成されている。
4つのエアベアリング装置210は、図5に示すように、Y方向から見て、略C字形状に形成されており、4つのカウンタマス装置100aを外側から取り囲むように床面110上に設置されている。また、4つのエアベアリング装置210は、4つのカウンタマス装置100aを非接触状態で支持している。
また、図6に示すように、カウンタマス部203の外側には、カウンタマス部203をX方向に動作する1つのXアクチュエータ220と、カウンタマス部203をY方向に動作する2つのYアクチュエータ230とが設けられている。Xアクチュエータ220は、ボイスコイルモータからなり、カウンタマス部203のX2方向側に設置されている。また、2つのYアクチュエータ230は、ボイスコイルモータからなり、カウンタマス部203のY2方向側に所定間隔を隔てて設置されている。これにより、4つの磁気浮上ユニット6、1つのXアクチュエータ220、および、2つのYアクチュエータ230を制御して、カウンタマス部203をX方向、Y方向、Z方向、X軸回り方向(θx)、Y軸回り方向(θy)およびZ軸回り方向(θz)の6自由度で動作可能である。
また、第2実施形態においても、上記第1実施形態と同様に、制御部7(図1参照)は、4つのギャップセンサ8により測定された4つのバネ部材2の変位量(x)とバネ部材2のバネ定数(k)とに基づいて4つのバネ部材2の復元力(F=kx)を算出するように構成されている。そして、制御部7は、算出した各バネ部材2の復元力が相殺される推力を対応する磁気浮上ユニット6に発生させる。この際、各磁気浮上ユニット6に発生させる推力は、対応するバネ部材2の復元力と逆方向で同じ大きさになるように調整される。
また、テーブル204の水平方向への駆動時の反力によりカウンタマス部203が水平方向に移動する際に、カウンタマス部203に接続されたケーブルなどの影響(たとえば、ケーブルから加わる外力)により、カウンタマス部203が水平方向の所望の位置に移動されずに位置ずれしてしまう場合がある。このため、制御部7は、Xアクチュエータ220および2つのYアクチュエータ230の推力を調整してカウンタマス部203を所望の位置まで移動する位置補正を行うように構成されている。さらに、テーブル204の水平方向への駆動時の反力によりカウンタマス部203が水平方向に移動する際に鉛直方向(Z方向)に傾いてしまう場合には、制御部7は、4つの磁気浮上ユニット6の推力を制御してカウンタマス部203が所望の姿勢となるように補正を行う。
また、テーブル204の重力方向への駆動時の反力によりカウンタマス部203が重力方向に移動する際に、カウンタマス部203に接続されたケーブルなどの影響(たとえば、ケーブルから加わる外力)により、カウンタマス部203が重力方向の所望の位置に移動されずに位置ずれしてしまう場合がある。このため、制御部7は、4つの磁気浮上ユニット6の推力を制御してカウンタマス部203を所望の位置まで移動する位置補正を行うように構成されている。また、制御部7は、上記した水平方向および重力方向の位置補正を定期的に(たとえば、制御部7による制御周期と同じ約0.1sec間隔(周期)で)行うように構成されている。
次に、図5および図6を参照して、第2実施形態によるステージ装置200のテーブル204を駆動する際の動作について説明する。なお、4つのバネ部材2の鉛直上方向(Z1方向)への張力とカウンタマス部203の重量とが釣り合う位置にカウンタマス部203が位置する状態を初期状態とする。
まず、XZアクチュエータ205およびYリニアモータ(図示せず)により、テーブル204を水平方向(X方向、Y方向およびZ軸回り方向(θz))に駆動する場合、テーブル204が移動する方向とは反対方向の反力がカウンタマス部203に作用する。この際、4つのカウンタマス装置100aの4つのバネ部材2により懸架されたカウンタマス部203は、4つのカウンタマス装置100aと共にテーブル204が移動する方向とは反対方向に移動される。このとき、4つのカウンタマス装置100aが4つのエアベアリング装置210により非接触で支持されているので、4つのカウンタマス装置100aの移動に伴って発生する力(反力)は床面110(外部)には伝達されない。
次に、XZアクチュエータ205によりテーブル204を重力方向(Z方向)に駆動する場合、テーブル204が移動する方向とは反対方向の反力がカウンタマス部203に作用する。この反力によるカウンタマス部203の重力方向の移動に伴って、4つのカウンタマス装置100aの4つのバネ部材2が変位する。これにより、カウンタマス部203に対する4つのバネ部材2の張力が変化するので、制御部7により、4つのギャップセンサ8により測定された4つのバネ部材2の変位量(x)とバネ部材2のバネ定数(k)とに基づいて4つのバネ部材2の復元力(F=kx)(初期状態(釣り合い状態)からの張力の変化分)を算出する。そして、制御部7は、算出した復元力を相殺するように4つの磁気浮上ユニット6に推力を発生させる。これにより、カウンタマス部203は、移動後の位置で釣り合い状態(静止状態)となる。この際、上記第1実施形態と同様に、各ステージ取付部11に作用するバネ部材2の張力の変化分と、対応するアクチュエータ固定部12に作用する磁気浮上ユニット6の反力とが、高剛性に構成した固定台1において相殺されるので、磁気浮上ユニット6の駆動に伴う反力は外部に伝達されない。すなわち、4つの固定台1から外部に伝わる力は、初期状態の場合から変化しない。上記の構成により、テーブル204を重力方向(Z方向)に駆動した場合でも、外部に伝達される力を変動させないようにすることが可能である。
また、第2実施形態のカウンタマス装置100aでは、テーブル204をX軸回り方向(θx)およびY軸回り方向(θy)に駆動する場合でも、上記した重力方向(鉛直方向)の駆動時と同様に、4つの磁気浮上ユニット6の推力を調整してテーブル204の駆動に伴う力を外部に伝達させないようにすることが可能である。
なお、第2実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
第2実施形態では、上記のように、制御部7により、カウンタマス部203に重力方向の推力を付与する4つの磁気浮上ユニット6を設けるとともに、XZアクチュエータ205によりテーブル204を重力方向に駆動する際の推力の反力によってカウンタマス部203が重力方向に移動する時に発生するバネ部材2の復元力を相殺する方向の推力を4つの磁気浮上ユニット6に発生させる。このように構成することによって、テーブル204の重力方向の駆動に伴ってカウンタマス部203が移動する時に発生するバネ部材2の復元力が磁気浮上ユニット6により発生する推力により相殺されるので、バネ部材2の復元力により生じる振動がステージ取付部11に伝達されるのを抑制することができる。これにより、テーブル204の重力方向の駆動に伴う振動がステージ取付部11を介して床面110(外部)に伝達されるのを抑制することができる。その結果、テーブル204の重力方向の駆動に伴う振動が床面110(外部)に伝達されることに起因するステージ装置200の振動を抑制することができる。これにより、ステージ装置200が用いられる露光装置の位置決め精度を向上させることができる。
また、第2実施形態では、上記のように、4つのカウンタマス装置100aを4つのエアベアリング装置210により非接触で支持することによって、テーブル204の水平方向の駆動に伴う反力によりカウンタマス部203がテーブル204の移動方向とは反対方向に移動されるので、テーブル204の駆動による反力がカウンタマス部203により相殺される。その結果、テーブル204の水平方向の駆動に伴う反力が床面110(外部)に伝達されるのを抑制することができるので、床面110(外部)に振動が伝達されるのを抑制することができる。
なお、第2実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
たとえば、上記第1および第2実施形態では、本発明の弾性部材の一例として、引張りコイルバネからなるバネ部材を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、弾性部材が、引張りコイルバネ以外の、たとえば板バネからなるバネ部材であってもよいし、バネ部材以外の、たとえばゴムからなる弾性部材であってもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、第1アクチュエータの一例として、ボイスコイルモータからなる磁気浮上ユニットを示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、第1ステージとしてのカウンタマス部に重力方向の推力を付与可能であれば、第1アクチュエータがボイスコイルモータからなる磁気浮上ユニット以外のアクチュエータであってもよい。また、第1アクチュエータは、第1ステージに非接触で推力を付与するものに限らず、第1ステージに接触した状態で推力を付与するものであってもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、第2アクチュエータの一例として、ボイスコイルモータからなるステージ駆動部を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、第2ステージとしてのステージ部を重力方向に駆動可能であれば、第2アクチュエータがボイスコイルモータ以外のアクチュエータであってもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、第1アクチュエータとしての磁気浮上ユニットの推力を、弾性部材としてのバネ部材の復元力と同じ大きさで復元力と逆方向になるように調整する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、第1アクチュエータの推力が復元力を相殺する方向であれば、復元力と同じ大きさである必要はない。
また、上記第1および第2実施形態では、測定手段の一例として、第1ステージとしてのカウンタマス部の変位量を測定して間接的にバネ部材の変位量を測定するギャップセンサを示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、バネ部材の変位量を測定可能であれば、バネ部材の変位量を直接的に測定する測定手段であってもよいし、ギャップセンサ以外の測定手段であってもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、固定台のステージ取付部およびアクチュエータ固定部を一体的に形成する構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、固定台が高剛性であれば、ステージ取付部およびアクチュエータ固定部を一体的に形成する必要はない。
また、上記第1および第2実施形態では、固定台を金属により形成する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、高い剛性を有する材質であれば、固定台を金属以外の、たとえばセラミックにより形成してもよい。
また、上記第2実施形態では、本発明のカウンタマス装置を露光装置に用いられるステージ装置に適用する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、カウンタマス装置を露光装置以外の用途に用いられる装置に適用してもよい。
また、上記第2実施形態では、本発明の試料保持テーブルの一例として、マスクを保持するテーブルを示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、マスク以外の試料を保持する試料保持テーブルであってもよい。
2 バネ部材(弾性部材)
3、203 カウンタマス部(第1ステージ)
4 ステージ部(第2ステージ)
5 ステージ駆動部(第2アクチュエータ)
6 磁気浮上ユニット(第1アクチュエータ)
7 制御部
8 ギャップセンサ(測定手段、変位センサ)
11 ステージ取付部
12 アクチュエータ固定部
100、100a カウンタマス装置
200 ステージ装置
204 テーブル(試料保持テーブル)
205 XZアクチュエータ(第2アクチュエータ)
300 マスク(試料)
3、203 カウンタマス部(第1ステージ)
4 ステージ部(第2ステージ)
5 ステージ駆動部(第2アクチュエータ)
6 磁気浮上ユニット(第1アクチュエータ)
7 制御部
8 ギャップセンサ(測定手段、変位センサ)
11 ステージ取付部
12 アクチュエータ固定部
100、100a カウンタマス装置
200 ステージ装置
204 テーブル(試料保持テーブル)
205 XZアクチュエータ(第2アクチュエータ)
300 マスク(試料)
Claims (10)
- ステージ取付部に弾性部材を介して懸架された第1ステージと、
アクチュエータ固定部に設置され、前記第1ステージに重力方向の推力を付与する第1アクチュエータと、
前記第1ステージに設けられた第2アクチュエータと、
前記第2アクチュエータにより重力方向に駆動される第2ステージと、
前記第2アクチュエータにより前記第2ステージを重力方向に駆動する際の推力の反力に起因して前記第1ステージが重力方向に移動する時に発生する前記弾性部材の復元力を相殺する方向の推力を、前記第1アクチュエータに発生させるように制御する制御部とを備えた、カウンタマス装置。 - 前記弾性部材は、バネ部材であり、
前記制御部は、前記第1ステージが重力方向に移動する時に発生する前記バネ部材の復元力に対応する前記バネ部材の張力の変化分を相殺する方向の推力を前記第1アクチュエータに発生させるように構成されている、請求項1に記載のカウンタマス装置。 - 前記バネ部材の変位量を測定する測定手段をさらに備え、
前記制御部は、前記測定手段により測定された前記バネ部材の変位量と前記バネ部材のバネ定数とに基づいて前記バネ部材の復元力を算出し、算出した前記バネ部材の復元力を相殺する方向の推力を前記第1アクチュエータに発生させるように構成されている、請求項2に記載のカウンタマス装置。 - 前記測定手段は、前記バネ部材の変位量に対応する前記第1ステージの変位量を測定する変位センサを含み、
前記制御部は、前記変位センサにより測定された前記第1ステージの変位量と、前記バネ部材のバネ定数とに基づいて前記バネ部材の復元力を算出し、算出した前記バネ部材の復元力を相殺する方向の推力を前記第1アクチュエータに発生させるように構成されている、請求項3に記載のカウンタマス装置。 - 前記バネ部材は、引張りコイルバネである、請求項2〜4のいずれか1項に記載のカウンタマス装置。
- 前記制御部は、前記弾性部材の復元力と逆方向で略同じ大きさの推力を前記第1アクチュエータに発生させるように構成されている、請求項1〜5のいずれか1項に記載のカウンタマス装置。
- 前記アクチュエータ固定部および前記ステージ取付部は、一体的に形成されているとともに、鉛直方向に所定の間隔を隔てて配置されている、請求項1〜6のいずれか1項に記載のカウンタマス装置。
- 前記アクチュエータ固定部は、前記ステージ取付部の下方で、かつ、前記ステージ取付部に対して鉛直方向に所定の間隔を隔てて対向する位置に配置されている、請求項7に記載のカウンタマス装置。
- 前記制御部は、前記第1アクチュエータを用いて定期的に前記第1ステージの重力方向の位置を補正するように構成されている、請求項1〜8のいずれか1項に記載のカウンタマス装置。
- ステージ取付部に弾性部材を介して懸架されたカウンタマス部と、
アクチュエータ固定部に設置され、前記カウンタマス部に重力方向の推力を付与する第1アクチュエータと、
前記カウンタマス部に設けられた第2アクチュエータと、
前記第2アクチュエータにより重力方向に駆動され、試料を保持する試料保持テーブルと、
前記第2アクチュエータにより前記試料保持テーブルを重力方向に駆動する際の推力の反力に起因して前記カウンタマス部が重力方向に移動する時に発生する前記弾性部材の復元力を相殺する方向の推力を、前記第1アクチュエータに発生させるように制御する制御部とを備えた、ステージ装置。
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JP2010059162A Pending JP2011192889A (ja) | 2010-03-16 | 2010-03-16 | カウンタマス装置およびステージ装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2011192889A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN114857429A (zh) * | 2022-04-26 | 2022-08-05 | 深圳市大族机器人有限公司 | 定位平台和定位系统 |
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2010
- 2010-03-16 JP JP2010059162A patent/JP2011192889A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN114857429A (zh) * | 2022-04-26 | 2022-08-05 | 深圳市大族机器人有限公司 | 定位平台和定位系统 |
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