JP2011192708A - 半導体発光素子および半導体発光素子の製造方法 - Google Patents

半導体発光素子および半導体発光素子の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2011192708A
JP2011192708A JP2010055677A JP2010055677A JP2011192708A JP 2011192708 A JP2011192708 A JP 2011192708A JP 2010055677 A JP2010055677 A JP 2010055677A JP 2010055677 A JP2010055677 A JP 2010055677A JP 2011192708 A JP2011192708 A JP 2011192708A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light emitting
semiconductor
semiconductor light
emitting element
layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2010055677A
Other languages
English (en)
Inventor
Katsuya Akimoto
克弥 秋元
Tetsuji Fujimoto
哲爾 藤本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Cable Ltd
Original Assignee
Hitachi Cable Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Cable Ltd filed Critical Hitachi Cable Ltd
Priority to JP2010055677A priority Critical patent/JP2011192708A/ja
Publication of JP2011192708A publication Critical patent/JP2011192708A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Led Devices (AREA)

Abstract

【課題】 半導体発光素子の、光学系による外観認識率を向上させる。
【解決手段】発光部を含む半導体積層部と、半導体積層部の第1の主表面側を光取り出し面とし、半導体積層部の第2の主表面側に形成され、発光部で発生した光を第1の主表面側へと反射させる金属反射層と、半導体積層部と金属反射層との間の一部分に配置され、半導体積層部にオーミックコンタクト接合するオーミックコンタクト接合部と、光取り出し面に形成され、外部からの照射光の反射を防止する反射防止膜と、を備える。
【選択図】 図2

Description

本発明は、半導体発光素子および半導体発光素子の製造方法に関するものである。
近年、半導体発光素子である発光ダイオード(LED:Light-Emitting Diode)は、GaN系や、AlGaInP系の高品質結晶を有機金属気相成長(MOVPE:Metal-Organic Vapor Phase Epitaxy)法で成長する技術の発達によって、青色、緑色、橙色、黄色
、赤色の高輝度LEDが製作できるようになった。そしてLEDの高輝度化に伴い、その用途は自動車のブレーキランプや液晶ディスプレイのバックライト等へ広がり、その需要は年々増加している。
MOVPE法によって高品質の結晶が成長可能となってから、半導体発光素子の内部効率は向上したが、半導体発光素子からの光取り出し効率はまだ低く、光取り出し効率を向上する工夫がなされている。例えば、発光層(活性層)を含む複数のエピタキシャル層を積層した半導体積層部の、光取り出し面とは反対側に反射率の高い金属反射層を設けると共に、半導体積層部と金属反射層との間に接触抵抗を低減するためのオーミックコンタクト電極を所定位置に分散して設け、光取り出し効率・発光効率の向上および駆動電圧の低下を図った半導体発光素子が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2008−282851号公報
ところで、半導体発光素子を製造する製造工程において、素子形状や電極パターンなどの外観形状を光学的に認識することで、発光素子の良否を検査する検査工程あるいは特性ごとに発光素子を分類する分類工程などが実施されている。外観形状の認識・判定などは、半導体発光素子に外部から検査光を照射し、半導体発光素子から反射して戻ってきた光を結像して得られる半導体発光素子の光学像に基づいてなされる。
しかしながら、上述したような金属反射層、オーミックコンタクト電極などの複雑な内部構造を有する半導体発光素子にあっては、外観形状認識用の光学系によって得られる光学像には、素子表面の電極パターンなどの像に加えて、オーミックコンタクト電極などの内部構造に起因する像も含まれてしまう場合があり、光学系を用いた半導体発光素子の外観認識の妨げとなっていた。すなわち、検査工程において、外観認識で得られた内部構造の像を素子表面の異物あるいは欠陥と誤って認識し、素子に異常があると判定してしまったり、分類工程においても、素子表面に異常があると誤って認識し、場合によっては素子の外観形状による位置検出ができなかったりするなど、不具合の原因となっていた。
本発明の目的は、光学系による外観形状の認識率を向上させることが可能な半導体発光素子および半導体発光素子の製造方法を提供することにある。
本発明の第1の態様は、発光部を含む半導体積層部と、前記半導体積層部の第1の主表面側を光取り出し面とし、前記半導体積層部の第2の主表面側に形成され、前記発光部で発生した光を前記第1の主表面側へと反射させる金属反射層と、前記半導体積層部と前記
金属反射層との間の一部分に配置され、前記半導体積層部にオーミックコンタクト接合するオーミックコンタクト接合部と、前記光取り出し面に形成され、外部からの照射光の反射を防止する反射防止膜と、を備える半導体発光素子である。
本発明の第2の態様は、第1の態様の半導体発光素子において、前記発光部は、第1の導電型の第1クラッド層と、活性層と、前記第1クラッド層とは異なる第2の導電型の第2クラッド層とを有し、前記オーミックコンタクト接合部は、前記半導体積層部と前記金属反射層との間の透明誘電体層に形成され、前記金属反射層の、前記半導体積層部とは反対側に結合される支持基板と、前記半導体積層部の前記第1の主表面側に形成された第1電極と、前記オーミックコンタクト接合部に電気的に接続する第2電極と、を備える半導体発光素子である。
本発明の第3の態様は、第1または第2の態様に記載の半導体発光素子において、前記反射防止膜は、絶縁材料から形成されている半導体発光素子である。
本発明の第4の態様は、第1〜第3の態様のいずれかに記載の半導体発光素子において、前記半導体積層部の前記光取り出し面及び側面には凹凸形状が形成され、前記光取り出し面及び前記側面の前記凹凸形状は、前記反射防止膜により被覆されている半導体発光素子である。
本発明の第5の態様は、第1〜第3の態様のいずれかに記載の半導体発光素子において、前記光取り出し面に凹凸形状が形成され、前記発光部は、前記発光部の側面の少なくとも一部に逆メサエッチング形状を有し、前記凹凸形状の形成された光取り出し面と、前記逆メサエッチング形状を有する前記発光部の前記側面と、は前記反射防止膜により連続的に覆われている半導体発光素子である。
本発明の第6の態様は、第4または第5の態様に記載の半導体発光素子において、前記反射防止膜で覆われた前記発光部の前記側面を前記支持基板面上に投影した前記側面の外周が、前記支持基板面内の領域にある半導体発光素子である。
本発明の第7の態様は、第1〜第6の態様のいずれかに記載の半導体発光素子において、前記発光部で発光する光の波長帯を、前記照射光の波長帯と同じにし、前記反射防止膜が前記発光部で発光して外部に出射される光に対しても反射を防止する半導体発光素子である。
本発明の第8の態様は、第2〜第7の態様のいずれかに記載の半導体発光素子において、前記オーミックコンタクト接合部は、前記第1電極の直下を除く領域の一部分に分散して配置される半導体発光素子である。
本発明の第9の態様は、第1〜第8の態様のいずれかに記載の半導体発光素子の前記反射防止膜を有する前記光取り出し面に外部から照射光を照射し、前記半導体発光素子から反射して戻ってきた反射光から前記半導体発光素子の外観情報を得る工程を含む半導体発光素子の製造方法である。
本発明によれば、光学系による外観形状の認識率を向上させることが可能な半導体発光素子及び半導体発光素子の製造方法が得られる。
本発明の一の実施形態に係る半導体発光素子の平面図である。 本発明の一の実施形態に係る半導体発光素子を示す図であって、(a)は図1のA−A断面図であり、(b)は図1のB−B断面図である。 本発明の一の実施形態に係る半導体発光素子の製造工程を示す断面図である。 本発明の一の実施形態に係る半導体発光素子の製造工程を示す図であって、(a)は半導体発光素子の平面図であり、(b)は(a)のA−A断面図である。 本発明の一の実施形態に係る半導体発光素子の製造工程を示す断面図である。 本発明の一の実施形態に係る半導体発光素子の製造工程を示す図であって、(a)は半導体発光素子の平面図であり、(b)は(a)のA−A断面図である。 本発明の一の実施形態に係る半導体発光素子の製造工程を示す断面図である。 本発明の一の実施形態に係る半導体発光素子の製造工程を示す断面図である。 本発明の一の実施形態に係る半導体発光素子の製造工程を示す断面図である。 本発明の一の実施形態に係る半導体発光素子の製造工程を示す平面図である。 本発明の一の実施形態に係る半導体発光素子の製造工程を示す断面図である。 本発明の一の実施形態に係る半導体発光素子の製造工程を示す断面図である。 本発明の実施例と比較例とにかかる半導体発光素子を外観認識のための光学系機器が備えるカメラで撮影した画像である。 本発明の実施例と比較例とにかかる半導体発光素子を外観認識のための光学系機器にて位置検出させた基板上に並んだ素子のマッピング図である。
次に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
[実施の形態]
(1)半導体発光素子の構造
本発明の一の実施の形態に係る半導体発光素子の構造について、図1および図2を用いて説明する。
(全体構造の概要)
図1は、本発明の一の実施形態に係る半導体発光素子の平面図である。図2(a)は図1のA−A断面図であり、図2(b)は図1のB−B断面図である。
図2(a)に示すように、半導体発光素子1は半導体エピタキシャル層が積層された半導体積層部10と、半導体積層部10の光取り出し面とは反対側の面に形成された透明誘電体層108と、透明誘電体層108を貫通して透明誘電体層108の一部分に配置され、半導体積層部10にオーミックコンタクト接合するオーミックコンタクト接合部109と、オーミックコンタクト接合部109が配置された透明誘電体層108に結合された金属反射層110と、金属反射層110の半導体積層部10とは反対側に結合される支持基板201とを有する。半導体積層部10の上面に第1電極(表面電極)120が、支持基板201の半導体積層部10とは反対側に第2電極(裏面電極)122が、それぞれ形成されている。半導体積層部10は、図1に示すような矩形形状を成すよう一部が素子間分離され、第1電極120を除く光取り出し面および半導体積層部10の素子間分離された側面が、透明な絶縁材料からなる反射防止膜130で覆われている。
(半導体積層部)
半導体積層部10は、例えば、第1導電型の第1コンタクト層103と、第1導電型の第1クラッド層104と、活性層105と、第2導電型の第2クラッド層106と、第2導電型の第2コンタクト層107とからなる。活性層105は、第1クラッド層104と第2クラッド層106との間に設けられ、第1クラッド層104、活性層105および第2クラッド層106によりダブルへテロ構造の発光部が構成されている。そして、光取り出し面となる第1クラッド層104の表面104aには光取り出し効率を向上させるため、例えば約2μm周期の凹凸形状が形成されている。
第1クラッド層104、活性層105、第2クラッド層106は、異方性ウェットエッチングにより素子間分離されたウェットエッチ側面104b、105b、106bを有している。図1のA−A断面である図2(a)に示すように、第1クラッド層104および第2クラッド層106のウェットエッチ側面104b、106bは、光取り出し面側を上側とすると下にいくほど第1クラッド層104および第2クラッド層106の幅が狭くなる逆メサエッチング形状となっており、活性層105のウェットエッチ側面105bは、光取り出し面を上側とすると下にいくほど活性層105の幅が広くなる順メサエッチング形状となっている。また、図1のA−A断面と直交するB−B断面である図2(b)に示すように、第1クラッド層104、活性層105、第2クラッド層106の図2(b)に示すウェットエッチ側面104b、105b、106bは、いずれも光取り出し面を上側とすると下にいくほど第1クラッド層104、活性層105、第2クラッド層106の幅が広くなる順メサエッチング形状となっている。そして、第1クラッド層104、活性層105、第2クラッド層106の各ウェットエッチ側面104b、105b、106bには、後に詳述する凹凸形状(図示省略)が形成されている。
活性層105の材料としては例えば、AlGaInP系やAlGaAs系がある。その場合、例えば(AlGa1−xIn1−yP(ただし、0≦x≦1、0.4≦y≦0.6)、またはAlGa1−xAs(ただし、0≦x≦1)が用いられ、発光波長が560〜1000nmの発光素子が形成される。
第1クラッド層104上には第1導電型の第1コンタクト層103が形成されている。また、第2クラッド層106の光取り出し面側とは反対側の面には第2導電型の第2コンタクト層107が形成されている。したがって半導体積層部10は、例えば、n型GaAsコンタクト層103と、n型AlGaInPクラッド層104と、アンドープAlGaInP活性層105と、p型AlGaInPクラッド層106と、p型GaPコンタクト層107とにより構成することができる。なお、活性層105は、単層構造ではなく多重量子井戸構造としてもよい。また、上下の各クラッド層とコンタクト層の導電型(n型、p型)を逆にして、光取り出し面側をp型としてもよい。
(反射防止膜)
素子間分離された半導体積層部10の一部は、反射防止膜130により覆われている。具体的には、第1電極120の側面、n型GaAsコンタクト層103の側面、n型AlGaInPクラッド層104の表面104aのコンタクト層103が形成されていない領域とその側面104b、アンドープAlGaInP活性層105の側面105b、p型AlGaInPクラッド層106の側面106b、およびp型GaPコンタクト層107の素子間分離により露出した面がすべて、反射防止膜130によって、連続的に覆われている。反射防止膜130は、後述するように、半導体発光素子の外観認識において照射される光の反射を防止する。
反射防止膜130の材料としては、活性層105で発光する光および外観認識時に外部
から照射される照射光に対して透明な絶縁材料であればよく、例えばSiN(窒化シリコン)やSiO(酸化シリコン)、MgF(フッ化マグネシウム)を使用することができる。このとき、最適な反射防止膜130の材料と膜厚は、外観認識時の照射光の波長と、光取り出し面を構成する半導体材料の屈折率とに基づいて選定される。すなわち、単層構造の場合、最適な反射防止膜130の屈折率nと膜厚dとは、
n=(n×n1/2 …(式a)
d=λ/4n …(式b)
により求めることができる。ここで、nは照射光を照射する側(半導体発光素子1の外部)の屈折率、nは照射光が照射される側(半導体発光素子1の内部)の屈折率、λは照射光の波長である。
本実施形態において、nは空気の屈折率であるから1.0である。また、nは光取り出し面を構成する半導体材料、例えばn型AlGaInPクラッド層104の屈折率である。これを上記の(式a)に代入すると、最適な反射防止膜130の屈折率nを求めることができる。求められた屈折率nと、使用される照射光の波長λとを(式b)に代入すると、最適な反射防止膜130の膜厚dを求めることができる。実際の場合には、上記の屈折率nに比較的近い屈折率を持つ材料を反射防止膜130の材料として選定し、選定した材料の実際の屈折率を上記の(式b)のnに代入すれば、選定した材料における最適な反射防止膜130の膜厚を求めることができる。
また、反射防止膜130の実際の膜厚は、(式b)で求めた値の整数倍としてもよい。膜厚が増加すると光の干渉作用が弱まって反射防止効果が低下するが、例えば(式b)で求めた膜厚dが薄すぎて成膜が困難な場合等には、(式b)で求めた膜厚dの値の整数倍の膜厚とすることで容易に成膜ができ、一定の反射防止効果を有する反射防止膜130を得ることができる。膜厚を厚くすれば、後述するようにチップ化された半導体発光素子1をコレット等の治具でハンドリングする際、半導体発光素子1の割れ・欠け防止効果が高まるほか、コレットへのダメージもより低減することができる。
さらに、外観認識時に外部から半導体発光素子1に照射される照射光の波長帯と、半導体発光素子1の発光波長の波長帯とが略同一或いは近似する場合には、反射防止膜130は、半導体発光素子1内部で発光した光に対しても反射防止膜として機能するので、光取り出し効率の向上を図ることができて好ましい。
(第1電極)
光取り出し面側のn型GaAsコンタクト層(第1コンタクト層)103上には第1電極120が形成され、第1電極120上には第1電極パッド121が形成されている。n型コンタクト層103、第1電極120、第1電極パッド121は図1に示すように、例えば素子間分離された光取り出し面の中央部に、例えば直径が105μmの円形部と、その円形部を中心として放射線状に延びる幅12μmの複数の直線部と、から構成されている。第1電極120をこのように構成することで、後述する第2電極122から印加された電流が、活性層105全体に分散して流れやすくなる。第1電極120は、例えばAuGe合金層と、Ni層と、Au層との積層構造となっている。第1電極120の円形部上には、第1電極パッド121が形成されている。第1電極パッド121は、例えば、Ti、Auが積層された構造となっている。
(オーミックコンタクト接合部)
半導体積層部10の光取り出し面とは反対の側に形成された透明誘電体層108は、半導体積層部10と金属反射層110との直接接触による合金化を防止する。透明誘電体層108には、例えばSiO、SiNを用いることができる。また、透明誘電体層108の層厚は、透明誘電体層108での光吸収を防止するために、発光部の発光波長(ピーク
波長)をλ、透明誘電体層108の屈折率をnとした場合に、2λ/4nよりも大きくすることが好ましい。
透明誘電体層108の一部分には、透明誘電体層108を貫通して、オーミックコンタクト接合部109が形成されている。オーミックコンタクト接合部109は、例えばAuZn合金等の材料を用いた単一層構造としても、或いは積層構造としてもよい。オーミックコンタクト接合部109はドット状に形成されており、例えば図1に破線で示すように、一部が素子間分離された半導体積層部10の底面全体に分散して配置されている。このときオーミックコンタクト接合部109は、半導体積層部10の光取り出し面側からみて、第1電極120とは上下に重ならないよう、第1電極120の直下から外れた位置に配置されている。このため活性層105で発生した光が、第1電極120によってあまり遮られることなく、第1クラッド層104の光取り出し面から放出されるので、光取り出し効率がよい。
(金属反射層)
金属反射層110は、活性層105から支持基板201側へ向かう光を、光取り出し面側へ反射させるもので、これによって半導体発光素子1の光取り出し効率を上げることができる。金属反射層110には、半導体発光素子1の発光波長に対して80%以上の反射率を有する金属を用いることが好ましく、具体的にはAu、Ag、Al、あるいはこれらの合金からなる材料で形成するのがよい。さらに、Au等からなる反射層に、Ti等からなる拡散防止バリア層、Au等からなる接合層を有する積層構造としてもよい。本実施形態においては例えば、Al、Ti、Auの積層構造とする。
(支持基板および金属密着層)
金属反射層110には、支持基板201上に形成された金属密着層202を介して支持基板201が貼り合わせられている。支持基板201としては、例えば導電性のSiを用いることができるほか、半導体発光素子1を支えるに充分な機械的強度が得られる部材であれば、Si以外の材料を用いることも可能である。具体的には、Si基板の代わりにGe基板、GaAs基板、GaP基板、メタル基板等を用いることができる。また、支持基板201上に形成する金属密着層202は、金属反射層110側の接合層と同一の部材であるAu等を用いることができる。また、例えば、金属密着層202を、支持基板201側から、Ti等からなるオーミックコンタクト金属層と、Pt等からなる拡散防止バリア層と、Au層との積層構造としてもよい。
(第2電極)
支持基板201の接合面とは反対の面には、Ti、Auからなる第2電極122が支持基板201の全面に形成されている。第2電極122から供給された電流は、オーミックコンタクト接合部109を介して、半導体積層部10、第1電極120へと流れ、その際に活性層105で光が発生する。活性層105で発生した光は、第1クラッド層104の光取り出し面から放出される。
(2)半導体発光素子の製造方法
続いて、本発明の一の実施形態に係る半導体発光素子の製造方法を、図3以降の各図面に基づいて説明する。
(化合物半導体エピタキシャルウェハの形成)
図3は、本発明の一の実施形態に係る化合物半導体エピタキシャルウェハの製造方法を示す断面図である。
まず図3に示すように、例えばMOVPE法により、例えばn型GaAs基板101上
に、アンドープAlGaInPエッチストップ層102、n型GaAsコンタクト層103、n型AlGaInPクラッド層104、アンドープAlGaInP活性層105、p型AlGaInPクラッド層106、p型GaPコンタクト層107を順次形成し、化合物半導体エピタキシャルウェハを製造する。
なお、エピタキシャルウェハの製造は、MOVPE法によるエピタキシャル成長に限らず、他の成長方法、例えば分子線エピタキシー(MBE:Molecular Beam Epitaxy)法等を用いて成長させてもよい。
(オーミックコンタクト接合部の形成)
次に、この化合物半導体エピタキシャルウェハをMOVPE装置から搬出し、図4(b)に示すように、p型GaPコンタクト層107上に、例えばプラズマCVD装置でSiOからなる透明誘電体層108を形成する。
続いて、例えばレジストやマスクアライナー等による一般的なフォトリソグラフィー技術を用いたフッ酸系エッチングで、透明誘電体層108に貫通させて開口部108aを設ける。そして、例えば真空蒸着法によって、開口部108aにAuZn合金よりなるオーミックコンタクト接合部109を形成する。オーミックコンタクト接合部109は、透明誘電体層108側からみた平面図である図4(a)に示すように、例えばドット状に分散して形成される。
(金属反射層の形成)
次に図5に示すように、オーミックコンタクト接合部109を形成した透明誘電体層108上に、金属反射層110を形成する。金属反射層110としては、例えば透明誘電体層108側から順にAl、Ti、Auをそれぞれ蒸着する。
(貼り合わせウェハの形成)
一方、発光素子を支える支持基板として、例えば厚さ200μmの導電性のSi支持基板201を用意し、この支持基板201上に、例えばTi、Pt、Auを順に蒸着して、金属密着層202を形成する。そして図5のように、GaAs基板101側の金属反射層110と支持基板201側の金属密着層202を対向させて密着し、金属反射層110と金属密着層202とを接合して貼り合わせる。貼り合わせは、例えば、圧力1.33Pa(0.01Torr)で荷重を30kgf/cm負荷した状態にて、温度を350℃で30分間保持することによって行なうことができる。このようにして、GaAs基板101と支持基板201を貼り合わせた、貼り合わせウェハが得られる。
(第1電極の形成)
次に、この貼り合わせウェハから、GaAs基板101とAlGaInPエッチストップ層102を除去し、n型GaAsコンタクト層103を露出させる。GaAs基板101の除去には、例えばアンモニア水と過酸化水素水との混合液を使用し、AlGaInPエッチストップ層102の除去には、例えば塩酸を使用する。そして、露出したn型GaAsコンタクト層103上に第1電極(表面電極)120を形成する。第1電極120は、フォトリソグラフィー技術によりパターニングを行ない、真空蒸着法によりAuGe合金、Ni、Auを順に蒸着した後にリフトオフを行なえば、図6(b)のように形成することができる。この第1電極120は図6(a)に示すとおり、例えば直径が105μmの円形部と、その円形部を中心として放射線状に延びる幅12μmの複数の直線部とを有しており、透明誘電体層108に形成したオーミックコンタクト接合部109とは上下に重ならない位置に形成されている。ここで図6(a)は光取り出し面側からウェハをみた平面図であり、下層に位置するオーミックコンタクト接合部109は破線で示してある。この後、第1電極120をマスクとして、n型GaAsコンタクト層103を、例えば硫
酸と過酸化水素水と水との混合液で一部エッチング除去し、図7に示すように、n型クラッド層104を一部露出させる。
(凹凸形状の形成と素子間分離)
続いて、光取り出し面となるn型クラッド層104上に、例えばフォトリソグラフィー技術により、例えば2μm周期のパターニングを行ない、ウェットエッチングを施す。これにより図8に示すように、n型クラッド層104の表面104aに、例えば深さが100nmの凹部30が2μm周期等で形成され、表面104aが凹凸形状となる。このように、光取り出し面となるn型クラッド層104の表面104aに凹凸形状が形成されることによって、半導体積層部10内部への光の全反射が抑えられ、光取り出し効率を高めることができる。凹凸形状の配置パターンは、フォトリソグラフィーによるパターニングをマトリックス状、ハニカム状等にすることで任意に選択することができ、例えば図10に半導体発光素子1の一部を拡大して示すように格子状に配置される。
次に例えばフォトリソグラフィー技術により、素子間分離のためのパターニングを行ない、図9に示すように、n型AlGaInPクラッド層104からp型AlGaInPクラッド層106までをウェットエッチング法で除去し、p型GaPコンタクト層107の一部領域を露出させる。図9では、素子間分離された各領域の関係を示すため、隣り合う半導体積層部10を二つ示した。素子間分離された各領域は充分な距離をとって分離されており、この後、半導体発光素子1が支持基板201を土台として所定サイズのチップに切断された際、後述する反射防止膜130に覆われた領域が、支持基板201の領域内に納まるように構成される。
またこのとき、n型AlGaInPクラッド層104、アンドープAlGaInP活性層105、p型AlGaInPクラッド層106の各層は、結晶方位に応じてある特定の方向に異方性を持ってエッチングされ、形成されたウェットエッチ側面104b、105b、106bには特定の結晶面が現われる。図9には、n型AlGaInPクラッド層104およびp型AlGaInPクラッド層106のウェットエッチ側面104b、105bが逆メサエッチング形状であり、アンドープAlGaInP活性層105のウェットエッチ側面106bが順メサエッチング形状となる断面を示した。したがって、これと直交する断面(図示省略、図2(b)参照)では、n型AlGaInPクラッド層104、アンドープAlGaInP活性層105、p型AlGaInPクラッド層106のウェットエッチ側面104b、105b、106bのいずれもが、順メサエッチング形状となっている。
さらにこのとき、n型AlGaInPクラッド層104、アンドープAlGaInP活性層105、p型AlGaInPクラッド層106の各ウェットエッチ側面には、図10に半導体発光素子1の一部を拡大して示すように、表面104aに形成された凹凸形状に起因してウェットエッチ側面104b、105b、106bにも凹凸形状が形成される。
(反射防止膜の形成)
続いてプラズマCVD装置等を用いて、例えばSiNからなる反射防止膜130を、素子間分離された貼り合わせウェハ表面の全面に形成する。そして例えばフォトリソグラフィー技術を用いてパターニングをし、希フッ酸溶液を用いて第1電極120上の反射防止膜130を除去して第1電極120上に開口部を形成する。こうして図11に示すように、第1電極120上を除き、貼り合わせウェハの表面全体が反射防止膜130で覆われる。
(第2電極の形成)
その後、図12に示すように、支持基板201の裏面に、例えばTiとAuからなる第
2電極122を真空蒸着法等により形成する。また、フォトリソグラフィー技術と真空蒸着法を使うなどして、第1電極120上に例えばTiとAuとからなる第1電極パッド121を形成する。そして最後に、貼り合わせウェハを切断し、例えばチップサイズ325μm角の半導体発光素子1を得る。このとき反射防止膜130で覆われた領域は、325μm角のチップサイズに切断された支持基板201より小さくなっている。
(3)半導体発光素子の外観観察
以上のように得られた半導体発光素子1は、電気特性や外観異常等の検査を施され、良品のみが半導体発光素子1の種類別にピックアップされて、マウント、ワイヤーボンディング、樹脂封止等を経てパッケージ化される。これらの工程では半導体発光素子1の位置検出や外観検査等を目的として、しばしば光学系の機器を用いて半導体発光素子1の外観観察が行なわれる。半導体発光素子1は、上述したように光取り出し面に反射防止膜130を有しているため、こうした光学系機器による外観認識率を向上させることができる。
以下に、本実施形態にかかる外観観察工程の一例として、位置検出機能および外観検査機能を有する半導体発光素子選別装置を用いた半導体発光素子1の外観観察の方法について説明する。本実施形態にかかる外観観察工程は、半導体発光素子の製造工程の一工程として実施される。
ここで述べる、一例としての半導体発光素子選別装置は、例えばチップ化された半導体発光素子1の外観検査を行ない、予め取得済みの光学特性および電気特性の結果と合わせて半導体発光素子1の良否を判断し、良品チップを選別する装置である。
まず、半導体発光素子選別装置が備える搬送機構によって、チップ化された半導体発光素子1は、基板状態での配列を保ったままダイシングテープに貼られた状態で装置内の移動ステージ上に載置される。各々の半導体発光素子1に対しては、予めプロービングにより光学特性および電気特性の測定が行なわれ、測定結果がスペック外の半導体発光素子1にはマーキングがされている。移動ステージ上方には、半導体発光素子1の外観観察を行なうカメラと、検査光(照射光)を半導体発光素子1に照射するための照明装置とが設置されている。半導体発光素子1の外観観察を行なうにあたって、照明装置は半導体発光素子1の反射防止膜130を設けた光取り出し面に対して検査光を照射する。照明装置の波長帯域は、対象となる半導体発光素子や外観観察の目的に応じて任意に選定される。具体的には、例えば半導体発光素子1が光取り出し面に備える第1電極パッド121を識別しやすくするため、第1電極パッド材における反射率が高い波長帯域の照射光を用いることができる。本実施形態では第1電極パッド材の最表面層を例えばAuとしたので、例えばAuにおける反射率の高い赤色光を用いる。
このカメラと照明装置とを用いて、移動ステージ上に載置され、基板状態での配列順に並ぶ半導体発光素子1をすべて走査して外観認識し、各々の半導体発光素子1の位置検出および外観検査を順次、行なっていく。すなわち、照明装置から半導体発光素子1に照射光を照射し、半導体発光素子1から戻ってきた反射光をカメラで撮影する。撮影された画像は、半導体発光素子選別装置が備えるコンピュータの画像処理機構によって処理され、更に処理された画像データが解析される。コンピュータには予め半導体発光素子1のチップ形状、電極形状等の外観情報が登録されており、これらの外観情報を元に、半導体発光素子1の位置が認識され、外観異常の有無が判断される。つまり、半導体発光素子1の位置検出と外観検査とが同時に行なわれる。半導体発光素子1の外観検査では、チップに割れ・欠けがないか、チップ表面に異物がないか、また半導体発光素子1がスペック外品であることを示すマークを有するか等を確認する。
こうして、外観異常の有無およびスペック外品マークの有無から各々の半導体発光素子
1について良否判定がなされる。そして、ステージが備えるエキスパンド機構によってダイシングテープが引き伸ばされ、ステージ近傍のピックアップ機構が備えるコレットによって、良品チップは装置内の良品チップトレーに、不良品チップは装置内の不良品チップトレーに、それぞれ選別される。その後、装置が備えるトレー搬送機構によって、それぞれのトレーが装置外へ搬出される。
半導体発光素子1は、上述したように光取り出し面に反射防止膜130を有しているため、半導体発光素子1の光取り出し面は一様に暗く認識され、オーミックコンタクト接合部109等の内部構造は認識されにくくなり、光学系機器による外観認識率を向上させることができる。このため、例えば位置検出時にチップ形状による位置検出ができなかったり、外観検査において誤って異常と判定されてしまったりすることが低減できる。
また半導体発光素子1は、光取り出し面やウェットエッチ側面104b、105b、106bに凹凸形状を有する。そして、光取り出し面と、逆メサエッチング形状を有するウェットエッチ側面104bとのなす角は鋭角となっている。反射防止膜130は、これら光取り出し面とウェットエッチ側面104b、105b、106bとを連続的に覆っているため、凹凸形状が保護されるとともに、鋭角部分は丸みを帯びた状態に包み込まれている。したがって例えば上述のように、良品・不良品チップを選別する場合等に、チップ状の半導体発光素子1がコレット等の治具を用いて取り扱われる際に生じる半導体発光素子1の割れ・欠けなどを低減することができる。また、治具を長期間使用しても、半導体発光素子1の鋭角部分等との接触によってコレットが徐々にダメージを受けるのを低減することができる。
(4)本実施形態にかかる効果
本実施形態によれば、以下に示す少なくともひとつ以上の効果が得られる。
本実施形態によれば、発光部を含む半導体積層部10と、発光部で発生した光を半導体積層部10の第1の主表面側へと反射させる金属反射層110と、半導体積層部10と金属反射層110との間の領域の一部分に配置されるオーミックコンタクト接合部109と、半導体積層部10の光取り出し面に形成され、外部から照射される外観認識のための照射光の反射を防止する反射防止膜130と、を備える構成としている。このように半導体発光素子1が複雑な構造を内部に有する場合であっても、例えば検査装置、選別装置、分類装置などの光学系機器における認識率低下や誤動作を低減することができる。
従来において、反射防止膜130を有さない半導体発光素子が複雑な構造を内部に有する場合は、半導体発光素子の光取り出し面に、様々な内部構造の像が透けて見えることがあった。このため、半導体発光素子の外観形状を正しく識別できず、位置検出ができなかったり、チップの搬送に失敗してしまうことがあった。また、例えばドット状に点在するオーミックコンタクト接合部からの反射像が半導体発光素子の表面上の異物として認識され、良品を不良品と誤認識するなど、光学系機器を用いて半導体発光素子の外観観察を行なう場合の妨げとなっていた。
しかし本実施形態にかかる半導体発光素子1においては、光取り出し面に反射防止膜130を設けたので、光取り出し面にオーミックコンタクト接合部109をはじめとする素子内部の構造を見え難くでき、光学系機器による外観認識率を向上させることができる。
また本実施形態によれば、凹凸形状の形成された光取り出し面と、凹凸形状が形成され、逆メサエッチング形状を有する発光部の側面と、は反射防止膜130により連続的に覆われ、反射防止膜130で覆われた発光部の側面を支持基板201面上に投影した側面の外周が、支持基板面201内の領域にある。これによって、光学系機器による外観観察の
際、半導体発光素子1の輪郭を正常に識別でき、誤認識の低減を図ることができる。
そして本実施形態によれば、本実施形態にかかる半導体発光素子の反射防止膜130を有する光取り出し面に外部から照射光を照射し、半導体発光素子から反射して戻ってきた反射光から半導体発光素子の外観情報を得る工程を含む半導体発光素子の製造方法としている。これによって、光学系の機器による外観認識率を向上させることができ、効率的かつ信頼性の高い検査を経て半導体発光素子を製造することができる。
[他の実施の形態]
以上、上述した実施形態では、第1電極120を、直径が105μmの円形部と、放射線状に延びる直線部を有するものとしたが、第1電極120の形状はこれに限られず、例えば円形ではなく矩形形状をしていてもよく、直線部の数も任意に定めることができるほか、直線部を有していなくてもよい。また、オーミックコンタクト接合部109は、半導体積層部10の底面全体に分散して配置されるドット状としたが、ドットの形状は円形形状のほか、矩形形状、その他の形状であってもよい。また、ドット状に限らず、放射線状に延びる直線状などでもよい。さらに、第1電極120とオーミックコンタクト接合部109とが、それぞれ互いに位置ずれさせた櫛歯状等になっていてもよい。また上述した実施形態では、半導体発光素子1の表面及び裏面にそれぞれ第1電極120、第2電極122を有する構成としたが、例えば第1電極120、第2電極122がともに素子の表面、つまり光取り出し面側に形成されていてもよい。
また、一般的に外観観察工程においては、その目的や光学系機器のタイプ等によって、半導体発光素子の主表面の一方の面、あるいは両方の面に対して照射光を照射して外観観察を行なう。したがって、上述の実施形態では光取り出し面側に反射防止膜130を設けることとしたが、照射光の照射方向や外観観察の目的に応じて、半導体発光素子の裏面側に反射防止膜130を設けてもよく、また両面に設けてもよい。
加えて上述の実施形態では、外部から照射される照射光を、半導体発光素子1の発光波長とほぼ同一波長の赤色光としたが、発光波長とは異なる波長の赤色光等としてもよい。また上述の実施形態では、反射防止膜130が単膜の場合について説明したが、反射防止膜130の構成として、例えばSiNとSiOとの二層構造や、SiNとSiOとが複数組み合わさった多重積層構造としてもよい。SiNやSiOのような屈折率の異なる膜を複数組み合わせることで、反射防止膜130の反射防止効果を高めることができる。
なお、本実施形態にかかる半導体発光素子は、例えば照明機器、液晶用バックライト、各種インジケータ、表示パネル等に用いるデバイスとして応用することができる。
以下に、本発明の具体的な実施例について説明する。
(1)半導体発光素子の構成
図2(a)および(b)に示す上記の一の実施形態と同じ構成で、624nm付近に発光ピーク波長を持つ半導体発光素子を形成した。本実施例においては、反射防止膜130をSiNの単層膜構造とし、反射防止膜130の厚さが87.1nmの半導体発光素子Cと、比較例として反射防止膜130を有さない半導体発光素子Dとを形成して、光学系機器による外観認識率向上の効果を検討した。
反射防止膜130以外の構成について図2(a)を用いて説明すると、半導体積層部10は、光取り出し面側からSiドープのn型GaAsコンタクト層103と、表面104
aに2μm周期の凹凸形状が形成されたSiドープのn型(Al0.7Ga0.30.5In0.5Pクラッド層104と、アンドープ(Al0.1Ga0.90.5In0.5P活性層105と、Mgドープのp型(Al0.7Ga0.30.5In0.5Pクラッド層106と、Mgドープのp型GaPコンタクト層107という構成である。光取り出し面側の第1電極120には、AuGe合金、Ni、Auの積層構造を用いた。第1電極120上の第1電極パッド121は、Ti、Auの積層構造とした。透明誘電体層108はSiOであり、オーミックコンタクト接合部109はAuZn合金の単一層構造である。透明誘電体層108を介して光取り出し面とは反対側に位置する金属反射層110は、Au接合層、Ti拡散防止バリア層,Al反射層からなる積層構造とした。この金属反射層110に、Tiオーミックコンタクト金属層、Pt拡散防止バリア層、Au接合層の積層構造からなる金属密着層202を介して、Siの支持基板201が貼り合わされている。支持基板201の金属反射層110と反対側の面の全体に形成される第2電極122は、Ti、Auの積層構造とした。
反射防止膜130の最適な材料の屈折率は、上記(式a)のn=(n×n1/2に、実際の数値を代入して求めた。すなわち、n(空気)=1.0、n(n型(Al0.7Ga0.30.5In0.5Pクラッド層104)=3.22を(式a)に代入すると、反射防止膜130の最適な屈折率nは1.79となり、これが本実施例における、反射防止膜130の最適な屈折率である。これに最も近い屈折率を有する材料のひとつとして、SiN(屈折率=1.78)を選定した。
そして、SiNを用いた場合の反射防止膜130の好適な膜厚は、上述の(式b)のd=λ/4nに、SiNの屈折率n=1.78と、本測定において使用した照明装置の照射光の波長λ=620nmとを代入して求めた。SiNを反射防止膜130としたときの最適な膜厚は87.1nmという計算結果が得られた。なお、照射光の波長λを620nmとしているのは、照明光源として用いられる赤色LEDでは、波長620nmの発光効率が良いからである。
上記の計算結果に基づき、反射防止膜130を有する素子Cと有さない素子Dとを形成すべく、素子間分離までの工程を経た貼り合わせ基板を1枚用意し、この円形状の貼り合わせ基板を半円形状の2区画に分け、実施例としてSiNの反射防止膜130を有する半導体発光素子Cを一方の区画に、比較例として反射防止膜130を有さない半導体発光素子Dをもう一方の区画にそれぞれ形成した。
(2)画像観察およびチップ認識確認
このように形成した半導体発光素子C、Dを、位置検出機能および外観検査機能を有する光学系機器が備えるカメラにより撮影し、それぞれの画像を観察した。なお前述したように、この光学系機器はピーク波長として620nmの発光を有する照明装置を備える。図13に示すとおり、反射防止膜130を有さない半導体発光素子Dにおいては、表面(光取り出し面)にオーミックコンタクト接合部109がはっきり確認できる。一方、SiNの反射防止膜130を有する半導体素子Cにおいては、表面(光取り出し面)にオーミックコンタクト接合部109はほとんど確認できない。これにより、反射防止膜130を設けることで、半導体発光素子内部の構造が認識されるのを防ぐことができることがわかった。
次に、チップ化された半導体発光素子Cおよび半導体発光素子Dを、ダイシングテープに貼付したまま上記光学系機器にて位置検出させた結果を図14に示す。オリフラを下にして基板の上側が半導体発光素子Cの区画であり、オリフラ側が半導体発光素子Dの区画である。図中、白い点が位置検出できなかったチップを表わしている。図14に示すように、半導体発光素子Cの形成された基板側では、面内のほぼ全てのチップについて位置検
出されている。具体的には、基板上の半導体発光素子Cのチップ実数20036個に対して、位置検出ができたチップは20025個であり、認識率は99.9%である。また、基板上の半導体発光素子Dのチップ実数20944個に対して、位置検出ができたチップは19934個であり、認識率は95.2%であった。半導体発光素子Dでは、オーミックコンタクト接合部(電極)が異物と認識されてしまい、外観不良として処理されたためである。以上の結果から、反射防止膜130を半導体発光素子表面に設けることで、光学系機器の外観認識率が向上することがわかった。
(3)反射防止膜の材料・厚さ依存
次に、反射防止膜130の材料・厚さの違いによる、外観認識率を確認するため、反射防止膜130をSiNあるいはSiOの単層膜構造で形成し、膜厚を78.4nm〜210.9nmの範囲で変化させた数種類の半導体発光素子と、比較例として反射防止膜130を有さない半導体発光素子とを形成して、光学系機器による外観認識率向上の効果を検討した。
上述の(式a)n=(n×n1/2より最適な屈折率n=1.79であるから、材料依存をみるための材料として、SiNよりも最適な屈折率1.79からやや離れた屈折率を持つSiO(屈折率=1.47)を選定した。
また、上述の(式b)d=λ/4nに実際のSiOの屈折率n=1.47を代入して、SiOを用いたときの反射防止膜130の好適な膜厚を求めた。波長λは照射光の波長λ=620nmである。これにより、SiOを反射防止膜130としたときの最適膜厚は、105.4nmという計算結果が得られた。
SiNについては、上述した最適膜厚の87.1nmを中心に、78.4nm〜95.8nmの範囲で異なる膜厚の反射防止膜130を持つ半導体発光素子C1〜C5を作製した。最適膜厚87.1nmを有する半導体発光素子C3は、上記半導体発光素子Cに相当する。SiOについては、最適膜厚の105.4nmおよびその2倍の210.9nmの膜厚の反射防止膜130を持つ半導体発光素子C6、C7を作製した。また比較例として、反射防止膜130を有さない半導体発光素子D1を作製した。具体的には、素子間分離までの工程を経た貼り合わせ基板を2枚用意し、それぞれの基板を4区画に分けて、半導体発光素子C1〜C4を一方の基板上に、半導体発光素子C5〜C7およびD1をもう一方の基板上にそれぞれ形成した。
上記のように形成した半導体発光素子C1〜C7およびD1をチップ化した後、ダイシングテープに貼付したまま外観検査機能を有する上述の光学系機器にて検査して、外観認識率を測定した。その結果を、表1に示す。
表1に示すように、反射防止膜130を有する半導体発光素子C1〜C7においてはいずれも、反射防止膜130を有さない半導体発光素子D1の場合よりも高い外観認識率が得られた。また、反射防止膜130の屈折率、膜厚とも最適値に近いSiNを用いた半導体発光素子C3では、最も高い外観認識率である99.9%が得られた。更に最適膜厚から±5%となる発光素子C2,C4でも99%以上、最適膜厚から±10%となる発光素子C1,C5でも98%以上の外観認識率となり、反射防止膜130が外観認識率の向上に、充分に機能していることがわかる。また、SiNに比べて屈折率が最適値から離れているSiOを用いた半導体発光素子C6、C7においては、SiNを用いた半導体発光素子C2〜C4よりも外観認識率が低い。また、膜厚が最適膜厚の2倍の膜厚を有する半導体発光素子C7では、膜厚が増加したことで光の干渉の効果が低下し、半導体発光素子C6よりもさらに外観認識率が低下しているが、反射防止膜130を有さない半導体発光素子D1よりは良好な結果となっており、反射防止膜130による認識率向上の効果が機能していることがわかる。
1 半導体発光素子
10 半導体積層部
104 第1クラッド層
105 活性層
106 第2クラッド層
109 オーミックコンタクト接合部
110 金属反射層
120 第1電極
122 第2電極
130 反射防止膜
202 金属密着層

Claims (9)

  1. 発光部を含む半導体積層部と、
    前記半導体積層部の第1の主表面側を光取り出し面とし、前記半導体積層部の第2の主表面側に形成され、前記発光部で発生した光を前記第1の主表面側へと反射させる金属反射層と、
    前記半導体積層部と前記金属反射層との間の一部分に配置され、前記半導体積層部にオーミックコンタクト接合するオーミックコンタクト接合部と、
    前記光取り出し面に形成され、外部からの照射光の反射を防止する反射防止膜と、を備える
    ことを特徴とする半導体発光素子。
  2. 請求項1に記載の半導体発光素子において、
    前記発光部は、第1の導電型の第1クラッド層と、活性層と、前記第1クラッド層とは異なる第2の導電型の第2クラッド層とを有し、
    前記オーミックコンタクト接合部は、前記半導体積層部と前記金属反射層との間の透明誘電体層に形成され、
    前記金属反射層の、前記半導体積層部とは反対側に結合される支持基板と、
    前記半導体積層部の前記第1の主表面側に形成された第1電極と、
    前記オーミックコンタクト接合部に電気的に接続する第2電極と、を備える
    ことを特徴とする半導体発光素子。
  3. 請求項1または2に記載の半導体発光素子において、
    前記反射防止膜は、絶縁材料から形成されている
    ことを特徴とする半導体発光素子。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の半導体発光素子において、
    前記半導体積層部の前記光取り出し面及び側面には凹凸形状が形成され、前記光取り出し面及び前記側面の前記凹凸形状は、前記反射防止膜により被覆されている
    ことを特徴とする半導体発光素子。
  5. 請求項1〜3のいずれかに記載の半導体発光素子において、
    前記光取り出し面に凹凸形状が形成され、
    前記発光部は、前記発光部の側面の少なくとも一部に逆メサエッチング形状を有し、
    前記凹凸形状の形成された光取り出し面と、前記逆メサエッチング形状を有する前記発光部の前記側面と、は前記反射防止膜により連続的に覆われている
    ことを特徴とする半導体発光素子。
  6. 請求項4または5に記載の半導体発光素子において、
    前記反射防止膜で覆われた前記発光部の前記側面を前記支持基板面上に投影した前記側面の外周が、前記支持基板面内の領域にある
    ことを特徴とする半導体発光素子。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の半導体発光素子において、
    前記発光部で発光する光の波長帯を、前記照射光の波長帯と同じにし、前記反射防止膜が前記発光部で発光して外部に出射される光に対しても反射を防止する
    ことを特徴とする半導体発光素子。
  8. 請求項2〜7のいずれかに記載の半導体発光素子において、
    前記オーミックコンタクト接合部は、前記第1電極の直下を除く領域の一部分に分散し
    て配置される
    ことを特徴とする半導体発光素子。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の半導体発光素子の前記反射防止膜を有する前記光取り出し面に外部から照射光を照射し、
    前記半導体発光素子から反射して戻ってきた反射光から前記半導体発光素子の外観情報を得る工程を含む
    ことを特徴とする半導体発光素子の製造方法。
JP2010055677A 2010-03-12 2010-03-12 半導体発光素子および半導体発光素子の製造方法 Pending JP2011192708A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010055677A JP2011192708A (ja) 2010-03-12 2010-03-12 半導体発光素子および半導体発光素子の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010055677A JP2011192708A (ja) 2010-03-12 2010-03-12 半導体発光素子および半導体発光素子の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2011192708A true JP2011192708A (ja) 2011-09-29

Family

ID=44797343

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010055677A Pending JP2011192708A (ja) 2010-03-12 2010-03-12 半導体発光素子および半導体発光素子の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2011192708A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013161979A (ja) * 2012-02-06 2013-08-19 Fuji Xerox Co Ltd 半導体発光素子、光源ヘッド、及び画像形成装置
US9947832B2 (en) 2016-03-22 2018-04-17 Nichia Corporation Light-emitting device
CN113328013A (zh) * 2020-02-28 2021-08-31 山东浪潮华光光电子股份有限公司 一种高亮度红外光发光二极管管芯的制备方法及二极管管芯

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013161979A (ja) * 2012-02-06 2013-08-19 Fuji Xerox Co Ltd 半導体発光素子、光源ヘッド、及び画像形成装置
US9947832B2 (en) 2016-03-22 2018-04-17 Nichia Corporation Light-emitting device
US10403795B2 (en) 2016-03-22 2019-09-03 Nichia Corporation Light-emitting device
CN113328013A (zh) * 2020-02-28 2021-08-31 山东浪潮华光光电子股份有限公司 一种高亮度红外光发光二极管管芯的制备方法及二极管管芯

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8138516B2 (en) Light emitting diode
US9178107B2 (en) Wafer-level light emitting diode structure, light emitting diode chip, and method for forming the same
US7759690B2 (en) Gallium nitride-based compound semiconductor light-emitting device
TWI708406B (zh) 半導體發光元件及其製造方法
JP5276959B2 (ja) 発光ダイオード及びその製造方法、並びにランプ
US20060234407A1 (en) Method of fabricating vertical structure nitride semiconductor light emitting device
US8395179B2 (en) Semiconductor light emitting element and method for manufacturing same
JP2010074008A (ja) 半導体発光素子
JP5829453B2 (ja) 半導体発光素子
JP2011035017A (ja) 発光素子
JP2011198992A (ja) 半導体発光素子
JP2006294907A (ja) 窒化ガリウム系化合物半導体発光素子
US11810943B2 (en) Light-emitting device and manufacturing method thereof
TW201717423A (zh) 發光元件
JP2010098068A (ja) 発光ダイオード及びその製造方法、並びにランプ
US8637884B2 (en) Light emitting device, method of manufacturing the same, light emitting apparatus, and lighting system
TWI443869B (zh) 半導體發光元件及其製造方法
WO2023093446A1 (zh) 一种发光二极管芯片、发光装置
TW202029521A (zh) 發光元件
JP2011192708A (ja) 半導体発光素子および半導体発光素子の製造方法
JP2011071444A (ja) 発光素子
TWI583023B (zh) 用於一半導體發光裝置的接觸件
KR102419420B1 (ko) 반도체 발광소자 및 그 제조방법
JP6306443B2 (ja) 発光ダイオード及び発光ダイオードの製造方法
JP2009094108A (ja) GaN系LED素子の製造方法