JP2011192525A - 燃料電池 - Google Patents

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茂樹 長谷川
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Abstract

【課題】燃料電池において、発電体の表面を流れるガスの流量分布の均一化を図る。
【解決手段】燃料電池スタックに用いられるセパレータ42は、膜電極接合体の上辺に沿ってx方向に水素を流すための第1のガス流路424ipと、膜電極接合体の下辺に沿ってx方向にアノードオフガスを流すための第2のガス流路424opと、第1のガス流路424ipから第2のガス流路424opに水素およびアノードオフガスを−y方向に流すための第3のガス流路424とを備える。なお、第1のガス流路424ipの最下流部、および、第2のガス流路424opの最上流部は閉塞されている。第3のガス流路424は、上流領域流路424uと、中流領域流路424mと、下流領域流路424lとを有し、これらは、中流領域流路424mの圧力損失が、上流領域流路424uの圧力損失、および、下流領域流路424lの圧力損失よりも小さくなるように形成されている。
【選択図】図3

Description

本発明は、燃料電池に関するものである。
燃料ガス(例えば、水素)と酸化剤ガス(例えば、酸素)との電気化学反応によって発電する燃料電池がエネルギ源として注目されている。この燃料電池は、概ね、電解質膜(例えば、プロトン伝導性を有する固体高分子膜)の両面に、それぞれ、アノード、および、カソードを接合してなる膜電極接合体(発電体)を、セパレータによって挟持することによって構成される。この膜電極接合体は、一般に、略矩形形状を有する。
このような燃料電池では、従来、膜電極接合体における発電分布の均一化を図るために、燃料ガスや酸化剤ガスの流し方について、種々の技術が提案されている。例えば、下記特許文献1,2には、実質的に、以下に説明する第1〜3のガス流路を備える燃料電池が記載されている。第1のガス流路は、発電体における第1の辺に沿って設けられ、発電体に供給すべき供給ガスを、その内部において、第1の方向に流すためのガス流路である。この第1のガス流路において、供給ガスの流れ方向についての最下流部は、閉塞されている。また、第2のガス流路は、発電体における第1の辺に対向する第2の辺に沿って設けられ、発電体から排出された排出ガスを、その内部において、上記第1の方向に流すためのガス流路である。この第2のガス流路において、排出ガスの流れ方向についての最上流部は、閉塞されている。また、第3のガス流路は、発電体の表面に沿って設けられ、供給ガスおよび排出ガスを、第1のガス流路から第2のガス流路に、上記第1の方向に対して略垂直方向に流すためのガス流路である。なお、この燃料電池において、第3のガス流路の圧力損失は、ほぼ均一である。
特開2008−186671号公報 特開2009−176613号公報
しかし、本願発明者は、上記特許文献に記載された技術によっても、第3のガス流路におけるガスの流量分布に看過できない不均一が生じることを新たに見出した。このガスの流量分布の不均一は、発電体における発電分布の不均一を招き、さらには、発電体におけるガス不足が生じた領域、あるいは、発電集中が生じた領域において、発電体の劣化を招く。具体的には、第3のガス流路におけるガスの流量分布について、第3のガス流路を、以下に説明する上流領域流路と、中流領域流路と、下流領域流路とに区分して考える。なお、上流領域流路は、第1のガス流路における供給ガスの流れ方向についての上流部から第2のガス流路における排出ガスの流れ方向についての上流部に、供給ガスおよび排出ガスが流れるガス流路である。また、中流領域流路は、第1のガス流路における供給ガスの流れ方向についての中流部から第2のガス流路における排出ガスの流れ方向についての中流部に、供給ガスおよび排出ガスが流れるガス流路である。また、下流領域流路は、第1のガス流路における供給ガスの流れ方向についての下流部から第2のガス流路における排出ガスの流れ方向についての下流部に、供給ガスおよび排出ガスが流れるガス流路である。そして、この場合、中流領域流路におけるガスの流量が、上流領域流路におけるガスの流量、および、下流領域流路におけるガスの流量よりも少なくなることを、本願発明者は、シミュレーションによって見出した。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、上述した第1〜3のガス流路を備える燃料電池において、発電体の表面を流れるガスの流量分布の均一化を図ることを目的とする。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
[適用例1]
燃料電池であって、
略矩形形状を有する発電体と、
前記発電体における第1の辺に沿って設けられた第1のガス流路であって、前記発電体に供給すべき供給ガスを、前記第1のガス流路内において、第1の方向に流すための前記第1のガス流路と、
前記発電体における前記第1の辺に対向する第2の辺に沿って設けられた第2のガス流路であって、前記発電体から排出された排出ガスを、前記第2のガス流路内において、前記第1の方向に流すための前記第2のガス流路と、
前記発電体の表面に沿って設けられた第3のガス流路であって、前記供給ガスおよび前記排出ガスを、前記第1のガス流路から前記第2のガス流路に、前記第1の方向に対して略垂直方向に流すための第3のガス流路と、
を備え、
前記第1のガス流路は、前記供給ガスの流れ方向についての最下流部が閉塞されており、
前記第2のガス流路は、前記排出ガスの流れ方向についての最上流部が閉塞されており、
前記第3のガス流路は、
前記第1のガス流路における前記供給ガスの流れ方向についての上流部から前記第2のガス流路における前記排出ガスの流れ方向についての上流部に、前記供給ガスおよび前記排出ガスが流れる上流領域流路と、
前記第1のガス流路における前記供給ガスの流れ方向についての中流部から前記第2のガス流路における前記排出ガスの流れ方向についての中流部に、前記供給ガスおよび前記排出ガスが流れる中流領域流路と、
前記第1のガス流路における前記供給ガスの流れ方向についての下流部から前記第2のガス流路における前記排出ガスの流れ方向についての下流部に、前記供給ガスおよび前記排出ガスが流れる下流領域流路と、
を有し、
前記上流領域流路、前記中流領域流路、および、前記下流領域流路は、
前記中流領域流路の圧力損失が、前記上流領域流路の圧力損失、および、前記下流領域流路の圧力損失よりも小さくなるように形成されている、
燃料電池。
適用例1の燃料電池では、第3のガス流路において、上流領域流路、中流領域流路、および、下流領域流路は、中流領域流路の圧力損失が、上流領域流路の圧力損失、および、下流領域流路の圧力損失よりも小さくなるように形成されている。したがって、先に説明した、中流領域流路におけるガスの流量が、上流領域流路におけるガスの流量、および、下流領域流路におけるガスの流量よりも少なくなるという、第3のガス流路におけるガスの流量分布の不均一を抑制することができる。つまり、適用例1の燃料電池によって、発電体の表面を流れるガスの流量分布の均一化を図ることができる。この結果、発電体における発電分布の均一化を図ることができる。
なお、本適用例の燃料電池において、第1のガス流路と、第2のガス流路と、第3のガス流路とは、必ずしも明確に区分されている必要はない。すなわち、本適用例の燃料電池において、第1〜3のガス流路は、それぞれ、実質的に上述した機能を有していればよい。したがって、例えば、発電体の対角部に供給ガスの供給部と排出ガスの排出部とを設けるようにし、第1〜3のガス流路が一体的に形成されているものとしてもよい。
また、第3のガス流路において、上流領域流路と、中流領域流路と、下流領域流路とは、必ずしも明確に区分されている必要はない。したがって、第3のガス流路において、例えば、最上流部に配置された最上流領域流路から最中央領域に配置された最中央領域流路にかけて、また、最下流領域に配置された最下流領域流路から最中央領域流路にかけて、段階的に圧力損失が小さくなるようにしてもよいし、連続的に圧力損失が小さくなるようにしてもよい。ただし、発電体の表面を流れるガスの流量分布の均一化を図る観点から、上述した第3のガス流路についての構成は、従来とは逆のガスの流路分布の不均一、すなわち、中流領域流路におけるガスの流量が、上流領域流路におけるガスの流量、および、下流領域流路におけるガスの流量よりも多くなるというガスの流量分布の不均一が生じない範囲内でなされる。
[適用例2]
適用例1記載の燃料電池であって、
前記第3のガス流路は、複数の溝および複数のリブを有する部材によって形成されており、
前記中流領域流路における前記溝の断面積は、前記上流領域流路における前記溝の断面積、および、前記下流領域流路における前記溝の断面積よりも大きい、
燃料電池。
適用例2の燃料電池によって、第3のガス流路において、中流領域流路の圧力損失が、上流領域流路の圧力損失、および、下流領域流路の圧力損失よりも小さくなるようにすることができる。
[適用例3]
適用例2記載の燃料電池であって、
前記溝および前記リブの断面形状は、それぞれ、略矩形形状を有しており、
前記中流領域流路における前記溝の深さは、前記上流領域流路における前記溝の深さ、および、前記下流領域流路における前記溝の深さとほぼ同じであり、
前記中流領域流路における前記溝の幅は、前記上流領域流路における前記溝の幅、および、前記下流領域流路における前記溝の幅よりも広い、
燃料電池。
適用例3の燃料電池によって、中流領域流路における溝の断面積を、上流領域流路における溝の断面積、および、下流領域流路における溝の断面積よりも大きくして、中流領域流路の圧力損失が、上流領域流路の圧力損失、および、下流領域流路の圧力損失よりも小さくなるようにすることができる。なお、「溝の深さがほぼ同じ」とは、溝の深さが、例えば、所定値±10(%)の範囲内にあることを意味している。
[適用例4]
適用例2記載の燃料電池であって、
前記溝および前記リブの断面形状は、それぞれ、略矩形形状を有しており、
前記中流領域流路における前記溝の幅は、前記上流領域流路における前記溝の幅、および、前記下流領域流路における前記溝の幅とほぼ同じであり、
前記中流領域流路における前記溝の深さは、前記上流領域流路における前記溝の深さ、および、前記下流領域流路における前記溝の深さよりも深い、
燃料電池。
適用例4の燃料電池によっても、中流領域流路における溝の断面積を、上流領域流路における溝の断面積、および、下流領域流路における溝の断面積よりも大きくして、中流領域流路の圧力損失が、上流領域流路の圧力損失、および、下流領域流路の圧力損失よりも小さくなるようにすることができる。なお、「溝の幅がほぼ同じ」とは、溝の幅が、例えば、所定値±10(%)の範囲内にあることを意味している。
[適用例5]
適用例2ないし4のいずれかに記載の燃料電池であって、
前記発電体は、少なくとも前記第3のガス流路が設けられる側の面に、ガス拡散層を備えており、
前記第3のガス流路は、
前記第1のガス流路から櫛歯状に分岐して設けられ、前記第1のガス流路から流入した前記供給ガスを前記ガス拡散層の表面に沿って流すための複数のガス流入流路と、
前記第2のガス流路から櫛歯状に分岐して設けられるとともに、前記複数のガス流入流路と略平行に、かつ、所定の間隔を隔てて交互に設けられ、前記複数のガス流入流路から前記ガス拡散層を透過したガスを受け取って、前記ガス拡散層の表面に沿って流すとともに、前記第2のガス流路に流出させるための複数のガス流出流路と、
を備えており、
前記ガス拡散層は、前記中流領域流路に対向する部位の圧力損失が、前記上流領域流路に対向する部位の圧力損失、および、前記下流領域流路に対向する部位の圧力損失よりも小さくなるように形成されている、
燃料電池。
適用例5の燃料電池では、いわゆるIDFF(InterDigitated Flow Field)と呼ばれるガス流路を備える燃料電池において、中流領域流路における上記ガス流入流路から上記ガス流出流路へのガス拡散層のパスカット透気度、すなわち、供給ガスが上記ガス流入流路からガス拡散層を通じて上記ガス流出流路に透過するときの透気度を、上流領域流路、および、下流領域流路における上記ガス流入流路から上記ガス流出流路へのガス拡散層のパスカット透気度よりも高くし、発電体の表面を流れるガスの流量分布の均一化を図ることができる。
[適用例6]
適用例1記載の燃料電池であって、
前記第3のガス流路は、多孔体からなり、
前記上流領域流路と、前記中流領域流路と、前記下流領域流路とにおいて、前記多孔体の厚さと、気孔率と、細孔径分布とのうちの少なくとも1つを変更することによって、前記中流領域流路の圧力損失が、前記上流領域流路の圧力損失、および、前記下流領域流路の圧力損失よりも小さくなるように形成されている、
燃料電池。
適用例6の燃料電池によっても、発電体の表面を流れるガスの流量分布の均一化を図ることができる。なお、多孔体の気孔率(多孔率、空孔率とも言う)とは、多孔体の総体積に対する気孔(空隙)の体積の割合である。また、多孔体の細孔径分布とは、多孔体中の細孔径の分布割合である。多孔体の細孔径分布は、例えば、水銀圧入法、気体吸着法、小角散乱法、毛管凝縮法等によって求めることができる。
[適用例7]
適用例6記載の燃料電池であって、
前記中流領域流路における前記多孔体の気孔率は、前記上流領域流路における前記多孔体の気孔率、および、前記下流領域流路における前記多孔体の気孔率とほぼ同じであり、
前記中流領域流路における前記多孔体の細孔径分布は、前記上流領域流路における前記多孔体の細孔径分布、および、前記下流領域流路における前記多孔体の細孔径分布とほぼ同じであり、
前記中流領域流路における前記多孔体の厚さは、前記上流領域流路における前記多孔体の厚さ、および、前記下流領域流路における前記多孔体の厚さよりも厚い、
燃料電池。
適用例7の燃料電池によって、中流領域流路における実質的な流路断面積を、上流領域流路における実質的な流路断面積、および、下流領域流路における実質的な流路断面積よりも大きくし、中流領域流路の圧力損失が、上流領域流路の圧力損失、および、下流領域流路の圧力損失よりも小さくなるようにすることができる。なお、「多孔体の気孔率がほぼ同じ」とは、多孔体の気孔率が、例えば、所定値±10(%)の範囲内にあることを意味している。また、「多孔体の細孔径分布がほぼ同じ」とは、多孔体の細孔径分布のプロファイルが、例えば、所定のプロファイル±10(%)の範囲内にあることを意味している。
[適用例8]
適用例6記載の燃料電池であって、
前記中流領域流路における前記多孔体の厚さは、前記上流領域流路における前記多孔体の厚さ、および、前記下流領域流路における前記多孔体の厚さとほぼ同じであり、
前記中流領域流路における前記多孔体の細孔径分布は、前記上流領域流路における前記多孔体の細孔径分布、および、前記下流領域流路における前記多孔体の細孔径分布とほぼ同じであり、
前記中流領域流路における前記多孔体の気孔率は、前記上流領域流路における前記多孔体の気孔率、および、前記下流領域流路における前記多孔体の気孔率よりも高い、
燃料電池。
適用例8の燃料電池によって、中流領域流路における実質的な流路断面積を、上流領域流路における実質的な流路断面積、および、下流領域流路における実質的な流路断面積よりも大きくし、中流領域流路の圧力損失が、上流領域流路の圧力損失、および、下流領域流路の圧力損失よりも小さくなるようにすることができる。なお、「多孔体の厚さがほぼ同じ」とは、多孔体の厚さが、例えば、所定値±10(%)の範囲内にあることを意味している。
[適用例9]
適用例6記載の燃料電池であって、
前記中流領域流路における前記多孔体の厚さは、前記上流領域流路における前記多孔体の厚さ、および、前記下流領域流路における前記多孔体の厚さとほぼ同じであり、
前記中流領域流路における前記多孔体の気孔率は、前記上流領域流路における前記多孔体の気孔率、および、前記下流領域流路における前記多孔体の気孔率とほぼ同じであり、
前記中流領域流路における前記多孔体の細孔径分布は、前記上流領域流路における前記多孔体の細孔径分布、および、前記下流領域流路における前記多孔体の細孔径分布よりも大きい、
燃料電池。
適用例9の燃料電池によっても、中流領域流路における実質的な流路断面積を、上流領域流路における実質的な流路断面積、および、下流領域流路における実質的な流路断面積よりも大きくし、中流領域流路の圧力損失が、上流領域流路の圧力損失、および、下流領域流路の圧力損失よりも小さくなるようにすることができる。なお、本明細書中において、「細孔径分布が大きい」とは、細孔径分布において、最大ピークを有する細孔径の値が、他の細孔径分布における最大ピークを有する細孔径の値よりも大きいことを意味している。
[適用例10]
適用例1記載の燃料電池であって、
前記第3のガス流路は、エキスパンドメタルからなり、
前記上流領域流路と、前記中流領域流路と、前記下流領域流路とにおいて、前記エキスパンドメタルの厚さと、前記エキスパンドメタルを構成する金属板の厚さと、単位面積当たりのターン数とのうちの少なくとも1つを変更することによって、前記中流領域流路の圧力損失が、前記上流領域流路の圧力損失、および、前記下流領域流路の圧力損失よりも小さくなるように形成されている、
燃料電池。
適用例10の燃料電池によっても、発電体の表面を流れるガスの流量分布の均一化を図ることができる。なお、ここで、エキスパンドメタルとは、金属薄板に対して、例えば、剪断プレス加工を施したり、金属薄板に千鳥状に複数の切れ込みを形成して所定方向に引張応力を加えたりすることによって、複数の貫通孔が階段状に形成された部材である。そして、エキスパンドメタルの厚さとは、上述したエキスパンドメタルを一対の平板によって挟んだときの平板間の距離を意味している。また、エキスパンドメタルのターン数とは、エキスパンドメタルを構成する金属板に形成される開口部の数を意味している。そして、エキスパンドメタルにおける単位面積当たりのターン数とは、エキスパンドメタルを上述した厚さ方向から見たときの単位面積当たりの開口部の数を意味している。エキスパンドメタルにおける単位面積当たりのターン数が少ないほど、ガスの流れを妨げる障壁が少なくなるので、流路抵抗が低くなる。
[適用例11]
適用例10記載の燃料電池であって、
前記中流領域流路における前記金属板の厚さは、前記上流領域流路における前記金属板の厚さ、および、前記下流領域流路における前記金属板の厚さとほぼ同じであり、
前記中流領域流路における前記ターン数は、前記上流領域流路における前記ターン数、および、前記下流領域流路におけるターン数とほぼ同じであり、
前記中流領域流路における前記エキスパンドメタルの厚さは、前記上流領域流路における前記エキスパンドメタルの厚さ、および、前記下流領域流路における前記エキスパンドメタルの厚さよりも厚い、
燃料電池。
適用例11の燃料電池によって、中流領域流路における流路断面積を、上流領域流路における流路断面積、および、下流領域流路における流路断面積よりも大きくし、中流領域流路の圧力損失が、上流領域流路の圧力損失、および、下流領域流路の圧力損失よりも小さくなるようにすることができる。なお、「金属板の厚さがほぼ同じ」とは、金属板の厚さが、例えば、所定値±10(%)の範囲内にあることを意味している。また、「ターン数がほぼ同じ」とは、ターン数が、例えば、所定値±10(%)の範囲内にあることを意味している。
[適用例12]
適用例10記載の燃料電池であって、
前記中流領域流路における前記エキスパンドメタルの厚さは、前記上流領域流路における前記エキスパンドメタルの厚さ、および、前記下流領域流路における前記エキスパンドメタルの厚さとほぼ同じであり、
前記中流領域流路における前記ターン数は、前記上流領域流路における前記ターン数、および、前記下流領域流路におけるターン数とほぼ同じであり、
前記中流領域流路における前記金属板の厚さは、前記上流領域流路における前記金属板の厚さ、および、前記下流領域流路における前記金属板の厚さよりも薄い、
燃料電池。
適用例12の燃料電池によって、中流領域流路における実質的な流路断面積を、上流領域流路における実質的な流路断面積、および、下流領域流路における実質的な流路断面積よりも大きくし、中流領域流路の圧力損失が、上流領域流路の圧力損失、および、下流領域流路の圧力損失よりも小さくなるようにすることができる。なお、「エキスパンドメタルの厚さがほぼ同じ」とは、エキスパンドメタルの厚さが、例えば、所定値±10(%)の範囲内にあることを意味している。
[適用例13]
適用例10記載の燃料電池であって、
前記中流領域流路における前記エキスパンドメタルの厚さは、前記上流領域流路における前記エキスパンドメタルの厚さ、および、前記下流領域流路における前記エキスパンドメタルの厚さとほぼ同じであり、
前記中流領域流路における前記金属板の厚さは、前記上流領域流路における前記金属板の厚さ、および、前記下流領域流路における前記金属板の厚さとほぼ同じであり、
前記中流領域流路における前記ターン数は、前記上流領域流路における前記ターン数、および、前記下流領域流路における前記ターン数よりも少ない、
燃料電池。
適用例13の燃料電池によって、中流領域流路における流路抵抗を、上流領域流路における流路抵抗、および、下流領域流路における流路抵抗よりも低くし、中流領域流路の圧力損失が、上流領域流路の圧力損失、および、下流領域流路の圧力損失よりも小さくなるようにすることができる。
本発明は、上述した種々の特徴を必ずしも全て備えている必要はなく、その一部を省略したり、適宜、組み合わせたりして構成することができる。
本発明の第1実施例としての燃料電池スタック100の概略構成を示す斜視図である。 シールガスケット一体型MEA41の概略構造を示す説明図である。 第1実施例におけるセパレータ42を示す説明図である。 比較例の燃料電池スタックにおけるMEA411のアノード表面を流れる水素の流速分布および圧力分布を示す説明図である。 第2実施例におけるセパレータ42Aを示す説明図である。 第3実施例におけるセパレータ42Bを示す説明図である。 セパレータ42BがMEA411におけるアノード側ガス拡散層411dに当接されているとき様子を示す断面図である。 第4実施例におけるセパレータ42Cを示す説明図である。 セパレータ42CがMEA411におけるアノード側ガス拡散層411dに当接されているときの様子を示す断面図である。 第5実施例におけるセパレータ42Dを示す説明図である。 第5実施例の燃料電池スタックにおいて、セパレータ42Dとアノード側ガス拡散層411dとの間に第3のガス流路を構成する金属多孔体43が挟まれている様子を示す断面図である。 第6実施例の燃料電池スタックにおいて、セパレータ42Dとアノード側ガス拡散層411dとの間に第3のガス流路を構成する金属多孔体43が挟まれている様子を示す断面図である。 第7実施例の燃料電池スタックにおいて、セパレータ42Eとアノード側ガス拡散層411dとの間に第3のガス流路を構成する金属多孔体43が挟まれている様子を示す断面図である。 エキスパンドメタル44の概略構造を示す説明図である。 第8実施例の燃料電池スタックにおいて、セパレータ42Dとアノード側ガス拡散層411dとの間に第3のガス流路を構成するエキスパンドメタル44が挟まれている様子を示す断面図である。 第9実施例の燃料電池スタックにおいて、セパレータ42Dとアノード側ガス拡散層411dとの間に第3のガス流路を構成するエキスパンドメタル44が挟まれている様子を示す断面図である。 第10実施例の燃料電池スタックにおいて、セパレータ42Eとアノード側ガス拡散層411dとの間に第3のガス流路を構成するエキスパンドメタル44が挟まれている様子を示す断面図である。
以下、本発明の実施の形態について、実施例に基づき説明する。
A.第1実施例:
A1.燃料電池スタックの構成:
図1は、本発明の第1実施例としての燃料電池スタック100の概略構成を示す斜視図である。この燃料電池スタック100は、概ね、プロトン伝導性を有する電解質膜の両面に、それぞれアノード、および、カソードを接合した膜電極接合体を、セパレータを介在させて、複数積層させたスタック構造を有している。本実施例では、電解質膜として、固体高分子膜を用いるものとした。電解質として、固体酸化物等、他の電解質を用いるものとしてもよい。また、セパレータには、アノードに供給すべき燃料ガスとしての水素の流路や、カソードに供給すべき酸化剤ガスとしての空気の流路や、冷却水の流路が形成されている。なお、燃料電池スタック100における膜電極接合体の積層数は、燃料電池スタック100に要求される出力に応じて任意に設定可能である。
燃料電池スタック100は、図示するように、一端から、エンドプレート10a、絶縁板20a、集電板30a、複数の燃料電池モジュール40、集電板30b、絶縁板20b、エンドプレート10bの順に積層することによって構成されている。本実施例では、これらは、それぞれ略矩形形状を有している。そして、燃料電池スタック100内部には、水素や、空気や、冷却水を、それぞれ各膜電極接合体に分配して供給するための供給マニホールド(水素供給マニホールド、空気供給マニホールド、冷却水供給マニホールド)や、各膜電極接合体のアノードおよびカソードからそれぞれ排出されるアノードオフガスおよびカソードオフガスや、冷却水を集合させて燃料電池スタック100の外部に排出するための排出マニホールド(アノードオフガス排出マニホールド、カソードオフガス排出マニホールド、冷却水排出マニホールド)が形成されている。
そして、図示するように、エンドプレート10aの下側長辺の内側には、下側長辺に沿って、空気供給マニホールドを構成する3つの空気供給口12i1,12i2,12i3が隣接して形成されている。また、エンドプレート10aの上側長辺の内側には、上側長辺に沿って、カソードオフガス排出マニホールドを構成する3つのカソードオフガス排出口12o1,12o2,12o3が隣接して形成されている。また、エンドプレート10aの左側短辺の内側には、水素供給マニホールドを構成する水素供給口14i、および、冷却水供給マニホールドを構成する冷却水供給口16iが、上下に互いに隣接して形成されている。また、エンドプレート10aの右側短辺には、冷却水排出マニホールドを構成する冷却水排出口16o、および、アノードオフガス排出マニホールドを構成するアノードオフガス排出口14oが、上下に互いに隣接して形成されている。
水素供給口14iには、図示しない水素タンクから、燃料ガスとしての水素が供給され、燃料電池スタック100のアノードから排出されるアノードオフガスは、アノードオフガス排出口14oから排出される。また、各空気供給口12i1,12i2,12i3には、図示しないエアコンプレッサによって圧縮された酸化剤ガスとしての酸素を含む空気が供給され、燃料電池スタック100のカソードから排出されるカソードオフガスは、各カソードオフガス排出口12o1,12o2,12o3から排出される。また、冷却水供給口16iには、図示しないラジエータによって冷却され、ポンプによって加圧された冷却水が供給され、燃料電池スタック100の内部を流れて、冷却水排出口16oから排出されて循環する。
燃料電池モジュール40は、膜電極接合体、および、シールガスケットを一体的に備えるユニットと、セパレータとによって構成されている。この燃料電池モジュール40については、後述する。
エンドプレート10a,10bは、剛性を確保するために、鋼等の金属によって形成されている。また、絶縁板20a,20bは、ゴムや、樹脂等の絶縁性部材によって形成されている。また、集電板30a,30bは、緻密質カーボンや、銅板などのガス不透過な導電性部材によって形成されている。集電板30a,30bには、それぞれ出力端子32a,32bが設けられており、燃料電池スタック100で発電した電力を出力可能となっている。
A2.燃料電池モジュールの構成:
燃料電池スタック100を構成する各燃料電池モジュール40は、膜電極接合体(MEA:Membrane Electrode Assembly)の周囲にシールガスケットを配置したユニット(以下、シールガスケット一体型MEAと呼ぶ)を、後述するセパレータ42によって挟持することによって構成されている。そして、本実施例において、膜電極接合体は、電解質膜の一方の面に、カソードとして、触媒層(触媒電極)が接合され、他方の面にアノードとして、触媒層(触媒電極)が接合されたものである。なお、本実施例の膜電極接合体において、アノード側の触媒層の表面、および、カソード側の触媒層の表面には、導電性、および、ガス拡散性を有し、アノード側の触媒層、および、カソード側の触媒層に、それぞれ供給すべき水素、および、空気を流すためのガス拡散層(アノード側ガス拡散層、および、カソード側ガス拡散層)もそれぞれ接合されている。このガス拡散層としては、例えば、カーボンクロスや、カーボンペーパ等を適用可能である。これは、後述する他の実施例においても同様である。以下、シールガスケット一体型MEA41、セパレータ42について説明する。
A2.1.シールガスケット一体型MEA:
図2は、シールガスケット一体型MEA41の概略構造を示す説明図である。シールガスケット一体型MEA41のカソード側から見た平面図を示した。図示するように、シールガスケット一体型MEA41は、略矩形形状を有しており、略矩形形状を有するMEA411の周囲に、例えば、シリコーンゴムからなるシールガスケット410を一体形成したものである。
そして、シールガスケット410の下側長辺部のMEA411の近傍領域には、空気供給マニホールドを構成する3つの空気供給用貫通孔412i1,412i2,412i3が、シールガスケット410の下側長辺に沿って隣接して形成されている。シールガスケット410における空気供給用貫通孔412i1,412i2,412i3の形成位置は、エンドプレート10aに形成された空気供給口12i1,12i2,12i3の形成位置とそれぞれ対応している。
また、シールガスケット410の上側長辺部のMEA411の近傍領域には、カソードオフガス排出マニホールドを構成する3つのカソードオフガス排出用貫通孔412o1,412o2,412o3が、シールガスケット410の上側長辺に沿って隣接して形成されている。シールガスケット410におけるカソードオフガス排出用貫通孔412o1,412o2,412o3の形成位置は、エンドプレート10aに形成されたカソードオフガス排出口12o1,12o2,12o3の形成位置とそれぞれ対応している。
また、シールガスケット410の左側短辺部のMEA411の近傍領域には、水素供給マニホールドを構成する水素供給用貫通孔414iと、冷却水供給マニホールドを構成する冷却水供給用貫通孔416iとが、上下に配置して形成されている。シールガスケット410における水素供給用貫通孔414i、および、冷却水供給用貫通孔416iの形成位置は、それぞれエンドプレート10aに形成された水素供給口14i、および、冷却水供給口16iの形成位置と対応している。
また、シールガスケット410の右側短辺部のMEA411の近傍領域には、冷却水排出マニホールドを構成する冷却水排出用貫通孔416oと、アノードオフガス排出マニホールドを構成するアノードオフガス排出用貫通孔414oとが、上下に配置して形成されている。シールガスケット410における冷却水排出用貫通孔416o、および、アノードオフガス排出用貫通孔414oの形成位置は、それぞれエンドプレート10aに形成された冷却水排出口16o、および、アノードオフガス排出口14oの形成位置と対応している。
A2.2.セパレータ:
図3は、第1実施例におけるセパレータ42を示す説明図である。図3(a)に、MEA411のアノードと当接する側から見たときのセパレータ42の平面図を示した。図中の破線で囲った矩形の領域は、先に説明したシールガスケット一体型MEA41におけるMEA411に対応する領域を示している。なお、本実施例では、セパレータ42として、シールガスケット一体型MEA41と同一の略矩形形状を有するステンレス鋼製の平板を用いるものとした。セパレータ42として、ステンレス鋼の代わりに、チタンやアルミニウム等、他の金属製の平板を用いるものとしてもよい。これは、後述する他の実施例においても同様である。
図示するように、セパレータ42には、シールガスケット一体型MEA41に形成された各貫通孔と対応する位置に、空気供給マニホールドを構成する空気供給用貫通孔422i1,422i2,422i3と、カソードオフガス排出マニホールドを構成するカソードオフガス排出用貫通孔422o1,422o2,422o3と、水素供給マニホールドを構成する水素供給用貫通孔424iと、冷却水供給マニホールドを構成する冷却水供給用貫通孔426iと、冷却水排出マニホールドを構成する冷却水排出用貫通孔426oと、アノードオフガス排出マニホールドを構成するアノードオフガス排出用貫通孔424oとが形成されている。これらの各貫通孔の形状は、シールガスケット一体型MEA41において、これらと対応する各貫通孔の形状と同じである。
そして、セパレータ42の表面には、MEA411の上側長辺領域に対向する位置に、MEA411の上側長辺に沿って設けられるとともに、MEA411の上側長辺の略全長に亘って設けられ、MEA411のアノードに供給すべき水素を、水素供給用貫通孔424iから図示したx方向に流すための溝状の第1のガス流路424ipが形成されている。なお、第1のガス流路424ipにおける水素の流れ方向についての最下流部は、閉塞されている。
また、セパレータ42の表面には、MEA411の下側長辺領域に対向する位置に、MEA411の下側長辺に沿って設けられるとともに、MEA411の下側長辺の略全長に亘って設けられ、MEA411のアノードから排出されたアノードオフガスを、アノードオフガス排出用貫通孔424oに、図示したx方向に流すための溝状の第2のガス流路424opが形成されている。なお、第2のガス流路424opにおけるアノードオフガスの流れ方向についての最上流部は、閉塞されている。
また、セパレータ42の表面には、MEA411のアノードと対向する領域に、MEA411の表面に沿って、第1のガス流路424ipから第2のガス流路424opに、水素およびアノードオフガスが、図示した−y方向に流れるように、第3のガス流路424(符号の図示省略)が形成されている。なお、図示するように、この第3のガス流路424は、y方向に平行に設けられた複数の溝部424dおよび複数のリブ部424rによって構成されている。
そして、第3のガス流路424は、上流領域流路424uと、中流領域流路424mと、下流領域流路424lと、を有している。上流領域流路424uは、第1のガス流路424ipにおける水素の流れ方向についての上流部(図示した上流領域)から第2のガス流路424opにおけるアノードオフガスの流れ方向についての上流部(図示した上流領域)に、水素およびアノードオフガスが流れるガス流路である。また、中流領域流路424mは、第1のガス流路424ipにおける水素の流れ方向についての中流部(図示した中流領域)から第2のガス流路424opにおけるアノードオフガスの流れ方向についての中流部(図示した中流領域)に、水素およびアノードオフガスが流れるガス流路である。また、下流領域流路424lは、第1のガス流路424ipにおける水素の流れ方向についての下流部(図示した下流領域)から第2のガス流路424opにおけるアノードオフガスの流れ方向についての下流部(図示した下流領域)に、水素およびアノードオフガスが流れるガス流路である。
図3(b)に、上流領域流路424uを水素の流れ方向から見たときの断面図を示した。また、図3(c)に、中流領域流路424mを水素の流れ方向から見たときの断面図を示した。また、図3(d)に、下流領域流路424lを水素の流れ方向から見たときの断面図を示した。図3(b)〜(d)に示したように、本実施例では、上流領域流路424u、中流領域流路424m、下流領域流路424lにおける各溝部424dおよび各リブ部424rの断面形状は、それぞれ、矩形形状を有しているものとした。
そして、上流領域流路424uにおける各溝部424dの深さdと、中流領域流路424mにおける各溝部424dの深さdと、下流領域流路424lにおける各溝部424dの深さdとは、同じである(d=d1)。また、上流領域流路424uにおける各溝部424dの幅wと下流領域流路424lにおける各溝部424dの幅wとは同じであり(w=w1)、中流領域流路424mにおける各溝部424dの幅w(=w2)は、上流領域流路424uにおける各溝部424dの幅w、および、下流領域流路424lにおける各溝部424dの幅wよりも広い(w2>w1)。つまり、中流領域流路424mにおける各溝部424dの断面積(流路断面積)は、上流領域流路424uにおける各溝部424dの断面積(流路断面積)、および、下流領域流路424lにおける各溝部424dの断面積(流路断面積)よりも大きい。
こうすることによって、中流領域流路424mの圧力損失を、上流領域流路424uの圧力損失、および、下流領域流路424lの圧力損失よりも小さくすることができる。なお、図示は省略しているが、本実施例では、複数のリブ部424rの幅は、すべて同じであるものとした。複数のリブ部424rの幅の一部が異なるものとしてもよい。
A3.効果:
以下、第1実施例のセパレータ42において、中流領域流路424mの圧力損失を、上流領域流路424uの圧力損失、および、下流領域流路424lの圧力損失よりも小さくすることによる効果について、比較例の燃料電池スタックと対比して説明する。
図4は、比較例の燃料電池スタックにおけるMEA411のアノード表面を流れる水素の流速分布および圧力分布を示す説明図である。なお、図示は省略するが、比較例の燃料電池スタックと燃料電池スタック100とは、セパレータ42における第3のガス流路424の構成が異なっており、これ以外の構成は同じである。具体的には、比較例の燃料電池スタックは、第3のガス流路424を構成するリブ部424rの幅がすべて同じであり、第3のガス流路424における上流領域流路424u、中流領域流路424m、下流領域流路424lの圧力損失がすべて等しい点が、第1実施例の燃料電池スタック100と異なっている。
図4(a)に、MEA411のアノード表面における水素およびアノードオフガスの流れを模式的に示した。Vi(x)は、第1のガス流路424ip内の面内位置xにおける水素の流速である。また、Pi(x)は、第1のガス流路424ip内の面内位置xにおける水素の圧力である。また、Vo(x)は、第2のガス流路424op内の面内位置xにおけるアノードオフガスの流速である。また、Po(x)は、第2のガス流路424op内の面内位置xにおけるアノードオフガスの圧力である。
図4(b)に、第1のガス流路424ip内の面内位置xにおける水素の流速Vi(x)の分布、および、第2のガス流路424op内の面内位置xにおけるアノードオフガスの流速Vo(x)の分布を示した。図4(a)にも示したように、第1のガス流路424ipにおける水素の流れ方向についての最下流部は、閉塞されているため、図4(b)に示すように、Vi(x)は、水素の流れ方向についての最上流端部から最下流端部にかけて減少し、最下流端部において0(ゼロ)となる。また、第2のガス流路424opにおけるアノードオフガスの流れ方向についての最上流部は、閉塞されているため、Vo(x)は、アノードオフガスの流れ方向についての最上流端部において0(ゼロ)となり、この最上流端部から最下流端部にかけて増加する。
また、図4(c)に、第1のガス流路424ip内の面内位置xにおける水素の圧力Pi(x)の分布、および、第2のガス流路424op内の面内位置xにおけるアノードオフガスの圧力Po(x)の分布を示した。そして、第3のガス流路424において、水素およびアノードオフガスは、Pi(x)とPo(x)との圧力差によって流れ、また、比較例の燃料電池スタックでは、上流領域流路424u、中流領域流路424m、下流領域流路424lの圧力損失が等しいので、第3のガス流路424における水素およびアノードオフガスの流速は、Pi(x)−Po(x)に比例する。したがって、第1のガス流路424ipから第2のガス流路424opへの水素およびアノードオフガスの面内流速分布は、図4(d)に示したようになる。すなわち、中流領域流路424mにおける水素およびアノードオフガスの流速が、上流領域流路424uにおける水素およびアノードオフガスの流速、および、下流領域流路424lにおける水素およびアノードオフガスの流速よりも少なくなる。換言すれば、図4(a)中に縦方向に複数の長短矢印で示したように、中流領域流路424mにおける水素およびアノードオフガスの流量が、上流領域流路424uにおける水素およびアノードオフガスの流量、および、下流領域流路424lにおける水素およびアノードオフガスの流量よりも少なくなる。このため、MEA411の面内において、発電分布の不均一を招き、さらには、MEA411のアノードにおける水素不足が生じた領域、あるいは、発電集中が生じた領域において、MEA411の劣化を招く。
これに対して、第1実施例の燃料電池スタック100では、第3のガス流路424において、中流領域流路424mにおける各溝部424dの断面積を、上流領域流路424uにおける各溝部424dの断面積、および、下流領域流路424lにおける各溝部424dの断面積よりも大きくしている。そして、これによって、中流領域流路424mの圧力損失を、上流領域流路424uの圧力損失、および、下流領域流路424lの圧力損失よりも小さくしている。
したがって、先に説明した、中流領域流路424mにおける水素およびアノードオフガスの流量が、上流領域流路424uにおける水素およびアノードオフガスの流量、および、下流領域流路424lにおける水素およびアノードオフガスの流量よりも少なくなるという、第3のガス流路424におけるガスの流量分布の不均一を抑制することができる。つまり、第1実施例の燃料電池スタック100によって、MEA411のアノード表面を流れるガスの流量分布の均一化を図ることができる。この結果、MEA411における発電分布の均一化を図ることができる。
B.第2実施例:
第2実施例の燃料電池スタック(図示省略)の構成は、第1実施例の燃料電池スタック100におけるセパレータ42の代わりに、セパレータ42Aを備えること以外は、第1実施例の燃料電池スタック100の構成と同じである。以下、第2実施例におけるセパレータ42Aについて説明する。
図5は、第2実施例におけるセパレータ42Aを示す説明図である。図5(a)に、MEA411のアノードと当接する側から見たときのセパレータ42Aの平面図を示した。図中の破線で囲った矩形の領域は、先に説明したシールガスケット一体型MEA41におけるMEA411に対応する領域を示している。なお、セパレータ42Aの外形形状、および、セパレータ42Aに形成された各貫通孔の位置および形状は、第1実施例におけるセパレータ42と同じである。
そして、セパレータ42Aの表面には、第1実施例におけるセパレータ42と同様に、第1のガス流路424ipと、第2のガス流路424opと、第3のガス流路424(符号の図示省略)とが形成されている。ただし、第2実施例におけるセパレータ42Aでは、第3のガス流路424において、中流領域流路424mの断面形状が、第1実施例におけるセパレータ42と異なっている。
図5(b)に、上流領域流路424uを水素の流れ方向から見たときの断面図を示した。また、図5(c)に、中流領域流路424mを水素の流れ方向から見たときの断面図を示した。また、図5(d)に、下流領域流路424lを水素の流れ方向から見たときの断面図を示した。図5(b)〜(d)に示したように、本実施例では、上流領域流路424u、中流領域流路424m、下流領域流路424lにおける各溝部424dおよび各リブ部424rの断面形状は、それぞれ、矩形形状を有しているものとした。
そして、上流領域流路424uにおける各溝部424dの幅wと、中流領域流路424mにおける各溝部424dの幅wと、下流領域流路424lにおける各溝部424dの幅wとは、同じである(w=w1)。また、上流領域流路424uにおける各溝部424dの深さdと下流領域流路424lにおける各溝部424dの深さdとは同じであり(d=d1)、中流領域流路424mにおける各溝部424dの深さdw(=d2)は、上流領域流路424uにおける各溝部424dの深さ、および、下流領域流路424lにおける各溝部424dの深さdよりも深い(d2>d1)。つまり、中流領域流路424mにおける各溝部424dの断面積(流路断面積)は、上流領域流路424uにおける各溝部424dの断面積(流路断面積)、および、下流領域流路424lにおける各溝部424dの断面積(流路断面積)よりも大きい。
こうすることによって、中流領域流路424mの圧力損失を、上流領域流路424uの圧力損失、および、下流領域流路424lの圧力損失よりも小さくすることができる。なお、図示は省略しているが、本実施例においても、第1実施例と同様に、複数のリブ部424rの幅は、すべて同じであるものとした。複数のリブ部424rの幅の一部が異なるものとしてもよい。
以上説明した第2実施例の燃料電池スタックにおいても、先に説明した第1実施例の燃料電池スタック100と同様に、第3のガス流路424において、中流領域流路424mにおける各溝部424dの断面積を、上流領域流路424uにおける各溝部424dの断面積、および、下流領域流路424lにおける各溝部424dの断面積よりも大きくしている。これによって、中流領域流路424mの圧力損失を、上流領域流路424uの圧力損失、および、下流領域流路424lの圧力損失よりも小さくしている。したがって、第2実施例の燃料電池スタックによっても、第1実施例の燃料電池スタック100と同様に、MEA411のアノード表面を流れるガスの流量分布の均一化を図ることができる。この結果、MEA411における発電分布の均一化を図ることができる。
C.第3実施例:
第3実施例の燃料電池スタック(図示省略)の構成は、第1実施例の燃料電池スタック100におけるセパレータ42の代わりに、セパレータ42Bを備えること、および、MEA411のアノードに接合されるアノード側ガス拡散層が異なること以外は、第1実施例の燃料電池スタック100の構成と同じである。以下、第3実施例におけるセパレータ42B、および、アノード側ガス拡散層について説明する。
図6は、第3実施例におけるセパレータ42Bを示す説明図である。図6(a)に、MEA411のアノードと当接する側から見たときのセパレータ42Bの平面図を示した。図中の破線で囲った矩形の領域は、先に説明したシールガスケット一体型MEA41におけるMEA411に対応する領域を示している。なお、セパレータ42Bの外形形状、および、セパレータ42Bに形成された各貫通孔の位置および形状は、第1,2実施例におけるセパレータ42,42Aと同じである。
そして、セパレータ42Bの表面には、第1実施例におけるセパレータ42と同様に、第1のガス流路424ipと、第2のガス流路424opとが形成されている。なお、第3実施例におけるセパレータ42Bでは、第3のガス流路424(符号の図示省略)が、第1実施例におけるセパレータ42と異なっており、第3のガス流路424は、いわゆるIDFF(InterDigitated Flow Field)と呼ばれるガス流路である。すなわち、第3実施例におけるセパレータ42Bでは、第3のガス流路424は、第1のガス流路424ipに櫛歯状に設けられた複数のガス流入流路と、第2のガス流路424opに櫛歯状に設けられた複数のガス流出流路と、を備えている。複数のガス流入流路は、それぞれ、溝部424diとリブ部424rとによって構成されており、第1のガス流路424ipから流入した水素を、MEA411におけるアノード側ガス拡散層の表面に流すためのガス流路である(図7の破線矢印参照)。また、複数のガス流出流路は、溝部424doとリブ部424rとによって構成されており、複数のガス流入流路からMEA411におけるアノード側ガス拡散層を透過した水素およびアノードオフガスを受け取って、アノード側ガス拡散層の表面に沿って流すとともに、第2のガス流路424opに流出させるためのガス流路である(図7の破線矢印参照)。なお、セパレータ42Bにおいて、複数のガス流入流路と、複数のガス流出流路とは、それぞれ、平行に、かつ、所定の間隔(リブ部424rの幅)を隔てて交互に設けられている。また、第3実施例におけるセパレータ42Bも、第1実施例におけるセパレータ42と同様に、中流領域流路424mの幅が、上流領域流路424uの幅と、および、下流領域流路424lの幅と異なっている。
図6(b)に、上流領域流路424uを水素の流れ方向から見たときの断面図を示した。また、図6(c)に、中流領域流路424mを水素の流れ方向から見たときの断面図を示した。また、図6(d)に、下流領域流路424lを水素の流れ方向から見たときの断面図を示した。図6(b)〜(d)に示したように、本実施例では、上流領域流路424u、中流領域流路424m、下流領域流路424lにおける各溝部424di,424doおよび各リブ部424rの断面形状は、それぞれ、矩形形状を有しているものとした。
そして、上流領域流路424uにおける各溝部424di,424doの深さdと、中流領域流路424mにおける各溝部424di,424doの深さdと、下流領域流路424lにおける各溝部424di,424doの深さdとは、同じである(d=d1)。また、上流領域流路424uにおける各溝部424di,424doの幅wと下流領域流路424lにおける各溝部424di,424doの幅wとは同じであり(w=w1)、中流領域流路424mにおける各溝部424di,424doの幅w(=w2)は、上流領域流路424uにおける各溝部424di,424doの幅w、および、下流領域流路424lにおける各溝部424di,424doの幅wよりも広い(w2>w1)。つまり、中流領域流路424mにおける各溝部424di,424doの断面積(流路断面積)は、上流領域流路424uにおける各溝部424di,424doの断面積(流路断面積)、および、下流領域流路424lにおける各溝部424di,424doの断面積(流路断面積)よりも大きい。
こうすることによって、中流領域流路424mの圧力損失を、上流領域流路424uの圧力損失、および、下流領域流路424lの圧力損失よりも小さくすることができる。なお、図示は省略しているが、本実施例においても、複数のリブ部424rの幅は、すべて同じであるものとした。複数のリブ部424rの幅の一部が異なるものとしてもよい。
図7は、セパレータ42BがMEA411におけるアノード側ガス拡散層411dに当接されているとき様子を示す断面図である。第3実施例の燃料電池スタックでは、図示するように、MEA411におけるアノード側ガス拡散層411dが、先に説明した上流領域と、中流領域と、下流領域とで異なっている。具体的には、第3実施例の燃料電池スタックでは、MEA411において、中流領域に設けられたアノード側ガス拡散層411dmとして、上流領域に設けられたアノード側ガス拡散層411du、および、下流領域に設けられたアノード側ガス拡散層411dlよりも、目が粗く、ガスの透過率が高い部材を用いている。第3実施例の燃料電池スタックでは、アノード側ガス拡散層411dも、第3のガス流路424の一部として機能する。したがって、アノード側ガス拡散層411dを上述した構成にすることによって、第3のガス流路424において、中流領域流路424mにおけるアノード側ガス拡散層411dmのパスカット透気度を、上流領域流路424uにおけるアノード側ガス拡散層411duのパスカット透気度、および、下流領域流路424lにおけるアノード側ガス拡散層411dlのパスカット透気度よりも高くすることができる。そして、より効果的に、中流領域流路424mの圧力損失が、上流領域流路424uの圧力損失、および、下流領域流路424lの圧力損失よりも小さくなるようにすることができる。
以上説明した第3実施例の燃料電池スタックによっても、MEA411のアノード表面を流れるガスの流量分布の均一化を図ることができる。この結果、MEA411における発電分布の均一化を図ることができる。
D.第4実施例:
第4実施例の燃料電池スタック(図示省略)の構成は、第3実施例の燃料電池スタック100におけるセパレータ42Bの代わりに、セパレータ42Cを備えること以外は、第3実施例の燃料電池スタックの構成と同じである。以下、第4実施例におけるセパレータ42C、および、アノード側ガス拡散層について説明する。
図8は、第4実施例におけるセパレータ42Cを示す説明図である。図8(a)に、MEA411のアノードと当接する側から見たときのセパレータ42Cの平面図を示した。図中の破線で囲った矩形の領域は、先に説明したシールガスケット一体型MEA41におけるMEA411に対応する領域を示している。なお、セパレータ42Cの外形形状、および、セパレータ42Cに形成された各貫通孔の位置および形状は、第1〜3実施例におけるセパレータ42,42A,42Bと同じである。
そして、セパレータ42Cの表面には、第3実施例におけるセパレータ42Bと同様に、第1のガス流路424ipと、第2のガス流路424opと、第3のガス流路424(符号の図示省略)とが形成されている。なお、第4実施例におけるセパレータ42Cにおいても、第3実施例におけるセパレータ42Bと同様に、第3のガス流路424は、いわゆるIDFF(InterDigitated Flow Field)と呼ばれるガス流路である。そして、第4実施例におけるセパレータ42Cでは、第2実施例におけるセパレータ42Aと同様に、中流領域流路424mの深さが、上流領域流路424uの深さ、および、下流領域流路424lの深さと異なっている。
図8(b)に、上流領域流路424uを水素の流れ方向から見たときの断面図を示した。また、図8(c)に、中流領域流路424mを水素の流れ方向から見たときの断面図を示した。また、図8(d)に、下流領域流路424lを水素の流れ方向から見たときの断面図を示した。図8(b)〜(d)に示したように、本実施例では、上流領域流路424u、中流領域流路424m、下流領域流路424lにおける各溝部424di,424doおよび各リブ部424rの断面形状は、それぞれ、矩形形状を有しているものとした。
そして、上流領域流路424uにおける各溝部424di,424doの幅wと、中流領域流路424mにおける各溝部424di,424doの幅wと、下流領域流路424lにおける各溝部424di,424doの幅wとは、同じである(w=w1)。また、上流領域流路424uにおける各溝部424di,424doの深さdと下流領域流路424lにおける各溝部424di,424doの深さdとは同じであり(d=d1)、中流領域流路424mにおける各溝部424di,424doの深さdw(=d2)は、上流領域流路424uにおける各溝部424di,424doの深さ、および、下流領域流路424lにおける各溝部424di,424doの深さdよりも深い(d2>d1)。つまり、中流領域流路424mにおける各溝部424di,424doの断面積(流路断面積)は、上流領域流路424uにおける各溝部424di,424doの断面積(流路断面積)、および、下流領域流路424lにおける各溝部424di,424doの断面積(流路断面積)よりも大きい。
こうすることによって、中流領域流路424mの圧力損失を、上流領域流路424uの圧力損失、および、下流領域流路424lの圧力損失よりも小さくすることができる。なお、図示は省略しているが、本実施例においても、複数のリブ部424rの幅は、すべて同じであるものとした。複数のリブ部424rの幅の一部が異なるものとしてもよい。
図9は、セパレータ42CがMEA411におけるアノード側ガス拡散層411dに当接されているときの様子を示す断面図である。第4実施例の燃料電池スタックにおいても、第3実施例の燃料電池スタックと同様に、MEA411におけるアノード側ガス拡散層411dが、先に説明した上流領域と、中流領域と、下流領域とで異なっている。すなわち、第4実施例の燃料電池スタックにおいても、MEA411において、中流領域に設けられたアノード側ガス拡散層411dmとして、上流領域に設けられたアノード側ガス拡散層411du、および、下流領域に設けられたアノード側ガス拡散層411dlよりも、目が粗く、ガスの透過率が高い部材を用いている。こうすることによって、第3実施例の燃料電池スタックと同様に、第3のガス流路424において、中流領域流路424mにおけるアノード側ガス拡散層411dmのパスカット透気度を、上流領域流路424uにおけるアノード側ガス拡散層411duのパスカット透気度、および、下流領域流路424lにおけるアノード側ガス拡散層411dlのパスカット透気度よりも高くすることができる。そして、より効果的に、中流領域流路424mの圧力損失が、上流領域流路424uの圧力損失、および、下流領域流路424lの圧力損失よりも小さくなるようにすることができる。
以上説明した第4実施例の燃料電池スタックによっても、先に説明した第3実施例の燃料電池スタックと同様に、MEA411のアノード表面を流れるガスの流量分布の均一化を図ることができる。この結果、MEA411における発電分布の均一化を図ることができる。
E.第5実施例:
第5実施例の燃料電池スタック(図示省略)は、第1実施例の燃料電池スタック100におけるセパレータ42の代わりに、セパレータ42Dを備える。また、第5実施例の燃料電池スタックは、MEA411におけるアノードとセパレータ42Dとの間に、導電性およびガス拡散性を有する金属多孔体(例えば、発泡金属焼結体)が備えられる。この金属多孔体は、[課題を解決するための手段]における第3のガス流路を構成する。これら以外は、第1実施例の燃料電池スタック100の構成と同じである。
図10は、第5実施例におけるセパレータ42Dを示す説明図である。MEA411のアノードと当接する側から見たときのセパレータ42Dの平面図を示した。図中の破線で囲った矩形の領域は、先に説明したシールガスケット一体型MEA41におけるMEA411に対応する領域を示している。なお、セパレータ42Dの外形形状、および、セパレータ42Dに形成された各貫通孔の位置および形状は、第1実施例におけるセパレータ42と同じである。
そして、セパレータ42Dの表面には、第1実施例におけるセパレータ42と同様に、第1のガス流路424ipと、第2のガス流路424opとが形成されている。ただし、第5実施例におけるセパレータ42Dは、第1実施例におけるセパレータ42とは異なり、第3のガス流路424(溝部424d、および、リブ部424r)は形成されていない。
図11は、第5実施例の燃料電池スタックにおいて、セパレータ42Dとアノード側ガス拡散層411dとの間に、第3のガス流路を構成する金属多孔体43が挟まれている様子を示す断面図である。第3のガス流路を水素の流れ方向から見たときの様子を示した。
第5実施例の燃料電池スタックでは、図示するように、金属多孔体43が、先に説明した上流領域流路と、中流領域流路と、下流領域流路とで異なっている。具体的には、第5実施例の燃料電池スタックでは、中流領域流路を構成する金属多孔体43mの気孔率が、上流領域流路を構成する金属多孔体43uの気孔率、および、下流領域流路を構成する金属多孔体43lの気孔率よりも高い。また、本実施例では、各金属多孔体43u,43m,43lの厚さ、および、細孔径分布は、それぞれ同じであるものとした。なお、金属多孔体の気孔率とは、金属多孔体の総体積に対する気孔(空隙)の体積の割合である。また、金属多孔体の細孔径分布とは、金属多孔体中の細孔径の分布割合である。金属多孔体43を、上述した構成とすることによって、第3のガス流路において、中流領域流路における実質的な流路断面積を、上流領域流路における実質的な流路断面積、および、下流領域流路における実質的な流路断面積よりも大きくし、中流領域流路の圧力損失が、上流領域流路の圧力損失、および、下流領域流路の圧力損失よりも小さくなるようにすることができる。
以上説明した第5実施例の燃料電池スタックによっても、MEA411のアノード表面を流れるガスの流量分布の均一化を図ることができる。この結果、MEA411における発電分布の均一化を図ることができる。
F.第6実施例:
第6実施例の燃料電池スタック(図示省略)の構成は、MEA411におけるアノードとセパレータ42Dとの間に配置される金属多孔体43が異なること以外は、上述した第5実施例の燃料電池スタックの構成と同じである。
図12は、第6実施例の燃料電池スタックにおいて、セパレータ42Dとアノード側ガス拡散層411dとの間に、第3のガス流路を構成する金属多孔体43が挟まれている様子を示す断面図である。第3のガス流路を水素の流れ方向(図示したy方向)から見たときの様子を示した。
第6実施例の燃料電池スタックにおいても、第5実施例の燃料電池スタックと同様に、金属多孔体43が、先に説明した上流領域流路と、中流領域流路と、下流領域流路とで異なっている。具体的には、第6実施例の燃料電池スタックでは、中流領域流路を構成する金属多孔体43mの細孔径分布が、上流領域流路を構成する金属多孔体43uの細孔径分布、および、下流領域流路を構成する金属多孔体43lの細孔径分布よりも大きい。なお、本実施例では、各金属多孔体43u,43m,43lの厚さ、および、気孔率は、それぞれ同じであるものとした。こうすることによっても、第3のガス流路において、中流領域流路における実質的な流路断面積を、上流領域流路における実質的な流路断面積、および、下流領域流路における実質的な流路断面積よりも大きくし、中流領域流路の圧力損失が、上流領域流路の圧力損失、および、下流領域流路の圧力損失よりも小さくなるようにすることができる。
以上説明した第6実施例の燃料電池スタックによっても、先に説明した第5実施例の燃料電池スタックと同様に、MEA411のアノード表面を流れるガスの流量分布の均一化を図ることができる。この結果、MEA411における発電分布の均一化を図ることができる。
G.第7実施例:
第7実施例の燃料電池スタック(図示省略)の構成は、第5,6実施例の燃料電池スタックにおけるセパレータ42Dの代わりに、セパレータ42Eを備えること、および、MEA411におけるアノードとセパレータ42Eとの間に配置される金属多孔体43が異なること以外は、第5,6実施例の燃料電池スタックの構成と同じである。
図13は、第7実施例の燃料電池スタックにおいて、セパレータ42Eとアノード側ガス拡散層411dとの間に、第3のガス流路を構成する金属多孔体43が挟まれている様子を示す断面図である。第3のガス流路を水素の流れ方向(図示したy方向)から見たときの様子を示した。
第7実施例の燃料電池スタックにおいても、第5,6実施例の燃料電池スタックと同様に、金属多孔体43が、先に説明した上流領域流路と、中流領域流路と、下流領域流路とで異なっている。具体的には、第7実施例の燃料電池スタックでは、図示するように、中流領域流路を構成する金属多孔体43mの厚さが、上流領域流路を構成する金属多孔体43uの厚さ、および、下流領域流路を構成する金属多孔体43lの厚さよりも厚い。そして、図から分かるように、セパレータ42Eの金属多孔体43と当接する側の表面には、各金属多孔体43u,43m,43lの厚さに対応した凹凸が設けられている。なお、本実施例では、各金属多孔体43u,43m,43lの気孔率、および、細孔径分布は、それぞれ同じであるものとした。こうすることによっても、第3のガス流路において、中流領域流路における実質的な流路断面積を、上流領域流路における実質的な流路断面積、および、下流領域流路における実質的な流路断面積よりも大きくし、中流領域流路の圧力損失が、上流領域流路の圧力損失、および、下流領域流路の圧力損失よりも小さくなるようにすることができる。
以上説明した第7実施例の燃料電池スタックによっても、先に説明した第5,6実施例の燃料電池スタックと同様に、MEA411のアノード表面を流れるガスの流量分布の均一化を図ることができる。この結果、MEA411における発電分布の均一化を図ることができる。
H.第8実施例:
第8実施例の燃料電池スタック(図示省略)の構成は、第5実施例の燃料電池スタックにおいて、MEA411におけるアノードとセパレータ42Dとの間に、第3のガス流路を構成する部材として、金属多孔体43の代わりに、エキスパンドメタルが配置されること以外は、上述した第5実施例の燃料電池スタックの構成と同じである。
図14は、エキスパンドメタル44の概略構造を示す説明図である。図14(a)に、エキスパンドメタル44の斜視図を示した。また、図14(b)に、エキスパンドメタル44の側面図を示した。
図14(a)に示したように、本実施例におけるエキスパンドメタル44では、複数の六角形の貫通孔が千鳥状、かつ、階段状に形成されている。このようなエキスパンドメタル44は、例えば、厚さtの金属薄板に、千鳥状に配置された切れ目を形成しつつ、金属薄板の厚さ方向に対して略垂直方向に、上記切れ目を広げるように引き伸ばして網目を形成することによって作製される。なお、後述するエキスパンドメタル44の厚さTemとは、図14(b)に示したように、エキスパンドメタル44を、上記貫通孔における各六角形の1辺を構成するエッジ部分が、それぞれ、平板の表面と接触するように、一対の平板によって挟んだときの平板間の距離を意味している。また、後述するエキスパンドメタル44のターン数とは、エキスパンドメタル44を構成する金属薄板に形成される開口部(貫通孔)の数を意味している。そして、エキスパンドメタル44における単位面積当たりのターン数とは、エキスパンドメタル44を上述した厚さ方向から見たときの単位面積当たりの開口部(貫通孔)の数を意味している。
図15は、第8実施例の燃料電池スタックにおいて、セパレータ42Dとアノード側ガス拡散層411dとの間に、第3のガス流路を構成するエキスパンドメタル44が挟まれている様子を示す断面図である。図15(a)に、第3のガス流路を水素の流れ方向(図示したy方向)から見たときの断面図を示した。また、図15(b)に、第3のガス流路における上流領域流路、中流領域流路、下流領域流路を水素の流れ方向に対して垂直な方向(図示したx方向)から見たときの断面図を示した。
第8実施例の燃料電池スタックでは、エキスパンドメタル44が、先に説明した上流領域流路と、中流領域流路と、下流領域流路とで異なっている。具体的には、第8実施例の燃料電池スタックでは、図15(b)に示したように、中流領域流路を構成するエキスパンドメタル44mの板厚t(=t1)が、上流領域流路を構成するエキスパンドメタル44uの板厚t(=t2)、および、下流領域流路を構成するエキスパンドメタル44lの板厚t(=t2)よりも薄い(t1<t2)。なお、本実施例では、各エキスパンドメタル44u,44m,44lの厚さTem、および、単位面積当たりのターン数は、それぞれ同じであるものとした。こうすることによっても、第3のガス流路において、中流領域流路における実質的な流路断面積を、上流領域流路における実質的な流路断面積、および、下流領域流路における実質的な流路断面積よりも大きくし、中流領域流路の圧力損失が、上流領域流路の圧力損失、および、下流領域流路の圧力損失よりも小さくなるようにすることができる。
以上説明した第8実施例の燃料電池スタックによっても、MEA411のアノード表面を流れるガスの流量分布の均一化を図ることができる。この結果、MEA411における発電分布の均一化を図ることができる。
I.第9実施例:
第9実施例の燃料電池スタック(図示省略)の構成は、MEA411におけるアノードとセパレータ42Dとの間に配置されるエキスパンドメタル44が異なること以外は、上述した第8実施例の燃料電池スタックの構成と同じである。
図16は、第9実施例の燃料電池スタックにおいて、セパレータ42Dとアノード側ガス拡散層411dとの間に、第3のガス流路を構成するエキスパンドメタル44が挟まれている様子を示す断面図である。第3のガス流路を水素の流れ方向(図示したy方向)から見たときの断面図を示した。
第9実施例の燃料電池スタックにおいても、エキスパンドメタル44が、先に説明した上流領域流路と、中流領域流路と、下流領域流路とで異なっている。具体的には、第9実施例の燃料電池スタックでは、中流領域流路を構成するエキスパンドメタル44mの単位面積当たりのターン数が、上流領域流路を構成するエキスパンドメタル44uの単位面積当たりのターン数、および、下流領域流路を構成するエキスパンドメタル44lの単位面積当たりのターン数よりも少ない。なお、本実施例では、各エキスパンドメタル44u,44m,44lの板厚t、および、厚さTemは、それぞれ同じであるものとした。こうすることによって、第3のガス流路において、中流領域流路における流路抵抗を、上流領域流路における流路抵抗、および、下流領域流路における流路抵抗よりも低くし、中流領域流路の圧力損失が、上流領域流路の圧力損失、および、下流領域流路の圧力損失よりも小さくなるようにすることができる。
以上説明した第9実施例の燃料電池スタックによっても、先に説明した第8実施例の燃料電池スタックと同様に、MEA411のアノード表面を流れるガスの流量分布の均一化を図ることができる。この結果、MEA411における発電分布の均一化を図ることができる。
J.第10実施例:
第10実施例の燃料電池スタック(図示省略)の構成は、第8,9実施例の燃料電池スタックにおけるセパレータ42Dの代わりに、セパレータ42Eを備えること、および、MEA411におけるアノードとセパレータ42Eとの間に配置されるエキスパンドメタル44が異なること以外は、第8,9実施例の燃料電池スタックの構成と同じである。
図17は、第10実施例の燃料電池スタックにおいて、セパレータ42Eとアノード側ガス拡散層411dとの間に、第3のガス流路を構成するエキスパンドメタル44が挟まれている様子を示す断面図である。第3のガス流路を水素の流れ方向(図示したy方向)から見たときの断面図を示した。
第10実施例の燃料電池スタックにおいても、エキスパンドメタル44が、先に説明した上流領域流路と、中流領域流路と、下流領域流路とで異なっている。具体的には、第10実施例の燃料電池スタックでは、中流領域流路を構成するエキスパンドメタル44mの厚さTem(=Tem1)が、上流領域流路を構成するエキスパンドメタル44uの厚さTem(=Tem2)、および、下流領域流路を構成するエキスパンドメタル44lの厚さTem(=Tem2)よりも厚い(Tem1>Tem2)。なお、本実施例では、各エキスパンドメタル44u,44m,44lの板厚t、および、単位面積当たりのターン数は、それぞれ同じであるものとした。こうすることによって、第3のガス流路において、中流領域流路における実質的な流路断面積を、上流領域流路における実質的な流路断面積、および、下流領域流路における実質的な流路断面積よりも大きくし、中流領域流路の圧力損失が、上流領域流路の圧力損失、および、下流領域流路の圧力損失よりも小さくなるようにすることができる。
以上説明した第10実施例の燃料電池スタックによっても、先に説明した第8,9実施例の燃料電池スタックと同様に、MEA411のアノード表面を流れるガスの流量分布の均一化を図ることができる。この結果、MEA411における発電分布の均一化を図ることができる。
K.変形例:
以上、本発明のいくつかの実施の形態について説明したが、本発明はこのような実施の形態になんら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において種々なる態様での実施が可能である。例えば、以下のような変形が可能である。
K1.変形例1:
上記第1実施例では、図3に示したように、上流領域流路424uにおける各溝部424dの深さdと、中流領域流路424mにおける各溝部424dの深さdと、下流領域流路424lにおける各溝部424dの深さdとが同じであり(d=d1)、また、上流領域流路424uにおける各溝部424dの幅wと下流領域流路424lにおける各溝部424dの幅wとが同じであり(w=w1)、中流領域流路424mにおける各溝部424dの幅w(=w2)が、上流領域流路424uにおける各溝部424dの幅w、および、下流領域流路424lにおける各溝部424dの幅wよりも広い(w2>w1)ものとしたが、本発明は、これに限られない。
また、上記第2実施例では、図5に示したように、上流領域流路424uにおける各溝部424dの幅wと、中流領域流路424mにおける各溝部424dの幅wと、下流領域流路424lにおける各溝部424dの幅wとが同じであり(w=w1)、また、上流領域流路424uにおける各溝部424dの深さdと下流領域流路424lにおける各溝部424dの深さdとが同じであり(d=d1)、中流領域流路424mにおける各溝部424dの深さdw(=d2)が、上流領域流路424uにおける各溝部424dの深さ、および、下流領域流路424lにおける各溝部424dの深さdよりも深い(d2>d1)ものとしたが、本発明は、これに限られない。
第3のガス流路において、中流領域流路における溝部424dの断面積(流路断面積)が、上流領域流路における溝部424dの断面積(流路断面積)、および、下流領域流路における溝部424dの断面積(流路断面積)よりも大きくなるようにすればよい。このことは、第3,4実施例における溝部424diについても同様である。
K2.変形例2:
上記第1〜4実施例では、第3のガス流路を構成する溝部424d,424di、および、リブ部424rの断面形状は、それぞれ、矩形形状を有するものとしたが、本発明は、これに限られない。これらの断面形状を、例えば、台形形状等、他の形状としてもよい。
K3.変形例3:
上記第5実施例では、中流領域流路を構成する金属多孔体43mの気孔率が、上流領域流路を構成する金属多孔体43uの気孔率、および、下流領域流路を構成する金属多孔体43lの気孔率よりも高く、各金属多孔体43u,43m,43lの厚さ、および、細孔径分布は、それぞれ同じであるものとしたが、本発明は、これに限られない。
また、上記第6実施例では、中流領域流路を構成する金属多孔体43mの細孔径分布が、上流領域流路を構成する金属多孔体43uの細孔径分布、および、下流領域流路を構成する金属多孔体43lの細孔径分布よりも大きく、各金属多孔体43u,43m,43lの厚さ、および、気孔率は、それぞれ同じであるものとしたが、本発明は、これに限られない。
また、上記第7実施例では、中流領域流路を構成する金属多孔体43mの厚さが、上流領域流路を構成する金属多孔体43uの厚さ、および、下流領域流路を構成する金属多孔体43lの厚さよりも厚く、各金属多孔体43u,43m,43lの気孔率、および、細孔径分布は、それぞれ同じであるものとしたが、本発明は、これに限られない。
上流領域流路を構成する金属多孔体43uと、中流領域流路を構成する金属多孔体43mと、下流領域流路を構成する金属多孔体43lとにおいて、金属多孔体の厚さと、気孔率と、細孔径分布とのうちの少なくとも1つを変更することによって、中流領域流路における流路断面積を、上流領域流路における流路断面積、および、下流領域流路における流路断面積よりも大きくし、中流領域流路の圧力損失が、上流領域流路の圧力損失、および、下流領域流路の圧力損失よりも小さくなるようにすればよい。
K4.変形例4:
上記第8実施例では、図15に示したように、中流領域流路を構成するエキスパンドメタル44mの板厚t(=t1)が、上流領域流路を構成するエキスパンドメタル44uの板厚t(=t2)、および、下流領域流路を構成するエキスパンドメタル44lの板厚t(=t2)よりも薄く(t1<t2)、各エキスパンドメタル44u,44m,44lの厚さTem、および、単位面積当たりのターン数は、それぞれ同じであるものとしたが、本発明は、これに限られない。
また、上記第9実施例では、図16に示したように、中流領域流路を構成するエキスパンドメタル44mの単位面積当たりのターン数が、上流領域流路を構成するエキスパンドメタル44uの単位面積当たりのターン数、および、下流領域流路を構成するエキスパンドメタル44lの単位面積当たりのターン数よりも少なく、各エキスパンドメタル44u,44m,44lの板厚t、および、厚さTemは、それぞれ同じであるものとしたが、本発明は、これに限られない。
また、上記第10実施例では、図17に示したように、中流領域流路を構成するエキスパンドメタル44mの厚さTem(=Tem1)が、上流領域流路を構成するエキスパンドメタル44uの厚さTem(=Tem2)、および、下流領域流路を構成するエキスパンドメタル44lの厚さTem(=Tem2)よりも厚く(Tem1>Tem2)、各エキスパンドメタル44u,44m,44lの板厚t、および、単位面積当たりのターン数は、それぞれ同じであるものとしたが、本発明は、これに限られない。
上流領域流路を構成するエキスパンドメタル44uと、中流領域流路を構成するエキスパンドメタル44mと、下流領域流路を構成するエキスパンドメタル44lとにおいて、エキスパンドメタルの厚さと、エキスパンドメタルを構成する金属板の厚さと、単位面積当たりのターン数とのうちの少なくとも1つを変更することによって、中流領域流路の圧力損失が、上流領域流路の圧力損失、および、下流領域流路の圧力損失よりも小さくなるようにすればよい。
K5.変形例5:
上記実施例の燃料電池スタックにおいて、第1のガス流路と、第2のガス流路と、第3のガス流路とは、必ずしも明確に区分されている必要はない。すなわち、上記実施例の燃料電池スタックにおいて、第1〜3のガス流路は、それぞれ、実質的に先に説明した機能を有していればよい。したがって、例えば、MEA411の対角部に水素の供給部とアノードオフガスの排出部とを設けるようにし、第1〜3のガス流路が一体的に形成されているものとしてもよい。
K6.変形例6:
上記実施例の燃料電池スタックにおいて、第3のガス流路において、上流領域流路と、中流領域流路と、下流領域流路とは、必ずしも明確に区分されている必要はない。したがって、第3のガス流路において、例えば、最上流部に配置された最上流領域流路から最中央領域に配置された最中央領域流路にかけて、また、最下流領域に配置された最下流領域流路から最中央領域流路にかけて、段階的に圧力損失が小さくなるようにしてもよいし、連続的に圧力損失が小さくなるようにしてもよい。ただし、MEA411の表面を流れるガスの流量分布の均一化を図る観点から、上述した第3のガス流路についての構成は、中流領域流路におけるガスの流量が、上流領域流路におけるガスの流量、および、下流領域流路におけるガスの流量よりも多くなるという、従来とは逆のガスの流量分布の不均一が生じない範囲内でなされる。
K7.変形例7:
上記実施例の燃料電池スタックでは、本発明の燃料電池における第1〜3のガス流路の構成を、MEA411のアノード側に適用した場合について説明したが、アノード側、および、カソード側の少なくとも一方に適用するようにしてもよい。
100…燃料電池スタック
10a,10b…エンドプレート
12i1,12i2,12i3…空気供給口
12o1,12o2,12o3…カソードオフガス排出口
14i…水素供給口
14o…アノードオフガス排出口
16i…冷却水供給口
16o…冷却水排出口
20a,20b…絶縁板
30a,30b…集電板
32a,32b…出力端子
40…燃料電池モジュール
41…シールガスケット一体型MEA
410…シールガスケット
411…MEA
411d(411du,411dm,411dl)…アノード側ガス拡散層
412i1,412i2,412i3…空気供給用貫通孔
412o1,412o2,412o3…カソードオフガス排出用貫通孔
414i…水素供給用貫通孔
414o…アノードオフガス排出用貫通孔
416i…冷却水供給用貫通孔
416o…冷却水排出用貫通孔
42,42A,42B,42C,42D,42E…セパレータ
422i1,422i2,422i3…空気供給用貫通孔
422o1,422o2,422o3…カソードオフガス排出用貫通孔
424i…水素供給用貫通孔
424ip…第1のガス流路
424o…アノードオフガス排出用貫通孔
424op…第2のガス流路
424…第3のガス流路
424u…上流領域流路
424m…中流領域流路
424l…下流領域流路
424d,424di,424do…溝部
424r…リブ部
426i…冷却水供給用貫通孔
426o…冷却水排出用貫通孔
43(43u,43m,43l)…金属多孔体
44(44u,44m,44l)…エキスパンドメタル

Claims (13)

  1. 燃料電池であって、
    略矩形形状を有する発電体と、
    前記発電体における第1の辺に沿って設けられた第1のガス流路であって、前記発電体に供給すべき供給ガスを、前記第1のガス流路内において、第1の方向に流すための前記第1のガス流路と、
    前記発電体における前記第1の辺に対向する第2の辺に沿って設けられた第2のガス流路であって、前記発電体から排出された排出ガスを、前記第2のガス流路内において、前記第1の方向に流すための前記第2のガス流路と、
    前記発電体の表面に沿って設けられた第3のガス流路であって、前記供給ガスおよび前記排出ガスを、前記第1のガス流路から前記第2のガス流路に、前記第1の方向に対して略垂直方向に流すための第3のガス流路と、
    を備え、
    前記第1のガス流路は、前記供給ガスの流れ方向についての最下流部が閉塞されており、
    前記第2のガス流路は、前記排出ガスの流れ方向についての最上流部が閉塞されており、
    前記第3のガス流路は、
    前記第1のガス流路における前記供給ガスの流れ方向についての上流部から前記第2のガス流路における前記排出ガスの流れ方向についての上流部に、前記供給ガスおよび前記排出ガスが流れる上流領域流路と、
    前記第1のガス流路における前記供給ガスの流れ方向についての中流部から前記第2のガス流路における前記排出ガスの流れ方向についての中流部に、前記供給ガスおよび前記排出ガスが流れる中流領域流路と、
    前記第1のガス流路における前記供給ガスの流れ方向についての下流部から前記第2のガス流路における前記排出ガスの流れ方向についての下流部に、前記供給ガスおよび前記排出ガスが流れる下流領域流路と、
    を有し、
    前記上流領域流路、前記中流領域流路、および、前記下流領域流路は、
    前記中流領域流路の圧力損失が、前記上流領域流路の圧力損失、および、前記下流領域流路の圧力損失よりも小さくなるように形成されている、
    燃料電池。
  2. 請求項1記載の燃料電池であって、
    前記第3のガス流路は、複数の溝および複数のリブを有する部材によって形成されており、
    前記中流領域流路における前記溝の断面積は、前記上流領域流路における前記溝の断面積、および、前記下流領域流路における前記溝の断面積よりも大きい、
    燃料電池。
  3. 請求項2記載の燃料電池であって、
    前記溝および前記リブの断面形状は、それぞれ、略矩形形状を有しており、
    前記中流領域流路における前記溝の深さは、前記上流領域流路における前記溝の深さ、および、前記下流領域流路における前記溝の深さとほぼ同じであり、
    前記中流領域流路における前記溝の幅は、前記上流領域流路における前記溝の幅、および、前記下流領域流路における前記溝の幅よりも広い、
    燃料電池。
  4. 請求項2記載の燃料電池であって、
    前記溝および前記リブの断面形状は、それぞれ、略矩形形状を有しており、
    前記中流領域流路における前記溝の幅は、前記上流領域流路における前記溝の幅、および、前記下流領域流路における前記溝の幅とほぼ同じであり、
    前記中流領域流路における前記溝の深さは、前記上流領域流路における前記溝の深さ、および、前記下流領域流路における前記溝の深さよりも深い、
    燃料電池。
  5. 請求項2ないし4のいずれかに記載の燃料電池であって、
    前記発電体は、少なくとも前記第3のガス流路が設けられる側の面に、ガス拡散層を備えており、
    前記第3のガス流路は、
    前記第1のガス流路から櫛歯状に分岐して設けられ、前記第1のガス流路から流入した前記供給ガスを前記ガス拡散層の表面に沿って流すための複数のガス流入流路と、
    前記第2のガス流路から櫛歯状に分岐して設けられるとともに、前記複数のガス流入流路と略平行に、かつ、所定の間隔を隔てて交互に設けられ、前記複数のガス流入流路から前記ガス拡散層を透過したガスを受け取って、前記ガス拡散層の表面に沿って流すとともに、前記第2のガス流路に流出させるための複数のガス流出流路と、
    を備えており、
    前記ガス拡散層は、前記中流領域流路に対向する部位の圧力損失が、前記上流領域流路に対向する部位の圧力損失、および、前記下流領域流路に対向する部位の圧力損失よりも小さくなるように形成されている、
    燃料電池。
  6. 請求項1記載の燃料電池であって、
    前記第3のガス流路は、多孔体からなり、
    前記上流領域流路と、前記中流領域流路と、前記下流領域流路とにおいて、前記多孔体の厚さと、気孔率と、細孔径分布とのうちの少なくとも1つを変更することによって、前記中流領域流路の圧力損失が、前記上流領域流路の圧力損失、および、前記下流領域流路の圧力損失よりも小さくなるように形成されている、
    燃料電池。
  7. 請求項6記載の燃料電池であって、
    前記中流領域流路における前記多孔体の気孔率は、前記上流領域流路における前記多孔体の気孔率、および、前記下流領域流路における前記多孔体の気孔率とほぼ同じであり、
    前記中流領域流路における前記多孔体の細孔径分布は、前記上流領域流路における前記多孔体の細孔径分布、および、前記下流領域流路における前記多孔体の細孔径分布とほぼ同じであり、
    前記中流領域流路における前記多孔体の厚さは、前記上流領域流路における前記多孔体の厚さ、および、前記下流領域流路における前記多孔体の厚さよりも厚い、
    燃料電池。
  8. 請求項6記載の燃料電池であって、
    前記中流領域流路における前記多孔体の厚さは、前記上流領域流路における前記多孔体の厚さ、および、前記下流領域流路における前記多孔体の厚さとほぼ同じであり、
    前記中流領域流路における前記多孔体の細孔径分布は、前記上流領域流路における前記多孔体の細孔径分布、および、前記下流領域流路における前記多孔体の細孔径分布とほぼ同じであり、
    前記中流領域流路における前記多孔体の気孔率は、前記上流領域流路における前記多孔体の気孔率、および、前記下流領域流路における前記多孔体の気孔率よりも高い、
    燃料電池。
  9. 請求項6記載の燃料電池であって、
    前記中流領域流路における前記多孔体の厚さは、前記上流領域流路における前記多孔体の厚さ、および、前記下流領域流路における前記多孔体の厚さとほぼ同じであり、
    前記中流領域流路における前記多孔体の気孔率は、前記上流領域流路における前記多孔体の気孔率、および、前記下流領域流路における前記多孔体の気孔率とほぼ同じであり、
    前記中流領域流路における前記多孔体の細孔径分布は、前記上流領域流路における前記多孔体の細孔径分布、および、前記下流領域流路における前記多孔体の細孔径分布よりも大きい、
    燃料電池。
  10. 請求項1記載の燃料電池であって、
    前記第3のガス流路は、エキスパンドメタルからなり、
    前記上流領域流路と、前記中流領域流路と、前記下流領域流路とにおいて、前記エキスパンドメタルの厚さと、前記エキスパンドメタルを構成する金属板の厚さと、単位面積当たりのターン数とのうちの少なくとも1つを変更することによって、前記中流領域流路の圧力損失が、前記上流領域流路の圧力損失、および、前記下流領域流路の圧力損失よりも小さくなるように形成されている、
    燃料電池。
  11. 請求項10記載の燃料電池であって、
    前記中流領域流路における前記金属板の厚さは、前記上流領域流路における前記金属板の厚さ、および、前記下流領域流路における前記金属板の厚さとほぼ同じであり、
    前記中流領域流路における前記ターン数は、前記上流領域流路における前記ターン数、および、前記下流領域流路におけるターン数とほぼ同じであり、
    前記中流領域流路における前記エキスパンドメタルの厚さは、前記上流領域流路における前記エキスパンドメタルの厚さ、および、前記下流領域流路における前記エキスパンドメタルの厚さよりも厚い、
    燃料電池。
  12. 請求項10記載の燃料電池であって、
    前記中流領域流路における前記エキスパンドメタルの厚さは、前記上流領域流路における前記エキスパンドメタルの厚さ、および、前記下流領域流路における前記エキスパンドメタルの厚さとほぼ同じであり、
    前記中流領域流路における前記ターン数は、前記上流領域流路における前記ターン数、および、前記下流領域流路におけるターン数とほぼ同じであり、
    前記中流領域流路における前記金属板の厚さは、前記上流領域流路における前記金属板の厚さ、および、前記下流領域流路における前記金属板の厚さよりも薄い、
    燃料電池。
  13. 請求項10記載の燃料電池であって、
    前記中流領域流路における前記エキスパンドメタルの厚さは、前記上流領域流路における前記エキスパンドメタルの厚さ、および、前記下流領域流路における前記エキスパンドメタルの厚さとほぼ同じであり、
    前記中流領域流路における前記金属板の厚さは、前記上流領域流路における前記金属板の厚さ、および、前記下流領域流路における前記金属板の厚さとほぼ同じであり、
    前記中流領域流路における前記ターン数は、前記上流領域流路における前記ターン数、および、前記下流領域流路における前記ターン数よりも少ない、
    燃料電池。
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