JP2011191287A - マイクロアレイ用基板の製造方法、感放射線性組成物、マイクロアレイ用基板の隔壁、バイオチップの製造方法及びバイオチップ - Google Patents

マイクロアレイ用基板の製造方法、感放射線性組成物、マイクロアレイ用基板の隔壁、バイオチップの製造方法及びバイオチップ Download PDF

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Abstract

【課題】隔壁と基板との密着性及び隔壁の耐水性を向上させたマイクロアレイ用基板の製造方法、感放射線性組成物、バイオチップ用隔壁、バイオチップの製造方法及びバイオチップを提供する。
【解決手段】基板10とその表面を区画する隔壁20と隔壁により区画された領域30とを有するマイクロアレイ用基板100の製造方法で、紫色顔料(a)を含む組成物を用いて基板上に第1膜を形成する工程と、第1膜をパターニングして隔壁20を形成する工程を備える。その為の感放射線性組成物並びに隔壁。前記マイクロアレイ用基板製法を用いて隔壁20を形成する工程と、領域30にターゲット物質を固定するための固定用物質を配置する工程と、固定用物質にターゲット物質を固定する工程を備える。これにより得られたバイオチップ。
【選択図】図1

Description

本発明はマイクロアレイ用基板の製造方法、感放射線性組成物、マイクロアレイ用基板の隔壁、バイオチップの製造方法及びバイオチップに関する。更に詳しくは、DNAシーケンシングなどに用いられるバイオチップ等のマイクロアレイに用いるマイクロアレイ用基板の製造方法、感放射線性組成物、マイクロアレイ用基板隔壁、バイオチップの製造方法及びバイオチップに関する。
近年、基体上に、核酸、タンパク質、ペプチド、糖鎖、低分子化合物、細胞、組織などの物質をプローブ分子として搭載し、ターゲット分子である生体関連物質との相互作用を計測したり、反応を利用したりするためのデバイスとしてマイクロアレイが注目されている。このマイクロアレイには、プローブ分子を固定化するための区画された複数の反応領域(キャビティ)を有する基板(マイクロアレイ用基板)が用いられる。具体的には、例えば、DNA、タンパク質、糖鎖等の生体関連物質等のターゲット物質を基板表面に区画化して高密度に集積したバイオチップが知られている。このバイオチップでは、多数の検体を同時に処理できることから注目されている。そして、一括した処理でより多くの情報を得るために、集積量を上げる試みがなされている。
このターゲット物質を基板表面にアレイ化して多数配置する方法には、主として2種類の方法が知られている。一方は、基板上でターゲット物質を合成することによって配置する方法であり、他方は、予め用意したターゲット物質を基板表面に液滴等を介して配置する方法である。このうち後者の方法では、例えば、ターゲット物質が溶解された液体を基板の所定領域に滴下して固定する方法等が採用される。
このような技術を利用した技術としては下記特許文献1〜3が知られている。
また、このようなバイオチップを用いると核酸等の塩基配列を検知するシーケンシング剤の基板として用いることが可能である。バイオチップ上でポリメラーゼ連鎖反応(PCR法、水中で行う。)により生態関連物質を増幅させ、生態関連物質から発せられる蛍光標識を用いることで塩基配列を検知することができる(特許文献4又は5)
更に、プローブ分子とターゲット分子との相互作用や反応を検出する方法として、プローブ分子とターゲット分子との相互作用や反応の際に放出される蛍光を、必要に応じ蛍光標識剤等を用いて、検出する技術が知られている。即ち、例えば、蛍光標識を用いた反応では、マイクロアレイ全体に誘起光照射を行い、個々のキャビティから発せられる蛍光を測定器により受光して反応の有無や状態を検知する技術が知られている(特許文献1乃至5)。
特開2005−214889号公報 WO06/101229号公報 特開2001−343385号公報 特開2006−320307号公報 WO07/048033号公報
そして、前記バイオチップなどのマイクロアレイでは、隔壁によって区画された個々のキャビティ内の反応について蛍光標識を利用する等して、その蛍光から反応に関する情報を得ることが一般的である。即ち例えば、蛍光標識を用いた反応では、バイオチップ全体に誘起光照射を行い、個々のキャビティから発せられる蛍光を測定器により受光して反応の有無や状態が検知される。
しかし、前述のように、高密度化が進むにつれて、各キャビティから発せられる蛍光の混色が問題となる。即ち、高密度化により隔壁が狭化してキャビティ間の光を十分に分離できなくなるという問題がある。これに対して、測定光領域に吸収帯を有する成分(吸光剤等)を含有させた隔壁形成剤により隔壁を形成することにより、光学的にキャビティ間を分離する方法が考えられる。しかしながら、隔壁形成剤への異成分添加により、隔壁が本来必要な特性(耐水密着性)が低下しかねないという問題がある。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、キャビティ(即ち、隔壁により区画された領域)間の光学的分離を確保しつつ、隔壁と基板との密着性及び隔壁の耐水性を向上させたマイクロアレイ用基板の製造方法、感放射線性組成物、マイクロアレイ用基板の隔壁、バイオチップの製造方法及びバイオチップを提供することを目的とする。
本発明は、以下のとおりである。
〈1〉基板と、前記基板の表面を区画する隔壁と、前記隔壁により区画された基板上の領域と、を有するマイクロアレイ用基板の製造方法において、
紫色顔料(a)を含む感放射線性組成物を用いて基板上に第1膜を形成する第1膜形成工程と、
前記第1膜をリソグラフィー法によりパターニングして前記隔壁を形成する隔壁形成工程と、を備えることを特徴とするマイクロアレイ用基板の製造方法。
〈2〉前記紫色顔料(a)が、C.I.ピグメントバイオレッド19、C.I.ピグメントバイオレッド23及びC.I.ピグメントバイオレッド29から選ばれる少なくとも1種である前記〈1〉に記載のマイクロアレイ用基板の製造方法。
〈3〉前記感放射線性組成物は、更に、重合体(B)、多官能性単量体(C)及び感放射線性重合開始剤(D)を含有し、且つ、
前記重合体(B)はアルカリ可溶性重合体(b)を含む前記〈1〉又は〈2〉に記載のマイクロアレイ用基板の製造方法。
〈4〉基板と、前記基板表面を区画する隔壁と、前記隔壁により区画された基板上の領域と、を有するマイクロアレイ用基板における該隔壁を形成するための感放射線組成物であって、
紫色顔料(a)を含むことを特徴とする感放射線性組成物。
〈5〉前記紫色顔料(a)が、C.I.ピグメントバイオレッド19、C.I.ピグメントバイオレッド23及びC.I.ピグメントバイオレッド29から選ばれる少なくとも1種である前記〈4〉に記載の感放射線性組成物。
〈6〉更に、重合体(B)、多官能性単量体(C)及び感放射線性重合開始剤(D)を含有し、且つ、
前記重合体(B)はアルカリ可溶性重合体(b)を含む前記〈4〉又は〈5〉に記載の感放射線性組成物。
〈7〉前記〈4〉乃至〈6〉のうちのいずれかに記載の感放射線性組成物を用いて得られたことを特徴とするマイクロアレイ用基板の隔壁。
〈8〉(PR1)請求項1乃至3のうちのいずれかに記載のマイクロアレイ用基板の製造方法を用いて、前記マイクロアレイ用基板を製造するマイクロアレイ用基板製造工程と、
(PR2)前記領域にターゲット物質を固定するための固定用物質を配置する固定用物質配置工程と、
(PR3)前記固定用物質にターゲット物質を固定する固定化工程と、を備えることを特徴とするバイオチップの製造方法。
〈9〉(PR1)請求項1乃至3のうちのいずれかに記載のマイクロアレイ用基板の製造方法を用いて、前記マイクロアレイ用基板を製造するマイクロアレイ用基板製造工程と、
(PR2)前記領域に、表面にターゲット物質を有する担持物質を、配置する担持物質配置工程と、を備えることを特徴とするバイオチップの製造方法。
〈10〉前記固定用物質が、ポリリシン、コラーゲン、ラミニン、含シアル酸オリゴ糖、マンノース結合性レクチン、インテグリンファミリーリガンド、ペプチド、抗原、抗体又は核酸である前記〈8〉に記載のバイオチップの製造方法。
〈11〉前記ターゲット物質が、生体関連物質である前記〈8〉乃至〈10〉のうちのいずれかに記載のバイオチップの製造方法。
〈12〉前記〈8〉乃至〈11〉のうちのいずれかに記載のバイオチップの製造方法によって得られたことを特徴とするバイオチップ。
本発明のマイクロチップ用基板の製造方法によれば、隔壁によって区画された領域同士の間の光学的分離を確保しつつ、隔壁と基板(マイクロチップ用基板を構成する素基板)との密着性及び隔壁の耐水性を向上させることができる。
本発明のマイクロチップ用基板の製造方法において、前記紫色顔料(a)が、C.I.ピグメントバイオレッド19、C.I.ピグメントバイオレッド23及びC.I.ピグメントバイオレッド29から選ばれる少なくとも1種である場合は、隔壁によって区画された領域同士の間の光学的分離をより確実に確保しつつ、隔壁と基板(マイクロチップ用基板を構成する素基板)との密着性及び隔壁の耐水性をより向上させることができる。
本発明のマイクロチップ用基板の製造方法において、前記感放射線性組成物が、更に、重合体(B)、多官能性単量体(C)及び感放射線性重合開始剤(D)を含有し、且つ、前記重合体(B)がアルカリ可溶性重合体(b)を含む場合は、密着性と耐水性において優れた特性を発揮できる。
本発明の感放射線性組成物によれば、区画された領域同士の間の光学的分離を確保しつつ、基板(マイクロチップ用基板を構成する素基板)との密着性及び耐水性に優れたマイクロチップ用基板(バイオチップ用途にも利用できる)の隔壁を得ることができる。
本発明の感放射線性組成物において、前記紫色顔料(a)が、C.I.ピグメントバイオレッド19、C.I.ピグメントバイオレッド23及びC.I.ピグメントバイオレッド29から選ばれる少なくとも1種である場合は、隔壁によって区画された領域同士の間の光学的分離をより確実に確保しつつ、隔壁と基板(マイクロチップ用基板を構成する素基板)との密着性及び隔壁の耐水性をより向上させることができる。
本発明の感放射線性組成物が、更に、重合体(B)、多官能性単量体(C)及び感放射線性重合開始剤(D)を含有し、且つ、前記重合体(B)がアルカリ可溶性重合体(b)を含む場合は、密着性と耐水性において優れた特性を発揮できる。
本発明のマイクロチップ用基板の(バイオチップ用にも利用できる)隔壁によれば、区画された領域同士の間の光学的分離を確保しつつ、基板(マイクロチップ用基板を構成する素基板)との密着性及び耐水性に優れた隔壁とすることができる。
本発明のバイオチップの製造方法によれば、隔壁によって区画された領域同士の間の光学的分離を確保しつつ、隔壁と基板(マイクロチップ用基板を構成する素基板)との密着性及び隔壁の耐水性を向上されたバイオチップを製造できる。
本発明のバイオチップによれば、隔壁によって区画された領域同士の間の光学的分離を確保しつつ、隔壁と基板(マイクロチップ用基板を構成する素基板)との密着性及び隔壁の耐水性に優れる。
本発明に係るマイクロチップ用基板(プレバイオチップ)を模式的に説明する斜視図である。 本発明に係るマイクロチップ用基板(プレバイオチップ)を模式的に説明する平面図である。 本発明に係るマイクロチップ用基板の製造方法を模式的に説明する説明図である。 本発明に係る第1のバイオチップの製造方法を模式的に説明する説明図である。 本発明に係る第2のバイオチップの製造方法を模式的に説明する説明図である。
以下、本発明を詳細に説明する。尚、本明細書において、「(メタ)アクリル」とは、アクリル及びメタクリルを意味し、「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート及びメタクリレートを意味する。
[1]マイクロチップ用基板の製造方法
本発明のマイクロチップ用基板の製造方法は、基板(マイクロチップ用基板を構成する素基板、以下単に「素基板」ともいう)と、前記基板の表面を区画する隔壁と、前記隔壁により区画された基板上の領域と、を有するマイクロアレイ用基板の製造方法において、
紫色顔料(a)を含む感放射線性組成物を用いて基板上に第1膜を形成する第1膜形成工程と、
前記第1膜をリソグラフィー法によりパターニングして前記隔壁を形成する隔壁形成工程と、を備えることを特徴とする。
本発明のマイクロアレイ用基板では、上記紫色顔料(a)を用いた隔壁20を形成することにより、目的とする波長(500nm〜600nm)の光を隔壁20が効率よく遮蔽できる。従って、隔壁20によって隔てられた領域(キャビティ)30の優れた光学的分離を得ることができる。また、上記紫色顔料(a)は、少量の添加により高い遮蔽効果を発揮できる。このため、上記紫色顔料(a)の感放射線性組成物への配合量を少なく抑えることができ、素基板10との密着性を十分に発揮させることができる。特に隔壁20の素基板10に対する密着性に寄与する樹脂成分をより多く配合できるために、密着性向上に寄与させることができる。
本方法により形成される隔壁20は、図1〜図5に例示されるように、素基板10の表面を区画する。この隔壁20によって隔てられて区画化された領域は、隔壁20によって取り囲まれたキャビティ30となる。
また、本方法にいうバイオチップ100は、少なくとも素基板10と隔壁20とを有する(固定用物質及びターゲット物質を有さない)マイクロアレイ用基板(即ち、プレバイオチップ)101に、固定用物質51及びターゲット物質52が配置されたチップ100a(図4)、及び、少なくとも素基板10と隔壁20とを有する(担持物質を有さない)マイクロアレイ用基板(即ち、プレバイオチップ)101に、担持物質53が配置されたチップ100b(図5)である。前記マイクロアレイ用基板(即ち、プレバイオチップ)101とは、利用者がターゲット物質を導入して用いるチップである。この他のバイオチップ及び隔壁の詳細については、後述する。
前記「第1膜形成工程」は、前記感放射線性組成物を用いて素基板10上に第1膜21を形成する工程である(図3参照)。
本発明では、前記感放射線性組成物を用いることにより、キャビティ間を光学的に分離できると共に、隔壁と素基板(又は素基板表面に積層された他層)との密着性を向上させることができる。加えて、隔壁を水又は水を含む液体と接触させた場合に隔壁の膨潤を抑制し、これによって隔壁が素基板表面から剥離することや、密着性が低下することを防止できる。
前記「感放射線性組成物」は、紫色顔料(a)を含む組成物である。この感放射線性組成物並びに各成分については、後述する感放射線性組成物における各々をそのまま適用できる。
この感放射線性組成物はどのようにして膜化してもよいが、通常、液状の感放射線性組成物を、目的とする表面(例えば、素基板の表面、素基板に積層された他層の表面)に塗布して形成される。塗布方法等は特に限定されず、回転塗布(スピンコーティング等)、流延塗布、ロール塗布、噴射塗布(スプレーコーティング等)及び印刷(ドクターブレードコーティング等)などの種々の方法を用いることができる。
また、感放射線性組成物が溶剤を含有する場合、感放射線性組成物を塗布して得られた塗膜は、必要に応じて、プレベーク(PB)することによって、塗膜内に含まれた溶剤等を揮発させることができる。プレベークを行う際の加熱条件は、感放射線性組成物の特性によって適宜選択されるが、例えば、加熱温度は30〜240℃とすることができ、好ましくは50〜180℃とすることができる。更に、加熱時間は30〜1800秒間とすることができ、好ましくは60〜600秒間とすることができる。
前記第1膜の厚みは特に限定されないが、例えば、0.01〜500μmとすることができる。好ましくは1〜100μmとすることができ、より好ましくは10〜70μmとすることができる。この範囲では、マイクロアレイ(バイオチップを含む)に適した隔壁の高さを確保することができる。
前記「基板(素基板)」の種類は特に限定されず、無機材料からなってもよく、有機材料からなってもよく、これらの複合材料からなってもよい。また、素基板10は、その表面側と他面側とが異なる材料からなってもよい。素基板を構成する材料としては、シリコン、二酸化ケイ素及びガラス(ホウケイ酸ガラス、表面改質ガラス、石英ガラス等を含む)等のケイ素を主成分とする無機材料が挙げられる。また、ポリプロピレン及びポリアクリルアミド(アクリルアミドによって表面が活性化されたポリアクリルアミドを含む)等の有機材料が挙げられる。この他、第1膜との密着性を更に向上させるのに適した反応性部位(例えば、活性なアミノ基など)を有する素基板を適宜用いることができる。更に、前記基板としては、固体撮像素子(CMOSイメージセンサーなど)などの受光素子を用いることができる。受光素子を基板として用いた場合には、生態関連物質から発せられる光(蛍光など)や、生態関連物質の反応により発せられる光(蛍光など)等を基板自体に受光させることができる。
前記「隔壁形成工程」は、第1膜21をリソグラフィー法によりパターニングして隔壁20を形成する工程である(図3参照)。
前記「リソグラフィー法」は、所望のパターンとなるようにパターンマスク40を介して露光を行った後、現像を行ってパターンを顕在化させることによって第1膜21をパターニングする方法である。即ち、隔壁形成工程は、通常、第1膜21をパターンマスク40を介して露光する露光工程と、露光後に現像液により不要部を除去する現像工程と、を備える。
前記露光工程において、露光に用いる放射線種は特に限定されず、水銀灯のスペクトル(波長300〜600nm)、LEDランプ、紫外線(g線、h線、i線等を含む)、遠紫外線{KrFエキシマレーザー(波長248nm)、ArFエキシマレーザー(波長193nm)、Fエキシマレーザー(波長157nm)、EUV(波長13nm等)等を含む}、シンクロトロン放射線等のX線、電子線等の荷電粒子線、γ線、分子線、イオンビーム等が挙げられる。また、露光方式としては、公知のものから適宜選択され、その中でも、等倍投影法、縮小投影法などが好ましい。露光条件は、感放射線性組成物の配合組成、添加剤の種類等に応じて適宜選定される。
また、前記現像工程は、露光工程後に現像液に対して可溶性の部位を除去する工程である。現像液としては、溶剤及びアルカリ性現像液等が用いられる。現像液に対して可溶性とは、露光部と未露光部で相対的に現像液に対して溶解性の差があればよく、23℃において現像液に1分間浸漬した場合に、当該膜の初期膜厚の1%を越えて溶解される性質をいうものとする。
この現像液としては、各種有機溶剤の他、アルカリ金属水酸化物、アンモニア水、アルキルアミン類、アルカノールアミン類、複素環式アミン類、テトラアルキルアンモニウムヒドロキシド類、コリン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン等のアルカリ性化合物等を溶解した液体が挙げられる。前記アルカリ性化合物の濃度は特に限定されないが、10質量%以下が好ましく、1〜10質量%がより好ましく、2〜5質量%が更に好ましい。
現像液を構成する溶媒の種類も特に限定されないが、水及び/又は有機溶媒が挙げられる。有機溶媒としては、アセトン等のケトン類;エチルアルコール等のアルコール類;テトラヒドロフラン等のエーテル類;酢酸エチル等のエステル類;トルエン等の芳香族炭化水素類や、フェノール、アセトニルアセトン、ジメチルホルムアミド等が挙げられる。これらの有機溶媒は1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
また、現像液には、界面活性剤等を添加できる。これにより第1膜に対する現像液の濡れ性を向上させることができる。
本発明のマイクロアレイ用基板の製造方法では、第1膜形成工程及び隔壁形成工程以外にも他の工程を備えることができる。他の工程としては、前記露光後に行う加熱処理{即ち、PEB(Post Exposure Bake)}が挙げられる。PEBを行うことにより第1膜の見掛けの感度を向上させることができる。PEBの加熱条件は、感放射線性組成物の配合組成、添加剤の種類等に応じて適宜選定されるが、30〜200℃が好ましく、50〜150℃がより好ましい。更に、前記現像を行った後に、現像後に第1膜(隔壁)を水洗する水洗工程を行うことができる。
更に、他の工程としては、現像後に行う加熱処理が挙げられる。現像後に行う加熱処理の加熱条件は、感放射線性組成物の配合組成、添加剤の種類等に応じて適宜選定されるが、通常、30〜300℃、好ましくは50〜250℃で、加熱時間は、通常、1分〜5時間である。
[2]感放射線性組成物
本発明の感放射線性組成物は、素基板と、前記素基板表面を区画する隔壁と、前記隔壁により区画された基板上の領域と、を有するマイクロアレイ用基板における該隔壁を形成するための感放射線性組成物(即ち、隔壁形成用組成物である)であって、紫色顔料(a)を含むことを特徴とする。
[2−1]着色剤(A)
前記「紫色顔料(a)」は、紫色を呈する着色剤である。また、隔壁によって区画された領域同士の間の光学的分離をより大きくするために配合される成分である。この紫色顔料(a)は、他の顔料に比べて少ない含有量で隔壁による光学的分離(隔壁によって区画された領域同士の間の光学的分離であって、特に500〜600nmの波長の光に対する透過阻害)を確保できる。加えて、リソグラフィー法におけるghi線に対する露光阻害{g線(436nm)、h線(405nm)及びi線(365nm)を含む450nm以下(特に300〜450nm)の波長の光に対する透過阻害}を抑制でき、ghi線に対する露光感度に優れた感放射線性組成物とすることができる。更に加えて、前記光学的特性を備えながら、隔壁と素基板との密着性及び隔壁の耐水性を十分に得ることができる。
この紫色顔料としては、カラーインデックス名(Colour Index Generic Names)における各種のC.I.ピグメントバイオレットが挙げられる。
より具体的には、C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.ピグメントバイオレット23、C.I.ピグメントバイオレット29、C.I.ピグメントバイオレット1、C.I.ピグメントバイオレット32、C.I.ピグメントバイオレット36、C.I.ピグメントバイオレット38、C.I.ピグメントバイオレット1:1、C.I.ピグメントバイオレット2、C.I.ピグメントバイオレット2:2、C.I.ピグメントバイオレット3、C.I.ピグメントバイオレット3:1、C.I.ピグメントバイオレット3:3、C.I.ピグメントバイオレット5、C.I.ピグメントバイオレット5:1、C.I.ピグメントバイオレット14、C.I.ピグメントバイオレット15、C.I.ピグメントバイオレット16、C.I.ピグメントバイオレット25、C.I.ピグメントバイオレット27、C.I.ピグメントバイオレット31、C.I.ピグメントバイオレット37、C.I.ピグメントバイオレット39、C.I.ピグメントバイオレット42、C.I.ピグメントバイオレット44、C.I.ピグメントバイオレット47、C.I.ピグメントバイオレット49、C.I.ピグメントバイオレット50等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
これらのなかでは、C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.ピグメントバイオレット23、及び、C.I.ピグメントバイオレット29から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。これらの紫色顔料(a)は、他に比べて特に少ない含有量で前記光学的分離を確保できる。加えて、前記ghi線に対する露光感度にもより優れ、更には、これらの光学的特性を具備しつつ、隔壁と素基板との密着性及び隔壁の耐水性を特に効果的に向上させることができる。
尚、前記紫色とは、英国染料染色学会(Society of Dyers and Colourists)により規定されたカラーインデックス名(Colour Index Generic Names)における色合い(Hue)として10種に分類されたイエロー・オレンジ・レッド・バイオレット・ブルー・グリーン・ブラウン・ブラック・ホワイト・メタルの各色合いのうちの「バイオレット」に属する色である。
前記紫色顔料(a)の含有量は、特に限定されないが、感放射線性組成物全体100質量%に対して、通常、0.01〜50質量%である。この範囲では、特に優れた密着性及び耐水性を得ることができる。
また、この含有量は、後述する重合体(B)が含まれる場合においては、重合体(B)100質量部に対して、1〜300質量部が好ましく、5〜100質量部がより好ましく、10〜50質量部が更に好ましい。この範囲では、特に優れた密着性及び耐水性を得ることができる。
また、前記感放射線性組成物には、前記紫色顔料(a)以外に他の着色剤{尚、以下では、紫色顔料(a)及び紫色顔料(a)以外の他の着色剤の両方を包含して「着色剤(A)」という}が含まれてもよい。紫色顔料(a)以外の他の着色剤も、前記紫色顔料(a)と同様に、隔壁によって区画された領域同士の間の光学的分離をより大きくするために配合される成分である。その種類は色を付与するものであれば特に限定されないが、ピグメントに分類された各種化合物(以下、単に「ピグメント化合物」という)を用いることが好ましい。
ピグメント化合物としては、下記カラーインデックス(C.I.)番号が付されているものが挙げられる。即ち、C.I.ピグメントレッド1、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド17、C.I.ピグメントレッド31、C.I.ピグメントレッド32、C.I.ピグメントレッド41、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド168、C.I.ピグメントレッド170、C.I.ピグメントレッド171、C.I.ピグメントレッド175、C.I.ピグメントレッド176、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド179、C.I.ピグメントレッド180、C.I.ピグメントレッド185、C.I.ピグメントレッド187、C.I.ピグメントレッド202、C.I.ピグメントレッド206、C.I.ピグメントレッド207、C.I.ピグメントレッド209、C.I.ピグメントレッド214、C.I.ピグメントレッド220、C.I.ピグメントレッド221、C.I.ピグメントレッド224、C.I.ピグメントレッド242、C.I.ピグメントレッド243、C.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントレッド255、C.I.ピグメントレッド262、C.I.ピグメントレッド264、C.I.ピグメントレッド272;
C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー20、C.I.ピグメントイエロー24、C.I.ピグメントイエロー31、C.I.ピグメントイエロー55、C.I.ピグメントイエロー83、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー109、C.I.ピグメントイエロー110、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー139、C.I.ピグメントイエロー150、C.I.ピグメントイエロー153、C.I.ピグメントイエロー154、C.I.ピグメントイエロー155、C.I.ピグメントイエロー166、C.I.ピグメントイエロー168、C.I.ピグメントイエロー211;
C.I.ピグメントオレンジ5、C.I.ピグメントオレンジ13、C.I.ピグメントオレンジ14、C.I.ピグメントオレンジ24、C.I.ピグメントオレンジ34、C.I.ピグメントオレンジ36、C.I.ピグメントオレンジ38、C.I.ピグメントオレンジ40、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントオレンジ46、C.I.ピグメントオレンジ49、C.I.ピグメントオレンジ61、C.I.ピグメントオレンジ64、C.I.ピグメントオレンジ68、C.I.ピグメントオレンジ70、C.I.ピグメントオレンジ71、C.I.ピグメントオレンジ72、C.I.ピグメントオレンジ73、C.I.ピグメントオレンジ74;
C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4、C.I.ピグメントブルー15:6、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントブルー80;C.I.ピグメントグリーン7、C.I.ピグメントグリーン36、C.I.ピグメントグリーン58;C.I.ピグメントブラウン23、C.I.ピグメントブラウン25;C.I.ピグメントブラック1、C.I.ピグメントブラック7などが挙げられる。
これらの紫色顔料(a)以外の他の着色剤としての各種ピグメント化合物は、1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。更に、前述の有機顔料だけなく、必要に応じて無機顔料を用いることができる。無機顔料としては、酸化チタン、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、亜鉛華、硫酸鉛、黄色鉛、亜鉛黄、べんがら{赤色酸化鉄(III)}、カドミウム赤、群青、紺青、酸化クロム緑、コバルト緑、アンバー、チタンブラック、合成鉄黒、カーボンブラック等が挙げられる。これらの無機顔料は1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。その他、更に、染料や天然色素を用いることができる。
尚、前記紫色顔料(a)以外の他の着色剤を用いる場合、その含有量は、紫色顔料(a)全体を100質量部とした場合に、100質量部以下であることが好ましい。
尚、本発明において、各種の前記顔料は必要に応じて、その粒子表面を改質して用いることができる。顔料の粒子表面を改質する方法としては、特開平8−259876号公報に記載されたポリマーや、市販の各種の顔料分散用のポリマー又はオリゴマーなどを用いることができる。
また、着色剤(A)を用いる場合、着色剤(A)を分散質とし、分散媒に分散させた着色剤分散液として用いることが好ましい。分散媒としては、感放射線性組成物に利用できる後述の溶剤(G)が適用できる。溶剤(G)は1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。分散媒の配合量は特に限定されないが、着色剤(A)100質量部に対して、200〜1200質量部が好ましく、300〜1000質量部がより好ましい。
更に、その他の着色剤分散液には、その他、分散剤及び分散助剤等を配合できる。分散剤の種類は特に限定されないが、ポリマー分散剤が特に好ましい。具体的には、変性アクリル系共重合体、アクリル系共重合体、ポリウレタン、ポリエステル、高分子共重合体のアルキルアンモニウム塩又はリン酸エステル塩、カチオン性櫛型グラフトポリマー等が挙げられる。前記カチオン性櫛型グラフトポリマーとは、複数の塩基性基(カチオン性の官能基)を有する幹ポリマー1分子に、2分子以上の枝ポリマーがグラフト結合した構造のポリマーをいい、例えば、幹ポリマー部がポリエチレンイミン、枝ポリマー部がε−カプロラクトンの開環重合体で構成されるポリマーが挙げられる。これら分散剤の中で、変性アクリル系共重合体、ポリウレタン、カチオン性櫛型グラフトポリマーが好ましい。
このような分散剤として、より具体的には、Disperbyk−2000、Disperbyk−2001{以上、変性アクリル系共重合体分散剤、ビックケミー(BYK)社製}、Disperbyk−161、Disperbyk−162、Disperbyk−165、Disperbyk−167、Disperbyk−170、Disperbyk−182{以上、ポリウレタン系分散剤、ビックケミー(BYK)社製}、ソルスパース24000、ソルスパース37000、ソルスパース56000、ソルスパース76500{以上、カチオン性櫛型グラフトポリマー分散剤、ルーブリゾール株式会社製}、アジスパーPB821、アジスパーPB822、アジスパーPB823、アジスパーPB824、アジスパーPB827、アジスパーPB880、アジスパーPB881{以上、カチオン性櫛型グラフトポリマー分散剤、味の素ファインテクノ株式会社製}等が挙げられる。
また、分散剤を利用する場合、着色剤分散液に対する分散剤の含有量は、用いる着色剤(A)の種類及び分散剤の種類等の組み合わせにより適宜のものとすることが好ましいが、着色剤(A)100質量部に対して、100質量部以下が好ましく、0.5〜100質量部がより好ましく、1〜70質量部が更に好ましく、10〜60質量部が特に好ましい。
尚、前記分散助剤としては、銅フタロシアニン誘導体等を用いることができる。
更に、着色剤分散液の調製方法は特に限定されないが、前記着色剤(A)を分散媒中、分散剤等の添加剤の存在下で、場合により後述する多官能性単量体(C)の一部と共に、ディゾルバー、ロッドミル、ビーズミル、ロールミル等を用いて、粉砕混合しつつ着色剤分散液を調製できる。着色剤分散液中の着色剤(A)の平均粒径は、50〜400nmが好ましく、50〜150nmがよりより好ましい。
[2−2]重合体(B)
前記感放射線性組成物は、前記紫色顔料(a)以外に、他の成分を含有できる。他の成分としては、重合体(B)が挙げられる。重合体(B)は、各種現像液に対して可溶性の重合体である。現像液としては、後述する溶剤(G)及び後述するアルカリ現像液等を用いることができる。また、前記可溶性とは、温度23〜30℃の現像液に、重合体(B)からなる被膜を300秒間浸漬した場合に、被膜の初期膜厚の50%を越えて溶解される性質を意味する。一方、不溶性又は難溶性とは、前記条件において被膜の初期膜厚の50%以上が残存する性質を意味する。
この重合体(B)は、現像液(好ましくはアルカリ現像液)に対して可溶性の重合体であればよく、その種類は特に限定されない。そのなかでも、重合体(B)は、カルボキシル基を有するアルカリ可溶性重合体(b)が好ましい。更には、1個以上のカルボキシル基を有するエチレン性不飽和結合を有する単量体(以下、「単量体(b1)」という)と、他の共重合可能なエチレン性不飽和結合を有する単量体(以下、「単量体(b2)」という)とを含む単量体を用いて得られた重合体であることが好ましい。
前記1個以上のカルボキシル基を有するエチレン性不飽和結合を有する単量体、即ち、単量体(b1)としては、下記(1)〜(5)が挙げられる。これらの単量体(b1)は、1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
(1)(メタ)アクリル酸、クロトン酸、α−クロルアクリル酸、けい皮酸等の不飽和モノカルボン酸類;
(2)マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水イタコン酸、シトラコン酸、無水シトラコン酸、メサコン酸等の不飽和ジカルボン酸又はその無水物類;
(3)3価以上の不飽和多価カルボン酸又はその無水物類;
(4)こはく酸モノ〔2−(メタ)アクリロイロキシエチル〕、フタル酸モノ〔2−(メタ)アクリロイロキシエチル〕等の2価以上の多価カルボン酸のモノ〔(メタ)アクリロイロキシアルキル〕エステル類;
(5)ω−カルボキシポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート等の両末端にカルボキシ基と水酸基とを有する化合物のモノ(メタ)アクリレート類;
一方、前記他の共重合可能なエチレン性不飽和結合を有する単量体、即ち、単量体(b2)としては、下記(1)〜(12)が挙げられる。これらの単量体(b2)は、1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
(1)スチレン、α−メチルスチレン、o−ビニルトルエン、m−ビニルトルエン、p−ビニルトルエン、p−クロルスチレン、o−メトキシスチレン、m−メトキシスチレン、p−メトキシスチレン、o−ビニルベンジルメチルエーテル、m−ビニルベンジルメチルエーテル、p−ビニルベンジルメチルエーテル、o−ビニルベンジルグリシジルエーテル、m−ビニルベンジルグリシジルエーテル、p−ビニルベンジルグリシジルエーテル等の芳香族ビニル化合物;
(2)p−イソプロペニルフェノール、インデン、1−メチルインデン、アセナフチレン等の他の重合性芳香族化合物;
(3)メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、i−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−フェノキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングルコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングルコール(メタ)アクリレート、メトキシプロピレングルコール(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングルコール(メタ)アクリレート、トリシクロ〔5.2.1.02,6〕デカジエニル(メタ)アクリレート、トリシクロ〔5.2.1.02,6〕デカニル(メタ)アクリレート、トリシクロ〔5.2.1.02,6〕デセニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタジエニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート等の不飽和カルボン酸エステル類;
(4)2−アミノエチル(メタ)アクリレート、2−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2−アミノプロピル(メタ)アクリレート、2−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、3−アミノプロピル(メタ)アクリレート、3−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート等の不飽和カルボン酸アミノアルキルエステル類;
(5)グリシジル(メタ)アクリレート等の不飽和カルボン酸グリシジルエステル類;
(6)酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、安息香酸ビニル等のカルボン酸ビニルエステル類;
(7)ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、アリルグリシジルエーテル等の不飽和エーテル類;
(8)(メタ)アクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリル、シアン化ビニリデン等のシアン化ビニル化合物;
(9)(メタ)アクリルアミド、α−クロロアクリルアミド、N−2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド等の不飽和アミド類;
(10)マレイミド、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等の不飽和イミド類;
(11)1,3−ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等の脂肪族共役ジエン類;
(12)ポリスチレン、ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリ−n−ブチル(メタ)アクリレート、ポリシロキサン等の重合体分子鎖の末端にモノ(メタ)アクリロイル基を有するマクロモノマー類;
前記重合体(B)を構成する全構成単位を100質量%とした場合に、前記単量体(b1)に由来する構成単位は、5質量%以上含まれることが好ましく、5〜30質量%がより好ましく、10〜25質量%が特に好ましい。この範囲では、隔壁形成に適した現像特性を得ることができる。
また、前記重合体(B)のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC、溶出溶媒:テトラヒドロフラン)によるポリスチレン換算重量平均分子量(以下、単に「Mw」ともいう)は、3,000〜300,000が好ましく、5,000〜100,000がより好ましい。また、同様に測定されるポリスチレン換算数平均分子量(以下、単に「Mn」ともいう)は、3,000〜60,000が好ましく、5,000〜25,000がより好ましい。更に、MwとMnの比(Mw/Mn)は、1〜5が好ましく、1〜4がより好ましい。この範囲では、隔壁形成に適した現像特性を得ることができる。
前記重合体(B)は、1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
また、前記感放射線性組成物に重合体(B)が含有される場合、その含有量は特に限定されないが、着色剤(A)100質量部に対して、5〜1,000質量部が好ましく、10〜500質量部がより好ましい。この範囲では、隔壁形成に適した現像特性を得ることができる。
尚、前記重合体(B)としては、例えば、特開2007−293306号公報{当該公報に記載された式(1)で表される構造単位および式(2)で表される構造単位を含有する重合体(A)}、特開2003−215802号公報{当該公報に記載されたフェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性樹脂(A)}、特開2003−258422号公報{当該公報に記載されたポリアミドイミド樹脂}、特開2004−10660号公報{当該公報に記載された}、特開2004−171026号公報{当該公報に記載された感光性プレポリマー(A)}等に開示された各アルカリ可溶性樹脂を用いることができる。更に、特開2004−212983号公報、WO04/111734号公報、WO05/036269号公報、特開2004−198906号公報及び特開2005−266474号公報等に開示された各無機系アルカリ可溶性樹脂を用いることができる。
また、前記重合体(B)としてのアルカリ可溶性重合体(b)が、反応性基を有する場合には、この反応性基と反応可能な基を有するとともに重合性基を有する化合物(重合性基導入成分)を用いて、アルカリ可溶性重合体(b)に重合性基を導入することができる。即ち、重合性基導入成分が有するアルカリ可溶性重合体(b)の反応性基と当該反応性基と反応可能な基とを反応させることによって、重合性基が導入されたアルカリ可溶性重合体(b)を用いることができる。これにより、重合体(B)から形成される隔壁20の耐水性、及び、隔壁20の素基板10に対する密着性(耐水密着性)を向上させることができる。
アルカリ可溶性重合体(b)が有する反応性基としては、フェノール性水酸基、カルボキシル基、スルホン酸基等が挙げられる。これらの基は1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。また、アルカリ可溶性重合体(b)が有する反応性基と反応可能な基としては、エポキシ基、イソシアネート基等が挙げられる。これらの基は1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。更に、重合性基としては、エチレン性不飽和基等が挙げられる。これらの基は1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
上記の反応性基、及び、この反応性基と反応可能な基、との組合せのなかでも、(1)反応性基がカルボキシル基であるとともに、反応性基と反応可能な基がエポキシ基である場合が挙げられる。このような組合せによりアルカリ可溶性重合体(b)に重合性基を導入する方法は、例えば、特開2006−124664号公報に開示されている。更に、(2)反応性基がヒドロキシル基であるとともに、反応性基と反応可能な基がイソシアネート基である場合が挙げられる。このような組合せによりアルカリ可溶性重合体(b)に重合性基を導入する方法は、例えば、特開2007−241247号公報に開示されている。
上記(1)の場合、即ち、アルカリ可溶性重合体(b)が反応性基としてカルボキシル基を有するとともに、このカルボキシル基と反応可能な基としてエポキシ基を用いる場合には、エポキシ基と重合性基とを有する重合性基導入成分(重合性基導入化合物)を用いることができる。より具体的には、重合性基として(メタ)アクリロリル基を有するとともに、エポキシ基を有する化合物が挙げられる。即ち、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテル{4−(2,3−エポキシ)ブチル(メタ)アクリレート}等が挙げられる。これらの化合物は1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
上記重合性基導入成分の配合量は、条件により適宜の範囲とすることができるが、例えば、アルカリ可溶性重合体(b)中のカルボキシル基のモル数に対し、モル分率で5〜90モル%とすることが好ましく、10〜80モル%とすることがより好ましい。この範囲では、より優れた耐水性及び密着性を得ることができる。
上記(2)の場合、即ち、アルカリ可溶性重合体(b)が反応性基としてヒドロキシル基を有するとともに、このヒドロキシル基と反応可能な基としてイソシアネート基を用いる場合には、イソシアネート基と重合性基とを有する重合性基導入成分(重合性基導入化合物)を用いることができる。より具体的には、重合性基として(メタ)アクリロリル基を有するとともに、イソシアネート基を有する化合物が挙げられる。即ち、例えば、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルイソシアネート、4−(メタ)アクリロイルオキシブチルイソシアネート、6−(メタ)アクリロイルオキシヘキシルイソシアネート、8−(メタ)アクリロイルオキシオクチルイソシアネート、10−(メタ)アクリロイルオキシデシルイソシアネート等が挙げられる。これらの化合物は1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
上記重合性基導入成分の配合量は、条件により適宜の範囲とすることができる。
[2−3]多官能性単量体(C)
更に、前記感放射線性組成物には、多官能性単量体(C)を含有できる。多官能性単量体(C)は、分子中に重合が可能な不飽和結合(以下、単に「重合性不飽和結合」という)を少なくとも2個有する常温で液体又は固体の化合物である。前記重合性不飽和結合としては、エチレン性不飽和結合等が含まれる。このような多官能性単量体(C)としては、下記(1)〜(6)が挙げられる。これらの(1)〜(6)の多官能性単量体(C)は、1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
(1)エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルキレングリコールのジ(メタ)アクリレート類;即ち、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1、9−ノナンジオールジアクリレート、2−n−ブチル−2−エチル−1、3−プロパンジオールジアクリレート等が含まれる。
(2)ジエチレングリコール以上のポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール以上のポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコールのジ(メタ)アクリレート類;即ち、例えば、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等が含まれる。
(3)グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール等の3価以上の多価アルコールのジ(メタ)アクリレート類及びこれらのジ(メタ)アクリレート類のジカルボン酸変性物;即ち、例えば、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、テトラメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート等が含まれる。
(4)ポリエステル、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アルキド樹脂、シリコーン樹脂、スピラン樹脂等のオリゴ(メタ)アクリレート類;ビスフェノールAジグリシジルエーテルに(メタ)アクリル酸を付加させたエポキシ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジ(メタ)アクリロイルオキシエチルエーテル、ビスフェノールAジ(メタ)アクリロイルオキシエチルオキシエチルエーテル、ビスフェノールAジ(メタ)アクリロイルオキシメチルエチルエーテル等が含まれる。
(5)両末端に水酸基を有するポリ−1,3−ブタジエン、両末端に水酸基を有するポリイソプレン、両末端に水酸基を有するポリカプロラクトン等の両末端に水酸基を有する重合体のジ(メタ)アクリレート類;
(6)トリス〔2−(メタ)アクリロイロキシエチル〕フォスフェート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート等のその他の多官能性単量体;
更に、これらの多官能性単量体(C)のなかでも、重合性不飽和結合を3つ以上且つ6つ以下有する多官能性単量体(c)を用いることが好ましい。この多官能性単量体(c)は、1つの分子内に3〜6つの重合性不飽和結合を有する単量体である。この重合性不飽和結合は、重合が可能な不飽和結合を意味し、エチレン性不飽和結合等が含まれる。即ち、多官能性単量体(c)は、エチレン性不飽和結合を3つ以上且つ6つ以下有するものであることが好ましい。
更に、エチレン性不飽和結合は、どのような化学構造中に含まれてもよい。即ち、例えば、(メタ)アクリル基、ビニル基、アリル基等が挙げられる。これらのなかでも(メタ)アクリル基が好ましい。(メタ)アクリル基は、下記式(1)で表される基である。
Figure 2011191287
〔式(1)中、R11は水素原子又はメチル基を表す。R12及びR13は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子又は1価の有機基を表す。〕
前記式(1)における1価の有機基としては、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アリル基、グリシジル基等が挙げられる。これらの1価の有機基は各々置換基によって置換されていてもよい。この置換基としては、水酸基、カルボキシル基、エポキシ基、オキソ基、アミノ基、シアノ基、シアニル基、イソシアニル基、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルオキシ基、ラクトニル基を有する基、カルボン酸無水物基を有する基、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のフルオロアルキル基、炭素数1〜4のヒドロキシアルキル基、炭素数2〜5のシアノアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシル基、炭素数2〜5のアルコキシメチル基、炭素数2〜5のアルコキシカルボニル基(但し、酸解離性のものを除く)、炭素数2〜5のアルコキシカルボニルアミノ基、炭素数1〜4のアルコキシスルホニル基、炭素数1〜4のアルキルアミノスルホニル基等が挙げられる。但し、この1価の有機基には、重合性不飽和結合を含まれない。
前記(メタ)アクリル基を3つ以上且つ6つ以下有する多官能性単量体としては、各種のトリ(メタ)アクリレート化合物、テトラ(メタ)アクリレート化合物、ペンタ(メタ)アクリレート化合物、及び、ヘキサ(メタ)アクリレート化合物等が挙げられる。
より具体的には、〈1〉多価アルコールの(メタ)アクリレート化合物、及び、〈2〉多価アルコールとアルキレンオキサイドとの反応物を(メタ)アクリレート化した化合物、などが挙げられる。このうち、〈2〉化合物は、多価アルコールの残基と、ポリアルキレンオキシド鎖及びアクリル基を有する下記式(2)で表される基と、を有する化合物である。
Figure 2011191287
〔式(2)中、R11は水素原子又はメチル基を表す。R12及びR13は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子又は1価の有機基を表す。nは1〜5であり、mは1〜10である。〕
尚、式(2)における1価の有機基は、前記式(1)における1価の有機基をそのまま適用できる。
前記多価アルコールとしては、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン等があげられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
前記アルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等があげられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。また、ポリアルキレンオキシド基としては、ポリエチレンオキシド基、ポリプロピレンオキシド基、ポリブチレンオキシド基などが挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
即ち、前記多官能性単量体(c)として、下記式(3)で表されるペンタエリスリトール(メタ)アクリレート化合物が挙げられる。
Figure 2011191287
〔式(3)中、R〜Rのうちの3つ以上の基は、各々独立に、下記式(1)又は下記式(2)で表される基であり、残りの基は水素原子、ハロゲン原子又は1価の有機基である。〕
尚、式(3)における残りの基を構成できる1価の有機基は、前記式(1)における1価の有機基をそのまま適用できる。
Figure 2011191287
〔式(1)中、R11は水素原子又はメチル基を表す。R12及びR13は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子又は1価の有機基を表す。〕
Figure 2011191287
〔式(2)中、R11は水素原子又はメチル基を表す。R12及びR13は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子又は1価の有機基を表す。nは1〜5であり、mは1〜10である。〕
前記式(3)で表されるペンタエリスリトール(メタ)アクリレート化合物としては、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールポリアルコキシレートトリ(メタ)アクリレート、及び、ペンタエリスリトールポリアルコキシレートテトラ(メタ)アクリレート等が挙げられる。また、前記式(2)に示す基が含まれる場合においては、nは1〜5が好ましく、1〜2が好ましい。また、mは1〜10が好ましく、1〜2がより好ましい。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
また、前記多官能性単量体(c)として、下記式(4)で表されるジペンタエリスリトール(メタ)アクリレート化合物が挙げられる。
Figure 2011191287
〔式(4)中、R〜Rのうちの3つ以上の基は、各々独立に、下記式(1)又は下記式(2)で表される基であり、残りの基は水素原子、ハロゲン原子又は1価の有機基である。〕
尚、式(4)における残りの基を構成できる1価の有機基は、前記式(1)における1価の有機基をそのまま適用できる。
Figure 2011191287
〔式(1)中、R11は水素原子又はメチル基を表す。R12及びR13は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子又は1価の有機基を表す。〕
Figure 2011191287
〔式(2)中、R11は水素原子又はメチル基を表す。R12及びR13は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子又は1価の有機基を表す。nは1〜5であり、mは1〜10である。〕
前記式(4)で表されるジペンタエリスリトール(メタ)アクリレート化合物としては、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールポリアルコキシレートトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールポリアルコキシレートテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールポリアルコキシレートペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールポリアルコキシレートヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。また、前記式(2)に示す基が含まれる場合においては、nは1〜5が好ましく、1〜2がより好ましい。また、mは1〜10が好ましく、1〜2がより好ましい。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
更に、前記多官能性単量体(c)として、下記式(5)で表されるトリメチロールプロパン(メタ)アクリレート化合物が挙げられる。
Figure 2011191287
〔式(5)中、R〜Rは、各々独立に、下記式(1)又は下記式(2)で表される基である。〕
Figure 2011191287
〔式(1)中、R11は水素原子又はメチル基を表す。R12及びR13は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子又は1価の有機基を表す。〕
Figure 2011191287
〔式(2)中、R11は水素原子又はメチル基を表す。R12及びR13は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子又は1価の有機基を表す。nは1〜5であり、mは1〜10である。〕
前記式(5)で表されるトリメチロールプロパン(メタ)アクリレート化合物としては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、及び、トリメチロールプロパンポリアルコキシレートトリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。また、前記式(2)に示す基が含まれる場合においては、nは1〜5が好ましく、1〜2がより好ましい。また、mは1〜10が好ましく、1〜2がより好ましい。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
また、前記多官能性単量体(c)として、下記式(6)で表されるジトリメチロールプロパン(メタ)アクリレート化合物が挙げられる。
Figure 2011191287
〔式(6)中、R〜Rのうちの3つ以上の基は、各々独立に、下記式(1)又は下記式(2)で表される基であり、残りの基は水素原子、ハロゲン原子又は1価の有機基である。〕
尚、式(6)における残りの基を構成できる1価の有機基は、前記式(1)における1価の有機基をそのまま適用できる。
Figure 2011191287
〔式(1)中、R11は水素原子又はメチル基を表す。R12及びR13は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子又は1価の有機基を表す。〕
Figure 2011191287
〔式(2)中、R11は水素原子又はメチル基を表す。R12及びR13は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子又は1価の有機基を表す。nは1〜5であり、mは1〜10である。〕
前記式(6)で表されるジトリメチロールプロパン(メタ)アクリレート化合物としては、ジトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンポリアルコキシレートトリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンポリアルコキシレートテトラ(メタ)アクリレート等が挙げられる。また、前記式(2)に示す基が含まれる場合においては、nは1〜5が好ましく、1〜2がより好ましい。また、mは1〜10が好ましく、1〜2がより好ましい。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
更に、感放射線性組成物では、多官能性単量体(C){多官能性単量体(c)を含む}の一部を、1つの重合性不飽和結合を有する単官能性単量体で置き換えることができる。
前記単官能性単量体としては、前記重合体(B)において例示される不飽和化合物を用いることができる他、N−ビニルサクシンイミド、N−ビニルピロリドン、N−ビニルフタルイミド、N−ビニル−2−ピペリドン、N−ビニル−ε−カプロラクタム、N−ビニルピロール、N−ビニルピロリジン、N−ビニルイミダゾール、N−ビニルイミダゾリジン、N−ビニルインドール、N−ビニルインドリン、N−ビニルベンズイミダゾ−ル、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルピペリジン、N−ビニルピペラジン、N−ビニルモルフォリン、N−ビニルフェノキサジン等のN−ビニル含窒素複素環式化合物;N−(メタ)アクリロイルモルフォリンや、市販品として、M−5300、M−5400、M−5600(以上、東亞合成株式会社製)等を用いることができる。これらの単官能性単量体は、1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。単官能性単量体を用いる場合、多官能性単量体(C)と単官能性単量体の合計を100質量%とすると、単官能性単量体は50質量%以下とすることが好ましい。
前記感放射線性組成物における多官能性単量体(C)の含有量は特に限定されないが、感放射線性組成物全体100質量%に対して、通常、3〜70質量%である。この範囲では、特に優れた密着性及び耐水性を得ることができる。
また、この含有量は、重合体(B)が含まれる場合においては、重合体(B)100質量部に対して、5〜500質量部が好ましく、20〜300質量部がより好ましく、30〜150質量部が更に好ましく、40〜80質量部が特に好ましい。この範囲では、特に優れた密着性及び耐水性を得ることができる。
更に、前記多官能性単量体(c)を含有する場合、多官能性単量体(C)全体を100質量%とした場合に、少なくとも10質量%以上含有されることが好ましく、50〜100質量%がより好ましく、80〜100質量%が特に好ましい。
[2−4]感放射線性重合開始剤(D)
更に、前記感放射線性組成物には、感放射線性重合開始剤(D)を含有できる。感放射線性重合開始剤(D)は、露光により前記多官能性単量体(c)の重合を誘発する成分である。露光に用いる放射線種は特に限定されないことは、前記露光工程における記載と同じであり、利用できる放射線種についてもそのまま適用できる。
この感放射線性重合開始剤(D)としては、アシルホスフィンオキサイド系化合物、ビイミダゾール系化合物、ベンゾイン系化合物、アセトフェノン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、α−ジケトン系化合物、多核キノン系化合物、キサントン系化合物、トリアジン系化合物、O−アシルオキシム型化合物等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
前記アシルホスフィンオキサイド系化合物(d)は、下記式(7)又は下記式(8)で表される化合物である。
Figure 2011191287
〔式(7)中のR及びRは、各々独立に、脂肪族基、芳香族基、脂肪族オキシ基、芳香族オキシ基、複素環基を表し、Rは、脂肪族基、芳香族基、複素環基を表す。RとRは結合して5員環乃至9員環の環構造を形成できる。また、前記環構造は、環構造中に酸素原子、窒素原子及び硫黄原子から選ばれるヘテロ原子を含む複素環であってもよい。〕
Figure 2011191287
〔式(8)中のR及びRは、各々独立に、アルキル基、アリール基、複素環基を表し、Rは、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、複素環基を表す。〕
前記式(7)中のR、R及びRにおける脂肪族基としては、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基等が挙げられる。これらの脂肪族基は、環状脂肪族基でも鎖状脂肪族基でもよい。また、鎖状脂肪族基においては分岐を有していてもよく、有していなくてもよい。更に、前記脂肪族基は下記置換基(Z)により置換されていてもよい。
前記置換基(Z)としては、−COOH(カルボキシル基)、−SOH(スルホ基)、−CN(シアノ基)、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子等)、−OH(ヒドロキシ基)、炭素数30以下のアルコキシカルボニル基(メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基等)、炭素数30以下のアルキルスルホニルアミノカルボニル基、アリールスルホニルアミノカルボニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、炭素数30以下のアシルアミノスルホニル基、炭素数30以下のアルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、ベンジルオキシ基、フェノキシエトキシ基、フェネチルオキシ基等)、炭素数30以下のアルキルチオ基(メチルチオ基、エチルチオ基、メチルチオエチルチオエチル基等)、炭素数30以下のアリールオキシ基(フェノキシ基、p−トリルオキシ基、1−ナフトキシ基、2−ナフトキシ基等)、ニトロ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、炭素数30以下のアシルオキシ基(アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基等)、炭素数30以下のアシル基(アセチル基、プロピオニル基、ベンゾイル基等)、カルバモイル基(カルバモイル基、N,N−ジメチルカルバモイル基、モルホリノカルボニル基、ピペリジノカルボニル基等)、スルファモイル基(例えば、スルファモイル基、N,N−ジメチルスルファモイル基、モルホリノスルホニル基、ピペリジノスルホニル基等)、炭素数30以下のアリール基(フェニル基、4−クロロフェニル基、4−メチルフェニル基、α−ナフチル基等)、置換アミノ基(アミノ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アリールアミノ基、ジアリールアミノ基、アシルアミノ基等)、置換ウレイド基、置換ホスホノ基、複素環基等が挙げられる。これらの置換基は1種のみを用いてもよく2種以上が併用されてもよい。更に、前記カルボキシル基、スルホ基、ヒドロキシ基、及び、ホスホノ基は、各々塩の状態であってもよい。塩を形成するカチオンとしては、陽イオンを形成し得る基であり、有機カチオン性化合物、遷移金属配位錯体カチオン又は金属カチオンが好ましい。
前記脂肪族基のなかでも中でも、アルキル基(置換及び無置換)、アルケニル基(置換及び無置換)又はアラルキル基(置換及び無置換)が好ましく、アルキル基(置換及び無置換)が特に好ましい。
前記アルキル基(置換及び無置換)としては、直鎖状、分岐状、環状のアルキル基が挙げられる。アルキル基の炭素数は特に限定されないが、1以上30以下が好ましく、1以上20以下がより好ましい。置換アルキル基のアルキル部分の炭素数は特に限定されないが、1以上30以下が好ましく、1以上20以下がより好ましい。
前記アルキル基(置換及び無置換)としては、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、デシル基、ドデシル基、オクタデシル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、ネオペンチル基、イソプロピル基、イソブチル基等が挙げられる。
前記アルケニル基(置換及び無置換)としては、直鎖状、分岐状、環状のアルケニル基が挙げられる。アルケニル基の炭素数は特に限定されないが、2以上30以下が好ましく、2以上20以下がより好ましい。
前記アルキニル基(置換及び無置換)としては、直鎖状、分岐状、環状のアルキニル基が挙げられる。アルキニル基の炭素数は特に限定されないが、2以上30以下が好ましく、2以上20以下がより好ましい。
前記アラルキル基(置換及び無置換)としては、直鎖状、分岐状、環状のアルキル側鎖を有するアラルキル基が挙げられる。アラルキル基の炭素数は特に限定されないが、7以上35以下が好ましく、7以上25以下がより好ましい。前記アラルキル基のアリール部分は、置換基を有していてもよい。この置換基としては前記各種置換基(Z)が挙げられる他、炭素数30以下の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
前記式(7)中のR、R及びRにおける芳香族基としては、アリール基が挙げられる。このアリール基は前記置換基(Z)及び炭素数30以下の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基により置換されていてもよい。アリール基の炭素数は特に限定されないが、6以上30以下が好ましく、6以上20以下がより好ましい。
前記アリール基の具体例としては、フェニル基、α−ナフチル基、β−ナフチル基等が挙げられる。
前記式(7)中のR又はRにおける脂肪族オキシ基としては、炭素数1以上30以下のアルコキシ基が好ましい。このアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基、オクチルオキシ基、フェノキシエトキシ基等が挙げられる。
前記式(7)中のR又はRにおける芳香族オキシ基としては、炭素数6以上30以下のアリールオキシ基が好ましい。このアリールオキシ基としては、フェノキシ基、メチルフェニルオキシ基、クロロフェニルオキシ基、メトキシフェニルオキシ基、オクチルオキシフェニルオキシ基等が挙げられる。
前記式(7)中のR、R又はRにおける複素環基としては、N、O又はS原子を含む複素環基が好ましい。この複素環基としては、ピリジル基、フリル基、チエニル基、イミダゾリル基、ピロリル基等が挙げられる。
更に、具体的には、前記式(7)におけるR及びRは各々独立に、フェニル基、メトキシ基、又は、イソプロポキシ基であることが好ましい。更に、Rは2,4,6−トリメチルフェニル基、2,4−ジメチルフェニル基、2−メチルフェニル基(o−トルイル基)、イソブチル基、又は、t−ブチル基であることが好ましい。
即ち、例えば、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスインオキサイド、イソブチリル−メチルホスフィン酸メチルエステル、イソブチリル−フェニルホスフィン酸メチルエステル、ピバロイル−フェニルホスフィン酸メチルエステル、2−エチルヘキサノイル−フェニルホスフィン酸メチルエステル、ピバロイル−フェニルホスフィン酸イソプロピルエステル、p−トルイル−フェニルホスフィン酸メチルエステル、o−トルイル−フェニルホスフィン酸メチルエステル、2,4−ジメチルベンゾイル−フェニルホスフィン酸メチルエステル、p−三級ブチルベンゾイル−フェニルホスフィン酸イソプロピルエステル、アクリロイル−フェニルホスフィン酸メチルエステル、イソブチリル−ジフェニルホスフィンオキサイド、2−エチルヘキサノイル−ジフェニルホスフィンオキサイド、o−トルイル−ジフェニルホスフィンオキサイド、p−三級ブチルベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキサイド、3−ピリジルカルボニル−ジフェニルホスフィンオキサイド、アクリロイル−ジフェニルホスフィンオキサイド、ベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキサイド、ピバロイル−フェニルホスフィン酸ビニルエステル、アジポイル−ビス−ジフェニルホスフィンオキサイド、ピバロイル−ジフェニルホスフィンオキサイド、p−トルイル−ジフェニルホスフィンオキサイド、4−(三級ブチル)−ベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキサイド、2−メチルベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキサイド、2−メチル−2−エチルヘキサノイル−ジフェニルホスフィンオキサイド、1−メチル−シクロヘキサノイル−ジフェニルホスフィンオキサイド、ピバロイル−フェニルホスフィン酸メチルエステル及びピバロイル−フェニルホスフィン酸イソプロピルエステル等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
前記式(8)中のR、R又はRにおけるアルキル基、アリール基、複素環基、アルコキシ基及びアリールオキシ基は、各々前記式(7)で示したアルキル基、アリール基、複素環基、アルコキシ基及びアリールオキシ基を適用できる。これらのアルキル基、アリール基、複素環基、アルコキシ基及びアリールオキシ基は、前記置換基(Z)により置換されていてもよい。
更に、具体的には、前記式(8)におけるR及びRは各々独立に、2,4,6−トリメチルフェニル基、2,6−ジメチルフェニル基、又は、2,6−ジメトキシフェニル基であることが好ましい。更に、Rはフェニル基、又は、2,4,4−トリメチルペンチル基であることが好ましい。
即ち、例えば、ビス(2,6−ジクロルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロルベンゾイル)−2,5−ジメチルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロルベンゾイル)−4−エトキシフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロルベンゾイル)−4−プロピルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロルベンゾイル)−2−ナフチルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロルベンゾイル)−1−ナフチルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロルベンゾイル)−4−クロルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロルベンゾイル)−2,4−ジメトキシフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロルベンゾイル)−デシルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロルベンゾイル)−4−オクチルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−2,5−ジメチルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロル−3,4,5−トリメトキシベンゾイル)−2,5−ジメチルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロル−3,4,5−トリメトキシベンゾイル)−4−エトキシフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2−メチル−1−ナフトイル)−2,5−ジメチルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2−メチル−1−ナフトイル)−4−エトキシフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2−メチル−1−ナフトイル)−2−ナフチルホスフィンオキサイド、ビス(2−メチル−1−ナフトイル)−4−プロピルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2−メチル−1−ナフトイル)−2,5−ジメチルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2−メトキシ−1−ナフトイル)−4−エトキシフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2−クロル−1−ナフトイル)−2,5−ジメチルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
前記ビイミダゾール系化合物としては、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−エトキシカルボニルフェニル)−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2−ブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−エトキシカルボニルフェニル)−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4,6−トリクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2−ブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4−ジブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4,6−トリブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
前記ベンゾイン系化合物としては、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、2−ベンゾイル安息香酸メチル等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
前記アセトフェノン系化合物としては、2,2−ジメトキシアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
前記ベンゾフェノン系化合物としては、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
前記α−ジケトン系化合物としては、ジアセチル、ジベンゾイル、メチルベンゾイルホルメート等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
前記多核キノン系化合物としては、アントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−tert−ブチルアントラキノン、1,4−ナフトキノン等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
前記キサントン系化合物としては、キサントン、チオキサントン、2−クロロチオキサントン等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
前記トリアジン系化合物としては、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−メチル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−〔2−(フラン−2−イル)エテニル〕−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−〔2−(5−メチルフラン−2−イル)エテニル〕−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−〔2−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)エテニル〕−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−〔2−(3,4−ジメトキシフェニル)エテニル〕−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−エトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−n−ブトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
前記O−アシルオキシム型化合物としては、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチル−2−テトラヒドロフラニルオキシベンゾイル)−9.H.−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチル−2−テトラヒドロピラニルオキシベンゾイル)−9.H.−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチル−2−テトラヒドロフラニルメトキシベンゾイル)−9.H.−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチル−2−テトラヒドロピラニルメトキシベンゾイル)−9.H.−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチル−3−テトラヒドロフラニルオキシベンゾイル)−9.H.−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチル−3−テトラヒドロピラニルオキシベンゾイル)−9.H.−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチル−3−テトラヒドロフラニルメトキシベンゾイル)−9.H.−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチル−3−テトラヒドロピラニルメトキシベンゾイル)−9.H.−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチル−4−テトラヒドロフラニルオキシベンゾイル)−9.H.−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチル−4−テトラヒドロピラニルオキシベンゾイル)−9.H.−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチル−4−テトラヒドロフラニルメトキシベンゾイル)−9.H.−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチル−4−テトラヒドロピラニルメトキシベンゾイル)−9.H.−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチル−5−テトラヒドロフラニルオキシベンゾイル)−9.H.−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチル−5−テトラヒドロピラニルオキシベンゾイル)−9.H.−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチル−5−テトラヒドロフラニルメトキシベンゾイル)−9.H.−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチル−5−テトラヒドロピラニルメトキシベンゾイル)−9.H.−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチル−2−テトラヒドロフラニルオキシベンゾイル)−9.H.−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチル−2−テトラヒドロピラニルオキシベンゾイル)−9.H.−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−ベンゾイルアセチルオキシム)、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチル−2−テトラヒドロフラニルメトキシベンゾイル)−9.H.−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−ベンゾイルアセチルオキシム)、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチル−2−テトラヒドロピラニルメトキシベンゾイル)−9.H.−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−ベンゾイルアセチルオキシム)、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチル−3−テトラヒドロフラニルオキシベンゾイル)−9.H.−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−ベンゾイルアセチルオキシム)、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチル−3−テトラヒドロピラニルオキシベンゾイル)−9.H.−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−ベンゾイルアセチルオキシム)、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチル−3−テトラヒドロフラニルメトキシベンゾイル)−9.H.−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−ベンゾイルアセチルオキシム)、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチル−3−テトラヒドロピラニルメトキシベンゾイル)−9.H.−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−ベンゾイルアセチルオキシム)、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチル−4−テトラヒドロフラニルオキシベンゾイル)−9.H.−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−ベンゾイルアセチルオキシム)、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチル−4−テトラヒドロピラニルオキシベンゾイル)−9.H.−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−ベンゾイルアセチルオキシム)、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチル−4−テトラヒドロフラニルメトキシベンゾイル)−9.H.−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−ベンゾイルアセチルオキシム)、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチル−4−テトラヒドロピラニルメトキシベンゾイル)−9.H.−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−ベンゾイルアセチルオキシム)、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチル−5−テトラヒドロフラニルオキシベンゾイル)−9.H.−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−ベンゾイルアセチルオキシム)、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチル−5−テトラヒドロピラニルオキシベンゾイル)−9.H.−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−ベンゾイルアセチルオキシム)、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチル−5−テトラヒドロフラニルメトキシベンゾイル)−9.H.−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−ベンゾイルアセチルオキシム)、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチル−5−テトラヒドロピラニルメトキシベンゾイル)−9.H.−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−ベンゾイルアセチルオキシム)、エタノン,1−[9−エチル−6−[2−メチル−4−(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラニル)メトキシベンゾイル]−9.H.−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
前記感放射線性組成物における感放射線性重合開始剤(D)の含有量は特に限定されないが、感放射線性組成物全体100質量%に対して、通常、0.5〜50質量%である。この範囲では、特に優れた密着性及び耐水性を得ることができる。
また、この含有量は、後述する重合体(B)が含まれる場合においては、重合体(B)100質量部に対して、1〜150質量部が好ましく、3〜140質量部がより好ましく、10〜80質量部が更に好ましく、20〜60質量部が特に好ましい。この範囲では、特に優れた密着性及び耐水性を得ることができる。
また、前記感放射線性組成物において、アシルホスフィンオキサイド系化合物(アシルホスフィンオキサイド系感放射線性重合開始剤)と他の感放射線性重合開始剤とを併用する場合、他の感放射線性重合開始剤の含有量は特に限定されないが、アシルホスフィンオキサイド系化合物(d)100質量部に対して、他の感放射線性重合開始剤は10〜200質量部が好ましく、20〜150質量部がより好ましく、30〜70量部が特に好ましい。この範囲では、特に優れた密着性及び耐水性を得ることができる。
[2−5]その他の成分
その他、前記感放射線性組成物には、必要に応じて、接着助剤(E)、界面活性剤(F)及び有機溶媒(G)等を含有できる。
このうち接着助剤(E)は、素基板と隔壁との接着性を更に向上させるために成分であり、この接着助剤としては官能性シランカップリング剤が好ましい。即ち、例えば、カルボキシル基、メタクリロイル基、イソシアネート基、エポキシ基等の反応性置換基を有するシランカップリング剤が好ましい。官能性シランカップリング剤としては、トリメトキシシリル安息香酸、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−イソシアナートプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、トリス−(3−トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレートなどが挙げられる。
前記感放射線性組成物に対する接着助剤(E)の含有量は特に限定されないが、感放射線性組成物全体100質量%に対して、通常、0.0005〜7質量%である。この範囲では、特に優れた密着性及び耐水性を得ることができる。
また、この含有量は、重合体(B)が含まれる場合においては、重合体(B)100質量部に対して、通常、20質量部以下であり、好ましくは0.001〜15質量部、更に好ましくは0.01〜10質量部、特に好ましくは0.1〜7質量部である。この範囲では、より優れた密着性を得ることができる。
前記界面活性剤(F)の種類は特に限定されず、種々のものを適宜選択して用いることができる。この界面活性剤(F)は密着助剤としても機能される。感放射線性組成物に対する界面活性剤(F)の含有量は特に限定されないが、通常、感放射線性組成物全体100質量%に対して、0.00005〜10質量%である。この範囲では、特に優れた密着性及び耐水性を得ることができる。
また、この含有量は、重合体(B)が含まれる場合においては、重合体(B)100質量部に対して、通常、20質量部以下であり、好ましくは0.0001〜15質量部、更に好ましくは0.001〜10質量部、特に好ましくは0.01〜5質量部である。この範囲では、より優れた密着性を得ることができる。
前記有機溶媒(G)の種類は特に限定されず、種々のものを適宜選択して用いることができる。有機溶媒(G)としては、エチレングリコール等のアルコール類;テトラヒドロフラン等の環状エーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテル等の多価アルコールのアルキルエーテル類;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等の多価アルコールのアルキルエーテルアセテート類;トルエン等の芳香族炭化水素類;メチルエチルケトン等のケトン類;酢酸エチル等のエステル類などが挙げられる。これらの溶媒(F1)は1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
前記感放射線性組成物に対する溶剤(G)の含有量は特に限定されず、塗布形態等に適した固形分濃度となるように用いられる。また、感放射線性組成物の固形分濃度は、隔壁部の高さにより適宜選択することができ特に限定されないが、10〜90質量%が好ましく、30〜80質量%がより好ましく、40〜70質量%が更に好ましい。
[3]マイクロアレイ用基板の隔壁(バイオチップ用隔壁を含む)
本発明のマイクロアレイ用基板の隔壁(バイオチップ用隔壁を含む)隔壁は、前記感放射線性組成物を用いて得られたことを特徴とする。即ち、前記本発明の感放射線性組成物を用いて素基板10上に第1膜21を形成した後、この第1膜21をリソグラフィー法によりパターニングして形成された隔壁20である(図1〜3参照)。
この隔壁の性状は特に限定されず適宜のものとすることができる、厚さ5μmにおいて、波長550nmの光に対する透過率が0〜10%とすることができる。この範囲では、混色を防ぐ点において特に優れた特性を発揮できる。
更に、隔壁の形状は特に限定されず適宜のものとすることができるが、通常、前記キャビティ間において、少なくとも1μm以上の幅(キャビティ間を隔てる距離)を有することが好ましい。更に、この幅は1〜1000μmが好ましく、2〜500μmがより好ましく、5〜50μmが特に好ましい。
[4]バイオチップの製造方法(1)
本発明の第1のバイオチップの製造方法(図3及び図4参照)は、(PR1)マイクロアレイ用基板製造工程(即ち、素基板に隔壁を形成する隔壁形成工程)と、(PR2)固定用物質配置工程と、(PR3)固定化工程と、を備えることを特徴とする。
前記「マイクロアレイ用基板製造工程(PR1)」(図3参照)は、前記マイクロアレイ用基板の製造方法を用いて、素基板10上に前記隔壁20を形成する工程である。このマイクロアレイ用基板工程については、前記マイクロアレイ用基板の製造方法をそのまま適用できる。
前記「固定用物質配置工程(PR2)」(図4参照)は、隔壁20によって区画された領域30(即ち、キャビティ)にターゲット物質52を固定するための固定用物質51を配置する工程である。
前記固定用物質51とは、ターゲット物質と素基板とを連結する物質である。この固定用物質としては、ポリリシン、コラーゲン、ラミニン、含シアル酸オリゴ糖、マンノース結合性レクチン、インテグリンファミリーリガンド、ペプチド、抗原、抗体又は核酸等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
この固定用物質を固定する方法は特に限定されず、化学結合を用いた固定であってもよく、物理吸着を用いた固定であってもよく、更にその他の方法による固定であってもよい。
この固定用物質配置工程(PR2)に際しては、予め前記隔壁20が形成された素基板10のキャビティ30内の表面(素基板の表面及び隔壁の表面を含む)に対して、前記固定用物質51の配置を助けるための表面処理や、後述するターゲット物質の付着を抑制するための表面処理等を施すことができる。この表面処理としては、脂質膜(細胞膜)と非特異的な付着を防止する性質をエチレンジアミン等により付与する方法等が挙げられる。
前記「固定化工程(PR3)」(図4参照)は、固定用物質51にターゲット物質52を固定する工程である。
前記ターゲット物質52とは、標的たる生体高分子等に対して特異的に結合し得る物質である。このターゲット物質としては、より具体的には生体関連物質が挙げられる。この生体関連物質としては、真核細胞、原核細胞、ウイルス、及びリポソーム等が挙げられる。更に、これらよりも更に小さい、DNA、RNA、PNA、BNA、人工核酸、プロテイン(ペプチド)、糖鎖、及びこれらを組み合わせたプローブ等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
このターゲット物質52を固定する方法は特に限定されず、化学結合を用いた固定であってもよく、物理吸着を用いた固定であってもよい。
[5]バイオチップの製造方法(2)
本発明の第2のバイオチップの製造方法(図3及び図5参照)は、(PR1)マイクロアレイ用基板製造工程(即ち、素基板に隔壁を形成する隔壁形成工程)と、(PR4)担持物質配置工程と、を備えることを特徴とする。
前記「マイクロアレイ用基板製造(PR1)」(図3参照)は、前記マイクロアレイ用基板の製造方法を用いて、基板10上に前記隔壁20を形成する工程である。このマイクロアレイ用基板製造工程については、前記マイクロアレイ用基板の製造方法をそのまま適用できる。
前記「担持物質配置工程(PR4)」(図5参照)は、固相但体54の表面にターゲット物質52を有する、担持物質53を、前記隔壁20が形成された素基板10のキャビティ30内に配置する工程である。
前記固相但体54とは、その表面にターゲット物質52を担持するための固相物である。この固相担体54は、通常、粒子である。粒子の種類は特に限定されず、有機粒子であってもよく、無機粒子であってもよいが、好ましくは無機粒子である。更には、無機粒子のなかでも、金属及び/又は金属酸化物等からなる粒子であることがより好ましい。金属及び/又は金属酸化物等からなる粒子としては、例えば、磁性粒子を用いることができる。磁性粒子は磁性を有する粒子である。磁性粒子を用いた場合は、ターゲット物質52を固相単体54から単離する際に外部磁場により容易に磁気単離することができる。
この磁性粒子を構成する材料としては、例えば、鉄、コバルト又はニッケルの塩、酸化物、ホウ化物又は硫化物並びに高い磁化率を有する稀土類元素(例えば、ヘマタイト又はフェライト)などが挙げられる。これらの材料は1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
磁性粒子の具体例としては、例えば、マグネタイト、鉄−鉛合金、鉄−白金合金、コバルト−白金合金などの強磁性合金が挙げられる。これらの磁性粒子は1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
また、前記固相担体54が粒子である場合、粒子サイズは特には限定されず、ナノ粒子、マイクロ粒子、及びミリ粒子等を適宜用いることができる。
また、固相但体54の表面には、ターゲット物質52を連結するために、固定用物質を表面に配置してもよい。固定用物質は、前記第1のバイオチップの製造方法における工程(PR2)において記載した固定用物質51の説明をそのまま適用できる。
また、前記ターゲット物質52は、前記第1のバイオチップの製造方法における工程(PR3)において記載したターゲット物質52の説明をそのまま適用できる。
更に、固相但体54の表面にターゲット物質52を有する、担持物質53を、前記隔壁20が形成された素基板10のキャビティ30内に配置する方法は特に限定されないが、通常、担持物質53を含有する分散液を隔壁20が形成された素基板10に塗布することにより行われる。
また、(PR4)工程においては、担持物質がマイクロアレイ用基板のキャビティ外に移動しないようにするために、キャビティ内に担持物質より小さいサイズの物質(例えばナノ粒子など)を配置することができある。さらに、バイオチップを効率的に機能させる、つまり、ターゲット物質とDNAやRNAなどの対象試料との反応(ハイブリダイゼーション)を促進するための触媒機能や酵素機能を有する物質を、キャビティ内に配置することができる。
[6]バイオチップ
本発明のバイオチップは、本発明のバイオチップの製造方法によって得られたことを特徴とする。図1及び図2に例示されるマイクロアレイ用基板(プレバイオチップ)101は、少なくとも素板10と隔壁20とを有する。そして、この隔壁20によって区画化された基板上の領域30を有する。この区画化された領域30は、隔壁20によって取り囲まれており外観上は凹部(即ち、キャビティ30)として認められる。このキャビティ30は、通常、1つのマイクロアレイ用基板(プレバイオチップ)101に複数設けられている。このキャビティ30はいわゆるウェルとして利用できる。更に、図4(最後段)に例示されるようにバイオチップは、キャビティ30内の少なくとも基板(素基板)表面に配置された固定用物質51と、この固定用物質51に固定されたターゲット物質52と、を備える。又は、図5(最後段)に例示されるようにバイオチップは、キャビティ30内に配置された、固相但体54の表面にターゲット物質52を有した担持物質53を備える。
前記キャビティの開口形状は特に限定されず、四角形であってもよく、円形であってよく、三角形であってもよく、その他の多角形であってもよく、更にその他の形状であってもよい。
更に、キャビティは、開口部と同形状の底部形状であってよく(即ち、特選的に掘り下げられたキャビティであってもよく)、裾窄まりの形状であってもよく、更に他の形状であってもよい。
また、キャビティは、隔壁層を貫通して、隔壁層が積層されている下層(素基板やその他の層)の表面を底面としてもよく、また、隔壁層を貫通せず、隔壁層内において底面を有してもよい。
本発明のバイオチップは、DNAシークエンシング用のバイオチップや、診断用のバイオチップなどの、蛍光を検知することにより機能するバイオチップとして利用できる。
以下、実施例を挙げて、本発明の実施の形態を更に具体的に説明する。但し、本発明は、この実施例に何ら制約されるものではない。尚、実施例の記載における「部」及び「%」は、特記しない限り質量基準である。
[1]着色剤(A)分散液の調製
[調製例1]分散液(a1)
C.I.ピグメントバイオレット19{紫色顔料(a)である}2質量部、Disperbyk−2001(ビックケミージャパン社製、分散剤)1質量部(固形分換算)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(溶媒)を、ビーズミルにより12時間混合・分散して、C.I.ピグメントバイオレット19が分散された固形分濃度20質量%の分散液(a1)を得た。
[調製例2]分散液(a2)
C.I.ピグメントバイオレッド29{紫色顔料(a)である}4質量部、Disperbyk−2001(ビックケミージャパン社製、分散剤)1質量部(固形分換算)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(溶媒)を、ビーズミルにより12時間混合・分散して、C.I.ピグメントバイオレッド29が分散された固形分濃度20質量%の分散液(a2)を得た。
[調製例3]分散液(a3)
C.I.ピグメントバイオレッド23{紫色顔料(a)である}4質量部、Disperbyk−2001(ビックケミージャパン社製、分散剤)1質量部(固形分換算)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(溶媒)を、ビーズミルにより12時間混合・分散して、C.I.ピグメントバイオレッド23が分散された固形分濃度20質量%の分散液(a3)を得た。
[調製例4]分散液(a4)
C.I.ピグメントブルー15:6{紫色顔料(a)ではない}4質量部、C.I.ピグメントレッド123{紫色顔料(a)ではない}5質量部、Disperbyk−2001(ビックケミージャパン社製、分散剤)1質量部(固形分換算)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(溶媒)を、ビーズミルにより12時間混合・分散して、C.I.ピグメントブルー15:6及びC.I.ピグメントレッド123が分散された固形分濃度20質量%の分散液(a4)を得た。
[2]重合体(B){アルカリ可溶性重合体}の合成
[合成例1]重合体(b1)
冷却管及び攪拌機を備えたフラスコに、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル3質量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート200質量部を仕込んだ。引き続いて、単量体として、メタクリル酸10質量部、トリシクロ[5.2.1.02.6]デカニルメタクリレート25質量部、イソボロニルアクリレート20質量部、n−ブチルアクリレート30質量部、p−イソプロペニルフェノール15質量部を仕込むと共に、分子量調節剤として1−メチル−4−イソプロピリデン−1−シクロヘキセン5質量部を仕込んで、窒素置換した。その後ゆるやかに撹拌して、反応溶液の温度を80℃に上昇させ、この温度を5時間保持して重合することにより、重合体(b1)の溶液を得た。(Mw=10,000、Mn=6,000、固形分濃度31.2質量%)
[合成例2]重合体(b2)
下記表1に示す各単量体を表1に示す配合で用いた以外は、合成例1と同様の手法にて重合体(b2)を得た。即ち、冷却管及び攪拌機を備えたフラスコに、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル3質量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート200質量部を仕込んだ。引き続いて、単量体として、メタクリル酸11質量部、トリシクロ[5.2.1.02.6]デカニルメタクリレート15質量部、イソボロニルアクリレート39質量部、p−イソプロペニルフェノール15質量部、フェノキシジエチレングリコールアクリレート20質量部を仕込むと共に、分子量調節剤として1−メチル−4−イソプロピリデン−1−シクロヘキセン5質量部を仕込んで、窒素置換した。その後ゆるやかに撹拌して、反応溶液の温度を80℃に上昇させ、この温度を5時間保持して重合することにより、重合体(b2)の溶液を得た。(Mw=9,000Mn=4,500、固形分濃度30質量%)
[合成例3]重合体(b3)
表1に示すように、トリシクロ[5.2.1.02.6]デカニルメタクリレート、イソボルニルアクリレート、及び、n−ブチルアクリレートの各配合割合を変更するとともに、p−イソプロペニルフェノールに換えてベンジルメタクリレートを用いた以外は、合成例1と同様にして、重合体(b3)の溶液を得た。(Mw=10,000、Mn=4,000、固形分濃度30質量%)
[合成例4]重合体(b4)の合成
表1に示すように、メタクリル酸、及び、トリシクロ[5.2.1.02.6]デカニルメタクリレートの各配合割合を変更するとともに、p−イソプロペニルフェノールに換えてベンジルメタクリレートを用いた以外は、合成例1と同様にして、重合体(b4)の溶液を得た。(Mw=10,000、Mn=4,000、固形分濃度30質量%)
尚、重合体(b4)は、重合体(b6)及び重合体(b7)の原料重合体であり、本実施例では重合体(b4)自体をそのまま利用しない。
[合成例5]重合体(b5)の合成
表1に示すように、メタクリル酸、及び、n−ブチルアクリレートの各配合割合を変更するとともに、更に、ヒドロキシエチルアクリレート15質量部を加えた以外は、合成例4と同様にして、重合体(b5)の溶液を得た。(Mw=10,000、Mn=4,000、固形分濃度30質量%)
尚、重合体(b5)は、重合体(b8)の原料重合体であり、本実施例では重合体(b5)自体をそのまま利用しない。
[合成例6]重合体(b6)の合成
合成例4で得られた重合体(b4)100質量部に、グリシジルメタクリレート(重合性基導入成分)15質量部、テトラブチルアンモニウムブロミド1.4質量部、及び、4−メチルフェノール0.05質量部を投入し、80℃で10時間反応{重合体(b4)が有するカルボキシル基と重合性基導入成分のエポキシ基との反応を目的とする}させて、重合性基を有する重合体(b6)の溶液を得た。(Mw=11,000、Mn=4,500、固形分濃度30質量%)
[合成例7]重合体(b7)の合成
合成例4で得られた重合体(b4)100質量部に、4−ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテル(重合性基導入成分)15質量部、テトラブチルアンモニウムブロミド1.4質量部、及び、4−メチルフェノール0.05質量部を投入し、80℃で10時間反応{重合体(b4)が有するカルボキシル基と重合性基導入成分のエポキシ基との反応を目的とする}させて、重合性基を有する重合体(b7)の溶液を得た。(Mw=11,000、Mn=4,500、固形分濃度30質量%)
[合成例8]重合体(b8)の合成
合成例5で得られた重合体(b5)100質量部に、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(重合性基導入成分、商品名「カレンズMOI」、昭和電工株式会社製)18質量部、ジブチルスズラウレート0.3質量部、及び、4−メトキシフェノール0.1質量部を投入して、40℃で1時間撹拌し、更に、60℃で2時間撹拌して反応{重合体(b5)が有するヒドロキシル基と重合性基導入成分のイソシアネート基との反応を目的とする}させて、重合性基を有する重合体(b8)の溶液を得た。(Mw=11,000、Mn=4,500、固形分濃度35.0質量%)
尚、この合成例8では、反応の進行をIR(赤外線)吸収スペクトルにより追跡し、時間とともに2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートのイソシアネート基に由来する2270cm−1付近のピークが減少して行く様子が確認された。
Figure 2011191287
[3]感放射線性組成物の調製
[実施例1]
前記[1]で得た紫色顔料(a)を含んだ分散液(a1)5質量部、前記[2]で得た重合体(b1)100質量部、下記多官能性単量体(c1)30質量部、下記多官能性単量体(c2)30質量部、下記感放射線性重合開始剤(d1)20質量部、下記感放射線性重合開始剤(d2)20質量部、下記接着助剤(E)3質量部、下記界面活性剤(F)0.1質量部を、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート{有機溶媒(G)である}にて、固形分濃度が55質量%となるように混合して、実施例1の感放射線性組成物(隔壁材形成用組成物)を得た。
[実施例2〜3及び比較例1]
下記表2に示す成分を用いた以外は、実施例1と同じ手法にてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート{有機溶媒(G)である}で固形分濃度が55質量%となるように混合して、実施例2〜9及び比較例1の感放射線性組成物(隔壁材形成用組成物)を調整した。
Figure 2011191287
多官能性単量体(C):
(c1)ペンタエリスリトールテトラアクリレート
(c2)ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
(c3)多官能性単量体;商品名「アロニックスM−450」、東亞合成社株式会社製、
感放射線性重合開始剤(D):
(d1)2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(商品名「イルガキュア651」、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製
(d2)2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド(商品名「Lucirin LR8953X」、BASF社製、下記式(10)に示すアシルホスフィンオキサイド系感放射線性重合開始剤。
Figure 2011191287
(d3)感放射線性重合開始剤;商品名「イルガキュアOXE01」、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製、
(d4)感放射線性重合開始剤;商品名「イルガキュアOXE02」、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製、
(d5)感放射線性重合開始剤;商品名「イルガキュア819」、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製、
接着助剤(E):
(E)シランカップリング剤、トリス−(3−トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレート(商品名「Y−11597」、モメンティブ社製)
界面活性剤(F):
(F)フッ素系界面活性剤(商品名「FTX−218F」、ネオス社製)
[4]評価
(1)隔壁に対する波長500nm〜600nm光及び550nm光の透過率の測定
シリコンウエハ上にスピンコート法にて、実施例1〜9及び比較例1の各感放射線性組成物を塗布した。その後、ホットプレートにて110℃で5分間加熱して厚さ5μmの第1膜を得た。得られた第1膜について、分光光度計(日立社製、型式「Uー2010形」)を用いて、隔壁に対する波長500〜600nm光及び550nm光の透過率の測定を行った。得られた結果を表3に示した。
(2)素基板に対する隔壁の密着性評価
シリコンウエハ上にスピンコート法にて、実施例1〜9及び比較例1の各感放射線性組成物を塗布した。その後、ホットプレートにて110℃で5分間加熱して厚さ45μmの第1膜を得た。
次いで、マスクを介して、超高圧水銀灯(OSRAM社製、HBO、出力1、000W)を用いて、300〜1000mJ/cmの紫外光を照射した。露光量は、照度計{株式会社オーク製作所製、型式「UV−M10」)にプローブ(受光器、型式「UV−35」)をつないだ照度計}を用いて確認した。
その後、露光した第1膜を、2.38重量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を現像液として、室温で現像を行った後、流水洗浄し、更に窒素ブローした。次いで、オーブンを用いて220℃で1時間加熱して、厚さ(隔壁の高さ)35μm、ピッチ30μm、25μm×25μmの正方形状の凹部(キャビティ)を10個有するパターン(隔壁)を得た。
得られた隔壁を走査型電子顕微鏡(日立社製、型式「S−4200」)を用いて、倍率1000倍において観察し、下記基準にて密着性評価を行い、表3に併記した。
「A」:10個の各キャビティ内を観察した際に隔壁と基板と剥がれを確認できない。
「B」:10個の各キャビティ内を観察した際に隔壁と基板と剥がれを1つ以上確認できた。
(3)隔壁の耐水性評価
前記(2)の密着性評価を行った隔壁(基板上に形成された隔壁)を、水に浸漬し、55℃で24時間保温した。その後、窒素ブローにて水を除去した。次いで、浸漬後の隔壁を走査型電子顕微鏡(日立社製、型式「S−4200」)を用いて、倍率1000倍において観察し、下記基準にて密着性評価を行い、表3に併記した。
「A」:10個の各キャビティ内を観察した際に隔壁と素基板と剥がれを確認できない。
「B」:10個の各キャビティ内を観察した際に隔壁と素基板と剥がれを1つ以上確認できた。
(4)感度の評価
前記(2)の基板に対する隔壁の密着性評価を行った際に、隔壁を形成するのに必要であった露光量を感度(mJ/cm)として表3に併記した。
(5)ウェルの形状
前記(2)の密着性評価を行った隔壁により形成されたキャビティの形状(ウェルの形状)を、走査型電子顕微鏡(日立社製、型式「S−4200」)を用いて観察し、下記基準にて評価を行た。
「A」:10個の各キャビティ内を観察した際、10個全てのキャビティが25μm×25μmの正方形状であった。
「B」:10個の各キャビティ内を観察した際、1個以上のキャビティが25μm×25μmの正方形状でなかった。
Figure 2011191287
尚、本発明においては、上記の具体的実施例に示すものに限られず、目的、用途に応じて本発明の範囲内で種々変更した実施例とすることができる。
10;基板(素基板)、
20;隔壁、21;第1膜、
30;キャビティ、区画化された領域、
40;マスクパターン、
51;固定用物質、52;ターゲット物質、53;担持物質、54;固相担体、
100;バイオチップ、
101;マイクロアレイ用基板(プレバイオチップ)。

Claims (12)

  1. 基板と、前記基板の表面を区画する隔壁と、前記隔壁により区画された基板上の領域と、を有するマイクロアレイ用基板の製造方法において、
    紫色顔料(a)を含む感放射線性組成物を用いて基板上に第1膜を形成する第1膜形成工程と、
    前記第1膜をリソグラフィー法によりパターニングして前記隔壁を形成する隔壁形成工程と、を備えることを特徴とするマイクロアレイ用基板の製造方法。
  2. 前記紫色顔料(a)が、C.I.ピグメントバイオレッド19、C.I.ピグメントバイオレッド23及びC.I.ピグメントバイオレッド29から選ばれる少なくとも1種である請求項1に記載のマイクロアレイ用基板の製造方法。
  3. 前記感放射線性組成物は、更に、重合体(B)、多官能性単量体(C)及び感放射線性重合開始剤(D)を含有し、且つ、
    前記重合体(B)はアルカリ可溶性重合体(b)を含む請求項1又は2に記載のマイクロアレイ用基板の製造方法。
  4. 基板と、前記基板表面を区画する隔壁と、前記隔壁により区画された基板上の領域と、を有するマイクロアレイ用基板における該隔壁を形成するための感放射線組成物であって、
    紫色顔料(a)を含むことを特徴とする感放射線性組成物。
  5. 前記紫色顔料(a)が、C.I.ピグメントバイオレッド19、C.I.ピグメントバイオレッド23及びC.I.ピグメントバイオレッド29から選ばれる少なくとも1種である請求項4に記載の感放射線性組成物。
  6. 更に、重合体(B)、多官能性単量体(C)及び感放射線性重合開始剤(D)を含有し、且つ、
    前記重合体(B)はアルカリ可溶性重合体(b)を含む請求項4又は5に記載の感放射線性組成物。
  7. 請求項4乃至6のうちのいずれかに記載の感放射線性組成物を用いて得られたことを特徴とするマイクロアレイ用基板の隔壁。
  8. (PR1)請求項1乃至3のうちのいずれかに記載のマイクロアレイ用基板の製造方法を用いて、前記マイクロアレイ用基板を製造するマイクロアレイ用基板製造工程と、
    (PR2)前記領域にターゲット物質を固定するための固定用物質を配置する固定用物質配置工程と、
    (PR3)前記固定用物質にターゲット物質を固定する固定化工程と、を備えることを特徴とするバイオチップの製造方法。
  9. (PR1)請求項1乃至3のうちのいずれかに記載のマイクロアレイ用基板の製造方法を用いて、前記マイクロアレイ用基板を製造するマイクロアレイ用基板製造工程と、
    (PR2)前記領域に、表面にターゲット物質を有する担持物質を、配置する担持物質配置工程と、を備えることを特徴とするバイオチップの製造方法。
  10. 前記固定用物質が、ポリリシン、コラーゲン、ラミニン、含シアル酸オリゴ糖、マンノース結合性レクチン、インテグリンファミリーリガンド、ペプチド、抗原、抗体又は核酸である請求項8に記載のバイオチップの製造方法。
  11. 前記ターゲット物質が、生体関連物質である請求項8乃至10のうちのいずれかに記載のバイオチップの製造方法。
  12. 請求項8乃至11のうちのいずれかに記載のバイオチップの製造方法によって得られたことを特徴とするバイオチップ。
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