JP2011191142A - 信号処理装置、レーダ装置、信号処理方法、および信号処理プログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】送信パルス幅が変動した場合においても適切なフィルタ処理を行うことができる信号処理装置を提供する。
【解決手段】CPU23のフィルタ係数演算部232は、送信パルス幅検出器22が検出した送信パルス幅、および局発周波数制御部231が検出したIF信号の中心周波数に基づいてデジタルフィルタ19のフィルタ係数を演算し、設定する。信号抽出部17は、CPU23のフィルタ係数の演算、設定が終了すると、メモリ18に記憶しておいたIF信号(デジタル信号)をデジタルフィルタ19に出力する。
【選択図】図1

Description

この発明は、所定方位毎に送信信号を送信し、受信したエコー信号に種々の処理を行う信号処理装置に関するものである。
従来、レーダ装置等においては、ノイズ成分を除去するために種々の処理が行われている。
例えば、特許文献1においては、ダウンコンバート後のIF信号をバンドパスフィルタに通過させた後、周波数特性を検出して、IF信号の周波数が目標値になるように局部発振信号の周波数を制御する旨が記載されている。
また、特許文献2においては、受信信号から不要信号の中心周波数と帯域幅を検出し、フィルタを制御するものが記載されている。
特開2007−333481号公報 特開平5−203733号公報
しかし、送信パルス幅は、発振器側の個体差や経年変化等により、変動する場合がある。送信パルス幅が変動すると、エコーの周波数特性が変化する。上述の従来の装置では、受信信号を分析することで局部発振信号の周波数を制御したり、フィルタを制御したりしているが、送信パルス幅が変動した場合の影響を考慮していないため、ノイズだけでなく物標からのエコーまで除去している可能性がある。
そこで、この発明は、送信パルス幅が変動した場合においても適切なフィルタ処理を行うことができる信号処理装置を提供することを目的とする。
本発明の信号処理装置は、パルス状の電磁波を送信し、物標からのエコー信号を受信する信号処理装置であって、前記エコー信号をフィルタ処理するデジタルフィルタと、前記電磁波の送信パルス幅を検出するパルス幅検出手段と、前記送信パルス幅に基づいて前記デジタルフィルタのフィルタ係数を演算するフィルタ係数演算部と、を備えたことを特徴とする。
すなわち、電磁波の送信毎にそのパルス幅を検出し、送信パルス幅に応じたフィルタ係数を設定したデジタルフィルタでエコー信号をフィルタ処理する。そのため、発振器の個体差や経年変化によってパルス幅が変動した場合、あるいは送信毎に微細なパルス幅の変化が生じた場合であっても、理想的な帯域幅を有するバンドパスフィルタを実現することができ、固定帯域幅のフィルタを用いていた従来の装置や、受信信号からフィルタを制御していた従来の装置よりもS/N比が向上する。
また、本発明の信号処理装置は、エコー信号の中心周波数を検出する周波数検出手段を備え、フィルタ係数演算部は、前記送信パルス幅および前記中心周波数に基づいて前記デジタルフィルタのフィルタ係数を演算する態様としてもよい。
デジタルフィルタのバンドパスフィルタの中心周波数をエコー信号の中心周波数に応じて設定することで、より理想的な特性を有するデジタルフィルタを設定することができる。
なお、本発明の信号処理装置は、フィルタ係数の演算に要する時間分だけ、受信信号を一時記憶しておくことが望ましい。フィルタ係数の演算およびデジタルフィルタへの設定が終了してから、受信信号をフィルタ処理することで、時間軸上の全ての信号を、送信パルス幅に応じたフィルタ特性によってフィルタ処理することができる。
送信パルス幅の検出手法は、例えば、送信信号の包絡線を検出し、最大値に対して所定レベルに低下するタイミング(−3dBとなるタイミング)の時間幅とする。また、送信信号をIQ分離することにより送信パルス幅を求めることも可能である。この場合、パルス幅検出手段は、FPGAを用いたFIRフィルタを構成し、I成分と90度位相のずれたQ成分を求める。そして、各サンプリング時刻nにおける瞬時振幅値を算出し、振幅の最大値に対して−3dBとなるタイミングの時間幅を抽出する。
なお、フィルタ係数は、各タップの増幅係数のみならず、フィルタ長そのものを変更する態様も含む。例えば、複数のFPGAを用意しておき、送信パルス幅に応じてFPGAのハードウェアプログラムを変更すればフィルタ長を可変とすることができる。
この発明の信号処理装置によれば、送信パルス幅が変動した場合においても、適切なフィルタ処理を行うことができる。
本実施形態のレーダ装置の構成を示すブロック図である。 デジタルフィルタの構成を示すブロック図である。 図3(A)は送信トリガ、同図(B)はIF信号、同図(C)は送信信号のエンベロープ、同図(D)は送信信号のデジタル信号を示した図である。 デジタルフィルタの周波数特性を示す図である。 レーダ画像を比較する図である。 デジタルフィルタの周波数特性を示す図である。 レーダ画像を比較する図である。
図1は、本発明の信号処理装置を内蔵したレーダ装置の構成を示すブロック図である。レーダ装置は、例えば船舶に設置され、自船の周囲に電磁波を送受信し、他船等の物標を探知する装置である。
同図において、レーダ装置は、アンテナ11、マグネトロン12、切替部13、ミキサ14、バンドパスフィルタ15、A/D変換器16、信号抽出部17、メモリ18、デジタルフィルタ19、表示処理部20、検波器21、送信パルス幅検出器22、CPU23、および局部発振器24を備えている。
切替部13には、アンテナ11、マグネトロン12、およびミキサ14が接続されている。マグネトロン12が発生した電磁波(例えば9410MHz)は、切替部13を介してアンテナ11に入力される。
アンテナ11は、送信トリガ(図3(A)を参照)に同期して自船の周囲にパルス状の電磁波を発射し、物標からのエコー信号を受信する。アンテナ11で受信した受信信号は、切替部13を経てミキサ14に入力される。ミキサ14は、本発明の変換部に相当し、局部発振器24から入力される局発信号(例えば9470MHz)と切替部13から入力される信号を混合し、IF信号(例えば60MHz程度の中間周波数帯域の信号)を出力する。局部発振器24は、印加電圧を調整することで発振周波数を制御することができる発振器であり、CPU23により発振周波数が制御される。
ミキサ14から出力されたIF信号は、アンプ(不図示)で増幅された後、バンドパスフィルタ15および検波器21に入力される。バンドパスフィルタ15は、本発明において必須ではないが、後述のデジタルフィルタの前処理として、送信パルス幅に対して十分に広い帯域幅を有したアナログフィルタ(例えば−3dB帯域幅で17MHz程度のもの)を設けている。
バンドパスフィルタ15から出力されたIF信号は、A/D変換器16でデジタル信号に変換され、信号抽出部17に入力される。信号抽出部17は、入力されたIF信号をメモリ18に順次記憶し、所定のタイミングでメモリ18から読み出してデジタルフィルタ19に出力する。メモリ18には、後述のフィルタ係数の演算に必要とする時間分だけIF信号が記憶される。
デジタルフィルタ19は、FIRフィルタやIIRフィルタからなり、FPGA等のハードウェアにより実現される。本実施形態においては、説明のための一例として図2に示すような63段のタップ(フィルタ長)を有するFIRフィルタを示す。図2のFIRフィルタは、(n0)乃至(n62)の係数を有する乗算器192と、各乗算器に対応する遅延器191とを備えている。なお、実際にはさらに多段のタップを有するFIRフィルタを用いる(無論、適用周波数によってはこの例より少ないタップ数であってもよい)。各乗算器192の各係数は、CPU23により設定される。本実施形態に示すデジタルフィルタ19は、バンドパスフィルタの特性を実現しており、入力されたIF信号の所定帯域を通過させる。詳細は後述する。
デジタルフィルタ19で帯域制限がされたIF信号は、表示処理部20に入力され、表示処理に必要な各種処理がなされる。例えば、各サンプリング時間におけるIF信号のレベル、および送信から受信までの時間差に応じてエコー画像を表示する処理を行う。
ここで、本実施形態のレーダ装置は、アンテナ11が送信する電磁波のパルス幅(送信パルス幅)を検出し、デジタルフィルタ19のフィルタ係数を動的に制御してバンドパスフィルタの帯域を可変とすることで、送信パルス幅が変動した場合であっても、適切なフィルタ処理を実現することができるものである。以下、送信パルス幅の検出とフィルタ係数の制御について説明する。
まず、送信パルス幅の検出処理について説明する。ミキサ14には、アンテナ11から送信される送信信号が入力される(ただし、切替部13や不図示のリミッタ等によって信号レベルは抑えられている)。ミキサ14から出力されたIF信号は、検波器21に入力される。検波器21は、IF信号から図3(B)に示す送信信号を検波して、同図(C)に示すエンベロープ(包絡線)を検出し、送信パルス幅検出器22に出力する。
送信パルス幅検出器22は、検波器21から入力されたエンベロープから、送信パルス幅τを検出する。送信パルス幅τは、例えば、振幅の最大値に対して−3dBとなるタイミングの時間幅とする。送信パルス幅検出器22は、検出した送信パルス幅τをCPU23に出力する。また、送信パルス幅検出器22は、信号抽出部17からIF送信信号のデジタル信号を入力し、順次記憶しておく。そして、送信パルス幅検出器22は、図(D)に示すように、検出した送信パルス幅内におけるデジタル信号をCPU23に出力する。
なお、送信パルス幅検出器22は、IF信号から振幅値を直接検出し、送信パルス幅τを求めることも可能である。振幅値は、例えばIF信号をIQ分離することにより求められる。この場合、送信パルス幅検出器22は、信号抽出部17からデジタル信号を入力して、FPGAを用いたFIRフィルタ(ヒルベルト変換器)を構成し、I成分と90度位相のずれたQ成分を求める。そして、各サンプリング時刻nにおける瞬時振幅値
を算出し、振幅の最大値に対して−3dBとなるタイミングの時間幅を抽出する。
次に、フィルタ係数の演算処理について説明する。図1に示すように、CPU23は、機能的に局発周波数制御部231とフィルタ係数演算部232を実現する。局発周波数制御部231は、送信パルス幅検出器22から入力されたIF信号に基づいて中心周波数fcを推定する。
中心周波数fcの推定手法は、例えばIF信号をDFT(離散フーリエ変換)あるいはFFT(高速フーリエ変換)することにより行う。局発周波数制御部231は、IF信号をDFTあるいはFFTして周波数領域の信号に変換し、各周波数の値のうち、最大値を示す周波数を求め、この最大値となる周波数を中心周波数fcとして推定する。なお、中心周波数の推定手法は、この例に限らず、ゼロクロス点の計数等、他の種々の手法を用いることが可能である。
そして、局発周波数制御部231は、推定した中心周波数fcと目標周波数(例えば60MHz)とに基づいて、IF信号の周波数が目標周波数となるように、局部発振器24の局発周波数を変更する。なお、中心周波数fcの検出と局発周波数の制御は、本発明において必須ではない。
フィルタ係数演算部232は、局発周波数制御部231が推定した中心周波数fcと、送信パルス幅検出器22から入力された送信パルス幅τに基づいてデジタルフィルタ19のフィルタ係数を演算する。
デジタルフィルタ19は、インパルス応答が送信信号の特性に合致する(マッチドフィルタとなる)ようにフィルタ係数が設定される。本実施形態では、送信信号の時間軸波形がsinc関数であるとしてハミング窓関数法によりローパスフィルタのフィルタ係数を演算し、ローパスフィルタを中心周波数fcにシフトすることでバンドパスフィルタのフィルタ係数を求める例を示す。
まず、sinc関数を用いたフィルタ係数は、フィルタ長をNとすると、以下の数式1のように定義される。
ここで、H(w)は、フィルタの周波数応答であり、ローパスフィルタを実現する場合、サンプリング周波数fs、および−3dB通過帯域幅B(MHz)を用いて以下の数式2のように定義される。
−3dB通過帯域幅Bは、上述の送信パルス幅τにより決定され、例えばB=1.2/τとする。この数式2を数式1に代入すれば、ローパスフィルタのフィルタ係数を求めることができる。ここで、ハミング窓は、
で表されるため、ハミング窓関数法による所望のフィルタ係数は、
で表される。本実施形態では、このローパスフィルタのフィルタ係数を、目標とする中心周波数fcにシフトさせ、バンドパスフィルタを実現する。例えば、中心周波数fcがサンプリング周波数fsの1/4である場合、バンドパスフィルタのフィルタ係数は、
となる。なお、この例では、中心周波数fcがサンプリング周波数fsの1/4(固定)であるとしているが、中心周波数fcを都度検出する場合は、cos(n・2π・fc/fs)を乗算してバンドパスフィルタにシフトすればよい。
フィルタ係数演算部232は、以上のようにして求めたフィルタ係数をデジタルフィルタ19に設定する。よって、デジタルフィルタ19のフィルタ係数は、送信パルス幅検出器22で検出された送信パルス幅τと局発周波数制御部231で推定された中心周波数fcによって動的に制御され、バンドパスフィルタの特性が変化する。
信号抽出部17は、CPU23からフィルタ係数の演算が通知されると、メモリ18に記憶しておいたデジタル信号を読み出し、デジタルフィルタ19に出力する。したがって、時間軸上の受信信号は全て、送信パルス幅に応じたフィルタ特性によってフィルタ処理されることになる。
図4乃至図7を参照して、デジタルフィルタ19の特性の変化によるS/N比の改善効果について説明する。
図4(A)は、送信パルス幅が0.08μsec、中心周波数19.425MHz(fc=58.275MHzをfs=77.7MHzでアンダーサンプリングした例)の場合において、上述のフィルタ係数を設定したデジタルフィルタ19の周波数特性を示す図である。同図に示すように、デジタルフィルタ19の−3dBの通過帯域幅は、15MHz程度となっている。一方、図4(B)は、送信パルス幅が0.3μsec、中心周波数19.425MHz(fc=58.275MHzをfs=77.7MHzでアンダーサンプリングした例)の場合において、上述のフィルタ係数を設定したデジタルフィルタ19の周波数特性を示す図である。この場合、デジタルフィルタ19の−3dBの通過帯域幅は、4MHz程度となっている。
ここで、図5を参照して、送信パルス幅が0.3μsecの電磁波を送信した場合において、通過帯域幅17MHzでフィルタ処理を行った場合(つまり、デジタルフィルタのフィルタ処理がなく、アナログのバンドパスフィルタ15:通過帯域幅17MHzの処理のみである場合)と、図4(B)に示した通過帯域幅4MHzでフィルタ処理を行った場合とのS/N比を比較する。
同図(A)は、送信パルス幅が0.3μsecの電磁波を送信した場合において、通過帯域幅17MHzでフィルタ処理を行った場合(デジタルフィルタ19のフィルタ処理がない場合)のレーダ画像を示す図である。この場合、受信信号のピークレベルは、−27.3dB、ノイズレベルが−49.9dBとなっており、ピーク/ノイズは、22.6dBとなる(図中白丸の箇所の実測値)。
一方で、同図(B)は、送信パルス幅が0.3μsecの電磁波を送信した場合において、通過帯域幅4MHzのデジタルフィルタ19でフィルタ処理を行った場合のレーダ画像を示す図である。この場合、受信信号のピークレベルは、−28.0dB、ノイズレベルが−57.6dBとなっており、ピーク/ノイズは、29.6dBとなる(図中白丸の箇所の実測値)。
このように、送信パルス幅τが長くなると、エコーに相当する信号成分の帯域は狭くなるため、フィルタを広帯域に固定していると、バンドパスフィルタの通過帯域内においてノイズ成分が多く含まれるようになる。したがって、S/N比が低下してしまう。図5の例のように、通過帯域幅が17MHzと4MHzとでは、ピーク/ノイズの差が7dB生じており、レーダ画像からもその差が明らかとなる。
次に、図6(A)は、送信パルス幅が0.5μsec、中心周波数19.425MHz(fc=58.275MHzをfs=77.7MHzでアンダーサンプリングした例)の場合において、上述のフィルタ係数を設定したデジタルフィルタ19の周波数特性を示す図である。同図に示すように、デジタルフィルタ19の−3dBの通過帯域幅は、1.7MHz程度となっている。一方、図6(B)は、送信パルス幅が0.8μsec、中心周波数19.425MHz(fc=58.275MHzをfs=77.7MHzでアンダーサンプリングした例)の場合において、上述のフィルタ係数を設定したデジタルフィルタ19の周波数特性を示す図である。この場合、デジタルフィルタ19の−3dBの通過帯域幅は、1.5MHz程度となっている。ただし、フィルタ長が63の場合、ハミング窓の周波数特性は、−3dB幅が約1.6MHzとなるため、図6(B)においては、フィルタ長が127である例を示している。無論、フィルタ長が127であっても、同図(A)に示す−3dBの通過帯域幅1.7MHzを実現することは可能である。
このような送信パルス幅の差であっても、本実施形態の構成によれば、理想的なフィルタ処理を行うことができる。図7を参照して、送信パルス幅が0.8μsecの電磁波を送信した場合において、通過帯域幅1.7MHzでフィルタ処理を行った場合と、通過帯域幅1.5MHzでフィルタ処理を行った場合とのS/N比を比較する。
同図(A)は、送信パルス幅が0.8μsecの電磁波を送信した場合において、通過帯域幅1.7MHzのデジタルフィルタ19でフィルタ処理を行った場合のレーダ画像を示す図である。この場合、受信信号のピーク/ノイズは、24.3dBとなる(図中白丸の箇所の実測値)。
一方で、同図(B)は、送信パルス幅が0.8μsecの電磁波を送信した場合において、通過帯域幅1.5MHzのデジタルフィルタ19でフィルタ処理を行った場合のレーダ画像を示す図である。この場合、ピーク/ノイズは、24.8dBとなる(図中白丸の箇所の測定値)。
したがって、送信パルス幅τがさらに長い場合においても、0.5dB程度のS/N比の差が生じており、レーダ画像からもその差が明らかとなる。
なお、上述の例では、フィルタの帯域幅が広すぎる場合と理想的な帯域幅の場合との差を示したが、逆に送信パルス幅τが短くなり、エコー信号の周波数帯域に対してフィルタの帯域幅が狭すぎると、エコー信号に相当する信号成分まで除去してしまい、やはりS/N比が低下する。このような場合においても、本実施形態の構成によれば、送信パルス幅の変動に応じて動的にフィルタ係数を変更する構成であるため、送信パルス幅に応じた理想的な通過帯域幅を有するバンドパスフィルタを設定する事ができる。また、図4〜図7では、説明のために送信パルス幅の差が大きい場合の例を示したが、本実施形態の構成によれば、送信毎の微細な送信パルス幅の変化にも対応した理想的な帯域幅を有するバンドパスフィルタを実現することができ、従来よりも明らかに高いS/N比を実現することができる。
なお、本実施形態においては、送信波形がsinc関数であるとして、ハミング窓関数法によりFIRフィルタのフィルタ係数を演算する例を示したが、制約付最小二乗フィルタ等、他の演算手法を用いることも可能である。
また、デジタルフィルタは、ローパスフィルタとハイパスフィルタを直列に組み合わせることによりバンドパスフィルタとすることも可能である。また、FIRフィルタではなく、IIRフィルタ等、他の形式のデジタルフィルタを用いる事も可能である。
また、本実施形態ではフィルタ長を固定として各タップ段の係数を変化させる構成を示したが、送信パルス幅に応じてフィルタ長を変化させてもよい。この場合、予め複数のFPGAを用意しておき、送信パルス幅τに応じてFPGAのハードウェアプログラムを変更すればフィルタ長を可変とすることができる。
また、CPUのハードウェア能力が高く、デジタルフィルタをソフトウェアにより実現可能である場合は、デジタルフィルタ19の機能をCPU23に内蔵させ、フィルタ長やフィルタ係数を可変とすることも可能である。
なお、本実施形態においては、マグネトロン方式のレーダについて説明したが、他の方式のレーダ(固体化レーダ)を用いることも可能である。
11…アンテナ
12…マグネトロン
13…切替部
14…ミキサ
15…バンドパスフィルタ
16…A/D変換器
17…信号抽出部
18…メモリ
19…デジタルフィルタ
20…表示処理部
21…検波器
22…送信パルス幅検出器
23…CPU
24…局部発振器
231…局発周波数制御部
232…フィルタ係数演算部

Claims (13)

  1. パルス状の送信信号を送信し、物標からのエコー信号を受信する信号処理装置であって、
    前記エコー信号をフィルタ処理するデジタルフィルタと、
    前記送信信号の送信パルス幅を検出するパルス幅検出手段と、
    前記送信パルス幅に基づいて前記デジタルフィルタのフィルタ係数を演算するフィルタ係数演算部と、
    を備えたことを特徴とする信号処理装置。
  2. 請求項1に記載の信号処理装置において、
    前記エコー信号の中心周波数を検出する周波数検出手段を備え、
    前記フィルタ係数演算部は、前記送信パルス幅および前記中心周波数に基づいて前記デジタルフィルタのフィルタ係数を演算することを特徴とする信号処理装置。
  3. 請求項2に記載の信号処理装置において、
    前記送信信号およびエコー信号を局発信号と混合し、IF信号に変換する変換部を備え、
    前記周波数検出手段は、前記IF信号の中心周波数を検出し、
    前記変換部は、前記IF信号の中心周波数に応じて前記局発信号の周波数を制御することを特徴とする信号処理装置。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の信号処理装置において、
    前記エコー信号を一時記憶する一時記憶手段を備え、
    前記一時記憶手段は、前記フィルタ係数演算部のフィルタ係数の演算に要する時間分、前記エコー信号を一時記憶することを特徴とする信号処理装置。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の信号処理装置において、
    前記パルス幅検出手段は、前記送信信号の包絡線を検出し、
    前記包絡線の最大値に対して所定低下レベルを示すタイミングの時間幅を算出することにより前記送信パルス幅を検出することを特徴とする信号処理装置。
  6. 請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の信号処理装置において、
    前記パルス幅検出手段は、前記送信信号の振幅を算出し、
    前記振幅の最大値に対して所定低下レベルを示すタイミングの時間幅を算出することにより前記送信パルス幅を検出することを特徴とする信号処理装置。
  7. 前記パルス幅検出手段は、前記送信信号をIQ分離することにより前記振幅を算出することを特徴とする請求項6に記載の信号処理装置。
  8. 前記デジタルフィルタは、FIRフィルタからなる請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の信号処理装置。
  9. 前記フィルタ係数演算部は、前記送信パルス幅に基づいて前記デジタルフィルタのフィルタ長を変化させることを特徴とする請求項1乃至請求項8に記載の信号処理装置。
  10. 請求項1乃至請求項9のいずれかに記載の信号処理装置において、
    前記デジタルフィルタの出力信号に基づいて物標の画像を表示する表示手段を備えたエコー信号処理装置。
  11. 請求項1乃至請求項10のいずれかに記載のエコー信号処理装置と、
    方位毎に電磁波を発射し、エコー信号を受信しながら回転するアンテナと、を備えたレーダ装置。
  12. 所定パルス幅の送信信号を送信し、エコー信号を受信する信号処理方法であって、
    前記送信信号の送信パルス幅を検出するパルス幅検出手順と、
    前記パルス幅検出手順において検出した送信パルス幅に基づいてデジタルフィルタのフィルタ係数を演算するフィルタ係数演算手順と、
    前記フィルタ係数演算手順において演算したフィルタ係数が設定されたデジタルフィルタで、前記エコー信号をフィルタ処理するフィルタ処理手順と、
    を備えたことを特徴とする信号処理方法。
  13. 所定パルス幅の送信信号を送信し、エコー信号を受信する信号処理装置に実行させる信号処理プログラムであって、
    前記送信信号の送信パルス幅を検出するパルス幅検出手順と、
    前記パルス幅検出手順において検出した送信パルス幅に基づいてデジタルフィルタのフィルタ係数を演算するフィルタ係数演算手順と、
    前記フィルタ係数演算手順において演算したフィルタ係数が設定されたデジタルフィルタで、前記エコー信号をフィルタ処理するフィルタ処理手順と、
    を実行させる信号処理プログラム。
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