JP2011190477A - 複層塗膜形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】導電性、密着性、防食性、均一被覆性(耐ヘコミ性)及び耐酸性が良好な塗膜を形成できる塗膜形成方法を提供する。
【解決手段】工程(1):金属基材を、カチオン電着塗料(I)の浴中に浸漬し、電着塗装して得られた塗膜を水洗し加熱硬化する工程、工程(2):該カチオン電着塗料(I)に基づく硬化塗膜を形成した金属基材を、カチオン電着塗料(II)の浴中に浸漬して電着塗装して得られた塗膜を水洗し加熱硬化する工程、を有することを特徴とする複層塗膜形成方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、導電性、密着性、防食性、均一被覆性(耐ヘコミ性)及び耐酸性が良好な塗膜を形成できる複層塗膜形成方法に関する。
近年、石油燃料を燃焼させる際に発生するガスが地球環境に悪影響を与えることが問題となっており、環境面を配慮して二酸化炭素や二酸化窒素などの排気ガスを全く発生せずに、動力・熱などのエネルギーを得る手段として燃料電池が開発されている。燃料電池の中でも、セパレーター、燃料極、固体電解質、及びガス拡散電極から構成される固体電解質型燃料電池は、コンパクトで軽量であるため多方面での利用が考えられている。
固体電解質型燃料電池のセパレーターは、電力を取り出すために導電性材料からなり、電極表面で発生する反応性ガス(酸素、水素など)を効率よく透過させるため
に、通常、表面に凹凸の溝が形成されている(表面に凹凸が形成されたセパレーター
はリブ付セパレーターと呼ばれている)。
このような機能及び形状を有するセパレーターとして、従来、黒鉛が用いられて
いたが、黒鉛は高価であり且つ切削加工に熟練を要し、物理的強度にも問題がある。そのため、平板状又は表面に凹凸の溝が形成された導電性金属材料の表面に導電
性塗料を塗装したものをセパレーターとして使用することが提案されているが、一般
に、金属材料表面に導電性塗料をスプレー塗装やロールコーター塗装などの方法で均
一に塗布することは困難であり、特にリブ付セパレーターの場合には導電性塗膜を均
一に設けることは極めて困難である。
特許文献1には、ケッチェンブラックと、ファーネスブラック、黒鉛及び導電性ウィスカーから選らばれる少なくとも1種類の導電性粉末とからなる導電性フィラーを顔料分散用樹脂で分散させてなる分散ペーストを用いて調製したカチオン電着塗料が開示されている。しかし、特許文献1に記載のカチオン電着塗料から得られる塗膜は一定の導電性を得る為に、塗膜の顔料濃度を高くしており、防食性、均一被覆性(耐ヘコミ性)が不十分であった。
また、特許文献2には、金属基材をカチオン電着塗料(I)を満たした浴に浸漬し電着塗装によって得られた塗膜を水洗及び加熱硬化し、次いでアルコール系有機溶剤、グリコールエーテル系有機溶剤及び界面活性剤から選ばれる少なくとも1種の水溶液を満たした浴に浸漬した後、再びカチオン電着塗料(I)を満たした浴に浸漬して電着塗装を行って得られた塗膜を加熱硬化してなる塗膜形成方法が開示されている。しかし、第1回目に塗装した塗膜面の凹凸やピンホールを埋めきらず、防食性、均一被覆性(耐ヘコミ性)及び耐酸性が不十分であった。
特開2001−73192号公報 特開2009−221564号公報
本発明の目的は、燃料電池におけるリブ付セパレーターに対しても均一で、かつ導電性、密着性、防食性、均一被覆性(耐ヘコミ性)及び耐酸性に優れた塗膜を有する塗装物品を提供することである。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意研究を行った結果、工程(1):金属基材を、特定のカチオン電着塗料(I)の浴中に浸漬し、電着塗装して得られた塗膜を水洗し加熱硬化する工程、工程(2):該カチオン電着塗膜に基づく塗膜を形成した金属基材を、特定のカチオン電着塗料(II)の浴中に浸漬して電着塗装して得られた塗膜を水洗し加熱硬化する工程、を有することを特徴とする複層塗膜形成方法によって、燃料電池におけるリブ付セパレーターに用いる場合にも均一で、かつ導電性、密着性、防食性、均一被覆性及び耐酸性に優れた塗膜を形成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、
1.工程(1):金属基材を、下記特徴のカチオン電着塗料(I)の浴中に浸漬し、電着塗装して得られた塗膜を水洗し加熱硬化する工程、
工程(2):該カチオン電着塗料(I)に基づく硬化塗膜を形成した金属基材を、下記特徴のカチオン電着塗料(II)の浴中に浸漬して電着塗装して得られた塗膜を水洗し加熱硬化する工程、を有することを特徴とする複層塗膜形成方法、
カチオン電着塗料(I):基体樹脂(A1)とブロック化ポリイソシアネート化合物(B1)及び導電性粉末(C1)を含有し、基体樹脂(A1)とブロック化ポリイソシアネート化合物(B1)の固形分合計100質量部に対して、導電性粉末(C1)を60〜150質量部含有する電着塗料
カチオン電着塗料(II):基体樹脂(A2)とブロック化ポリイソシアネート化合物(B2)の固形分合計100質量部に対して、導電性粉末(C2)を60質量部未満含有する電着塗料
2.上記工程(1)の後、該カチオン電着塗料に基づく硬化塗膜を形成した金属基材を、アルコール系有機溶剤とグリコールエーテル系有機溶剤及び界面活性剤から選ばれる少なくとも1種の水溶液の浴中に浸漬する工程(A)を行ない、次いで、工程(2)を行うことを特徴とする1項に記載の複層塗膜形成方法、
3.カチオン電着塗料(II)の基体樹脂(A2)として、エポキシ当量が180〜2,500のエポキシ樹脂とフェノール性水酸基を有するキシレンホルムアルデヒド樹脂及びアミノ基含有化合物を反応させてなるキシレンホルムアルデヒド樹脂変性アミノ基含有エポキシ樹脂を含むものである1又は2項に記載の複層塗膜形成方法、
4.1〜3項のいずれか1項に記載の複層塗膜形成方法によって得られた塗装膜厚20μmにおける塗膜の接触抵抗値が1Ωcm以下である塗膜、
5.4項に記載の塗膜で被覆してなる金属セパレーター、に関する。
本発明の複層塗膜形成方法を用いて形成される塗膜は、抵抗値が1Ωcm以下の電着塗膜を容易に形成でき、かつ密着性、防食性、均一被覆性(従来にないピンホールやヘコミの発生がない塗膜を形成できる)に優れ、さらには耐酸性に優れる塗装物品を得ることができる。
固体電解質型燃料電池のモデル図である。 接触抵抗値の測定装置のモデル図である。
従来では、高顔料濃度の電着塗膜によって導電性を確保していた。その塗膜を溶剤に浸漬し、さらに高顔料濃度の電着塗料を塗り重ねても熱フロー性が十分でなく、得られた複層塗膜上にピンホールが残ったりして防食性の低下を招くことがあった。
本発明の塗膜形成方法による塗膜が、性能に優れる理由としては、1回目のカチオン電着塗料(I)では十分に隠蔽できない凹凸やピンホールを、カチオン電着塗料(II)によって隠蔽して加熱硬化することによって、熱フロー性によって均一被覆性に優れる塗膜を得る。
さらに、カチオン電着塗料(I)による硬化塗膜は、アルコール系有機溶剤とグリコールエーテル系有機溶剤及び界面活性剤から選ばれる少なくとも1種の水溶液に浸漬し、その上にカチオン電着塗料(II)を塗装することによって、さらに均一被覆性や防食性に優れる塗膜を得ることができる。
本発明について、工程順に説明する。
工程(1):金属基材を、カチオン電着塗料(I)の浴中に浸漬し、電着塗装して得られた塗膜を水洗し加熱硬化する工程である。
金属基材としては、電着塗装が可能な材料であれば特に制限はなく、例えば、ステンレス、鉄、鋼、銅、亜鉛、スズ、アルミニウム、アルマイトなどの金属類;これらの金属の合金;該金属をメッキしたシート;該金属が積層されたシートなどが挙げられ、これらは、必要に応じて、耐食性及び付着性を向上させるために、表面処理を施すことができ、例えば、ステンレスには、クロム系表面処理を施すことができる。具体的な被塗物には、自動車ボディ、自動車部品、各種工業用製品、例えば、固体電解質燃料電池などが挙げられる。
カチオン電着塗料(I)について
カチオン電着塗料(I)は、基体樹脂(A1)とブロック化ポリイソシアネート化合物(B1)の固形分合計100質量部に対して、特定量の導電性粉末(C1)を含有する電着塗料である。
基体樹脂(A1)には、従来から公知のエポキシ樹脂とアミン化合物を反応させてなるアミン付加エポキシ樹脂を使用できる。出発材料として用いられるエポキシ樹脂は、塗膜の防食性等の観点から、特に、ポリフェノール化合物とエピハロヒドリン、例えば、エピクロルヒドリンとの反応により得られるエポキシ樹脂が好適である。
該エポキシ樹脂の形成のために用い得るポリフェノール化合物としては、従来公知のものが使用できる。そのようなポリフェノール化合物の例として、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2,2−プロパン(ビスフェノールA)、4,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン(ビスフェノールF)、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1−エタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1−イソブタン、ビス(4−ヒドロキシ−tert−ブチル−フェニル)−2,2−プロパン、ビス(2−ヒドロキシナフチル)メタン、テトラ(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,2,2−エタン、4,4−ジヒドロキシジフェニルスルホン(ビスフェノールS)、フェノールノボラック、クレゾールノボラック等を挙げることができる。
また、ポリフェノール化合物とエピクロルヒドリンとの反応により得られるビスフェノールA、下記式
Figure 2011190477
式(1)
式(1)中、n=0〜8で示されるものが好適である。
エポキシ樹脂は、340〜1,500、好ましくは340〜1000の「数平均分子量」、及び170〜500、好ましくは170〜400の範囲内の「エポキシ当量」を有するものが適している。 かかるエポキシ樹脂の市販品としては、例えば、ジャパンエポキシレジン株式会社からjER828、jER1002、jER1004、jER1007なる商品名で販売されているものが挙げられる。
なお、本明細書において数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)を用いて測定した保持時間(保持容量)を、同一条件で測定した分子量既知の標準ポリスチレンの保持時間(保持容量)によりポリスチレンの分子量に換算して求めた値である。具体的には、ゲルパーミエーションクロマトグラフ装置として、「HLC8120GPC」(商品名、東ソー社製)を使用し、カラムとして、「TSKgel G−4000HXL」、「TSKgel G−3000HXL」、「TSKgel G−2500HXL」及び「TSKgel G−2000HXL」(商品名、いずれも東ソー社製)の4本を使用し、検出器として、示差屈折率計を使用し、移動相:テトラヒドロフラン測定温度:40℃、流速:1mL/minの条件下で測定することができる。
上記エポキシ樹脂と反応させるアミン化合物は、エポキシ基と反応する活性水素を少なくとも1個含有し、該エポキシ樹脂をカチオン化できるものであれば種類を問わないが、特に1級アミノ基を導入できる1級アミン化合物を使用することが好ましい。
上記の1級アミノ基を導入できる1級アミン化合物は、モノエタノールアミン、プロパノールアミン、ヒドロキシエチルアミノエチレンジアミン、ヒドロキシエチルアミノプロピルアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン及びペンタエチレンヘキサミンなどの1級アミン化合物と、1級アミンのケチミン化物等が挙げられる。
上記1級アミンと併用できるアミン化合物としては、従来からエポキシ樹脂のカチオン化に用いられるものが使用できるが、特に2級アミンが好ましい。例としてジエチルアミン、ジイソプロピルアミン、ジエタノールアミン、ジ(2−ヒドロキシプロピル)アミン、モノメチルアミノエタノール、モノエチルアミノエタノールなどが挙げられる。上記エポキシ樹脂とアミン化合物を、公知の方法により反応させることによりアミノ基含有エポキシ樹脂を得ることができる。
かかるアミノ基含有エポキシ樹脂のアミン価としては、30〜70mgKOH/g樹脂固形分の範囲が好ましく、さらには40〜60mgKOH/g樹脂固形分以下とすることがより好ましい。
次いで、ブロックポリイソシアネート化合物(B1)おけるイソシアネート化合物をブロック剤にてブロックする前のイソシアネートは、その構造を問わず用いることができるが、ここで使用されるポリイソシアネート化合物としては、芳香族、脂環族又は脂肪族のポリイソシアネート化合物などが挙げられ、1種で又は2種以上混合して使用することができる。
芳香族ポリイソシアネートの具体例としては、1,3−および/または1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−および/または2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、粗製TDI、2,4’−および/または4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、4,4’−ジイソシアナトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトジフェニルメタン、クルードMDI、1,5−ナフチレンジイソシアネート、4,4’,4”−トリフェニルメタントリイソシアネート、m−およびp−イソシアナトフェニルスルホニルイソシアネートなどが挙げられる。
脂肪族ポリイソシアネートとしては、エチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ドデカメチレンジイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート、ビス(2−イソシアナトエチル)フマレート、ビス(2−イソシアナトエチル)カーボネート、2−イソシアナトエチル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエートなどが挙げられた、またp−キシリレンジイソシアネート(XDI)、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)なども用いることができる。 脂環式ポリイソシアネートとしては、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート(水添MDI)、シクロヘキシレンジイソシアネートなどが挙げられる。 耐候性や防食性の為にブロックポリイソシアネート化合物(B1)は、脂肪族ポリイソシアネートや脂環式ポリイソシアネートが好ましい。 一方、ブロック剤はポリイソシアネート化合物のイソシアネート基に付加してブロックするものであり、そしてブロック剤の付加によって生成するブロックポリイソシアネート化合物は常温において安定で、かつ一般的な電着塗膜の焼き付け温度である約100℃から200℃に加熱した際、ブロック剤を解離してイソシアネート基を再生しうるものであることが望ましい。
このような要件を満たすブロック剤としては、例えば、ε−カプロラクタム、γ−ブチロラクタムなどのラクタム系化合物;メチルエチルケトオキシム、シクロヘキサノンオキシムなどのオキシム化合物;フェノール、パラ−t−ブチルフェノール、クレゾールなどのフェノール系化合物;n−ブタノール、2−エチルヘキサノールなどの脂肪族アルコール類;フェニルカルビノール、メチルフェニルカルビノールなどの芳香族アルキルアルコール類;エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルなどのエーテルアルコール化合物等;プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,2−ブタンジオール、3−メチルー1,2−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、3−メチル−4,3−ペンタンジオール、3−メチル−4,5−ペンタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、1,5−ヘキサンジオール、1,4−ヘキサンジオール、2,2−ジメチロールプロピオン酸、2,2−ジメチロールブタン酸、ジメチロール吉草酸、グリセリン酸等の2、3級水酸基含有アルコール化合物を挙げることができる。
特に、この中でも好ましいブロックポリイソシアネートとしては、メチルエチルケトキシムでブロックされた、イソホロンジイソシアネートやヘキサメチレンジイソシアネートトリイソシアヌレートが挙げられる。
次に、カチオン電着塗料(I)に使用できる導電性粉末(C1)は、ファーネスブラック、ケッチェンブラック、黒鉛などが挙げられる。ファーネスブラックとしては、バルカンXC−72、バルカンXC−305、バルカンXC−605(以上、キャボット社製、商品名、ファーネスブラック)などの市販品を使用することができる。バルカンXC−605(以上、キャボット社製、商品名、ファーネスブラック)などの市販品を使用することができる。
本発明において使用するファーネスブラックは、150〜300ml/100g、特に150〜200ml/100gの範囲内のDBP吸油量を有することが好ましい。
本発明において、「DBP吸油量」は下記の方法によって測定される値である。
乾燥試料1.0gを精確に秤かり取り、これを300mm×300mm以上の大きさの平滑なガラス板又は石板上に移し、もし粒状であれば、へらで適度の圧力をかけ粒を砕く。ビュレットから必要とされる予測量のDBP(ジブチルフタル酸)の約1/2量をガラス板又は石板上に静かに注ぎ加え、DBPを円状に均等に広げてから試料を少しずつDBPの上に移して分散させ、へらで小円形を描く操作で丁寧に練る。
へらに付着した試料は、他のへらで取り除き、さらに必要とされる予測量のDBPの約1/3〜1/4量を加え、同一操作を繰り返して混合物が均一になるようにする。終点に近くなったら1滴ずつ加えて、更に終点近くなったら1/2滴ずつ加え、全体が一つの締まった塊状となった点を終点とする。この操作は、10〜15分間で終わるようにし、操作終了後3分経過してからビュレット中のDBP滴下量を読み、次式によって吸油量:OA(ml/100g)を算出する。
OA=(V/W)×100
[式中、Vは終点までに用いた油の使用量(ml)であり、Wは乾燥試料の重さ(g)である]。
ファーネスブラック以外の導電性粉末(C1)には、例えば、ケッチェンブラックEC、ケッチェンブラックEC300J、ケッチェンブラックEC600JD、カーボンECP、カーボンECP600JD(以上、ライオン株式会社製、商品名)、 ラーベン1255(コロンビアカーボン株式会社製、商品名、ファーネスブラック);RPシリーズ及びAGBシリーズ(以上、伊藤黒鉛株式会社、商品名、黒鉛)、黒鉛粉SP−10、SP−20、HAG−15、HAG−150、HAG−300(以上、日本黒鉛(株)製、商品名、黒鉛)、人造黒鉛POG−2、POG−10、POG−20(以上、住友化学(株)製、商品名、黒鉛)、UFG−5、UFG−10、UFG−30(以上、昭和電工株式会社製、商品名、黒鉛)などの市販品を使用することができる。
ファーネスブラック以外の導電性粉末(C1)のDBP吸油量は、30〜600ml/100g、特に50〜400ml/100gの範囲内が好ましい。形状としては、粒状、板状、短繊維状などがある。
カチオン電着塗料(I)における、導電性粉末(C1)の含有量は、基体樹脂(A1)と硬化剤(B1)の固形分合計に対して、60〜150質量部、好ましくは65〜110質量部、さらに好ましくは80〜100質量部とすることによって、塗膜の導電性を確保し、かつ均一被覆性(耐ヘコミ性)に優れる塗装物品を得る為にも好ましい。
なおカチオン電着塗料(I)の製造は、導電性粉末(C1)を予め、顔料分散用樹脂を用いて分散させることによって導電性顔料分散ペーストを調製できる。本発明では、この導電性顔料分散ペーストの調製に際して、顔料分散用樹脂として、アンモニウム塩基、スルホニウム塩基、ホスホニウム塩基などのオニウム塩基を有するオニウム塩型の顔料分散用樹脂、好ましくはアンモニウム塩型の顔料分散用樹脂を使用できる。
なお顔料分散ペーストは、例えば、導電性粉末(C1)を、通常の顔料分散ペーストの調製法に従い、上記の如きオニウム塩型の顔料分散用樹脂の分散液に添加・混合し、ボールミル、ペブルミル、サンドミル等の分散機中で分散処理することによって調製できる。
さらに、顔料分散ペーストには、必要に応じて、酸化チタン、ベンガラなどの着色顔料;クレー、マイカ、バリタ、タルク、炭酸カルシウム、シリカなどの体質顔料;リンモリブデン酸アルミニウム、トリポリリン酸アルミニウム等の防錆顔料、キシレン樹脂等の石油樹脂;及びジブチル錫オキサイド、ジオクチル錫オキサイド等の有機錫化合物;他の導電性粉末;界面活性剤などを分散時に加えることもできる。
カチオン電着塗料(I)には上記組成の他に、硬化触媒、界面活性剤、表面調整剤等の各種添加剤及び有機溶剤などを適宜配合することができ、このうち硬化触媒は、基体樹脂(A1)とブロック化ポリイソシアネート(B1)との架橋反応を促進するために有効である。
カチオン電着塗料(I)の電着塗装は、5〜400V、好ましくは20〜250Vで、1〜600秒間の塗装条件で電着塗装を行った後、水洗を施し、
焼被塗物表面で一般に120〜300℃、好ましくは160〜250℃の範囲内の温度で、5分間〜60分間、好ましくは10分間〜30分間加熱乾燥する。このことによって、乾燥膜厚1〜30μm、好ましくは乾燥膜厚3〜25μm、さらに好ましくは5〜20μmの硬化塗膜を得ることができる。
工程(A):
また、必要に応じて、前記工程(1)によって得られたカチオン電着塗膜(I)の硬化塗膜を有する金属被塗物を、アルコール系有機溶剤とグリコールエーテル系有機溶剤及び界面活性剤から選ばれる少なくとも1種の水溶液に、浸漬した後、次にカチオン電着塗料(II)の浴に浸漬する、工程(A)を施すことができる。
これらの水溶液に浸漬することによって、カチオン電着塗料(I)の電着塗膜に生じた気泡を排除し、さらに、カチオン電着塗料(II)の電着塗装時に均一析出性をより一層向上させて、いっそうの防食性、均一被覆性に優れた塗膜を得ることができる。
上記のアルコール系有機溶剤の水溶液又はグリコールエーテル系有機溶剤の水溶液の濃度は、水媒体を基準として、0.01質量%〜90.0質量%、好ましくは0.1質量%〜50.0質量%の範囲であること、また、界面活性剤の水溶液の濃度は、水媒体を基準として、0.01質量%〜20.0質量%、好ましくは0.1質量%〜約5.0質量%の範囲であることがよい。
アルコール系有機溶剤は、炭素数1〜4個のアルコールが好適であり、具体的には、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコールが挙げられる。
グリコールエーテル系溶剤は、具体的には、エチレングリコールモノブチルエーテル、3−メチル−3−メトキシブタノール、エチレングリコールイソプロピルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールが好ましい。
また、界面活性剤は、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレン誘導体、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルキルアルカノールアミドなどのノニオン系界面活性剤;例えば、脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルフォン酸塩、アルキルリン酸塩などのアニオン系界面活性剤;例えば、アルキルアミン塩、第4級アンモニウム塩などのカチオン系界面活性剤;例えば、両性イオン界面活性剤としてアルキルベダインが挙げられる。 この中でも、ポリオキシエチレンアルキルエーテルが均一被覆性の面からも好ましい。
ここで工程(A)においては、アルコール系有機溶剤の水溶液又はグリコールエーテル系有機溶剤の水溶液の濃度、又は界面活性剤の水溶液(以下、「水溶液(a)」と略することがある)が塗膜に付着した状態で(つまり、塗膜面を乾燥状態にさせることなく)、工程(2)へ移行することが、均一被覆性向上の為に好ましい。なお乾燥状態は、塗膜面に上記の水溶液(a)が目視によって認められない状態を言う。
工程(2):
前記カチオン電着塗料(I)に基づく塗膜を形成した金属基材を、カチオン電着塗料(II)の浴中に浸漬し、電着塗装して得られた塗膜を水洗し加熱硬化する工程である。カチオン電着塗料(I)の硬化塗膜上にカチオン電着塗料(II)を塗装することによって、カチオン電着塗膜(I)の導電性を確保し、かつ熱フロー性に優れるカチオン電着塗料(II)によってカチオン電着塗料(I)の硬化塗膜の凹凸やピンホールを隠蔽して均一被覆性の向上を図ることかできる。よって、カチオン電着塗膜(I)とカチオン電着塗料(II)からなる複層塗膜は、密着性、防食性、均一被覆性(耐ヘコミ性)及び耐酸性に優れる。
カチオン電着塗料(II)について
カチオン電着塗料(II)は、基体樹脂(A2)とブロック化ポリイソシアネート化合物(B2)の固形分合計100質量部に対して、導電性粉末(C2)を60質量部未満含有する電着塗料である。
カチオン電着塗料(II)に使用できる基体樹脂(A2)は、基体樹脂(A1)と同様のエポキシ樹脂とアミン化合物を反応させてなるアミン付加エポキシ樹脂を使用できる。
ここで特に、基体樹脂(A2)として、エポキシ当量が180〜2,500のエポキシ樹脂とフェノール性水酸基を有するキシレンホルムアルデヒド樹脂及びアミノ基含有化合物反応させてなるキシレンホルムアルデヒド樹脂変性アミノ基含有エポキシ樹脂を使用することが、均一被覆性や防食性及び耐酸性の向上の為に好ましい。
このようなキシレンホルムアルデヒド樹脂変性アミノ基含有エポキシ樹脂(A2)は、エポキシ当量が180〜2,500のエポキシ樹脂とフェノール性水酸基を有するキシレンホルムアルデヒド樹脂及びアミノ基含有化合物反応させてなる樹脂である。
キシレンホルムアルデヒド樹脂変性アミノ基含有エポキシ樹脂の製造において出発材料として用いられるエポキシ樹脂としては、塗膜の防食性等の観点から、特に、ポリフェノール化合物とエピハロヒドリン、例えば、エピクロルヒドリンとの反応により得られるエポキシ樹脂が好適である。
該エポキシ樹脂の形成のために用いられるポリフェノール化合物としては、例えば、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2,2−プロパン[ビスフェノールA]、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン[ビスフェノールF]、ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)メタン[水添ビスフェノールF]、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン[水添ビスフェノールA]、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1−エタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1−イソブタン、ビス(4−ヒドロキシ−2もしくは3−tert−ブチル−フェニル)−2,2−プロパン、ビス(2−ヒドロキシナフチル)メタン、テトラ(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,2,2−エタン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、フェノールノボラック、クレゾールノボラックなどを挙げることができる。
また、ポリフェノール化合物とエピクロルヒドリンとの反応によって得られるエポキシ樹脂としては、中でも、ビスフェノールAから誘導される下記式(1)
で、nは0〜8で示されるものが好適である。
Figure 2011190477
式(1)
エポキシ樹脂は、200〜2,500、さらに好ましくは400〜1,500の範囲内のエポキシ当量を有することができ、また、400〜4,000、さらに特に800〜2,500の範囲内の数平均分子量を有するものが適している。
かかるエポキシ樹脂の市販品としては、例えば、ジャパンエポキシレジン(株)からjER828EL、jER1002、jER1004、jER1007なる商品名で販売されているものが挙げられる。
キシレンホルムアルデヒド樹脂変性アミノ基含有エポキシ樹脂は、エポキシ樹脂の可塑化(変性)のためにエポキシ基と反応することが可能なフェノール性水酸基を有するキシレンホルムアルデヒド樹脂を用いたカチオン性樹脂である。このフェノール性水酸基を有するキシレンホルムアルデヒド樹脂としては、例えば、キシレン、ホルムアルデヒド、及び場合によりフェノール類を酸性触媒の存在下に縮合反応させることにより製造することができる。上記のホルムアルデヒドとしては、工業的に入手容易なホルマリン、パラホルムアルデヒド、トリオキサン等のホルムアルデヒドを発生する化合物などを例示することができる。
さらに、上記のフェノール類には2個又は3個の反応サイトを持つ1価もしくは2価のフェノール性化合物が包含され、具体的には、例えばフェノール、クレゾール類(o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール)、パラ−オクチルフェノール、ノニルフェノール、ビスフェノールプロパン、ビスフェノールメタン、レゾルシン、ピロカテコール、ハイドロキノン、パラ−tert−ブチルフェノール、ビスフェノールスルホン、ビスフェノールエーテル、パラ−フェニルフェノール等が挙げられ、これらはそれぞれ単独で又は2種以上の組合せて用いることができる。この中で特に、フェノール、クレゾール類が好適である。
以上に述べたキシレン、ホルムアルデヒド、及びフェノール類の縮合反応に使用される酸性触媒としては、例えば、硫酸、塩酸、パラトルエンスルホン酸、シュウ酸等が挙げられるが、一般的には、特に硫酸が好適である。その使用量は、通常、ホルムアルデヒド水溶液中の水により希釈されるので、水溶液中の濃度として10〜50質量%の範囲内とすることができる。
縮合反応は、例えば、反応系に存在するキシレン、フェノール類、水、ホルマリン等が還流する温度、通常、約80〜約100℃の温度に加熱することにより行うことができ、通常、2〜6時間で終了させることができる。
上記の条件下に、キシレンとホルムアルデヒド、及びフェノール類を酸性触媒の存在下で加熱反応させることによって、キシレンホルムアルデヒド樹脂を得ることができる。また、キシレンホルムアルデヒド樹脂は、予め製造されたキシレンホルムアルデヒド樹脂をフェノール類と酸性触媒の存在下で反応させることによっても得ることができる。
かくして得られるキシレンホルムアルデヒド樹脂は、一般に、20〜50,000mPa・s(25℃)、好ましくは30〜15,000mPa・s(25℃)の範囲内の粘度を有することができ、そして一般に100〜50,000、特に200〜10,000の範囲内のフェノール性水酸基当量を有していることが好ましい。
前記エポキシ樹脂に反応せしめられるアミノ基含有化合物は、エポキシ樹脂基体にアミノ基を導入して、該エポキシ樹脂をカチオン化するためのカチオン性付与成分であり、前記基体樹脂(A1)に用いたアミン化合物と同様のアミン化合物を用いることができる。
本発明のカチオン電着塗料組成物において樹脂成分として使用されるキシレンホルムアルデヒド樹脂変性アミノ基含有エポキシ樹脂は、前記のエポキシ樹脂に、キシレンホルムアルデヒド樹脂及びアミノ基含有化合物をそれ自体既知の方法で反応させることにより製造することができる。
エポキシ樹脂に対するキシレンホルムアルデヒド樹脂及びアミノ基含有化合物の反応は任意の順序で行うことができるが、エポキシ樹脂に対して、キシレンホルムアルデヒド樹脂及びアミノ基含有化合物を同時に反応させるのが好適である。
上記の付加反応は、通常、適当な溶媒中で、約80〜約170℃、好ましくは約90〜約150℃の温度で1〜6時間程度、好ましくは1〜5時間程度行うことができる。上記反応における溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、n−ヘキサンなどの炭化水素系;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルアミルケトンなどのケトン系;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミド系;メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノールなどのアルコール系;フェニルカルビノール、メチルフェニルカルビノールなどの芳香族アルキルアルコール類;エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルなどのエーテルアルコール系化合物あるいはこれらの混合物などが挙げられる。
上記の付加反応における各反応成分の使用割合は、厳密に制限されるものではなく、塗料組成物の用途等に応じて適宜変えることができるが、エポキシ樹脂、キシレンホルムアルデヒド樹脂及びアミノ基含有化合物の3成分の合計固形分質量を基準にして以下の範囲内が適当である。
エポキシ樹脂:一般に50〜90質量%、好ましくは50〜85質量%、さらに好ましくは53〜83質量%、キシレンホルムアルデヒド樹脂:一般に5〜45質量%、好ましくは6〜43質量%、さらに好ましくは6〜40質量%、アミノ基含有化合物:一般に5〜25質量%、好ましくは6〜20質量%、さらに好ましくは6〜18質量%である。
また、カチオン電着塗料(II)に用いるブロックポリイソシアネート硬化剤(B2)は、前記、ブロックポリイソシアネート硬化剤(B1)と同様のブロックポリイソシアネート硬化剤を用いることができる。
さらに、導電性粉末(C2)は、前記導電性粉末(C1)と同様の導電性粉末を使用できる。導電性粉末(C2)は、ファーネスブラック、ケッチェンブラック、黒鉛などが挙げられる。ファーネスブラックとしては、バルカンXC−72、バルカンXC−305、バルカンXC−605(以上、キャボット社製、商品名、ファーネスブラック)などの市販品を使用することができる。
ファーネスブラック以外の導電性粉末(C2)には、ケッチェンブラックEC、ケッチェンブラックEC300J、ケッチェンブラックEC600JD、カーボンECP(以上、ライオン株式会社製、商品名)、ラーベン1255(コロンビアカーボン株式会社製、商品名、ファーネスブラック);RPシリーズ及びAGBシリーズ(以上、伊藤黒鉛株式会社、商品名、黒鉛)、黒鉛粉SP−10、SP−20、HAG−15、HAG−150、HAG−300(以上、日本黒鉛(株)製、商品名、黒鉛)、人造黒鉛POG−2、POG−10、POG−20(以上、住友化学(株)製、商品名、黒鉛)、UFG−5、UFG−10、UFG−30(以上、昭和電工株式会社製、商品名、黒鉛)などの市販品を使用することができる。
上記の導電性粉末(C2)は、基体樹脂(A2)とブロック化ポリイソシアネート化合物(B2)の固形分合計100質量部に対して、導電性粉末(C2)を60質量部未満、好ましくは30質量部未満、さらに好ましくは5〜25質量部含有することが、導電性、密着性、防食性、均一被覆性(耐ヘコミ性)及び耐酸性が良好な塗膜を形成する為にも好ましい。上記範囲を外れると、均一被覆性(耐ヘコミ性)を損い、防食性の低下を招くことがある。
このようなカチオン電着塗料(II)の製造は、基体樹脂(A2)とブロック化ポリイソシアネート化合物(B2)に加え、界面活性剤、表面調整剤等の各種添加剤や有機溶剤等を十分に混合して調合樹脂とした後、上記調合樹脂を有機カルボン酸等で水溶化又は水分散化してエマルションを得る。なお調合樹脂の中和には、一般的には、公知の有機カルボン酸を用いることができるが、中でも酢酸、ギ酸、乳酸又はこれらの混合物が好適である。次いで、エマルションに顔料分散ペーストを加え、水で調整することによって調整することができる。
上記の顔料分散ペーストは、着色顔料、防錆顔料及び体質顔料などをあらかじめ微細粒子に分散したものであって、例えば、顔料分散用樹脂、中和剤及び顔料類を配合し、ボールミル、サンドミル、ペブルミル等の分散混合機中で分散処理して、顔料分散ペーストを調製できる。
上記顔料分散用樹脂としては、公知のものが使用でき、例えば水酸基及びカチオン性基を有する基体樹脂、界面活性剤等、又は3級アミン型エポキシ樹脂、4級アンモニウム塩型エポキシ樹脂、3級スルホニウム塩型エポキシ樹脂などの樹脂を使用できる。上記顔料分散剤の使用量は、顔料と有機錫化合物100質量部あたり1〜150質量部、特に10〜100質量部の範囲内が好適である。
上記顔料には、特に制限なく使用でき、例えば、酸化チタン、カーボンブラック、ベンガラ等の着色顔料;クレー、マイカ、バリタ、炭酸カルシウム、シリカなどの体質顔料;リンモリブデン酸アルミニウム、トリポリリン酸アルミニウム、酸化亜鉛(亜鉛華)等の防錆顔料;を添加することができる。
さらに、腐食抑制又は防錆を目的として、ビスマス化合物を含有させることができる。上記ビスマス化合物としては、例えば、酸化ビスマス、水酸化ビスマス、塩基性炭酸ビスマス、硝酸ビスマス、ケイ酸ビスマス及び有機酸ビスマス等を用いることができる。
また、塗膜硬化性の向上を目的として、ジブチル錫ジベンゾエート、ジオクチル錫オキサイド、ジブチル錫オキサイド等の有機錫化合物を用いることができるが、前記酸化亜鉛(亜鉛華)等の防錆顔料及び/又はビスマス化合物を、適用(増量)及び/又は微細化して用いることによって、これらの有機錫化合物を含有せずに、塗膜硬化性の向上を図ることもできる。
なおカチオン電着塗料(II)の電着塗装は、該塗料(II)を浴として、浴温15〜35℃及び印加電圧10〜400V、好ましくは50〜250Vの条件下で電着塗装を行った後、金属被塗物に水洗を施す。上記水洗は、限外濾過(UF)水と工業用水洗と上水水洗及び純水工程からなる少なくとも1種によって水洗し、次いで、被塗物表面で、一般に120〜300℃、好ましくは160〜250℃の範囲内の温度で5分間〜60分間、好ましくは10分間〜30分間加熱乾燥する。
ここで、カチオン電着塗料(I)の硬化塗膜上に塗装されるカチオン電着塗料(II)は、乾燥膜厚で1〜20μm、好ましくは乾燥膜厚で1〜10μm、さらに好ましくは乾燥膜厚で1〜7μmの範囲である。この範囲の乾燥膜厚であることが、得られた複層塗膜の導電性を損うことなく、かつ均一被覆性や防食性及び耐酸性の向上の為に好ましい。
複層塗膜形成方法について
本発明の複層塗膜形成方法は、金属被塗物にカチオン電着塗料(I)によって第1回目の電着塗装を施し、さらに1回目の電着塗膜(例えば、15μm)の上に、2回目の電着塗膜(例えば、5μmを塗装)に加熱乾燥を施して所定の乾燥膜厚を得る2コート2ベーク方法による塗膜形成方法である。
このようにして形成される複層の塗膜の導電性は、膜厚20μmに塗装された塗膜の接触抵抗値(注1)が1Ωcm以下、特に0.5Ωcm以下、さらに特に0.2Ωcm以下である導電性塗膜を容易に形成することができる。従って、本発明の複層塗膜形成方法は、固体電解質型燃料電池の金属セパレーターの片面又は両面の塗装に極めて適している。
(注1)接触抵抗値:塗膜の「接触抵抗値」は、図2のような装置を用いて測定した。
(1)平滑な表面の無酸素銅板を電極(図2の1)として用い、膜厚20μmに両面塗装されたテストパネル(寸法50mm×50mm)に同寸法のカーボンペーパー(図2の2)を両面から挟み込み、テストパネル(図2の3)を設置して固定する。
無酸素銅電極板の側面にリード線を冷間圧着によって接合し、図2のように定電流電源(ケースレーインスツルメンツ株式会社製、ソースメーター2400、図2の5)および微小電圧計(ケースレーインスツルメンツ株式会社、ナノボルトメーター2182A、図2の4)を接続する(4端子法による抵抗値測定)。
このとき微小電圧計にリード線を互いに撚って接続し、外界からのノイズを最小限にする。テストパネルが固定された電極板の平面部に、プレス機で250kg重の荷重をかけた状態で、0.1A〜1.0Aの一定電流値を印加して試料間の電位差を、微小電圧計によって測定する。これらの数値をもとに、下記式に従って塗膜の接触抵抗値を求めた。
=(E/I)×25
:接触抵抗値[Ωcm]
:電位差[V]
:印加電流値[A]
以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。なお、「部」及び「%」は「質量部」及び「質量%」を示す。
カチオン電着塗料(I)の製造
製造例1 4級アンモニウム塩型樹脂系の顔料分散用樹脂
jER828EL(注2)1,010部に、ビスフェノールA 390部、ポリカプロラクトンジオール(数平均分子量約1,200)240部及びジメチルベンジルアミン0.2部を加え、130℃でエポキシ当量が約1,090になるまで反応させた。
次に、ジメチルエタノールアミン134部及び酢酸90部を加え、120℃で4時間反応させた後、エチレングリコールモノブチルエーテルを加えて固形分を調整し、4級アンモニウム塩価44mgKOH/g、固形分60%の4級アンモニウム塩型樹脂系の顔料分散用樹脂を得た。
(注2)jER828EL:ジャパンエポキシレジン株式会社製、商品名、エポキシ樹脂、エポキシ当量190。
製造例2 顔料分散ペーストNo.1
固形分60%の顔料分散用樹脂を16.7部(固形分10部)、バルカンXC−72(注3)75、ケッチェンブラックEC600JD(注6)5部及び脱イオン水160.3部をボールミルに配合して20時間分散し、固形分35%の顔料分散ぺーストNo.1を得た。
製造例3〜7 顔料分散ペーストNo.2〜No.6の製造
製造例2と同様にして、下記表1に示す配合で顔料分散ペーストNo.2〜No.6を得た。
Figure 2011190477
(注3)バルカンXC−72:キャボット社製、商品名、バルカン、DBP吸油量178ml/100g
(注4)バルカンXC−605:キャボット社製、商品名、バルカン、DBP吸油量155ml/100g
(注5)UFG−5:昭和電工社製、商品名、黒鉛、DBP吸油量55ml/100g
(注6)ケッチェンブラックEC300J:ライオン株式会社製、商品名、ケッチェンブラック、DBP吸油量350ml/100g。
製造例8 基体樹脂No.1の製造例
温度計、還流冷却器、及び攪拌機を備えた内容積2リットルのフラスコに、デナコールEX−931(注7)228部、jER828EL(注2)460部、ビスフェノールAを224部及びトリフェニルエチルホスホニュウムアイオダイド0.2部を加え、160℃でエポキシ当量900になるまで反応させた。
ついで、ジエチルアミン30部ジエタノールアミン51部を加え80℃で4時間反応後、エチレングリコールモノブエチルエーテル250部で希釈し、樹脂固形分80%のアミノ基含有変性エポキシ樹脂である基体樹脂No.2溶液を得た。基体樹脂No.2は、アミン価55mgKOH/g、数平均分子量2,000であった。
(注7)デナコールEX−931:ナガセケムテックス社製、商品名、エポキシ樹脂(ポリアルキレンオキシド含有ジグリシジルエーテル化合物(b1))、エポキシ当量471。
製造例9 基体樹脂No.2の製造
温度計、還流冷却器及び撹拌機を備えた内容積2リットルのセパラブルフラスコに、jER828EL(注2参照)636部を仕込み、ビスフェノールA 225部及びトリフェニルエチルホスホニュウムアイオダイド0.2部仕込み、エポキシ当量900となるまで反応させた。
次いで、ジエチルアミン30部ジエタノールアミン51部を加え80℃で4時間反応後、エチレングリコールモノブエチルエーテル250部で希釈し、樹脂固形分80%のアミノ基含有変性エポキシ樹脂である基体樹脂No.1溶液を得た。基体樹脂No.1は、アミン価56mgKOH/g、数平均分子量2,000であった。
製造例10 キシレンホルムアルデヒド樹脂の製造
温度計、還流冷却器及び撹拌機を備えた内容積2リットルのセパラブルフラスコに50%ホルマリン480部、フェノール110部、98%工業用硫酸202部及びメタキシレン424部を仕込み、84〜88℃で4時間反応させた。反応終了後、静置して樹脂相と硫酸水相とを分離した後、樹脂相を3回水洗し、20〜30mmHg/120〜130℃の条件で20分間未反応メタキシレンをストリッピングして、粘度1050mPa・s(25℃)のフェノール変性されたキシレンホルムアルデヒド樹脂480部を得た。
製造例11 基体樹脂No.3の製造例
フラスコに、jER828EL(注4)1140部、ビスフェノールA 456部及びジメチルベンジルアミン0.2部を加え、130℃でエポキシ当量820になるまで反応させた。
次に、メチルイソブチルケトンを420部加え、次いで、製造例10で得たキシレンホルムアルデヒド樹脂300部を加え、次いで、ジエタノールアミンを95部及びジエチレントリアミンのメチルイソブチルケトンのケチミン化物を127部(純度84%、メチルイソブチルケトン溶液)を加えて120℃で4時間反応させ、樹脂固形分80%のアミノ基含有変性エポキシ樹脂である基体樹脂No.3溶液を得た。基体樹脂No.3は、アミン価47mgKOH/g、数平均分子量2,500であった。
ブロック化ポリイソシアネート硬化剤(B)の製造
製造例12 硬化剤の製造例
反応容器中に、コスモネートM−200(商品名、三井化学社製、クルードMD
I)270部及びメチルイソブチルケトン127部を加え70℃に昇温した。この中にエチレングリコールモノブチルエーテル236部を1時間かけて滴下して加え、その後、100℃に昇温し、この温度を保ちながら、経時でサンプリングし、赤外線吸収スペクトル測定にて未反応のイソシアナト基の吸収がなくなったことを確認し、樹脂固形分80%の硬化剤を得た。
カチオン電着塗料用のエマルションの製造
製造例13 エマルションNo.1の製造例
製造例8で得た樹脂固形分80%の基体樹脂No.1を75部(固形分60部)、製造例12で得た樹脂固形分90%のブロック化ポリイソシアネート硬化剤44.4部(固形分40部)、及び10%蟻酸15部を混合し均一に撹拌した後、
脱イオン水159.6部を強く撹拌しながら約15分かけて滴下し、固形分34%のカチオン電着塗料用のエマルションNo.1を得た。
製造例14〜15 エマルションNo.2〜No.3
表2の配合内容とする以外は、製造例13と同様にして、エマルションNo.2〜
No.3を得た。
Figure 2011190477
カチオン電着塗料(I)の製造例 (高顔料濃度のカチオン電着塗料)
製造例16 カチオン電着塗料No.1
製造例13で得たエマルションNo.1を294部(固形分100部)に、製造例2で得た顔料分散ペーストNo.1を257部(固形分90部)及び脱イオン水399.0部を加えて、固形分20%のカチオン電着塗料No.1を得た。
製造例17〜22
表3の配合内容とする以外は、製造例16と同様にして、カチオン電着塗料No.2〜No.7を得た。
Figure 2011190477
カチオン電着塗料(II)の製造例(低顔料濃度のカチオン電着塗料)
製造例23 カチオン電着塗料No.8の製造例
製造例13で得たエマルションNo.1を294部(固形分100部)に、製造例2で得た顔料分散ペーストNo.1を57.1部(固形分20部)及び脱イオン水248.9部を加えて、固形分20%のカチオン電着塗料No.8を得た。
製造例24〜30 カチオン電着塗料No.9〜No.15の製造例
製造例23と同様にして、下記表4に示す配合で、カチオン電着塗料No.9〜No.15を得た。
Figure 2011190477
製造例31 処理液No.1の製造
脱イオン水600部に、イソプロピルアルコール400部を加えて、処理液No.1を得た。
製造例32 処理液No.2の製造
脱イオン水600部に、エチレングリコールモノブチルエーテル400部を加えて、処理液No.2を得た。
製造例33 処理液No.3の製造
脱イオン水990部に、EA−152(第一工業製薬社製、ポリオキシジエチレンオクチルフェニルエーテル、ノニオン系界面活性剤)10部を加えて、処理液No.3を得た。
カチオン電着塗料(I)/カチオン電着塗料(II)の工程
実施例1
以下の工程によって、試験板No.1を得た。
工程1:製造例16で得たカチオン電着塗料No.1の3リットル浴中に、ステンレス鋼板(SUS304、0.8mm×150mm×70mm)を浸漬し、該ステンレス鋼板をカソードとして、乾燥膜厚15μmとなるように電着塗装を行った。次いで、塗膜を有するステンレス鋼板を純水によってスプレー洗浄した。塗膜を有するステンレス鋼板を190℃の乾燥機に30分間入れて、加熱乾燥を行った。
工程2:次いで、カチオン電着塗料No.8の3リットル浴中に浸漬し、トータル乾燥膜厚が20μmとなるように電着塗装を行った。被塗物を引き上げて、純水によって30秒間スプレー水洗した。その後、190℃で30分間加熱乾燥して試験板No.1を作成した。
実施例2〜7
カチオン電着塗料及び工程を表6の内容とする以外は、実施例1と同様にして、試験板No.2〜No.7を得た。
Figure 2011190477
カチオン電着塗料(I)−水洗あり−カチオン電着塗料(II)の工程
実施例8
以下の工程によって、試験板No.8を得た。
工程1:製造例16で得たカチオン電着塗料No.1の3リットル浴中に、ステンレス鋼板(SUS304、0.8mm×150mm×70mm)を浸漬し、該ステンレス鋼板をカソードとして、乾燥膜厚15μmとなるように電着塗装を行った。次いで、塗膜を有するステンレス鋼板を純水によってスプレー洗浄した。塗膜を有するステンレス鋼板を190℃の乾燥機に30分間入れて、加熱乾燥を行った。
工程A:30℃に調製した製造例31で得た処理液No.1に120秒間浸漬した。
工程2:次いで、カチオン電着塗料No.9の3リットル浴中に浸漬し、トータル乾燥膜厚が20μmとなるように電着塗装を行った。被塗物を引き上げて、純水によって30秒間スプレー水洗した。その後、190℃で30分間加熱乾燥して試験板を作成した。
実施例9〜14
表7の工程とする以外は実施例8と同様にして、カチオン電着塗料No.9〜No.14を得た。
Figure 2011190477
比較例1
以下の工程によって、試験板No.15を得た。
工程1:製造例16で得たカチオン電着塗料No.1の3リットル浴中に、ステンレス鋼板(SUS304、0.8mm×150mm×70mm)を浸漬し、該ステンレス鋼板をカソードとして、乾燥膜厚15μmとなるように電着塗装を行った。
次いで、塗膜を有するステンレス鋼板を、純水をスプレーすることによって洗浄した。塗膜を有するステンレス鋼板を190℃の乾燥機に30分間入れて、加熱乾燥を行った。
工程A:30℃に調製した製造例31で得た処理液No.1に120秒間浸漬した。
工程2:該ステンレス鋼板を、再び、カチオン電着塗料No.1の3リットル浴中に浸漬し、乾燥膜厚20μmとなるように電着塗装を行った。被塗物を引き上げて、純水によって30秒間スプレー水洗した。その後、190℃で30分間焼付けした。
比較例2〜6
表8の工程とする以外は比較例1と同様にして、試験板No.16〜No.20を得た。
Figure 2011190477
(注9)接触抵抗値:(注1)に記載の条件に従って測定した。
(注10)均一被覆性:試験板の塗膜表面を、電子顕微鏡(50倍)にて観察した。
◎:塗膜表面にヘコミやワレなどの発生がなく良好
○:塗膜表面にわずかなヘコミが見られるが、製品としては問題なし
△:塗膜表面にヘコミやワレ及び肌荒れの少なくともいずれかがみられる
×:塗膜表面にヘコミやワレ及び肌荒れの少なくともいずれかが著しい。
(注11)防食性:
実施例1〜14、比較例1〜6の試験板の作成に用いた「ステンレス鋼板」を、「冷延鋼板」に変える以外は、表6〜表8に示す同様の塗料、工程にて試験板を作成した。
その試験板の素地に達するように電着塗膜にナイフでクロスカット傷を入れ、JISZ−2371に準じて840時間耐塩水噴霧試験を行い、ナイフ傷からの錆、フクレ幅によって以下の基準で評価した。
◎:錆、フクレの最大幅がカット部より2mm未満(片側)
○:錆、フクレの最大幅がカット部より2mm以上でかつ3mm未満(片側)
△:錆、フクレの最大幅がカット部より3mm以上でかつ4mm未満(片側)
×:錆、フクレの最大幅がカット部より4mm(片側)を越える。
(注12)耐酸性:80℃1モルの硫酸溶液に試験板を浸漬する。浸漬試験50時間後に取り出し直ちに上水で洗浄し室内に放置する。放置10分後に塗膜の付着性試験を行う。付着性は粘着テープを塗面に貼り付け密着させた後、急速に剥がし残存する塗膜の面積により評価を行う。
◎:異常なし、剥離面積0%
○:剥離面積1〜10%
△:剥離面積11〜50%
×:剥離面積51〜100%
本発明のカチオン電着塗料は、導電性と防食性及び耐酸性を必要とし、かつ凹凸を有する工業用部品の塗装に好適である。
1.無酸素銅電極板
2.カーボンペーパー(カーボン不織布、厚さ270μm)
3.塗装テストパネル(基材SUS304、塗装膜厚20μm、両面塗装)
4.微小電圧計
5.定電流電源

Claims (5)

  1. 工程(1):金属基材を、下記特徴のカチオン電着塗料(I)の浴中に浸漬し、電着塗装して得られた塗膜を水洗し加熱硬化する工程、
    工程(2):該カチオン電着塗料(I)に基づく硬化塗膜を形成した金属基材を、下記特徴のカチオン電着塗料(II)の浴中に浸漬して電着塗装して得られた塗膜を水洗し加熱硬化する工程、を有することを特徴とする複層塗膜形成方法。
    カチオン電着塗料(I):基体樹脂(A1)とブロック化ポリイソシアネート化合物(B1)及び導電性粉末(C1)を含有し、基体樹脂(A1)とブロック化ポリイソシアネート化合物(B1)の固形分合計100質量部に対して、導電性粉末(C1)を60〜150質量部含有する電着塗料
    カチオン電着塗料(II):基体樹脂(A2)とブロック化ポリイソシアネート化合物(B2)の固形分合計100質量部に対して、導電性粉末(C2)を60質量部未満含有する電着塗料
  2. 上記工程(1)の後、該カチオン電着塗料に基づく硬化塗膜を形成した金属基材を、アルコール系有機溶剤とグリコールエーテル系有機溶剤及び界面活性剤から選ばれる少なくとも1種の水溶液の浴中に浸漬する工程(A)を行い、次いで、工程(2)を行うことを特徴とする請求項1に記載の複層塗膜形成方法。
  3. カチオン電着塗料(II)の基体樹脂(A2)として、エポキシ当量が180〜2,500のエポキシ樹脂とフェノール性水酸基を有するキシレンホルムアルデヒド樹脂及びアミノ基含有化合物を反応させてなるキシレンホルムアルデヒド樹脂変性アミノ基含有エポキシ樹脂を含むものである請求項1又は2に記載の複層塗膜形成方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の複層塗膜形成方法によって得られた塗装膜厚20μmにおける塗膜の接触抵抗値が1Ωcm以下である塗膜。
  5. 請求項4に記載の塗膜で被覆してなる金属セパレーター。
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