JP2011190298A - 半導体リソグラフィー用重合体およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】反応器内の反応液温を70〜100℃にて制御したラジカル重合により製造した半導体リソグラフィー工程において使用される(共)重合体であって、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定される重量平均分子量(Mw)の5倍以上の高分子量成分のピーク面積が、全体のピーク面積に対して0.2%未満であるヒドロキシフェニル(メタ)アクリレート(共)重合体。
【選択図】なし
Description
最近では、KrFエキシマレーザー(波長:248nm)リソグラフィー技術が導入され、さらなる短波長化を図ったArFエキシマレーザー(波長:193nm)リソグラフィー技術及びEUVエキシマレーザー(波長:13nm)リソグラフィー技術が研究されている。
また、例えば、照射光の短波長化およびパターンの微細化に好適に対応できるレジスト組成物として、酸の作用により酸脱離性基が脱離してアルカリ可溶性となる重合体と、光酸発生剤とを含有する、いわゆる化学増幅型レジスト組成物が提唱され、その開発および改良が進められている。
例えば下記特許文献1には、単量体としてヒドロキシフェニル(メタ)アクリレート誘導体を用いた重合体のフォトレジストが記載されている。また、下記特許文献2には、単量体として、酸によって分解してアルカリ現像液に可溶となる構造を有する重合性アクリルモノマーと、半導体基板に対する密着性を高めるための極性基を有する重合性を用いてなるリソグラフィー用の共重合体が記載されている。
下記特許文献2では、かかるハイポリマーの生成を抑える方法として、重合性モノマーを含有する溶液と、重合開始剤を含有する溶液とを、各々独立した貯槽に保持し、重合系内に連続的または断続的に供給してラジカル共重合させる方法が提案されている。
本発明のリソグラフィー用重合体は、溶媒への溶解性が良好であり、リソグラフィー溶液塗布時のディフェクト量の低減ができる。
本発明における重合体の重量平均分子量(Mw)および分子量分布(Mw/Mn)は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィーにより、ポリスチレン換算で求めた値である。
本発明の第1の態様において、ヒドロキシフェニル(メタ)アクリレート(共)重合体は、反応器内の反応液温を70〜100℃にて制御したラジカル重合により製造した半導体リソグラフィー工程において使用される(共)重合体であって、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定される重量平均分子量(Mw)の5倍以上の高分子量成分のピーク面積が、全体のピーク面積に対して0.2%未満、好ましくは0.1%未満である。
また、本発明において、「ヒドロキシフェニル(メタ)アクリレート(共)重合体」は、少なくとも一つの構成単位として、ヒドロキシフェニル(メタ)アクリレートを含む単量体を(共)重合した繰り返し単位を有する重合体または(共)重合体をいう。
上記他の吸光性基を有する構成単位・単量体として、例えば、フェニル(メタ)アクリレート、スチレン、p-ヒドロキシスチレン等が挙げられる。
ラクトン骨格を有する構成単位・単量体としては、例えば、β−メタアクリロイルオキシ−γ−ブチロラクトン等が挙げられる。
親水性基を有する構成単位・単量体としては、例えば、ヒドロキシメチル(メタ)アクリレー、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
本発明の(共)重合体は、反応器内の反応液温を70〜100℃にて制御したラジカル重合法によって製造される。重合方法は特に限定されないが、分子量分散や温度制御の簡便性、ポリマーの均一性・再現性の観点から、溶液重合法が好ましい。
なお、反応温度が70℃以上であれば、分子量分散性が小さく、開始剤の選択範囲が広くなるため好ましい。また、反応温度が100℃以下であれば、熱媒の問題等による実機製造装置の制限が少なく、また、製造上のコントロールが容易であるため好ましい。
本発明の重合体の製造方法は、反応器内に単量体および重合開始剤を供給しながら、反応器内で重合体を生成する工程を有する。単量体および重合開始剤のいずれも液状で供給することが好ましい。単量体および重合開始剤の供給方法は、反応器内に徐々に供給できる方法であればよく、好ましくは滴下により供給される。供給は連続的でもよく、断続的でもよい。供給速度は一定でもよく、経時的に変化してもよい。
単量体と重合開始剤を同じ液に溶解させて供給する場合、同じ貯槽内で両者を混合した後、反応器中に供給してもよく、各々独立した貯槽からから反応器に供給する直前で混合してもよい。
すなわち、仮に単量体と重合開始剤を同時に供給開始して、供給速度を一定とし、同時に供給終了した場合、単量体および重合開始剤のそれぞれの全供給量に対する供給割合は、どの時点でも互いに同じになる。例えば単量体の全供給量のうちの12.5質量%が反応器内に供給された時点で、重合開始剤も全供給量のうちの12.5質量%が反応器内に供給されている。これに対して本発明では、単量体が供給される期間の初期における重合開始剤の供給量を多くする。すなわち単量体の全供給量のうちの12.5質量%が反応器内に供給された時点までに、該反応器内に供給される重合開始剤の量は、重合開始剤の全供給量に対して少なくとも25質量%であり、好ましくは50質量%以上である。
さらに、単量体の全供給量のうちの12.5質量%が反応器内に供給された時点までに、該反応器内に供給される重合開始剤の量は、70質量%以上であってもよく、100質量%でもよい。
また、単量体と重合開始剤の供給速度をそれぞれ別個に制御できることが好ましい。したがって、単量体の一部または全部を含む液と、重合開始剤の一部又は全部を含む液の、少なくとも二液を用いることが好ましい。
すなわち、単量体の組成と使用量および重合開始剤の使用量が互いに同じであるとき、本発明の製造方法で得られる重合体の方が、供給割合が等しい比較例に比べてMwは小さくなり、溶解性が向上する。
したがって、本発明によれば、従来品と単量体組成およびMwが同じでありながら、溶解性が向上した重合体を製造できる。さらに、重合開始剤の使用量を調整すれば、単量体組成を変化させずにMwを調整できるため、所望の単量体組成で、所望のMwを有し、かつ溶解性に優れた重合体を製造できる。
本発明においてかかる効果が得られる理由は、単量体が供給される期間の初期における重合開始剤の供給量を多くしたことにより、ハイポリマーの生成が抑えられるためと考えられる。
重合開始剤としては、熱により効率的にラジカルを発生するものが好ましい。例えば、アゾ化合物(2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]等。)、有機過酸化物(2,5−ジメチル−2,5−ビス(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジ(4−tert−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート等。)等が挙げられる。アゾ化合物がより好ましい。
重合開始剤の使用量(全供給量)は、重合開始剤の種類に応じて、また得ようとする重合体の目標分子量に応じて設定される。重合開始剤の使用量が多いと、得られる重合体の分子量が小さくなり、重合開始剤の使用量が少ないと、得られる重合体の分子量が大きくなる傾向がある。
重合開始剤の使用量(全供給量)の範囲は、特に限定されないが、単量体の合計(全供給量)の100質量部に対して、0.1〜40.0質量部の範囲が好ましく、0.3〜30.0質量部の範囲がより好ましい。
本発明の重合体の製造方法においては重合溶媒を用いてもよい。重合溶媒としては、例えば、下記のものが挙げられる。
エーテル類:鎖状エーテル(例えばジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等。)、環状エーテル(例えばテトラヒドロフラン(以下、「THF」と記す。)、1,4−ジオキサン等。)等。
エステル類:酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(以下、「PGMEA」と記す。)、γ−ブチロラクトン等。
ケトン類:アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等。
アミド類:N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等。
スルホキシド類:ジメチルスルホキシド等。
芳香族炭化水素:ベンゼン、トルエン、キシレン等。
脂肪族炭化水素:ヘキサン等。
脂環式炭化水素:シクロヘキサン等。
重合溶媒は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
重合体の平均分子量の測定方法、重合体の溶解性の評価方法は以下の通りである。
重合体の重量平均分子量(Mw)は、下記の条件(GPC条件)でゲル・パーミエーション・クロマトグラフィーにより、ポリスチレン換算で求めた。
<GPC条件>
装置:東ソー社製、東ソー高速GPC装置 HLC−8220GPC(商品名)、
分離カラム:昭和電工社製、Shodex GPC K−805L(商品名)を3本直列に連結したもの、
測定温度:40℃、
溶離液:1.7mMリン酸THF溶液、
試料:重合体の約20mgを5mLのTHFに溶解し、0.2μmメンブレンフィルターで濾過した溶液、
流量:1mL/分、
注入量:0.1mL、
検出器:示差屈折計。
F−80(Mw=707,000)、
F−40(Mw=354,000)、
F−10(Mw=98,900)、
F−2(Mw=19,200)、
F−1(Mw=10,100)、
A−5000(Mw=5,200)、
A−2500(Mw=2,740)、
A−1000(Mw=950)、
A−500(Mw=578、266の混合物)、
スチレンモノマー(Mw=104)。
以下に、図1を用いて、本発明におけるピーク面積比の算出方法を説明する。図1は、本発明を説明するための(共)重合体のGPCチャートの一例を示す概念図である。
(1)(共)重合体について、GPC測定を行い、GPCチャート1を取得する。なお、図1において、横軸は分子量(対数)、縦軸は信号(ピーク)強度(微分分析値)を表す。
(2)GPCチャートのベースライン2を引き、(共)重合体全体について、重量平均分子量Mw及び(共)重合体ピーク全体の面積S1を求める。ここで、面積S1とは、ベースラインと(共)重合体ピーク全体で囲まれた領域の面積をいう。
なお、本明細書において、ベースラインとは、GPC測定の際、試料を注入した後、信号強度の変化率が変化した時の(重合体が検出される直前の)信号強度と、ピークトップ位置が出現した後、信号強度の変化率が変化しなくなった時の(重合体が検出し終わった直後の)信号強度を結んで設定することができる。
(3)(共)重合体ピークにおける、重量平均分子量(Mw)5倍以上の部分の面積S2を求める。ここで、面積S2とは、上記S1において、重量平均分子量(Mw)5倍以上の領域の面積をいう。
(4)重量平均分子量(Mw)5倍以上の部分のピーク面積(S2)/全体のピーク面積(S1)×100(%)を算出する。
各(共)重合体の固形分が20質量%になるように、プロピレングリコールモノメチルエーテル(以下、PGME) で希釈した溶液を調製した。その希釈溶液10質量部に、貧溶媒として、n-ヘプタンまたはジイソプロピルエーテルを徐々に滴下していき、ポリマー析出を目視で確認した時の析出したポリマー量(質量部)を測定した。
加えた貧溶媒質量部を、ポリマー析出した時のポリマー質量部で割った時の割合(%)を算出した。
上記割合(%)が大きいほど、貧溶媒添加により析出しやすい高分子量体成分が少なく、半導体リソグラフィー用溶媒への溶解性が良好であることを示す。
上記割合(%)が小さいほど、高分子量体成分が多く、半導体リソグラフィー用溶媒への溶解性に劣ることを示す。
攪拌機、ジャケットおよびコンデンサを有する調合槽に、4−ヒドロキシフェニルメタクリレート 50.43質量部、PGME117.7質量部、および重合開始剤であるジメチル−2,2′−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(和光純薬工業(株)製、V−601)2.072質量部を注入し、撹拌して単量体溶液を調製した(溶液1)。また、攪拌機、ジャケットおよびコンデンサを有する第二の調合槽にPGME 4.14質量部、およびV−601 2.072質量部を注入し、撹拌して開始剤溶液を調製した(溶液2)。窒素導入口、攪拌機、ジャケットおよびコンデンサを有する重合槽に、窒素雰囲気下で、PGME 79.9質量部を注入し、攪拌しながら温度を80℃に保持した。上記の(溶液1)を240分間、(溶液2)を30分間かけて一定速度で滴下した。その後、溶液を80℃で180分間保持し、重合体溶液を得た。
攪拌機、ジャケットおよびコンデンサを有する調合槽に、4−ヒドロキシフェニルメタクリレート 42.76質量部、β−メタアクリロイルオキシ−γ−ブチロラクトン10.69質量部、PGME103.3質量部、PGMEA21.4質量部、およびV-601 2.092質量部を注入し、撹拌して単量体溶液を調製した(溶液3)。また、攪拌機、ジャケットおよびコンデンサを有する第二の調合槽にPGME 4.18質量部、およびV-601 2.092質量部を注入し、撹拌して開始剤溶液を調製した(溶液4)。窒素導入口、攪拌機、ジャケットおよびコンデンサを有する重合槽に、窒素雰囲気下で、PGME 84.9質量部を注入し、攪拌しながら温度を80℃に保持した。上記の(溶液3)を240分間、(溶液4)を30分間で一定速度で滴下した。その後、溶液を80℃で180分間保持し、重合体溶液を得た。
攪拌機、ジャケットおよびコンデンサを有する調合槽に、4−ヒドロキシフェニルメタクリレート50.43質量部、PGME117.7質量部、およびV−601 5.526質量部を注入し、撹拌して単量体溶液を調製した(溶液5)。窒素導入口、攪拌機、ジャケットおよびコンデンサを有する重合槽に、窒素雰囲気下で、PGME 84.1質量部を注入し、攪拌しながら温度を80℃に保持した。上記の(溶液5)を240分間かけて一定速度で滴下した。その後、溶液を80℃で180分間保持し、重合体溶液を得た。
攪拌機、ジャケットおよびコンデンサを有する調合槽に、4−ヒドロキシフェニルメタクリレート 42.76質量部、β−メタアクリロイルオキシ−γ-ブチロラクトン10.69質量部、PGME 103.3質量部、PGMEA21.4質量部、およびV-601 5.578質量部を注入し、撹拌して単量体溶液を調製した(溶液6)。窒素導入口、攪拌機、ジャケットおよびコンデンサを有する重合槽に、窒素雰囲気下で、PGME 89.1質量部を注入し、攪拌しながら温度を80℃に保持した。上記の(溶液6)を240分間で一定速度で滴下した。その後、溶液を80℃で180分間保持し、重合体溶液を得た。
また、上記表3及び4の溶解性評価試験の結果より、これらのヒドロキシフェニル(メタ)アクリレート(共)重合体の溶媒に対する溶解度が向上していると判断できる。
Claims (3)
- 反応器内の反応液温を70〜100℃にて制御したラジカル重合により製造した半導体リソグラフィー工程において使用される(共)重合体であって、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定される重量平均分子量(Mw)の5倍以上の高分子量成分のピーク面積が、全体のピーク面積に対して0.2%未満であるヒドロキシフェニル(メタ)アクリレート(共)重合体。
- 反応器内に、ヒドロキシフェニル(メタ)アクリレートを含む単量体および重合開始剤を供給しながら該反応器内で重合体を生成する工程を有する、半導体リソグラフィー工程において使用される(共)重合体の製造方法であって、前記単量体の全供給量のうちの12.5質量%が、前記反応器内に供給された時点で、重合開始剤の全供給量のうちの30質量%以上が、該反応器内に供給されているヒドロキシフェニル(メタ)アクリレート(共)重合体の製造方法。
- 前記反応器内への前記単量体の供給速度が一定であり、該反応器内に単量体が供給される全供給期間の12.5%が経過した時点で、
重合開始剤の全供給量のうちの25質量%以上が、該反応器内に供給されていることを特徴とする請求項2記載のヒドロキシフェニル(メタ)アクリレート(共)重合の製造方法。
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