JP2011188637A - 洗濯機の製造方法、洗濯機、及び洗濯機のロータの取外方法並びに取付方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ロータに高磁力の永久磁石を備えたモータが組込まれた洗濯機において、熟練した技能や力を必要とせずに容易にロータを洗濯機に取付けることができるようにする。
【解決手段】ロータ製造工程において、ロータのネオジム磁石及びアルニコ磁石の着磁を実行した後、着磁及び起電力のチェックを行い、その後アルニコ磁石を減磁して洗濯機の水槽の背面に事前に取付けられたステータの界磁空間に配置して取付ける。
【選択図】図10
【解決手段】ロータ製造工程において、ロータのネオジム磁石及びアルニコ磁石の着磁を実行した後、着磁及び起電力のチェックを行い、その後アルニコ磁石を減磁して洗濯機の水槽の背面に事前に取付けられたステータの界磁空間に配置して取付ける。
【選択図】図10
Description
本発明は、ロータ側に着磁量の変更容易な程度の保磁力を有した永久磁石を備えてなるモータが組込まれた洗濯機の製造方法、洗濯機、及びそのロータの取外方法並びに取付方法に関する。
従来、家庭用洗濯機などに組込まれるダイレクトドライブ式のモータは、例えば特許文献1で示すように、中心に軸受を有するハウジングが洗濯機の水槽の背面に取付けられ、前記ハウジングの軸受内にロータシャフトが挿通されて水槽の内外に連通された形態で該ハウジングにステータが取付けられて構成されている。さらに、水槽内においてロータシャフトの一端部には負荷となる回転槽が設けられるとともに、水槽外においてロータシャフトの他端部には磁極として永久磁石を有するロータが固定されて、このロータがステータの界磁空間に配置されることにより、モータが洗濯機に組込まれている。
ところで、近年の省エネ性能の追求による小型化、高効率化を実現するために、洗濯機などに用いられるモータの磁極には高磁力の永久磁石が使用されるようになってきており、それに伴う問題も生じている。
例えば、ダイレクトドライブ式のモータを洗濯機に組込む場合において、その一般的な組立手順は、まず、ハウジングに設けられた軸受にロータシャフトが圧入され、その後ハウジングが洗濯機の水槽背面に取付けられる。そして、このハウジングに対してステータが固定される。このとき、ロータシャフトは水槽の内外を連通する形態となっている。そして、水槽内におけるロータシャフトの一端部には回転槽が取付けられ、水槽外におけるロータシャフトの他端部にはロータが固定されてステータの界磁空間に取付けられる。
例えば、ダイレクトドライブ式のモータを洗濯機に組込む場合において、その一般的な組立手順は、まず、ハウジングに設けられた軸受にロータシャフトが圧入され、その後ハウジングが洗濯機の水槽背面に取付けられる。そして、このハウジングに対してステータが固定される。このとき、ロータシャフトは水槽の内外を連通する形態となっている。そして、水槽内におけるロータシャフトの一端部には回転槽が取付けられ、水槽外におけるロータシャフトの他端部にはロータが固定されてステータの界磁空間に取付けられる。
このとき、ロータが高磁力の永久磁石を用いたものである場合、その高磁力の影響でロータとステータとが強く吸着されて嵌込みが難しくなるという事情があった。また、前記吸着力によってロータとステータとがぶつかって傷が生じることもあり、動作不良に繋がる虞があった。このため、高磁力の永久磁石を備えたモータの取付けにおいては熟練した技能と力とが必要とされ、従って、作業性に劣り組立コストも高くなるという事情があった。
本発明は上記した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ロータに高磁力の永久磁石を備えたモータが組込まれる洗濯機において、熟練した技能や力を必要とせずに、容易にロータを取付部位に取付け、及び取付部位からの取外しをすることができ、これにより作業性の向上と組立コストの削減を図ることのできる洗濯機の製造方法、洗濯機、及び洗濯機のロータの取付方法並びに取外方法を提供することにある。
上記した目的を達成するために、請求項1に係る洗濯機の製造方法は、ステータコイルが巻装されたステータと、磁極として着磁量の変更可能な永久磁石を含む複数の永久磁石を有するロータとを備えたモータを洗濯機本体内に組込むようにした洗濯機の製造方法において、前記ステータを水槽に取付けるステータ取付工程と、前記ロータの永久磁石に対して、着磁が行われ、逆起電力のチェックが行われ、その後減磁が行われて、前記着磁量の変更可能な永久磁石の減磁が行われた状態にしたロータを前記ステータの界磁空間に配置して回転可能に取付けるロータ取付工程とを実行することを特徴とする。
また、請求項2に係る洗濯機は、請求項1記載の洗濯機の製造方法で製造されたことを特徴とする。
また、請求項2に係る洗濯機は、請求項1記載の洗濯機の製造方法で製造されたことを特徴とする。
請求項4に係る洗濯機のロータの取外方法は、請求項2又は3記載の洗濯機からロータを取外す方法において、前記ステータのステータコイルに通電することにより前記ロータの着磁量変更可能な永久磁石を減磁した後に該ロータを前記ステータの界磁空間から取外すようにしたことを特徴とする。
請求項5に係る洗濯機は、請求項4記載の方法によりロータが取外される洗濯機において、ステータのステータコイルに通電してロータの着磁量の変更可能な永久磁石の減磁を行わせるために減磁キーを備えたことを特徴とする。
請求項6に係る洗濯機のロータの取付方法は、請求項4記載の方法によりロータが取外された洗濯機にロータを取付ける方法において、水槽に取付けられたステータに、着磁量の変更可能な永久磁石の減磁が行われた状態のロータをその界磁空間に配置して回転可能に取付けることを特徴とする。
請求項7に係る洗濯機は、請求項6記載の方法によりロータが取付けられた洗濯機において、ステータのステータコイルに通電してロータの着磁量の変更可能な永久磁石の増磁を行わせるための増磁キーを備えたことを特徴とする。
請求項1に係る洗濯機の製造方法及び請求項2に係る洗濯機によれば、ロータをステータの界磁空間に取付ける際には、ロータの着磁量の変更可能な永久磁石が減磁された状態であるため、減磁されていない状態に比べて減磁した分だけロータがステータに吸着され難くなっている。これにより、永久磁石の吸着力によりロータとステータとがぶつかって傷が生じることを極力防ぐことができ、ロータを容易にステータの界磁空間に配置して洗濯機本体に取付けることができる。
請求項4に係る洗濯機のロータの取外方法によれば、洗濯機からロータを取外すためにロータがステータの界磁空間から取外されるときには、ステータのステータコイルが通電されてロータの着磁量変更可能な永久磁石が減磁されるため、減磁されていない状態に比べて減磁した分だけロータがステータに吸着され難くなり、容易にロータをステータから取外すことができる。この結果、作業性の向上を図れるとともに、力を入れすぎて他の部品を損傷させたり、作業者が周囲の部品に当たり怪我をしたりする危険性も低減することができ、作業の安全性も向上することができる。
請求項5に係る洗濯機によれば、ステータのステータコイルに通電してロータの着磁量の変更可能な永久磁石の減磁を行わせるための減磁キーを備えているため、ロータの取外しの際に作業者は減磁キーを操作するだけで容易に減磁を行うことができ、作業性の向上を図ることができる。
請求項6に係る洗濯機のロータの取付方法によれば、修理などで一旦ロータが洗濯機から取外されてその後ロータが再度洗濯機に取付けられる場合であっても、ロータは着磁量変更可能な永久磁石は減磁された状態でステータに取付けられるため、ロータとステータとが強く吸着されることがない。従って、ロータを、容易にステータの界磁空間に配置して洗濯機に取付けることができる。
請求項7に係る洗濯機によれば、洗濯機にはステータのステータコイルに通電してロータの着磁量の変更可能な永久磁石の増磁を行わせるための増磁キーを備えているため、減磁状態で洗濯機に取付けられたロータを、作業者が洗濯機の増磁キーを操作するだけで容易に増磁を行うことができる。
以下、本発明の一実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1に示すように、ドラム式の洗濯機1の外郭を構成する、洗濯機本体たる外箱2の前面(図1では左側)のほぼ中央部には、洗濯物出入口3と、この洗濯物出入口3を開閉する扉4が設けられている。外箱2内には水槽5が配設されており、この水槽5は、前面側(図1では左側)が開口し背面側が閉塞された有底円筒状をなして内部に貯水可能となっている。水槽5は、その中心軸が前方に向かって若干上昇(後方に向かって若干下降)するように傾斜した横軸状の態様で、サスペンション6によって外箱2内に弾性支持されている。
図1に示すように、ドラム式の洗濯機1の外郭を構成する、洗濯機本体たる外箱2の前面(図1では左側)のほぼ中央部には、洗濯物出入口3と、この洗濯物出入口3を開閉する扉4が設けられている。外箱2内には水槽5が配設されており、この水槽5は、前面側(図1では左側)が開口し背面側が閉塞された有底円筒状をなして内部に貯水可能となっている。水槽5は、その中心軸が前方に向かって若干上昇(後方に向かって若干下降)するように傾斜した横軸状の態様で、サスペンション6によって外箱2内に弾性支持されている。
この水槽5の背面部には、モータ7(当該モータ7を構成するステータ8)が取り付けられている。ここで、このモータ7の取付態様を取付順に沿って図2から図7も参照して説明する。なお、図2では、外箱2及びサスペンション6の図示は省略している。
図2にも示すように、モータ7は、水槽5の背面に設けられる軸受ハウジング9にステータ8が固定され、軸受ハウジング9に支承されて水槽5外に突出したロータシャフト10の後端部にロータ11が取付けられて構成されている(図1参照)。
図2にも示すように、モータ7は、水槽5の背面に設けられる軸受ハウジング9にステータ8が固定され、軸受ハウジング9に支承されて水槽5外に突出したロータシャフト10の後端部にロータ11が取付けられて構成されている(図1参照)。
軸受ハウジング9は、図3で示すように、その中央部に円形状に開口する軸受挿入部9aを有している。この軸受挿入部9aには軸受(例えば玉軸受)12の外輪が圧入されるとともに、軸受12の内輪にロータシャフト10が圧入される。これにより、ロータシャフト10が軸受12を介して軸受ハウジング9に対して回転可能に支承される。そして、図4で示すように、軸受ハウジング9は、水槽5に設けられた軸穴5aに軸受ハウジング9から水槽5側(図1で左側)に突出したロータシャフト10の前端部が挿通されて、水槽5の背面に複数のボルト60により固定される。
その後、図5で示すように、軸受ハウジング9にステータ8が嵌めこまれてボルト61により固定される。そして、図6で示すように、水槽5の内側に突出したロータシャフト10の前端部に、負荷となる後述するドラム13が固定されるとともに、軸受ハウジング9から水槽5の外側に突出したロータシャフト10の後端部にロータ11が嵌込まれて、ワッシャ62及びナット63にて固定される。このとき、ロータシャフト10及びロータ11の嵌合部にはセレーションが形成されていて、ロータシャフト10とロータ11とが固定されている。また、ロータ11はステータ8に対して所定の空隙(エアギャップ)を有した状態で配設される。
ここで、前述した通り、水槽5内には前面側が開口し背面側が閉塞された有底円筒状のドラム13が配置され、このドラム13は背面の中心部がモータ7のロータシャフト10の前端部にボルト64により連結され(図7参照)、水槽5の内部に当該水槽5と同軸状に配置されている。従って、このドラム13も、その中心軸がほぼ横方向となる態様で、具体的には、中心軸が前方に向かって若干上昇(後方に向かって若干下降)するように傾斜した横軸状の態様で、水槽5内に回転可能に配設されている。これにより、モータ7は、ドラム13を回転させる駆動装置として機能する。
図1で示すように、ドラム13の周壁には、多数の孔14が全域にわたって形成されている。また、ドラム13の内周部には、洗濯物を掻き上げるための複数のバッフル15が周方向に所定間隔に設けられている。これらバッフル15は、水槽5(ドラム13)の軸線に沿うようにして前後方向に蛇行して延びるとともにドラム13の回転中心側に突出している
ドラム13の前面開口部の周囲部内側には、例えば液体封入形の回転バランサ16が設けられている。水槽5の前面開口部は、環状の弾性材(例えばゴム)からなるベローズ17により洗濯物出入口3に連結されている。この結果、洗濯物出入口3は、ベローズ17を介して、水槽5の内部に連なっている。
ドラム13の前面開口部の周囲部内側には、例えば液体封入形の回転バランサ16が設けられている。水槽5の前面開口部は、環状の弾性材(例えばゴム)からなるベローズ17により洗濯物出入口3に連結されている。この結果、洗濯物出入口3は、ベローズ17を介して、水槽5の内部に連なっている。
外箱2内の最上部には、給水弁18および給水ケース19が設けられている。給水弁18の入口部には、水源(水道の蛇口など)に接続した機外給水ホース(図示せず)が接続される。給水弁18の出口部には、接続パイプ20の一端部が接続されている。接続パイプ20の他端部は、給水ケース19に接続されている。給水ケース19の内部には、洗濯用剤投入ケース(図示せず)が収容されるようになっている。この給水ケース19には、機内給水ホース21の一端部が接続され、機内給水ホース21の他端部が水槽5の上部に接続されている。このような構成により、水源から給水弁18を介して供給される水を、接続パイプ20、給水ケース19および機内給水ホース21を通して水槽5内に給水可能となっている。
水槽5の背面側の底部には、排水口22が形成されている。この排水口22には、途中部に排水弁(図示せず)を有する排水ホース23の基端部が接続されている。排水ホース23の末端部は、外箱2内の底部から機外に延びている。このような構成により、水槽5内の水を、排水ホース23を通して機外に排水可能となっている。
図8を参照して、モータ7の全体構成を説明する。モータ7は、既述の通り、ステータ8と、これの外周に設けたロータ11を構成要素としている。ステータ8は、ステータコア24とステータコイル25u、25v、25wとから構成されている。ステータコア24は、環状のヨーク部24aと、当該ヨーク部24aの外周部から放射状に突出する多数のティース部24bとを有しており、ステータコイル25u、25v、25wは、各ティース部24bに巻装されている。
ロータ11は、フレーム26の周側壁の内周部にロータコア27が配設されて構成されており、そのロータコア27の内周面は、内方に向けて円弧状に突出する複数の凸部27cを有した凹凸状に形成されている。これら複数の凸部27cの内部には、軸方向に貫通し、短辺の長さが異なる矩形状挿入穴27a、27bが形成されており、それらが1つずつ交互に、環状に配置されている。各挿入穴27a、27bには、磁極としてネオジム磁石11aと、アルニコ磁石11bとの2種類の永久磁石が挿入されている。この場合、ネオジム磁石11aの保磁力は約900kA/m、アルニコ磁石11bの保磁力は約100kA/mであり、保磁力が9倍程度異なっている。このため、約100〜900kA/mの範囲で磁場を生じさせることで、ネオジム磁石11aの着磁量に影響を与えずに、アルニコ磁石11bの着磁量の変更が可能となる。
これら2種類の永久磁石11a、11bは、それぞれ1種類で1磁極を形成しており、その磁化方向がモータ7の径方向に沿うように、例えば各24個ずつ、合計で48個配置されている。このように2種類の永久磁石11a、11bを交互に且つその磁化方向が径方向に沿うように配置することで、隣同士に配置された永久磁石11a、11bが互いに反対方向に磁極を有する状態(一方のN極が内側、他方のN極が外側となる状態)となり、これらネオジム磁石11aとアルニコ磁石11bとの間に例えば矢印Aで示す方向に磁気経路(磁束)が生ずる。すなわち、保磁力が大きいネオジム磁石11aと保磁力が小さいアルニコ磁石11bの双方を通過する磁気経路が形成されるようになっている。
外箱2の前面上部には操作パネル28が設けられており、この操作パネル28には、図示はしないが、表示器及び各種の操作スイッチが設けられている。また、操作パネル28の裏面には、表示・操作用基板30及び制御回路31が設けられており、これら表示・操作用基板30と制御回路31とが通信を行うことで操作パネル28が制御される。制御回路31は、マイクロコンピュータで構成されており、操作パネル28の操作スイッチの操作に応じて給水弁18及びモータ7などを制御し、洗い、すすぎ及び脱水の洗濯運転を実行する。
図9は、モータ7の駆動系を概略的に示すものである。インバータ回路(PWM制御方式インバータ)32は、6個のIGBT(半導体スイッチング素子)33a〜33fを三相ブリッジ接続して構成されており、各IGBT33a〜33fのコレクタ−エミッタ間には、フライホイールダイオード34a〜34fが接続されている。
下アーム側のIGBT33d、33e、33fのエミッタは、シャント抵抗35u、35v、35wを介してグランドに接続されている。また、IGBT33d、33e、33fのエミッタとシャント抵抗35u、35v、35wとの共通接続点は、夫々レベルシフト回路36を介して制御回路31に接続されている。なお、モータ7のステータコイル25u、25v、25wには最大で15A程度流れるので、シャント抵抗35u〜35wの抵抗値は、例えば0.1Ωに設定されている。
レベルシフト回路36はオペアンプなどを含んで構成され、シャント抵抗35u〜35wの端子電圧を増幅すると共にその増幅信号の出力範囲が正側に収まるように(例えば、0〜+3.3V)バイアスを与える。また、過電流比較回路37は、インバータ回路32の上下アームが短絡した場合、回路の破壊を防止するために過電流検出を行なう。
インバータ回路32の入力側には駆動用電源回路38が接続されている。駆動用電源回路38は、100Vの交流電源39を、ダイオードブリッジで構成される全波整流回路40及び直列接続された2個の電解コンデンサ41a、41bにより倍電圧全波整流し、約280Vの直流電圧をインバータ回路32に供給する。インバータ回路32の各相出力端子は、モータ7の各相のステータコイル25u、25v、25wに接続されている。
なお、交流電源39の一端と全波整流回路40の交流入力端子の一方側との間には、リレー42が挿入されており、交流入力端子間にはフォトカプラ(PC)43が、抵抗素子44a、44bをそれぞれ介して接続されている。また、リレー42に対しては、常開型の電源スイッチ45が並列に接続されている。電源スイッチ45がユーザによりオン操作されモーメンタリ動作によって閉じると、リレー42の両端が短絡されて制御回路31に初期電源が供給される。すると、制御回路31は、リレー42の図示しないコイルに通電してリレー42を閉じることで、以降の電源供給を維持する。また制御回路31は、交流電源周波数に応じたフォトカプラ43の出力信号(周波数50Hz/60Hzの信号)を参照することで、交流電源39が入力されているか否かを判定する。
制御回路31は、レベルシフト回路36を介して得られるモータ7のステータコイル25u〜25wに流れる電流Iu〜Iwを検出し、その電流値に基づいて2次側の回転磁界の位相及び回転角速度を推定すると共に、三相電流を直交座標変換及びd−q(direct−quadrature) 座標変換して励磁電流成分及びトルク電流成分を得る。
そして、制御回路31は外部より速度指令が与えられると、推定した位相及び回転角速度、並びに電流成分に基づいて電流指令を生成し、それを電圧指令に変換すると直交座標変換及び三相座標変換を行なう。最終的には、駆動信号がPWM信号として生成され、インバータ回路32を介してモータ7のステータコイル25u、25v、25wに出力される。
第1電源回路46は、インバータ回路32に供給される約280Vの駆動用電源を降圧して15Vの制御用電源を生成して制御回路31及び駆動回路47に供給するようになっている。また、第2電源回路48は、第1電源回路46によって生成された15V電源より3.3V電源を生成し、制御回路31に供給する三端子レギュレータである。高圧ドライバ回路49は、インバータ回路32における上アーム側のIGBT33a〜33cを駆動するために配置されている。
また、モータ7のロータには、起動時に使用するための例えばホールICで構成される回転位置センサ50(u、v、w)が配置されており、回転位置センサ50が出力するロータの位置信号は、制御回路31に与えられている。すなわち、モータ7の起動時において、ロータ位置の推定が可能となる回転速度(例えば、約30rpm)までは、回転位置センサ50を使用してベクトル制御を行い、上記回転速度に達した以降は、回転位置センサ50を使用しないセンサレスベクトル制御に切り替える。
また、駆動用電源回路38の出力端子とグランドとの間には、抵抗素子51a、51bの直列回路が接続されており、それらの共通接続点は、制御回路31の入力端子に接続されている。制御回路31は、抵抗素子51a、51bにより分圧されたインバータ回路32の入力電圧を読み込み、PWM信号デューティを決定するための基準とする。
インバータ回路32のW相出力端子とグランドとの間には、ダイオード52、抵抗素子53a、53bの直列回路が接続されており、抵抗素子53bには、コンデンサ54が並列に接続されている。そして、抵抗素子53a、53bの共通接続点は、制御回路31の入力端子に接続されており、制御回路31は、モータ7が空転している場合にステータコイル25wに発生する誘起電圧を検出する。
その他、制御回路31は、例えばドアロック制御回路や乾燥用ファンモータなどの各種電装品55を制御したり、前述した表示・操作用基板30との間で操作信号や制御信号などの入出力を行う。また、洗濯運転の進行状況に応じて扉4の施錠(ロック),解錠(アンロック)を行うためのドアロックアクチュエータ56の駆動を制御する。
次に、上記の洗濯機の製造方法について、図10も参照して説明する。
モータ7を構成するステータ8及びロータ11は、洗濯機1の外箱2や水槽5などが組立てられる工程(生産ライン)とは異なる工程(生産ライン)で組立てられる。
まず、本体製造工程において、外箱2が組立てられ、この外箱2内に水槽5及び水槽5を弾性支持するサスペンション6が配置される(ステップE1)。次に、図4で示したように、軸受ハウジング9にロータシャフト10が設けられた状態で、水槽5の背面に取付けられる(ステップE2)。
モータ7を構成するステータ8及びロータ11は、洗濯機1の外箱2や水槽5などが組立てられる工程(生産ライン)とは異なる工程(生産ライン)で組立てられる。
まず、本体製造工程において、外箱2が組立てられ、この外箱2内に水槽5及び水槽5を弾性支持するサスペンション6が配置される(ステップE1)。次に、図4で示したように、軸受ハウジング9にロータシャフト10が設けられた状態で、水槽5の背面に取付けられる(ステップE2)。
本体製造工程とは別にステータ製造工程が実行される。このステータ製造工程においてステータ8は、図8で示すように、例えば電磁鋼板をプレスなどによりヨーク部24a及びティース部24bを有するように打ち抜いて形成された鉄片が複数枚積層されてステータコア24が成形される(ステップF1)。そして、このステータコア24を樹脂により一体成形したうえで、このステータコア24のティース部24bに、U相、V相、W相の順にステータコイル25u、25v、25wが巻装されて(ステップF2)ステータ8が形成される。その後、ステータ8は本体製造工程のラインへと搬送されて、水槽5の背面に取付けられた軸受ハウジング9に取付けられる(ステップE3)。
前記ステータ製造工程とは別に、ロータ製造工程が実行される。ロータ製造工程において、図8で示すように、ロータ11は、磁性体である例えば鉄板などをプレス加工することによって扁平な有底円筒状に形成されたフレーム26の内周側に、例えば電磁鋼板などを打ち抜いて成形された複数枚の鉄片が積層されて、該鉄片がかしめられることによって形成されたロータコア27が設けられて構成される(ステップG1)。
そして、ロータコア27の円周に沿って環状に設けられた永久磁石用の挿入穴27a、27bに、ネオジム磁石11a用の磁性体とアルニコ磁石11b用の磁性体とが交互に挿入されて(ステップG2)、例えばステンレス製のロータ嵌合部材11cとロータコア27とが樹脂により一体成形されてロータ11が形成される。
そして、ロータコア27の円周に沿って環状に設けられた永久磁石用の挿入穴27a、27bに、ネオジム磁石11a用の磁性体とアルニコ磁石11b用の磁性体とが交互に挿入されて(ステップG2)、例えばステンレス製のロータ嵌合部材11cとロータコア27とが樹脂により一体成形されてロータ11が形成される。
次に、前記永久磁石11a、11b用の磁性体が着磁される(ステップG3)。この着磁は、例えばロータ11の磁極(永久磁石11a、11b用の磁性体)に対向するように配置されて、ロータ11の磁極数と同数となる48極のコイルを有する図示しない着磁コイルに、ロータ11を被せるようにして配置する。そして、着磁コイル用電源(図示しない)から前記着磁コイルに、例えば約3kVの高電圧を印加する。すると、着磁コイルに永久磁石11a、11bの保磁力よりも強い磁場が発生して、これら永久磁石11a、11bが着磁される。
前記永久磁石11a、11bの着磁がされると、これら永久磁石11a、11bの着磁量のチェック、及びロータ11が正常に動作するかの起電力チェックが行われる(ステップG4)。そして、その後、アルニコ磁石11bのみの減磁が行われる(ステップG5)。この場合、前記着磁コイルに低電圧を印加して、ネオジム磁石11aの保磁力よりも弱い、約100〜900kA/mの磁場を発生させてアルニコ磁石11bのみを減磁すれば良い。また、前記着磁コイルとは別の、アルニコ磁石11bにのみ対向するように配置されたコイルを有する減磁コイルを用いて、アルニコ磁石11bのみを減磁しても良い。
そして、ロータ11は、アルニコ磁石11bが減磁された状態で本体製造工程のラインへと搬送される。このとき、ロータ11は減磁された状態であるため、移送の際に金属製異物などがロータ11に付着する虞を低減することができる。
次に、ロータ取付工程が実行される(ステップE4)。ロータ取付工程では、まず、着磁量の変更可能な永久磁石(アルニコ磁石11b)の減磁が行われた状態にしたロータ11が、軸受ハウジング9から水槽5の外側に突出したロータシャフト10に固定される。そして、ロータ11はステータ8の界磁空間に配置されて、ロータシャフト10を介して水槽5に対して回転可能に取付けられる。このとき、ロータ11の取付けにおいては、該ロータ11が減磁された状態であり、ステータ8とロータ11との吸着力も弱いため、作業性が良くエアギャップの調整もし易い。
そして、水槽5内においてロータシャフト10にドラム13が一体回転可能に連結される。さらに、扉4や操作パネル28、制御回路31などの洗濯機1を構成する各種部品が組立てられた後に、ロータ11の増磁がされる(ステップE5)。この増磁は、後述する増磁キー操作をすると、洗濯機1に組込まれたステータ8が通電されて磁場が生じることにより、アルニコ磁石11bを増磁させるものである。
そして、洗濯機1が完成し、ロータ11が増磁された状態で該洗濯機1が出荷される(ステップE6)。
そして、洗濯機1が完成し、ロータ11が増磁された状態で該洗濯機1が出荷される(ステップE6)。
ここで、洗濯機1におけるステータ8の通電による、ロータ11のアルニコ磁石11bの着磁量を変化させる処理について図11も参照して説明する。
まず、図11(a)を参照してアルニコ磁石11bが減磁されている状態から増磁させる場合の処理を説明する。電源スイッチ45を操作して洗濯機1の電源投入後、増磁キー操作をすることにより、いわゆるサービスモードが実行されて増磁処理が開始される。ここで、増磁キーは専用のスイッチなどを特別に設ける必要はなく、操作パネル28に設けられた既設のボタンなどを用いて、通常では使用しない態様で増磁キーを設定すれば良い。即ち、複数のボタンを同時に押して操作するなど、いわゆる隠しキー操作を行うように設定する。隠しキー操作の一例として、電源投入後3秒以内に、操作パネル28に設けられた「洗い」、「すすぎ」、「コース選択」、「スタート」の全てのボタン(いずれも図示しない)を同時に押すなどの方法がある。なお、増磁キー用のスイッチなどを専用に設けることも当然に考えられる。
まず、図11(a)を参照してアルニコ磁石11bが減磁されている状態から増磁させる場合の処理を説明する。電源スイッチ45を操作して洗濯機1の電源投入後、増磁キー操作をすることにより、いわゆるサービスモードが実行されて増磁処理が開始される。ここで、増磁キーは専用のスイッチなどを特別に設ける必要はなく、操作パネル28に設けられた既設のボタンなどを用いて、通常では使用しない態様で増磁キーを設定すれば良い。即ち、複数のボタンを同時に押して操作するなど、いわゆる隠しキー操作を行うように設定する。隠しキー操作の一例として、電源投入後3秒以内に、操作パネル28に設けられた「洗い」、「すすぎ」、「コース選択」、「スタート」の全てのボタン(いずれも図示しない)を同時に押すなどの方法がある。なお、増磁キー用のスイッチなどを専用に設けることも当然に考えられる。
次に、増磁処理が開始されると、アルニコ磁石11bを増磁させるように制御回路31のベクトル制御によるd軸電流が出力される(ステップH1)。この場合、24個のアルニコ磁石11bの内、1/2の12個が増磁される。次に、その状態からロータ11を電気角で360°(機械角で15°)移動させるように通電相を変化させて(ステップH2)、再度d軸電流を出力すると(ステップH3)、アルニコ磁石11bの残り1/2(12個)が増磁されて、増磁処理を終了する。
ここで、図8(a)に示すように、アルニコ磁石11bは時計回りにU、V、W、…の順に並んでおり、例えば最上部のU相を基準にロータ11を位置決めすると、ステータ8のティース部24bが相対するアルニコ磁石11bは、U、W、V、U、W、V、…の1つ置き順となる。したがって、ステップH1では上記のようにアルニコ磁石11bが1つ置きに増磁され、それらの間に位置するアルニコ磁石11bは、着磁が不完全な状態となる。そこで、ステップH2でロータ11を電気角で360°移動させると、残りのアルニコ磁石11bを良好に増磁させることが可能となる。また、ステップH1においてd軸電流を発生させて最初の増磁を行う場合には、それ以前に、回転位置センサ50u、50v、50wにより停止状態にあるロータ11の位置を把握した後に、その停止位置に応じて通電相を決定する。
図11(b)を参照してアルニコ磁石11bが増磁されている状態から減磁させる場合の処理について説明する。この場合も、増磁処理と同様に電源スイッチ45を操作して洗濯機1の電源投入後、減磁キー操作をすることにより、いわゆるサービスモードが実行されて減磁処理が開始される。基本的な手順は、図11(a)の増磁処理と同じであり、ステップI1、I3において、ステップH1、H3とは逆向きの磁場を生じさせるようなd軸電流(減磁電流)が出力されて、アルニコ磁石11bが減磁される。また、減磁キーについても増磁キーと同様の考え方であり、操作されるボタンの選択種類や操作回数を増磁キーとは異ならせて減磁キーを設定すれば良い。この場合も当然に、減磁キー専用のスイッチなどを設けても良い。
このとき、ステップI1、I3で出力されるd軸電流は複数段階に設定可能となっていて、このd軸電流の大きさを調整することでアルニコ磁石11bの着磁量が複数段階に減磁可能となっている。これにより、減磁処理を行う際に、アルニコ磁石11bの着磁量を若干残した状態で減磁することができるため、その後の増磁処理においてアルニコ磁石11bの残った磁力を用いてロータ11を回転させて位置決めを行うことができる。
また、減磁処理と同様に増磁処理においても、ステップH1、H3で出力されるd軸電流を複数段階に設定可能とし、このd軸電流の大きさを調整することでアルニコ磁石11bの着磁量を複数段階に増磁可能としても良い。
また、減磁処理と同様に増磁処理においても、ステップH1、H3で出力されるd軸電流を複数段階に設定可能とし、このd軸電流の大きさを調整することでアルニコ磁石11bの着磁量を複数段階に増磁可能としても良い。
次に、洗濯機1からロータ11の取外方法及び取付方法について図12も参照して説明する。
図12は、モータ7の修理時における、ロータ11の取外し及び取付けの手順を示したものである。まず、洗濯機1の修理が開始されると、サービスマンなどの作業者により故障個所の特定がされ(ステップJ1)、モータ7(ロータ11)の取外しが必要か否かが判断される(ステップJ2)。ここで、モータ7の取外しが必要でないと判断されると(ステップJ2でNO)、該当箇所を点検・修理し(J13)、その後動作点検がなされて(ステップJ14)修理が完了する。
図12は、モータ7の修理時における、ロータ11の取外し及び取付けの手順を示したものである。まず、洗濯機1の修理が開始されると、サービスマンなどの作業者により故障個所の特定がされ(ステップJ1)、モータ7(ロータ11)の取外しが必要か否かが判断される(ステップJ2)。ここで、モータ7の取外しが必要でないと判断されると(ステップJ2でNO)、該当箇所を点検・修理し(J13)、その後動作点検がなされて(ステップJ14)修理が完了する。
ステップJ2でモータ7の取外しが必要と判断されると(ステップJ2でYES)、作業者によって電源スイッチ45が操作されて洗濯機1の電源を投入され(ステップJ3)、その後減磁キー操作が行われる(ステップJ4)。すると、図11の(b)で示した減磁処理が実行されて(ステップJ5)、アルニコ磁石11bが減磁される。このとき、減磁処理後のアルニコ磁石11bの着磁量は、ロータ11がかろうじて回転制御できる程度に残しておく。
そして、作業者はステップJ5の減磁処理の終了を確認してから洗濯機1の電源を切る(ステップJ6)。このとき、作業者が洗濯機1の電源スイッチ45を操作して電源を切るのではなく、ステップJ5における減磁処理の終了後、自動で電源が切れる構成としても良い。その後、ロータ11がステータ8の界磁空間から取外されて、洗濯機1から取外される(ステップJ7)。また、必要であればステータ8も取外して、モータ7を洗濯機1から取外せば良い。このとき、ロータ11のアルニコ磁石11bは減磁された状態であるため、減磁した分だけステータ8とロータ11との吸着力は弱くなっており、従って作業性が良い。
そして、ロータ11を含むモータ7の点検・修理(必要であれば交換も)が行われて(ステップJ8)、その後アルニコ磁石11bを減磁させた状態で、ロータ11が水槽5に取付けられたステータ8の界磁空間に配置されて回転可能に再び取付けられる(ステップJ9)。このときも、ロータ11のアルニコ磁石11bは減磁された状態であるため、減磁した分だけステータ8とロータ11との吸着力は弱くなっており、従って作業性が良い。
そして、作業者が電源スイッチ45を操作すると、洗濯機1の電源が再び投入される(ステップJ10)。その後、作業者により増磁キー操作が行われると(ステップJ11)、図11の(a)で示した増磁処理が実行されて(ステップJ12)、アルニコ磁石11bが増磁される。このとき、ステップJ5における減磁処理において、アルニコ磁石11bの着磁量はロータ11がかろうじて回転制御できる程度に残されているため、増磁のためのd軸電流を与える際に、ロータ11を回転制御させて位置決めを行うことができる。
その後、動作点検がなされて(ステップJ14)修理が完了する。
その後、動作点検がなされて(ステップJ14)修理が完了する。
続いて、洗濯機1の廃棄時におけるロータ11の取外しの手順を図13も参照して説明する。
図13に、洗濯機1の廃棄時におけるロータ11の取外手順を示す。まず、修理時と同様に作業者によって電源スイッチ45が操作されて洗濯機1の電源が投入される(ステップK1)。そして、減磁キー操作がされると(ステップK2)、修理時と同様にサービスモードが実行されて、図11(b)で示した減磁処理が実行される(ステップK3)。このとき、ロータ11は廃棄を前提とした(再取付・再使用を前提としない)取外しであるため、アルニコ磁石11bの着磁量を可能な限り無くすように最大減磁動作が実行される。この場合、最大減磁動作が実行されると再度の増磁が困難となるため、誤操作を防止する措置を講じた方が良い。例えば、異なるボタンを複数回操作したり複雑な手順を踏むなどしたりして、廃棄専用の減磁キーを設けることが考えられる。具体的には、電源スイッチ45の操作後(電源投入後)、一定時間(例えば3秒程度)内に、操作パネル28に設けた「洗い」、「すすぎ」、「コース選択」、「スタート」を全て同時に押した後、さらに「脱水」、「風呂水」、「乾燥」、「スタート」を同時に押すなどとする。また、減磁キーを入力後、警告を発したりする構成としても良く、これらを併用する構成であればなお良い。
図13に、洗濯機1の廃棄時におけるロータ11の取外手順を示す。まず、修理時と同様に作業者によって電源スイッチ45が操作されて洗濯機1の電源が投入される(ステップK1)。そして、減磁キー操作がされると(ステップK2)、修理時と同様にサービスモードが実行されて、図11(b)で示した減磁処理が実行される(ステップK3)。このとき、ロータ11は廃棄を前提とした(再取付・再使用を前提としない)取外しであるため、アルニコ磁石11bの着磁量を可能な限り無くすように最大減磁動作が実行される。この場合、最大減磁動作が実行されると再度の増磁が困難となるため、誤操作を防止する措置を講じた方が良い。例えば、異なるボタンを複数回操作したり複雑な手順を踏むなどしたりして、廃棄専用の減磁キーを設けることが考えられる。具体的には、電源スイッチ45の操作後(電源投入後)、一定時間(例えば3秒程度)内に、操作パネル28に設けた「洗い」、「すすぎ」、「コース選択」、「スタート」を全て同時に押した後、さらに「脱水」、「風呂水」、「乾燥」、「スタート」を同時に押すなどとする。また、減磁キーを入力後、警告を発したりする構成としても良く、これらを併用する構成であればなお良い。
そして、ロータ11のアルニコ磁石11bの着磁量が減磁された状態で、ロータ11がステータ8の界磁空間から取外され、そして解体・分別リサイクルがされる(ステップK4)。このとき、ロータ11のアルニコ磁石11bは着磁量を極力無くすように減磁された状態であるため、ステータ8とロータ11との吸着力も強くなく、従って取外しの作業性が良い。
ちなみに、一般的にモータなど磁性材料を含む機器の分別リサイクルを行う際には、粉砕破壊時に磁力により他の金属を吸い寄せてしまうため、分別作業の効率が落ちるばかりでなく、様々な金属が混ざってしまい再利用時に不純物の多い粗悪品となる不都合があった。このため、廃棄時の、モータ7の取外しの工程において、ロータ11の永久磁石を減磁し、着磁量を極力無くすことにより、上記の不都合をも改善することができる。
このような本実施形態においては、次のような作用、効果を得ることができる
本実施形態による洗濯機の製造方法によれば、モータ7に設けられるロータ11は、磁極として着磁量の変更可能なアルニコ磁石11bと、アルニコ磁石11bより保磁力の大きいネオジム磁石11aとを有して構成されており、これら永久磁石11a、11bの着磁が行われ、起電力のチェックが行われ、その後減磁が行われて、アルニコ磁石11bの減磁が行われた状態にしたロータ11をステータ8の界磁空間に配置して回転可能に洗濯機1に取付けるロータ取付工程を実行するようにした。これによれば、ロータ11をステータ8の界磁空間に配設する際には、アルニコ磁石11bが減磁された状態であるため、減磁されていない状態に比べて減磁した分だけロータ11がステータ8に吸着され難くなっている。従って、ロータ11を洗濯機1に取付ける際に、永久磁石の吸着力によりロータ11とステータ8とがぶつかって傷が生じることを極力防ぐことができ、ロータ11をステータ8の界磁空間に容易に取付けることができる。この結果、ロータ11に高磁力の永久磁石を備えた場合であっても、その取付けには、熟練した技能や力を必要とせずに容易に取付作業を行うことができるため、作業性に優れ組立コストを削減することができる。
本実施形態による洗濯機の製造方法によれば、モータ7に設けられるロータ11は、磁極として着磁量の変更可能なアルニコ磁石11bと、アルニコ磁石11bより保磁力の大きいネオジム磁石11aとを有して構成されており、これら永久磁石11a、11bの着磁が行われ、起電力のチェックが行われ、その後減磁が行われて、アルニコ磁石11bの減磁が行われた状態にしたロータ11をステータ8の界磁空間に配置して回転可能に洗濯機1に取付けるロータ取付工程を実行するようにした。これによれば、ロータ11をステータ8の界磁空間に配設する際には、アルニコ磁石11bが減磁された状態であるため、減磁されていない状態に比べて減磁した分だけロータ11がステータ8に吸着され難くなっている。従って、ロータ11を洗濯機1に取付ける際に、永久磁石の吸着力によりロータ11とステータ8とがぶつかって傷が生じることを極力防ぐことができ、ロータ11をステータ8の界磁空間に容易に取付けることができる。この結果、ロータ11に高磁力の永久磁石を備えた場合であっても、その取付けには、熟練した技能や力を必要とせずに容易に取付作業を行うことができるため、作業性に優れ組立コストを削減することができる。
また、本実施形態による洗濯機によれば、図11で示すアルニコ磁石11bの着磁量を変更する処理において、出力されるd軸電流は複数段階に設定可能となっていて、これにより、着磁量が複数段階に変更される。このため、アルニコ磁石11bの着磁量を若干残した状態で減磁することができ、その後の増磁処理においてアルニコ磁石11bの残った磁力を用いてロータ11を回転させて位置決めを行うことができる。これにより、正確に増磁処理が行われるため、d軸電流を与える時間や回数も少なくて済み、従って省エネ効果も期待できる。また、製造工程や修理時、廃棄時などの状況によって着磁量(減磁量)を選択することもできる。この結果、作業効率や利便性の向上を図ることができる。
さらに、本実施形態におけるロータ11の取外方法によれば、洗濯機1からロータ11を取外すときには、ステータ8のステータコイル25を通電させてアルニコ磁石11bを減磁状態にした後、ロータ11をステータ8の界磁空間から取外すようにしているため、ロータ11とステータ8とが強く吸着されることがなく、容易にロータ11をステータ8から取外すことができる。この結果、取外作業に熟練した技能が必要とならず、作業性の向上や作業コストの削減を図ることができる。
そして、本実施形態における洗濯機1には、ステータ8のステータコイル25に通電してロータ11のアルニコ磁石11bの着磁量を変更するために、減磁キー又は増磁キーを設ける構成とした。これにより、ロータ11の取外し、又は取付けの際に作業者は減磁キー又は減磁キーを操作するだけで容易にアルニコ磁石11bの着磁量の変更(減磁又は増磁)を行うことができ、作業性の向上を図ることができる。
さらに、本実施形態におけるロータ11の取付方法によれば、ロータ11を洗濯機1の水槽5に取付けられたステータ8に再度取付けるときには、ロータ11のアルニコ磁石11bが減磁された状態でステータ8の界磁空間に配置して回転可能に取付けられるため、ロータ11とステータ8とが強く吸着されることなく、容易にロータ11を洗濯機1に取付けることができ、作業性が向上する。
なお、上記実施形態では、本発明をドラム式の洗濯機に適用する構成としたが、モータがギヤボックスを介して回転槽及びパルセータに連結される縦型の洗濯機に適用する構成としても良い。
また、着磁量の変更可能な永久磁石はアルニコ磁石11bに限られない。即ち、永久磁石の保磁力が、ステータ8のステータコイル25u、25v、25wが通電されたときに生じる磁場よりも小さければ着磁量の変更が可能である。従って、例えば、着磁量の変更可能な永久磁石はサマコバ磁石やフェライト磁石などとしても良い。
また、着磁量の変更可能な永久磁石はアルニコ磁石11bに限られない。即ち、永久磁石の保磁力が、ステータ8のステータコイル25u、25v、25wが通電されたときに生じる磁場よりも小さければ着磁量の変更が可能である。従って、例えば、着磁量の変更可能な永久磁石はサマコバ磁石やフェライト磁石などとしても良い。
さらに、上記実施形態では、ネオジム磁石11aと着磁量の変更可能なアルニコ磁石11bとを各24個ずつ、合計で48個配置する構成としたが、構成比率はこれに限られず、全て着磁量の変更可能なアルニコ磁石11bとしても良い。
その他、本発明は上記実施形態に示したようなステータの外周側にロータを配置した、いわゆるアウターロータ型のモータに限定されるものではなく、ステータの内周側にロータを配置した、いわゆるインナーロータ型のモータにも適用できるなど、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施し得るものである。
その他、本発明は上記実施形態に示したようなステータの外周側にロータを配置した、いわゆるアウターロータ型のモータに限定されるものではなく、ステータの内周側にロータを配置した、いわゆるインナーロータ型のモータにも適用できるなど、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施し得るものである。
図面中、1は洗濯機、2は外箱(洗濯機本体)、7はモータ、8はステータ、11はロータ、11aはネオジム磁石(永久磁石)、11bはアルニコ磁石(着磁量の変更可能な永久磁石)、25u、25v、25wはステータコイルを示す。
Claims (7)
- ステータコイルが巻装されたステータと、磁極として着磁量の変更可能な永久磁石を含む複数の永久磁石を有するロータとを備えたモータを洗濯機本体内に組込むようにした洗濯機の製造方法において、
前記ステータを水槽に取付けるステータ取付工程と、
前記ロータの永久磁石に対して、着磁が行われ、逆起電力のチェックが行われ、その後減磁が行われて、前記着磁量の変更可能な永久磁石の減磁が行われた状態にしたロータを前記ステータの界磁空間に配置して回転可能に取付けるロータ取付工程とを実行することを特徴とする洗濯機の製造方法。 - 請求項1記載の洗濯機の製造方法で製造されたことを特徴とする洗濯機。
- ロータの着磁量の変更可能な永久磁石は、着磁量が複数段階に変更されることを特徴とする請求項2記載の洗濯機。
- 請求項2又は3記載の洗濯機からロータを取外す方法において、
前記ステータのステータコイルに通電することにより前記ロータの着磁量変更可能な永久磁石を減磁した後に該ロータを前記ステータの界磁空間から取外すようにしたことを特徴とする洗濯機のロータの取外方法。 - 請求項4記載の方法によりロータが取外される洗濯機において、
ステータのステータコイルに通電してロータの着磁量の変更可能な永久磁石の減磁を行わせるために減磁キーを備えたことを特徴とする洗濯機。 - 請求項4記載の方法によりロータが取外された洗濯機にロータを取付ける方法において、
水槽に取付けられたステータに、着磁量の変更可能な永久磁石の減磁が行われた状態のロータをその界磁空間に配置して回転可能に取付けることを特徴とする洗濯機のロータの取付方法。 - 請求項6記載の方法によりロータが取付けられた洗濯機において、
ステータのステータコイルに通電してロータの着磁量の変更可能な永久磁石の増磁を行わせるための増磁キーを備えたことを特徴とする洗濯機。
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015217064A (ja) * | 2014-05-16 | 2015-12-07 | 株式会社東京洗染機械製作所 | 洗濯機の主軸受構造 |
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2010
- 2010-03-09 JP JP2010051716A patent/JP2011188637A/ja active Pending
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