JP2011187640A - 成膜基板、成膜基板の製造方法、および成膜装置 - Google Patents

成膜基板、成膜基板の製造方法、および成膜装置 Download PDF

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Abstract

【課題】膜厚の低下を図りつつ、エッチング工程を不要として低コスト化を図り、凹凸構造を有する薄膜層が被成膜基板表面に成膜された成膜基板、その製造方法、および成膜装置を提供すること。
【解決手段】成膜基板1は、被成膜基板2表面の平坦部に、凹凸構造を有する薄膜層3が成膜された基板であって、凹凸構造は、酸化インジウムを含んだ薄膜層3が成膜されることで形成されたものとする。また、成膜基板1の製造方法は、被成膜基板2表面の平坦部に、凹凸構造を有する薄膜層3が成膜された基板1を製造する方法であって、被成膜基板2表面に、酸化インジウムを含む薄膜層3を成膜し、この成膜を行うことで凹凸構造を形成する薄膜工程を有するものとする。これにより、凹凸構造を形成するためのエッチィング工程を不要とし、低コスト化を図り、酸化インジウムを含んだ透明導電膜3とすることで、膜厚を低下させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、被成膜基板の平坦部に、凹凸構造を有する薄膜層が成膜された成膜基板、成膜基板の製造方法、および成膜装置に関するものである。
例えば、アモルファスシリコン型太陽電池では、受光部に入射した光を散乱させるための凹凸構造(テクスチャー構造)が形成された透明電極が採用されている。これにより、受光部に入射した光を好適に散乱させることができ、太陽電池セル内に光を閉じ込めることで、入射光の有効活用を図り発電効率を向上させることができる。
このような凹凸構造が形成された透明電極では、透明導電膜材料として、例えば酸化錫(SnO)が使用されたものがある。酸化錫は、体積抵抗率が高いため、酸化錫を用いて透明電極として必要な面抵抗を実現するためには、膜厚を厚くする必要があった。そして、膜厚を厚くした場合には、光の透過率が低下してしまい、太陽電池として所望の発電効率を得ることができなかった。
また、表面に凹凸が形成された透明導電膜として、特開2001−176334号公報(特許文献1)に記載のものがある。特許文献1に記載の技術では、基板上に酸化インジウム・酸化錫複合酸化物を含むアルコキシド溶液の液滴を付着させて凸部を形成し、この凸部及び基板を覆うように透明導電性被膜層が積層されている。
2002−176334号公報
ここで、透明導電膜材料として、酸化錫より体積抵抗率が1桁低いITO(Indium Tin Oxide)を使用し膜厚を低下させることで、透過率の向上を図り発電効率を向上させることが考えられる。しかし、凹凸構造が形成された透明電極を、ITOを用いて製造する場合には、成膜工程後に、凹凸構造を形成するためのエッチング工程を実施する必要があった。
このようなエッチング工程では、例えば塩酸などのエッチング溶液を用いるため、廃液処理を行う必要があり、廃液処理コストがかさむという問題があった。また、近年のコスト競争の激化により、ランニングコストの削減、設備コストの削減が求められているため、更なるコスト削減が求められている。
本発明は、このような課題を解決するために成されたものであり、膜厚の低下を図りつつ、エッチング工程を不要として低コスト化を図り、凹凸構造を有する薄膜層が被成膜基板表面に成膜された成膜基板、その製造方法、およびその基板を成膜する成膜装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、被成膜基板表面に薄膜層を成膜する際に、当該薄膜層に凹凸構造を形成することが可能であることを見出した。
そこで、本発明による成膜基板は、被成膜基板表面の平坦部に、凹凸構造を有する薄膜層が成膜された成膜基板であって、凹凸構造は、酸化インジウムを含んだ薄膜層が成膜されることで形成されたものであることを特徴としている。
このような成膜基板は、酸化インジウムを含んだ薄膜層を成膜する際に、当該薄膜層に凹凸構造が形成されたものであるため、凹凸構造を形成するためのエッチング工程を不要とすることができる。このようにエッチング工程を省略することができるため、ランニングコスト、設備コスト、廃液処理コストなどを削減することができる。また、酸化インジウムを含んだ薄膜層を成膜することで、膜厚の低下が図られている。
ここで、凹凸構造における凸部の先端形状は丸みを帯びていることが好適である。これにより、凹凸構造を有する薄膜層上に形成される他の積層部にクラックが生じるおそれが低減される。また、凸部の先端形状が丸みを帯びているため、薄膜層上に形成された他の積層部の剥離のおそれを低減することができる。
また、本発明の成膜基板の製造方法は、被成膜基板表面の平坦部に、凹凸構造を有する薄膜層が成膜された成膜基板を製造する方法であって、被成膜基板表面に、酸化インジウムを含む薄膜層を成膜し、この成膜を行うことで凹凸構造を形成する薄膜工程を有することを特徴としている。
このような成膜基板の製造方法は、酸化インジウムを含んだ薄膜層を成膜する際に、当該薄膜層に凹凸構造が形成される成膜工程を備え、成膜工程を行うことで凹凸構造が形成されるため、凹凸構造を形成するためのエッチング工程が不要となる。このようにエッチング工程を省略することができるため、ランニングコスト、設備コスト、廃液処理コストなどを削減することができる。また、酸化インジウムを含んだ薄膜層を成膜することで、膜厚の低下が図られている。
ここで、成膜工程では、成膜が行われる成膜室内の酸素量を制御することで、凹凸構造の高低差を調整することが好適である。これにより、成膜室内の酸素量を制御するだけで、凹凸構造の高低差を調整することができるため、容易に制御を行うことができ、凹凸構造の高さの制御精度を向上させることができる。
また、本発明の成膜装置は、被成膜基板表面の平坦部に、凹凸構造を有する薄膜層を成膜する成膜装置であって、被成膜基板表面に、酸化インジウムを含む薄膜層を成膜し、この成膜を行うことで凹凸構造を形成する成膜室と、成膜室内の酸素量を制御する酸素量制御手段と、を備え、酸素量制御手段によって、成膜室内の酸素量を制御することで、凹凸構造の高低差を調整することを特徴としている。
このような成膜装置は、酸化インジウムを含む薄膜層を成膜し、この成膜を行うことで凹凸構造を形成する成膜室を備え、成膜室内の酸素量を制御することで、凹凸構造の高低差を調整することができるため、凹凸構造を形成するためのエッチング工程が不要となる。このようにエッチング工程を省略することができるため、ランニングコスト、設備コスト、廃液処理コストなどを削減することができる。また、酸化インジウムを含んだ薄膜層を成膜することで、膜厚の低下が図られている。
本発明によれば、膜厚の低下を図りつつ、エッチング工程を不要として低コスト化を図り、凹凸構造を有する薄膜層が被成膜基板表面に成膜された成膜基板、その製造方法、およびその基板を成膜する成膜装置を提供することができる。
本発明の実施形態に係る太陽電池セルの断面図である。 本発明の実施形態に係る成膜装置を示す概略断面構成図である。 本発明の実施形態に係るスパッタリング法により形成されたテクスチャー構造を撮影した顕微鏡写真である。 (A)本発明の実施形態に係るスパッタリング法により形成されたテクチャー構造を示す模式図、(B)従来技術のエッチング法により形成されたテクチャー構造を示す模式図である。
以下、本発明による成膜基板および成膜基板の製造方法の好適な実施形態について図面を参照しながら説明する。本発明の成膜基板は、例えば、太陽電池セルの透明電極として使用されるものである。図1は、本発明の実施形態に係る太陽電池セルの断面図である。なお、図面の説明において同一または相当要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
図1に示す太陽電池セル1は、アモルファスシリコン型の太陽電池であり、ガラス基板2上に、透明導電膜3、アモルファスシリコン(以下、「a−Si」という)層4、酸化亜鉛アルミニウム(AZO)層5、およびAg電極6が順に積層されている。
ガラス基板2は、光の入射側に配置されるものであり、本発明の被成膜基板に相当するものである。ガラス基板2表面は平坦面とされ、平坦面上に透明導電膜3が積層されている。
透明導電膜3は、透明電極として機能するものであり、本発明の凹凸構造を有する薄膜層に相当するものである。透明導電膜3は、酸化インジウムを組成として含んだ透明導電膜材料によって構成されている。透明導電膜3では、例えばITOが使用されている。ITOは、SnOと比較して体積抵抗率が1桁低いものであるため、透明導電膜3の薄膜化に寄与するものである。ITO製の透明導電膜3の厚さは、例えば0.5μmとすることができる。なお、酸化インジウムを含んだ透明導電膜材料として、例えば酸化インジウム亜鉛(IZO)、酸化インジウムタングステン(IWO)、酸化インジウムセリウム(ICeO)などを使用することができる。その他、インジウムが核として形成された化合物を透明導電膜材料として使用してもよい。
ここで、透明導電膜3のガラス基板2とは反対側の表面には、太陽電池セル1に入射した光を散乱させるための凹凸構造であるテクチャー構造が形成されている。透明導電膜3に形成されたテクチャー構造は、成膜中に形成されたものであり、例えばスパッタリング成膜中に形成されたものである(詳しくは後述する)。透明導電膜3のテクチャー構造では、先端形状が丸みを帯びている凸部が複数形成されている。
a−Si層4は、透明導電膜3のテクチャー構造が形成された面に積層され、発電層として機能するものである。AZO層5は、a−Si層4の透明導電膜3とは反対側の面に積層され、光干渉層として機能するものである。AZOは、酸化亜鉛(ZnO)を基材とするn型半導体である。Ag電極層6は、AZO層5のa−Si層4とは反対側の面に積層され、電極として機能するものである。電極として、光の反射率が高いAgが使用されているため、発電効率を向上させることができる。
次に、図2を参照して、成膜中にテクチャー構造を形成することが可能な成膜装置について説明する。図2に示す成膜装置10は、スパッタリング法による成膜を行う装置であり、真空中でプラズマを発生させて、プラズマ中のプラスイオンを成膜材料(ITOターゲット)に衝突させることで金属原子をはじき出し、基板上に付着させて成膜を行うものである。
成膜装置10は、成膜処理が行われる成膜室(真空チャンバ)11を備え、この成膜室11の入口側に排気室12が連結され、成膜室11の出口側にベント室13が連結されている。排気室12は、大気圧下にある基板を装置内に取り込み、室内を真空とするためのチャンバである。ベント室13は、真空中にある基板を大気圧環境下へ取り出すためのチャンバである。
以下、排気室12、成膜室11、ベント室13を区別しない場合には、チャンバ11〜13と記すこともある。これらのチャンバ11〜13は、真空容器によって構成され、チャンバ11〜13の出入口には、ゲートバルブGVが設けられている。ゲートバルブGVは、真空環境と大気圧環境とを隔てるための比較的大きな弁体を備えたバルブである。ゲートバルブGVの両側の圧力が等しいときにゲートバルブGVを開放することで隣接するチャンバ11〜13を連通させ、基板2を通過させる。
また、各チャンバ11〜13内には、基板2を搬送するための基板搬送ローラ14が設置されていると共に、基板2を加熱するためのヒータ15が設置されている。ヒータ15は、基板温度が例えば150℃〜350℃の範囲で一定となるように加熱する。
さらに、排気室12およびベント室13には、ロータリポンプ16が接続され、チャンバ11〜13には、TMP(ターボ分子ポンプ)17が接続されている。ロータリポンプ16は、大気圧から1Paまでの排気をするための粘性流領域で使用されるポンプであり、TMP17は、1Pa以下の排気をするための分子流領域で使用されるポンプである。
また、成膜装置10は、成膜室11内にスパッタリングターゲットを保持するスパッタリングカソード(保持部)を有する。スパッタリングターゲットであるITOターゲット21は、成膜室11上部に配置され、基板2の搬送方向に沿って複数配置されている。これらのITOターゲット21は、整合回路MTB22を介して、RF電源23に電気的に接続されている。RF電源23は、RF(高周波:13.56MHzなど)を供給する電源である。整合回路MTB22は、RF電源23の出力インピーダンスとスパッタリングカソードのインピーダンスを整合させて、RF電力をスパッタリングカソードへ伝達させるための回路である。なお、高周波電流に直流電流を重畳させることで、成膜室11内にプラズマ放電を発生させる構成としてもよい。
ここで、成膜装置10は、成膜室11内にガスを供給すると共に、成膜室11内の酸素濃度を調整する酸素濃度調整装置(酸素量制御手段)30を備えている。酸素濃度調整装置30は、成膜室11内への酸素ガス導入量を調節するマスフローコントローラ31、成膜室11内へのアルゴンガス導入量を調節するマスフローコントローラ32、成膜室11に接続されてガスを導入するガス供給経路33、成膜室11内の酸素濃度を検出する酸素濃度計34、成膜室11内の酸素濃度を調整すべくマスフローコントローラ31を制御する制御部35を備えている。
酸素ガス導入量を調節するマスフローコントローラ31には、酸素ガスを供給する酸素ボンベが接続され、アルゴンガス導入量を調節するマスフローコントローラ32には、アルゴンガスを供給するアルゴンガスボンベが接続されている。マスフローコントローラ31,32によって流量が調整された酸素ガス及びアルゴンガスは、ガス供給経路33を通過して成膜室11内に導入され、成膜室11内の酸素分圧が均一化される。ガス供給経路33の成膜室11側の端部に設けられたノズルの口径を最適化することで、成膜室11内の酸素分圧を均一化することができる。酸素ガス導入量、アルゴンガス導入量を調節する流量調節器として、サーマルバルブ式、電磁弁式、ピエゾバルブ式の流量調整器を用いることができる。
また、酸素濃度調整装置30の制御部35は、酸素濃度計34によって検出された成膜室11内の酸素濃度に基づいて、マスフローコントローラ31,32を制御することができる。制御部35は、例えば、アルゴンガスの導入量を一定として、酸素ガス導入量を制御することで、成膜室11内の酸素濃度を調整する。
次に、成膜装置10の動作、及び成膜基板の製造方法について説明する。本実施形態に係る成膜基板の製造方法では、ITOターゲットを用いてスパッタリング法により、透明導電膜3を成膜し、このスパッタリング成膜中に透明導電膜3の表面にテクチャー構造を形成する薄膜工程を行う。この薄膜工程は、成膜装置10の成膜室11で実施される。
まず、薄膜工程の前処理として、ロータリポンプ16及びTMP17を用いて、成膜室11内の排気を行い真空状態とする。成膜室11内の圧力は、例えば、5×10−4Pa以下とすることが好ましい。
次に、各ヒータ15をON状態として、その後各チャンバ11〜13内に導入される基板2の温度が150℃〜350℃の範囲内で一定となるように、ヒータ15における設定値を安定させる。ヒータ15の温度が、常温から設定値(例えば200℃)に上昇すると、ヒータ15自体及び真空チャンバ11〜13内に付着しているHOやCOが脱離してチャンバ11〜13内の圧力が一時的に上昇する。
成膜室11内の圧力が所望の真空圧力(5×10−4Pa以下)であることが確認された後に、酸素濃度調整装置30の制御部35は、マスフローコントローラ31,32を駆動して、成膜室11内への酸素ガス及びアルゴンガスの供給を開始する。マスフローコントローラ31,32は、成膜室11内の圧力を0.1Pa〜1Paの範囲内で任意の値に維持する。
その後、RF電源23をON状態として、整合回路MTB22を調整して、成膜室11内にプラズマを発生させる。整合回路MTB22では、内部の可変コンデンサの値を変化させることでMTBにおけるインピーダンスの整合条件を調整する。整合回路MTB22内の可変コンデンサの値を変化させると、インピーダンスの整合条件が変わり、RF電源23からスパッタリングターゲットまで達するRF電力の割合が変化するため、成膜速度が変化する。また、スパッタリングターゲットまで達しないRF電力は、反射電力としてRF電源23自身へ反射して戻ってしまうため、この反射電力が大きい場合には、RF電源23が破損してしまうおそれがあり、注意が必要である。
成膜室11内のプラズマ放電が開始されると、ITOターゲット21のスパッタリングが始まる。このとき、RF電源23は、ITOターゲット21に対する電力密度を、1W/cm〜10W/cmの範囲内の任意の値に維持するように制御する。
ここで、酸素濃度調整装置30の制御部35は、マスフローコントローラ31を制御して、酸素ガスの導入流量が、アルゴンガスの導入流量に対して、例えば1/1000から1/100までの範囲内の任意の値に維持するように制御する。
被成膜基板である基板2は、排気室12内に導入される。排気室12内に基板2が導入されると、ロータリポンプ16及びTMP17による排気が行われ、真空状態とされる。排気室12内が真空状態となると、排気室12と成膜室11との間に配置されたゲートバルブGVが開放され、排気室12及び成膜室11が連通し、基板2が成膜室12内に導入される。
成膜室11内では、基板搬送ローラ14による基板搬送速度を一定の値に制御し、ガラス基板2上に成膜される透明導電膜3の膜厚が制御される。成膜室11では、ITOターゲット21の直下にITOがスパッタリングされる空間が形成されている。そして、スパッタリング空間内にガラス基板2を通過させることで、ガラス基板2上に透明導電膜3が成膜され、透明導電膜3表面にテクチャー構造が形成される。成膜室11では、透明導電膜3表面のテクチャー構造の凹凸形状を含めた膜厚の平均値が例えば50nm以上となるように、搬送速度が制御されることが好ましい。
成膜完了後のガラス基板2は、ベント室13に搬送される。ベント室13では、空気の室内への導入が行われ、室内の圧力が真空から大気圧となったところで、基板2がベント室13外へ搬送される。基板2が取り出された後のベント室13内は、成膜完了後の次のガラス基板2が導入されることに備えるため、ロータリポンプ16及びTMP17による排気が行われ、真空状態とされる。なお、成膜装置10は、上記成膜基板の製造方法における各種工程が、自動で順次進むようにシーケンスが組み込まれている構成でもよい。
図3は、本発明の実施形態に係るスパッタリング法により形成されたテクチャー構造を撮影した顕微鏡写真である。図3に示すテクチャー構造は、図2に示す成膜装置10によって生成されたものである。本実施形態に係るスパッタリング法により形成された透明導電膜3の表面には、先端形状が丸みを帯びている凸部が複数形成されている。
図4(A)は、本発明の実施形態に係るスパッタリング法により形成されたテクチャー構造を示す模式図である。図4(A)に示すように、スパッタリング法により形成された透明導電膜3のテクチャー構造は、凸部3aの先端形状が丸みを帯びている。スパッタリング成膜の際に、インジウムを含む原子がITOターゲットからはじき出されて、ガラス基板2の表面に堆積し凸部3aが形成さることで、凸部3aの先端形状が丸みを帯びるようになる。本実施形態のスパッタリング法により形成されたテクチャー構造は、入射した光Lを凹レンズの作用によって有効に拡散させることが可能であり、太陽電池の変換効率向上に大きく寄与する。
図4(B)は、従来技術のエッチング法により形成されたテクチャー構造を示す模式図である。図4(B)に示すように、ガラス基板102上に、ITO製の透明導電膜103が成膜されている。従来技術では、透明導電膜103を成膜した後に、テクチャー構造を形成するためのエッチング工程を実施していた。塩酸などのエッチング溶液を用いてエッチングを実施した場合には、クレータ状にくぼむように凹部103bが形成されるため、隣接する凹部103b間に形成された凸部103aの先端形状は、鋭角を成すように形成される。従来のエッチング法により形成されたテクチャー構造では、入射した光Lが凸レンズの作用により集光されるため、太陽電池の変換効率向上における寄与度は、スパッタリング法により形成されたテクチャー構造と比較して低くなってしまう。
以上説明したように、本実施形態の成膜基板では、ITOを用いた透明導電膜3をガラス基板2上にスパッタリング成膜する際に、透明導電膜3表面に凹凸構造を有するテクチャー構造が形成されるため、凹凸構造を形成するためのエッチング工程を省略することができる。これによりランニングコスト、設備コスト、エッチング溶液の廃液処理コストなどを削減することができる。その結果、低コスト化が図られた太陽電池セル1を実現することが可能となる。また、透明導電膜3にテクチャー構造が形成されているため、入射した光を有効に散乱させることができ、変換効率を向上させることができる。また、透明導電膜3の成膜材料にITOを用いることで、透明導電膜3の薄膜化が図られている。また、テクチャー構造における凸部3aの先端形状が丸みを帯びている構成であるため、透明導電膜3上に積層されたa−Si層4に凸部3を起点とするクラックの発生を低減することができる。また、テクチャー構造の凸部3aが丸みを帯びているため、透明導電膜3の剥離のおそれを低減することができる。
また、本実施形態の成膜基板の製造方法によれば、ITOを用いた透明導電膜3をガラス基板2上にスパッタリング成膜する際に、透明導電膜3表面に凹凸構造を有するテクチャー構造が形成される成膜工程を備えているため、凹凸構造を形成するためのエッチング工程を省略することができる。これによりランニングコスト、設備コスト、エッチング溶液の廃液処理コストなどを削減することができる。その結果、低コスト化が図られた太陽電池セル1を製造することが可能となる。
また、成膜工程では、成膜室11内の酸素分圧を調整することで、テクチャー構造における凹凸構造の高低差を調整することができる。例えば、成膜室11内の酸素濃度を上げることで、凹凸構造における高低差が小さくなり、成膜室11内の酸素濃度を下げることで、凹凸構造における高低差を大きくすることができる。このように、成膜室11内の酸素濃度を制御するだけで、凹凸構造の高低差を調整することができるため、容易に制御を行うことができ、凹凸構造の高さの制御精度を向上させることができる。また、基板搬送速度、高周波電源による電力を調整することで、透明導電膜3の膜厚を制御することができる。また、高周波電源による電力を調整することで、透明導電膜3の凹凸構造における高低差を調整してもよい。また、高周波電源による電力を上げた場合、高周波に直流を重畳させた場合など、成膜条件を変更した場合には、成膜室11内の酸素濃度を適宜変更することが好適である。
また、本実施形態の成膜装置10によれば、ITOを用いた透明導電膜3をガラス基板2上にスパッタリング成膜する際に、透明導電膜3表面に凹凸構造を有するテイクチャー構造が形成される成膜室を備えているため、凹凸構造を形成するためのエッチング工程を省略することができる。これによりランニングコスト、設備コスト、エッチング溶液の廃液処理コストなどを削減することができる。その結果、低コスト化が図られた太陽電池セル1を製造することが可能となる。また、成膜装置10は、成膜室11内の酸素分圧を調整する酸素濃度調整装置30を備えている。そのため、酸素分圧を調整することで、テクチャー構造における凹凸構造の高低差を調整することができる。
以上、本発明をその実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態では、スパッタリング法による成膜を行っているが、例えば、物理蒸着法、イオンプレーティング法を適用してもよく、その他の成膜方法を用いて成膜を行ってもよい。
また、上記実施形態では、本発明の成膜基板をアモルファスシリコン型の太陽電池に適用しているが、例えば、微結晶型太陽電池、タンデム型太陽電池、CdTe型太陽電池など、その他の太陽電池に本発明の成膜基板を適用してもよい。さらに、タッチパネル、液晶ディスプレイなどに使用される基板に、本発明の成膜基板を適用してもよい。
1…太陽電池セル、2…ガラス基板、3…透明導電膜、4…a−Si層、5…AZO層、6…Ag電極層、10…成膜装置(スパッタリング装置)、11…成膜室、12…排気室、13…ベント室、14…基板搬送ローラ、15…ヒータ、16…ロータリポンプ、17…TMP、21…ITOターゲット、22…整合回路MTB、23…RF電源、30…酸素濃度調整装置(酸素量制御手段)、31,32…マスフローコントローラ、33…ガス供給経路、34…酸素濃度計、35…制御部。

Claims (5)

  1. 被成膜基板表面の平坦部に、凹凸構造を有する薄膜層が成膜された成膜基板であって、
    前記凹凸構造は、酸化インジウムを含んだ前記薄膜層が成膜されることで形成されたものであることを特徴とする成膜基板。
  2. 前記凹凸構造における凸部の先端形状は丸みを帯びていることを特徴とする請求項1記載の成膜基板。
  3. 被成膜基板表面の平坦部に、凹凸構造を有する薄膜層が成膜された成膜基板を製造する方法であって、
    前記被成膜基板表面に、酸化インジウムを含む前記薄膜層を成膜し、この成膜を行うことで前記凹凸構造を形成する薄膜工程を有することを特徴とする成膜基板の製造方法。
  4. 前記成膜工程では、成膜が行われる成膜室内の酸素量を制御することで、前記凹凸構造の高低差を調整することを特徴とする請求項3記載の成膜基板の製造方法。
  5. 被成膜基板表面の平坦部に、凹凸構造を有する薄膜層を成膜する成膜装置であって、
    前記被成膜基板表面に、酸化インジウムを含む前記薄膜層を成膜し、この成膜を行うことで前記凹凸構造を形成する成膜室と、
    前記成膜室内の酸素量を制御する酸素量制御手段と、を備え、
    前記酸素量制御手段によって、成膜室内の酸素量を制御することで、前記凹凸構造の高低差を調整することを特徴とする成膜装置。
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