JP2011186072A - ホログラム生成装置およびその方法、プログラム - Google Patents

ホログラム生成装置およびその方法、プログラム Download PDF

Info

Publication number
JP2011186072A
JP2011186072A JP2010049482A JP2010049482A JP2011186072A JP 2011186072 A JP2011186072 A JP 2011186072A JP 2010049482 A JP2010049482 A JP 2010049482A JP 2010049482 A JP2010049482 A JP 2010049482A JP 2011186072 A JP2011186072 A JP 2011186072A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hologram
reference light
phase
light
optical path
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2010049482A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5516957B2 (ja
Inventor
Takanori Senoo
孝憲 妹尾
Kenji Yamamoto
健詞 山本
Ryutaro Oi
隆太朗 大井
Tomoyuki Mishina
智之 三科
Yasuichiro Kurita
泰市郎 栗田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
National Institute of Information and Communications Technology
Original Assignee
National Institute of Information and Communications Technology
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by National Institute of Information and Communications Technology filed Critical National Institute of Information and Communications Technology
Priority to JP2010049482A priority Critical patent/JP5516957B2/ja
Publication of JP2011186072A publication Critical patent/JP2011186072A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5516957B2 publication Critical patent/JP5516957B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Holo Graphy (AREA)

Abstract

【課題】ホログラム計算に係る演算語長を削減する。
【解決手段】ホログラム生成装置1は、物体データ2dと参照光データ3dとを用いて、物体の点Aで生じた物体光5がホログラム面4上の点Bに到達する光路長dと、参照光3が点Aに当たった時点での参照光3の位相を基準位相としたときに点Bに到達する参照光の位相が基準位相と等しくなる位置と点Bとの距離rとの差分を示す光路長差d−rのホログラム面内成分Δを算出するホロ面内成分計算器10と、光路長差のホログラム法線成分Δを算出するホロ法線成分計算器20と、ホログラム面内成分Δとホログラム法線成分Δとを加算した結果と参照光波長λとに基づいて物体光と参照光の位相差φΔを算出する位相差計算器30と、物体位置および複素振幅と位相差とに基づいてホログラムの干渉縞の値Hとして複素振幅の実数成分を算出する実数成分計算器40とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、電子ホログラフィーに利用するホログラムの生成技術に関する。
近年、立体テレビや立体映画の再生に利用したり、また、立体テレビや立体映画などの立体映像機器や立体映像提供サービスに使用したりすることを目的として電子ホログラフィーの研究がなされてきている。この電子ホログラフィーは、他には、例えば、立体映像ゲーム、教育機器、医療機器、観光案内、手順説明、展示、双方向通信などへの応用も期待されている。
従来、写真乾板にホログラムを記録したり、ホログラムに記録された像を再生したりする方法が知られている(非特許文献1参照)。また、電子ホログラフィーの分野では、例えば液晶パネル等の表示パネルに、電子的に生成されたホログラム(干渉縞)を表示し、ホログラムが表示された表示パネルにレーザ光等を照射することで、記録された立体像を再生する立体表示装置も知られている。ホログラムとしては、参照光の傾きθが0ではないオフアクシスホログラムや、参照光がホログラム面に垂直に入射する(参照光の傾きθが0である)インラインホログラムがあるが、ここでは、オフアクシスホログラムの生成方法について図5を参照して概説する。
図5に示す座標空間は、簡単のため、ホログラム面4に沿った面内方向にX軸、ホログラム面4の法線方向にZ軸を配したものである。また、ホログラムを記録する対象の物体2は、ホログラム面4からZ軸方向に離間した所定の位置にある。図5において参照光3を二点鎖線で表示し、物体光5を一点鎖線で表示する。参照光3は、Z軸から角度θだけ傾斜して図5において右上から左下へ向けた方向で物体2に照射されている。
ホログラムは、物体2に対して、位相の揃った参照光3を照射し、この参照光3が物体2で散乱されてできる物体光5と、照射した参照光3とが互いに干渉して作る干渉縞をホログラム面4に記録したものである。
この干渉縞を求める一般的な方法は次の通りである。前提として、物体2上の物体点から出てホログラム面4上の点Bに届く物体光5を想定する。つまり、図5において、所定点として、物体2上の点(第1の所定点:物体点A)と、ホログラム面上の点(第2の所定点:点B)とを設定する。ここで、物体点をZ軸上の点A(物体点A)とした。また、ホログラム面4上の任意の位置に基準点Cを設ける。ここでは、X軸とZ軸との交点(原点)を基準点Cとした。つまり、この例では、基準点Cは、ホログラム面4の法線のうち、物体点Aを通る法線上に設けてある。また、ホログラム面4上において基準点Cから点Bまでの距離をX、ホログラム面4から物体点Aまでの距離をZとする。
従来の方法では、図5に示す物体光5の位相φoと、点Bを通る参照光3の位相φrとの差分の値から、干渉縞の値Hを求めて、ホログラムを得る。ここで、物体光5の位相φoは、物体光5の光路長dで決まってくる。物体光5の光路長dは、図5に示す物体点Aから点Bまでの距離であり、式(1)で表される。式(1)のZ,Xは、図5にそれぞれ示す距離である。なお、式(1)の最右辺は、式(1)の真ん中の式をテーラー展開し、第2項までを採用した近似の結果を表している。これは、ホログラム面4から物体点Aまでの距離Zに比べて物体光5の拡散範囲Xは充分小さいことに基づいている。
Figure 2011186072
また、物体光5の位相φoは、物体光5の光路長dにより式(2)で表される。ここで、λは光の波長を示す。ただし、物体光の初期位相は0とした。
Figure 2011186072
また、干渉縞の値Hは、物体光5の位相φoと、点Bを通る参照光3の位相φrとの差分により、式(3)で求められる。ここで、Oは物体点Aの明るさや色の値を示す。
Figure 2011186072
式(3)の前提として、ホログラム面4上の基準点Cを通る参照光3の位相を0とみなしている。なお、図5においては、説明のために参照光3を3本の光線として示したが、参照光3は、これらが一体になってレーザ光線のようにシャープなコヒーレント光として物体2に照射される。
ここで、インラインホログラムの場合には、参照光3がホログラム面4に垂直に入射するので、ホログラム面4上のどこでも位相は0となる。しかし、ここで想定しているオフアクシスホログラムの場合には、参照光の傾きθが0ではないので、ホログラム面4上の位置によって参照光3の位相が異なる。
そこで、オフアクシスホログラムの場合には、このときに、基準位相からの差分を考慮して点Bでの位相を、点Bを通る参照光3(図5に模式的に示した3本の参照光のうちの最も左側の参照光)の位相φrとして決めている。例えば、図5において、基準点Cから角度θ(参照光の角度)だけ傾いた方向の破線は、図5に模式的に示した3本の参照光の位相が等しい位置を示している。よって、点Bを通る参照光3(図5において最も左側の参照光)は、基準点Cを通る参照光3(図5において最も右側の参照光)と比べると、ホログラム面4までの光路長がXsinθだけ長い。この光路長差を位相遅れに反映すると、基準点Cから距離Xだけ離れた点Bでの位相φは、式(4)で表されることとなる。
Figure 2011186072
吉川、羽倉訳、P.ハリハラン著、第1版、「ホログラフィーの原理」、オプトロニクス社、2004年3月30日、p.7−9
しかしながら、従来の方法では、干渉縞の位相差、即ち、物体光5と、点Bを通る参照光3との位相差(φo−φr)は、式(5)で表される。
Figure 2011186072
式(5)に示すように、物体光と参照光の位相差(φo−φr)は、ZやXを含んでおり、この位相差を求めるには、ZやXの値を用いて四則演算を行う必要がある。このうち、値Zはホログラムから物体までの距離に対応する。また、値Xは最大ではホログラムのサイズの値と同じになる場合もある。これらZやXの値は、通常、数十mmのオーダである。このオーダは、光の波長λ(0.5μm程度である)に対して十万倍程度大きい。また、この位相差の値は、式(3)のcos(φo−φr)の計算において、周期2π≒6.28で縮退する。そのため、式(5)の位相差の値を、2πの精度に対して充分高い精度で求めないと、式(3)の干渉縞の値Hが正確に求まらない。つまり、式(5)の右辺のカッコ内の演算と、そのカッコの外のλの計算とを正確に行うための演算語長は、20ビット程度以上が必要になる。
ホログラム計算を高速化するためには、特に専用ハードウエアを作る場合は、充分長い演算語長を持つ演算器や演算手段が必要である。そのため、長い演算語長を持つ演算器や演算手段を有するホログラム生成装置やその構成手段が大型になると共に、高コストになるという問題がある。また、計算を正確に行うための充分長い演算語長を持つ演算器や演算手段によって、演算速度が遅くなり、動画ホログラム再生などの実時間動作が困難になるという問題もある。特に、ホログラム表示デバイスが、8K×4K画素を持つ超高精細液晶パネルの場合には、大量の高精度演算を高速に行う必要がある。そのため、超高精細液晶パネルの場合には、実時間のホログラム動画を実現することが困難であった。
そこで、本発明では、従来の装置が大型化して高コストになるという問題と、従来の装置の演算速度が遅いという問題とを解決し、ホログラム計算に係る演算語長を削減することを課題とする。
前記課題を解決するために、本発明の第1の観点に係るホログラム生成装置は、物体の位置および物体光としての複素振幅の情報を含む物体データと、参照光の波長およびホログラム面に対する傾斜角度の情報を含む参照光データとを用いて前記物体のホログラムを生成するホログラム生成装置であって、ホログラム面内成分計算手段と、ホログラム法線成分計算手段と、位相差計算手段と、実数成分計算手段と、を備えることとした。
かかる構成によれば、ホログラム生成装置は、ホログラム面内成分計算手段によって、前記物体の位置と前記参照光の波長とに基づいて、前記物体の第1の所定点で生じた物体光が前記ホログラム面上の第2の所定点に到達するまでの距離を表す物体光の光路長と、前記参照光が前記物体の前記第1の所定点に当たった時点での当該参照光の位相を基準位相として、前記ホログラム面上の前記第2の所定点に到達する参照光の位相が前記基準位相と等しくなる位置と前記第2の所定点との距離を表す参照光の光路長と、の差分を示す光路長差を形式的に2つの値に分けたときの一方の値として、前記ホログラム面上に、前記物体の第1の所定点から引いた法線が交わる交点と前記第2の所定点との間の距離に係る値を示すホログラム面内成分を算出する。そして、ホログラム生成装置は、ホログラム法線成分計算手段によって、前記物体の位置と前記参照光の波長とに基づいて、前記光路長差を形式的に2つの値に分けたときの他方の値として、前記ホログラム面から前記物体の第1の所定点までの距離に係る値を示すホログラム法線成分を算出する。そして、ホログラム生成装置は、位相差計算手段によって、前記光路長差のホログラム面内成分と前記光路長差のホログラム法線成分とを加算し、この加算結果と前記参照光の波長とに基づいて、前記物体光の位相と前記参照光の位相との差分を示す位相差を算出する。そして、ホログラム生成装置は、実数成分計算手段によって、前記物体の位置および複素振幅と、前記位相差とに基づいて、前記ホログラムの干渉縞の値として、前記複素振幅の実数成分を算出する。
したがって、ホログラム生成装置は、物体光と参照光の光路長差をホログラム面内成分とホログラム法線成分に分けて個別に計算して加算した結果からホログラムを求めるので、演算語長を削減することができる。そのため、ホログラム生成装置は、ホログラム計算に高精度な演算が不要なため、演算速度を上げることができるので、高速にホログラムを生成することができる。また、ホログラム生成装置は、高精度な演算手段を必要としないので、小型かつ低コストに製造することができる。
また、本発明の第2の観点に係るホログラム生成装置は、物体の位置および物体光としての複素振幅の情報を含む物体データと、ホログラム面に垂直に入射する参照光の波長の情報を含む参照光データとを用いて前記物体のホログラムを生成するホログラム生成装置であって、ホログラム面内成分計算手段と、位相差計算手段と、実数成分計算手段と、を備えることとした。
かかる構成によれば、ホログラム生成装置は、ホログラム面内成分計算手段によって、前記物体の位置と前記参照光の波長とに基づいて、前記物体の第1の所定点で生じた物体光が前記ホログラム面上の第2の所定点に到達するまでの距離を表す物体光の光路長と、前記参照光が前記物体の前記第1の所定点に当たった時点での当該参照光の位相を基準位相として、前記ホログラム面上の前記第2の所定点に到達する参照光の位相が前記基準位相と等しくなる位置と前記第2の所定点との距離を表す参照光の光路長と、の差分を示す光路長差として、前記ホログラム面上に、前記物体の第1の所定点から引いた法線が交わる交点と前記第2の所定点との間の距離に係る値を示すホログラム面内成分を算出する。そして、ホログラム生成装置は、位相差計算手段によって、前記光路長差のホログラム面内成分と前記参照光の波長とに基づいて、前記物体光の位相と前記参照光の位相との差分を示す位相差を算出する。そして、ホログラム生成装置は、実数成分計算手段によって、前記物体の位置および複素振幅と、前記位相差とに基づいて、前記ホログラムの干渉縞の値として、前記複素振幅の実数成分を算出する。
したがって、ホログラム生成装置は、ホログラム面に垂直に入射する参照光と物体光の光路長差をホログラム面内成分から計算してホログラムを求めるので、インラインホログラムの専用装置として、演算語長を削減することができる。そのため、ホログラム生成装置は、ホログラム計算に高精度な演算が不要なため、演算速度を上げることができるので、高速にホログラムを生成することができる。また、ホログラム生成装置は、高精度な演算手段を必要としないので、小型かつ低コストに製造することができる。
また、前記課題を解決するために、本発明の第1の観点に係るホログラム生成方法は、物体の位置および物体光としての複素振幅の情報を含む物体データと、参照光の波長およびホログラム面に対する傾斜角度の情報を含む参照光データとを用いて前記物体のホログラムを生成するホログラム生成装置のホログラム生成方法であって、前記ホログラム生成装置が、ホログラム面内成分計算ステップと、ホログラム法線成分計算ステップと、位相差計算ステップと、実数成分計算ステップとを含んで実行することとした。
かかる手順によれば、ホログラム生成方法は、ホログラム面内成分計算ステップにて、前記物体の位置と前記参照光の波長とに基づいて、前記物体の第1の所定点で生じた物体光が前記ホログラム面上の第2の所定点に到達するまでの距離を表す物体光の光路長と、前記参照光が前記物体の前記第1の所定点に当たった時点での当該参照光の位相を基準位相として、前記ホログラム面上の前記第2の所定点に到達する参照光の位相が前記基準位相と等しくなる位置と前記第2の所定点との距離を表す参照光の光路長と、の差分を示す光路長差を形式的に2つの値に分けたときの一方の値として、前記ホログラム面上に、前記物体の第1の所定点から引いた法線が交わる交点と前記第2の所定点との間の距離に係る値を示すホログラム面内成分を算出する。そして、ホログラム生成方法は、ホログラム法線成分計算ステップにて、前記物体の位置と前記参照光の波長とに基づいて、前記光路長差を形式的に2つの値に分けたときの他方の値として、前記ホログラム面から前記物体の第1の所定点までの距離に係る値を示すホログラム法線成分を算出する。そして、ホログラム生成方法は、位相差計算ステップにて、前記光路長差のホログラム面内成分と前記光路長差のホログラム法線成分とを加算し、この加算結果と前記参照光の波長とに基づいて、前記物体光の位相と前記参照光の位相との差分を示す位相差を算出する。そして、ホログラム生成方法は、実数成分計算ステップにて、前記物体の位置および複素振幅と、前記位相差とに基づいて、前記ホログラムの干渉縞の値として、前記複素振幅の実数成分を算出する。したがって、本発明の第1の観点に係るホログラム生成方法によれば、物体光と参照光の光路長差をホログラム面内成分とホログラム法線成分に分けて個別に計算して加算した結果からホログラムを求めるので、演算語長を削減することができる。
前記のように求める干渉縞の1つ1つの値を加え合わせる方法は、特に限定されないが、例えば、前記ホログラム面内成分計算ステップと、前記ホログラム法線成分計算ステップと、前記位相差計算ステップと、前記実数成分計算ステップと、を前記ホログラム面の前記第2の所定点を通る参照光の最大回折角で決まる拡散範囲に含まれるような前記物体の第1の所定点すべてに対して実行し、それぞれ求めた値をすべて加算した結果を、前記ホログラム面上の第2の所定点の干渉縞の値とし、以上の処理を、前記ホログラム面内において前記第2の所定点すべてに対して実行した結果を、前記物体のホログラムとして生成することができる。また、例えば、物体点毎に、光の拡散範囲内の物体光の位相差の実数成分をホログラム面内の各点に記録し、物体点を変える毎に、同様にして得られた物体光の位相差の実数成分を、ホログラム面内の各点に記録した値に加算していってもよい。
また、本発明の第2の観点に係るホログラム生成方法は、物体の位置および物体光としての複素振幅の情報を含む物体データと、ホログラム面に垂直に入射する参照光の波長の情報を含む参照光データとを用いて前記物体のホログラムを生成するホログラム生成装置のホログラム生成方法であって、前記ホログラム生成装置が、ホログラム面内成分計算ステップと、位相差計算ステップと、実数成分計算ステップとを含んで実行することとした。
かかる手順によれば、ホログラム生成方法は、ホログラム面内成分計算ステップにて、前記物体の位置と前記参照光の波長とに基づいて、前記物体の第1の所定点で生じた物体光が前記ホログラム面上の第2の所定点に到達するまでの距離を表す物体光の光路長と、前記参照光が前記物体の前記第1の所定点に当たった時点での当該参照光の位相を基準位相として、前記ホログラム面上の前記第2の所定点に到達する参照光の位相が前記基準位相と等しくなる位置と前記第2の所定点との距離を表す参照光の光路長と、の差分を示す光路長差として、前記ホログラム面上に、前記物体の第1の所定点から引いた法線が交わる交点と前記第2の所定点との間の距離に係る値を示すホログラム面内成分を算出する。そして、ホログラム生成方法は、位相差計算ステップにて、前記光路長差のホログラム面内成分と前記参照光の波長とに基づいて、前記物体光の位相と前記参照光の位相との差分を示す位相差を算出する。そして、ホログラム生成方法は、実数成分計算ステップにて、前記物体の位置および複素振幅と、前記位相差とに基づいて、前記ホログラムの干渉縞の値として、前記複素振幅の実数成分を算出する。したがって、本発明の第2の観点に係るホログラム生成方法によれば、物体光と参照光の光路長差をホログラム面内成分として計算した結果からホログラムを求めるので、演算語長を削減することができると共に、演算速度をさらに上げることができる。なお、前記のように求める干渉縞の1つ1つの値を加え合わせる方法は、特に限定されるものではない。
また、前記課題を解決するために、本発明の第1の観点に係るホログラム生成プログラムは、物体の位置および物体光としての複素振幅の情報を含む物体データと、参照光の波長およびホログラム面に対する傾斜角度の情報を含む参照光データとを用いて前記物体のホログラムを生成するために、コンピュータを、ホログラム面内成分計算手段、ホログラム法線成分計算手段、位相差計算手段、実数成分計算手段として機能させるためのプログラムであることとした。
かかる構成によれば、ホログラム生成プログラムは、ホログラム面内成分計算手段によって、前記物体の位置と前記参照光の波長とに基づいて、前記物体の第1の所定点で生じた物体光が前記ホログラム面上の第2の所定点に到達するまでの距離を表す物体光の光路長と、前記参照光が前記物体の前記第1の所定点に当たった時点での当該参照光の位相を基準位相として、前記ホログラム面上の前記第2の所定点に到達する参照光の位相が前記基準位相と等しくなる位置と前記第2の所定点との距離を表す参照光の光路長と、の差分を示す光路長差を形式的に2つの値に分けたときの一方の値として、前記ホログラム面上に、前記物体の第1の所定点から引いた法線が交わる交点と前記第2の所定点との間の距離に係る値を示すホログラム面内成分を算出する。そして、ホログラム生成プログラムは、ホログラム法線成分計算手段によって、前記物体の位置と前記参照光の波長とに基づいて、前記光路長差を形式的に2つの値に分けたときの他方の値として、前記ホログラム面から前記物体の第1の所定点までの距離に係る値を示すホログラム法線成分を算出する。そして、ホログラム生成プログラムは、位相差計算手段によって、前記光路長差のホログラム面内成分と前記光路長差のホログラム法線成分とを加算し、この加算結果と前記参照光の波長とに基づいて、前記物体光の位相と前記参照光の位相との差分を示す位相差を算出する。そして、ホログラム生成プログラムは、実数成分計算手段によって、前記物体の位置および複素振幅と、前記算出された位相差とに基づいて、前記ホログラムの干渉縞の値として、前記複素振幅の実数成分を算出する。
また、本発明の第2の観点に係るホログラム生成プログラムは、物体の位置および物体光としての複素振幅の情報を含む物体データと、ホログラム面に垂直に入射する参照光の波長の情報を含む参照光データとを用いて前記物体のホログラムを生成するために、コンピュータを、ホログラム面内成分計算手段、位相差計算手段、実数成分計算手段として機能させるためのプログラムであることとした。
かかる構成によれば、ホログラム生成プログラムは、ホログラム面内成分計算手段によって、前記物体の位置と前記参照光の波長とに基づいて、前記物体の第1の所定点で生じた物体光が前記ホログラム面上の第2の所定点に到達するまでの距離を表す物体光の光路長と、前記参照光が前記物体の前記第1の所定点に当たった時点での当該参照光の位相を基準位相として、前記ホログラム面上の前記第2の所定点に到達する参照光の位相が前記基準位相と等しくなる位置と前記第2の所定点との距離を表す参照光の光路長と、の差分を示す光路長差として、前記ホログラム面上に、前記物体の第1の所定点から引いた法線が交わる交点と前記第2の所定点との間の距離に係る値を示すホログラム面内成分を算出する。そして、ホログラム生成プログラムは、位相差計算手段によって、前記光路長差のホログラム面内成分と前記参照光の波長とに基づいて、前記物体光の位相と前記参照光の位相との差分を示す位相差を算出する。そして、ホログラム生成プログラムは、実数成分計算手段によって、前記物体の位置および複素振幅と、前記位相差とに基づいて、前記ホログラムの干渉縞の値として、前記複素振幅の実数成分を算出する。
本発明の第1の観点に係るホログラム生成装置、その方法およびプログラムによれば、参照光が物体点を通過する際の位相を基準位相とした上で、物体光と参照光の光路長差をホログラム面内成分とホログラム法線成分に分けて個別に計算して加算した結果からホログラムを求めるので、演算語長を削減することができる。
また、本発明の第2の観点に係るホログラム生成装置、その方法およびプログラムによれば、参照光が物体点を通過する際の位相を基準位相とした上で、物体光と参照光の光路長差についてのホログラム面内成分を計算した結果からホログラムを求めるので、演算語長を削減することができると共に、演算速度をさらに上げることができる。
また、本発明の第1および第2の観点に係るホログラム生成装置によれば、演算語長を短縮したことで、小型で低コストかつ高速なホログラム生成装置の専用ハードウエアを構成できる。また、本発明の第1および第2の観点に係るホログラム生成方法によれば、高速なホログラム生成方法を提供することができる。そのため、超高精細液晶パネルを用いても、実時間のホログラム動画を実現することができる。
本発明の実施形態に係るホログラム生成装置の構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態に係るホログラム生成方法によりオフアクシスホログラムを得る方法の説明図である。 本発明の実施形態に係るホログラム生成方法をコンピュータのプログラムとして実施した場合のフローチャートである。 本発明の実施形態に係るホログラム生成方法によりインラインホログラムを得る方法の説明図である。 従来技術によりホログラムを得る方法の説明図である。
図面を参照して本発明のホログラム生成装置およびその方法を実施するための形態について詳細に説明する。以下では、説明の都合上、1.ホログラム生成装置の概要、2.ホログラム生成方法の原理、3.ホログラム生成装置の各実施形態について順次説明することとする。
[1.ホログラム生成装置の概要]
図1に示すように、ホログラム生成装置1は、物体データ2dと参照光データ3dとを用いて物体のホログラム4dを生成するものであり、物体光と参照光の光路長差のホロ面内成分計算器10(以下、ホロ面内成分計算器10と略記する)と、物体光と参照光の光路長差のホロ法線成分計算器20(以下、ホロ法線成分計算器20と略記する)と、位相差計算器30と、実数成分計算器40とを備える。なお、各計算器10〜40の詳細は後記する。また、以下では、ホログラム面の法線成分をホログラム法線成分と呼称し、ホログラム面をホロ面、ホログラムをホロと適宜略記する。
物体データ2dは、ホログラム4dの生成対象とする物体の位置の情報として、3次元座標データ(X,Y,Z)や、物体光としての色や明るさといった複素振幅の情報として、その点の色のデータO(X,Y,Z)を含む。なお、複素振幅は、振幅情報と位相情報とを含んでいる。
参照光データ3dは、参照光の波長λの情報や、ホログラム面に対する傾斜角度θの情報や、参照光の光源位置の情報等を含むデータである。なお、傾斜角度θはホログラム面の法線方向から計測した角度である。
このホログラム生成装置1は、物体光と参照光の位相差を計算する際に、両者の光路長差のホログラム面内成分の計算と、ホログラム法線成分の計算とを個別に行った後、両者を加算して位相差を求めるようにした点が従来と大きく異なっている。これにより、ホログラム生成装置1は、演算語長の削減を可能にした。ここで、成分とは、詳細は後記するが、距離を示す光路長差を形式的に2つの値に分けたうちのそれぞれの値を意味する。このうちの一方であるホログラム面内成分とは、ホログラム面上に物体点から引いた法線が交わる交点と、参照光がその物体点で散乱されて生じた物体光がホログラム面に当たった点との間の距離に係る値を示す。また、光路長差を形式的に2つの値に分けたうちの他方であるホログラム法線成分とは、ホログラム面からその物体点までの距離に係る値を示す。
また、ホログラム生成装置1は、参照光の基準位相を、参照光が物体点に当たった時点での位相にした点が従来と大きく異なっている。これにより、参照光と物体光の位相を決める光路長の計算において、ホログラム面に対する法線成分が互いにほぼキャンセルされる。その結果、干渉縞の計算の演算語長を削減できると共に、計算が簡単になり、高速な演算を可能にした。ここで、詳細は後記するが、参照光と物体光の位相を決める光路長の計算において、参照光の光路長を次の距離とした。すなわち、参照光が物体点に当たった時点での当該参照光の位相を基準位相として、参照光がその物体点で散乱されて生じた物体光がホログラム面に当たった点から見て、その点に到達する参照光の位相が基準位相と等しくなる位置と、その物体光がホログラム面に当たった点との距離を、参照光の光路長とした。
[2.ホログラム生成方法の原理]
次に、本発明の実施形態に係るホログラム生成方法の原理について、図2を参照(適宜図5参照)して説明する。
図2に示す座標空間は、簡単のため、ホログラム面4に沿った面内方向にX軸、ホログラム面4の法線方向にZ軸を配したものである。また、ホログラムを記録する対象の物体2は、ホログラム面4からZ軸方向に離間した所定の位置にある。図2において参照光3を二点鎖線で表示し、物体光5を一点鎖線で表示する。
本実施形態により干渉縞を求める方法は次の通りである。前提として、物体2上の物体点Aから出てホログラム面4上の点Bに届く物体光5を想定する。つまり、図2において、所定点として、物体2上の点(第1の所定点:物体点A)と、ホログラム面上の点(第2の所定点:点B)とを設定する。ここでは、ホログラム面4上の点Bを、X軸とZ軸との交点(原点)とした点が図5と異なる。また、ホログラム面4上に、物体点Aから引いた法線が交わる交点に基準点Cを設ける。つまり、先行技術では基準点Cを一度決めたら、ホログラム面上の全ての点で干渉縞を計算する間、基準点を変更しなかったが、物体点A毎に、点Aからホログラム面4(X軸)へ下ろした垂線の足を基準点Cとした点が先行技術と異なる。また、ホログラム面4上において基準点Cから点Bまでの距離をX、ホログラム面4から物体点Aまでの距離をZとする。参照光3は、Z軸から角度θだけ傾斜して図2において右上から物体2に照射されている。
物体光5の光路長dは、図2に示す物体点Aから点Bまでの距離であり、式(6)で表される。
Figure 2011186072
現在入手可能なホログラム表示用液晶パネルの画素サイズは、P=5〜10μm程度であり、このパネルで回折可能な光の最大回折角αは、式(7)で与えられる。つまり、最大回折角αは、ホログラムの画素サイズで決まる。
Figure 2011186072
ただし、λは参照光3と同じ波長の照明光の波長で、0.5μm程度である。このときα=1.5〜3°となる。参照光の傾きθが0ではないオフアクシスホログラムの場合、傾きθはホログラム表示パネルの最大回折角αの2倍程度にとられる。したがって、参照光の両側αに拡散する物体光5の拡散範囲Xの値は、図2より、∠BAC=α+θ=3αなので、式(8)で表される。
Figure 2011186072
この式(8)で示すXの値は、X≦0.15Z程度である。なお、より詳細には、例えば、画素サイズP=5μm、波長λ=0.5μmのとき、Xは約0.1511992Zである。
従って、ホログラム面4から物体点Aまでの距離Zに比べて、物体光5の拡散範囲Xは充分小さく、式(6)をテーラー展開し、第2項までを採用することにより、式(9)のように近似できる。
Figure 2011186072
前記のように、参照光3がホログラム面に対して角度θ=2αだけ傾いている場合、物体点Aに当たった光と同じ位相の参照光3(図2に模式的に示した3本の参照光のうちの最も左側の参照光)がホログラム面4上の点Bに届くまでの光路長rは、図2より、式(10)で表される。
Figure 2011186072
式(10)の前提として、参照光3(図2に模式的に示した3本の参照光のうちの真ん中の参照光)が物体点Aに当たった時点での位相を基準位相としている点が従来の方法と異なっている。つまり、このホログラム生成方法では、ホログラム面4上の点Bに到達する参照光3(図2に示した最も左側の参照光)の位相が基準位相と等しくなる位置と点Bとの距離を、当該参照光3の光路長rとした。そして、基準位相を0として、この基準位相からの差分を考慮して点Bの位置での位相を、点Bを通る参照光3(図2に示した最も左側の参照光)の位相φrとして決めている。
例えば、図2において、物体点Aにおいて参照光3の方向と垂直な方向の破線は、図2に模式的に示した3本の参照光の位相が等しい位置を示している。よって、点Bを通る参照光3(図2において最も左側の参照光)は、参照光の位相が等しい位置(物体点Aに対応した位置)からホログラム面4までの光路長がrである。この光路長rを、図2において平行移動すると、式(10)の右辺が求まる。なお、式(10)の右辺の第1項は、ホログラム面4上の基準点Cを通る参照光3(図2に示した最も右側の参照光)が、ホログラム面4上の基準点Cに届くまでの光路長となっている。
図5を参照して説明した従来の方法は、ホログラム面4上の任意の位置に基準点Cを設ければ、前記した式(3)および式(5)により、干渉縞の値Hが正しく求められるものとしていた。このことは、正しいが、その干渉縞を生じる光の位相差が、どのようなメカニズムで発生するのかを直感的には理解し難かった。ところが、本実施形態に係るホログラム生成方法のように、参照光3の基準位相と等しい位置の点を、これまでのホログラム面4上ではなく、物体2上に設定することで、干渉縞を生じる光の位相差発生のメカニズムを、直感的に理解し易くなった。つまり、同じ物体点Aから出発した物体光5と参照光3において、物体光5の光路長dと、参照光3の光路長rとの差が、物体光と参照光の位相差を生じ、物体光と参照光との位相がずれているから干渉縞を形成するというホログラムの原理が直感的に理解し易くなった。
そして、本実施形態に係るホログラム生成方法では、前記した式(9)および式(10)を用いることで、物体光5と参照光3の光路長の差(d−r)は、式(11)で表される。
Figure 2011186072
ここで、式(11)の右辺の1番目のカッコ内の計算は、従来の計算においても前記式(5)に現れていた。このカッコ内の計算において、第2項(X/2Z)の値は、テーラー展開の第2項なので、カッコ内の第1項(Z)の値に比べて非常に小さい。そのため、第1項と第2項との和は、巨大な値と微小値とを加算するものとなっている。従来は、これらを前記した式(5)に示すように、そのままの順番で計算していた。ところが、巨大な値と微小値とを加算すると、計算結果の精度が良くない。そこで、本実施形態に係るホログラム生成方法では、式(11)の右辺の各項を並べ替えて、式(12a)のように変形してから計算することとした。
Figure 2011186072
ここで、式(12a)の右辺の第1項は、式(11)の右辺の第1項よりも、2〜3桁小さい値となる。この詳細は後記するが、式(12a)の右辺の第1項のカッコ内の計算結果は、ほぼ0という微小値になるからである。言い換えると、図2に示す座標空間において、光路長dのホログラム法線成分(d成分)の“Z”と、光路長rのホログラム法線成分(r成分)の“Zcosθ”とが非常に近い値となってキャンセルされる。このようにcosθがほぼ1となる理由は、最大回折角α=1.5〜3°、傾きθ=2αの条件を想定しているからである。同様に、式(12a)の右辺の第2項のsinθもほぼ0という微小値となる。
また、式(12a)の右辺の第1項のZの値や、第2項のXの値は、通常、数十mmのオーダである。そのため、式(12a)の第1項の値と、第2項の値とは、それぞれが微小値となる。そこで、式(12a)を式(12b)のように置き換えることとする。式(12b)の右辺第1項Δを、物体光と参照光の位相差のZ成分、または、位相差のホログラム法線成分という。また、式(12b)の右辺第2項Δを、物体光と参照光の位相差のX成分、または、位相差のホログラム面内成分という。
位相差のホログラム法線成分Δと、位相差のホログラム面内成分Δとは、同程度のオーダとなる。これら式(12b)の第1項と第2項とを加算することは、従来の前記した式(5)のように巨大な値と微小値とを加算する場合と比べて、計算結果の精度が良くなる。この加算結果を、式(12c)に示すように、単にΔと表記することとする。
次に、このように、式(12a)〜式(12c)を用いるときの詳細な具体例を述べる。ここでは、一例として、画素サイズP=5μm、波長λ=0.5μmの場合を想定する。このとき、最大回折角は、α=2.8659°≒2.9°となる。
また、傾きは、θ=2α=5.7319°≒5.7°となる。
また、式(12b)の第1項において、cosθ≒0.995である。
また、(1−cosθ)≒0.005である。
よって、第1項、即ちΔ=Z(1−cosθ)の値は、Zの値の0.005倍のオーダの値となる。
また、式(12b)の第2項において、Xは、前記式(8)の関係を満たす。
よって、Xの値は、X≦Ztan(3α)=0.15Z程度である。
また、第2項において、sinθ=0.099874≒0.1である。
第2項、即ち、Δ=X(X/2Z−sinθ)の値は、次のように計算される。
0.15Z(0.075−0.1)=−0.00375≒−0.004Zである。
よって、第2項、即ちΔの値は、Zの値の−0.004倍のオーダの値となる。
したがって、式(12c)のΔの値は、Zの値の0.005倍のオーダの値と、Zの値の−0.004倍のオーダの値との和となり、結果、Zの値の0.001倍のオーダの値となる。式(12c)のΔの値、即ち、光路長の差(d−r)が求まれば、物体光と参照光との位相差φΔは、式(13)で得られる。
Figure 2011186072
ここで、(Δ+Δ)は、0.001Zのオーダである。
したがって、Zの値を、例えば、現在入手可能なホログラム表示パネルのサイズと同程度の40mmとした場合、物体光と参照光との位相差φΔの値は、40μmのオーダとなる。この40μmのオーダを、波長λ=0.5μmで割った値は、80のオーダである。
この80のオーダは、2進数で約7ビット程度の値となる。
この位相差φΔから、干渉縞の値Hは、位相φΔを持つ複素振幅光の実数成分として、式(14)で求められる。
Figure 2011186072
ここで、干渉縞の値Hは、ホログラム面上の点Bの位置の明るさ(強度)を示す。このHは、物体点と、ホログラム面上の点Bとを用いて求められたものである。したがって、物体点Aの位置を物体上で様々に変更して、それらすべてを足し合わせることで、干渉縞としてのホログラムを生成することができる。なお、詳細には、加算する過程で、ホログラム表示パネルの最大回折角αで定まる拡散範囲を考慮する。
式(14)に示すように、干渉縞の値Hは、2πを周期に縮退する。ここで、O/Zは、ホログラム面上での物体光の明るさを、物体点の明るさOと、ホログラム面までの距離Zとから求めたものである。
干渉縞の値を正確に求めるには、位相差φΔの値を2πに対して充分高精度に保つ必要がある。そのためには、従来技術では、演算語長として20ビット程度以上が必要であったため、演算語長32ビットの不動小数点演算を用いていた。しかしながら、本実施形態に係るホログラム生成方法では、演算語長32ビットの不動小数点演算が不要であり、有効桁数16ビット程度の固定少数点演算で充分である。
本実施形態に係るホログラム生成方法及び装置は、前記した式(6)〜式(14)に示した演算を用いて、短い演算語長で高精度にホログラムを求められるように構成したものである。
[3.ホログラム生成装置の各実施形態]
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態に係るホログラム生成装置1は、図1に示すように、物体データ2dと、参照光データ3dとを用いて物体のホログラム4dを生成するものであり、ホロ面内成分計算器10と、ホロ法線成分計算器20と、位相差計算器30と、実数成分計算器40とを備える。このホログラム生成装置1は、例えば半導体メモリや電気回路等によりハードウエア的に構成された専用器である。
ホロ面内成分計算器10は、物体の位置(X,Y,Z)と参照光の波長λとに基づいて、物体光の光路長dと参照光の光路長rとの差分を示す光路長差(d−r)のホログラム面内成分Δを算出するものである。このホロ面内成分計算器10は、物体データ2dと参照光データ3dとの入力を受け付け、前記した式(12a)の右辺第2項を計算する。算出したホログラム面内成分Δは位相差計算器30に入力される。
ホロ法線成分計算器20は、物体の位置(X,Y,Z)と参照光の波長λとに基づいて、物体光の光路長dと参照光の光路長rとの差分を示す光路長差(d−r)のホログラム法線成分Δを算出するものである。このホロ法線成分計算器20は、物体データ2dと参照光データ3dとの入力を受け付け、前記した式(12a)の右辺第1項を計算する。算出したホログラム法線成分Δは位相差計算器30に入力される。
位相差計算器30は、光路長差(d−r)のホログラム面内成分Δと、光路長差(d−r)のホログラム法線成分Δとを加算し、この加算結果と参照光の波長λとに基づいて、物体光の位相と参照光の位相との差分を示す位相差φΔを算出するものである。この位相差計算器30は、ホロ面内成分計算器10からホログラム面内成分Δの入力を受け付け、ホロ法線成分計算器20からホログラム法線成分Δの入力を受け付け、前記した式(13)を計算する。算出した位相差φΔは実数成分計算器40に入力される。
実数成分計算器40は、物体の位置のデータ(X,Y,Z)および複素振幅のデータO(X,Y,Z)と、位相差φΔとに基づいて、ホログラムの干渉縞の値Hとして、複素振幅の実数成分を算出するものである。この実数成分計算器40は、物体データ2dの入力を受け付け、位相差計算器30から位相差φΔの入力を受け付け、前記した式(14)を計算する。算出した干渉縞の値Hはホログラム4dとして出力される。なお、すべての物体点Aについて求めた干渉縞の値Hを図示しない記憶手段に記憶し、それらを足し合わせた結果をホログラム4dとして出力してもよい。
次に、ホログラム生成装置1の動作を説明する。
先ず、ホログラム生成装置1は、ホログラムを生成すべき物体のサンプル点(物体点A)の3次元座標データ(X,Y,Z)と、その点の色のデータO(X,Y,Z)などの物体データ2dの入力を受け付ける。また、ホログラム生成装置1は、ホログラム生成のための基準位相を与える参照光の、ホログラム面の法線に対する傾き角θや、参照光の波長λなどの参照光データ3dの入力を受け付ける。
次に、ホログラム生成装置1は、ホロ面内成分計算器10によって、物体光5の光路長dのホログラム面内成分d=X/2Zと、参照光3の光路長rのホログラム面内成分r=Xsinθとをそれぞれ計算する。そして、ホロ面内成分計算器10は、それぞれの差分をホログラム面内成分Δとして算出する。
すなわち、Δ=d−r=X(X/2Z−sinθ)を計算する。
次に、ホログラム生成装置1は、ホロ法線成分計算器20によって、物体光5の光路長dのホログラム法線成分d=Zと、参照光3の光路長rのホログラム法線成分r=Zcosθとをそれぞれ計算する。そして、ホロ法線成分計算器20は、それぞれの差分をホログラム法線成分Δとして算出する。
すなわち、Δ=d−r=Z(1−cosθ)を計算する。
次に、ホログラム生成装置1は、位相差計算器30によって、これら2つの差分Δ、Δから、物体光5と参照光3の位相差φΔを計算する。
すなわち、φΔ=2π(Δ+Δ)/λを計算する。
次に、ホログラム生成装置1は、実数成分計算器40によって、位相差φΔと、物体点Aの色のデータO(X,Y,Z)と、参照光3の波長λとから、干渉縞の実数成分を干渉縞の値Hとして算出する。
すなわち、O×cos(φΔ)/Zを計算する。
ホログラム生成装置1は、以上の動作を、ホログラム面上の点B毎に、点Bを通る参照光の周りの最大回折角αで決まる拡散範囲内にある物体点Aの全てに対して、前記した式(14)の値を加算したものを、点Bの干渉縞の値として出力する。以上の処理を、ホログラム生成装置1は、ホログラム面上の全ての点Bに対して行う。
第1実施形態によれば、ホログラム生成装置1は、ホログラム生成を専用のハードウエアで行ったものであり、演算語長を削減したことにより、データバス幅を短くできるので、ハードウエアのサイズを小さくできる。また、ホログラム生成装置1は、高精度演算が不要なため、演算速度を上げることができるので、高速にホログラムを生成することができる。そのため、ホログラム生成装置1は、実時間の動画ホログラム生成装置の小型化かつ低コスト化を実現できる。
また、ホログラム生成装置1によれば、8K×4K画素の超高精細液晶ディスプレイを用いてホログラム表示を行う際には、小型で低コストかつ高速なホログラム生成装置を構成できる。したがって、ホログラム生成装置1は、実時間の動画ホログラム生成に有効である。
(第2実施形態)
以下では、本発明に係るホログラム生成方法をコンピュータのプログラムにより実施する形態を第2実施形態として説明する。なお、第1実施形態と同じ構成には同じ符号を付して説明を適宜省略する。
第2実施形態では、図1に示すホログラム生成装置1は、専用のハードウエアではなく、CPU等の演算装置と、メモリ、ハードディスク等の記憶装置と、入力または出力される各種情報の送受信を行うインタフェース装置と、表示装置と、入力装置とを備えたコンピュータと、このコンピュータにインストールされたプログラムとから構成される。
ホログラム生成装置1は、ハードウエア装置とソフトウエアとが協働することによって、前記したハードウエア資源がプログラムによって制御されることにより実現され、図1に示すように、ホロ面内成分計算器10と、ホロ法線成分計算器20と、位相差計算器30と、実数成分計算器40とを備える。
第2実施形態のホログラム生成装置1の動作について図3を参照(適宜図1および図2参照)して説明する。図3は、本発明に係るホログラム生成方法をコンピュータのプログラムとして実施した場合のフローチャートである。
図3において、ステップS4ないしステップS6は、ホロ面内成分計算器10で実行する処理(ホログラム法線成分計算ステップ)である。
ステップS7ないしステップS9は、ホロ法線成分計算器20で実行する処理(ホログラム法線成分計算ステップ)である。
ステップS10は、これらの光路長差から物体光と参照光の位相差を計算する位相差計算器30で実行する処理(位相差計算ステップ)である。
ステップS11,S12は、得られた位相差から得られる干渉光の実数成分をホログラムの干渉縞の値として計算する実数成分計算器40で実行する処理(実数成分計算ステップ)である。
ホログラム生成装置1は、先ず、図示しない入力装置から、ホログラム4dを求める物体2の位置のデータ(X,Y,Z)や色のデータO(X,Y,Z)である物体データ2dと、参照光の波長λや傾きの角度θの情報を与える参照光データ3dとの入力を受け付ける(ステップS1)。なお、図示しない記憶手段に、物体データ2dと参照光データ3dとを記憶させておき、CPU等の演算装置が、この記憶手段から、物体データ2dと参照光データ3dとを読み出すように構成することも可能である。
次に、ホログラム生成装置1は、ステップS2〜ステップS15の処理ループにおいて、ホログラム面4上の全ての点について以下の計算を行う(ステップS2)。以下の計算で着目しているホログラム面上の点を点Bとする。
ホログラム生成装置1は、ステップS3〜ステップS13の処理ループにおいて、ホログラム面4上の点Bを通る参照光3の周辺で、参照光3の最大回折角αで決まる拡散範囲に含まれる物体点全てに対して、以下の計算を行う(ステップS3)。以下では、そのような物体点をAとする。
ホロ面内成分計算器10は、物体点Aで参照光3が散乱されてできた物体光5が、ホログラム面4に到達するまでの光路長dのホログラム面内成分d=X/2Zを計算する(ステップS4)。
ホロ面内成分計算器10は、物体点Aでの参照光3と同じ位相の参照光3がホログラム面4上の点Bに到達するまでの光路長rのホログラム面内成分r=Xsinθを計算する(ステップS5)。
ホロ面内成分計算器10は、ステップS4で得られた光路長dのホログラム面内成分(d成分)と、ステップS5で得られた光路長rのホログラム面内成分(r成分)との差分Δ=d−rを計算する(ステップS6)。
ホロ法線成分計算器20は、物体点Aで参照光3が散乱されてできた物体光5が、ホログラム面4に到達するまでの光路長dのホログラム面4の法線成分d=Zを計算する(ステップS7)。
ホロ法線成分計算器20は、物体点Aでの参照光3と同じ位相の参照光3がホログラム面4上の点Bに到達するまでの光路長rのホログラム面4の法線成分r=Zcosθを計算する(ステップS8)。
ホロ法線成分計算器20は、ステップS7で得られた光路長dのホログラム法線成分(d成分)と、ステップS8で得られた光路長rのホログラム法線成分(r成分)との差分Δ=d−rを計算する(ステップS9)。
位相差計算器30は、ステップS6で得られた差分値Δと、ステップS9で得られた差分値Δとの和から、基準点Cでの物体光5と参照光3との位相差φΔ=2π(Δ+Δ)/λを計算する(ステップS10)。
実数成分計算器40は、ステップS10で得られた位相差φΔと、物体点の色のデータO(X,Y,Z)と、物体点Aのホログラム面4からの距離Zとから、点Bでの干渉縞の実数成分として、H=O×cos(φΔ)/Zを干渉縞の値Hとして計算する(ステップS11)。
実数成分計算器40は、ホログラム面4上の各点(点B)毎に、干渉縞の初期値を0としてこれまでに計算した干渉縞の値に、ステップS11で今回得られた干渉縞の値Hを加える(ステップS12)。
ホログラム生成装置1は、ホログラム面4上の点Bを通る参照光3の周辺で、参照光3の最大回折角αで決まる拡散範囲内の全ての物体点Aについて干渉縞の値Hを計算したか否かを判別する(ステップ13)。最大回折角αで決まる拡散範囲内にある全ての物体点Aについて干渉縞の値Hをまだ計算していない場合(ステップS13:No)、ホログラム生成装置1は、ステップS3に戻る。
ステップS13において、最大回折角αで決まる拡散範囲内にある全ての物体点Aについて干渉縞の値Hを計算した場合(ステップS13:Yes)、ホログラム生成装置1は、ホログラム面4上の当該点Bに関して得られた加算結果を、基準点Cでの干渉縞の値として出力する(ステップS14)。
ホログラム生成装置1は、ホログラム面4内の全てのホログラム点(点B)で干渉縞の値Hを計算したか否かを判別する(ステップ15)。ここで、点Bを変えるたびに、その新たな点Bを座標原点に設定して同様な計算を行う。全ての点Bについて干渉縞の値Hをまだ計算していない場合(ステップS15:No)、ホログラム生成装置1は、ステップS2に戻る。一方、全ての点Bについて干渉縞の値Hを計算した場合(ステップS15:Yes)、ホログラム生成装置1は、処理を終了する。この場合、得られた加算結果がホログラム4dとなる。
第2実施形態によれば、第1実施形態と同様な効果を奏すると共に、専用のハードウエアを構築することなく、一般的なコンピュータを、前記したホロ面内成分計算器10、ホロ法線成分計算器20、位相差計算器30および実数成分計算器40として機能させるプログラム(ホログラム生成プログラム)を使用することで、図1に示したホログラム生成装置1を実現することができる。このプログラム(ホログラム生成プログラム)は、通信回線を介して配布することも可能であるし、CD−ROM等の記録媒体に書き込んで配布することも可能である。
(第3実施形態)
第1および第2実施形態では、参照光がホログラム面に対して傾いているオフアクシスホログラムの場合について説明したが、本発明は、参照光がホログラム面に垂直なインラインホログラムの場合にも適用できる。第1および第2実施形態においても、参照光の傾きθ=0とすればそのまま適用できるが、インラインホログラム専用の形態を第3実施形態として説明する。
第3実施形態のホログラム生成装置は、参照光の傾きの角度θが0である点以外は、第1実施形態と同様なので図面および説明を適宜省略する。具体的には図1のホロ法線成分計算器20を省略すればよい。また、第3実施形態では、参照光データ3dは、参照光の傾きの角度θの情報を含む必要はない。
第3実施形態では、参照光の傾きがθ=0であるので、図2に示す座標空間にて形式的にθ=0とした場合の座標空間を図4に示す。なお、θ=0とした場合には、角度αは、図4に示す∠BACである。図4に示す座標空間は、θ以外は、図2に示す座標空間と同様なので説明を省略する。なお、図4において、Z軸に参照光3が重なっていることを示すためZ軸の一部を二点鎖線で示した。
また、数式においては、物体光と参照光の光路長差を求める際に用いる前記した式(12a)において、θ=0を代入することによって、次の式(15)のように簡単になる。なお、式(15)のΔは、再定義したものである。
Figure 2011186072
式(15)によれば、前記した式(12a)とは異なって、物体光と参照光の光路長差(d−r)は、ホログラム面の法線成分(Δ)を含まない。つまり、物体光と参照光の光路長差を求める際には、ホログラム面の面内成分(Δ)の計算のみを行えばよい。
一方、従来のインラインホログラムの場合には、図5を用いて説明したように、ホログラム面4上の基準点Cを通る参照光3(図5の最も右側の参照光)の位相を0として、ホログラム面4上のどこでも位相は0になるとみなす。つまり、物体光との位相差を求めるための参照光の位相の値を0にしていた。そして、物体光がホログラム面に到達するまでの光路長のホログラム面内成分(d)と、ホログラム法線成分(d)とをそれぞれ計算して、その和を求めていた。
これに対して、各実施形態に係るホログラム生成方法では、図2を用いて説明したように、ホログラム面4上の点Bに到達した参照光3の基準位相を、点Bに到達した参照光3と同じ位相の参照光3(図2に示した真ん中の参照光)が物体点Aに当たった時点での位相とみなしている。なお、図4に示す座標空間においても基準位相を同様に設定する。つまり、本実施形態に係るホログラム生成方法では、物体光との位相差を求めるための参照光の位相を「0ではない値」とした。これにより、第3実施形態では、物体光の光路長dのホログラム法線成分(d=Z)がキャンセルされ、Δの項が0となるので、Δの項のX/2Zのみの計算でよくなった。その結果、さらに高速にホログラム計算を行うことが可能になった。
なお、第3実施形態のホログラム生成装置は、第2実施形態と同様にしてホログラム生成プログラムがインストールされた一般的なコンピュータで構成してもよい。この場合には、ステップS7〜ステップS9の処理を省略することができる。
以上、本発明の好ましい実施形態についてそれぞれ説明したが、本発明のホログラム生成装置およびその方法は、各実施形態に限定されるものではない。例えば、各実施形態では、説明を分かり易くするために、物体光の初期位相を「0」としたが、物体の隣接点からの光でできる干渉縞の値が同じになってお互いの干渉縞を打ち消さないようにするために、物体点A毎に、0〜2πの間のランダムな初期位相値を加えてもよい。このようにしてもホログラムが正しく求まる理由は、元の物体光の方向に照明光を曲げるために必要な干渉縞の条件は、縞の間隔のみでよく、縞の位相には無関係であるからである。この干渉縞の間隔は、物体光の初期位相に無関係で、ホログラム面上の隣り合う点での物体光の光路差のみで決まる。
また、図2、図4および図5にて示した座標空間において、ホログラム面内方向の距離X、ホログラム面と物体点との距離Z、角度θ、角度α等は、それぞれの配置を明確に説明するために誇張して示してあるので、これに限定されるものではない。また、各実施形態では、簡単のため、3次元空間の物体点のY座標値を0としたが、0以外の値としてもよい。この場合には、例えば前記した式(6)以降のホログラムの計算式において、XをX+Yで置き換えればよい。また、各実施形態では、ホログラム面上の点(点B)毎に、光の拡散範囲内の物体光の位相差の実数成分を加算して干渉縞の値を求めたが、加算する順番はこれに限定されるものではない。例えば、物体点(点A)毎に、光の拡散範囲内の物体光の位相差の実数成分をホログラム面内の各点に記録し、物体点を変える毎に、同様にして得られた物体光の位相差の実数成分を、ホログラム面内の各点に記録した値に加算していってもよい。
本発明は、立体映像技術分野はもちろんのこと、医療技術分野、教育分野などに利用することができる。
1 ホログラム生成装置
10 物体光と参照光の光路長差のホロ面内成分計算器
20 物体光と参照光の光路長差のホロ法線成分計算器
30 位相差計算器
40 実数成分計算器

Claims (6)

  1. 物体の位置および物体光としての複素振幅の情報を含む物体データと、参照光の波長およびホログラム面に対する傾斜角度の情報を含む参照光データとを用いて、前記物体のホログラムを生成するホログラム生成装置であって、
    前記物体の位置と前記参照光の波長とに基づいて、前記物体の第1の所定点で生じた物体光が前記ホログラム面上の第2の所定点に到達するまでの距離を表す物体光の光路長と、前記参照光が前記物体の前記第1の所定点に当たった時点での当該参照光の位相を基準位相として、前記ホログラム面上の前記第2の所定点に到達する参照光の位相が前記基準位相と等しくなる位置と前記第2の所定点との距離を表す参照光の光路長と、の差分を示す光路長差を形式的に2つの値に分けたときの一方の値として、前記ホログラム面上に、前記物体の第1の所定点から引いた法線が交わる交点と前記第2の所定点との間の距離に係る値を示すホログラム面内成分を算出するホログラム面内成分計算手段と、
    前記物体の位置と前記参照光の波長とに基づいて、前記光路長差を形式的に2つの値に分けたときの他方の値として、前記ホログラム面から前記物体の第1の所定点までの距離に係る値を示すホログラム法線成分を算出するホログラム法線成分計算手段と、
    前記光路長差のホログラム面内成分と前記光路長差のホログラム法線成分とを加算し、この加算結果と前記参照光の波長とに基づいて、前記物体光の位相と前記参照光の位相との差分を示す位相差を算出する位相差計算手段と、
    前記物体の位置および複素振幅と、前記位相差とに基づいて、前記ホログラムの干渉縞の値として、前記複素振幅の実数成分を算出する実数成分計算手段と、
    を備えることを特徴とするホログラム生成装置。
  2. 物体の位置および物体光としての複素振幅の情報を含む物体データと、ホログラム面に垂直に入射する参照光の波長の情報を含む参照光データとを用いて前記物体のホログラムを生成するホログラム生成装置であって、
    前記物体の位置と前記参照光の波長とに基づいて、前記物体の第1の所定点で生じた物体光が前記ホログラム面上の第2の所定点に到達するまでの距離を表す物体光の光路長と、前記参照光が前記物体の前記第1の所定点に当たった時点での当該参照光の位相を基準位相として、前記ホログラム面上の前記第2の所定点に到達する参照光の位相が前記基準位相と等しくなる位置と前記第2の所定点との距離を表す参照光の光路長と、の差分を示す光路長差として、前記ホログラム面上に、前記物体の第1の所定点から引いた法線が交わる交点と前記第2の所定点との間の距離に係る値を示すホログラム面内成分を算出するホログラム面内成分計算手段と、
    前記光路長差のホログラム面内成分と前記参照光の波長とに基づいて、前記物体光の位相と前記参照光の位相との差分を示す位相差を算出する位相差計算手段と、
    前記物体の位置および複素振幅と、前記位相差とに基づいて、前記ホログラムの干渉縞の値として、前記複素振幅の実数成分を算出する実数成分計算手段と、
    を備えることを特徴とするホログラム生成装置。
  3. 物体の位置および物体光としての複素振幅の情報を含む物体データと、参照光の波長およびホログラム面に対する傾斜角度の情報を含む参照光データとを用いて前記物体のホログラムを生成するホログラム生成装置のホログラム生成方法であって、
    前記ホログラム生成装置は、
    前記物体の位置と前記参照光の波長とに基づいて、前記物体の第1の所定点で生じた物体光が前記ホログラム面上の第2の所定点に到達するまでの距離を表す物体光の光路長と、前記参照光が前記物体の前記第1の所定点に当たった時点での当該参照光の位相を基準位相として、前記ホログラム面上の前記第2の所定点に到達する参照光の位相が前記基準位相と等しくなる位置と前記第2の所定点との距離を表す参照光の光路長と、の差分を示す光路長差を形式的に2つの値に分けたときの一方の値として、前記ホログラム面上に、前記物体の第1の所定点から引いた法線が交わる交点と前記第2の所定点との間の距離に係る値を示すホログラム面内成分を算出するホログラム面内成分計算ステップと、
    前記物体の位置と前記参照光の波長とに基づいて、前記光路長差を形式的に2つの値に分けたときの他方の値として、前記ホログラム面から前記物体の第1の所定点までの距離に係る値を示すホログラム法線成分を算出するホログラム法線成分計算ステップと、
    前記光路長差のホログラム面内成分と前記光路長差のホログラム法線成分とを加算し、この加算結果と前記参照光の波長とに基づいて、前記物体光の位相と前記参照光の位相との差分を示す位相差を算出する位相差計算ステップと、
    前記物体の位置および複素振幅と、前記位相差とに基づいて、前記ホログラムの干渉縞の値として、前記複素振幅の実数成分を算出する実数成分計算ステップと、
    を含んで実行することを特徴とするホログラム生成方法。
  4. 物体の位置および物体光としての複素振幅の情報を含む物体データと、ホログラム面に垂直に入射する参照光の波長の情報を含む参照光データとを用いて前記物体のホログラムを生成するホログラム生成装置のホログラム生成方法であって、
    前記ホログラム生成装置は、
    前記物体の位置と前記参照光の波長とに基づいて、前記物体の第1の所定点で生じた物体光が前記ホログラム面上の第2の所定点に到達するまでの距離を表す物体光の光路長と、前記参照光が前記物体の前記第1の所定点に当たった時点での当該参照光の位相を基準位相として、前記ホログラム面上の前記第2の所定点に到達する参照光の位相が前記基準位相と等しくなる位置と前記第2の所定点との距離を表す参照光の光路長と、の差分を示す光路長差として、前記ホログラム面上に、前記物体の第1の所定点から引いた法線が交わる交点と前記第2の所定点との間の距離に係る値を示すホログラム面内成分を算出するホログラム面内成分計算ステップと、
    前記光路長差のホログラム面内成分と前記参照光の波長とに基づいて、前記物体光の位相と前記参照光の位相との差分を示す位相差を算出する位相差計算ステップと、
    前記物体の位置および複素振幅と、前記位相差とに基づいて、前記ホログラムの干渉縞の値として、前記複素振幅の実数成分を算出する実数成分計算ステップと、
    を含んで実行することを特徴とするホログラム生成方法。
  5. 物体の位置および物体光としての複素振幅の情報を含む物体データと、参照光の波長およびホログラム面に対する傾斜角度の情報を含む参照光データとを用いて前記物体のホログラムを生成するために、コンピュータを、
    前記物体の位置と前記参照光の波長とに基づいて、前記物体の第1の所定点で生じた物体光が前記ホログラム面上の第2の所定点に到達するまでの距離を表す物体光の光路長と、前記参照光が前記物体の前記第1の所定点に当たった時点での当該参照光の位相を基準位相として、前記ホログラム面上の前記第2の所定点に到達する参照光の位相が前記基準位相と等しくなる位置と前記第2の所定点との距離を表す参照光の光路長と、の差分を示す光路長差を形式的に2つの値に分けたときの一方の値として、前記ホログラム面上に、前記物体の第1の所定点から引いた法線が交わる交点と前記第2の所定点との間の距離に係る値を示すホログラム面内成分を算出するホログラム面内成分計算手段、
    前記物体の位置と前記参照光の波長とに基づいて、前記光路長差を形式的に2つの値に分けたときの他方の値として、前記ホログラム面から前記物体の第1の所定点までの距離に係る値を示すホログラム法線成分を算出するホログラム法線成分計算手段、
    前記光路長差のホログラム面内成分と前記光路長差のホログラム法線成分とを加算し、この加算結果と前記参照光の波長とに基づいて、前記物体光の位相と前記参照光の位相との差分を示す位相差を算出する位相差計算手段、
    前記物体の位置および複素振幅と、前記算出された位相差とに基づいて、前記ホログラムの干渉縞の値として、前記複素振幅の実数成分を算出する実数成分計算手段、
    として機能させるためのホログラム生成プログラム。
  6. 物体の位置および物体光としての複素振幅の情報を含む物体データと、ホログラム面に垂直に入射する参照光の波長の情報を含む参照光データとを用いて前記物体のホログラムを生成するために、コンピュータを、
    前記物体の位置と前記参照光の波長とに基づいて、前記物体の第1の所定点で生じた物体光が前記ホログラム面上の第2の所定点に到達するまでの距離を表す物体光の光路長と、前記参照光が前記物体の前記第1の所定点に当たった時点での当該参照光の位相を基準位相として、前記ホログラム面上の前記第2の所定点に到達する参照光の位相が前記基準位相と等しくなる位置と前記第2の所定点との距離を表す参照光の光路長と、の差分を示す光路長差として、前記ホログラム面上に、前記物体の第1の所定点から引いた法線が交わる交点と前記第2の所定点との間の距離に係る値を示すホログラム面内成分を算出するホログラム面内成分計算手段、
    前記光路長差のホログラム面内成分と前記参照光の波長とに基づいて、前記物体光の位相と前記参照光の位相との差分を示す位相差を算出する位相差計算手段、
    前記物体の位置および複素振幅と、前記位相差とに基づいて、前記ホログラムの干渉縞の値として、前記複素振幅の実数成分を算出する実数成分計算手段、
    として機能させるためのホログラム生成プログラム。
JP2010049482A 2010-03-05 2010-03-05 ホログラム生成装置およびその方法、プログラム Active JP5516957B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010049482A JP5516957B2 (ja) 2010-03-05 2010-03-05 ホログラム生成装置およびその方法、プログラム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010049482A JP5516957B2 (ja) 2010-03-05 2010-03-05 ホログラム生成装置およびその方法、プログラム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011186072A true JP2011186072A (ja) 2011-09-22
JP5516957B2 JP5516957B2 (ja) 2014-06-11

Family

ID=44792451

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010049482A Active JP5516957B2 (ja) 2010-03-05 2010-03-05 ホログラム生成装置およびその方法、プログラム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5516957B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9618902B2 (en) 2012-11-26 2017-04-11 Samsung Electronics Co., Ltd. Apparatus and method for generating hologram pattern
CN110738727A (zh) * 2019-09-29 2020-01-31 东南大学 一种基于光场的复振幅全息图算法
CN112534358A (zh) * 2018-08-13 2021-03-19 柏林工业大学 用于基于电子全息术检测测量值的设备和方法
KR102424819B1 (ko) * 2021-10-29 2022-07-27 (주)힉스컴퍼니 물체 형상 복원 방법

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101803202B1 (ko) * 2015-12-18 2017-11-29 한국전자통신연구원 이진 홀로그램 생성 방법 및 장치
US10191450B2 (en) 2015-12-18 2019-01-29 Electronics And Telecommunications Research Institute Method and apparatus for generating binary hologram

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009187027A (ja) * 2009-05-15 2009-08-20 Dainippon Printing Co Ltd ホログラム記録媒体およびその製造方法
JP2009199060A (ja) * 2008-01-22 2009-09-03 Dainippon Printing Co Ltd 計算機合成ホログラムの作製方法及びその方法により作製された計算機合成ホログラム、並びに、計算機合成ホログラム

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009199060A (ja) * 2008-01-22 2009-09-03 Dainippon Printing Co Ltd 計算機合成ホログラムの作製方法及びその方法により作製された計算機合成ホログラム、並びに、計算機合成ホログラム
JP2009187027A (ja) * 2009-05-15 2009-08-20 Dainippon Printing Co Ltd ホログラム記録媒体およびその製造方法

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9618902B2 (en) 2012-11-26 2017-04-11 Samsung Electronics Co., Ltd. Apparatus and method for generating hologram pattern
CN112534358A (zh) * 2018-08-13 2021-03-19 柏林工业大学 用于基于电子全息术检测测量值的设备和方法
CN112534358B (zh) * 2018-08-13 2023-07-04 柏林工业大学 用于基于电子全息术检测测量值的设备和方法
CN110738727A (zh) * 2019-09-29 2020-01-31 东南大学 一种基于光场的复振幅全息图算法
CN110738727B (zh) * 2019-09-29 2024-04-02 东南大学 一种基于光场的复振幅全息图方法
KR102424819B1 (ko) * 2021-10-29 2022-07-27 (주)힉스컴퍼니 물체 형상 복원 방법
WO2023075368A1 (ko) * 2021-10-29 2023-05-04 (주)힉스컴퍼니 물체 형상 복원 방법

Also Published As

Publication number Publication date
JP5516957B2 (ja) 2014-06-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5516957B2 (ja) ホログラム生成装置およびその方法、プログラム
Yin et al. Temporal phase unwrapping using deep learning
US11378917B2 (en) Displaying three-dimensional objects
JP4294526B2 (ja) デジタルホログラフィ装置及びデジタルホログラフィを用いた像再生方法
EP2930461A1 (en) Three-dimensional shape measuring device, method for acquiring hologram image, and method for measuring three-dimensional shape
JP2006105983A (ja) 物体の形状測定方法および装置
JP2010039501A (ja) 3次元移動の自由視点映像生成方法および記録媒体
Li et al. High precision computer-generated moiré profilometry
JP2006200998A (ja) 画像処理装置、画像処理プログラムおよび屈折率分布測定装置
JP2007071584A (ja) デジタルホログラフィを利用した変位分布計測方法及び装置
CN109313009A (zh) 用于确定输入射束簇的相位的方法
JP2018205430A (ja) 位相シフトデジタルホログラフィ装置及びそのプログラム
CN104698801B (zh) 一种通过一步固定角相移消除数字全息零级像的方法
Zhang et al. Color-encoded single-shot computer-generated Moiré profilometry
Jackson et al. Abel inversion of a holographic interferogram for determination of the density profile of a sheared-flow Z pinch
Li et al. Optimized layered method for real-time interactive holographic display based on ray-tracing technique
Huang et al. 3D reconstruction of structured light based on infrared MEMS
Li et al. Computer-generated moiré profilometry based on fringe-superposition
WO2022138716A1 (ja) 光学測定システムおよび光学測定方法
Montano-Murillo et al. OpenMPD: A low-level presentation engine for Multimodal Particle-based Displays
JP2009204823A (ja) シミュレーション方法及びシミュレーション用のプログラム
JP6607491B2 (ja) ホログラムデータ生成装置及びそのプログラム
JP2009036791A (ja) ホログラム作成装置およびホログラム作成方法
US10339694B2 (en) Ray tracing apparatus and method
JP7277610B2 (ja) 試料構造測定装置及び試料構造測定方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20130205

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20131225

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140107

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140219

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140311

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140319

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5516957

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250