JP2011183749A - 反転機構付印刷機の印刷切替え装置 - Google Patents

反転機構付印刷機の印刷切替え装置 Download PDF

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Abstract

【課題】小さな力で両歯車の固定と固定解除をスムーズに行うことができ、簡単な構成で耐久性の高い反転機構付印刷機の印刷切替え装置を提供することをその課題とする。
【解決手段】制御部50は油圧源Sを制御してパイプ25bにオイルを供給し、油圧シリンダ25の段付シャフト25aを伸長させる。するとディスクA17はバネ15の付勢力に抗してテーパリング13から離間する方向に移動し、テーパリング13をギヤホルダ9と嵌合する方向に押圧する力が解除される。次に制御部50は油圧源Sを制御して、パイプ31、29、連通孔9bを介してテーパリング13の内周面にオイルを供給する。するとテーパリング13は外側に力を与えられることとなり、ギヤホルダ9との嵌合が解かれ、ディスクA17の方向に移動する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、片面印刷と両面印刷とを可能にする反転機構付印刷機に関し、反転胴よりも上流の胴群と下流の胴群との円周方向の位相を調節する印刷切替え装置に関する。
一台の印刷機で、片面刷りと両面刷りが行える反転機構付印刷機について、片面刷りと両面刷りとの切替え等において、反転胴よりも上流の胴群と下流の胴群との円周方向の位相を調節する必要がある。特許文献1にはこの切替え装置についての開示があり、それぞれ傾斜面を有する回転歯車とテーパリングとのくさび作用により両者は反転胴の短軸と一体回転するようになっており、エアシリンダ等で駆動するてこレバーの動作により、ボルトと皿ばねとを介してネジ軸を進退させ、歯車同士の固定や固定解除を行っている。
特開平7−17020号公報
特許文献1の構成によると、固定解除時にばねの付勢力に抗してテーパリングが回転歯車に摺接しながら軸方向に移動して両歯車の固定が解除されるが、ばねの付勢力と両歯車がくさび固定されている力とを上回る力が駆動源に必要となり、てこレバーのようなものを用いる必要が生じる等、装置の大型化やコスト高を招く可能性があった。また、固定解除時のテーパリングの軸方向移動により、両歯車の磨耗の懸念もあった。また、テーパリングの複数箇所に穴加工する必要があり、構成の複雑化やテーパリングの強度面での懸念もあった。
本発明はこのような問題を解決するためになされたもので、その目的は、小さな力で両歯車の固定と固定解除をスムーズに行うことができ、簡単な構成で耐久性の高い反転機構付印刷機の印刷切替え装置を提供することである。
本発明は、テーパ面9aを有し、隣接する一方の胴8の端軸8aに固定された固定歯車9(10)と、該固定歯車9(10)のテーパ面9aに嵌合するテーパ13a面を有し、他方の胴7と駆動連結され、該固定歯車9(10)と同軸かつ該固定歯車9(10)に対する円周方向への位相調節を可能に形成された回転歯車13(11)と、該回転歯車13(11)が該固定歯車9(10)に嵌合するよう付勢する付勢手段15とを備え、これら両歯車間の回転伝達の断接と位相調節とにより片面刷と両面刷との切替えを行う反転機構付印刷機の印刷切替え装置において、
該付勢手段15の付勢力を解除する第1の解除手段25と、該回転歯車13(11)と該固定歯車9(10)との嵌合を解除する第2の解除手段9b、29、31とを備え、前記切替えの際、該第1の解除手段25による解除が行われた後、該第2の解除手段9b、29、31による解除が行われることを特徴とする。
本発明の反転機構付印刷機の印刷切替え装置によれば、切替えの際、第1の解除手段による解除が行われた後、第2の解除手段による解除が行われるようにしたので、小さな力で両歯車の固定と固定解除をスムーズに行うことができ、簡単な構成で耐久性の高い反転機構付印刷機の印刷切替え装置を提供することができる。
本発明に係る反転機構付印刷機の一例を示す概略構成図である。 本発明に係る反転機構付印刷機の印刷切替え装置の一部拡大図であって、両歯車が固定された状態を示す。(a)は反転胴軸8a付近の拡大図であり、(b)は(a)のE−E線矢視図である。 本発明に係る反転機構付印刷機の印刷切替え装置の一部拡大図であって、両歯車が固定解除された状態を示す。 本発明に係る反転機構付印刷機の印刷切替え装置の制御部の構成を示す概略ブロック図である。
次に本発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。
図1は反転機構を備えた印刷機の一例である。図1の概略側面図に示す通り、本実施例に係る印刷機は枚葉オフセット印刷機である。この印刷機は、紙積み台からフィーダ装置や用紙分離装置等により一枚ずつ印刷用紙としての枚葉紙Pを送り出すための給紙部Aと、この給紙部Aからの枚葉紙Pに印刷を行うための印刷部B1〜B4と、枚葉紙Pを反転させるための反転部Cと、枚葉紙Pを排紙するための排紙部Dとを備えている。
ここで印刷部は、4色の印刷が行えるように4台の印刷ユニットを備えた印刷部B1〜B4としているが、4色以外の印刷が行える印刷部であってもよい。又、前記排紙部Dは、グリッパを備えるチェーン搬送装置にて構成しているが、チェーン搬送装置に限らなくてもよい。又、印刷機を構成する各部の具体的な構成は図に示されるものに限定されるものではない。
前記印刷部B1〜B4は、印刷版が巻回される版胴1とゴム胴2と、版胴1にインキを供給する図示しないインキローラ群、そして圧胴3と渡し胴4とを備えている。図示していないが、前記胴のそれぞれには、送り出されてきた枚葉紙を爪台と爪とで把持するグリッパを円周方向の2箇所(1箇所又は3箇所以上でもよい)に備えている。符号5は給紙胴であり、フィーダーボード6上を搬送される枚葉紙Pを図示しないスイングアームから受け取り、圧胴3に渡す役割を果たす。給紙胴5、スイングアームにも前記の爪台と爪が設けられている。
反転部Cは主に反転渡し胴7と反転胴8とで構成される。反転渡し胴7、反転胴8にも前記の爪台と爪が設けられている。片面印刷時において、反転胴8は反転渡し胴7から渡される枚葉紙Pの前縁を前記爪台と爪とで把持し、両面印刷時においては枚葉紙Pの後縁を把持するように制御される。
図2を参照して反転部Cにおける印刷切替え装置について説明する。反転胴8の反転胴軸8aにはギヤホルダ9が固定されており、ギヤホルダ9には固定ギヤ10が挿入され、ボルト12により固定されている。また、ギヤホルダ9には回転ギヤ11が回転自在かつ反転胴軸8aの軸方向に移動自在に嵌挿されており、回転ギヤ11とギヤホルダ9との間にはテーパリング13が回転自在かつ前記軸方向に移動自在に嵌挿されている。テーパリング13はテーパ面13aを有しており、テーパリング13の軸方向移動により、ギヤホルダ9のテーパ面9aと嵌合するよう構成されている。
固定ギヤ10は反転胴8よりも下流側の圧胴3に設けられた図示しないギヤと噛み合っており、回転ギヤ11は反転渡し胴7に設けられた図示しないギヤと噛み合っている。なお、反転胴軸8aとギヤホルダ9と固定ギヤ10が本発明における固定歯車に該当し、回転ギヤ11とテーパリング13が本発明における回転歯車に該当する。
また、ギヤホルダ9には連通孔9bが設けられている。連通孔9bは後述の油圧源Sから供給されるオイルが挿通可能となっており、後述のニップル30が接続され、反転胴軸8aに平行な孔9b1と、この孔9b1に直交し、ギヤホルダ9の表面に接続される孔9b2と、ギヤホルダ9の表面に環状に形成された環状溝9b3からなる。
ギヤホルダ9には支柱14が4箇所設けられており、各支柱14にはディスクA17がその穴部を挿入されることにより、前記軸方向に移動自在に嵌挿されている。支柱14の一端にはダブルナット16が設けられ、ダブルナット16とディスクA17との間にはバネ15が嵌挿されており、バネ15はディスクA17を回転ギヤ11側に付勢する。よってディスクA17はテーパリング13を軸方向に移動させ、テーパリング13とギヤホルダ9とが嵌合し、くさび作用によりギヤホルダ9、テーパリング13、回転ギヤ11が一体的に回転可能となる。
ディスクA17には4本のシャフト19の一端がボルト18にて固定されており、シャフト19の他端はネジ部となっており、該ネジ部にディスクB20の穴部が挿入され、ナット21によりディスクB20はシャフト19に固定される。よって、反転胴8の回転に伴い、反転胴軸8a、ギヤホルダ9、ディスクA17、シャフト19、ディスクB20も一体的に回転する。
ディスクB20は中央に穴部を有し、この穴部にはホルダ22が遊嵌挿入されている。ホルダ22はディスクB20と略平行に設けられた可動部材23の中央に設けられた穴部にも挿入され、キー24により回転方向に規制されている。可動部材23は略長方形の板状部材であり、その両端には一対の油圧シリンダ25の段付きシャフト25aが遊嵌されている。油圧シリンダ25はサブフレーム34に固定されており、パイプ25b、25cが接続されている。パイプ25b、25cには図示しない油圧源Sからのオイルが供給されるよう構成されており、パイプ25bにオイルが供給されると油圧シリンダ25の段付シャフト25aは伸長し、パイプ25cにオイルが供給されると油圧シリンダ25の段付シャフト25aは縮小する。なお、この油圧シリンダ25が本発明における第1の解除手段である。
ホルダ22とディスクB20と可動部材23との間には、スラストベアリング26、27が設けられる。ホルダ22の端部はネジ部となっており、ワッシャを介してナット33により可動部材23に固定されている。ホルダ22はディスクB20の穴部に遊嵌されていることとスラストベアリング26、27の存在により、反転胴8の回転時、ディスクB20は回転するが、ホルダ22、可動部材23は回転しない。
ホルダ22のギヤホルダ9との対向面には、継手28が設けられており、継手28にはパイプ29が回転可能に挿入されている。パイプ29の他端はギヤホルダ9に取り付けられたニップル30に接続されている。また、ホルダ22のナット33側の端部にはニップル32が固定され、ニップル32にはパイプ31が接続されている。パイプ31には図示しない油圧源Sからのオイルが供給されるよう構成されている。なお、このパイプ31、29と前述の連通孔9bとが本発明における第2の解除手段である。
図4は本発明に係る反転機構付印刷機の印刷切替え装置の制御部の構成を示す概略ブロック図であり、前述の油圧源S、タッチパネル式で印刷機の各種操作が可能なモニタT、制御部50により構成されている。制御部50は演算処理等を行うマイクロプロセッサ50a(シーケンサでもよい)、データ及び所定のプログラム(演算式あるいはテーブル等)を記憶するROM50b、機械回転数等に関する種々の情報を記憶可能なRAM50c、マイクロプロセッサ50aと制御部50外部に設けられた装置との間における各種信号のやりとりを仲介するインターフェイス50d等を用いて構成されている。
本発明に係る反転機構付印刷機の印刷切替え装置の作用について説明する。
通常運転時において、ギヤホルダ9とテーパリング13とはテーパ面9aとテーパ面13aとのくさび作用により嵌合している(油圧源Sからパイプ25cへオイルが供給されており、油圧シリンダ25の段付シャフト25aが縮小する方向に力が働いており、よってバネ15の力によりディスクA17はテーパリング13を押圧している)が、片面印刷時から両面印刷時への切替えや両面印刷時から片面印刷時への切替えにおいて、各胴の位相調整のためにギヤホルダ9とテーパリング13との嵌合を解除する必要がある。
これらの切替え指示をオペレータがモニタTにより行うと、制御部50は油圧源Sを制御して、パイプ25cへのオイル供給をやめて第1の解除手段であるパイプ25bにオイルを供給し、油圧シリンダ25の段付シャフト25aを伸長させる。すると図3のように、ディスクA17はバネ15の付勢力に抗してテーパリング13から離間する方向に移動する。これで、テーパリング13をギヤホルダ9と嵌合する方向に押圧する力が解除される。
次に制御部50は油圧源Sを制御して、第2の解除手段であるパイプ31、29、連通孔9bを介してテーパリング13の内周面にオイルを供給する。するとテーパリング13は外側に力を与えられることとなり、ギヤホルダ9との嵌合が解かれ、ディスクA17の方向に移動する。これにより回転ギヤ11もギヤホルダ9に対して回転可能になる。よって各胴の位相調整が可能となるので、オペレータはモニタTから位相調整指示を行う。なお、パイプ31、29、連通孔9bへのオイル供給については、テーパリング13とギヤホルダ9との嵌合が解除されれば供給の必要はなくなるので、1秒くらいの供給で十分である。
テーパリング13は、ギヤホルダ9と嵌合する方向への押圧力が解除された後、連通孔9bからのオイル供給により外側に力を与えられて嵌合が解かれるので、スムーズな嵌合解除を行うことができる。また、前述した第1の解除手段及び第2の解除手段は、同一の油圧源Sが使用されるので、装置の大型化を招くことがない。
回転ギヤ11のギヤホルダ9に対する位相調整が終了したら、制御部50はパイプ25bへのオイル供給をやめてパイプ25cにオイルを供給し、油圧シリンダ25の段付シャフト25aを縮小させる。するとバネ15の力によりディスクA17は再びテーパリング13を押圧し、テーパリング13はギヤホルダ9と嵌合する。
尚、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば前述の実施形態では、ギヤホルダ9とテーパリング13にそれぞれテーパ面9a,13aが設けられていたが、テーパリング13を設けず、回転ギヤ11にテーパ面が設けられたものを採用してもよい。また、ギヤホルダ9を設けず、反転胴軸8にテーパ面が設けられてもよい。固定ギヤ10と回転ギヤ11との両方にテーパ面を設け、両者を嵌合させてもよい。
また、前述の実施形態では、枚葉オフセット印刷機であったが、これに限定されず、インクジェット式印刷機やフレキソ印刷機のようなものであってもよい。
本発明に係る反転機構付印刷機の印刷切替え装置は、片面、両面印刷が可能な反転機構を備えた印刷機において極めて有用である。
7 反転渡し胴 8 反転胴 9 ギヤホルダ
9b 連通孔(第2の解除手段) 10 固定ギヤ 11 回転ギヤ
13 テーパリング 17 ディスクA 22 ホルダ
25 油圧シリンダ 25b パイプ(第1の解除手段)
25c パイプ 29 パイプ(第2の解除手段)
31 パイプ(第2の解除手段)

Claims (1)

  1. テーパ面を有し、隣接する一方の胴の端軸に固定された固定歯車と、該固定歯車のテーパ面に嵌合するテーパ面を有し、他方の胴と駆動連結され、該固定歯車と同軸かつ該固定歯車に対する円周方向への位相調節を可能に形成された回転歯車と、該回転歯車が該固定歯車に嵌合するよう付勢する付勢手段とを備え、これら両歯車間の回転伝達の断接と位相調節とにより片面刷と両面刷との切替えを行う反転機構付印刷機の印刷切替え装置において、
    該付勢手段の付勢力を解除する第1の解除手段と、該回転歯車と該固定歯車との嵌合を解除する第2の解除手段とを備え、前記切替えの際、該第1の解除手段による解除が行われた後、該第2の解除手段による解除が行われることを特徴とする反転機構付印刷機の印刷切替え装置。
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